説明

給湯器

【課題】できるだけエネルギーの消費を抑えつつ給湯回路側の水温を効果的に上昇させる。
【解決手段】給湯器は、浴槽100に貯留された湯水を循環路31に循環させることで、この湯水と通水路11を介して給水される水との間で熱交換を行わせることができる。そのため、浴槽100に加熱した湯水を貯留し、これを使用した後の残り湯が存在している場合に、この湯水の熱を通水路11内の水に伝熱して予熱する。このように、通水路11内の水を使用後の湯水の熱により予熱した後、ガスバーナ15から生じる燃焼ガスで加熱するため、水を昇温させるのに必要なエネルギー消費量を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に出湯可能な給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境保護の意識向上に伴い、給湯器の分野においても、燃料ガスの消費量を可能な限り抑制しようとする動きが益々活発化している。
燃料ガスの消費量を抑制する手段としては、種々の手段が考えられるが、例えば、熱交換器が介挿された通常の給湯回路と、熱媒体を加熱して循環させる専用の循環回路とを有する給湯器に、循環回路内の湯水と給湯回路の湯水とを熱交換するための手段(液−液熱交換器)を設け、給湯回路内の湯水に循環回路内の熱媒体の熱を伝達させるという方法が考えられる。
【0003】
この種の液−液熱交換器を設けた給湯器としては、給湯回路の熱交換器よりも下流側と循環回路とを液−液熱交換器により熱交換可能とした構成のものがあげられる(特許公報1参考)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−187325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術では、給湯回路内の湯水に、燃焼ガスの熱を伝達させた後、さらに液−液熱交換器により循環回路内の熱媒体の熱を伝達させるものであり、給湯時の湯温を安定化させる効果を奏するものの、ガス消費量の抑制に資するとは言い難い。この構成では、専用の循環回路内に熱媒体を恒常的に加熱および循環させておく必要があり、省エネルギーの観点で望ましい構成とはいえないからである。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、できるだけエネルギーの消費を抑えつつ給湯回路側の水温を効果的に上昇させることのできる給湯器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため第1の構成は、給水された水を流通させて所定の給水箇所へと給水する経路であり、該経路の一部分が外部から加熱される加熱経路となっている通水路と、浴槽に接続され、該浴槽との間で湯水を循環可能な経路である循環路と、前記浴槽に貯留された湯水を該浴槽と前記循環路との間で循環させる循環ポンプと、前記通水路において加熱経路より上流側を流通する水と前記循環路を流通する湯水との間で熱交換を実施する熱交換手段と、前記循環ポンプを作動させ、前記浴槽に貯留された湯水を循環させることで、前記熱交換手段を介して前記通水路を流通する水に前記循環路を流通する湯水の熱を伝達させる伝達制御手段と、を備えている。
【0008】
このように構成された給湯器であれば、浴槽に貯留された湯水を循環路に循環させることで、この湯水と通水路を介して給水される水との間で熱交換を行うことで、通水路内の水を予熱した後、加熱経路にて加熱する。そのため、浴槽内に使用後の湯水が存在している場合には、この使用後の湯水の熱を通水路内の水に伝熱し、当該通水路側の水温を予熱させることができる。
【0009】
こうして、従来、無駄に捨てられていた浴槽内の使用後の熱を有効に利用でき、通水路を流れる水を加熱するためのエネルギー消費を抑えることができる。
また、この構成において、浴槽に貯留された湯水を循環させるタイミングについては、特に限定されないが、省エネルギーの観点からすると、実際に通水路に水が流れているタイミングとすることが望ましい。
【0010】
このためには、上記構成を以下に示す第2の構成(請求項2)のようにするとよい。
第2の構成においては、前記通水路による前記給水箇所への給水を検出する給水検出手段、を備えている。そして、前記伝達制御手段は、前記給水検出手段による給水の検出中に前記循環ポンプを作動させて、前記浴槽に貯留された水を循環させる。
【0011】
この構成であれば、実際に通水路への給水が行われ、熱交換手段を介して循環路側からの吸熱が可能となっているタイミングで浴槽の水を循環路に循環させているため、循環ポンプを作動させるのに必要なエネルギーを最小限に抑えるのに好適である。
【0012】
また、上記各構成においては、以下に示す第3の構成(請求項3)のようにしてもよい。
第3の構成は、前記通水路を流通する水の温度を検出する給水側水温検出手段と、前記循環路を流通する湯水または前記浴槽に貯留された湯水の温度を検出する循環側水温検出手段と、を備えている。そして、前記伝達制御手段は、前記循環側水温検出手段により検出される水温が、前記給水側水温検出手段により検出される水温よりも高いことを条件として、前記通水路による給水中に前記循環ポンプを作動させる。
【0013】
この構成であれば、循環路を流通する湯水が、通水路を流通する水より高温となっている関係のときにのみ、循環路を流れる湯水と通水路を流れる水との熱交換が行われるため、この逆の関係となっている場合に熱交換を行い、通水路を流通する水の温度を低下させてしまう、といったことを防止することができる。
【0014】
なお、この構成において、循環路を流通する湯水の温度を検出する場合には、事前に循環ポンプを作動させ、浴槽に貯留された湯水を一時的に循環路に循環させることで温度を検出することとすればよく、この場合、こうして温度を検出した以降に、条件の充足如何によって循環ポンプの作動が行われる(継続される)こととなる。
【0015】
また、上記構成において、前記循環路を流通する湯水を加熱する循環加熱手段と、前記循環加熱手段による加熱、および、前記循環ポンプの作動を断続的に実行させることで、前記浴槽に貯留された湯水の保温を行う保温制御手段と、を備えている場合には、以下に示す第4の構成(請求項4)のようにするとよい。
【0016】
