結束された鋼材束中の鋼材本数の計数方法及び計数装置
【課題】鋼材束中の鋼材本数をその断面の画像解析により計数する方法であって、断面画像に影の部分や輝度のバラツキがあっても、鋼材本数を誤差無く計数できる手段を提供する。
【解決手段】画像解析による計数と目視計数とを組合わせた計数方法。すなわち、画像解析で正常な鋼材断面像と確実に判断された部分のみを計数するとともにその部分の画像を消去し、未消去部分に残存する鋼材数を目視で計数する。95%以上の鋼材は画像解析で計数されるので、目視観測者の労力は著しく軽減され、かつ画像解析により計数ミスが生じることもない。
【解決手段】画像解析による計数と目視計数とを組合わせた計数方法。すなわち、画像解析で正常な鋼材断面像と確実に判断された部分のみを計数するとともにその部分の画像を消去し、未消去部分に残存する鋼材数を目視で計数する。95%以上の鋼材は画像解析で計数されるので、目視観測者の労力は著しく軽減され、かつ画像解析により計数ミスが生じることもない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒鋼、線材等の鋼材を多数束ねて結束した鋼材束中に含まれる鋼材の本数を、画像解析により計数する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
棒鋼は運搬や貯蔵に際して、同一サイズのものを多数束ね、ベルトや針金で結束してハンドリングされることが多い。同様に線材も、太めのものは所定の長さに切断し、棒状に引き延ばして、棒鋼と同様に鋼材束としてハンドリングされる。 かかる棒鋼・線材の鋼材束は、1束中の鋼材本数が予め定められ、この予定本数(以下、「員数」という)に合致するように鋼材束が作られることが多い。しかし、1束中の鋼材本数が多いため、正確に員数どおりにすることは容易でなく、多少の増減がある場合が少くない。また、員数を定めず、鋼材数が予定より少ないことが分かっていながら鋼材束を作った場合には、1束中の鋼材本数は不明である。
そのため、生産や出荷の工程管理という観点から、鋼材束中の鋼材本数を正確に計数することが必要になっている。
【0003】
鋼材束中の鋼材本数の計数方法は、目視により計数する方法(目視法)と鋼材束断面画像の画像解析による方法(画像解析法)が一般的である。しかし、目視法は、計数者の労力が過大であるにも拘らず、正確な計数が難しいという問題がある。すなわち、鋼材束1束中鋼材本数は、数十本〜数百本と非常に多いため、計数途中でカウント済のものと未カウントのものとの判別が難しくなり、カウント洩れやダブルカウントが発生しやすい。したがって、多本数の束を正確に計数することは至難の業と言える。
【0004】
一方、画像解析法には、以下の問題がある。通常鋼材束の断面は、個々の鋼材の端部位置が不揃いで出っ張りや引っ込みが生じることが避けられない。そのため奥の方に引っ込んでいる鋼材は暗い陰になり、画像解析時に鋼材の存在の有無の判断が難しくなる。また、各鋼材の端部断面が傾斜していたり、左右又は上下で傾斜が異なっていたりした場合に、断面画像の輝度にバラツキを生じ、正常な鋼材断面でないと判断されてカウント洩れになるケ−スが出てくることが多い。
【0005】
かかる画像解析の問題点を解決するには、鋼材束断面への照明や断面映像の撮影方法を改善するというアプローチと、画像解析の方法自体を改善するというアプローチが考えられる。
前者の照明や撮影方法の改善に関しては、すでにいくつかの提案がなされている。例えば下記特許文献1には、「鋼材束の軸方向と一致しない方向から散乱光を照射する棒鋼計数装置」が、特許文献2には、「鋼材束の軸方向と平行な光で照明する棒鋼計数装置」が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本発明者の知見によれば、かかる照明や撮影方法の改善のみで、鋼材束の断面画像における各鋼材の輝度のバラツキを完全に無くすることは困難で、画像解析において、鋼材本数の計数値に誤差が生じることが避けられないことが知られた。
そこで本発明は、鋼材束断面の照明法や撮像方法を改善して輝度のバラツキをを軽減する手段を提供するとともに、画像解析の方法自体を改良して、断面像の輝度に多少のバラツキはあっても、鋼材本数を誤差無く計数できる画像解析の手段を提供することを課題としている。
【0007】
【特許文献1】特開平10−140431号公報
【特許文献2】特開平10−140432号公報
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数方法の第一は、
断面が同一形状の棒鋼又は線材を多数束ねて結束した鋼材束中の鋼材単体の本数を、その断面画像の画像解析により計数する方法であって、
前記鋼材束断面の正面中央付近の所定位置に設置された二次元撮像手段により、照明された該断面全体の画像を撮影して、この画像を第一のメモリーに記録する撮像ステップと、
この画像を所定の輝度レベルを初期閾値として2値化処理し、得られた2値化画像を第二のメモリーに記録する2値化処理ステップと、
前記2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下を「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析ステップと、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定する正常ランド判定ステップと、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベル又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去し、正常ランドを消去した後の消去画像を第三のメモリーに記録する正常ランド消去処理ステップと、
消去された正常ランドの数を鋼材本数カウンターに計上する計数ステップと、
次いで、前記第三メモリーの消去画像その他必要な画像をディスプレイ上に表示して、未消去領域に存在する鋼材本数を目視観測により判定し、該鋼材本数を前記カウンターに追加計上する目視計数ステップとを有することを特徴とするものである。
【0009】
上記の方法によれば、まず画像処理により、明瞭に鋼材断面の映像であると判定される部分を原画像から消去し、残存部分のみを目視判定で計数するため、観測者の労力が著しく軽減される。また、画像処理で鋼材断面の映像であるか否か判定の難しい部分は目視判定で計数するため、計数の精度が飛躍的に向上するという利点が得られる。
【0010】
上記の第一発明の計数方法においては、前記撮像ステップにおいて、光源ボックスの内壁面での反射により生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段により、前記鋼材断面の照明を行うことが好ましい。
これにより、鋼材断面に影が生じるのを防止し、各鋼材の輝度のバラツキを軽減して、画像処理により好適な断面画像を得ることができる。
【0011】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記目視計数ステップの操作に先立って、前記第三メモリーの正常ランド消去後の画像に対して、前記2値化処理ステップにおける閾値の輝度レベルを、前記初期閾値から所定幅で段階的に下げて、前記の2値化処理ステップ、ランド特性解析ステップ、正常ランド判定ステッップ、正常ランド消去処理ステップ、計数ステップまでの一連の操作を、前記閾値が所定の下限閾値に達するまで繰り返し行った後、前記目視計数ステップの操作を行うことが好ましい。
2値化処理画像は閾値の輝度レベルによって微妙に変化するため、この閾値の選択によって、正常ランドと判定される鋼材数が大幅に左右される。適正な閾値の選択は、予測が難しいので、高めの輝度レベルから、閾値を段階的に下げて、
正常ランドの消去処理を繰り返すことにより、試行的に適正レベルにすることができ、消去される正常ランド数を最大にすることができる。
【0012】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記第一メモリーの原画像において、各鋼材断面の画像に該当する部分及び鋼材間の隙間に該当する部分を特定し、これら両部分の所定範囲に含まれる画素の輝度の平均値を求め、これにより得られた鋼材断面部分の平均輝度を前記初期閾値とするとともに、前記隙間部分の平均輝度を前記下限閾値として、上記の繰り返し操作を行ってもよい。
【0013】
また、上記の第一発明の計数方法は、前記ランド特性解析ステップにおいて、前記ランドの面積に加えて、各ランドの重心座標、重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)及び外周長からなるランド特性値の群より選ばれた1種又は2種以上をランド特性値として求め、前記正常ランド判定ステップにおいて、各ランドの面積に加えて、前記の選ばれた特性値の全てについて、これらの特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定するものであってもよい。
【0014】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記目視計数ステップに先立って、前記第三メモリーの消去画像について、未消去領域に残存する各ランド(以下、残存ランドという)の面積が前記基準値に所定の係数をかけた補正基準値の整数倍(1倍を含む)に、所定の誤差範囲内で合致するか否かを判定し、かつ該残存ランドの重心位置と、該重心位置に最も近接する隣接ランドの重心位置とを特定して、両重心位置間距離を算定し、
その面積が前記補正基準値の整数N倍に合致し、かつ前記重心位置間距離が所定の範囲内である場合に、該残存ランド画像を消去して、消去後の画像を前記第三メモリーに上書きするとともに、前記カウンターに前記整数Nの値を加え、その後前記目視計数ステップの操作を行ってもよい。
【0015】
また、上記の第一発明の計数方法においては、未消去の残存ランドの全てについて、個別に所定倍率の拡大画像を作成して、これらの拡大画像を第四のメモリーに記録して、該拡大画像を順次ディスプレイに表示し得るように構成されていることが好ましい。
これにより、目視計数ステップでのより正確な計数が可能になる。
【0016】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記目視計数ステップにおいて、前記第一メモリーの原画像及び前記第三メモリーの消去画像をディスプレイに表示するとともに、これと並列に前記第四メモリーの拡大画像を順次ディスプレイに表示して、表示された拡大画像中に鋼材断面と判定される映像があるかないかを観測員が判定し、鋼材断面と判定される映像がある場合に、該当する鋼材本数を前記観測員がキーボードから前記カウンターに追加計上し得るように構成されていることが好ましい。
【0017】
本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数方法の第二は、
前記計数ステップまでの操作を実施した後、前記カウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発し、該警報が発せられた場合にのみ、観測員が前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とするものである。
これにより、画像解析による計数値が所定の員数値と一致しない場合にのみ、観測員は目視計数を行えばよく、観測員の労力を顕著に軽減することができる。
【0018】
本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数装置の第一は、
上記のいずれかの計数方法を実施するための装置であって
鋼材束断面の全面を照明する照明手段と、
前記鋼材束の正面中央付近の所定位置に設置された二次元モノクロ画像の撮像手段と、
前記モノクロ画像を記録する第一のメモリーと、
この画像を所定の明度レベルを閾値として2値化処理して2値化画像を得る2値化処理手段と、
