説明

給湯リモコン装置、給湯温度の報知方法及びプログラム

【課題】給湯を誰でも安全かつ利便性よく利用できるようにする
【解決手段】リモコン2において、ユーザが温度操作手段201を操作し温度設定を変更する場合、制御手段202は、温度設定値と、記憶手段203に保持する基準値と比較し、基準値であった場合、振動手段204を振動させることで、前記振動手段204が接続された温度操作手段201を振動させ、ユーザに触感を提示し、温度設定値が基準値であることを蝕知させ、操作する指の感覚で、温度設定値を理解できるようにし、目や耳の不自由な人やお年寄りにも利便性よい給湯機能を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯リモコン装置で設定した給湯温度の報知に関する給湯リモコン装置、給湯温度の報知方法またはプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の給湯機において、給湯機内の出湯配管の途中に湯温検出手段を設け、設定高温度が検出された時、その検出時点から所定時間経過後に、音声や表示によって注意報知を報知手段で行なうものがある(例えば特許文献1参照)。この構成により高温のお湯が吐出するタイミングをユーザに報知し注意を喚起している。また給湯機リモコンにおいて、給湯機の設定温度などを音声で報知させるスイッチを設け、視覚障害の方でも表示を見ることなく給湯装置の現在状態を確認するものがある(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−162115号公報
【特許文献2】特開2004−183972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、高温のお湯が出ることを音声または表示でユーザに報知したり、またスイッチで現在状態を音声で確認することはできるが、聴覚に障害のある人は使用できない。また表示の場合は、リモコン等に表示されるが、浴室の中では一般的に文字も小さく見にくいという問題もある。音声は、高齢者で耳の遠い人の場合には、聞きづらいという問題もある。さらに、浴室においてシャワー等でお湯を利用するとき、シャワーを使いながら、所望の温度設定になっていないことに気づき、給湯リモコンで温度設定を変更することは少なくない。つまり給湯リモコンに水滴が付着したり、シャワー音がある中で、表示や音で確認しながら温度設定を変更することは、設定値を確認しづらく利便性が悪いという課題もあった。
【0004】
本発明は、給湯リモコン装置で温度設定しお湯を利用する時、目や耳の不自由な方や高齢者の方でも、温度設定を指で操作しながら、設定値を蝕知させ、操作と報知の利便性を向上した給湯リモコン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ユーザが給湯温度を設定する温度操作手段と、給湯温度を制御する制御手段と、基準値となる給湯温度を保持する記憶手段と、設定に応じて前記温度操作手段を振動させる振動手段を備え、ユーザが前記温度操作手段で給湯温度を設定する時、前記給湯温度の設定値が、記憶手段に保持する基準値に設定されたことを制御手段で判断すると、前記振動手段で前記温度操作手段を振動させるようにしている。
【0006】
このようにすることで、通常利用される給湯温度の基準値(デフォルト値)に設定されると、温度操作手段が振動手段によって振動するので、操作をしながら指の感覚で、基準値を見つけることができ、給湯リモコン装置の表示や音声を確認することなく、利便性よく給湯温度設定ができるようになる。指で蝕知できるので、目や耳の不自由な方でもまた高齢者の方に対しても、給湯温度設定の利便性を向上することができるようになる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の給湯リモコン装置、給湯温度の報知方法およびプログラムを用いることにより、目や耳の不自由な方や、高齢者の方にも、操作をしながら指の感覚で、設定温度を確認させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、ユーザが給湯温度を設定する温度操作手段と、給湯温度を制御する制御手段と、基準値となる給湯温度を保持する記憶手段と、設定に応じて前記温度操作手段を振動させる振動手段を備え、ユーザが前記温度操作手段で給湯温度を設定する時、前記給湯温度の設定値が、記憶手段に保持する基準値に設定されたことを制御手段で判断すると、前記振動手段で前記温度操作手段を振動させる給湯リモコン装置を構成したものである。 そして、ユーザが温度操作手段を指で操作し給湯温度を変更していく時、給湯温度設定の基準値(デフォルト値)に設定されると、振動手段で温度操作手段を振動させるので、ユーザに指の感覚で設定温度の確認をさせることができるので、給湯リモコン装置の動作を目や耳で確認しなくても、またできなくても、給湯温度設定の報知機能の利便性が高まる。
【0009】
