説明

組織再生のための方法および膜

組織の再生または移植は、天然コラーゲン含有組織に由来する精製コラーゲンバリアシート材料を含むコラーゲン膜材料からなる多層シートを含む構造を利用して促進され、バリアシート材料は、外側の平滑なバリア面を有するバリア層と、平滑なバリア面の反対側の繊維質の面とを含む。この構造は、繊維質の面に隣接して、コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層をさらに含む。コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層は、バリアシート材料よりも実質的に速い速度で対象者の身体によって再吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2009年1月16日に出願された米国仮出願番号第61/145,334号の利益を主張し、この米国仮出願番号第61/145,334号のすべてが、すべての目的のために全文が引用によって本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は一般に、組織の再生、修復または移植の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術の説明
皮膚、粘膜、半月板、軟骨、椎間板、靭帯および骨を含むいくつかの組織タイプの修復および再生にさまざまな膜のタイプが用いられてきた。
【0004】
損傷した皮膚組織の修復を目的とした皮膚移植がしばらくの間は確立した手法であった。分層皮膚移植片および前庭深化(vestibular deepening)の際の口腔粘膜遊離移植片の使用、ならびに口腔での他のタイプの関連手術もしばらくの間は確立した手法であった。さらに、特に歯根型インプラント(root form implants)の使用と併用して、口蓋および頬粘膜から採取された遊離粘膜移植片の使用が、付着粘膜面を、歯を失った歯槽堤領域に再構築する際に用いられてきた。
【0005】
このような移植手法は十分に確立されているが、正常皮膚および粘膜の再建および再生のために効果的な異物形成または異種性の代用移植材料を開発することによって、口腔前庭形成術または他の外科的処置の応用範囲がはるかに広範囲になるであろう。
【0006】
米国特許第6,713,085号は、外側の平滑なコラーゲンバリア面を含むバリア層と反対側の繊維質の面とを備える皮膚および粘膜の再生のための膜であって、コラーゲンからなるマトリックス層がスラリーとして繊維質のコラーゲン面に与えられ得る膜を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当該技術分野では、たとえばその後の外科的処置で組織の再生を促進させるという点で、依然として改良が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明によれば、組織の再生、修復または移植は、天然コラーゲン含有組織に由来する精製コラーゲンバリアシート材料とさらなるコラーゲンスポンジ層とを含む再吸収可能な多層構造を利用して促進されてもよい。バリアシート材料は、外側の平滑なバリア面を含むバリア層と、上記平滑なバリア面の反対側の繊維質の面とを備える。多層構造は、繊維質の面に隣接してコラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層をさらに備える。コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層は、コラーゲンシート材料よりも速い速度で身体によって再吸収される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る、治療すべき組織の領域を被覆する、コラーゲン材料からなるパッチを示す平面図である。
【図2】図3の再吸収可能な多層構造を調製する際に用いられるコラーゲンバリアシートを示す側断面図である。
【図3】本発明に係る再吸収可能な多層構造を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好ましい実施の形態の詳細な説明
特定の実施の形態によれば、本発明は、(口腔の、尿生殖器の)粘膜、皮膚、半月板、軟骨、椎間板、骨および靭帯などの組織の再生または修復を促進するための組成および方法を提供する。
【0011】
特定の実施の形態では、この発明は、粘膜の再生または修復を促進するための組成および方法を提供する。粘膜の治療に関連して、この方法は時には特定のタイプの口腔手術後に口腔内の粘膜の再生または修復を促進することに関連して記載されるが、損傷した粘膜組織を有する身体のいかなる部分でも粘膜の再生または修復の促進のためにこの方法を利用できることが理解される。
【0012】
この発明は時には粘膜傷害の治療の際の粘膜組織の修復および再生に関して記載されるが、皮膚、半月板、軟骨、椎間板、靭帯および骨などの他の組織タイプの再生および修復にもこの発明を適用できることを理解すべきである。
【0013】
特定の実施の形態では、この発明は、損傷した組織、負傷した組織、罹患した組織、傷ついた組織、除去された組織または欠落している組織の再生を促進する、および対象者の身体への組織移植を促進するまたは容易にするための組成および方法を提供する。
【0014】
