説明

組換えサビネン合成酵素及びその利用

【課題】温州みかんなどの柑橘類のモノテルペン合成経路での主要な酵素であり、性質のよく知られているγ-テルピネン合成酵素を改変して、新規サビネン合成酵素を提供する。
【解決手段】ゲラニルピロリン酸を基質としてγ−テルピネンを合成する植物由来モノテルペン合成酵素に、該酵素のアミノ酸配列の3つの領域にわたって変異を導入したサビネン合成酵素。また、前記サビネン合成酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクター、該組換えベクターを導入した形質転換体。このサビネン合成酵素をゲラニルピロリン酸に作用させることで、サビネンを工業的に生産することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香気成分サビネンの合成酵素に関し、より詳細には、ゲラニルピロリン酸を基質としてγ−テルピネンを合成する植物由来モノテルペン合成酵素に変異を導入して、ゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成するように改変して得られた組換えサビネン合成酵素に関する。
【背景技術】
【0002】
植物のモノテルペン合成経路では香気成分が生合成される。例えば、温州みかんをはじめとする柑橘類の香気成分は、モノテルペン炭化水素類であるリモネン、γ-テルピネン、α−ピネン、β−ピネン、β−ミルセンなどである。これらのモノテルペン系香気成分は、さわやかな癒しを与える芳香作用のほかにも、抗菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用、鎮咳作用、殺菌作用などを有することが知られている。
【0003】
一方、モノテルペン系香気成分のうちサビネンは、スギ、ヒノキの葉油に含まれる。例えば、ヒノキ科の針葉樹の一種、ビャクシン(Sabina chinensis (L.) Ant.)の精油の主成分として20.99%含まれていることが報告されている(下記非特許文献1参照)。また、サビネンを多く含有する精油には、芳香作用以外にも次のような作用効果についての報告がある。例えば、下記非特許文献2には、せり科の植物Seseli annuum の精油はサビネンを10.3%含み、15種類のfungiに抗菌性を示すことが報告されている。また、下記非特許文献3には、杉(Cryptomeria japonica)の精油はサビネンを8.86%含み、口腔細菌に対して抗菌性を示すことが報告されている。また、下記非特許文献4には、マウスの記憶増強作用をもつ韓国のセイショウモミ(Abies koreana)の針葉の超臨界抽出物にはサビネンが8.86%含まれていることが報告されている。また、下記非特許文献5には、抗菌性を示すネズの実(Juniperi aetheroleum)の精油成分中に(α−ピネン、β−ピネンについでサビネンが13.55%含まれていることが報告されている。また、下記非特許文献6には、ヒト肝がん細胞に細胞死をもたらすイヌザンショウ(Zanthoxylum schinifolium)の精油中に3番目に多い成分として15.4%含まれていることが報告されている。また、下記非特許文献7には、抗かび性を示すブプレウルム(Bupleurum gibraltarium)の精油中に主要成分として31.1%含まれていることが報告されている。また、下記非特許文献8には、クリタモ(Crithmum maritimum)の殺虫性成分にサビネンが含まれていることが報告されている。また、下記非特許文献9には、16種の純物質のピロリ菌に対する殺菌作用が調べられ、サビネンの最小抗菌濃度(MBC; The minimal bactericidal concentrations)が0.04g/Lであり、他の3種と共に最も低い値を示したことが報告されている。
【0004】
様々な生理的作用の期待されるサビネンを工業的に生産するためには、これを特異的に産生する酵素を用いて酵素的に合成するのが効率がよい。また、その酵素については、その供給の必要性から、cDNAを用いた組換えタンパク質(Recombinant Protein)として発現できるものであることが好ましい。
【0005】
従来、組換えタンパク質として利用可能なサビネン合成酵素としては、セージ(Salvia officinalis)のcDNAをクローニングして、グルタチオン−S−トランスフェラーゼの融合蛋白質として大腸菌等で発現させ、サビネン合成活性が得られている(下記非特許文献10参照)。また、Salvia pomiferaのサビネン合成酵素のcDNAを用いて、Hisタグ−タンパク質として大腸菌で発現させ、サビネン合成活性が得られている(下記非特許文献11参照)。また、同じ下記非特許文献11では、グリークセージ(Salvia fruticosa)の1,8−シネオール合成酵素に変異を導入して、Hisタグ−タンパク質として大腸菌で発現させ、サビネン合成活性を得ている。
【非特許文献1】Hao, D. Z., et al., Analysis of volatile constituents in the leaves of three cypress spieces., Chinese Journal of Chromatgr., 24 (2), 185-187, 2006
【非特許文献2】Milosavljevic, S. et al.,Composition and antifungal activity of the essential oil of Seseli annuum wild-growing in Serbia., Fitoterapia, 78 (4), 319-322, 2007
