説明

結線状況提示

【課題】電装品間の結線状況を簡素な結線図として提供する。
【解決手段】表示対象として通信系統が指定されると、この通信系統を含むシステム全体の回路図の提示に代え、この通信系統に含まれる電装品と配線のみで描画された結線図を作成する。この際、通信系統に対応するパーツと配線を描画するためのデータを読み込み、結線図イメージを作成する。この結線図イメージにおいて、配線間の配線間余白領域HJ1〜HJ3や配線側方の配線側方余白領域HSJ1〜HSJ2とを規定し、これら余白領域を削除して除外するようなデータ加工を行って、通信系統に対応するパーツと配線を描画した結線図を作成・表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電装品を配線で結線した結線状況の提示に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両では、エンジン制御の向上、ブレーキ制御の向上等を図るためシステムが複雑化している。ブレーキ制御では、ブレーキロックを回避して制動性を高めるABSが導入され、このABSシステムは、各輪ごとのブレーキ用アクチュエータやスピードセンサ等の電装品を複数備える。なお、エンジン制御では、排ガス循環システムやアンチノッキングシステム、アイドルスピードコントロールシステムなど、種々のものがある。
【0003】
こうした各システムでは、システムの機能向上を図るためにより複雑化し電装品数も増加する傾向にあり、電装品の接続に用いる配線も増えている。また、配線の際には車両構成機器(例えば、エンジン、ラジエター等)を避けたりして、接続対象となる電装品まで配線されている。
【0004】
各システムの保守・点検時には、電装品間の配線状況を調べる必要があり、この際には、システムの設計回路を配線とこの配線を電装品に接続するための種々のコネクターとを用いた回路図に書き換えたものが使われている。しかしながら、上記したようにシステムの複雑化や電装品数増加により、この書き換え回路図にあっても、当然に複雑化し、その回路図も一つのシステムについて数ページに亘る冊子状のものとなっている。このため、電装品間の信号伝達の状態を測定したりするような場合には、その電装品に接続されているコネクタを回路図冊子で探し当て、当該電装品と接続されている電装品についてのコネクタを当該冊子を参照しつつその都度特定したりする必要があった。こうした作業には十分な注意力を要すると共に、煩雑であった。特に、ある電装品と他の電装品との接続が数頁の回路図に亘って示されているようなこともあり、こうした場合にはより煩雑であった。なお、車両を例に挙げ説明したが、船舶や航空機、工作機械、工場設備等にあっても同様である。
【0005】
こうした状況に鑑み、結線状況を簡便に提示する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開2002−315124号公報
【0007】
この特許文献では、配線の状況を調べたい接続部を指定すれば、電装品間の結線状況を、その接続部を含むパーツの概略形状表示で把握できるものの、結線状況を回路図として表示する際には結線状況をただ単に表示するに過ぎず、回路図的な表示の配慮が十分とは云えなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は電装品間の結線状況の提示に際しての上記問題点を解決するためになされ、電装品間の結線状況を回路図的に簡便に把握できる手法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の結線状況提示装置は、
複数の電装品を配線で結線した結線状況を提示する装置であって、
結線状況の表示の対象となる表示対象が指定されると、該指定された前記表示対象に対応する電装品と該電装品を結線する配線とを特定する特定部と、
該特定した前記電装品の電装品画像を前記特定した前記配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを作成する結線図作成部と、
前記結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を、前記着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画する際に削除できる配線間余白領域として規定する配線間余白領域規定部と、
前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理に付すデータ処理部と、
該データ加工処理後の前記結線図描画データに基づいて、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する結線図描画部とを備える。
【0010】
上記構成の本発明の結線状況提示装置では、結線状況の表示の対象となる表示対象がユーザー等から指定されると、該指定された前記表示対象に対応する電装品と配線を特定する。そして、この特定した電装品を配線で結線した状況を表示すべく、まず、特定した前記電装品の電装品画像を前記特定した前記配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを作成する。
【0011】
この場合、結線図描画データの作成には、特定した電装品・配線とそれ以外の電装品・配線をも含んだxy平面の回路図データに基づく手法と、特定した電装品・配線についての電装品描画データと配線軌跡データとに基づく手法を取ることとした。前者の手法では、それぞれの電装品の電装品画像と電装品を結線するそれぞれの配線の配線軌跡画像とをxy平面に配置して描画する回路図データを記憶することとし、この記憶した回路図データ記憶部から読み出した回路図データに基づいて結線図描画データを作成する。回路図データは、特定した電装品・配線とそれ以外の電装品・配線をもその電装品画像・配線軌跡画像についてxy平面に配置して描画したものであることから、特定した電装品・配線以外の電装品・配線についての電装品画像・配線軌跡画像を削除することで、特定した電装品の電装品画像を特定した配線の配線軌跡画像で結線した結線図の結線図描画データを作成することができる。
【0012】
後者の手法は、前記電装品画像を前記xy平面に配置して描画するための電装品ごとの電装品描画データと、前記配線軌跡画像を前記xy平面において描画するための配線ごとの配線軌跡描画データとを記憶することとし、この記憶したデータから、特定された電装品・配線についての前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとを読み込むと共に、該読み込んだ前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとに基づいて前記結線図描画データを作成する。
【0013】
そして、この結線図描画データによる結線図は、特定された電装品・配線について、当該電装品の電装品画像とこの電装品を結線する配線の配線軌跡画像を描画するものであることから、以下のようにしてその表示を簡略化する。まず、結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を配線間余白領域と規定する。この配線間余白領域は、着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画する際に削除できるものであることから、この配線間余白領域を削除して除外すれば、着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画できる。よって、作成済みの前記結線図描画データは、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理を経て、作成済みの前記結線図描画データから配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータが削除された新たな描画データとなる。つまり、配線間余白領域を除外した状態の電装品や配線を描画する描画データが得られる。
【0014】
よって、こうして得た新たな描画データ(即ち、データ加工処理後の前記結線図描画データ)に基づいて描画した結線図は、配線間余白領域が他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で電装品画像を配線軌跡画像で結線した結線図となり、この結線図では、着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面回路図の他方の軸方向に沿って近接して描画したものとなる。そして、出力部を備えるようにして、この描画した結線図を、例えば、表示機器や印刷機器に出力する。従って、本発明の結線状況提示装置によれば、結線状況の表示対象に対応する電装品だけを配線で結線した結線図を配線軌跡画像同士が近接した状態で描画して提示できるので、余分な配線や電装品の余分な部分のない簡素な結線図を提示できると共に、この結線図により、電装品間の結線状況を回路図的に簡便に把握できる。
【0015】
本発明の結線状況提示は、次のような態様とすることもできる。例えば、作成された前記結線図において、着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域に前記一方の軸方向に延びた他の配線軌跡画像が無ければ、その着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域を削除できる配線側方余白領域と規定し、この配線側方余白領域についても除外して描画することとする。このため、前記読作成済みの前記結線図描画データのデータ加工処理に際しては、前記規定した前記配線側方余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲についてもデータを削除し、結線図描画に際しては、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除した状態に加え、前記配線側方余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する。こうすれば、より簡素な結線図を提示できることから、電装品間の結線状況の把握もより簡便となる。
