説明

経路制御装置、通信システムおよび経路計算方法

【課題】ネットワークの現用系経路および予備系経路の1+1の二重構成を保持する場合において、利用帯域の増加によるコスト増加や、転送遅延時間の増加による品質劣化を抑制する。また、新たな予備系経路(第3の経路)を設定する場合を考慮して、各リンクのリンク設備量を計算する。
【解決手段】経路制御装置は、現用系パスまたは予備系パスの経路上の故障が発生したことを検知したとき、これをトリガとして、故障した箇所を経由せず、かつ、故障が発生しなかった経路とも重複しない新たな予備系経路(第3の経路)を計算する。そして、その第3の経路への経路切り替えを行う。また、経路制御装置は、この第3の経路上にパスが設定されることを考慮して、ネットワーク内の各リンクのリンク設備量を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光パスやMPLS(Multi-Protocol Label Switching)を用いたネットワークにおける経路計算技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク事業者において、予期しない故障の発生に対して迅速に代替の転送経路を提供し、転送品質の維持を行うことが重要である。特に重要なデータ送信を扱う基幹通信網インフラでは、高い耐障害性が要求される。従来、1つの始終点(始点ノードと終点ノード)に対し、リンクまたはノードを共有しない現用系パスと予備系パスを提供する1+1のパス設計方法が提案されている(非特許文献1参照)。このパス設計方法によれば、現用系パスと予備系パスはリンクまたはノードを共有しないパスとして設計されるため、一方のパスの構成要素に故障が発生しても、他方のパスによるデータ転送が可能となる。具体的には、1+1の二重構成では、現用系パスと予備系パスとが設定されており、両方のパスにデータを流す。そして、現用系パスに故障を検知した場合にはノードの受信端で速やかに、データ受信パスを予備系パスに切り替えることで、データ損失を小さくすることができる。
【0003】
しかし、現用系パスの経路が故障や工事により不通となると、一時的に予備系パスのみの片側通信となり、通信路の信頼性が低下するという問題がある。また、新たに使用する予備系パスに故障が発生する前に再度1+1の状態を復元するためには、迅速な障害復旧が必要である。このような問題を解決するため、1つの始終点に対し、1+1+1の3つのルートを確保する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】J. Suurballe, “Disjoint paths in a network,” Networks, vol.4, pp.125-145, 1974.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、1つの始終点に対して1+1+1の3つのルートを確保する方法において、3つのルート間でリンク(またはノード)を共有しないルートを事前に設計する必要がある。よって、3番目に設計するルートが使用可能なリソースは制限され、非常にホップ数の高い経路となる。このようなホップ数の増加は、利用帯域の増加によるコスト増加や、転送遅延時間の増加による品質劣化の要因となる。
【0006】
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、ネットワークの現用系パスおよび予備系パスの1+1の二重構成を保持する場合において、利用帯域の増加によるコスト増加や、転送遅延時間の増加による品質劣化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するため、本発明は、ネットワークの始点ノードと終点ノードとを接続する現用系経路および予備系経路を計算する経路制御装置が、ネットワークを構成するノード、ノードを接続するリンク、およびリンクそれぞれのリンクコストを示すトポロジ情報を記憶する。そして、この経路制御装置は、トポロジ情報を参照して、ネットワークの始点ノードから終点ノードまでの間を接続する現用系経路である第1の経路と、始点ノードと終点ノードとの間を接続し、第1の経路上のいずれのリンクも経由しない予備系経路である第2の経路とを計算する。そして、この計算した第1の経路および第2の経路の経路情報を示したパス情報を作成し、記憶部に記憶する。また、経路制御装置は、パス情報の第1の経路または第2の経路上のいずれかのリンクが不通になる故障パターンを想定し、始点ノードと終点ノードとの間を接続し、かつ、想定した故障パターンにおいて不通になったリンクも、不通にならなかった経路のリンクも経由しない第3の経路を、トポロジ情報を参照して計算する。そして、計算した第3の経路の経路情報を示した動的パス情報を作成し、記憶部に記憶する。また、経路制御装置は、ネットワーク経由で、リンクごとの利用帯域を取得し、取得したリンクごとの利用帯域を利用帯域情報として記憶部に記憶する。その後、利用帯域情報および動的パス情報を参照して、故障パターンごとに、リンクそれぞれの第3の経路の利用帯域を計算し、当該リンクの第3の経路の利用帯域のうち、最大となる帯域を選択する。そして、利用帯域情報に示される当該リンクの利用帯域に、選択した第3の経路の利用帯域を加算した帯域を、当該リンクのリンク設備量として示したリンク容量情報を作成し、記憶部に記憶する。その後、経路制御装置は、このリンク容量情報を出力する。
