説明

給水設備

【課題】受水槽の水の循環量の増大化を回避しながら、受水槽の水の温度が高くなる中間期等においても受水槽の水を適切に加熱し得る給水設備を提供する。
【解決手段】発電手段Gにて発生する熱を回収して受水槽3の水を加熱する排熱回収加熱手段Kが設けられた給水設備であって、排熱回収加熱手段Kが、発電手段Gの発生熱を回収し且つ熱媒を貯留するバッファ槽21に熱を供給するように排熱回収用熱媒を循環させる熱回収側循環手段Kgと、熱回収側循環手段Kgによりバッファ槽21に供給された熱にて受水槽3の水を加熱するように受水槽3の水を循環させる受水槽側循環手段Krとを、熱回収側循環手段Kgにて循環される排熱回収用熱媒と受水槽側循環手段Krにて循環される受水槽3の水とを非混合状態にて循環させる形態で設けて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸を対象として、上水道から供給される水を貯留する受水槽と、
その受水槽の水を給水路を通じて前記複数の住戸の夫々に供給する給水手段と、
前記地域又は前記集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段と、
その発電手段にて発生する熱を回収して前記受水槽の水を加熱する排熱回収加熱手段とが設けられた給水設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる給水設備は、受水槽にて上水道から供給される水を貯留して、その受水槽の水を、給水手段にて給水路を通じて地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸(以下、供給対象住戸群と称する場合がある)に供給し、又、発電手段にて発電した電力を地域又は集合住宅に供給するように構成したものである。
そして、排熱回収加熱手段により、発電手段にて発生する熱を回収して受水槽の水を加熱することにより、使用者に冷水感を与えるのを抑制可能な給水を行うことができるようになっている。
【0003】
このような給水設備において、従来は、前記排熱回収加熱手段を、発電手段の発生熱を回収した排熱回収用熱媒を受水槽側熱交換器を通して循環させる熱源側循環手段と、受水槽の水を前記受水槽側熱交換器を通して循環させる受水槽水循環手段とを備えて構成して、前記受水槽側熱交換器において、前記受水槽水循環手段にて循環される受水槽の水を前記熱源側循環手段にて循環される排熱回収用熱媒により加熱することにより、受水槽の水を加熱するように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ちなみに、前記特許文献1では、前記発電手段はエンジン駆動式の発電機にて構成し、前記熱源側循環手段は、エンジンの冷却水をエンジン側熱交換器を通して循環させるエンジン側循環手段と、排熱回収用熱媒を前記エンジン側熱交換器及び前記受水槽側熱交換器を通して循環させる排熱回収用循環手段とを備えて構成して、前記エンジン側熱交換器において、エンジンの冷却水にて排熱回収用熱媒を加熱し、その排熱回収用熱媒を受水槽側熱交換器において受水槽の水に対して加熱作用させる構成となっていた。
【0005】
【特許文献1】特開2004−316974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の給水設備では、上述したように、受水槽側熱交換器において排熱回収用熱媒を受水槽の水に対して加熱作用させることから、受水槽側熱交換器を通流する排熱回収用熱媒の保有熱量に対する受水槽側熱交換器を通流する受水槽の水の加熱容量の比率が小さいので、受水槽側熱交換器を通過する受水槽の水の温度の上昇率が大きくなる。つまり、受水槽側熱交換器に流入する水の温度と受水槽側熱交換器から流出する水の温度との差が大きくなる。
【0007】
一方、受水槽側熱交換器において受水槽の水を加熱し過ぎると、受水槽内の水の温度が冷水感のない快適な温度よりも高くなって、使用者にぬるま湯感を与える虞があり、又、受水槽側熱交換器を通過する水に含まれていた塩素が消失する虞もある。
【0008】
従って、従来の給水設備では、受水槽側熱交換器を通過する受水槽の水の温度の上昇率が大きいので、受水槽の水の温度が高くなる中間期等においては、受水槽側熱交換器において受水槽の水を加熱し過ぎる虞があるので、発電手段の発生熱を受水槽の水の加熱に使用し難いという問題があった。
【0009】
ちなみに、受水槽側熱交換器を通過する受水槽の水の温度の上昇率を小さくするために、受水槽側熱交換器を通して受水槽の水を循環させる循環ポンプを高能力化して、受水槽側熱交換器を通流する排熱回収用熱媒の保有熱量に対する受水槽側熱交換器を通流する受水槽の水の加熱容量の比率を大きくすることが想定されるが、循環ポンプの消費電力が多くなってランニングコストが高くなるので、好ましくない。
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、受水槽の水の循環量の増大化を回避しながら、受水槽の水の温度が高くなる中間期等においても受水槽の水を適切に加熱し得る給水設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の給水設備は、地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸を対象として、上水道から供給される水を貯留する受水槽と、
