経肉茎的な椎間板へのアクセス方法及び装置
椎骨体(900、904)と椎間板(908)との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定性を起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法及び装置(920、924、926、932)。並びに外科医が椎間板空間にアクセスし、隣接した2つの椎骨を更に融合させ又は融合させることなく空間のより正常な三次元的形態を回復することを許容する方法及び装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年11月8日付けで出願された「経肉茎的椎骨体間融合(Transpedicular Intervertebral Body Fusion)」という名称の米国仮特許出願第60/424,942号の利益を主張するものであり、その出願内容を参考として引用し含むものである。人間の椎骨体及び椎間板は、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、痛み、機能不全又はその双方を生じさせる多岐に亙る疾患及び健康状態に支配される。また、これらの疾患及び状態の多くは、脊柱の不安定性も生じさせる。こうした疾患及び状態の中には、変性椎間板、ヘルニア症椎間板及び変性し且つヘルニア症の椎間板、変性側湾症、椎間板又は椎骨体の感染、悪性腫瘍のような空間を占める疾患、脊柱狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨の不安定性がある。更に、椎骨体及び椎間板は、外傷又は骨粗鬆症、外科的操作に起因する椎骨の骨折を含み、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、痛み、機能不全又はその双方を生じさせ、また、脊柱の不安定化を生じさせる損傷を受け易い。
【背景技術】
【0002】
椎骨体と椎間板との間の空間的関係に影響を与える疾病及び状態を外科的に治療することは、従来、脊柱突起の上方に位置する組織に長い切開部を形成し、これにより、椎骨に直接、アクセスして隣接した2つの椎骨を機械的に融合させるステップを含む、開放融合手順を伴うものである。これら手順の結果、術後の顕著な痛み及び感染を含む術後の罹患状態が顕著に発現することとなる。更に、従来の方法は、空間のより正常な三次元的形態を回復すべく外科医が椎骨体間空間に直接アクセスすることを許容しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、2つの椎骨体と椎間板との間、及び2つの椎骨体の間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定さ又はその双方を生じさせる疾病及び状態を治療し、術後の痛みを少なくし且つ、術後の罹患状態の発現率が低いことと関係した、新規な方法が必要とされている。更に、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ又は脊柱の不安定化を生じさせ、或いはその双方を生じる疾病及び状態を治療し、外科医が椎間板空間に直接アクセスし隣接した2つの椎骨を機械的に融合させることを許容する新規な方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの実施の形態に従い、穿孔先端を備えて、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れた所定の位置に穿孔先端を向き決めすることができる、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を更に備え、該上側サブ組立体は穿孔先端を備える。別の実施の形態において、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ収容部とを更に備える。
【0005】
別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。
【0006】
別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜だけ外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0007】
本発明の別の実施の形態に従い、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備え、穿孔先端が末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0008】
本発明の別の実施の形態に従い、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を備え、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、ドリル先端と、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ受け部とを備え、案内管は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備え、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0009】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明に従った撓みドリルを提供するステップと、b)穿孔先端が穿孔すべき材料にアクセスする迄、ドリルをほぼ直線状の通路を通じて前進させ、これにより穿孔先端を所定の位置にて向き決めするステップと、c)ドリルを作動させるステップとを備える、材料を穿孔する方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーをドリルを通じて進めるステップを更に備える。別の実施の形態において、穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる。別の実施の形態において、該方法は、撓みドリルを挿入する前にシースをほぼ直線状の通路内に挿入するステップと、次に、撓みドリルをシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0010】
本発明の1つの実施の形態に従い、穿孔先端を備えて、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れるようにした所定の位置に穿孔先端を向き決めすることができる、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を更に備え、該上側サブ組立体は穿孔先端を備える。別の実施の形態において、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ収容部とを更に備える。別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。
【0011】
別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜だけ外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0012】
本発明の別の実施の形態に従い、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備え、穿孔先端が末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0013】
本発明の別の実施の形態に従い、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を備え、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、ドリル先端と、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ受け部とを備える、撓みドリルが提供される。案内管は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0014】
本発明の別の実施の形態に従い、材料に穿孔する方法が提供される。該方法はa)本発明に従った撓みドリルを提供するステップと、b)穿孔先端が穿孔すべき材料にアクセスする迄、ドリルをほぼ直線状の通路を通じて前進させ、これにより穿孔先端を所定の位置にて向き決めするステップと、c)ドリルを作動させるステップとを備える。1つの実施の形態において、該方法は、撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーをドリルを通じて進めるステップを更に備える。別の実施の形態において、穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる。別の実施の形態において、該方法は、撓みドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線状の通路内に挿入するステップと、次に、撓みドリルをシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0015】
本発明の別の実施の形態に従い、材料に穿孔する方法が提供される。該方法はa)本発明に従った撓みドリルを提供するステップと、b)歪んだ状態の撓みドリルを材料内に前進させるステップと、c)撓みドリルから歪みを除去するステップと、d)ドリルを作動させるステップとを備える。1つの実施の形態において、該方法は、撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーを撓みドリルを通じて進めるステップを更に備える。別の実施の形態において、穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる。
【0016】
本発明の別の実施の形態に従い、撓み軸の末端に接続されたブレードを備える切断装置であって、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内に挿入することができ、末端部分の長軸線は湾曲し又は末端部分の長軸線はほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化するようにした上記切断装置が提供される。1つの実施の形態において、ブレードは、第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動する。別の実施の形態において、切断装置は、撓み軸の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブを更に備えており、ブレードは1つ又はより多数の切欠きを有し、係止スリーブは、末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、末端方向への前進により、係止スリーブは1つ又はより多数の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、また、基端方向に引っ込むことにより、係止スリーブは1つ又はより多数の切欠きから非係合状態となり、これによりブレードを切断位置から非係止状態にする。
【0017】
別の実施の形態において、切断装置は、斜角面付き末端を有し且つ、撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを更に備えており、撓み軸は、シースに対して末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ、挿入位置まで回動する。別の実施の形態において、ブレードは、周縁切刃部を有する。別の実施の形態において、切断装置は、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを備える基端と、ブレードが取り付けられる末端とを更に備える。
【0018】
本発明の別の実施の形態に従い、a)撓み軸の末端に接続された回動ブレードと、b)撓み軸の少なくとも一部分を取り囲む係止スリーブとを備え、ブレードが第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動し、ブレードが1つ又はより多数の切欠きを有し、係止スリーブが末端方向に前進し且つ基端方向に引っ込むことができ、末端方向に前進することにより、係止スリーブは1つ又はより多数の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、また、基端方向に引っ込むことにより、係止スリーブが1つ又はより多数の切欠きから非係合状態となり、これによりブレードを切断位置から非係止状態にするようにした、切断装置が提供される。1つの実施の形態において、該切断装置は、斜角面付き末端を有し且つ、撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを更に備えており、撓み軸は、シースに対して末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ、挿入位置まで回動する。
【0019】
1つの実施の形態において、切断装置は、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内に挿入することができ、末端部分の長軸線は湾曲し又は末端部分の長軸線はほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化するようにされている。別の実施の形態において、ブレードは、周縁切刃部を有する。別の実施の形態において、切断装置は、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを備える基端と、ブレードが取り付けられる末端とを更に備える。
【0020】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明の切断装置を用意するステップと、b)長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断装置を材料内に挿入するステップと、c)切断装置を作動させるステップとを備え、末端部分の長軸線が湾曲し、又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化するようにした方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、切断装置を材料内にて前進させ且つ、引っ込めるステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を挿入する前に、シースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0021】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明の切断装置を用意するステップと、b)切断装置を材料内に挿入するステップと、c)係止スリーブを末端方向に前進させ、1つ又はより多数の切欠きと係合させ、これによりブレードを切断位置に係止するステップと、d)切断装置を作動させるステップと、e)切断装置を不作動にするステップと、f)係止スリーブを基端方向に引っ込めて1つ又はより多数の切欠きから非係合状態にし、これによりブレードを切断位置から非係止状態にするステップと、g)切断装置を材料から除去するステップとを備える、材料を切断する方法が提供される。1つの実施の形態において、切断装置を挿入するステップは、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて切断装置を前進させるステップを備え、末端部分の長軸線は湾曲し、又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化する。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を材料内にて前進させ且つ、引っ込めるステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を挿入する前に、シースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0022】
本発明の別の実施の形態に従い、摘出装置が提供される。該摘出装置は、基端と、複数の変形可能なブレードを備える切断キャップを有する末端と、基端と切断キャップとの間の軸とを備えており、複数の変形可能なブレードは、ブレードが変形する間、通路を通って空間にアクセスした後、ブレードが変形しないとき、空間内の材料を切断し、また、通路はブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。1つの実施の形態において、軸は撓み可能である。別の実施の形態において、摘出装置は、基端と末端との間に軸方向ガイドワイヤー管腔を更に備える。
【0023】
本発明の別の実施の形態に従い、空間内にて材料を切断する方法が提供される。該方法は、a)本発明に従った摘出装置を用意するステップと、b)空間を摘出装置にてアクセスするステップと、c)装置を作動させ、これにより材料の切断を実施するステップとを備える。1つの実施の形態において、該方法は、装置を作動させる前に、ブレードを変形させるステップと、ブレードが変形している間、通路を通じて空間にアクセスするステップとを更に備え、該通路は、ブレードが材料を切断している間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。別の実施の形態において、通路は湾曲している。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を空間内にて前進させ且つ引っ込めて追加的な材料を切断するステップを更に備える。別の実施の形態に従い、空間にアクセスするステップは、切断装置をガイドワイヤーの上に沿って前進させるステップを備える。別の実施の形態において、切断された材料は、椎間板と、椎骨体端板材料とから成る群から選ばれる。別の実施の形態において、空間にアクセスするステップは、摘出装置を椎骨内の経肉茎的アクセス通路を通じて前進させるステップを備える。
【0024】
本発明の別の実施の形態に従い、空間内にて材料を切断する方法が提供される。該方法は、a)請求項44の摘出装置を用意するステップと、b)空間にアクセスするための通路を形成するステップと、c)通路に嵌まるようブレードを変形させるステップと、d)切断装置が空間内に進む迄、摘出装置を通路を通じて前進させ、これによりブレードがその変形しない形状に拡張するのを許容するステップと、e)摘出装置を作動させ、これにより材料の切断を行うステップとを備えており、通路は、ブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。1つの実施の形態において、該方法は、切断装置を空間内にて前進させ且つ引っ込めて追加的な材料を切断するステップを更に備える。別の実施の形態において、切断装置を通路を通じて前進させるステップは、切断装置をガイドワイヤーの上に沿って前進させるステップを備える。別の実施の形態において、通路は湾曲している。別の実施の形態において、切断された材料は椎間板である。別の実施の形態において、切断された材料は、椎骨体端板材料である。別の実施の形態において、通路は椎骨内の経肉茎的アクセス通路である。
【0025】
本発明の別の実施の形態に従い、変形しないとき、実質的に円形又は楕円形の形状に拡張し得る形態とされた形状記憶機能を有する薄い生体適合性で変形可能な材料のバンド又はメッシュを備える融合剤を保持する融合剤保持装置が提供される。1つの実施の形態において、融合剤保持装置は、バンドを被覆する生体適合性シーラント(sealant)を更に備える。
【0026】
本発明の別の実施の形態に従い、a)隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップと、b)本発明に従った融合剤保持装置を用意するステップと、c)融合剤保持装置をチャンバ内に配置し、これにより融合剤保持装置が拡張するのを許容するステップと、d)融合剤保持装置に融合剤を充填するステップと、e)融合剤が隣接した2つの椎骨を融合させるのを許容するステップとを備える、隣接した2つの椎骨を融合させる方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、隣接した2つの椎骨を第2の手順にて更に融合させるステップを更に備える。
【0027】
本発明の別の実施の形態に従い、a)基端の挿入部分と、複数のとげ状部を備える末端の定着部分とを備える導入器と、b)複数の変形可能な離間構成要素とを備え、離間構成要素の各々が中央開口部と、複数の伸長部とを有し、離間構成要素の各々が導入器の挿入部分に積み重ね得る形態とされた、隣接した2つの椎骨を伸延(distraction)させる伸延システムが提供される。1つの実施の形態において、複数の伸長体は、3つの伸長体と、4つの伸長体とから成る群から選ばれる。
【0028】
本発明の別の実施の形態に従い、a)基端の接続部分と、b)複数のストリップを備える末端の伸延部分であって、該ストリップの各々が伸長した形態から湾曲した形態まで変形可能であり、ストリップの各々が基端及び末端を有し、ストリップの基端がその基端にて基端の接続部分に接続された基端の接続部分に接続された上記末端の伸延部分とを備える、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムが提供される。1つの実施の形態において、基端の接続部分はメッシュを備える。別の実施の形態において、ストリップの各々は、基端から末端までテーパーが付けられている。
【0029】
本発明の別の実施の形態に従い、a)中心軸線を有し、中央部分と、複数のとげ状部とを備えるとげ付き差込み部と、b)中心軸線を有し、一端にて接続された横方向に分離した一連のストリップを備えるラチェット装置とを備え、とげ状部は、変形していないとき、とげ付き差込み部の軸方向中心から外方に伸び、また、変形したとき、とげ付き差込み部の軸方向中心に向けて収縮し、ストリップは、変形しないとき、ラチェット装置の中心軸線から離れるように巻き戻され、変形したとき、ラチェット装置の軸方向中心に向けて収縮するようにした、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムが提供される。
【0030】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明に従った伸延システムを提供するステップと、b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップとを備える、上椎骨を下椎骨から伸延させる方法が提供される。1つの実施の形態において、伸延システムを配置するステップは両側方向から行われる。別の実施の形態において、伸延システムを配置するステップは、伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通じて配置するステップを備える。別の実施の形態において、伸延システムを配置するステップは、上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを備える。
【0031】
本発明の別の実施の形態に従い第1の椎骨の第1の椎骨体、第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法が提供され、また、外科医が第1の椎間板にアクセスし、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の第1の椎間板のより正常な三次元的形態を回復することを許容する方法が提供され、該方法は、a)患者を選ぶステップと、b)第1の椎骨の肉茎に通路を形成することにより、第1の椎間板に経肉茎的にアクセスするステップと、c)第1の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセスを通じて除去するステップとを備える。
【0032】
1つの実施の形態において、選ばれた患者は、第1の椎骨の第1の椎骨体、該第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、該第1の椎骨体及び該第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係が1つ以上変化し、この空間的関係の変化により、痛み、無感覚、機能損失から成る群から選ばれた1つ又はより多くの症状が生じ、又は空間的関係の変化により実際の又は潜在的不安定性、又は上記を組み合わせたものが生じる。別の実施の形態において、患者には、第1の椎間板の変性、第1の椎間板のヘルニア症、第1の椎間板の変性及びヘルニア症、変性側湾症、第1の椎間板の感染、第1の椎骨体の感染、第2の椎骨体の感染、空間を占める疾患、脊椎狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨不安定性、椎骨の骨折、脊柱の外科手術的操作から成る群から選ばれた1つ又はより多数の疾患又は状態が生じる。別の実施の形態において、第1の椎間板への経肉茎的アクセスは両側方向から得られる。
【0033】
別の実施の形態において、第1の椎間板への経肉茎的アクセスは、骨バイオプシー針を第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入して通路を形成するステップを備える。別の実施の形態において、第1の椎間板への経肉茎的アクセスを実現することは、非撓み型の骨ドリルを第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入し、通路を形成し又は該通路を拡大するステップを備える。別の実施の形態において、該方法は、シースを通路内に挿入するステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、リテーナ管を通路内に挿入するステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、第1の撓みドリルを通路を通じて挿入するステップと、撓みドリルを作動させ、これにより通路を第1の椎骨体を通じて椎間板内に伸ばすステップとを更に備える。更に別の実施の形態において、第1の撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。
【0034】
1つの実施の形態において、該方法は、第2の撓みドリルを通路を通じて挿入するステップと、撓みドリルを作動させ、これにより通路を拡張するステップとを更に備える。別の実施の形態において、第2の撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。別の実施の形態において、該方法は、ガイドワイヤーを支持構造体として使用し得るよう通路内に挿入するステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、この方法の少なくとも一部をオーバザワイヤー技術(over-the wire technique)を使用して実施するステップを備える。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを更に備える。1つの実施の形態において、切断装置は、本発明に従った切断装置である。別の実施の形態において、該方法は、摘出装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを更に備える。
【0035】
1つの実施の形態において、摘出装置は、本発明に従った摘出装置である。1つの実施の形態において、該方法は、第1の椎骨体の端板の又は第2の椎骨体の端板の少なくとも一部分を除去するステップを更に備える。1つの実施の形態において、該方法は、融合剤保持装置を椎間板内に挿入するステップと、融合剤保持装置に少なくとも部分的に融合剤を充填するステップとを更に備える。1つの実施の形態において、融合剤保持装置は、本発明に従った融合剤保持装置である。別の実施の形態において、該方法は、伸延システムを椎間板内に挿入するステップと、伸延システムが第1の椎骨体を第2の椎骨体から伸延させるのを許容するステップとを更に備える。
【0036】
1つの実施の形態において、伸延システムは、本発明に従った伸延システムである。1つの実施の形態において、該方法は、第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップを更に備える。別の実施の形態において、a)本発明の方法を実施するステップと、b)第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップと、c)第2の融合手順を実施して第1の椎骨を第2の椎骨に融合させるステップとを備える、第1の椎骨を第2の椎骨に融合させる方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、第2の椎骨体と該第2の椎骨体に隣接する第3の椎骨体との間の第2の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセス法を通じて除去するステップを更に備える。本発明の上記及びその他の特徴、面及び有利な点は、以下の説明、特許請求の範囲及び添付図面から理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の1つの実施の形態において、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法であって、従来の外科的治療法よりも術後の痛みが少なく且つ術後の低い罹患率の発現と関係した上記方法が提供される。別の実施の形態において、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法であって、外科医が椎骨間空間にアクセスし、隣接する2つの椎骨を更に融合させ又は融合させずに、空間のより正常な三次元的形態を回復することを許容する上記方法が提供される。
【0038】
本発明の別の実施の形態において、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法であって、外科医が椎間空間にアクセスし、隣接する2つの椎骨を更に融合させ又は融合させずに、空間のより正常な三次元的形態を回復するのを許容し、又はその他の目的のために使用することのできる、本発明による上記方法にて使用することのできる複数の装置が提供される。本発明の装置及び方法について以下に詳細に開示する。
【0039】
本明細書にて使用する「椎間板(intervertebral disk)」という語は、正常な無傷の椎間板と、部分的に疾患し、損傷し又は損害を受けた椎間板、部分的に浸軟した椎間板、及び正常な椎間板の他の部分により取り囲まれた空の空間を含むものとする。
【0040】
本明細書にて使用する「ほぼ直線状の通路」という語は、通路が開始部から終了部まで10゜以下の変化する中心長軸線を有する、材料内の通路を意味するものとする。
本明細書にて使用する「湾曲した通路(curved passage)」という語は、通路が開始部から終了部まで10゜以上変化する中央長軸線を有する、材料中の通路を意味するものとする。
【0041】
本明細書にて使用する「から成る」、「含む」又は「備える」という用語及びそれらの用語の変形は、他の付加物、構成要素、全体、又は工程(steps)を排除することを意図しない。本明細書にて特定された全ての寸法は、単に事例であり、限定的であることを意図するものではない。更に、これら図面に示した比率は必ずしも正確な縮尺通りではない。本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、この明細書に開示された全ての装置又は装置の一部の実際の寸法は、所期の用途によって決定されよう。
【0042】
1つの実施の形態において、本発明は、撓み穿孔先端を備えて、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線の少なくとも10゜だけ外れるようにした所定の位置にて向き決めすることができる、撓みドリルである。撓みドリルは、骨、軟骨及び椎間板を含む多岐に亙る材料を通じて穿孔することができるが、この明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解されるように、生体及び非生体双方のその他の材料を通じて穿孔するため使用することもできる。先ず、図1、図2、図3、図4、図5及び図6を参照すると、挿入位置にある末端の穿孔端部を有する撓みドリルの側方斜視図、撓み穿孔位置にある末端穿孔端部を有する撓みドリルの側方斜視図、撓みドリルの下側サブ組立体の分解側方斜視図、撓みドリルの上側サブ組立体の分解側方斜視図、撓みドリルの幾つかの個別の構成要素の側方斜視図、骨ドリルと共に使用することのできる選択可能な案内先端の側方斜視図がそれぞれ示される。
【0043】
図示のように、撓みドリル(flexible drill)100は、下側サブ組立体102と、上側サブ組立体104とを備える。次に、図1、図2、特に図3及び図5を参照すると、下側サブ組立体102は、次のように、末端方向から基端方向に7つの構成要素、即ち、スピンルアロック(spin luer lock)106と、リテーナ管108と、ピストンアンカー110と、ピストンレベル(piston level)112と、ピストン114と、末端Oリング116と、基端Oリング118とを備える。スピンルアロック106は、成形したナイロン等の材料から成り、また、撓みドリル100を挿入すべき通路をライニングするシースに対し撓みドリル100を係止させるために使用され、これにより作業中、撓みドリル100の安定性を維持するのを助ける。リテーナ管108は、ステンレス鋼又は同等の材料から成り、軸方向長さが約125mmないし150mmの範囲にあり、また、内径が約4ないし4.5mmの範囲にあることが好ましい。
【0044】
ピストンアンカー110は、ステンレス鋼等の材料から成り、また好ましくは、スピンルアロック106にスナップ嵌めし得るよう末端にとげ状部(図示せず)を有することが好ましい。ピストンレベル112は、機械加工したナイロン等の材料から成り、また、好ましくは、図示するように、一端に方向指示器120を有する。ピストン114は、機械加工したナイロン等の材料から成り、また、末端Oリング116及び基端Oリング118とそれぞれ合わさる末端溝120と、基端溝124とを有しており、また、外筒136の穴128を通る止めねじ(図示せず)と合わさるスロット126を有する。
【0045】
スロット126及び相応する止めねじは、穿孔すべき材料に撓みドリル100を正確に位置決めすることを許容し且つ、撓み穿孔先端が引っ込む程度を制限し、撓み穿孔先端がリテーナ108に入るようにする。別の実施の形態において、スロット126は、リテーナ管108の楕円形の開口部として形成され、キーがより小さい内周を有する案内管の相応する楕円形のブロックから形成される。好ましくは、ピストン114は、約6mmないし約13mmの範囲の内径を有するものとする。末端Oリング116及び基端Oリング118は、シリコーン又は同等の材料を備えて且つ、外筒136及びピストン114が互いに軸方向に動くのを許容する。
【0046】
次に、図1、図2、特に図4及び図5を参照すると、上側サブ組立体104は、次のように、末端方向から基端方向に13の構成要素、即ち、撓み穿孔先端130と、案内管132と、外筒ノブ134と、外筒136と、ねじ付きアダプタ138と、ライナー140と、軸受ハウジング142と、撓み軸144と、末端軸受146と、基端軸受148と、コレット150と、軸受キャップ152と、モータ受け部154とを備える。撓み穿孔先端130は、ステンレス鋼又は同等の材料を備えており、側方向最大直径が約3mmないし5mmの範囲にあることが好ましい。
【0047】
撓み穿孔先端130は、米国、カリフォルニア州、ウィッターのアルトコ(Artco)から入手可能なもののような硬化したバリ及び軸、又はステンレス鋼にて特別に形成された同等のバリを備える。軸は、基端を研磨することにより適正な寸法に切削される。撓み穿孔先端130の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、所期の用途に従って変化するであろう。単に事例として、1つの好ましい実施の形態において、バリは軸方向長さが約2.5mmないし3mmの範囲にあり、軸は長さが約2.5mmないし4mmの範囲にある。
【0048】
案内管132は、基端部分156と、末端部分158とを有しており、また、該安内管は、該案内管132が歪みを受けないとき、末端部分158の端部の撓み穿孔先端130が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜の範囲にて外れて向き決めするのに十分な曲率半径を末端部分158が有するような形状に戻るよう加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。好ましくは、案内管132は、約2mmないし4mmの範囲の外径を有するものとする。案内管132の寸法は。撓みドリル100の所期の用途により決定される。
【0049】