【0008】
このようにすることで、経路制御装置は、ネットワーク内に始点ノードから終点ノードまで、リンクを共有しないような2つの経路を計算する場合において、どちらか一方の経路上のリンクに障害が発生しても、その経路を迂回する新たな予備系経路(第3の経路)を設定できる。つまり、ネットワークのパス(経路)の1+1の二重構成を保持できる。ここで、経路制御装置は、第3の経路を、不通となった箇所に応じてダイナミックに決定する。よって、1つの(始点ノード、終点ノード)ペアに対してパスを1+1+1の3ルート確保する方法に比べて、利用帯域の増加によるコスト増加や、転送遅延時間の増加による品質劣化を抑制することができる。また、経路制御装置は、第3の経路を設定することを考慮して、各リンクのリンク設備量を計算することができる。ここで、経路制御装置は、リンク設備量の計算にあたり、故障パターンごとに、ネットワーク内のリンクごとに、そのリンクにおける第3の経路の利用帯域の最大値を計算し、その計算した最大値を当該リンクの利用帯域(第1の経路や第2の経路の帯域)に加算した値を、そのリンクのリンク設備量とする。よって、経路制御装置は、実際に必要とされる帯域に近いリンク設備量を計算できる。これにより、ネットワークの管理者等は、ネットワークの各リンクにどの程度のリンク設備量が必要かを知ることができる。
【0009】
また、本発明の経路制御装置は、トポロジ情報を参照して、ネットワークの始点ノードから終点ノードまでの間を接続する現用系経路である第1の経路と、始点ノードと終点ノードとの間を接続し、第1の経路上のいずれのノードも経由しない予備系経路である第2の経路とを計算する。また、パス情報の第1の経路または第2の経路上のいずれかのノードにおけるデータ転送ができなくなる故障パターンを想定し、経路の始点ノードと終点ノードとの間を接続し、想定した故障パターンにおいてデータ転送ができなくなったノードも、データ転送ができる経路のノードも経由しない第3の経路を計算し、計算した第3の経路を動的パス情報に記憶する。
【0010】
このようにすることで、経路制御装置は、ネットワーク内に始点ノードから終点ノードまで、ノードを共有しないような2つの経路を設定する場合において、どちらか一方の経路上のノードに故障やメンテナンスのためデータ転送ができない事態が発生しても、新たな予備系経路(第3の経路)を設定できる。また、経路制御装置は、第3の経路を設定することも考慮して、各リンクのリンク設備量を計算することができる。
【0011】
また、本発明の経路制御装置は、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合、リンクそれぞれの最大利用可能帯域として、リンク容量情報に示されるリンクそれぞれのリンク設備量を参照して、計算した第3の経路それぞれについて、第3の経路の経由するリンクのうち、リンク設備量の大きいリンクから優先的に、各リンクに割り当て可能な帯域の範囲内で、リンク設備量に示される帯域を割り当て、割り当てた各リンクの最大利用可能帯域を記憶部に記憶する。
【0012】
このようにすることで、経路制御装置は、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域(リソース量)が限られている場合に、よりリンク設備量の大きいリンクから優先的に帯域の割り当てをする。よって、より利用帯域の大きいリンクから優先的に帯域を確保できる。
【0013】
また、本発明の経路制御装置は、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合、リンクそれぞれの最大利用可能帯域として、リンク容量情報に示されるリンクそれぞれのリンク設備量を参照して、計算した第3の経路それぞれについて、第3の経路の経由するリンクのうち、各リンクに割り当て可能な帯域の範囲内で、リンク設備量の小さいリンクから優先的にリンク設備量に示される帯域を割り当て、割り当てた各リンクの最大利用可能帯域を記憶部に記憶する。
【0014】
このようにすることで、経路制御装置は、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合に、よりリンク設備量の小さいリンクから優先的に帯域の割り当てをする。よって、より多くのリンクに対し帯域を確保できる。
【0015】
また、本発明の経路制御装置は、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合、リンクそれぞれの最大利用可能帯域として、リンク容量情報に示されるリンクそれぞれのリンク設備量および動的パス情報を参照して、リンクのうち第3の経路の収容数が多いものから優先的に、各リンクに割り当て可能な帯域の範囲内で、リンク設備量に示される帯域を割り当て、割り当てた各リンクの最大利用可能帯域を記憶部に記憶する。
【0016】