その受水槽の水を給水路を通じて前記複数の住戸の夫々に供給する給水手段と、
前記地域又は前記集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段と、
その発電手段にて発生する熱を回収して前記受水槽の水を加熱する排熱回収加熱手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記排熱回収加熱手段が、
前記発電手段の発生熱を回収し且つ熱媒を貯留するバッファ槽に熱を供給するように排熱回収用熱媒を循環させる熱回収側循環手段と、前記熱回収側循環手段により前記バッファ槽に供給された熱にて前記受水槽の水を加熱するように前記受水槽の水を循環させる受水槽側循環手段とを、前記熱回収側循環手段にて循環される排熱回収用熱媒と前記受水槽側循環手段にて循環される前記受水槽の水とを非混合状態にて循環させる形態で設けて構成されている点を特徴とする。
【0012】
即ち、熱回収側循環手段により、排熱回収用熱媒を、発電手段の発生熱を回収し且つ熱媒を貯留するバッファ槽に熱を供給するように循環させ、受水槽側循環手段により、受水槽の水を、熱回収側循環手段にて循環される排熱回収用熱媒と非混合状態にて、その熱回収側循環手段によりバッファ槽に供給された熱にて受水槽の水を加熱するように循環させる。
【0013】
つまり、発電手段の発生熱を回収してバッファ槽に貯留される熱媒を加熱することにより、発電手段の発生熱をバッファ槽に供給し、且つ、そのようにバッファ槽に供給された熱にて受水槽の水を加熱するように受水槽の水を循環させる形態で、受水槽の水を加熱することになる。
そして、バッファ槽は、多量の熱媒を貯留することができて、熱回収側循環手段によりバッファ層に供給される熱量に対するバッファ層に貯留される熱媒の加熱容量の比率を大きくすることができるので、バッファ槽の熱媒の温度の上昇率が小さくなる状態でそのバッファ層に熱が供給されることになり、そのようにバッファ層に供給される熱にて加熱するように受水槽の水を循環するに当たって、その受水槽の水の循環量の増大化を回避しながらも、バッファ層に供給される熱にて加熱される受水槽の水の温度の上昇率を小さくすることができる。
【0014】
又、熱回収側循環手段にて循環される排熱回収用熱媒と受水槽側循環手段にて循環される受水槽の水とは、非混合状態にて循環されることから、例えば、熱回収側循環手段にて水が熱媒として循環されるにしても、発電手段の発生熱の回収により高温に加熱されて塩素が消失した水が、受水槽側循環手段にて循環される受水槽の水に混合されることがないので、受水槽の水の塩素の含有率の低下を防止することができる。
【0015】
従って、受水槽の水の温度が高くなる中間期等においても、使用者にぬるま湯感を与えないように、又、塩素の含有率を低下させないように、受水槽の水を適切に加熱することができる。
要するに、受水槽の水の循環量の増大化を回避しながら、受水槽の水の温度が高くなる中間期等においても受水槽の水を適切に加熱し得る給水設備を提供することができるようになった。
【0016】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記熱回収側循環手段が前記バッファ槽内に設けられた放熱用熱媒通路を通して排熱回収用熱媒を循環させるように設けられ、且つ、前記受水槽側循環手段が前記受水槽の水を前記バッファ槽内を通して循環させるように設けられている点を特徴とする。
【0017】
即ち、熱回収側循環手段により、排熱回収用熱媒をバッファ槽内に設けられた放熱用熱媒通路を通して循環させ、受水槽側循環手段により、受水槽の水をバッファ槽内を通して循環させる。
つまり、バッファ槽内に、受水槽側循環手段にて循環される水を熱媒として貯留して、放熱用熱媒通路を通流する排熱回収用熱媒によりバッファ槽内の水を加熱しながら、受水槽の水をバッファ槽内を通して循環させることから、放熱用熱媒通路を通流する排熱回収用熱媒によりバッファ槽内の多量の水を加熱することになって、そのように加熱される水の温度の上昇率を小さくすることができるので、受水槽の水の循環量の増大化を回避しながらも、受水槽の水を適切に加熱することができる。
そして、放熱用熱媒通路を通流させる排熱回収用熱媒の温度を高くしても、バッファ層内の水の温度の上昇率を小さくすることができることから、その放熱用熱媒通路を通流する排熱回収用熱媒とバッファ槽内の水との温度差を大きくすることができるので、排熱回収用熱媒と水との熱交換効率が高くなって、受水槽の水の加熱効率を向上することができる。
【0018】
ちなみに、熱回収側循環手段を、発電手段の発生熱の回収により加熱された排熱回収用熱媒をバッファ槽内を通して循環させるように設け、受水槽側循環手段を、バッファ層内に設けられた加熱用水通路を通して循環させるように設ける場合が想定される。
この場合、発電手段の発生熱の回収により高温に加熱された排熱回収用熱媒がバッファ層内の多量の排熱回収用熱媒に混合されることから、そのバッファ層内の排熱回収用熱媒の温度の上昇率を小さくすることができるので、加熱用水通路を通過して加熱される受水槽の水の温度の上昇率も小さくすることができる。
