説明

給湯装置

【課題】給湯端末に供給される温水の温度の変動を抑える。
【解決手段】給湯装置では、貯湯タンクの中間流出部から流出した温水と給水源から給水される水とが第1混合弁において混合された後、第2混合弁において貯湯タンクの上部流出部から流出した温水と混合されて、給湯端末に供給される。給湯装置1の判断手段は、貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、中間流出部から流出した温水が第1混合弁を通過するのを許可するか否かを判断する。給湯装置の制御手段は、給湯端末への給湯中に、判断手段において中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過を許可しないと判断された場合、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過量を減少させるように第1混合弁を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクの中間部から流出する温水を給湯に使用する給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給湯装置として、貯湯タンクの上部から取り出した温水と給水源から供給された水とを混合して給湯端末に供給するものがある。このような給湯装置においては、通常は、貯湯タンク内の温水の温度は、上部が高温で、下部が低温で、中間部がその中間の温度となっている。
【0003】
また、この給湯装置では、熱効率を向上させるために、貯湯タンクの中間部から温水を取り出して、給湯に利用する給湯装置が提案されている。具体的には、貯湯タンクの中間部から取り出した温水と給水源から供給された水とを第1混合弁で混合した後、この混合された温水と貯湯タンクの上部から取り出した温水とを第2混合弁において、給湯設定温度になるように混合して給湯端末に供給する給湯装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−226593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した給湯装置では、第2混合弁は、第1混合弁で混合された温水と、貯湯タンクの上部から取り出した温水とを混合した温水の温度が給湯設定温度になるように開度が調整される。ここで、第2混合弁の開度が変化しなくても、第1混合弁により混合された温水の温度が変化すれば、給湯端末に供給される温水の温度が変動することになる。
【0006】
そして、この給湯装置では、第1混合弁の開度を変化させていなくても、貯湯タンク内の温水の温度分布の変化等に起因して、貯湯タンクの中間部から流出した温水の温度が上昇して、第1混合弁により混合された温水の温度が急激に上昇することがある。このように、この給湯装置では、貯湯タンク内の温水の温度分布の変化等に起因して、給湯端末に供給される温水の温度が大きく変動するという問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、給湯端末に供給される温水の温度の変動を抑えることができる給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第1の発明に係る給湯装置は、温水を加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱された温水を貯留する貯湯タンクと、前記貯湯タンクの上部から温水を流出する上部流出部と、前記貯湯タンクの中間部から温水を流出する中間流出部と、前記中間流出部から流出した温水と給水源から給水される水とを混合する第1混合弁と、前記第1混合弁で混合された温水と前記上部流出部から流出した温水とを混合する第2混合弁と、前記第2混合弁で混合された温水が供給される給湯端末と、前記貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、前記中間流出部から流出した温水が前記第1混合弁を通過するのを許可するか否かを判断する判断手段と、前記第1混合弁及び前記第2混合弁を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記給湯端末への温水供給中に、前記判断手段において、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断された場合、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過量を減少させるように前記第1混合弁を制御することを特徴とする。
【0009】
この給湯装置では、判断手段が、貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過を許可しないと判断した場合、第1混合弁は、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過量を減少させるように切り換えられる。したがって、給湯端末に供給される温水の温度が変動するのを抑制することができる。
【0010】
第2の発明に係る給湯装置は、第1の発明に係る給湯装置において、前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする。
【0011】
この給湯装置では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、第1混合弁が、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過量を減少させるように切り換えられることにより、給湯端末から急激に高温の温水が出湯するのを防止できる。
【0012】
第3の発明に係る給湯装置は、第1の発明に係る給湯装置において、前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする。
【0013】
この給湯装置では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外の温度の場合に、第1混合弁が、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過量を減少させるように切り換えられることにより、第1混合弁を通過する温水の温度が一定となる。そのため、第2混合弁により混合された温水の温度が変動するのを抑制することができる。さらに、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲よりも高温又は低温の場合に、給湯端末から急激に高温又は低温の温水が出湯するのを防止できる。
【0014】
第4の発明に係る給湯装置は、第1〜第3の何れかの発明に係る給湯装置において、前記制御手段は、前記給湯端末への温水供給の途中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断されて、前記制御手段によって前記第1混合弁が前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過量を減少させるように制御された後、その温水供給中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可すると判断されても、その温水供給が継続されている間は、前記第1混合弁の開度を維持することを特徴とする。
【0015】
この給湯装置では、給湯中に判断手段による判断が変化しても、第1混合弁の開度を維持することにより、給湯途中に第1混合弁の開度を変化させた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【0016】
第5の発明に係る給湯装置は、温水を加熱する加熱手段と、前記加熱手段で加熱された温水を貯留する貯湯タンクと、前記貯湯タンクの上部から温水を流出する上部流出部と、前記貯湯タンクの中間部から温水を流出する中間流出部と、前記中間流出部から流出した温水と給水源から給水される水とを混合する第1混合弁と、前記第1混合弁で混合された温水と前記上部流出部から流出した温水とを混合する第2混合弁と、前記第2混合弁で混合された温水が供給される給湯端末と、前記貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、前記中間流出部から流出した温水が前記第1混合弁を通過するのを許可するか否かを判断する判断手段と、前記第1混合弁及び前記第2混合弁を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記判断手段において、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断された場合、前記第1混合弁を前記給水源側全開状態とすることを特徴とする。
