結束具
【課題】ヘッド部内のストラップ係止部材の折損を招くことなく、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通してしっかりと固定することが可能な結束具を提供する。
【解決手段】ヘッド部3には、ストラップ4を固定する固定爪5が設けられている。この固定爪5は、第1支持部3gsと第2支持部3dsとによって挟持されている。第1支持部3gsは、固定爪5の先端側であって第1面NSaに部分的に接触した状態で突設されている。第2支持部3dsは、固定爪5の後端側の第2面NSbに部分的に接触した状態で設けられている。また、固定爪5の第1部分5aには、第1面NSaおよび第2面NSbを貫通する貫通部5atが設けられており、固定爪5の剛性が下げられている。
【解決手段】ヘッド部3には、ストラップ4を固定する固定爪5が設けられている。この固定爪5は、第1支持部3gsと第2支持部3dsとによって挟持されている。第1支持部3gsは、固定爪5の先端側であって第1面NSaに部分的に接触した状態で突設されている。第2支持部3dsは、固定爪5の後端側の第2面NSbに部分的に接触した状態で設けられている。また、固定爪5の第1部分5aには、第1面NSaおよび第2面NSbを貫通する貫通部5atが設けられており、固定爪5の剛性が下げられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束具に関し、更に詳しくは、ストラップの一端をヘッド部の1つの貫通孔に挟持固定させ、次いで、このストラップを被結束物の回りに巻き付けてから再びヘッド部の対を成す別の貫通孔に挿通してしっかりと固定することにより被結束物を束ねる結束具において、ヘッド部内のストラップ係止部材(止め歯)の折損を招くことなく、ストラップを円滑にヘッド部の貫通孔内に挿通してしっかりと固定することが可能な結束具に関する。
【背景技術】
【0002】
結束具は、電線等を結束して電気通信設備、航空機および自動車等用のハーネスを形成するのに広く使用されている。結束具は、ヘッド部とストラップとの一対で構成されており、ストラップの一端をヘッド部の対を成す1つの貫通孔内に挿通して金属爪により挟持固定し、次いで、このストラップを被結束物の回りに巻き付けてから再びヘッド部の対を成す別の貫通孔に挿通して金属爪によりしっかりと固定することにより被結束物を束ねている(例えば特許文献1,2,3参照)。
【0003】
ところで、この結束具には、確実な結束力と同時に、高い作業性を実現する観点からストラップを円滑に挿通することが求められている。このため、金属爪の平面形状をT字状にすることにより、金属爪の剛性を下げて、ストラップを貫通孔内に円滑に挿通するようにした技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。
【0004】
この特許文献4の技術においては、金属爪の幅の細い首の部分を、その厚さ方向に交差する両面から挟持する構成となっているが、ストラップを挿通して締め付ける時に、金属爪の幅の細い首の部分に応力が集中する結果、その金属爪の首の部分が折損する虞がある、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−210108号公報
【特許文献2】特開平11−289639号公報
【特許文献3】特開2001−25141号公報
【特許文献4】特表2003−532843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ヘッド部内のストラップ係止部材の折損を招くことなく、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通してしっかりと固定することが可能な結束具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の結束具は、ヘッド部において隔壁部を挟んで形成された一対の貫通孔と、前記一対の貫通孔の各々に歯先が突出するように該歯先を互いに向き合わせた状態で配置された一対の係止部材とを備え、前記一対の貫通孔の各々に帯状のストラップの両端を挿通し、前記一対の係止部材の各々の歯先によって係止する構成を備える結束具であって、前記一対の係止部材の各々は、その各々の厚さ方向に向かって互いに反対側に位置する第1面および第2面を備え、前記一対の係止部材の各々の歯先が前記一対の貫通孔の各々に突出するように前記第1面から前記第2面に向かって屈曲しているとともに、前記一対の係止部材の各々において、前記第1面に部分的に接触するように設けられた第1支持部と、前記第1支持部よりも係止部材の後端側に離間した位置において前記第2面に部分的に接触するように設けられた第2支持部とによって挟持された状態で前記ヘッドの収容部内に収容されている。
【0008】
また、上記の結束具において、前記係止部材の屈曲部よりも後端側において幅方向の内側には、前記係止部材の第1面と第2面とを貫通する貫通部が設けられている。これにより、係止部材の剛性を下げることができるので、ストラップをヘッド部の貫通孔内に挿通した時に係止部材を撓み易くすることができる。このため、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通することができるので、結束作業の効率を向上させることができる。
【0009】
また、上記の結束具において、前記貫通部は、前記係止部材の後端部から歯先に向かって連続的に延びており、前記係止部材の屈曲部よりも後端側には、2つに枝分かれしたパターン部分が形成されている。これにより、係止部材の2つに枝分かれしたパターン部分では係止部材に加わる応力を2つに分散することができるので、係止部材の折損を抑制または防止することができる。
【0010】
また、上記の結束具において、前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分の外側側面には、前記係止部材を前記ヘッド部の前記収容部内に固定するための固定部が設けられており、前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分はバネとしての機能を備える。これにより、係止部材をヘッド部の収容部に収容する際は、2つのパターン部分が撓むので係止部材の装着を容易にすることができる上、係止部材の装着後は、2つのパターン部分が外側に向かって付勢されるので係止部材をしっかりと固定することができる。
【0011】
また、上記の結束具において、前記係止部材の歯先には、その先端から部分的に突出する爪部が設けられている。これにより、係止部材の先端の爪部がストラップを食い止めるときの起点になり、ストラップを引き締めた位置で直ぐに止めることができるので、ストラップを弛み無くしっかりと引き締めることができる。このため、被結束物をしっかりと束ねることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の結束具によれば、屈曲形状の係止部材を、その先端部から後端部に向かう方向に互いに離間するように設けられた第1支持部および第2支持部によって挟持したことにより、ヘッド部の貫通孔内にストラップを挿通した時に係止部材が受ける力を第1支持部の接触部と第2支持部の接触部とに分散することができるので、係止部材の折損を防止することができる。
【0013】
また、係止部材を屈曲させたことにより、係止部材が板バネとして作用するので、ストラップをヘッド部の貫通孔に挿通した時は、係止部材を低い力で撓ませることができるので、ストラップを貫通孔内に円滑に挿通することができる。一方、ストラップが係止部材で固定された後は、係止部材の板バネとしての作用によりストラップをしっかりと固定することができる。
【0014】