【0016】
また、前記結線図描画部を、前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像の干渉の有無を判定し、前記電装品画像の干渉が無ければ、前記電装品画像を並べて描画するものとできる。こうすれば、電装品画像を近接描画できるので、結線図のより一層の簡素化を通して、電装品間の結線状況をより簡便に把握できる。
【0017】
更に、前記結線図描画部を、前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像を結線する前記配線軌跡画像の軌跡の簡素化の余地の有無を判定し、前記配線軌跡画像の簡素化の余地があれば、前記配線軌跡画像を簡素化して描画するものとできる。こうすれば、電装品画像間の配線軌跡画像まで直線軌跡等の簡素な形態で描画できるので、結線図のより一層の簡素化、電装品間の結線状況のより簡便な把握が可能となる。
【0018】
また、上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明のプログラムは、
複数の電装品を配線で結線した結線状況をコンピュータを用いて提示するプログラムであって、
前記コンピュータは、
前記電装品のそれぞれをxy平面回路図において描画するための電装品ごとの電装品描画データと、前記配線を前記xy平面回路図において描画するための配線ごとの配線描画データとを記憶し、
前記コンピュータに、
結線状況の表示の対象となる表示対象が指定されると、該指定された前記表示対象に対応する電装品と該電装品を結線する配線とを特定する特定部と、
該特定した前記電装品の電装品画像を前記特定した前記配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを作成する結線図作成部と、
前記結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を、前記着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画する際に削除できる配線間余白領域として規定する配線間余白領域規定部と、
前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理に付すデータ処理部と、
該データ加工処理後の前記結線図描画データに基づいて、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する結線図描画部としての機能を実現させる機能を実現させる。
【0019】
この場合、前記コンピュータに、前記作成された前記結線図において、前記一方の軸方向に延びた配線軌跡画像に着目し、該着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域に前記一方の軸方向に延びた他の配線軌跡画像が無ければ、前記着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域を削除できる配線側方余白領域として規定する配線側方余白領域規定部としての機能を実現させると共に、
前記コンピュータをデータ処理部として機能させる際、前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線側方余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理の機能も実現させ、
前記コンピュータを前記結線図描画部として機能させる際、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除した状態に加え、前記配線側方余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する機能も実現させるためのプログラムとすることもできる。
【0020】
また、前記コンピュータを前記結線図描画部として機能させる際、前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像の干渉の有無を判定し、前記電装品画像の干渉が無ければ、前記電装品画像を並べて描画する機能も実現させるためのプログラムとしたり、前記コンピュータを前記結線図描画部として機能させる際、前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像を結線する前記配線図画像の軌跡の簡素化の余地の有無を判定し、前記配線図画像の簡素化の余地があれば、前記配線図画像を簡素化して描画する機能も実現させるためのプログラムとすることもできる。
【0021】
こうしたプログラムにてコンピュータに上記の結線図作成部としての機能を実現させるに当たり、前記コンピュータにそれぞれの電装品の電装品画像と電装品を結線するそれぞれの配線の配線軌跡画像とを前記xy平面に配置して描画する回路図データを記憶させ、前記結線図描画データを読み出した前記回路図データに基づいて作成させることもできる。更には、前記コンピュータに、前記電装品画像を前記xy平面に配置して描画するための電装品ごとの電装品描画データと、前記配線軌跡画像を前記xy平面において描画するための配線ごとの配線軌跡描画データとを記憶させ、前記特定部により特定された前記電装品と前記配線についての前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとを読み込んで、その読み込んだ前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとに基づいて前記結線図描画データを作成させることもできる。
【0022】
そして、こうしたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とすることもできる。なお、こうしたプログラムを含むことで搬送路内に具現化されたデータ信号の態様とすることもできる。他の態様としては、こうしたプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様とすることもできる。この態様では、プログラムをネットワーク上のサーバーなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の結線状況提示を実現することができる。
【0023】
上記構成を有する本発明のプログラムおよび記録媒体でも、上記した本発明の結線状況提示装置と同様な作用・効果を奏することができ、簡素な結線図の提示と、電装品間の結線状況の回路図的な把握が簡便となる。
【0024】
また、本発明の結線状況提示装置は、結線状況の提示に必要な処理を行うサーバーとユーザー端末となるコンピュータとをデータ送受信可能として構成することもでき、この構成では、
前記サーバーは、
それぞれの電装品の電装品画像と電装品を結線するそれぞれの配線の配線軌跡画像とを前記xy平面に配置して描画する回路図データを記憶し、
前記コンピュータから結線状況の表示の対象となる表示対象を特定するための特定データを受信すると、前記特定データに基づいて前記表示対象に対応した電装品と配線とを特定し、該特定した前記電装品の電装品画像を前記特定した前記配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを作成し、
前記コンピュータは、
前記特定データがユーザーから入力されると、該特定データを前記サーバーに送信する送信部と、
前記特定データを受信した前記サーバーが作成した前記結線図描画データを受け取り、該受け取った結線図描画データに基づく前記結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を、前記着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画する際に削除できる配線間余白領域として規定する配線間余白領域規定部と、
前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理に付すデータ処理部と、
該データ加工処理後の前記結線図描画データに基づいて、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する結線図描画部と、
該描画した結線図を出力する出力部とを備える。
【0025】
サーバーとコンピュータとをデータ送受信可能とした別の構成では、
前記サーバーは、
電装品の電装品画像をxy平面に配置して描画するための電装品ごとの電装品描画データと、電装品を結線する配線の配線軌跡画像を前記xy平面において描画するための配線ごとの配線軌跡描画データとを記憶し、
前記コンピュータから結線状況の表示の対象となる表示対象を特定するための特定データを受信すると、前記特定データに基づいて前記表示対象に対応した前記電装品と前記配線についての前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとを読み込むと共に、前記特定した前記電装品の電装品画像を前記特定した前記配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを、前記読み込んだ前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとに基づいて作成し、
前記コンピュータは、
前記特定データがユーザーから入力されると、該特定データを前記サーバーに送信する送信部と、
前記特定データを受信した前記サーバーが作成した前記結線図描画データを受け取り、該受け取った結線図描画データに基づく前記結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を、前記着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画する際に削除できる配線間余白領域として規定する配線間余白領域規定部と、
前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理に付すデータ処理部と、
該データ加工処理後の前記結線図描画データに基づいて、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する結線図描画部と、