しかしながら、加熱用水通路を通過する受水槽の水を高温に加熱しないようにするには、バッファ層内の排熱回収用熱媒の温度を低くする必要があって、バッファ層内の排熱回収用熱媒と加熱用水通路を通流する水との温度差が小さくなるので、それらの間の熱交換効率が低下して、受水槽の水の加熱効率が低下する。
従って、受水槽の水の加熱効率を向上する上で、好適な手段を提供することができるようになった。
【0019】
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
運転を制御する運転制御手段が、前記バッファ槽内の水の温度が設定上限給水温度以下になるように、前記熱回収側循環手段による熱媒循環状態を調節するように構成されている点を特徴とする。
【0020】
即ち、運転制御手段により、バッファ槽内の水の温度が設定上限給水温度以下になるように、熱回収側循環手段による熱媒循環状態が調節されるので、受水槽の水が設定上限給水温度以下になるように加熱される。
そして、前記設定上限給水温度として、使用者がぬるま湯感を感じる温度よりも低い温度に設定することにより、使用者にぬるま湯感を与えるのをより一層抑制することができ、又、前記設定上限給水温度として、水に含まれる塩素が消失することのない温度に設定することにより、受水槽の水の塩素含有率の低下をより一層抑制することができる。
従って、使用者にぬるま湯感を与えるのをより一層抑制する、又は、受水槽の水の塩素含有率の低下をより一層抑制する上で、好ましい手段を提供することができるようになった。
【0021】
第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記運転制御手段が、前記熱回収側循環手段による熱媒の循環を断続することにより、前記熱媒循環状態を調節するように構成されている点を特徴とする。
【0022】
即ち、熱回収側循環手段による熱媒の循環が断続される形態にて、熱媒循環状態が調節されることにより、バッファ槽内の水の温度が設定上限給水温度以下になるように管理される。
そして、熱回収側循環手段による熱媒の循環を断続する構成としては、熱媒を循環させる循環ポンプをオンオフする構成、あるいは、熱媒を循環させる循環路に開閉弁を設けて、その開閉弁を開閉する構成等、簡単な構成を採用することができる。
【0023】
ちなみに、熱媒循環状態を調節する形態として、熱回収側循環手段による熱媒の循環量を調節する形態が考えられるが、この形態を採用すると、熱媒を循環させる循環ポンプの回転速度を変更調節したり、熱媒の循環量を調節する比例弁を設けて、その比例弁の開度を変更調節する必要があって、構成が複雑となるので、給水設備の価格が高くなる。
従って、給水設備の低廉化を図りながら、使用者にぬるま湯感を与えるのをより一層抑制する、又は、受水槽の水の塩素含有率の低下をより一層抑制することができるようになった。
【0024】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
運転を制御する運転制御手段が、前記バッファ槽の熱媒の温度が前記受水槽の水の温度以上である条件で、前記受水槽側循環手段による前記受水槽の水の循環を行うように構成されている点を特徴とする。
【0025】
即ち、運転制御手段により、バッファ槽の熱媒の温度が受水槽の水の温度以上である条件で、受水槽側循環手段による受水槽の水の循環が行われるので、受水槽の水が冷却されるのを防止することが可能となる。
【0026】
例えば、発電手段を1日のうちの一部の時間帯において運転する断続運転が行われる場合がある。又、通常は、バッファ槽の容量を受水槽の容量よりも小さくするので、バッファ槽に発電手段の熱が供給されない状態では、バッファ槽の熱媒の方が受水槽の水よりも温度が低下し易い。
そして、断続運転が行われる場合に、発電手段の運転を開始する起動時は、バッファ槽の熱媒の温度が受水槽の水の温度よりも低くなっている場合があるが、そのような場合でも、バッファ槽の熱媒の温度が受水槽の水の温度以上になってから、受水槽側循環手段による水の循環が行われるようになる。
従って、受水槽側循環手段による受水槽の水の循環が行われることにより受水槽の水が冷却されるのを防止することができるので、使用者に冷水感を与えるのをより一層抑制可能な状態で給水を行うことができるようになった。
【0027】
第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれかに加えて、
前記受水槽側循環手段が、前記受水槽の水を前記バッファ槽に供給された熱にて加熱するように循環させる受水槽加熱状態と、前記受水槽の水を前記バッファ槽に供給された熱にて加熱した後、前記受水槽を迂回する給湯路を通して前記地域又は集合住宅に供給する給湯状態とに切り換え自在なように構成されている点を特徴とする。
【0028】
即ち、受水槽側循環手段を受水槽加熱状態に切り換えると、受水槽の水がバッファ槽に供給された熱にて加熱されるように循環されるので、受水槽の水が加熱される。
