説明

組立包装箱

【課題】開蓋されたものを確実に判別でき、指等を損傷せず開蓋操作が簡単にスムーズに行え、構成簡素で、組立て簡単で、取扱い易く、量産に適し、経済的で、興趣に富み、開蓋操作が楽しく行える組立包装箱を提供する。
【解決手段】蓋部は折曲片6と上天板7と下天板8と中天板9とを備え、正面板1の上端中央部分に除去片1aを形成し、下天板8に摘み片8aを連設し、折曲片6に刳り抜き部6aを形成し、下天板8を折曲片6の上に重ね、摘み片8aを除去片1aの裏面がわに配し、中天板9を下天板8の上に重ね、上天板7を中天板9の上に重ね、この重合状態を維持できるよう構成し、破断予定線21を破断すると摘み片8aが露出し、手指で摘んだ摘み片8aを上方に強制移動せしめて、下天板8を上方に揺動させ、中天板9及び上天板7を破断予定線22で破断して、胴部の上部開口部分を開放できるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、化粧品や、薬品や、ドリンク剤や、その他の適宜商品を収納できると共に、店頭等に陳列もできる組立包装箱に係り、いたずらや不注意等によって開蓋されたものについては確実に判別できるようにすると共に、開蓋操作がより行い易くなるようにし、しかも、興趣に富んだ開蓋操作が楽しく行えるように工夫した組立包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の組立包装箱にあっては、種々のものが提供されており、例えば、特許文献1に示すような包装用箱が開示されている。
これは、シート体を折り曲げて開口部の蓋を形成している包装用箱において、上記蓋が閉じられた状態で蓋と接している箱体周面の端縁部に、この箱体形成部材の一部を容易に分離可能に設けられた切込部を形成し、この切込部に連接して切込部で囲まれる部分の箱体形成部材を分離不能に保持する接続部を設けたものである。
そして、この包装用箱は、商品を取り出す際、切込に親指等を当てて押し込み、切込を利用して開口部を形成し、更に指を入れ、その状態で上蓋を上方に開けようとすると、フラップの切込が破れて、フラップの一部が切込によって分離され、上蓋が開くように構成されたものである。
【0003】
【特許文献1】実開平4−53618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、前述の如き組立包装箱によれば、切込に親指等を当てて押し込んだ後に、指先を開口部にある程度深く押し込まないと上蓋に指先を掛けることができず、上蓋をスムーズに開くことができない難点があった。しかも、切込に親指等を当てて押し込む際の力加減が判り難く、勢い良く親指を押し込んでしまった場合は、爪の生え際部分を切込縁で擦ってしまう虞等もあった。
そこで、本願発明者は、前述の如き難点等を解消できるようにすると共に、いたずらや不注意等によって開蓋されたものについては確実に判別でき、開蓋操作がより行い易く、興趣に富んだ開蓋操作が楽しく行え、しかも、構成が簡素で、組立てが簡単で、量産に適し、経済的となるような組立包装箱を提供できるようにすべく創出したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかして、前述の如き課題を達成できるようにすべく、本発明の請求項1記載の組立包装箱にあっては、略四角筒状となる胴部と、この胴部の下部開口部分を閉鎖する底部と、胴部の上部開口部分を閉鎖する蓋部とからなる紙製の箱であって、胴部は、正面板1と背面板3と左右側板2、4とを備え、蓋部は、正面板1の上端縁に連設される折曲片6と、左右側板2、4のどちらか一方の上端縁に破断予定線22を介して連設されると上天板7と、背面板3の上端縁に連設される下天板8と、左右側板2、4のどちらか他方の上端縁に破断予定線22を介して連設される中天板9とを備え、正面板1の上端中央部分には、破断予定線21によって区画される除去片1aを形成し、下天板8の前端縁には、除去片1aより小さい摘み片8aを連設し、折曲片6の前端がわ中央には、刳り抜き部6aを形成し、蓋部は、折曲片6が胴部の上部開口部分の正面板1がわを塞ぐように配され、下天板8が折曲片6の上に重なって胴部の上部開口部分を塞ぐように配されると共に、摘み片8aが除去片1aの裏面がわに配され、中天板9が下天板8の上に重なるように配され、上天板7が中天板9の上に重なるように配されると共に、この重合状態を維持できるようにして構成され、除去片1aの破断予定線21を破断すると摘み片8aが露出するように形成し、この摘み片8aは、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され、摘み片8aを摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板8が上方に揺動すると共に、中天板9及び上天板7を破断予定線22で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成する手段を採用した。
【0006】