このようにすることでも、経路制御装置は、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合に、より多くのリンクに対し帯域を確保できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、経路制御装置は、ネットワークに現用系経路および予備系経路の1+1の二重構成を保持する場合において、利用帯域の増加によるコスト増加や、転送遅延時間の増加による品質劣化を抑制することができる。また、経路制御装置は、新たな予備系経路(第3の経路)を設定する場合を考慮して、各リンクのリンク設備量を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態の経路制御装置を含むシステムの構成例を示した図である。
【図2】本実施の形態の経路制御装置による経路計算例を示した図である。
【図3】本実施の形態の経路制御装置のブロック構成図である。
【図4】図3の経路制御装置の処理手順を示した図である。
【図5】図3の経路制御装置の処理手順を示した図である。
【図6】図3の経路制御装置によるリンク設備量の計算を説明するための図である。
【図7】図3の経路制御装置による各リンクへの帯域の割り当てを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態のシステム(通信システム)は、図1に示すように、ネットワークと、経路制御装置10と、網状態情報収集装置20とを含んで構成される。経路制御装置10は、ネットワーク内の各ノード間を接続するパスの経路計算を行い、そのパスの設定指示を行う。網状態情報収集装置20は、ネットワーク内の各リンクを流れるトラヒック量(利用帯域)を取得する。ネットワークは、図1に示すように、複数のノードを含んでなり、これらのノードはリンクにより接続される。ノード間にはトラヒックが流れる。このトラヒックは、経路制御装置10からの指示に基づきノード間に設定されるパス(伝送パス)により転送される。このパスの設定は、ノード間のシグナリング等により行われ、設定されるパスは、例えば、光パスやMPLS(Multi-Protocol Label Switching)パス等である。この経路制御装置10は、始点ノードから終点ノードまでの経路計算を行うと、その経路上のリンクに必要な帯域(リンク設備量)を計算する。ここで計算されたリンク設備量は、オペレータ等が参照可能である。これにより、オペレータはネットワーク内の各リンクにどの程度の帯域を確保すればよいかを確認できる。なお、この経路制御装置10は、例えば、PCE(経路計算サーバ)により実現される。
【0020】
なお、以下の説明において、経路制御装置10の計算する第2の経路は、第1の経路とリンクが重複しない経路とし、第3の経路は、第1の経路および第2の経路のうち、不通にならなかった経路とリンクが重複しないような経路とする。この第1の経路のパスと第2の経路のパスの両方にデータが流れ、第1の経路に故障を検知した場合、ノードは、自身の受信端で速やかに、データ受信パスを第2の経路に切り替える。
【0021】
ここで、この経路制御装置10は、図2(a)に示すように、1つのペア(始点ノードと終点ノードのペア)に対してパスを2つ設定する。すなわち、経路制御装置10は、図2(a)の始点ノードと終点ノードとの間に符号101に示す現用系経路のパスと符号102に示す予備系経路のパスとを設定する。このように2つのパスを確保する方法において、経路制御装置10がどちらか一方のパスに故障が発生すると、経路制御装置10は、新たな予備系経路(第3の経路)上にパスを設定する。そして、ノードは、この第3の経路を用いてトラヒックを転送する。ここで、経路制御装置10が、現用系経路の故障を検知した場合、図2(b)に示すように、現用系経路を、符号103に示す第3の経路に切り替える。つまり、第3の経路にパスを設定し、このパスを用いてトラヒックを転送するようにする。一方、経路制御装置10が、予備系経路の故障を検知した場合、図2(c)に示すように、予備系経路を、符号104に示す第3の経路に切り替える。つまり、第3の経路にパスを設定し、このパスを用いてトラヒックを転送するようにする。
【0022】
このように、経路制御装置10は、始点ノードから終点ノードまでの経路を2つ用意しておく。そして、そのどちらかの経路の故障等により不通になったとき、さらにもう1つの経路(第3の経路)のパスを設定する。つまり、経路制御装置10は、現用系経路、予備系経路のどちらが不通になったときにも、第3の経路を用意するので、ネットワークは現用系パスおよび予備系パスの1+1の二重構成を保持することができる。これにより、通信の信頼性を向上させることができる。また、このようにネットワークに1+1の二重構成を保持する場合において、故障発生時等において第3の経路を設定するので、利用帯域の増加によるコスト増加や、転送遅延時間の増加による品質劣化を抑制することができる。また、詳細は後記するが、経路制御装置10は、この第3の経路を設定する場合を考慮して、各リンクのリンク設備量(帯域)を計算する。よって、経路制御装置は、この第3の経路を設定する場合、実際に各リンクに確保すべき帯域を推測できる。
【0023】
<構成>
次に、図3を用いて、経路制御装置10を説明する。この経路制御装置10は、ネットワーク内の現用系経路または予備系経路が不通になったとき、さらにもう1つの経路(第3の経路)のパスを設定する。また、経路制御装置10は、この第3の経路を設定する場合を考慮して、ネットワーク内のリンク設備量を計算する。