【0017】
この給湯装置では、判断手段が、貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過を許可しないと判断した場合、第1混合弁は、給水源側全開状態に切り換えられる。したがって、給湯端末に供給される温水の温度が変動するのを抑制することができる。
【0018】
第6の発明に係る給湯装置は、第5の発明に係る給湯装置において、前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする。
【0019】
この給湯装置では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、第1混合弁が、給水源側全開状態に切り換えられることにより、給湯端末から急激に高温の温水が出湯するのを防止できる。
【0020】
第7の発明に係る給湯装置は、第5又は第6の発明に係る給湯装置において、前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の下限温度以下である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする。
【0021】
この給湯装置では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の下限温度以下である場合に、第1混合弁が、給水源側全開状態に切り換えられることにより、第1混合弁を通過する温水の温度が一定となる。そのため、第2混合弁により混合された温水の温度が変動するのを抑制することができる。
【0022】
第8の発明に係る給湯装置は、第5の発明に係る給湯装置において、前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする。
【0023】
この給湯装置では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外の温度の場合に、第1混合弁が、給水源側全開状態に切り換えられることにより、第1混合弁を通過する温水の温度が一定となる。そのため、第2混合弁により混合された温水の温度が変動するのを抑制することができる。さらに、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲よりも高温又は低温の場合に、給湯端末から急激に高温又は低温の温水が出湯するのを防止できる。
【0024】
第9の発明に係る給湯装置は、第7又は第8の発明に係る給湯装置において、前記制御手段は、前記第1混合弁が前記中間流出部から流出した温水を通過させる状態で前記供給端末への温水供給が行われているときに、前記中間流出部から流出する温水の温度が前記下限温度以下、又は、前記所定の温度範囲よりも低い温度となり、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断されても、その温水供給が継続されている間は、前記第1混合弁を前記給水源側全開状態に切り換えないことを特徴とする。
【0025】
この給湯装置では、給湯中に中間流出部から流出する温水の温度が下限温度以下、又は、所定の温度範囲よりも低い温度となって判断手段による判断が変化しても、第1混合弁の開度を給水源側全開状態に切り替えないことにより、給湯途中に第1混合弁を給水源側全開状態に切り換えた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【0026】
第10の発明に係る給湯装置は、第5〜第9の何れかの発明に係る給湯装置において、前記制御手段は、前記給湯端末への温水供給の開始前又は供給途中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断されて、前記制御手段によって前記第1混合弁が前記給水源側全開状態とされた後、その温水供給中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可すると判断されても、その温水供給が継続されている間は、前記第1混合弁の開度を維持することを特徴とする。
【0027】
この給湯装置では、給湯中に判断手段による判断が変化しても、第1混合弁の開度を維持することにより、給湯途中に第1混合弁の開度を変化させた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0029】
第1の発明では、判断手段が、貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過を許可しないと判断した場合、第1混合弁は、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過量を減少させるように切り換えられる。したがって、給湯端末に供給される温水の温度が変動するのを抑制することができる。
【0030】
第2の発明では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、第1混合弁が、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過量を減少させるように切り換えられることにより、給湯端末から急激に高温の温水が出湯するのを防止できる。
【0031】
第3の発明では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外の温度の場合に、第1混合弁が、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過量を減少させるように切り換えられることにより、第1混合弁を通過する温水の温度が一定となる。そのため、第2混合弁により混合された温水の温度が変動するのを抑制することができる。さらに、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲よりも高温又は低温の場合に、給湯端末から急激に高温又は低温の温水が出湯するのを防止できる。
【0032】
第4の発明では、給湯中に判断手段による判断が変化しても、第1混合弁の開度を維持することにより、給湯途中に第1混合弁の開度を変化させた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【0033】
第5の発明では、判断手段が、貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、中間流出部から流出した温水の第1混合弁の通過を許可しないと判断した場合、第1混合弁は、給水源側全開状態に切り換えられる。したがって、給湯端末に供給される温水の温度が変動するのを抑制することができる。
【0034】
第6の発明では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、第1混合弁が、給水源側全開状態に切り換えられることにより、給湯端末から急激に高温の温水が出湯するのを防止できる。
【0035】
第7の発明では、この給湯装置では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の下限温度以下である場合に、第1混合弁が、給水源側全開状態に切り換えられることにより、第1混合弁を通過する温水の温度が一定となる。そのため、第2混合弁により混合された温水の温度が変動するのを抑制することができる。
【0036】
第8の発明では、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外の温度の場合に、第1混合弁が、給水源側全開状態に切り換えられることにより、第1混合弁を通過する温水の温度が一定となる。そのため、第2混合弁により混合された温水の温度が変動するのを抑制することができる。さらに、中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲よりも高温又は低温の場合に、給湯端末から急激に高温又は低温の温水が出湯するのを防止できる。
【0037】