該2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下、「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析手段と、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定するする正常ランド認定手段と、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベルに又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去する正常ランド消去処理手段と、
前記2値化画像、前記正常ランド消去後の原画像及び未消去の前記残存ランドの拡大画像を記録する第二、第三及び第四のメモリーと、
消去された前記正常ランドの数及び目視計数された鋼材本数を計数するカウンターと、
目視計数された鋼材本数を前記カウンターに入力する入力手段と、
前記第一〜第四メモリーいずれかの1以上の画像を表示するディスプレイと、
を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
上記第一発明の装置において、前記照明手段は、光源ボックスの内壁面で生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段であることが好ましい。
【0020】
本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数装置の第二は、
上記第一発明の装置の構成に加えて、前記カウンターの係数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発する警報手段を備えたことを特徴とするものでである。
【0021】
上記第一発明又は第二発明の装置において、
前記拡散反射光照射手段は、一端に所定大きさの開口部を有し、この開口部以外の全内壁面が拡散反射材料で被覆された箱状のランプハウスと、該ランプハウスの軸心周辺を除いた任意の位置に配列され、広角度に照明光を放射する複数のユニット光源とからなり、
かつ前記撮像手段が、前記開口部の中央を通過する前記ランプボックスの軸心上の前記対向壁面付近、又は該軸心上の前記対向壁面に設けられた第二の開口部の背後に近接して配置されていることが好ましい。
【0022】
上記第一発明又は第二発明の装置において、
前記撮像手段は、そのレンズ面と前記鋼材束の断面との距離Lが下式の関係を満たすように設置されていることが好ましい。
L>3dl×W/2D
ここで、L:撮像手段のレンズ面と鋼材束断面との距離
dl:隣接する鋼材間の断面段差の最大値
W:鋼材束の直径又は最大径
D:鋼材単体の直径又は最大径
【0023】
また、前記ランプボックスの開口部の前に、その全面を遮光しかつ電気信号で開閉するシャッターが設けられていることが好ましい。
【0024】
さらに、前記シャッター前方において、計数対象である鋼材束の位置を検出するセンサーを設置し、該位置センサーの情報により、前記鋼材束が所定の位置にあると判断された場合にのみ、前記シャッターが開状態になるように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の計数方法及び計数装置は、画像解析と目視計測を組み合わせて、鋼材束中の鋼材本数を簡便かつ正確に計数することを可能にしたものである。本発明の方法によれば、目視計測者の労力を著しく軽減し、かつ従来の画像解析では不可避とも言える計数ミスを完全に無くすることができる。
また、本発明に内蔵される照明方法及び撮像方法を用いれば、鋼材束断面映像に視野欠け部分、影になった暗部や断面の明るさのバラツキが生じるのを防ぐことができ、これにより画像解析の精度を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず、本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数装置について説明する。図1は、本発明の第一実施例である計数装置の構成を示す概要図である。この例では、計数装置はコンベア1に載置された鋼材束2の断面を照明する照明装置3、2次元撮像装置4、演算装置5、ディスプレイ7及び入力装置8等からなっている。照明装置3については後述する。本実施例においては、2次元撮像装置4にはCCDカメラが用いられ、鋼材束断面のモノクロ画像又はカラー画像を撮影する。演算装置5には、通常はパソコンが用いられる。演算装置5には、画像処理手段、画像等を記録するメモリー、鋼材本数を計数するカウンター等が内蔵されている。
【0027】
照明装置3には、光源ボックスの内壁面で生じた拡散反射光をその開口部から照射する手段(本発明においては「拡散反射光照射装置」という)を用いることが好ましい。拡散反射は乱反射と同義で、入射光が特定の方向に反射されるのでは無く、反射光が広い角度範囲に分布する反射態様である。反射光は光源ボックス内で複数回拡散反射を繰り返した後、開口部から出射される。したがって、拡散反射光照射装置から照射される照明光は、光束の方向が殆どあらゆる方位に分布した光が重ね合わされたものと解することができる。
【0028】
かかる拡散反射光照明の効果を簡単に説明すると以下の如くなる。鋼材束断面において、一部の鋼材が他の鋼材に対して引っ込んだ位置にある場合、鋼材の軸に対して傾斜した1方向のみから照明すれば、凹部の内側及び底部に影が生じる。しかし、この照明灯と反対側に傾斜した光源から同時に照明すれば、上述の影は消えることになる。したがって、照射方向の互いに異なる多数の光束が重ね合わされた拡散反射光を被照射面に照射すれば、どのような凹所にも影が生じることが無い。
【0029】
また、影を生じさせないという目的のみであれば、鋼材の軸に平行な光(以下、平行光という)で照明することも考えられる。しかし、平行光による照明では、鋼材断面の反射による明るさが一様になりにくいという問題がある。すなわち、各鋼材の断面が軸方向に対して直角な場合は、反射光は軸方向に出射しカメラに入射する。これに対し、断面が直角でなく斜めに傾いている場合には、反射光は斜めに出射しカメラに入射しない。そのため、平行光による照明では、各鋼材断面の傾斜により明暗が生じ、これが画像解析の精度を下げる原因となることが多い。
【0030】
これに対して前述した拡散反射光照明によれば、鋼材断面の傾斜角にバラツキがあっても、鋼材断面の反射が一様になり易い。すなわち、拡散反射光の場合は多数の方向からの照明光が重畳して入射するため、どの方向へも反射することになり、鋼材断面の傾斜角が異なっていても、カメラに入射する反射光の明るさはほぼ一様になる。このように、鋼材断面の傾斜にバラツキがあっても、その明るさが一様になることは、画像解析の精度を高める上で、きわめて重要な要因である。
【0031】
図2は、上記の実施例における照明装置の詳細を示す断面図である。この照明装置は、その内部に複数のユニット光源9を有する箱状のランプボックス10からなっている。ランプボックス10の前面(鋼材束側)に第一の開口部6と、背面(鋼材束と反対側)に第二の開口部12が設けられている以外は、密封状態になっている。第一の開口部6は鋼材束2の直径と同程度かこれよりやや大きい必要があり、第二の開口部12は撮像装置4の受光面よりやや大きい程度であれば良い。
ランプボックス10の全内壁面には拡散反射層11が形成されている。拡散反射層11は、一般にはつや消し塗料を塗布することによって形成することができる。
【0032】
ランプボックス10の内部には多数のユニット光源9が配置されている。ユニット光源は、ランプボックス10の軸心周囲(例えば図2の破線内側の円筒状の部分)を除外して、任意の位置に配列すればよい。軸心周囲を外すのは鋼材断面の映像撮影の邪魔にならないようにするためである。また、ユニット光源からの出射光の方向はとくに限定する必要は無く、ランプボックス10の内壁面又は前方開口部の任意の方向に出射するものでよい。光源の種類もとくに限定する必要はないが、ある程度広角に出射するものが好ましい。ユニット光源9からの照射光の大部分は、側壁面13等で多数回拡散反射を繰り返したのち開口部6から放射され、拡散反射光となって鋼材束2の断面を照明する。
【0033】
本発明において撮像装置4は、開口部6の中央を通過するランプボックス10の軸心上付近に設置される。撮像装置4の位置は第二の開口部12の前方(ランプボックス10の内部)であっても、後方であっても良い。
ただし、撮像装置4は、その受光面(レンズ面)と鋼材束2の断面との距離Lが下式の関係を満たすように設置されていることが好ましい。
L>3dl×W/2D ……………(1)
ここで、L:撮像手段の受光面と鋼材束断面との距離
dl:隣接する鋼材間の断面段差の最大値
W:鋼材束の直径又は最大径
D:鋼材単体の直径又は最大径
【0034】
以下、撮像装置の適正な位置として(1)式の関係が好ましい理由を図3を用いて説明する。
鋼材束中の鋼材は、出っ張っているものと引っ込んでいるもので段差がある。図3にみるように鋼材2aと鋼材2bの段差(最大値)をdlとする。鋼材束の周縁付近にこのような段差があると、鋼材2bの断面の一部の幅δの部分は、鋼材2aに遮られて画像が得られないことになる。このような画像の欠損は、画像解析による計数の精度を損なうおそれがある。本発明者の知見によれば、上記のδが鋼材単体の直径Dの1/3以下であば、とくに支障が無いことが知れている。
幾何学的な関係から、撮像手段の受光面と鋼材束断面との距離をL、鋼材束の直径をWとすると、下記の関係が成り立つ。
L/(W/2)= dl/δ ………(1)
これよりδ<D/3にするには、(1)式の関係が必要なことが知れる。
【0035】
鋼材本数の計数は、演算装置5の画像処理手段とディスプレイに表示された画像を観測員が目視観察する目視計数の組み合わせによって行われる。図4は、本発明の一実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。この例では、画像処理手段は2値化処理手段(M−2)、ランド特性解析手段(M−3)、正常ランド判定手段(M−4)及び正常ランド消去手段(M−5)から構成されている。各手段の操作の内容は、計数方法の説明において後述する。
【0036】
一方、目視計数は、画像処理の一連のステップを終えた後に、正常ランドを消去した第三メモリーの画像及びその他の必要な画像をディスプレイ7に表示し、観測員が未消去の残存領域に含まれる鋼材本数を目視で計数することによって行う。
その他の必要な画像としては、第一メモリーの原画像及び未消去ランドの拡大画像があげられる。この拡大画像は、未消去ランドそれぞれに対して、同一倍率(例えば2〜10倍)の拡大画像を作成し、個々の画像に順番を付して第四メモリーに記録する。目視計数ステップにおいて、この順番にしたがって拡大画像が順次表示されるように構成されている。このような拡大画像を用いることにより、残存領域中の鋼材本数をより正確に目視計数することが可能になるので、この鋼材本数を入力装置8によってカウンターに追加計数する。入力装置8にはパソコンのキーボードやマウスを利用することができる。
【0037】
図5は、本発明の他の実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。この例では、画像処理手段は図4の構成(図中第1ステップと表示)に加えて、第2ステップの画像処理として、残存ランド特性解析手段(M−6)、残存ランド合否判定手段(M−7)及び残存ランド消去手段(M−8)を有している。各手段の操作の内容は、上記と同様に後述する。これら第1ステップ及び第2ステップの画像処理を終えた後、上記と同様に目視計数を行う。すなわち第三メモリーには、正常ランド及び残存ランドのうち合格と判定されたランドを消去した画像が記録されている。この消去画像と第一メモリーの原画像及び未消去ランドの拡大画像をディスプレイ7に表示し、観測員がこの拡大画像の残存領域に含まれる鋼材本数を目視で計数し、この領域中に存在する鋼材本数を入力装置8によってカウンターに追加計数する。
【0038】
図6は、本発明の第二実施例である計数装置の構成を示す概要図である。この例では、計数装置は図1の構成に加えて、警報装置14を備えている。警報装置14は、目視計数前のカウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発するよう構成されている。その際ディスプレイ7には、第一メモリーの原画像、第三メモリーの消去画像(正常ランド及び残存ランドを消去したもの)及び未消去領域の拡大画像が表示される。観測員は警報が発せられた場合のみ、ディスプレイ7を観察し、拡大画像の残存領域に存在する鋼材本数を目視計数して、入力装置8によりカウンターに追加計数する。