【0024】
経路制御装置10は、ネットワーク内のノードや、網状態情報収集装置20と通信可能なコンピュータにより実現され、入出力部(入力部および出力部)11、処理部12、記憶部13および通信部14を備える。
【0025】
入出力部11は、入出力インタフェースから構成される。通信部14は、ノードや、網状態情報収集装置20との間で通信を行うための通信インタフェースから構成される。また、処理部12は、この経路制御装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)によるプログラム実行処理や、専用回路等により実現される。さらに、記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成される。なお、経路制御装置10をプログラム実行処理により実現する場合、記憶部13には、この経路制御装置10の機能を実現するためのプログラムが格納される。
【0026】
まず、記憶部13に記憶される情報を説明する。記憶部13は、トポロジ情報131、パス情報132、動的パス情報133、リンク容量情報134および利用帯域情報135を記憶する。
【0027】
トポロジ情報131は、ネットワークを構成するノードの接続関係を示した情報であり、各ノードを接続するリンク、および各リンクのリンクコストを含む。このトポロジ情報131は、通信部14や入出力部11経由で入力される。
【0028】
パス情報132は、ネットワーク内のノード間に設定されたパスごとに、当該パスの経路情報を示した情報である。このパス情報132には、設定されたパスの始点ノードおよび終点ノードのノードIDや、始点ノードから終点ノードまでの間で経由するノードのノードID、リンクID、始点ノードおよび終点ノードで当該パスに用いられるインタフェース(IF)のインタフェースID(IF ID)、当該パスの帯域等が含まれる(表1参照)。なお、表1において経由ノードIDは省略した。このパス情報132は、パス情報作成部122(後記)により作成され、パス通信部125がノード間にパスを設定する際に参照される。なお、このパス情報132には第1の経路の経路情報と、その第1の経路と始点ノードおよび終点ノードが同じである第2の経路のパスの経路情報とが対応付けて記憶される。
【0029】
【表1】

【0030】
動的パス情報133は、故障パターンごとに、第1の経路および第2の経路の予備経路である第3の経路の経路情報を示した情報である。この第3の経路は、第1の経路または第2の経路上のいずれかのリンクが不通になった場合の予備経路である。この第3の経路は、具体的には、第1の経路の始点ノードと終点ノード(つまり、この始点ノードと終点ノードは、第2の経路の始点ノードと終点ノードでもある)との間を接続し、不通になったリンクも、不通にならなかった方の経路のリンクも経由しない経路である。例えば、不通になった経路が第1の経路であれば、この第1の経路に対する第3の経路は、不通になった第1の経路上のリンクも、第2の経路のいずれのリンクも経由しない経路である。この動的パス情報133は、故障リンクと、故障経路のパスIDごとに、その経路に対する第3の経路のパスID、始点ノード、始点ノードのIF ID、終点ノード、終点ノードのIF ID、経由リンク、帯域等を示した情報である(表2参照)。動的パス情報133はは、パス情報作成部122(後記)により作成される。なお、第3の経路の帯域は、この第3の経路に対応する第1の経路および第2の経路の帯域と同じ値である。
【0031】
【表2】

【0032】
リンク容量情報134は、ネットワークのリンクごとに、このリンクに用意すべきリンク設備量(帯域)を示した情報である(表3参照)。このリンク容量情報134は、リンク容量計算部124(後記)により作成される。このリンク容量情報134は、入出力部11経由で、オペレータの端末装置等、外部装置により読み出される。
【0033】
【表3】

【0034】
利用帯域情報135は、ネットワーク内のリンクごとに、当該リンクのトラヒック量(利用帯域)を示した情報である(表4参照)。この利用帯域情報135は、利用帯域取得部123(後記)により作成される。この利用帯域情報135は、各リンクの最大利用可能帯域に対する、利用帯域の割合(リンク利用率)を示した情報であってもよい。
【0035】
【表4】

【0036】
次に、処理部12を説明する。処理部12は、経路制御装置10全体の制御を司り、ここでは主に第1の経路、第2の経路および第3の経路の経路計算と、各リンクのリンク設備量の計算を行う。この処理部12は、経路計算部120、動的経路計算部121、パス情報作成部122、利用帯域取得部123、リンク容量計算部124およびパス通信部125を備える。破線で示したリソース配分部126については、後記する。
【0037】
経路計算部120は、ネットワークの始点ノードと終点ノードの指示入力を受け付ける。そして、経路計算部120は、トポロジ情報131を参照して、この始点ノードから終点ノードまでの間を接続する現用系経路である第1の経路と、始点ノードと終点ノードとの間を接続し、第1の経路上のいずれのリンクも経由しない予備系経路である第2の経路とを計算する。ここでの経路計算は、例えば、非特許文献1に記載される経路計算法が用いられる。最短経路の計算には、トポロジ情報131に示されるノード間の接続関係や、各リンクのリンクコストの情報を参照する。
