組成物を貯蔵および注出するためのデバイス
【課題】 効率的に使用され、製造が容易な、多成分組成物を貯蔵し注出するパッケージが必要とされている。
【解決手段】 本発明は、第1のフィルム(14)と第2のフィルム(32)の間の封止接合によって画定されている第1のチャンバ(24)、第3のフィルム(34)と第4のフィルム(16)の間の封止接合によって画定されている第2のチャンバ(30)(第3のフィルムは少なくとも部分的に第2のフィルムに隣接する)、第1のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバ(26)を含む包装物品である。
【解決手段】 本発明は、第1のフィルム(14)と第2のフィルム(32)の間の封止接合によって画定されている第1のチャンバ(24)、第3のフィルム(34)と第4のフィルム(16)の間の封止接合によって画定されている第2のチャンバ(30)(第3のフィルムは少なくとも部分的に第2のフィルムに隣接する)、第1のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバ(26)を含む包装物品である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性成分を貯蔵および注出するためのパッケージに関する。特に、本発明は、別々の流動性成分を貯蔵し、流動性成分を実質的に同時に注出するためのパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の液体および半液体組成物は2種類以上の流動性成分から製造され、これらは典型的には使用直前まで一緒に混合されない。例えば、エポキシなどのある一定の接着剤は、最初、接着剤の成分を互いに分離された状態に保存するパッケージで販売される。このような接着剤を使用する必要がある時はいつでも、成分は一緒に混合され、2成分間の化学反応が開始する。成分を混合した後、組成物が過度に硬化しないうちに組成物を作業部位に塗布する。
【0003】
何年にもわたって、多成分組成物の成分を別々に収容し、貯蔵するために多数のパッケージが提案されてきた。他成分組成物に通常使用されるパッケージの例としては、デュアルチャンバカートリッジ、スタチックミキサ、およびアプリケータアセンブリが挙げられる。しかし、このようなパッケージは、様々な用途で、特に、組成物を比較的少量しか必要としない場合に、多成分組成物を注出するのに十分ではない。そのような場合、当面の作業に十分な量を取った後、最初の流動性成分の大部分はカートリッジ内に残存することがある。
【0004】
更に、パッケージを歯科学などのヘルスケア分野で使用するとき、使用者は、診療室で患者間の交差汚染を回避するように注意しなければならないが、そこでは単一のパッケージからの組成物が異なる患者間で複数の処置に使用される。必要に応じて、カートリッジ、スタチックミキサ、およびアプリケータアセンブリの消毒が確実に達成されるように注出アセンブリを適切に取り扱うことによって、交差汚染の問題に対処することができる。しかし、アセンブリの適切な消毒および取り扱い技術に十分な注意を払わないと、患者から患者に感染性の病気を移すリスクが増大し得る。
【0005】
従って、多成分組成物を貯蔵し注出するために単回使用のパッケージが開発されてきた。このようなパッケージは、例えば、成分を受け入れる別々のチャンバを最初に有する可撓性材料のシートによって形成されてもよい。組成物を必要とするとき、可撓性のシートを一緒に圧搾するとチャンバの容積が減少し、混合され注出されるように通路に沿って成分が送出される。しかし、このようなパッケージに関してよくある問題は、多成分組成物を得るのに必要な工程の数である。一般に、流動性成分は、一連の隣接するチャンバの中に注出される必要があり、その結果、前に注出されたチャンバへの成分の望ましくない逆流がよく起こる。逆流によって使用可能な組成物の総量が減少し、流動性成分の相対量が偏る可能性がある。従って、当業界では、効率的に使用され、製造が容易な、多成分組成物を貯蔵し注出するパッケージが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1のチャンバ、第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2のチャンバ(第3のフィルムは少なくとも部分的に第2のフィルムに隣接する)、第1のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバを含む包装物品に関する。
【0007】
本発明は、更に、第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ、および第4のチャンバを含む包装物品に関する。第1のチャンバは、第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定され、第1のチャンバは、第2のフィルムのところで第1の断面積を有する。第2のチャンバは、第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている。第3のチャンバは、第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されており、第3のチャンバは第3のフィルムのところで第2の断面積を有し、第1の断面積の少なくとも約75%が第2の断面積と重なる。第4のチャンバは、第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている。
【0008】
本発明は、更に、包装物品を製造する方法に関する。本方法は、第1のフィルムを第2のフィルムに接合し、それによって第1のフィルムと第2のフィルムの間に配置される第1のチャンバを形成することを含む。第3のフィルムは第4のフィルムに接合され、それによって第3のフィルムと第4のフィルムの間に配置される第2のチャンバを形成する。第1のフィルムは第4のフィルムに接合され、それによって第1のフィルムと第4のフィルムの間に配置される第3のチャンバを形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1A、図1Bおよび図2は、それぞれ、ブラシ12と共に使用される本発明のパッケージ10の上面斜視図、底面斜視図、および側面図である。パッケージ10は、多成分組成物の流動可能な成分を実質的に同時に注出できる多層デバイスである。これによって、組成物を混合し、注出し、使用するのに必要な時間が短縮される。図1Aに示されるように、パッケージ10は、界面18で下部フィルム16の上に固定されている上部フィルム14を含む。寸法的に、パッケージ10はまた、X寸法に関して前端20aおよび後端20bを含み、Y寸法に関して横方向側部22aおよび22bを含む。
【0010】
本明細書では明確にわかるように方向の向きを使用するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。「前」および「後」などの用語は、本明細書ではX寸法に関するものとして定義される。横方向の向きを示す用語は、本明細書ではY寸法に関するものとして定義される。「上部」、「上」、「下部」および「下」などのX寸法とY寸法で定義される平面に垂直な向きを示す用語は、本明細書ではZ寸法に関するものとして定義される。
【0011】
図示されるように、上部フィルム14は、上部チャンバ24、混合チャンバ26、および通路28を部分的に画定し、これらは全て上部フィルム14と下部フィルム16の間に配置されており、横方向側部22aおよび22bに対して中心に整列されている。上部チャンバ24は、パッケージ10の後端20bの近位に配置されている。通路28は、パッケージ10の前端20aの近位に配置されている。混合チャンバ26は、上部チャンバ24と通路28の間に中心に配置されている。
【0012】
図1Bに示されるように、下部フィルム16は、下部チャンバ30、混合チャンバ26、および通路28を部分的に画定し、下部チャンバ30は、また、上部フィルム14と下部フィルム16の間に配置されている。
【0013】
図2に示されるように、上部チャンバ24は、下部チャンバ30の上に配置されている。上部チャンバ24と下部チャンバ30は、注出プロセス中に使用される多成分組成物の流動性成分を貯蔵する別々の容器である。後述のように、上部チャンバ24と下部チャンバ30はそれぞれ、流動性成分を貯蔵するため、外部環境に対して密封閉鎖されている。パッケージ10を使用し、様々な目的に有用な多数の多成分組成物のいずれかを混合し注出してもよい。例えば、上部チャンバ24と下部チャンバ30は、最初、理想的には使用直前まで互いに分離されている2剤型のエポキシ接着剤の流動性成分を含有してもよい。
【0014】
パッケージ10は、単回使用に又は一人の患者に使用するのに好適な量を収容するサイズに作ることができるため、パッケージ10は多成分の歯科用組成物と共に使用するのに特に好適である。従って、患者間の交差汚染の問題が回避される。好適な歯科用組成物の一例は、ブラシ12で表面(例えば、歯)に塗布され得る2剤型の接着剤材料である。使用する前、接着剤材料の第1の部分は上部チャンバ24内に貯蔵され、第2の部分は下部チャンバ30内に貯蔵されてもよい。
【0015】
上部チャンバ24と下部チャンバ30は、図1A、図1B、および図2に全体的に円形のドーム状の形状を有するものとして示されている。歯科用組成物を注出するのに使用されるとき、上部チャンバ24と下部チャンバ30は直径(縦軸Xに沿った)が約10〜約18ミリメートルの範囲であってもよい。しかし、上部チャンバ24と下部チャンバ30の寸法はそれぞれ、必要とする流動性成分の量などの様々な要因に基づいて様々であってもよい。更に、上部チャンバ24と下部チャンバ30は、或いは、他の幾何学的形態を示してもよい。
【0016】
上部チャンバ24および下部チャンバ30とは対照的に、混合チャンバ26は上部フィルム14と下部フィルム16の両方によって画定されている単一のチャンバである。混合チャンバ26は、注出プロセス中に流動性成分を受け入れるため、後述のように、上部チャンバ24と下部チャンバ30の両方に接続されている。
【0017】
通路28は、また上部フィルム14と下部フィルム16の両方によって画定されているチャネルである。通路28は混合チャンバ26に接続されており、パッケージ10の混合チャンバ26と前端20aの間に通路を提供する。通路28は、また、ブラシ12のための容器として機能してもよく、ブラシ12は歯科用途の慣用的なブラシであってよい。ブラシ12は、混合チャンバ26内の多成分組成物に到達するように通路28に取り出し可能に挿入されてもよい。従って、ブラシ12は通路28内に摩擦保持されるが、依然として取り出し可能であるように、通路28の内部断面は望ましくはブラシ12の外径より僅かに大きい。
【0018】
注出プロセス中、単一の工程で上部チャンバ24と下部チャンバ30に圧力を同時に加えてもよい。使用者の指を上部チャンバ24に、使用者の親指を下部チャンバ30に置くことによって圧力を加えてもよい。次いで、使用者は、指と親指の間で上部チャンバ24と下部チャンバ30を一緒に圧搾してもよい。加えられる圧力は上部チャンバ24と下部チャンバ30の間で分配され、上部チャンバ24と下部チャンバ30を実質的に同時に圧潰させる。圧潰によって上部チャンバ24と下部チャンバ30の容積が減少し、それによって各流動性成分が上部チャンバ24と下部チャンバ30から流出し、混合チャンバ26に入る。次いで、混合チャンバ26は多成分組成物を収容し、使用するためこれにブラシ12でアクセスすることができる。必要に応じて、ブラシ12が混合チャンバ26の中に延びている時にブラシ12を回転させる、又は他の方法で動かすことにより、更に混合してもよい。
【0019】
本発明のパッケージ10は、流動性成分を混合チャンバ26の中に実質的に同時に注出することが可能である。これは上部チャンバ24と下部チャンバ30が垂直に積み重なっているためであり、そのため1回圧力を加えるだけで上部チャンバ24と下部チャンバ30を両方とも圧縮することが可能になる。従って、多成分組成物を注出し混合するのに必要な時間が短縮される。
【0020】