【非特許文献3】Cha, J. D., et al., Chemical composition and antibial activity of the essential oil obtained from Cryptomeria japonica, Phytotherapy Research 21 (3), 295-299, 2007
【非特許文献4】Kim, K., et al., Memory-enhancing effect of a supercritical carbon dioxide fluid extract of the needles of Abies koreana on scopolamine-induced amnesia in mice, Biosci. Biotechnol. Biochem・, 70 (8), 1821-1826,2006
【非特許文献5】Pepeljnjak, S., et al., Antimicrobial activity of juniper berry essential oil (Juniperus communis L., Cupressaceae), Acta Pharmaceutica, 55 (4), 417-422, 2005
【非特許文献6】Paik, S.Y., et a1., The essential oils from Zanthoxylum schinifolium pericarp induce apoptosis of HepG2 human hepatoma cells through increased production of reactive oxygen species, Biol. Pharm.・Bull., 28(5), 802-807, 2005
【非特許文献7】Fenandez-Ocana, A.M., et al., In vitro antifungal activity of the essential oil of Bupleurum gibraltarium against Plasmopara halstedii in sunflower,J. Agric. Food Chem., 52, 6414-6417, 2004
【非特許文献8】Tsoukatou M.,et al., Chemical intra-Mediterranean variation and insecticidal activity of Crithmum maritimum., Zeitschrift fur Naturforschung. Section C. Journal of Biosciences. 56(3-4): 211-5, 2001
【非特許文献9】Bergonzelli, G. E., et a1.,Essential oils as components of a diet-based approach to management of Helicobacter infection., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 47(10), 3240-3246, 2003
【非特許文献10】Michell, L. W., et al., Monoterpene synthases from common sage (Salvia officinalis). J. Biol. Chem., 273, 14891-14899, 1998
【非特許文献11】Kampranis, S. C., et al., Rational conversion of Substrate and product specificity in a Salva monoterpene synthase: Structural insights into the evolution synthase function, The Plant Cell, 19, 1994-2005, 2007
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術に鑑み、温州みかんなどの柑橘類のモノテルペン合成経路での主要な酵素であり、性質のよく知られているγ-テルピネン合成酵素を改変して、新規サビネン合成酵素を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、ゲラニルピロリン酸を基質としてγ−テルピネンを合成する植物由来モノテルペン合成酵素に、該酵素のアミノ酸配列の3つの領域にわたって変異を導入することで、サビネンを合成するようになることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0008】
(1) ゲラニルピロリン酸を基質としてγ−テルピネンを合成する植物由来モノテルペン合成酵素に、該酵素のアミノ酸配列中、下記(a)、(b)、及び(c)の位置に少なくとも1のアミノ酸の変異を導入し、ゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成するように改変して得られたことを特徴とするサビネン合成酵素。
【0009】
(a)該酵素のアミノ酸配列中、モノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号1で表されるアミノ酸配列のアミノ酸末端側から31アミノ酸を隔てて位置するモノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号2で表されるアミノ酸配列のカルボキシ末端の直後の位置
(b)該酵素のアミノ酸配列中、配列番号1で表されるアミノ酸配列のアミノ酸末端側からアミノ酸末端側に3〜6アミノ酸を隔てた位置
(c)該酵素のアミノ酸配列中、配列番号1で表されるアミノ酸配列のカルボキシ末端側から91又は92アミノ酸を隔てて位置するモノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号3で表されるアミノ酸配列のカルボキシ末端側から1アミノ酸を隔てた位置