【0038】
動的経路計算部121は、パス情報132に示されるすべての第1の経路および第2の経路の組み合わせについて、第1の経路または第2の経路上のいずれかのリンクが不通になる故障パターンを想定し、第1の経路および第2の経路の予備経路である第3の経路を計算する。この第3の経路の計算も、トポロジ情報131に示されるノード間の接続関係や、各リンクのリンクコストの情報を参照して行う。
【0039】
パス情報作成部122は、パス通信部125(後記)がパス設定指示を行った経路の経路情報をパス情報132として記憶部13に記憶する。
【0040】
利用帯域取得部123は、網状態情報収集装置20からネットワーク内の各リンクを流れるトラヒック量(利用帯域)を取得する。そして、取得したトラヒック量(利用帯域)をもとに、利用帯域情報135を作成する。ここでの利用帯域の取得は、例えば、所定期間ごとに行う。
【0041】
リンク容量計算部124は、利用帯域情報135および動的パス情報133を参照して、故障パターンごとに、各リンクにおける第3の経路の利用帯域を計算し、リンクごとに第3の経路の利用帯域のうち最大値を選択する。次に、リンク容量計算部124は、利用帯域情報135に示される当該リンクの利用帯域(つまり、他のパスの第1の経路や第2の経路で利用されている帯域)に、選択した第3の経路の利用帯域を加算した帯域を、リンク設備量としてリンク容量情報134に記録する。例えば、リンク容量計算部124は、表1に示すように、リンクIDごとに、そのリンクのリンク設備量と、そのリンク設備量の内訳である、利用帯域および第3の経路の利用帯域(予備リソース量)とをリンク容量情報134に記録する。このようなリンク容量情報134を参照することで、ネットワークの管理者は、第3の経路を設定する経路計算を行う場合に、各リンクにどの程度の予備リソース量を用意すればよいかを把握することができる。
【0042】
【表5】

【0043】
パス通信部125は、経路計算部120により計算された第1の経路および第2の経路のパスの設定指示を、ネットワーク内の各ノードへ送信する。また、パス通信部125は、ネットワーク内の第1の経路または第2の経路上のリンク故障等、データ通信が不能になったことを検知したとき、動的パス情報133に示される、当該第1の経路または第2の経路に対する第3の経路の経路情報を読み出し、当該第3の経路の設定指示を行う。
【0044】
<処理手順>
次に、図4,5を用いて、経路制御装置10の処理手順を説明する。まず、図4を用いて、経路制御装置10のパスの設定指示の処理手順を説明する。
【0045】
図3の経路制御装置10の経路計算部120は、ネットワークの始点ノードと終点ノードの指示入力を受け付けると、トポロジ情報131を参照して、この始点ノードから終点ノードまでの間を接続する第1の経路と、第2の経路とを計算する(S1)。そして、パス通信部125は、この第1の経路および第2の経路のパスの設定指示を各ノードへ送信する(S2)。設定指示を行ったパスの経路情報は、パス情報作成部122がパス情報132に記録する。ここで、経路制御装置10が、この第1の経路または第2の経路の故障等、データ通信が不能になったこと(不通になったこと)を検知したとき(S3のYes)、パス通信部125は、予め動的パス情報133に記録しておいた、この不通となった経路に対する第3の経路の経路情報を読み出し、この第3の経路のパスの設定指示を行う(S4)。なお、S3において第1の経路の不通も、第2の経路の不通も検知しなければ(S3のNo)、S3へ戻る。
【0046】
次に、図5を用いて動的パス情報133およびリンク容量情報134の作成手順を説明する。
【0047】
経路制御装置10は、図3の網状態情報収集装置20から各リンクの利用帯域を取得すると(S11)、この利用帯域の情報を利用帯域情報135に記録する。
【0048】
そして、動的経路計算部121は、パス情報132に示されるすべての第1の経路および第2の経路の組み合わせについて、第1の経路または第2の経路上のいずれかのリンクが不通になる故障パターンを想定する。そして、その故障パターンごとに、第3の経路を計算する。動的経路計算部121は、この計算した第3の経路を示した動的パス情報133を作成する(S12)。
【0049】
リンク容量計算部124は、利用帯域情報135および動的パス情報133を参照して、故障パターンごとに、リンクそれぞれの利用帯域を計算する。そして、その計算した利用帯域のうち最大の利用帯域を当該リンクのリンク設備量として示したリンク容量情報134を作成する(S13)。そして、このリンク容量情報134を、記憶部13に記憶する。つまり、リンク容量計算部124は、動的パス情報133から、各パスの第3の経路で利用するリンクと、その利用帯域とを読み出す。そして、すべての故障パターンごとに、その故障パターンにおいて第3の経路が利用する帯域を計算し、各リンクにおいて最大となる帯域を選択する。次に、当該リンクの利用帯域(つまり、他のパスの第1の経路や第2の経路で利用されている帯域)に、選択した第3の経路の利用帯域を加算した帯域を、リンク設備量としてリンク容量情報134に記録する。