第2の発明は、ユーザが温度操作手段で給湯温度を設定する時、基準値に対して給湯温度を上げる方向に設定していくと、前記振動手段で前記温度操作手段を徐々に強く振動させる請求項1に記載の給湯リモコン装置を構成したものである。そして、ユーザが温度操作手段を指で操作し給湯温度を変更していく時、給湯リモコン装置の温度設定値を徐々に上げていくと、振動手段で温度操作手段を徐々に強く振動させることで、温度設定を上げていることをユーザの指に蝕知させるので、給湯リモコン装置の動作を目や耳で確認しなくても、温度を上げていることを確認でき、安全性と利便性が高まる。
【0010】
第3の発明は、ユーザが温度操作手段で給湯温度を設定する時、基準値に対して給湯温度を下げる方向に設定していくと、前記振動手段で前記温度操作手段を徐々に弱く振動させる請求項1に記載の給湯リモコン装置を構成したものである。そして、ユーザが温度操作手段を指で操作し給湯温度を変更していく時、給湯リモコン装置の温度設定値を徐々に下げていくと、振動手段で温度操作手段を徐々に弱く振動させることで、温度設定を下げていることをユーザの指に蝕知させるので、給湯リモコン装置の動作を目や耳で確認しなくても、温度を下げることを確認でき、安全性と利便性が高まる。
【0011】
第4の発明は、振動させる給湯温度を設定する振動温度設定手段を備え、設定した所望の給湯温度で温度操作手段を振動させる請求項1、2または3に記載の給湯リモコン装置を構成したものである。そして、振動させる給湯温度を振動温度設定手段で設定できるようになるので、ユーザがよく利用する好みの給湯温度や、自分の利用する上限温度や下限温度などを自分であらかじめ設定することで、給湯リモコン装置の動作を目や耳で確認しなくても、振動によって温度設定値を蝕知できるようになり、より利便性を向上することができる。
【0012】
第5の発明は、振動パターンを設定する振動パターン設定手段を備え、給湯温度の基準値、上限値、下限値などの設定値に応じて振動パターンを変えて前記温度操作手段を振動させる請求項1、2、3または4に記載の給湯リモコン装置を構成したものである。そして、設定する給湯温度によって、振動パターンを設定変更できるので、ユーザの指の感覚で、給湯温度が理解しやすくなり利便性が高まる。
【0013】
第6の発明は、ユーザが給湯リモコン装置の操作部で給湯温度を設定するステップと、前記設定された給湯温度と、給湯リモコン装置のメモリに保持された基準値の給湯温度を比較するステップと、前記設定された給湯温度が基準値の時、振動装置で給湯リモコン装置の操作部を振動させるステップを備えた給湯温度の報知方法である。そして、ユーザが温度操作手段を指で操作し給湯温度を変更していく時、給湯温度設定の基準値(デフォルト値)に設定されると、振動手段で温度操作手段を振動させるので、ユーザに指の感覚で設定温度の確認をさせることができるので、給湯リモコン装置の動作を目や耳で確認しな
くても、またできなくても、給湯温度設定の報知機能の利便性が高まる。
【0014】
第7の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の給湯装置の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラムである。そして、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、等のハードリソースを協働させて本発明の少なくとも一部を簡単なハードウェアで実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における給湯装置及びリモコンのシステム構成図である。図2はリモコンのブロック構成図である。図1〜図2を用いて本実施の形態1の構成を説明する。図1において、給湯装置1は、ヒートポンプ式の給湯機であり、ヒートポンプユニット1a、貯湯タンクユニット1bから構成される。ヒートポンプユニット1aは空気の熱を冷媒(CO2冷媒)に吸収させ、コンプレッサーで圧縮することでさらに高温にし、配管に流れる水と熱交換させることで、お湯を作るシステムである。作られたお湯は、貯湯タンクユニット1bに貯められ、ユーザはお湯が必要なとき、貯湯タンクユニット1bに貯められたお湯を利用する。
【0017】
リモコン2は、給湯装置1の制御を行なうリモコンである。リモコン2では、給湯温度を設定するための温度設定スイッチ2a、2bを備える。2aは温度上昇スイッチ、2bは温度下降スイッチである。温度上昇スイッチ2a、温度下降スイッチ2bは、ボタンスイッチ、メンブレンスイッチ、タッチスイッチ(静電式、圧電式)などで構成される。またリモコン2では、給湯温度設定、風呂の湯はり温度設定、湯はり量などを設定する。深夜にお湯を沸かし、貯湯タンクユニット1bに貯める湯量設定など、貯湯に関する設定機能も備える。
【0018】
また本実施の形態のリモコン2には、温度設定の変更状態を蝕知できるようにするため、温度設定スイッチ2a、2bに振動装置を接続している。また振動装置で振動させる基準値や上限値・下限値などユーザの嗜好に合わせて、温度設定時に振動させるための設定機能も備えている。詳細は後述する。
【0019】