したがって、ヘッド部内のストラップ係止部材の折損を招くことなく、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通してしっかりと固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態の結束具の斜視図である。
【図2】図1の結束具のヘッド部の頂面側から見た拡大斜視図である。
【図3】図1の結束具のヘッド部の頂面の平面図である。
【図4】図1の結束具のヘッド部の長辺側の側面図である。
【図5】図1の結束具のヘッド部の短辺側の側面図である。
【図6】図3の固定爪を取り除いて示したヘッド部の頂面の平面図である。
【図7】図6のヘッド部の底面の平面図である。
【図8】図3のA−A線の断面図である。
【図9】図6のA−A線の断面図である。
【図10】図6のB−B線の断面図である。
【図11】図1のヘッド部内に設けられた固定爪の第1面の平面図である。
【図12】図11の固定爪の第1面の裏側の第2面の平面図である。
【図13】図11の固定爪の先端側の上面図である。
【図14】図11の固定爪の側面図である。
【図15】図1のヘッド部にストラップを挿通して固定する時の状態を模式的に示したヘッド部の要部断面図である。
【図16】図1のヘッド部内に固定爪を収容する時の状態を示した固定爪の第1面の平面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態の結束具における固定爪の第1面の平面図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態の結束具における固定爪の第1面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の結束具について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
[結束具の全体構成]
図1に第1の実施の形態の結束具1の斜視図を示す。結束具1は、例えば屋内外において電力または通信用の複数本のケーブル2のような被結束物群を束ねる道具であり、ヘッド部3と、ストラップ4とを備えている。
【0018】
ヘッド部3の本体およびストラップ4は、例えば耐候性、高紫外線抵抗性および耐食性を持つプラスチック等により形成されている。ここでは、ヘッド部3とストラップ4とが別体の場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、ストラップ4の一端がヘッド部3に接続され、ヘッド部3とストラップ4とが一体的に形成された構成の結束具に適用しても良い。
【0019】
ストラップ4は、その平面形状が帯状に形成されている。ここでは、ストラップ4の表裏面および側面に溝の無い平坦なタイプの場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、ストラップ4の表面、裏面、側面またはそれらの2つ以上の面にその長手方向に沿って複数の溝を設けたタイプの結束具に適用しても良い。
【0020】
結束作業に際しては、帯状のストラップ4の一端をヘッド部3の対を成す1つの貫通孔3aに挿通して後述の固定爪で固定し、次いで、このストラップ4の他端側を複数のケーブル2等の回りに巻き付けてから再びヘッド部3の対を成す別の貫通孔3aに挿通して後述の固定爪でしっかりと固定することによりストラップ4を抜け止め状態に固定することにより複数本のケーブル2等を束ねる。
【0021】
[ヘッド部の構成]
次に、ヘッド部3の構成を図2〜図14を参照して説明する。なお、図2はヘッド部3の頂面側から見た拡大斜視図、図3はヘッド部3の頂面の平面図、図4および図5はそれぞれヘッド部3の長辺および短辺の側面図、図6は図3の固定爪5を取り除いて示したヘッド部3の頂面の平面図、図7は図6のヘッド部3の底面の平面図、図8は図3のA−A線の断面図、図9は図6のA−A線の断面図、図10は図6のB−B線の断面図、図11はヘッド部3内に設けられた固定爪5の第1面の平面図、図12は図11に示した固定爪5の第1面の裏側の第2面の平面図、図13は図11の固定爪5の先端側の上面図、図14は図11の固定爪5の側面図を示している。
【0022】
図2〜図5に示すように、ヘッド部3は、頂面(図3および図6)と、これに対向する底面(図7)と、その頂面および底面の間においてこれらにほぼ垂直に交差する4つの側面(図4および図5)とで囲まれた略立方体形状に形成されている。ヘッド部3の頂面の平面寸法は、例えば30mm×20mmである。また、ヘッド部3の側面の高さは、例えば15mmである。なお、これらの寸法は、特に限定されるものではなく、被結束物群の大きさや種類等に応じて種々変更可能であり、これらよりも小さくても大きくても良い。
【0023】
次に、図2、図3および図6〜図9に示すように、ヘッド部3の平面中央には、ヘッド部3の頂面と底面とを貫通する一対の貫通孔3a,3aが、ヘッド部3の平面中央の壁隔部3bを挟んでその両側に平行に並んで穿孔されている。
【0024】
この貫通孔3a,3aは、上記したストラップ4の両端の各々が挿通される孔である。ストラップ4は、ヘッド部3の底面から頂面に向かって挿通される。このため、図7〜図9に示すように、ヘッド部3の底面側の貫通孔3aの開口部には、ストラップ4を挿通し易いように、外側に向かって開口面が広くなるようなテーパ部3atが形成されている。
【0025】
これら貫通孔3a,3aの平面形状は、図2、図3、図6および図7に示すように、ヘッド部3の頂面および底面の短辺に沿って細長く延びる長方形状に形成されており、その平面寸法は、例えば15mm×2.2mmである。なお、この寸法も、特に限定されるものではなく、ストラップ4の寸法に応じて種々変更可能である。
【0026】
次に、図6〜9に示すように、ヘッド部3には、ヘッド部3の頂面と底面とを貫通するように固定爪収容部(収容部)3c,3cが、貫通孔3a,3aの各々に対して平行に隣接した状態で設けられている。
【0027】
この固定爪収容部3cとこれに隣接する貫通孔3aとの間には、図2、図3、図6および図8〜図10に示すように、壁隔部3dが設けられているが、その壁隔部3dにおいてヘッド部3aの頂面側の一部には、貫通孔3aと固定爪収容部3cとが連通するように、ヘッド部3の頂面から底面に向かって窪む凹部3eが形成されている。
【0028】
[固定爪(係止部材)の構成]
固定爪収容部3c,3cの各々には、図2、図3および図8に示すように、一対の固定爪(係止部材)5,5が、隔壁部3bを挟んで互いの歯先(先端部)を向かい合わせた状態で収容され、しっかりと固定されている。固定爪5は、例えばリン青銅のような十分な剛性を持ち、かつ、弾性変形可能な合金により形成されている。
【0029】
図2、図8、図11〜図14に示すように、固定爪5は、その厚さ方向に向かって互いに反対側に位置する第1面NSa(図11)および第2面NSb(図12)を備えている。特に限定されるものではないが、固定爪5の大まかな平面寸法は、例えば8.7mm×5mmであり、厚さは、例えば1.2mmである。
【0030】
また、固定爪5は、屈曲形状に形成されており、貫通孔3aに沿って延びる第1部分5aと、その第1部分5aに対して第1面NSa側から第2面NSb側に向かって傾斜する第2部分5bとを一体的に備えている。図14に示すように、第2部分5bの第1部分5aに対する傾斜角度θは、特に限定されるものではないが、例えば125°である。
【0031】
この固定爪5の第2部分5bの歯先は、図2、図3および図8に示すように、上記したヘッド部3の凹部3eを通じて貫通孔3aに突出されている。この第2部分5bの歯先において幅方向(固定爪5の長手方向に直交する方向)の両端(両角部)には、図2、図3、図11〜図14に示すように、第1面NSa側から第2面NSb側に向かって突出する爪部5bnが形成されている。