【0050】
例えば、図6(a)に示すように、故障発生前に、始点ノード1と終点ノード1との間を流れるトラヒック量10G(bps)のトラヒックと、始点ノード2と終点ノード2との間を流れるトラヒックと量5G(bps)のトラヒックがある場合を考える。このような場合に、故障パターンとして、図6(b)の故障1と、図6(c)の故障2とのパターンがあるとする。ここで図6(b)に示す故障1が発生した場合、始点ノード1と終点ノード1との間を流れるトラヒックの経路は、第3の経路である符号601に示す経路に変更される。一方、故障パターンとして、図6(c)に示すような故障2が発生した場合、始点ノード2と終点ノード2との間を流れるトラヒックの経路は、例えば、第3の経路である符号602に示す経路に変更される。このような2つの故障パターンを考えた場合のリンクXのリンク設備量は、以下のように計算される。すなわち、リンクXには、第3の経路である符号601に示すトラヒックまたは符号602に示すトラヒックが流れる。よって、このリンクXの第3の経路の利用帯域は、10G(bps)になるときと、5G(bps)になるときがある。すると、このリンクXの第3の経路の利用帯域は最大10G(bps)である。よって、この10G(bps)を、リンクXの利用帯域(第1の経路や第2の経路で利用される帯域)に加算した値をリンク設備量として、リンク容量情報134に記録する。リンク容量計算部124は、このような処理を、あらゆる故障パターンを想定して各リンクに実行し、リンク容量情報134を作成する。
【0051】
以上説明した経路制御装置10によれば、ネットワーク内に始点ノードから終点ノードまで、リンクを共有しないような2つの経路を設定する場合において、どちらか一方の経路上のリンクに障害が発生しても、新たな予備系経路(第3の経路)のパスを設定できる。つまり、ネットワークのパス(経路)の1+1の二重構成を保持できる。また、経路制御装置10は、第3の経路のパスを設定する場合を考慮して、リンク設備量を計算することができる。
【0052】
なお、前記した実施の形態において、経路制御装置10が、ネットワーク内のリンク故障を想定して経路計算を行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、経路制御装置10はネットワーク内のノード故障を想定して経路計算を行うようにしてもよい。この場合、経路制御装置10の経路計算部120は、非特許文献1に記載の方法を用いて同じノードを共用しない第1の経路と第2の経路を計算する。また、動的経路計算部121は、第1の経路または第2の経路上のいずれかのノードにデータ通信が不可能になる事態が発生する故障パターンを想定する。そして、(1)この経路の始点ノードと終点ノードとの間を接続し、(2)想定した故障パターンにおいて不通になったノードを経由せず、かつ、(3)不通にならなかった方の経路上のいずれのノードも経由しない第3の経路を計算すればよい。
【0053】
また、経路制御装置10は、図3に示すリソース配分部126を含んでいてもよい。このリソース配分部126は、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合の各リンクの最大利用可能帯域を決定する。例えば、リソース配分部126は、以下の(1)〜(3)のいずれかの方法により、各リンクの最大利用可能帯域を決定する。
(1)各リンクのうち、リンク容量情報134に示される第3の経路のパスが要求するリンク設備量の大きいリンクから優先的に、当該リンクのリンク設備量の帯域を割り当てる方法(降順選択法)。
(2)各リンクのうち、リンク容量情報134に示される第3の経路のパスが要求するリンク設備量の少ないリンクから優先的に、当該リンクのリンク設備量の帯域を割り当てる方法(昇順選択法)。
(3)動的パス情報133を参照して、各リンクの経由する第3の経路の収容数を計算し、各リンクのうち、この第3の経路の収容数が多いものから優先的に、リンク容量情報134に示される当該リンクのリンク設備量の帯域を割り当てる方法(収容フロー数降順選択法)。
【0054】
例えば、図7の(a)に示すトポロジのリンクID=1〜4のリンクにおいて新たな予備系パス(第3の経路のパス)が要求するリンク設備量がそれぞれ、(b)に示す値であり、また、第3の経路のパスの収容数が、(c)に示す値であった場合に、以下のようにして帯域の割り当てを行うリンクの優先順位を選択する。
【0055】
<(1)降順選択法>
リソース配分部126は、リンク容量情報134に示される当該リンクのリンク設備量の帯域を割り当てるとき、例えば、リンク設備量が大きい順に、図7(a)のリンクID「4」のリンク→リンクID「2」のリンク→リンクID「3」のリンク→リンクID「1」のリンクという優先順位で帯域を割り当てる。よって、リソース配分部126は、より利用帯域の大きいリンクから優先的に帯域を割り当てることができる。
【0056】
<(2)昇順選択法>
リソース配分部126は、リンク容量情報134に示される当該リンクのリンク設備量の帯域を割り当てるとき、例えば、リンク設備量が小さいものから優先的に、図7(a)のリンクID「1」のリンク→リンクID「3」のリンク→リンクID「2」のリンク→リンクID「4」のリンクという順で帯域を割り当てる。よって、リソース配分部126は、より多くのリンクに対し帯域を割り当てることができる。