該描画した結線図を出力する出力部とを備える。
【0026】
上記構成を有する本発明の他の結線状況提示装置では、サーバーは、ユーザー端末のコンピュータがユーザーから入力を受けた特定データを受信する。サーバーは、この受信した特定データに基づいて前記表示対象に対応して電装品と配線を特定し、その特定した電装品の電装品画像を特定した配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを作成し、この結線図描画データを前記サーバーの前記描画データ記憶部から読み込み、コンピュータに受け渡す。この場合、サーバは、既述したように回路図データに基づいて結線図描画データを作成したり、電装品描画データと配線軌跡描画データとに基づいて結線図描画データを作成する。
【0027】
コンピュータは、電装品を配線で結線した状況を表示すべく、サーバーから受け取った結線図描画データによる結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を配線間余白領域と規定し、サーバーから受け取った結線図描画データを、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理に処し、このデータ処理後の結線図描画データに基づいて、配線間余白領域を他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で電装品画像を配線軌跡画像で結線した結線図を作成し、その結線図を、例えば、コンピュータの表示機器や印刷機器に出力する。
【0028】
これにより、結線状況の表示の対象となる表示対象をユーザーがコンピュータに入力すると、この表示対象に対応する電装品を配線で結線させた結線図をユーザーに提示することが可能となる。この結果、ユーザーは、ある表示対象を特定するだけで、表示対象に対応する電装品だけを配線で結線した結線図を配線軌跡画像同士が近接した状態で視認することができ、電装品間の結線状況を回路図的に簡便に把握できる。
【0029】
このように、本発明の他の結線状況提示装置では、サーバーを、コンピュータからの要求に応じて表示対象に対応する電装品や配線の特定処理、これらの画像を描画するための描画データの記憶・送信を行うものとしたのであり、コンピュータの側で、描画データ等に基づく結線図を出力表示するようにするようにした。よって、この結線状況提示装置にあっては、サーバーとユーザー端末のコンピュータの分散処理を図ることができる。
【0030】
また、本発明の結線状況提示装置を上記のようにサーバーとコンピュータとをデータ送受信可能として構成するに当たり、
前記サーバーは、前記結線図描画データの作成の他、前記配線間余白領域と規定する配線間余白領域規定部と、前記結線図描画データを前記データ加工処理に付すデータ処理部と、前記データ加工処理後の前記結線図描画データを前記コンピュータに送信する送信部とを備え、
前記コンピュータは、前記送信部による前記特定データの送信の他、前記送信を受けた前記データ加工処理後の前記結線図描画データに基づいて、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する結線図描画部と、
該描画した結線図を出力する出力部とを備える。
【0031】
上記構成を有する本発明の結線状況提示装置では、結線図提示に際しての主要な処理はサーバー側で行い、コンピュータにあっては、表示対象特定のためのデータ送信とサーバーから受け取った描画データ(データ加工処理後の前記結線図描画データ)での画像描画を行い、先の本発明の結線状況提示装置と同様な作用・効果を奏する。そして、この結線状況提示装置では、コンピュータでの処理負荷軽減を通して、ユーザーコンピュータの低処理能力機化や特化を推進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明に係る結線状況提示の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は本発明を車両の各電装品間の結線状況を表示するものに適用した実施例の結線表示システム10の概略構成を示すブロック図、図2はこの結線表示システム10を用いた概念図である。
【0033】
図示するように、この結線表示システム10は、液晶画面等から構成される表示機器としてのディスプレイ12と、入出力機器としてのキーボード14と、マウス16とを有する。また、結線表示システム10は、データを記憶するハードディスクドライブ(以下、HDDと呼ぶ)18と、CD−ROM20の内容を読み取るCDドライブ22とを備え、これらを統括制御する中央演算処理装置としてのCPU24を、上記各機器並びにRAM26、ROM28と相互にバスに接続して備える。結線表示システム10は、こうした構成を備えることから、この実施例ではコンピュータ単独で構成され、検査車両周囲で移動できるよう、図示しない架台に設置されている。なお、図中に示すよう、コンピュータ11をサーバー30にネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続し、このコンピュータ11とサーバー30とで、結線表示システムを構成するようにすることもでき、この場合には、ネットワーク制御回路39が付加される。サーバー30を用いた結線表示システムについては、後述する。
【0034】
CPU24は、HDD18に格納されている後述の結線状況表示プログラムを実行し、その際に、HDD18やCDドライブ22のデータの読み込み、RAM26への一時的なデータの書き込みや読み出し、ディスプレイ12の表示制御等を行う。CD−ROM20は、HDD18に転送すべき結線状況プログラムや後述の各種データを予め格納しており、これらプログラム・データは、CDドライブ22を介してHDD18に転送される。なお、結線状況プログラムやデータは、CD−ROM20に格納されたものに替えて、フロッピィディスク、光磁気ディスクのほか、ICカード等の種々の携帯型記録媒体(可搬型記録媒体)から転送するように構成することもできる。また、コンピュータ11をネットワーク制御回路39を有するものとし、このネットワーク制御回路39とこれが接続されたネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット等)を介して、結線状況プログラムやデータを外部のサーバーから転送するように構成することもできる。こうしたサーバーからの転送は、結線状況表示実行の都度に当該処理実行に先立ち行うようにしたり、結線状況表示を最初に行う場合にのみ行い、その転送時にプログラムやデータをHDD18に格納するようにすることもできる。
【0035】
次に、結線表示システム10におけるデータについて説明する。本実施例では、電装品(パーツ)をxy平面に配置して描画するパーツごとのパーツ描画データと、電装品を結線する配線の配線軌跡の配線ごとの配線軌跡描画データを用いて結線図を作成する点に特徴がある。図3はこの結線表示システム10で用いる結線データを説明するための説明図、図4はこの結線データに含まれるコネクタ描画データを説明する説明図、図5はパーツや配線の描画データを用いて作成して表示し得るシステム回路図を説明するためその一部を表す説明図、図6は図5に示すシステム回路図の続きを示す説明図である。
【0036】
図3に示すように、結線データは、コネクタに関してのデータと、コネクタの接続対象となる電装品(パーツ)や配線についてのデータとを含む。これは、後述するようにコネクタを介して、表示対象となるパーツ・配線を特定することに備えてのものである。なお、コネクタの接続対象となる電装品(パーツ)としては、種々のアクチュエータとその制御装置、例えば、エンジン関係であれば、エンジン気筒ごとのインジェクタや、ノッキングセンサ、エンジン回転数センサ等とそれらを制御する電子制御装置(ECU、コントロールモジュール等)などがある。
【0037】
コネクタに関するデータは、図4に示すように、各コネクタの端面形状とコネクタに含まれるピン番号とを描画するための画像データと、各コネクタの部品リストデータ、ピン番号の位置情報データと、結線情報データが含まれている。
【0038】
コネクタの画像データは、図4に示すようにコネクタ外観(輪郭)並びにピンナンバをディスプレイ12に描画するための画像データである。そして、この画像データは、図中に示すように、コネクタを特定するコードナンバデータと、そのコネクタの色を特定する色データとを関連付けて、コネクタごとに記憶されている。
【0039】
部品リストデータは、各コネクタがどの電装品に装着されているかを示すデータであり、後述の検索の際のキーとして用いられる。例えば、6気筒エンジンの第3気筒目のインジェクタには、I8というコードナンバデータで特定されるコネクタ(図4参照)が使用されるが、このコネクタにはインジェクタ#3という名称を付けて、これを部品リスト名とした。そして、この部品リスト名(インジェクタ#3)をコネクタのコードナンバデータ(I8)に対応付けて、部品リストデータが構築されている。
【0040】
ピン番号の位置情報データは、コネクタが有しているピンの位置、例えばI8のコネクタであれば、ピン1、ピン2の位置(この場合は、左右位置)を特定するデータである。結線情報データは、コネクタが有する各ピンとこれに接続された配線の情報(例えば、配線を区別する番号や色データ)と、この配線を介した接続先ピン番号と、このピンを有するコネクタを特定するための上記のコードナンバデータと、そのコネクタの部品リスト名とを対応付けたデータである。この場合、コネクタは、コードナンバデータと部品リスト名(例えば、上記のインジェクタ#3)で特定可能であることから、結線情報データ構築に当たり、コードナンバデータと部品リスト名のいずれか一方のデータ記憶とすることもできる。
【0041】
パーツ・配線についてのデータは、車両に含まれるシステム、例えばエンジン制御システム、ABSシステム、ライト制御システム、室内照明システム等の各システムごとに用意され、各システムにおけるアクチュエータ・センサ・その電子制御装置等の設計回路に基づいて構築される。そして、このパーツ・配線データには、パーツ・配線の画像データと、システムリストデータと、パーツ・配線の描画形状・軌跡情報データと位置情報データが含まれる。パーツの画像データは、システムに含まれるそれぞれのパーツを、例えばブロック図的に模式状にxy平面状の回路図中に描画する画像データであると共に、各パーツが果たす機能を模式的に表すためのデータ等、そのパーツを回路図において描画するために必要なデータである。配線の画像データは、システムに含まれるパーツ間を結線するそれぞれの配線をxy平面状の回路図中に直線或いは屈曲直線の軌跡として描画するためのデータである。