特定の実施の形態では、組織再生を促進するため、組織修復を促進するため、組織移植を促進するもしくは容易にするため、またはそれらの組合せのための方法は、天然コラーゲン含有組織に由来する精製コラーゲンバリアシート材料を含む、組織の再生または移植を促進する再吸収可能な多層構造で、対象者の身体の損傷した組織、負傷した組織、罹患した組織、傷ついた組織、除去された組織または欠落している組織の領域を被覆するステップを備え、上記コラーゲンバリアシート材料は、外側の平滑なバリア面を含むバリア層を備え、上記平滑なバリア面の反対側に繊維質の面をさらに含み、上記多層構造は、コラーゲンスポンジ材料を含むマトリックス層をさらに備える。上記方法はさらに、上記マトリックス層が上記領域と上記繊維質の面との間に位置決めされた状態で上記領域の上にコラーゲンバリアシート材料を適合させる、接着するおよび固定するステップのうちの少なくとも1つのステップと、上記領域が組織を治癒または再生させることを可能にするステップとを備え、コラーゲンスポンジ材料からなる上記マトリックス層は、上記コラーゲンバリアシート材料よりも実質的に速い速度で対象者の身体によって再吸収される。
【0015】
パッチは、治療すべき組織の領域の上に、たとえば縫合糸またはフィブリン接着剤で固定されてもよく、組織は治癒または再生することが可能になる。
【0016】
特定の実施の形態では、上記多層構造の厚みは、約0.5〜8mmである。
特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジマトリックス層は、豚コラーゲンS、牛コラーゲンI/III、組換えコラーゲンIもしくはIII、組換えコラーゲンI/III、またはそれらの混合物を含む。特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジマトリックス層は、通常0〜30重量%の割合で、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸も含む。
【0017】
特定の実施の形態では、この発明の方法は、対象者の身体の損傷した組織、負傷した組織、罹患した組織、傷ついた組織、除去された組織または欠落している組織の領域をコラーゲンスポンジマトリックス材料で被覆するステップを含む。コラーゲンスポンジ材料は次いで、天然コラーゲン含有組織に由来する精製コラーゲンシート材料によって被覆され、シート材料は、外側の平滑なバリア面を含むバリア層を備え、上記平滑なバリア面の反対側に繊維質の面をさらに含む。スポンジ材料は、精製コラーゲンシート材料の繊維質の面に隣接しており、マトリックス層は、治療すべき領域と繊維質の面との間にある。
【0018】
特定の実施の形態では、この発明は、対象者の身体の損傷した組織、負傷した組織、罹患した組織、傷ついた組織、除去された組織または欠落している組織の領域を被覆することによって、組織再生を促進するため、または組織移植を促進するもしくは容易にするための、組織の再生/修復または移植を促進する構造であって、天然コラーゲン含有組織に由来する精製コラーゲンバリアシート材料を含む再吸収可能な多層構造を備え、バリアシート材料は、外側の平滑なバリア面を含むバリア層を備え、上記平滑なバリア面の反対側に繊維質の面をさらに含み、上記多層構造は、上記繊維質の面に隣接してコラーゲンスポンジ材料を含むマトリックス層をさらに備え、コラーゲンスポンジ材料からなる上記マトリックス層は、上記領域に隣接して位置決めされるように適合され、上記多層構造は、上記マトリックス層が上記コラーゲンバリアシート材料よりも実質的に速い速度で対象者の身体によって再吸収されるように適合される、構造である。
【0019】
特定の実施の形態では、マトリックス層は、上記繊維質の面に接着されるかまたは取付けられる。特定の実施の形態では、多層構造の厚みは、約0.5〜8mmである。特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジマトリックス層は、豚コラーゲンS、牛コラーゲンI/III、組換えコラーゲンIもしくはIII、組換えコラーゲンI/III、またはそれらの混合物などの動物または人間および組換え体のコラーゲンを含む。特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジマトリックス層は、通常0〜30重量%の割合で、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸も含む。特定の実施の形態では、多層構造は、少なくとも1つの成長因子を担持する。特定の実施の形態では、少なくとも1つの成長因子は、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF−1)、線維芽細胞成長因子ファミリ(FGF)の一種、ケラチノサイト成長因子(KGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子(TGF−β)、CIF(軟骨誘導因子)、BMP1〜14(骨形態形成タンパク質)のうちの少なくとも1つ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、またはそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施の形態では、成長因子はPDGFである。
