説明

給湯装置

【課題】給湯装置を設置する家庭の元水道圧が高い場合でも、水改質手段に流入する湯水の開閉動作を安定させることができるとともに、水改質成分が機器内に滞在することなく、確実に水改質成分を供給できる給湯装置を提供すること。
【解決手段】湯水を注湯する注湯回路26と、前記注湯回路26に配設した第一の電磁弁29と、前記注湯回路26からの湯水を分流させるように形成した並列分岐回路32と、前記並列分岐回路32に配設し、湯水に機能改質成分を添加する水改質手段30と、前記並列分岐回路32に配設した第二の電磁弁34とを備え、前記水改質手段30に湯水を通水する際には、前記第二の電磁弁34を開とした後に、前記第一の電磁弁29を開とすることを特徴とする給湯装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水改質を目的とした成分を所定量、給湯水に添加する機能を備えた給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置は、目的の成分を含む材料を湯水に添加する水改質手段を、湯沸かし部に水道水を供給する給水経路中、または湯沸かし部で沸いた湯を浴槽へ導く注湯回路中に配設し、給湯水中に、所定の目的の水改質成分を添加する方法が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は、特許文献1に記載された従来の給湯装置を示すものである。図9に示すように、水経路中に、水改質手段を組み込んで構成されている。本特許文献1において、水改質手段としては、添加成分を電極(亜鉛陽極1)とした電気分解方式を用い、注湯水が水改質手段を通過中に、電極1、2に通電し、電極1の一部を注湯水中に電気分解させることで、所定濃度の水改質成分を添加することができる。
【0004】
また、特許文献1以外の他の水改質手段としては、水改質成分を含有した無機化合物を、湯水と接触させて濃度拡散を利用して溶解する手段も用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−190882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、水改質成分は、給水経路または注湯回路の途中に配設されており、浴槽に注湯される湯水は、毎回水改質手段を通過することとなる。従って、水改質成分なしの湯水を得ることができない。
【0007】
そのため、給水経路または注湯回路には第一の電磁弁を設け、浴槽への湯水の開閉を制御するのが一般的であるが、水質改善手段として水改質成分を含有した無機化合物等を使用した場合、無機化合物が溶解し粒径が小さくなることにより、前記無機化合物が、機器外へ流出するのを防ぐ流出防止手段を通過して、機器外に排出されてしまう。
【0008】
また、前記無機化合物が機器外へ流出するのを防止するために、前記第一の電磁弁を閉弁すると、浴槽への湯水の供給が出来なくなってしまう不具合が生じる。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、給湯装置を設置する家庭の元水道圧が高い場合でも、水改質手段に流入する湯水の開閉動作を安定させることができるとともに、水改質成分が機器内に滞在することなく、確実に水改質成分を供給できる給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、湯水を注湯する注湯回路と、前記注湯回路に配設した第一の電磁弁と、前記注湯回路からの湯水を分流させるように形成した並列分岐回路と、前記並列分岐回路に配設し、湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、前記並列分岐回路に配設した第二の電磁弁とを備え、前記水改質手段に湯水を
通水する際には、前記第二の電磁弁を開とした後に、前記第一の電磁弁を開とすることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の給湯装置は、湯水を注湯する注湯回路と、前記注湯回路に配設した第一の電磁弁と、前記注湯回路からの湯水を分流させるように形成した並列分岐回路と、前記並列分岐回路に配設し、湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、前記並列分岐回路に配設した第二の電磁弁とを備え、前記水改質手段から前記注湯回路への湯水の供給を遮断する際には、前記第二の電磁弁を閉とした後に、前記第一の電磁弁を閉とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、給湯装置を設置する家庭の元水道圧が高い場合でも、水改質手段に流入する湯水の開閉動作を安定させることができるとともに、水改質成分が機器内に滞在することなく、確実に水改質成分を供給できる給湯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における給湯装置の構成図