【0042】
システムリストデータは、システムのタイトルを示すデータであり、そのシステムにおいて配線接続されたパーツを含んで構成される一連の接続系統、例えば、車内通信系統とか、前輪ブレーキセンサー系統、空調系統等を区別するデータと、こうした各接続系統に含まれるパーツ・配線を区別するデータ(例えば、パーツ名称や記号、配線の記号等)を備える。つまり、システムのタイトルとそのシステムにおける接続系統に基づいて、その接続系統に含まれるパーツや配線を特定することができる。システムに含まれる総てのパーツや配線を特定することもできる。
【0043】
パーツ・配線の描画形状・軌跡データは、既述した画像データにおけるパーツの描画形状の規定、配線軌跡の規定に必要なデータである。パーツ・配線の位置データは、既述した画像データによるパーツ画像をxy平面回路図のどの位置に配置して描画するかといった描画位置の規定に必要なデータであったり、配線軌跡をxy平面回路図においてパーツ間を結線しつつ描画する際の描画位置規定に必要なデータである。こうしたデータを用いることで、各パーツはxy平面回路図においてその画像が描画されると共に、各配線はその配線軌跡の画像として描画される。この場合、配線についての上記描画軌跡データと描画位置データは、配線実装の際における分岐・結合箇所等の描画のため、これら箇所を配線と一緒に描画するためのデータも含むので、配線軌跡においては分岐・結合箇所等も描画される。
【0044】
上記したパーツ・配線についてのデータは、パーツや配線を区別する情報(例えば、パーツ名称、パーツ記号、配線符号等)とそれぞれ対応付けられている。よって、後述するようにパーツの特定或いは配線の特定がなされると、その特定したパーツ・配線を上記画像データ等を用いて既述したように描画できる。
【0045】
例えば、エンジンコントロールシステムでは、インジェクタや、電源、フューズボックス、イグニッションスイッチ等のパーツについての上記データと、これらパーツを結線する配線についての上記データを総て含んで構成されている。よって、後述するように表示対象となるパーツ・配線が特定されれば、その特定されたパーツ・配線についての上記データを用いて、特定済みのパーツ・配線を含んだ結線図が描画できる。また、上記パーツ(電装品)についての上記データと配線についての上記データを総て用いれば、図5および図6に示すようなエンジンコントロールシステムの結線図(回路図)が表示可能である。このエンジンコントロールシステム回路図では、上記のI8で示されるコネクタが装着されたインジェクタ#3は、一方の端子が電源と、フューズボックス、イグニッションスイッチを介して接続され、他方の端子がエンジンコントロールモジュールの第30番ピンと接続されていることを示している。この場合、この第30番ピンは、E15で特定されるコネクタのピン1に相当することも示されている。また、こうした接続機器を含む回路部分を切り出して表示するため、この回路部分を読み出すためのタグとなるコネクタの位置情報も、コネクタデータに含まれている。
【0046】
表示対象となるよう特定済みのパーツ・配線を含んだ結線図や、システムに含まれる総てのパーツ・配線に関する上記データを用いた図5および図6に示すようなエンジンコントロールシステムの結線図(回路図)は、それぞれの全体図を作成してディスプレイ12に表示することができるほか、ディスプレイ表示することなく回路図をイメージとして作成するに止めることができる。ところで、特定済みのパーツ・配線を含んだ結線図やシステム結線図(回路図)の全体をディスプレイ12に表示する際には、回路図のサイズがディスプレイの表示サイズを大きく超えることから、スクロール表示等の表示手法を採ることになる。このようなスクロール表示では、結線状況の把握にスクロール操作および表示が必要なことから煩雑となるので、本実施例では、特有の結線状況提示処理を行う。その詳細については後述する。
【0047】
上記した各データは、車両のグレード、オプション、エンジンタイプ等によって異なるものであることから、検査対象となる車両ごとに、予めCD−ROM20から読み込んだり、車両ごとのデータを記録したCD−ROM20を交換使用する。もしくは、後述するように、こうしたデータはサーバに準備し、必要の都度、読み込むようにしたり、サーバーからは結果のみを受け取るようにすることもできる。
【0048】
次に、本実施例の結線表示システム10で行う結線表示処理について説明する。図7は結線表示システム10が構築する結線図作成・表示処理の機能ブロック図、図8は結線検索・表示処理を示すフローチャートである。
【0049】
これら図面に示すように、結線表示システム10は、これを構成するコンピュータ11がCPU24やRAM26等を用いて、描画データ記憶部41と、表示対象指定部42と、電装品・配線特定部43と、結線図イメージ作成部44と、余白領域規定・データ処理部45と、結線図描画・表示出力部46とを構成する。描画データ記憶部41は、電装品のそれぞれをxy平面回路図において描画するための電装品ごとの電装品描画データと、配線を前記xy平面回路図において配線軌跡として描画するための配線ごとの配線軌跡描画データとを記憶し、既述した図3のデータの記憶機器がこの描画データ記憶部41に該当する。表示対象指定部42は、結線状況の表示の対象となる表示対象の指定のための機能を果たし、キーボード14やマウス16の他、ディスプレイ12のタッチスイッチ等がこの表示対象指定部42に該当する。電装品・配線特定部43は、表示対象指定部42から指定された表示対象に対応する電装品と配線を特定し、結線図イメージ作成部44は、特定された電装品と配線についての描画データを読み込み、その描画データにより電装品画像を配線軌跡画像で結線した結線図のイメージを作成する。余白領域規定・データ処理部45は、結線図のイメージにおいて配線軌跡画像間や配線の左右の余白領域を結線図から除外するよう描画データをデータ加工処理に付す。表示出力部46は、データ加工処理を受けた新たな描画データに基づいて、余白領域を削除して除外した状態の結線図を描画し、その結線図をディスプレイ12や図示しないプリンタに出力する。
【0050】
図8に示すように、まず、ユーザー(保守点検者)からの結線状態の表示対象の指定を待機する(ステップS100)。図9は表示対象指定の待機画面の様子を説明するための説明図である。この図9に示すように、表示対象の指定には複数の手法が用意されている。第1の手法は、表示を所望する結線図に含まれているパーツを手がかりにする手法である。第2の手法は、表示を所望する結線図において配線の接続対象となる両パーツを指定する手法、第3の手法は、配線接続されたパーツを含んで構成される一連の接続系統、例えば、車内通信系統とか、前輪ブレーキセンサー系統、空調系統等を指定する手法である。
【0051】
結線表示システム10は、図8の結線検索・表示処理ルーチンの実行時に、まず上記した第1の手法による表示対象指定を促す画面を表示する。図10は結線検索・表示処理ルーチンの実行時におけるパーツ指定手法の様子を示す説明図である。ユーザーは、図9に示すパーツから指定の手法を選択し、そのパーツとしてスピードセンサを選択したとする。この場合、パーツ名称を入力するようにできるほか、ユーザーによるパーツ選択の簡便化を図るため、結線表示システム10はパーツの一覧を表示するようにできる。例えば、センサ、アクチュエータ、制御装置等といったパーツの分類を一覧表示し、ユーザーはその分類一覧からパーツを選択する。その他、パーツは対応するコネクタと接続されていることから、コネクタの選択を行うことで、当該コネクタに対応するパーツを選択するようにすることもできる。この場合には、コネクタを図4に示すような描画像にて、或いはコネクタ名称を一覧表示すればよい。
【0052】
ユーザーによるパーツ選択がなされると、結線表示システム10は、図10に示すようにスピードセンサの種別を画面左に表示し、画面右には表示最上段のスピードセンサである前輪右側のスピードセンサ(Speed Sensor(Front LH))を含む結線図の全体を表示する。この結線図は、前輪右側のスピードセンサを含んで構成される一連の接続系統(この場合は、前輪ブレーキセンサー系統)を構成する総てのパーツ・配線について上記したデータを用いて作成される。図10では、スピードセンサに関連するパーツが少ないため結線図全体が表示されているが、図5や図6で説明したように、パーツが多い場合には全体図の一部が表示され、その表示箇所は上記スピードセンサ周辺の回路図部分となる。
【0053】
ユーザーは、この図10をディスプレイ12で見ながら、表示を所望するパーツ、この場合は、前輪のスピードセンサを選択する。そうすると、結線表示システム10は、このパーツを含んで表示する範囲のユーザー指定を待つ。本実施例では、図9に示すように、指定されたパーツを含む結線図の範囲を選択できるようにした。図11は選択パーツの結線図範囲を最初の接続アイテムまでとした場合の結線図を説明するための説明図、図12は選択パーツの結線図範囲を接続対象パーツまでとした場合の結線図を説明する説明図、図13は選択パーツの結線図範囲を電源・アースを含む範囲までとした場合の結線図を説明する説明図である。こうした結線図範囲の指定は、図9に示すように、パーツの指定と並行して、その結線図範囲を選べるようにされている。
【0054】
ユーザーが図9の中段に示す接続対象パーツから指定する手法を選択した場合、結線表示システム10は、その接続対象の両パーツの入力画面をディスプレイ12に表示する。その表示の手法としては、あるパーツとその接続先のパーツ同士を一覧表示したりして、パーツ指定の簡便化を図ることができる。既述したようにパーツ名を直接入力するよう、構成することもできる。また、ユーザーが図9の下段に示す接続系統から指定する手法を選択した場合、結線表示システム10は、接続系統をディスプレイ12に一覧表示して入力を促したり、接続系統を直接入力するよう、構成することができる。この他の表示対象指定としては、作動不良(不具合)をコード化し、その不良コードに関連するパーツや配線の結線を表示させるような手法を取ることもできる。この場合には、作動不良コードに、その作動に関連するパーツ、配線を関連付けて予め記憶し、不良コード指定にて、パーツと配線を特定するようにすればよい。
