説明

結合基材及び基材を結合させるための方法

基材の表面を加熱し、基材の互いの溶融結合を促進して、積層体を形成するために、基材の表面上に加熱流体を衝突させるための装置及び方法が、本明細書に開示される。また、繊維ウェブが、表面結合様式で、基材に結合される、かつ/又はロフト保持様式で、結合される、積層体も開示される。本基材は、繊維ウェブに結合される表面の反対側の基材の表面上に突出部を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例えば、不織布ウェブを備える基材を含む、基材を共に結合させる工程で、しばしば熱が採用される。そのような加熱は、例えば、放射加熱、超音波震動、基材を加熱表面と接触させること等によって行われ得る。そのような加熱プロセスではしばしば、加熱が、結合される側とは反対の基材の側から基材上に向けられ、基材の厚み全体の加熱をもたらす。そのような結合ではしばしば、基材の一方又は両方の構造が、著しく変化され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
基材の表面を加熱し、基材の互いの溶融結合を促進して、積層体を形成するために、基材の表面上に加熱流体を衝突させるための装置及び方法が、本明細書で開示される。また、繊維ウェブが、表面結合された様式で、基材に結合される、及び/又はロフトを保持する様式で、結合される、積層体も開示される。本基材は、繊維ウェブに結合される表面の反対側の基材の表面上に突出部を備えることができる。
【0003】
一態様において、第1及び第2の反対側に面する主表面を有する繊維ウェブと、第1及び第2の反対側に面する主表面を有する基材と、を備え、繊維ウェブの第1の主表面が、基材の第1の主表面に表面結合される、表面結合積層体が、本明細書に開示される。
【0004】
別の態様において、第1及び第2の反対側に面する主表面を有する不織布繊維ウェブと、第1及び第2の反対側に面する主表面を有する予備成形された基材と、を備え、繊維ウェブと予備成形された基材との間の結合が、ロフト保持結合であるように、不織布繊維ウェブの第1の主表面が、予備成形された基材の第1の主表面に溶融結合される、溶融結合積層体が、本明細書に開示される。
【0005】
別の態様において、少なくとも1つの基材に少なくとも1つの繊維ウェブを結合させる方法が、本明細書に開示され、本方法には、移動繊維ウェブの第1の主表面上に加熱流体を衝突させることと、移動基材の第1の主表面上に加熱流体を衝突させることと、繊維ウェブの第1の主表面を基材の第1の主表面と接触させて、繊維ウェブの第1の主表面を基材の第1の主表面に溶融結合させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ロフト保持結合させた例示的な基材に表面結合させた例示的な繊維ウェブを含む例示的な積層体の側面図。
【図2】繊維部分を基材に表面結合させた繊維ウェブを備える積層体の一部分の、部分的断面図の概略側面図での、例示的な描写。
【図3】繊維部分を基材に埋め込まれた繊維ウェブを備える積層体の一部分の、部分的断面図の概略図側面での、例示的な描写。
【図4】繊維部分を基材に融合させた繊維ウェブを備える積層体の部分的断面図の概略図側面での、例示的な描写。
【図5】基材に表面結合させた不織布繊維ウェブを備える例示的な積層体の、130倍で撮影した走査型電子顕微鏡写真。
【図6】基材に表面結合させた不織布繊維ウェブを備える例示的な積層体の、180倍で撮影した走査型電子顕微鏡写真。
【図7】例示的な繊維ウェブに結合させた2つの例示的な基材の平面図。
【図8】第1の基材を第2の基材に結合させるのに使用することができる例示的な装置及びプロセスの側面図。
【図9】図8の例示的な装置及びプロセスの一部分の部分的破断図の拡大側面図。
【図10a】基材上に加熱流体を衝突させ、衝突された流体を局所的に除去するのに使用することができる例示的な装置及びプロセスの一部の断面図。
【図10b】図10aの例示的な装置及びプロセスを操作することができる更なる方法を示す。
【図10c】図10aの例示的な装置及びプロセスを操作することができる更なる方法を示す。
【図11】2つの基材上に加熱流体を衝突させ、衝突させた流体を局所的に除去し、2つの基材を共に結合させるのに使用することができる例示的な装置及びプロセスの一部分の部分的破断図の側面図。
【図12】基材上に加熱流体を衝突させ、衝突させた流体を局所的に除去するのに使用することができる別の例示的な装置及びプロセスの一部分の断面概略図。
【0007】
様々な図面における類似参照番号は類似要素を表す。幾つかの要素は、同様又は同一の複数で存在する場合があり、そのような場合、これらの要素が同じ参照番号を含み、説明の都合上、要素のうちの1つ以上がダッシュ記号(’)によって指定される場合がある。特に指定されない限り、本文献におけるすべての図面及び図は、一定の縮尺ではなく、本発明の異なる実施形態を例示する目的で選択される。特に、様々な構成要素の寸法は、指示のない限り、例示的な用語としてのみ記述され、様々な構成要素の寸法間の関係は、図面から推測されるべきではない。本開示において、「上部」、「下部」、「上流側」、「下流側」、「下」、「上」、「前」、「後ろ」、「外」、「内」、「上へ」及び「下へ」、並びに「第1の」及び「第2の」等の用語が使用され得るが、これらの用語は、特に断りのない限り、それらの相対的な意味においてのみ使用されることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示されるのは、基材120に結合される繊維ウェブ110を含む例示的な積層体150の側面斜視図である。繊維ウェブ110は、繊維111からなり、第1の主表面112及び第2の、反対側に面する主表面113を備える。(当業者は、ウェブ110の表面112及び113が、ウェブ110のある種の繊維111の最外側部分によって集合的に画定されるため、それらが完全に平面的及び/又は連続した物理的表面ではあり得ないことを理解されよう)。積層体150は、第1の主表面121及び第2の反対側に面する主表面122を含む、基材120を更に備える。基材120は、任意に、主表面122から突出する突出部123を備えてもよい。
【0009】
例証した実施形態において、繊維ウェブ110が、基材120に表面結合される(具体的には、繊維ウェブ110の第1の主表面112が、基材120の第1の主表面121に表面結合される)。これは、繊維ウェブ110が、基材120の第1の主表面121に表面結合されるウェブ110の表面112の幾つかの繊維111によって、基材120に付着されることを意味する。図2において例証的に示されるように、繊維111が基材120の第1の主表面121に表面結合するという表記は、繊維111の繊維部分114の繊維表面115の一部が、基材120の第1の主表面121の元の(結合前の)形状を実質的に保持し、露出状態で、表面結合領域において、基材120の第1の主表面121の少なくとも幾つかの部分を維持するような様式で、基材120の第1の主表面121に溶融結合することを意味する。
【0010】
表面結合が、第1の主表面121の元の形状を実質的に保持するという必要条件は、表面結合繊維が、基材への繊維の少なくとも貫通、基材の変形等によって、(図3に例証的に示されるように)基材内に埋め込まれる(例えば、部分的又は完全に封入される)繊維部分をもたらすような方法において、基材に結合される繊維とは区別することができることを意味する。定量的に、表面結合繊維は、(1つを超える角度からの検査は、繊維の表面領域全体を可視化することが必要であり得るが)繊維の結合部分において、基材の表面上に視認可能な、少なくとも約65%の表面結合繊維の表面領域によって埋め込まれた繊維116とは区別することができる。基材120の元の(結合前の)形状の実質的な保持はまた、第1の主表面121の物理的形状のいかなる肉眼的変化の不在によっても呈され得る(例えば、ウェブ110の格子スペースへの基材120の部分のしわ、座屈、貫通等)。
【0011】
表面結合が、露出状態で、第1の主表面121の少なくとも幾つかの部分を実質的に保持する必要条件は、表面結合繊維が、連続結合を形成するために、十分に溶融、硬化、圧縮、混蔵される繊維をもたらすような様式で、基材に結合される繊維とは区別することができることを意味する。連続結合とは、基材120の第1の主表面121に直接隣接した繊維が、第1の主表面121上に、及びそれに接触して、材料の連続層を形成するために、十分に混合させる及び/又は硬化させることを意味する(例えば、個々の繊維としてそれらの独自性を部分的又は完全に消失するために、一緒に溶融させる)。(当業者は、「連続」層内の偶発的な間隙等の可能性を認識し、この文脈において、連続という用語が、結合領域において、連続的な硬化繊維層が、基材120の第1の主表面121の少なくとも約95%の領域上に、及びそれに接触することを意味するように解釈することができることを理解されよう)。したがって、表面結合繊維は、基材120の第1の主表面121が、繊維ウェブ110の第1の主表面112を作製する表面結合繊維間で視認可能な多数の露出領域の存在によって、連続結合で結合された繊維とは区別することができる。
【0012】
基材に表面結合させた例示的な不織布繊維ウェブの走査型電子顕微鏡写真(それぞれ、130倍及び180倍の倍率での)が、図5及び6に示される。これらの顕微鏡写真において、上に記載の基材の表面への繊維部分の表面結合は、結合した繊維部分又は基材への最小の変形又は損傷で、そして表面結合繊維の間で視認可能な基材の表面の多数の露出領域で、容易に明らかである。
【0013】
本明細書で定義されるように、表面結合するという用語は、ウェブが、主として上に記載の表面結合繊維部分によって、基材に溶融結合されることを意味し、更に、そのような表面結合の不在下では、繊維ウェブ及び基材が、一緒に結合されたままの状態ではないことを意味する。当業者は、このように使用される表面結合するという用語が、繊維ウェブと基材との間の一次結合が、表面結合した繊維部分がウェブの結合領域内で、時折見出されるのみの、幾つかの他の溶融結合機構による(例えば、基材に繊維を埋め込むこと等による)ものである状態を包含しないことを認識されよう。したがって、当業者は、本明細書に記載の表面結合が、例えば、超音波結合、圧縮結合(例えば、相対的に高圧で、加熱ニップに基材を通過させることによって達成されるような)、押出積層等によって、一般に達成されるような溶融結合を包含しないことを理解されよう。そのようなプロセスは、結合の形成において、繊維部分及び/又は基材の大規模な変形及び/又は物理的変化をもたらすことは公知である。当業者は、更に、溶融、半溶融、軟化等の状態(まだ冷却していない、例えば、固体状態の押出材料等)にある基材に結合される繊維ウェブが、更に、そのような高温で、及び/又は更に、かなり変形可能である基材への結合が、繊維を埋め込ませる場合があり、連続結合の形成を引き起こす場合、又はその両方のため、表面結合を含むことができないことを更に理解されよう。
【0014】
当業者は、埋め込まれた繊維部分、小規模な擬似連続結合領域等が、時折、本明細書に記載の基材に表面結合されているウェブにおいて、発生し得るとはいえ、そのような特徴は、結合プロセスにおいて、そのような特徴の特有の散発的発生のみ示し得ることを更に認識されよう。上記のように、表面結合されると言う用語は、そのような埋め込まれた繊維部分及び/又は擬似連続結合繊維領域が、小範囲まで存在し得るとはいえ、繊維部分と基材との間の結合の大部分は、表面結合であるため、そのような表面結合がない場合は、埋め込まれた繊維及び/又は擬似連続結合領域による任意の偶然的結合は、非常に弱く、繊維ウェブ及び基材が、共に結合されたままではない。
【0015】
当業者は、本明細書に記載の基材への繊維部分の表面結合が、基材内で埋め込まれた繊維又は基材に連続結合する繊維によって得られた結合よりも弱い個々の結合をもたらし得るとはいえ、本明細書に記載の表面結合は、それもなお、十分に大きな領域又は複数の領域上で行われる場合、繊維ウェブと基材との間で許容される結合を提供することができることをなお更に認識されよう。つまり、表面結合は、しばしば超音波結合等によって達成される小さな領域の結合(しばしば、点結合と呼ばれる)とは対照的に、大きな領域又は複数の領域(本明細書では、「領域結合」と称される)上で有利に行うことができる。そのような領域結合は、集合的に、多数の表面結合した繊維部分(結合領域上に無作為及び/又は均一に存在し得る)は、様々な最終用途において、処理され、満足に実行するように、積層体150に対して十分な結合強度を提供することができることを意味する。様々な実施形態において、繊維ウェブ110と基材120との間のそのような表面結合領域は、それぞれ、少なくとも約100平方mm、少なくとも約400平方mm、又は少なくとも1000平方mmの領域を含み得る。当業者は、したがって、再度、そのような領域結合を、他の溶融結合プロセスに、しばしば、採用される局所又は点結合と容易に区別することができよう。
【0016】
本明細書に開示の方法によって、少なくとも表面結合は、繊維ウェブと基材との間のオーバーラップ又は接触の面積の大部分にわたって容易に行うことができる。具体的には、繊維ウェブ110及び基材120は、オーバーラップ領域(例えば、ウェブ110の第1の表面112及び基材120の第1の表面121が、互いに面する及び/又は互いに接触する)を備えることができる。このオーバーラップ領域のうち、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は実質的にすべてが、表面結合領域を含むことができる。
【0017】