(2)前記植物由来モノテルペン合成酵素が、温州みかん由来である上記(1)記載のサビネン合成酵素。
【0010】
(3)前記植物由来モノテルペン合成酵素が、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなるものである上記(1)記載のサビネン合成酵素。
【0011】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のサビネン合成酵素をコードする遺伝子。
【0012】
(5)上記(4)に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
【0013】
(6)上記(5)に記載の組換えベクターを導入した形質転換体。
【0014】
(7)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のサビネン合成酵素をゲラニルピロリン酸に作用させることを特徴とするサビネン製造方法。
【0015】
(8)下記(a)又は(b)の組換えタンパク質。
【0016】
(a)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含み、且つゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成する活性を有する組換えタンパク質
(b)配列番号5で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、且つゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成する活性を有する組換えタンパク質
(9)上記(8)に記載の組換えタンパク質をコードする遺伝子。
【0017】
(10)上記(9)に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
【0018】
(11)上記(10)に記載の組換えベクターを導入した形質転換体。
【0019】
(12)上記(8)に記載の組換えタンパク質をゲラニルピロリン酸に作用させることを特徴とするサビネン製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スギ、ヒノキの葉油に含まれるモノテルペン系香気成分であるサビネンを工業的に生産するために有用なサビネン合成酵素を新規に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のサビネン合成酵素は、ゲラニルピロリン酸を基質としてγ−テルピネンを合成する植物由来モノテルペン合成酵素の所定の領域にアミノ酸変異を導入することにより得ることができる。
【0022】
変異を導入する領域の第1は、酵素のアミノ酸配列中、モノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号1で表されるアミノ酸配列(DDXXD)のアミノ酸末端側から32アミノ酸を隔てて位置するモノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号2で表されるアミノ酸配列(RXRXXE)のカルボキシ末端の直後の位置である。
【0023】
変異を導入する領域の第2は、酵素のアミノ酸配列中、配列番号1で表されるアミノ酸配列(DDXXD)のアミノ酸末端側からアミノ酸末端側に3〜6アミノ酸を隔てた位置である。
【0024】
変異を導入する領域の第3は、酵素のアミノ酸配列中、配列番号1で表されるアミノ酸配列(DDXXD)のカルボキシ末端側から91又は92アミノ酸を隔てて位置するモノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号3(NX(W/K)XS)で表されるアミノ酸配列のカルボキシ末端側から1アミノ酸を隔てた位置である。
【0025】
上記第1の領域は、例えば、後述する温州みかん由来γ-テルピネン合成酵素においては、その翻訳開始メチオニンから322番目のグルタミン酸の位置に相当する。また、上記第2の領域は、その翻訳開始メチオニンから346番目のグルタミン酸から、その翻訳開始メチオニンから349番目のロイシンまでの位置に相当する。また、また、上記第3の領域は、その翻訳開始メチオニンから456番目のスレオニンの位置に相当する。
【0026】
図1及び図2には、後述する温州みかん由来γ-テルピネン合成酵素(図中一番上の列)と、その他の植物モノテルペン合成酵素であって下記表1に示す植物由来の酵素の、それぞれの部分的なアミノ酸配列のアラインメント(alignment)を示し、モノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列を明らかにしている。そして、その配列と、変異を導入する領域との位置関係を明らかにしている。
【0027】
【表1】

【0028】
本発明においては、上記第1〜3の領域のそれぞれに少なくとも1のアミノ酸の変異を導入する。組換えタンパク質として発現する酵素に、部位特異的に変異を導入する方法は公知であり、後述する実施例で示す方法などを適宜用いることができる。
【0029】
上記第1〜3の領域のどの位置にどのような変異を導入するかは、変異が導入される酵素によっても異なるので、これをスクリーニングによって、変異導入部位と導入するアミノ酸を探索することもできる。具体的には、上記第1〜3の領域に様々な変異を導入して、組換えタンパク質として発現するその変異導入後の酵素を作成し、後述する実施例で例示されるような公知の方法で、ゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成するように改変しているかどうかを検定することにより、変異導入部位と導入するアミノ酸を決定することができる。