単に事例として、案内管は次の寸法を有する。1つの好ましい実施の形態において、案内管132の外径は約2.8mm以下である。特に好ましい実施の形態において、案内管132の内径は約1.6mm以上である。1つの好ましい実施の形態において、案内管132の長さは少なくとも約200ないし250mmである。1つの好ましい実施の形態において、直線状の基端部分は約150mmないし200mmの範囲にある。1つの好ましい実施の形態において、末端部分158は約40mmないし60mmの範囲にある。1つの好ましい実施の形態において、歪まないときの末端部分158の曲率半径は約10mmないし40mmの範囲にある。特に好ましい実施の形態において、歪まないときの末端部分158の曲率半径は約25mmである。
【0050】
外筒ノブ134は、機械加工したナイロン又は同等の材料から成り、また、合わせピン(図示せず)と合わさる穴160を有する。外筒ノブ134をピストンレベル112に対し前進させ且つ引っ込めることにより、撓み穿孔先端130は穿孔される材料内に前進し且つ引っ込む。穿孔が完了したならば、撓みドリル100の作動を停止させ、外筒ノブ134をピストンレベル112に対し引っ込めて撓み穿孔先端130がリテーナ108内に引っ込み、撓みドリル100がほぼ直線状の通路から除去されるようにする。
【0051】
外筒136は、機械加工したナイロン又は同等の材料から成り、また、好ましくは、約12mmないし18mmの範囲の外径と、約75mmないし125mmの範囲の軸方向長さとを有することが好ましい。ねじ付きアダプタ138は、ステンレス鋼又は同等の材料を備えており、外筒136を案内管132に取り付けるために使用される。ライナー140は、ポリテトラフロオロエチレン(TEFLON、登録商標名)等の材料から成る。ライナー140は、撓み軸144と案内管132との間に配置され、従って案内管132の内径よりも小さい外径と、撓み軸144の外径よりも大きい内径とを有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例として、ライナー140の外径は、案内管132の内径よりも約0.075mmないし0.125mmだけ小さいものとする。ライナー140は、案内管132よりも約25mmないし40mmだけ短いものとする。
【0052】
軸受ハウジング142は、機械加工したナイロン又は同等の材料を備えており、末端軸受146を収納する形態とされ、また、ねじ付きアダプタ138と合わさる細かい内周ねじを有し、これにより操作者が撓み軸144の張力を調節することを許容する。
【0053】
撓み軸144は、可撓性で中実な管状構造体である。撓み軸144は、ステンレス鋼ワイヤー又は同等の材料を備えており、また、ライナー140の内径よりも小さい外径を有する。単に事例として、1つの好ましい実施の形態において、撓み軸144は、1束当たり0.066mmのワイヤーの19ストランドを有する7束のワイヤーを備える。同様に単に事例として、別の好ましい実施の形態において、撓み軸144は、直径約0.25mm以下の単一のコアワイヤーの上に沿って約0.05mmないし0.06mmの直径を有する緊密に編み組みした4つの層を備える。第1の層は、単一のワイヤー、第2の層は2つのワイヤー、第3の層は3つのワイヤー、第4の層は4つのワイヤーをそれぞれ備える。
【0054】
同様に単に事例として、1つの好ましい実施の形態において、ケーブルは、単一のコアワイヤーに対し同軸状に且つ、可逆的に巻いた、米国、ニュージャージー州、アービングトンのPAK Mfg(PAK Mfg)インクから部品番号FS 045N042Cとして入手可能な2つのワイヤー層を備える。ワイヤーの端部は、巻き戻しを防止し得るようはんだ付けし又は溶接されている。撓み軸144は、ライナー140の内径よりも約1mmないし約2.3mmだけ小さい外径を有する。撓み軸144は、約250mmないし300mmの範囲の軸方向長さを有する。
【0055】
末端軸受146及び基端軸受148は、ステンレス鋼又は同等の材料を備える。コレット150は、機械加工したステンレス鋼又は同等の材料を備える。軸受キャップ152は、機械加工したナイロン又は同等の材料を備えており、また、基端軸受148を収納し得る形態とされている。モータ収容部154は、機械加工したナイロン又は同等の材料を備えており、また、約25mmないし30mmの範囲の外径を有する。モータ収容部154は、モータを撓みドリル100と容易に合わせることを許容する。好ましくは、モータ収容部154は、図示するように、4つの窓部162を有して、撓みドリル100を駆動するモータのチャック(図示せず)がコレット150と係合するのを保証するようにする。
【0056】
次に、図6を参照すると、別の実施の形態において、撓みドリル100の上側サブ組立体104は、撓み穿孔先端130の丁度基端側にてはんだ付け等により案内管132に取り付けられた案内先端164を更に備える。案内先端164は、基端の管状部分166と、末端の拡がり部分168とを備える。案内先端164は、存在するとき、穿孔する間、撓み穿孔先端130が前方に平行移動するのを助ける。案内先端164は、単に事例として、硬化したステンレス鋼のような硬い生体適合性材料を備える。
【0057】
案内先端164の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、所期の用途に応じて変化することになろう。単に事例として、好ましい実施の形態において、基端の管状部分166は、軸方向長さが3.5mmないし4mmの範囲にあり、末端の拡がった部分168は、軸方向長さが約2.4mmないし2.6mmの範囲にある。末端の拡がった部分168は、約2.5mmないし2.7mmの範囲の最大矢状方向長さを有する。
【0058】
別の実施の形態において、撓みドリル100は、オーバザワイヤー技術にて使用し得る形態とされている。この実施の形態において、撓み軸144は、可撓性で中空の管状構造体(図示せず)を備える、即ち、非オーバザワイヤー実施の形態にて使用される可撓性の中実な管状構造体に代えて、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を有する。可撓性で中空の管状構造体は、全体として、軸方向通路を除いて、上記に開示した可撓性の中実な管状構造体と同一の要素を備える。
【0059】
1つの実施の形態において、可撓性で中空の管状構造体は、約0.5mmないし1.0mmの範囲の直径を有する軸方向通路を備え、また、可撓性で中実な管状構造体である撓み軸144の外径よりも僅かに大きい外径、単に事例として、約2.0mmの外径を有する。1つの実施の形態において、可撓性で中空の管状構造体は、反時計回り方向に巻かれた外層を有する反対方向にコイル巻きした直径0.3mmないし0.5mmのワイヤー(PKA Mfgインクから入手可能)2つの層を備える。撓み軸144がオーバザワイヤーの用途に対する形態とされたとき、リテーナ管108、案内管132及びライナー140の外径は、撓み軸144の外径の増加に比例して増加し、撓みドリル先端130(及び存在すれば、案内先端164)は、ガイドワイヤーが通るのを許容する相応する軸方向通路を有する。
【0060】
撓みドリル100は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な仕方にて組み立てることができる。1つの好ましい実施の形態において、撓みドリル100は次のようにして組み立てられる。第1に、リテーナ管108をピストンアンカー110にはんだ付けする。次に、ピストンレベル112をピストンアンカー110の上に沿って進め、ピストンレベル112が停止する迄、回転させる。基準として方向指示器120を使用して、リテーナ管108を所要長さに切断し、リテーナ管108の末端を切断して切断面に対して約20゜ないし45゜の範囲の切欠き角度を有し且つ、方向指示器120と同一の方向に向き決めされた斜角面を形成する。次に、ピストン114が停止する迄、該ピストン114をピストンアンカー110の上方に沿って進める。
【0061】
次に、末端Oリング116及び基端Oリング118をピストン114の末端溝120及び基端溝124上にそれぞれ配置する。次に、案内管132をねじ付きアダプタ138にはんだ付けし、外筒136をねじ付きアダプタ138の基端の上方に沿って緩く進める。次に、外筒ノブ134を外筒136に圧力嵌めし且つ、外筒ノブ134の穴160内に挿入された合わせピン(図示せず)により固定する。次に、軸受ハウジング142が停止する迄、該軸受ハウジング142をねじ付きアダプタ138の端の上方に沿って進める。次に、案内管132の末端部分158を一時的に直線状にし、案内管132の基端部分156の基端をピストン114及びリテーナ管108内に挿入する。
【0062】
次に、外筒136の末端をピストン114の基端の上方に沿って摺動させる。次に、止めねじに対する外筒ノブ134の穴160をピストン114のスロット126と整合させ、止めねじ(図示せず)を穴及びスロット126内にねじ込む。次に、案内管132の末端部分158をねじ付きアダプタ138を回転させることにより、リテーナ管108の切断面と整合させ、ねじ付きアダプタ138を外筒136に固定する。次に、撓みドリル先端130を撓み軸144にはんだ付けする。次に、ライナー140を撓み軸144の上方に沿って摺動させる。次に、外筒ノブ134及びピストンレベル112を互いに伸延させ、これによりリテーナ管108内にて案内管132の末端部分158を直線状にし、撓み軸144を有するライナー140を案内管132の末端内に摺動させる。次に、末端軸受146を撓み軸144を通じて軸受ハウジング142内に配置する。次に、コレット150を撓み軸144の上方に沿って摺動させ且つ、圧着又ははんだ付け等によって撓み軸144に取り付ける。
【0063】
次に、基端軸受148をコレット150の上方に沿って摺動させ、軸受キャップ152を軸受上に配置し且つ、軸受ハウジング142に固定する。次に、モータ受け入れ部154が停止する迄、該モータ受け入れ部154を外筒136に圧力嵌めする。最後に、スピンルアロック106をピストンアンカー110にスナップ嵌めする。1つの実施の形態において、図示した薄肉厚の皮下管を撓み軸144の基端部分の上方に沿って摺動させ且つ圧着し、モータからのトルクの伝達量を増大させる。
【0064】
1つの実施の形態において、本発明は、可撓性の穿孔先端を備え、また、ほぼ直線状の通路を通って穿孔すべき材料にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れ、又はほぼ直線状の通路の長軸線から約10゜ないし150゜外れた位置である所定の位置に向き決めする能力を有する撓みドリルを使用する方法である。1つの好ましい実施の形態において、所定の位置は、ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも約90゜外れた位置である。別の好ましい実施の形態において、所定の位置は、ほぼ直線状の通路の長軸線から約90゜ないし120゜外れた位置である。
【0065】
1つの実施の形態において、該方法は、第1の材料を通じてほぼ直線状の通路を穿孔するステップを備える。次に、撓み穿孔先端を備え、ほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れた位置である所定の位置に向き決めする能力を有するようにした、撓みドリルが提供される。次に、撓みドリルをほぼ直線状の通路内に挿入し且つ、ほぼ直線状の通路を通じて前進させ、撓み穿孔先端がほぼ直線状の通路から出て第2の材料内に入る迄、該撓み穿孔先端を前進させ、これにより撓み穿孔先端が第2の材料内で所定の位置に向き決めされることを許容する。次に、撓みドリルを作動させ、これにより第2の材料内に穿孔する。次に、撓みドリルの作動を停止させ、これにより第2の材料内への撓み穿孔を停止させる。次に、撓みドリルをほぼ直線状の通路を通じて除去する。
【0066】
1つの好ましい実施の形態において、提供される撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。別の好ましい実施の形態において、空間は、第1の椎骨と第2の椎骨との間の椎間板空間である。別の好ましい実施の形態において、第1の材料は、第1の椎骨又は第2の椎骨の何れかの肉茎骨である。別の好ましい実施の形態において、第1の材料は、第1の椎骨又は第2の椎骨の何れかの肉茎骨であり、第2の材料は、第1の椎骨と第2の椎骨との間の椎間板である。
【0067】
別の実施の形態において、本発明は、第1の椎骨と第2の椎骨との間の椎間板を除去する方法である。該方法は、第1の椎骨又は第2の椎骨の何れかの肉茎を通るほぼ直線状の通路を穿孔するステップを備える。次に、撓み穿孔先端を備え、肉茎を通るほぼ直線状の通路を通じて椎間板空間にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れた位置である、椎間板空間内の所定の位置に向き決めする能力を有する撓みドリルが提供される。次に、撓みドリルを肉茎のほぼ直線状の通路内に挿入し且つ、ほぼ直線状の通路を通じて前進させる。次に、撓み穿孔先端がほぼ直線状の通路から出て椎間板に入る迄、該撓み穿孔先端を前進させ、これにより撓み穿孔先端が椎間板内の所定の位置に向き決めされるのを許容する。次に、撓みドリルを作動させ、これにより椎間板空間内に穿孔する。次に、撓みドリルの作動を停止させ、これにより椎間板内への撓み穿孔を停止させる。次に、撓みドリルをほぼ直線状の通路を通じて除去する。
【0068】
1つの好ましい実施の形態において、提供される撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。別の好ましい実施の形態において、該方法は、例えば、単に事例としてのみ、約5mm以下の内径を有し且つ、撓みドリルを挿入する前、ほぼ直線状の通路内に末端にてテーパーが付けられたステンレス鋼シースのようなシースを挿入するステップと、次に、撓みドリルをシースを通じて挿入するステップとを更に備える。1つの好ましい実施の形態において、シースは、撓みドリルを挿入した後、ドリルと合わさる基端におけるルアロックである。1つの好ましい実施の形態において、撓みドリルは、方向指示器を有しており、撓みドリル先端は方向指示器を使用して椎間板空間内にて向き決めされる。
【0069】
1つの実施の形態において、該方法は、オーバザワイヤー技術を使用するステップを備える。この実施の形態において、ガイドワイヤーは、撓み軸及び穿孔先端に配置され、また、撓みドリルをほぼ直線状の通路から除去したとき、ガイドワイヤーは所要位置に残り、次の装置をほぼ直線状の通路内に及び穿孔された空間内に進めることを許容する。
【0070】
別の実施の形態において、本発明は、撓み軸の末端に接続された回動ブレードを備える切断装置であって、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内に挿入することができ、また、末端部分の長軸線が湾曲しており、又は末端部分の長軸線が基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化する、上記切断装置である。該切断装置は、骨、軟骨及び椎間板を含む、多岐に亙る材料を切断することができるが、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、生体及び非生体双方のその他の材料に穿孔するため使用することもできる。次に、図7、図8、図9、図10を参照すると、切断位置にある末端を有する切断装置の側方斜視図、挿入位置にある末端を有する切断装置の側方斜視図、挿入位置にある末端を有する切断装置の末端の接写、部分切欠き側方斜視図、切断位置にある末端を有する切断装置の末端の接写部分切欠き側方斜視図が示される。
【0071】
図7及び図8にて理解し得るように、切断装置200は、基端202と、末端204とを備える。該基端202は、例えば、単に事例としてのみ圧力嵌め等により軸受ハウジング208に末端方向に接続されたモータアダプタ206を備える。該モータアダプタ206は、本明細書に開示したように機能するよう軸方向回転力を切断装置200の末端204に伝達することのできる、図7及び図8に部分的に示したモータ駆動装置210に切断装置200を接続するために使用される。モータアダプタ206及び軸受ハウジング208の双方は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ且つ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの好ましい実施の形態において、モータアダプタ206及び軸受ハウジング208の双方はポリマーを備える。特に好ましい実施の形態において、モータアダプタ206及び軸受ハウジング208の双方は、デルリン(DELRIN)(登録商標名)(米国、デラウェア州、ウィルミングトンのE.I.デュポンデネーマスアンドカンパニーコーポレーション、E.I.du Pont De Nemours and Company Corporation)を備える。本発明の切断装置200と共に使用されるモータ駆動装置210は、任意の適宜なモータ駆動装置210とすることができる。1つの好ましい実施の形態において、モータ駆動装置210は可変速度モータ駆動装置である。1つの実施の形態において、単に事例としてのみ、モータ駆動装置210は、NSKエレクタEMAX(NSK Electer EMAX)モータ駆動装置である(日本、栃木県のNSKナカニシ(NSK Nakanishi)インク)である。
【0072】
次に、図8を参照すると、切断装置200は、モータ駆動装置210のハウジングと合わさる形態とされた基端と、はんだ付け等により駆動軸214の基端に取り付けられ且つ固定された末端とを有する、アダプタ管212を更に備える。アダプタ管212は、モータ駆動装置210からのトルクを切断装置200の末端204に伝達する。アダプタ管212は、本明細書に開示された目的のため任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、アダプタ管212は、ステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、アダプタ管212は、約1.9mmないし2mmの内径と、約2.4mmの外径とを有する。別の実施の形態において、アダプタ管212は軸方向長さが約25mmである。1つの実施の形態において、単に事例としてのみ、アダプタ管212は、適宜な寸法に研磨された、米国、マサチューセッツ州、メッドウェイのマイクログループ(Micro Group)インクからの部品番号13twのものである。
【0073】
次に、図7及び図8を参照すると、切断装置200は、銀はんだ付け等によりアダプタ管212の末端に取り付けられ且つ固定され、また、切断装置200の末端204に向けて末端方向に伸びる基端を有する駆動管216を更に備える。該駆動管216は、切断装置200に剛性を提供し、切断装置200が前進し且つ引っ込むのを許容し、また、モータ駆動装置210からのトルクを切断装置200の末端204まで伝達する。1つの実施の形態において、駆動管216はステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、駆動管216は約200mmの軸方向長さを有する。別の実施の形態において、駆動管216は約1.3mmの内径と、約1.8mmの外径とを有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、駆動管216は、マイクログループインクからの部品番号15Hのものである。
【0074】
次に、図8を参照すると、切断装置200は、軸受ハウジング208内に圧入された2つの軸受218を更に備え、また、軸受ハウジング208内にあり且つ軸受218の間に支持された駆動軸214を備える。軸受218及び駆動軸214は、モータ駆動装置210からのトルク切断装置200の末端204まで伝達し、切断装置200の末端204が平滑に軸方向に回転するのを助ける。軸受218は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な軸受を備えることができる。1つの実施の形態において、軸受218は、米国、カリフォルニア州、サンタフェスプリングのマックマスター−カールサプライカンパニー(McMaster-Carr Supply Co.)からの部品番号57155k53のような極小型高速度ステンレス鋼ラジアル軸受である。駆動軸214は、軸受218と駆動軸216との間の境界部であり、切断装置200の末端204を滑らかに回転させる。
【0075】
1つの好ましい実施の形態において、駆動軸214は、その末端204に深さ約16mmの6−32雌型ねじ部を有しており、また、保持リング溝と、基端に長軸線を通じて穿孔された1.9mm直径の穴とを有する。駆動軸214は、基端にて直径約2.3mmないし2.4mmの範囲に及び深さ約5mmの端ぐり穴が形成されている。駆動軸214は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な材料とすることができる。1つの実施の形態において、駆動軸214は機械加工したステンレス鋼である。
【0076】
次に、図7及び図8を参照すると、切断装置200は、カラー220が駆動軸214の末端と面一となる迄、駆動軸214の末端に圧力嵌めされたカラー220を更に備える。操作者はカラー220を把持し、カラー220、従って駆動軸214の回転を防止することにより、切断装置200の末端が前進し且つ作動する間、駆動軸214の回転を防止することができる。カラー220は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ且つ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、カラー220は、単に事例としてのみ、デルリン(登録商標名)のようなポリマーを備える。
【0077】
次に、図7、図8、特に図10を参照すると、切断装置200は、駆動管216を貫通して伸びる基端を有しており、また、はんだ付け等によりアダプタ管212の末端に面一に取り付けられ且つ、固定された撓み軸222を更に備える。更に、駆動管216の末端は、圧着又は銀はんだ付け等により撓み軸222に固定されている。1つの実施の形態において、撓み軸222は、中実なコアを有する多数糸状巻き線から成る部分を備える。別の実施の形態において、撓み軸222は約300mmの軸方向長さを有する。別の実施の形態において、撓み軸222は約1.25mmの直径を有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、撓み軸222は、米国、ニュージャージー州、アービングトンのPAK Mfgインクからの部品番号FS045N042Cのものである。
【0078】
駆動軸214、アダプタ管212、駆動管216及び撓み軸222の組立体は軸受ハウジング208内に挿入され、保持リング224を使用して所要位置に保持され、モータ駆動装置210からのトルクを切断装置200の末端まで伝達する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、保持リング224は、マックマスター−カールインダストリアルサプライからの部品番号98410A110のものである。
【0079】
次に、図7、図8、図9及び図10を参照すると、切断装置200は、撓み軸222の全長に亙って撓み軸222を取り囲む編組管226を備える。編組管226は、縦方向剛さを増大させる。1つの実施の形態において、編組管226はステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、編組管226は約220mmの軸方向長さを有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、編組管226は、米国、マサチューセッツ州、サウスイーストンのヴィアメドコーポレーション(Vismed Corp.)が製造するものとすることができる。
【0080】
編組管226の基端は、中空継手を形成する6−32袋ねじ228の頭部にはんだ付けされている。1つの実施の形態において、袋ねじ228は、駆動軸216に対する貫通内腔を提供し得るよう軸線を通って直径1.85mmの穴を穿孔することにより改変された、マックマスター−カールインダストリアルサプライからの部品番号92196A151のような、6−32×1.9mm長さの差し込み頭部袋ねじである。袋ねじ228は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、袋ねじ228はステンレス鋼を備える。
【0081】
切断装置200は、袋ねじ228の頭部に面一に圧力嵌めされた蝶ねじノブ230を更に備える。蝶ねじノブ230は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの好ましい実施の形態において、蝶ねじノブ230は、単に事例としてのみ、デルリン(登録商標名)のようなポリマーを備える。
【0082】
切断装置200は、袋ねじ228に完全にねじ込まれた回り止めナット232を更に備える。回り止めナット232及び編組管226は、撓み軸222の末端及び駆動管216上に配置され、袋ねじ228は駆動軸214内に完全にねじ込まれている。袋ねじ228、蝶ねじノブ230及び回り止めナット232の組立体は、操作者が編組管226を末端方向に前進させ又は基端方向に引っ込め且つ、編組管226を所望の位置に係止することを許容する。
【0083】
次に、図10を参照すると、切断装置200は、編組管226の内面と撓み軸222の外面との間にて撓み軸222の末端の全てを覆う収縮管234を更に備える。1つの実施の形態において、収縮管234は、ポリテトラフロオロエチレン(米国、サウスカロライナ州、オレンジバーグのゼウスインダストリアルプロダクツ(Zeus Industrial Products)から入手可能)を備える。別の実施の形態において、収縮管234は約1.3mmの内径と、約1.5mmの外径とを有する。別の実施の形態において、収縮管234は長さ約160mmである。
【0084】
次に、図9及び図10を参照すると、切断装置200の末端は、例えば、銀はんだ付け等により撓み軸222の末端に取り付けられたヒンジ236を更に備える。該ヒンジ236は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、該ヒンジ236はステンレス鋼を備える。切断装置200は、ブレード238が図示するように、合わせピン240等により図9の第1の位置である挿入位置から図10の第2の位置である切断位置まで切断装置200の長軸線に対して少なくとも約90゜回動するのを許容する仕方にてヒンジ236の末端に取り付けられたブレード238を更に備える。該ブレード238は、周方向切刃部と、図9、図10に示した2つの切欠きのような、1つ又はより多数の切欠き242とを有する。
【0085】
1つの好ましい実施の形態において、図示するように、ブレード238は脊椎の脊髄を浸軟し且つ、椎骨体端板を研磨するのに適した丸味を付けた末端の先端を有する。しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、切断装置200の所期の用途に依存して、それぞれのブレードの形状も使用可能である。ブレード238は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、適宜な特徴を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、ブレード238はステンレス鋼を備える。
【0086】
1つの好ましい実施の形態において、切断装置200は、銀はんだ付け等により、編組管226の末端に取り付けられた係止スリーブ244を更に備える。係止スリーブ244は、袋ねじ228、蝶ねじノブ230及び回り止めナット232の組立体を使用して編組管226を操作することにより、末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができる。図9、図10に示すように、係止スリーブ244が基端方向に引っ込んだとき、係止スリーブ244の末端は、ブレード238の1つ又はより多数の切欠き242から非係合状態となり且つ、ブレード238が自由に回動するのを許容する。
【0087】
係止スリーブ244が末端方向に前進したとき、係止スリーブ244の末端は、ブレード238の相応する1つ又はより多数の切欠き242と合わさり且つ、ブレード238を切断装置200の長軸線に対して約90゜にて係止する機能を果たす形態とされている。係止スリーブ244は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、係止スリーブ244はステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、係止スリーブ244は、約2.5mmの内径と、約2.6mmの外径とを有する。別の実施の形態において、係止スリーブ244は約3.8mmの長さを有する。
【0088】
次に、図7、図8、図9及び図10を参照すると、1つの好ましい実施の形態において、切断装置200の末端204は、編組管226を末端方向に可動に取り囲み且つ、基端方向にルアハブ248に接続されたシース246を更に備える。シース246の末端は、図面に示した斜角面250を有する。1つの実施の形態において、該斜角面は、切断装置200の長軸線に対し約30゜の角度を形成する。1つの好ましい実施の形態において、切断装置200の末端は、シース246を貫通して穿孔することが必要とされる空間内に前進させ且つ、該空間から引っ込める。引っ込む間、シース246の斜角面付き末端は、ブレード238と接触し、ブレード238が係止スリーブ244から非係合状態となり且つ、挿入位置に回動するようにする。
【0089】
シース246及びルアハブ248は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、シース246は、PEBAX(登録商標名)(フランス、ピエトロールのアトケムコーポレーション(Atochem Corporation))のようなポリマーを備える。別の実施の形態において、ルアハブ248は、ポリカーボネートを備える。1つの実施の形態において、シース246は、約2.8mmの内径と、約3.6mmの外径とを有する。別の実施の形態において、シース246は長さ約150mmである。
【0090】
本発明の切断装置200を使用して、骨、接続性組織又は軟骨のような生体組織を含む、任意の適宜な材料にキャビティを形成することができる。更に、該切断装置200を使用して、腫瘍を縮小させることができる。更に、切断装置200を使用して、モータが作動している間、通路内にて切断装置200を動かすことにより、通路の断面積を増大させることができる。
【0091】
切断装置200は、次のようにして使用する。切断装置200の末端を受け入れるのに十分に大きい外周を有する生体骨又はその他の適宜な材料に通路を形成する。次に、シース246を通路内に挿入する。次に、切断装置200をシース246内に挿入し且つ、ブレード238を含む切断装置200の末端がシース246から末端方向に出る迄、前進させる。ブレードが任意の表面と接触するとき、ブレード238の末端の予め設定した半径により、該ブレード238は回動する。次に、取り付けた係止スリーブ244を有する編組管226を末端方向に前進させ、係止スリーブ244がブレード238の1つ又はより多数の切欠き242と係合するようにする。
【0092】
モータ駆動装置210を作動させ、駆動ケーブルを軸方向に回転させ、これにより切断ブレード238を回転させる。切断装置200を静止位置に維持することにより、切断することができ、又は切断装置200を基端方向及び末端方向に動かして切断される材料の容積を増大させつつ、切断することができる。切断が完了したならば、モータを不作動にし駆動ケーブルが軸方向に回転するのを停止し、これによりブレード238の回転動作を停止させる。シース246を末端方向に前進させ、係止スリーブ244がブレード238から非係合状態となり且つ、ブレード238がその挿入位置に戻るようにする。1つの実施の形態において、次に切断装置200をシース246を通じて引き抜く。別の実施の形態において、次に、シース246を第2の位置まで前進させ、ステップを繰り返し、これにより第2の位置にて切断する。1つの好ましい実施の形態において、食塩水のような適宜な溶液にて洗浄することにより吸引力を使用し、又は当該技術分野の当業者に既知の技術を使用して吸引力及び洗浄の組み合わせによって切断屑を除去する。
【0093】
別の実施の形態において、本発明は、ブレードが変形している間、通路を通じて空間にアクセスした後、ブレードが変形していないとき、空間内の材料を切断することができる複数の変形可能なブレードを備える摘出装置であり、該通路は複数の変形していないブレードの断面積よりも小さい断面積を有する。次に、図11、図12、図13及び図14を参照すると、挿入位置にあるブレードを有する摘出装置の側方斜視図、切断位置にあるブレードを有する摘出装置の側方斜視図、摘出装置の末端の拡大した側方斜視図、摘出装置の分解側方斜視図がそれぞれ示される。
【0094】
図面にて理解し得るように、摘出装置300は、基端302と、末端304とを備える。1つの実施の形態において、摘出装置300は、次の部品、即ちモータアダプタ306と、チャックアダプタ308と、軸受キャップ310と、基端軸受312と、コレットアダプタ314と、末端軸受316と、軸受ハウジング318と、ねじ付きアダプタ320と、外筒322と、外筒ノブ324と、スペーサ管326と、皮下管328と、軸330と、収縮管332と、複数のブレード336を有する切断キャップ334とを更に備える。しかし、チャックアダプタ308のような一部の部品は選択可能であり、本明細書を参照して当該技術分野の当業者により理解されるように、その他の部品は同等の部品にて置換可能である。摘出装置300の部品は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解し得るように、適宜な特性を有する任意の適宜な材料を備えることができる。
【0095】
1つの好ましい実施の形態において、モータアダプタ306、軸受キャップ310、軸受ハウジング318、外筒322、外筒ノブ324及びスペーサ管326は、ポリマー又は同等の材料を備える。特に好ましい実施の形態において、これらは、デルリン(登録商標名)を備える。別の好ましい実施の形態において、チャックアダプタ308、基端軸受312、コレットアダプタ314、末端軸受316、ねじ付きアダプタ320、皮下管328及び中空軸は、ステンレス鋼又は同等の材料を備える。別の好ましい実施の形態において、収縮管332は、ポリテトラフロオロエチレン(テフロン(登録商標)(TEFLON)のような)又は同等の材料を備える。別の好ましい実施の形態において、その複数のブレード336を有する切断キャップ334は、変形しないとき切断するのに適した直交状に拡大した切断形態に戻るよう加工されたニチノールのような所要形状の金属合金を備える。これら部品については詳細に開示する。
【0096】
図11、図12、図13及び図14を再度参照すると、摘出装置300は、外筒322に末端方向に接続された基端302にモータアダプタ306を備える。該モータアダプタ306は、摘出装置300をモータ駆動装置(図示せず)に接続するため使用され、本明細書に開示したように機能するよう軸方向回転力を摘出装置300の末端304まで伝達することができる。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するため使用されるとき、モータアダプタ306の寸法は、軸方向長さ11cm×最大外径3.8cm×最大内径3.3cmである。
【0097】
しかし、寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、使用の目的に適した任意の寸法とすることができる。本発明の摘出装置300と共に使用されるモータ駆動装置は、任意の適宜なモータ駆動装置とすることができる。1つの好ましい実施の形態において、モータ駆動装置は可変速度モータ駆動装置である。1つの実施の形態において、単に事例としてのみ、モータ駆動装置は、NSKエレクタEMAXモータ駆動装置(NSKナカニシインク)である。別の実施の形態において、モータ駆動装置は、選択可能なチャックアダプタ308と相互に接続することによりモータアダプタ306に接続されたハンドドリル(例えば、米国、カリフォルニア州、アービンのベルテリンクコーポレーション(Vertelink Corporation)のP/N C00108)である。
【0098】
摘出装置300は、軸受キャップ310と、基端軸受312と、コレットアダプタ314と、末端軸受316と、軸受ハウジング318とを有する軸受組立体を更に備える。軸受ハウジング318は、基端軸受312と、コレットアダプタ314と、末端軸受316とを保持しており、これらは軸受ハウジング318内に圧力嵌めされることが好ましい。1つの好ましい実施の形態において、基端軸受312及び末端軸受316は、例えば、米国、カリフォルニア州、サンタフェスプリングのマックマスター−カールサプライカンパニーのP/N 57155k53のような高速度ステンレス鋼ラジアル軸受である。コレットアダプタ314は、軸330をモータ駆動装置(図示せず)のモータコレットに順応させるために使用される。コレットアダプタ314は、単に事例としてのみ、銀はんだ付け等により軸330に接続される。1つの実施の形態において、コレットアダプタ314は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有する。1つの好ましい実施の形態において、軸方向管腔は約2mmの直径を有する。
【0099】