本明細書に開示の表面結合は、他の溶融結合方法を優る利点を提供することができる。具体的には、結合領域内で、表面結合は、基材120のあらゆる変形を最小限に抑え、基材120内に埋め込まれる、及び/又は基材120に継続的に結合される繊維111の数を最小限に抑えることができる。したがって、積層体150は、結合領域内でさえ、かなりの可撓性を保持することができる。
【0018】
本明細書に開示の表面結合は、基材120及び繊維ウェブ110が、基材120及び繊維ウェブ110のうちの1つ又はその両方を全く、又は著しく損傷することなく、互いに分離できない程度まで実行することができる。
【0019】
幾つかの実施形態において、表面結合繊維は、概して、又は実質的に、それらの元の(結合前の)形状を保持することができる。そのような実施形態において、形状保持表面結合繊維は、図4において例証的に示されるように、基材に融合させる繊維部分によって、基材に結合される繊維とは区別され得る(融合するという用語が、結合プロセスにおいて、繊維部分が、その元の結合前の物理的及び形状から実質的に変形する、例えば、繊維部分が、実質的に平板化することを意味する)。定量的に、形状保持表面結合繊維は、(多数の代表的な繊維に基づいた平均によって得られるように)約2.5:1以下の繊維の結合部分におけるアスペクト比(即ち、繊維の最大断面寸法と最小断面寸法との比)を示すために、横断面に十分に円形を保持する表面結合繊維によって融合した繊維117とは区別され得る。様々な実施形態において、繊維は、約2:1以下、又は約1.5:1以下のアスペクト比を含むことができる。当業者は、形状保持表面結合繊維の特定のこの方法は、当初作製された、略円形の断面形状の繊維にのみ適し得、他の形状の繊維が使用される場合、決定を下すために、結合作業後の形状と、当初作製された繊維の断面形状を比較することが必要であり得ることを認識されよう。また、当業者は、幾つかの形状保持表面結合繊維の何らかの部分の断面形状の何らかの変形が、繊維が高温状態である間に繊維の一部分と接触する他の繊維の存在により、時々生じる場合があることを認識されよう(幾つかのそのような発生が、図6で視認可能である)。このため、変形を示す形状保持表面結合繊維は、融合した繊維と同等として扱われるべきではない。
【0020】
図1の例証した実施形態において、繊維ウェブ110は、ロフト保持結合によって、基材120に結合される。これによって、繊維ウェブ110は、繊維ウェブ110が、結合プロセス前に繊維ウェブ110によって示されるかなりの量のロフトを保持するように、基材120に溶融結合される。ロフトは、繊維ウェブに関する専門用語であり、繊維ウェブ内での、一定の開口度、圧縮の欠如、間質腔の存在等である。そのようにして、ロフトの任意の一般的な測定が使用され得る。便宜上、本明細書では、繊維ウェブのロフトは、ウェブによって占有される全体積(繊維、並びに、繊維によって占有されないウェブの間質腔を含む)と繊維の材料のみによって占有される体積との比によって表されよう。この測定を用いて、本明細書に記載のロフト保持結合は、結合した繊維ウェブ110が、結合プロセス前、又は結合プロセスがない場合に、ウェブによって示されるロフトの少なくとも80%のロフトを備えるものとして定義される。繊維ウェブ110の一部分のみが、それに結合した基材120を有するとしても、保持されたロフトは、結合領域内のウェブのロフトを非結合領域内のウェブのロフトと比較することによって、容易に確認され得る。繊維ウェブ110の全体が、それに結合した基材120を有する場合(又は非結合領域内のウェブがまた、結合プロセス中、圧縮も行う場合)、結合される前に、結合したウェブのロフトを同じウェブのロフトと比較することが必要であり得る。様々な実施形態において、積層体150は、ロフトを保持する結合を含むため、繊維ウェブ110は、その結合される前のロフトの、少なくとも90%、少なくとも95%、又は実質的にすべてを含む。
【0021】
当業者は、幾つかの実施形態において、積層体150が、本明細書に記載の表面結合した積層体を含み得ない(例えば、繊維ウェブ110の第1の主表面112を含むかなりの数の繊維111が、基材120内に埋め込まれる、及び/又は基材120に連続結合され得る)が、そのような場合、繊維ウェブ110は、それでもなお、ロフト保持結合において、基材120に結合し得ることを認識されよう。
【0022】
本明細書に開示のロフト保持結合は、他の溶融結合方法に優る利点を提供することができる。具体的には、結合領域内で、ロフト保持結合は、ウェブ110の第1の主表面112上にない、及び/又は基材120に溶融結合されない、繊維ウェブ110の繊維を残し得る。したがって、繊維ウェブ110は、結合領域内でさえ、非常に高い弾力性及び/又は可撓性を保持し得る(そのような場合には、繊維ウェブ110は、雄型締結要素によって更に容易に係合可能であり得、更に満足のいく触感及び/又は外観等を示し得る)。対照的に、他の結合方法は、結合領域内の繊維の大部分又はすべては、ロフト及び可撓性等の所望の特性が失われて、不都合なほどに、破砕又は稠密化し得、及び/又はそれらを基材に溶融結合し得る。したがって、当業者は、本明細書に記載のロフトを保持する結合は、そのようなプロセスが、結合ウェブの著しい破砕及び/又は硬化をもたらす時、例えば、超音波結合、圧縮結合(例えば、相対的に高圧で、加熱ニップに基材を通過させることによって達成されるような)、押出積層等によって、一般に達成されるような溶融結合を包含しないことを理解されよう。
【0023】
当業者は、他の結合方法、例えば、補助点結合は、例えば、全体の結合を増強させることが望ましい場合、本明細書に記載の表面結合及び/又はロフトを保持する結合に加えて、積層体のある位置に使用され得る。
【0024】
本明細書に示される方法(例えば、2つの合流する基材の表面上に加熱流体を衝突させる、又は衝突させた加熱流体の局所的除去を伴う2つの合流する基材の表面上に加熱流体を衝突させる)が、表面結合積層体、ロフト保持結合積層体、又はその両方の製造に特に適している場合がある一方、当業者は、本明細書の開示に基づいて、他の方法も適している場合があることを理解されよう。そのような方法は、2つの基材の第1の表面が、本明細書に記載の構造を達成するために共に溶融結合され得るように、加熱が、2つの基材の第1の表面に付与され得るいずれのプロセスを含んでもよい。
【0025】
基材120は、繊維ウェブ110を表面結合させるのに望ましい任意の基材であり得る。基材120は、任意の好適な熱可塑性高分子材料(例えば、溶融結合可能な材料)から作製され得る。そのような材料は、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、及び様々な他の材料を含み得る。好適なポリオレフィンの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、これらの材料のコポリマー及びブレンドを含む。基材は、当該技術分野において周知のように、そのような添加物が、溶融結合される基材の能力を容認し難いほど軽減しない限り、様々な添加物等を含むことができる。基材120は、第1の主表面121が、繊維ウェブ110の少なくとも幾つかの繊維に溶融結合されことができる限り、多層、例えば、共押出多層フィルムであってもよい。
【0026】
幾つかの実施形態において、基材120は、予備成形された基材を含んでもよく、これは、基材120が、物理的特性が略完全に展開されている既存の予め成形されたフィルムであることを意味する。これは、基材が作製(例えば、押出)され、依然として略溶融、半溶融、軟らかい等の状態で、一般的に直接本明細書に記載の結合プロセスに取り入れられる場合と、対比されるべきである。
【0027】
基材120は、任意の所望の厚さであってもよい。様々な実施形態において、基材120の厚さ(突出部の高さを含まない)は、約400マイクロメートル未満、約200マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、又は約50マイクロメートル未満であってもよい。幾つかの実施形態において、基材120は、例えば、ウェブの主表面上のコーティングの形態で、いかなる接着剤(即ち、熱溶解性接着剤、感圧性接着剤等)も含まない。
【0028】
幾つかの実施形態において、基材120は、連続的な、即ち、いかなる直通貫通穴がないものであってもよい。他の実施形態において、基材120は、不連続的な、例えば、直接貫通穿孔等を含むものであってもよい。幾つかの実施形態において、基材120は、高密度無孔材料からなり得る。幾つかの実施形態において、基材120は、多孔質材料からなり得る。特定の実施形態において、基材120は、繊維ウェブ、例えば、不織布繊維ウェブを含んでもよい。
【0029】
幾つかの実施形態において、基材120の第1の主表面121及び第2の、反対側に面する主表面122は、突出部がなくてもよい。他の実施形態において、任意の突出部123は、図1の例示的な設計に示されるように、基材120の第2の主表面122から突出してもよい。(この特定の設計において、突出部123は、結合される側面から基材120の反対側にある)。突出部123は、任意の所望の種類、形状、又は設計のものであり、任意の好適な目的に望ましいように、基材120の1領域あたり任意の所望の密度で示され得る。突出部123は、基材120と一体であり得る(つまり、同じ組成物からなる、そして、1単位として同時に形成される)。
【0030】
様々な実施形態において、突出部123は、最大で約3mm、約1.5mm、約0.8mm、又は約0.4mmの最大高さ(表面122を超える)を含んでもよい。更なる実施形態において、突出部123は、少なくとも約0.05mm、約0.1mm、又は約0.2mmの最小高さを含んでもよい。様々な実施形態において、突出部123は、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、又は少なくとも約4:1のアスペクト比(突出部高さと突出部最大幅との比)を含んでもよい。
【0031】
幾つかの実施形態において、突出部123は、雄型締結要素、例えば、繊維状材料と係合することができる種類の、そして、いわゆるフック・ループ式締結システムのフック構成要素としての機能を果たすことができる、フックを含む。任意のそのような雄型締結要素を使用することができる。特定の実施形態において、米国特許第6,558,602号、同第5,077,870号、及び同第4,894,060号に記載の一般的な種類の、(例えば、略キノコ型、扁平なディスク等であり得る)茎部及び相対的に大きな頭部をそれぞれ含む締結要素が使用されてもよい。雄型締結要素を含む突出部を有する好適な基材は、例えば、CS200及びCS 600の商品名で3M Company,St.Paul,MNから市販されているこれらの製品を含む。他の好適な基材は、例えば、米国特許第7,067,185号及び同第7,048,984号に記載されるものを含む。
【0032】
本明細書に記載の結合は、結合領域において、突出部を著しく損傷する(例えば、変形、破砕、平坦化する等)ことなく、結合が行われることができるため、突出部123(特に、雄型締結要素)を含む基材120に対する繊維ウェブ110の溶融結合において、特に利点があり得る。したがって、幾つかの実施形態において、本明細書に記載の結合プロセスは、積層体150の基材120が、著しく損傷していない突出部123を含むように行われる。著しく損傷されないとは、目視検査時に(例えば、個々の突出部の詳細を明らかにするのに十分強力な顕微鏡を用いて)、10個の突出部ごとにおける1個以下の突出部は、結合プロセスを行わない突出部と比較した場合、変形、破砕、溶融等の任意の損傷を示す。更なる実施形態において、20個のうちの1個未満の突出部が、損傷を示す。更なる実施形態において、突出部の実質的にすべては、損傷がない。基材の突出部が、雄型締結要素である特定の場合に関しては、突出部への著しい損傷の不在はまた、基材の保持した剥離性能を呈し得る。例えば、任意の好適なループ構成要素と嵌合され、フック・ループ式締結システムの構成要素の性能を定量的に特徴付けるために公知の剥離試験のいずれかに供される場合、基材は、本明細書に記載の結合プロセスに供された後、当初作製された基材の剥離性能の少なくとも約80パーセントを保持し得る。様々な実施形態において、基材の剥離性能は、当初作製された基材の剥離性能の、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%を保持し得る。当業者は、多くの結合プロセスが、結合を達成するプロセスにおいて、すべての突出部を著しく、又は完全に破砕することを認識し、ひいては、本明細書に開示の結合方法及び結合された積層体と、当該技術分野におけるものの間での基本的な相違を認識されよう。
【0033】
繊維ウェブ110は、自己支持型ウェブとして取り扱われ、かつ本明細書に記載の結合プロセスに供されるのに十分な機械的な強度を有する任意の好適な繊維ウェブであり得る。そのようなものとして、本明細書に記載の積層体150は、基材に積層される既存の自己支持型繊維ウェブを含まないことを理解されよう(そのような非包括的な物品は、例えば、スクリム等に蒸着されるメルトブロウン繊維を含み得る)。
【0034】
幾つかの実施形態において、繊維ウェブ110は、機織、編み物、縫製等により達成されるような、織り合わせた繊維を含み得る。そのようなものとして、繊維ウェブ110は、繊維を含む材料が、本明細書に記載の結合に適している限り、好適な布地又は繊維製品からなり得る。したがって、ウェブ110が、不織布繊維ウェブとして、例証の都合上、本明細書に時折言及され得るが、ウェブ110が、任意の好適な繊維材料を含み得ることを理解されよう。
【0035】