【0030】
本発明において変異が導入される、植物由来モノテルペン合成酵素としては、ゲラニルピロリン酸を基質としてγ−テルピネンを合成する酵素であれば特に制限はないが、柑橘類植物由来であることが好ましく、温州みかん由来のγ-テルピネン合成酵素であることがより好ましい。
【0031】
温州みかん由来のγ-テルピネン合成酵素としては、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなるものが知られており、配列番号6で表される塩基配列からなるcDNAがクローニングされている(「Citrus unshiu CitMTS61」DDBJ accession number AB110640)。この温州みかん由来のγ-テルピネン合成酵素については、非特許文献:Shimada, T. et al., Molecular cloning and functional characterization of four monoterpene synthase genes from Citrus unshu Marc., Plant Science, 166, 49-58 (2004)にも記載されている。
【0032】
本発明のサビネン合成酵素は、天然型の酵素にアミノ酸変異を導入することにより得られる酵素であるので、いわゆる組換えタンパク質である。そのタンパク質をコードする遺伝子(cDNA)や、該遺伝子を含有する組換えベクター、該べクターを導入した形質転換体などは、公知の遺伝子工学の手法を用いて調製することができる。
【0033】
組換えタンパク質の発現用ベクターやその宿主としては、例えば、大腸菌を宿主として用いる場合には、pBR322、pUC18、pBluescript II、pET等のプラスミドDNA、EMBL3、M13、λgt11、λZAP等のファージDNA等を、酵母を宿主として用いる場合は、YEp13、YEp24、YCp50等のプラスミドDNAを、植物細胞を宿主として用いる場合には、pBI101、pBI121等のプラスミドDNAをベクターとして用いることができる。また、精製の便宜のため、His−tag、TAP−tag、CBP、GST等との融合タンパクとして発現させることが好ましい。
【0034】
本発明のサビネン合成酵素や組換えタンパク質は、組換えタンパク質の発現用ベクターを導入した形質転換体を培養し、その培養物(培養菌体又は培養上清)中に発現タンパク質を蓄積させ、該培養物から採取することにより得ることができる。また、公知の技術を利用して、適宜これを濃縮、精製することができる。
【0035】
一方、本発明のサビネン製造方法においては、本発明のサビネン合成酵素や組換えタンパク質をゲラニルピロリン酸に作用させる。その条件は、適宜選択することができる。本発明のサビネン合成酵素や組換えタンパク質をゲラニルピロリン酸に作用させて得られる生成物は、サビネンを主成分とし、その他のモノテルペンを含むものであるが、公知の技術を利用して、適宜サビネンを濃縮、精製することができる。
【実施例】
【0036】
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0037】
<例1> 温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素のN末端欠失変異の作成
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素のN末端にはプラスチドへ移行するためのシグナル部分が存在し、この部分を除くと大腸菌での発現が良くなることが知られている。そこで、N末端から55アミノ酸を除いたタンパク質をコードするcDNAを以下のようにして作成した。なお、表2には、以下の変異導入のために用いたオリゴヌクレオチドプライマーをまとめて示す。
【0038】
【表2】

【0039】
出発のプラスミドは、配列番号6で表される塩基配列からなる温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素のcDNA(「Citrus unshiu CitMTS61」DDBJ accession number AB110640)の全領域を含んだ大腸菌プラスミドベクターpBluescript SK(+)である。これに、Clontech 社製「Transformer部位特異的突然変異誘発キット」(商品名)を用いて、変異を導入した。具体的には、N末端から55アミノ酸からなるプラスチドターゲッティングシグナルを除くと同時にNdeI部位を導入するように意図したオリゴヌクレオチドプライマー1(配列番号7)と、終止コドンの15塩基下流にNdeI部位を導入するためのオリゴヌクレオチドプライマー2(配列番号8)と、pBluescript SK (+)のScaI部位をなくすためのオリゴヌクレオチドプライマー3(配列番号9)を用いて、上記キットの方法に従い、変異導入した。変異の確認は導入した制限酵素部位の存在およびDNA塩基配列の決定によって行った。導入されたNdeI部位で切断し、得られた約1.7 kbのNdeI断片を大腸菌プラスミドベクターpET15bのNdeI部位に挿入した。制限酵素部位により判断し、正しい向きに遺伝子が挿入されたプラスミドを得、プラスミドN2-15bとした。図3には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0040】
<例2> C末端His−tagの導入
C末端His−tag融合タンパク質を発現する大腸菌発現用プラスミドベクターとするために、上記例1で得られたN末端欠失変異体をコードするcDNAを、以下のようにして、大腸菌プラスミドベクターpET28bのNotI/NcoI部位に挿入した。
【0041】