第9の発明では、給湯中に中間流出部から流出する温水の温度が下限温度以下、又は、所定の温度範囲よりも低い温度となって判断手段による判断が変化しても、第1混合弁の開度を給水源側全開状態に切り替えないことにより、給湯途中に第1混合弁を給水源側全開状態に切り換えた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【0038】
第10の発明では、給湯中に判断手段による判断が変化しても、第1混合弁の開度を維持することにより、給湯途中に第1混合弁の開度を変化させた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る給湯装置の配管系統図である。
【図2】給湯装置のブロック図である。
【図3】第1混合弁制御部(制御手段)の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】給湯開始前に中間流出部から流出した温水が第1混合弁を通過するのを許可すると判断された場合の、給湯運転時の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】継ぎ手部材の斜視図であって、サーミスタを取り付ける前の状態を示す図である。
【図6】継ぎ手部材を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図7】図6(a)のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図6(b)のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】(a)は図5のクイックファスナ式のサーミスタ取付部にサーミスタが取り付けられた状態を示す図であり、(b)は図5のネジ式のサーミスタ取付部にサーミスタが取り付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明に係る給湯装置1の実施の形態について説明する。
【0041】
<給湯装置の構成>
図1に示すように、給湯装置1は、カランAとシャワーBと風呂C(以下、カランAとシャワーBと風呂Cとを総称して適宜「給湯端末」とする)に温水を供給する装置であって、ヒートポンプユニット(加熱手段)2と、貯湯タンク20を有する貯湯ユニット3と、リモコン5(図2参照)と、制御部4とを備えている。
【0042】
[ヒートポンプユニット]
ヒートポンプユニット2は、貯湯タンク20内の温水を加熱するためのものである。ヒートポンプユニット2は、冷媒回路10を有しており、この冷媒回路10は、圧縮機11と、水熱交換器12と、電動膨張弁13と、空気熱交換器14と、これらを環状に接続する冷媒配管15とを備えている。また、冷媒回路10は、水熱交換器12から出る高温高圧の冷媒と、空気熱交換器14から出る冷温低圧の冷媒との間で熱交換を行うためのガス熱交換器17を備えている。
【0043】
[貯湯ユニット]
貯湯ユニット3は、貯湯タンク20と、沸上循環回路30と、給湯・追焚回路40とを備えている。
【0044】
(貯湯タンク)
貯湯タンク20の上部には、上部流入部20a、上部流出部20b、20cが設けられており、貯湯タンク20の中間部には、中間流出部20dが設けられており、貯湯タンク20の下部には、下部流出部20e、下部流入部20f、20g、20hが設けられている。
【0045】
貯湯タンク20の上部流入部20a、下部流出部20e、下部流入部20fは、沸上循環回路30と接続されており、貯湯タンク20の下部流出部20eから取り出された温水が、ヒートポンプユニット2により加熱された後、貯湯タンク20の上部流入部20a又は下部流入部20fに戻されるようになっている。また、貯湯タンク20の上部流出部20b、20c、中間流出部20d、下部流入部20g、20hは、給湯・追焚回路40と接続されている。給湯端末への給湯又は風呂Cの追い焚きを行う場合、貯湯タンク20の上部流出部20b又は上部流出部20cから高温の温水が流出すると共に、下部流入部20g又は下部流入部20hから貯湯タンク20内に低温の水が流入するようになっている。そのため、ヒートポンプユニット2により貯湯タンク20内の温水がすべて加熱されて高温となっている場合を除けば、貯湯タンク20内の温水の温度は、上部が高温、下部が低温、中間部がその中間温度となっている。
【0046】
貯湯タンク20の外側面には、6つのタンクサーミスタ21a〜21fが、上下方向に並んで取り付けられている。タンクサーミスタ21a〜21fは、貯湯タンク20内の温水の温度を検知するためのものである。なお、タンクサーミスタ21dは、貯湯タンク20の後述する中間流出配管42が接続されている位置と同じ高さに取り付けられている。また、タンクサーミスタ21a〜21fにより検知された温度は、貯湯タンク20内に高温の温水がどれだけ残っているかを検知(残湯量検知)するために用いられる。
【0047】
(沸上循環回路)
沸上循環回路30は、貯湯タンク20内の下部の温水を取り出して、ヒートポンプユニット2の水熱交換器12において加熱してから、貯湯タンク20内の上部に戻すための回路である。沸上循環回路30は、配管31〜35と、沸上三方弁36と、排水用三方弁38とを備えている。
【0048】
配管31は、貯湯タンク20の下部流出部20eと排水用三方弁38とを接続する配管である。排水用三方弁38には、配管31に加えて、水熱交換器12が設けられた後述する配管32と、排水口D1に向かう配管35とが接続されている。排水用三方弁38は、通常時は貯湯タンク20の下部流出部20eから流出した温水(水の場合を含む)を、ヒートポンプユニット2に向けて流す状態に切り換えられており、貯湯タンク20と給湯・追焚回路40内の配管内の水抜き作業を行うときには、貯湯タンク20の下部流出部20eから流出した水を、排水口D1に流す状態に切り換えられる。
【0049】
配管32は、排水用三方弁38と沸上三方弁36とを上記した水熱交換器12を介して接続する配管である。配管32の途中には、沸上ポンプ37が配置されている。沸上ポンプ37は、貯湯タンク20内の温水(水の場合を含む)を、下部流出部20e、配管31、及び排水用三方便38を介して配管32に引き込むためのものである。また、配管32の水熱交換器12よりも上流側の位置に、入水サーミスタ18が配置されており、配管32の水熱交換器12よりも下流側の位置に、出湯サーミスタ19が配置されている。
【0050】
配管33は、沸上三方弁36と貯湯タンク20の上部流入部20aとを接続する配管である。配管34は、沸上三方弁36と貯湯タンク20の下部流入部20fとを接続する配管である。る。沸上三方弁36は、入水サーミスタ18により検知された温度に応じて、制御部4によって出口側が配管33と配管34のいずれかに切り換えられる。
【0051】
(給湯・追焚回路)
給湯・追焚回路40は、貯湯タンク20内の温水と給水源Sから供給された水とを混合して給湯端末(カランA、シャワーB、風呂C)に供給すると共に、貯湯タンク20内の温水を熱源として風呂Cの追い焚きを行うための回路である。また、給湯・追焚回路40は、貯湯タンク20内の温水を給湯端末に供給する際、同時に、貯湯タンク20内への給水を行うように構成されている。
【0052】
給湯・追焚回路40は、給水配管41と、中間流出配管42と、接続配管43と、上部流出配管44と、給湯配管45と、熱交循環配管46と、接続配管47と、湯はり配管48と、風呂循環配管49と、第1混合弁51と、第2混合弁52と、湯はり混合弁53とを備えている。
【0053】
給水配管41は、給水源Sと、第1混合弁51及び湯はり混合弁53とを接続する配管である。給水配管41の第1混合弁51の近傍部には、逆止弁65が配置されている。
【0054】
また、給水配管41の分岐点よりも給水源S側には、給水分岐管41aが接続されている。この給水分岐管41aは、給水配管41内の水を、貯湯タンク20の下部流入部20gに供給するための配管である。また、給水分岐管41aには、水温サーミスタ63と、逆止弁64とが配置されている。水温サーミスタ63は、給水源Sから供給される水の温度を検知するためのものである。
【0055】
また、給水配管41の給水分岐管41aが接続された位置よりも給水源S側には、逆止弁61と、減圧弁62とが給水源Sに近い順に並んで配置されている。また、給水配管41の逆止弁61と減圧弁62との間の位置には、水抜き栓66が設けられた分岐管41bが接続されている。水抜き栓66は、通常時は閉じられており、貯湯タンク20や配管内の水抜きを行うときに開放される。分岐管41bは、水抜き時に、配管内の水を排水口D2に排出するためのものである。