【0057】
<(3)収容フロー数降順選択法>
リソース配分部126は、リンク容量情報134に示される当該リンクのリンク設備量の帯域を割り当てるとき、例えば、各リンクのうち、第3の経路の収容数が多いものから優先的に、図7(a)のリンクID「3」のリンク→リンクID「4」のリンク→リンクID「1」のリンク→リンクID「2」のリンクという順で帯域を割り当てる。よって、リソース配分部126は、より多くのリンクに対し帯域を割り当てることができる。
【0058】
リソース配分部126は、このようにして、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域を各リンクに割り当てると、その帯域を当該リンクの最大利用可能帯域として記憶部13に記憶する。
【0059】
また、(1)〜(3)の選択方法それぞれにおいて、(a)1つのリンクに、リンク容量情報134に記憶された当該リンクのリンク設備量の帯域を割り当ててから、次の順番のリンクへの帯域の割り当てを行ってもよいし、(b)(1)〜(3)の選択方法で選択した順に従って、ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域を比例配分してもよい。例えば、(1)降順選択法において(a)を用いる場合を考える。この場合、割り当て可能な帯域が、トータルで10G(bps)であるとすると、リソース配分部126は、図7(a)のリンクID「1」のリンクに、10G(bps)を割り当て、リンクID「2」のリンクに0G(bps)を割り当てる。一方、(1)降順選択法において(b)を用いる場合、リソース配分部126は、図7(a)のリンクID「1」のリンクに6.6G(bps)を割り当て、リンクID「2」のリンクに3.3G(bps)を割り当てる。
【0060】
このようにすることで、経路制御装置10は、ネットワークの管理者の所望するポリシーに従って、各リンクへの帯域の割り当てを行うことができる。
【0061】
なお、前記した実施の形態において、故障発生時の経路の切り替えは、経路制御装置10で行うものとして説明したが、これに限定されない。例えば、ネットワーク内の各ノードに図3の経路制御装置10の構成を実装し、ノード自身がリンクまたはノードの故障を検知したとき、第3の経路を計算し、その第3の経路へパスを切り替えるようにしてもよい。
【0062】
また、前記した実施の形態において、経路制御装置10は、予め動的経路計算部121が、第3の経路を計算しておく場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、経路制御装置10の動的経路計算部121は、ノードまたはリンクの故障等、データが不通になったことを検知したとき、これをトリガとして、第3の経路を計算し、この第3の経路の設定を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 経路制御装置
11 入出力部
12 処理部
13 記憶部
14 通信部
20 網状態情報収集装置
120 経路計算部
121 動的経路計算部
122 パス情報作成部
123 利用帯域取得部
124 リンク容量計算部
125 パス通信部
126 リソース配分部
131 トポロジ情報
132 パス情報
133 動的パス情報
134 リンク容量情報
135 利用帯域情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークの始点ノードと終点ノードとを接続する現用系経路および予備系経路を計算する経路制御装置であって、
前記ネットワークを構成するノード、前記ノードを接続するリンク、および前記リンクそれぞれのリンクコストを示すトポロジ情報を記憶する記憶部と、
前記トポロジ情報を参照して、前記ネットワークの始点ノードから終点ノードまでの間を接続する前記現用系経路である第1の経路と、前記始点ノードと終点ノードとの間を接続し、前記第1の経路上のいずれのリンクも経由しない前記予備系経路である第2の経路とを計算する経路計算部と、
前記計算した第1の経路および第2の経路の経路情報を示したパス情報を作成し、前記記憶部に記憶するパス情報作成部と、
前記パス情報の前記第1の経路または第2の経路上のいずれかのリンクが不通になる故障パターンを想定し、前記始点ノードと終点ノードとの間を接続し、かつ、前記想定した故障パターンにおいて前記不通になったリンクも、前記不通にならなかった経路のリンクも経由しない第3の経路を、前記トポロジ情報を参照して計算し、前記計算した第3の経路の経路情報を示した動的パス情報を作成し、前記記憶部に記憶する動的経路計算部と、
前記ネットワーク経由で、前記リンクごとの利用帯域を取得し、前記取得したリンクごとの利用帯域を利用帯域情報として前記記憶部に記憶する利用帯域取得部と、
前記利用帯域情報および前記動的パス情報を参照して、前記故障パターンごとに、当該故障パターンにおける前記リンクそれぞれの第3の経路の利用帯域を計算し、当該リンクの第3の経路の利用帯域のうち、最大となる帯域を選択し、前記利用帯域情報に示される当該リンクの利用帯域に、前記選択した第3の経路の利用帯域を加算した帯域を、当該リンクのリンク設備量として示したリンク容量情報を作成し、前記記憶部に記憶するリンク容量計算部と、