【0020】
特定の実施の形態では、マトリックス層は、上記領域において膜状の上記マトリックス層の下にある組織細胞、特に間葉および外胚葉由来の細胞の成長とおよそ同じ速度で対象者の身体によって再吸収されるように適合される。この速度は、成長因子を含む場合には変更される。特定の実施の形態では、上記マトリックス層は、上記領域において膜状の上記マトリックス層の近くの組織細胞の成長とおよそ同じ速度で対象者の身体によって再吸収されるように適合され、上記細胞は上皮細胞である。この速度は、成長因子を含む場合には変更される。特定の実施の形態では、マトリックス層は、上記被覆後約2〜5週間以内に上記身体によって実質的に完全に再吸収されるように適合される。特定の実施の形態では、コラーゲンバリアシート材料は、上記被覆後約6〜11週間以内に実質的に完全に再吸収されるように適合される。特定の実施の形態では、上記構造は、上記コラーゲンバリアシート材料が、完全に再吸収されることなく、マトリックススポンジ層が身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約50%長く上記領域を被覆するように適合される。特定の実施の形態では、上記構造は、上記コラーゲンバリアシート材料が、完全に再吸収されることなく、マトリックススポンジ層が身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約100%長く上記領域を被覆するように適合される。
【0021】
本発明の特定の実施の形態によれば、図1に示すように、対象者の組織表面Mの組織における治療すべき欠損または領域は、欠損の上にパッチ10を配置し、このパッチを欠損の周囲の組織表面の周縁に留めることによって修復されてもよい。そして、パッチで被覆された領域は、組織を治癒または再生させることが可能になり得る。図1では、パッチ10は、縫合糸12によって組織表面Mに留められているように示されている。代替的に、たとえば当該技術分野において公知の有機接着剤(たとえばフィブリン接着剤)またはその他の好適な方法を利用して、治療すべき領域を取囲む周囲の宿主組織または他の構造にパッチを接着接合することによって、パッチを欠損の上に留めることができる。
【0022】
パッチ10は、配置される組織表面の形状にぴったり一致するように適度な柔軟性を有するコラーゲンバリアシート材料を含む構造から形成されてもよい。一実施の形態では、コラーゲンバリアシート材料は、組織への縫合に対応し、治癒過程中に外傷から組織表面を保護するのに十分な強度を有する。
【0023】
本発明の一実施の形態に係るパッチを形成するためのコラーゲンバリアシート材料が図2に14で示されている。パッチ14は、一方の側に平滑なバリア面18を有する単一のコラーゲンバリア層16を含み、平滑な面とは反対側の他方の側に凹凸があるまたは繊維質の面20を含む。平滑な面18は、負傷した領域を機械的に保護するために無孔であってもよい。繊維質の面20は、そこでの細胞成長を可能にする。使用時、平滑な面は、治療すべき領域とは逆の方に向けられてもよく、繊維質の面は、治療すべき領域の方に向けられてもよい。
【0024】
特定の実施の形態では、コラーゲンバリアシート材料16は、主にコラーゲンI、コラーゲンIIIまたはそれらの混合物であってもよい。この層のための1つの好適な材料は、Ed. Geistlich Soehne AG fuer Chemische Industrie製のBioGide(登録商標)である。BioGide(登録商標)材料は、豚の腹膜に由来しており、引用によって本明細書に援用される米国特許第5,837,278号に記載されている。
【0025】
図3は、本発明に従って用いることができる多層構造14′を示す。この膜は、図2に示した第1のコラーゲンバリア層16を含み、さらに第2のコラーゲンマトリックス層22を含み、この第2のコラーゲンマトリックス層22は、組織表面に配置して組織の再生または移植を促進するために、第1のコラーゲンバリアシート材料層16の繊維質の面20に取付けられるまたは接着されてもよく、取付けられないまたは接着されなくてもよい。第2のマトリックス層22のコラーゲンは、再生/修復細胞のための細胞接着、増殖、浸潤および分化に対して実質的に影響があるコラーゲンスポンジを備えていてもよく、またはコラーゲンスポンジから本質的に成っていてもよい。
【0026】
特定の実施の形態では、コラーゲンバリアシート材料層もコラーゲンスポンジマトリックス層も、対象者の身体によって完全に再吸収可能である。
【0027】
特定の実施の形態では、マトリックス層は、上記領域において膜状の上記マトリックス層の下にある組織細胞の成長とおよそ同じ速度で上記対象者の身体によって再吸収される。この速度は、成長因子を含む場合には変更される。特定の実施の形態では、上記細胞は、上皮細胞、内皮細胞、軟骨細胞、滑膜細胞、脊椎円板細胞、腱細胞または骨芽細胞である。特定の実施の形態では、細胞は上皮細胞である。特定の実施の形態では、マトリックス層は、上記被覆後約2〜5週間以内に上記身体によって実質的に完全に再吸収される。特定の実施の形態では、コラーゲンバリアシート材料は、上記被覆後約6〜11週間以内に実質的に完全に再吸収される。特定の実施の形態では、上記コラーゲンバリアシート材料の少なくとも一部は、完全に再吸収されることなく、上記マトリックス層が上記身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約50%長く上記領域を被覆する。特定の実施の形態では、上記コラーゲンバリアシート材料の少なくとも一部は、完全に再吸収されることなく、上記マトリックス層が上記身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約100%長く上記領域を被覆する。