幾つかの実施形態において、繊維ウェブ110は、不織布繊維ウェブを含む。任意の好適な自己支持型不織布繊維ウェブ110が、本明細書に記載の結合が行われ得る限り、使用され、要望通りに任意の材料から作製され得る。不織布繊維ウェブ110は、例えば、カードウェブ、スパンボンドウェブ、スパンレースウェブ、エアレイドウェブ、又はメルトブロウンウェブであり得る(即ち、そのようなウェブが、それを自己支持する状態にするために十分な処理を行う限り)。不織布繊維ウェブ110は、例えば、メルトブロウンウェブの少なくとも1つの層及びスパンボンドウェブの少なくとも1つの層、又は不織布ウェブの任意の他の好適な組み合わせを伴う、多層であってもよい。例えば、不織布繊維ウェブ110は、スパンボンド−メルトボンド−スパンボンド、スパンボンド−スパンボンド、又はスパンボンド−スパンボンド−スパンボンドの多層材料であってもよい。又は、ウェブは、高密度膜の裏材に弓形に突出するループに結合された不織布繊維を含み、Extrusion Bonded Loopの商品名で3M Company,St.Paul,MNから市販されているウェブによって例示されるような、不織布層及び高密度膜層を含む複合ウェブであってもよい。
【0036】
繊維ウェブ110は、任意の好適な熱可塑性高分子材料(例えば、溶融結合可能な材料)から作製され得る。そのような材料は、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、及び様々な他の材料を含み得る。好適なポリオレフィンの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、これらの材料のコポリマー及びブレンドを含む。当業者は、繊維ウェブ110の組成物が、基材120への溶融結合を増強させるために有利に選択され得ることを理解されよう。例えば、基材の少なくとも主表面121及び少なくとも繊維ウェブの繊維の幾つかは、例えば、ポリプロピレンから実質的に構成され得る。
【0037】
繊維ウェブ110は、必要に応じて、特定用途のために、任意の好適な坪量を有し得る。好適な坪量は、例えば、平方メートルあたり少なくとも約20、30、又は40グラムから平方メートルあたり最大で約400、100、又は100グラムの範囲に及び得る。繊維ウェブ110は、本明細書に前述されるような、任意の好適なロフトを含み得る。繊維ウェブ110は、任意の好適な厚さを含み得る。様々な実施形態において、繊維ウェブ110は、最大で約5mm、約2mm、又は約1mmの厚さであってもよい。更なる実施形態において、繊維ウェブ110は、少なくとも約0.1、約0.2、又は約0.5mmの厚さであってもよい。
【0038】
幾つかの実施形態において、繊維ウェブ110の繊維111の幾つか又はすべては、単成分繊維を含み得る。幾つかの実施形態において、繊維ウェブ110はまた、又はその代わりに、例えば、高溶融材料のコアを取り囲む低溶融材料のシースを含む、2成分繊維を含み得る。所望により、シース材料は、基材120に溶融結合する能力を増強させるように、選択され得る。他の繊維(例えば、短繊維等)が、存在し得る。幾つかの実施形態において、繊維ウェブ110は、接着粒子、結合剤等の形で存在し、ウェブを通じて、又はウェブの主表面上に分配され得るような、いかなる接着剤(即ち、ホットメルト接着剤、感圧性接着剤等)も含まない。幾つかの実施形態において、繊維ウェブ110は、本明細書に記載の表面結合に有利に適している組成物を有するある種の繊維、及び表面結合繊維のものとは異なる組成物を有する他の繊維を含む。
【0039】
ある種の実施形態において、繊維ウェブ110は、基材120とオーバーラップの関係にない、延長部分を含む。(本明細書に開示の方法によって、繊維ウェブ110の延長部分の露出表面は、結合プロセス中の熱への曝露によって概して影響を受けない状態であり得、つまり、露出面は、炭化せず、あるいは容認し難いほどの高い熱への曝露を示すガラス状態、あるいはいずれかの類似の状態になることもない)。繊維ウェブ110のそのような延長部分が、例えば、積層体150が、商品に付着させてもよい付着領域として、使用することができる。あるそのような配置は、図7において例示的に示され、少なくとも1つの基材120が、より幅広の繊維ウェブ110上に細長いストリップとして表される。積層体150の個々の断片160は、個々の断片160が断片160をアイテムに付着させるために使用され得る延長部分161を含んで、示される想像線に沿って切断することによって除去され得る。図7において示される特定の実施形態において、延長部分161から反対方向に延長する繊維ウェブ110の更なる延長部分162が提供され、例えば、断片160が、フック・ループ式締結システムのフックを支持する構成要素(即ち、フックを支持するタブ)として使用される場合には、例えば、フィンガーリフトとしての役割を果たし得る。そのような用途に有用であり得るような、図7の例示的な基材は、基材120の第2の主表面122から突出する突出部123(例えば、雄型締結要素であり得る)を含む。
【0040】
図7において例証される特定の実施形態において、基材120は、より幅広の繊維ウェブ110上に2つのストラップとして示され、繊維ウェブ110の横方向に延長部分と基材120のそれぞれのストリップに外向きに接し、基材のストリップとの間で横方向に、繊維ウェブ110の更なる延長部分がある。この積層体から、個々の断片160が、切断され得、それぞれの断片は、例えば、衛生品等の商品(例えば、おむつ、パーソナルケア製品等)への付着のために、付着部分161及びフィンガーリフト部分162を有する。商品への部分161の付着は、例えば、超音波結合、接着剤の付着等の当該技術分野において既知の任意の方法によって達成され得る。
【0041】
要するに、本明細書に記載の結合プロセスは、第1の移動基材の第1の主表面への加熱流体(即ち、ガス状流体)の衝突及び第2の移動基材の第1の主表面への加熱流体の衝突を含む。幾つかの実施形態において、移動基材は、合流する基材であり得、これは、基材が、第1の基材の第1の主表面が第2の基材の第1の主表面と接触する合流経路に移動することを意味する。本明細書に開示されるように、移動基材の第1の表面上への加熱流体の衝突は、許容できない物理的変化又は損傷を生じるのに十分な点に対して、基材の残りの部分(例えば、基材の内部及び/又は基材の第2の、反対方向の主表面)の温度を必ずしも上昇させることなく、達成されるべき結合に十分な基材の第1の表面の温度を上昇させることができる。基材に繊維ウェブを結合させる特定の例において、幾つかの実施形態では、繊維ウェブ及び基材の流体を衝突させた表面の温度は、例えば、繊維を基材に埋め込ませることなく、及び/又は連続結合の形成を生じるように、基材表面に直接隣接する繊維のそのような溶融、緻密化、及び/若しくは固化を生じることなく、上記の表面結合を達成するために十分上昇され得る。
【0042】
当業者は、本明細書に記載の結合が溶融結合であること、即ち、繊維表面材料及び基材表面材料の分子が、加熱流体衝突によって達成される加熱状態にある間に混ざり、冷却及び固化の際にも混ざり合った状態のままであることを認識するであろう。当業者はまた、本明細書に開示の加熱流体の衝突方法が、本明細書に記載の表面結合積層体の形成に限定されず、更なる目的のために、例えば、本明細書に使用されるような表面結合の定義の範囲に含まれない溶融結合を達成するために、及び溶融結合以外の目的のためにも使用され得ることも理解されよう。
【0043】
幾つかの実施形態において、第1の移動基材の第1の主表面への加熱流体の衝突及び第2の移動基材の第1の主表面への加熱流体の衝突は、基材の第1の主表面が互いに接触させる時まで、加熱流体の衝突が、実質的に連続した状態で、同時に行われる。
【0044】
図8において示されるのは、上記の表面結合を達成するために少なくとも使用することができる例示的な装置1である。そのような実施形態において、第1の基材110(例えば、繊維ウェブ)及び第2の基材120(例えば、任意に突出部を含有する基材)は、それぞれの基材の第1の主表面上への加熱流体の衝突中、それぞれのバッキング面にそれぞれ接触させる。そのようなバッキング面は、基材を支援する役割を果たし得、また、基材の残りが、表面結合を促進するように加熱される間、基材の第1の主表面が、基材の損傷、溶融等を防ぐ又は最小限に抑えるのに十分な冷却を保持するのを支援するように、一定量まで冷却され得る(例えば、衝突した加熱流体の温度より100、200、又は300度ほ低い摂氏温度)。基材が、不連続又は多孔質である場合(例えば、基材が繊維ウェブである場合)、そのようなバッキング面はまた、衝突させた流体が、基材の厚みを貫通し、第2の主表面を通り抜けて出ないように、基材の第2の主表面を閉塞するような役割も果たし得る。したがって、これらの実施形態において、本明細書に記載の加熱流体の衝突による基材の主表面の加熱は、加熱流体が、基材の主表面上に衝突され、反対側に面する主表面を通り抜けて出るように、基材を通過する方法を包含しない。
【0045】
バッキング面は、幾つかの実施形態において、バッキングロールによって供給されない場合がある。したがって、図8の例示的な図において、基材110の第2の主表面113は、基材110の第1の主表面112上への加熱流体の衝突中に、バッキングロール230の表面231と接触する。同様に、基材120の第2の主表面122(又はそのような突出部が存在する場合、突出部123の最外部の表面)は、基材120の第1の主表面121への加熱流体の衝突中に、バッキングロール220の表面221と接触する。
【0046】
幾つかの実施形態において、予熱ロールは、加熱流体の衝突前に、基材110及び120のうちの1つ又は両方の表面を予熱するために使用され得る。図8の例示的な図において、基材110の主表面121は、基材110の主表面121への加熱流体の衝突前に、予熱ロール210の表面211と接触させられる。
【0047】
図8の例証的な実施形態において、バッキングロール220及びバッキングロール230は、組み合わせて、積層ニップ222を形成し、基材110の第1の主表面112及び基材120の第1の主表面121は、互いに接触すると同時に、基材110及び120の少なくとも表面結合が互いに生じるのに十分な温度(加熱流体の衝突によって確立される)で、互いに接触する。本明細書に前に言及されるように、基材110及び120の任意の構成要素への任意の損傷、破砕等を最小限に抑える状態下で、そのような結合を行うのに有利であり得る。これは、図8に示されるような、基材120が、突出部(例えば、変形又は破砕しやすい場合がある)を含む場合には、特に有用であり得る。したがって、バッキングロール230及び220は、材料の積層に通常使用される圧力(これに対して、相対的に高い圧力が、しばしば、好ましい)と比較して、超低圧でニップ222を動作するように配置され得る。様々な実施形態において、基材110及び120を合わせた結合は、1リニアインチあたり約15ポンド未満(1リニアcmあたり27ニュートン)、約10pli(18Nlc)未満、又は約5pli(9Nlc)未満の積層ニップ圧で行われ得る。更なる実施形態において、バッキングロール230、バッキングロール220、又は両方は、比較的軟質材料(例えば、ショアAスケールにおいて70未満の硬度を有するゴム材料)の少なくとも1つの表面層を含み得る。そのような比較的軟質表面層は、例えば、永久的に付着される軟質表面コーティングを有するロールの使用によって、軟質材料の取り外し可能なスリーブの使用によって、比較的軟質の弾性テープを用いてバッキングロールの表面を覆うことによって、達成され得る。必要に応じて、片面又は両面のバッキングロールの表面は、ある位置において、選択的に積層圧を提供するように、ロールの面を越える場合がある。
【0048】
積層ニップ222を出る際に、積層体150(幾つかの実施形態において、表面結合、ロフト保持結合、又は両方であり得る)は、必要に応じて、例えば、積層体150の片面又は両面の主表面を冷却ロールと接触させることによって、積層体150の片面又は両面上への冷却流体の衝突等によって、冷却され得る。積層体150は、その後、任意に好適なウェブ処理プロセスを通じて処理、ロールアップ、保存され得る。例えば、更なる層は、積層体150上にコーティング又は積層され得、個々の断片は、前述のように、そこから切断され得る。
【0049】
言及されるように、本明細書に記載の結合装置及び方法は、容易に破砕された突出部を含む基材の結合に対して特に有利であり得る。加えて、本明細書に記載の結合装置及び方法は、繊維ウェブ等の多孔質材料の結合に特に適し得る。そのようなウェブは、繊維ウェブの第1の主表面が、加熱流体の衝突によって加熱され得、一方、ウェブの残り(内面及び第2の主表面)は、比較的冷却した状態であるような、自己断熱機能を備え得る。(幾つかの偶然的な更なる繊維−繊維結合は、熱への曝露中、繊維ウェブ内で生じ得る)。本明細書に記載の結合プロセスはまた、基材への繊維ウェブの結合に特に適し得る一方で、前述のように、繊維ウェブのロフトを保持する。
【0050】
当業者は、(特に、本明細書に後述のノズルの使用によって達成されるような)第1の移動基材の第1の主表面上に加熱流体を衝突させることによって、第2の移動基材の第1の主表面上に加熱流体を衝突させることによって、複数の基材、例えば、合流する基材の加熱が、前述の結合又は表面結合以外の使用を含む、多くの使用に適し得ることを理解されよう。例えば、そのような方法は、基材からの液体を蒸発させる、アニーリング等によって基材の表面構造を修正する、化学反応又は表面修正を促進する、表面上に存在するコーティングを乾燥させる、硬化させる、及び/又は架橋させる等のために使用され得る。
【0051】