図3は、図1Aの断面3−3の、本発明のパッケージ10の分解組立断面図である(ブラシ12は示されていない)。図3は更に上部フィルム14と下部フィルム16の加工関係を示す。前述のように、上部フィルム14と下部フィルム16が一緒に固定されるとき、それらは組み合わさって、混合チャンバ26と通路28を画定する。しかし、対照的に、上部チャンバ24と下部チャンバ30は、カバーフィルム32と34によって互いに分離されている。上部チャンバ24は上部フィルム14とカバーフィルム32によって画定され、下部チャンバ30は下部フィルム16とカバーフィルム34によって画定されている。
【0021】
上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定する前に、上部チャンバ24に流動性成分36を充填し、カバーフィルム32で封止する。同様に、上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定する前に、下部チャンバ30に流動性成分38を充填し、カバーフィルム34で封止する。従って、流動性成分36および38は貯蔵中互いに分離され、混合チャンバ26の中に注出されるまで混合しない。
【0022】
本発明の一実施形態では、上部フィルム14と下部フィルム16は、パッケージ10の同一の半分であり、下部フィルム16は反転され、上部フィルム14に固定されている。これによって、必要とする異なる部品の数が少なくなるため、パッケージ10の製造費用が削減される。上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34を任意の好適な製造技術で製造してもよい。例えば、上部フィルム14と下部フィルム16を深絞りして上部チャンバ24、混合チャンバ26、通路28、および下部チャンバ30の窪みを形成してもよい。
【0023】
上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34はそれぞれ、望ましくは、拡散および光バリアとして機能し、それぞれ、貯蔵される流動性成分と適合性のある任意の好適な材料で製造されてもよい。上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34のそれぞれに好適な材料の例は、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびこれらの組み合わせを含む。更に、上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34はそれぞれ、これらの材料(および/又は他の材料)の層を複数含んでもよい。例えば、上部フィルム14と下部フィルム16はそれぞれ、ポリエチレンの上層、アルミニウムフィルムの中間層、およびポリエチレンテレフタレートの下層を含んでもよい。
【0024】
図4Aは、図2の断面4A−4Aの上部フィルム14とカバーフィルム32の図である(ブラシ12は示されていない)。図4Aに示されるように、カバーフィルム32は、パッケージ10の後部分20bの近位の上部フィルム14に封止されている。図示されている実施形態では、カバーフィルム32は、上部チャンバ24の周縁部全体(例えば、周縁位置40)で上部フィルム14に封止されている。これは、上部チャンバ24と混合チャンバ26を接続する破断可能なシール42を含む。破断可能なシール42は、上部チャンバ24から圧出されるとき流動性成分36が通流する通路42aを提供する。
【0025】
上部フィルム14とカバーフィルム32を封止する、および破断可能なシール42を形成する好適な技術は、ポイカー(Peuker)らの米国特許第6,105,761号明細書、およびリー(Lee)らの米国特許第6,612,769号明細書に開示されている。例えば、上部フィルム14とカバーフィルム32は、周縁位置40における層間接着と比較して、破断可能なシール42のところでより低い層間接着を示してもよい。このようにして、注出プロセスの前に、破断可能なシール42は密封閉鎖される。しかし、上部チャンバ24を圧潰することにより流動性成分36が圧力を受けると、流動性成分36は破断可能なシール42のところで上部フィルム14とカバーフィルム32を剥離させる(即ち、破断可能なシール42を破壊する)。これによって流動性成分36は通路42aに沿って流動し、混合チャンバ26に入ることが可能になる。
【0026】
図4Bは、図2の断面4B−4Bの下部フィルム16とカバーフィルム34の図である(ブラシ12は示されていない)。図4Bに示されるように、カバーフィルム34は、パッケージ10の後部分20bの近位の下部フィルム16に封止されている。図示されている実施形態では、カバーフィルム34は、下部チャンバ30の周縁部全体(例えば、周縁位置44)で下部フィルム16に封止されている。これは、下部チャンバ30と混合チャンバ26を接続する破断可能なシール46を含み、下部チャンバ30から圧出されるとき流動性成分38が通流する通路46aを提供する。従って、下部チャンバ30が圧潰されるとき、流動性成分38は破断可能なシール46のところで下部フィルムとカバーフィルム34を剥離させる(即ち、破断可能なシール46を破壊する)。これによって流動性成分38は通路46aに沿って流動し、混合チャンバ26に入ることが可能になる。
【0027】
カバーフィルム32および34は、様々な断面寸法を示してもよい。しかし、図4Aおよび図4Bに示されるように、カバーフィルム32および34は、混合チャンバ26又は通路28を密封しない。前述のように、混合チャンバ26と通路28はそれぞれ、上部フィルム14と下部フィルム16の両方によって画定されている。従って、上部チャンバ24および下部チャンバ30とは対照的に、上部フィルム14と下部フィルム16が一緒に固定されるまで、混合チャンバ26と通路28は露出したままである。
【0028】
ヒートシール、超音波融着、圧着、および界面18に接着剤を塗布することなどの様々な技術で上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定してもよい。例えば、上部フィルム14および/又はカバーフィルム32に接着剤を塗付し、上部フィルム14と下部フィルム16の間の界面18および/又はカバーフィルム34に層間接着を提供してもよい。上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定するとき、上部チャンバ24は下部チャンバ30の上に配置される。一実施形態では、カバーフィルム32が少なくとも部分的にカバーフィルム34に隣接するように、上部チャンバ24と下部チャンバ30は縦方向と横方向で整列されている。これによって、1回圧力を加えるだけで上部チャンバ24と下部チャンバ30の両方を実質的に同時に圧縮することが可能になる。
【0029】
別の実施形態では、上部チャンバ24の断面積の少なくとも約75%が下部チャンバ30の断面積に重なるように、上部チャンバ24と下部チャンバ30は縦方向と横方向で整列されている。本明細書では、上部チャンバ24の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム32に位置する平面にある上部チャンバ24の面積と定義される。これを図4Aの上部チャンバ24の図で示す。同様に、本明細書では、下部チャンバ30の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム34に位置する平面にある下部チャンバ30の面積と定義される。これを図4Bの下部チャンバ30の図で示す。更に別の実施形態では、上部チャンバ24の断面積の少なくとも約90%が下部チャンバ30の断面積に重なるように、上部チャンバ24と下部チャンバ30は縦方向と横方向で整列されている。
【0030】
上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定するとき、破断可能なシール42も破断可能なシール46の上に配置される。従って、流動性成分36および38は、それぞれ、各破断可能なシール42および46から通路42aおよび46aを介して混合チャンバ26に入るまで実質的に混合されない。代替の実施形態では、破断可能なシール42および46を混合チャンバ26に接続し、流動性成分36と38の混合を向上させる混合要素(図示せず)を使用してもよい。好適な混合要素の例としては、リー(Lee)らの米国特許第6,612,769号明細書に開示されているスタチックミキサが挙げられる。
【0031】
本発明のパッケージ10は、効率的な注出プロセスを有する多成分組成物を貯蔵し注出するためのシステムを提供する。前述のように、注出プロセス中、上部チャンバ24と下部チャンバ30に実質的に同時に圧力を加える。これによって、流動性成分36および38はそれぞれ破断可能なシール42および46を突破し、混合チャンバ26に流入する。流動性成分36および38を単一の工程で注出することにより、パッケージ10では複数の化合物からなる組成物を得るのに必要な時間が短縮される。更に、第2の注出工程を必要としないため、パッケージ10の注出プロセスは、流動性成分36および38の逆流を実質的に防止する。逆流は、望ましくないことに材料を浪費し、流動性成分36と38の相対的な量を偏らせる可能性がある。最後に、上部フィルム14と下部フィルム16は同一の部品であってもよいため、同じ部品の複製を使用してパッケージ10を製造してもよく、それによって製造時間が短縮され、費用が削減される。
【0032】
図5は、本発明のパッケージ10の代替の製造方法を示す上面図である。製造時間を短縮し、費用を削減するため、様々な方法でパッケージ10を製造してもよい。図5に示されている実施形態では、上部フィルム14と下部フィルム16はパッケージ10の後端20bで接合されている。これによって上部フィルム14と下部フィルム16を最初、単一のフィルムとして(且つ、同時に)深絞りすることが可能になる。更に、図示されるようにカバーフィルム32と34を単一のフィルムとして形成してもよい。上部チャンバ24および下部チャンバ30に流動性成分36および38を充填した後、前述のように、カバーフィルム32および34をそれぞれ上部フィルム14および下部フィルム16に封止する。次いで、上部フィルム14およびカバーフィルム32を折り畳み軸48で折り畳み、下部フィルム16およびカバーフィルム34と整列させてもよい。
【0033】
別の代替の実施形態では、カバーフィルム32および34はそれぞれ上部フィルム14および下部フィルム16の一部として形成されてもよい。この代替では、カバーフィルム32および34は、後端20bの近位の横方向側部22aおよび/又は22bから延びてもよい。次いで、カバーフィルム32および34をそれぞれ上部フィルム14および下部フィルム16に折り重ね、封止してもよい。また、これらの代替の実施形態を組み合わせ、他の慣用的な技術と共に使用し、貯蔵および注出製品として使用されるパッケージ10を製造してもよい。
【0034】
図6〜図10は、パッケージ10に類似の多層デバイスであるパッケージ100に関する。しかし、パッケージ100は、流動性成分を貯蔵し、実質的に同時に注出するために使用されるが、注出後、流動性成分は分離されたままである。パッケージ100に好適な流動性成分の一例としては、歯科用接着剤とエッチング剤(又はプライマーエッチング剤)が挙げられ、ここでエッチング剤は接着剤の前に表面(歯)に塗付される。
【0035】
図6および図7Aは、ブラシ102および104と共に使用される、パッケージ100の上面図および側面図である。ブラシ102および104は、ブラシ12に類似した歯科用途の慣用的なブラシであってよい。パッケージ100は、下部フィルム108の上に固定されている上部フィルム106を含む。パッケージ10に関して前述した方向の向きは、同様にパッケージ100についての記載にも適用される。寸法的に、パッケージ100は、また、前端110aおよび後端110b、並びに、横方向の側部112aおよび112bを含む。
【0036】