第4の構成において、前記伝達制御手段は、前記保温制御手段による湯水の保温が行われていないことを条件として、前記給水検出手段による給水の検出中に前記循環ポンプを作動させる。
【0017】
この構成では、浴槽に貯留された湯水の保温を行っているときに、通水路における給水を検出したとしても、循環路を流れる湯水と通水路を流れる水との熱交換を積極的に行わないようにしている。
【0018】
具体的にいえば、浴槽に貯留された湯水の保温を行っているときは、循環路と浴槽との間における水の循環が断続的に行われており、循環路を流れる湯水と通水路を流れる水との熱交換も断続的に行われる。裏を返すと、浴槽に貯留された湯水の保温を行っているときは、断続的に循環路を流れる湯水と通水路を流れる水との熱交換を行わないようになっているといえるため、通水路側の水温を上昇させる意味では、熱交換を行っていない期間についても、循環ポンプを作動させて循環路と浴槽との間で湯水を循環させ、積極的な熱交換を促すことが考えられる。
【0019】
ただ、このような積極的な熱交換は、浴槽に貯留された湯水の温度を低下させるように作用するため、”保温”という本質的な機能に反することとなってしまう。そこで、第4の構成においては、浴槽に貯留された湯水の保温を行っているときに、通水路における給水を検出したとしても、循環路を流れる湯水と通水路を流れる水との熱交換を積極的に行わないようにし、これにより保温を優先させることができる。
【0020】
また、上記各構成は、以下に示す第5の構成(請求項5)のようにするとよい。
第5の構成は、前記通水路から分岐して前記浴槽へと至る風呂行き流路と、太陽光温熱器により加熱された温水を前記通水路に通水させる温熱路と、前記温熱路から前記風呂行き流路を経由して前記浴槽へと至る経路中に設けられ、該経路を開閉することで前記温熱路から前記浴槽への通水を可能にする通水弁と、前記温熱路から前記通水路への通水時に、前記通水弁の開度を制御することにより、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる通水制御手段と、を備えている。
【0021】
この構成であれば、太陽光温熱器により加熱された温水を浴槽に落とし込むことができ、こうして落とし込んだ温水の熱を、通水路を流通する水に伝達させることができる。
また、太陽光温熱器により加熱された温水を浴槽に貯留することができるため、太陽光温熱器において通常必要とされる専用のリザーブタンクが不要となる。
【0022】
また、この構成において、ユーザの操作を受けて予約時刻および予約温度を設定する予約設定手段と、前記予約設定手段により設定された予約時刻までに、該設定された予約温度の水を前記浴槽に貯留させる予約運転を実施する予約運転手段と、を備えている場合には、以下に示す第6の構成(請求項6)のようにするとよい。
【0023】
第6の構成において、前記通水制御手段は、前記予約設定手段により予約時刻および予約温度が設定された以降、該予約時刻が到来する前に、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる。
【0024】
この構成であれば、予約時刻の到来までに、太陽光温熱器により加熱された温水の熱を浴槽に落とし込んで貯留しておくことができる。
また、この構成においては、予約時刻が到来する前であれば、どのようなタイミングで浴槽への温水の通水を行うこととしてもよいが、例えば、一定の時間間隔で通水を行うようにすることが考えられる。
【0025】
このためには、上記構成を以下に示す第7の構成(請求項7)のようにするとよい。
この構成において、前記通水制御手段は、前記予約設定手段により予約時刻および予約温度が設定された以降、該予約時刻が到来する前に、一定の時間間隔で前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる。
【0026】
この構成であれば、予約時刻が到来する前に、一定の時間間隔で通水を行うようにすることができる。
また、この構成においては、以下に示す第8の構成(請求項8)のようにするとよい。
【0027】
第8の構成では、前記太陽光温熱器からの温水の温度を検出する温熱側水温検出手段、を備えている。そして、前記通水制御手段は、前記温熱側水温検出手段により検出される温度に応じた長さの時間間隔で、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる。
【0028】
この構成であれば、太陽光温熱器からの温水の温度が高いほど、短い時間間隔で温熱路からの温水の浴槽への通水が行われるようにすることが望ましい。
なぜなら、太陽光温熱器からの温水の温度が高ければ高いほど、太陽光温熱器側で温水を生成するのに要する時間が短いことになるため、この場合、太陽光温熱器からの通水を行ってから次に通水を行うまでの時間間隔を短くしたとしても、次に通水を行うまでに充分に温度の高い温水が生成されることになるからである。
【0029】
この場合であれば、太陽光温熱器からの温水の温度に応じた短さの時間間隔で通水弁を開放することにより、太陽光温熱器から浴槽へと落とし込まれる温水の温度を高めつつ、より短時間で浴槽に多くの温水を貯留することができる。
【0030】
また、上記のように、通水弁の開度を制御して温熱路からの温水を浴槽へと通水させる構成においては、以下に示す第9の構成(請求項9)のようにするとよい。
第9の構成において、前記通水制御手段は、前記予約設定手段により予約時刻および予約温度が設定された以降、該予約時刻が到来する前に、一定未満の開度で前記通水弁を開放することにより、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる。
【0031】
この構成であれば、通水弁を全開にする場合と比べ、太陽光温熱器から通水される温水の水量が少なくなり、太陽光温熱器に水が停留して加熱される時間が長くなるため、浴槽へと落とし込まれる温水の温度をより上昇させることができる。
【0032】
また、この構成は、以下に示す第10の構成(請求項10)のようにするとよい。
第10の構成は、前記太陽光温熱器からの温水の温度を検出する温熱側水温検出手段、を備えている。そして、前記通水制御手段は、前記温熱側水温検出手段により検出される温度に応じた開度で前記通水弁を開放することにより、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる。