【0028】
コラーゲンスポンジ(たとえば、ガイストリヒ・ファルマAG(Geistlich Pharma AG)(ウォルフーゼン、スイス)の製品)は、子牛または豚の皮膚組織などのさまざまな動物および臓器源の結合組織から形成されてもよい。特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジは、主にコラーゲンIであってもよく、たとえばコラーゲンIが50%以上であってもよく、たとえばコラーゲンIが約95%であってもよい。コラーゲンスポンジはまた、たとえば約5重量%の量でコラーゲンIIIを含有していてもよい。特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジマトリックス層は、通常0〜30重量%の割合で、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸も含む。コラーゲンスポンジは、治療中の領域において本発明の構造の下にある(上皮細胞などの)組織細胞の成長とおよそ同じ速度で対象者の身体によって再吸収されてもよい。コラーゲンスポンジマトリックス層は、細胞接着、増殖、浸潤および分化に対する実質的な影響を介して新たな組織形成をサポートする繊維質の構造で構成されてもよい。特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジマトリックス層は、スラリーとして与えられ、乾燥によって、たとえば凍結乾燥によって、バリア層の反対側の繊維質の層に接着されてもよい。
【0029】
特定の実施の形態では、バリア層は、完全に再吸収される前に、スポンジ層よりも少なくとも約50%長く身体にとどまる。他の実施の形態では、バリア層は、完全に再吸収される前に、スポンジ層よりも少なくとも約75%、100%、125%、150%、175%、または少なくとも約200%長く身体にとどまる。
【0030】
この構造のバリア層は、バリア層が完全に再吸収される前に、少なくとも約6〜11週間以上、たとえば少なくとも約6〜8週間、治療中の領域を被覆してもよい。
【0031】
特定の実施の形態では、コラーゲンスポンジマトリックス層は、コラーゲンスポンジマトリックス層が実質的に完全に再吸収された後、バリアシートが少なくともさらに約5〜6週間以上とどまる状態で、少なくとも約2〜5週間以内またはそれ以上の期間内に、完全に再吸収されてもよい。
【0032】
特定の実施の形態では、コラーゲンパッチ構造物の再吸収時間は、紫外線照射、脱水熱的処理(100〜160℃、真空、12〜240時間)、たとえばEDC((N‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐カルボジイミド‐塩酸塩、CDI(N,N‐カルボキシジイミダゾール)、CMC(1‐シクロヘキシル‐3‐(2‐モルホリノエチル)カルボジイミド)などのカルボジイミド、アルデヒド/ジアルデヒド(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヒアルロン酸アルデヒド)、植物起源からの架橋剤(たとえばゲニピン(genipin))およびアルドース/ケトース(たとえばリボース)など、またはそれらの組合せを用いた化学的架橋のためのゼロ長(zerolength)または非ゼロ長(non-zerolength)架橋剤で、構成されたパッチ材料を処理することによって、変更することができる。
【0033】
上述のBioGide(登録商標)バリア材料の身体への再吸収速度は、典型的には約6〜8週間である。バリアおよびコラーゲンスポンジ層の両方の再吸収時間は、架橋によって制御できる。たとえば、コラーゲンスポンジ層は、約10〜20W(たとえば約15W)の紫外線ランプによって、二重層膜のコラーゲンスポンジ層表面から約15〜45cm(たとえば約30cm)の距離で、約2〜4時間(たとえば約3時間)にわたって紫外線照射を行なうことによって、約2〜5週間以内に身体に完全に再吸収されるように架橋されることができる。例示的な波長は、約100nm〜約280nm(たとえば253.7nm)以内の紫外線C光線である。別の例では、脱水熱的処理による架橋は、<200mbarおよび100℃で24時間にわたって真空下で行なわれてもよい。EDCを用いた架橋は、約0.3〜2gのコラーゲンスポンジマトリックス当たり約0.1〜0.6gのEDC(たとえば、1.0gのコラーゲンマトリックス当たり約0.3gのEDC)の水溶液を用いてなされてもよい。ヒアルロナン、ヘキシエチレンジイソシアネート、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびグロキサルなどの他の架橋剤が用いられてもよい。架橋のために、コラーゲン1グラム当たり約10〜300mg(たとえば約100mg)のヒアルロン酸アルデヒドが用いられてもよい。
【0034】