【0055】
上記したいずれかの手法で表示対象が指定されると、結線表示システム10は、その指定された表示対象に対応するパーツと配線を特定する(ステップS110)。このパーツ・配線特定に際しては、図3で説明したコネクタやパーツ・配線についての種々のデータが使用される。パーツ・配線の特定に続き、結線表示システム10は、その特定したパーツと配線(配線軌跡)の描画に必要な既述した画像データや形状・軌跡データ、描画位置データ(以下、これらデータを単に描画データと呼ぶ)を読み込み(ステップS120)、その読み込んだ描画データに基づいて、特定済みパーツと配線を、これらデータで規定される形状と軌跡および位置に応じた描画像としての結線図のイメージをxy平面において作成する(ステップS130)。このようにステップS130で作成するのは結線図のイメージであり、結線図そのものではない。これは次のような理由による。
【0056】
最終的には結線図を後述するように表示或いは印刷出力するが、本実施例ではステップS130以降の処理にて、画像データのデータ処理を行い、その処理後のデータを用いて結線図を作成する。よって、このデータ処理以前では、特定したパーツ・配線をそれぞれの上記データで描画した結線図として表示する必要はなく、データ処理の対象となるイメージが得られれば良いからである。なお、データ処理以前にあっても結線図を作成して表示するように構成することもできることは勿論である。
【0057】
図14は特定したパーツP1とパーツP2とその間の配線L1〜L2の結線図イメージの様子を説明する説明図である。この場合は、両パーツP1〜P2が表示対象として特定されているほか、配線L1〜L2についても表示対象として特定されていることになる。そして、この図14に示す結線図イメージでは、パーツP1とパーツP2がそれぞれの描画データによる形状および描画位置で描かれており、配線L1と配線L2は、それぞれの描画データによって、分岐箇所BKも含めた回路図的な配線軌跡で描かれている。
【0058】
結線表示システム10は、図14に示す結線図イメージの作成に続き、最終的な結線図を提示する上で不要となる余白領域を上記の結線図イメージから規定する(ステップS140)。本実施例では、この余白領域を、結線図イメージにおける配線の描画の様子から規定することにした。図14で説明すると、このxy平面の結線図イメージにおいて、y軸方向(縦方向)に延びて隣り合う配線描画部分に着目する。図14では、この着目部分は図中の着目配線LB1〜LB4である。なお、図14の結線図イメージはx軸方向に延びたものであることから、x軸方向に描かれた配線同士はほぼ近接した状態であるので、後述するように近接して表示する余地がない。よって、上記したようにy軸方向に延びる配線に着目する。
【0059】
図15は余白領域の規定の様子を説明する説明図である。この図15に示すように、結線表示システム10は、着目配線LB1〜LB4のうち、配線間に余白があるかを結線図イメージにおいて調べる。つまり、隣り合う配線間に余白があれば、この余白を除外してこの隣り合う配線を描画できる余地があるとして、この余白を配線間余白領域HJとする。図15では、隣り合う配線LB1と配線LB2との間の配線間余白領域HJ1と、隣り合う配線LB2と配線LB3との間の配線間余白領域HJ2が示されている。
【0060】
こうした配線間余白領域HJの規定に際しては、次の点を考慮することとした。まず、図中の配線LB3〜LB5は、結線図イメージにおいて既に近接して描かれている。これは、描画位置データにおいて、これら配線間の描画間隔(描画最低間隔)が定まっており、この描画間隔で配線LB3〜LB5が描かれている。今、配線LB2と配線LB3に着目すると、この両配線間の間隔は、上記した描画間隔より広いことから、この配線LB2と配線LB3を上記の描画最低間隔と同程度、或いはそのn倍(nは2〜5程度の自然数)の間隔で描画する場合、削除できる余白として配線間余白領域HJ2を規定する。配線間余白領域HJ1については、上記した描画最低間隔の考慮に加え、パーツP1との干渉についても考慮した。つまり、このパーツP1は、その大きさ或いは有する端子数において削除して描画する必然性もないことから、このパーツP1に干渉しない領域を配線間余白領域HJ1とした。パーツ形状やその端子数によっては、後述するようにパーツと干渉する領域を配線間余白領域HJとすることもできる。
【0061】
また、結線表示システム10は、上記した配線間での配線間余白領域HJの規定に加え、配線の側方領域、本実施例では結線図イメージがxy平面のx軸方向に延びたものであることから、このx軸方向において配線側方領域の余白についてもこれを削除できる余白領域として規定した。つまり、図15に示すように、配線LB5の右方領域は、特定した配線に対応する描画がないことから、この領域については配線側方余白領域HSJ1として、規定した。図15では、その左方側の配線LB1の左方には余白がないことから、配線LB1については配線側方余白領域HSJ1の規定は行わない。
【0062】
こうした余白領域の規定に続き、結線表示システム10は、上記した配線間余白領域HJ1〜HJ2や配線側方余白領域HSJ1に基づいてパーツP1〜P2と配線L1〜L2の描画データを加工し(ステップS150)、得られた加工後の描画データに基づいて結線図を作成する(ステップS160)。図16は余白領域に基づいた描画データのデータ加工の様子と得られた加工後の描画データに基づいた結線図作成の様子を示す説明図である。
【0063】
図16に示すように、まず、配線間余白領域HJ1〜HJ2がx軸方向に沿って占める範囲のデータ(以下、余白x軸データ)を削除する。この図16では、それぞれの余白領域の余白x軸データと干渉するのはパーツP2であることから、このパーツP2の描画データから、上記の余白x軸データに該当するデータを削除する。図15に示した配線側方余白領域HSJ1についても同様であり、パーツP2の描画データから、配線側方余白領域HSJ1の余白x軸データに該当するデータを削除する。そうすると、このパーツP2は、図示するパーツP2AとパーツP2Bとなり、このそれぞれのパーツを描画するための新たな描画が得られる。
【0064】
配線L1〜L2については、その配線軌跡中に含む分岐箇所BKを残したまま、上記の余白x軸データに該当する長さを縮めて配線描画するための新たな描画データを得る。そして、結線表示システム10は、こうして得た新たな描画データに基づいてパーツP1〜P2と配線L1〜L2の結線図を作成する(ステップS160)。図17は余白領域についての余白x軸データを削除した新たな描画データで作成した結線図を示す説明図である。この図17に示すよう、作成した結線図では、配線間余白領域HJ1〜HJ2と配線側方余白領域HSJ1が削除して除外された状態で、パーツP1〜P2が配線L1〜L2で結線される。この場合、パーツP2AとパーツP2Bは、元のパーツP2の図における高さ方向サイズが同じであることから、配線間余白領域HJ2の削除により結合した状態で描画される。この場合、ステップS160では結線図の作成を行わず、結線図イメージのまま処理することもできる。
【0065】
次に、結線表示システム10は、結線図描画に更なる簡素化の余地があるか否かを判定する(ステップS170)。この簡素化の余地としては、ステップS160で作成した結線図におけるパーツ同士の干渉の有無や、パーツ形状の簡略化、配線軌跡の簡略化の可否等がある。例えば、パーツ同士の干渉が無ければ、パーツをより近接するよう簡素化できる余地があることになる。また、配線軌跡が折れ曲がっていれば、直線軌跡の配線とするよう簡素化の余地がある。更には、余白領域削除の際に着目したx軸以外の軸、具体的にはy軸の方向に沿った配線の長さ変更が可能であれば、その長さを短くする等の簡素化の余地がある。パーツ形状の簡略化も同様であり、描画したパーツに端子を有しない部位があれば、当該部位を削除してパーツの長さを短くしたりする簡略化の余地がある。結線表示システム10は、こうした描画簡素化の余地がないと判定すれば、後述のステップS200に移行して結線図をディスプレイ12や図示しないプリンタに出力して本ルーチンを終了する。
【0066】
その一方、上記した簡素化の余地があれば、簡素化に応じて描画データ・描画位置データを再度加工して、パーツや配線の描画位置を変えたり配線簡略化に備える(ステップS180)。図18は結線図簡素化の様子を示す説明図である。図示するように、ステップS160で作成済みの結線図ではパーツP1とパーツP1に干渉が無く、配線L2に屈曲軌跡部があることから、パーツP2をパーツP1の下方に移動させるためのデータの再加工と、配線L2を直線軌跡とするためのデータの再加工とを行い(図18(A))、その再加工後の描画データに基づいて結線図を作成する(ステップS190:図18(B))。そして、この結線図をディスプレイ12や図示しないプリンタに出力して(ステップS200)、本ルーチンを終了する。
【0067】
次に、接続系統を表示対象として指定した場合の上記結線検索・表示処理の様子について説明する。図19は車両における例えば通信系統が表示対象として指定された場合の結線図作成の様子を示す説明図である。接続系統を表示対象として指定するに当たっては、ユーザーは、図9に示す接続系統から指定の手法を選択して、通信系統と言った接続系統を指定する。この場合、接続系統の名称を入力するようにできるほか、ユーザーによる接続系統選択の簡便化を図るため、結線表示システム10は接続系統の一覧を表示するようにできる。例えば、車内通信系統とか、前輪ブレーキセンサー系統、空調系統等を一覧表示し、ユーザーはその一覧から表示を所望する接続系統を指定する。
【0068】