【0032】
この爪部5bnは、貫通孔3a内に挿通されたストラップ4を止める時に食い込みの起点となる。固定爪5の歯先の形状が爪部5bnの無い直線形状の場合、固定爪5の先端がストラップ4に食い込み難く、ストラップ4を引き締めた位置で直ぐに止まらないため、ストラップ4が緩み、複数本のケーブル2をしっかりと束ねることができない場合がある。
【0033】
これに対して、固定爪5の先端に爪部5bnを設けた場合は、その爪部5bnが起点となってストラップ4に食い込み、その後、固定爪5の歯先全体がストラップ4に食い込むので、ストラップ4を引き締めた位置で直ぐに止めることができる。その結果、複数本のケーブル2をしっかりと束ねることができる。
【0034】
爪部5bnは、ストラップ4を止める起点となる観点からは1つでも良いが、1つにすると力が集中してしまうので、爪部5bnを2個以上にすることが好ましい。これにより、爪部5bnに加わる力を分散することができる。また、爪部5bnを複数設ける場合、固定爪5の先端の幅方向中心に対して左右対称に設けることが好ましい。これにより、各爪部5bnに加わる力が等しくなるとともに、貫通孔3a内においてストラップ4を安定して移動させることができる。
【0035】
また、爪部5bnを、固定爪5の幅方向両端の角部に形成することにより、爪部5bnの強度を確保することができる。
【0036】
一方、図8、図11および図12に示すように、固定爪5の第1部分5aの後端側において幅方向の内側には、第1面NSaと第2面NSbとを貫通する貫通部5atが設けられている。これにより、固定爪5の第1部分5aの剛性が下げられている。
【0037】
この貫通部5atは、固定爪5の剛性を下げるための一手段であり、固定爪5の後端部から先端部に向かって連続的に延在した状態で形成されている。これにより、図11および図12に示すように、固定爪5の第1部分5aの幅方向両端には、2つに枝分かれしたパターン部分5apが形成されている。
【0038】
この各パターン部分5apの端部の外側側面には、図11、図12および図14に示すように、固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3c内に固定するための固定部5afが形成されている。固定部5afは、凹部5acと、その後端に隣接する爪部5anとを備えている。凹部5acには、図10に示すヘッド部3の固定用の凸部3fが嵌合される。また、爪部5anの側面には、固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3cに滑らかに装着することが可能なように、固定爪5の後端に向かって次第に下がる(幅が狭くなる)傾斜が形成されている。
【0039】
[ヘッド部における固定爪の支持構成]
このような固定爪5は、図2、図3、図8および図9に示すように、ヘッド部3の固定爪収容部3c内において固定爪5の第1面NSaおよび第2面NSbにそれぞれ部分的に接するように設けられた第1支持部3gsおよび第2支持部3dsによって挟持されている。
【0040】
図2、図3、図6〜図9に示すように、第1支持部3gsは、固定爪5の第1部分5aの第1面NSaにおいて第2支持部3dsの位置から固定爪5の先端部側に離れた位置(第1部分5aと第2部分5bの交差部分)に部分的に接触するように突設されている。この第1支持部3gsは、ヘッド部3において固定爪5の背後(第1面NSa側)の支柱3gに一体的に形成されており、固定爪5の幅方向の両端部に接するように2つに分かれて形成されている。
【0041】
一方、第2支持部3dsは、上記した隔壁部3dの一部(凹部3eの下部)によって形成されており、固定爪5の第1部分5aの第2面NSbに部分的(パターン部分5apの第2面NSbは全面)に接触するように設けられている。
【0042】
また、図8、図11および図12に示すように、上記した貫通部5atおよびパターン部分5apは、固定爪5の第1部分5aにおいて第2支持部3dsの接触領域内に設けられている。すなわち、貫通部5atは、凹部3eに、はみ出さないように凹部3eの縁から離れた位置で終端するように形成されている。
【0043】
また、図8および図9に示すように、固定爪5の第1面NSaと、これに対向する固定爪収容部3cの支柱3gの壁面との間であって第1支持部3gsと固定爪5の後端部との間には隙間3hが設けられている。
【0044】
[ストラップの固定時の固定爪の作用の説明]
次に、ストラップ4の固定時の固定爪5の作用について図15を参照して説明する。図15はストラップ4をヘッド部3に挿通して固定する時の状態を模式的に示している。なお、図15ではヘッド部3の片側半分の固定爪部分を示し、もう一方の片側半分は同じなので説明を省略する。
【0045】
図15の矢印F1に示すように、ストラップ4をヘッド部3の底面から貫通孔3aに挿通すると、貫通孔3a内に突出する固定爪5の先端部分がストラップ4により図15の左方向に回転するような力F2を受け図15の左方向に押される。この時、固定爪5を屈曲させたことにより、固定爪5が板バネとして作用するので、ストラップ4をヘッド部3の貫通孔3aに挿通した時に、固定爪5を回転力による比較的低い力で撓ませることができる。このため、結束具1の結束作業の効率を向上させることができる。
【0046】
そして、固定爪5から第1支持部3gsに向かって力が加わるため、固定爪5は矢印F3に示す反力を受ける。これとともに、この第1支持部3gsを支点として固定爪5の第1部分5aから第2支持部3dsに向かって力が加わるため、固定爪5に矢印F4に示す反力を受ける。
【0047】
このように、本実施の形態の結束具1においては、ストラップ4を貫通孔3aに挿通した時に固定爪5が受ける力を第1支持部3gsの接触部分と第2支持部3dsの接触部分との2箇所に分散することができる。また、貫通部5atを設けてパターン部分5apを2つに分けたことにより、ここでも固定爪5が受ける力を2つのパターン部分5apに分散することができる。すなわち、本実施の形態の結束具1においては、ヘッド部3の貫通孔3aにストラップ4の両端を挿通して固定した時に、固定爪5が受ける力を固定爪5の長手方向および幅方向において分散させることができ、固定爪5は短いにもかかわらず、応力が固定爪5の一箇所に集中しない構成になっている。このため、固定爪5の折損を防止することができる。
【0048】
さらに、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5の第1部分5aに貫通部5at(図8、図11および図12参照)を設けたことにより、第1部分5aの剛性を下げることができるので、ストラップ4を貫通孔3aに挿通した時に固定爪5の第1部分5aを撓み易くすることができる。したがって、ストラップ4を貫通孔3a内にさらに円滑に挿通することができる。
【0049】
一方、ストラップ4が固定爪5で固定された後は、固定爪5の板バネとしての作用によりストラップ4をしっかりと固定することができる。
【0050】
[固定爪の他の作用の説明]
次に、固定爪5の他の作用について図16を参照して説明する。
【0051】
本実施の形態の結束具1においては、固定爪5に貫通部5atを設けることで固定爪5の後端部に形成された2つのパターン部分5apが矢印P1で示す方向に撓むバネとしての機能を備えている。
【0052】
このため、固定爪5を矢印P2で示すようにヘッド部3の固定爪収容部3cに収容するときは、固定爪5の2つのパターン部分5apが固定爪5の幅方向中央に向かって撓むので、固定爪5を固定爪収容部3c内に低い力で装着することができる。
【0053】