【図2】同水改質手段の詳細図
【図3】同電気分解方式を用いた水改質手段の詳細図
【図4】同開弁時のバイパス電磁弁の詳細図
【図5】同閉弁時のバイパス電磁弁の詳細図
【図6】同注湯開始時の浴槽水注湯弁とバイパス電磁弁の動作チャート
【図7】同注湯終了時の浴槽水注湯弁とバイパス電磁弁の動作チャート
【図8】同他の水改質手段の詳細図
【図9】従来の給湯装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の発明は、湯水を注湯する注湯回路と、前記注湯回路に配設した第一の電磁弁と、前記注湯回路からの湯水を分流させるように形成した並列分岐回路と、前記並列分岐回路に配設し、湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、前記並列分岐回路に配設した第二の電磁弁とを備え、前記水改質手段に湯水を通水する際には、前記第二の電磁弁を開とした後に、前記第一の電磁弁を開とすることを特徴とするもので、給湯装置を設置する家庭の元水道圧が高い場合においても、水改質手段に流入する湯水を開閉するための第二の電磁弁を安定して開弁することが可能となる。
【0015】
第2の発明は、湯水を注湯する注湯回路と、前記注湯回路に配設した第一の電磁弁と、前記注湯回路からの湯水を分流させるように形成した並列分岐回路と、前記並列分岐回路に配設し、湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、前記並列分岐回路に配設した第二の電磁弁とを備え、前記水改質手段から前記注湯回路への湯水の供給を遮断する際には、前記第二の電磁弁を閉とした後に、前記第一の電磁弁を閉とすることを特徴とするもので、水改質成分が機器内に滞在することなく、浴槽等に十分な水改質成分を供給することができる。
【0016】
第3の発明は、第1および第2の発明の給湯装置において、開弁時の第二の電磁弁と第一の電磁弁の開弁時間差と、前記第二の電磁弁を開とした後に前記第一の電磁弁を開とするまでの時間と、前記第二の電磁弁を閉とした後に前記第一の電磁弁を閉とするまでの時間とは、異なる値であることを特徴とするもので、無駄に浴槽に湯水を供給することを防ぐことができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の
形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における給湯装置の構成図を示すものである。図2は、同実施の形態における水改質手段の詳細図を示すものである。
【0019】
図1において、圧縮機10、給湯熱交換器11、減圧手段12、蒸発器13を冷媒回路14で順に環状に接続してヒートポンプユニット15を構成している。貯湯ユニット16の貯湯タンク17には水が貯留されており、出湯回路18は貯湯タンク17、給湯水ポンプ19、給湯熱交換器11、貯湯タンク17を順に接続する回路である。
【0020】
浴槽水加熱回路20は、貯湯タンク17、風呂熱交換器21、浴槽水加熱ポンプ22、貯湯タンク17を順に接続する回路であり、風呂熱交換器21の他方の回路には浴槽23が接続されている。浴槽水循環回路24は、浴槽23、浴槽水を搬送する浴槽水ポンプ25、風呂熱交換器21を順に接続する回路である。
【0021】
浴槽水注湯回路26は、貯湯タンク17の水を、浴槽水循環回路24を経由して浴槽23へ注湯する回路である。この回路には貯湯タンク17の高温の水と水道水を混合する浴槽水混合弁27、注湯する水温を検知する温度検知手段28、浴槽水注湯回路26の回路の開閉を行い第一の電磁弁である浴槽水注湯弁29と、浴槽23に向かい順に設けられている。
【0022】
水改質手段30は、浴槽水注湯弁29の下流側の浴槽水注湯回路26内の途中に配設されている回路である。図2に示すように、水改質手段30は、浴槽水注湯回路内26の注湯回路の途中に2ヶ所の分岐部31を設け、両分岐部31を並列分岐回路32で接続し、並列分岐回路32の経路に水改質手段33を配置し、水改質手段33と上流の分岐部31の間には、第二の電磁弁であるバイパス電磁弁34が配置され、バイパス電磁弁34の開閉により水改質手段33への湯水の供給を開閉できるように構成されており、前述のように構成された水改質手段30は貯湯ユニット16の筐体内に納められている。
【0023】