出湯配管3は貯湯タンクユニット1bに接続され、浴室8の浴槽4、シャワー5、カラン6にお湯を供給する。カラン6の上部には操作レバー7を備え、操作レバーを押し下げると出湯する。
【0020】
浴室8には、リモコン2、浴槽4、シャワー5、カラン6を備える。また給湯装置1とリモコン2は通信線で接続され、リモコン2を操作すると、給湯装置1に制御信号を送信し、給湯装置1を制御し、出湯温度の変更、お湯はり、貯湯量設定などを行なう。
【0021】
なお図1では説明の為、給湯装置1とリモコン2は、有線接続しているよう図示しているが、これに限定されるものでなく無線で通信するようにしてもよい。また図示しないが、貯湯タンクユニット1bには、家屋で利用されるその他の場所、洗面所や台所などのカランにも配管されお湯を供給する。
【0022】
図2において、リモコン2は、温度操作手段201、制御手段202、記憶手段203、振動手段204(振動装置)、振動温度設定手段205、振動パターン設定手段206、通信手段207で構成される。これらを協働させ、給湯装置1を制御するリモコン2の
機能を形成している。
【0023】
温度操作手段201は、リモコン2に備えるスイッチで提供される。ユーザは温度操作手段201を操作し、カラン6より出湯するお湯の温度を設定、変更する。また風呂への湯はり温度を変更、設定する。カランから出湯する給湯温度は、32℃、35℃、37〜48℃、50、55、60℃の範囲で設定できる。風呂の湯はり温度は、33〜48℃である。なお、設定可能な温度範囲は、給湯装置の種類によって異なるもので、上記範囲に限定されるものではない。またスイッチは、上述したように、ボタンスイッチやメンブレンスイッチ、タッチスイッチなどで形成され、後述する振動手段204を接続しユーザが温度変更するとき、スイッチを振動するようにしている。
【0024】
制御手段202は、リモコン2の制御機能を提供する。具体的には、マイクロコンピュータなどで形成され、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである記憶手段203に必要な設定情報を記憶し、リモコン2を機能させている。温度操作手段201で変更された温度設定値は、制御手段202で制御電文を生成し、後述の通信手段207を介して通信し、給湯装置1を制御する。
【0025】
振動手段204(振動装置)は、触覚提示素子である小型モータや圧電デバイスなどで形成される。振動手段204は、温度操作手段201が操作され、変更された温度設定値、変更状態に応じた振動パターンを、制御手段202によって記憶手段203から取得し振動する。そして接続している温度操作手段201を振動させることで、温度設定状態をユーザの指に触感としてフィードバックし、どのような設定をしたかを蝕知させる。
【0026】
振動温度設定手段205は、温度設定の基準値(デフォルト値)、上限値、下限値などの意味のある温度値で振動制御させる設定スイッチである。例えば、通常使用する給湯温度が42℃、上限値48℃、下限値32℃のように、給湯装置1で設定可能な温度ではなくユーザの好みの温度を設定し振動させることができるものである。これは、給湯装置1の利用に際して、子供や高齢者、目や耳が不自由な方などが利用する場合の安全性を考慮し、触っただけで操作できるように、ユーザが設定できるように設けている。また設定しない場合は、給湯装置1の仕様どおりの基準値、上限値、下限値などが設定される。
【0027】
振動パターン設定手段206は、上述したように、意味のある温度値で振動する振動パターンを設定する。振動パターン設定手段206は、リモコン2に設けた設定スイッチである。設定はユーザが、自分の嗜好に合わせて設定する。例えば、42℃を基準値として使うのであれば、基準値の振動パターンを、メニューから選択して設定する。上限値、下限値に関しても同様である。また温度値に対して振動パターンを設定する場合のほかに、温度上昇設定、温度下降設定の場合など制御の意味に合わせて設定させることも可能である。また温度を上げ下げする場合は、温度が上昇していくと振動を強くし、また温度を下降させていくと振動を弱くしていくようにしている。振動強度でなく、振動周波数を変更することもでき、振動周波数の違いでも温度差を表現できる。また熱いお湯が出ることを報知するように、高温出湯の振動パターンを設定する。ユーザが設定しない場合は、デフォルトの振動パターンで制御される。振動パターンは、リモコン2の機能として複数種類備えている。
【0028】
通信手段207は、給湯装置1に対して制御電文(制御信号)を通信する。リモコン2の操作で設定された設定値(例えば、温度設定変更)を、制御手段202で制御電文を生成し、通信手段207を介して給湯装置1に通信する。そして制御電文の設定値に給湯装置1が制御される。
【0029】
次に、給湯温度変更した時に、振動手段204で温度操作手段201を振動させ、設定温度をユーザに蝕知させる動作・作用を説明する。図3はユーザが温度操作手段201を操作し、給湯温度を変更するときのリモコンの動作を示すフローチャートである。
【0030】