このように構成することにより、観測員は員数が不一致の場合(通常は100〜1000回に1回位)のみ、目視計数を行えばよく、その労力を大幅に軽減することができる。
【0039】
図7は、本発明の第三実施例である計数装置の構成を示す概要図で、図7(a)はシャッターが閉状態の場合を示し、図7(b)はシャッターが開状態の場合を示す。この装置は、第一実施例(図1)の構成に加えて、シャッター15及びセンサ16を備えていることが特徴である。シャッター15は照明装置3の開口部6をカバーして、外部に照明光が漏洩しないようにするもので、電気信号で開閉するものを用いる。センサ16は計数対象である鋼材束2の位置を検出するものである。
【0040】
この例では、シャッター15はセンサ16の信号により開閉するように構成されている。すなわち図7(a)に示すように、コンベア1に載置された鋼材束2が所定の測定位置(開口部6の前方)に未だ到達していない時には、センサ16は鋼材束2が無いことを表す信号をシャッター15に送っており、この状態ではシャッター15は閉状態で、開口部6は完全にカバーされ、照明光は外部に漏れない。次いで図7(b)に示すように、鋼材束2が所定の測定位置に到達すると、センサ16の信号により、シャッター15は開状態になり、照明された鋼材束2の断面画像を、2次元撮像装置4で撮影することが可能になる。
このように構成することにより、照明装置に光が外部に漏れて、他の作業を妨害するという弊害を最小限にとどめることができる。
【0041】
次ぎに、本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数方法について説明する。図8は、本発明の計数方法を説明するためのフロー図である。まず、原画像撮影ステップ(撮像ステップ;S−1)では2次元撮像装置例えばCCDカメラにより、照明された鋼材断面画像を撮影して、これを第一メモリーに記録する。原画像は、モノクロ画像でもカラー画像でも良い。
次いで、画像処理の演算に必要な基準値を入力する(S−2)。この基準値には、正常ランドの面積(計数される鋼材単体の断面積)、外周長、隣接するランドの中心点(重心)間距離等があげられる。これらの数値の入力は、入力装置8(例えばキーボードや工場のDSC(プロコン)からの伝送信号)を用いて行うことができる。
【0042】
次いで、2値化処理の閾値に関するデータを入力する(S−3)。初期閾値K0、下限閾値KL、閾値の変化幅ΔKなどである。K0、KLは経験的に適正と思われる数値を用いても良い。しかし、適正値を予想することは必ずしも容易でないので、予め画像処理により算定することが好ましい。算定方法の一例として、第一メモリーの原画像において、各鋼材断面の画像に該当する部分及び鋼材間の隙間に該当する部分を特定し、これら両部分の所定範囲に含まれる画素の輝度の平均値を求め、この平均輝度を閾値として用いる方法があげられる。すなわち、鋼材断面部分(輝度が高い)の平均輝度を初期閾値K0とし、隙間部分(輝度が低い)平均輝度を下限閾値KLとし、閾値の変化幅ΔKを両者の差の1/3〜1/10程度とすればよい。
【0043】
以上で画像処理の準備が終了する。次いで、まず処理対象の画像を取り込む(S−4)。最初は第一メモリーの原画像が処理対象であるが、繰り返し処理の2回目以降は、第三メモリーの消去画像を取り込んで処理を行う。
次いで閾値を決定する。最初は初期閾値K0を閾値とするが、2回目以降は閾値変更ステップ(S−5)の操作を行う。すなわち、Ki+1=Ki−ΔKとして算定し、これを閾値として2値化処理を行う。
2値化処理(S−6)ステップにおいて、原画像がモノクロ画像の場合は、各画素の輝度をそのまま用いて2値化処理を行えばよい。しかし、カラー画像の場合は、RGB3色の輝度の平均値を用いる必要がある。本発明者の知見では、かかる平均輝度として、RGB3色の輝度に鋼材の切断面が示す色調から求める重みを付けて平均した加重平均値を用いることが好ましい。
【0044】
次いで、上記で得られた2値化画像において、鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(ランド)の外縁を画定する。このランドのそれぞれについて、その特性値を解析する(ランド特性解析ステップ;S−7)。ランドの特性値としては少なくともその面積を含むことを要する。ランド面積が、ランドが鋼材断面を正常に示しているか否かを判断する指標として最も直接的なものであるからである。また、他のランド特性値として、各ランドの重心座標、隣接ランドの重心間距離、重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)及び外周長等があげられる。ランドの面積に加えて、これら特性値群の内の1種又は2種以上を選択して、正常ランドの認定に用いることができる。
【0045】
次いで、この各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定する(正常ランド判定ステップS−8)。
これらランド特性解析ステップと正常ランド判定ステップの方法には、次ぎの2ケ−スが考えられる。
ケ−スA:ランド面積(及び上記の選択された特性値)が、鋼材本数1本での基 準値に所定誤差範囲内で合致するもののみを、正常ランドとして処理する。ケ−スB:ランド面積が鋼材本数1本の基準値に所定誤差範囲内で合致する場合 にこれを1個のランドとしてカウントし、かつ鋼材本数N本の面積の補正 された基準値(複数連結した場合の隙間部分の面積を補正したもの)に所 定誤差範囲内で合致する場合ににこれをN個のランドとしてカウントする。
【0046】
ケ−スAでは、ランドの像が連結している場合は正常ランドと認識されない。しかし、ケ−スBではランドの像が連結している場合も、画像処理で計数されるため、後の目視計数の労力がより軽減されるという利点がある。しかし、この方法では、鋼材断面でない異物の映像、例えばコンベヤ部品の映像を鋼材断面と見做して誤計測する危険性がある。そのため、ケ−スBの方法ではランドの特性値として、ランド面積に加えて、ランドの中心点(重心)と、このランドに最も近接するランドの重心とを求め、両重心間の距離が所定の範囲内にある場合のみ正常ランドと判定する手段をとることが望ましい。
【0047】
次いで、上記のようにして正常ランドと判定されたランドを消去する(S−9)。正常ランドの消去は、このランドに含まれる全画素の輝度を明レベル(例えば輝度1)から暗レベル((例えば輝度0)に変換してもよい。或いは、ランドの内部を明レベルにし、外縁を暗レベルにしてもよい。後者の場合は、正常ランドの丸抜き処理と見ることができる。正常ランドを消去した後の画像(消去画像)を第三メモリーに記録するとともに、消去したランドの数をカウンターに計上する。
【0048】
下限閾値KLより小さいか否かを判定する。Ki>KLのときは、(S−4)に戻り第三メモリーの消去画像を取り込むとともに、閾値の変更(S−5)を行い、その後、(S−6)から(S−6)の一連の操作を行って消去される正常ランドを追加し、消去後の画像を第三メモリーに上書きるとともに、消去した正常ランド数をカウンターに追加する。
【0049】
このようにして、閾値を段階的に下げて正常ランドの消去を繰り返し、Ki≦KLになった時点で、画像処理を終了する。その後、第三メモリーの画像には、未消去領域(正常ランドとして消去されなかった部分)が点在するので、この未消去領域のそれぞれに拡大画像(例えば倍率2〜10倍)を作成し、この拡大画像に順番を付して第四メモリーに記録する(S−10)。
【0050】
ここまでの画像処理を終えた後、目視計数ステップ(S−11)に移行する。目視計数ステップでは、第一メモリーの原画像及び第三メモリーの消去画像をディスプレイに表示するとともに、これと並列に第四メモリーの拡大画像を順次ディスプレイに表示する。表示された拡大画像中に鋼材断面と判定される映像があるかないかを観測員が判定し、鋼材断面と判定される映像がある場合に、該当する鋼材本数を前記観測員がキーボードからカウンターに追加計上する。
これにより、本発明の計数方法の一連の手順が完了する。
【0051】
本発明の第二実施例である計数装置(図6)を用いた場合には、計数装置は警報装置14を備えており、目視計数ステップ前のカウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合にのみ警報を発するよう構成されている。観測員は警報が発せられた場合のみ、目視計数ステップの操作を行えばよい。すなわち、拡大画像の残存領域に存在する鋼材本数を目視計数して、入力装置8によりカウンターに追加計数する。
【0052】
通常1束中の鋼材の95%程度以上は、画像処理により、消去されているので、未消去領域に存在する鋼材本数は数本〜十数本程度なため、観測者の労力も軽微であり、かつ計数ミスするおそれも全くない。
したがって、このような画像処理と目視計数を組み合わせた計数方法によれば、目視計測者の労力を著しく軽減し、かつ従来の画像解析では不可避とも言える計数ミスを完全に無くすることができる。
【0053】
これまで説明したように、本発明は棒鋼又は線材を対象とするものであるが、本発明のコンセプトは、断面が異形の型鋼、例えば山形鋼、溝形鋼、H形鋼等の鋼材本数の計数に容易に適用し得るものである。
【実施例】
【0054】
下記の2種の鋼材束に、本発明の方法を適用して鋼材本数の計数を行った。
鋼材束1:直径40mmφ丸棒鋼、1束中の鋼材本数80本(符号R40)
鋼材束2:直径10mmφ異形棒鋼、1束中の鋼材本数600本(符号D10)
鋼材束断面の画像撮影に用いた照明装置の形状・寸法を図9に示す。ランプボックスは、略正方形の箱状部10aと角錐台状の傾斜部10bとからなり、前方中央に第1の開口部6と後方中央に第2の開口部12が設けられている。ランプボックスの後方壁面近くに、ユニット光源9が8個配列されている。
【0055】
本実施例では、ユニット光源9に各150Wの反射板付メタルハライドランプ(高色温度型、拡散型ワイド配光式)を用いた。ユニット光源の照射方向は略第1の開口部の方向とした。また、ランプボックスで拡散反射させるため、ランプボックスの内壁面全体を、耐熱黒色塗料((株)カンペパピオ製テルモスプレー600)で塗装した。
二次元撮像装置に用いたCCDカメラは日立国際電気製で、モノクロ画像には型式KP−FP200CL、カラー画像にはKP−FD202GVlを用いた。画素数は、モノクロ、カラーともに1688(W)×1248(V)である。カメラ受光面から鋼材断面までの距離は250mmとした。
【0056】
(1)鋼材束1(R40)の場合:
モノクロの原画像の例を図10に示す。鋼材断面の部分は照明光を反射して白色になり、隙間部分は黒色になっている。まず、2値化処理の閾値は、原画像における各鋼材断面部分と鋼材間の隙間部分の平均輝度を求め、鋼材断面部分の平均輝度を初期閾値K0=200(相対値)、隙間部分の平均輝度を下限閾値KL=50とし、閾値の変化幅ΔK=50(相対値)として、図8のフロー図に示す操作を繰り返した。正常ランドか否かの判定は、ランド面積及び重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)が基準値の範囲に入るか否かで判定し、鋼材が1本の単離ランドと鋼材が2本の連結ランドについて、同時に正常ランド判定を行った。
【0057】
図11は本実施例における中間段階での処理画像の例を示す図で、図11(a)は2値化図、図11(b)は1回消去処理後の図、図11(c)は4回消去処理後の図である。図11(a)の2値化図は、輝度が閾値より高い部分を黒色に、閾値より低い部分を白色にした図になっている。図11(b)の1回処理図において、中央に黒丸が付されたランドが正常ランドと認定されたものを示す。
【0058】
同様に、図11(c)の4回処理図において、外周が黒縁で内部が白抜きされたもの(消去処理)は第1〜3回の処理で正常ランドと認定されらたランド(消去ランド)を示し、中央に黒丸が付されたランド(この例では3個)は第4回の処理で正常ランドと認定され、追加計数されたランドを示している。
このようにして、正常ランドを計数した結果を表1に示す。消去鋼材数が計算回数の増加に伴って増加し、第4回の計算で実際の員数80本が正しく計数されたことが知れる。