上部フィルム106は、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、および上部通路118を部分的に画定する。同様に、下部フィルム108は、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122、および下部通路124(図6に想像線で示されている)を部分的に画定する。上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、上部通路118、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122および下部通路124はそれぞれ、上部フィルム106と下部フィルム108の間に配置される。上部チャンバ114と下部チャンバ120は、パッケージ100の後端110bの近位に配置され、上部チャンバ114は下部チャンバ120の上に配置される。上部通路118はパッケージ100の前端110aの近位に配置され、上部受入チャンバ116は上部チャンバ114と上部通路118の間に中心に配置されている。下部通路124は、また、パッケージ100の前端110aの近位に配置され、下部受入チャンバ122は下部チャンバ120と下部通路124の間に中心に配置されている。
【0037】
上部フィルム106と下部フィルム108は、好ましくはパッケージ100の同一の半分であり、下部フィルム108は反転され、上部フィルム106に固定されている。しかし、構成要素が横方向側部22aおよび22bに対して中心に整列されているパッケージ10とは対照的に、パッケージ100の構成要素は、横方向側部112aおよび112bに対して中心に整列されていない。上部フィルム106の構成要素は、下部フィルム108の構成要素から横方向に偏倚している(即ち、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、および上部通路118は横方向側部112aの近位にあり、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122および下部通路124は横方向側部112bの近位にある)。対向するブラシの干渉なしにブラシ102および104のそれぞれに容易にアクセスできるように、横方向に偏倚していることが好ましい。それにも関わらず、上部フィルム106と下部フィルム108の構成要素は、或いは、必要に応じて中心に整列されていてもよい。
【0038】
上部チャンバ114と下部チャンバ120は別々の容器であり、パッケージ10の上部チャンバ24および下部チャンバ30と同様に機能する。単一の工程で上部チャンバ114と下部チャンバ120に同時に圧力を加え、それによって流動性化合物を実質的に同時に注出してもよい。しかし、上部チャンバ114と下部チャンバ120から注出される流動性化合物は、パッケージ10で起こるように単一の混合チャンバに流動しない。代わりに、上部チャンバ114から注出される流動性化合物は上部受入チャンバ116に流動し、下部チャンバ120から注出される流動性化合物は下部受入チャンバ122に流動する。次いで、上部受入チャンバ116と下部受入チャンバ116に配置されている流動性化合物をそれぞれブラシ102および104で得てもよい。
【0039】
図7Bは、パッケージ100の分解組立側面図であり、カバーフィルム126および128と共に使用される上部フィルム106および下部フィルム108を示す。図8Aは、図7Aの断面8A−8Aの上部フィルム106の図であり(ブラシ102は示されていない)、カバーフィルム126と共に使用される上部フィルム106を示す。同時に、図8Bは、図7Aの断面8B−8Bの下部フィルム108の図であり(ブラシ104は示されていない)、カバーフィルム128と共に使用される下部フィルム108を示す。
【0040】
図7Bおよび図8Aに示されるように、カバーフィルム126は、パッケージ10のカバーフィルム32および上部フィルム14に関して前述したのと同様に、上部フィルム106に封止されている。しかし、上部チャンバ114を密封することに加えて、カバーフィルム126は、また上部受入チャンバ116と上部通路118も密封する。従って、カバーフィルム126は、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、および上部通路118の周縁部全体(例えば、周縁位置130)で上部フィルム106に封止されている。これは、上部チャンバ114と上部受入チャンバ116を接続し、パッケージ10の破断可能なシール42について前述したのと同様に機能(し、上部チャンバ114と上部受入チャンバ116の間に通路132aを画定)する破断可能なシール132を含む。従って、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116および上部通路118はそれぞれ上部フィルム106とカバーフィルム126の両方によって画定されている。
【0041】
図7Bおよび図8Bに示されるように、カバーフィルム128はカバーフィルム126と同様に下部フィルム108に封止されている。従って、カバーフィルム128は、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122、および下部通路124の周縁部全体(例えば、周縁位置134)で下部フィルム108に封止されている。これは、下部チャンバ120と下部受入チャンバ122を接続し、破断可能なシール136について前述したのと同様に機能(し、下部チャンバ120と下部受入チャンバ122の間に通路136aを画定)する破断可能なシール136を含む。従って、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122および下部通路124はそれぞれ下部フィルム108とカバーフィルム128の両方によって画定されている。
【0042】
図8Aおよび図8Bに更に示されるように、パッケージ100の前端110aの近位の除去されたコーナーセグメント106aおよび108aはそれぞれ上部フィルム106および下部フィルム108から削除されてもよい。従って、下部フィルム108は、パッケージ100の上の視点から除去されたコーナーセグメント106aを通して見ることができ(図6に示されるように)、上部フィルム106は、パッケージ100の下の視点から除去されたコーナーセグメント108aを通して見ることができる。除去されたコーナーセグメント106aおよび106bは、ブラシ102および104をより挿入し易い開口部を提供する。
【0043】
パッケージ100と共に使用される異なる流動性化合物を区別するため、ブラシ102および104は異なる色若しくは形状を示しても、又は、区別する印を有してもよい。これによって、使用者は、使用中、流動性化合物を容易に区別することができる。
【0044】
上部フィルム106、下部フィルム108、並びに、カバーフィルム126および132に好適な材料としては、パッケージ10について前述したのと同じ好適な材料が挙げられる。更に、カバーフィルム126および132は様々な断面寸法を示してもよい。例えば、カバーフィルム126および132は、或いは上部フィルム106および下部フィルム108と同じサイズであってもよい。
【0045】
ヒートシール、超音波融着、圧着、および接着剤の塗布などの様々な技術で上部フィルム106と下部フィルム108を一緒に固定してもよい。例えば、上部フィルム106とカバーフィルム126に接着剤を塗付し、上部フィルム106と下部フィルム108の間に層間接着を提供してもよい。上部フィルム106と下部フィルム108を一緒に固定するとき、上部チャンバ114は下部チャンバ120の上に配置される。好ましくは、カバーフィルム126が少なくとも部分的にカバーフィルム128に隣接するように、上部チャンバ114と下部チャンバ120は縦方向と横方向で整列されている。これによって、1回圧力を加えただけで上部チャンバ114と下部チャンバ120の両方を実質的に同時に圧縮することが可能になる。
【0046】
別の実施形態では、上部チャンバ114の断面積の少なくとも約75%が下部チャンバ120の断面積に重なるように、上部チャンバ114と下部チャンバ120は縦方向と横方向で整列されている。本明細書では、上部チャンバ114の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム126に位置する平面にある上部チャンバ114の面積と定義される。これを図8Aの上部チャンバ114の図で示す。同様に、本明細書では、下部チャンバ120の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム128に位置する平面にある下部チャンバ120の面積と定義される。これを図8Bの下部チャンバ120の図で示す。更に別の実施形態では、上部チャンバ114の断面積の少なくとも約90%が下部チャンバ120の断面積に重なるように、上部チャンバ114と下部チャンバ120は縦方向と横方向で整列されている。
【0047】
パッケージ10について前述したように、注出プロセス中、単一の工程で上部チャンバ114と下部チャンバ120に圧力を同時に加えてもよい。加えられる圧力は、上部チャンバ114と下部チャンバ120の間で分配され、上部チャンバ114と下部チャンバ120を実質的に同時に圧潰させる。圧潰によって上部チャンバ114と下部チャンバ120の容積が減少し、それによって各流動性成分が上部チャンバ114と下部チャンバ120から流出する。上部チャンバ114に関して、流動性成分は破断可能なシール132を破壊し、通路132aに沿って流動し上部受入チャンバ116に入る。その後、ブラシ102で上部通路118を通して流動性成分に容易にアクセスできる。下部チャンバ120に関して、流動性成分は破断可能なシール136を破壊し、通路136aに沿って流動し下部受入チャンバ122に入る。その後、ブラシ104で下部通路124を通して流動性成分に容易にアクセスできる。
【0048】
図9および図10は、上部フィルム106および下部フィルム108の代替の形状および向きを示す、本発明のパッケージ100の上面図である。図9に示されるように、上部フィルム106および下部フィルム108は、パッケージ10の上部フィルム14および下部フィルム16と類似の寸法を示す。更に、上部フィルム106と下部フィルム108は、互いに対して一定の角度を向いている。これによって、ブラシ102および104にアクセスし易くなる。上部フィルム106と下部フィルム108の間の好適な角度は、個々の必要に応じて様々であってよい。
【0049】
図10は、パッケージ100の別の代替の構成を提供し、下部フィルム108は上部フィルム106に対して反転されていない。従って、上部フィルム106は下部フィルム108の上に配置されるが、上部フィルム106と下部フィルム108は両方とも上向きの方向を向いている。下部チャンバ120(図9および図10には示されていない)、下部受入チャンバ122、および下部通路124も同様に、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116および上部通路118と同じ方向に上向きに延びている。この状況で、上部フィルム106とカバーフィルム126(図10には示されていない)は下部チャンバ120のところで下部フィルム108に固定されている。下部チャンバ120の上で上部チャンバ114とカバーフィルム128(図10には示されていない)に圧力を加え、上部チャンバ114と下部チャンバ120から流動性成分を注出する。
【0050】
パッケージ10の別の代替の構成は、上部フィルム106と下部フィルム108が下向きになり、カバーフィルム126と128が上向きになるように、図10に示されるパッケージ100を反転させることを含む(上部フィルム106と下部フィルム108の相対的な向きは図10に示されるのと同じままである)。これによって、ブラシ102および104と共にパッケージ100を使用することが更に容易になり得る。
【0051】
本発明の他の実施形態では、上部通路118は上部フィルム106および/又はカバーフィルム126のところで露出していてもよい。同様に、下部通路124は下部フィルム108および/又はカバーフィルム128のところで露出していてもよい。これによって、ブラシ102および104でパッケージ100から材料を注出することが更に簡便になる。例えば、図9に示されているパッケージ100に関して、上部通路118の上部分は上部フィルム106によって画定され、下部通路124の上部分はカバーフィルム128によって画定されている。このようにして、一実施形態では、上部通路118の上部分は、ブラシ102でアクセスし易いように露出していてもよい(即ち、上部フィルム106で被覆されなくてもよい)。同様に、下部通路124の上部分は、ブラシ104でアクセスし易いように露出していてもよい(即ち、カバーシート128で被覆されていなくてもよい)。
【0052】