【0056】
中間流出配管42は、貯湯タンク20の中間流出部20dから流出した温水を、第1混合弁51に供給するための配管である。第1混合弁51は、貯湯タンク20の中間流出部20dから流出する温水と、給水源Sから供給される水とを混合するためのものである。
【0057】
接続配管43は、第1混合弁51で混合された温水を、第2混合弁52に供給するための配管である。接続配管43の途中には、第1混合弁51によって混合された温水の温度を検知するための中間混合サーミスタ71が配置されている。また、接続配管43の第2混合弁52の近傍部には、逆止弁72が配置されている。
【0058】
上部流出配管44は、貯湯タンク20の上部流出部20bから流出した温水を、第2混合弁52に供給するための配管である。上部流出配管44の第2混合弁52の近傍部には、逆止弁73が配置されている。第2混合弁52は、貯湯タンク20の上部流出部20bから流出する温水と、第1混合弁51で混合された温水とを混合するためのものである。
【0059】
給湯配管45は、第2混合弁52で混合された温水を、カランAとシャワーBに供給するための配管である。給湯配管45の途中には、給湯流量センサ74と、給湯サーミスタ75とが配置されている。給湯流量センサ74は、給湯配管45を流れる温水の単位時間当たりの流量を検知するためのものである。給湯サーミスタ75は、第2混合弁52により混合されてカランA及びシャワーBに供給される温水の温度を検知するためのものである。
【0060】
熱交循環配管46は、貯湯タンク20の上部流出部20cから流出した温水を、貯湯タンク20の下部流出部20eに供給するための配管である。熱交循環配管46の途中には、追焚熱交換器81と、熱交循環ポンプ82とが配置されている。熱交循環ポンプ82は、貯湯タンク20の上部流出部20cから熱交循環配管46に高温の温水を引き込むためのものである。追焚熱交換器81は、熱交循環配管46を流れる高温の温水と、後述する風呂循環配管49を流れる水とを熱交換させるためのものである。
【0061】
また、熱交循環配管46の追焚熱交換器81よりも上部流出部20c側の位置には、湯はり混合弁53に接続された接続配管47が接続されている。湯はり混合弁53は、貯湯タンク20の上部流出部20cから流出する温水と、給水源Sから供給される水とを混合するためのものである。
【0062】
熱交循環配管46の接続配管47が接続された箇所よりも上部流出部20c側の位置には、逆止弁83と、逆止弁84とを並列に接続した並列回路が配置されている。また、熱交循環配管46には、この並列回路を迂回するようにバイパス配管85が接続されている。また、この並列回路の接続配管47側には、逃がし弁86が接続されている。逃がし弁86は、通常時に貯湯タンク20内及び配管内のエアを外部に排出する役割を有する。また、逃がし弁86は、貯湯タンク20内及び配管内の水抜き作業を行うときに、配管内にエアを供給する役割も有する。
【0063】
風呂循環配管49は、その両端が風呂Cに接続されており、その途中には、上述した追焚熱交換器81と、風呂循環ポンプ96と、風呂サーミスタ97と、水位センサ98とが配置されている。風呂循環ポンプ96の作動時の風呂循環配管49内の温水の流れ方向に関して、風呂サーミスタ97及び水位センサ98は、追焚熱交換器81の上流側に配置されている。水位センサ98は、風呂Cの水位を検知するためのものである。
【0064】
湯はり配管48は、湯はり混合弁53と、風呂循環配管49の途中部(詳細には、追焚熱交換器81の下流側部分)とを接続する配管である。湯はり配管48の途中には、湯はり電磁弁91と、逆止弁92と、湯はり流量センサ93と、逆止弁94と、湯はりサーミスタ95とが配置されている。湯はりサーミスタ95は、湯はり混合弁53によって混合されて風呂Cに供給される温水の温度を検知するためのものである。湯はり流量センサ93は、風呂Cに供給される温水の単位時間当たりの流量を検知するためのものである。湯はり電磁弁91は、風呂Cの湯はりを行う場合に開弁状態に切り換えられる。なお、湯はり配管48と風呂循環配管49との接続部には、後述する継ぎ手部材140が用いられている。この継ぎ手部材140に、湯はりサーミスタ95が取り付けられている。
【0065】
[リモコン]
リモコン5には、操作部(図示省略)と表示部(図示省略)とが設けられている。リモコン5の操作部は、カランA及びシャワーBにおける給湯温度をユーザーが設定するための給湯温度設定ボタンと、風呂Cの湯はりと追い焚きの温度を設定するための風呂温度設定ボタンと、風呂Cの湯はりを開始するための湯はりボタンと、風呂Cの水の追い焚きを開始するための追焚ボタンと、各種設定変更を行うためのメニューボタン等を有している。リモコン5の表示部には、給湯設定温度や、風呂設定温度や、貯湯タンク20の残湯量などが表示される。
【0066】
給湯温度設定ボタンによって設定された給湯温度を、給湯設定温度とする。給湯温度設定ボタンにより設定可能な給湯設定温度には上限と下限(例えば37℃)が設けられている。また、風呂温度設定ボタンにより設定された温度を、風呂設定温度とする。
【0067】
[制御部]
制御部4は、マイコンやメモリ等で構成されている。図2に示すように、制御部4は、リモコン5、サーミスタ18、19、21a〜21f、63、71、75、97、95、流量センサ74、93、水位センサ98、ポンプ37、82、96、沸上三方弁36、混合弁51〜53、湯はり電磁弁91、圧縮機11等に有線又は無線により通信可能に接続されている。なお、図2では、制御部4に接続される上記構成部品の一部を省略して表示している。制御部4は、リモコン5やサーミスタや流量センサ等から送られる信号に基づいて、ポンプや混合弁等を制御する。制御部4は、給湯判断部100と、第1混合弁51を制御する第1混合弁制御部101と、第2混合弁52を制御する第2混合弁制御部102と、中間混合判断部(判断手段)103とを有している。なお、第1混合弁制御部101及び第2混合弁制御部102が、本発明の制御手段に相当する。
【0068】
(給湯判断部)
給湯判断部100は、給湯流量センサ74により検知された流量に基づいて、カランA及びシャワーBの両方又は一方に温水供給が行われているか否かを判断する。
【0069】
(中間混合判断部)
中間混合判断部103は、タンクサーミスタ21dにより検知された温度T2に基づいて、貯湯タンク20の中間流出部20dから流出した温水が、第1混合弁51を通過するのを許可するか否かを判断する。以下の説明において、中間流出部20dから流出した温水が第1混合弁51の通過を許可すると判断することを、湯とりを行うと判断するといい、通過を許可しないと判断することを湯とりを行わないと判断するという。
【0070】
具体的な判断方法は、図3のフローチャートに示すように、タンクサーミスタ21dにより検知された温度T2が、所定の下限温度Tminよりも高く、且つ、所定の上限温度Tmaxよりも低い場合には(ステップS10:Yes)、湯とりを行うと判断する(ステップS11)。一方、タンクサーミスタ21dにより検知された温度T2が、所定の下限温度Tmin以下、又は、所定の上限温度Tmax以上の場合には(ステップS10:No)、湯とりを行わないと判断する(ステップS12)。
【0071】
下限温度Tminは、例えば25℃であって給水源Sから供給される水の温度と同程度か、それよりも若干高い温度に設定されている。上限温度Tmaxは、例えば50℃であって、貯湯タンク20内の上部の高温(例えば60〜90℃)の温水の温度と同程度か、それよりも低い温度に設定されている。下限温度Tmin及び上限温度Tmaxは、一定であってもよいが、リモコン5の操作によって変更できるようになっていてもよい。また、水温サーミスタ63で検知される給水源Sから供給される水の温度等に応じて変更されるようになっていてもよい。
【0072】
(第2混合弁制御部)
第2混弁制御部102は、カランA又はシャワーBへの給湯時に、第2混合弁52により混合された温水の温度が給湯設定温度となるように第2混合弁52の開度を制御する。具体的には、中間混合サーミスタ71により検知された温度T3とタンクサーミスタ21aにより検知された温度T4とに基づくフィードフォワード制御と、給湯サーミスタ75により検知された温度T5に基づくフィードバック制御とによって、第2混合弁52により混合された温水の温度が給湯設定温度となるように、第2混合弁52の開度を制御する。
【0073】