また、水改質手段33にて水改質成分を添加された水は再び分岐部31を経て、浴槽水注湯回路26の湯水と合流し、水改質成分が添加された湯水が浴槽23に注湯される。
【0024】
なお、水改質手段33は、目的の水改質成分を水に溶解添加できる手段であればよく、図2に示すような、水改質成分を含有した無機化合物35の粒子を収納容器36内に充填し、無機化合物35の下流側にフィルター37を配設し、無機化合物35と湯水を直接接触させる溶解方式や、図3に示すような目的成分を電極1、2とし、電極1、2に電源部9から通電して、水に水改質成分を分解溶出させる電気分解方式を用いてもよいが、直接溶解方式の方が、コスト面、コンパクト性、可燃性ガス発生など安全性、消費電力量等の面でメリットが多く、本実施の形態では溶解方式を前提に説明する。
【0025】
ヒートポンプユニット15で貯湯タンク17に貯留された水を加熱する運転は、以下のような動作となる。貯湯タンク17の水は、給湯水ポンプ19によって給湯熱交換器11へ搬送され、ヒートポンプサイクル動作によって加熱される。給湯水ポンプ19は給湯熱交換器11で加熱された給湯水の温度が予め決定した温度になる様に、出湯回路18の流量を制御する。
【0026】
浴槽23への湯張り、並びに浴槽23に貯留されている水(浴槽水)の加熱は以下のような動作となる。浴槽水注湯回路26の浴槽水混合弁27は、温度検知手段28で検知する注湯温度がリモコン等(図示せず)で予め設定された温度となるように、高温の水と水
道水の混合割合を調整する。所定温度となった湯水は、浴槽水注湯回路26、浴槽水循環回路24を順に経由して浴槽23へ流出する。
【0027】
一方、浴槽23の浴槽水を加熱する場合は、貯湯タンク17に貯留された高温の水を、浴槽水加熱ポンプ22によって風呂熱交換器21へ搬送し、浴槽水ポンプ25より搬送された浴槽水を加熱する。風呂熱交換器21で浴槽水を加熱して温度が下がった給湯水は、貯湯タンク17の下部より内部へ流入する。
【0028】
図4にバイパス電磁弁34が閉弁した際の詳細図を示す。弁体38はプランジャー39に接続され、バネ40によって並列分岐回路32の流路を塞いでいる。分岐部31より分岐された湯水は弁体38まで供給されるが、弁体38によって並列分岐回路32が閉塞されているため、水改質手段33へは湯水は流れず、浴槽23には水改質成分は添加されない。
【0029】
図5にバイパス電磁弁が開弁した際の詳細図を示す。端子41より電圧が電磁コイル42に供給され電磁コイル42は励磁され、プランジャー39および弁体38をバネ40の圧縮力に抗して並列分岐回路32を開弁し、分岐部31より分岐された湯水を水改質手段33に供給する。
【0030】
以上のように構成された給湯装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0031】
利用者が浴槽23へ湯はりを行う場合は、リモコン等で湯はり動作の指示操作を行う。リモコン操作後、予め設定された温度に浴槽水混合弁27で調整された水が、浴槽水注湯弁29を閉から開に制御することにより、浴槽水注湯弁29から、浴槽水注湯回路26内に湯水が流入し、浴槽水注湯回路26に流れる湯水の一部が並列分岐回路32側に分流し、水改質手段33にて水改質成分を添加された水が再び分岐部31を経て、浴槽水注湯回路26の湯水と合流し、水改質成分が添加された湯水が浴槽23に注湯される。
【0032】
前記水改質手段33内においては、流入した湯水が収納容器36に充填された無機化合物35の粒子で形成された多孔質の空間を通過する。水には粘性があるため、多孔質の空間を通過する際に無機化合物35の表面から表面近傍の領域には速度境界層が生成される。無機化合物35は水に対して溶解性を持つため、無機化合物35の表面近傍の無機化合物35の表面分子は、表面近傍の水に溶解し、水の溶解濃度が上昇する。表面近傍の水は流速が小さいため、溶解濃度は高い値となる。
【0033】
これに対して流速の大きい多孔質空間の中心部の流れる水の溶解濃度は低い。このとき、水中に溶解する無機化合物の濃度差が生じた場合は、濃度差に応じて高い方から低い物質が移動する(フィックの法則)ため、表面近傍の水に溶解した無機化合物は濃度の低い中心の水に移動する。この物質拡散の原理を利用することで、無機化合物35を多孔質空間内の水に溶解させることができる。
【0034】
図4からもわかるようにバイパス電磁弁34が閉弁している状態で、浴槽水注湯弁29を開弁すると、分岐部31より水圧が弁体38に並列分岐回路32を閉塞する方向にかかる。したがって、水圧に抗して弁体38を開弁しようとすると、大きな磁力を発生させてブランジャー39を引き上げなければならず、電磁コイルの巻き数を多くするか、消費電力を上げないといけない。
【0035】