一方、ヘッド部3の凸部3fが固定爪5の凹部5ac内に嵌合されると、固定爪5の各々のパターン部分5apがこれに対向する凸部3fに向かって付勢されるので、固定爪5をしっかりと固定することができる。
【0054】
すなわち、固定爪5に貫通部5atを設けたことにより、固定爪5の剛性を下げるのみではなく、固定爪5の装着を容易にすることができ、しかも装着後の固定爪5の固定強度を向上させることができる。
【0055】
[第1の実施の形態の他の効果]
このように、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5を第1支持部3gsおよび第2支持部3dsによって挟持する構成としたことにより、ヘッド部3の固定爪収容部3cの開口寸法の余裕を大きく確保することができる。このため、幅広の固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3c内に円滑に挿入することができる。
【0056】
また、特許文献2の場合は、固定爪が断面W状なので一対の固定爪の隣接間隔が大きくなる。また、特許文献4の場合は、固定爪をヘッド部の頂面に対して斜めに挿入するため挿入部の開口寸法を大きく確保しなければならず、一対の固定爪の隣接間隔が大きくなる。これに対して、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5が単に屈曲状に形成されているだけであり、また、固定爪5をヘッド部3の頂面に垂直に挿入するため挿入部の開口寸法を上記文献ほど大きくとる必要がないため、一対の固定爪5の隣接間隔を小さくすることができる。したがって、結束具1を小型化することができる。
【0057】
また、特許文献2の場合は、固定爪が断面W状なので、それを装着するための空間を確保するために、ストラップを通す一対の貫通孔間の隔壁部を大きく下方に窪ませなければならない。また、特許文献4の場合は、固定爪をヘッド部の頂面に対して斜めに挿入するための空間を確保するために、ストラップを通す一対の貫通孔間の隔壁部を大きく下方に窪ませなければならない。このため、ストラップを挿通した時にストラップのガイドとなる隔壁部の長さが短くなるのでストラップを安定して挿通させることが難しくなる。これに対して、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5をヘッド部3の頂面に対して垂直に挿入できるので、一対の貫通孔3aの隣接間の隔壁部3bによるガイド部分を長くすることができる。このため、ストラップ4を安定した状態で貫通孔3a内に挿通することができる。
【0058】
また、固定爪5の場合、単に屈曲形状にするだけなので、特許文献2のように固定爪の断面形状をW状にする場合よりも固定爪5を容易に成形することができる。また、ヘッド部3の固定爪収容部3cの内壁の形状も、固定爪5を固定するために複雑な形状にする必要が無く、ヘッド部3を比較的容易に成型することができる。これらにより、結束具1の大量生産が可能となり、コストを低減することができる。
【0059】
また、特許文献2の場合は、固定爪の断面がW状になっているのでスプリングバック等がありヘッド部への装着が難しい。また、特許文献4の場合は、固定爪をヘッド部の頂面に対して斜めに挿入しなければならないのでヘッド部への装着が難しい。これに対して、本実施の形態の結束具1においては、スプリングバック等も生じないし、固定爪5をヘッド部3の頂面に対して垂直に挿入できるので、ヘッド部3への装着が容易である。したがって、結束具1の組み立てを容易にすることができる。
【0060】
[第2の実施の形態]
図17に第2の実施の形態の結束具1(図1等参照)の固定爪5の第1面NSaの平面図を示す。なお、固定爪5の構成以外は、前記第1の実施の形態で説明したのと同じである。
【0061】
固定爪5の第1部分5aには、第1面NSaおよび第2面NSbを貫通する1つの貫通孔(貫通部)5ahが形成されている。すなわち、2つに枝分かれしたパターン部分5apの端部が、これらに直交するパターン部分5aqによって繋がっている。
【0062】
この場合、2つのパターン部分5apの端部がパターン部分5aqによって繋がっているので、パターン部分5apの厚さ方向への変形を抑制または防止できる。このため、固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3c内に挿入し易くすることができるので、固定爪5の装着作業の効率を向上させることができる。また、固定爪5の製造時においてパターン部分5apの厚さ方向の変形を抑制または防止することができるので、歩留まりを向上させることができる。
【0063】
[第3の実施の形態]
図18に第3の実施の形態の結束具1(図1等参照)の固定爪5の第1面NSaの平面図を示す。なお、固定爪5の構成以外は、前記第1の実施の形態で説明したのと同じである。
【0064】
固定爪5の第1部分5aには、第1面NSaおよび第2面NSbを貫通する複数の小さな貫通孔(貫通部)5asが形成されている。
【0065】
この場合、上記の第2の実施の形態と同様の効果が得られる他、貫通孔5asの数、平面寸法および配置状態を変えることにより、固定爪5の剛性を上げたり下げたりすることができる、という効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の結束具は、ヘッド部内のストラップ係止部材の折損を招くことなく、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通することができるので、電力および通信用のケーブル等を結束する結束具に利用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 結束具
2 ケーブル
3 ヘッド部
3a 貫通孔
3b 隔壁部
3c 固定爪収容部(収容部)
3d 隔壁部
3ds 第2支持部
3e 凹部
3f 凸部
3g 支柱
3gs 第1支持部
3h 隙間
4 ストラップ
5 固定爪(係止部材)
5a 第1部分
5at 貫通部
5af 固定部
5ac 凹部
5an 爪部
5ah 貫通孔(貫通部)
5as 貫通孔(貫通部)
5ap パターン部分
5aq パターン部分
5b 第2部分
5bn 爪部
NSa 第1面
NSb 第2面
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束具に関し、更に詳しくは、ストラップの一端をヘッド部の1つの貫通孔に挟持固定させ、次いで、このストラップを被結束物の回りに巻き付けてから再びヘッド部の対を成す別の貫通孔に挿通してしっかりと固定することにより被結束物を束ねる結束具において、ヘッド部内のストラップ係止部材(止め歯)の折損を招くことなく、ストラップを円滑にヘッド部の貫通孔内に挿通してしっかりと固定することが可能な結束具に関する。
【背景技術】
【0002】
結束具は、電線等を結束して電気通信設備、航空機および自動車等用のハーネスを形成するのに広く使用されている。結束具は、ヘッド部とストラップとの一対で構成されており、ストラップの一端をヘッド部の対を成す1つの貫通孔内に挿通して金属爪により挟持固定し、次いで、このストラップを被結束物の回りに巻き付けてから再びヘッド部の対を成す別の貫通孔に挿通して金属爪によりしっかりと固定することにより被結束物を束ねている(例えば特許文献1,2,3参照)。
【0003】
ところで、この結束具には、確実な結束力と同時に、高い作業性を実現する観点からストラップを円滑に挿通することが求められている。このため、金属爪の平面形状をT字状にすることにより、金属爪の剛性を下げて、ストラップを貫通孔内に円滑に挿通するようにした技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。
【0004】