【0033】
この構成であれば、太陽光温熱器からの温水の温度が高いほど、通水路の開度を大きくした状態で温熱路から温水の浴槽への通水が行われる。
太陽光温熱器からの温水が高ければ高いほど、太陽光温熱器側で温水を生成するのに要する時間が短いことになるため、この場合、通水弁の開度を大きくして短時間で通水が終了するようにしたとしても、次に通水を行うまでに充分に温度の高い温水が生成されることになる。
【0034】
そのため、この構成では、太陽光温熱器からの温水の温度に応じた開度で通水弁を開放することにより、より短時間で浴槽に温度の高い温水を貯留することができる。
また、上記各構成において、前記通水路を流通する水を加熱する給水加熱手段と、前記通水路を流通する水の水量を検出する水量検出手段と、前記水量検出手段により検出される水量が所定のしきい値以上となっている間、前記給水加熱手段により水を加熱させる加熱制御手段と、を備えている場合には、以下に示す第11の構成(請求項11)のようにするとよい。
【0035】
第11の構成において、前記通水制御手段は、少なくとも前記温熱路から前記通水路へと至る経路の水量が前記しきい値未満となる開度で前記通水弁を開放する。
この構成であれば、温熱路から通水路へと通水する水の水量により、給水加熱手段による無用な加熱が実施されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】給湯器の全体構成を示す図
【図2】第1手動給湯動作を示すフローチャート
【図3】風呂給湯動作を示すフローチャート
【図4】予約運転動作を示すフローチャート
【図5】第2手動運転動作を示すフローチャート
【図6】別の実施形態における予約運転動作を示すフローチャート
【図7】別の実施形態における給湯判定動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
給湯器は、図1に示すように、給水された水を加熱して出湯する給湯部1と、浴槽100に貯留された湯水を保温する保温部3と、各部の動作を制御する制御部5と、を備える。
【0038】
給湯部1は、外部から給水される水を出湯箇所まで通水する通水路11、通水路11の途中に介挿された給湯側熱交換器13、通水路11において給湯側熱交換器13が設けられた経路(加熱経路)を加熱するガスバーナ15などで構成されている。なお、本実施形態においては、浴槽100、および、給湯栓200直下が出湯箇所となっている。
【0039】
これらのうち、通水路11には、給湯側熱交換器13より上流側に、外部から給水される水の温度(給水側水温)を検出する入水温検出センサ17が設けられ、同経路の下流側2箇所に、この経路を経て加熱された湯水の温度を検出する加熱温度検出センサ19が設けられている。
【0040】
また、通水路11には、上流側(給水側)から順に、給水される水を濾過するストレーナ21、給水される水の水量を検出する水量センサ23、通水路11における水量を制御する水量制御弁25が設けられている。
【0041】
また、通水路11の下流側(出湯箇所側)では、浴槽100側へと至る風呂行き流路27が分岐しており、この風呂行き流路27には、風呂行き流路27を開閉して通水を制御する風呂側通水弁28、風呂行き流路27を経て浴槽100側へと供給された水量(総量)を検出するための落とし込み水量センサ29が設けられている。
【0042】
また、通水路11には、通常の給水源(水道管)だけでなく、太陽光温熱器300からの給水を受けるための温熱路310が接続され、この温熱路310に設けられた太陽側通水弁312の開度を調整することにより、この太陽光温熱器300からも選択的に給水を受けられるように構成されている。なお、この温熱路310は、太陽光温水器30から供給される温水の温度(太陽側水温)を検出する太陽温度検出センサ314が設けられている。
【0043】
保温部3は、浴槽100との間で湯水を循環可能な経路として浴槽100に接続された循環路31、浴槽100に貯留された湯水を浴槽100と循環路31との間で循環させる循環ポンプ33、循環路31における一部経路の外周に設けられた保温側熱交換器35、循環路31において保温側熱交換器35が設けられた経路を加熱するガスバーナ37、通水路11の加熱経路より上流側を流通する水と循環路31を流通する湯水との間で熱交換を実施する液−液熱交換器41などで構成されている。
【0044】
これらのうち、循環ポンプ33は、循環路31において湯水が循環する経路の上流側、具体的には保温側熱交換器35と浴槽100との間に設けられている。
また、循環路31には、湯水が循環する経路の上流側に、浴槽100に貯留されていた湯水の温度(循環側水温)を検出する浴槽温度検出センサ45が設けられ、同経路の下流側に、保温側熱交換器35が設けられた経路を経て加熱された湯水の温度を検出する加熱温度検出センサ47が設けられている。
【0045】
また、この循環路31には、湯水が循環する経路の上流側、具体的には浴槽100と循環ポンプ33との間に風呂行き流路27が接続されており、風呂行き流路27から供給される水は、この接続部から循環路31を介して浴槽100に落とし込まれる。
【0046】
また、循環路31は、湯水が循環する経路の上流側、具体的には循環ポンプ33と保温側熱交換器35との間の経路が、通水路11の加熱経路より上流側付近まで延びており、液−液熱交換器41は、この下流側に配置されている。
【0047】
制御部5は、内蔵するマイコンなどにより各部の動作を制御するコントローラ51、浴室外でユーザの操作を受け付けるメインリモコン53、浴室内でユーザの操作を受け付けるサブリモコン55などで構成されている。これらのうち、サブリモコン55には、浴槽100周辺の外気温度を検出する外気温検出センサ57が備えられている。
(2)給湯器の動作
上述した給湯器は、ユーザの操作を受けた際に、コントローラ51が各部の動作を制御することにより、以下に示す各種動作を行う。なお、以下の動作は、スタンバイ状態(電源オン)になっていることを条件に行われる。
(2−1)第1手動給湯動作
はじめに、給湯栓200が開かれることにより開始される第1手動給湯動作の手順を図2に基づいて説明する。なお、この第1手動給湯動作は、メインリモコン53またはサブリモコン55に対する特定の操作によって、第1手動給湯動作を行う第1給湯モードに設定されている場合に行われる給湯動作である。
【0048】