第2混合弁制御部102は、カランA又はシャワーBへの給湯が開始されて、給湯判断部100において、給湯が行われていると判断された場合に、第2混合弁52の制御を開始する。
【0074】
また、第2混合弁制御部102は、カランA及びシャワーBへの給湯が終了して、給湯判断部100において、給湯が行われていないと判断された場合、第2混合弁52の制御を停止し、給湯終了から、所定時間経過後に、第2混合弁52の開度を初期化して、接続配管43側全開状態とし、次の給湯時まで維持する。これにより、次の給湯を開始したときに、カランA又はシャワーBから高温の温水が出湯するのを防止している。
【0075】
また、第2混合弁制御部102は、給湯サーミスタ75により検知された温度T5が、給湯設定温度近くの給湯設定温度範囲(例えば給湯設定温度±0.5℃)内の温度である場合(即ち、給湯設定温度との温度差が所定の範囲内である場合)に、第2混合弁52により混合された温水の温度が給湯設定温度になったものとみなす。
【0076】
(第1混合弁制御部)
第1混合弁制御部101は、中間混合判断部103において、湯とりを行うと判断された場合には、第1混合弁制御部101は、カランA又はシャワーBへの給湯時に、第1混合弁51により混合された温水の温度が目標温度となるように第1混合弁51の開度を制御する(以下、この制御を目標温度制御という)。第1混合弁制御部101は、上記目標温度制御を、給湯が開始されて、第2混合弁52の制御が開始された後、第2混合弁制御部102において、第2混合弁52により混合された温水が給湯設定温度になったとみなされてから開始する。
【0077】
また、第1混合弁制御部101は、中間混合判断部103において、湯とりを行わないと判断された場合には、給湯時か否かに関わらず、第1混合弁51を給水源S側全開状態(給水配管41側全開状態)として、この開度状態を維持する。
【0078】
但し、湯とりを行うと判断されたことにより第1混合弁51が給水源S側全開状態に維持されていない状態で、カランA又はシャワーBにおいて給湯が行われている途中に、温度T2が下限温度Tmin以下に低下して、湯とりを行わないと判断された場合には、第1混合弁制御部101は、湯とりを行わないと判断されていても、給水源S側全開状態に切り換える制御を行わない。
【0079】
また、第1混合弁制御部101は、中間混合判断部103において、湯とりを行わないと判断された後で、湯とりを行うと判断された場合には、第1混合弁51の給水源S側全開状態の維持を解除する。
【0080】
但し、湯とりを行わないと判断されたことにより第1混合弁51が給水源S側全開状態に維持された状態で、カランA又はシャワーBへの給湯が行われている途中に、温度T2が、Tmin<T2<Tmaxの条件を満たす温度となり、湯とりを行うと判断された場合には、第1混合弁制御部101は、湯とりを行うと判断されていても、給水源S側全開状態を解除せずに維持する。
【0081】
また、第1混合弁制御部101は、カランA及びシャワーBへの給湯が終了して、給湯判断部100において、給湯が行われていないと判断された場合、第1混合弁51の開度を給湯終了時の開度で停止させて、次の給湯時まで維持する。但し、給湯停止後から、次の給湯開始までに、中間混合判断部103において、湯とりを行わないと判断された場合には、第1混合弁制御部101は、第1混合弁51を給水源S側全開状態切り換える。
【0082】
また、第1混合弁制御部101は、上記目標温度制御を行う場合、水温サーミスタ63により検知された温度T1とタンクサーミスタ21dにより検知された温度T2とに基づくフィードフォワード制御と、中間混合サーミスタ71により検知された温度T3に基づくフィードバック制御とによって、第1混合弁51により混合された温水の温度が目標温度となるように、第1混合弁51の開度を制御する。
【0083】
また、第1混合弁制御部101は、中間混合サーミスタ71により検知された温度T3が、目標温度近くの目標温度範囲(例えば目標温度±2℃)内の温度である場合(即ち、目標温度との温度差が所定の範囲内である場合)に、第1混合弁51により混合された温水の温度が目標温度になったものとみなす。
【0084】
目標温度は、給湯設定温度によらず一定の温度(例えば32℃)となっている。上述したように、リモコン5によって設定可能な給湯設定温度には下限(例えば37℃)が設けられており、目標温度は、設定可能な給湯設定温度の最低温度よりも低い温度に予め設定されている。従って、カランA又はシャワーBへの給湯には、貯湯タンク20の上部流出部20bから流出する高温の温水が必ず使用される。
【0085】
<給湯装置の動作>
次に、給湯装置1の動作について説明する。
給湯装置1の動作としては、貯湯タンク20に貯湯される温水を加熱する沸上運転と、カランA又はシャワーBへの給湯を行う給湯運転と、風呂Cへの給湯(湯はり)を行う湯はり運転と、風呂Cの追い焚きを行う追焚運転とがある。これらは同時に行うことも可能である。
【0086】
[沸上運転]
沸上運転は、電気料金の安価な深夜時間帯に自動的に開始される。また、昼間時間帯であっても、貯湯タンク20内の残湯量が所定値未満となった場合には、沸上運転が開始される。時刻又は残湯量による沸上運転開始条件が成立すると、制御部4は、圧縮機11と沸上ポンプ37とを駆動させる。すると、貯湯タンク20内の温水が、下部流出部20eから配管31内に流出して、排水用三方弁38を通って配管32内に流れ込む。この温水は、水熱交換器12において冷媒と熱交換されて加熱される。水熱交換器12により加熱された温水の温度が十分に高温の場合(入水サーミスタ18により検知された温度が所定温度以上の場合)には、制御部4により沸上三方弁36の出口側が配管33に切り換えられて、この温水は上部流入部20aから貯湯タンク20内に流入する。この動作を継続して行うことにより、貯湯タンク20内に高温の温水が貯湯される。一方、圧縮機11の駆動を開始した直後など、水熱交換器12により熱交換された温水の温度が十分に高温でない場合(入水サーミスタ18により検知された温度が所定温度未満の場合)には、沸上三方弁36の出口側が配管34に切り換えられて、この温水は下部流入部20fから貯湯タンク20内に流入する。
【0087】
[給湯運転]
給湯運転は、カランA及びシャワーBのレバー等を操作することによって開始又は終了する。以下、給湯運転時の水の流れについて説明する。
【0088】
カランA及びシャワーBのレバー等を流水状態に切り換えると、給水源Sの給水圧力により下部流入部20gから貯湯タンク20内に水が流入すると共に、貯湯タンク20の上部流出部20b及び中間流出部20dから温水が流出する。中間流出部20dから中間流出配管42に流出した温水は、第1混合弁51において、給水源Sから供給された水と混合された後、第2混合弁52において、貯湯タンク20の上部流出部20bから上部流出配管44に流出した高温の温水と混合されて、カランA又はシャワーBに供給される。
【0089】
なお、第1混合弁51が給水源S側全開状態となっている場合には、給水源Sから供給された水と、貯湯タンク20の上部流出部20bから流出した高温の温水とが、第2混合弁52において混合されて、カランA又はシャワーBに供給される。また、第1混合弁51が中間流出配管42側全開状態となっている場合には、貯湯タンク20の中間流出部20dから流出した温水と、貯湯タンク20の上部流出部20bから流出した高温の温水とが、第2混合弁52において混合されて、カランA又はシャワーBに供給される。
【0090】
次に、給湯運転時の制御部4の動作について説明する。
【0091】
(給湯開始前に湯とりを行わないと判断されていない場合)
まず、給湯開始前に、中間混合判断部103において、湯とりを行わないと判断されていない場合について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0092】
カランA又はシャワーBのレバー等を流水状態に切り換えることにより給湯が開始されて、給湯判断部100において、給湯が行われていると判断されると、第2混合弁制御部102は、第2混合弁52の制御を開始する(ステップS1)。具体的には、第2混合弁52で混合された温水の温度が、リモコン5により設定された給湯設定温度となるように、第2混合弁52の混合比率が調整される。なお、給湯前の時点では、第1混合弁51は、前回の給湯終了時の開度状態又は給水源S側全開状態となっており、第2混合弁52は、初期状態である接続配管43側全開状態又は前回の給湯終了時の開度状態となっている。
【0093】