ユーザは、指でリモコン2の温度操作手段201を押下し給湯温度を変更する。この時、基準値(デフォルト値)の給湯温度を40℃、上限値:50℃、下限値:32℃とあらかじめ設定している場合で説明する。現在の給湯温度設定が42℃の時、ユーザがリモコン2の温度下降スイッチ2bを2回押下すると40℃に変更される。温度操作手段201(温度下降スイッチ2b)の入力を、制御手段202により給湯温度設定値を42℃から40℃に変更し、記憶手段203に記録する(S301)。
【0031】
そして制御手段202は、記憶手段203に予め設定された基準値(40℃)を取得し、設定値が基準値(40℃)であるかを確認する(S302)。基準値であった場合、制御手段202は、記憶手段203に設定された基準値の振動パターンを取得し、振動手段204を振動させる、接続された温度操作手段201を振動させ、ユーザの指に触感を提示し、現在の設定値が、基準値の給湯温度であることを認識させる(S303、S304)。
【0032】
次に、現在42℃の設定値で、温度操作手段201(温度上昇スイッチ2a)を1回押下すると、制御手段202は、まず基準値(40℃)と比較して、基準値でないと判断される(S302)。そして、温度操作手段201の入力が、温度上昇かを制御手段202で比較判断する(S305)。温度上昇の操作であった場合、制御手段202は、記憶手段203に設定された温度上昇の振動パターンを取得し、振動手段204を振動させる。そして接続された温度操作手段201を振動させ、ユーザの指に触感を提示し、温度設定の変更入力が、給湯温度上昇設定であることを認識させる(S306、S307)。
【0033】
そして、連続的に温度操作手段201(温度上昇スイッチ2a)を押下していくと、給湯温度は、42℃、43℃、44℃、・・・と変化していく。本実施の形態での設定上限値50℃になるまで給湯温度を変更していくことが可能である。連続的に給湯温度を変更していくと、制御手段202は、温度上昇のたびに振動手段204の温度上昇振動パターンの振動強度が大きくなるように制御することで、温度が上がっていることを、ユーザの指に触感を提示する。図示はしないが、上限値(50℃)になると、振動手段204は、上限値に設定された振動パターンで振動させ、設定値が上限値になったことを触感で提示する。
【0034】
次に、現在40℃の設定値で、温度操作手段201(温度下降スイッチ2b)を1回押下すると、制御手段202は、まず基準値(40℃)と比較して、基準値でないと判断される(S302)。そして、温度操作手段201の入力が、温度上昇かを制御手段202で比較判断する(S305)。温度上昇でない場合、温度下降かを制御手段202で比較判断する(S308)。温度下降の操作であった場合、制御手段202は、記憶手段203に設定された温度下降の振動パターンを取得し、振動手段204を振動させる。そして接続された温度操作手段201を振動させ、ユーザの指に触感を提示し、温度設定の変更入力が、給湯温度下降設定であることを認識させる(S309、S310)。
【0035】
そして、連続的に温度操作手段201(温度下降スイッチ2b)を押下していくと、給湯温度は、39℃、38℃、37℃、35℃、32℃と変化していく。本実施の形態での設定下限値32℃になるまで給湯温度を変更していくことが可能である。連続的に給湯温度を変更していくと、制御手段202は、温度下降のたびに振動手段204の温度下降振動パターンの振動強度が小さくなるように制御する。また図示はしないが、下限値(32℃)になると、振動手段204は、下限値に設定された振動パターンで振動させ、設定値
が下限値になったことを触感で提示する。そして、給湯温度変更時ごとにこの処理を繰り返す。
【0036】
このように本実施の形態によれば、ユーザが温度操作手段201を指で操作し給湯温度を変更していく時、給湯温度設定の基準値(デフォルト値)に設定されると、振動手段204で温度操作手段201を振動させるので、ユーザの指に触感を提示することで、給湯リモコン装置の動作を目や耳で確認しなくても、またできなくても、温度設定の設定値を確認できるようになり利便性が高まる。基準値(ユーザーが使用するデフォルト給湯温度)など)を触感報知することで、通常使用する給湯温度の基点が認識でき、その温度から何度上や下という認識ができ、利便性と操作性が高まる。また指の触感で温度設定を認識できるので、目や耳の不自由な方や高齢者にも使いやすくなる。
【0037】
また、ユーザが温度操作手段201を指で操作し給湯温度を変更していき、リモコン2の温度設定値を徐々に上げていく時、振動手段204で温度操作手段201を徐々に強く振動させることで、温度設定を上げていることをユーザの指に蝕知させるので、リモコン2の動作を目や耳で確認しなくても、温度を上げていることを確認でき、より安全性と利便性が高まる。
【0038】
また、ユーザが温度操作手段201を指で操作し給湯温度を変更していき、給湯リモコン装置の温度設定値を徐々に下げていく時、振動手段204で温度操作手段201を徐々に弱く振動させることで、温度設定を下げていることをユーザの指に蝕知させるので、リモコン2の動作を目や耳で確認しなくても、温度を下げることを確認でき、安全性と利便性が高まる。
【0039】