基材110の第1の主表面112上への加熱流体の衝突、及び基材120の第1の主表面121上への加熱流体の衝突は、ノズル400の使用によって達成され得る。図8において示される例示的な種類のノズル400が、図9において更に詳細に示される。図9において側面図(基材110及び120の運動の方向と交差する軸、即ち、バッキングロール220及び230の長軸に整列させた軸に沿って見られる)に示されるように、ノズル400は、加熱流体が、基材110の第1の主表面112上に通って衝突させ得る少なくとも第1の流体送達出口420、及び加熱流体が、基材120の第1の主表面121上に通って衝突させられ得る第2の流体送達出口430を備える。(第1の流体送達出口、第2の流体送達出口等に対する本明細書での言及は、別々の出口等を互いに差別化する便宜上、使用され、異なる出口等によって送達される流体が、組成において異ならなければならない必要があると解釈されるべきではない)。第1の流体送達出口420は、それが流体接続される第1の流体送達チャネル421によって、加熱流体を供給され、第2の流体送達出口430は、それが流体接続される第2の流体送達チャネル431によって、加熱流体を供給される。幾つかの実施形態において、ノズル400は、供給ライン410によって、外部供給源(図示せず)から加熱流体を供給される単一の内部プレナム(チャンバ)を含み得、加熱流体が単一の共通プレナムから第1及び第2の流体送達出口420及び430に配向され、したがって、第1及び第2の流体送達出口420及び430が、単一の連続流体送達出口の第1及び第2の部分を含む。したがって、そのような実施形態において、第1及び第2の流体送達チャネル421及び431は、物理的に別個のチャネルというよりはむしろ単一の共通プレナムの部分であり、第1及び第2の流体送達出口部分420及び430は、類似又は同一の状態から加熱流体を送達する(そのような場合、出口部分420及び430は、単一出口の異なって面する部分であり得る)。
【0052】
代替的な実施形態において、ノズル400の内部は、物理的に分離され、互いに流体接続されない第1の流体送達チャネル421及び第2の流体送達チャネル431に(例えば、図9の任意の内部区画422によって)分割され得る。そのような場合に、第2の流体送達チャネル431及び第2の流体送達出口430は、第2の流体供給ライン411によって、第1の流体送達チャネル421及び第1の流体送達出口420に供給される加熱流体とは異なる加熱流体(例えば、異なる温度、圧力、速度等での空気である)と共に供給され得る。
【0053】
図8及び9の例示的なノズル400が、加熱流体が基材110の第1の主表面112及び基材120の第1の主表面121上に衝突され得る単一ユニットとして示される、一方、本明細書に論じられる衝突が、例えば、2つの隣接するが、物理的に別のユニットの使用によって行われ得、これらのうちの1つが、基材110の第1の主表面112上に流体送達出口420を通して加熱流体を衝突させ、これらの他方が、基材120の第1の主表面121上に流体送達出口430を通して加熱流体を衝突させる。したがって、「ノズル」という用語が、考察の都合上、本明細書に使用される、一方、本明細書に記載の装置(例えば、ノズル)は、単一ユニットが両方の基材上に流体を衝突させる装置、及び、一方のユニットが一方の基材上に流体を衝突させ、別のユニット(物理的に別個のユニットであり得る)が他方の基材上に流体を衝突させる複数のユニット装置を包含することを理解されるべきである。
【0054】
典型的に、ノズル400は、流体送達チャネル421及び431を集合的に画定する固体(即ち、不透過性)区画442及び442’を備える。基材110に最も近接した区画442及び442’の終端は、流体送達出口420を集合的に画定することができる(そして、出口420が、その作業面に流体透過性シート(詳細に後述される)を備えない場合、流体送達出口420を画定する唯一の要素であり得る)。同様に、基材120に最も近接した区画442及び442’の終端は、流体送達出口430を集合的に画定し得る。
【0055】
区画442及び442’は、流体送達チャネル421及び/又は431が、一定の幅を有することが望ましい場合、(例えば、区画442及び442’がノズル400の流体送達チャネル421を画定する同様の様式で、ノズル500の流体送達チャネル521を画定する区画542及び542’に対して図10aに示されるような同様の様式で)互いに略平行に位置付けられ得る。さもなければ、区画442及び442’の間の幅は、例えば、流体が、チャネルの下方に進む場合、狭くなる、又は拡張する流体送達チャネルを提供することが望ましい場合、変化し得る。区画442及び442’に加えて、ノズル400は、(流体送達出口から離れて)ノズル400の後部部分を画定する1つ以上の区画415を備えることができる。したがって、ノズル400は、少なくとも区画442、442’、及び415を備えることができ、これらは、集合的に、供給ライン410(及び存在する場合、供給ライン411)によって供給され得る筺体を提供し、出口ノズル400への加熱流体のための主要の、又は唯一の経路が流体送達出口420及び430を通り抜ける。
【0056】
説明の都合上、第1の流体送達出口420は、作業面424を備えることを特徴とし、これは、最も都合よくは、加熱流体が出口420を出る際に通過する表面であると見なされ得る。作業面424は、区画442及び442’の終端によって画定される仮想弓状表面(例えば、円筒形の表面の断面図)等の仮想表面であり得る。あるいは、作業面424は、本明細書に詳細に後述されるような、物理層、例えば、流体透過性シートを備えることができる。第2の流体送達出口430は、同様に、作業面434を備えることを特徴とする。
【0057】
それぞれの出口及びその作業面は、円周長さ及び横幅(隣接した基材の運動の方向と交差する方向に延在する、即ち、隣接したバッキングロールの長軸と整列させた方向に延在する)を有し得る。幾つかの実施形態において、円周長さは、横幅よりも長い場合があるため、出口は周囲方向に伸長される。図8の例示的な図において、第1の流体送達出口420は、ロール230に隣接するノズル400の面の全円周長さにわたって延在する(第2の流体送達出口430が同様に、ロール220に隣接するノズル400の面の全円周長さを越えて延在する)、一方、幾つかの実施形態において、ノズル400のそれぞれの面は、複数の別個の流体送達出口を備えることができる。そのような複数の出口は、横方向に配向された仕切りによって画定され得、実施例セット3に示されるように、ノズル面の円周長さにわたって間隔をあけて配置され得る。
【0058】
第1の流体送達出口420及び第2の流体送達出口430は、分岐関係にある。分岐関係という用語は、図9に示されるように、第1の流体送達出口420の作業面424に垂直であるように描かれた軸423及び第2の流体送達出口430の作業面434に垂直であるように描かれた軸433によって定義され得る。分岐関係とは、第1の流体送達出口420の垂直軸423及び第2の流体送達出口430の垂直軸433を意味し、ノズル400から離れた方向において、それらのそれぞれの作業面から延長された場合、それらがどの程度延長されたかに関わらず、交差しない。分岐関係とは、更に、垂直軸423及び垂直軸433が互いに少なくとも25度離れて配向されることを意味する(例として、図9において、垂直軸423及び垂直軸433は、互いに約90度離れて配向される)。様々な実施形態において、垂直軸423及び433は、互いに少なくとも約40度、少なくとも約60度、又は少なくとも約80度離れて配向される。更なる実施形態において、垂直軸423及び433は、互いに最大約140度、最大約120度、又は最大約100度離れて配向される。
【0059】
当業者は、弓状流体送達出口(更に詳細に下述される)を有する実施形態において、垂直軸423及び433の相対配向は、垂直軸が位置付けられるそれぞれの出口に沿って円周位置によって変化し得る。そのような場合において、2つの流体送達出口が、分岐関係にあるという表示は、互いに最も近位にある2つの出口の少なくとも一部分(例えば、突出部435に近位の出口420及び430の一部分)が、分岐関係にあることを意味する。場合によっては、例えば、流体送達出口の少なくとも1つが、例えば、ほぼ半円筒状形状を形成するように、周囲方向に延長される場合には、他の流体送達出口に遠位(例えば、突出部435に遠位)の流体送達出口の一部分は、他の流体送達出口のいかなる又はすべての部分とは分岐関係にあり得ない。そのような場合は、実施例1〜3を参照して本明細書で後述される。しかしながら、そのような場合において、互いに最も近位にある2つの出口の少なくとも一部分が、分岐関係にある上記の状態が満たされる限り、流体送達出口は、本明細書に定義されるように分岐関係にあると今なお見なされる。
【0060】
本明細書に開示の分岐関係に配置される第1及び第2の流体送達出口420及び430は、2つの合流する基材上への加熱流体の指向のために特に有利であり得る。特に、分岐関係にあるそのような流体送達出口は、例えば、図8及び9に示される様式で、ノズル400をバッキングロールによって構築される積層ニップに密に隣接して設置することを可能にする。一緒に結合する基材の文脈において、主に本明細書に論じられるが、分岐関係に配置された流体送達出口の使用は、他の目的のために基材の加熱における他の使用を見出し得る。
【0061】
図8及び9の例示的な図において、第1の流体送達出口420は、バッキングロール230の隣接面と略一致する(つまり、それと略同様の形状を有し、かつ略平行である)作業面424と共に弓状である。これは、第1の流体送達出口420の作業面424をバッキングロール230に近接近に設置することを可能にするのに有利であり得る。したがって、様々な実施形態において、ノズル400の動作において、第1の流体送達出口420の作業面424は、最接近する点で、基材110の第1の主表面112から約10、5、又は2mm未満であり得る。同様に、図8及び9の例示的な図において、第2の流体送達出口430は、バッキングロール220の隣接面と略一致する作業面434と共に弓状である。これは、第2の流体送達出口430の作業面434をバッキングロール220に近接近に設置することを可能にするのに有利であり得る。様々な実施形態において、ノズル400の動作において、第2の流体送達出口430の作業面434は、最接近する点で、基材120の第1の主表面121から約10、5、又は2mm未満であり得る。
【0062】
特定の実施形態において、第1の流体送達出口420は、バッキングロール230の隣接面と略一致する作業面424と共に弓状であり、第2の流体送達出口430は、バッキングロール220の隣接面と略一致する作業面434と共に弓状である。これにより、それぞれの流体送達出口のそれぞれの作業面が、そのそれぞれの基材の第1の主表面に非常に近くなるように、ノズル400を位置付けることが可能になり得る。
【0063】
出口420及び430が、(円筒形の)バッキングロールの隣接面に密に嵌合されることが望ましい実施形態において、それぞれの出口の作業面は、出口が嵌合されるバッキングロールの表面の断面と一致する曲率半径を有する略円筒形の表面の断面の弓状形状を備え得る。バッキングロール220及びバッキングロール230が、同じ直径であるという状況においては、すなわち、2つの流体送達出口は、同じ曲率半径を有する対称であり得る。しかしながら、バッキングロール220及びバッキングロール230は直径が異なる場合、図8及び9において示される実施形態等の場合、第1の流体送達出口420の曲率は、第2の流体送達出口430の曲率とは異なる場合がある。
【0064】
それぞれの弓状出口の円周長さは、必要に応じて異なる場合がある。例えば、図8及び9において、出口420の円周長さは、出口430の円周長さよりも長い。任意に、一方又は両方の出口は、出口の円周長さを変更するために、調節することができる調節可能なシャッター(いずれの図にも図示せず)を備えることができる。そのようなシャッターは、衝突する加熱流体における基材の滞留時間、例えば、基材の移動速度とは関係なく、調節するために使用され得る。装置1の動作において、シャッターの位置、並びに流体温度、流体の流量、バッキングロールの温度等の他のプロセス変数は、必要に応じて、例えば、処理される特定の基材の線速度、厚さ、及び他の特性を考慮して、操作することができる。
【0065】
流体送達出口420及び流体送達出口430は、任意の好適な横幅を有するように選択され得る。本明細書に使用されるように、横とは、加熱される基材の運動の方向と交差する方向であり、バッキングロールの長軸に平行な方向(即ち、図8及び9において、平面の方向及び平面から外の方向)であることを意味する。幾つかの実施形態において、特に、基材のうちの少なくとも1つが結合されるものは、細長いストリップの形状であり(例えば、図7の例示的な実施形態等の場合)、流体送達出口の横幅が、比較的に狭いことが望ましい場合がある(例えば、結合される基材の幅を考慮して選択される)。そのような場合において、流体送達出口が、結合される基材の長軸に実質的に整列させた方向及びその運動の方向に、伸長される(例えば、周囲方向に伸長される)ことが更に望ましい場合がある(基材の長軸及びその運動の方向は、移動基材がバッキングロールによって支持される場合、弓状であり得ることを留意されたい)。例えば、図9において、出口420の作業面424は、基材110の長軸に実質的に整列させた軸、及びその運動の方向に沿って、周囲方向に伸長される。
【0066】
第1の流体送達出口420の円周端部及び第2の流体送達出口430の円周端部は、図9に例示的に示されるように、突出する突出部435を形成するように、互いに隣接して位置付けられ得る。2つの出口に互いに接近する角は、突出部435が比較的鋭角の突出部の形を取るように、出口420の作業面424及び出口430の作業面434が最接近又は接触するそれらの点で、互いに鋭角になる。そのような鋭く突出する設計は、突出部435を、バッキングロール220とバッキングロール230との間の合流するニップ領域に深く位置付けることが有利に可能にすることができ、加熱流体を、基材が互いに接触する瞬間まで実質的に基材上に衝突させることを可能にする。様々な実施形態において、最接近するそれらの点で、出口420の作業面424及び出口430の作業面434は、互いに対して約70度未満、約50度未満、又は約30度未満の角度であり得る。