一方、受水槽側循環手段を給湯状態に切り換えると、受水槽の水がバッファ槽に供給された熱にて加熱された後、受水槽を迂回する給湯路を通して地域又は集合住宅に供給されるので、受水槽の水をバッファ槽に供給された熱にて前記設定上限給水温度よりも高い温度に加熱することにより、例えば、浴用等に好ましい温度の湯を地域又は集合住宅に供給することが可能となる。
【0029】
つまり、夏期等、上水道から供給される水の温度が高い時期は、上水道から供給される水を加熱することなく給水しても、使用者に冷水感を与えることを防止することができるので、受水槽側循環手段を受水槽加熱状態に切り換えた状態での運転は不要となる。
そこで、上水道から供給される水の温度が高くて、上水道から供給される水を加熱することなく給水しても使用者に冷水感を与えることを防止することができる時期に、受水槽側循環手段を給湯状態に切り換えた状態での運転を行うようにすると、給水設備を年間を通して有効に使用することが可能となる。
従って、年間を通して有効に使用することが可能な給水設備を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、給水設備は、集合住宅に含まれる複数の住戸Hを給水対象として、上水道1から受水路2を通じて供給される水を貯留する受水槽3と、その受水槽3の水を給水路4を通じて複数の住戸Hの夫々に供給する給水手段としての給水ポンプ5と、集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段としての発電装置Gと、その発電装置Gにて発生する熱を回収して前記受水槽3の水を加熱する排熱回収加熱手段としての排熱回収加熱部Kと、給水設備の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部6とを備えて構成してある。
【0031】
前記受水槽3には、その水位が所定の設定水位よりも低いときは開弁し、前記設定水位以上のときは閉弁するようにフロート弁(図示省略)を設け、そのフロート弁に前記受水路2を接続してあり、受水槽3に前記設定水位になるように受水路2を通じて水が供給されるように構成してある。
又、前記受水槽3には、その受水槽1内の水の温度(以下、受水槽温度と記載する場合がある)を検出する受水槽温度センサT1を設けてある。
【0032】
前記給水路4は複数の分岐給水路4bに分岐して、各分岐給水路4bにて各住戸Hに受水槽3の水を供給するようになっている。説明を加えると、前記分岐給水路4bは、各住戸Hの流し台、洗濯機、トイレ等の給水箇所の夫々に対応して設けられる複数の止水栓7と、供給される水を加熱して給湯箇所に供給する熱源機8とに分岐接続してある。
図示は省略するが、前記給水路4及び分岐給水路4bは断熱材にて覆って保温してある。
【0033】
前記熱源機8は、周知であるので詳細な説明及び図示は省略して、簡単に説明すると、分岐給水路4bを通じて供給される水を加熱する給湯用熱交換器、追焚用循環路を通じて循環される浴槽の湯水を加熱する追焚用熱交換器、それら給湯用熱交換器と追焚用熱交換器を加熱するガスバーナ等を備えて構成してあり、給水路4からの水をリモコン操作部等により設定される設定給湯温度になるように加熱して、流し台、浴室等の給湯箇所の夫々に対応して設けられる給湯栓9に供給したり、浴槽を追焚したりするように構成してある。
【0034】
前記発電装置Gは、発電機10と、その発電機10を駆動するガスエンジン11とを備えて構成してある。ちなみに、前記ガスエンジン11を作動させることにより、前記発電装置Gを作動させ、前記ガスエンジン11を停止させることにより、前記発電装置Gを停止させることになる。
【0035】
更に、この給水設備には、商用電源12からの商用電力を前記集合住宅を電力供給対象として一括して受電する受変電設備13と、前記発電機10を前記商用電源12と系統連系させる連系装置14とを設け、発電機10及び商用電源12からの電力を、共用部における電力消費機器15や、供給対象住戸群の各住戸Hの電力消費機器16に供給するように給電線17を配線してある。
【0036】
都市ガスが供給されるガス供給管18には、前記ガスエンジン11等の共用部のガス消費機器にガス燃料を供給する共用部用ガス供給路19、及び、複数の住戸Hの夫々にガス燃料を供給する住戸用ガス供給路20を接続してある。前記住戸用ガス供給路20は、複数の分岐ガス供給路20bに分岐して、各分岐ガス供給路20bにて各住戸Hの前記熱源機8等にガス燃料を供給するように構成してある。
【0037】
次に、前記排熱回収加熱部Kについて説明を加えると、この排熱回収加熱部Kは、前記発電装置Gの発生熱を回収し且つ熱媒を貯留するバッファ槽21に熱を供給するように排熱回収用熱媒を循環させる熱回収側循環手段としての熱回収側循環部Kgと、その熱回収側循環部Kgによりバッファ槽21に供給された熱にて受水槽3の水を加熱するように受水槽3の水を循環させる受水槽側循環手段としての受水槽側循環部Krとを、熱回収側循環部Kgにて循環される排熱回収用熱媒と受水槽側循環部Krにて循環される受水槽3の水とを非混合状態にて循環させる形態で設けて構成してある。
【0038】
前記バッファ槽21は、熱媒として水を満水状態で貯留する密閉式に構成してあり、そのバッファ槽21には、その内部の水の温度(以下、バッファ槽温度と記載する場合がある)を検出するバッファ槽温度センサT2を設けてある。