摘出装置300は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有することが好ましい外筒322と、例えば、外筒322に圧力嵌めする等により外筒322の上方に位置する外筒ノブ324とを更に備える。外筒ノブ324は、操作者が摘出装置300を前進させ且つ、引っ込める間、摘出装置300を把持することを許容する。
【0100】
摘出装置は、皮下管328を更に備える。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するために使用されるとき、皮下管328は、約3.8mmの外径、約3mmの内径及び約175mmの軸方向長さを有する。
【0101】
摘出装置は、軸330を更に備える。1つの実施の形態において、軸330は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有する。1つの好ましい実施の形態において、軸330は、摘出装置300を湾曲した通路を通じて前進させるのを許容し得るよう可撓性である。1つの実施の形態において、軸330は、PAK Mfgインクの部品番号FS085T11Cのものである。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するため使用されるとき、軸330は、約2mmの外径、約3mmの内径、約350mmの軸方向長さを有する。ガイドワイヤーと共に使用されるとき、軸330は、約1mmの内径を有する。
【0102】
摘出装置(enucleation device)300は、軸受組立体及び皮下管328を外筒322に接続するねじ付きアダプタ320を更に備える。1つの実施の形態において、ねじ付きアダプタ320は、軸受ハウジング318と相互に接続し得るよう基端方向に単一のねじを有する。1つの実施の形態において、ねじ付きアダプタ320は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有する。1つの好ましい実施の形態において、軸方向管腔は約3mmないし4mmの範囲の直径を有する。1つの好ましい実施の形態において、ねじ付きアダプタ320は、約13mmの軸方向長さ及び約5mmの最大外径を有する。
【0103】
摘出装置300は、軸方向管腔を有するスペーサ管326を更に備える。スペーサ管326は外筒322の軸方向管腔の直径を減少させる。1つの実施の形態において、スペーサ管326の軸方向管腔は約4mmの直径を有する。摘出装置300は、軸330の末端を覆う収縮管332を更に備える。該収縮管332は、皮下管328と軸330との間に軸受面を提供する。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するために使用されるとき、収縮管332は、約3.3mmの外径、約2.5mmの内径及び約350mmの軸方向長さを有する。単に事例としてのみ、適宜な収縮管は、米国、サウスカロライナ州、オレンジバーグのゼウスインダストリアルプロダクツから購入可能である。
【0104】
摘出装置300は、該摘出装置300の末端304に切断キャップ334を更に備える。該切断キャップ334は、ブレード336が変形されていないとき、直交状に拡張する複数の変形可能なブレード336を備える。ブレード336の各々は、1つ又はより多数の切刃部を有する。1つの実施の形態において、複数のブレードは、2つ又はより多数のブレードを備える。別の実施の形態において、複数のブレードは、3つのブレードを備える。1つの好ましい実施の形態において、複数のブレードは、4つのブレードを備える。ブレード336、好ましくは、切断キャップ334の全体は、変形しないとき、切断するのに適した直交状に拡大した切断形態までブレード336を戻し得るよう加工されたニチノールのような所要形状の金属合金を備える。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するため使用されるとき、切断キャップ334は、変形したとき、約3mmの外径、約2.2mmの内径及び約11mmの軸方向長さを有する。変形せず且つ作動されたとき、高速回転するブレードは、約1.8cmの断面積、即ち直径約1.5cmの面積をカバーする。
【0105】
摘出装置300は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、任意の適宜な方法にて形成することができる。1つの実施の形態において、摘出装置300は、一部分、次のステップにより形成される。スペーサ管326は、皮下管328の末端の上方に沿って導入し且つ、スペーサ管326が外筒322の末端と面一となる迄、外筒内に押し込む。ねじ付きアダプタ320は、単に事例としてのみ、銀はんだ付け等によって皮下管328の基端に接続され、ねじ付きアダプタ320及び皮下管328は、これらが停止点に達する迄、外筒322の基端内に挿入し、これらは、止めねじ(図示せず)により外筒322に固定する。
【0106】
軸受ハウジング318はねじ付きアダプタ320にねじ止めされ、末端軸受316を軸受ハウジング318内に押し込む。軸330を末端軸受316及び軸受ハウジング318を通じて軸受ハウジング318内に挿入し、コレットアダプタ314を軸330の上に配置し且つ、軸330の基端から約50mmにて軸にはんだ付けする。基端軸受312をコレットアダプタ314の基端上に配置する。軸受キャップ310を、該軸受キャップ310が停止する迄、軸受ハウジング318の基端にねじ止めする。外筒組立体は、モータアダプタ306内に挿入し且つ、モータアダプタ306の側部のスロットを通じてキー止めする。収縮管332を軸330の末端上に配置する。切断キャップ334を軸330の末端に圧着し又は接合する。
【0107】
本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、本発明の摘出装置を使用して任意の適宜な材料を切断することができる。1つの好ましい実施の形態において、椎間板空間に対し上方の椎骨肉茎内の通路を通じて椎間板空間にアクセスした後、摘出装置を使用して2つの椎骨体の間の椎間板空間から椎間板を切削し、この場合、通路は、ブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。1つの好ましい実施の形態において、摘出装置を使用して、椎間板空間に接する椎骨体の端板を切削することもできる。
【0108】
単に事例としてのみ、ブレードが変形している間、通路を通じて空間にアクセスした後、ブレードが変形していないとき、摘出装置を使用して空間内の材料を切断することができ、この場合、通路は、ブレードが以下のようにして材料を切断する間、複数の変形していないブレードの断面積よりも小さい断面積を有する。第1に、ブレードをそれ以前に形成した通路に嵌まるよう変形させる。変形は、好ましくは、ブレードの各々の長軸線が摘出装置の長軸線と同軸状となる迄、ブレードの各々の末端の先端を摘出装置の長軸線に向けて動かすステップを備えるものとする。
【0109】
次に、摘出装置の切断キャップを通路を通じて前進させ、摘出装置の末端が空間内に進むのを許容し、これによりブレードが直交状態に拡大するのを許容する、即ち、ブレードの各々の末端の先端が摘出装置の長軸線に対し垂直に摘出装置の長軸線からその変形していない形状まで動くのを許容する。1つの好ましい実施の形態において、通路は、顕著に湾曲しており、摘出装置は、該摘出装置が前進するとき、該摘出装置が通路の曲率に従うのを許容する軸を有する。次に、摘出装置を作動させ、ブレードを回転させ、これにより材料を切断する。1つの好ましい実施の形態において、ブレードは、約100ないし15000RPMの範囲にて回転させる。更に、摘出装置は、空間内にて前進させ且つ、引っ込めて追加的な材料を切断することができる。完了したならば、ブレードが通路から引き出される迄、摘出装置を引き出してブレードを変形させる。
【0110】
1つの好ましい実施の形態において、摘出装置を通路を通じてガイドワイヤーの上方に沿って前進させる。別の好ましい実施の形態において、摘出装置を通路をライニングするシースを通じて進める。別の好ましい実施の形態において、切断された材料は椎間板である。特に好ましい実施の形態において、摘出装置の軸は、該摘出装置が湾曲した通路を通って前進するのを許容するよう可撓性である。別の特に好ましい実施の形態において、材料は椎骨体の端板材料である。別の特に好ましい実施の形態において、通路は椎骨内の経肉茎的アクセス通路である。
【0111】
別の実施の形態において、本発明は、椎間板空間内に形成されたチャンバ内にて融合剤を保持する融合剤保持装置である。次に、図15、図16を参照すると、図面の各々には、図15の第1の変形した形態から図16の第2の変形していない形態まで拡張する本発明の1つの実施の形態に従った融合剤保持装置400の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)が示される。理解し得るように、融合剤保持装置400は、変形しないとき、実質的に円形又は楕円形の形状に拡張し得る形態とされた形状記憶能力を有する薄い生体適合性の変形可能な材料を備えるバンドを備える。1つの好ましい実施の形態において、該バンドは、本発明の方法を実施する間、形成された椎間板空間内の空の空間の境界に近似する変形していないときの形態に戻るように加工された、ニチノールのような所要形状の金属合金を備える。特に好ましい実施の形態において、バンドは、ヒドロゲルのような生体適合性シーラントにて被覆されている。融合剤保持装置400の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、所期の用途に従って変化することになろう。単に事例としてのみ、1つの好ましい実施の形態において、バンドは、展開されたとき、約1cmの高さ及び2cmの直径まで拡張する。
【0112】
別の実施の形態において、本発明は、椎間板空間内に形成されたチャンバ内にて融合剤を保持する融合剤保持装置である。次に、図17及び図18を参照すると、図面の各々には、図17の第1の変形した形態から図18の第2の変形していない形態まで拡張する本発明の1つの実施の形態に従った融合剤保持装置500の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)が示される。理解し得るように、融合剤保持装置500は、変形していないとき、実質的に円形又は楕円形の形状に拡張し得る形態とされた形状記憶能力を有する薄い生体適合性の変形可能な材料を有するワイヤーを備える。融合剤保持装置500は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解されるように、多岐に亙る形態の形状とされたワイヤーから形成することができる。図19には、図17、図18に示した融合剤保持装置を形成するワイヤー502の隔離した部分が示される。1つの好ましい実施の形態において、ワイヤーは、図38、図53及び図54に示すようなメッシュを備えており、それは、メッシュは周方向に及び軸方向の双方に変形可能であるからである。1つの実施の形態において、ワイヤーは、本発明の方法を実施する間、椎間板空間内の空の空間の境界に近似する変形していないときの形態に戻るよう加工された、ニチノールのような所要形状の金属合金を備える。特に好ましい実施の形態において、ワイヤーメッシュは、ヒドロゲルのような生体適合性シーラントにて被覆されている。融合剤保持装置500の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、所期の用途に従って変化することになろう。単に事例としてのみ、1つの好ましい実施の形態において、バンドは、展開したとき、約1cmの高さ及び2cmの直径まで拡張する。
【0113】
別の実施の形態において、本発明は、本発明の融合剤保持装置を使用して隣接した2つの椎骨を融合させる方法である。該方法は、最初に、隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップを備える。次に、本発明に従った融合剤保持装置が提供され且つ、チャンバ内に配置して、その変形しないときの形態まで拡張するのを許容する。次に、融合剤保持装置に融合剤を充填し、融合剤が隣接した2つの椎骨を融合させるのを許容する。1つの好ましい実施の形態において、該方法は、第2の方法にて隣接した2つの椎骨を更に融合させるステップを更に備える。
【0114】
別の実施の形態において、本発明は、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムである。次に、図20、図21及び図22を参照すると、伸延システムの導入器の側方斜視図、伸延システムの離間構成要素の1つの実施の形態の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)、伸延システムの離間構成要素の別の実施の形態の頂面斜視図(右側)がそれぞれ示される。理解し得るように、伸延システム600は、導入器602と、複数の離間構成要素604、606とを備える。導入器602は、基端挿入部分608と、末端定着部分610とを備える。基端挿入部分606は、ガイドワイヤー型又は管状構造体612を備える。末端定着部分610は、複数のとげ状部614を備える。
【0115】
伸延システム600は、積み重ね可能、変形可能な複数の離間構成要素604、606を更に備える。離間構成要素の各々は、中央開口部616と、複数の伸長体618とを備えることが好ましい。1つの好ましい実施の形態において、離間構成要素の各々は、図21に示すように、3つの伸長体618を備える。別の好ましい実施の形態において、離間構成要素の各々は、図22に示すように、4つの伸長体618を備える。離間構成要素604は、伸長体の各々が複数の離間構成要素604、606を軸方向に導入器602に積み重ねることを許容し得るよう湾曲した形状を形成するような形態とされている。1つの好ましい実施の形態において、伸延システム600の離間構成要素604、606の各々は、本発明の方法にて使用される隣接した2つの椎骨体を伸延させるのに適した形状に戻るように加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。更に、伸延システム600の表面の各々は、伸延システム600の構成要素間の摩擦を減少させ得るようにポリテトラフロオロエチレン又はその他の親水性被覆を有することが好ましい。
【0116】
別の実施の形態において、本発明は、隣接した2つの椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に、図23、図24を参照すると、変形していない形態にある本発明に従った別の伸延システムの側方斜視図、変形した形態にある伸延システムの側方斜視図がそれぞれ示される。理解し得るように、伸延システム700は、基端接続部分702と、末端伸延部分704とを備える。基端接続部分702は、中実なバンドを有する、管状構造体と、メッシュ又は同等の構造体とを備える。末端伸延部分704は、複数のストリップ706を備える。ストリップの各々は、変形していない伸びた形態から変形した彎曲した形態に変形可能である。ストリップ706は、その基端にて基端接続部分702に接続されている。ストリップ706の各々は、基端から末端までテーパーが付けられることが好ましい。
【0117】
1つの好ましい実施の形態において、ストリップ706の各々は、基端708における約2.5ないし3mmの幅から末端710における約1mmの幅までテーパーが付けられ、また、基端708における約1mmの厚さから末端710における約0.1ないし0.2mmの厚さまでテーパーが付けられている。伸延システム700は、本発明の方法にて使用される隣接した2つの椎骨体を伸延させるのに適した形状に戻るように加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。更に、伸延システム700の表面の各々は、伸延システム700の構成要素間の摩擦を減少させるようにポリテトラフロオロエチレン又はその他の親水性被覆を有することが好ましい。
【0118】
伸延システム700は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な方法により形成することができる。1つの実施の形態において、本発明に従って伸延システムを製造する方法が提供される。この実施の形態において、伸延システムは、最初に、ニチノールのような生体適合性の所要形状の金属合金の円筒体を提供することにより形成される。次に、軸方向切断を複数回円筒体に対し行い、皮下管の末端に複数の分離したストリップを形成する。特に好ましい実施の形態において、円筒体は、末端にて3つのストリップに切断する。次に、ストリップを緊密なら旋体に曲げ且つ、熱焼鈍して変形しないときのこの形状に戻るようにする。1つの好ましい実施の形態において、変形しないときのら旋体群は、約2cmの最大横方向輪郭外形と、約1cmの最大軸方向輪郭外形とを有する。別の実施の形態において、ストリップを円筒体の基端から切り離し且つ、はんだ付け等によって同一又は同等の材料で出来たメッシュ円筒体に接続する。
【0119】
別の実施の形態において、本発明は、隣接した2つの椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に、図25、図26及び図27を参照すると、変形した形態(左側)及び変形しない形態(右側)にある本発明に従った別の伸延システムのとげ付き差込み部の側方斜視図、変形した形態にある伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(右側)、変形しない形態にある伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(右側)がそれぞれ示される。理解し得るように、伸延システム800は、とげ付き差込み部802と、ラチェット装置804とを備える。とげ付き差込み部802は、円筒状又は円錐形の中央部分806と、末端方向に複数のとげ状部808とを備える。変形したとき、図20の左側にて、とげ付き差込み部802のとげ状部808は、とげ付き差込み部802の軸方向中心に向けて収縮する。
【0120】
変形しないとき、図25(右側)において、とげ付き差込み部802のとげ状部808は、とげ付き差込み部802の軸方向中心から外方に伸びている。とげ付き差込み部は、複数のとげ状部を形成するよう軸方向に切断し且つ、次にこの形状に戻るように熱焼鈍した円錐体又は円筒体から形成される。ラチェット装置804は、一端にて接続された横方向に分離した一連のストリップ810を備える。ラチェット装置は、シートの一端に接続された複数のストリップとなるように横方向に切断されたシートから形成される。該シートは、軸方向に圧延し且つ、熱焼鈍してこの形状に戻るようにする。変形したとき、図26(左側)において、ストリップ810は、ラチェット装置804の中心軸線の周りにて緊密にコイル巻きされる。
【0121】
変形していないとき、図27(右側)において、ストリップ810はラチェット装置804の中心軸線から巻き戻しされる。伸延システム800の構成要素の各々は、本発明にて使用される隣接した2つの椎骨体を伸延させるのに適した形状に戻るように加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。更に、伸延システム800の表面の各々は、伸延システム800の構成要素間の摩擦を減少させ得るようにポリテトラフロオロエチレン又はその他の親水性被覆を有することが好ましい。
【0122】
別の実施の形態において、本発明は、本発明の伸延システムを使用して上椎骨を下椎骨から伸延させる方法である。該方法は、最初に、隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップを備える。次に、本発明に従った伸延システムが提供され且つ、チャンバ内に配置され、これにより隣接した2つの椎骨を伸延させる。1つの実施の形態において、該伸延システムは、基端の挿入部分と、複数のとげ状部を備える末端の定着部分とを備える導入器を備え、また、積み重ね可能、変形可能な複数の離間構成要素を備える。この実施の形態において、伸延システムをチャンバ内に配置するステップは、とげ状部が隣接した2つの椎骨の末端椎骨体の上側部分の海綿状骨と遭遇する迄、導入器を前進させるステップと、その変形した形態にある複数の離間構成要素を導入器の上方に沿ってチャンバ内に挿入するステップと、複数の離間構成要素がその変形していない形態に拡張するのを許容するステップとを備える。
【0123】
別の実施の形態において、伸延システムは、基端の接続部分と、その基端にて基端の接続部分に接続された複数のストリップとを備える。この実施の形態において、伸延システムをチャンバ内に配置するステップは、ストリップが直線状に変形した形状にある間、伸延システムを通路を通じてチャンバ内に前進させるステップを備える。チャンバに入ったならば、ストリップはその変形していないら旋状の形状に戻り、隣接した2つの椎骨体を軸方向に伸延させる。別の実施の形態において、伸延システムは、とげ付き差込み部と、ラチェット装置とを備える。この実施の形態において、伸延システムをチャンバ内に配置するステップは、とげ付き差込み部がチャンバに入る迄、とげ状部が基端方向又は末端方向の何れかを向いた状態にて、変形した形態にあるとげ付き差込み部を通路を通じてチャンバ内に前進させるステップを備える。
【0124】
次に、とげ付き差込み部のとげ状部が伸び且つ、隣接した2つの椎骨の末端椎骨体の上側部分又は隣接した2つの椎骨の基端椎骨体の下側部分の海綿状骨と接触する。次に、変形していない形態にあるラチェット装置を通路を通じ且つ、チャンバ内に及びとげ付き差込み部内に前進させる。チャンバに入ったならば、ラチェット装置のストリップの各々は、軸方向に拡張して通路を通じて引っ込むのを防止し、また、2つの椎骨を所望通りに伸延させるのに十分な長さのラチェット装置を前進させる。1つの好ましい実施の形態において、伸延システムは両側方向から導入する。1つの好ましい実施の形態において、該方法は、伸延システムを上椎骨の肉茎を通じて形成された通路を通じて配置するステップを備える。別の好ましい実施の形態において、該方法は、上椎骨の肉茎を通じて形成された通路内にてシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを更に備える。
【0125】
本発明は、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定さを生じさせ又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法と、外科医が椎間板空間にアクセスして隣接した2つの椎骨を更に融合させ又は融合させずに、空間のより正常な三次元的形態を回復することを許容する方法とを更に備える。次に、図28ないし図45を参照すると、第1の椎骨902の第1の椎骨体902、第2の椎骨906の第2の椎骨体904、第1の椎骨体900と第2の椎骨体904との間の椎間板908にて実施される方法の幾つかの特徴を示す部分切欠き側方斜視図が図示される。
【0126】
1つの好ましい実施の形態において、該方法は、最初に、この方法を実施するのに適した患者を選ぶステップを備える。適した患者は、第1の椎骨の第1の椎骨体、該第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板908との間の空間的関係が1つ又はより多数変化しており、該空間的関係の変化が痛み、無感覚又は機能喪失等のような症状を伴い、又は空間的関係の変化が実際に又は潜在的な不安定さ又は上記の組み合わせを生じさせ、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の空間的関係のより正常な形態を回復すること、即ち変化させることを必要とし、又は第1の椎骨と第2の椎骨との融合を必要とし又はその双方を必要とする。
【0127】
しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、本発明の方法によりその他の疾患及び状態を治療することもできる。治療に潜在的に適した疾患及び状態として、変性椎間板、ヘルニア症椎間板又は変性し且つヘルニア症の椎間板、変性椎間板側湾症、椎間板又は椎骨体の感染症、悪性腫瘍のような空間を占める疾患、脊柱狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨の不安定さ、損傷、外傷又は骨粗鬆症又は外科的操作に起因する椎骨の骨折を含む損傷があり、これらは、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、痛み、機能不全又はその双方を生じさせ、また、脊柱の不安定性を生じさせる。本発明の方法は、第2の椎骨体904の上方の第1の椎骨体900に関して開示し且つ示したが、該方法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、第2の椎骨体904の下方の第1の椎骨体900に対し使用することもできる。
【0128】
次に、図28に示すように、第1の椎骨体900に対する経肉茎的アクセスが経皮的に得られる。1つの好ましい実施の形態において、11ゲージ骨バイオプシー針910(米国、カリフォルニア州、スコッツヴァリーのパラックスメディカル(Parallax Medical)、米国、イリノイ州、マックゴウパークのアレジアンスヘルスケア(Allegiance Health Care)、米国、インディアナ州、ブルーミングトンのクック(Cook)インクから入手可能なようなもの)を蛍光透視法誘導法のような適宜な誘導法の下にて第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入することにより、経肉茎的アクセスが得られる。特に好ましい実施の形態において、経肉茎的アクセスは、両側方向がら得られ、この明細書に開示された方法は、繰り返して両側方向から行なわれる。該方法を両側方向から実施することは、椎間板材料をより大きく除去し、従って、骨基質材料を堆積させるためのより大きい椎間板キャビティを得ることを許容する。次に、1mm直径のガイドワイヤーのような適宜なゲージのガイドワイヤー912を図28に示すように、バイオプシー針910を通じて第1の椎骨体900内に挿入し、バイオプシー針910を除去し、挿入されたガイドワイヤー912が残るようにする。
【0129】
次に、適宜な非撓み骨ドリル914を図29に示すように、ガイドワイヤー912の上方に沿って挿入し、また、非撓み骨ドリル914を誘導の下、作動させ、これによりバイオプシー針910及びガイドワイヤー912により形成された通路を拡張して直径約4.5mmにし且つ、第1の椎骨体900の後側約1/3内に伸びるようにする。1つの実施の形態において、直線状ドリルを挿入する前、外径5mmを有し、厚さ0.25mmのプラスチック管のような直線状ドリルシース(図示せず)を接続性組織と、第1の椎骨902の上方に位置する筋組織とを通じてガイドワイヤー912の上方に沿って挿入し、直線状ドリルをガイドワイヤー912の上方であるが、直線状ドリルシース内に挿入する。この実施の形態において、直線状ドリルシースは、接続性組織と、第1の椎骨902の上方に位置する筋組織(図示せず)とを非撓み骨ドリル914との接触から保護する。
【0130】
次に、非撓み骨ドリル914シースを除去し、また、図30にて理解し得るように、非撓み骨ドリル914の上側に沿って非撓み骨ドリル914により形成された空間内に挿入される経肉茎的作用通路916と交換する。非撓み骨ドリル914を除去し、リテーナ管918の末端の先端が経肉茎的作用シース916の末端から出る迄、リテーナ管918を経肉茎的作用通路916を通じて前進させる。次に、第1の撓みドリル920をリテーナ管918の全長を通じて導入する。1つの好ましい実施の形態において、リテーナ管918は、本発明に従った装置である。別の好ましい実施の形態において、撓みドリル920は、本発明に従った装置である。図30に示すように、撓みドリル920をリテーナ管918の基端部分を通じて前進させ、リテーナ管918の末端の斜角面付き端部から出て、撓みドリル920の長軸線がリテーナ管918の長軸線に対し約90゜の角度を形成するようにする。撓みドリル920を作動させ、第1の椎骨体900を通り且つ、上方から下方の方向に向けて椎間板908に入る通路を形成する。
【0131】
次に、第1の撓みドリル920を除去する。1つの好ましい実施の形態において、直径約0.4mmないし1mmの生体適合性ガイドワイヤー(図示せず)を通路を通じ且つ、椎間板908内に挿入して、支持構造体を形成し、支持構造体及び経肉茎的作用通路916が残るようにする。
【0132】
1つの好ましい実施の形態において、本発明に従うが、但し、第1の撓みドリル920よりも大きい断面直径を有する穿孔先端を備える第2の撓みドリル(図示せず)を経肉茎的作用シース916を通じて且つ、支持構造体(存在するならば)の上方に沿って前進させる。第2の撓みドリルを作動させ、これにより第1の撓みドリル920により椎間板908に形成された通路を拡張する。通路の最終的な直径は、第2の撓みドリルが使用されるかどうかに関係なく、直径約4mmないし5mmの範囲にあることが好ましい。次に、第2の撓みドリル(使用されるならば)及び経肉茎的作用シース916を引き抜く。オーバザワイヤー技術を使用して該方法の残りの部分が行われるならば、本発明を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、支持構造体(使用されるならば)は、所要位置に残す。しかし、図面には、非オーバザワイヤー技術を使用する方法が示される。
【0133】
次に、図31、図32、図33及び図34に示すように、撓み編組又は金属シースのような可撓性シース922を撓みドリルにより形成された拡張した通路を通じて支持構造体の上方に沿って進める。次に、切断装置924の末端又は摘出装置926が椎間板908内に入る迄、切断装置924又は摘出装置926又は同等の装置或いは1つ以上の装置を順序に可撓性シース922を通じて前進させる。1つの実施の形態において、切断装置924は本発明に従った装置である。別の実施の形態において、摘出装置926は本発明に従った装置である。
【0134】
次に、図31、図32、図33及び図34に示すように、切断装置924(使用されるならば)を作動させ、又は次に、摘出装置926(使用されるならば)を蛍光透視誘導法のような適宜な誘導法の下、図35及び図36に示すように作動させ、椎間板円板908の一部分を除去し、また、好ましくは、椎間板908を画成する端板の1方又は双方の一部分を除去し、好ましくは、皮質骨が椎間板908の上方面928、椎間板908の下方面930、又は好ましくは椎間板908の上方面928及び下方面930の双方にて露出されたままであるようにする。1つの好ましい実施の形態において、除去された端板の部分は、矢状断面の約2cmを備える。1つの好ましい実施の形態において、除去された端板の部分は矢状断面にて端板の約30%を備える。しかし、線維輪は周方向に保存されることが好ましい。次に、切断装置924又は摘出装置926を除去し、食塩水のような適宜な溶液にて洗浄して吸引力を使用し、又は吸引及び洗浄を組み合わせることにより、屑を椎間板908から除去する。
【0135】
次に、図37及び図38に示すように、融合剤保持装置932を切断装置924又は摘出装置926或いはその双方により形成された空の空間内に導入し且つ、展開させる。1つの好ましい実施の形態において、図37、及び図38に示すように、融合剤保持装置932は本発明に従った融合剤保持装置である。しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、その他の融合剤保持装置も適している。別の好ましい実施の形態において、融合剤保持装置932の導入及び展開は、コイル巻きした融合剤保持装置932を保持する可撓性の管と、コイル巻きした融合剤保持装置932を可撓性の管から摘出装置により形成された空の空間内に押し出す排出先端を有する中央ワイヤーとを備える展開装置内にて融合剤保持装置932を緊密にコイル巻きすることにより、実現される。
【0136】
空の空間内に入ったならば、融合剤保持装置932はその非応力状態の形状に戻り、椎間板908内にライニングしたチャンバを形成する。次に、ライニングした空のチャンバに適合可能な骨基質を備える剤のような融合剤を充填し、これにより第1の椎骨体900と第2の椎骨体904との間に骨融合部を形成する。適宜な骨基質は、例えば、米国、ペンシルベニア州、マルベーンのオルソヴィタ(Orthovita)から入手可能なヴィトス(VITOSS)(登録商標名)及び米国、ニュージャージー州、イートンタウンのオステオテック(Osteotech)インクから入手可能なグラフトン(GRAFTON)(登録商標名)プラス(Plus)、並びに、骨伝導性及び骨非伝導性の双方であるように患者自体の髄骨と共に又は髄骨無しにて骨形態形成タンパク質と混合させた脱鉱物化した死体の骨基質材料である。
【0137】
1つの好ましい実施の形態において、図39、図40、図41、図42、図43及び図44に示すように、該方法は、チャンバに融合剤を充填する前又はチャンバに融合剤を充填した後であるが、融合剤が硬化する前の何れかにて、伸延システム934、936、938をチャンバ内に導入するステップを更に備える。これと代替的に、チャンバは、融合剤にて部分的に充填することができ、融合剤が硬化する前に、伸延システム934、936、938を導入し、追加的な融合剤をチャンバに追加してもよい。伸延システム934、936、938は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な構造体とすることができる。1つの好ましい実施の形態において、伸延システム934、936、938は、本発明に従った伸延システム934、936、938である。図31、図32、図33、図34、図35及び図36には、展開されつつあるかかる3つの伸延システム934、936、938が示される。伸延システム934、936、938は、第1の椎骨902を伸延させる、即ち第1の椎骨902が第2の椎骨906から軸方向に分離する程度を増し且つ、堆積させた融合剤に対する支持体を提供する。
【0138】
1つの好ましい実施の形態において、図45に示すように、該方法は、第1の椎骨902を第2の椎骨906に接続するため追加的な融合手順を実施するステップを更に備える。1つの実施の形態において、図45にて理解し得るように、追加的な融合手順は、本発明の方法を実施することにより残った経肉茎的通路内に肉茎ねじ940を配置するステップと、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、離間構成要素942により肉茎ねじ940を接続するステップとを備える。しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な追加的な融合手順を使用することとができる。
【0139】
1つの好ましい実施の形態において、該方法は、1つの椎骨位置においてのみ経肉茎的に1側方から又は両側方向から椎骨体及び椎間板にアクセスすることにより、少なくとも3つの隣接した椎骨体及び該少なくとも3つの隣接した椎骨体の間の2つの椎間板にて実施される。該方法のこの実施の形態の特徴の各々は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、隣接した2つの椎骨及び該2つの椎骨の間の椎間板にてのみ該方法を実施することに関して開示された同等の特徴に相応する。
【0140】
次に、図46ないし図55を参照すると、第1の椎骨1002の第1の椎骨体1000、第2の椎骨1006の第2の椎骨体1004、第1の椎骨体1000と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008、第3の椎骨1012の第3の椎骨体1010、第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1014にて実施された方法及びこの実施の形態の幾つかの面を示す部分、切欠き、側方斜視図が示される。
【0141】
理解されるように、適宜な患者を選んだ後、第1の椎骨体1000に対する経肉茎的アクセスが経皮的に実現され、また、実質的に上記に開示したように、非撓み骨ドリルを使用して第1の椎骨体1000と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008にアクセスする。しかし、この実施の形態において、撓みドリル1016を使用して、第1の椎骨1002と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008(図46)、第2の椎骨体1004を通って第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1008(図47)内に完全に達する通路を形成することを続行する。
【0142】
次に、切断装置(図示せず)又は摘出装置1022或いはその双方もしくは同等の装置(図48、図49)を使用して第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1008及び第2の椎骨体1004の下方端板1018、第3の椎骨体1010の上方端板1020の一部分を除去する。次に、融合剤保持装置1024を第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1014及び第1の椎骨体1000と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008(図50)内に展開させる。
【0143】