【0059】
【表1】
【0060】
(2)鋼材束2(D10)の場合:
鋼材束1の場合と同様に閾値を変えて繰返し消去(白抜き)処理を行った。ただし、この場合は、初期閾値K0=120(相対値)、下限閾値KL=15とし、ΔK=30(相対値)として、図8のフロー図に示す操作を繰り返した。鋼材束1の場合と同様に正常ランドか否かの判定は、ランド面積及び重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)が基準値の範囲に入るか否かで判定し、鋼材が1本の単離ランドと鋼材が2本の連結ランドについて、同時に正常ランド判定を行った。
【0061】
このようにして、正常ランドを計数した結果を表2に示す。消去鋼材数が計算回数の増加に伴って増加し、第4回の計算で実際の員数600本に対し、計数値が599本と1本少ない。この少ない部分は未消去領域の拡大図を観察することにより、目視計数で1本追加することができた。すなわち、小径・多本数の鋼材束でも、画像処理と目視計数を組み合わせることによって、正確に鋼材本数を計数しうることが明らかになった。
【0062】
【表2】
【0063】
次ぎに各種の鋼材束を多数回(生産束数72〜2453)計数するに当たって、従来の自動計数法と本方式で計数した結果での、誤検出束数を評価した結果の例を表3に示す。表中鋼材種類の英文字Rは丸棒鋼、Dは異形棒鋼を表し、数字は鋼材1本の直径を表す。上から4段目の「自動計数誤検出束数」は、従来の自動計数法で全ての生産束数を計数したときの誤計数が生じた頻度を表す。
上から5段目の「自動認識率」は、本方式の画像処理段階での計数本数/結束本数×100の比率を表し、7段目の「本方式での認識率」は(正しく計数された束数)/(生産束数)×100の比率を表す。表3に見られるように、本発明の計数法により、以下なる鋼材種類においても、全く誤計数を生じることなく計数可能なことが確かめられた。
【0064】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第一実施例である計数装置の構成を示す概要図である。
【図2】第一実施例における照明装置の詳細を示す断面図である。
【図3】撮像装置の適正な位置を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第二実施例である計数装置の構成を示す概要図である。
【図7】本発明の第三実施例である計数装置の構成を示す概要図である。
【図8】本発明の計数方法を説明するためのフロー図である。
【図9】本発明の実施例で用いた照明装置の形状・寸法を示す図である。
【図10】本実施例における鋼材束1の断面画像の例を示す写真である。
【図11】本実施例における中間段階での処理画像の例を示す写真である。
【符号の説明】
【0066】
1;コンベア、2;鋼材束又は鋼材、3;照明装置、4;二次元撮像装置、5;演算装置、6;第1の開口部、7;ディスプレイ、8;入力装置、9;ユニット光源、10;ランプボックス、11;拡散反射層、12;第2の開口部、13;
ランプボックスの側壁面、14;警報装置、15;シャッター、16;センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒鋼、線材等の鋼材を多数束ねて結束した鋼材束中に含まれる鋼材の本数を、画像解析により計数する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
棒鋼は運搬や貯蔵に際して、同一サイズのものを多数束ね、ベルトや針金で結束してハンドリングされることが多い。同様に線材も、太めのものは所定の長さに切断し、棒状に引き延ばして、棒鋼と同様に鋼材束としてハンドリングされる。 かかる棒鋼・線材の鋼材束は、1束中の鋼材本数が予め定められ、この予定本数(以下、「員数」という)に合致するように鋼材束が作られることが多い。しかし、1束中の鋼材本数が多いため、正確に員数どおりにすることは容易でなく、多少の増減がある場合が少くない。また、員数を定めず、鋼材数が予定より少ないことが分かっていながら鋼材束を作った場合には、1束中の鋼材本数は不明である。
そのため、生産や出荷の工程管理という観点から、鋼材束中の鋼材本数を正確に計数することが必要になっている。
【0003】
鋼材束中の鋼材本数の計数方法は、目視により計数する方法(目視法)と鋼材束断面画像の画像解析による方法(画像解析法)が一般的である。しかし、目視法は、計数者の労力が過大であるにも拘らず、正確な計数が難しいという問題がある。すなわち、鋼材束1束中鋼材本数は、数十本〜数百本と非常に多いため、計数途中でカウント済のものと未カウントのものとの判別が難しくなり、カウント洩れやダブルカウントが発生しやすい。したがって、多本数の束を正確に計数することは至難の業と言える。
【0004】
一方、画像解析法には、以下の問題がある。通常鋼材束の断面は、個々の鋼材の端部位置が不揃いで出っ張りや引っ込みが生じることが避けられない。そのため奥の方に引っ込んでいる鋼材は暗い陰になり、画像解析時に鋼材の存在の有無の判断が難しくなる。また、各鋼材の端部断面が傾斜していたり、左右又は上下で傾斜が異なっていたりした場合に、断面画像の輝度にバラツキを生じ、正常な鋼材断面でないと判断されてカウント洩れになるケ−スが出てくることが多い。
【0005】
かかる画像解析の問題点を解決するには、鋼材束断面への照明や断面映像の撮影方法を改善するというアプローチと、画像解析の方法自体を改善するというアプローチが考えられる。
前者の照明や撮影方法の改善に関しては、すでにいくつかの提案がなされている。例えば下記特許文献1には、「鋼材束の軸方向と一致しない方向から散乱光を照射する棒鋼計数装置」が、特許文献2には、「鋼材束の軸方向と平行な光で照明する棒鋼計数装置」が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本発明者の知見によれば、かかる照明や撮影方法の改善のみで、鋼材束の断面画像における各鋼材の輝度のバラツキを完全に無くすることは困難で、画像解析において、鋼材本数の計数値に誤差が生じることが避けられないことが知られた。
そこで本発明は、鋼材束断面の照明法や撮像方法を改善して輝度のバラツキをを軽減する手段を提供するとともに、画像解析の方法自体を改良して、断面像の輝度に多少のバラツキはあっても、鋼材本数を誤差無く計数できる画像解析の手段を提供することを課題としている。
【0007】
【特許文献1】特開平10−140431号公報
【特許文献2】特開平10−140432号公報
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数方法の第一は、
断面が同一形状の棒鋼又は線材を多数束ねて結束した鋼材束中の鋼材単体の本数を、その断面画像の画像解析により計数する方法であって、
前記鋼材束断面の正面中央付近の所定位置に設置された二次元撮像手段により、照明された該断面全体の画像を撮影して、この画像を第一のメモリーに記録する撮像ステップと、
この画像を所定の輝度レベルを初期閾値として2値化処理し、得られた2値化画像を第二のメモリーに記録する2値化処理ステップと、
前記2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下を「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析ステップと、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定する正常ランド判定ステップと、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベル又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去し、正常ランドを消去した後の消去画像を第三のメモリーに記録する正常ランド消去処理ステップと、
消去された正常ランドの数を鋼材本数カウンターに計上する計数ステップと、
次いで、前記第三メモリーの消去画像その他必要な画像をディスプレイ上に表示して、未消去領域に存在する鋼材本数を目視観測により判定し、該鋼材本数を前記カウンターに追加計上する目視計数ステップとを有することを特徴とするものである。
【0009】
上記の方法によれば、まず画像処理により、明瞭に鋼材断面の映像であると判定される部分を原画像から消去し、残存部分のみを目視判定で計数するため、観測者の労力が著しく軽減される。また、画像処理で鋼材断面の映像であるか否か判定の難しい部分は目視判定で計数するため、計数の精度が飛躍的に向上するという利点が得られる。
【0010】
上記の第一発明の計数方法においては、前記撮像ステップにおいて、光源ボックスの内壁面での反射により生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段により、前記鋼材断面の照明を行うことが好ましい。
これにより、鋼材断面に影が生じるのを防止し、各鋼材の輝度のバラツキを軽減して、画像処理により好適な断面画像を得ることができる。
【0011】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記目視計数ステップの操作に先立って、前記第三メモリーの正常ランド消去後の画像に対して、前記2値化処理ステップにおける閾値の輝度レベルを、前記初期閾値から所定幅で段階的に下げて、前記の2値化処理ステップ、ランド特性解析ステップ、正常ランド判定ステッップ、正常ランド消去処理ステップ、計数ステップまでの一連の操作を、前記閾値が所定の下限閾値に達するまで繰り返し行った後、前記目視計数ステップの操作を行うことが好ましい。
2値化処理画像は閾値の輝度レベルによって微妙に変化するため、この閾値の選択によって、正常ランドと判定される鋼材数が大幅に左右される。適正な閾値の選択は、予測が難しいので、高めの輝度レベルから、閾値を段階的に下げて、
正常ランドの消去処理を繰り返すことにより、試行的に適正レベルにすることができ、消去される正常ランド数を最大にすることができる。
【0012】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記第一メモリーの原画像において、各鋼材断面の画像に該当する部分及び鋼材間の隙間に該当する部分を特定し、これら両部分の所定範囲に含まれる画素の輝度の平均値を求め、これにより得られた鋼材断面部分の平均輝度を前記初期閾値とするとともに、前記隙間部分の平均輝度を前記下限閾値として、上記の繰り返し操作を行ってもよい。
【0013】
また、上記の第一発明の計数方法は、前記ランド特性解析ステップにおいて、前記ランドの面積に加えて、各ランドの重心座標、重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)及び外周長からなるランド特性値の群より選ばれた1種又は2種以上をランド特性値として求め、前記正常ランド判定ステップにおいて、各ランドの面積に加えて、前記の選ばれた特性値の全てについて、これらの特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定するものであってもよい。
【0014】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記目視計数ステップに先立って、前記第三メモリーの消去画像について、未消去領域に残存する各ランド(以下、残存ランドという)の面積が前記基準値に所定の係数をかけた補正基準値の整数倍(1倍を含む)に、所定の誤差範囲内で合致するか否かを判定し、かつ該残存ランドの重心位置と、該重心位置に最も近接する隣接ランドの重心位置とを特定して、両重心位置間距離を算定し、
その面積が前記補正基準値の整数N倍に合致し、かつ前記重心位置間距離が所定の範囲内である場合に、該残存ランド画像を消去して、消去後の画像を前記第三メモリーに上書きするとともに、前記カウンターに前記整数Nの値を加え、その後前記目視計数ステップの操作を行ってもよい。
【0015】
また、上記の第一発明の計数方法においては、未消去の残存ランドの全てについて、個別に所定倍率の拡大画像を作成して、これらの拡大画像を第四のメモリーに記録して、該拡大画像を順次ディスプレイに表示し得るように構成されていることが好ましい。