まず、コントローラ51は、水量センサ23に検出される通水路11内の水量を監視し、その水量が一定以上になるまで待機状態となる(s130:NO)。ここでいう「一定以上」の水量とは、以下に説明するように、給水される水の加熱を行うのに充分な水量としてあらかじめ定められたものである。
【0049】
そして、水量センサ23に検出される水量が一定以上となった場合に(s130:YES)、コントローラ51は、ガスバーナ15による通水路11の加熱を開始させる(s140)。このときの加熱は、加熱温度検出センサ19に検出された温度が、あらかじめ設定された設定温度付近で保たれるように制御される。
【0050】
その後、コントローラ51は、水量センサ23に検出される水量が一定以上となっている間(s150:NO)、ガスバーナ15による通水路11の加熱を継続し、水量が一定未満となったら(s150:YES)、その加熱を停止させる(s160)。
【0051】
ここまでの動作は、給湯器がスタンバイ状態となっている間、繰り返される(s130〜s160)。
なお、給湯器のスタンバイ状態が解除(電源オフ)された場合には、上述したガスバーナ15による通水路11の加熱は停止され、第1手動給湯動作が直ちに終了する。
(2−2)風呂給湯動作
続いて、ユーザがメインリモコン53またはサブリモコン55に対し、浴槽100への給湯を行う旨の操作(例えば、特定のスイッチ操作)を行うことにより開始される風呂給湯動作の手順を図3に基づいて説明する。
【0052】
まず、コントローラ51は、風呂側通水弁28に風呂行き流路27を開放させることで、通水路11から浴槽100へと至る経路を形成する(s210)。
次に、コントローラ51は、水量制御弁25を動作させることで、通水路11への一定水量での入水を開始させる(s220)。
【0053】
こうして、通水路11への入水が開始されたら、コントローラ51は、水量センサ23に検出される水量が一定以上になるまで待機状態となり(s230:NO)、一定以上となった場合に(s230:YES)、コントローラ51は、ガスバーナ15による通水路11の加熱を開始させる(s240)。このときの加熱は、上記と同様、設定温度付近で保たれるように制御される。
【0054】
これにより、通水路11から風呂行き流路27および循環路31の一部を介して、浴槽100への出湯が行われるようになる。
その後、コントローラ51は、落とし込み水量センサ29にて検出された水量の総量が、あらかじめ設定された設定水量に到達するまでの間(s250:NO)、ガスバーナ15による通水路11の加熱を継続し、水量の総量が設定水量に到達したら(s250:YES)、その加熱を停止させる(s260)。
【0055】
次に、コントローラ51は、水量制御弁25を動作させることで、通水路11への入水を停止させる(s270)。
次に、コントローラ51は、風呂側通水弁28に風呂行き流路27を閉鎖させることで、通水路11から浴槽100への経路を閉鎖する(s280)。
【0056】
こうして、通水路11への入水が停止され(s270)、通水路11から浴槽100への経路が閉鎖され(s280)、上述したガスバーナ15による通水路11の加熱が停止された後(s260)、風呂給湯動作が終了する。
【0057】
次に、コントローラ51は、浴槽100に貯留された湯水の保温を行う「保温モード」に設定されているか否かがチェックされる(s310)。この保温モードとは、浴槽100に貯留された湯水の保温を行う動作モードであり、メインリモコン53またはサブリモコン55に対する特定の操作で設定または設定解除がなされる。
【0058】
ここで「保温モード」に設定されていない場合(s310:NO)、風呂給湯動作が終了する。
一方、「保温モード」に設定されている場合(s310:YES)、コントローラ51は、浴槽温度検出センサ45により検出される温度を監視し、その温度が設定温度以上となっている間、待機状態となる(s320:YES、s330:NO)。この待機状態のときに「保温モード」が設定解除されると(s330:YES)、ガスバーナ37による循環路31の加熱が終了させられ(s392)、循環ポンプ33の停止により湯水の循環が停止させられた後(s394)、風呂給湯動作が終了する。なお、この循環路31の加熱終了(s392)および湯水の循環停止(s394)は、先に循環路31の加熱および湯水の循環が開始されている場合にのみ行われる。
【0059】
一方、浴槽温度検出センサ45により検出される温度が設定温度未満となったら(s320:NO)、コントローラ51は、循環ポンプ33を作動させることにより、浴槽100に貯留された湯水の循環を開始させると共に(s340)、ガスバーナ37による循環路31の加熱を開始させる(s350)。このときの加熱は、加熱温度検出センサ47に検出された温度が、設定温度付近で保たれるように制御される。
【0060】
こうして、加熱温度検出センサ47に検出された温度が設定温度未満となっている間(s360:YES、s370:NO)、コントローラ51は、循環ポンプ33による湯水の循環、および、ガスバーナ37による循環路31の加熱を継続する。この加熱継続中にも、「保温モード」が設定解除されると(s370:YES)、ガスバーナ37による循環路31の加熱が終了させられ(s392)、循環ポンプ33の停止により湯水の循環が停止させられた後(s394)、風呂給湯動作が終了する。
【0061】
そして、ガスバーナ37による循環路31の加熱継続中に、加熱温度検出センサ47に検出された温度が設定温度以上となったら(s360:NO)、コントローラ51は、ガスバーナ37による循環路31の加熱を停止させると共に(s380)、循環ポンプ33による湯水の循環を停止させる(s390)。
【0062】
ここまでに行われる循環路31の加熱開始および停止は、「保温モード」が設定解除されるまで繰り返される(s320〜s390)。
なお、湯水の循環および循環路31の加熱中に、給湯器のスタンバイ状態が解除された場合には、循環ポンプ33による湯水の循環、および、上述したガスバーナ37による循環路31の加熱は停止され、直ちに風呂給湯動作が終了する。
(2−3)予約運転動作
続いて、メインリモコン53またはサブリモコン55に対し、予約運転を指令する操作が行われることにより開始される予約運転動作の手順を図4に基づいて説明する。この「予約運転を指令する操作」とは、予約時刻および予約温度を任意に指定し、予約時刻に予約温度の湯水を浴槽100に貯留した状態とすべきことを指令するための操作である。