この特許文献4の技術においては、金属爪の幅の細い首の部分を、その厚さ方向に交差する両面から挟持する構成となっているが、ストラップを挿通して締め付ける時に、金属爪の幅の細い首の部分に応力が集中する結果、その金属爪の首の部分が折損する虞がある、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−210108号公報
【特許文献2】特開平11−289639号公報
【特許文献3】特開2001−25141号公報
【特許文献4】特表2003−532843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ヘッド部内のストラップ係止部材の折損を招くことなく、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通してしっかりと固定することが可能な結束具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の結束具は、ヘッド部において隔壁部を挟んで形成された一対の貫通孔と、前記一対の貫通孔の各々に歯先が突出するように該歯先を互いに向き合わせた状態で配置された一対の係止部材とを備え、前記一対の貫通孔の各々に帯状のストラップの両端を挿通し、前記一対の係止部材の各々の歯先によって係止する構成を備える結束具であって、前記一対の係止部材の各々は、その各々の厚さ方向に向かって互いに反対側に位置する第1面および第2面を備え、前記一対の係止部材の各々の歯先が前記一対の貫通孔の各々に突出するように前記第1面から前記第2面に向かって屈曲しているとともに、前記一対の係止部材の各々において、前記第1面に部分的に接触するように設けられた第1支持部と、前記第1支持部よりも係止部材の後端側に離間した位置において前記第2面に部分的に接触するように設けられた第2支持部とによって挟持された状態で前記ヘッドの収容部内に収容されている。
【0008】
また、上記の結束具において、前記係止部材の屈曲部よりも後端側において幅方向の内側には、前記係止部材の第1面と第2面とを貫通する貫通部が設けられている。これにより、係止部材の剛性を下げることができるので、ストラップをヘッド部の貫通孔内に挿通した時に係止部材を撓み易くすることができる。このため、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通することができるので、結束作業の効率を向上させることができる。
【0009】
また、上記の結束具において、前記貫通部は、前記係止部材の後端部から歯先に向かって連続的に延びており、前記係止部材の屈曲部よりも後端側には、2つに枝分かれしたパターン部分が形成されている。これにより、係止部材の2つに枝分かれしたパターン部分では係止部材に加わる応力を2つに分散することができるので、係止部材の折損を抑制または防止することができる。
【0010】
また、上記の結束具において、前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分の外側側面には、前記係止部材を前記ヘッド部の前記収容部内に固定するための固定部が設けられており、前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分はバネとしての機能を備える。これにより、係止部材をヘッド部の収容部に収容する際は、2つのパターン部分が撓むので係止部材の装着を容易にすることができる上、係止部材の装着後は、2つのパターン部分が外側に向かって付勢されるので係止部材をしっかりと固定することができる。
【0011】
また、上記の結束具において、前記係止部材の歯先には、その先端から部分的に突出する爪部が設けられている。これにより、係止部材の先端の爪部がストラップを食い止めるときの起点になり、ストラップを引き締めた位置で直ぐに止めることができるので、ストラップを弛み無くしっかりと引き締めることができる。このため、被結束物をしっかりと束ねることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の結束具によれば、屈曲形状の係止部材を、その先端部から後端部に向かう方向に互いに離間するように設けられた第1支持部および第2支持部によって挟持したことにより、ヘッド部の貫通孔内にストラップを挿通した時に係止部材が受ける力を第1支持部の接触部と第2支持部の接触部とに分散することができるので、係止部材の折損を防止することができる。
【0013】
また、係止部材を屈曲させたことにより、係止部材が板バネとして作用するので、ストラップをヘッド部の貫通孔に挿通した時は、係止部材を低い力で撓ませることができるので、ストラップを貫通孔内に円滑に挿通することができる。一方、ストラップが係止部材で固定された後は、係止部材の板バネとしての作用によりストラップをしっかりと固定することができる。
【0014】
したがって、ヘッド部内のストラップ係止部材の折損を招くことなく、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通してしっかりと固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態の結束具の斜視図である。
【図2】図1の結束具のヘッド部の頂面側から見た拡大斜視図である。
【図3】図1の結束具のヘッド部の頂面の平面図である。
【図4】図1の結束具のヘッド部の長辺側の側面図である。
【図5】図1の結束具のヘッド部の短辺側の側面図である。
【図6】図3の固定爪を取り除いて示したヘッド部の頂面の平面図である。
【図7】図6のヘッド部の底面の平面図である。
【図8】図3のA−A線の断面図である。
【図9】図6のA−A線の断面図である。
【図10】図6のB−B線の断面図である。
【図11】図1のヘッド部内に設けられた固定爪の第1面の平面図である。
【図12】図11の固定爪の第1面の裏側の第2面の平面図である。
【図13】図11の固定爪の先端側の上面図である。
【図14】図11の固定爪の側面図である。
【図15】図1のヘッド部にストラップを挿通して固定する時の状態を模式的に示したヘッド部の要部断面図である。
【図16】図1のヘッド部内に固定爪を収容する時の状態を示した固定爪の第1面の平面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態の結束具における固定爪の第1面の平面図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態の結束具における固定爪の第1面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の結束具について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
[結束具の全体構成]
図1に第1の実施の形態の結束具1の斜視図を示す。結束具1は、例えば屋内外において電力または通信用の複数本のケーブル2のような被結束物群を束ねる道具であり、ヘッド部3と、ストラップ4とを備えている。
【0018】
ヘッド部3の本体およびストラップ4は、例えば耐候性、高紫外線抵抗性および耐食性を持つプラスチック等により形成されている。ここでは、ヘッド部3とストラップ4とが別体の場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、ストラップ4の一端がヘッド部3に接続され、ヘッド部3とストラップ4とが一体的に形成された構成の結束具に適用しても良い。
【0019】
ストラップ4は、その平面形状が帯状に形成されている。ここでは、ストラップ4の表裏面および側面に溝の無い平坦なタイプの場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、ストラップ4の表面、裏面、側面またはそれらの2つ以上の面にその長手方向に沿って複数の溝を設けたタイプの結束具に適用しても良い。