特定の実施の形態では、ヘパリン、ヘパリン由来オリゴ糖、ヒアルロン酸、グリコサミノグリカン(たとえばコンドロイチン−4−硫酸塩)、またはそれらの混合物(1〜30重量%、たとえば2〜10重量%)がコラーゲンスポンジスラリーに含まれる。
【0035】
さらに、第1の層16および第2の層22の組合せは、膜14′の厚みを大きくして、取扱いを容易にし、治癒を向上させる。膜の厚みは、用途に応じて異なり得るが、典型的には約0.5mm〜約8mmの範囲であり、可能な範囲は約2mm〜約5mmであり、約3mmの厚みが1つの可能性である。
【0036】
図2および図3に示す実施の形態における第1の層16は、米国特許第5,837,278号に記載されているプロセスステップ、他の動物の組織(胸膜、腸間膜、心膜、硬膜、腸)および/または膜を用いることによる方法、スラリーを脱気して空気乾燥させることによる方法(フィルム状の透明な膜)、スラリーを脱気して真空乾燥させることによる方法(フィルム状の透明な膜)、または圧縮スポンジを用いることによる方法を含むがそれに限定されないさまざまな方法で作製できる。第1の層16は、豚、牛、馬のコラーゲンI、II、III、IV、IX、XおよびXI、または生物の組換え技術、またはこれらのコラーゲンタイプの組合せで作ることができる。
【0037】
図3に示す一実施の形態における第2のコラーゲンスポンジマトリックス層22は、たとえば凍結乾燥されたコラーゲンスラリーである。
【0038】
第2のコラーゲンスポンジ層22は、牛の皮膚材料、豚の皮膚材料または組換え皮膚材料から形成されてもよく、豚の皮膚材料、牛コラーゲンI/III、または組換えコラーゲンIおよび組換えコラーゲンI/IIIから形成されてもよく、通常0〜30重量%の割合で、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸をさらに含んでいてもよい。
【0039】
図3に示す実施の形態では、第1の膜層16および第2の膜層22は、任意の好適な態様で、互いに接続するまたは組合せることができる。3つの好適な組合せ方法の例として、フィブリン接着剤もしくはその他のタイプの接着剤で第1の膜層を第2の膜層に取付けること、コラーゲンスラリーを用いて第1の膜層を第2の膜層に取付けること、または第1の膜層をコラーゲンスポンジスラリーでコーティングして、次いでこれらの組合せを凍結乾燥させることが挙げられる。
【0040】
成長因子のようなさらなる材料なしに、組合せられた第1および第2の層を用いることが可能である。
【0041】
特定の実施の形態では、組織再生を促進し得る、EGF(上皮成長因子)、IGF−1(インスリン様成長因子)、線維芽細胞成長因子ファミリ(FGF)の一種、ケラチノサイト成長因子(KGF)、PDGF(血小板由来成長因子AA、AB、BB)、TGF−β(形質転換成長因子ファミリ−β1、β2、β3)、CIF(軟骨誘導因子)、BMP1〜14(骨形態形成タンパク質)のうちの少なくとも1つ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、またはそれらの混合物などの少なくとも1つの成長因子を、本発明の構造にまたは本発明の構造内に投入でき、および/または、治療すべき組織に配置され得る膜の表面に追加できる。特定の実施の形態では、成長因子はPDGFである。
【0042】
放出システムで、たとえばミクロスフェア、ゼラチンビードなどの徐放性の形態で、薬理学的および/または生物学的に活性な物質、たとえば成長因子を送達することが可能である。このような形態は、本発明の構造に投入でき、たとえばそこに埋込むまたは封入することができる。
【0043】
この発明はさらに、組織の再生または移植のための、本明細書に規定された構造の使用またはその構成要素に関し、組織の再生または移植を促進するための医薬品を製造する際の本明細書に規定された構造の使用またはその構成要素に関する。
【0044】
特定の実施の形態では、この発明に係る多層パッチは以下のように調製されてもよい。
(A) 第1の膜層は、バリア表面と繊維質の表面とを有する(たとえば、ガイストリヒ・ファルマAG(ウォルフーゼン、スイス)製のBioGide(登録商標)膜)米国特許第5,837,278号に記載されている手順に従って作製してもよい。
【0045】
(B) コラーゲンスポンジは、ガイストリヒ・ファルマAG(ウォルフーゼン、スイス)から得られ、スラリーにされてもよい。スラリーは、任意にキトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸を含有する第1の膜の繊維質の表面に実質的に均質な層として与えられ、乾燥、好ましくは凍結乾燥されて、本発明に係る多層構造を作製してもよい。
【0046】
非限定的な実施例:
実施例1:
コラーゲンスポンジ部を有するパッチ
1.純粋コラーゲンスポンジ(豚の皮膚から、コラーゲンIが95%、コラーゲンIIIが5%)を水に浸すステップ(30分、絶えず攪拌する)
2.コロイドミルを用いて、浸したコラーゲンを同じ水の中で分散させる第1分散ステップ(コラーゲンスラリー100kg、2%)
3.塩酸を用いてpH値を3.3に調整するステップ
4.コロイドミルを用いてコラーゲンスラリーを分散させる第2分散ステップ
5.塩酸を用いてpHを3.3に再調節するステップ
6.5mmという満タン量まで凍結乾燥トレイにスラリーを注ぐステップ