図19の上段は、表示対象として指定される通信系統を含むシステム全体の回路図を示している。この回路図は、x軸方向に延びており、ディスプレイ12に表示するに当たっては、スクロール表示の手法を用いることになる。そして、図中に示す通信系統の回路図はこれを構成するパーツが点在するため、通信系統の回路図部分の表示に際しても、一画面で表示しきれず、スクロール表示の手法を使うことになる。図19の中段に示す図は、通信系統が表示対象としてユーザーに指定されたときに、この通信系統に対応するパーツと配線、即ち通信系統の回路図に含まれるパーツと配線の上記した描画データを読み込み(ステップS120)、そのデータに基づいて作成した結線図イメージを示している(ステップS130)。この場合、表示対象としてユーザーに指定された接続系統(例えば、通信系統)に含まれるパーツと配線の特定は、接続系統ごとに各系統に含まれるパーツ・配線を区別するパーツ名称や記号、配線の記号等のデータを記憶したシステムリストデータが参照され、当該リストデータの接続系統とユーザーにより指定された接続器等との照合を経て、なされる。
【0069】
そして、この中段の図に示すように、y軸方向に延びる配線間の配線間余白領域HJ1〜HJ3と配線側方の配線側方余白領域HSJ1〜HSJ2とを規定して(ステップS140)、これら余白領域を削除して除外するようなデータ加工を行い(ステップS150)、結線図を作成する(ステップS160)。この例では、図中に記したパーツP1が上記の余白領域除去後においてその描画長さに余裕があり、図中のこの余裕部位YPは、パーツP1の描画に際して簡素化の余地有りとされる(ステップS170肯定判定)。よって、この余裕部位YPについてもデータを削除するよう再加工し(ステップS180)、その得られた描画データに基づいて、結線図を作成・表示する(ステップS190〜S200)。
【0070】
以上説明したように本実施例の結線表示システム10では、保守・点検等の作業の助力を図るよう結線図を作成・表示するに際して、その作業者(ユーザー)が表示対象を指定するだけで、このユーザーに、表示対象に対応するパーツを配線にて結線した結線図を表示して、当該結線図を容易に認知させることができる。しかも、この結線図では、表示対象以外のパーツや配線を含ませないようにして、結線状況の表示対象に対応するパーツだけを配線で結線した結線図を配線軌跡画像同士が近接した状態で描画して提示できる。この結果、本実施例の結線表示システム10によれば、余分な配線やパーツのない簡素な結線図を提示できると共に、この結線図により、パーツ間の結線状況を回路図的に簡便に把握できる。このため、回路図を用いた保守・点検等の作業の簡略化や効率向上を図ることができる。
【0071】
しかも、最終的な結線図とするに当たっては、ある配線(図15における配線LB5)の右方の配線側方余白領域HSJ1についてもこれを削除して除外するようにしたので、結線図がよりコンパクトとなり、結線図のより一層の簡素化、結線状態の把握の簡便化を図ることができる。
【0072】
また、パーツの干渉が無い場合や配線軌跡画像の簡素化が可能であれば、これらについても近接配置や直線描画などにより(ステップS180〜S190)、結線図をより一層簡素化できると共に、結線状態の把握も簡便となる。
【0073】
加えて、表示対象の指定に際しては、パーツからの表示対象指定、接続系統からの表示対象指定、エラーコードからの表示対象指定というように種々の指定方法を採用したので、結線図表示の汎用性が高まり、好ましい。
【0074】
また、指定された表示対象に対応するパーツと配線についての描画データを読み込むようにしたので、データ読込に伴う演算負荷軽減や読み込み時間短縮が可能となる。なお、本実施例では、指定された表示対象に対応するパーツと配線についての描画データを読み込むようにしたが、結線表示システム10のCPU24の処理能力に余裕があれば、指定された表示対象以外のパーツと配線についてのデータ読み込みと、このデータに基づいた結線図イメージ作成をすることもできる。具体的に説明すると、図19の上段に示すように、表示対象として指定された通信系統に対応するパーツや配線に加え、通信系統以外のパーツや配線についてもそのデータを読み込み、これらパーツや配線を含んだ結線図イメージにおいて、配線間余白領域HJや配線側方余白領域HSJの規定、これに伴うデータ処理を行うようにすることもできる。
【0075】
上記した実施例では、最終的には図18(B)に示すように簡素化して作成した結線図を示すのであるが、この結線図表示は、ユーザーの何らかの表示意図、例えば、発生した故障に関与する種々のパーツ・配線表示、その故障の復旧・原因解析のためのパーツ・配線表示、点検を所望するパーツ・配線表示等の意図によってなされる。その一方、結線表示システム10の側では、最終的に作成した結線図に含まれるパーツや配線についてのデータ、例えばパーツ名、配線種別等を図3の結線データを参照しつつ結線図ごとに収集し、簡素化表示した結線図の作成頻度、結線図ごとのパーツ・配線リスト等を用いつつ簡素化結線図のデータベースを新たに構築できる。よって、これらデータベースのデータを故障解析に用いたりできるほか、ユーザーの表示対象の特定が簡素化表示化した過去の結線図と一致すれば、例えば、特定パーツが過去の結線図に含まれるパーツと一致すれば、データベースから簡素化済みの結線図を読み出してこれを表示することもできる。
【0076】
次に、他の実施例について説明する。この実施例は、上記実施例がパーツ・配線ごとの描画データを備えていたのに対し、システム回路図をxy平面の回路図として描画するための描画データを用いて結線図を作成する点に特徴がある。つまり、システム全体の回路図から表示対象となるパーツ・配線の結線図を作成する。図20は他の実施例における結線表示システム10でのデータ構成を説明するための説明図である。
【0077】
図20に示すように、この実施例では、図5や図6或いは図19の上段に示したようなシステム回路図自体をxy平面の回路図として描画するための画像データを、システムごとに備える。この画像データに基づいて描画されたシステムごとの回路図は、そのシステムに含まれる総てのパーツを所定のパーツ形状で描画すると共に、各パーツをそれぞれの配線軌跡の配線で結線した結線図となり、この結線図が既述した実施例における余白領域規定の対象となる結線図イメージと同様に扱われる。そして、システムごとの画像データは既述した実施例における余白削除・簡略化のデータ処理の対象となる描画データと同様に扱われる。
【0078】
こうしたシステム回路図の画像データの他、この実施例では、配線とその接続対象となるパーツとの関係や、不具合とその原因を起こし得るパーツとの関係等を規定するためのデータを備える。つまり、この実施例は、システムリストデータと、パーツ・配線の結線情報データと、不具合連帯情報データとを備える。システムリストデータは、先の実施例と同様、システムのタイトルを示すデータであり、そのシステムにおいて配線接続されたパーツを含んで構成される一連の接続系統、例えば、車内通信系統とか、前輪ブレーキセンサー系統、空調系統等を区別するデータと、こうした各接続系統に含まれるパーツ・配線を区別するデータ(例えば、パーツ名称や記号、配線の記号等)を備える。つまり、システムのタイトルとそのシステムにおける接続系統に基づいて、その接続系統に含まれるパーツや配線を特定することができる。
【0079】
パーツ・配線の結線情報データは、配線ごとに、その両端の接続対象であるパーツと当該パーツにおける接続箇所(接続端子)を対応付けたデータと、配線の分岐・結合或いは配線軌跡の屈曲箇所等の配線軌跡に関するデータを含んでいる。こうした接続対象パーツの接続端子、配線軌跡データは、既述した余白箇所規定に際して用いられる。例えば、図15で説明したように配線側方余白領域HSJ1を規定する際に、パーツP2と配線LB5の接続端子は、配線側方余白領域HSJ1に含まれないよう当該余白領域が規定される。配線間余白領域HJ2を規定する際に、配線LB3の分岐箇所BKが配線間余白領域HJ2に含まれないよう当該余白領域が規定される。
【0080】
不具合連帯情報データは、先の実施例でも説明したように、コード化した作動不良(不具合)とその不良コードに関連するパーツや配線との対応させたデータであり、不良コードの指定を介して、その不具合の原因となり得るパーツと配線の特定のために用いることができる。そして、不具合の原因となり得るパーツと配線の特定されると、そのパーツに対する配線の接続端子データや、既述した配線軌跡データは、パーツ・配線の結線情報データから特定できる。
【0081】
システム回路図の画像データを記憶するこの実施例にあっても、結線状況の提示についての処理は先に説明した実施例と変わるものではなく、余白規定の対象がシステム回路図(結線図)となり、データ処理の対象がシステム回路図を描画するための画像データとなるに過ぎない。こうした点を踏まえ、図8に示した処理の適用について説明する。
【0082】
まず、図8に示すステップS100〜110にて、先に説明したように表示対象の指定を待機してパーツ・配線を特定する。表示対象指定の待機は、図9で説明したように、パーツを手がかりにする手法、配線の接続対象となる両パーツを指定する手法、接続系統を指定する手法がある。この場合、この実施例では、既述した不具合連帯情報データを有することから、作動不良(不具合)からパーツと配線を特定することもできる。
【0083】
こうしてパーツ・配線の特定を行うと、続くステップS120では、そのパーツ・配線を含むシステムのシステム回路図の画像データを読み込む。このデータ読込は、既述したシステムリストのデータを参照することで達成できる。そして、ステップS130では、読み込んだ画像データに基づいてシステム回路図を作成する。作成したシステム回路図を表示するようにすることもできる。作成したシステム回路図は、先の実施例で説明した図14の結線図イメージと同等であり、特定したパーツ・配線とそれ以外のパーツ・配線とを含むが、特定したパーツ・配線以外のパーツ・配線はこの段階では回路図に含まれているに過ぎない。この状態のシステム回路図は、例えば、図19の上段に示すように、特定したパーツ・配線とそれ以外のパーツ・配線とを含む回路図となる。
【0084】