また、請求項2記載の組立包装箱にあっては、略四角筒状となる胴部と、この胴部の下部開口部分を閉鎖する底部と、胴部の上部開口部分を閉鎖する蓋部とからなる紙製の箱であって、胴部は、正面板1と背面板3と左右側板2、4とを備え、蓋部は、正面板1の上端縁に折目線20を介して連設される折曲片6と、左右側板2、4のどちらか一方の上端縁に破断予定線22を介して連設される上天板7と、背面板3の上端縁に折目線20を介して連設される下天板8と、左右側板2、4のどちらか他方の上端縁に破断予定線22を介して連設される中天板9とを備え、正面板1の上端中央部分には、略溝形状の破断予定線21によって区画されると共に、破断予定線21の破断によって正面板1から分離可能となるような除去片1aを形成し、下天板8の前端縁には、除去片1aの幅以下で且つ除去片1aの長さより短い摘み片8aを折目線20を介して連設し、折曲片6の前端がわには、除去片1aの幅に合致すると共に、摘み片8aが遊挿可能となるような刳り抜き部6aを形成し、上天板7の左側端縁或いは右側端縁には、折目線24を介して差込片7aを連設し、中天板9と左側板4の連設部分、或いは中天板9と右側板2の連設部分の破断予定線22の中央部分には、差込片7aが差込み係止可能となるような差込用切込線23を形成し、蓋部は、折曲片6が胴部の上部開口部分の正面板1がわを塞ぐように配され、下天板8が折曲片6の上に重なって胴部の上部開口部分を塞ぐように配されると共に、摘み片8aが除去片1aの裏面がわに配され、中天板9が下天板8の上に重なるように配され、上天板7が中天板9の上に重なるように配されると共に、差込片7aが差込用切込線22に差込み係止されて、この重合状態が維持されることにより構成され、除去片1aの破断予定線21を破断すると摘み片8aが露出するように形成し、この摘み片8aは、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され、摘み片8aを摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板8が上方に揺動すると共に、中天板9及び上天板7を破断予定線22で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成する手段を採用した。
【0007】
更に、請求項3記載の組立包装箱にあっては、除去片1aの上端縁は、上方に向って湾出するような略円弧状に形成され、その中央上部が上天板7の上面より僅かに突出するように形成する手段を採用した。
【0008】
そして、請求項4記載の組立包装箱にあっては、除去片1aの破断予定線21を破断し、露出した摘み片8aを外がわに揺動せしめた後に形成される正面板1の上部中央の空間は、指先の一部が入り込める大きさとなるよう構成する手段を採用した。
【発明の効果】
【0009】
従って、本発明の請求項1記載の組立包装箱によれば、いたずらや不注意等によって開蓋されたものについては、破断予定線21や破断予定線22が破断するようになるため、確実に判別できるようになる。更に、開蓋操作が指等を損傷することなく簡単に且つスムーズに行えるようになる。しかも、構成が簡素で、組立てが簡単で、取扱い易く、量産に適し、経済的な組立包装箱となる。
【0010】
特に、除去片1aの破断予定線21を破断すると摘み片8aが露出するように形成し、この摘み片8aは、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され、摘み片8aを摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板8が上方に揺動すると共に、中天板9及び上天板7を破断予定線22で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成したので、開蓋操作が今までに無い興趣に富んだものとなり、開蓋操作を楽しく行えるようになる。しかも、露出した摘み片8aは外がわに揺動させられるので、これを手指で確実に且つ容易に摘むことができるようになり、下天板8を上方に確実に揺動せしめて、中天板9及び上天板7を破断予定線22でスムーズに破断させることができるようになる。
加えて、上天板7は、左右側板2、4のどちらか一方の上端縁に破断予定線22を介して連設し、中天板9は、左右側板2、4のどちらか他方の上端縁に破断予定線22を介して連設したので、中天板9及び上天板7を破断予定線22でよりスムーズに破断させることができるようになる。
【0011】
また、本発明の請求項2記載の組立包装箱によれば、いたずらや不注意等によって開蓋されたものについては、破断予定線21や破断予定線22が破断するようになるため、確実に判別できるようになる。更に、開蓋操作が指等を損傷することなく簡単に且つスムーズに行えるようになる。しかも、構成が簡素で、組立てが簡単で、取扱い易く、量産に適し、経済的な組立包装箱となる。
【0012】