7.コラーゲンスラリーをBioGide(登録商標)コラーゲン膜の繊維質の側に与えるステップ
8.凍結乾燥させるステップ。
【0047】
実施例2:
コラーゲン/エラスチンスポンジ部を有するパッチ
1.純粋コラーゲンスポンジ(豚の皮膚から、コラーゲンIが95%、コラーゲンIIIが5%)を水に浸すステップ(30分、絶えず攪拌する)
2.コロイドミルを用いて、浸したコラーゲンを同じ水の中で分散させる第1分散ステップ(コラーゲンスラリー100kg、2%)
3.塩酸を用いてpH値を3.3に調整するステップ
4.エラスチン懸濁液を添加するステップ
懸濁液の調製:
a.エラスチン(凍結乾燥されている、シグマ社)を4000メッシュの濾し器に通して、40μmよりも小さなエラスチン粒子を得る
b.塩酸を用いて、pH3.3の水中で10〜15℃で24時間にわたってエラスチンを膨張させる
c.ブレンダでエラスチンを均質な懸濁液に懸濁させる(エラスチン懸濁液10kg、5%)
5.コロイドミルを用いてコラーゲン/エラスチンスラリーを分散させる第2分散ステップ
6.塩酸を用いてpHを3.3に再調節するステップ
7.5mmという満タン量まで凍結乾燥トレイにスラリーを注ぐステップ
8.コラーゲン/エラスチンスラリーをBioGide(登録商標)コラーゲン膜の繊維質の側に与えるステップ
9.凍結乾燥させるステップ(最終的な組合せ製品のスポンジ部:エラスチンが20%、コラーゲンが80%)。
【0048】
実施例3:
コラーゲン/キトサンスポンジ部を有するパッチ
1.純粋コラーゲンスポンジ(豚の皮膚から、コラーゲンIが95%、コラーゲンIIIが5%)を水に浸すステップ(30分、絶えず攪拌する)
2.コロイドミルを用いて、浸したコラーゲンを同じ水の中で分散させる第1分散ステップ(コラーゲンスラリー100kg、2%)
3.塩酸を用いてpH値を3.3に調整するステップ
4.キトサン溶液を添加するステップ
溶液の調製:
a.脱イオン水にキトサンを分散させた
b.8%の酢酸を添加する
c.室温で1時間掻き混ぜることによってキトサンを溶解させる(溶液10kg、酢酸4%、キトサン2.5%)
5.コラーゲン/キトサンスラリーを分散させる第2分散ステップ
6.pHを3.3に再調節するステップ
7.5mmという満タン量まで凍結乾燥トレイにスラリーを注ぐステップ
8.コラーゲン/キトサンスラリーをBioGide(登録商標)コラーゲン膜の繊維質の側に与えるステップ
9.凍結乾燥させるステップ(最終的な組合せ製品のスポンジ部:キトサンが11%、コラーゲンが89%)。
【0049】
実施例4:
コラーゲン/ヒアルロン酸スポンジ部を有するパッチ
1.純粋コラーゲンスポンジ(豚の皮膚から、コラーゲンIが95%、コラーゲンIIIが5%)を水に浸すステップ(30分、絶えず攪拌する)
2.コロイドミルを用いて、浸したコラーゲンを同じ水の中で、2%のコラーゲンスラリーに分散させる第1分散ステップ
3.塩酸を用いてpH値を3.3に調整するステップ
4.ヒアルロン酸ゲルを添加するステップ
ゲルの調製:
a.ヒアルロン酸ナトリウム(分子量:2×106Da)を脱イオン水に溶解させる
b.1Nの塩酸を用いてpH3.3に調節する(ゲル20kg、ヒアルロン酸1%)
5.コラーゲン/ヒアルロン酸スラリーを分散させる第2分散ステップ
6.塩酸を用いてpHを3.3に再調節するステップ
7.5mmという満タン量まで凍結乾燥トレイにスラリーを注ぐステップ
8.コラーゲン/ヒアルロン酸スラリーをBioGide(登録商標)コラーゲン膜の繊維質の側に与えるステップ
9.凍結乾燥させるステップ(最終的な組合せ製品のスポンジ部:ヒアルロン酸が9%、コラーゲンが91%)。
【0050】
実施例5:
この発明に係る本発明の構造を用いて、犬によって耳の皮膚を噛み切られた被験者を治療した。傷の上に縫合糸で膜を縫い付け、傷は治癒することが可能になった。驚くべきことに、傷の部位に毛包を含む新たな皮膚が形成された。
【0051】
説明した実施の形態に対して多くの修正、変形および変更が詳細になされてもよいので、上記の説明の中のすべての事項および添付の図面に示すすべての事項は、限定的な意味ではなく例示的に解釈されるよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織再生を促進するため、組織修復を促進するため、または組織移植を促進するもしくは容易にするため、またはそれらの組合せのための方法であって、天然コラーゲン含有組織に由来する精製コラーゲンバリアシート材料を含む、組織の再生または移植を促進する再吸収可能な多層構造で、対象者の身体の損傷した組織、負傷した組織、罹患した組織、傷ついた組織、除去された組織または欠落している組織の領域を被覆するステップを備え、前記コラーゲンバリアシート材料は、外側の平滑なバリア面を含むバリア層を備え、前記平滑なバリア面の反対側に繊維質の面をさらに含み、前記多層構造は、コラーゲンスポンジ材料を含むマトリックス層をさらに備え、前記方法はさらに、前記マトリックス層が前記領域と前記繊維質の面との間に位置決めされた状態で前記領域の上にコラーゲンバリアシート材料を適合させる、接着するおよび固定するステップのうちの少なくとも1つのステップと、前記領域が組織を治癒または再生させることを可能にするステップとを備え、コラーゲンスポンジ材料からなる前記マトリックス層は、前記コラーゲンバリアシート材料よりも実質的に速い速度で対象者の身体によって再吸収される、方法。