【0020】
結束作業に際しては、帯状のストラップ4の一端をヘッド部3の対を成す1つの貫通孔3aに挿通して後述の固定爪で固定し、次いで、このストラップ4の他端側を複数のケーブル2等の回りに巻き付けてから再びヘッド部3の対を成す別の貫通孔3aに挿通して後述の固定爪でしっかりと固定することによりストラップ4を抜け止め状態に固定することにより複数本のケーブル2等を束ねる。
【0021】
[ヘッド部の構成]
次に、ヘッド部3の構成を図2〜図14を参照して説明する。なお、図2はヘッド部3の頂面側から見た拡大斜視図、図3はヘッド部3の頂面の平面図、図4および図5はそれぞれヘッド部3の長辺および短辺の側面図、図6は図3の固定爪5を取り除いて示したヘッド部3の頂面の平面図、図7は図6のヘッド部3の底面の平面図、図8は図3のA−A線の断面図、図9は図6のA−A線の断面図、図10は図6のB−B線の断面図、図11はヘッド部3内に設けられた固定爪5の第1面の平面図、図12は図11に示した固定爪5の第1面の裏側の第2面の平面図、図13は図11の固定爪5の先端側の上面図、図14は図11の固定爪5の側面図を示している。
【0022】
図2〜図5に示すように、ヘッド部3は、頂面(図3および図6)と、これに対向する底面(図7)と、その頂面および底面の間においてこれらにほぼ垂直に交差する4つの側面(図4および図5)とで囲まれた略立方体形状に形成されている。ヘッド部3の頂面の平面寸法は、例えば30mm×20mmである。また、ヘッド部3の側面の高さは、例えば15mmである。なお、これらの寸法は、特に限定されるものではなく、被結束物群の大きさや種類等に応じて種々変更可能であり、これらよりも小さくても大きくても良い。
【0023】
次に、図2、図3および図6〜図9に示すように、ヘッド部3の平面中央には、ヘッド部3の頂面と底面とを貫通する一対の貫通孔3a,3aが、ヘッド部3の平面中央の壁隔部3bを挟んでその両側に平行に並んで穿孔されている。
【0024】
この貫通孔3a,3aは、上記したストラップ4の両端の各々が挿通される孔である。ストラップ4は、ヘッド部3の底面から頂面に向かって挿通される。このため、図7〜図9に示すように、ヘッド部3の底面側の貫通孔3aの開口部には、ストラップ4を挿通し易いように、外側に向かって開口面が広くなるようなテーパ部3atが形成されている。
【0025】
これら貫通孔3a,3aの平面形状は、図2、図3、図6および図7に示すように、ヘッド部3の頂面および底面の短辺に沿って細長く延びる長方形状に形成されており、その平面寸法は、例えば15mm×2.2mmである。なお、この寸法も、特に限定されるものではなく、ストラップ4の寸法に応じて種々変更可能である。
【0026】
次に、図6〜9に示すように、ヘッド部3には、ヘッド部3の頂面と底面とを貫通するように固定爪収容部(収容部)3c,3cが、貫通孔3a,3aの各々に対して平行に隣接した状態で設けられている。
【0027】
この固定爪収容部3cとこれに隣接する貫通孔3aとの間には、図2、図3、図6および図8〜図10に示すように、壁隔部3dが設けられているが、その壁隔部3dにおいてヘッド部3aの頂面側の一部には、貫通孔3aと固定爪収容部3cとが連通するように、ヘッド部3の頂面から底面に向かって窪む凹部3eが形成されている。
【0028】
[固定爪(係止部材)の構成]
固定爪収容部3c,3cの各々には、図2、図3および図8に示すように、一対の固定爪(係止部材)5,5が、隔壁部3bを挟んで互いの歯先(先端部)を向かい合わせた状態で収容され、しっかりと固定されている。固定爪5は、例えばリン青銅のような十分な剛性を持ち、かつ、弾性変形可能な合金により形成されている。
【0029】
図2、図8、図11〜図14に示すように、固定爪5は、その厚さ方向に向かって互いに反対側に位置する第1面NSa(図11)および第2面NSb(図12)を備えている。特に限定されるものではないが、固定爪5の大まかな平面寸法は、例えば8.7mm×5mmであり、厚さは、例えば1.2mmである。
【0030】
また、固定爪5は、屈曲形状に形成されており、貫通孔3aに沿って延びる第1部分5aと、その第1部分5aに対して第1面NSa側から第2面NSb側に向かって傾斜する第2部分5bとを一体的に備えている。図14に示すように、第2部分5bの第1部分5aに対する傾斜角度θは、特に限定されるものではないが、例えば125°である。
【0031】
この固定爪5の第2部分5bの歯先は、図2、図3および図8に示すように、上記したヘッド部3の凹部3eを通じて貫通孔3aに突出されている。この第2部分5bの歯先において幅方向(固定爪5の長手方向に直交する方向)の両端(両角部)には、図2、図3、図11〜図14に示すように、第1面NSa側から第2面NSb側に向かって突出する爪部5bnが形成されている。
【0032】
この爪部5bnは、貫通孔3a内に挿通されたストラップ4を止める時に食い込みの起点となる。固定爪5の歯先の形状が爪部5bnの無い直線形状の場合、固定爪5の先端がストラップ4に食い込み難く、ストラップ4を引き締めた位置で直ぐに止まらないため、ストラップ4が緩み、複数本のケーブル2をしっかりと束ねることができない場合がある。
【0033】
これに対して、固定爪5の先端に爪部5bnを設けた場合は、その爪部5bnが起点となってストラップ4に食い込み、その後、固定爪5の歯先全体がストラップ4に食い込むので、ストラップ4を引き締めた位置で直ぐに止めることができる。その結果、複数本のケーブル2をしっかりと束ねることができる。
【0034】
爪部5bnは、ストラップ4を止める起点となる観点からは1つでも良いが、1つにすると力が集中してしまうので、爪部5bnを2個以上にすることが好ましい。これにより、爪部5bnに加わる力を分散することができる。また、爪部5bnを複数設ける場合、固定爪5の先端の幅方向中心に対して左右対称に設けることが好ましい。これにより、各爪部5bnに加わる力が等しくなるとともに、貫通孔3a内においてストラップ4を安定して移動させることができる。
【0035】
また、爪部5bnを、固定爪5の幅方向両端の角部に形成することにより、爪部5bnの強度を確保することができる。
【0036】
一方、図8、図11および図12に示すように、固定爪5の第1部分5aの後端側において幅方向の内側には、第1面NSaと第2面NSbとを貫通する貫通部5atが設けられている。これにより、固定爪5の第1部分5aの剛性が下げられている。
【0037】
この貫通部5atは、固定爪5の剛性を下げるための一手段であり、固定爪5の後端部から先端部に向かって連続的に延在した状態で形成されている。これにより、図11および図12に示すように、固定爪5の第1部分5aの幅方向両端には、2つに枝分かれしたパターン部分5apが形成されている。
【0038】
この各パターン部分5apの端部の外側側面には、図11、図12および図14に示すように、固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3c内に固定するための固定部5afが形成されている。固定部5afは、凹部5acと、その後端に隣接する爪部5anとを備えている。凹部5acには、図10に示すヘッド部3の固定用の凸部3fが嵌合される。また、爪部5anの側面には、固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3cに滑らかに装着することが可能なように、固定爪5の後端に向かって次第に下がる(幅が狭くなる)傾斜が形成されている。
【0039】
[ヘッド部における固定爪の支持構成]