1つの好ましい実施の形態において、伸延システム1026は、第1の椎骨1002と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008と、第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1008との双方にて融合剤保持装置1024内に配置する(図51、図52、図53、図54)。次に、融合剤保持装置1024の各々に融合剤を充填し、これにより第1の椎骨1002を第2の椎骨1006に融合させ、第2の椎骨1006を第3の椎骨に融合させる。更に、1つの好ましい実施の形態において(図55)、第1の椎骨1002を第2の椎骨1006に接続し、第2の椎骨1006を第3の椎骨に接続し又は双方を行うため、図45に相応した方法にて追加的な融合手順を実施することができる。
【0144】
本発明は特定の好ましい実施の形態に関して極めて詳細に説明したが、その他の実施の形態とすることも可能である。従って、特許請求の範囲は本明細書に記載された好ましい実施の形態の説明にのみ限定されるべきではない。本明細書に引用した全ての参考例は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めてある。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】末端穿孔端部が挿入位置にある、本発明の1つの実施の形態に従った骨ドリルの側方斜視図である。
【図2】末端穿孔端部が穿孔位置にある、図1に示した骨ドリルの側方斜視図である。
【図3】図1に示した骨ドリルの下側サブ組立体の分解側方斜視図である。
【図4】図1に示した骨ドリルの上側サブ組立体の分解側方斜視図である。
【図5】図1に示した骨ドリルの幾つかの個別の構成要素の側方斜視図である。
【図6】図1に示すように骨ドリルと共に使用することのできる選択可能な案内先端の側方斜視図である。
【図7】末端が切断位置にある、本発明の1つの実施の形態に従った切断装置の側方斜視図である。
【図8】末端が挿入位置にある、図7に示した切断装置の切欠き側方斜視図である。
【図9】末端が挿入位置にある、図7に示した切断装置の末端の接写部分切欠き側方斜視図である。
【図10】図7に示した切断装置の末端の接写部分切欠き側方斜視図である。
【図11】ブレードが挿入位置にある、本発明の1つの実施の形態に従った摘出装置の側方斜視図である。
【図12】ブレードが切断位置にある、図11に示した摘出装置の側方斜視図である。
【図13】図12に示した摘出装置の末端の拡大側方斜視図である。
【図14】図12に示した摘出装置の分解側方斜視図である。
【図15】変形した形態にあるときの本発明の1つの実施の形態に従った融合剤保持装置の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図16】変形していない形態にあるときの図15に示した融合材保持装置の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図17】変形した形態にあるときの本発明の1つの実施の形態に従った別の融合剤保持装置の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図18】変形していない形態にあるときの図17に示した融合材保持装置の側方斜視図(左側)及び上面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図19】図17及び図18に示した融合剤保持装置を形成するワイヤーの独立的な部分を示す図である。
【図20】本発明の1つの実施の形態に従った伸延システムの導入器を示す側方斜視図である。
【図21】図20に示した導入器を有する、伸延システムの罹患構成要素の1つの実施の形態を示す側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)である。
【図22】図20に示した導入器を有する、伸延システムの別の離間構成要素の1つの実施の形態を示す側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)である。
【図23】変形していない形態にあるときの本発明に従った別の伸延システムの側方斜視図である。
【図24】変形した形態にあるときの図23に示した伸延システムの側方斜視図である。
【図25】変形した形態(左側)及び変形していない形態(右側)にあるときの本発明に従った別の伸延システムのとげ付き差込み部を示す側方斜視図である。
【図26】変形した形態にあるときの図25に示したとげ付き差込み部を有する、伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(左側)である。
【図27】変形していない形態にあるときの図25に示したとげ付き差込み部を有する、伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(右側)である。
【図28】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する1つの面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図29】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図30】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図31】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図32】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図33】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図34】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さ起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図35】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図36】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図37】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図38】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図39】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図40】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図41】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図42】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図43】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図44】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図45】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図46】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における1つの面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図47】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図48】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図49】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図50】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図51】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図52】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図53】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図54】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図55】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年11月8日付けで出願された「経肉茎的椎骨体間融合(Transpedicular Intervertebral Body Fusion)」という名称の米国仮特許出願第60/424,942号の利益を主張するものであり、その出願内容を参考として引用し含むものである。人間の椎骨体及び椎間板は、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、痛み、機能不全又はその双方を生じさせる多岐に亙る疾患及び健康状態に支配される。また、これらの疾患及び状態の多くは、脊柱の不安定性も生じさせる。こうした疾患及び状態の中には、変性椎間板、ヘルニア症椎間板及び変性し且つヘルニア症の椎間板、変性側湾症、椎間板又は椎骨体の感染、悪性腫瘍のような空間を占める疾患、脊柱狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨の不安定性がある。更に、椎骨体及び椎間板は、外傷又は骨粗鬆症、外科的操作に起因する椎骨の骨折を含み、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、痛み、機能不全又はその双方を生じさせ、また、脊柱の不安定化を生じさせる損傷を受け易い。
【背景技術】
【0002】
椎骨体と椎間板との間の空間的関係に影響を与える疾病及び状態を外科的に治療することは、従来、脊柱突起の上方に位置する組織に長い切開部を形成し、これにより、椎骨に直接、アクセスして隣接した2つの椎骨を機械的に融合させるステップを含む、開放融合手順を伴うものである。これら手順の結果、術後の顕著な痛み及び感染を含む術後の罹患状態が顕著に発現することとなる。更に、従来の方法は、空間のより正常な三次元的形態を回復すべく外科医が椎骨体間空間に直接アクセスすることを許容しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、2つの椎骨体と椎間板との間、及び2つの椎骨体の間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定さ又はその双方を生じさせる疾病及び状態を治療し、術後の痛みを少なくし且つ、術後の罹患状態の発現率が低いことと関係した、新規な方法が必要とされている。更に、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ又は脊柱の不安定化を生じさせ、或いはその双方を生じる疾病及び状態を治療し、外科医が椎間板空間に直接アクセスし隣接した2つの椎骨を機械的に融合させることを許容する新規な方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの実施の形態に従い、穿孔先端を備えて、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れた所定の位置に穿孔先端を向き決めすることができる、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を更に備え、該上側サブ組立体は穿孔先端を備える。別の実施の形態において、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ収容部とを更に備える。
【0005】
別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。
【0006】
別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜だけ外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0007】
本発明の別の実施の形態に従い、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備え、穿孔先端が末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0008】
本発明の別の実施の形態に従い、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を備え、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、ドリル先端と、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ受け部とを備え、案内管は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備え、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0009】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明に従った撓みドリルを提供するステップと、b)穿孔先端が穿孔すべき材料にアクセスする迄、ドリルをほぼ直線状の通路を通じて前進させ、これにより穿孔先端を所定の位置にて向き決めするステップと、c)ドリルを作動させるステップとを備える、材料を穿孔する方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーをドリルを通じて進めるステップを更に備える。別の実施の形態において、穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる。別の実施の形態において、該方法は、撓みドリルを挿入する前にシースをほぼ直線状の通路内に挿入するステップと、次に、撓みドリルをシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0010】
本発明の1つの実施の形態に従い、穿孔先端を備えて、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れるようにした所定の位置に穿孔先端を向き決めすることができる、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を更に備え、該上側サブ組立体は穿孔先端を備える。別の実施の形態において、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ収容部とを更に備える。別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。
【0011】
別の実施の形態において、上側サブ組立体は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端とを備える案内管を備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜だけ外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0012】
本発明の別の実施の形態に従い、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を備え、穿孔先端が末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える、撓みドリルが提供される。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0013】
本発明の別の実施の形態に従い、上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を備え、下側サブ組立体は、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを備えており、上側サブ組立体は、ドリル先端と、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ受け部とを備える、撓みドリルが提供される。案内管は、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備えており、穿孔先端は末端部分の末端に接続され、案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える。1つの実施の形態において、撓みドリルは、穿孔先端に取り付けられた案内先端を更に備える。別の実施の形態において、撓みドリルは、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を更に備える。
【0014】
本発明の別の実施の形態に従い、材料に穿孔する方法が提供される。該方法はa)本発明に従った撓みドリルを提供するステップと、b)穿孔先端が穿孔すべき材料にアクセスする迄、ドリルをほぼ直線状の通路を通じて前進させ、これにより穿孔先端を所定の位置にて向き決めするステップと、c)ドリルを作動させるステップとを備える。1つの実施の形態において、該方法は、撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーをドリルを通じて進めるステップを更に備える。別の実施の形態において、穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる。別の実施の形態において、該方法は、撓みドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線状の通路内に挿入するステップと、次に、撓みドリルをシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0015】
本発明の別の実施の形態に従い、材料に穿孔する方法が提供される。該方法はa)本発明に従った撓みドリルを提供するステップと、b)歪んだ状態の撓みドリルを材料内に前進させるステップと、c)撓みドリルから歪みを除去するステップと、d)ドリルを作動させるステップとを備える。1つの実施の形態において、該方法は、撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーを撓みドリルを通じて進めるステップを更に備える。別の実施の形態において、穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる。
【0016】
本発明の別の実施の形態に従い、撓み軸の末端に接続されたブレードを備える切断装置であって、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内に挿入することができ、末端部分の長軸線は湾曲し又は末端部分の長軸線はほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化するようにした上記切断装置が提供される。1つの実施の形態において、ブレードは、第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動する。別の実施の形態において、切断装置は、撓み軸の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブを更に備えており、ブレードは1つ又はより多数の切欠きを有し、係止スリーブは、末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、末端方向への前進により、係止スリーブは1つ又はより多数の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、また、基端方向に引っ込むことにより、係止スリーブは1つ又はより多数の切欠きから非係合状態となり、これによりブレードを切断位置から非係止状態にする。
【0017】
別の実施の形態において、切断装置は、斜角面付き末端を有し且つ、撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを更に備えており、撓み軸は、シースに対して末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ、挿入位置まで回動する。別の実施の形態において、ブレードは、周縁切刃部を有する。別の実施の形態において、切断装置は、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを備える基端と、ブレードが取り付けられる末端とを更に備える。
【0018】
本発明の別の実施の形態に従い、a)撓み軸の末端に接続された回動ブレードと、b)撓み軸の少なくとも一部分を取り囲む係止スリーブとを備え、ブレードが第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動し、ブレードが1つ又はより多数の切欠きを有し、係止スリーブが末端方向に前進し且つ基端方向に引っ込むことができ、末端方向に前進することにより、係止スリーブは1つ又はより多数の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、また、基端方向に引っ込むことにより、係止スリーブが1つ又はより多数の切欠きから非係合状態となり、これによりブレードを切断位置から非係止状態にするようにした、切断装置が提供される。1つの実施の形態において、該切断装置は、斜角面付き末端を有し且つ、撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを更に備えており、撓み軸は、シースに対して末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ、挿入位置まで回動する。
【0019】
1つの実施の形態において、切断装置は、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内に挿入することができ、末端部分の長軸線は湾曲し又は末端部分の長軸線はほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化するようにされている。別の実施の形態において、ブレードは、周縁切刃部を有する。別の実施の形態において、切断装置は、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを備える基端と、ブレードが取り付けられる末端とを更に備える。
【0020】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明の切断装置を用意するステップと、b)長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断装置を材料内に挿入するステップと、c)切断装置を作動させるステップとを備え、末端部分の長軸線が湾曲し、又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化するようにした方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、切断装置を材料内にて前進させ且つ、引っ込めるステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を挿入する前に、シースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0021】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明の切断装置を用意するステップと、b)切断装置を材料内に挿入するステップと、c)係止スリーブを末端方向に前進させ、1つ又はより多数の切欠きと係合させ、これによりブレードを切断位置に係止するステップと、d)切断装置を作動させるステップと、e)切断装置を不作動にするステップと、f)係止スリーブを基端方向に引っ込めて1つ又はより多数の切欠きから非係合状態にし、これによりブレードを切断位置から非係止状態にするステップと、g)切断装置を材料から除去するステップとを備える、材料を切断する方法が提供される。1つの実施の形態において、切断装置を挿入するステップは、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて切断装置を前進させるステップを備え、末端部分の長軸線は湾曲し、又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化する。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を材料内にて前進させ且つ、引っ込めるステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を挿入する前に、シースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通じて挿入するステップとを更に備える。
【0022】
本発明の別の実施の形態に従い、摘出装置が提供される。該摘出装置は、基端と、複数の変形可能なブレードを備える切断キャップを有する末端と、基端と切断キャップとの間の軸とを備えており、複数の変形可能なブレードは、ブレードが変形する間、通路を通って空間にアクセスした後、ブレードが変形しないとき、空間内の材料を切断し、また、通路はブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。1つの実施の形態において、軸は撓み可能である。別の実施の形態において、摘出装置は、基端と末端との間に軸方向ガイドワイヤー管腔を更に備える。
【0023】
本発明の別の実施の形態に従い、空間内にて材料を切断する方法が提供される。該方法は、a)本発明に従った摘出装置を用意するステップと、b)空間を摘出装置にてアクセスするステップと、c)装置を作動させ、これにより材料の切断を実施するステップとを備える。1つの実施の形態において、該方法は、装置を作動させる前に、ブレードを変形させるステップと、ブレードが変形している間、通路を通じて空間にアクセスするステップとを更に備え、該通路は、ブレードが材料を切断している間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。別の実施の形態において、通路は湾曲している。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を空間内にて前進させ且つ引っ込めて追加的な材料を切断するステップを更に備える。別の実施の形態に従い、空間にアクセスするステップは、切断装置をガイドワイヤーの上に沿って前進させるステップを備える。別の実施の形態において、切断された材料は、椎間板と、椎骨体端板材料とから成る群から選ばれる。別の実施の形態において、空間にアクセスするステップは、摘出装置を椎骨内の経肉茎的アクセス通路を通じて前進させるステップを備える。
【0024】
本発明の別の実施の形態に従い、空間内にて材料を切断する方法が提供される。該方法は、a)請求項44の摘出装置を用意するステップと、b)空間にアクセスするための通路を形成するステップと、c)通路に嵌まるようブレードを変形させるステップと、d)切断装置が空間内に進む迄、摘出装置を通路を通じて前進させ、これによりブレードがその変形しない形状に拡張するのを許容するステップと、e)摘出装置を作動させ、これにより材料の切断を行うステップとを備えており、通路は、ブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。1つの実施の形態において、該方法は、切断装置を空間内にて前進させ且つ引っ込めて追加的な材料を切断するステップを更に備える。別の実施の形態において、切断装置を通路を通じて前進させるステップは、切断装置をガイドワイヤーの上に沿って前進させるステップを備える。別の実施の形態において、通路は湾曲している。別の実施の形態において、切断された材料は椎間板である。別の実施の形態において、切断された材料は、椎骨体端板材料である。別の実施の形態において、通路は椎骨内の経肉茎的アクセス通路である。
【0025】
本発明の別の実施の形態に従い、変形しないとき、実質的に円形又は楕円形の形状に拡張し得る形態とされた形状記憶機能を有する薄い生体適合性で変形可能な材料のバンド又はメッシュを備える融合剤を保持する融合剤保持装置が提供される。1つの実施の形態において、融合剤保持装置は、バンドを被覆する生体適合性シーラント(sealant)を更に備える。
【0026】
本発明の別の実施の形態に従い、a)隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップと、b)本発明に従った融合剤保持装置を用意するステップと、c)融合剤保持装置をチャンバ内に配置し、これにより融合剤保持装置が拡張するのを許容するステップと、d)融合剤保持装置に融合剤を充填するステップと、e)融合剤が隣接した2つの椎骨を融合させるのを許容するステップとを備える、隣接した2つの椎骨を融合させる方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、隣接した2つの椎骨を第2の手順にて更に融合させるステップを更に備える。
【0027】
本発明の別の実施の形態に従い、a)基端の挿入部分と、複数のとげ状部を備える末端の定着部分とを備える導入器と、b)複数の変形可能な離間構成要素とを備え、離間構成要素の各々が中央開口部と、複数の伸長部とを有し、離間構成要素の各々が導入器の挿入部分に積み重ね得る形態とされた、隣接した2つの椎骨を伸延(distraction)させる伸延システムが提供される。1つの実施の形態において、複数の伸長体は、3つの伸長体と、4つの伸長体とから成る群から選ばれる。
【0028】
本発明の別の実施の形態に従い、a)基端の接続部分と、b)複数のストリップを備える末端の伸延部分であって、該ストリップの各々が伸長した形態から湾曲した形態まで変形可能であり、ストリップの各々が基端及び末端を有し、ストリップの基端がその基端にて基端の接続部分に接続された基端の接続部分に接続された上記末端の伸延部分とを備える、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムが提供される。1つの実施の形態において、基端の接続部分はメッシュを備える。別の実施の形態において、ストリップの各々は、基端から末端までテーパーが付けられている。
【0029】
本発明の別の実施の形態に従い、a)中心軸線を有し、中央部分と、複数のとげ状部とを備えるとげ付き差込み部と、b)中心軸線を有し、一端にて接続された横方向に分離した一連のストリップを備えるラチェット装置とを備え、とげ状部は、変形していないとき、とげ付き差込み部の軸方向中心から外方に伸び、また、変形したとき、とげ付き差込み部の軸方向中心に向けて収縮し、ストリップは、変形しないとき、ラチェット装置の中心軸線から離れるように巻き戻され、変形したとき、ラチェット装置の軸方向中心に向けて収縮するようにした、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムが提供される。
【0030】
本発明の別の実施の形態に従い、a)本発明に従った伸延システムを提供するステップと、b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップとを備える、上椎骨を下椎骨から伸延させる方法が提供される。1つの実施の形態において、伸延システムを配置するステップは両側方向から行われる。別の実施の形態において、伸延システムを配置するステップは、伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通じて配置するステップを備える。別の実施の形態において、伸延システムを配置するステップは、上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを備える。
【0031】
本発明の別の実施の形態に従い第1の椎骨の第1の椎骨体、第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法が提供され、また、外科医が第1の椎間板にアクセスし、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の第1の椎間板のより正常な三次元的形態を回復することを許容する方法が提供され、該方法は、a)患者を選ぶステップと、b)第1の椎骨の肉茎に通路を形成することにより、第1の椎間板に経肉茎的にアクセスするステップと、c)第1の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセスを通じて除去するステップとを備える。
【0032】
1つの実施の形態において、選ばれた患者は、第1の椎骨の第1の椎骨体、該第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、該第1の椎骨体及び該第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係が1つ以上変化し、この空間的関係の変化により、痛み、無感覚、機能損失から成る群から選ばれた1つ又はより多くの症状が生じ、又は空間的関係の変化により実際の又は潜在的不安定性、又は上記を組み合わせたものが生じる。別の実施の形態において、患者には、第1の椎間板の変性、第1の椎間板のヘルニア症、第1の椎間板の変性及びヘルニア症、変性側湾症、第1の椎間板の感染、第1の椎骨体の感染、第2の椎骨体の感染、空間を占める疾患、脊椎狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨不安定性、椎骨の骨折、脊柱の外科手術的操作から成る群から選ばれた1つ又はより多数の疾患又は状態が生じる。別の実施の形態において、第1の椎間板への経肉茎的アクセスは両側方向から得られる。
【0033】
別の実施の形態において、第1の椎間板への経肉茎的アクセスは、骨バイオプシー針を第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入して通路を形成するステップを備える。別の実施の形態において、第1の椎間板への経肉茎的アクセスを実現することは、非撓み型の骨ドリルを第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入し、通路を形成し又は該通路を拡大するステップを備える。別の実施の形態において、該方法は、シースを通路内に挿入するステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、リテーナ管を通路内に挿入するステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、第1の撓みドリルを通路を通じて挿入するステップと、撓みドリルを作動させ、これにより通路を第1の椎骨体を通じて椎間板内に伸ばすステップとを更に備える。更に別の実施の形態において、第1の撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。
【0034】
1つの実施の形態において、該方法は、第2の撓みドリルを通路を通じて挿入するステップと、撓みドリルを作動させ、これにより通路を拡張するステップとを更に備える。別の実施の形態において、第2の撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。別の実施の形態において、該方法は、ガイドワイヤーを支持構造体として使用し得るよう通路内に挿入するステップを更に備える。別の実施の形態において、該方法は、この方法の少なくとも一部をオーバザワイヤー技術(over-the wire technique)を使用して実施するステップを備える。別の実施の形態において、該方法は、切断装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを更に備える。1つの実施の形態において、切断装置は、本発明に従った切断装置である。別の実施の形態において、該方法は、摘出装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを更に備える。
【0035】
1つの実施の形態において、摘出装置は、本発明に従った摘出装置である。1つの実施の形態において、該方法は、第1の椎骨体の端板の又は第2の椎骨体の端板の少なくとも一部分を除去するステップを更に備える。1つの実施の形態において、該方法は、融合剤保持装置を椎間板内に挿入するステップと、融合剤保持装置に少なくとも部分的に融合剤を充填するステップとを更に備える。1つの実施の形態において、融合剤保持装置は、本発明に従った融合剤保持装置である。別の実施の形態において、該方法は、伸延システムを椎間板内に挿入するステップと、伸延システムが第1の椎骨体を第2の椎骨体から伸延させるのを許容するステップとを更に備える。
【0036】