【0063】
まず、コントローラ51は、指定された予約時刻および予約温度を、予約運転のためのパラメータ(設定時刻、設定温度)として設定(内蔵メモリに記憶)する(s400)。以降、こうして設定された予約時刻、予約温度は、「設定時刻」「設定温度」とする。
【0064】
次に、コントローラ51は、設定時刻までの残り時間をチェックし(s410)、残り時間がしきい値以下となっていれば(s410:YES)、上述したのと同様の風呂給湯動作を行った後(s420)、予約運転動作を終了する。
【0065】
この「しきい値」は、浴槽100に設定水量の湯水を貯留するのに必要な時間として定められる値であり、具体的にいえば、風呂給湯動作において設定時間までに設定温度の湯水を貯留するのに必要となる時間のことである。
【0066】
一方、残り時間が所定のしきい値より長ければ(s410:NO)、コントローラ51は、太陽光温熱器300からの温水を浴槽100まで通水するための通水路を形成する(s430)。ここでは、風呂側通水弁28に風呂行き流路27を開放させ、太陽側通水弁312に温熱路310を開放させることで、太陽光温熱器300から浴槽100への経路を形成する。なお、このとき、通常の給水源からの給水は、図示されない弁により遮断されるように構成されている。
【0067】
次に、コントローラ51は、太陽温度検出センサ314により検出される温度(太陽側水温)を特定し(s440)、その温度に応じた水量制御弁25の制御パターンを決定する(s450)。
【0068】
ここでは、例えば、太陽側水温に応じた短さの時間間隔で水量制御弁25の開閉を繰り返す制御パターン、太陽側水温に応じた開度で水量制御弁25を開放する制御パターン、などの制御パターンが決定される。
【0069】
これら制御パターンは、太陽側通水弁312を、設定時刻までの残り時間がしきい値となるまでの間継続的に制御するパターンとなっており、この制御パターンによる制御が行われた後、設定時刻までの残り時間がしきい値以下になるように調整されている。
【0070】
なお、ここで決定される制御パターンでは、温熱路310から通水路11へと至る経路の水流が、第1,第2手動給湯動作において通水路11の加熱が開始される水量未満となるように、各通水弁および水量制御弁25における最大開度が設定される。
【0071】
次に、上記のように決定された制御パターンによる水量制御弁25の制御を実施した後(s460)、上述したのと同様の風呂給湯動作を行った後(s420)、予約運転動作を終了する。
(2−4)第2手動給湯動作
続いて、給湯栓200が開かれることにより開始される第2手動給湯動作の手順を図5に基づいて説明する。この第2手動給湯動作は、メインリモコン53またはサブリモコン55に対する特定の操作によって、第2手動給湯動作を行う第2給湯モードに設定されている場合に行われる給湯動作である。
【0072】
なお、第2手動給湯動作は、上述した風呂給湯動作にて浴槽100に加熱した湯水を貯留し、これを使用した後の残り湯が存在している場合に行うものとして用意された動作であり、ユーザは、浴槽100に貯留された湯水を使用した後、浴槽100に残り湯が存在している場合に上記特定の操作を行うことになる。
【0073】
まず、コントローラ51は、水量センサ23に検出される通水路11内の水量を監視し、通水路11内への給水が開始されるまで待機状態となり(s510:NO)、その後、通水路11内への給水が開始されたら(s510:YES)、その給水に係る水量が一定未満であるか否をチェックする(s520)。ここでいう「一定未満」の水量とは、給水される水の加熱を行うのに充分な水量を下回る値としてあらかじめ定められたものである。
【0074】
ここで、給水に係る水量が一定以上である場合(s520:NO)、コントローラ51は、第1手動給湯動作における、ガスバーナによる通水路の加熱開始(s140)、水量が一定未満になるまでの待機(s150:NO)、その後のガスバーナによる加熱の停止(s160)、と同様の動作を行った後(s640〜s660)、通水路11内への給水が開始されていることのチェックへと戻る(s660→s510)。
【0075】
また、給水に係る水量が一定未満である場合(s520:YES)、コントローラ51は、上述した「保温モード」に設定されているか否かをチェックする(s530)。
ここで、「保温モード」に設定されている場合(s530:YES)、上記と同様、ガスバーナによる通水路の加熱開始(s640)、水量が一定未満になるまでの待機(s650:NO)、その後のガスバーナによる加熱の停止(s660)、を行った後、通水路11内への給水が開始されていることのチェックへと戻る(s660→s510)。
【0076】
また、「保温モード」に設定されていない場合(s530:NO)、コントローラ51は、循環ポンプ33を作動させることにより、浴槽100に貯留された湯水の循環を開始させる(s540)。こうして、浴槽100に貯留された湯水が循環路31との間で循環することで、この湯水と通水路11を介して給水される水とが液−液熱交換器41にて熱交換されるようになる。
【0077】
こうして、浴槽100に貯留された湯水の循環が開始された後、コントローラ51は、浴槽温度検出センサ45により検出される循環側水温、および、入水温検出センサ17により検出される給水側水温を監視し、両温度の関係が、湯水の循環を継続させるための条件として定められた循環継続条件を充足しているか否かをチェックする(s550)。ここでは、循環側水温が給水側水温よりも高いことをもって、循環継続条件の充足とされる。
【0078】
ここで、循環継続条件を充足していない場合(s550:NO)、コントローラ51は、循環ポンプ33の動作を停止させることにより、浴槽100に貯留された湯水の循環を停止させた後(s560)、通水路11内への給水が開始されていることのチェックへと戻る(s560→s510)。
【0079】
それに対し、循環継続条件を充足している場合(s550:YES)、コントローラ51は、水量センサ23に検出される通水路11内の水量を監視し、通水路11内への給水が継続されているか否かをチェックする(s570)。
【0080】