【0067】
幾つかの実施形態においては、流体送達出口の作業面は、それが嵌合されるバッキングロールと一致しない場合がある。例えば、出口420及び430のいずれか又は両方は、図8及び9に示されるように、弓状というよりもむしろ略平面(平坦)であり得る。これは、流体送達出口が、バッキングロールに近い場合には、位置付けることができないことを意味するが、作業面からバッキングロールの距離は、流体送達出口の長さに沿って異なる場合があり、これはなお、場合によっては、許容され得る。
【0068】
上記のように、流体送達出口の作業面は、開放され得るか、あるいは、加熱流体が通過され得る流体透過性シートを備えることができる。そのような流体透過性シートは、例えば、出口の円周長さを越える、出口を通って加熱流体の流量がより均一な状態にすることができる。更に、シートの特徴によっては、このシートは、流体送達チャネルを貫流する元の方向から若干離れて流体を方向転換させることができる。例えば、図9を参照すると、供給410からの加熱流体は、区画422の長軸と略整列させた方向に、流体送達チャネル421を貫流することができるが、流体送達出口420の作業面424で流体透過性シートを通過する際、流体は、作業面424の垂直軸423に更に密に整列させた方向に、流れを少なくとも若干方向付けられ得る(例えば、図9において流体流量を示す複数の矢印によって示されるように)。そのような設計は、更に接線配向において、基材110上に衝突させるのとは対照的に、基材に垂直により近い方向に、加熱流体を基材110上に衝突させるのに有利であり得る。同様の検討は、出口430の作業面434上の流体透過性シートの存在に関しては適用される。流体送達チャネル421及び/又は431内の内部バッフル(いかなる図にも図示せず)はまた、所望の方向に加熱流体を方向付けるために使用される場合がある。
【0069】
様々な実施形態において、流体透過性シートは、シートに少なくとも約20、少なくとも約30、又は少なくとも約40の開口面積率を集合的に提供する貫通開口部を備えることができる。更なる実施形態において、流体透過性シートは、最大約90、最大約80、又は最大約70パーセントの開口面積率を備えることができる。特定の実施形態において、流体透過性シートは、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.4mm、又は少なくとも約0.6mmの直径の貫通孔を有する穿孔スクリーンを備えることができる。流体透過性シートは、例えば、最大約4mm、最大約2mm、又は最大約1.4mmの直径の貫通孔を有する穿孔スクリーンを備えることができる。貫通孔は、伸長した、例えば、実施例1に後述されるように、横方向に伸長した形になり得る。開口面積率と貫通孔の大きさの組み合わせは、基材の均一の加熱を増強するように選択され得る。スクリーンは、本明細書に概説される使用に十分な耐久性及び耐温度性を有する任意の材料からなり得る。金属スクリーン、例えば、鋼鉄が好適であり得る。
【0070】
加熱流体は、任意の好適な線速度で、流体送達出口の作業面を流出することができる。この速度は、例えば、供給ライン410(及び存在する場合、供給ライン411)によってノズル400に供給される加熱流体の体積流量によって、流体送達出口の大きさによって、出口の作業面での流体透過性シート(存在する場合)における貫通孔の開口面積率及び/又は直径によって、影響を受ける、及び/又は判定され得る。上記のように、区画422が存在する場合、装置1の動作中、出口430を通ってノズル400を流出する加熱流体の線速度は、出口420を通って流出するのとは関係なく、制御され得る。線速度は、一般的に、低亜音速領域、例えば、マッハ0.5未満、典型的には、マッハ0.2未満であろう。しばしば、線速度は、毎秒数メートルの範囲、例えば、毎秒50メートル未満、25メートル未満、又は15メートル未満であろう。そういうものとして、本明細書に使用される加熱流体衝突装置及び方法は、例えば、しばしば、線速度アプローチ又は過度の音速に依存する、ホットエアナイフの使用とは区別することができる。
【0071】
出口420及び430の作業面424及び434の領域は、それぞれ、所望の大きさの領域を加熱するために選択され得、加熱される基材の特徴(例えば、それらの幅、厚さ、密度、熱容量等を考慮して選択され得る)。しばしば、約5〜50平方センチメートルの範囲の作業面を有する出口が使用され得る。加熱流体の体積流量及び加熱流体の温度が、必要に応じて、選択され得る。溶融結合の用途のために、加熱流体の温度は、基材の構成要素の軟化点又は融点と少なくとも等しい、又は若干上回るように選択され得る。
【0072】
任意の好適な加熱ガス流体が使用されてもよく、周囲空気が都合の良い選択である。しかしながら、除湿空気、窒素、不活性ガス、又は特定の効果(例えば、接合性、疎水性等の促進)を有するように選択されるガス混合物が、必要に応じて使用され得る。流体は、供給ライン410(及び存在する場合、411)を通ってノズル400に送達される前に、外部ヒーター(いずれの図にも図示せず)によって加熱され得る。加えて、又は代わりに、加熱要素は、ノズル400内に供給され得るか、又はノズル400の更なる加熱(例えば、抵抗加熱、赤外線加熱等)が適用され得る。
【0073】
本明細書に記載の基材の加熱及び/又は基材の結合が、基材上に衝突させた後に、流体の特別な処理を行うことなく、行われ得る(実施例セット3によって証明されるように)、一方、ある実施形態において、それは、衝突させた流体の局所的除去を提供するのに有利であり得る。局所的除去とは、ノズルによって基材の表面上に衝突させた流体が、流体衝突ノズルの局所近傍から能動的に除去されることを意味する。これは、周囲の外気に消散させるか、あるいは流体衝突ノズルから離れたある距離(例えば、少なくとも1デシメートル)に位置付けられる装置(例えば、フード、囲い板、ダクト等)によって除去されるかのいずれかで、衝突させた流体が、受動的に、ノズルの局所近傍から逃避することが可能な処理と対比されることである。そのような局所的除去は、本明細書に前に記載の一般的な種類のノズルの使用によって達成され得、流体送達出口を有し、流体送達出口に対して局所的に位置付けられる少なくとも1つの流体捕捉入口を伴う流体送達チャネルを備える。局所的に位置付けられるとは、互いに最接近のそれらの点で、流体捕捉入口が、流体送達出口から10mm未満に位置する。様々な実施形態において、最接近のそれらの点で、流体捕捉入口は、流体送達出口から約5mm未満、又は約2mm未満に位置する。流体捕捉入口は、流体除去チャネルに流体接続され、ここを通って、流体捕捉入口によって捕捉される流体は、能動的に除去され得る(例えば、外部の吸引送風機に流体接続される排気ラインによって、いずれの図にも図示せず)。流体捕捉入口は、衝突させた流体が、基材の局所近傍を出て、もはや局所的に除去できないような周囲の大気に不可逆的に消散することができる前に、ノズルの局所近傍から衝突させた流体の実質的な体積割合を局所的に除去することができる。様々な実施形態において、衝突させた流体の体積流量の少なくとも約60%、少なくとも約80%、又は実質的にすべては、本明細書に開示の装置及び方法によって局所的に除去される。
【0074】
局所的に位置付けられた流体捕捉入口を有するノズル500は、図10aにおいて代表的な様式で示され、それがノズル500に隣接して通過する場合、基材100の縦方向に沿って、部分的断面図である(基材100の運動の方向が平面の外にある)。説明の簡素化のために、図10aのみが、単一流体送達チャネル521、単一流体送達出口520、及び単一基材100(例えば、バッキングロール200のバッキング面201と接触する)を示すが、ノズル400について記載の同様の様式で、2つの合流する基材上に加熱流体を衝突させるために使用される場合、ノズル500が、図11について更に詳細に検討されるように、2つの流体送達チャネル、2つの流体送達出口等を備えることを理解すべきである。
【0075】
図10aの例示的な実施形態において、流体送達出口520及びその流体送達チャネル521、並びに流体捕捉入口540/540’及びその流体除去チャネル541/541’が1つのユニットとして示され、共通区画542及び542’をそれらの間に有し、本明細書で検討される流体の衝突及び除去は、2つ以上の隣接するが、物理的に別個であるユニットの使用によって行われ得、これらのうちの少なくとも1つは、流体送達出口520を通って加熱流体を衝突させ、これらのうちの少なくとも他方は、流体捕捉入口540又は540’を通って衝突させた流体を局所的に捕捉することが理解されるべきである。したがって、「ノズル」という用語が、検討の都合上、本明細書で使用されるが、本明細書に記載の装置(例えば、ノズル)は、単一ユニットが流体を衝突させ、かつ衝突させた流体を捕捉する装置、並びに、1つ以上のユニットが流体を衝突させ、1つ以上の更なるユニット(物理的に別個のユニットであり得る)が衝突させた流体を捕捉する複数のユニット装置を包含することが理解されるべきである。
【0076】
ノズル400に対してと同様に、ノズル500は、作業面524(この場合、穿孔スクリーン525を備える)を備える流体送達出口520を備え、流体送達出口520は、流体送達チャネル521に流体接続される(このうち、流体送達出口520に近接した部分のみが、図10aに示される)。更に、ノズル500は、流体捕捉入口540及び540’を備え、これらのそれぞれは、流体送達出口520に対して局所的に位置付けられる。流体捕捉入口540及び540’は、それぞれ、流体除去チャネル541及び541’に流体接続される。示される例示的な配置において、流体捕捉入口540及び540’は、流体送達出口520と横方向に側面を接する(つまり、それらは、基材100の運動の方向と交差する方向に、例えば、バッキングロール200の長軸に沿った方向に、いずれかの側に位置する)。同様に、流体除去チャネル541及び541’は、流体送達チャネル521と横方向に側面を接し、(固体)区画542及び542’によってのみ、それぞれ、そこから分離される。したがって、流体除去チャネル541は、区画542によって片方の側面上に、及び区画543によって他方の横側上に画定される(本実施形態において、この領域内にノズル500の外部ハウジングを備える)。流体除去チャネル541’は、同様に、区画542’及び543’によって画定される。
【0077】
図10aの1つの基材の図の簡易化した1つの送達出口に再度言及すると、活性吸引が流体除去チャネル541及び541’に適用される場合(例えば、外部の吸出し扇風機又は送風機によって)、流体送達出口520の作業面524を出て、基材100の第1の主表面101上に衝突させる加熱流体の実質的な体積割合は、流体捕捉入口540及び540’によって局所的に捕捉し、流体除去チャネル541及び541’によって除去され得る。衝突させた流体のそのような局所捕捉は、それが基材100の表面101上に衝突する後、その間、又は場合によってはその前でさえ、流体の流量パターンを変化させることができることが見出される。例えば、そのような局所捕捉は、流体が、ある位置において、流体の流れを急激に遅延させる、又は停止させるような様式で、基材上に衝突させる流量の停滞現象を修正、軽減、又は実質的に排除することができる。流量パターンを変化させる際、局所捕捉は、ある位置において、衝突させた流体と基材との間の熱伝達率を有利に修正する(例えば、増加させる)ことができる、そして/あるいはそれは、基材のより広範な領域を横断する加熱の更に均一の伝達を提供することができる。実施例1〜2によって明らかにされるように、衝突させた流体の局所捕捉は、更に、より低温の、例えば、かなり低温の加熱流体が使用されることが可能であり得、一方、衝突させた流体温度と比較して、結合を可能にするために十分に基材を更に加熱することが、そのような局所捕捉がない場合に必要とされる。そのような局所捕捉はまた、より高速の線速度の基材が使用されることが可能であり得る。
【0078】
流体捕捉入口540の作業面544及び544’は、流体送達出口520の作業面524とほぼ平坦に位置付けられ得るため、作業面544、544’、及び524は、図10aで距離545によって表されるように、基材100の表面101から略等距離である(図10aの設計では、流体捕捉入口540及び540’の作業面544及び544’は、流体透過性スクリーンではなく仮想表面を備える)。ノズル500は、流体送達出口520の作業面524、並びに流体捕捉入口540の作業面544及び544’が、基材100の第1の主表面101の、約10、約5、又は約2mm以内で位置付けられるように、位置付けられ得る。区画542及び543の終端(基材110に最も近い)は、図10aに示されるように、基材100から略等距離であり得る。あるいは、外向き側面区画543の終端は、基材110により近く延在させ得、これは、流体捕捉入口540によって衝突させた流体の捕捉を強化することができる(同様の検討が、流体捕捉入口540’に適用される)。
【0079】