特に、除去片1aの破断予定線21を破断すると摘み片8aが露出するように形成し、この摘み片8aは、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され、摘み片8aを摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板8が上方に揺動すると共に、中天板9及び上天板7を破断予定線22で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成したので、開蓋操作が今までに無い興趣に富んだものとなり、開蓋操作を楽しく行えるようになる。しかも、露出した摘み片8aは外がわに揺動させられるので、これを手指で確実に且つ容易に摘むことができるようになり、下天板8を上方に確実に揺動せしめて、中天板9及び上天板7を破断予定線22でスムーズに破断させることができるようになる。
加えて、正面板1の上端中央部分には、略溝形状の破断予定線21によって区画されると共に、破断予定線21の破断によって正面板1から分離可能となるような除去片1aを形成し、下天板8の前端縁には、除去片1aの幅以下で且つ除去片1aの長さより短い摘み片8aを折目線20を介して連設し、折曲片6の前端がわには、除去片1aの幅に合致すると共に、摘み片8aが遊挿可能となるような刳り抜き部6aを形成したので、刳り抜き部6aを利用して、手指で摘み片8aと一緒に蓋部(下天板8及び中天板9及び上天板7)の一部も摘めるようになり、指先に力を加え易くなって中天板9及び上天板7の破断予定線22をよりスムーズに破断させて、爽快感を伴った開蓋が行えるようになる。
しかも、上天板7は、左右側板2、4のどちらか一方の上端縁に破断予定線22を介して連設し、中天板9は、左右側板2、4のどちらか他方の上端縁に破断予定線22を介して連設したので、中天板9及び上天板7を破断予定線22でよりスムーズに破断させることができるようになる。
【0013】
更に、本発明の請求項3記載の組立包装箱によれば、上天板7の上面より僅かに突出している除去片1aの中央上部に、指先を掛け易くなり、破断予定線21の破断がより簡単に且つスムーズに行えるようになる。
【0014】
そして、本発明の請求項4記載の組立包装箱によれば、除去片1aの破断予定線21を破断し、露出した摘み片8aを外がわに揺動せしめた後に形成される正面板1の上部中央の空間に、指先の一部が損傷することなくよりスムーズに入るようになり、手指で摘み片8aと一緒に蓋部(下天板8及び中天板9及び上天板7)の一部もより簡単に摘め、指先に力を加え易くなって中天板9及び上天板7の破断予定線22をよりスムーズに破断させて、爽快感を伴った開蓋が行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図示例に基づいて説明すると、次の通りである。
本発明の組立包装箱は、略四角筒状となる胴部と、この胴部の下部開口部分を閉鎖する底部と、胴部の上部開口部分を閉鎖する蓋部とからなる紙製(或いは、適宜樹脂製、或いは、紙材を含む適宜複合材を利用したものであっても良い)の箱である。
そして、胴部は、正面板1と背面板3と左右側板2、4とを備え、蓋部は、正面板1の上端縁に連設される折曲片6と、左右側板2、4のどちらか一方の上端縁に破断予定線22を介して連設されると上天板7と、背面板3の上端縁に連設される下天板8と、左右側板2、4のどちらか他方の上端縁に破断予定線22を介して連設される中天板9とを備えている。
更に、正面板1の上端中央部分には、破断予定線21によって区画される除去片1aを形成し、下天板8の前端縁には、除去片1aより小さい摘み片8aを連設し、折曲片6の前端がわ中央には、刳り抜き部6aを形成してある。
それから、蓋部は、折曲片6が胴部の上部開口部分の正面板1がわを塞ぐように配され、下天板8が折曲片6の上に重なって胴部の上部開口部分を塞ぐように配されると共に、摘み片8aが除去片1aの裏面がわに配され、中天板9が下天板8の上に重なるように配され、上天板7が中天板9の上に重なるように配されると共に、この重合状態を維持できるようにして構成されている。
しかも、除去片1aの破断予定線21を破断すると摘み片8aが露出するように形成し、この摘み片8aは、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され、摘み片8aを摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板8が上方に揺動すると共に、中天板9及び上天板7を破断予定線22で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成されている。
【実施例】
【0016】
図に示す組立包装箱の胴部は、例えば、略矩形状の正面板1と、この正面板1の右側端縁に折目線25を介して連設される略矩形状の右側板2と、この右側板2の後端縁に折目線25を介して連設される略矩形状の背面板3と、この背面板3の左側端縁に折目線25を介して連設される略矩形状の左側板4と、この左側板4の裏面に接着されると共に、正面板1の左側端縁に折目線25を介して連設される糊代となる略細長帯板状の接着片5とからなり、全体略四角筒状を呈している。