第2混合弁制御部102によって第2混合弁52の開度が制御されることにより、給湯サーミスタ75により検知される温度T5が給湯設定温度に近づいていく。そして、給湯サーミスタ75により検知された温度T5が、給湯設定温度範囲内の温度になり(ステップS2:Yes)、第2混合弁制御部102において、第2混合弁52により混合された温水の温度が給湯設定温度になったとみなされると、第1混合弁制御部101は、第1混合弁51の目標温度制御を開始する(ステップS3)。具体的には、第1混合弁51で混合された温水の温度が目標温度となるように、第1混合弁51の混合比率が調整される。
【0094】
第1混合弁51の混合比率が調整されて、第1混合弁51により混合された温水の温度である温度T2が変化すると、それに応じて、第2混合弁52の混合比率も調整される。温度T2が目標温度範囲内の温度になると、第1混合弁51の開度が維持されて、温度T2が安定する。その後、この温度T2に基づいて調整される第2混合弁52の開度も安定し、第2混合弁52により混合された温水の温度である温度T5も安定する。
【0095】
カランA及びシャワーBのレバー等を止水状態に切り換えて給湯を終了し、給湯判断部100において、給湯が行われていないと判断されると、第1混合弁制御部101及び第2混合弁制御部102は、第1混合弁51及び第2混合弁52の制御をそれぞれ停止する。第1混合弁51は、給湯終了時の開度が、次の給湯時まで維持される。また、第2混合弁52は、給湯終了から所定時間が経過してから、初期化(接続配管43側全開状態に切換)されて、その開度が次の給湯時まで維持される。
【0096】
なお、給湯と同時に沸上運転を行っている場合、給湯中に、タンクサーミスタ21dにより検知された温度T2が上限温度Tmaxよりも高くなって、中間混合判断部103において、湯とりを行わないと判断される場合がある。この場合、第1混合弁51は、給水源S側全開状態に切り換えられ、目標温度制御は行われない。
【0097】
また、給湯又は風呂Cへの湯はりによって貯湯タンク20の残湯量が減少することにより、給湯中に、タンクサーミスタ21dにより検知された温度T2が下限温度Tminよりも低くなり、中間混合判断部103において、湯とりを行わないと判断される場合がある。この場合には、湯とりを行うと判断されているものの、第1混合弁51は、給水源S側全開状態に切り換えられない。
【0098】
(給湯開始前に湯とりを行わないと判断されている場合)
次に、給湯開始直前に、中間混合判断部103において、湯とりを行わないと判断されている場合について説明する。
【0099】
カランA又はシャワーBのレバー等を流水状態に切り換えることにより給湯が開始されて、給湯判断部100において、給湯が行われていると判断されると、第2混合弁制御部102は、第2混合弁52の制御を開始する。具体的には、第2混合弁52で混合された温水の温度が、リモコン5により設定された給湯設定温度となるように、第2混合弁52の混合比率が調整される。なお、給湯前の時点では、第1混合弁51は、給水源S側全開状態で維持されており、第2混合弁52は、初期状態である接続配管43側全開状態又は前回の給湯終了時の開度状態となっている。
【0100】
カランA及びシャワーBのレバー等を止水状態に切り換えて給湯を終了し、給湯判断部100において、給湯が行われていないと判断されると、第2混合弁制御部102は、第2混合弁52の制御を停止し、給湯終了から所定時間が経過してから、第2混合弁52の開度を初期化(接続配管43側全開状態に切換)する。
【0101】
なお、給湯前に、タンクサーミスタ21dにより検知された温度T2が下限温度Tmin以下であった場合、給湯と同時に沸上運転を行っていると、給湯中に、温度T2がTminよりも高くなる場合がある。また、給湯前に、温度T2が上限温度Tmax以上であった場合、給湯又は風呂Cへの湯はりによって貯湯タンク20の残湯量が減少して、給湯中に、温度T2がTmaxよりも低くなる場合がある。このような場合、中間混合判断部103において、中間流出配管42の温水の第1混合弁51の通過を許可すると判断されるものの、第1混合弁制御部101は、第1混合弁51を給水源S側全開状態で維持する。
【0102】
従って、給湯開始前に湯とりを行わないと判断されている場合には、給湯中の判断の内容に関わらず、第1混合弁51は給水源S側全開状態で維持される。
【0103】
なお、給湯前に湯とりを行うと判断されている場合であって、給湯中に、温度T2がTmax以上となり、第1混合弁51が給水源S側全開状態に切り換えられた後で、温度T2がTmax未満に低下して、湯とりを行うと判断された場合にも、上述した場合と同様に、第1混合弁51は給水源S側全開状態で維持される。
【0104】
[湯はり運転]
湯はり運転は、リモコン5の湯はりボタンが押下されることにより開始される。リモコン5からの湯はり開始信号を受けた制御部4は、湯はり電磁弁91を開弁状態に切り換える。すると、給水源Sの給水圧力により下部流入部20gから貯湯タンク20内に水が流入すると同時に、貯湯タンク20の上部流出部20cから熱交循環配管46及び接続配管47に高温の温水が流出する。この温水は、湯はり混合弁53において、給水源Sから供給された水と混合された後、湯はり配管48及び風呂循環配管49を経由して、風呂Cに供給される。このとき、湯はり混合弁53により混合された温水が、リモコン5により設定された風呂設定温度となるように、湯はり混合弁53の開度は、制御部4によって制御される。その後、湯はり流量センサ93の検知結果を基にして算出される風呂Cに供給された全水量が所定値に達したときに、湯はり運転は終了する。
【0105】
[追焚運転]
追焚運転は、リモコン5の追焚ボタンが押下されることにより開始される。リモコン5からの追焚開始信号を受信した制御部4は、熱交循環ポンプ82と風呂循環ポンプ96とを駆動する。すると、風呂Cから風呂循環配管49に流出した温水と、貯湯タンク20の上部流出部20cから熱交循環配管46に流出した高温の温水とが、追焚熱交換器81で熱交換される。風呂循環配管49を流れる温水は、熱交換により加熱されて風呂Cに流入する。熱交循環配管46を流れる温水は、熱交換により温度が低下した後、下部流入部20hから貯湯タンク20内に流入する。その後、風呂サーミスタ97で検知される温度が、リモコン5で設定された風呂設定温度となったときに、追焚運転は終了する。
【0106】
<本実施形態の給湯装置の特徴>
本実施形態の給湯装置1には、以下のような特徴がある。
【0107】
本実施形態の給湯装置1では、温度T2が上限温度Tmax以上又は下限温度Tmin以下の場合、中間混合判断部103において湯とりを行わないと判断されて、第1混合弁51は給水源S側全開状態に切り換えられる。したがって、カランA及びシャワーBに供給される温水の温度T5が変動するのを抑制することができる。
【0108】
また、温度T2が上限温度Tmax以上の場合に、第1混合弁51が給水源S側全開状態に切り換えられることにより、カランA又はシャワーBから急激に高温の温水が出湯するのを防止できる。
【0109】
また、温度T2が下限温度Tmin以下の場合、第1混合弁51が給水源S側全開状態に切り換えられることにより、第1混合弁51を通過する温水の温度T3が一定となる。そのため、第2混合弁52により混合された温水の温度T5が変動するのを抑制することができる。
【0110】
また、上述したように、第1混合弁51が中間流出部20dから流出した温水を通過させる状態でカランA及びシャワーBへの温水供給が行われているときに、温度T2が下限温度Tmin以下となり、中間混合判断部103において湯とりを行わないと判断されても、第1混合弁制御部101は、その温水供給が継続されている間は、第1混合弁51を給水源S側全開状態に切り換えない。
このように、給湯中に中間混合判断部101による判断が変化しても、第1混合弁51の開度を維持することにより、給湯途中に第1混合弁51の開度を変化させた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【0111】
また、上述したように、カランA及びシャワーBへの温水供給の開始前又は供給途中に、中間混合判断部103において湯とりを行うと判断されて、第1混合弁51が給水源S側全開状態とされた後、その温水供給中に、中間混合判断部103において湯とりを行うと判断されても、第1混合弁制御部101は、その温水供給が継続されている間は、第1混合弁51の開度を維持する。