図10a、10b、及び10cは、流体捕捉入口540及び540’の作業面544及び544’が、開放され、穿孔スクリーン又は任意の他の種類の流体透過性シートを備えない実施形態を例証する。そのような場合には、流体捕捉入口の作業面は、区画の終端によって、主に画定され得る。例えば、作業面544は、区画543及び542の終端によって一緒に、例えば、図9において示されるハウジング415等の)図10において示されない横方向に延在する区画の終端と組み合わせて、少なくとも一部に、画定され得る。しかしながら、様々な実施形態において、流体透過性シートは、1つ以上の流体捕捉入口の作業面で提供され得る。そのような流体透過性シートは、流体捕捉出口が局所的に位置付けられる流体送達入口の作業面で提供される流体透過性シートの特性と同様の特性(例えば、開口面積率等の)を備えることができ、流体送達入口の流体透過性シートの延長であり得る(例えば、実施例1等の場合)。他の実施形態において、流体捕捉入口の流体透過性シートは、流体送達入口の流体透過性シートとは異なる特性を備える、及び/又は異なる材料からなり得る。
【0080】
図10aは、ノズル500の構成、ノズル500から基材100までの距離、使用される衝突させた流体の速度等を組み合わせて、衝突させた流体が、任意のかなりの程度まで入口540及び540’の境界を越えて横方向に貫通することができる前に、出口520を出て、基材100上に衝突する実質的すべての流体が、入口540及び540’によって捕捉されることを提供する、実施形態を例証する。この現象は、図10aにおいて、流体流れの方向を示す矢印によって表される。(当然ながら、出口520を出るある程度少量の流体は、基材100上に衝突する前に、入口540又は540’によって除去され得る)。図10bは、ある程度の量の衝突させた流体が、入口540及び540’の境界を越えて横方向に貫通することができる(そして、ひいては、少なくとも少量の周囲空気と局所的に混合することができる)ように、ノズル500が操作され、捕捉入口540及び540’によって供給される吸引は、衝突させた流体の実質的にすべてが、捕捉入口540及び540’によってなお捕捉されるには十分強力である、実施形態を例示する。図10cは、衝突させた流体の実質的にすべてが、捕捉入口540及び540’によって捕捉されるように、ノズル500が操作され、ある程度の量の周囲空気はまた、捕捉入口によって捕捉される、実施形態を例示する(図10cにおいて、周囲空気の流れは、破線の矢印によって示される)。ノズル500がこの様式で操作される際、様々な実施形態において、捕捉周囲空気の体積流量は、捕捉衝突させた流体の体積流量の最大約10%、最大約20%、又は最大約40%に及び得る。
【0081】
当業者は、本明細書に開示の方法によって、衝突させた流体が、流体捕捉入口の境界を越えて少なくとも若干横方向に循環し、なおかつ流体捕捉入口によって局所的に捕捉され、除去され得ることを理解されよう。ノズル500の設計及びシステムのパラメーター(例えば、加熱流体の流速、流体除去チャネルを通って適用される吸引等)の調節は、衝突加熱流体が、捕捉入口によって捕捉される前に、流体捕捉入口の境界を越えて横方向に貫通することができる範囲を変更することができる、そして/あるいは衝突させた流体に加えて周囲空気が捕捉される範囲を変更することができ、これらのいずれか、又は両方は、基材100によって経験される加熱の均一性を有利に増強することができることが見出されている。
【0082】
図10a、10b、及び10cを検討する際、当業者は、これらの例示的な図において、流体送達出口520は、流体捕捉入口540及び540’とのみ横方向に接し、流体送達出口520の周囲を完全に取り囲むように、基材100の運動の方向に、流体送達出口520を取り囲む流体捕捉入口に対する設備がないことを認識することができる。しかしながら、ノズル400に関して検討され、図11に関して後で検討される同様の様式で、ノズル500の入口及び出口は、基材100の運動の方向に整列させた入口及び出口の伸長した軸を有する周囲方向に伸長した弓状形状を備えることができる。したがって、様々な実施形態において、流体送達出口520と横方向に側面に接する流体捕捉入口540及び540’を提供することは、流体捕捉入口と流体送達出口520の周囲の少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%を取り囲むのに十分であり得る。(当業者はまた、図11を参照して更に詳細に記載されるように、2つの基材を結合させるためにノズル500を使用する際、流体捕捉入口とそれぞれ横方向に側面を接する2つの流体送達出口は、それらの周囲方向の終端と極めて近接に位置付けられてもよく、これが、組み合わせた出口については、流体捕捉入口と接しない出口領域を更に最小限に抑えることも理解されよう)。
【0083】
図10a、10b、及び10cが、局所流体捕捉の基本前提を記載する都合上、単一流体捕捉入口及び単一基材のみを示すが、ノズル500が、2つの合流する基材上に加熱流体を衝突させ、ノズルの局所近傍から衝突させた流体を局所的に除去するために使用されてもよいことが理解されよう。そのような実施形態は、図11において例示的に示される。例示的な実施形態において、ノズル500は、第1の流体送達出口520を備え、作業面524、出口520が第1の流体送達チャネル521に流体接続され、第1の流体除去チャネル541及び541’に流体接続される第1の流体捕捉入口540及び540’によって横方向に側面を接する(図10aについて記載されるすべて)。
【0084】
ノズル500は、更に、第2の流体送達出口550を備え、作業面554、出口550が第2の流体送達チャネル551に流体接続され、作業面564及び564’のそれぞれと、第2の流体捕捉入口560及び560’によって横方向に側面を接し、第2の流体除去チャネル561及び561’のそれぞれに流体接続される。これらの特徴のすべては、流体捕捉入口及び流体除去チャネルを加えて、図9のノズル400に類似している。そのようなものとして、流体送達チャネル521及び551は、ノズル400の流体送達チャネル421及び431と実質的に同等であると見なされ得、流体送達出口520及び550は、ノズル400の流体送達出口420及び430と実質的に同等であると見なされ得る。したがって、ノズル400の特徴の関連説明、例えば、出口の周囲方向に伸長した、及び/又は弓状の性質、基材付近のそれらの位置付け、突出した突出部535を形成するための出口のアレンジ等は、ノズル500の特徴のような様式で適用されることを理解されよう。特に、ノズル500の流体送達出口520及び550は、上述の様式で、分岐関係にある。特定の実施形態において、流体捕捉入口540及び540’は、流体送達出口520と一致し得、これらのすべては、バッキングロール200の隣接面201と一致し得る(つまり、これらの要素のすべての弓状形状は、同様であり、互いに略平行であり得る)。同様の検討が、流体捕捉入口560及び560’、並びに流体送達出口550に対して、互いに、及びバッキングロール205の表面206に対して適用される。
【0085】
図11においては、唯一1つの加熱流体供給ライン(510)が示され、流体送達チャネル521及び551は、その間に区画がない単一のプレナムの部分を備えるものとして示される(ノズル400の区画422に類似している)。そのような区画が、必要に応じて使用され得、加熱流体供給ラインが、(ノズル400に対して記載されるものと同様の様式で)流体送達チャネル521に使用される加熱流体供給ラインとは別個の流体送達チャネル551のために使用され得ることを理解されよう。
【0086】
少なくとも1つの流体排出ライン511は、ノズル500の流体除去チャネルから捕捉流体を除去するために使用される。例証した実施形態において、流体除去チャネル541及び561は、単一流体除去チャネルの部分を備え、その間に分割する区画がない。したがって、この実施形態において、単一流体排出ラインは、チャネル541及び561から捕捉流体を除去するために使用され得る。区画が、流体除去チャネル541と561との間に提供される場合、別個の流体排出ラインが、それぞれの流体除去チャネルに対して提供され得る。同様の検討が、チャネル541’及び561’に適用される。
【0087】
必要に応じて、別個の流体排出ラインが、流体除去チャネル541及び541’に接続され得る。あるいは、通路は、流体除去チャネル541及び541’を相互接続する、ノズル500(例えば、横方向に流体送達チャネル521を通過する)内に提供され得るため、単一流体排出ラインが両方に対して使用され得る。同様の検討が、チャネル561及び561’に適用される。
【0088】
流体送達出口520は、基材100の主表面101上に加熱流体を衝突させるために使用され得、一方、基材100は、バッキング面201(例えば、バッキングロール200の)と接触する。同様に、流体送達出口550は、基材105の主表面106上に加熱流体を衝突させるために使用され得、一方、基材105は、バッキング面206(例えば、バッキングロール205の)と接触する。これらの操作は、流体捕捉入口540、540’、並びに560及び560’が、衝突させた流体を局所的に捕捉するために、上記のように、使用されることを除いては、ノズル400について記載される同様の様式で行われ得る。
【0089】
場合によっては、流体送達チャネルに、それぞれ、流体接続される複数の、横方向に間隙した流体送達出口を提供することが望ましい場合がある。本明細書の他の箇所のように、横方向は、加熱される基材の運動の方向、例えば、バッキングロールの長軸に沿った、交差する方向を表す。図12は、そのような例示的な構成また、単一基材100の簡素化の文脈において、基材の運動の方向が図12の平面の外であることを示す。例示的なノズル600は、それぞれ、作業面624及び624’を有する、第1及び第2の横方向に間隙した流体送達出口620及び620’を備え、それぞれ、流体送達チャネル621及び621’に流体接続される。例証した実施形態において、作業面624及び624’は、それぞれ、穿孔スクリーン625及び625’を備える。外側の流体除去出口640及び640’は、横方向に外向きに側面を接する流体送達出口620及び620’が提供される。また、流体送達出口620と620’との間に横方向に挟まれる内側の流体捕捉入口670も提供される。流体捕捉入口640、640’、及び670は、それぞれ、作業面644、644’、及び674を備え、それぞれ、流体除去チャネル641、641’、及び671に流体接続される。外側の流体除去チャネル641及び641’は、それぞれ、区画642及び642’によって、流体送達チャネル621及び621’から分離される。外側の流体除去チャネル641及び641’は、それぞれ、区画643及び643’によって、更に画定され、これは、これらの配置において、ノズル600のハウジングの一部を備え得る。内側の流体除去チャネル671は、区画672及び672’によって、それぞれ、流体送達チャネル621及び621’から分離される。
【0090】
様々な流体送達及び除去チャネルの説明において、ノズル400及び500に関して、本明細書に前に提供される流体送達出口及び流体捕捉入口は、様々なチャネル、ノズル600の出口及び入口に適用可能である。そして、当然ながら、単一基材100に関して、図12において(説明の簡素化の都合上)示されるが、ノズル400及びノズル500について記載の同様の様式で、2つの合流する基材上に加熱流体を衝突させるために使用される場合、ノズル600が、2つの基材上に加熱流体を衝突させるために必要である場合に、チャネル、出口、入口等を備えることを理解すべきである。特に、ノズル600は、流体送達出口の2つの横方向に間隙した対を備えることができ、所定の対のそれぞれの出口は分岐関係にあり、流体送達出口の横方向に間隙した対は、流体捕捉入口の対によって横方向に外向きに側面を接し、それらの間に横方向に挟まれた流体捕捉入口の更なる対を有する。
【0091】
図12に例証されるように、流体送達出口620及び620’の作業面624及び624’を出て、基材100上に衝突する加熱流体は、流体捕捉入口640、640’及び670によって局所的に捕捉される。当業者は、流体送達出口620間に横方向での内側の流体捕捉入口670の介在が、さもなければ、2つの出口からの流体の衝突をもたらし得る任意の滞留点を軽減又は排除し得ることを理解されよう。図12に示される種類の設計は、幅広の基材の加熱における均一性の増加を提供することができる。更に、この種類の設計は、平行ストリップ(例えば、図7に示されるような種類の積層体を作製するため)において、2つの基材を加熱することが望ましい場合において、有利であり得る。そのような場合、流体送達出口620は、概して1つの基材ストリップ上に集中させ、流体送達出口620’は、もう一方の上に集中させてもよい。
【0092】
複数の、横方向に間隙した流体送達出口が使用され、流体捕捉入口が、流体送達出口を横方向に外向きに側面を接して位置付けられ、更なる流体捕捉入口が、流体送達出口の間に横方向に位置付けられる、ノズル600の基本設計は、必要に応じて、延在され得る。つまり、ノズルは、交互に流体捕捉入口を横方向に組み入れて、(それらの長軸をウェブの運動の方向に略整列させた)任意の数の流体送達出口で製造されてもよい。前述のように、複数の、物理的に別個の流体送達出口及び流体捕捉入口が、同様の終端に提供され得る。任意のそのような設計は、本明細書に開示の方法によって、幅広の基材を加熱されることが可能になり得る。
【0093】
当業者は、衝突させた流体の局所除去のための装置及び方法が、本明細書に記載の表面結合を達成するための基材の加熱等の用途に特に有利であり得るが、多くの他の使用が可能であることを理解されよう。
【実施例】
【0094】
(実施例1)