【0017】
そして、正面板1の上端中央部分には、略溝形状の破断予定線21によって区画されると共に、破断予定線21の破断によって正面板1から分離可能(完全に分離させるように形成しても良いし、或いは、底部がわの一部が分離しないように形成してあっても良い。)となるような略矩形状の除去片1aが形成されている。尚、破断予定線21は、例えば、破線状の切込線によって構成されている。
しかも、除去片1aの上端縁は、上方に向って湾出するような略円弧状に形成され、その中央上部が後述する蓋部の上天板7の上面より僅かに突出するように形成されている。すなわち、上天板7の上面より僅かに突出している除去片1aの中央上部に、指先を掛け易く形成してあり、破断予定線21の破断がより簡単に且つスムーズに行えるように形成してある。
【0018】
また、図に示す組立包装箱の蓋部は、例えば、正面板1の上端縁に折目線20を介して連設される折曲片6と、左右側板2、4のどちらか一方の上端縁(例えば、右側板2の上端縁)に破断予定線22を介して連設される略矩形状の上天板7と、背面板3の上端縁に折目線20を介して連設される略矩形状の下天板8と、左右側板2、4のどちらか他方の上端縁(例えば、左側板4の上端縁)に破断予定線22を介して連設される略矩形状の中天板9とで構成されている。
尚、破断予定線22は、図示例のように略へ字状の切込線を複数所定間隔に配して構成したものでも良いし、或いは、ミシン目状の切込線でも良いし、その他適宜自由に設定、変更できるものである。また、この破断予定線22は、右側板2と上天板7の連設部分や、左側板4と中天板9の連設部分ではなく、上天板7や中天板9に設けるようにしても良い。
【0019】
そして、下天板8の前端縁には、除去片1aの幅以下で且つ除去片1aの長さより短い略矩形状(或いは、その他の形状でも良い)の摘み片8aが折目線20を介して連設してある。
【0020】
更に、折曲片6の前端がわには、除去片1aの幅に合致すると共に、摘み片8aが遊挿可能となるような略矩形状(或いは、その他の形状でも良い)の刳り抜き部6aを形成してあり、折曲片6自体は略コ字状となっている。
【0021】
前記上天板7の左側端縁(或いは右側端縁)には、折目線24を介して略半円状(或いは、その他の形状でも良い)の差込片7aを連設してある。尚、折目線24は、その両端部分が略へ字状の切込線となっており、後述する差込用切込線23に差込んだときに、差込片7aの両端部分が差込用切込線23の孔端縁部分に係止され易くなるように形成されている。
【0022】
一方、前記中天板9と左側板4の連設部分(或いは中天板9と右側板2の連設部分)の破断予定線22の中央部分には、差込片7aが差込み係止可能となるような略T字状(或いは、直線状でも良い)の差込用切込線23を形成してある。すなわち、差込用切込線23に差込片7aがスムーズに差込み係止できるように形成してある。
【0023】
しかして、組立包装箱の蓋部は、折曲片6が胴部の上部開口部分の正面板1がわを塞ぐように配され(図2、図3参照)、下天板8が折曲片6の上に重なって胴部の上部開口部分を塞ぐように配されると共に、摘み片8aが除去片1aの裏面がわに配され(図3、図4参照)、中天板9が下天板8の上に重なるように配され(図4、図5参照)、上天板7が中天板9の上に重なるように配されると共に、差込片7aが差込用切込線22に差込み係止され(図5、図6参照)ている。しかも、上天板7上面と左側板4表面とに跨るように封緘紙を接着する(図6、図7参照)ことで、これらの重合状態が確実に維持されるように構成されている。
ところで、封緘紙を設ける代わりに、中天板9と上天板7とを接着しても良い。このとき、差込片7aと差込用切込線23は設けなくても良い。
【0024】
すなわち、組立包装箱の蓋部は、除去片1aの破断予定線21を破断すると摘み片8aが露出するように形成されており(図7、図8参照)、この摘み片8aは、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され(図9参照)、摘み片8aを摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板8が上方に揺動すると共に、中天板9及び上天板7を破断予定線22で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成されている。
【0025】
尚、除去片1aの破断予定線21を破断した後(更に、摘み片8aを外がわに揺動せしめた後)に形成される正面板1の上部中央の空間は、指先(例えば、親指の指先、或いは人差し指の指先)の一部が入り込める大きさとなるように形成されている。すなわち、除去片1aの破断予定線21を破断し、露出した摘み片8aを外がわに揺動せしめた後に形成される正面板1の上部中央の空間に、指先の一部が損傷することなくよりスムーズに入るようになり、手指で摘み片8aと一緒に蓋部(下天板8及び中天板9及び上天板7)の一部もより簡単に摘めて、指先に力を加え易くなって中天板9及び上天板7の破断予定線22をよりスムーズに且つ勢い良く破断させて、爽快感を伴った開蓋が行えるように構成されている。