ここで、通水路11内への給水が継続されていなければ(s570:NO)、コントローラ51は、上記と同様、循環ポンプ33の動作を停止させることで浴槽100に貯留された湯水の循環を停止させた後(s560)、通水路11内への給水が開始されていることのチェックへと戻る(s560→s510)。
【0081】
一方、通水路11内への給水が継続されていれば(s570:YES)、コントローラ51は、水量センサ23に検出される通水路11内の水量を監視し、その水量が一定以上になったか否かをチェックする(s580)。ここでいう「一定以上」の水量とは、給水される水の加熱を行うのに充分な水量としてあらかじめ定められたものである。
【0082】
ここで、給水に係る水量が一定未満であれば(s580:NO)、通水路11内への給水が継続されているか否かのチェックへと戻る(s580→s570)。
以降、循環継続条件を充足し(s550「YES」)、給水が継続されており(s570「YES」)、かつ、その給水に係る水量が一定未満となっている間(s580「NO」)、循環ポンプ33の動作、つまり循環路31を流通する湯水と通水路11を介して給水される水との熱交換が継続されることとなる。
【0083】
その後、給水に係る水量が一定以上になったら(s580:YES)、コントローラ51は、上記と同様、ガスバーナによる通水路の加熱開始(s640)、水量が一定未満になるまでの待機(s650:NO)、その後のガスバーナによる加熱の停止(s660)、を行う。
【0084】
その後、コントローラ51は、循環ポンプ33の動作を停止させることにより、浴槽100に貯留された湯水の循環を停止させ(s590)、通水路11内への給水が開始されていることのチェックへと戻る(s590→s510)。
(3)作用,効果
このように構成された給湯器であれば、浴槽100に貯留された湯水を循環路31に循環させることで、この湯水と通水路11を介して給水される水との間で熱交換を行うことで、通水路11内の水を予熱した後、加熱経路にて加熱する。そのため、浴槽100内に使用後の湯水が存在している場合には、この使用後の湯水の熱を通水路11内の水に伝熱し、当該通水路11側の水温を予熱して上昇させることができる。
【0085】
こうして、従来、無駄に捨てられていた浴槽内の使用後の湯水の熱を有効に利用でき、通水路を流れる水を加熱するためのエネルギー消費を抑えることができる。
また、上記実施形態では、実際に通水路11への給水が行われ、液−液熱交換器41を介して循環路31側からの吸熱が可能となっているタイミングで浴槽100の湯水を循環路31に循環させているため(図5のs510〜s540)、循環ポンプ33を作動させるのに必要なエネルギーを最小限に抑えるのに好適である。
【0086】
また、上記実施形態では、循環路31を流通する湯水が、通水路11を流通する水より高温となっている関係のときにのみ、循環路31を流れる水と通水路11を流れる水との熱交換が行われるため(図5のs550「YES」)、この逆の関係となっている場合に熱交換を行い、通水路11を流通する水の温度を低下させてしまう、といったことを防止することができる。
【0087】
また、上記実施形態では、保温モードにて浴槽100に貯留された湯水の保温を行っているときに、通水路11における給水を検出したとしても、循環路31を流れる湯水と通水路11を流れる水との熱交換を積極的に行わないようにしている。
【0088】
具体的にいえば、浴槽100に貯留された湯水の保温を行っているときは、循環路31と浴槽100との間における湯水の循環が断続的に行われており(図3のs320〜s394)、循環路31を流れる湯水と通水路11を流れる水との熱交換も断続的に行われる。裏を返すと、浴槽100に貯留された湯水の保温を行っているときは、断続的に循環路31を流れる湯水と通水路11を流れる水との熱交換を行わないようになっているといえるため、通水路11側の水温を上昇させる意味では、熱交換を行っていない期間についても、循環ポンプ33を作動させて循環路31と浴槽100との間で湯水を循環させ、積極的な熱交換を促すことが考えられる。
【0089】
ただ、このような積極的な熱交換は、浴槽100に貯留された湯水の温度を低下させるように作用するため、”保温”という本質的な機能に反することとなってしまう。そこで、上記実施形態では、浴槽100に貯留された湯水の保温を行っているときに、通水路11における給水を検出したとしても(図5のs510)、循環路31を流れる湯水と通水路11を流れる水との熱交換を積極的に行わないようにし(同図s530「NO」→s640となり、s540〜s590を行っていない)、これにより保温を優先させることができる。
【0090】
また、上記実施形態では、設定時刻までの残り時間に応じて、太陽光温熱器300により加熱された温水を浴槽100に落とし込むことができ(図4のs410〜s460)、こうして落とし込んだ温水の熱を、通水路11を流通する水に伝達させることができる。
【0091】
また、太陽光温熱器300により加熱された温水を浴槽100に貯留することができるため、太陽光温熱器300において通常必要とされる専用のリザーブタンクが不要となる。
【0092】
また、上記実施形態では、一定の時間間隔または一定の開度で水量制御弁25を開閉することにより、予約時刻(設定時刻)の到来までに、太陽光温熱器300により加熱された温水の熱を浴槽100に落とし込んで貯留しておくことができる。
【0093】
より具体的には、太陽側水温に応じた短さの時間間隔で水量制御弁25の開閉を繰り返す制御パターンで水量制御弁25を制御する場合であれば、太陽光温熱器300からの温水の温度が高いほど、短い時間間隔で温熱路310からの温水の浴槽への通水が行われる。
【0094】
太陽光温熱器300からの温水の温度が高ければ高いほど、太陽光温熱器300側で温水を生成するのに要する時間が短いことになるため、この場合、太陽光温熱器300からの通水を行ってから次に通水を行うまでの時間間隔を短くしたとしても、次に通水を行うまでに充分に温度の高い温水が生成されることになる。
【0095】
そのため、太陽光温熱器300からの温水の温度に応じた短さの時間間隔で太陽側通水弁312を開放することにより、太陽光温熱器300から浴槽へと落とし込まれる温水の温度を高めつつ、より短時間で浴槽に多くの温水を貯留することができる。
【0096】