1つの実施の形態において、伸延システムは、本発明に従った伸延システムである。1つの実施の形態において、該方法は、第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップを更に備える。別の実施の形態において、a)本発明の方法を実施するステップと、b)第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップと、c)第2の融合手順を実施して第1の椎骨を第2の椎骨に融合させるステップとを備える、第1の椎骨を第2の椎骨に融合させる方法が提供される。1つの実施の形態において、該方法は、第2の椎骨体と該第2の椎骨体に隣接する第3の椎骨体との間の第2の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセス法を通じて除去するステップを更に備える。本発明の上記及びその他の特徴、面及び有利な点は、以下の説明、特許請求の範囲及び添付図面から理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の1つの実施の形態において、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法であって、従来の外科的治療法よりも術後の痛みが少なく且つ術後の低い罹患率の発現と関係した上記方法が提供される。別の実施の形態において、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法であって、外科医が椎骨間空間にアクセスし、隣接する2つの椎骨を更に融合させ又は融合させずに、空間のより正常な三次元的形態を回復することを許容する上記方法が提供される。
【0038】
本発明の別の実施の形態において、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法であって、外科医が椎間空間にアクセスし、隣接する2つの椎骨を更に融合させ又は融合させずに、空間のより正常な三次元的形態を回復するのを許容し、又はその他の目的のために使用することのできる、本発明による上記方法にて使用することのできる複数の装置が提供される。本発明の装置及び方法について以下に詳細に開示する。
【0039】
本明細書にて使用する「椎間板(intervertebral disk)」という語は、正常な無傷の椎間板と、部分的に疾患し、損傷し又は損害を受けた椎間板、部分的に浸軟した椎間板、及び正常な椎間板の他の部分により取り囲まれた空の空間を含むものとする。
【0040】
本明細書にて使用する「ほぼ直線状の通路」という語は、通路が開始部から終了部まで10゜以下の変化する中心長軸線を有する、材料内の通路を意味するものとする。
本明細書にて使用する「湾曲した通路(curved passage)」という語は、通路が開始部から終了部まで10゜以上変化する中央長軸線を有する、材料中の通路を意味するものとする。
【0041】
本明細書にて使用する「から成る」、「含む」又は「備える」という用語及びそれらの用語の変形は、他の付加物、構成要素、全体、又は工程(steps)を排除することを意図しない。本明細書にて特定された全ての寸法は、単に事例であり、限定的であることを意図するものではない。更に、これら図面に示した比率は必ずしも正確な縮尺通りではない。本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、この明細書に開示された全ての装置又は装置の一部の実際の寸法は、所期の用途によって決定されよう。
【0042】
1つの実施の形態において、本発明は、撓み穿孔先端を備えて、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線の少なくとも10゜だけ外れるようにした所定の位置にて向き決めすることができる、撓みドリルである。撓みドリルは、骨、軟骨及び椎間板を含む多岐に亙る材料を通じて穿孔することができるが、この明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解されるように、生体及び非生体双方のその他の材料を通じて穿孔するため使用することもできる。先ず、図1、図2、図3、図4、図5及び図6を参照すると、挿入位置にある末端の穿孔端部を有する撓みドリルの側方斜視図、撓み穿孔位置にある末端穿孔端部を有する撓みドリルの側方斜視図、撓みドリルの下側サブ組立体の分解側方斜視図、撓みドリルの上側サブ組立体の分解側方斜視図、撓みドリルの幾つかの個別の構成要素の側方斜視図、骨ドリルと共に使用することのできる選択可能な案内先端の側方斜視図がそれぞれ示される。
【0043】
図示のように、撓みドリル(flexible drill)100は、下側サブ組立体102と、上側サブ組立体104とを備える。次に、図1、図2、特に図3及び図5を参照すると、下側サブ組立体102は、次のように、末端方向から基端方向に7つの構成要素、即ち、スピンルアロック(spin luer lock)106と、リテーナ管108と、ピストンアンカー110と、ピストンレベル(piston level)112と、ピストン114と、末端Oリング116と、基端Oリング118とを備える。スピンルアロック106は、成形したナイロン等の材料から成り、また、撓みドリル100を挿入すべき通路をライニングするシースに対し撓みドリル100を係止させるために使用され、これにより作業中、撓みドリル100の安定性を維持するのを助ける。リテーナ管108は、ステンレス鋼又は同等の材料から成り、軸方向長さが約125mmないし150mmの範囲にあり、また、内径が約4ないし4.5mmの範囲にあることが好ましい。
【0044】
ピストンアンカー110は、ステンレス鋼等の材料から成り、また好ましくは、スピンルアロック106にスナップ嵌めし得るよう末端にとげ状部(図示せず)を有することが好ましい。ピストンレベル112は、機械加工したナイロン等の材料から成り、また、好ましくは、図示するように、一端に方向指示器120を有する。ピストン114は、機械加工したナイロン等の材料から成り、また、末端Oリング116及び基端Oリング118とそれぞれ合わさる末端溝120と、基端溝124とを有しており、また、外筒136の穴128を通る止めねじ(図示せず)と合わさるスロット126を有する。
【0045】
スロット126及び相応する止めねじは、穿孔すべき材料に撓みドリル100を正確に位置決めすることを許容し且つ、撓み穿孔先端が引っ込む程度を制限し、撓み穿孔先端がリテーナ108に入るようにする。別の実施の形態において、スロット126は、リテーナ管108の楕円形の開口部として形成され、キーがより小さい内周を有する案内管の相応する楕円形のブロックから形成される。好ましくは、ピストン114は、約6mmないし約13mmの範囲の内径を有するものとする。末端Oリング116及び基端Oリング118は、シリコーン又は同等の材料を備えて且つ、外筒136及びピストン114が互いに軸方向に動くのを許容する。
【0046】
次に、図1、図2、特に図4及び図5を参照すると、上側サブ組立体104は、次のように、末端方向から基端方向に13の構成要素、即ち、撓み穿孔先端130と、案内管132と、外筒ノブ134と、外筒136と、ねじ付きアダプタ138と、ライナー140と、軸受ハウジング142と、撓み軸144と、末端軸受146と、基端軸受148と、コレット150と、軸受キャップ152と、モータ受け部154とを備える。撓み穿孔先端130は、ステンレス鋼又は同等の材料を備えており、側方向最大直径が約3mmないし5mmの範囲にあることが好ましい。
【0047】
撓み穿孔先端130は、米国、カリフォルニア州、ウィッターのアルトコ(Artco)から入手可能なもののような硬化したバリ及び軸、又はステンレス鋼にて特別に形成された同等のバリを備える。軸は、基端を研磨することにより適正な寸法に切削される。撓み穿孔先端130の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、所期の用途に従って変化するであろう。単に事例として、1つの好ましい実施の形態において、バリは軸方向長さが約2.5mmないし3mmの範囲にあり、軸は長さが約2.5mmないし4mmの範囲にある。
【0048】
案内管132は、基端部分156と、末端部分158とを有しており、また、該安内管は、該案内管132が歪みを受けないとき、末端部分158の端部の撓み穿孔先端130が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜の範囲にて外れて向き決めするのに十分な曲率半径を末端部分158が有するような形状に戻るよう加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。好ましくは、案内管132は、約2mmないし4mmの範囲の外径を有するものとする。案内管132の寸法は。撓みドリル100の所期の用途により決定される。
【0049】
単に事例として、案内管は次の寸法を有する。1つの好ましい実施の形態において、案内管132の外径は約2.8mm以下である。特に好ましい実施の形態において、案内管132の内径は約1.6mm以上である。1つの好ましい実施の形態において、案内管132の長さは少なくとも約200ないし250mmである。1つの好ましい実施の形態において、直線状の基端部分は約150mmないし200mmの範囲にある。1つの好ましい実施の形態において、末端部分158は約40mmないし60mmの範囲にある。1つの好ましい実施の形態において、歪まないときの末端部分158の曲率半径は約10mmないし40mmの範囲にある。特に好ましい実施の形態において、歪まないときの末端部分158の曲率半径は約25mmである。
【0050】
外筒ノブ134は、機械加工したナイロン又は同等の材料から成り、また、合わせピン(図示せず)と合わさる穴160を有する。外筒ノブ134をピストンレベル112に対し前進させ且つ引っ込めることにより、撓み穿孔先端130は穿孔される材料内に前進し且つ引っ込む。穿孔が完了したならば、撓みドリル100の作動を停止させ、外筒ノブ134をピストンレベル112に対し引っ込めて撓み穿孔先端130がリテーナ108内に引っ込み、撓みドリル100がほぼ直線状の通路から除去されるようにする。
【0051】
外筒136は、機械加工したナイロン又は同等の材料から成り、また、好ましくは、約12mmないし18mmの範囲の外径と、約75mmないし125mmの範囲の軸方向長さとを有することが好ましい。ねじ付きアダプタ138は、ステンレス鋼又は同等の材料を備えており、外筒136を案内管132に取り付けるために使用される。ライナー140は、ポリテトラフロオロエチレン(TEFLON、登録商標名)等の材料から成る。ライナー140は、撓み軸144と案内管132との間に配置され、従って案内管132の内径よりも小さい外径と、撓み軸144の外径よりも大きい内径とを有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例として、ライナー140の外径は、案内管132の内径よりも約0.075mmないし0.125mmだけ小さいものとする。ライナー140は、案内管132よりも約25mmないし40mmだけ短いものとする。
【0052】
軸受ハウジング142は、機械加工したナイロン又は同等の材料を備えており、末端軸受146を収納する形態とされ、また、ねじ付きアダプタ138と合わさる細かい内周ねじを有し、これにより操作者が撓み軸144の張力を調節することを許容する。
【0053】
撓み軸144は、可撓性で中実な管状構造体である。撓み軸144は、ステンレス鋼ワイヤー又は同等の材料を備えており、また、ライナー140の内径よりも小さい外径を有する。単に事例として、1つの好ましい実施の形態において、撓み軸144は、1束当たり0.066mmのワイヤーの19ストランドを有する7束のワイヤーを備える。同様に単に事例として、別の好ましい実施の形態において、撓み軸144は、直径約0.25mm以下の単一のコアワイヤーの上に沿って約0.05mmないし0.06mmの直径を有する緊密に編み組みした4つの層を備える。第1の層は、単一のワイヤー、第2の層は2つのワイヤー、第3の層は3つのワイヤー、第4の層は4つのワイヤーをそれぞれ備える。
【0054】
同様に単に事例として、1つの好ましい実施の形態において、ケーブルは、単一のコアワイヤーに対し同軸状に且つ、可逆的に巻いた、米国、ニュージャージー州、アービングトンのPAK Mfg(PAK Mfg)インクから部品番号FS 045N042Cとして入手可能な2つのワイヤー層を備える。ワイヤーの端部は、巻き戻しを防止し得るようはんだ付けし又は溶接されている。撓み軸144は、ライナー140の内径よりも約1mmないし約2.3mmだけ小さい外径を有する。撓み軸144は、約250mmないし300mmの範囲の軸方向長さを有する。
【0055】
末端軸受146及び基端軸受148は、ステンレス鋼又は同等の材料を備える。コレット150は、機械加工したステンレス鋼又は同等の材料を備える。軸受キャップ152は、機械加工したナイロン又は同等の材料を備えており、また、基端軸受148を収納し得る形態とされている。モータ収容部154は、機械加工したナイロン又は同等の材料を備えており、また、約25mmないし30mmの範囲の外径を有する。モータ収容部154は、モータを撓みドリル100と容易に合わせることを許容する。好ましくは、モータ収容部154は、図示するように、4つの窓部162を有して、撓みドリル100を駆動するモータのチャック(図示せず)がコレット150と係合するのを保証するようにする。
【0056】
次に、図6を参照すると、別の実施の形態において、撓みドリル100の上側サブ組立体104は、撓み穿孔先端130の丁度基端側にてはんだ付け等により案内管132に取り付けられた案内先端164を更に備える。案内先端164は、基端の管状部分166と、末端の拡がり部分168とを備える。案内先端164は、存在するとき、穿孔する間、撓み穿孔先端130が前方に平行移動するのを助ける。案内先端164は、単に事例として、硬化したステンレス鋼のような硬い生体適合性材料を備える。
【0057】
案内先端164の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、所期の用途に応じて変化することになろう。単に事例として、好ましい実施の形態において、基端の管状部分166は、軸方向長さが3.5mmないし4mmの範囲にあり、末端の拡がった部分168は、軸方向長さが約2.4mmないし2.6mmの範囲にある。末端の拡がった部分168は、約2.5mmないし2.7mmの範囲の最大矢状方向長さを有する。
【0058】
別の実施の形態において、撓みドリル100は、オーバザワイヤー技術にて使用し得る形態とされている。この実施の形態において、撓み軸144は、可撓性で中空の管状構造体(図示せず)を備える、即ち、非オーバザワイヤー実施の形態にて使用される可撓性の中実な管状構造体に代えて、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を有する。可撓性で中空の管状構造体は、全体として、軸方向通路を除いて、上記に開示した可撓性の中実な管状構造体と同一の要素を備える。
【0059】
1つの実施の形態において、可撓性で中空の管状構造体は、約0.5mmないし1.0mmの範囲の直径を有する軸方向通路を備え、また、可撓性で中実な管状構造体である撓み軸144の外径よりも僅かに大きい外径、単に事例として、約2.0mmの外径を有する。1つの実施の形態において、可撓性で中空の管状構造体は、反時計回り方向に巻かれた外層を有する反対方向にコイル巻きした直径0.3mmないし0.5mmのワイヤー(PKA Mfgインクから入手可能)2つの層を備える。撓み軸144がオーバザワイヤーの用途に対する形態とされたとき、リテーナ管108、案内管132及びライナー140の外径は、撓み軸144の外径の増加に比例して増加し、撓みドリル先端130(及び存在すれば、案内先端164)は、ガイドワイヤーが通るのを許容する相応する軸方向通路を有する。
【0060】
撓みドリル100は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な仕方にて組み立てることができる。1つの好ましい実施の形態において、撓みドリル100は次のようにして組み立てられる。第1に、リテーナ管108をピストンアンカー110にはんだ付けする。次に、ピストンレベル112をピストンアンカー110の上に沿って進め、ピストンレベル112が停止する迄、回転させる。基準として方向指示器120を使用して、リテーナ管108を所要長さに切断し、リテーナ管108の末端を切断して切断面に対して約20゜ないし45゜の範囲の切欠き角度を有し且つ、方向指示器120と同一の方向に向き決めされた斜角面を形成する。次に、ピストン114が停止する迄、該ピストン114をピストンアンカー110の上方に沿って進める。
【0061】
次に、末端Oリング116及び基端Oリング118をピストン114の末端溝120及び基端溝124上にそれぞれ配置する。次に、案内管132をねじ付きアダプタ138にはんだ付けし、外筒136をねじ付きアダプタ138の基端の上方に沿って緩く進める。次に、外筒ノブ134を外筒136に圧力嵌めし且つ、外筒ノブ134の穴160内に挿入された合わせピン(図示せず)により固定する。次に、軸受ハウジング142が停止する迄、該軸受ハウジング142をねじ付きアダプタ138の端の上方に沿って進める。次に、案内管132の末端部分158を一時的に直線状にし、案内管132の基端部分156の基端をピストン114及びリテーナ管108内に挿入する。
【0062】
次に、外筒136の末端をピストン114の基端の上方に沿って摺動させる。次に、止めねじに対する外筒ノブ134の穴160をピストン114のスロット126と整合させ、止めねじ(図示せず)を穴及びスロット126内にねじ込む。次に、案内管132の末端部分158をねじ付きアダプタ138を回転させることにより、リテーナ管108の切断面と整合させ、ねじ付きアダプタ138を外筒136に固定する。次に、撓みドリル先端130を撓み軸144にはんだ付けする。次に、ライナー140を撓み軸144の上方に沿って摺動させる。次に、外筒ノブ134及びピストンレベル112を互いに伸延させ、これによりリテーナ管108内にて案内管132の末端部分158を直線状にし、撓み軸144を有するライナー140を案内管132の末端内に摺動させる。次に、末端軸受146を撓み軸144を通じて軸受ハウジング142内に配置する。次に、コレット150を撓み軸144の上方に沿って摺動させ且つ、圧着又ははんだ付け等によって撓み軸144に取り付ける。
【0063】
次に、基端軸受148をコレット150の上方に沿って摺動させ、軸受キャップ152を軸受上に配置し且つ、軸受ハウジング142に固定する。次に、モータ受け入れ部154が停止する迄、該モータ受け入れ部154を外筒136に圧力嵌めする。最後に、スピンルアロック106をピストンアンカー110にスナップ嵌めする。1つの実施の形態において、図示した薄肉厚の皮下管を撓み軸144の基端部分の上方に沿って摺動させ且つ圧着し、モータからのトルクの伝達量を増大させる。
【0064】
1つの実施の形態において、本発明は、可撓性の穿孔先端を備え、また、ほぼ直線状の通路を通って穿孔すべき材料にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れ、又はほぼ直線状の通路の長軸線から約10゜ないし150゜外れた位置である所定の位置に向き決めする能力を有する撓みドリルを使用する方法である。1つの好ましい実施の形態において、所定の位置は、ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも約90゜外れた位置である。別の好ましい実施の形態において、所定の位置は、ほぼ直線状の通路の長軸線から約90゜ないし120゜外れた位置である。
【0065】
1つの実施の形態において、該方法は、第1の材料を通じてほぼ直線状の通路を穿孔するステップを備える。次に、撓み穿孔先端を備え、ほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れた位置である所定の位置に向き決めする能力を有するようにした、撓みドリルが提供される。次に、撓みドリルをほぼ直線状の通路内に挿入し且つ、ほぼ直線状の通路を通じて前進させ、撓み穿孔先端がほぼ直線状の通路から出て第2の材料内に入る迄、該撓み穿孔先端を前進させ、これにより撓み穿孔先端が第2の材料内で所定の位置に向き決めされることを許容する。次に、撓みドリルを作動させ、これにより第2の材料内に穿孔する。次に、撓みドリルの作動を停止させ、これにより第2の材料内への撓み穿孔を停止させる。次に、撓みドリルをほぼ直線状の通路を通じて除去する。
【0066】
1つの好ましい実施の形態において、提供される撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。別の好ましい実施の形態において、空間は、第1の椎骨と第2の椎骨との間の椎間板空間である。別の好ましい実施の形態において、第1の材料は、第1の椎骨又は第2の椎骨の何れかの肉茎骨である。別の好ましい実施の形態において、第1の材料は、第1の椎骨又は第2の椎骨の何れかの肉茎骨であり、第2の材料は、第1の椎骨と第2の椎骨との間の椎間板である。
【0067】
別の実施の形態において、本発明は、第1の椎骨と第2の椎骨との間の椎間板を除去する方法である。該方法は、第1の椎骨又は第2の椎骨の何れかの肉茎を通るほぼ直線状の通路を穿孔するステップを備える。次に、撓み穿孔先端を備え、肉茎を通るほぼ直線状の通路を通じて椎間板空間にアクセスした後、撓み穿孔先端をほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れた位置である、椎間板空間内の所定の位置に向き決めする能力を有する撓みドリルが提供される。次に、撓みドリルを肉茎のほぼ直線状の通路内に挿入し且つ、ほぼ直線状の通路を通じて前進させる。次に、撓み穿孔先端がほぼ直線状の通路から出て椎間板に入る迄、該撓み穿孔先端を前進させ、これにより撓み穿孔先端が椎間板内の所定の位置に向き決めされるのを許容する。次に、撓みドリルを作動させ、これにより椎間板空間内に穿孔する。次に、撓みドリルの作動を停止させ、これにより椎間板内への撓み穿孔を停止させる。次に、撓みドリルをほぼ直線状の通路を通じて除去する。
【0068】
1つの好ましい実施の形態において、提供される撓みドリルは、本発明に従った撓みドリルである。別の好ましい実施の形態において、該方法は、例えば、単に事例としてのみ、約5mm以下の内径を有し且つ、撓みドリルを挿入する前、ほぼ直線状の通路内に末端にてテーパーが付けられたステンレス鋼シースのようなシースを挿入するステップと、次に、撓みドリルをシースを通じて挿入するステップとを更に備える。1つの好ましい実施の形態において、シースは、撓みドリルを挿入した後、ドリルと合わさる基端におけるルアロックである。1つの好ましい実施の形態において、撓みドリルは、方向指示器を有しており、撓みドリル先端は方向指示器を使用して椎間板空間内にて向き決めされる。
【0069】
1つの実施の形態において、該方法は、オーバザワイヤー技術を使用するステップを備える。この実施の形態において、ガイドワイヤーは、撓み軸及び穿孔先端に配置され、また、撓みドリルをほぼ直線状の通路から除去したとき、ガイドワイヤーは所要位置に残り、次の装置をほぼ直線状の通路内に及び穿孔された空間内に進めることを許容する。
【0070】
別の実施の形態において、本発明は、撓み軸の末端に接続された回動ブレードを備える切断装置であって、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内に挿入することができ、また、末端部分の長軸線が湾曲しており、又は末端部分の長軸線が基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化する、上記切断装置である。該切断装置は、骨、軟骨及び椎間板を含む、多岐に亙る材料を切断することができるが、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、生体及び非生体双方のその他の材料に穿孔するため使用することもできる。次に、図7、図8、図9、図10を参照すると、切断位置にある末端を有する切断装置の側方斜視図、挿入位置にある末端を有する切断装置の側方斜視図、挿入位置にある末端を有する切断装置の末端の接写、部分切欠き側方斜視図、切断位置にある末端を有する切断装置の末端の接写部分切欠き側方斜視図が示される。
【0071】
図7及び図8にて理解し得るように、切断装置200は、基端202と、末端204とを備える。該基端202は、例えば、単に事例としてのみ圧力嵌め等により軸受ハウジング208に末端方向に接続されたモータアダプタ206を備える。該モータアダプタ206は、本明細書に開示したように機能するよう軸方向回転力を切断装置200の末端204に伝達することのできる、図7及び図8に部分的に示したモータ駆動装置210に切断装置200を接続するために使用される。モータアダプタ206及び軸受ハウジング208の双方は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ且つ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの好ましい実施の形態において、モータアダプタ206及び軸受ハウジング208の双方はポリマーを備える。特に好ましい実施の形態において、モータアダプタ206及び軸受ハウジング208の双方は、デルリン(DELRIN)(登録商標名)(米国、デラウェア州、ウィルミングトンのE.I.デュポンデネーマスアンドカンパニーコーポレーション、E.I.du Pont De Nemours and Company Corporation)を備える。本発明の切断装置200と共に使用されるモータ駆動装置210は、任意の適宜なモータ駆動装置210とすることができる。1つの好ましい実施の形態において、モータ駆動装置210は可変速度モータ駆動装置である。1つの実施の形態において、単に事例としてのみ、モータ駆動装置210は、NSKエレクタEMAX(NSK Electer EMAX)モータ駆動装置である(日本、栃木県のNSKナカニシ(NSK Nakanishi)インク)である。
【0072】
次に、図8を参照すると、切断装置200は、モータ駆動装置210のハウジングと合わさる形態とされた基端と、はんだ付け等により駆動軸214の基端に取り付けられ且つ固定された末端とを有する、アダプタ管212を更に備える。アダプタ管212は、モータ駆動装置210からのトルクを切断装置200の末端204に伝達する。アダプタ管212は、本明細書に開示された目的のため任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、アダプタ管212は、ステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、アダプタ管212は、約1.9mmないし2mmの内径と、約2.4mmの外径とを有する。別の実施の形態において、アダプタ管212は軸方向長さが約25mmである。1つの実施の形態において、単に事例としてのみ、アダプタ管212は、適宜な寸法に研磨された、米国、マサチューセッツ州、メッドウェイのマイクログループ(Micro Group)インクからの部品番号13twのものである。
【0073】
次に、図7及び図8を参照すると、切断装置200は、銀はんだ付け等によりアダプタ管212の末端に取り付けられ且つ固定され、また、切断装置200の末端204に向けて末端方向に伸びる基端を有する駆動管216を更に備える。該駆動管216は、切断装置200に剛性を提供し、切断装置200が前進し且つ引っ込むのを許容し、また、モータ駆動装置210からのトルクを切断装置200の末端204まで伝達する。1つの実施の形態において、駆動管216はステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、駆動管216は約200mmの軸方向長さを有する。別の実施の形態において、駆動管216は約1.3mmの内径と、約1.8mmの外径とを有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、駆動管216は、マイクログループインクからの部品番号15Hのものである。
【0074】
次に、図8を参照すると、切断装置200は、軸受ハウジング208内に圧入された2つの軸受218を更に備え、また、軸受ハウジング208内にあり且つ軸受218の間に支持された駆動軸214を備える。軸受218及び駆動軸214は、モータ駆動装置210からのトルク切断装置200の末端204まで伝達し、切断装置200の末端204が平滑に軸方向に回転するのを助ける。軸受218は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な軸受を備えることができる。1つの実施の形態において、軸受218は、米国、カリフォルニア州、サンタフェスプリングのマックマスター−カールサプライカンパニー(McMaster-Carr Supply Co.)からの部品番号57155k53のような極小型高速度ステンレス鋼ラジアル軸受である。駆動軸214は、軸受218と駆動軸216との間の境界部であり、切断装置200の末端204を滑らかに回転させる。
【0075】
1つの好ましい実施の形態において、駆動軸214は、その末端204に深さ約16mmの6−32雌型ねじ部を有しており、また、保持リング溝と、基端に長軸線を通じて穿孔された1.9mm直径の穴とを有する。駆動軸214は、基端にて直径約2.3mmないし2.4mmの範囲に及び深さ約5mmの端ぐり穴が形成されている。駆動軸214は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な材料とすることができる。1つの実施の形態において、駆動軸214は機械加工したステンレス鋼である。
【0076】
次に、図7及び図8を参照すると、切断装置200は、カラー220が駆動軸214の末端と面一となる迄、駆動軸214の末端に圧力嵌めされたカラー220を更に備える。操作者はカラー220を把持し、カラー220、従って駆動軸214の回転を防止することにより、切断装置200の末端が前進し且つ作動する間、駆動軸214の回転を防止することができる。カラー220は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ且つ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、カラー220は、単に事例としてのみ、デルリン(登録商標名)のようなポリマーを備える。
【0077】
次に、図7、図8、特に図10を参照すると、切断装置200は、駆動管216を貫通して伸びる基端を有しており、また、はんだ付け等によりアダプタ管212の末端に面一に取り付けられ且つ、固定された撓み軸222を更に備える。更に、駆動管216の末端は、圧着又は銀はんだ付け等により撓み軸222に固定されている。1つの実施の形態において、撓み軸222は、中実なコアを有する多数糸状巻き線から成る部分を備える。別の実施の形態において、撓み軸222は約300mmの軸方向長さを有する。別の実施の形態において、撓み軸222は約1.25mmの直径を有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、撓み軸222は、米国、ニュージャージー州、アービングトンのPAK Mfgインクからの部品番号FS045N042Cのものである。
【0078】
駆動軸214、アダプタ管212、駆動管216及び撓み軸222の組立体は軸受ハウジング208内に挿入され、保持リング224を使用して所要位置に保持され、モータ駆動装置210からのトルクを切断装置200の末端まで伝達する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、保持リング224は、マックマスター−カールインダストリアルサプライからの部品番号98410A110のものである。
【0079】
次に、図7、図8、図9及び図10を参照すると、切断装置200は、撓み軸222の全長に亙って撓み軸222を取り囲む編組管226を備える。編組管226は、縦方向剛さを増大させる。1つの実施の形態において、編組管226はステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、編組管226は約220mmの軸方向長さを有する。1つの好ましい実施の形態において、単に事例としてのみ、編組管226は、米国、マサチューセッツ州、サウスイーストンのヴィアメドコーポレーション(Vismed Corp.)が製造するものとすることができる。
【0080】
編組管226の基端は、中空継手を形成する6−32袋ねじ228の頭部にはんだ付けされている。1つの実施の形態において、袋ねじ228は、駆動軸216に対する貫通内腔を提供し得るよう軸線を通って直径1.85mmの穴を穿孔することにより改変された、マックマスター−カールインダストリアルサプライからの部品番号92196A151のような、6−32×1.9mm長さの差し込み頭部袋ねじである。袋ねじ228は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、袋ねじ228はステンレス鋼を備える。
【0081】
切断装置200は、袋ねじ228の頭部に面一に圧力嵌めされた蝶ねじノブ230を更に備える。蝶ねじノブ230は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの好ましい実施の形態において、蝶ねじノブ230は、単に事例としてのみ、デルリン(登録商標名)のようなポリマーを備える。
【0082】
切断装置200は、袋ねじ228に完全にねじ込まれた回り止めナット232を更に備える。回り止めナット232及び編組管226は、撓み軸222の末端及び駆動管216上に配置され、袋ねじ228は駆動軸214内に完全にねじ込まれている。袋ねじ228、蝶ねじノブ230及び回り止めナット232の組立体は、操作者が編組管226を末端方向に前進させ又は基端方向に引っ込め且つ、編組管226を所望の位置に係止することを許容する。
【0083】
次に、図10を参照すると、切断装置200は、編組管226の内面と撓み軸222の外面との間にて撓み軸222の末端の全てを覆う収縮管234を更に備える。1つの実施の形態において、収縮管234は、ポリテトラフロオロエチレン(米国、サウスカロライナ州、オレンジバーグのゼウスインダストリアルプロダクツ(Zeus Industrial Products)から入手可能)を備える。別の実施の形態において、収縮管234は約1.3mmの内径と、約1.5mmの外径とを有する。別の実施の形態において、収縮管234は長さ約160mmである。
【0084】
次に、図9及び図10を参照すると、切断装置200の末端は、例えば、銀はんだ付け等により撓み軸222の末端に取り付けられたヒンジ236を更に備える。該ヒンジ236は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、該ヒンジ236はステンレス鋼を備える。切断装置200は、ブレード238が図示するように、合わせピン240等により図9の第1の位置である挿入位置から図10の第2の位置である切断位置まで切断装置200の長軸線に対して少なくとも約90゜回動するのを許容する仕方にてヒンジ236の末端に取り付けられたブレード238を更に備える。該ブレード238は、周方向切刃部と、図9、図10に示した2つの切欠きのような、1つ又はより多数の切欠き242とを有する。
【0085】
1つの好ましい実施の形態において、図示するように、ブレード238は脊椎の脊髄を浸軟し且つ、椎骨体端板を研磨するのに適した丸味を付けた末端の先端を有する。しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、切断装置200の所期の用途に依存して、それぞれのブレードの形状も使用可能である。ブレード238は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、適宜な特徴を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、ブレード238はステンレス鋼を備える。
【0086】
1つの好ましい実施の形態において、切断装置200は、銀はんだ付け等により、編組管226の末端に取り付けられた係止スリーブ244を更に備える。係止スリーブ244は、袋ねじ228、蝶ねじノブ230及び回り止めナット232の組立体を使用して編組管226を操作することにより、末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができる。図9、図10に示すように、係止スリーブ244が基端方向に引っ込んだとき、係止スリーブ244の末端は、ブレード238の1つ又はより多数の切欠き242から非係合状態となり且つ、ブレード238が自由に回動するのを許容する。
【0087】
係止スリーブ244が末端方向に前進したとき、係止スリーブ244の末端は、ブレード238の相応する1つ又はより多数の切欠き242と合わさり且つ、ブレード238を切断装置200の長軸線に対して約90゜にて係止する機能を果たす形態とされている。係止スリーブ244は、適正な形状に機械加工し又は成形することができ、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、係止スリーブ244はステンレス鋼を備える。別の実施の形態において、係止スリーブ244は、約2.5mmの内径と、約2.6mmの外径とを有する。別の実施の形態において、係止スリーブ244は約3.8mmの長さを有する。
【0088】