図10に示されているパッケージ100に関して、上部通路118の上部分は上部フィルム106によって画定され、下部通路124の上部分は下部フィルム108によって画定されている。このようにして、本発明の別の実施形態では、上部フィルム106は上部通路118を被覆せず、下部フィルム108は下部通路124を被覆しない。また、これによって、それぞれブラシ102および104でアクセスし易いように上部通路118と下部通路124を露出させることが可能になる。
【0053】
本発明の他の実施形態では、カバーフィルム126と128を深絞りして流動性成分を注出するためのトレイを画定し、注出プロセス中にパッケージ100から流動性材料が溢出することを防止してもよい。これは、上部通路118および/又は下部通路124が露出している前述の実施形態に関して特に好適である。
【0054】
本発明の他の実施形態では、パッケージ10および100は、ポイカー(Peuker)らの米国特許第6,105,761号明細書に開示されているような複数の連続的混合/受入チャンバを含んでもよい。これによって、複数の流動性成分を連続的に混合することが可能になる。更に、後のチャンバは、また、破断可能なシール42、46、132、および136に類似した後の破断可能なシールを含んでもよい。このような実施形態では、後の破断可能なシールは、また、流動性成分を収容するチャンバ(例えば、チャンバ114および120)の作動によって破壊されてもよい。これは、後のチャンバが前のチャンバより小さい容積を有する場合、特に好適である。流動性成分がより小さいチャンバに圧入されるとき、加えられる圧力によって後の破断可能なシールも同様に破壊される。これによって流動性成分が更に一連の連続的混合/受入チャンバに沿って移動する。
【0055】
本発明の様々なパッケージ10および100は、上部チャンバと下部チャンバ(即ち、上部チャンバ24および114、並びに下部チャンバ30および120)に圧力を加えるクランプなどの注出デバイスと共に使用されてもよい。図11は、好適な注出デバイスの一例である、クランプ200を有するアセンブリとなるように整列されたパッケージ10の断面図である。図11に示されるように、クランプ200は、上部プレート202、下部プレート204、および延長部材206を含み、これらは全てヒンジ208に接続されている。上部プレート202と下部プレート204は互いに対してヒンジ208を中心に軸動し、クランプ200を開閉することができる。延長部材206は、ヒンジ208から延びる薄膜部材であり、上部フィルム14と下部フィルム16が一緒に固定されるとき、上部フィルム14と下部フィルム16の間に挿入されてもよい。この状況で、クランプ200はパッケージ10の永久固定具である。
【0056】
図12は、クランプ200と共に使用されるパッケージ10の側面図である。注出プロセス中、使用者は上部プレート202と下部プレート204に圧力を加えてもよい。これによって、上部チャンバ24と下部チャンバ30に圧力が同時に加えられる。好ましくは、上部プレート202と下部プレート204は、加えられる圧力が平坦な表面全体に分散するように硬質材料で製造されている。クランプ200は、また、注出プロセスが完了した後、クランプ200を閉鎖位置(上部プレート202と下部プレート204が略平行に整列されている)に固定するため、ロッキングアーム又は他の好適なファスナ手段を含んでもよい。
【0057】
本発明のパッケージ10および100は、使用する複数の流動性成分を一緒に貯蔵する(まだ分離されている)ための、および、それらの複数の流動性成分を実質的に同時に混合し注出するためのデバイスである。これによって、流動性成分を混合し、注出し、使用するのに必要な時間が短縮される。更に、パッケージ10および100は製造が容易であり、そのため製造費用が削減され、時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1A】本発明のパッケージの上面斜視図である。
【図1B】本発明のパッケージの底面斜視図である。
【図2】本発明のパッケージの側面図である。
【図3】図1Aの断面3−3の分解組立断面図である。
【図4A】図2の断面4A−4Aの図である。
【図4B】図2の断面4B−4Bの図である。
【図5】本発明のパッケージの第1の代替の構成の上面図である。
【図6】本発明の第2の代替のパッケージの上面図である。
【図7A】本発明の第2の代替のパッケージの側面図である。
【図7B】本発明の第2の代替のパッケージの分解組立側面図である。
【図8A】図7Aの断面8A−8Aの図である。
【図8B】図7Aの断面8B−8Bの図である。
【図9】本発明の第2の代替のパッケージの第2の実施形態の上面図である。
【図10】本発明の第2の代替のパッケージの第3の実施形態の上面図である。
【図11】注出デバイスを有するアセンブリとなるように整列された、本発明のパッケージの分解組立断面図である。
【図12】注出デバイスと共に使用される図11の組み立てられたパッケージの側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性成分を貯蔵および注出するためのパッケージに関する。特に、本発明は、別々の流動性成分を貯蔵し、流動性成分を実質的に同時に注出するためのパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の液体および半液体組成物は2種類以上の流動性成分から製造され、これらは典型的には使用直前まで一緒に混合されない。例えば、エポキシなどのある一定の接着剤は、最初、接着剤の成分を互いに分離された状態に保存するパッケージで販売される。このような接着剤を使用する必要がある時はいつでも、成分は一緒に混合され、2成分間の化学反応が開始する。成分を混合した後、組成物が過度に硬化しないうちに組成物を作業部位に塗布する。
【0003】
何年にもわたって、多成分組成物の成分を別々に収容し、貯蔵するために多数のパッケージが提案されてきた。他成分組成物に通常使用されるパッケージの例としては、デュアルチャンバカートリッジ、スタチックミキサ、およびアプリケータアセンブリが挙げられる。しかし、このようなパッケージは、様々な用途で、特に、組成物を比較的少量しか必要としない場合に、多成分組成物を注出するのに十分ではない。そのような場合、当面の作業に十分な量を取った後、最初の流動性成分の大部分はカートリッジ内に残存することがある。
【0004】
更に、パッケージを歯科学などのヘルスケア分野で使用するとき、使用者は、診療室で患者間の交差汚染を回避するように注意しなければならないが、そこでは単一のパッケージからの組成物が異なる患者間で複数の処置に使用される。必要に応じて、カートリッジ、スタチックミキサ、およびアプリケータアセンブリの消毒が確実に達成されるように注出アセンブリを適切に取り扱うことによって、交差汚染の問題に対処することができる。しかし、アセンブリの適切な消毒および取り扱い技術に十分な注意を払わないと、患者から患者に感染性の病気を移すリスクが増大し得る。
【0005】
従って、多成分組成物を貯蔵し注出するために単回使用のパッケージが開発されてきた。このようなパッケージは、例えば、成分を受け入れる別々のチャンバを最初に有する可撓性材料のシートによって形成されてもよい。組成物を必要とするとき、可撓性のシートを一緒に圧搾するとチャンバの容積が減少し、混合され注出されるように通路に沿って成分が送出される。しかし、このようなパッケージに関してよくある問題は、多成分組成物を得るのに必要な工程の数である。一般に、流動性成分は、一連の隣接するチャンバの中に注出される必要があり、その結果、前に注出されたチャンバへの成分の望ましくない逆流がよく起こる。逆流によって使用可能な組成物の総量が減少し、流動性成分の相対量が偏る可能性がある。従って、当業界では、効率的に使用され、製造が容易な、多成分組成物を貯蔵し注出するパッケージが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1のチャンバ、第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2のチャンバ(第3のフィルムは少なくとも部分的に第2のフィルムに隣接する)、第1のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバを含む包装物品に関する。
【0007】
本発明は、更に、第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ、および第4のチャンバを含む包装物品に関する。第1のチャンバは、第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定され、第1のチャンバは、第2のフィルムのところで第1の断面積を有する。第2のチャンバは、第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている。第3のチャンバは、第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されており、第3のチャンバは第3のフィルムのところで第2の断面積を有し、第1の断面積の少なくとも約75%が第2の断面積と重なる。第4のチャンバは、第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている。
【0008】
本発明は、更に、包装物品を製造する方法に関する。本方法は、第1のフィルムを第2のフィルムに接合し、それによって第1のフィルムと第2のフィルムの間に配置される第1のチャンバを形成することを含む。第3のフィルムは第4のフィルムに接合され、それによって第3のフィルムと第4のフィルムの間に配置される第2のチャンバを形成する。第1のフィルムは第4のフィルムに接合され、それによって第1のフィルムと第4のフィルムの間に配置される第3のチャンバを形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1A、図1Bおよび図2は、それぞれ、ブラシ12と共に使用される本発明のパッケージ10の上面斜視図、底面斜視図、および側面図である。パッケージ10は、多成分組成物の流動可能な成分を実質的に同時に注出できる多層デバイスである。これによって、組成物を混合し、注出し、使用するのに必要な時間が短縮される。図1Aに示されるように、パッケージ10は、界面18で下部フィルム16の上に固定されている上部フィルム14を含む。寸法的に、パッケージ10はまた、X寸法に関して前端20aおよび後端20bを含み、Y寸法に関して横方向側部22aおよび22bを含む。
【0010】
本明細書では明確にわかるように方向の向きを使用するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。「前」および「後」などの用語は、本明細書ではX寸法に関するものとして定義される。横方向の向きを示す用語は、本明細書ではY寸法に関するものとして定義される。「上部」、「上」、「下部」および「下」などのX寸法とY寸法で定義される平面に垂直な向きを示す用語は、本明細書ではZ寸法に関するものとして定義される。
【0011】
図示されるように、上部フィルム14は、上部チャンバ24、混合チャンバ26、および通路28を部分的に画定し、これらは全て上部フィルム14と下部フィルム16の間に配置されており、横方向側部22aおよび22bに対して中心に整列されている。上部チャンバ24は、パッケージ10の後端20bの近位に配置されている。通路28は、パッケージ10の前端20aの近位に配置されている。混合チャンバ26は、上部チャンバ24と通路28の間に中心に配置されている。
【0012】
図1Bに示されるように、下部フィルム16は、下部チャンバ30、混合チャンバ26、および通路28を部分的に画定し、下部チャンバ30は、また、上部フィルム14と下部フィルム16の間に配置されている。
【0013】
図2に示されるように、上部チャンバ24は、下部チャンバ30の上に配置されている。上部チャンバ24と下部チャンバ30は、注出プロセス中に使用される多成分組成物の流動性成分を貯蔵する別々の容器である。後述のように、上部チャンバ24と下部チャンバ30はそれぞれ、流動性成分を貯蔵するため、外部環境に対して密封閉鎖されている。パッケージ10を使用し、様々な目的に有用な多数の多成分組成物のいずれかを混合し注出してもよい。例えば、上部チャンバ24と下部チャンバ30は、最初、理想的には使用直前まで互いに分離されている2剤型のエポキシ接着剤の流動性成分を含有してもよい。