更に、バッファ槽21の頂部には、そのバッファ槽21内の圧力を設定上限圧力以下に維持する圧力逃がし弁22を設けてある。
ちなみに、バッファ槽21の容量は、受水槽3の容量よりも小さく設定する。例えば、受水槽3の容量が75トンの場合、バッファ槽21の容量は1〜2トン程度に設定する。
【0039】
この実施形態においては、前記熱回収側循環部Kgを、前記バッファ槽21内に設けた放熱用熱媒通路23を通して排熱回収用熱媒を循環させるように設け、且つ、前記受水槽側循環部Krを、前記受水槽3の水をバッファ槽21内を通して循環させるように設けてある。
【0040】
前記受水槽側循環部Krについて、説明を加えると、この受水槽側循環部Krは、受水槽3とバッファ槽21とにわたって水を循環させる受水槽側循環路24と、その受水槽側循環路24に設けた受水槽側循環ポンプ25とを備えて構成してある。
前記受水槽側循環路24における受水槽3からバッファ槽21に水を供給する往き路部分24fを、受水槽3の底部とバッファ槽21の底部とを接続するように設けると共に、その往き路部分24fに、前記受水槽側循環ポンプ25を、受水槽3の底部から吸引した水をバッファ槽21の底部に供給するように設け、受水槽側循環路24におけるバッファ槽21から受水槽3に水を戻す戻り路部分24bをバッファ槽21の頂部と受水槽3の上下方向の中間部とを接続するように設けてある。
つまり、受水槽側循環ポンプ25の通流作用により、バッファ槽21を満水状態にする状態で、受水槽3の水をバッファ槽21内を通して循環させるように構成してある。
【0041】
前記受水槽側循環路24の戻り路部分24bから、給湯路26を分岐させて、その給湯路26を前記共用部に設置された共用浴槽27に接続し、前記戻り路部分24bにおける前記給湯路26の分岐箇所よりも下流側の部分に通流状態切換用の開閉弁28を設けてある。
つまり、開閉弁28を開弁した状態で、前記受水側循環ポンプ25を作動させることにより、受水槽3の水をバッファ槽21に供給された熱にて加熱するように循環させる受水槽加熱状態となり、開閉弁28を閉弁した状態で、受水側循環ポンプ25を作動させることにより、受水槽3の水をバッファ槽21に供給された熱にて加熱した後、受水槽3を迂回する前記給湯路26を通して集合住宅に供給する給湯状態となる。
要するに、前記受水側循環部Krを、前記受水槽加熱状態と前記給湯状態とに切り換え自在に構成してある。
【0042】
次に、前記熱回収側循環部Kgについて、説明を加えると、この熱回収側循環部Kgは、前記ガスエンジン11のエンジン冷却水を循環させる冷却水循環路29、その冷却水循環路29に設けた冷却水循環ポンプ30、前記放熱用熱媒通路23を通して排熱回収用熱媒を循環させる排熱回収用熱媒循環路31、その排熱回収用熱媒循環路31に設けた排熱回収用熱媒循環ポンプ32、及び、前記冷却水循環路29を通流するエンジン冷却水と前記排熱回収用熱媒循環路31を通流する排熱回収用熱媒とを熱交換させる排熱回収用熱交換器33等を備えて構成してある。
【0043】
前記放熱用熱媒通路23は、図2に示すように、外周面がバッファ槽21内の水と接するようにバッファ槽21内に設けられる外筒23aと、その外筒23a内にその外筒23aの内周面と間隙を有する状態で配設され且つ内部を排熱回収用熱媒を通流させる内筒23bとを備えた二重管式に構成してある。
そして、このように放熱用熱媒通路23を二重管式に構成することにより、万が一、外筒23aと内筒23bとのいずれか一方に穴があいたとしても、バッファ槽21内の水に内筒23a内を通流する排熱回収用熱媒が混合することを防止することができる。
【0044】
又、図1に示すように、エンジン冷却水を前記排熱回収用熱交換器33を迂回させて循環させるように、放熱用冷却水通路34を前記冷却水循環路29に接続すると共に、その接続部分に、冷却水を排熱回収用熱交換器33に通流させる排熱回収状態と、冷却水を排熱回収用熱交換器33を迂回させて放熱用冷却水通路34に通流させる放熱状態とに切り換える三方弁35を設け、更に、放熱用冷却水通路34にラジエータ36を設けてある。
【0045】
そして、この給水設備では、前記運転制御部6を、発電装置Gにて発生する熱を回収して受水槽3の水を加熱する受水槽加熱運転、発電装置Gにて発生する熱を前記ラジエータ36にて放熱させる放熱運転、受水槽3の水の循環を停止した状態で、バッファ槽21内の水をバッファ槽21に供給された熱にて加熱する予備加熱運転、及び、受水槽3の水をバッファ槽21に供給された熱にて加熱した後、受水槽3を迂回する前記給湯路26を通して前記共用浴槽27に供給する給湯運転を実行可能なように構成してある。
【0046】
以下、上記の各運転について説明を加える。
前記運転制御部6は、前記受水槽加熱運転では、前記受水側循環ポンプ25を作動させ、前記開閉弁28を開弁して前記受水槽側循環部Krを前記受水槽加熱状態に切り換え、前記三方弁35を前記排熱回収状態に切り換え、前記冷却水循環ポンプ30及び前記排熱回収用熱媒循環ポンプ32を作動させ、前記ラジエータ36を停止させる。
この受水槽加熱運転では、以下に説明するように、発電装置Gにて発生する熱を回収して受水槽3内の水を加熱することができる。
【0047】