次に、図7、図8、図9及び図10を参照すると、1つの好ましい実施の形態において、切断装置200の末端204は、編組管226を末端方向に可動に取り囲み且つ、基端方向にルアハブ248に接続されたシース246を更に備える。シース246の末端は、図面に示した斜角面250を有する。1つの実施の形態において、該斜角面は、切断装置200の長軸線に対し約30゜の角度を形成する。1つの好ましい実施の形態において、切断装置200の末端は、シース246を貫通して穿孔することが必要とされる空間内に前進させ且つ、該空間から引っ込める。引っ込む間、シース246の斜角面付き末端は、ブレード238と接触し、ブレード238が係止スリーブ244から非係合状態となり且つ、挿入位置に回動するようにする。
【0089】
シース246及びルアハブ248は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、適宜な性質を有する任意の適宜な材料を備えることができる。1つの実施の形態において、シース246は、PEBAX(登録商標名)(フランス、ピエトロールのアトケムコーポレーション(Atochem Corporation))のようなポリマーを備える。別の実施の形態において、ルアハブ248は、ポリカーボネートを備える。1つの実施の形態において、シース246は、約2.8mmの内径と、約3.6mmの外径とを有する。別の実施の形態において、シース246は長さ約150mmである。
【0090】
本発明の切断装置200を使用して、骨、接続性組織又は軟骨のような生体組織を含む、任意の適宜な材料にキャビティを形成することができる。更に、該切断装置200を使用して、腫瘍を縮小させることができる。更に、切断装置200を使用して、モータが作動している間、通路内にて切断装置200を動かすことにより、通路の断面積を増大させることができる。
【0091】
切断装置200は、次のようにして使用する。切断装置200の末端を受け入れるのに十分に大きい外周を有する生体骨又はその他の適宜な材料に通路を形成する。次に、シース246を通路内に挿入する。次に、切断装置200をシース246内に挿入し且つ、ブレード238を含む切断装置200の末端がシース246から末端方向に出る迄、前進させる。ブレードが任意の表面と接触するとき、ブレード238の末端の予め設定した半径により、該ブレード238は回動する。次に、取り付けた係止スリーブ244を有する編組管226を末端方向に前進させ、係止スリーブ244がブレード238の1つ又はより多数の切欠き242と係合するようにする。
【0092】
モータ駆動装置210を作動させ、駆動ケーブルを軸方向に回転させ、これにより切断ブレード238を回転させる。切断装置200を静止位置に維持することにより、切断することができ、又は切断装置200を基端方向及び末端方向に動かして切断される材料の容積を増大させつつ、切断することができる。切断が完了したならば、モータを不作動にし駆動ケーブルが軸方向に回転するのを停止し、これによりブレード238の回転動作を停止させる。シース246を末端方向に前進させ、係止スリーブ244がブレード238から非係合状態となり且つ、ブレード238がその挿入位置に戻るようにする。1つの実施の形態において、次に切断装置200をシース246を通じて引き抜く。別の実施の形態において、次に、シース246を第2の位置まで前進させ、ステップを繰り返し、これにより第2の位置にて切断する。1つの好ましい実施の形態において、食塩水のような適宜な溶液にて洗浄することにより吸引力を使用し、又は当該技術分野の当業者に既知の技術を使用して吸引力及び洗浄の組み合わせによって切断屑を除去する。
【0093】
別の実施の形態において、本発明は、ブレードが変形している間、通路を通じて空間にアクセスした後、ブレードが変形していないとき、空間内の材料を切断することができる複数の変形可能なブレードを備える摘出装置であり、該通路は複数の変形していないブレードの断面積よりも小さい断面積を有する。次に、図11、図12、図13及び図14を参照すると、挿入位置にあるブレードを有する摘出装置の側方斜視図、切断位置にあるブレードを有する摘出装置の側方斜視図、摘出装置の末端の拡大した側方斜視図、摘出装置の分解側方斜視図がそれぞれ示される。
【0094】
図面にて理解し得るように、摘出装置300は、基端302と、末端304とを備える。1つの実施の形態において、摘出装置300は、次の部品、即ちモータアダプタ306と、チャックアダプタ308と、軸受キャップ310と、基端軸受312と、コレットアダプタ314と、末端軸受316と、軸受ハウジング318と、ねじ付きアダプタ320と、外筒322と、外筒ノブ324と、スペーサ管326と、皮下管328と、軸330と、収縮管332と、複数のブレード336を有する切断キャップ334とを更に備える。しかし、チャックアダプタ308のような一部の部品は選択可能であり、本明細書を参照して当該技術分野の当業者により理解されるように、その他の部品は同等の部品にて置換可能である。摘出装置300の部品は、適宜な形状に機械加工し又は成形することができ、また、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解し得るように、適宜な特性を有する任意の適宜な材料を備えることができる。
【0095】
1つの好ましい実施の形態において、モータアダプタ306、軸受キャップ310、軸受ハウジング318、外筒322、外筒ノブ324及びスペーサ管326は、ポリマー又は同等の材料を備える。特に好ましい実施の形態において、これらは、デルリン(登録商標名)を備える。別の好ましい実施の形態において、チャックアダプタ308、基端軸受312、コレットアダプタ314、末端軸受316、ねじ付きアダプタ320、皮下管328及び中空軸は、ステンレス鋼又は同等の材料を備える。別の好ましい実施の形態において、収縮管332は、ポリテトラフロオロエチレン(テフロン(登録商標)(TEFLON)のような)又は同等の材料を備える。別の好ましい実施の形態において、その複数のブレード336を有する切断キャップ334は、変形しないとき切断するのに適した直交状に拡大した切断形態に戻るよう加工されたニチノールのような所要形状の金属合金を備える。これら部品については詳細に開示する。
【0096】
図11、図12、図13及び図14を再度参照すると、摘出装置300は、外筒322に末端方向に接続された基端302にモータアダプタ306を備える。該モータアダプタ306は、摘出装置300をモータ駆動装置(図示せず)に接続するため使用され、本明細書に開示したように機能するよう軸方向回転力を摘出装置300の末端304まで伝達することができる。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するため使用されるとき、モータアダプタ306の寸法は、軸方向長さ11cm×最大外径3.8cm×最大内径3.3cmである。
【0097】
しかし、寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、使用の目的に適した任意の寸法とすることができる。本発明の摘出装置300と共に使用されるモータ駆動装置は、任意の適宜なモータ駆動装置とすることができる。1つの好ましい実施の形態において、モータ駆動装置は可変速度モータ駆動装置である。1つの実施の形態において、単に事例としてのみ、モータ駆動装置は、NSKエレクタEMAXモータ駆動装置(NSKナカニシインク)である。別の実施の形態において、モータ駆動装置は、選択可能なチャックアダプタ308と相互に接続することによりモータアダプタ306に接続されたハンドドリル(例えば、米国、カリフォルニア州、アービンのベルテリンクコーポレーション(Vertelink Corporation)のP/N C00108)である。
【0098】
摘出装置300は、軸受キャップ310と、基端軸受312と、コレットアダプタ314と、末端軸受316と、軸受ハウジング318とを有する軸受組立体を更に備える。軸受ハウジング318は、基端軸受312と、コレットアダプタ314と、末端軸受316とを保持しており、これらは軸受ハウジング318内に圧力嵌めされることが好ましい。1つの好ましい実施の形態において、基端軸受312及び末端軸受316は、例えば、米国、カリフォルニア州、サンタフェスプリングのマックマスター−カールサプライカンパニーのP/N 57155k53のような高速度ステンレス鋼ラジアル軸受である。コレットアダプタ314は、軸330をモータ駆動装置(図示せず)のモータコレットに順応させるために使用される。コレットアダプタ314は、単に事例としてのみ、銀はんだ付け等により軸330に接続される。1つの実施の形態において、コレットアダプタ314は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有する。1つの好ましい実施の形態において、軸方向管腔は約2mmの直径を有する。
【0099】
摘出装置300は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有することが好ましい外筒322と、例えば、外筒322に圧力嵌めする等により外筒322の上方に位置する外筒ノブ324とを更に備える。外筒ノブ324は、操作者が摘出装置300を前進させ且つ、引っ込める間、摘出装置300を把持することを許容する。
【0100】
摘出装置は、皮下管328を更に備える。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するために使用されるとき、皮下管328は、約3.8mmの外径、約3mmの内径及び約175mmの軸方向長さを有する。
【0101】
摘出装置は、軸330を更に備える。1つの実施の形態において、軸330は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有する。1つの好ましい実施の形態において、軸330は、摘出装置300を湾曲した通路を通じて前進させるのを許容し得るよう可撓性である。1つの実施の形態において、軸330は、PAK Mfgインクの部品番号FS085T11Cのものである。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するため使用されるとき、軸330は、約2mmの外径、約3mmの内径、約350mmの軸方向長さを有する。ガイドワイヤーと共に使用されるとき、軸330は、約1mmの内径を有する。
【0102】
摘出装置(enucleation device)300は、軸受組立体及び皮下管328を外筒322に接続するねじ付きアダプタ320を更に備える。1つの実施の形態において、ねじ付きアダプタ320は、軸受ハウジング318と相互に接続し得るよう基端方向に単一のねじを有する。1つの実施の形態において、ねじ付きアダプタ320は、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向管腔を有する。1つの好ましい実施の形態において、軸方向管腔は約3mmないし4mmの範囲の直径を有する。1つの好ましい実施の形態において、ねじ付きアダプタ320は、約13mmの軸方向長さ及び約5mmの最大外径を有する。
【0103】
摘出装置300は、軸方向管腔を有するスペーサ管326を更に備える。スペーサ管326は外筒322の軸方向管腔の直径を減少させる。1つの実施の形態において、スペーサ管326の軸方向管腔は約4mmの直径を有する。摘出装置300は、軸330の末端を覆う収縮管332を更に備える。該収縮管332は、皮下管328と軸330との間に軸受面を提供する。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するために使用されるとき、収縮管332は、約3.3mmの外径、約2.5mmの内径及び約350mmの軸方向長さを有する。単に事例としてのみ、適宜な収縮管は、米国、サウスカロライナ州、オレンジバーグのゼウスインダストリアルプロダクツから購入可能である。
【0104】
摘出装置300は、該摘出装置300の末端304に切断キャップ334を更に備える。該切断キャップ334は、ブレード336が変形されていないとき、直交状に拡張する複数の変形可能なブレード336を備える。ブレード336の各々は、1つ又はより多数の切刃部を有する。1つの実施の形態において、複数のブレードは、2つ又はより多数のブレードを備える。別の実施の形態において、複数のブレードは、3つのブレードを備える。1つの好ましい実施の形態において、複数のブレードは、4つのブレードを備える。ブレード336、好ましくは、切断キャップ334の全体は、変形しないとき、切断するのに適した直交状に拡大した切断形態までブレード336を戻し得るよう加工されたニチノールのような所要形状の金属合金を備える。1つの実施の形態において、本発明の方法にて椎間板材料を切断するため使用されるとき、切断キャップ334は、変形したとき、約3mmの外径、約2.2mmの内径及び約11mmの軸方向長さを有する。変形せず且つ作動されたとき、高速回転するブレードは、約1.8cmの断面積、即ち直径約1.5cmの面積をカバーする。
【0105】
摘出装置300は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、任意の適宜な方法にて形成することができる。1つの実施の形態において、摘出装置300は、一部分、次のステップにより形成される。スペーサ管326は、皮下管328の末端の上方に沿って導入し且つ、スペーサ管326が外筒322の末端と面一となる迄、外筒内に押し込む。ねじ付きアダプタ320は、単に事例としてのみ、銀はんだ付け等によって皮下管328の基端に接続され、ねじ付きアダプタ320及び皮下管328は、これらが停止点に達する迄、外筒322の基端内に挿入し、これらは、止めねじ(図示せず)により外筒322に固定する。
【0106】
軸受ハウジング318はねじ付きアダプタ320にねじ止めされ、末端軸受316を軸受ハウジング318内に押し込む。軸330を末端軸受316及び軸受ハウジング318を通じて軸受ハウジング318内に挿入し、コレットアダプタ314を軸330の上に配置し且つ、軸330の基端から約50mmにて軸にはんだ付けする。基端軸受312をコレットアダプタ314の基端上に配置する。軸受キャップ310を、該軸受キャップ310が停止する迄、軸受ハウジング318の基端にねじ止めする。外筒組立体は、モータアダプタ306内に挿入し且つ、モータアダプタ306の側部のスロットを通じてキー止めする。収縮管332を軸330の末端上に配置する。切断キャップ334を軸330の末端に圧着し又は接合する。
【0107】
本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、本発明の摘出装置を使用して任意の適宜な材料を切断することができる。1つの好ましい実施の形態において、椎間板空間に対し上方の椎骨肉茎内の通路を通じて椎間板空間にアクセスした後、摘出装置を使用して2つの椎骨体の間の椎間板空間から椎間板を切削し、この場合、通路は、ブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する。1つの好ましい実施の形態において、摘出装置を使用して、椎間板空間に接する椎骨体の端板を切削することもできる。
【0108】
単に事例としてのみ、ブレードが変形している間、通路を通じて空間にアクセスした後、ブレードが変形していないとき、摘出装置を使用して空間内の材料を切断することができ、この場合、通路は、ブレードが以下のようにして材料を切断する間、複数の変形していないブレードの断面積よりも小さい断面積を有する。第1に、ブレードをそれ以前に形成した通路に嵌まるよう変形させる。変形は、好ましくは、ブレードの各々の長軸線が摘出装置の長軸線と同軸状となる迄、ブレードの各々の末端の先端を摘出装置の長軸線に向けて動かすステップを備えるものとする。
【0109】
次に、摘出装置の切断キャップを通路を通じて前進させ、摘出装置の末端が空間内に進むのを許容し、これによりブレードが直交状態に拡大するのを許容する、即ち、ブレードの各々の末端の先端が摘出装置の長軸線に対し垂直に摘出装置の長軸線からその変形していない形状まで動くのを許容する。1つの好ましい実施の形態において、通路は、顕著に湾曲しており、摘出装置は、該摘出装置が前進するとき、該摘出装置が通路の曲率に従うのを許容する軸を有する。次に、摘出装置を作動させ、ブレードを回転させ、これにより材料を切断する。1つの好ましい実施の形態において、ブレードは、約100ないし15000RPMの範囲にて回転させる。更に、摘出装置は、空間内にて前進させ且つ、引っ込めて追加的な材料を切断することができる。完了したならば、ブレードが通路から引き出される迄、摘出装置を引き出してブレードを変形させる。
【0110】
1つの好ましい実施の形態において、摘出装置を通路を通じてガイドワイヤーの上方に沿って前進させる。別の好ましい実施の形態において、摘出装置を通路をライニングするシースを通じて進める。別の好ましい実施の形態において、切断された材料は椎間板である。特に好ましい実施の形態において、摘出装置の軸は、該摘出装置が湾曲した通路を通って前進するのを許容するよう可撓性である。別の特に好ましい実施の形態において、材料は椎骨体の端板材料である。別の特に好ましい実施の形態において、通路は椎骨内の経肉茎的アクセス通路である。
【0111】
別の実施の形態において、本発明は、椎間板空間内に形成されたチャンバ内にて融合剤を保持する融合剤保持装置である。次に、図15、図16を参照すると、図面の各々には、図15の第1の変形した形態から図16の第2の変形していない形態まで拡張する本発明の1つの実施の形態に従った融合剤保持装置400の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)が示される。理解し得るように、融合剤保持装置400は、変形しないとき、実質的に円形又は楕円形の形状に拡張し得る形態とされた形状記憶能力を有する薄い生体適合性の変形可能な材料を備えるバンドを備える。1つの好ましい実施の形態において、該バンドは、本発明の方法を実施する間、形成された椎間板空間内の空の空間の境界に近似する変形していないときの形態に戻るように加工された、ニチノールのような所要形状の金属合金を備える。特に好ましい実施の形態において、バンドは、ヒドロゲルのような生体適合性シーラントにて被覆されている。融合剤保持装置400の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、所期の用途に従って変化することになろう。単に事例としてのみ、1つの好ましい実施の形態において、バンドは、展開されたとき、約1cmの高さ及び2cmの直径まで拡張する。
【0112】
別の実施の形態において、本発明は、椎間板空間内に形成されたチャンバ内にて融合剤を保持する融合剤保持装置である。次に、図17及び図18を参照すると、図面の各々には、図17の第1の変形した形態から図18の第2の変形していない形態まで拡張する本発明の1つの実施の形態に従った融合剤保持装置500の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)が示される。理解し得るように、融合剤保持装置500は、変形していないとき、実質的に円形又は楕円形の形状に拡張し得る形態とされた形状記憶能力を有する薄い生体適合性の変形可能な材料を有するワイヤーを備える。融合剤保持装置500は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解されるように、多岐に亙る形態の形状とされたワイヤーから形成することができる。図19には、図17、図18に示した融合剤保持装置を形成するワイヤー502の隔離した部分が示される。1つの好ましい実施の形態において、ワイヤーは、図38、図53及び図54に示すようなメッシュを備えており、それは、メッシュは周方向に及び軸方向の双方に変形可能であるからである。1つの実施の形態において、ワイヤーは、本発明の方法を実施する間、椎間板空間内の空の空間の境界に近似する変形していないときの形態に戻るよう加工された、ニチノールのような所要形状の金属合金を備える。特に好ましい実施の形態において、ワイヤーメッシュは、ヒドロゲルのような生体適合性シーラントにて被覆されている。融合剤保持装置500の寸法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者が理解し得るように、所期の用途に従って変化することになろう。単に事例としてのみ、1つの好ましい実施の形態において、バンドは、展開したとき、約1cmの高さ及び2cmの直径まで拡張する。
【0113】
別の実施の形態において、本発明は、本発明の融合剤保持装置を使用して隣接した2つの椎骨を融合させる方法である。該方法は、最初に、隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップを備える。次に、本発明に従った融合剤保持装置が提供され且つ、チャンバ内に配置して、その変形しないときの形態まで拡張するのを許容する。次に、融合剤保持装置に融合剤を充填し、融合剤が隣接した2つの椎骨を融合させるのを許容する。1つの好ましい実施の形態において、該方法は、第2の方法にて隣接した2つの椎骨を更に融合させるステップを更に備える。
【0114】
別の実施の形態において、本発明は、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムである。次に、図20、図21及び図22を参照すると、伸延システムの導入器の側方斜視図、伸延システムの離間構成要素の1つの実施の形態の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)、伸延システムの離間構成要素の別の実施の形態の頂面斜視図(右側)がそれぞれ示される。理解し得るように、伸延システム600は、導入器602と、複数の離間構成要素604、606とを備える。導入器602は、基端挿入部分608と、末端定着部分610とを備える。基端挿入部分606は、ガイドワイヤー型又は管状構造体612を備える。末端定着部分610は、複数のとげ状部614を備える。
【0115】
伸延システム600は、積み重ね可能、変形可能な複数の離間構成要素604、606を更に備える。離間構成要素の各々は、中央開口部616と、複数の伸長体618とを備えることが好ましい。1つの好ましい実施の形態において、離間構成要素の各々は、図21に示すように、3つの伸長体618を備える。別の好ましい実施の形態において、離間構成要素の各々は、図22に示すように、4つの伸長体618を備える。離間構成要素604は、伸長体の各々が複数の離間構成要素604、606を軸方向に導入器602に積み重ねることを許容し得るよう湾曲した形状を形成するような形態とされている。1つの好ましい実施の形態において、伸延システム600の離間構成要素604、606の各々は、本発明の方法にて使用される隣接した2つの椎骨体を伸延させるのに適した形状に戻るように加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。更に、伸延システム600の表面の各々は、伸延システム600の構成要素間の摩擦を減少させ得るようにポリテトラフロオロエチレン又はその他の親水性被覆を有することが好ましい。
【0116】
別の実施の形態において、本発明は、隣接した2つの椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に、図23、図24を参照すると、変形していない形態にある本発明に従った別の伸延システムの側方斜視図、変形した形態にある伸延システムの側方斜視図がそれぞれ示される。理解し得るように、伸延システム700は、基端接続部分702と、末端伸延部分704とを備える。基端接続部分702は、中実なバンドを有する、管状構造体と、メッシュ又は同等の構造体とを備える。末端伸延部分704は、複数のストリップ706を備える。ストリップの各々は、変形していない伸びた形態から変形した彎曲した形態に変形可能である。ストリップ706は、その基端にて基端接続部分702に接続されている。ストリップ706の各々は、基端から末端までテーパーが付けられることが好ましい。
【0117】
1つの好ましい実施の形態において、ストリップ706の各々は、基端708における約2.5ないし3mmの幅から末端710における約1mmの幅までテーパーが付けられ、また、基端708における約1mmの厚さから末端710における約0.1ないし0.2mmの厚さまでテーパーが付けられている。伸延システム700は、本発明の方法にて使用される隣接した2つの椎骨体を伸延させるのに適した形状に戻るように加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。更に、伸延システム700の表面の各々は、伸延システム700の構成要素間の摩擦を減少させるようにポリテトラフロオロエチレン又はその他の親水性被覆を有することが好ましい。
【0118】
伸延システム700は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な方法により形成することができる。1つの実施の形態において、本発明に従って伸延システムを製造する方法が提供される。この実施の形態において、伸延システムは、最初に、ニチノールのような生体適合性の所要形状の金属合金の円筒体を提供することにより形成される。次に、軸方向切断を複数回円筒体に対し行い、皮下管の末端に複数の分離したストリップを形成する。特に好ましい実施の形態において、円筒体は、末端にて3つのストリップに切断する。次に、ストリップを緊密なら旋体に曲げ且つ、熱焼鈍して変形しないときのこの形状に戻るようにする。1つの好ましい実施の形態において、変形しないときのら旋体群は、約2cmの最大横方向輪郭外形と、約1cmの最大軸方向輪郭外形とを有する。別の実施の形態において、ストリップを円筒体の基端から切り離し且つ、はんだ付け等によって同一又は同等の材料で出来たメッシュ円筒体に接続する。
【0119】
別の実施の形態において、本発明は、隣接した2つの椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に、図25、図26及び図27を参照すると、変形した形態(左側)及び変形しない形態(右側)にある本発明に従った別の伸延システムのとげ付き差込み部の側方斜視図、変形した形態にある伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(右側)、変形しない形態にある伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(右側)がそれぞれ示される。理解し得るように、伸延システム800は、とげ付き差込み部802と、ラチェット装置804とを備える。とげ付き差込み部802は、円筒状又は円錐形の中央部分806と、末端方向に複数のとげ状部808とを備える。変形したとき、図20の左側にて、とげ付き差込み部802のとげ状部808は、とげ付き差込み部802の軸方向中心に向けて収縮する。
【0120】
変形しないとき、図25(右側)において、とげ付き差込み部802のとげ状部808は、とげ付き差込み部802の軸方向中心から外方に伸びている。とげ付き差込み部は、複数のとげ状部を形成するよう軸方向に切断し且つ、次にこの形状に戻るように熱焼鈍した円錐体又は円筒体から形成される。ラチェット装置804は、一端にて接続された横方向に分離した一連のストリップ810を備える。ラチェット装置は、シートの一端に接続された複数のストリップとなるように横方向に切断されたシートから形成される。該シートは、軸方向に圧延し且つ、熱焼鈍してこの形状に戻るようにする。変形したとき、図26(左側)において、ストリップ810は、ラチェット装置804の中心軸線の周りにて緊密にコイル巻きされる。
【0121】
変形していないとき、図27(右側)において、ストリップ810はラチェット装置804の中心軸線から巻き戻しされる。伸延システム800の構成要素の各々は、本発明にて使用される隣接した2つの椎骨体を伸延させるのに適した形状に戻るように加工された、例えば、ニチノールのような所要形状の金属合金のような物質を備える。更に、伸延システム800の表面の各々は、伸延システム800の構成要素間の摩擦を減少させ得るようにポリテトラフロオロエチレン又はその他の親水性被覆を有することが好ましい。
【0122】
別の実施の形態において、本発明は、本発明の伸延システムを使用して上椎骨を下椎骨から伸延させる方法である。該方法は、最初に、隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップを備える。次に、本発明に従った伸延システムが提供され且つ、チャンバ内に配置され、これにより隣接した2つの椎骨を伸延させる。1つの実施の形態において、該伸延システムは、基端の挿入部分と、複数のとげ状部を備える末端の定着部分とを備える導入器を備え、また、積み重ね可能、変形可能な複数の離間構成要素を備える。この実施の形態において、伸延システムをチャンバ内に配置するステップは、とげ状部が隣接した2つの椎骨の末端椎骨体の上側部分の海綿状骨と遭遇する迄、導入器を前進させるステップと、その変形した形態にある複数の離間構成要素を導入器の上方に沿ってチャンバ内に挿入するステップと、複数の離間構成要素がその変形していない形態に拡張するのを許容するステップとを備える。
【0123】
別の実施の形態において、伸延システムは、基端の接続部分と、その基端にて基端の接続部分に接続された複数のストリップとを備える。この実施の形態において、伸延システムをチャンバ内に配置するステップは、ストリップが直線状に変形した形状にある間、伸延システムを通路を通じてチャンバ内に前進させるステップを備える。チャンバに入ったならば、ストリップはその変形していないら旋状の形状に戻り、隣接した2つの椎骨体を軸方向に伸延させる。別の実施の形態において、伸延システムは、とげ付き差込み部と、ラチェット装置とを備える。この実施の形態において、伸延システムをチャンバ内に配置するステップは、とげ付き差込み部がチャンバに入る迄、とげ状部が基端方向又は末端方向の何れかを向いた状態にて、変形した形態にあるとげ付き差込み部を通路を通じてチャンバ内に前進させるステップを備える。
【0124】
次に、とげ付き差込み部のとげ状部が伸び且つ、隣接した2つの椎骨の末端椎骨体の上側部分又は隣接した2つの椎骨の基端椎骨体の下側部分の海綿状骨と接触する。次に、変形していない形態にあるラチェット装置を通路を通じ且つ、チャンバ内に及びとげ付き差込み部内に前進させる。チャンバに入ったならば、ラチェット装置のストリップの各々は、軸方向に拡張して通路を通じて引っ込むのを防止し、また、2つの椎骨を所望通りに伸延させるのに十分な長さのラチェット装置を前進させる。1つの好ましい実施の形態において、伸延システムは両側方向から導入する。1つの好ましい実施の形態において、該方法は、伸延システムを上椎骨の肉茎を通じて形成された通路を通じて配置するステップを備える。別の好ましい実施の形態において、該方法は、上椎骨の肉茎を通じて形成された通路内にてシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを更に備える。
【0125】
本発明は、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定さを生じさせ又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法と、外科医が椎間板空間にアクセスして隣接した2つの椎骨を更に融合させ又は融合させずに、空間のより正常な三次元的形態を回復することを許容する方法とを更に備える。次に、図28ないし図45を参照すると、第1の椎骨902の第1の椎骨体902、第2の椎骨906の第2の椎骨体904、第1の椎骨体900と第2の椎骨体904との間の椎間板908にて実施される方法の幾つかの特徴を示す部分切欠き側方斜視図が図示される。
【0126】
1つの好ましい実施の形態において、該方法は、最初に、この方法を実施するのに適した患者を選ぶステップを備える。適した患者は、第1の椎骨の第1の椎骨体、該第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板908との間の空間的関係が1つ又はより多数変化しており、該空間的関係の変化が痛み、無感覚又は機能喪失等のような症状を伴い、又は空間的関係の変化が実際に又は潜在的な不安定さ又は上記の組み合わせを生じさせ、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の空間的関係のより正常な形態を回復すること、即ち変化させることを必要とし、又は第1の椎骨と第2の椎骨との融合を必要とし又はその双方を必要とする。
【0127】
しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、本発明の方法によりその他の疾患及び状態を治療することもできる。治療に潜在的に適した疾患及び状態として、変性椎間板、ヘルニア症椎間板又は変性し且つヘルニア症の椎間板、変性椎間板側湾症、椎間板又は椎骨体の感染症、悪性腫瘍のような空間を占める疾患、脊柱狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨の不安定さ、損傷、外傷又は骨粗鬆症又は外科的操作に起因する椎骨の骨折を含む損傷があり、これらは、椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させ、痛み、機能不全又はその双方を生じさせ、また、脊柱の不安定性を生じさせる。本発明の方法は、第2の椎骨体904の上方の第1の椎骨体900に関して開示し且つ示したが、該方法は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、第2の椎骨体904の下方の第1の椎骨体900に対し使用することもできる。
【0128】
次に、図28に示すように、第1の椎骨体900に対する経肉茎的アクセスが経皮的に得られる。1つの好ましい実施の形態において、11ゲージ骨バイオプシー針910(米国、カリフォルニア州、スコッツヴァリーのパラックスメディカル(Parallax Medical)、米国、イリノイ州、マックゴウパークのアレジアンスヘルスケア(Allegiance Health Care)、米国、インディアナ州、ブルーミングトンのクック(Cook)インクから入手可能なようなもの)を蛍光透視法誘導法のような適宜な誘導法の下にて第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入することにより、経肉茎的アクセスが得られる。特に好ましい実施の形態において、経肉茎的アクセスは、両側方向がら得られ、この明細書に開示された方法は、繰り返して両側方向から行なわれる。該方法を両側方向から実施することは、椎間板材料をより大きく除去し、従って、骨基質材料を堆積させるためのより大きい椎間板キャビティを得ることを許容する。次に、1mm直径のガイドワイヤーのような適宜なゲージのガイドワイヤー912を図28に示すように、バイオプシー針910を通じて第1の椎骨体900内に挿入し、バイオプシー針910を除去し、挿入されたガイドワイヤー912が残るようにする。
【0129】
次に、適宜な非撓み骨ドリル914を図29に示すように、ガイドワイヤー912の上方に沿って挿入し、また、非撓み骨ドリル914を誘導の下、作動させ、これによりバイオプシー針910及びガイドワイヤー912により形成された通路を拡張して直径約4.5mmにし且つ、第1の椎骨体900の後側約1/3内に伸びるようにする。1つの実施の形態において、直線状ドリルを挿入する前、外径5mmを有し、厚さ0.25mmのプラスチック管のような直線状ドリルシース(図示せず)を接続性組織と、第1の椎骨902の上方に位置する筋組織とを通じてガイドワイヤー912の上方に沿って挿入し、直線状ドリルをガイドワイヤー912の上方であるが、直線状ドリルシース内に挿入する。この実施の形態において、直線状ドリルシースは、接続性組織と、第1の椎骨902の上方に位置する筋組織(図示せず)とを非撓み骨ドリル914との接触から保護する。
【0130】
次に、非撓み骨ドリル914シースを除去し、また、図30にて理解し得るように、非撓み骨ドリル914の上側に沿って非撓み骨ドリル914により形成された空間内に挿入される経肉茎的作用通路916と交換する。非撓み骨ドリル914を除去し、リテーナ管918の末端の先端が経肉茎的作用シース916の末端から出る迄、リテーナ管918を経肉茎的作用通路916を通じて前進させる。次に、第1の撓みドリル920をリテーナ管918の全長を通じて導入する。1つの好ましい実施の形態において、リテーナ管918は、本発明に従った装置である。別の好ましい実施の形態において、撓みドリル920は、本発明に従った装置である。図30に示すように、撓みドリル920をリテーナ管918の基端部分を通じて前進させ、リテーナ管918の末端の斜角面付き端部から出て、撓みドリル920の長軸線がリテーナ管918の長軸線に対し約90゜の角度を形成するようにする。撓みドリル920を作動させ、第1の椎骨体900を通り且つ、上方から下方の方向に向けて椎間板908に入る通路を形成する。
【0131】
次に、第1の撓みドリル920を除去する。1つの好ましい実施の形態において、直径約0.4mmないし1mmの生体適合性ガイドワイヤー(図示せず)を通路を通じ且つ、椎間板908内に挿入して、支持構造体を形成し、支持構造体及び経肉茎的作用通路916が残るようにする。
【0132】