【0014】
パッケージ10は、単回使用に又は一人の患者に使用するのに好適な量を収容するサイズに作ることができるため、パッケージ10は多成分の歯科用組成物と共に使用するのに特に好適である。従って、患者間の交差汚染の問題が回避される。好適な歯科用組成物の一例は、ブラシ12で表面(例えば、歯)に塗布され得る2剤型の接着剤材料である。使用する前、接着剤材料の第1の部分は上部チャンバ24内に貯蔵され、第2の部分は下部チャンバ30内に貯蔵されてもよい。
【0015】
上部チャンバ24と下部チャンバ30は、図1A、図1B、および図2に全体的に円形のドーム状の形状を有するものとして示されている。歯科用組成物を注出するのに使用されるとき、上部チャンバ24と下部チャンバ30は直径(縦軸Xに沿った)が約10〜約18ミリメートルの範囲であってもよい。しかし、上部チャンバ24と下部チャンバ30の寸法はそれぞれ、必要とする流動性成分の量などの様々な要因に基づいて様々であってもよい。更に、上部チャンバ24と下部チャンバ30は、或いは、他の幾何学的形態を示してもよい。
【0016】
上部チャンバ24および下部チャンバ30とは対照的に、混合チャンバ26は上部フィルム14と下部フィルム16の両方によって画定されている単一のチャンバである。混合チャンバ26は、注出プロセス中に流動性成分を受け入れるため、後述のように、上部チャンバ24と下部チャンバ30の両方に接続されている。
【0017】
通路28は、また上部フィルム14と下部フィルム16の両方によって画定されているチャネルである。通路28は混合チャンバ26に接続されており、パッケージ10の混合チャンバ26と前端20aの間に通路を提供する。通路28は、また、ブラシ12のための容器として機能してもよく、ブラシ12は歯科用途の慣用的なブラシであってよい。ブラシ12は、混合チャンバ26内の多成分組成物に到達するように通路28に取り出し可能に挿入されてもよい。従って、ブラシ12は通路28内に摩擦保持されるが、依然として取り出し可能であるように、通路28の内部断面は望ましくはブラシ12の外径より僅かに大きい。
【0018】
注出プロセス中、単一の工程で上部チャンバ24と下部チャンバ30に圧力を同時に加えてもよい。使用者の指を上部チャンバ24に、使用者の親指を下部チャンバ30に置くことによって圧力を加えてもよい。次いで、使用者は、指と親指の間で上部チャンバ24と下部チャンバ30を一緒に圧搾してもよい。加えられる圧力は上部チャンバ24と下部チャンバ30の間で分配され、上部チャンバ24と下部チャンバ30を実質的に同時に圧潰させる。圧潰によって上部チャンバ24と下部チャンバ30の容積が減少し、それによって各流動性成分が上部チャンバ24と下部チャンバ30から流出し、混合チャンバ26に入る。次いで、混合チャンバ26は多成分組成物を収容し、使用するためこれにブラシ12でアクセスすることができる。必要に応じて、ブラシ12が混合チャンバ26の中に延びている時にブラシ12を回転させる、又は他の方法で動かすことにより、更に混合してもよい。
【0019】
本発明のパッケージ10は、流動性成分を混合チャンバ26の中に実質的に同時に注出することが可能である。これは上部チャンバ24と下部チャンバ30が垂直に積み重なっているためであり、そのため1回圧力を加えるだけで上部チャンバ24と下部チャンバ30を両方とも圧縮することが可能になる。従って、多成分組成物を注出し混合するのに必要な時間が短縮される。
【0020】
図3は、図1Aの断面3−3の、本発明のパッケージ10の分解組立断面図である(ブラシ12は示されていない)。図3は更に上部フィルム14と下部フィルム16の加工関係を示す。前述のように、上部フィルム14と下部フィルム16が一緒に固定されるとき、それらは組み合わさって、混合チャンバ26と通路28を画定する。しかし、対照的に、上部チャンバ24と下部チャンバ30は、カバーフィルム32と34によって互いに分離されている。上部チャンバ24は上部フィルム14とカバーフィルム32によって画定され、下部チャンバ30は下部フィルム16とカバーフィルム34によって画定されている。
【0021】
上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定する前に、上部チャンバ24に流動性成分36を充填し、カバーフィルム32で封止する。同様に、上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定する前に、下部チャンバ30に流動性成分38を充填し、カバーフィルム34で封止する。従って、流動性成分36および38は貯蔵中互いに分離され、混合チャンバ26の中に注出されるまで混合しない。
【0022】
本発明の一実施形態では、上部フィルム14と下部フィルム16は、パッケージ10の同一の半分であり、下部フィルム16は反転され、上部フィルム14に固定されている。これによって、必要とする異なる部品の数が少なくなるため、パッケージ10の製造費用が削減される。上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34を任意の好適な製造技術で製造してもよい。例えば、上部フィルム14と下部フィルム16を深絞りして上部チャンバ24、混合チャンバ26、通路28、および下部チャンバ30の窪みを形成してもよい。
【0023】
上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34はそれぞれ、望ましくは、拡散および光バリアとして機能し、それぞれ、貯蔵される流動性成分と適合性のある任意の好適な材料で製造されてもよい。上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34のそれぞれに好適な材料の例は、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびこれらの組み合わせを含む。更に、上部フィルム14、下部フィルム16、並びにカバーフィルム32および34はそれぞれ、これらの材料(および/又は他の材料)の層を複数含んでもよい。例えば、上部フィルム14と下部フィルム16はそれぞれ、ポリエチレンの上層、アルミニウムフィルムの中間層、およびポリエチレンテレフタレートの下層を含んでもよい。
【0024】
図4Aは、図2の断面4A−4Aの上部フィルム14とカバーフィルム32の図である(ブラシ12は示されていない)。図4Aに示されるように、カバーフィルム32は、パッケージ10の後部分20bの近位の上部フィルム14に封止されている。図示されている実施形態では、カバーフィルム32は、上部チャンバ24の周縁部全体(例えば、周縁位置40)で上部フィルム14に封止されている。これは、上部チャンバ24と混合チャンバ26を接続する破断可能なシール42を含む。破断可能なシール42は、上部チャンバ24から圧出されるとき流動性成分36が通流する通路42aを提供する。
【0025】
上部フィルム14とカバーフィルム32を封止する、および破断可能なシール42を形成する好適な技術は、ポイカー(Peuker)らの米国特許第6,105,761号明細書、およびリー(Lee)らの米国特許第6,612,769号明細書に開示されている。例えば、上部フィルム14とカバーフィルム32は、周縁位置40における層間接着と比較して、破断可能なシール42のところでより低い層間接着を示してもよい。このようにして、注出プロセスの前に、破断可能なシール42は密封閉鎖される。しかし、上部チャンバ24を圧潰することにより流動性成分36が圧力を受けると、流動性成分36は破断可能なシール42のところで上部フィルム14とカバーフィルム32を剥離させる(即ち、破断可能なシール42を破壊する)。これによって流動性成分36は通路42aに沿って流動し、混合チャンバ26に入ることが可能になる。
【0026】
図4Bは、図2の断面4B−4Bの下部フィルム16とカバーフィルム34の図である(ブラシ12は示されていない)。図4Bに示されるように、カバーフィルム34は、パッケージ10の後部分20bの近位の下部フィルム16に封止されている。図示されている実施形態では、カバーフィルム34は、下部チャンバ30の周縁部全体(例えば、周縁位置44)で下部フィルム16に封止されている。これは、下部チャンバ30と混合チャンバ26を接続する破断可能なシール46を含み、下部チャンバ30から圧出されるとき流動性成分38が通流する通路46aを提供する。従って、下部チャンバ30が圧潰されるとき、流動性成分38は破断可能なシール46のところで下部フィルムとカバーフィルム34を剥離させる(即ち、破断可能なシール46を破壊する)。これによって流動性成分38は通路46aに沿って流動し、混合チャンバ26に入ることが可能になる。
【0027】
カバーフィルム32および34は、様々な断面寸法を示してもよい。しかし、図4Aおよび図4Bに示されるように、カバーフィルム32および34は、混合チャンバ26又は通路28を密封しない。前述のように、混合チャンバ26と通路28はそれぞれ、上部フィルム14と下部フィルム16の両方によって画定されている。従って、上部チャンバ24および下部チャンバ30とは対照的に、上部フィルム14と下部フィルム16が一緒に固定されるまで、混合チャンバ26と通路28は露出したままである。
【0028】
ヒートシール、超音波融着、圧着、および界面18に接着剤を塗布することなどの様々な技術で上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定してもよい。例えば、上部フィルム14および/又はカバーフィルム32に接着剤を塗付し、上部フィルム14と下部フィルム16の間の界面18および/又はカバーフィルム34に層間接着を提供してもよい。上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定するとき、上部チャンバ24は下部チャンバ30の上に配置される。一実施形態では、カバーフィルム32が少なくとも部分的にカバーフィルム34に隣接するように、上部チャンバ24と下部チャンバ30は縦方向と横方向で整列されている。これによって、1回圧力を加えるだけで上部チャンバ24と下部チャンバ30の両方を実質的に同時に圧縮することが可能になる。
【0029】
別の実施形態では、上部チャンバ24の断面積の少なくとも約75%が下部チャンバ30の断面積に重なるように、上部チャンバ24と下部チャンバ30は縦方向と横方向で整列されている。本明細書では、上部チャンバ24の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム32に位置する平面にある上部チャンバ24の面積と定義される。これを図4Aの上部チャンバ24の図で示す。同様に、本明細書では、下部チャンバ30の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム34に位置する平面にある下部チャンバ30の面積と定義される。これを図4Bの下部チャンバ30の図で示す。更に別の実施形態では、上部チャンバ24の断面積の少なくとも約90%が下部チャンバ30の断面積に重なるように、上部チャンバ24と下部チャンバ30は縦方向と横方向で整列されている。
【0030】
上部フィルム14と下部フィルム16を一緒に固定するとき、破断可能なシール42も破断可能なシール46の上に配置される。従って、流動性成分36および38は、それぞれ、各破断可能なシール42および46から通路42aおよび46aを介して混合チャンバ26に入るまで実質的に混合されない。代替の実施形態では、破断可能なシール42および46を混合チャンバ26に接続し、流動性成分36と38の混合を向上させる混合要素(図示せず)を使用してもよい。好適な混合要素の例としては、リー(Lee)らの米国特許第6,612,769号明細書に開示されているスタチックミキサが挙げられる。
【0031】
本発明のパッケージ10は、効率的な注出プロセスを有する多成分組成物を貯蔵し注出するためのシステムを提供する。前述のように、注出プロセス中、上部チャンバ24と下部チャンバ30に実質的に同時に圧力を加える。これによって、流動性成分36および38はそれぞれ破断可能なシール42および46を突破し、混合チャンバ26に流入する。流動性成分36および38を単一の工程で注出することにより、パッケージ10では複数の化合物からなる組成物を得るのに必要な時間が短縮される。更に、第2の注出工程を必要としないため、パッケージ10の注出プロセスは、流動性成分36および38の逆流を実質的に防止する。逆流は、望ましくないことに材料を浪費し、流動性成分36と38の相対的な量を偏らせる可能性がある。最後に、上部フィルム14と下部フィルム16は同一の部品であってもよいため、同じ部品の複製を使用してパッケージ10を製造してもよく、それによって製造時間が短縮され、費用が削減される。