プラスミドN2-15bの開始コドンをNcoIに変えるためのforwardのオリゴヌクレオチドプライマー4(配列番号10)と、終止コドン部分にNotI部位が付加されるようにデザインしたreverse のオリゴヌクレオチドプライマー5(配列番号11)を用いてプラスミドN2-15bをテンプレートにPCRを行い、得られた約1.7kbのDNA断片をNotI/NcoI 処理し、大腸菌発現用プラスミドベクターpET28bのNotI/NcoI部位に挿入し、プラスミドN2-28bを作成した。変異の導入は塩基配列の決定により確認した。図4には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0042】
<例3> T456G変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから456番目の位置にあたるスレオニンがグリシンに変異したT456G変異を、以下のようにして導入した。
【0043】
T456G変異とSphI制限酵素部位を同時に導入するためのオリゴヌクレオチドプライマー6(配列番号12)を用いて、プラスミドN2-15bに変異を導入した。変異導入には、上記Clontech 社製「Transformer部位特異的突然変異誘発キット」(商品名)を用いた。変異の導入は塩基配列の決定により確認した。この変異部位を含む179 bpのAflII-EcoRI断片をプラスミドN2-28bのAflII-EcoRI断片 6704 bpに連結し、プラスミドT456G-28bを得た。図5には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0044】
<例4> N322S+N346I+L349I変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから322番目の位置にあたるアスパラギンがセリンに変異したN322S変異と、前記翻訳開始メチオニンから346番目の位置にあたるアスパラギンがイソロイシンに変異したN346I変異と、前記翻訳開始メチオニンから349番目の位置にあたるロイシンがイソロイシンに変異したL349I変異とを同時に有するN322S+N346I+L349I変異を、以下のようにして導入した。
【0045】
プラスミドN2-28bを鋳型としてN322S変異とHindIII制限酵素部位を同時に導入するためのforwardのオリゴヌクレオチドプライマー7(配列番号13)と、N346I+L349I変異とSpeI制限酵素部位を同時に導入するためのreverseのオリゴヌクレオチドプライマー8(配列番号14)を用いてPCRを行った。生じた123bpの二本鎖DNAをアガロース電気泳動で分離、ゲルより回収した。これを変異導入相補的プライマーとして「Quick Change Site-Directed Mutagenesis Kit」 (Stratagene社製) を用いてN2-28bを鋳型として変異導入した。すなわち、プライムスターDNA合成酵素(TaKaRa社製)1U、 1×プライムスターBuffer, 上の操作でゲルより回収した二本鎖DNA 約 0.1 μg、dNTPおのおの0.2 mM、N2-28b DNA 約2 ng/μlを含む反応液量40μlで、98 ℃;60秒間+ (98 ℃;10秒間+68 ℃,;8分間) ×17サイクル+68 ℃; 60秒間の条件でPCR反応を行なった。反応後のPCR反応液36μlにDpnIを7.2U加え、37 ℃で1時間インキュベートした。制限酵素処理液をエタノール沈殿し、4μlの超純水に溶かした。JM109株に全てElectroporationし、LB培地プレートにまき、37 ℃で一晩培養した。生じたコロニーから数株をとり、変異の導入をDNA塩基配列により確認した。
【0046】
上記のようにしてプラスミドN322S+N346I+L349I-28bを得た。
【0047】
<例5> N322S+N346I+L349I+T456G変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから322番目の位置にあたるアスパラギンがセリンに変異したN322S変異と、前記翻訳開始メチオニンから346番目の位置にあたるアスパラギンがイソロイシンに変異したN346I変異と、前記翻訳開始メチオニンから349番目の位置にあたるロイシンがイソロイシンに変異したL349I変異と、前記翻訳開始メチオニンから456番目の位置にあたるスレオニンがグリシンに変異したT456G変異を同時に有するN322S+N346I+L349I+T456G変異を、以下のようにして導入した。
【0048】
プラスミドT456G-28bとプラスミドN322S+N346I+L349I-28bから、この二つの変異の間にあるAflII部位を利用して組み換えた。すなわちN322S+N346I+L349I+T456G-28bプラスミドを上記のようにして制限酵素AflIIとBstEIIで切断し、N322S+N346I+L349I変異を含む2.1 kb断片を単離した。また、T456G-28bプラスミドを制限酵素AflIIとBstEIIで切断し、T456G変異を含む4.8 kb断片を単離した。両者を連結し、プラスミドN322S+N346I+L349I+T456G-28bを得た。図6には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0049】
<例6> N346I+L349I+T456G変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから346番目の位置にあたるアスパラギンがイソロイシンに変異したN346I変異と、前記翻訳開始メチオニンから349番目の位置にあたるロイシンがイソロイシンに変異したL349I変異と、前記翻訳開始メチオニンから456番目の位置にあたるスレオニンがグリシンに変異したT456G変異を同時に有するN346I+L349I+T456G変異を、以下のようにして導入した。