Spunbond 50gsm(SSS)の商品名でFirst Quality Nonwovensから市販されているスパンボンド不織布ウェブが得られた。ウェブは、15%の点結合のドット模様及び幅100mmを有する50gsmであり、ポリプロピレンからなった。基材は、(米国特許第6000106号に記載の一般的な種類の)CS600の商品名で3M Company,St.Paul,MNから得られた。基材の第1の表面は、概して滑らかであり、基材の第2の表面は、1平方インチあたり約2300の密度で突出部を有した(突出部は、それぞれ、拡大された略ディスク型ヘッドを有する雄型締結要素である)。基材の厚さは、約100マイクロメートル(突出部の高さを計算しない)であり、突出部の高さは、約380マイクロメートルであった。裏材及び突出部は、一体構造であり、両者ともポリプロピレン/ポリエチレンコポリマーからなった。基材は、それぞれ、幅24mmの伸長ストリップとして得られた。
【0095】
積層ニップを備えるウェブ処理装置が、図8に示されるものと同様の様式で設定された。2つの伸長ストリップ基材は、本明細書に記載の単一不織布ウェブの第1の表面に結合された。都合上、以下の説明が、1つの基材に関して言い表されることがある、一方、2つの同一の基材が同様に処理され、平行に移動することが理解されよう。
【0096】
装置を使用する際、基材は、半径10.2cmのクロム予熱ロール(図8のロール210に類似している)上に誘導され、基材の第1の表面(つまり、突出部を有する表面の反対側の表面)が予熱ロールの表面に接触した。予熱ロールは、約118摂氏温度の公称表面温度を備えるように、熱油によって内部加熱された。定常状態での運転条件の達成時に、基材の第1の表面は、約113摂氏温度の温度を得ることが見出された(非接触熱測定デバイスによってモニターされるように)。
【0097】
予熱ロールから、基材が、半径3.2cmの第1のバッキングロール(図8のロール220に類似している)までの約5.1cmの距離を横断し、これは、能動的に冷却される、あるいは加熱されなかった。その表面上に、ロールは、アルミニウム粒子を浸透させたシリコーンゴムの公称厚さ0.64cmの表面層を備えた。表面層は、ショアA硬度60を備えた。表面層は、ロール周辺に完全に周囲方向に延在した2つの上昇プラトーを備え(プラトーは、ロールの取り囲む表面よりも約2.2mmに上昇した)、それぞれの横幅は約27mmで、横方向の距離(ロールの面を交差、ロールの長軸に整列させた方向に)がそれらの近端間で約8mmであった。平行移動する基材は、基材の第2の表面上のキノコ型ヘッドが、プラトー表面に接触させるように、第1のバッキングロールのプラトー上に誘導された。(基材は、第1のバッキングロールの表面に接触する不織布ウェブの機会を最小限に抑えるようにプラトー上に上昇させた)。したがって、第1のバッキングロールの表面に接触した後、基材は、本明細書に記載されるように、加熱及び結合された第1のバッキングロール周辺の約180度の弧を周囲方向に交差した。
【0098】
装置を使用する際、不織布ウェブは、半径10.2cmの第2のバッキングロール(図8のロール230に類似している)上に誘導された。第2のバッキングロールは、金属表面を備え、38摂氏温度の公称温度まで流体の内部循環によって制御された。不織布ウェブは、本明細書に記載されるように、加熱及び結合される第2のバッキングロール周辺の約90度の弧を周囲方向に交差した。不織布ウェブの経路は、2つの基材が、2つのバッキングロール間のニップにおいて、不織布ウェブに接触した際、基材ストリップが不織布ウェブをダウンウェブに整列させるように2つの基材ストリップの経路に整列させた。
【0099】
バッキングロールは、図8において示される配置と同様に、水平スタックに位置付けられた。衝突空気の局所捕捉/除去が可能な熱気衝突ノズルが製作され、図8において、ノズル400の配置と類似の様式で、バッキングロールスタックの上に垂直に、ニップに隣接して設置された。ウェブ運動に交差する軸に沿って側面から見られるように(即ち、図8において見られるように)、ノズルは、第1の表面及び第2の表面を備え、第1及び第2の表面は分離関係にある(本明細書に上記のように)。それぞれの表面は、略円筒形の断面を備え、第1の表面の曲率が、第1のバッキングロールの曲率と略一致し(第1の表面の曲率半径が約3.2cmである)、第2の表面の曲率が、第2のバッキングロールの曲率と略一致した(第2の表面の曲率半径が約10.2cmである)。第1の表面の円周長さは、約75mmであり、第2の表面の円周長さは、約50mmであった。2つの表面は、図9の突出部435に類似している突出する突出部に接した。
【0100】
2つの基材ストリップの運動と整列させた方向から見ると、ノズルの第1の分岐面は、それぞれの横幅約25mmの2つの空気送達出口を備えた。2つの空気送達出口は、それぞれの横幅約21mmの2つの空気捕捉入口によって横方向に外向きに側面に接した。2つの空気送達出口の間に横向きに挟まれたのは、横幅約4mmの更なる空気捕捉入口であった。伸長スロット開口部を備える穿孔金属スクリーンは、2つの空気送達出口及びそれらの間の空気捕捉入口を覆うが、2つの横方向に外向きに側面を接する空気捕捉入口を覆わないように、第1の分岐面に沿って横に延在するように位置付けられた。スロット開口部は、横方向に伸長し、幅約0.9mmであり、約3.0mmの中心間距離で周囲方向に離間した。穿孔金属スクリーンは、約28%の開口面積率を備えた。したがって、ノズルの第1の表面は、穿孔金属スクリーンが、空気送達出口の作業面を画定することに加えて、挟まれた空気捕捉入口を画定することを除いては、図12において示されるものに類似の構造を備えた。
【0101】
不織布ウェブの運動に整列させた方向から見ると、ノズルの第2の分岐面は、2つの空気送達出口、2つの横方向に側面と接する空気捕捉入口、及び1つの横方向に挟まれる空気捕捉入口からなる同様の配置を備えた。出口及び入口の横幅は、第1の分岐面の横幅と同じであった。第2の分岐面は、両方の空気送達出口の幅を横方向に覆うように横方向に延在され、空気送達出口の円周長さを制御するように第2の表面に沿って周囲方向に移動させ得た、調節可能なシャッターを備えた。シャッターは、第2の分岐面の空気送達出口の円周長さが、約40mmであるように位置付けられた。上記の穿孔金属スクリーンは、第1の分岐面と同様の様式で、2つの空気送達出口及び第2の分岐面のそれらの間の空気捕捉入口を覆った。
【0102】
第1及び第2の分岐面の空気送達出口及び入口のすべては、それぞれ、空気送達チャネル及び空気除去チャネルに流体接続された。空気送達出口はすべて、基材及び不織布ウェブが、略同様の温度で空気を受けるように、ノズルに備え付けられた同じ空気送達導管によって送り込まれた。ノズルに供給される加熱空気の温度及び体積流量は、必要に応じて制御され得た(Lufterhitzer 5000の商品名でKaegiswil,SwitzerlandのLeisterから市販されているヒーターの使用によって)。(ノズルに備え付けられた除去導管を通して)捕捉空気の除去の体積速度は、必要に応じて制御され得た。
【0103】
ノズルは、図9においてノズル400の位置に類似の様式で、第1及び第2のバッキングロールに近接して位置付けられた。ノズルの第1の分岐面は、第1のバッキングロールの表面から約1.5から2mmであると推定される距離にあり、第1のバッキングロール周辺の周囲方向に約128度延在する弧を越えた。ノズルの第2の分岐面は、第2のバッキングロールの表面から約1.5から2mmであると推定される距離にあり、第2のバッキングロール周辺の周囲方向に約28度延在する弧を越えた。突出する突出部は、図9において示される構造と再度類似のニップ(2つのロールの表面間での接触の最近点)を越えて中心にあった。
【0104】
加熱空気供給温度は、幾つかの熱電対及び関連機械設備の使用によって、390°F(198℃)で測定された。加熱空気及び捕捉空気の体積流量は、熱線風速計及び関連機械設備を用いて決定された。加熱空気の体積流量は、毎分約1.0立方メートルであった。空気送達出口の全領域が約54cmであり、穿孔金属スクリーンが約28の開口面積率を備え、出口の作業面での加熱空気の線速度が、毎秒約11メートルであると推定された。戻り供給量は、毎分約1.14立方メートルであり、したがって、捕捉衝突空気の捕捉の約14%の体積流量で周囲空気の捕捉に対応する。
【0105】
上記の装置及び方法は、第1及び第2のバッキングロールのそれぞれの表面に沿った弓状経路において、伸長トリップ基材及び不織布ウェブを誘導するために使用され、それらが、ノズルの第1及び第2の分岐面(それぞれ)によって接近して通過する間、衝突空気の局所捕捉で加熱空気を衝突させた。次いで、基材及び不織布ウェブは、基材の第1の表面及びバッキングの第1の表面が接触した時に、2つのバッキングロール間のニップに入った。2つのバッキングロール間のニップは、低圧で設定され、圧力は、5pli(1リニアインチあたりのplis)(又は1リニアcmあたり約9N)であると推定された。2つの基材及び不織布ウェブの回線速度は、公称毎分70メートルに設定された。
【0106】
共に接触させた後、基材及び不織布ウェブは共に、バッキングロールとの接触から除去される前に、約180度の弧上で第2のバッキングロールの表面を周囲方向に進んだ。
【0107】
このプロセスは、不織布ウェブの第1の表面に基材の2つの平行ストリップの結合をもたらし、不織布ウェブの第1の表面のストリップが基材ストリップの近端の間で露出し、不織布ウェブの第1の表面がストリップの遠端を越えて露出した(図7に示される配置に類似している)。
【0108】
検査時、基材ストリップと不織布ウェブとの間の結合は、良好であり、1つ又は両方を著しく損傷又は破壊することなく、不織布ウェブから基材を除去するのは困難で不可能であることが見出された。とりわけ、結合領域は、基材の最端を含む、基材と不織布ウェブとの間の接触の領域を超えて完全に延在した。また、基材が結合した領域内の不織布ウェブの第2の表面(基材が結合した表面の反対側の表面)が、基材のない領域とは有意差がないことも留意した。つまり、結合プロセスは、不織布ウェブのロフト、密度、又は外観を著しく変更した。また、結合プロセスが、突出する雄型締結要素に影響を及ぼす又は変更するとは思われなかったことも留意した。つまり、要素の物理的損傷又は変形が留意されなかった。定性的に、結合プロセスを行った結果として、繊維ウェブのロフトにおいて、相違は観察されなかった。定性的に、結合プロセスを行った結果として、繊維性材料を用いた締結要素の係合性能において、相違は観察されなかった。厳重な検査時、不織布ウェブ及び基材は、本明細書に記載されるように、共に表面結合されたことが観察された。
【0109】
(実施例2)
複合不織布ウェブは、EBL Bright(米国特許第5616394号に記載の一般的な種類の)の商品名で3Mから得られ、これは、35gsmのポリプロピレン裏材に弓状に突出するループに結合させた約35gsmのプロピレン繊維(4デニール)を備えた。実施例1の基材材料のストリップは、実施例1の条件と実質的に同じ条件を用いて、不織布ウェブの繊維側に結合された。更に、不織布ウェブ−基材の接触領域の全体にわたって卓越した表面結合があり、不織布ウェブの明らかな損傷又は変形がなく、雄型締結要素への明らかな損傷又は変形のない、卓越した結果が、見出された。
【0110】
実施例セット3
50gsmのスパンボンド−メルトブロウン−スパンボンド(SMS)不織布ウェブが、LC060ARWMの商品名でPGI Nonwovens,Charlotte,NCから得られた。一般に、10cmの範囲内で、様々なウェブ幅が使用された。基材は、実施例1に記載の3M Company,St.Paul,MNから得られた。基材は、幅20mmの伸長ストリップとして得られた。
【0111】
積層ニップを備えるウェブ処理装置が、設定された。装置は、金属製の第1のバッキングロール及び木製の第2のバッキングロールを備え、この木製ロールの表面はシリコーンテープ(04863の商品名でTesa,Hamburg Germanyから得られた)によって覆われた。バッキングロールは、金属製ロールの上に木製ロールを備える垂直ストックに位置付けられ、それらの間にニップを画定した。バッキングロールの温度は、制御されなかった。不織布ウェブは、第1の金属製バッキングロール上で誘導され、基材は、第2のシリコーンで覆われた木製バッキングロール上で誘導され、突出部はバッキングロールの方へ面していた。アイドラーローラーは、基材及び不織布ウェブを誘導するように、バッキングロール付近に設置されたため、それぞれは、そのそれぞれのバッキングロール周辺の約130度の弧を交差した。
【0112】
加熱空気は、LHS System 60Lの商品名でKaegiswil,SwitzerlandのLeisterから市販されているヒーターによって供給された。加熱空気を、特注のノズルによって基材上に衝突させた。ノズルは、金属製で、加熱空気供給導管に連結され得るノズルの後部に供給入口(開口部)を備えた。ノズルの本体は、ノズルの後部での供給入口からノズルの前部での先端(ニップに最も近い)までのノズルの長軸に水平に延在させた、2つの横方向に間隙した、略平行の側壁から作製された。側壁は、実質的に同一の形状であり、それぞれは、ノズルの長軸に沿って任意の所与の配置で、それらの間に画定された側壁高さを持つ、上端及び下端を備えた。ノズルの後部から、ノズルの前部と後部の間の約半分の配置までの距離を越えて、それぞれの側壁の上端及び下端は、分岐したため、側壁高さは、最大限まで増加した。(最大側壁高さの)この配置から、ノズルの前部までの距離を越えて、側壁高さは、側壁の上端及び下端が、それぞれ、滑らかな弓状を進む際、ノズルの前部を画定した1点で合うように経路を合流させる。側壁の上端及び下端の弓状形状は、それぞれ、木製バッキングロール及び金属製バッキングロールの曲率に、通常一致するように作製された。したがって、ノズルは、上方の前面及び下方の前面を備え、これらの面は互いに分岐関係にあり、ノズルの前部終端は、突出する突出部を備える。
【0113】