【0032】
図5は、本発明のパッケージ10の代替の製造方法を示す上面図である。製造時間を短縮し、費用を削減するため、様々な方法でパッケージ10を製造してもよい。図5に示されている実施形態では、上部フィルム14と下部フィルム16はパッケージ10の後端20bで接合されている。これによって上部フィルム14と下部フィルム16を最初、単一のフィルムとして(且つ、同時に)深絞りすることが可能になる。更に、図示されるようにカバーフィルム32と34を単一のフィルムとして形成してもよい。上部チャンバ24および下部チャンバ30に流動性成分36および38を充填した後、前述のように、カバーフィルム32および34をそれぞれ上部フィルム14および下部フィルム16に封止する。次いで、上部フィルム14およびカバーフィルム32を折り畳み軸48で折り畳み、下部フィルム16およびカバーフィルム34と整列させてもよい。
【0033】
別の代替の実施形態では、カバーフィルム32および34はそれぞれ上部フィルム14および下部フィルム16の一部として形成されてもよい。この代替では、カバーフィルム32および34は、後端20bの近位の横方向側部22aおよび/又は22bから延びてもよい。次いで、カバーフィルム32および34をそれぞれ上部フィルム14および下部フィルム16に折り重ね、封止してもよい。また、これらの代替の実施形態を組み合わせ、他の慣用的な技術と共に使用し、貯蔵および注出製品として使用されるパッケージ10を製造してもよい。
【0034】
図6〜図10は、パッケージ10に類似の多層デバイスであるパッケージ100に関する。しかし、パッケージ100は、流動性成分を貯蔵し、実質的に同時に注出するために使用されるが、注出後、流動性成分は分離されたままである。パッケージ100に好適な流動性成分の一例としては、歯科用接着剤とエッチング剤(又はプライマーエッチング剤)が挙げられ、ここでエッチング剤は接着剤の前に表面(歯)に塗付される。
【0035】
図6および図7Aは、ブラシ102および104と共に使用される、パッケージ100の上面図および側面図である。ブラシ102および104は、ブラシ12に類似した歯科用途の慣用的なブラシであってよい。パッケージ100は、下部フィルム108の上に固定されている上部フィルム106を含む。パッケージ10に関して前述した方向の向きは、同様にパッケージ100についての記載にも適用される。寸法的に、パッケージ100は、また、前端110aおよび後端110b、並びに、横方向の側部112aおよび112bを含む。
【0036】
上部フィルム106は、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、および上部通路118を部分的に画定する。同様に、下部フィルム108は、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122、および下部通路124(図6に想像線で示されている)を部分的に画定する。上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、上部通路118、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122および下部通路124はそれぞれ、上部フィルム106と下部フィルム108の間に配置される。上部チャンバ114と下部チャンバ120は、パッケージ100の後端110bの近位に配置され、上部チャンバ114は下部チャンバ120の上に配置される。上部通路118はパッケージ100の前端110aの近位に配置され、上部受入チャンバ116は上部チャンバ114と上部通路118の間に中心に配置されている。下部通路124は、また、パッケージ100の前端110aの近位に配置され、下部受入チャンバ122は下部チャンバ120と下部通路124の間に中心に配置されている。
【0037】
上部フィルム106と下部フィルム108は、好ましくはパッケージ100の同一の半分であり、下部フィルム108は反転され、上部フィルム106に固定されている。しかし、構成要素が横方向側部22aおよび22bに対して中心に整列されているパッケージ10とは対照的に、パッケージ100の構成要素は、横方向側部112aおよび112bに対して中心に整列されていない。上部フィルム106の構成要素は、下部フィルム108の構成要素から横方向に偏倚している(即ち、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、および上部通路118は横方向側部112aの近位にあり、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122および下部通路124は横方向側部112bの近位にある)。対向するブラシの干渉なしにブラシ102および104のそれぞれに容易にアクセスできるように、横方向に偏倚していることが好ましい。それにも関わらず、上部フィルム106と下部フィルム108の構成要素は、或いは、必要に応じて中心に整列されていてもよい。
【0038】
上部チャンバ114と下部チャンバ120は別々の容器であり、パッケージ10の上部チャンバ24および下部チャンバ30と同様に機能する。単一の工程で上部チャンバ114と下部チャンバ120に同時に圧力を加え、それによって流動性化合物を実質的に同時に注出してもよい。しかし、上部チャンバ114と下部チャンバ120から注出される流動性化合物は、パッケージ10で起こるように単一の混合チャンバに流動しない。代わりに、上部チャンバ114から注出される流動性化合物は上部受入チャンバ116に流動し、下部チャンバ120から注出される流動性化合物は下部受入チャンバ122に流動する。次いで、上部受入チャンバ116と下部受入チャンバ116に配置されている流動性化合物をそれぞれブラシ102および104で得てもよい。
【0039】
図7Bは、パッケージ100の分解組立側面図であり、カバーフィルム126および128と共に使用される上部フィルム106および下部フィルム108を示す。図8Aは、図7Aの断面8A−8Aの上部フィルム106の図であり(ブラシ102は示されていない)、カバーフィルム126と共に使用される上部フィルム106を示す。同時に、図8Bは、図7Aの断面8B−8Bの下部フィルム108の図であり(ブラシ104は示されていない)、カバーフィルム128と共に使用される下部フィルム108を示す。
【0040】
図7Bおよび図8Aに示されるように、カバーフィルム126は、パッケージ10のカバーフィルム32および上部フィルム14に関して前述したのと同様に、上部フィルム106に封止されている。しかし、上部チャンバ114を密封することに加えて、カバーフィルム126は、また上部受入チャンバ116と上部通路118も密封する。従って、カバーフィルム126は、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116、および上部通路118の周縁部全体(例えば、周縁位置130)で上部フィルム106に封止されている。これは、上部チャンバ114と上部受入チャンバ116を接続し、パッケージ10の破断可能なシール42について前述したのと同様に機能(し、上部チャンバ114と上部受入チャンバ116の間に通路132aを画定)する破断可能なシール132を含む。従って、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116および上部通路118はそれぞれ上部フィルム106とカバーフィルム126の両方によって画定されている。
【0041】
図7Bおよび図8Bに示されるように、カバーフィルム128はカバーフィルム126と同様に下部フィルム108に封止されている。従って、カバーフィルム128は、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122、および下部通路124の周縁部全体(例えば、周縁位置134)で下部フィルム108に封止されている。これは、下部チャンバ120と下部受入チャンバ122を接続し、破断可能なシール136について前述したのと同様に機能(し、下部チャンバ120と下部受入チャンバ122の間に通路136aを画定)する破断可能なシール136を含む。従って、下部チャンバ120、下部受入チャンバ122および下部通路124はそれぞれ下部フィルム108とカバーフィルム128の両方によって画定されている。
【0042】
図8Aおよび図8Bに更に示されるように、パッケージ100の前端110aの近位の除去されたコーナーセグメント106aおよび108aはそれぞれ上部フィルム106および下部フィルム108から削除されてもよい。従って、下部フィルム108は、パッケージ100の上の視点から除去されたコーナーセグメント106aを通して見ることができ(図6に示されるように)、上部フィルム106は、パッケージ100の下の視点から除去されたコーナーセグメント108aを通して見ることができる。除去されたコーナーセグメント106aおよび106bは、ブラシ102および104をより挿入し易い開口部を提供する。
【0043】
パッケージ100と共に使用される異なる流動性化合物を区別するため、ブラシ102および104は異なる色若しくは形状を示しても、又は、区別する印を有してもよい。これによって、使用者は、使用中、流動性化合物を容易に区別することができる。
【0044】
上部フィルム106、下部フィルム108、並びに、カバーフィルム126および132に好適な材料としては、パッケージ10について前述したのと同じ好適な材料が挙げられる。更に、カバーフィルム126および132は様々な断面寸法を示してもよい。例えば、カバーフィルム126および132は、或いは上部フィルム106および下部フィルム108と同じサイズであってもよい。
【0045】
ヒートシール、超音波融着、圧着、および接着剤の塗布などの様々な技術で上部フィルム106と下部フィルム108を一緒に固定してもよい。例えば、上部フィルム106とカバーフィルム126に接着剤を塗付し、上部フィルム106と下部フィルム108の間に層間接着を提供してもよい。上部フィルム106と下部フィルム108を一緒に固定するとき、上部チャンバ114は下部チャンバ120の上に配置される。好ましくは、カバーフィルム126が少なくとも部分的にカバーフィルム128に隣接するように、上部チャンバ114と下部チャンバ120は縦方向と横方向で整列されている。これによって、1回圧力を加えただけで上部チャンバ114と下部チャンバ120の両方を実質的に同時に圧縮することが可能になる。
【0046】
別の実施形態では、上部チャンバ114の断面積の少なくとも約75%が下部チャンバ120の断面積に重なるように、上部チャンバ114と下部チャンバ120は縦方向と横方向で整列されている。本明細書では、上部チャンバ114の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム126に位置する平面にある上部チャンバ114の面積と定義される。これを図8Aの上部チャンバ114の図で示す。同様に、本明細書では、下部チャンバ120の断面積は、X寸法とY寸法によって画定され、カバーフィルム128に位置する平面にある下部チャンバ120の面積と定義される。これを図8Bの下部チャンバ120の図で示す。更に別の実施形態では、上部チャンバ114の断面積の少なくとも約90%が下部チャンバ120の断面積に重なるように、上部チャンバ114と下部チャンバ120は縦方向と横方向で整列されている。
【0047】
パッケージ10について前述したように、注出プロセス中、単一の工程で上部チャンバ114と下部チャンバ120に圧力を同時に加えてもよい。加えられる圧力は、上部チャンバ114と下部チャンバ120の間で分配され、上部チャンバ114と下部チャンバ120を実質的に同時に圧潰させる。圧潰によって上部チャンバ114と下部チャンバ120の容積が減少し、それによって各流動性成分が上部チャンバ114と下部チャンバ120から流出する。上部チャンバ114に関して、流動性成分は破断可能なシール132を破壊し、通路132aに沿って流動し上部受入チャンバ116に入る。その後、ブラシ102で上部通路118を通して流動性成分に容易にアクセスできる。下部チャンバ120に関して、流動性成分は破断可能なシール136を破壊し、通路136aに沿って流動し下部受入チャンバ122に入る。その後、ブラシ104で下部通路124を通して流動性成分に容易にアクセスできる。