このような固定爪5は、図2、図3、図8および図9に示すように、ヘッド部3の固定爪収容部3c内において固定爪5の第1面NSaおよび第2面NSbにそれぞれ部分的に接するように設けられた第1支持部3gsおよび第2支持部3dsによって挟持されている。
【0040】
図2、図3、図6〜図9に示すように、第1支持部3gsは、固定爪5の第1部分5aの第1面NSaにおいて第2支持部3dsの位置から固定爪5の先端部側に離れた位置(第1部分5aと第2部分5bの交差部分)に部分的に接触するように突設されている。この第1支持部3gsは、ヘッド部3において固定爪5の背後(第1面NSa側)の支柱3gに一体的に形成されており、固定爪5の幅方向の両端部に接するように2つに分かれて形成されている。
【0041】
一方、第2支持部3dsは、上記した隔壁部3dの一部(凹部3eの下部)によって形成されており、固定爪5の第1部分5aの第2面NSbに部分的(パターン部分5apの第2面NSbは全面)に接触するように設けられている。
【0042】
また、図8、図11および図12に示すように、上記した貫通部5atおよびパターン部分5apは、固定爪5の第1部分5aにおいて第2支持部3dsの接触領域内に設けられている。すなわち、貫通部5atは、凹部3eに、はみ出さないように凹部3eの縁から離れた位置で終端するように形成されている。
【0043】
また、図8および図9に示すように、固定爪5の第1面NSaと、これに対向する固定爪収容部3cの支柱3gの壁面との間であって第1支持部3gsと固定爪5の後端部との間には隙間3hが設けられている。
【0044】
[ストラップの固定時の固定爪の作用の説明]
次に、ストラップ4の固定時の固定爪5の作用について図15を参照して説明する。図15はストラップ4をヘッド部3に挿通して固定する時の状態を模式的に示している。なお、図15ではヘッド部3の片側半分の固定爪部分を示し、もう一方の片側半分は同じなので説明を省略する。
【0045】
図15の矢印F1に示すように、ストラップ4をヘッド部3の底面から貫通孔3aに挿通すると、貫通孔3a内に突出する固定爪5の先端部分がストラップ4により図15の左方向に回転するような力F2を受け図15の左方向に押される。この時、固定爪5を屈曲させたことにより、固定爪5が板バネとして作用するので、ストラップ4をヘッド部3の貫通孔3aに挿通した時に、固定爪5を回転力による比較的低い力で撓ませることができる。このため、結束具1の結束作業の効率を向上させることができる。
【0046】
そして、固定爪5から第1支持部3gsに向かって力が加わるため、固定爪5は矢印F3に示す反力を受ける。これとともに、この第1支持部3gsを支点として固定爪5の第1部分5aから第2支持部3dsに向かって力が加わるため、固定爪5に矢印F4に示す反力を受ける。
【0047】
このように、本実施の形態の結束具1においては、ストラップ4を貫通孔3aに挿通した時に固定爪5が受ける力を第1支持部3gsの接触部分と第2支持部3dsの接触部分との2箇所に分散することができる。また、貫通部5atを設けてパターン部分5apを2つに分けたことにより、ここでも固定爪5が受ける力を2つのパターン部分5apに分散することができる。すなわち、本実施の形態の結束具1においては、ヘッド部3の貫通孔3aにストラップ4の両端を挿通して固定した時に、固定爪5が受ける力を固定爪5の長手方向および幅方向において分散させることができ、固定爪5は短いにもかかわらず、応力が固定爪5の一箇所に集中しない構成になっている。このため、固定爪5の折損を防止することができる。
【0048】
さらに、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5の第1部分5aに貫通部5at(図8、図11および図12参照)を設けたことにより、第1部分5aの剛性を下げることができるので、ストラップ4を貫通孔3aに挿通した時に固定爪5の第1部分5aを撓み易くすることができる。したがって、ストラップ4を貫通孔3a内にさらに円滑に挿通することができる。
【0049】
一方、ストラップ4が固定爪5で固定された後は、固定爪5の板バネとしての作用によりストラップ4をしっかりと固定することができる。
【0050】
[固定爪の他の作用の説明]
次に、固定爪5の他の作用について図16を参照して説明する。
【0051】
本実施の形態の結束具1においては、固定爪5に貫通部5atを設けることで固定爪5の後端部に形成された2つのパターン部分5apが矢印P1で示す方向に撓むバネとしての機能を備えている。
【0052】
このため、固定爪5を矢印P2で示すようにヘッド部3の固定爪収容部3cに収容するときは、固定爪5の2つのパターン部分5apが固定爪5の幅方向中央に向かって撓むので、固定爪5を固定爪収容部3c内に低い力で装着することができる。
【0053】
一方、ヘッド部3の凸部3fが固定爪5の凹部5ac内に嵌合されると、固定爪5の各々のパターン部分5apがこれに対向する凸部3fに向かって付勢されるので、固定爪5をしっかりと固定することができる。
【0054】
すなわち、固定爪5に貫通部5atを設けたことにより、固定爪5の剛性を下げるのみではなく、固定爪5の装着を容易にすることができ、しかも装着後の固定爪5の固定強度を向上させることができる。
【0055】
[第1の実施の形態の他の効果]
このように、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5を第1支持部3gsおよび第2支持部3dsによって挟持する構成としたことにより、ヘッド部3の固定爪収容部3cの開口寸法の余裕を大きく確保することができる。このため、幅広の固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3c内に円滑に挿入することができる。
【0056】
また、特許文献2の場合は、固定爪が断面W状なので一対の固定爪の隣接間隔が大きくなる。また、特許文献4の場合は、固定爪をヘッド部の頂面に対して斜めに挿入するため挿入部の開口寸法を大きく確保しなければならず、一対の固定爪の隣接間隔が大きくなる。これに対して、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5が単に屈曲状に形成されているだけであり、また、固定爪5をヘッド部3の頂面に垂直に挿入するため挿入部の開口寸法を上記文献ほど大きくとる必要がないため、一対の固定爪5の隣接間隔を小さくすることができる。したがって、結束具1を小型化することができる。
【0057】
また、特許文献2の場合は、固定爪が断面W状なので、それを装着するための空間を確保するために、ストラップを通す一対の貫通孔間の隔壁部を大きく下方に窪ませなければならない。また、特許文献4の場合は、固定爪をヘッド部の頂面に対して斜めに挿入するための空間を確保するために、ストラップを通す一対の貫通孔間の隔壁部を大きく下方に窪ませなければならない。このため、ストラップを挿通した時にストラップのガイドとなる隔壁部の長さが短くなるのでストラップを安定して挿通させることが難しくなる。これに対して、本実施の形態の結束具1においては、固定爪5をヘッド部3の頂面に対して垂直に挿入できるので、一対の貫通孔3aの隣接間の隔壁部3bによるガイド部分を長くすることができる。このため、ストラップ4を安定した状態で貫通孔3a内に挿通することができる。
【0058】
また、固定爪5の場合、単に屈曲形状にするだけなので、特許文献2のように固定爪の断面形状をW状にする場合よりも固定爪5を容易に成形することができる。また、ヘッド部3の固定爪収容部3cの内壁の形状も、固定爪5を固定するために複雑な形状にする必要が無く、ヘッド部3を比較的容易に成型することができる。これらにより、結束具1の大量生産が可能となり、コストを低減することができる。
【0059】