これにより、目視計数ステップでのより正確な計数が可能になる。
【0016】
また、上記の第一発明の計数方法においては、前記目視計数ステップにおいて、前記第一メモリーの原画像及び前記第三メモリーの消去画像をディスプレイに表示するとともに、これと並列に前記第四メモリーの拡大画像を順次ディスプレイに表示して、表示された拡大画像中に鋼材断面と判定される映像があるかないかを観測員が判定し、鋼材断面と判定される映像がある場合に、該当する鋼材本数を前記観測員がキーボードから前記カウンターに追加計上し得るように構成されていることが好ましい。
【0017】
本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数方法の第二は、
前記計数ステップまでの操作を実施した後、前記カウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発し、該警報が発せられた場合にのみ、観測員が前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とするものである。
これにより、画像解析による計数値が所定の員数値と一致しない場合にのみ、観測員は目視計数を行えばよく、観測員の労力を顕著に軽減することができる。
【0018】
本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数装置の第一は、
上記のいずれかの計数方法を実施するための装置であって
鋼材束断面の全面を照明する照明手段と、
前記鋼材束の正面中央付近の所定位置に設置された二次元モノクロ画像の撮像手段と、
前記モノクロ画像を記録する第一のメモリーと、
この画像を所定の明度レベルを閾値として2値化処理して2値化画像を得る2値化処理手段と、
該2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下、「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析手段と、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定するする正常ランド認定手段と、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベルに又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去する正常ランド消去処理手段と、
前記2値化画像、前記正常ランド消去後の原画像及び未消去の前記残存ランドの拡大画像を記録する第二、第三及び第四のメモリーと、
消去された前記正常ランドの数及び目視計数された鋼材本数を計数するカウンターと、
目視計数された鋼材本数を前記カウンターに入力する入力手段と、
前記第一〜第四メモリーいずれかの1以上の画像を表示するディスプレイと、
を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
上記第一発明の装置において、前記照明手段は、光源ボックスの内壁面で生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段であることが好ましい。
【0020】
本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数装置の第二は、
上記第一発明の装置の構成に加えて、前記カウンターの係数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発する警報手段を備えたことを特徴とするものでである。
【0021】
上記第一発明又は第二発明の装置において、
前記拡散反射光照射手段は、一端に所定大きさの開口部を有し、この開口部以外の全内壁面が拡散反射材料で被覆された箱状のランプハウスと、該ランプハウスの軸心周辺を除いた任意の位置に配列され、広角度に照明光を放射する複数のユニット光源とからなり、
かつ前記撮像手段が、前記開口部の中央を通過する前記ランプボックスの軸心上の前記対向壁面付近、又は該軸心上の前記対向壁面に設けられた第二の開口部の背後に近接して配置されていることが好ましい。
【0022】
上記第一発明又は第二発明の装置において、
前記撮像手段は、そのレンズ面と前記鋼材束の断面との距離Lが下式の関係を満たすように設置されていることが好ましい。
L>3dl×W/2D
ここで、L:撮像手段のレンズ面と鋼材束断面との距離
dl:隣接する鋼材間の断面段差の最大値
W:鋼材束の直径又は最大径
D:鋼材単体の直径又は最大径
【0023】
また、前記ランプボックスの開口部の前に、その全面を遮光しかつ電気信号で開閉するシャッターが設けられていることが好ましい。
【0024】
さらに、前記シャッター前方において、計数対象である鋼材束の位置を検出するセンサーを設置し、該位置センサーの情報により、前記鋼材束が所定の位置にあると判断された場合にのみ、前記シャッターが開状態になるように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の計数方法及び計数装置は、画像解析と目視計測を組み合わせて、鋼材束中の鋼材本数を簡便かつ正確に計数することを可能にしたものである。本発明の方法によれば、目視計測者の労力を著しく軽減し、かつ従来の画像解析では不可避とも言える計数ミスを完全に無くすることができる。
また、本発明に内蔵される照明方法及び撮像方法を用いれば、鋼材束断面映像に視野欠け部分、影になった暗部や断面の明るさのバラツキが生じるのを防ぐことができ、これにより画像解析の精度を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず、本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数装置について説明する。図1は、本発明の第一実施例である計数装置の構成を示す概要図である。この例では、計数装置はコンベア1に載置された鋼材束2の断面を照明する照明装置3、2次元撮像装置4、演算装置5、ディスプレイ7及び入力装置8等からなっている。照明装置3については後述する。本実施例においては、2次元撮像装置4にはCCDカメラが用いられ、鋼材束断面のモノクロ画像又はカラー画像を撮影する。演算装置5には、通常はパソコンが用いられる。演算装置5には、画像処理手段、画像等を記録するメモリー、鋼材本数を計数するカウンター等が内蔵されている。
【0027】
照明装置3には、光源ボックスの内壁面で生じた拡散反射光をその開口部から照射する手段(本発明においては「拡散反射光照射装置」という)を用いることが好ましい。拡散反射は乱反射と同義で、入射光が特定の方向に反射されるのでは無く、反射光が広い角度範囲に分布する反射態様である。反射光は光源ボックス内で複数回拡散反射を繰り返した後、開口部から出射される。したがって、拡散反射光照射装置から照射される照明光は、光束の方向が殆どあらゆる方位に分布した光が重ね合わされたものと解することができる。
【0028】
かかる拡散反射光照明の効果を簡単に説明すると以下の如くなる。鋼材束断面において、一部の鋼材が他の鋼材に対して引っ込んだ位置にある場合、鋼材の軸に対して傾斜した1方向のみから照明すれば、凹部の内側及び底部に影が生じる。しかし、この照明灯と反対側に傾斜した光源から同時に照明すれば、上述の影は消えることになる。したがって、照射方向の互いに異なる多数の光束が重ね合わされた拡散反射光を被照射面に照射すれば、どのような凹所にも影が生じることが無い。
【0029】
また、影を生じさせないという目的のみであれば、鋼材の軸に平行な光(以下、平行光という)で照明することも考えられる。しかし、平行光による照明では、鋼材断面の反射による明るさが一様になりにくいという問題がある。すなわち、各鋼材の断面が軸方向に対して直角な場合は、反射光は軸方向に出射しカメラに入射する。これに対し、断面が直角でなく斜めに傾いている場合には、反射光は斜めに出射しカメラに入射しない。そのため、平行光による照明では、各鋼材断面の傾斜により明暗が生じ、これが画像解析の精度を下げる原因となることが多い。
【0030】
これに対して前述した拡散反射光照明によれば、鋼材断面の傾斜角にバラツキがあっても、鋼材断面の反射が一様になり易い。すなわち、拡散反射光の場合は多数の方向からの照明光が重畳して入射するため、どの方向へも反射することになり、鋼材断面の傾斜角が異なっていても、カメラに入射する反射光の明るさはほぼ一様になる。このように、鋼材断面の傾斜にバラツキがあっても、その明るさが一様になることは、画像解析の精度を高める上で、きわめて重要な要因である。
【0031】
図2は、上記の実施例における照明装置の詳細を示す断面図である。この照明装置は、その内部に複数のユニット光源9を有する箱状のランプボックス10からなっている。ランプボックス10の前面(鋼材束側)に第一の開口部6と、背面(鋼材束と反対側)に第二の開口部12が設けられている以外は、密封状態になっている。第一の開口部6は鋼材束2の直径と同程度かこれよりやや大きい必要があり、第二の開口部12は撮像装置4の受光面よりやや大きい程度であれば良い。
ランプボックス10の全内壁面には拡散反射層11が形成されている。拡散反射層11は、一般にはつや消し塗料を塗布することによって形成することができる。
【0032】
ランプボックス10の内部には多数のユニット光源9が配置されている。ユニット光源は、ランプボックス10の軸心周囲(例えば図2の破線内側の円筒状の部分)を除外して、任意の位置に配列すればよい。軸心周囲を外すのは鋼材断面の映像撮影の邪魔にならないようにするためである。また、ユニット光源からの出射光の方向はとくに限定する必要は無く、ランプボックス10の内壁面又は前方開口部の任意の方向に出射するものでよい。光源の種類もとくに限定する必要はないが、ある程度広角に出射するものが好ましい。ユニット光源9からの照射光の大部分は、側壁面13等で多数回拡散反射を繰り返したのち開口部6から放射され、拡散反射光となって鋼材束2の断面を照明する。
【0033】
本発明において撮像装置4は、開口部6の中央を通過するランプボックス10の軸心上付近に設置される。撮像装置4の位置は第二の開口部12の前方(ランプボックス10の内部)であっても、後方であっても良い。
ただし、撮像装置4は、その受光面(レンズ面)と鋼材束2の断面との距離Lが下式の関係を満たすように設置されていることが好ましい。
L>3dl×W/2D ……………(1)
ここで、L:撮像手段の受光面と鋼材束断面との距離
dl:隣接する鋼材間の断面段差の最大値
W:鋼材束の直径又は最大径
D:鋼材単体の直径又は最大径
【0034】
以下、撮像装置の適正な位置として(1)式の関係が好ましい理由を図3を用いて説明する。
鋼材束中の鋼材は、出っ張っているものと引っ込んでいるもので段差がある。図3にみるように鋼材2aと鋼材2bの段差(最大値)をdlとする。鋼材束の周縁付近にこのような段差があると、鋼材2bの断面の一部の幅δの部分は、鋼材2aに遮られて画像が得られないことになる。このような画像の欠損は、画像解析による計数の精度を損なうおそれがある。本発明者の知見によれば、上記のδが鋼材単体の直径Dの1/3以下であば、とくに支障が無いことが知れている。
幾何学的な関係から、撮像手段の受光面と鋼材束断面との距離をL、鋼材束の直径をWとすると、下記の関係が成り立つ。
L/(W/2)= dl/δ ………(1)
これよりδ<D/3にするには、(1)式の関係が必要なことが知れる。
【0035】
鋼材本数の計数は、演算装置5の画像処理手段とディスプレイに表示された画像を観測員が目視観察する目視計数の組み合わせによって行われる。図4は、本発明の一実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。この例では、画像処理手段は2値化処理手段(M−2)、ランド特性解析手段(M−3)、正常ランド判定手段(M−4)及び正常ランド消去手段(M−5)から構成されている。各手段の操作の内容は、計数方法の説明において後述する。
【0036】
一方、目視計数は、画像処理の一連のステップを終えた後に、正常ランドを消去した第三メモリーの画像及びその他の必要な画像をディスプレイ7に表示し、観測員が未消去の残存領域に含まれる鋼材本数を目視で計数することによって行う。