【請求項2】
前記マトリックス層は、前記繊維質の面に接着されるかまたは取付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コラーゲンバリアシート材料は、動物の組織(胸膜、腸間膜、心膜、硬膜、腸、またはそれらの組合せ)に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コラーゲンバリアシート材料は、豚の腹膜に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多層構造の厚みは、約0.5〜8mmである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層は、豚コラーゲンS、牛コラーゲンI/III、組換えコラーゲンIもしくはIII、組換えコラーゲンI/III、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層は、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
多層構造は、少なくとも1つの成長因子を担持する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの成長因子は、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF−1)、線維芽細胞成長因子ファミリ(FGF)の一種、ケラチノサイト成長因子(KGF)、血小板由来成長因子(PDGF−AA、ABまたはBB)、形質転換成長因子(TGF−β1、β2、β3)、CIF(軟骨誘導因子)、BMP1〜14(骨形態形成タンパク質)のうちの少なくとも1つ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、またはそれらの混合物で構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記成長因子はPDGFである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コラーゲンスポンジ材料は、スラリーとして前記繊維質の面に与えられることによって前記繊維質の面に接着され、次いで乾燥される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
コラーゲンスポンジ材料は、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記マトリックス層は、前記領域において膜状の前記マトリックス層の下にある組織細胞の成長とおよそ同じ速度で前記対象者の身体によって再吸収される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記組織修復細胞は、中胚葉由来または外胚葉由来である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組織修復細胞は、上皮細胞、軟骨細胞、滑膜細胞、脊椎円板細胞、腱細胞、線維芽細胞、内皮細胞または骨芽細胞を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記細胞は上皮細胞であり、前記マトリックス層は、前記被覆後約2〜5週間以内に前記身体によって実質的に完全に再吸収される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞は上皮細胞であり、前記コラーゲンバリアシート材料は、前記被覆後約6〜11週間以内に実質的に完全に再吸収される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記コラーゲンバリアシート材料の少なくとも一部は、完全に再吸収されることなく、前記マトリックス層が前記身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約50%長く前記領域を被覆する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記コラーゲンバリアシート材料の少なくとも一部は、完全に再吸収されることなく、前記マトリックス層が前記身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約100%長く前記領域を被覆する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
対象者の身体の損傷した組織、負傷した組織、罹患した組織、傷ついた組織、除去された組織または欠落している組織の領域を被覆することによって、組織再生を促進するため、組織修復を促進するため、または組織移植を促進するもしくは容易にするため、またはそれらの組合せのための、組織の再生または移植を促進する構造であって、天然コラーゲン含有組織に由来する精製コラーゲンバリアシート材料を含む再吸収可能な多層構造を備え、バリアシート材料は、外側の平滑なバリア面を含むバリア層を備え、前記平滑なバリア面の反対側に繊維質の面をさらに含み、前記多層構造は、前記繊維質の面に隣接してコラーゲンスポンジ材料を含むマトリックス層をさらに備え、コラーゲンスポンジ材料からなる前記マトリックス層は、前記領域に隣接して位置決めされるように適合され、前記多層構造は、前記マトリックス層が前記コラーゲンバリアシート材料よりも実質的に速い速度で対象者の身体によって再吸収されるように適合される、構造。