また、太陽側水温に応じた開度で太陽側通水弁312を開放する制御パターンで水量制御弁25を制御する場合であれば、単純に水量制御弁25を全開にする場合と比べ、太陽光温熱器300から通水される温水の水量が少なくなり、太陽光温熱器300に水が停留して加熱される時間が長くなるため、浴槽100へと落とし込まれる温水の温度をより上昇させることができる。
【0097】
また、この制御パターンであれば、太陽光温熱器300からの温水の温度が高いほど、水量制御弁25の開度を大きくした状態で温熱路310から温水の浴槽100への通水が行われる。
【0098】
太陽光温熱器300からの温水の温度が高ければ高いほど、太陽光温熱器300側で温水を生成するのに要する時間が短いことになるため、この場合、水量制御弁25の開度を大きくして短時間で通水が終了するようにしたとしても、次に通水を行うまでに充分に温度の高い温水が生成されることになる。
【0099】
そのため、太陽光温熱器300からの温水の温度に応じた開度で水量制御弁25を開放することにより、より短時間で浴槽100に温度の高い温水を貯留することができる。
また、上記実施形態では、太陽光温熱器300からの通水を行うに際し、温熱路310から通水路11へと至る経路の水流が、第1,第2手動給湯動作において通水路11の加熱が開始される水量未満となるように、水量制御弁25における最大開度が設定される(図4のs450,s460)。
【0100】
そのため、温熱路310から通水路11へと通水する水の水量により、ガスバーナ15による無用な通水路11の加熱が実施されてしまうことを防止することができる。
(4)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0101】
例えば、上記実施形態においては、浴槽100周辺の外気温度を、外気温検出センサ57により直接的に検出するように構成されている。しかし、浴槽100周辺の外気温度は、例えば、浴槽温度検出センサ45、加熱温度検出センサ19などの検出値に基づいて推定する、つまり間接的に検出するように構成してもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、サブリモコン55に外気温検出センサ57が設けられているが、この外気温検出センサ57は、サブリモコン55以外の構成要素や、浴室内部に設けられていてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、事前に循環ポンプ33を作動させ、浴槽100に貯留された湯水を一時的に循環路31に循環させることで(図5のs540)、循環路31を流通する湯水の温度(循環側水温)を間接的に検出しており(同図s550)、この循環側水温と給水側水温との関係(循環継続条件の充足如何)に応じて循環ポンプ33の動作を開始(実際は継続)させている(同図s550〜s580)。
【0104】
しかし、浴槽100と循環路31との接続箇所付近にセンサを設けるなど、循環側水温を直接的に検出できる場合であれば、循環継続条件の充足をチェックした後で、循環ポンプ33の動作を開始させることとしてもよい(s530「YES」→s550「YES」→s540)。
【0105】
また、上記実施形態では、第2給湯モードに設定されている場合に第2手動供給動作が行われるように構成されている。しかし、この第2手動給湯動作は、第2給湯モードに設定されているか否かに拘わらず、予約運転動作において太陽光温熱器300からの温水を浴槽100へと落とし込むまでの動作(図4のs430〜s460)により浴槽100に温水が落とし込まれていること、を条件に行うように構成してもよい。
【0106】
このためには、まず、予約運転動作において、太陽光温熱器300からの温水の落とし込みが終了したら(図4のs430〜s460)、図6に示すように、落とし込み終了フラグに「1」をセットした後で(s470)、上記s410と同様に残り時間がしきい値以下となるまで待機し(s480:NO)、しきい値以下となってから(s480:YES)、s420へと移行するようにする。なお、「落とし込み終了フラグ」とは、初期値「0」のフラグであり、風呂給湯動作の終了後にも「0」に戻されるものである。
【0107】
さらに、第2給湯モードに設定されている場合に行われる動作として、第2手動給湯動作の代わりに、以下に示す給湯判定動作を行うようにする。
この給湯判定動作において、コントローラ51は、図7に示すように、まず、風呂給湯動作(図3)が行われているか否かをチェックし(s710)、風呂給湯動作が行われていれば(s710:YES)、上述した第1手動給湯動作(図2)へ移行する一方(s720)、風呂給湯動作が行われていなければ(s710:NO)、予約運転動作により太陽光温熱器300からの温水が浴槽100へと落とし込まれた(温水を込み済)か否かを、上述した落とし込み終了フラグの値に基づいて判定する(s730)。
【0108】
ここで、温水を落とし込み済でなければ(s730:NO)、上述した第1手動給湯動作(図2)へ移行する一方(s720)、落とし込み済であれば(s730:YES)、上述した第2手動給湯動作(図5)へ移行する(s740)。
【0109】
なお、この給湯判定動作は、第1手動給湯動作および第2手動給湯動作それぞれと並行して行われるようにし、風呂給湯動作が行われているか否か、温水が落とし込み済となっているか否かなどの条件に応じて、適宜、第1手動給湯動作および第2手動給湯動作のいずれか一方から他方へと切り替えられるように構成してもよい。
(5)本発明との対応関係
以上説明した実施形態において、ガスバーナ15は本発明における給水加熱手段であり、ガスバーナ37は本発明における循環加熱手段であり、通水弁28,312,水量制御弁25は本発明における通水弁であり、液−液熱交換器41は本発明における熱交換手段である。
【0110】
また、図3のs310〜s394は本発明における保温制御手段であり、図4のs410,440〜s460は本発明における通水制御手段であり、同図s400は本発明における予約設定手段であり、同図s410〜s420は本発明における予約運転手段であり、同図s440は本発明における温熱側水温検出手段であり、図5のs540〜s590は本発明における伝達制御手段であり、同図s510,s570は本発明における給水検出手段であり、同図s550は本発明における給水側水温検出手段、循環側水温検出手段であり、同図s580,s650は本発明における水量検出手段であり、同図s640〜660は本発明における加熱制御手段である。