その他の必要な画像としては、第一メモリーの原画像及び未消去ランドの拡大画像があげられる。この拡大画像は、未消去ランドそれぞれに対して、同一倍率(例えば2〜10倍)の拡大画像を作成し、個々の画像に順番を付して第四メモリーに記録する。目視計数ステップにおいて、この順番にしたがって拡大画像が順次表示されるように構成されている。このような拡大画像を用いることにより、残存領域中の鋼材本数をより正確に目視計数することが可能になるので、この鋼材本数を入力装置8によってカウンターに追加計数する。入力装置8にはパソコンのキーボードやマウスを利用することができる。
【0037】
図5は、本発明の他の実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。この例では、画像処理手段は図4の構成(図中第1ステップと表示)に加えて、第2ステップの画像処理として、残存ランド特性解析手段(M−6)、残存ランド合否判定手段(M−7)及び残存ランド消去手段(M−8)を有している。各手段の操作の内容は、上記と同様に後述する。これら第1ステップ及び第2ステップの画像処理を終えた後、上記と同様に目視計数を行う。すなわち第三メモリーには、正常ランド及び残存ランドのうち合格と判定されたランドを消去した画像が記録されている。この消去画像と第一メモリーの原画像及び未消去ランドの拡大画像をディスプレイ7に表示し、観測員がこの拡大画像の残存領域に含まれる鋼材本数を目視で計数し、この領域中に存在する鋼材本数を入力装置8によってカウンターに追加計数する。
【0038】
図6は、本発明の第二実施例である計数装置の構成を示す概要図である。この例では、計数装置は図1の構成に加えて、警報装置14を備えている。警報装置14は、目視計数前のカウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発するよう構成されている。その際ディスプレイ7には、第一メモリーの原画像、第三メモリーの消去画像(正常ランド及び残存ランドを消去したもの)及び未消去領域の拡大画像が表示される。観測員は警報が発せられた場合のみ、ディスプレイ7を観察し、拡大画像の残存領域に存在する鋼材本数を目視計数して、入力装置8によりカウンターに追加計数する。
このように構成することにより、観測員は員数が不一致の場合(通常は100〜1000回に1回位)のみ、目視計数を行えばよく、その労力を大幅に軽減することができる。
【0039】
図7は、本発明の第三実施例である計数装置の構成を示す概要図で、図7(a)はシャッターが閉状態の場合を示し、図7(b)はシャッターが開状態の場合を示す。この装置は、第一実施例(図1)の構成に加えて、シャッター15及びセンサ16を備えていることが特徴である。シャッター15は照明装置3の開口部6をカバーして、外部に照明光が漏洩しないようにするもので、電気信号で開閉するものを用いる。センサ16は計数対象である鋼材束2の位置を検出するものである。
【0040】
この例では、シャッター15はセンサ16の信号により開閉するように構成されている。すなわち図7(a)に示すように、コンベア1に載置された鋼材束2が所定の測定位置(開口部6の前方)に未だ到達していない時には、センサ16は鋼材束2が無いことを表す信号をシャッター15に送っており、この状態ではシャッター15は閉状態で、開口部6は完全にカバーされ、照明光は外部に漏れない。次いで図7(b)に示すように、鋼材束2が所定の測定位置に到達すると、センサ16の信号により、シャッター15は開状態になり、照明された鋼材束2の断面画像を、2次元撮像装置4で撮影することが可能になる。
このように構成することにより、照明装置に光が外部に漏れて、他の作業を妨害するという弊害を最小限にとどめることができる。
【0041】
次ぎに、本発明の鋼材束中の鋼材本数の計数方法について説明する。図8は、本発明の計数方法を説明するためのフロー図である。まず、原画像撮影ステップ(撮像ステップ;S−1)では2次元撮像装置例えばCCDカメラにより、照明された鋼材断面画像を撮影して、これを第一メモリーに記録する。原画像は、モノクロ画像でもカラー画像でも良い。
次いで、画像処理の演算に必要な基準値を入力する(S−2)。この基準値には、正常ランドの面積(計数される鋼材単体の断面積)、外周長、隣接するランドの中心点(重心)間距離等があげられる。これらの数値の入力は、入力装置8(例えばキーボードや工場のDSC(プロコン)からの伝送信号)を用いて行うことができる。
【0042】
次いで、2値化処理の閾値に関するデータを入力する(S−3)。初期閾値K0、下限閾値KL、閾値の変化幅ΔKなどである。K0、KLは経験的に適正と思われる数値を用いても良い。しかし、適正値を予想することは必ずしも容易でないので、予め画像処理により算定することが好ましい。算定方法の一例として、第一メモリーの原画像において、各鋼材断面の画像に該当する部分及び鋼材間の隙間に該当する部分を特定し、これら両部分の所定範囲に含まれる画素の輝度の平均値を求め、この平均輝度を閾値として用いる方法があげられる。すなわち、鋼材断面部分(輝度が高い)の平均輝度を初期閾値K0とし、隙間部分(輝度が低い)平均輝度を下限閾値KLとし、閾値の変化幅ΔKを両者の差の1/3〜1/10程度とすればよい。
【0043】
以上で画像処理の準備が終了する。次いで、まず処理対象の画像を取り込む(S−4)。最初は第一メモリーの原画像が処理対象であるが、繰り返し処理の2回目以降は、第三メモリーの消去画像を取り込んで処理を行う。
次いで閾値を決定する。最初は初期閾値K0を閾値とするが、2回目以降は閾値変更ステップ(S−5)の操作を行う。すなわち、Ki+1=Ki−ΔKとして算定し、これを閾値として2値化処理を行う。
2値化処理(S−6)ステップにおいて、原画像がモノクロ画像の場合は、各画素の輝度をそのまま用いて2値化処理を行えばよい。しかし、カラー画像の場合は、RGB3色の輝度の平均値を用いる必要がある。本発明者の知見では、かかる平均輝度として、RGB3色の輝度に鋼材の切断面が示す色調から求める重みを付けて平均した加重平均値を用いることが好ましい。
【0044】
次いで、上記で得られた2値化画像において、鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(ランド)の外縁を画定する。このランドのそれぞれについて、その特性値を解析する(ランド特性解析ステップ;S−7)。ランドの特性値としては少なくともその面積を含むことを要する。ランド面積が、ランドが鋼材断面を正常に示しているか否かを判断する指標として最も直接的なものであるからである。また、他のランド特性値として、各ランドの重心座標、隣接ランドの重心間距離、重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)及び外周長等があげられる。ランドの面積に加えて、これら特性値群の内の1種又は2種以上を選択して、正常ランドの認定に用いることができる。
【0045】
次いで、この各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定する(正常ランド判定ステップS−8)。
これらランド特性解析ステップと正常ランド判定ステップの方法には、次ぎの2ケ−スが考えられる。
ケ−スA:ランド面積(及び上記の選択された特性値)が、鋼材本数1本での基 準値に所定誤差範囲内で合致するもののみを、正常ランドとして処理する。ケ−スB:ランド面積が鋼材本数1本の基準値に所定誤差範囲内で合致する場合 にこれを1個のランドとしてカウントし、かつ鋼材本数N本の面積の補正 された基準値(複数連結した場合の隙間部分の面積を補正したもの)に所 定誤差範囲内で合致する場合ににこれをN個のランドとしてカウントする。
【0046】
ケ−スAでは、ランドの像が連結している場合は正常ランドと認識されない。しかし、ケ−スBではランドの像が連結している場合も、画像処理で計数されるため、後の目視計数の労力がより軽減されるという利点がある。しかし、この方法では、鋼材断面でない異物の映像、例えばコンベヤ部品の映像を鋼材断面と見做して誤計測する危険性がある。そのため、ケ−スBの方法ではランドの特性値として、ランド面積に加えて、ランドの中心点(重心)と、このランドに最も近接するランドの重心とを求め、両重心間の距離が所定の範囲内にある場合のみ正常ランドと判定する手段をとることが望ましい。
【0047】
次いで、上記のようにして正常ランドと判定されたランドを消去する(S−9)。正常ランドの消去は、このランドに含まれる全画素の輝度を明レベル(例えば輝度1)から暗レベル((例えば輝度0)に変換してもよい。或いは、ランドの内部を明レベルにし、外縁を暗レベルにしてもよい。後者の場合は、正常ランドの丸抜き処理と見ることができる。正常ランドを消去した後の画像(消去画像)を第三メモリーに記録するとともに、消去したランドの数をカウンターに計上する。
【0048】
下限閾値KLより小さいか否かを判定する。Ki>KLのときは、(S−4)に戻り第三メモリーの消去画像を取り込むとともに、閾値の変更(S−5)を行い、その後、(S−6)から(S−6)の一連の操作を行って消去される正常ランドを追加し、消去後の画像を第三メモリーに上書きるとともに、消去した正常ランド数をカウンターに追加する。
【0049】
このようにして、閾値を段階的に下げて正常ランドの消去を繰り返し、Ki≦KLになった時点で、画像処理を終了する。その後、第三メモリーの画像には、未消去領域(正常ランドとして消去されなかった部分)が点在するので、この未消去領域のそれぞれに拡大画像(例えば倍率2〜10倍)を作成し、この拡大画像に順番を付して第四メモリーに記録する(S−10)。
【0050】
ここまでの画像処理を終えた後、目視計数ステップ(S−11)に移行する。目視計数ステップでは、第一メモリーの原画像及び第三メモリーの消去画像をディスプレイに表示するとともに、これと並列に第四メモリーの拡大画像を順次ディスプレイに表示する。表示された拡大画像中に鋼材断面と判定される映像があるかないかを観測員が判定し、鋼材断面と判定される映像がある場合に、該当する鋼材本数を前記観測員がキーボードからカウンターに追加計上する。
これにより、本発明の計数方法の一連の手順が完了する。
【0051】
本発明の第二実施例である計数装置(図6)を用いた場合には、計数装置は警報装置14を備えており、目視計数ステップ前のカウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合にのみ警報を発するよう構成されている。観測員は警報が発せられた場合のみ、目視計数ステップの操作を行えばよい。すなわち、拡大画像の残存領域に存在する鋼材本数を目視計数して、入力装置8によりカウンターに追加計数する。
【0052】
通常1束中の鋼材の95%程度以上は、画像処理により、消去されているので、未消去領域に存在する鋼材本数は数本〜十数本程度なため、観測者の労力も軽微であり、かつ計数ミスするおそれも全くない。
したがって、このような画像処理と目視計数を組み合わせた計数方法によれば、目視計測者の労力を著しく軽減し、かつ従来の画像解析では不可避とも言える計数ミスを完全に無くすることができる。
【0053】
これまで説明したように、本発明は棒鋼又は線材を対象とするものであるが、本発明のコンセプトは、断面が異形の型鋼、例えば山形鋼、溝形鋼、H形鋼等の鋼材本数の計数に容易に適用し得るものである。
【実施例】
【0054】
下記の2種の鋼材束に、本発明の方法を適用して鋼材本数の計数を行った。
鋼材束1:直径40mmφ丸棒鋼、1束中の鋼材本数80本(符号R40)
鋼材束2:直径10mmφ異形棒鋼、1束中の鋼材本数600本(符号D10)
鋼材束断面の画像撮影に用いた照明装置の形状・寸法を図9に示す。ランプボックスは、略正方形の箱状部10aと角錐台状の傾斜部10bとからなり、前方中央に第1の開口部6と後方中央に第2の開口部12が設けられている。ランプボックスの後方壁面近くに、ユニット光源9が8個配列されている。
【0055】
本実施例では、ユニット光源9に各150Wの反射板付メタルハライドランプ(高色温度型、拡散型ワイド配光式)を用いた。ユニット光源の照射方向は略第1の開口部の方向とした。また、ランプボックスで拡散反射させるため、ランプボックスの内壁面全体を、耐熱黒色塗料((株)カンペパピオ製テルモスプレー600)で塗装した。