【請求項21】
前記マトリックス層は、前記繊維質の面に接着されるかまたは取付けられる、請求項20に記載の構造。
【請求項22】
前記コラーゲンバリアシート材料は、動物の組織(胸膜、腸間膜、心膜、硬膜、腸)に由来する、請求項20に記載の構造。
【請求項23】
前記コラーゲンバリアシート材料は、豚の腹膜を含む、請求項22に記載の構造。
【請求項24】
前記多層構造の厚みは、約0.5〜8mmである、請求項20に記載の構造。
【請求項25】
コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層は、豚コラーゲンS、牛コラーゲンI/III、組換えコラーゲンIもしくはIII、組換えコラーゲンI/III、またはそれらの混合物を含む、請求項20に記載の構造。
【請求項26】
前記コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層は、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸をさらに含む、請求項25に記載の構造。
【請求項27】
多層構造は、少なくとも1つの成長因子を担持する、請求項20に記載の構造。
【請求項28】
前記少なくとも1つの成長因子は、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF−1)、線維芽細胞成長因子ファミリ(FGF)の一種、ケラチノサイト成長因子(KGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子(TGF−β)、CIF(軟骨誘導因子)、BMP1〜14(骨形態形成タンパク質)のうちの少なくとも1つ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項27に記載の構造。
【請求項29】
前記成長因子はPDGFである、請求項28に記載の構造。
【請求項30】
前記コラーゲンスポンジ材料は、スラリーとして前記繊維質の面に与えられることによって前記繊維質の面に接着され、次いで乾燥される、請求項21に記載の構造。
【請求項31】
前記コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層は、キトサン、エラスチンまたはヒアルロン酸をさらに含む、請求項30に記載の構造。
【請求項32】
前記マトリックス層は、前記領域において膜状の前記マトリックス層の下にある組織細胞の成長とおよそ同じ速度で対象者の身体によって再吸収されるように適合される、請求項20に記載の構造。
【請求項33】
前記マトリックス層は、前記領域において膜状の前記マトリックス層の下にある組織細胞の成長とおよそ同じ速度で対象者の身体によって再吸収されるように適合され、前記細胞は、間葉または外胚葉に由来する細胞である、請求項32に記載の構造。
【請求項34】
前記マトリックス層は、前記被覆後約2〜5週間以内に前記身体によって実質的に完全に再吸収されるように適合される、請求項33に記載の構造。
【請求項35】
前記コラーゲンバリアシート材料は、前記被覆後約6〜11週間以内に実質的に完全に再吸収されるように適合される、請求項34に記載の構造。
【請求項36】
前記構造は、前記コラーゲンバリアシート材料が、完全に再吸収されることなく、コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層が身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約50%長く前記領域を被覆するように適合される、請求項20に記載の構造。
【請求項37】
前記構造は、前記コラーゲンバリアシート材料が、完全に再吸収されることなく、コラーゲンスポンジ材料からなるマトリックス層が身体によって実質的に完全に再吸収されるよりも少なくとも約100%長く前記領域を被覆するように適合される、請求項20に記載の構造。
【請求項38】
前記成長因子は徐放性の形態で存在する、請求項27に記載の構造。
【請求項39】
前記徐放性の形態はミクロスフェアで構成される、請求項38に記載の構造。
【請求項40】
前記成長因子は徐放性の形態で存在する、請求項8に記載の方法。
【請求項41】
前記徐放性の形態はミクロスフェアで構成される、請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−515035(P2012−515035A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545813(P2011−545813)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000200
【国際公開番号】WO2010/082138
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511173387)ガイストリヒ・ファーマ・アクチェンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】GEISTLICH PHARMA AG
【Fターム(参考)】