【0050】
プラスミドN322S+N346I+L349I+T456G-28bとプラスミドN2-28bからBsp119部位とPvuI部位を利用して組み換えて、プラスミドN346I+L349I+T456G-28bを得た。図7には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0051】
<例7> N346I+L349I変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから346番目の位置にあたるアスパラギンがイソロイシンに変異したN346I変異と、前記翻訳開始メチオニンから349番目の位置にあたるロイシンがイソロイシンに変異したL349I変異を同時に有するN346I+L349I変異を、以下のようにして導入した。
【0052】
プラスミドN346I+L349I+T456G-28bとN2-28bからAflII部位とBstEII部位を利用して組み換えて、プラスミドN346I+L349I-28bを得た。図8には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0053】
<例8> N322S変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから322番目の位置にあたるアスパラギンがセリンに変異したN322S変異を、以下のようにして導入した。
【0054】
プラスミドN322S+N346I+L349I-28bとプラスミドN2-28bのそれぞれのBsp119部位とEco81I部位を制限酵素で切断し、N322S変異を含む0.52 kb断片と、プラスミドN2-28b由来の6.4 kb断片を連結し、プラスミドN322S-28bを得た。図9には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0055】
<例9> L349I+T456G変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから349番目の位置にあたるロイシンがイソロイシンに変異したL349I変異と、前記翻訳開始メチオニンから456番目の位置にあたるスレオニンがグリシンに変異したT456G変異とを同時に有するL349I+T456G変異を、以下のようにして導入した。
【0056】
プラスミドN2-28bを鋳型としてL349I変異導入するためのforwardのオリゴヌクレオチドプライマー9(配列番号15)と、reverseのオリゴヌクレオチドプライマー10(配列番号16)を用いてPCRを行った。生じた376塩基対のPCR産物をアガロース電気泳動し、ゲルより回収した。これを変異導入相補的プライマーとし、上記例4と同様にして、「Quick Change Site-Directed Mutagenesis Kit」(Stratagene社製) を用いて、N2-28bを鋳型として変異導入した。得られたプラスミドのAflII/BstEII部位を制限酵素で切断し、プラスミドT456G-28b のAflII/BstEII部位に組換え、プラスミドL349I+T456G-28bを得た。図10には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0057】
<例10> N322S+T456G変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから322番目の位置にあたるアスパラギンがセリンに変異したN322S変異と、前記翻訳開始メチオニンから456番目の位置にあたるスレオニンがグリシンに変異したT456G変異とを同時に有するN322S+T456G変異を、以下のようにして導入した。
【0058】
プラスミドN322S-28bとT456G-28bよりAflII部位とBstEII部位で組換え、プラスミドN322S+T456G-28bを得た。図11には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0059】
<例11> L349I変異の導入
温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素の翻訳開始メチオニンから349番目の位置にあたるロイシンがイソロイシンに変異したL349I変異を、以下のようにして導入した。
【0060】
プラスミドL349I+T456G-28bとN2-28bよりAflII部位とBstEII部位で組換え、プラスミドL349I-28bを得た。図12には、そのプラスミド構築工程を模式的に示す。
【0061】
<例12> 変異導入酵素の大腸菌での発現及び精製
下記表3には、上記例3〜8で得られた大腸菌発現用プラスミドベクターをまとめて示す。
【0062】
【表3】

【0063】
これら変異導入酵素をコードするcDNAを含有する大腸菌発現用プラスミドベクターで、常法に従い、大腸菌BL21-CodonPlus(DE3)-RIL株を形質転換した。そして、LB液体培地 (20 μg/ml Km、30 μg/ml Cm) 3 mlに植菌し、37 ℃で一晩振盪培養した。LB液体培地 (20 μg/ml Km、30 μg/ml Cm) 100 mlに1%量植菌し、37 ℃、200 rpm、で旋回振盪培養した。O.D.600が0.5に到達したところで温度を20 ℃に下げ、O.D.600が0.6〜1.0になったところで振盪速度を90 rpmに落とすとともに、最終濃度が0.5 mMになるようにIPTGを加えさらに、20時間程度培養を続けた。
【0064】