【0026】
更に、図に示す組立包装箱の底部は、例えば、正面板1の下端縁に折目線26を介して連設される略三角形状の前底片10と、背面板3の下端縁に折目線26を介して連設される略三角形状の後底片12と、右側板2の下端縁に折目線26を介して連設される略台形状の右底片11と、左側板4の下端縁に折目線26を介して連設される略台形状の左底片13とからなり、前底片10の斜辺に折目線27を介して連設した略五角形状の接着片14を、右底片11の下面所定位置に接着し、後底片12の斜辺に折目線27を介して連設した略五角形状の接着片15を、左底片13の下面所定位置に接着することで構成されている。すなわち、この底部は、筒部と共に折畳み可能となるように形成されている。
尚、組立包装箱の底部の構成は、図示例のものに限定されることなく、適宜自由に設定、変更できるものである。
【0027】
ところで、組立包装箱の具体的構成、形状、寸法、材質、胴部の具体的構成、形状、寸法、材質、蓋部の具体的構成、形状、寸法、材質、底部の具体的構成、形状、寸法、材質、正面板1の具体的構成、形状、寸法、材質、除去片1aの具体的構成、形状、寸法、配設位置、右側板2の具体的構成、形状、寸法、材質、背面板3の具体的構成、形状、寸法、材質、左側板4の具体的構成、形状、寸法、材質、接着片5の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、折曲片6の具体的構成、形状、寸法、材質、刳り抜き部6aの具体的形状、寸法、上天板7の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、差込片7aの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、下天板8の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、摘み片8aの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、中天板9の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、前底片10の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、右底片11の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、後底片12の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、左底片13の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、接着片14の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、接着片15の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、折目線20の具体的構成、形状、寸法、破断予定線22の具体的構成、形状、寸法、配設位置、差込用切込線23の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、折目線24の具体的構成、形状、寸法、折目線25、26、27、28の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の組立包装箱を例示する展開図である。
【図2】本発明の組立包装箱の蓋部の組立て状態(折曲片6を揺動させる状態)を例示する斜視図である。
【図3】本発明の組立包装箱の蓋部の組立て状態(折曲片6の上に重なるように下天板8を揺動させる状態)を例示する斜視図である。
【図4】本発明の組立包装箱の蓋部の組立て状態(下天板8の上に重なるように中天板9を揺動させる状態)を例示する斜視図である。
【図5】本発明の組立包装箱の蓋部の組立て状態(中天板9の上に重なるように上天板7を揺動させる状態)を例示する斜視図である。
【図6】本発明の組立包装箱の蓋部の組立て状態を例示する斜視図である。
【図7】本発明の組立包装箱の蓋部を開ける状態(除去片1aを分離して摘み片8aを揺動させる状態)を例示する斜視図である。
【図8】本発明の組立包装箱の蓋部を例示すると共に、蓋部を開ける状態(除去片1aを分離する状態)を例示する部分断面図である。
【図9】本発明の組立包装箱の蓋部を開ける状態(摘み片8aを揺動させて手指で摘んだ状態)を例示する部分断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 正面板
1a 除去片
2 右側板
3 背面板
4 左側板
5 接着片
6 折曲片
6a 刳り抜き部
7 上天板
7a 差込片
8 下天板
8a 摘み片