つまり、排熱回収用熱交換器33にて、冷却水循環路29を通流するエンジン冷却水と排熱回収用熱媒循環路31を通流する排熱回収用熱媒との間で熱交換されて、排熱回収用熱媒循環路31を通流する排熱回収用熱媒にガスエンジン11からの発生熱が回収され、そのガスエンジン11からの発生熱を回収した排熱回収用熱媒がバッファ槽21内に設けられた放熱用熱媒通路23を通って循環することにより、放熱用熱媒通路23にて排熱回収用熱媒からバッファ槽21内の水に放熱され、受水槽3の水がバッファ槽21内を通流して加熱される状態で循環することになり、受水槽3内の水が加熱される。
【0048】
要するに、上述したように、前記熱回収側熱交換部Kgを、発電装置Gの発生熱を回収し且つ熱媒を貯留するバッファ槽21に熱を供給するように排熱回収用熱媒を循環させるべく構成し、前記受水槽側循環部Krを、前記熱回収側循環部Kgによりバッファ槽21に供給された熱にて受水槽3の水を加熱するように受水槽3の水を循環させるように構成して、前記排熱回収加熱部Kを、前記熱回収側熱交換部Kgと受水槽側循環部Krとを、熱回収側循環部Kgにて循環される排熱回収用熱媒と受水槽側循環部Krにて循環される受水槽3の水とを非混合状態にて循環させる形態で設けて構成してある。
【0049】
前記運転制御部6は、前記放熱運転では、前記受水側循環ポンプ25及び前記排熱回収用熱媒循環ポンプ32を停止させ、前記三方弁35を前記放熱状態に切り換え、前記冷却水循環ポンプ30を作動させ、前記ラジエータ36を作動させる。
【0050】
この放熱運転では、バッファ槽21内を通しての受水槽3の水の循環、放熱用熱媒通路23を通しての排熱回収用熱媒の循環、及び、排熱回収用熱交換器33を通してのエンジン冷却水の循環が停止されて、エンジン冷却水が前記ラジエータ36を通して循環されるので、ガスエンジン11の発生熱による受水槽3の水の加熱が停止されて、ガスエンジン11の発生熱がラジエータ36において放熱される。
【0051】
前記運転制御部6は、前記予備加熱運転では、前記受水側循環ポンプ25を停止させ、前記開閉弁28を閉弁し、前記三方弁35を前記排熱回収状態に切り換え、前記冷却水循環ポンプ30及び前記排熱回収用熱媒循環ポンプ32を作動させ、前記ラジエータ36を停止させる。
【0052】
この予備加熱運転では、バッファ槽21内を通しての受水槽3の水の循環を停止した状態で、ガスエンジン11からの発生熱を回収した排熱回収用熱媒がバッファ槽21内に設けられた放熱用熱媒通路23を通って循環するので、バッファ槽21内の水をより高温に加熱することができる。
【0053】
前記運転制御部6は、前記給湯運転では、前記受水側循環ポンプ25を作動させ、前記開閉弁28を閉弁して前記受水槽側循環部Krを前記給湯状態に切り換え、前記三方弁35を前記排熱回収状態に切り換えた状態で前記冷却水循環ポンプ30を作動させると共に、前記排熱回収用熱媒循環ポンプ32を作動させ、前記ラジエータ36を停止させる。
【0054】
この給湯運転では、ガスエンジン11からの発生熱を回収した排熱回収用熱媒がバッファ槽21内に設けられた放熱用熱媒通路23を通って循環することにより、放熱用熱媒通路23にて排熱回収用熱媒からバッファ槽21内の水に放熱されて、受水槽3の水が加熱される。
そして、受水側循環ポンプ25により受水槽3の水がバッファ槽21内に供給されることにより、バッファ槽21内の湯が押し出されて、給湯路26を通って共用浴槽27に供給され、又、バッファ槽21内に供給された受水槽3の水もバッファ槽21内にて加熱されて、給湯路26を通って共用浴槽27に供給されることになり、共用浴槽27に給湯される。
【0055】
次に、前記運転制御部6の制御動作について、説明する。
尚、運転制御部6に各種制御情報を指令する操作盤37を設けてあり、その操作盤37には、図示を省略するが、給水設備の運転開始及び運転停止を指令する運転スイッチ、給湯開始及び給湯停止を指令する給湯スイッチ、並びに、給湯目標温度を設定する給湯温度設定部を設けてある。
又、設定上限給水温度、及び、その設定上限給水温度よりも低い設定加熱開始温度を予め設定して、運転制御部6に記憶させてある。ちなみに、前記設定上限給水温度は、使用者にぬるま湯感を感じさせないと共に、水に含まれる塩素の消失を防止できる温度に設定するものであり、例えば20°Cに設定する。又、前記設定加熱開始温度は、例えば18°Cに設定する。
【0056】
運転制御部6は、前記バッファ槽21内の水の温度が設定上限給水温度以下になるように、前記熱回収側循環部Kgによる熱媒循環状態を調節するように構成してある。
そして、この実施形態では、運転制御部6は、熱回収側循環部Kgによる熱媒の循環を断続することにより、前記熱媒循環状態を調節するように構成してある。
【0057】
又、運転制御部6は、前記バッファ槽21の熱媒(この実施形態では水)の温度が前記受水槽3の水の温度以上である条件で、前記受水槽側循環部Krよる受水槽3の水の循環を行うように構成してある。
【0058】
以下、図3に示すフローチャートに基づいて、前記運転制御部6の制御動作について、説明を加える。