また、特許文献2の場合は、固定爪の断面がW状になっているのでスプリングバック等がありヘッド部への装着が難しい。また、特許文献4の場合は、固定爪をヘッド部の頂面に対して斜めに挿入しなければならないのでヘッド部への装着が難しい。これに対して、本実施の形態の結束具1においては、スプリングバック等も生じないし、固定爪5をヘッド部3の頂面に対して垂直に挿入できるので、ヘッド部3への装着が容易である。したがって、結束具1の組み立てを容易にすることができる。
【0060】
[第2の実施の形態]
図17に第2の実施の形態の結束具1(図1等参照)の固定爪5の第1面NSaの平面図を示す。なお、固定爪5の構成以外は、前記第1の実施の形態で説明したのと同じである。
【0061】
固定爪5の第1部分5aには、第1面NSaおよび第2面NSbを貫通する1つの貫通孔(貫通部)5ahが形成されている。すなわち、2つに枝分かれしたパターン部分5apの端部が、これらに直交するパターン部分5aqによって繋がっている。
【0062】
この場合、2つのパターン部分5apの端部がパターン部分5aqによって繋がっているので、パターン部分5apの厚さ方向への変形を抑制または防止できる。このため、固定爪5をヘッド部3の固定爪収容部3c内に挿入し易くすることができるので、固定爪5の装着作業の効率を向上させることができる。また、固定爪5の製造時においてパターン部分5apの厚さ方向の変形を抑制または防止することができるので、歩留まりを向上させることができる。
【0063】
[第3の実施の形態]
図18に第3の実施の形態の結束具1(図1等参照)の固定爪5の第1面NSaの平面図を示す。なお、固定爪5の構成以外は、前記第1の実施の形態で説明したのと同じである。
【0064】
固定爪5の第1部分5aには、第1面NSaおよび第2面NSbを貫通する複数の小さな貫通孔(貫通部)5asが形成されている。
【0065】
この場合、上記の第2の実施の形態と同様の効果が得られる他、貫通孔5asの数、平面寸法および配置状態を変えることにより、固定爪5の剛性を上げたり下げたりすることができる、という効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の結束具は、ヘッド部内のストラップ係止部材の折損を招くことなく、ストラップをヘッド部の貫通孔内に円滑に挿通することができるので、電力および通信用のケーブル等を結束する結束具に利用できる。
【符号の説明】
【0067】
1 結束具
2 ケーブル
3 ヘッド部
3a 貫通孔
3b 隔壁部
3c 固定爪収容部(収容部)
3d 隔壁部
3ds 第2支持部
3e 凹部
3f 凸部
3g 支柱
3gs 第1支持部
3h 隙間
4 ストラップ
5 固定爪(係止部材)
5a 第1部分
5at 貫通部
5af 固定部
5ac 凹部
5an 爪部
5ah 貫通孔(貫通部)
5as 貫通孔(貫通部)
5ap パターン部分
5aq パターン部分
5b 第2部分
5bn 爪部
NSa 第1面
NSb 第2面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部において隔壁部を挟んで形成された一対の貫通孔と、前記一対の貫通孔の各々に歯先が突出するように該歯先を互いに向き合わせた状態で配置された一対の係止部材とを備え、前記一対の貫通孔の各々に帯状のストラップの両端を挿通し、前記一対の係止部材の各々の歯先によって係止する構成を備える結束具であって、
前記一対の係止部材の各々は、その各々の厚さ方向に向かって互いに反対側に位置する第1面および第2面を備え、前記一対の係止部材の各々の歯先が前記一対の貫通孔の各々に突出するように前記第1面から前記第2面に向かって屈曲しているとともに、前記一対の係止部材の各々において、前記第1面に部分的に接触するように設けられた第1支持部と、前記第1支持部よりも係止部材の後端側に離間した位置において前記第2面に部分的に接触するように設けられた第2支持部とによって挟持された状態で前記ヘッドの収容部内に収容されている結束具。
【請求項2】
前記係止部材の屈曲部よりも後端側において幅方向の内側には、前記係止部材の第1面と第2面とを貫通する貫通部が設けられている請求項1記載の結束具。
【請求項3】
前記貫通部は、前記係止部材の後端部から歯先に向かって連続的に延びており、
前記係止部材の屈曲部よりも後端側には、2つに枝分かれしたパターン部分が形成されている請求項2記載の結束具。
【請求項4】
前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分の外側側面には、前記係止部材を前記ヘッド部の前記収容部内に固定するための固定部が設けられており、
前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分はバネとしての機能を備える請求項3記載の結束具。
【請求項5】
前記係止部材の歯先には、その先端から部分的に突出する爪部が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の結束具。
【請求項1】
ヘッド部において隔壁部を挟んで形成された一対の貫通孔と、前記一対の貫通孔の各々に歯先が突出するように該歯先を互いに向き合わせた状態で配置された一対の係止部材とを備え、前記一対の貫通孔の各々に帯状のストラップの両端を挿通し、前記一対の係止部材の各々の歯先によって係止する構成を備える結束具であって、
前記一対の係止部材の各々は、その各々の厚さ方向に向かって互いに反対側に位置する第1面および第2面を備え、前記一対の係止部材の各々の歯先が前記一対の貫通孔の各々に突出するように前記第1面から前記第2面に向かって屈曲しているとともに、前記一対の係止部材の各々において、前記第1面に部分的に接触するように設けられた第1支持部と、前記第1支持部よりも係止部材の後端側に離間した位置において前記第2面に部分的に接触するように設けられた第2支持部とによって挟持された状態で前記ヘッドの収容部内に収容されている結束具。
【請求項2】
前記係止部材の屈曲部よりも後端側において幅方向の内側には、前記係止部材の第1面と第2面とを貫通する貫通部が設けられている請求項1記載の結束具。
【請求項3】
前記貫通部は、前記係止部材の後端部から歯先に向かって連続的に延びており、
前記係止部材の屈曲部よりも後端側には、2つに枝分かれしたパターン部分が形成されている請求項2記載の結束具。
【請求項4】
前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分の外側側面には、前記係止部材を前記ヘッド部の前記収容部内に固定するための固定部が設けられており、
前記係止部材の前記2つに枝分かれしたパターン部分はバネとしての機能を備える請求項3記載の結束具。
【請求項5】
前記係止部材の歯先には、その先端から部分的に突出する爪部が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の結束具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−189967(P2011−189967A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58168(P2010−58168)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000127938)株式会社エスケイ工機 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000127938)株式会社エスケイ工機 (20)
【Fターム(参考)】
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