ノズルの上方及び下方の前面で、側壁間の横方向間隙は、約20mmであった。ノズルの内部は、空気送達チャネルによって供給される6つの長方形の空気送達出口のそれぞれに供給するように、金属区画によって分割された(チャネルのすべては、ノズルの後部で同じ供給入口からの加熱空気と共に供給される)。それぞれの空気送達出口は、横方向に幅約20mmであり、出口の垂直高さは、約2.5mmから4.0mmの範囲であった(ノズルは、特注であったため、寸法に幾つかの変動があった)。空気送達出口のうちの1つは、ノズルの前部の突出する先端にあり、通常、2つのバッキングロールによって構築されたニップの方へ直接向かって加熱空気を送達するように配向された。ノズルの上方面は、3つの空気送達出口を備え、ニップを通過する直前に、上方のバッキングロール周辺の約45度の弧を交差する際、基材に加熱空気を送達するように配向された。ノズルの下方面は、2つの空気送達出口を備え、ニップを通過する直前に、下方のバッキングロール周辺の約45度の弧を交差する際、不織布ウェブ上に加熱空気を送達するように配向された。空気送達出口は、開口され、穿孔金属スクリーンが存在した。ノズルの内部内で空気送達チャネル間に、(加熱空気が通過しなかった)デッドスペースがあった。これらのデッドスペース配置のノズルの側壁において、穴が設けられ、通気をもたらした。ノズルは、いかなる空気捕捉入口を含まず、衝突空気の局所除去に対する準備はなかった。
【0114】
装置を使用する様々な実験において、ノズルは、ノズルの上方面の空気送達出口が、上方のバッキングロールの面から3〜4mmの範囲内であると推定され、ノズルの下方面の空気送達出口が、同様に、下方のバッキングロールの面からおよそ3〜4mmであるように、位置付けられた。これらの実験において、加熱空気は、様々な体積流量で提供された。実験中、実際の体積流量を測定するのは不可能であったが、オフライン試験は、体積流量が毎分数百リットルの範囲であったことを示した。これらの実験において、加熱空気は、約500摂氏温度から約700摂氏温度の範囲の様々な温度で提供された。これらの実験において、基材及び不織布ウェブは、それらのそれぞれのバッキングロールに誘導され、通過し、ノズルの前部は、毎分105〜210メートルの範囲を超える様々な回線速度で、互いに接触させた。これらの一般条件内で、不織布ウェブ及び基材は、不織布ウェブの明らかな損傷又は変形がなく、雄型締結要素への明らかな損傷又は変形のない、本明細書に記載の表面結合積層体を提供するために、共に結合させることができた。これらの一般条件内で、これらの実験において使用された基材及びノズルの組み合わせを用いて、より強固な結合が、更に高温及び/又は更に低速の回線速度で達成された。しかしながら、好適な結合の度合いは、積層体が使用されるべき特定の用途により異なり得る。
【0115】
上記の試験及び試験結果は予測ではなく例示のみを意図したものであり、試験方法が変われば異なる結果が生じ得ると考えられる。実施例の項における定量的な値はすべて、用いられる手順に伴う一般的に既知の許容誤差を考慮した近似的な値であるものと理解される。上記の詳細な説明及び実施例はあくまで理解を助けるために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。
【0116】
本明細書に開示される特定の代表的な構造、特徴、詳細、構成等は、多くの実施形態において変更され得る及び/又は組み合され得ることは、当業者には明らかであろう。そのような変例及び組合せはすべて、本発明者により、本考案の発明の範囲内にあるものとして考えられる。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された特定の図示された構造に限定されるべきではなく、むしろ特許請求の範囲の言語によって記載された構造、並びにこれら構造の等価物によるべきである。参照により本明細書に援用したいずれかの文書内での仕様と開示との間の不一致及び矛盾が存在するという点に関して、本仕様書は制御されるであろう。本出願は、同日付でこれと共に出願された、表題「APPARATUS AND METHODS FOR IMPINGING FLUIDS ON SUBSTRATES」の米国仮特許出願第xx/xxx,xxx号、代理人整理番号66031US002に関し、これは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面結合積層体であって、
第1及び第2の反対側に面する主表面を有する繊維ウェブと、
第1及び第2の反対側に面する主表面を有する基材と、
を備え、前記繊維ウェブの前記第1の主表面が、前記基材の前記第1の主表面に表面結合される、表面結合積層体。
【請求項2】
前記繊維ウェブが、不織布繊維ウェブである、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記基材が、前記基材の表面結合領域において、前記基材の前記第2の主表面上に突出部を備える、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記突出部が、雄型締結要素を備える、請求項3に記載の積層体。
【請求項5】
前記突出部が、前記積層体の前記表面結合領域内で著しく損傷されない、請求項3に記載の積層体。
【請求項6】
前記繊維ウェブ及び前記基材が、前記繊維ウェブの前記第1の主表面及び前記基材の前記第1の主表面が互いにオーバーラップする関係にあるオーバーラップ領域を備え、前記繊維ウェブ及び前記基材が、前記オーバーラップ領域の少なくとも70%にわたって、互いに表面結合される、請求項1の記載の積層体。
【請求項7】
前記繊維ウェブ及び前記基材が、前記オーバーラップ領域の実質的にすべてにわたって、互いに表面結合される、請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
繊維の表面結合部分が、前記表面結合領域を通して、ランダムかつ均一に分散される、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記繊維ウェブが、前記基材とオーバーラップする関係にはない、少なくとも1つの第1の延長部分を備える、請求項7に記載の積層体。
【請求項10】
前記繊維ウェブの前記第1の延長部分がアイテムに付着されるように構成され、前記積層体が前記アイテムのフック担持タブとして使用可能である、請求項9に記載の積層体。
【請求項11】
前記繊維ウェブが、フィンガーリフトとして使用されるように構成される第2の延長部分を更に備える、請求項10に記載の積層体。
【請求項12】
請求項1に記載の前記表面結合積層体を備える、衛生物品。
【請求項13】
前記繊維ウェブの少なくとも幾つかの表面結合繊維が、単成分繊維である、請求項1に記載の積層体。
【請求項14】
前記結合が、ロフト保持結合である、請求項1に記載の積層体。
【請求項15】
前記繊維ウェブの表面結合繊維が、前記基材に形状を保持するように結合されて、約1.5未満のアスペクト比を備える、請求項1に記載の積層体。
【請求項16】
溶融結合積層体であって、
第1及び第2の反対側に面する主表面を有する不織布繊維ウェブと、
第1及び第2の反対側に面する主表面を有する予備成形された基材と、
を備え、前記不織布繊維ウェブの前記第1の主表面が、前記繊維ウェブと前記予備成形された基材との間の結合が、ロフト保持結合であるように、前記予備成形された基材の前記第1の主表面に溶融結合される、溶融結合積層体。
【請求項17】
前記基材が、前記基材のロフト保持結合領域において、前記基材の前記第2の主表面上に、著しく損傷していない、突出する雄型締結要素を備える、請求項16に記載の積層体。
【請求項18】
前記不織布繊維ウェブ及び前記基材が、前記不織布繊維ウェブの前記第1の主表面及び前記基材の前記第1の主表面が互いにオーバーラップする関係にあるオーバーラップ領域を備え、前記不織布繊維ウェブ及び前記基材が、前記オーバーラップ領域の実質的にすべてにわたって互いにロフト保持結合される、請求項16に記載の積層体。
【請求項19】
前記不織布繊維ウェブが、前記基材とオーバーラップする関係にはなく、かつ前記積層体がアイテムのフック担持タブとして使用可能であるように前記アイテムに付着されるように構成される、少なくとも第1の延長部分を備える、請求項18に記載の積層体。
【請求項20】
前記繊維ウェブが、フィンガーリフトとして使用されるように構成される第2の延長部分を更に備える、請求項19に記載の積層体。
【請求項21】
前記不織布繊維ウェブが、前記基材に表面結合される、請求項16に記載の積層体。
【請求項22】
請求項16に記載の積層体を備える、衛生物品。
【請求項23】
少なくとも1つの基材に少なくとも1つの繊維ウェブを結合させる方法であって、
移動繊維ウェブの第1の主表面上に加熱流体を衝突させることと、
移動基材の第1の主表面上に加熱流体を衝突させることと、
前記繊維ウェブの前記第1の主表面を前記基材の前記第1の主表面と接触させて、前記繊維ウェブの前記第1の主表面を前記基材の前記第1の主表面に溶融結合させることと、を含む、方法。
【請求項24】
前記基材の前記第1の主表面への前記繊維ウェブの前記第1の主表面の溶融結合することが、表面結合することである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記繊維ウェブが不織布繊維ウェブであり、前記結合することがロフト保持結合することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記基材の前記第2の主表面が突出部を備え、前記結合プロセスが前記突出部への著しい損傷を生じない、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記結合プロセスが、ロフト保持結合すること及び表面結合することを含み、前記結合プロセスが前記突出部への著しい損傷を生じさせない、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
繊維ウェブの前記第1の主表面上に加熱流体を前記衝突させることと、前記基材の前記第1の主表面上に加熱流体を前記衝突させることとが、同時に行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記繊維ウェブが、前記繊維ウェブの前記第1の主表面上に加熱流体を前記衝突させる間に第1のバッキング面と接触する、第2の反対側に面する主表面を備え、前記基材が、前記基材の前記第1の主表面上に加熱流体を前記衝突させる間に第2のバッキング面と接触する、第2の反対側に面する主表面を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のバッキング面が第1のバッキングロールの表面であり、前記第2のバッキング面が第2のバッキングロールの表面であり、前記繊維ウェブの前記第1の主表面を前記基材の前記第1の主表面と前記接触させることが、前記第1及び第2のバッキングロールによって構築された積層ニップに繊維ウェブ及び前記基材を通過させることによって行なわれる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記不織布繊維ウェブの前記第1の主表面を前記基材の前記第1の主表面と前記接触させることが、1リニアインチあたり約10ポンド(18Nlc)未満の積層ニップ圧で行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記バッキングロールのうちの少なくとも1つの少なくとも表面が、ショアAスケールで約70未満のジュロ硬度を有する材料からなる、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記バッキングロールのうちの少なくとも1つが、前記加熱流体の温度より少なくとも150度低い温度に制御される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記基材の前記第1の主表面が、前記基材の前記第1の主表面上に加熱流体を前記衝突させる前に、前記基材の前記第1の主表面を予熱ロールと接触させることによって予熱される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記繊維ウェブの前記第1の主表面上に衝突される前記加熱流体が前記繊維ウェブの厚みを通過しないで、前記繊維ウェブの前記第2の主表面を出る、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記加熱流体が、第1の流体送達出口及び第2の流体送達出口が分岐関係にあるノズルによって、前記繊維ウェブの前記第1の主表面及び前記基材の前記第1の主表面上に衝突される、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
前記衝突させた加熱流体が、前記第1の流体送達出口に対して局所的に位置付けられる少なくとも1つの第1の流体捕捉入口と、前記第2の流体送達出口に対して局所的に位置付けられる少なくとも1つの第2の流体捕捉入口によって、局所的に捕捉される、請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−514917(P2013−514917A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546112(P2012−546112)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061253
【国際公開番号】WO2011/087752
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】