前記運転制御部6は、運転開始指令が指令されると(ステップ#1)、発電装置Gを作動させ(ステップ#2)、給湯指令が指令されると、前記給湯路26を通して給湯するための給湯処理を実行し(ステップ#3,5)、給湯指令が指令されていないとき、又は、給湯処理の実行中に給湯停止が指令されると、前記受水槽3内の水を加熱するための受水槽加熱処理を実行し(ステップ#3,4)、受水槽加熱処理又は給湯処理の実行中に運転停止指令が指令されると(ステップ#6)、発電装置Gを停止させて(ステップ#7)、リターンする。
【0059】
以下、前記受水槽加熱処理及び前記給湯処理について、説明を加える。
尚、以下の説明では、バッファ槽温度センサT2にて検出されるバッファ槽温度を、単にバッファ槽温度と記載し、受水槽温度センサT1にて検出される受水槽温度を単に受水槽温度と記載する。
前記運転制御部6は、前記受水槽加熱処理の開始時においては、バッファ槽温度が受水槽温度以上のときは、直ちに受水槽加熱運転を実行し、バッファ槽温度が受水槽温度よりも低いときは、先ず、予備加熱運転を実行して、バッファ槽温度が受水槽温度以上になると、予備加熱運転を停止して受水槽加熱運転を実行する。
【0060】
つまり、バッファ槽温度が受水槽温度よりも低いときは、受水槽側循環部Krによる受水槽3の水の循環が停止され、バッファ槽温度が受水槽温度以上のときに、受水槽側循環部Krによる受水槽3の水の循環が行われることになり、上述したように、運転制御部6を、前記バッファ槽21の熱媒の温度が前記受水槽3の水の温度以上である条件で、前記受水槽側循環部Krよる受水槽3の水の循環を行うように構成してある。
【0061】
又、前記運転制御部6は、前記受水槽加熱処理においては、受水槽加熱運転の実行中にバッファ槽温度が設定上限給水温度以上になると、その受水槽加熱運転を停止して放熱運転を実行し、その放熱運転の実行中にバッファ槽温度が設定加熱開始温度以下になると、その放熱運転を停止して受水槽加熱運転を実行する形態で、受水槽加熱運転と放熱運転とを繰り返し実行することになり、バッファ槽21内の温度が設定上限給水温度以下に維持されるので、受水槽3内の水の温度も設定上限温度以下に維持されることになる。
【0062】
つまり、受水槽加熱運転では、熱回収側循環部Kgにより、排熱回収用熱媒が放熱用熱媒通路23を通して循環され、放熱運転では、熱回収側循環部Kgによる排熱回収用熱媒の循環が停止されることになり、上述したように、運転制御部3を、バッファ槽21内の水の温度が設定上限給水温度以下になるように、熱回収側循環部Kgによる熱媒の循環を断続することにより、熱回収側循環部Kgによる熱媒循環状態を調節するように構成してある。
【0063】
又、前記運転制御部6は、前記受水槽加熱処理においては、受水槽加熱運転の実行中に、バッファ槽温度が受水槽温度よりも低くなると、受水槽加熱運転を停止して予備加熱運転を実行し、その予備加熱運転の実行中に、バッファ槽温度が受水槽温度以上になると、予備加熱運転を停止して受水槽加熱運転を実行する。
【0064】
運転制御部6は、前記給湯処理においては、バッファ槽温度が前記給湯温度設定部にて設定された給湯目標温度に達するまでは、前記予備加熱運転を実行し、バッファ槽温度が前記給湯温度設定部にて設定された給湯目標温度に達すると、予備加熱運転を停止して給湯運転を実行する。
従って、前記給湯温度設定部にて設定された給湯目標温度の湯が、共用浴槽27に供給される。
【0065】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 前記熱回収側循環部Kg及び前記受水槽側循環部Kr夫々の具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、図4に示すように、前記熱回収側循環部Kgを、前記排熱回収用熱交換器33と前記バッファ槽21内とを通して排熱回収用熱媒を循環させるように設け、前記受水槽側循環部Krを、前記バッファ槽21内に設けた加熱用水通路38を通して前記受水槽3の水を循環させるように構成しても良い。
又、図5に示すように、前記熱回収側循環部Kgを、前記バッファ槽21内に設けた放熱用熱媒通路23を通して排熱回収用熱媒を循環させるように設け、前記受水槽側循環部Krを、前記バッファ槽21内に設けた加熱用水通路38を通して前記受水槽3の水を循環させるように構成しても良い。
【0066】
(ロ) 熱回収側循環部Kgによる熱媒循環状態を調節する形態として、熱回収側循環部Kgによる熱媒の循環を断続する形態に代えて、熱回収側循環部Kgによる熱媒の循環量を調節する形態を採用することができる。
この場合、前記排熱回収用循環ポンプ32の回転速度を変更調節自在に構成して、排熱回収用熱媒循環ポンプ32の回転速度の変更調節により熱媒の循環量を調節する。あるいは、排熱回収用熱媒循環路31に比例弁を設けて、その比例弁の開度の変更調節により熱媒の循環量を調節する。
【0067】
(ハ) 前記受水槽側循環ポンプ25の回転速度を変更調節自在に構成して、前記給湯運転においては、受水槽側循環ポンプ25の回転速度を遅くすることにより、バッファ槽21内を通流する水の流量を少なくして、高温の湯を連続して給湯路26を通して供給できるように構成しても良い。
【0068】
(ニ) 前記給湯路26を複数の住戸H夫々に分岐接続して、給湯運転において、給湯路26を通して複数の住戸H夫々に給湯できるように構成しても良い。
【0069】