1つの好ましい実施の形態において、本発明に従うが、但し、第1の撓みドリル920よりも大きい断面直径を有する穿孔先端を備える第2の撓みドリル(図示せず)を経肉茎的作用シース916を通じて且つ、支持構造体(存在するならば)の上方に沿って前進させる。第2の撓みドリルを作動させ、これにより第1の撓みドリル920により椎間板908に形成された通路を拡張する。通路の最終的な直径は、第2の撓みドリルが使用されるかどうかに関係なく、直径約4mmないし5mmの範囲にあることが好ましい。次に、第2の撓みドリル(使用されるならば)及び経肉茎的作用シース916を引き抜く。オーバザワイヤー技術を使用して該方法の残りの部分が行われるならば、本発明を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、支持構造体(使用されるならば)は、所要位置に残す。しかし、図面には、非オーバザワイヤー技術を使用する方法が示される。
【0133】
次に、図31、図32、図33及び図34に示すように、撓み編組又は金属シースのような可撓性シース922を撓みドリルにより形成された拡張した通路を通じて支持構造体の上方に沿って進める。次に、切断装置924の末端又は摘出装置926が椎間板908内に入る迄、切断装置924又は摘出装置926又は同等の装置或いは1つ以上の装置を順序に可撓性シース922を通じて前進させる。1つの実施の形態において、切断装置924は本発明に従った装置である。別の実施の形態において、摘出装置926は本発明に従った装置である。
【0134】
次に、図31、図32、図33及び図34に示すように、切断装置924(使用されるならば)を作動させ、又は次に、摘出装置926(使用されるならば)を蛍光透視誘導法のような適宜な誘導法の下、図35及び図36に示すように作動させ、椎間板円板908の一部分を除去し、また、好ましくは、椎間板908を画成する端板の1方又は双方の一部分を除去し、好ましくは、皮質骨が椎間板908の上方面928、椎間板908の下方面930、又は好ましくは椎間板908の上方面928及び下方面930の双方にて露出されたままであるようにする。1つの好ましい実施の形態において、除去された端板の部分は、矢状断面の約2cmを備える。1つの好ましい実施の形態において、除去された端板の部分は矢状断面にて端板の約30%を備える。しかし、線維輪は周方向に保存されることが好ましい。次に、切断装置924又は摘出装置926を除去し、食塩水のような適宜な溶液にて洗浄して吸引力を使用し、又は吸引及び洗浄を組み合わせることにより、屑を椎間板908から除去する。
【0135】
次に、図37及び図38に示すように、融合剤保持装置932を切断装置924又は摘出装置926或いはその双方により形成された空の空間内に導入し且つ、展開させる。1つの好ましい実施の形態において、図37、及び図38に示すように、融合剤保持装置932は本発明に従った融合剤保持装置である。しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、その他の融合剤保持装置も適している。別の好ましい実施の形態において、融合剤保持装置932の導入及び展開は、コイル巻きした融合剤保持装置932を保持する可撓性の管と、コイル巻きした融合剤保持装置932を可撓性の管から摘出装置により形成された空の空間内に押し出す排出先端を有する中央ワイヤーとを備える展開装置内にて融合剤保持装置932を緊密にコイル巻きすることにより、実現される。
【0136】
空の空間内に入ったならば、融合剤保持装置932はその非応力状態の形状に戻り、椎間板908内にライニングしたチャンバを形成する。次に、ライニングした空のチャンバに適合可能な骨基質を備える剤のような融合剤を充填し、これにより第1の椎骨体900と第2の椎骨体904との間に骨融合部を形成する。適宜な骨基質は、例えば、米国、ペンシルベニア州、マルベーンのオルソヴィタ(Orthovita)から入手可能なヴィトス(VITOSS)(登録商標名)及び米国、ニュージャージー州、イートンタウンのオステオテック(Osteotech)インクから入手可能なグラフトン(GRAFTON)(登録商標名)プラス(Plus)、並びに、骨伝導性及び骨非伝導性の双方であるように患者自体の髄骨と共に又は髄骨無しにて骨形態形成タンパク質と混合させた脱鉱物化した死体の骨基質材料である。
【0137】
1つの好ましい実施の形態において、図39、図40、図41、図42、図43及び図44に示すように、該方法は、チャンバに融合剤を充填する前又はチャンバに融合剤を充填した後であるが、融合剤が硬化する前の何れかにて、伸延システム934、936、938をチャンバ内に導入するステップを更に備える。これと代替的に、チャンバは、融合剤にて部分的に充填することができ、融合剤が硬化する前に、伸延システム934、936、938を導入し、追加的な融合剤をチャンバに追加してもよい。伸延システム934、936、938は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な構造体とすることができる。1つの好ましい実施の形態において、伸延システム934、936、938は、本発明に従った伸延システム934、936、938である。図31、図32、図33、図34、図35及び図36には、展開されつつあるかかる3つの伸延システム934、936、938が示される。伸延システム934、936、938は、第1の椎骨902を伸延させる、即ち第1の椎骨902が第2の椎骨906から軸方向に分離する程度を増し且つ、堆積させた融合剤に対する支持体を提供する。
【0138】
1つの好ましい実施の形態において、図45に示すように、該方法は、第1の椎骨902を第2の椎骨906に接続するため追加的な融合手順を実施するステップを更に備える。1つの実施の形態において、図45にて理解し得るように、追加的な融合手順は、本発明の方法を実施することにより残った経肉茎的通路内に肉茎ねじ940を配置するステップと、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、離間構成要素942により肉茎ねじ940を接続するステップとを備える。しかし、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、任意の適宜な追加的な融合手順を使用することとができる。
【0139】
1つの好ましい実施の形態において、該方法は、1つの椎骨位置においてのみ経肉茎的に1側方から又は両側方向から椎骨体及び椎間板にアクセスすることにより、少なくとも3つの隣接した椎骨体及び該少なくとも3つの隣接した椎骨体の間の2つの椎間板にて実施される。該方法のこの実施の形態の特徴の各々は、本明細書を参照して当該技術分野の当業者に理解されるように、隣接した2つの椎骨及び該2つの椎骨の間の椎間板にてのみ該方法を実施することに関して開示された同等の特徴に相応する。
【0140】
次に、図46ないし図55を参照すると、第1の椎骨1002の第1の椎骨体1000、第2の椎骨1006の第2の椎骨体1004、第1の椎骨体1000と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008、第3の椎骨1012の第3の椎骨体1010、第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1014にて実施された方法及びこの実施の形態の幾つかの面を示す部分、切欠き、側方斜視図が示される。
【0141】
理解されるように、適宜な患者を選んだ後、第1の椎骨体1000に対する経肉茎的アクセスが経皮的に実現され、また、実質的に上記に開示したように、非撓み骨ドリルを使用して第1の椎骨体1000と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008にアクセスする。しかし、この実施の形態において、撓みドリル1016を使用して、第1の椎骨1002と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008(図46)、第2の椎骨体1004を通って第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1008(図47)内に完全に達する通路を形成することを続行する。
【0142】
次に、切断装置(図示せず)又は摘出装置1022或いはその双方もしくは同等の装置(図48、図49)を使用して第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1008及び第2の椎骨体1004の下方端板1018、第3の椎骨体1010の上方端板1020の一部分を除去する。次に、融合剤保持装置1024を第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1014及び第1の椎骨体1000と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008(図50)内に展開させる。
【0143】
1つの好ましい実施の形態において、伸延システム1026は、第1の椎骨1002と第2の椎骨体1004との間の椎間板1008と、第2の椎骨体1004と第3の椎骨体1010との間の椎間板1008との双方にて融合剤保持装置1024内に配置する(図51、図52、図53、図54)。次に、融合剤保持装置1024の各々に融合剤を充填し、これにより第1の椎骨1002を第2の椎骨1006に融合させ、第2の椎骨1006を第3の椎骨に融合させる。更に、1つの好ましい実施の形態において(図55)、第1の椎骨1002を第2の椎骨1006に接続し、第2の椎骨1006を第3の椎骨に接続し又は双方を行うため、図45に相応した方法にて追加的な融合手順を実施することができる。
【0144】
本発明は特定の好ましい実施の形態に関して極めて詳細に説明したが、その他の実施の形態とすることも可能である。従って、特許請求の範囲は本明細書に記載された好ましい実施の形態の説明にのみ限定されるべきではない。本明細書に引用した全ての参考例は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めてある。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】末端穿孔端部が挿入位置にある、本発明の1つの実施の形態に従った骨ドリルの側方斜視図である。
【図2】末端穿孔端部が穿孔位置にある、図1に示した骨ドリルの側方斜視図である。
【図3】図1に示した骨ドリルの下側サブ組立体の分解側方斜視図である。
【図4】図1に示した骨ドリルの上側サブ組立体の分解側方斜視図である。
【図5】図1に示した骨ドリルの幾つかの個別の構成要素の側方斜視図である。
【図6】図1に示すように骨ドリルと共に使用することのできる選択可能な案内先端の側方斜視図である。
【図7】末端が切断位置にある、本発明の1つの実施の形態に従った切断装置の側方斜視図である。
【図8】末端が挿入位置にある、図7に示した切断装置の切欠き側方斜視図である。
【図9】末端が挿入位置にある、図7に示した切断装置の末端の接写部分切欠き側方斜視図である。
【図10】図7に示した切断装置の末端の接写部分切欠き側方斜視図である。
【図11】ブレードが挿入位置にある、本発明の1つの実施の形態に従った摘出装置の側方斜視図である。
【図12】ブレードが切断位置にある、図11に示した摘出装置の側方斜視図である。
【図13】図12に示した摘出装置の末端の拡大側方斜視図である。
【図14】図12に示した摘出装置の分解側方斜視図である。
【図15】変形した形態にあるときの本発明の1つの実施の形態に従った融合剤保持装置の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図16】変形していない形態にあるときの図15に示した融合材保持装置の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図17】変形した形態にあるときの本発明の1つの実施の形態に従った別の融合剤保持装置の側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図18】変形していない形態にあるときの図17に示した融合材保持装置の側方斜視図(左側)及び上面斜視図(右側)の双方を示す図である。
【図19】図17及び図18に示した融合剤保持装置を形成するワイヤーの独立的な部分を示す図である。
【図20】本発明の1つの実施の形態に従った伸延システムの導入器を示す側方斜視図である。
【図21】図20に示した導入器を有する、伸延システムの罹患構成要素の1つの実施の形態を示す側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)である。
【図22】図20に示した導入器を有する、伸延システムの別の離間構成要素の1つの実施の形態を示す側方斜視図(左側)及び頂面斜視図(右側)である。
【図23】変形していない形態にあるときの本発明に従った別の伸延システムの側方斜視図である。
【図24】変形した形態にあるときの図23に示した伸延システムの側方斜視図である。
【図25】変形した形態(左側)及び変形していない形態(右側)にあるときの本発明に従った別の伸延システムのとげ付き差込み部を示す側方斜視図である。
【図26】変形した形態にあるときの図25に示したとげ付き差込み部を有する、伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(左側)である。
【図27】変形していない形態にあるときの図25に示したとげ付き差込み部を有する、伸延システムのラチェット装置の頂面斜視図(左側)及び側方斜視図(右側)である。
【図28】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する1つの面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図29】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図30】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図31】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図32】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図33】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図34】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さ起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図35】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図36】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図37】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図38】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図39】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図40】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図41】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図42】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図43】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図44】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図45】2つの椎骨体と椎間板との間の空間的関係を変化させる若しくは脊柱の不安定さを起こす又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する、本発明の方法を本発明に従って実施する更に別の面を示す、部分切欠き側方斜視図である。
【図46】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における1つの面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図47】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図48】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図49】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図50】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図51】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図52】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図53】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図54】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【図55】第1の椎骨の第1の椎骨体、第2の椎骨の第2の椎骨体、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の椎間板、第3の椎骨の第3の椎骨体、第2の椎骨体と第3の椎骨体との間の椎間板にて実施された、本発明の方法の1つの実施の形態における更に別の面を示す部分切欠き側方斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿孔先端を含み、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後に穿孔先端を所定の位置に向き決めすることが可能な撓みドリルであって、前記所定の位置は前記ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れている撓みドリル。
【請求項2】
更に上側サブ組立体に接続される下側サブ組立体を含み、上側サブ組立体が前記穿孔先端を含む請求項1の撓みドリル。
【請求項3】
前記下側サブ組立体が、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを含み、
上側サブ組立体が、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ収容部とを更に含む請求項2の撓みドリル。
【請求項4】
前記上側サブ組立体が、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を含み、
前記穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
前記案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有する形状に戻るように加工された物質を備える請求項2の撓みドリル。
【請求項5】
請求項2の撓みドリルにおいて、上側サブ組立体が、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端とを備える案内管を含み、
穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える撓みドリル。
【請求項6】
請求項1の撓みドリルにおいて、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に含み、
穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える撓みドリル。
【請求項7】
請求項1の撓みドリルにおいて、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に含み、
穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜だけ外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える撓みドリル。
【請求項8】
前記穿孔先端に取り付けられる案内先端を更に含む請求項1の撓みドリル。
【請求項9】
更に、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を含む請求項1の撓みドリル。
【請求項10】
中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を含む撓みドリルであって、
穿孔先端が末端部分の末端に接続され、
案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有する形状に戻るように加工された物質を含む撓みドリル。
【請求項11】
更に穿孔先端に取り付けられた案内先端を含む請求項10の撓みドリル。
【請求項12】
更にガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を含む請求項10の撓みドリル。
【請求項13】
上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を含む撓みドリルであって、
下側サブ組立体が、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを含み、
上側サブ組立体が、ドリル先端と、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ受け部とを含み、
案内管が、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを含み、
穿孔先端が末端部分の末端に接続され、
案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有する形状に戻るように加工された物質を含む撓みドリル。
【請求項14】
更に穿孔先端に取り付けられた案内先端を含む請求項13の撓みドリル。
【請求項15】
更にガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を含む請求項13の撓みドリル。
【請求項16】
材料を穿孔する方法であって、
a)請求項1に記載の撓みドリルを提供するステップと、
b)穿孔先端が穿孔すべき材料にアクセスする迄、ドリルをほぼ直線状の通路を通じて前進させ、これにより穿孔先端を所定の位置にて向き決めするステップと、
c)ドリルを作動させるステップと、を含む方法。
【請求項17】
更に撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーをドリルを通じて進めるステップを含む請求項16の方法。
【請求項18】
前記穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる請求項16の方法。
【請求項19】
更に撓みドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線状の通路内に挿入するステップと、次に撓みドリルをシースを通じて挿入するステップと、を請求項16の方法。
【請求項20】
材料に穿孔する方法であって、
a)請求項10に記載の撓みドリルを提供するステップと、
b)歪んだ状態の撓みドリルを材料内に前進させるステップと、
c)撓みドリルから歪みを除去するステップと、
d)ドリルを作動させるステップと、を含む方法。
【請求項21】
更に撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーを撓みドリルを通じて進めるステップを含む請求項20の方法。
【請求項22】
前記穿孔すべき材料が、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる請求項20の方法。
【請求項23】
材料を穿孔する方法であって、
a)請求項13に記載の撓みドリルを提供するステップと、
b)歪んだ状態の撓みドリルを材料内に前進させるステップと、
c)撓みドリルから歪みを除去するステップと、
d)ドリルを作動させるステップと、を含む方法。
【請求項24】
更に撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーを撓みドリルを通じて進めるステップを含む請求項23の方法。
【請求項25】
前記穿孔すべき材料が骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる請求項16の方法。
【請求項26】
撓み軸の末端に接続されるブレードを含む切断装置であって、
該切断装置は、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と長軸線を有する末端部分とを含む通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内へ挿入することが可能であり、
前記末端部分の長軸線が湾曲するか、又は前記末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化する切断装置。
【請求項27】
前記ブレードは、第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動する請求項26の切断装置。
【請求項28】
請求項27の切断装置において、撓み軸の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブを更に含み、
前記ブレードは1つ以上の切欠きを有し、
前記係止スリーブは、末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、
前記係止スリーブは、末端方向への前進により1以上の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、基端方向に引っ込むことにより1つ以上の切欠きから非係合状態としブレードを切断位置から非係止状態にする切断装置。
【請求項29】
請求項28の切断装置であって、更に斜角面付き末端を有し且つ前記撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを含み、
前記撓み軸は、シースに対して末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、
前記撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ挿入位置まで回動する切断装置。
【請求項30】
前記ブレードは周縁切刃部を有する請求項26の切断装置。
【請求項31】
請求項26の切断装置であって、更に、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを備える基端と、前記ブレードが取り付けられる末端とを含む切断装置。
【請求項32】
切断装置であって、
a)撓み軸の末端に接続された回動ブレードと、
b)撓み軸の少なくとも一部分を取り囲む係止スリーブと、を含み、
前記ブレードが第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動し、
前記ブレードが1つ以上の切欠きを有し、
前記係止スリーブが、末端方向に前進可能且つ基端方向に引込むことが可能であり、
前記係止スリーブが、末端方向に前進することにより、1つ以上の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、基端方向に引込むことにより、1つ以上の切欠きに非係合状態となり、ブレードを切断位置から非係止状態にする切断装置。
【請求項33】
請求項32の切断装置であって、更に斜角面付き末端を有し且つ撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを含み、
前記撓み軸は、シースに対して末端方向に前進可能且つ基端方向に引込めることが可能であり、
前記撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ挿入位置まで回動する切断装置。
【請求項34】
請求項32の切断装置において、切断装置は、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを含む通路を通じて材料にアクセスした後切断すべき材料内へ挿入することができ、前記末端部分の長軸線が湾曲するか又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化する切断装置。
【請求項35】
前記ブレードは周縁切刃部を有する請求項32の切断装置。
【請求項36】
請求項32の切断装置であって、更に、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを含む基端と、前記ブレードが取り付けられる末端と、を含む切断装置。
【請求項37】
材料を切断する方法であって、
a)請求項26の切断装置を用意するステップと、
b)長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後切断装置を材料内に挿入するステップと、
c)切断装置を作動させるステップと、含み、
末端部分の長軸線が湾曲するか又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化する方法。
【請求項38】
更に切断装置を材料内で前進させる及び引込めるステップを含む請求項37の方法。
【請求項39】
更に切断装置を挿入する前にシースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通じて挿入するステップと、を更に含む請求項37の方法。
【請求項40】
材料を切断する方法であって、
a)請求項32の切断装置を用意するステップと、
b)切断装置を材料内に挿入するステップと、
c)係止スリーブを末端方向に前進させ、1つ又はより多数の切欠きと係合させ、これによりブレードを切断位置に係止するステップと、
d)切断装置を作動させるステップと、
e)切断装置を不作動にするステップと、
f)係止スリーブを基端方向に引っ込めて1つ又はより多数の切欠きから非係合状態にし、これによりブレードを切断位置から非係止状態にするステップと、
g)切断装置を材料から除去するステップと、を含む方法。
【請求項41】
前記切断装置を挿入するステップは、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを含む通路を通じて切断装置を前進させるステップを含み、
末端部分の長軸線か湾曲するか、又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化する、請求項40の方法。
【請求項42】
前記切断装置を材料内にて前進させる及び引込めるステップを更に含む請求項40の方法。
【請求項43】
更に前記切断装置を挿入する前にシースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通し挿入するステップと、を含む請求項40の方法。
【請求項44】
摘出装置であって、
a)基端と、
b)複数の変形可能なブレードを含む切断キャップを含む末端と、
c)基端と切断キャップとの間の軸と、を含み、
複数の変形可能なブレードは、ブレードが変形する間に通路を通って空間にアクセスした後、ブレードが変形しないときに空間内の材料を切断し、
通路は、ブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する摘出装置。
【請求項45】
前記軸が可撓性である請求項44の摘出装置。
【請求項46】
更に前記基端と末端との間に軸方向ガイドワイヤー管腔を含む請求項44の摘出装置。
【請求項47】
空間内にて材料を切断する方法であって、
a)請求項44の摘出装置を用意するステップと、
b)空間を摘出装置にてアクセスするステップと、
c)摘出装置を作動させ、これにより材料の切断を実施するステップと、を含む方法。
【請求項48】
請求項47の方法であって、
更に前記摘出装置を作動させる前にブレードを変形させるステップと、ブレードが変形している間に通路を通じて空間にアクセスするステップと、を含み、
前記通路は、ブレードが材料を切断する間に変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する方法。
【請求項49】
前記通路が湾曲している請求項47の方法。
【請求項50】
更に前記切断装置を空間内にて前進させる及び引っ込めて追加的な材料を切断するステップを含む請求項47の方法。
【請求項51】
前記空間にアクセスするステップが切断装置をガイドワイヤーの上に沿って前進させるステップを含む請求項47の方法。
【請求項52】
前記切断される材料は椎間板と椎骨体端板材料とから成る群から選ばれる請求項47の方法。
【請求項53】
前記空間にアクセスするステップが摘出装置を椎骨内の経肉茎的アクセス通路を通じて前進させるステップを含む請求項47の方法。
【請求項54】
空間内の材料を切断する方法であって、
a)請求項44の摘出装置を用意するステップと、
b)空間にアクセスするための通路を形成するステップと、
c)通路に合うようにブレードを変形させるステップと、
d)切断キャップが空間内へ進む迄、摘出装置を通路を通し前進させ、これによりブレードがその変形しない形状に拡張するのを許すステップと、
e)摘出装置を作動させ、これにより材料の切断を行うステップと、を含み、
前記通路は、ブレードが材料を切断する間、変形しないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する方法。
【請求項55】
更に前記切断装置を空間内にて前進させる及び引込めて追加的な材料を切断するステップを含む請求項54の方法。
【請求項56】
前記切断装置を通路を通し前進させるステップは切断装置をガイドワイヤーの上方に沿って前進させるステップを含む請求項54の方法。
【請求項57】
前記通路は湾曲している請求項54の方法。
【請求項58】
前記切断される材料が椎間板である請求項54の方法。
【請求項59】
前記切断される材料が椎骨体端板材料である請求項54の方法。
【請求項60】
前記通路が椎骨内の経肉茎的アクセス通路である請求項54の方法。
【請求項61】
融合剤を保持する融合剤保持装置であって、変形されないときほぼ円形又は楕円形の形状に拡張し得るような形状記憶機能を有する薄い生体適合性で変形可能な材料のバンド又はメッシュを含む融合剤保持装置。
【請求項62】
更に前記バンドを被覆する生体適合性シーラントを含む請求項61の融合剤保持装置。
【請求項63】
隣接した2つの椎骨を融合させる方法であって、
a)隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップと、
b)請求項61に記載の融合剤保持装置を用意するステップと、
c)融合剤保持装置をチャンバ内に配置し、これにより融合剤保持装置が拡張するのを許容するステップと、
d)融合剤保持装置に融合剤を充填するステップと、
e)融合剤が隣接した2つの椎骨を融合させるのを許容するステップと、を含む方法。
【請求項64】
更に隣接した2つの椎骨を第2の手順にて融合させるステップを含む請求項63の方法。
【請求項65】
隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムであって、
a)基端の挿入部分と、複数のとげ状部を含む末端の定着部分とを含む導入器と、
b)複数の変形可能な離間構成要素と、を含み、
前記離間構成要素の各々が、中央開口部と、複数の伸長体とを有し、
前記離間構成要素の各々が、導入器の挿入部分に積み重ね得る形態とされるシステム。
【請求項66】
前記複数の伸長体が3つの伸長体及び4つの伸長体から成る群から選ばれる請求項65の伸延システム。
【請求項67】
上椎骨を下椎骨から伸延させる方法であって、
a)請求項65の伸延システムを用意するステップと、
b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、
c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップと、を含む方法。
【請求項68】
前記伸延システムを配置するステップが両側方向から行われる請求項67の方法。
【請求項69】
前記伸延システムを配置するステップが、伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通じて配置するステップを含む請求項67の方法。
【請求項70】
前記伸延システムを配置するステップが上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを含む請求項67方法。
【請求項71】
隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムであって、
a)基端の接続部分と、
b)複数のストリップを有する末端と、を含み、
ストリップの各々が、伸長した形態から湾曲した形態まで変形可能であり、
ストリップの各々が基端及び末端を有し、
ストリップの基端がそれらの基端にて基端接続部分に接続される伸延システム。
【請求項72】
前記基端接続部分がメッシュを含む請求項71の伸延システム。
【請求項73】
前記ストリップの各々が基端から末端までテーパーを有する請求項71の伸延システム。