【0048】
図9および図10は、上部フィルム106および下部フィルム108の代替の形状および向きを示す、本発明のパッケージ100の上面図である。図9に示されるように、上部フィルム106および下部フィルム108は、パッケージ10の上部フィルム14および下部フィルム16と類似の寸法を示す。更に、上部フィルム106と下部フィルム108は、互いに対して一定の角度を向いている。これによって、ブラシ102および104にアクセスし易くなる。上部フィルム106と下部フィルム108の間の好適な角度は、個々の必要に応じて様々であってよい。
【0049】
図10は、パッケージ100の別の代替の構成を提供し、下部フィルム108は上部フィルム106に対して反転されていない。従って、上部フィルム106は下部フィルム108の上に配置されるが、上部フィルム106と下部フィルム108は両方とも上向きの方向を向いている。下部チャンバ120(図9および図10には示されていない)、下部受入チャンバ122、および下部通路124も同様に、上部チャンバ114、上部受入チャンバ116および上部通路118と同じ方向に上向きに延びている。この状況で、上部フィルム106とカバーフィルム126(図10には示されていない)は下部チャンバ120のところで下部フィルム108に固定されている。下部チャンバ120の上で上部チャンバ114とカバーフィルム128(図10には示されていない)に圧力を加え、上部チャンバ114と下部チャンバ120から流動性成分を注出する。
【0050】
パッケージ10の別の代替の構成は、上部フィルム106と下部フィルム108が下向きになり、カバーフィルム126と128が上向きになるように、図10に示されるパッケージ100を反転させることを含む(上部フィルム106と下部フィルム108の相対的な向きは図10に示されるのと同じままである)。これによって、ブラシ102および104と共にパッケージ100を使用することが更に容易になり得る。
【0051】
本発明の他の実施形態では、上部通路118は上部フィルム106および/又はカバーフィルム126のところで露出していてもよい。同様に、下部通路124は下部フィルム108および/又はカバーフィルム128のところで露出していてもよい。これによって、ブラシ102および104でパッケージ100から材料を注出することが更に簡便になる。例えば、図9に示されているパッケージ100に関して、上部通路118の上部分は上部フィルム106によって画定され、下部通路124の上部分はカバーフィルム128によって画定されている。このようにして、一実施形態では、上部通路118の上部分は、ブラシ102でアクセスし易いように露出していてもよい(即ち、上部フィルム106で被覆されなくてもよい)。同様に、下部通路124の上部分は、ブラシ104でアクセスし易いように露出していてもよい(即ち、カバーシート128で被覆されていなくてもよい)。
【0052】
図10に示されているパッケージ100に関して、上部通路118の上部分は上部フィルム106によって画定され、下部通路124の上部分は下部フィルム108によって画定されている。このようにして、本発明の別の実施形態では、上部フィルム106は上部通路118を被覆せず、下部フィルム108は下部通路124を被覆しない。また、これによって、それぞれブラシ102および104でアクセスし易いように上部通路118と下部通路124を露出させることが可能になる。
【0053】
本発明の他の実施形態では、カバーフィルム126と128を深絞りして流動性成分を注出するためのトレイを画定し、注出プロセス中にパッケージ100から流動性材料が溢出することを防止してもよい。これは、上部通路118および/又は下部通路124が露出している前述の実施形態に関して特に好適である。
【0054】
本発明の他の実施形態では、パッケージ10および100は、ポイカー(Peuker)らの米国特許第6,105,761号明細書に開示されているような複数の連続的混合/受入チャンバを含んでもよい。これによって、複数の流動性成分を連続的に混合することが可能になる。更に、後のチャンバは、また、破断可能なシール42、46、132、および136に類似した後の破断可能なシールを含んでもよい。このような実施形態では、後の破断可能なシールは、また、流動性成分を収容するチャンバ(例えば、チャンバ114および120)の作動によって破壊されてもよい。これは、後のチャンバが前のチャンバより小さい容積を有する場合、特に好適である。流動性成分がより小さいチャンバに圧入されるとき、加えられる圧力によって後の破断可能なシールも同様に破壊される。これによって流動性成分が更に一連の連続的混合/受入チャンバに沿って移動する。
【0055】
本発明の様々なパッケージ10および100は、上部チャンバと下部チャンバ(即ち、上部チャンバ24および114、並びに下部チャンバ30および120)に圧力を加えるクランプなどの注出デバイスと共に使用されてもよい。図11は、好適な注出デバイスの一例である、クランプ200を有するアセンブリとなるように整列されたパッケージ10の断面図である。図11に示されるように、クランプ200は、上部プレート202、下部プレート204、および延長部材206を含み、これらは全てヒンジ208に接続されている。上部プレート202と下部プレート204は互いに対してヒンジ208を中心に軸動し、クランプ200を開閉することができる。延長部材206は、ヒンジ208から延びる薄膜部材であり、上部フィルム14と下部フィルム16が一緒に固定されるとき、上部フィルム14と下部フィルム16の間に挿入されてもよい。この状況で、クランプ200はパッケージ10の永久固定具である。
【0056】
図12は、クランプ200と共に使用されるパッケージ10の側面図である。注出プロセス中、使用者は上部プレート202と下部プレート204に圧力を加えてもよい。これによって、上部チャンバ24と下部チャンバ30に圧力が同時に加えられる。好ましくは、上部プレート202と下部プレート204は、加えられる圧力が平坦な表面全体に分散するように硬質材料で製造されている。クランプ200は、また、注出プロセスが完了した後、クランプ200を閉鎖位置(上部プレート202と下部プレート204が略平行に整列されている)に固定するため、ロッキングアーム又は他の好適なファスナ手段を含んでもよい。
【0057】
本発明のパッケージ10および100は、使用する複数の流動性成分を一緒に貯蔵する(まだ分離されている)ための、および、それらの複数の流動性成分を実質的に同時に混合し注出するためのデバイスである。これによって、流動性成分を混合し、注出し、使用するのに必要な時間が短縮される。更に、パッケージ10および100は製造が容易であり、そのため製造費用が削減され、時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1A】本発明のパッケージの上面斜視図である。
【図1B】本発明のパッケージの底面斜視図である。
【図2】本発明のパッケージの側面図である。
【図3】図1Aの断面3−3の分解組立断面図である。
【図4A】図2の断面4A−4Aの図である。
【図4B】図2の断面4B−4Bの図である。
【図5】本発明のパッケージの第1の代替の構成の上面図である。
【図6】本発明の第2の代替のパッケージの上面図である。
【図7A】本発明の第2の代替のパッケージの側面図である。
【図7B】本発明の第2の代替のパッケージの分解組立側面図である。
【図8A】図7Aの断面8A−8Aの図である。
【図8B】図7Aの断面8B−8Bの図である。
【図9】本発明の第2の代替のパッケージの第2の実施形態の上面図である。
【図10】本発明の第2の代替のパッケージの第3の実施形態の上面図である。
【図11】注出デバイスを有するアセンブリとなるように整列された、本発明のパッケージの分解組立断面図である。
【図12】注出デバイスと共に使用される図11の組み立てられたパッケージの側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1のチャンバ、
第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2のチャンバであって、前記第3のフィルムが少なくとも部分的に前記第2のフィルムに隣接する第2のチャンバ、
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバ、
を備える、包装物品。
【請求項2】
前記第1のチャンバが前記第2のフィルムのところで第1の断面積を有し、前記第2のチャンバが前記第3のフィルムのところで第2の断面積を有し、前記第1の断面積の少なくとも約75%が前記第2の断面積に重なる、請求項1に記載の包装物品。
【請求項3】
前記第1の断面積の少なくとも約90%が、前記第2の断面積に重なる、請求項2に記載の包装物品。
【請求項4】
前記第3のチャンバが、第1の破断可能なシールによって前記第1のチャンバに接続されており、前記第3のチャンバが、第2の破断可能なシールによって前記第2のチャンバに接続されている、請求項1に記載の包装物品。
【請求項5】
前記第3のチャンバを前記包装物品の外部に接続する通路を更に備え、前記通路が前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている、請求項1に記載の包装物品。
【請求項6】
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムがそれぞれ、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造されている、請求項1に記載の包装物品。
【請求項7】
前記第1のチャンバが第1の流動性成分を収容し、前記第2のチャンバが第2の流動性成分を収容し、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバに圧力を加えることによって、前記第1の流動性成分と前記第2の流動性成分が実質的に同時に前記第3のチャンバの中に注出される、請求項1に記載の包装物品。
【請求項8】
前記第1の流動性成分と前記第2の流動性成分が、多成分組成物の一部である請求項7に記載の包装物品。
【請求項9】
注出デバイスを更に備え、前記注出デバイスが前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される部材を備える、請求項7に記載の包装物品。
【請求項10】
第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1のチャンバであって、前記第2のフィルムのところで第1の断面積を有する第1のチャンバ、
第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2のチャンバ、
第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバであって、前記第3のフィルムのところで第2の断面積を有し、前記第1の断面積の少なくとも約75%が前記第2の断面積に重なる第3のチャンバ、および
前記第3のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第4のチャンバ、
を備える、包装物品。
【請求項11】
前記第1の断面積の少なくとも約90%が前記第2の断面積に重なる、請求項10に記載の包装物品。
【請求項12】
前記第2のチャンバが第1の破断可能なシールによって前記第1のチャンバに接続され、前記第4のチャンバが第2の破断可能なシールによって前記第3のチャンバに接続されている、請求項10に記載の包装物品。
【請求項13】
前記第2のチャンバを前記包装物品の外部に接続する第1の通路であって、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1の通路、および
前記第4のチャンバを前記包装物品の外部に接続する第2の通路であって、前記第3のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2の通路、