このように、給湯中に中間流出部20dから流出する温水の温度が下限温度Tmin以下となって中間混合判断部101による判断が変化しても、第1混合弁51の開度を給水源S側全開状態に切り替えないことにより、給湯途中に第1混合弁51を給水源S側全開状態に切り換えた場合に生じる温度変動を防止することができる。
【0112】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0113】
例えば、上記実施形態では、中間混合判断部103は、温度T2が上限温度Tmax以上又は下限温度Tmin以下の場合に、湯とりを行わないと判断しているが、温度T2が上限温度Tmax以上の場合にのみ、湯とりを行わないと判断するようになっていもよい。逆に、温度T2が下限温度Tmin以下の場合にのみ、湯とりを行わないと判断するようになっていもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、中間混合判断部103において湯とりを行わないと判断された場合、第1混合弁制御部101は、第1混合弁51を給水源S側全開状態に切り換えているが、これに限定されるものではない。例えば、第1混合弁51の開度を、中間流出部20dから流出した温水の第1混合弁51の通過量が減少するように切り換えるようになっていてもよい。但し、この場合、第1混合弁制御部101は、カランA又はシャワーBへの給湯中にのみ、第1混合弁51の開度を、中間流出部20dから流出した温水の第1混合弁51の通過量が減少するように切り換えることが好ましい。また、上記実施形態のように、第1混合弁51を給水源S側全開状態に切り換えた場合、本変更形態に比べて、カランA及びシャワーBに供給される温水の温度が変動するのをより確実に抑制することができる。この点においては、上記実施形態の方が好ましい。
【0115】
以下、湯はり配管48と風呂循環配管49との接続部に用いられている継ぎ手部材140について説明する。継ぎ手部材140は、樹脂材料で形成されており、以下に説明する各部141〜146が一体に形成されている。図5及び図6に示すように、継ぎ手部材140は、第1筒状部141と、第2筒状部142と、接続部143と、第3筒状部144とで主に構成されている。第1及び第2筒状部141、142は互いに直交する方向にそれぞれ伸延しており、接続部143で接続されることで略L字の形状をなしている。第3筒状部144は、第2筒状部142の長手方向略中央部に接続されている。また、第3筒状部144は、第2筒状部142の長手方向と直交する方向に関して第1筒状部141とは反対側に配置されており、第1筒状部141の伸延方向と平行な方向に伸延している。
【0116】
第1筒状部141の接続部143に接続されている側とは反対側の端部を第1接続口141bとし、第2筒状部142の接続部143に接続されている側とは反対側の端部を第2接続口142bとし、第3筒状部144の第2筒状部142に接続されている側とは反対側の端部を第3接続口144bとする。継ぎ手部材140は、第1接続口141bが湯はり配管48に接続され、第2接続口142bが風呂循環配管49の追焚熱交換器81側に接続され、第3接続口144bが風呂循環配管49の風呂C側に接続されている。
【0117】
また、継ぎ手部材140は、給湯装置1に適用される際には、図5に示すように、第1筒状部141と第3筒状部144が上下に並び、第2筒状部142の伸延方向が略水平方向となるように配置される。
【0118】
継ぎ手部材140内には、図7に示すように、第1筒状部141、第2筒状部142、接続部143、及び第3筒状部144の内壁によってそれぞれ画定された第1孔部141a、第2孔部142a、角孔部143a、及び第3孔部144aが形成されている。角孔部143aは、第1孔部141aの延長上であり且つ第2孔部142aの延長上にある空間であり、第1孔部141aと第2孔部142aとを直角に交差しつつ連通させる。また、第3孔部144aは第2孔部142aに連通している。
【0119】
第1孔部141aの径L1と第2孔部142aの径L2とはほぼ同じである。また、第3孔部144aの径L3は、第2孔部142aの径L2よりも大きい。なお、本実施形態においては、第1筒状部141、第2筒状部142、第3筒状部144の厚みはほぼ同じである。従って、第1筒状部141の外径と第2筒状部142の外径とはほぼ同じであり、第3筒状部144の外径は、第2筒状部142の外径よりも大きい。一般に、金属製の配管をロウ付け等によって接続する場合には、接続する配管の外径が接続される配管の外径よりも小さくなければならない。本実施形態の継ぎ手部材140は樹脂製であるので、第2筒状部142に対して第2筒状部142の外径よりも大きな外径を有する第3筒状部144を接続することが可能となっている。
【0120】
また、図5に示すように、接続部143には、湯はりサーミスタ95を取り付けるための2つの筒状のサーミスタ取付部145、146が設けられている。サーミスタ95は、棒状であり、その長手方向略中央部に径の太いストッパ部95aが設けられている。サーミスタ取付部145は、クイックファスナ150によってサーミスタ95を取り付けるためのものであり、サーミスタ取付部146は、ネジ160によってサーミスタ95を取り付けるためのものである。サーミスタ95は、2つのサーミスタ取付部145、146のいずれにも取付可能であって、いずれか一方に取り付けられている。2つのサーミスタ取付部145、146のうち使用されないものは、封止されている。なお、図5及び図9では、継ぎ手部材140の説明のために、2つのサーミスタ取付部145、146の両方にサーミスタ95が取り付けられた状態を示している。
【0121】
サーミスタ取付部145は、接続部143における第2接続口142bと対向する部分から、第2筒状部142の伸延方向と平行な方向に突出するように設けられている。筒状のサーミスタ取付部145の内部空間は角孔部143aに連通している。また、図7に示すように、サーミスタ取付部145内には段差部145aが形成されており、段差部145aを境に接続部143側の内径は、接続部143側とは反対側の内径よりも小さくなっている。さらに、サーミスタ取付部145の端部には、フランジ145bが形成されている。
【0122】
サーミスタ取付部145にサーミスタ95を取り付ける際には、まずサーミスタ95をサーミスタ取付部145内に挿入し、サーミスタ95のストッパ部95aをサーミスタ取付部145内の段差部145aに当接させる。そして、図9(a)に示すように、サーミスタ取付部145及びサーミスタ95のサーミスタ取付部145の外に出ている部分に、クイックファスナ150に形成された略Ω形状の2つの嵌合部150a、150bをそれぞれ嵌合させる。すなわち、クイックファスナ150は、サーミスタ取付部145のフランジ145bを挟むように取り付けられる。
【0123】
サーミスタ取付部146は、接続部143から、第1筒状部141の伸延方向に平行な直線と第2筒状部142の伸延方向に平行な直線とを含む平面に直交する方向(図6(b)における紙面奥側から手前側に向かう方向)に突出するように設けられている。図8に示すように、サーミスタ取付部146には、角孔部143aに連通し且つサーミスタ95が挿入される取付孔部146aと、ネジ穴146bとが上下に並んで形成されている。また、取付孔部146aを画定する壁には段差部146cが形成されている。従って、取付孔部146aは、段差部146cを境に接続部143側の径が、接続部143側とは反対側の径よりも小さくなっている。
【0124】
サーミスタ取付部146にサーミスタ95を取り付ける際には、まずサーミスタ95を取付孔部146aに挿入し、サーミスタ95のストッパ部95aを段差部146cに当接させる。この状態で、サーミスタ95における取付孔部146aの外に出ている部分を、止め金161の孔161aに挿通させる。このとき、ネジ穴146bは、止め金161に形成された下方に開放したU字形状の切欠161bの縁により囲まれる。そして、図9(b)に示すように、ネジ160をネジ穴146bに螺合させる。
【0125】
このように、継ぎ手部材140は、異なる方法でサーミスタ95を取り付けることのできる2つのサーミスタ取付部145、146を備えているため、汎用性が高い。また、2つのサーミスタ取付部145、146のうちいずれか一方が破損した場合には、もう一方を代わりに使用することができる。
【0126】