【請求項74】
上椎骨を下椎骨から伸延させる方法であって、
a)請求項71の伸延システムを用意するステップと、
b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、
c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップと、を含む方法。
【請求項75】
前記伸延システムを配置するステップが両側方向から行われる請求項74の方法。
【請求項76】
前記伸延システムを配置するステップが伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通し配置するステップを含む請求項74の方法。
【請求項77】
前記伸延システムを配置するステップが、上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを含む請求項74の方法。
【請求項78】
隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムであって、
a)中心軸線を有し、中央部分と、複数のとげ状部とを備えるとげ付き差込み部と、
b)中心軸線を有し、一端にて接続された横方向に分離した一連のストリップを備えるラチェット装置と、を含み、
とげ状部は、変形していないとき、とげ付き差込み部の軸方向中心から外方に伸び、また、変形したとき、とげ付き差込み部の軸方向中心に向けて収縮し、
ストリップは、変形しないとき、ラチェット装置の中心軸線から離れるように巻き戻され、変形したとき、ラチェット装置の軸方向中心に向けて収縮するようにした、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システム。
【請求項79】
上椎骨を下椎骨から伸延させる方法であって、
a)請求項78の伸延システムを提供するステップと、
b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、
c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップと、を含む方法。
【請求項80】
前記伸延システムを配置するステップが両側方向から行われる請求項79の方法。
【請求項81】
前記伸延システムを配置するステップが、伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通し配置するステップを含む請求項79の方法。
【請求項82】
前記伸延システムを配置するステップが、上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを含む請求項79の方法。
【請求項83】
第1の椎骨の第1の椎骨体、第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法、及び外科医が第1の椎間板にアクセスし、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の第1の椎間板のより正常な三次元的形態を回復することを許容する方法であって、
a)患者を選ぶステップと、
b)第1の椎骨の肉茎に通路を形成することにより、第1の椎間板に経肉茎的にアクセスするステップと、
c)第1の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセスを通じて除去するステップと、を含む方法。
【請求項84】
請求項83の方法であって、選ばれた患者は、第1の椎骨の第1の椎骨体、第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係が1つ以上変化し、
この空間的関係の変化により、痛み、無感覚、機能損失から成る群から選ばれた1つ又はより多くの症状が生じ、又は空間的関係の変化により実際の又は潜在的不安定性、又は上記を組み合わせたものが生じる者である、方法。
【請求項85】
請求項83の方法であって、患者には、第1の椎間板の変性、第1の椎間板のヘルニア症、第1の椎間板の変性及びヘルニア症、変性側湾症、第1の椎間板の感染、第1の椎骨体の感染、第2の椎骨体の感染、空間を占める疾患、脊椎狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨不安定性、椎骨の骨折、脊柱の外科手術的操作から成る群から選ばれた1つ又はより多数の疾患又は状態が生じている、方法。
【請求項86】
前記第1の椎間板への経肉茎的アクセスが両側方向から得られる請求項83の方法。
【請求項87】
前記第1の椎間板への経肉茎的アクセスが、骨バイオプシー針を第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入して通路を形成するステップを含む請求項83の方法。
【請求項88】
前記第1の椎間板への経肉茎的アクセスを実現するステップは、非撓み型の骨ドリルを第1の椎骨の1つの肉茎を通し挿入し、通路を形成する又は該通路を拡大するステップを含む請求項83の方法。
【請求項89】
更にシースを通路内に挿入するステップを含む請求項83の方法。
【請求項90】
更にリテーナ管を通路内に挿入するステップを含む請求項83の方法。
【請求項91】
更に第1の撓みドリルを通路を通し挿入するステップと、撓みドリルを作動させこれにより通路を第1の椎骨体を通し椎間板内に伸ばすステップと、を含む請求項83の方法。
【請求項92】
前記第1の撓みドリルが請求項1に記載の撓みドリルである請求項91の方法。
【請求項93】
前記第1の撓みドリルが請求項10に記載の撓みドリルである請求項91の方法。
【請求項94】
前記第1の撓みドリルが請求項13に記載の撓みドリルである請求項91の方法。
【請求項95】
更に第2の撓みドリルを通路を通じて挿入するステップと、撓みドリルを作動させこれにより通路を拡張するステップと、を含む請求項91の方法。
【請求項96】
前記第2の撓みドリルが請求項1に記載の撓みドリルである請求項95の方法。
【請求項97】
前記第2の撓みドリルが請求項10に記載の撓みドリルである請求項95の方法。
【請求項98】
前記第2の撓みドリルが請求項13に記載の撓みドリルである請求項95の方法。
【請求項99】
更にガイドワイヤーを支持構造体として使用し得るよう通路内に挿入するステップを含む請求項83の方法。
【請求項100】
更に該方法の少なくとも一部をオーバザワイヤー技術を使用して実施するステップを含む請求項83の方法。
【請求項101】
更に切断装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを含む請求項83の方法。
【請求項102】
前記切断装置が請求項26に記載の切断装置である請求項101の方法。
【請求項103】
前記切断装置が請求項32に記載の切断装置である請求項101の方法。
【請求項104】
更に摘出装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを含む請求項83の方法。
【請求項105】
前記摘出装置が請求項44に記載の摘出装置である請求項104の方法。
【請求項106】
更に第1の椎骨体の端板の又は第2の椎骨体の端板の少なくとも一部分を除去するステップを含む請求項83の方法。
【請求項107】
更に融合剤保持装置を椎間板内に挿入するステップと、融合剤保持装置に少なくとも部分的に融合剤を充填するステップと、を含む請求項83の方法。
【請求項108】
前記融合剤保持装置が請求項61に記載の融合剤保持装置である請求項107の方法。
【請求項109】
請求項83の方法において、伸延システムを椎間板内に挿入するステップと、伸延システムが第1の椎骨体を第2の椎骨体から伸延させるのを許容するステップとを更に備える、方法。
【請求項110】
前記伸延システムが請求項65に記載の伸延システムである請求項109の方法。
【請求項111】
前記伸延システムが請求項71に記載の伸延システムである請求項109の方法。
【請求項112】
前記伸延システムが請求項78に記載の伸延システムである請求項109の方法。
【請求項113】
更に第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップを含む請求項83の方法。
【請求項114】
第1の椎骨を第2の椎骨に融合させる方法であって、
a)請求項83の方法を実施するステップと、
b)第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップと、
c)第2の融合手順を実施して第1の椎骨を第2の椎骨に融合させるステップと、を含む方法。
【請求項115】
更に第2の椎骨体と該第2の椎骨体に隣接する第3の椎骨体との間の第2の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセス法を通し除去するステップを含む請求項83の方法。
【請求項1】
穿孔先端を含み、長軸線を有するほぼ直線状の通路を通じて穿孔すべき材料にアクセスした後に穿孔先端を所定の位置に向き決めすることが可能な撓みドリルであって、前記所定の位置は前記ほぼ直線状の通路の長軸線から少なくとも10゜外れている撓みドリル。
【請求項2】
更に上側サブ組立体に接続される下側サブ組立体を含み、上側サブ組立体が前記穿孔先端を含む請求項1の撓みドリル。
【請求項3】
前記下側サブ組立体が、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを含み、
上側サブ組立体が、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ収容部とを更に含む請求項2の撓みドリル。
【請求項4】
前記上側サブ組立体が、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を含み、
前記穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
前記案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有する形状に戻るように加工された物質を備える請求項2の撓みドリル。
【請求項5】
請求項2の撓みドリルにおいて、上側サブ組立体が、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端とを備える案内管を含み、
穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える撓みドリル。
【請求項6】
請求項1の撓みドリルにおいて、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に含み、
穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有するように加工された物質を備える撓みドリル。
【請求項7】
請求項1の撓みドリルにおいて、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を更に含み、
穿孔先端は末端部分の末端に接続され、
案内管は、穿孔先端の所定の位置がほぼ直線状通路の長軸線から少なくとも10゜だけ外れるような形状に戻るよう加工された物質を備える撓みドリル。
【請求項8】
前記穿孔先端に取り付けられる案内先端を更に含む請求項1の撓みドリル。
【請求項9】
更に、ガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を含む請求項1の撓みドリル。
【請求項10】
中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを備える案内管を含む撓みドリルであって、
穿孔先端が末端部分の末端に接続され、
案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有する形状に戻るように加工された物質を含む撓みドリル。
【請求項11】
更に穿孔先端に取り付けられた案内先端を含む請求項10の撓みドリル。
【請求項12】
更にガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を含む請求項10の撓みドリル。
【請求項13】
上側サブ組立体に接続された下側サブ組立体を含む撓みドリルであって、
下側サブ組立体が、スピンルアロックと、リテーナ管と、ピストンアンカーと、ピストンレベルと、ピストンと、末端Oリングと、基端Oリングとを含み、
上側サブ組立体が、ドリル先端と、案内管と、外筒ノブと、外筒と、ねじ付きアダプタと、ライナーと、軸受ハウジングと、撓み軸と、末端軸受と、基端軸受と、コレットと、軸受キャップと、モータ受け部とを含み、
案内管が、中心軸線を有する基端部分と、末端を有する末端部分とを含み、
穿孔先端が末端部分の末端に接続され、
案内管は、案内管が歪まないとき、末端部分の端部における穿孔先端が基端部分の中心軸線から約10゜ないし150゜外れるように向き決めされるのに十分な曲率半径を末端部分が有する形状に戻るように加工された物質を含む撓みドリル。
【請求項14】
更に穿孔先端に取り付けられた案内先端を含む請求項13の撓みドリル。
【請求項15】
更にガイドワイヤーを受け入れる軸方向通路を含む請求項13の撓みドリル。
【請求項16】
材料を穿孔する方法であって、
a)請求項1に記載の撓みドリルを提供するステップと、
b)穿孔先端が穿孔すべき材料にアクセスする迄、ドリルをほぼ直線状の通路を通じて前進させ、これにより穿孔先端を所定の位置にて向き決めするステップと、
c)ドリルを作動させるステップと、を含む方法。
【請求項17】
更に撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーをドリルを通じて進めるステップを含む請求項16の方法。
【請求項18】
前記穿孔すべき材料は、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる請求項16の方法。
【請求項19】
更に撓みドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線状の通路内に挿入するステップと、次に撓みドリルをシースを通じて挿入するステップと、を請求項16の方法。
【請求項20】
材料に穿孔する方法であって、
a)請求項10に記載の撓みドリルを提供するステップと、
b)歪んだ状態の撓みドリルを材料内に前進させるステップと、
c)撓みドリルから歪みを除去するステップと、
d)ドリルを作動させるステップと、を含む方法。
【請求項21】
更に撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーを撓みドリルを通じて進めるステップを含む請求項20の方法。
【請求項22】
前記穿孔すべき材料が、骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる請求項20の方法。
【請求項23】
材料を穿孔する方法であって、
a)請求項13に記載の撓みドリルを提供するステップと、
b)歪んだ状態の撓みドリルを材料内に前進させるステップと、
c)撓みドリルから歪みを除去するステップと、
d)ドリルを作動させるステップと、を含む方法。
【請求項24】
更に撓みドリルを作動させる前、撓みドリルを作動させた後、又は撓みドリルを作動させる前及び作動させた後の双方にて、ガイドワイヤーを撓みドリルを通じて進めるステップを含む請求項23の方法。
【請求項25】
前記穿孔すべき材料が骨、軟骨及び椎間板から成る群から選ばれる請求項16の方法。
【請求項26】
撓み軸の末端に接続されるブレードを含む切断装置であって、
該切断装置は、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と長軸線を有する末端部分とを含む通路を通じて材料にアクセスした後、切断すべき材料内へ挿入することが可能であり、
前記末端部分の長軸線が湾曲するか、又は前記末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが、基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化する切断装置。
【請求項27】
前記ブレードは、第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動する請求項26の切断装置。
【請求項28】
請求項27の切断装置において、撓み軸の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブを更に含み、
前記ブレードは1つ以上の切欠きを有し、
前記係止スリーブは、末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、
前記係止スリーブは、末端方向への前進により1以上の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、基端方向に引っ込むことにより1つ以上の切欠きから非係合状態としブレードを切断位置から非係止状態にする切断装置。
【請求項29】
請求項28の切断装置であって、更に斜角面付き末端を有し且つ前記撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを含み、
前記撓み軸は、シースに対して末端方向に前進させ且つ基端方向に引っ込めることができ、
前記撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ挿入位置まで回動する切断装置。
【請求項30】
前記ブレードは周縁切刃部を有する請求項26の切断装置。
【請求項31】
請求項26の切断装置であって、更に、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを備える基端と、前記ブレードが取り付けられる末端とを含む切断装置。
【請求項32】
切断装置であって、
a)撓み軸の末端に接続された回動ブレードと、
b)撓み軸の少なくとも一部分を取り囲む係止スリーブと、を含み、
前記ブレードが第1の位置である挿入位置から第2の位置である切断位置まで回動し、
前記ブレードが1つ以上の切欠きを有し、
前記係止スリーブが、末端方向に前進可能且つ基端方向に引込むことが可能であり、
前記係止スリーブが、末端方向に前進することにより、1つ以上の切欠きと係合し、これによりブレードを切断位置に係止し、基端方向に引込むことにより、1つ以上の切欠きに非係合状態となり、ブレードを切断位置から非係止状態にする切断装置。
【請求項33】
請求項32の切断装置であって、更に斜角面付き末端を有し且つ撓み軸の少なくとも一部分を取り囲むシースを含み、
前記撓み軸は、シースに対して末端方向に前進可能且つ基端方向に引込めることが可能であり、
前記撓み軸が基端方向に引っ込むことにより、ブレードは係止スリーブから非係合状態となり且つ挿入位置まで回動する切断装置。
【請求項34】
請求項32の切断装置において、切断装置は、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを含む通路を通じて材料にアクセスした後切断すべき材料内へ挿入することができ、前記末端部分の長軸線が湾曲するか又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが基端部分の長軸線から少なくとも約10゜外れるように変化する切断装置。
【請求項35】
前記ブレードは周縁切刃部を有する請求項32の切断装置。
【請求項36】
請求項32の切断装置であって、更に、切断装置をモータ駆動装置に接続するモータアダプタを含む基端と、前記ブレードが取り付けられる末端と、を含む切断装置。
【請求項37】
材料を切断する方法であって、
a)請求項26の切断装置を用意するステップと、
b)長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを備える通路を通じて材料にアクセスした後切断装置を材料内に挿入するステップと、
c)切断装置を作動させるステップと、含み、
末端部分の長軸線が湾曲するか又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化する方法。
【請求項38】
更に切断装置を材料内で前進させる及び引込めるステップを含む請求項37の方法。
【請求項39】
更に切断装置を挿入する前にシースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通じて挿入するステップと、を更に含む請求項37の方法。
【請求項40】
材料を切断する方法であって、
a)請求項32の切断装置を用意するステップと、
b)切断装置を材料内に挿入するステップと、
c)係止スリーブを末端方向に前進させ、1つ又はより多数の切欠きと係合させ、これによりブレードを切断位置に係止するステップと、
d)切断装置を作動させるステップと、
e)切断装置を不作動にするステップと、
f)係止スリーブを基端方向に引っ込めて1つ又はより多数の切欠きから非係合状態にし、これによりブレードを切断位置から非係止状態にするステップと、
g)切断装置を材料から除去するステップと、を含む方法。
【請求項41】
前記切断装置を挿入するステップは、長軸線を有するほぼ直線状の基端部分と、長軸線を有する末端部分とを含む通路を通じて切断装置を前進させるステップを含み、
末端部分の長軸線か湾曲するか、又は末端部分の長軸線がほぼ直線状であるが基端部分の長軸線から少なくとも約10゜だけ外れるよう変化する、請求項40の方法。
【請求項42】
前記切断装置を材料内にて前進させる及び引込めるステップを更に含む請求項40の方法。
【請求項43】
更に前記切断装置を挿入する前にシースを通路内に挿入するステップと、切断装置をシースを通し挿入するステップと、を含む請求項40の方法。
【請求項44】
摘出装置であって、
a)基端と、
b)複数の変形可能なブレードを含む切断キャップを含む末端と、
c)基端と切断キャップとの間の軸と、を含み、
複数の変形可能なブレードは、ブレードが変形する間に通路を通って空間にアクセスした後、ブレードが変形しないときに空間内の材料を切断し、
通路は、ブレードが材料を切断する間、変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する摘出装置。
【請求項45】
前記軸が可撓性である請求項44の摘出装置。
【請求項46】
更に前記基端と末端との間に軸方向ガイドワイヤー管腔を含む請求項44の摘出装置。
【請求項47】
空間内にて材料を切断する方法であって、
a)請求項44の摘出装置を用意するステップと、
b)空間を摘出装置にてアクセスするステップと、
c)摘出装置を作動させ、これにより材料の切断を実施するステップと、を含む方法。
【請求項48】
請求項47の方法であって、
更に前記摘出装置を作動させる前にブレードを変形させるステップと、ブレードが変形している間に通路を通じて空間にアクセスするステップと、を含み、
前記通路は、ブレードが材料を切断する間に変形していないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する方法。
【請求項49】
前記通路が湾曲している請求項47の方法。
【請求項50】
更に前記切断装置を空間内にて前進させる及び引っ込めて追加的な材料を切断するステップを含む請求項47の方法。
【請求項51】
前記空間にアクセスするステップが切断装置をガイドワイヤーの上に沿って前進させるステップを含む請求項47の方法。
【請求項52】
前記切断される材料は椎間板と椎骨体端板材料とから成る群から選ばれる請求項47の方法。
【請求項53】
前記空間にアクセスするステップが摘出装置を椎骨内の経肉茎的アクセス通路を通じて前進させるステップを含む請求項47の方法。
【請求項54】
空間内の材料を切断する方法であって、
a)請求項44の摘出装置を用意するステップと、
b)空間にアクセスするための通路を形成するステップと、
c)通路に合うようにブレードを変形させるステップと、
d)切断キャップが空間内へ進む迄、摘出装置を通路を通し前進させ、これによりブレードがその変形しない形状に拡張するのを許すステップと、
e)摘出装置を作動させ、これにより材料の切断を行うステップと、を含み、
前記通路は、ブレードが材料を切断する間、変形しないブレードの側方断面積よりも小さい断面積を有する方法。
【請求項55】
更に前記切断装置を空間内にて前進させる及び引込めて追加的な材料を切断するステップを含む請求項54の方法。
【請求項56】
前記切断装置を通路を通し前進させるステップは切断装置をガイドワイヤーの上方に沿って前進させるステップを含む請求項54の方法。
【請求項57】
前記通路は湾曲している請求項54の方法。
【請求項58】
前記切断される材料が椎間板である請求項54の方法。
【請求項59】
前記切断される材料が椎骨体端板材料である請求項54の方法。
【請求項60】
前記通路が椎骨内の経肉茎的アクセス通路である請求項54の方法。
【請求項61】
融合剤を保持する融合剤保持装置であって、変形されないときほぼ円形又は楕円形の形状に拡張し得るような形状記憶機能を有する薄い生体適合性で変形可能な材料のバンド又はメッシュを含む融合剤保持装置。
【請求項62】
更に前記バンドを被覆する生体適合性シーラントを含む請求項61の融合剤保持装置。
【請求項63】
隣接した2つの椎骨を融合させる方法であって、
a)隣接した2つの椎骨の間の椎間板空間内にチャンバを形成するステップと、
b)請求項61に記載の融合剤保持装置を用意するステップと、
c)融合剤保持装置をチャンバ内に配置し、これにより融合剤保持装置が拡張するのを許容するステップと、
d)融合剤保持装置に融合剤を充填するステップと、
e)融合剤が隣接した2つの椎骨を融合させるのを許容するステップと、を含む方法。
【請求項64】
更に隣接した2つの椎骨を第2の手順にて融合させるステップを含む請求項63の方法。
【請求項65】
隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムであって、
a)基端の挿入部分と、複数のとげ状部を含む末端の定着部分とを含む導入器と、
b)複数の変形可能な離間構成要素と、を含み、
前記離間構成要素の各々が、中央開口部と、複数の伸長体とを有し、
前記離間構成要素の各々が、導入器の挿入部分に積み重ね得る形態とされるシステム。
【請求項66】
前記複数の伸長体が3つの伸長体及び4つの伸長体から成る群から選ばれる請求項65の伸延システム。
【請求項67】
上椎骨を下椎骨から伸延させる方法であって、
a)請求項65の伸延システムを用意するステップと、
b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、
c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップと、を含む方法。
【請求項68】
前記伸延システムを配置するステップが両側方向から行われる請求項67の方法。
【請求項69】
前記伸延システムを配置するステップが、伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通じて配置するステップを含む請求項67の方法。
【請求項70】
前記伸延システムを配置するステップが上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを含む請求項67方法。
【請求項71】
隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムであって、
a)基端の接続部分と、
b)複数のストリップを有する末端と、を含み、
ストリップの各々が、伸長した形態から湾曲した形態まで変形可能であり、
ストリップの各々が基端及び末端を有し、
ストリップの基端がそれらの基端にて基端接続部分に接続される伸延システム。
【請求項72】
前記基端接続部分がメッシュを含む請求項71の伸延システム。
【請求項73】
前記ストリップの各々が基端から末端までテーパーを有する請求項71の伸延システム。
【請求項74】
上椎骨を下椎骨から伸延させる方法であって、
a)請求項71の伸延システムを用意するステップと、
b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、
c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップと、を含む方法。
【請求項75】
前記伸延システムを配置するステップが両側方向から行われる請求項74の方法。
【請求項76】
前記伸延システムを配置するステップが伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通し配置するステップを含む請求項74の方法。
【請求項77】
前記伸延システムを配置するステップが、上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを含む請求項74の方法。
【請求項78】
隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システムであって、
a)中心軸線を有し、中央部分と、複数のとげ状部とを備えるとげ付き差込み部と、
b)中心軸線を有し、一端にて接続された横方向に分離した一連のストリップを備えるラチェット装置と、を含み、
とげ状部は、変形していないとき、とげ付き差込み部の軸方向中心から外方に伸び、また、変形したとき、とげ付き差込み部の軸方向中心に向けて収縮し、
ストリップは、変形しないとき、ラチェット装置の中心軸線から離れるように巻き戻され、変形したとき、ラチェット装置の軸方向中心に向けて収縮するようにした、隣接した2つの椎骨を伸延させる伸延システム。
【請求項79】
上椎骨を下椎骨から伸延させる方法であって、
a)請求項78の伸延システムを提供するステップと、
b)上椎骨と下椎骨との間にチャンバを形成するステップと、
c)伸延システムをチャンバ内に配置し、これにより上椎骨を下椎骨から伸延させるステップと、を含む方法。
【請求項80】
前記伸延システムを配置するステップが両側方向から行われる請求項79の方法。
【請求項81】
前記伸延システムを配置するステップが、伸延システムを上椎骨の肉茎に形成された通路を通し配置するステップを含む請求項79の方法。
【請求項82】
前記伸延システムを配置するステップが、上椎骨の肉茎に形成された通路内にシース又は皮下管を通じて伸延システムを配置するステップを含む請求項79の方法。
【請求項83】
第1の椎骨の第1の椎骨体、第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係を変化させ、又は脊柱の不安定性を生じさせ、又はその双方を生じさせる疾患及び状態を治療する方法、及び外科医が第1の椎間板にアクセスし、第1の椎骨体と第2の椎骨体との間の第1の椎間板のより正常な三次元的形態を回復することを許容する方法であって、
a)患者を選ぶステップと、
b)第1の椎骨の肉茎に通路を形成することにより、第1の椎間板に経肉茎的にアクセスするステップと、
c)第1の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセスを通じて除去するステップと、を含む方法。
【請求項84】
請求項83の方法であって、選ばれた患者は、第1の椎骨の第1の椎骨体、第1の椎骨体に隣接する第2の椎骨の第2の椎骨体と、第1の椎骨体及び第2の椎骨体の間の第1の椎間板との間の空間的関係が1つ以上変化し、
この空間的関係の変化により、痛み、無感覚、機能損失から成る群から選ばれた1つ又はより多くの症状が生じ、又は空間的関係の変化により実際の又は潜在的不安定性、又は上記を組み合わせたものが生じる者である、方法。
【請求項85】
請求項83の方法であって、患者には、第1の椎間板の変性、第1の椎間板のヘルニア症、第1の椎間板の変性及びヘルニア症、変性側湾症、第1の椎間板の感染、第1の椎骨体の感染、第2の椎骨体の感染、空間を占める疾患、脊椎狭窄症、脊椎分離症、脊椎すべり症、椎骨不安定性、椎骨の骨折、脊柱の外科手術的操作から成る群から選ばれた1つ又はより多数の疾患又は状態が生じている、方法。
【請求項86】
前記第1の椎間板への経肉茎的アクセスが両側方向から得られる請求項83の方法。
【請求項87】
前記第1の椎間板への経肉茎的アクセスが、骨バイオプシー針を第1の椎骨の1つの肉茎を通じて挿入して通路を形成するステップを含む請求項83の方法。
【請求項88】
前記第1の椎間板への経肉茎的アクセスを実現するステップは、非撓み型の骨ドリルを第1の椎骨の1つの肉茎を通し挿入し、通路を形成する又は該通路を拡大するステップを含む請求項83の方法。
【請求項89】
更にシースを通路内に挿入するステップを含む請求項83の方法。
【請求項90】
更にリテーナ管を通路内に挿入するステップを含む請求項83の方法。
【請求項91】
更に第1の撓みドリルを通路を通し挿入するステップと、撓みドリルを作動させこれにより通路を第1の椎骨体を通し椎間板内に伸ばすステップと、を含む請求項83の方法。
【請求項92】
前記第1の撓みドリルが請求項1に記載の撓みドリルである請求項91の方法。
【請求項93】
前記第1の撓みドリルが請求項10に記載の撓みドリルである請求項91の方法。
【請求項94】
前記第1の撓みドリルが請求項13に記載の撓みドリルである請求項91の方法。
【請求項95】
更に第2の撓みドリルを通路を通じて挿入するステップと、撓みドリルを作動させこれにより通路を拡張するステップと、を含む請求項91の方法。
【請求項96】
前記第2の撓みドリルが請求項1に記載の撓みドリルである請求項95の方法。
【請求項97】
前記第2の撓みドリルが請求項10に記載の撓みドリルである請求項95の方法。
【請求項98】
前記第2の撓みドリルが請求項13に記載の撓みドリルである請求項95の方法。
【請求項99】
更にガイドワイヤーを支持構造体として使用し得るよう通路内に挿入するステップを含む請求項83の方法。
【請求項100】
更に該方法の少なくとも一部をオーバザワイヤー技術を使用して実施するステップを含む請求項83の方法。
【請求項101】
更に切断装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを含む請求項83の方法。
【請求項102】
前記切断装置が請求項26に記載の切断装置である請求項101の方法。
【請求項103】
前記切断装置が請求項32に記載の切断装置である請求項101の方法。
【請求項104】
更に摘出装置を使用して第1の椎間板の少なくとも一部分を除去するステップを含む請求項83の方法。
【請求項105】
前記摘出装置が請求項44に記載の摘出装置である請求項104の方法。
【請求項106】
更に第1の椎骨体の端板の又は第2の椎骨体の端板の少なくとも一部分を除去するステップを含む請求項83の方法。
【請求項107】
更に融合剤保持装置を椎間板内に挿入するステップと、融合剤保持装置に少なくとも部分的に融合剤を充填するステップと、を含む請求項83の方法。
【請求項108】
前記融合剤保持装置が請求項61に記載の融合剤保持装置である請求項107の方法。
【請求項109】
請求項83の方法において、伸延システムを椎間板内に挿入するステップと、伸延システムが第1の椎骨体を第2の椎骨体から伸延させるのを許容するステップとを更に備える、方法。
【請求項110】
前記伸延システムが請求項65に記載の伸延システムである請求項109の方法。
【請求項111】
前記伸延システムが請求項71に記載の伸延システムである請求項109の方法。
【請求項112】
前記伸延システムが請求項78に記載の伸延システムである請求項109の方法。
【請求項113】
更に第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップを含む請求項83の方法。
【請求項114】
第1の椎骨を第2の椎骨に融合させる方法であって、
a)請求項83の方法を実施するステップと、
b)第1の椎骨を経肉茎的アクセス法を通じて第2の椎骨に融合させるステップと、
c)第2の融合手順を実施して第1の椎骨を第2の椎骨に融合させるステップと、を含む方法。
【請求項115】
更に第2の椎骨体と該第2の椎骨体に隣接する第3の椎骨体との間の第2の椎間板の少なくとも一部分を経肉茎的アクセス法を通し除去するステップを含む請求項83の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【公表番号】特表2006−522612(P2006−522612A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551392(P2004−551392)
【出願日】平成15年3月25日(2003.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/009285
【国際公開番号】WO2004/043271
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(505007733)ヴァーテリンク・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年3月25日(2003.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/009285
【国際公開番号】WO2004/043271
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(505007733)ヴァーテリンク・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]