そして、続くステップS140〜190では、結線図イメージと同等のシステム回路図における上記余白領域の規定(図15参照)、余白領域削除のためのシステム回路図の画像データ加工(図16〜図18参照)、加工済み画像データに基づく結線図作成(図18(B)参照)を行い、ステップS200を経て、結線図の表示、印刷等を行う。つまりは、図19の上段に示すように特定したパーツ・配線とそれ以外のパーツ・配線とを含むシステム回路図の状態で、図15〜図18に示すような余白規定・データ加工が行われるのであり、図19の中段における余白規定に際して、図19の上段のシステム回路図のままでこうした余白規定が行われることでもある。
【0085】
以上説明した他の実施例の結線表示システム10にあっても、システム回路図を描画するための画像データを備えるものの、保守・点検等の作業の助力を図るよう結線図を作成・表示するに際して、その作業者(ユーザー)が表示対象を指定するだけで、このユーザーに、表示対象に対応するパーツを配線にて結線した結線図を表示して当該結線図を容易に認知させることができると言う既述した種々の効果を奏することができる。
【0086】
次に、変形例について説明する。図21は変形例の結線表示システム50の概略構成を示すブロック図である。この変形例は、ユーザー端末となるクライアントコンピュータと、当該コンピュータと通信可能に接続されたサーバーで結線表示システムを構成している点に特徴がある。つまり、この変形例では、図2に示したコンピュータ11をクライアントコンピュータとして備え、このコンピュータ11をサーバー30にネットワークを介して接続して有する。この場合には、コンピュータ11は、図1に示すようにネットワーク制御回路39を有する。
【0087】
図21に示すように、サーバー30は、CRTディスプレイ32と、キーボード34と、マウス36と、HDD38と、ネットワーク制御回路39と、CD−ROM20の内容を読み取るCDドライブ40とを備え、これらをRAM42、ROM44と共にCPU46に相互に接続して備える。そして、結線表示システム50は、このサーバー30とコンピュータ11とを、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)等のネットワークを介して接続して有する。
【0088】
なお、プログラム・データのHDD38への転送は、既述したように、CDドライブ22を介してHDD18に転送する他、フロッピィディスク、光磁気ディスク、ICカード等の種々の携帯型記録媒体(可搬型記録媒体)から転送するようにしたりすることもできる。
【0089】
結線表示システム50は、上記した実施例が行う検索・表示処理をコンピュータ11とサーバー30で分散処理するよう構成され、コンピュータ11は、図示しないウェブブラウザと表示制御部とを有する。よって、コンピュータ11は、ウェブブラウザよりインターネットを介して画像情報を取り込み、その情報に基づく画像を表示制御部によりディスプレイ12に表示する。
【0090】
サーバー30は、コンピュータ11とインターネットを介したデータ送受信を図るため、図示しないhttpサーバーを備え、接続されたコンピュータのOSに依存しない汎用性の高いサーバー環境を有する。つまり、サーバー30は、図示しないジャバサーブレットインターフェース(Java Servlet Interface)と、ジャバサーブレット実行環境と、ジャバ実行環境と、検索処理実行部と、実施例で説明したパーツや配線をxy平面の回路図として描画するためのデータ等を記憶する各種情報記憶部とを有し、ウェブブラウザ(コンピュータ11)からの要求に応じて所定の処理を実行し、その結果をhtmlファイルとしてウェブコンテンツに蓄えつつ要求元のウェブブラウザ(コンピュータ11)に送信する。なお、処理の汎用性を高めるためにジャバサーブレットを用いたが、クライアントコンピュータが固定されているのであれば、そのコンピュータとのみの間で分散処理が可能な実行環境とすることもできる。
【0091】
この変形例の結線表示システム50では、クライアント端末であるコンピュータ11とサーバー30とで、その機能の分担を図る。コンピュータ11は、ユーザーによる表示対象の指定を受け、そのデータ(表示対象特定データ)をサーバー30に送信する。サーバー30は、図3や図20で説明した種々のデータを記憶するので、コンピュータ11からの表示対象特定データに基づいて、既述したステップS120のように、表示対象に対応するパーツと配線のデータを読み込み、そのデータをコンピュータ11に受け渡す。コンピュータ11は、このデータによって、既述したステップS130〜S200までの処理を実行して、結線図を表示する。
【0092】
この変形例にあっても、ユーザーは表示対象を指定するだけで、所望する結線図を簡便な状態のものとして取得できる。そして、この変形例では、パーツや配線の描画に必要な描画データや描画位置データをコンピュータ11ではなくサーバー30に記憶するので、サーバー30の側でのデータの一括管理が可能となる。
【0093】
この他、結線図作成の主要な処理であるステップS120〜S200までの処理を総てサーバー30の側で行うようにし、コンピュータ11は、ユーザーによる表示対象の指定待機、その結果の送信、およびサーバー30が作成した結線図の受信・表示を行うだけの構成とすることもできる。こうすれば、サーバー30とユーザー端末のコンピュータ11の分散処理を図りつつ、コンピュータ11での処理負荷を軽減できる。よって、このユーザー端末のコンピュータ11を軽量で低処理能力機のものとしたり、結線図表示に特化したコンピュータ(例えば、コンピュータ本体をユーザーのベルトやポケットに装着でき、表示機器を透過型のものとして眼前に装着するようなウェアラブルコンピュータ)とできる。このため、実際の保守・点検作業を簡素な結線図を見ながら行うことができ、作業効率の向上を図ることができると共に、低処理能力のコンピュータ11の低処理能力化簡素な結線図表示の普及が進む。
【0094】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記の実施例では、車両に適用した例を説明したが、航空機、船舶、列車や工作機械等の保守点検に適用することもできる。
【0095】
また、サーバー或いはコンピュータに、上記した実施例やその変形例で既述したような各手段としての機能を実現させるプログラムや、こうしたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とすることもできる。なお、こうしたプログラムを含むことで搬送路内に具現化されたデータ信号の態様とすることもできる。他の態様としては、こうしたプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様とすることもできる。この態様では、プログラムをネットワーク上のサーバーなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の結線状況提示を実現することができる。
【0096】
このようなプログラムおよび記録媒体でも、上記した本発明の結線状況提示装置と同様な作用・効果を奏することができ、簡素な結線図を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明を車両の各電装品間の結線状況を表示するものに適用した実施例の結線表示システム10の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この結線表示システム10を用いた概念図である。
【図3】この結線表示システム10で用いる結線データを説明するための説明図である。
【図4】この結線データに含まれるコネクタ描画データを説明する説明図である。
【図5】同じく結線データに含まれるシステム回路図データを説明するためその一部を表す説明図である。
【図6】図5に示す回路図データの続きを示す説明図である。
【図7】結線表示システム10が構築する結線図作成・表示処理の機能ブロック図である。
【図8】結線検索・表示処理を示すフローチャートである。
【図9】表示対象指定の待機画面の様子を説明するための説明図である。
【図10】結線検索・表示処理ルーチンの実行時におけるパーツ指定手法の様子を示す説明図である。
【図11】選択パーツの結線図範囲を最初の接続アイテムまでとした場合の結線図を説明するための説明図である。
【図12】選択パーツの結線図範囲を接続対象パーツまでとした場合の結線図を説明する説明図である。
【図13】選択パーツの結線図範囲を電源・アースを含む範囲までとした場合の結線図を説明する説明図である。
【図14】特定したパーツP1とパーツP2とその間の配線L1〜L2の結線図イメージの様子を説明する説明図である。
【図15】余白領域の規定の様子を説明する説明図である。
【図16】余白領域に基づいた描画データのデータ加工の様子と得られた加工後の描画データに基づいた結線図作成の様子を示す説明図である。
【図17】余白領域についての余白x軸データを削除した新たな描画データで作成した結線図を示す説明図である。
【図18】結線図簡素化の様子を示す説明図である。
【図19】車両における例えば通信系統が表示対象として指定された場合の結線図作成の様子を示す説明図である。
【図20】他の実施例における結線表示システム10でのデータ構成を説明するための説明図である。
【図21】変形例の結線表示システム50の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
10...結線表示システム
11...コンピュータ
12...ディスプレイ
14...キーボード
16...マウス
30...サーバー
32...ディスプレイ
34...キーボード
36...マウス
39...ネットワーク制御回路
41...描画データ記憶部
42...表示対象指定部
43...電装品・配線特定部
44...結線図イメージ作成部
45...余白領域規定・データ処理部
46...表示出力部
46...結線図描画・表示出力部
50...結線表示システム
BK...分岐箇所
HJ1〜HJ2...配線間余白領域
HSJ1〜HSJ2...配線側方余白領域
L1〜L2...配線
LB1〜LB5...配線
P1〜P2...パーツ(電装品)
YP...余裕部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電装品を配線で結線した結線状況を提示する装置であって、
結線状況の表示の対象となる表示対象が指定されると、該指定された前記表示対象に対応する電装品と該電装品を結線する配線とを特定する特定部と、