(ホ) 前記排熱回収用熱媒循環路31、排熱回収用熱交換器33及び前記排熱回収用熱媒循環ポンプ32を省略して、前記冷却水循環路29を前記放熱用熱媒通路23に接続し、熱回収側循環部Kgを、エンジン冷却水を排熱回収用熱媒として循環させるように構成しても良い。
【0070】
(ヘ) 給水設備を運転する運転時間帯を1日のうちの所定の一部の時間帯に設定して、その運転時間帯のあいだ給水設備を自動的に運転するように構成しても良い。
【0071】
(ト) 上記の実施形態のように、発電装置Gを、発電機10とその発電機10を駆動するガスエンジン11とを備えたエンジン駆動式にて構成する場合、前記排熱回収加熱部Kにて回収する発電装置Gの発生熱としては、上記の実施形態において例示したエンジン冷却水の保有熱以外に、ガスエンジン11の排ガスの保有熱や、エンジン冷却水及び排ガスの両方の保有熱でも良い。
尚、発電装置Gをエンジン駆動式にて構成する場合、エンジンとしては、上記の実施形態において例示した都市ガスを燃料とするガスエンジン11以外に、LPガス、ガソリン等種々の燃料を用いるものを使用することができる。
又、発電装置Gは、上記の実施形態において例示した如きエンジン駆動式にて構成する以外に、ガスタービンにて駆動するガスタービン駆動式にて構成しても良い。発電装置Gをガスタービン駆動式にて構成する場合、前記排熱回収加熱部Kにて回収する発電装置Gの発生熱は、ガスタービンの排ガスの保有熱になる。
又、発電装置Gとしては、上記のエンジン駆動式やガスタービン駆動式に限定されるのではなく、例えば、各種の燃料電池にて構成することができる。発電装置Gを燃料電池にて構成する場合は、前記排熱回収加熱部Kにて回収する発電装置Gの発生熱は、燃料電池の冷却水の保有熱になる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施形態に係る給水設備の全体構成を示すブロック図
【図2】実施形態に係る給水設備の放熱用熱媒通路を示す図
【図3】実施形態に係る給水設備の制御動作のフローチャートを示す図
【図4】別実施形態に係る給水設備の排熱回収加熱部を示すブロック図
【図5】別実施形態に係る給水設備の排熱回収加熱部を示すブロック図
【符号の説明】
【0073】
1 上水道
3 受水槽
4 給水路
5 給水手段
6 運転制御手段
21 バッファ槽
23 放熱用熱媒通路
26 給湯路
G 発電手段
H 住戸
K 排熱回収加熱部
Kg 熱回収側循環手段
Kr 受水槽側循環手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸を対象として、上水道から供給される水を貯留する受水槽と、
その受水槽の水を給水路を通じて前記複数の住戸の夫々に供給する給水手段と、
前記地域又は前記集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段と、
その発電手段にて発生する熱を回収して前記受水槽の水を加熱する排熱回収加熱手段とが設けられた給水設備であって、
前記排熱回収加熱手段が、
前記発電手段の発生熱を回収し且つ熱媒を貯留するバッファ槽に熱を供給するように排熱回収用熱媒を循環させる熱回収側循環手段と、前記熱回収側循環手段により前記バッファ槽に供給された熱にて前記受水槽の水を加熱するように前記受水槽の水を循環させる受水槽側循環手段とを、前記熱回収側循環手段にて循環される排熱回収用熱媒と前記受水槽側循環手段にて循環される前記受水槽の水とを非混合状態にて循環させる形態で設けて構成されている給水設備。
【請求項2】
前記熱回収側循環手段が前記バッファ槽内に設けられた放熱用熱媒通路を通して排熱回収用熱媒を循環させるように設けられ、且つ、前記受水槽側循環手段が前記受水槽の水を前記バッファ槽内を通して循環させるように設けられている請求項1記載の給水設備。
【請求項3】
運転を制御する運転制御手段が、前記バッファ槽内の水の温度が設定上限給水温度以下になるように、前記熱回収側循環手段による熱媒循環状態を調節するように構成されている請求項2記載の給水設備。
【請求項4】
前記運転制御手段が、前記熱回収側循環手段による熱媒の循環を断続することにより、前記熱媒循環状態を調節するように構成されている請求項3記載の給水設備。
【請求項5】
運転を制御する運転制御手段が、前記バッファ槽の熱媒の温度が前記受水槽の水の温度以上である条件で、前記受水槽側循環手段による前記受水槽の水の循環を行うように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の給水設備。
【請求項6】
前記受水槽側循環手段が、前記受水槽の水を前記バッファ槽に供給された熱にて加熱するように循環させる受水槽加熱状態と、前記受水槽の水を前記バッファ槽に供給された熱にて加熱した後、前記受水槽を迂回する給湯路を通して前記地域又は集合住宅に供給する給湯状態とに切り換え自在なように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の給水設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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