二次元撮像装置に用いたCCDカメラは日立国際電気製で、モノクロ画像には型式KP−FP200CL、カラー画像にはKP−FD202GVlを用いた。画素数は、モノクロ、カラーともに1688(W)×1248(V)である。カメラ受光面から鋼材断面までの距離は250mmとした。
【0056】
(1)鋼材束1(R40)の場合:
モノクロの原画像の例を図10に示す。鋼材断面の部分は照明光を反射して白色になり、隙間部分は黒色になっている。まず、2値化処理の閾値は、原画像における各鋼材断面部分と鋼材間の隙間部分の平均輝度を求め、鋼材断面部分の平均輝度を初期閾値K0=200(相対値)、隙間部分の平均輝度を下限閾値KL=50とし、閾値の変化幅ΔK=50(相対値)として、図8のフロー図に示す操作を繰り返した。正常ランドか否かの判定は、ランド面積及び重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)が基準値の範囲に入るか否かで判定し、鋼材が1本の単離ランドと鋼材が2本の連結ランドについて、同時に正常ランド判定を行った。
【0057】
図11は本実施例における中間段階での処理画像の例を示す図で、図11(a)は2値化図、図11(b)は1回消去処理後の図、図11(c)は4回消去処理後の図である。図11(a)の2値化図は、輝度が閾値より高い部分を黒色に、閾値より低い部分を白色にした図になっている。図11(b)の1回処理図において、中央に黒丸が付されたランドが正常ランドと認定されたものを示す。
【0058】
同様に、図11(c)の4回処理図において、外周が黒縁で内部が白抜きされたもの(消去処理)は第1〜3回の処理で正常ランドと認定されらたランド(消去ランド)を示し、中央に黒丸が付されたランド(この例では3個)は第4回の処理で正常ランドと認定され、追加計数されたランドを示している。
このようにして、正常ランドを計数した結果を表1に示す。消去鋼材数が計算回数の増加に伴って増加し、第4回の計算で実際の員数80本が正しく計数されたことが知れる。
【0059】
【表1】
【0060】
(2)鋼材束2(D10)の場合:
鋼材束1の場合と同様に閾値を変えて繰返し消去(白抜き)処理を行った。ただし、この場合は、初期閾値K0=120(相対値)、下限閾値KL=15とし、ΔK=30(相対値)として、図8のフロー図に示す操作を繰り返した。鋼材束1の場合と同様に正常ランドか否かの判定は、ランド面積及び重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)が基準値の範囲に入るか否かで判定し、鋼材が1本の単離ランドと鋼材が2本の連結ランドについて、同時に正常ランド判定を行った。
【0061】
このようにして、正常ランドを計数した結果を表2に示す。消去鋼材数が計算回数の増加に伴って増加し、第4回の計算で実際の員数600本に対し、計数値が599本と1本少ない。この少ない部分は未消去領域の拡大図を観察することにより、目視計数で1本追加することができた。すなわち、小径・多本数の鋼材束でも、画像処理と目視計数を組み合わせることによって、正確に鋼材本数を計数しうることが明らかになった。
【0062】
【表2】
【0063】
次ぎに各種の鋼材束を多数回(生産束数72〜2453)計数するに当たって、従来の自動計数法と本方式で計数した結果での、誤検出束数を評価した結果の例を表3に示す。表中鋼材種類の英文字Rは丸棒鋼、Dは異形棒鋼を表し、数字は鋼材1本の直径を表す。上から4段目の「自動計数誤検出束数」は、従来の自動計数法で全ての生産束数を計数したときの誤計数が生じた頻度を表す。
上から5段目の「自動認識率」は、本方式の画像処理段階での計数本数/結束本数×100の比率を表し、7段目の「本方式での認識率」は(正しく計数された束数)/(生産束数)×100の比率を表す。表3に見られるように、本発明の計数法により、以下なる鋼材種類においても、全く誤計数を生じることなく計数可能なことが確かめられた。
【0064】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第一実施例である計数装置の構成を示す概要図である。
【図2】第一実施例における照明装置の詳細を示す断面図である。
【図3】撮像装置の適正な位置を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施例における計数手段の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第二実施例である計数装置の構成を示す概要図である。
【図7】本発明の第三実施例である計数装置の構成を示す概要図である。
【図8】本発明の計数方法を説明するためのフロー図である。
【図9】本発明の実施例で用いた照明装置の形状・寸法を示す図である。
【図10】本実施例における鋼材束1の断面画像の例を示す写真である。
【図11】本実施例における中間段階での処理画像の例を示す写真である。
【符号の説明】
【0066】
1;コンベア、2;鋼材束又は鋼材、3;照明装置、4;二次元撮像装置、5;演算装置、6;第1の開口部、7;ディスプレイ、8;入力装置、9;ユニット光源、10;ランプボックス、11;拡散反射層、12;第2の開口部、13;
ランプボックスの側壁面、14;警報装置、15;シャッター、16;センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が同一形状の棒鋼又は線材を多数束ねて結束した鋼材束中の鋼材単体の本数を、その断面画像の画像解析により計数する方法であって、
前記鋼材束断面の正面中央付近の所定位置に設置された二次元撮像手段により、照明された該断面全体の画像を撮影して、この画像を第一のメモリーに記録する撮像ステップと、
この画像を所定の輝度レベルを初期閾値として2値化処理し、得られた2値化画像を第二のメモリーに記録する2値化処理ステップと、
前記2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析ステップと、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定する正常ランド判定ステップと、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベル又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去し、正常ランドを消去した後の消去画像を第三のメモリーに記録する正常ランド消去処理ステップと、
消去された正常ランドの数を鋼材本数カウンターに計上する計数ステップと、
次いで、前記第三メモリーの消去画像その他必要な画像をディスプレイ上に表示して、未消去領域に存在する鋼材本数を目視観測により判定し、該鋼材本数を前記カウンターに追加計上する目視計数ステップと
を有することを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項2】
前記撮像ステップにおいて、光源ボックスの内壁面での反射により生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段により、前記鋼材断面の照明を行うことを特徴とする請求項1に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項3】
前記第三メモリー記録された正常ランド消去後の画像について、前記2値化処理ステップにおける閾値の輝度レベルを、前記初期閾値から所定幅で段階的に下げて前記の2値化処理ステップ、ランド特性解析ステップ、正常ランド判定ステッップ、正常ランド消去処理ステップ、計数ステップまで一連の操作を、前記閾値が所定の下限閾値に達するまで繰り返し行った後、前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項4】
前記第一メモリーの原画像において、各鋼材断面の画像に該当する部分及び鋼材間の隙間に該当する部分を特定し、これら両部分の所定範囲に含まれる画素の輝度の平均値を求め、これにより得られた鋼材断面部分の平均輝度を前記初期閾値とするとともに、前記隙間部分の平均輝度を前記下限閾値として、請求項3記載の操作を行うことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項5】
前記ランド特性解析ステップにおいて、前記ランドの面積に加えて、各ランドの重心座標、隣接するランド重心間距離、重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)及び外周長からなるランド特性値の群より選ばれた1種又は2種以上をランド特性値として求め、前記正常ランド判定ステップにおいて、各ランドの面積に加えて、前記の選ばれた特性値の全てについて、これらの特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項6】
前記目視計数ステップに先立って、前記第三メモリーの消去画像について、未消去領域に残存する各ランド(以下、残存ランドという)の面積が前記基準値に所定の係数をかけた補正基準値の整数倍(1倍を含む)に、所定の誤差範囲内で合致するか否かを判定し、かつ該残存ランドの重心位置と、該重心位置に最も近接する隣接ランドの重心位置とを特定して、両重心位置間距離を算定し、
その面積が前記補正基準値の整数N倍に合致し、かつ前記重心位置間距離が所定の範囲内である場合に、該残存ランド画像を消去して、消去後の画像を前記第三メモリーに上書きするとともに、前記カウンターに前記整数Nの値を加え、その後前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項7】
未消去の残存ランドの全てについて、個別に所定倍率の拡大画像を作成して、これらの拡大画像を第四のメモリーに記録して、該拡大画像を順次ディスプレイに表示し得るように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項8】
前記目視計数ステップにおいて、前記第一メモリーの原画像及び前記第三メモリーの消去画像をディスプレイに表示するとともに、これと並列に前記第四メモリーの拡大画像を順次ディスプレイに表示して、表示された拡大画像中に鋼材断面と判定される映像があるかないかを観測員が判定し、鋼材断面と判定される映像がある場合に、該当する鋼材本数を前記観測員がキーボードから前記カウンターに追加計上し得るように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項9】
前記計数ステップまでの操作を実施した後、前記カウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発し、該警報が発せられた場合にのみ、観測員が前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の計数方法を実施するための装置であって
鋼材束断面の全面を照明する照明手段と、
前記鋼材束の正面中央付近の所定位置に設置された二次元画像の撮像手段と、
前記画像を記録する第一のメモリーと、
この画像を所定の輝度レベルを閾値として2値化処理して2値化画像を得る2値化処理手段と、
該2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下、「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析手段と、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定するする正常ランド認定手段と、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベルに又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去する正常ランド消去処理手段と、
前記2値化画像、前記正常ランド消去後の原画像及び未消去の前記残存ランドの拡大画像を記録する第二、第三及び第四のメモリーと、
消去された前記正常ランドの数及び目視計数された鋼材本数を計数するカウンターと、
目視計数された鋼材本数を前記カウンターに入力する入力手段と、
前記第一〜第四メモリーいずれかの1以上の画像を表示するディスプレイと、