9 中天板
10 前底片
11 右底片
12 後底片
13 左底片
14 接着片
15 接着片
20 折目線
21 破断予定線
22 破断予定線
23 差込用切込線
24 折目線
25 折目線
26 折目線
27 折目線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角筒状となる胴部と、この胴部の下部開口部分を閉鎖する底部と、胴部の上部開口部分を閉鎖する蓋部とからなる紙製の箱であって、胴部は、正面板と背面板と左右側板とを備え、蓋部は、正面板の上端縁に連設される折曲片と、左右側板のどちらか一方の上端縁に破断予定線を介して連設されると上天板と、背面板の上端縁に連設される下天板と、左右側板のどちらか他方の上端縁に破断予定線を介して連設される中天板とを備え、正面板の上端中央部分には、破断予定線によって区画される除去片を形成し、下天板の前端縁には、除去片より小さい摘み片を連設し、折曲片の前端がわ中央には、刳り抜き部を形成し、蓋部は、折曲片が胴部の上部開口部分の正面板がわを塞ぐように配され、下天板が折曲片の上に重なって胴部の上部開口部分を塞ぐように配されると共に、摘み片が除去片の裏面がわに配され、中天板が下天板の上に重なるように配され、上天板が中天板の上に重なるように配されると共に、この重合状態を維持できるようにして構成され、除去片の破断予定線を破断すると摘み片が露出するように形成し、この摘み片は、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され、摘み片を摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板が上方に揺動すると共に、中天板及び上天板を破断予定線で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成したことを特徴とする組立包装箱。
【請求項2】
略四角筒状となる胴部と、この胴部の下部開口部分を閉鎖する底部と、胴部の上部開口部分を閉鎖する蓋部とからなる紙製の箱であって、胴部は、正面板と背面板と左右側板とを備え、蓋部は、正面板の上端縁に折目線を介して連設される折曲片と、左右側板のどちらか一方の上端縁に破断予定線を介して連設される上天板と、背面板の上端縁に折目線を介して連設される下天板と、左右側板のどちらか他方の上端縁に破断予定線を介して連設される中天板とを備え、正面板の上端中央部分には、略溝形状の破断予定線によって区画されると共に、破断予定線の破断によって正面板から分離可能となるような除去片を形成し、下天板の前端縁には、除去片の幅以下で且つ除去片の長さより短い摘み片を折目線を介して連設し、折曲片の前端がわには、除去片の幅に合致すると共に、摘み片が遊挿可能となるような刳り抜き部を形成し、上天板の左側端縁或いは右側端縁には、折目線を介して差込片を連設し、中天板と左側板の連設部分、或いは中天板と右側板の連設部分の破断予定線の中央部分には、差込片が差込み係止可能となるような差込用切込線を形成し、蓋部は、折曲片が胴部の上部開口部分の正面板がわを塞ぐように配され、下天板が折曲片の上に重なって胴部の上部開口部分を塞ぐように配されると共に、摘み片が除去片の裏面がわに配され、中天板が下天板の上に重なるように配され、上天板が中天板の上に重なるように配されると共に、差込片が差込用切込線に差込み係止されて、この重合状態が維持されることにより構成され、除去片の破断予定線を破断すると摘み片が露出するように形成し、この摘み片は、外がわに揺動させることにより手指で摘めるように形成され、摘み片を摘んだ状態のままこれを上方に強制移動せしめることで、下天板が上方に揺動すると共に、中天板及び上天板を破断予定線で破断させて、胴部の上部開口部分が開放できるように構成したことを特徴とする組立包装箱。
【請求項3】
除去片の上端縁は、上方に向って湾出するような略円弧状に形成され、その中央上部が上天板の上面より僅かに突出するように形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の組立包装箱。
【請求項4】
除去片の破断予定線を破断し、露出した摘み片を外がわに揺動せしめた後に形成される正面板の上部中央の空間は、指先の一部が入り込める大きさとなるよう構成したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の組立包装箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−273576(P2008−273576A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−119585(P2007−119585)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(592239866)永和紙器工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】