前記リンク容量情報を出力する出力部とを備えることを特徴とする経路制御装置。
【請求項2】
前記経路計算部は、前記トポロジ情報を参照して、前記ネットワークの始点ノードから終点ノードまでの間を接続する前記現用系経路である第1の経路と、前記始点ノードと終点ノードとの間を接続し、前記第1の経路上のいずれのノードも経由しない前記予備系経路である第2の経路とを計算し、
前記動的経路計算部は、前記パス情報の前記第1の経路または第2の経路上のいずれかのノードにおけるデータ転送ができなくなる故障パターンを想定し、前記経路の始点ノードと終点ノードとの間を接続し、前記想定した故障パターンにおいて前記データ転送ができなくなったノードも、前記データ転送ができる経路のノードも経由しない第3の経路を計算し、前記計算した第3の経路を動的パス情報に記憶することを特徴とする請求項1に記載の経路制御装置。
【請求項3】
前記ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合、
前記リンクそれぞれの最大利用可能帯域として、前記リンク容量情報に示されるリンクそれぞれのリンク設備量を参照して、前記計算した第3の経路それぞれについて、前記第3の経路の経由するリンクのうち、前記リンク設備量の大きいリンクから優先的に、前記各リンクに割り当て可能な帯域の範囲内で、前記リンク設備量に示される帯域を割り当て、前記割り当てた各リンクの最大利用可能帯域を前記記憶部に記憶するリソース配分部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路制御装置。
【請求項4】
前記ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合、
前記リンクそれぞれの最大利用可能帯域として、前記リンク容量情報に示されるリンクそれぞれのリンク設備量を参照して、前記計算した第3の経路それぞれについて、前記第3の経路の経由するリンクのうち、前記リンク設備量の小さいリンクから優先的に、前記各リンクに割り当て可能な帯域の範囲内で、前記リンク設備量に示される帯域を割り当て、前記割り当てた各リンクの最大利用可能帯域を前記記憶部に記憶するリソース配分部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路制御装置。
【請求項5】
前記ネットワーク全体で各リンクに割り当て可能な帯域が限られている場合、
前記リンクそれぞれの最大利用可能帯域として、前記リンク容量情報に示されるリンクそれぞれのリンク設備量および動的パス情報を参照して、前記リンクのうち前記第3の経路の収容数が多いものから優先的に、前記各リンクに割り当て可能な帯域の範囲内で、前記リンク設備量に示される帯域を割り当て、前記割り当てた各リンクの最大利用可能帯域を前記記憶部に記憶するリソース配分部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の経路制御装置と、前記経路制御装置からのパス設定指示に基づき、他のノードとの間にパスを設定するノードとを備える通信システム。
【請求項7】
ネットワークの始点ノードと終点ノードとを接続する現用系経路および予備系経路を計算する経路制御装置が、
前記ネットワークを構成するノード、前記ノードを接続するリンク、および前記リンクそれぞれのリンクコストを示すトポロジ情報を参照して、前記ネットワークの始点ノードから終点ノードまでの間を接続する前記現用系経路である第1の経路と、前記始点ノードと終点ノードとの間を接続し、前記第1の経路上のいずれのリンクも経由しない前記予備系経路である第2の経路とを計算するステップと、
前記計算した第1の経路および第2の経路の経路情報を示したパス情報を作成し、記憶部に記憶するステップと、
前記パス情報の前記第1の経路または第2の経路上のいずれかのリンクが不通になる故障パターンを想定し、前記始点ノードと終点ノードとの間を接続し、かつ、前記想定した故障パターンにおいて前記不通になったリンクも、前記不通にならなかった経路のリンクも経由しない第3の経路を、前記トポロジ情報を参照して計算し、前記計算した第3の経路の経路情報を示した動的パス情報を作成し、前記記憶部に記憶するステップと、
前記ネットワーク経由で、前記リンクごとの利用帯域を取得し、前記取得したリンクごとの利用帯域を利用帯域情報として前記記憶部に記憶するステップと、
前記利用帯域情報および前記動的パス情報を参照して、前記故障パターンごとに、前記リンクそれぞれの第3の経路の利用帯域を計算し、当該リンクの第3の経路の利用帯域のうち、最大となる帯域を選択し、前記利用帯域情報に示される当該リンクの利用帯域に、前記選択した第3の経路の利用帯域を加算した帯域を、当該リンクのリンク設備量として示したリンク容量情報を作成し、前記記憶部に記憶するステップと、
前記リンク容量情報を出力するステップとを実行する経路計算方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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