培養液を4 ℃、 15000 gで10分間遠心し、集菌した。菌体にソニックバッファー(20 mM Tris-HCl pH 7.0, 150 mM NaCl, 5 mM DTT)を本培養液100 mlあたり8 mlの割合で加え、懸濁した。SONIFIER 250 (BRANSON社製)を用い氷水冷しながらduty cycle 30 %、output duty 3、マイクロチップを用いて25分間超音波を掛け菌体を破砕した。菌体破砕液を4 ℃、15000 gで30分間遠心し、上清をMinisart RC-15 0.20 μmのフィルターに通して不純物を除いた。この液を粗酵素液とした。
【0065】
HisTrapTM HP 1 mlカラム(ファルマシア社製)に流速がおよそ1 ml/minとなるように圧力を調節して蒸留水を5 ml流し、保存液を除いた後、100 mM NiCl2を500 μl流し、ニッケルをカラムにキレートさせた。蒸留水5 mlで洗った後、平衡化Buffer(20 mM Tris-HCl pH 7.0, 500 mM NaCl) 5 mlで平衡化し、粗酵素液 5 ml、Wash Buffer (20 mM Tris-HCl pH 7.0, 500 mM NaCl, 50 mM イミダゾール) 5 ml、Elution Buffer (20 mM Tris-HCl pH 7.0, 500 mM NaCl, 500 mM イミダゾール) 10 mlをこの順に流し酵素を溶出させた。溶出液を分画した。酵素画分を集め、平衡化Bufferで酵素濃度が19.6 μMになるよう調整した。
【0066】
<例13> サビネン合成活性の測定
上記例9で精製した変異導入酵素について、ゲラニルピロリン酸を基質にしたサビネン合成活性を測定した。具体的には、反応液(0.1 mM の基質、392 nM酵素、20 mM Tris-HCl pH 7.0、10 mM MgCl2、10%(w/v)グリセロール、2 mM DTT) 100 μlに、ヘキサン溶液 (0.1 mM camphorを内部標準として含む)を50μl重層し、30 ℃で3 時間インキュベートした。バイアル瓶を1分間ボルテックスした。ボルテックスしたバイアル瓶を4 ℃、1250 gで10分間遠心し、ヘキサン層を40μlとり、GC/MS測定用バイアル瓶に移し、生成物をGC/MS測定に処した。
【0067】
GC/MS測定は以下の条件で行った。
【0068】
・オーブン昇温プログラム:初期温度50℃、60 ℃まで5 ℃/min、 115 ℃ まで2 ℃/min、145 ℃ まで5 ℃/min、200 ℃まで10 ℃/min、ポストランとして200 ℃で3分保持
・注入口温度:250 ℃
・キャリアガス:ヘリウム(純度99.999%)
・カラム:CYCLOSILB (Length30 m/I.D.0.25 mm/Film 0.25 mm) (Agilent社製)
・流量:1.5 ml/min
・注入量:1μl
生成物のうちサビネン以外については、既知濃度の標準試料を用いたときのピーク面積の比較により生成量(nmol)を求めた。また、サビネンについては、質量分析のフラグメンテーションパターン(図13)と、NISTライブラリーに開示されているサビネンのフラグメンテーションパターン(図14)とを比較し、同時に、キャピラリーカラムHP-5 MS (30 m, ID 0.25mm/Film 0.25μm)を用いたときの保持時間を、文献値(N. Aligiannis et al., J. Agric. Food Chem., 49, 811-815 2001)でのKI値と比較することによって、サビネンのカラムピークを同定した(表4参照)。そして、他のモノテルペンのシグナルと比較し、いずれも炭素数10の炭化水素であることから、単位量当たりに同程度の強度のシグナルが得られるものとみなして、生成量(nmol)を求めた。なお、サビネンには光学異性体があり(+)-サビネンと(-)-サビネンがある。どちらかは決定できなかったので、保持時間の短い方を仮にサビネンA、大きい方をサビネンBとしてその生成量を概算した。
【0069】
【表4】

【0070】
結果を下記表5に示す。
【0071】
【表5】

【0072】
表5に示すように、野生型酵素では上記条件でゲラニルピロリン酸から7.69 nmolのモノテルペンを生成し、その80.2%はγ-テルピネンであった。
【0073】
一方、酵素のアミノ酸配列の3つの領域にわたって変異を導入した、N322S+N346I+L349I+T456G変異では、5.12 nmolのモノテルペンを生じ、その66.5%はサビネンAであった。また、その6.3%はサビネンBであった。また、元来の生成物であるγ-テルピネンは生成しなかった。したがって、酵素の主生成物がγ-テルピネンからサビネンに改変したことがわかる。
【0074】
その他の変異体については以下とおりの結果となった。
【0075】
T456G変異では、主生産物はα-ピネンになった。L349I+T456G変異では、α-ピネンの生成量は減少し、サビネンもわずかに合成されるようになるが、様々なモノテルペンが合成されるようになった。N322S+T456G変異でも同様の傾向を示すが総生産物量が減少した。N346I+L349I+T456G変異では、サビネンを生産するがその生成率が大きく減少した。T456G変異を持たない他の変異酵素では生産物も変化せずに、活性もほとんど失ってしまった。
【0076】
したがって、温州みかん由来γ−テルピネン合成酵素に変異を導入してサビネン合成活性を得るためには、酵素のアミノ酸配列の3つの領域にわたって変異を導入することが、必要であることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】モノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列と変異を導入する領域との位置関係を示す説明図である。
【図2】モノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列と変異を導入する領域との位置関係を示す説明図である。
【図3】プラスミドN2-15bの構築工程を説明する図表である。