を備えたことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項11】
前記照明手段が、光源ボックスの内壁面で生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段である請求項10記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の構成に加えて、前記カウンターの係数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発する警報手段を備えたことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項13】
前記拡散反射光照射手段が、一端に所定大きさの開口部を有し、この開口部以外の全内壁面が拡散反射材料で被覆された箱状のランプハウスと、該ランプハウスの軸心周辺を除いた任意の位置に配列され、広角度に照明光を放射する複数のユニット光源とからなり、
かつ前記撮像手段が、前記開口部の中央を通過する前記ランプボックスの軸心上の前記対向壁面付近、又は該軸心上の前記対向壁面に設けられた第二の開口部の背後に近接して配置されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項14】
前記撮像手段が、そのレンズ面と前記鋼材束の断面との距離Lが下式の関係を満たすように設置されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
L>3dl×W/2D
ここで、L:撮像手段のレンズ面と鋼材束断面との距離
dl:隣接する鋼材間の断面段差の最大値
W:鋼材束の直径又は最大径
D:鋼材単体の直径又は最大径
【請求項15】
前記開口部の前に、その全面を遮光しかつ電気信号で開閉するシャッターが設けられていることをする特徴とする請求項13又は14に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項16】
前記シャッター前方において、計数対象である鋼材束の位置を検出するセンサーを設置し、該位置センサーの情報により、前記鋼材束が所定の位置にあると判断された場合にのみ、前記シャッターが開状態になるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項1】
断面が同一形状の棒鋼又は線材を多数束ねて結束した鋼材束中の鋼材単体の本数を、その断面画像の画像解析により計数する方法であって、
前記鋼材束断面の正面中央付近の所定位置に設置された二次元撮像手段により、照明された該断面全体の画像を撮影して、この画像を第一のメモリーに記録する撮像ステップと、
この画像を所定の輝度レベルを初期閾値として2値化処理し、得られた2値化画像を第二のメモリーに記録する2値化処理ステップと、
前記2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析ステップと、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定する正常ランド判定ステップと、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベル又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去し、正常ランドを消去した後の消去画像を第三のメモリーに記録する正常ランド消去処理ステップと、
消去された正常ランドの数を鋼材本数カウンターに計上する計数ステップと、
次いで、前記第三メモリーの消去画像その他必要な画像をディスプレイ上に表示して、未消去領域に存在する鋼材本数を目視観測により判定し、該鋼材本数を前記カウンターに追加計上する目視計数ステップと
を有することを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項2】
前記撮像ステップにおいて、光源ボックスの内壁面での反射により生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段により、前記鋼材断面の照明を行うことを特徴とする請求項1に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項3】
前記第三メモリー記録された正常ランド消去後の画像について、前記2値化処理ステップにおける閾値の輝度レベルを、前記初期閾値から所定幅で段階的に下げて前記の2値化処理ステップ、ランド特性解析ステップ、正常ランド判定ステッップ、正常ランド消去処理ステップ、計数ステップまで一連の操作を、前記閾値が所定の下限閾値に達するまで繰り返し行った後、前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項4】
前記第一メモリーの原画像において、各鋼材断面の画像に該当する部分及び鋼材間の隙間に該当する部分を特定し、これら両部分の所定範囲に含まれる画素の輝度の平均値を求め、これにより得られた鋼材断面部分の平均輝度を前記初期閾値とするとともに、前記隙間部分の平均輝度を前記下限閾値として、請求項3記載の操作を行うことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項5】
前記ランド特性解析ステップにおいて、前記ランドの面積に加えて、各ランドの重心座標、隣接するランド重心間距離、重心−外周間の最大距離(以下、最大半径という)及び外周長からなるランド特性値の群より選ばれた1種又は2種以上をランド特性値として求め、前記正常ランド判定ステップにおいて、各ランドの面積に加えて、前記の選ばれた特性値の全てについて、これらの特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項6】
前記目視計数ステップに先立って、前記第三メモリーの消去画像について、未消去領域に残存する各ランド(以下、残存ランドという)の面積が前記基準値に所定の係数をかけた補正基準値の整数倍(1倍を含む)に、所定の誤差範囲内で合致するか否かを判定し、かつ該残存ランドの重心位置と、該重心位置に最も近接する隣接ランドの重心位置とを特定して、両重心位置間距離を算定し、
その面積が前記補正基準値の整数N倍に合致し、かつ前記重心位置間距離が所定の範囲内である場合に、該残存ランド画像を消去して、消去後の画像を前記第三メモリーに上書きするとともに、前記カウンターに前記整数Nの値を加え、その後前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項7】
未消去の残存ランドの全てについて、個別に所定倍率の拡大画像を作成して、これらの拡大画像を第四のメモリーに記録して、該拡大画像を順次ディスプレイに表示し得るように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項8】
前記目視計数ステップにおいて、前記第一メモリーの原画像及び前記第三メモリーの消去画像をディスプレイに表示するとともに、これと並列に前記第四メモリーの拡大画像を順次ディスプレイに表示して、表示された拡大画像中に鋼材断面と判定される映像があるかないかを観測員が判定し、鋼材断面と判定される映像がある場合に、該当する鋼材本数を前記観測員がキーボードから前記カウンターに追加計上し得るように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項9】
前記計数ステップまでの操作を実施した後、前記カウンターの計数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発し、該警報が発せられた場合にのみ、観測員が前記目視計数ステップの操作を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の計数方法を実施するための装置であって
鋼材束断面の全面を照明する照明手段と、
前記鋼材束の正面中央付近の所定位置に設置された二次元画像の撮像手段と、
前記画像を記録する第一のメモリーと、
この画像を所定の輝度レベルを閾値として2値化処理して2値化画像を得る2値化処理手段と、
該2値化画像において、前記鋼材単体の断面形状に相当する島状領域(以下、「ランド」という)の外縁を画定して、少なくともその面積を含む各ランドの特性値を解析・記録するランド特性解析手段と、
前記の各ランドの諸特性値が予め設定した標準値に所定の誤差範囲内で合致するが否かを判定し、合致したランドを正常ランドと認定するする正常ランド認定手段と、
前記第一メモリーの原画像において、前記正常ランドに含まれる全画素の輝度を暗レベルに又は明レベルに変換して前記正常ランドの画像を前記原画像から消去する正常ランド消去処理手段と、
前記2値化画像、前記正常ランド消去後の原画像及び未消去の前記残存ランドの拡大画像を記録する第二、第三及び第四のメモリーと、
消去された前記正常ランドの数及び目視計数された鋼材本数を計数するカウンターと、
目視計数された鋼材本数を前記カウンターに入力する入力手段と、
前記第一〜第四メモリーいずれかの1以上の画像を表示するディスプレイと、
を備えたことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項11】
前記照明手段が、光源ボックスの内壁面で生じた拡散反射光をその開口部から照射する拡散反射光照射手段である請求項10記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の構成に加えて、前記カウンターの係数値が鋼材束の所定の員数値と一致しない場合に警報を発する警報手段を備えたことを特徴とする鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項13】
前記拡散反射光照射手段が、一端に所定大きさの開口部を有し、この開口部以外の全内壁面が拡散反射材料で被覆された箱状のランプハウスと、該ランプハウスの軸心周辺を除いた任意の位置に配列され、広角度に照明光を放射する複数のユニット光源とからなり、
かつ前記撮像手段が、前記開口部の中央を通過する前記ランプボックスの軸心上の前記対向壁面付近、又は該軸心上の前記対向壁面に設けられた第二の開口部の背後に近接して配置されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項14】
前記撮像手段が、そのレンズ面と前記鋼材束の断面との距離Lが下式の関係を満たすように設置されていることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
L>3dl×W/2D
ここで、L:撮像手段のレンズ面と鋼材束断面との距離
dl:隣接する鋼材間の断面段差の最大値
W:鋼材束の直径又は最大径
D:鋼材単体の直径又は最大径
【請求項15】
前記開口部の前に、その全面を遮光しかつ電気信号で開閉するシャッターが設けられていることをする特徴とする請求項13又は14に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【請求項16】
前記シャッター前方において、計数対象である鋼材束の位置を検出するセンサーを設置し、該位置センサーの情報により、前記鋼材束が所定の位置にあると判断された場合にのみ、前記シャッターが開状態になるように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の鋼材束中の鋼材本数の計数装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−173901(P2012−173901A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34079(P2011−34079)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(506343829)株式会社みどり精密 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(506343829)株式会社みどり精密 (3)
【Fターム(参考)】
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