を更に備える、請求項10に記載の包装物品。
【請求項14】
前記第1の通路が前記第2の通路に平行ではない、請求項13に記載の包装物品。
【請求項15】
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムがそれぞれ、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造されている、請求項10に記載の包装物品。
【請求項16】
前記第1のチャンバが第1の流動性成分を収容し、前記第3のチャンバが第2の流動性成分を収容し、前記第1のチャンバと前記第3のチャンバに圧力を加えることによって、前記第1の流動性成分と前記第2の流動性成分が実質的に同時に注出される、請求項10に記載の包装物品。
【請求項17】
前記第1の流動性成分が前記第2のチャンバの中に注出され、前記第2の流動性成分が前記第4のチャンバの中に注出される、請求項16に記載の包装物品。
【請求項18】
注出デバイスを更に備え、前記注出デバイスが前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置されている部材を備える、請求項10に記載の包装物品。
【請求項19】
第1のフィルムを第2のフィルムに接合し、それによって前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの間に配置される第1のチャンバを形成する工程、
第3のフィルムを第4のフィルムに接合し、それによって前記第3のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される第2のチャンバを形成する工程、および
前記第1のフィルムを前記第4のフィルムに接合し、それによって前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される第3のチャンバを形成する工程、
を含む、包装物品の製造方法。
【請求項20】
前記第1のフィルムを前記第2のフィルムに接合する工程が、前記第1のフィルムを前記第2のフィルムに封止する工程を含み、前記第3のフィルムを前記第4のフィルムに接合する工程が、前記第3のフィルムを前記第4のフィルムに封止する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のフィルムを前記第2のフィルムに接合する工程が、
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムを前記第1のチャンバの周囲の1つ以上の位置で封止する工程、および
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムを、第1の所定の位置を除く前記第1のチャンバの周囲の1つ以上の位置で再封止し、それによって前記第1の所定の位置で第1の破断可能なシールを形成する工程、
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のフィルムを前記第4のフィルムに接合する工程が、前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される通路を更に形成し、前記通路が前記第3のチャンバを前記包装物品の外部に接続する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムを深絞りする工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1のチャンバ、
第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2のチャンバであって、前記第3のフィルムが少なくとも部分的に前記第2のフィルムに隣接する第2のチャンバ、
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバ、
を備える、包装物品。
【請求項2】
前記第1のチャンバが前記第2のフィルムのところで第1の断面積を有し、前記第2のチャンバが前記第3のフィルムのところで第2の断面積を有し、前記第1の断面積の少なくとも約75%が前記第2の断面積に重なる、請求項1に記載の包装物品。
【請求項3】
前記第1の断面積の少なくとも約90%が、前記第2の断面積に重なる、請求項2に記載の包装物品。
【請求項4】
前記第3のチャンバが、第1の破断可能なシールによって前記第1のチャンバに接続されており、前記第3のチャンバが、第2の破断可能なシールによって前記第2のチャンバに接続されている、請求項1に記載の包装物品。
【請求項5】
前記第3のチャンバを前記包装物品の外部に接続する通路を更に備え、前記通路が前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている、請求項1に記載の包装物品。
【請求項6】
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムがそれぞれ、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造されている、請求項1に記載の包装物品。
【請求項7】
前記第1のチャンバが第1の流動性成分を収容し、前記第2のチャンバが第2の流動性成分を収容し、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバに圧力を加えることによって、前記第1の流動性成分と前記第2の流動性成分が実質的に同時に前記第3のチャンバの中に注出される、請求項1に記載の包装物品。
【請求項8】
前記第1の流動性成分と前記第2の流動性成分が、多成分組成物の一部である請求項7に記載の包装物品。
【請求項9】
注出デバイスを更に備え、前記注出デバイスが前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される部材を備える、請求項7に記載の包装物品。
【請求項10】
第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1のチャンバであって、前記第2のフィルムのところで第1の断面積を有する第1のチャンバ、
第1のフィルムと第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2のチャンバ、
第3のフィルムと第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第3のチャンバであって、前記第3のフィルムのところで第2の断面積を有し、前記第1の断面積の少なくとも約75%が前記第2の断面積に重なる第3のチャンバ、および
前記第3のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第4のチャンバ、
を備える、包装物品。
【請求項11】
前記第1の断面積の少なくとも約90%が前記第2の断面積に重なる、請求項10に記載の包装物品。
【請求項12】
前記第2のチャンバが第1の破断可能なシールによって前記第1のチャンバに接続され、前記第4のチャンバが第2の破断可能なシールによって前記第3のチャンバに接続されている、請求項10に記載の包装物品。
【請求項13】
前記第2のチャンバを前記包装物品の外部に接続する第1の通路であって、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの間の封止接合によって画定されている第1の通路、および
前記第4のチャンバを前記包装物品の外部に接続する第2の通路であって、前記第3のフィルムと前記第4のフィルムの間の封止接合によって画定されている第2の通路、
を更に備える、請求項10に記載の包装物品。
【請求項14】
前記第1の通路が前記第2の通路に平行ではない、請求項13に記載の包装物品。
【請求項15】
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムがそれぞれ、アルミニウム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造されている、請求項10に記載の包装物品。
【請求項16】
前記第1のチャンバが第1の流動性成分を収容し、前記第3のチャンバが第2の流動性成分を収容し、前記第1のチャンバと前記第3のチャンバに圧力を加えることによって、前記第1の流動性成分と前記第2の流動性成分が実質的に同時に注出される、請求項10に記載の包装物品。
【請求項17】
前記第1の流動性成分が前記第2のチャンバの中に注出され、前記第2の流動性成分が前記第4のチャンバの中に注出される、請求項16に記載の包装物品。
【請求項18】
注出デバイスを更に備え、前記注出デバイスが前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置されている部材を備える、請求項10に記載の包装物品。
【請求項19】
第1のフィルムを第2のフィルムに接合し、それによって前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの間に配置される第1のチャンバを形成する工程、
第3のフィルムを第4のフィルムに接合し、それによって前記第3のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される第2のチャンバを形成する工程、および
前記第1のフィルムを前記第4のフィルムに接合し、それによって前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される第3のチャンバを形成する工程、
を含む、包装物品の製造方法。
【請求項20】
前記第1のフィルムを前記第2のフィルムに接合する工程が、前記第1のフィルムを前記第2のフィルムに封止する工程を含み、前記第3のフィルムを前記第4のフィルムに接合する工程が、前記第3のフィルムを前記第4のフィルムに封止する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のフィルムを前記第2のフィルムに接合する工程が、
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムを前記第1のチャンバの周囲の1つ以上の位置で封止する工程、および
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムを、第1の所定の位置を除く前記第1のチャンバの周囲の1つ以上の位置で再封止し、それによって前記第1の所定の位置で第1の破断可能なシールを形成する工程、
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のフィルムを前記第4のフィルムに接合する工程が、前記第1のフィルムと前記第4のフィルムの間に配置される通路を更に形成し、前記通路が前記第3のチャンバを前記包装物品の外部に接続する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のフィルムと前記第4のフィルムを深絞りする工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−525285(P2008−525285A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548321(P2007−548321)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/045574
【国際公開番号】WO2006/068934
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【出願人】(504169278)スリーエム イーエスピーイー アーゲー (43)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/045574
【国際公開番号】WO2006/068934
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【出願人】(504169278)スリーエム イーエスピーイー アーゲー (43)
【Fターム(参考)】
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