【図4】プラスミドN2-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図5】プラスミドT456G-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図6】プラスミドN322S+N346I+L349I+T456G-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図7】プラスミドN346I+L349I+T456G-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図8】プラスミドN346I+L349I-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図9】プラスミドN322S-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図10】プラスミドL349I+T456G-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図11】プラスミドN322S+T456G-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図12】プラスミドL349I-28bのプラスミド構築工程を説明する図表である。
【図13】N322S+N346I+L349I+T456G変異を導入した酵素が生産する保持時間18.182 minのマススペクトルを示す図表である。
【図14】NISTライブラリーに開示されているサビネンのマススペクトルを示す図表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲラニルピロリン酸を基質としてγ−テルピネンを合成する植物由来モノテルペン合成酵素に、該酵素のアミノ酸配列中、下記(a)、(b)、及び(c)の位置に少なくとも1のアミノ酸の変異を導入し、ゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成するように改変して得られたことを特徴とするサビネン合成酵素。
(a)該酵素のアミノ酸配列中、モノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号1で表されるアミノ酸配列のアミノ酸末端側から31アミノ酸を隔てて位置するモノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号2で表されるアミノ酸配列のカルボキシ末端の直後の位置
(b)該酵素のアミノ酸配列中、配列番号1で表されるアミノ酸配列のアミノ酸末端側からアミノ酸末端側に3〜6アミノ酸を隔てた位置
(c)該酵素のアミノ酸配列中、配列番号1で表されるアミノ酸配列のカルボキシ末端側から91又は92アミノ酸を隔てて位置するモノテルペン合成酵素の分子種間で保存された配列番号3で表されるアミノ酸配列のカルボキシ末端側から1アミノ酸を隔てた位置
【請求項2】
前記植物由来モノテルペン合成酵素が、温州みかん由来である請求項1記載のサビネン合成酵素。
【請求項3】
前記植物由来モノテルペン合成酵素が、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドからなるものである請求項1記載のサビネン合成酵素。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のサビネン合成酵素をコードする遺伝子。
【請求項5】
請求項4に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
【請求項6】
請求項5に記載の組換えベクターを導入した形質転換体。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のサビネン合成酵素をゲラニルピロリン酸に作用させることを特徴とするサビネン製造方法。
【請求項8】
下記(a)又は(b)の組換えタンパク質。
(a)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含み、且つゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成する活性を有する組換えタンパク質
(b)配列番号5で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、且つゲラニルピロリン酸を基質としてサビネンを合成する活性を有する組換えタンパク質
【請求項9】
請求項8に記載の組換えタンパク質をコードする遺伝子。
【請求項10】
請求項9に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
【請求項11】
請求項10に記載の組換えベクターを導入した形質転換体。
【請求項12】
請求項8に記載の組換えタンパク質をゲラニルピロリン酸に作用させることを特徴とするサビネン製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図3】
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【図4】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−207402(P2009−207402A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52890(P2008−52890)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(507219686)静岡県公立大学法人 (63)
【Fターム(参考)】