【符号の説明】
【0111】
1…給湯部、3…保温部、5…制御部、11…通水路、13…給湯側熱交換器、15…ガスバーナ、17…入水温検出センサ、19…加熱温度検出センサ、21…ストレーナ、23…水量センサ、25…水量制御弁、27…風呂行き流路、28…風呂側通水弁、29…込み水量センサ、30…太陽光温水器、31…循環路、33…循環ポンプ、35…保温側熱交換器、37…ガスバーナ、41…液−液熱交換器、45…浴槽温度検出センサ、47…加熱温度検出センサ、51…コントローラ、53…メインリモコン、55…サブリモコン、57…外気温検出センサ、100…浴槽、200…給湯栓、300…太陽光温熱器、310…温熱路、312…太陽側通水弁、314…太陽温度検出センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水された水を流通させて所定の給水箇所へと給水する経路であり、該経路の一部分が外部から加熱される加熱経路となっている通水路と、
浴槽に接続され、該浴槽との間で湯水を循環可能な経路である循環路と、
前記浴槽に貯留された湯水を該浴槽と前記循環路との間で循環させる循環ポンプと、
前記通水路において加熱経路より上流側を流通する水と前記循環路を流通する湯水との間で熱交換を実施する熱交換手段と、
前記循環ポンプを作動させ、前記浴槽に貯留された水を循環させることで、前記熱交換手段を介して前記通水路を流通する水に前記循環路を流通する湯水の熱を伝達させる伝達制御手段と、を備えている
ことを特徴とする給湯器。
【請求項2】
前記通水路による前記給水箇所への給水を検出する給水検出手段、を備えており、
前記伝達制御手段は、前記給水検出手段による給水の検出中に前記循環ポンプを作動させて、前記浴槽に貯留された湯水を循環させる
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯器。
【請求項3】
前記通水路を流通する水の温度を検出する給水側水温検出手段と、
前記循環路を流通する湯水または前記浴槽に貯留された湯水の温度を検出する循環側水温検出手段と、を備えており、
前記伝達制御手段は、前記循環側水温検出手段により検出される水温が、前記給水側水温検出手段により検出される水温よりも高いことを条件として、前記通水路による給水中に前記循環ポンプを作動させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯器。
【請求項4】
前記循環路を流通する湯水を加熱する循環加熱手段と、
前記循環加熱手段による加熱、および、前記循環ポンプの作動を断続的に実行させることで、前記浴槽に貯留された湯水の保温を行う保温制御手段と、を備えており、
前記伝達制御手段は、前記保温制御手段による湯水の保温が行われていないことを条件として、前記給水検出手段による給水の検出中に前記循環ポンプを作動させる
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の給湯器。
【請求項5】
前記通水路から分岐して前記浴槽へと至る風呂行き流路と、
太陽光温熱器により加熱された温水を前記通水路に通水させる温熱路と、
前記温熱路から前記風呂行き流路を経由して前記浴槽へと至る経路中に設けられ、該経路を開閉することで前記温熱路から前記浴槽への通水を可能にする通水弁と、
前記温熱路から前記通水路への通水時に、前記通水弁の開度を制御することにより、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる通水制御手段と、を備えている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の給湯器。
【請求項6】
ユーザの操作を受けて予約時刻および予約温度を設定する予約設定手段と、
前記予約設定手段により設定された予約時刻までに、該設定された予約温度の湯水を前記浴槽に貯留させる予約運転を実施する予約運転手段と、を備えており、
前記通水制御手段は、前記予約設定手段により予約時刻および予約温度が設定された以降、該予約時刻が到来する前に、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる
ことを特徴とする請求項5に記載の給湯器。
【請求項7】
前記通水制御手段は、前記予約設定手段により予約時刻および予約温度が設定された以降、該予約時刻が到来する前に、一定の時間間隔で前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる
ことを特徴とする請求項6に記載の給湯器。
【請求項8】
前記太陽光温熱器からの温水の温度を検出する温熱側水温検出手段、を備えており、
前記通水制御手段は、前記温熱側水温検出手段により検出される温度に応じた長さの時間間隔で、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる
ことを特徴とする請求項7に記載の給湯器。
【請求項9】
前記通水制御手段は、前記予約設定手段により予約時刻および予約温度が設定された以降、該予約時刻が到来する前に、一定未満の開度で前記通水弁を開放することにより、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の給湯器。
【請求項10】
前記太陽光温熱器からの温水の温度を検出する温熱側水温検出手段、を備えており、
前記通水制御手段は、前記温熱側水温検出手段により検出される温度に応じた開度で前記通水弁を開放することにより、前記温熱路からの温水を前記浴槽へと通水させる
ことを特徴とする請求項9に記載の給湯器。
【請求項11】
前記通水路を流通する水を加熱する給水加熱手段と、
前記通水路を流通する水の水量を検出する水量検出手段と、
前記水量検出手段により検出される水量が所定のしきい値以上となっている間、前記給水加熱手段により水を加熱させる加熱制御手段と、を備えており、
前記通水制御手段は、少なくとも前記温熱路から前記通水路へと至る経路の水量が前記しきい値未満となる開度で前記通水弁を開放する
ことを特徴とする請求項5から10のいずれか一項に記載の給湯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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