該特定した前記電装品の電装品画像を前記特定した前記配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを作成する結線図作成部と、
前記結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を、前記着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画する際に削除できる配線間余白領域として規定する配線間余白領域規定部と、
前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理に付すデータ処理部と、
該データ加工処理後の前記結線図描画データに基づいて、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する結線図描画部とを備える
結線状況提示装置。
【請求項2】
請求項1記載の結線状況提示装置であって、
前記結線図において、前記一方の軸方向に延びた配線軌跡画像に着目し、該着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域に前記一方の軸方向に延びた他の配線軌跡画像が無ければ、前記着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域を削除できる配線側方余白領域として規定する配線側方余白領域規定部を備え、
前記データ処理部は、
前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線側方余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理にも付し、
前記結線図描画部は、
前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除した状態に加え、前記配線側方余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する
結線状況提示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の結線状況提示装置であって、
前記結線図描画部は、
前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像の干渉の有無を判定し、前記電装品画像の干渉が無ければ、前記電装品画像を並べて描画する
結線状況提示装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれかに記載の結線状況提示装置であって、
前記結線図描画部は、
前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像を結線する前記配線軌跡画像の軌跡を簡素化する余地の有無を判定し、前記配線軌跡画像の簡素化の余地があれば、前記配線軌跡画像を簡素化して描画する
結線状況提示装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4いずれかに記載の結線状況提示装置であって、
前記描画した結線図を出力する出力部を備える
結線状況提示装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5いずれかに記載の結線状況提示装置であって、
それぞれの電装品の電装品画像と電装品を結線するそれぞれの配線の配線軌跡画像とを前記xy平面に配置して描画する回路図データを記憶する回路図データ記憶部を備え、
前記結線図作成部は、
前記結線図描画データを、前記回路図データ記憶部から読み出した前記回路図データに基づいて作成する
結線状況提示装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5いずれかに記載の結線状況提示装置であって、
前記電装品画像を前記xy平面に配置して描画するための電装品ごとの電装品描画データと、前記配線軌跡画像を前記xy平面において描画するための配線ごとの配線軌跡描画データとを記憶する描画データ記憶部を備え、
前記結線図作成部は、
前記特定部により特定された前記電装品と前記配線についての前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとを前記描画データ記憶部から読み込むと共に、該読み込んだ前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとに基づいて前記結線図描画データを作成する
結線状況提示装置。
【請求項8】
複数の電装品を配線で結線した結線状況をコンピュータを用いて提示するプログラムであって、
前記コンピュータに、
結線状況の表示の対象となる表示対象が指定されると、該指定された前記表示対象に対応する電装品と該電装品を結線する配線とを特定する特定部と、
該特定した前記電装品の電装品画像を前記特定した前記配線の配線軌跡画像で結線した結線図をxy平面で描画する描画像の結線図描画データを作成する結線図作成部と、
前記結線図において、前記xy平面の一方の軸方向に延びて隣り合う配線軌跡画像と他の配線軌跡画像とに着目し、該着目した前記配線軌跡画像間の領域を、前記着目した前記配線軌跡画像と前記他の配線軌跡画像を前記xy平面の他方の軸方向に沿って近接して描画する際に削除できる配線間余白領域として規定する配線間余白領域規定部と、
前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線間余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理に付すデータ処理部と、
該データ加工処理後の前記結線図描画データに基づいて、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する結線図描画部としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記結線図において、前記一方の軸方向に延びた配線軌跡画像に着目し、該着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域に前記一方の軸方向に延びた他の配線軌跡画像が無ければ、前記着目した配線軌跡画像から前記他方の軸方向の側に沿った領域を削除できる配線側方余白領域として規定する配線側方余白領域規定部としての機能を実現させると共に、
前記コンピュータをデータ処理部として機能させる際、前記作成された前記結線図描画データを、前記規定した前記配線側方余白領域が前記他方の軸方向に沿って占める範囲のデータを削除するデータ加工処理の機能も実現させ、
前記コンピュータを前記結線図描画部として機能させる際、前記配線間余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除した状態に加え、前記配線側方余白領域を前記他方の軸方向に沿って削除して除外した状態で前記電装品画像を前記配線軌跡画像で結線した結線図を描画する機能も実現させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータを前記結線図描画部として機能させる際、前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像の干渉の有無を判定し、前記電装品画像の干渉が無ければ、前記電装品画像を並べて描画する機能も実現させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項8ないし請求項10いずれかに記載のプログラムであって、
前記コンピュータを前記結線図描画部として機能させる際、前記結線図の描画に際して、前記特定した電装品の前記電装品画像を結線する前記配線軌跡画像の軌跡を簡素化する余地の有無を判定し、前記配線軌跡画像の簡素化の余地があれば、前記配線軌跡画像を簡素化して描画する機能も実現させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項8ないし請求項11いずれかに記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記描画した結線図を出力する出力部としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項8ないし請求項12いずれかに記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、それぞれの電装品の電装品画像と電装品を結線するそれぞれの配線の配線軌跡画像とを前記xy平面に配置して描画する回路図データを記憶し、
前記コンピュータを前記結線図作成部として機能させる際、前記結線図描画データを、前記回路図データ記憶部から読み出した前記回路図データに基づいて作成する機能として実現させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項8ないし請求項12いずれかに記載のプログラムであって、
前記コンピュータは、前記電装品画像を前記xy平面に配置して描画するための電装品ごとの電装品描画データと、前記配線軌跡画像を前記xy平面において描画するための配線ごとの配線軌跡描画データとを記憶し、
前記コンピュータを前記結線図作成部として機能させる際、前記特定部により特定された前記電装品と前記配線についての前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとを前記描画データ記憶部から読み込むと共に、該読み込んだ前記電装品描画データと前記配線軌跡描画データとに基づいて前記結線図描画データを作成する機能として実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−3844(P2008−3844A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172686(P2006−172686)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(593018208)株式会社シンテックホズミ (8)
【Fターム(参考)】