また、振動させる給湯温度を振動温度設定手段205で設定できるようになるので、ユーザがよく利用する好みの給湯温度や、自分の利用する上限温度や下限温度などを自分であらかじめ設定することで、リモコン2の動作を目や耳で確認しなくても、振動によって温度設定値を蝕知できるので、安全に使用できる範囲を設定しつつ、蝕知できるようになるのでより使い勝手が向上する。
【0040】
また、振動パターン設定手段206によって、意味のある給湯温度で、自分の好みのとおりに、振動パターンを設定できるので、温度設定変更時の給湯温度を、振動パターンの違いにより認識しやすくなり、より利便性も高まる。
【0041】
なお、本実施の形態では、給湯装置1として、ヒートポンプ給湯機で説明したが、電気温水器、ガス給湯機、燃料電池やガスエンジンを用いたコージェネレーションシステムなど給湯機能の付いた装置であってリモコンなどの制御手段があるものであればよい。また給湯装置1とリモコン2の間で通信するように説明したが、通信方式には依存しない。有線でも無線でもよい。無線の場合、宅内で一般的に利用される特定小電力無線、無線LAN、2.4GHz帯などで利用されるものである。また利用される場所には依存せず、一般家庭、商用施設、業務用途であってもよい。また振動させる給湯温度は、基準値、上限値、下限値で説明したが、これに限定されるものではなく、ユーザにとって意味のある給湯温度を設定することが可能であり、同様の効果がある。また温度操作手段を押下する前、すなわち触った時点で、現在の給湯温度の設定状態を、振動手段によって触感で提示してもよく、より利便性が高まる。また本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明にかかる給湯リモコン装置、給湯温度の報知方法及びプログラムは、家庭用、業務用などの給湯機能を提供する装置、システムでの設定の触感提示、報知機能に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯装置及びリモコンのシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるリモコンを示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるリモコンの動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0044】
2 リモコン(給湯リモコン装置)
201 温度操作手段
202 制御手段
203 記憶手段
204 振動手段
205 振動温度設定手段
206 振動パターン設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが給湯温度を設定する温度操作手段と、給湯温度を制御する制御手段と、基準値となる給湯温度を保持する記憶手段と、設定に応じて前記温度操作手段を振動させる振動手段を備え、ユーザが前記温度操作手段で給湯温度を設定する時、前記給湯温度の設定値が、記憶手段に保持する基準値に設定されたことを制御手段で判断すると、前記振動手段で前記温度操作手段を振動させる給湯リモコン装置。
【請求項2】
ユーザが温度操作手段で給湯温度を設定する時、基準値に対して給湯温度を上げる方向に設定していくと、前記振動手段で前記温度操作手段を徐々に強く振動させる請求項1に記載の給湯リモコン装置。
【請求項3】
ユーザが温度操作手段で給湯温度を設定する時、基準値に対して給湯温度を下げる方向に設定していくと、前記振動手段で前記温度操作手段を徐々に弱く振動させる請求項1に記載の給湯リモコン装置。
【請求項4】
振動させる給湯温度を設定する振動温度設定手段を備え、設定した所望の給湯温度で温度操作手段を振動させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の給湯リモコン装置。
【請求項5】
振動パターンを設定する振動パターン設定手段を備え、給湯温度の基準値、上限値、下限値などの設定値に応じて振動パターンを変えて前記温度操作手段を振動させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の給湯リモコン装置。
【請求項6】
ユーザが給湯リモコン装置の操作部で給湯温度を設定するステップと、前記設定された給湯温度と、給湯リモコン装置のメモリに保持された基準値の給湯温度を比較するステップと、前記設定された給湯温度が基準値の時、振動装置で給湯リモコン装置の操作部を振動させるステップを備えた給湯温度の報知方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の給湯リモコン装置の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−164273(P2010−164273A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8599(P2009−8599)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】