湯はり運転時には、湯はり配管48から第1接続口141bを介して第1孔部141a内に温水が流入する。この温水は、角孔部143aを通って第2孔部142aへ流入した後、その一部は第2接続口142bを介して風呂循環配管49の追焚熱交換器81側に流入し、残りは第3孔部144aを介して第3接続口144bに流れ込んで、風呂循環配管49の風呂C側に流入する。角孔部143aにおいては、角孔部143aに流れ込んだ温水が接続部143の内壁にぶつかることによって乱流が生じる。従って、角孔部143aにおいて温水は掻き混ぜられる。
【0127】
なお、角孔部143aから第2孔部142aへと流れ込んだ温水の流れは、直線状に進んで第2接続口142bに向かう流れが主流となる。従って、従来の金属性の第3孔部144aの径L3が第2孔部142aの径L2以下である場合には、第3孔部144aへと流れ込む温水の流量を十分確保することができない。本実施形態においては、上述のように、第3孔部144aの径L3が第2孔部142aの径L2よりも大きいので、第3孔部144aに流れ込む温水の流量を十分に確保することができる。
【0128】
また、サーミスタ取付部145又はサーミスタ取付部146に取り付けられたサーミスタ95は、角孔部143aを流れる温水の温度を検知することができる。上述のように、角孔部143aにおいて温水は掻き混ぜられるので、第1孔部141aを流れる温水の温度に斑がある場合でも、サーミスタ95は正確な温水の温度を検知することができる。
【0129】
一方、追焚運転時には、風呂循環配管49において追焚熱交換器81を通過した温水が、第2接続口142bを介して第2孔部142a内に流れ込んだ後、第3孔部144aを介して風呂循環配管49の風呂C側に流入する。このとき、湯はり配管48に設けられた湯はり電磁弁91が閉じられているため、第2孔部142aに流入した温水は、第1孔部141aには流れない。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明を利用すれば、給湯端末に供給される温水の温度の変動を抑えることのできる給湯装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0131】
1 給湯装置
2 ヒートポンプユニット(加熱手段)
3 貯湯ユニット
4 制御部
20 貯湯タンク
20a、20b、20c 上部流出部
20d 中間流出部
20e 下部流出部
41 給水配管
42 中間流出配管
44 上部流出配管
51 第1混合弁
52 第2混合弁
100 給湯判断部
101 第1混合弁制御部(制御手段)
102 第2混合弁制御部(制御手段)
103 中間混合判断部(判断手段)
A カラン(給湯端末)
B シャワー(給湯端末)
C 風呂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段で加熱された温水を貯留する貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの上部から温水を流出する上部流出部と、
前記貯湯タンクの中間部から温水を流出する中間流出部と、
前記中間流出部から流出した温水と給水源から給水される水とを混合する第1混合弁と、
前記第1混合弁で混合された温水と前記上部流出部から流出した温水とを混合する第2混合弁と、
前記第2混合弁で混合された温水が供給される給湯端末と、
前記貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、前記中間流出部から流出した温水が前記第1混合弁を通過するのを許可するか否かを判断する判断手段と、
前記第1混合弁及び前記第2混合弁を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記給湯端末への温水供給中に、前記判断手段において、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断された場合、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過量を減少させるように前記第1混合弁を制御することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記給湯端末への温水供給の途中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断されて、前記制御手段によって前記第1混合弁が前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過量を減少させるように制御された後、その温水供給中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可すると判断されても、その温水供給が継続されている間は、前記第1混合弁の開度を維持することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の給湯装置。
【請求項5】
温水を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段で加熱された温水を貯留する貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの上部から温水を流出する上部流出部と、
前記貯湯タンクの中間部から温水を流出する中間流出部と、
前記中間流出部から流出した温水と給水源から給水される水とを混合する第1混合弁と、
前記第1混合弁で混合された温水と前記上部流出部から流出した温水とを混合する第2混合弁と、
前記第2混合弁で混合された温水が供給される給湯端末と、
前記貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、前記中間流出部から流出した温水が前記第1混合弁を通過するのを許可するか否かを判断する判断手段と、
前記第1混合弁及び前記第2混合弁を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記判断手段において、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断された場合、前記第1混合弁を前記給水源側全開状態とすることを特徴とする給湯装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の上限温度以上である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする請求項5に記載の給湯装置。
【請求項7】
前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の下限温度以下である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする請求項5又は6に記載の給湯装置。
【請求項8】
前記判断手段は、前記中間流出部から流出する温水の温度が所定の温度範囲外である場合に、前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断することを特徴とする請求項5に記載の給湯装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第1混合弁が前記中間流出部から流出した温水を通過させる状態で前記供給端末への温水供給が行われているときに、前記中間流出部から流出する温水の温度が前記下限温度以下、又は、前記所定の温度範囲よりも低い温度となり、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断されても、その温水供給が継続されている間は、前記第1混合弁を前記給水源側全開状態に切り換えないことを特徴とする請求項7又は8に記載の給湯装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記給湯端末への温水供給の開始前又は供給途中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可しないと判断されて、前記制御手段によって前記第1混合弁が前記給水源側全開状態とされた後、その温水供給中に、前記判断手段において前記中間流出部から流出した温水の前記第1混合弁の通過を許可すると判断されても、その温水供給が継続されている間は、前記第1混合弁の開度を維持することを特徴とする請求項5〜9の何れかに記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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