図6に浴槽23に湯水を供給する際の浴槽水注湯弁29とバイパス電磁弁34の動作チャート図を示す。この図6の動作チャート図をもとに開弁時の動作、作用を説明する。ユーザーが浴槽23へ湯張りを行っていない場合は弁体38には水圧がかかっておらず、バ
ネ40のみによって弁体38が並列分岐回路32を閉じる方向に力がかかっている。
【0036】
ここで、リモコン等によりユーザーが浴槽23への湯張りを開始した際に、バイパス電磁弁34を開けた後、ある一定時間aを経過後に浴槽水注湯弁29を開弁することにより、水圧が弁体38にかかる前に開弁することが可能である。よってバネ40の閉止力に抗するだけの磁力をプランジャー39に与えてあげればよく、少ない消費電力で開弁動作が可能である。バイパス電磁弁34が開弁すると、水改質手段33に湯水が供給され、浴槽23に水改質成分が添加される。
【0037】
図7に浴槽23への湯水の供給を停止する際の浴槽水注湯弁29とバイパス電磁弁34の動作チャート図を示す。この図6の動作チャート図をもとに閉弁時の動作、作用を説明する。ユーザーが浴槽23へ湯張りを停止した場合、浴槽水注湯弁29をバイパス電磁弁34の先もしくは同時に閉弁すると、水改質手段33を通過し、水改質成分が添加された湯水が浴槽水循環回路24に留まってしまい、浴槽23に十分な水改質成分を添加することができない。
【0038】
したがって、ユーザーが浴槽23へ湯張りを停止した場合、まずバイパス電磁弁34を閉弁した後、ある一定時間bを経過後に浴槽水注湯弁29を閉弁することにより、改質成分が添加されていない湯水が浴槽水注湯回路26を通り、浴槽水循環回路24に供給され、水改質成分が添加された湯水が浴槽23に十分供給される。
【0039】
以上のように本実施の形態においては、リモコン等によりユーザーが浴槽23への湯張りを開始した際に、バイパス電磁弁34を開けた後、ある一定時間aを経過後に浴槽水注湯弁29を開弁することにより、水圧が弁体38にかかる前に開弁することが可能であり、バネ40の閉止力に抗するだけの磁力をプランジャー39に与えてあげればよく、少ない消費電力での開弁動作が可能であり、バイパス電磁弁34の小型化および省電力化が可能となる。
【0040】
次に、ユーザーが浴槽23へ湯張りを停止した場合、まずバイパス電磁弁34を閉弁した後、ある一定時間bを経過後に浴槽水注湯弁29を閉弁することにより、水改質成分が添加された湯水が浴槽水循環回路24に滞留することなく浴槽23に供給されるため、水改質手段33としての無機化合物35の充填量を少なくすることが可能となり、それに伴い収納容器36も小さくすることが可能となり、水改質手段33をコンパクトに作ることができ、安いコストで水改質手段33の供給が可能となる。
【0041】
なお、無機化合物を亜鉛を含む亜鉛化合物(酸化亜鉛、炭酸亜鉛など)とした場合、以下の効果を得ることができる。亜鉛は比較的要求量の多いヒトの必須元素の一つであり、通常の食事からの供給では欠乏しやすく、栄養強化目的で、食品に添加される元素である。これに対しては、浴槽に亜鉛を溶解させた水を供給することで、入浴中に経皮吸収による栄養強化を行うことができる。
【0042】
また、亜鉛化合物の酸化亜鉛は、薬局方、化粧品原料基準で認可を受けている材料であり、主にヒトの肌の角層に対して収斂作用、消炎作用などの作用を与え、肌の角層の改善を行うこともできる。
【0043】
また、無機化合物15として用いることが出来る材料は酸化亜鉛以外に、亜鉛化合物として、酸化亜鉛(ZnO)、塩基性炭酸亜鉛(mZnCO・nZn(OH))、水酸化亜鉛(Zn(OH))、亜鉛置換型ゼオライト、亜鉛置換型キレート、亜鉛シリカゲル担持物、であり、これらを単一または組み合わせて用いることができる。また、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、鉄化合物(酸化鉄、水酸化鉄)、酸化銅、酸化ケイ素、
二酸化マンガン、水酸化コバルト、酸化チタン、塩化銀、硫酸バリウムを用いることができる。
【0044】
また、図8に同実施の形態における別の水改質手段30を示す。水改質手段30は、浴槽水注湯回路内26の注湯回路の途中に2ヶ所の分岐部31を設け、両分岐部31を並列分岐回路32で接続し、並列分岐回路32上に水改質手段33を配置し、水改質手段33と下流の分岐部31の間には、バイパス電磁弁34が配置され、バイパス電磁弁34の開閉により水改質手段33を通過した湯水を浴槽水注湯回路に供給をコントロールすることが可能な構成となっている。このようにバイパス電磁弁34を水改質手段33の下流に設置しても同様の作用・効果が得られる。
【0045】
図6に示した浴槽23に湯水を供給する際の浴槽水注湯弁29とバイパス電磁弁34の動作チャートにおける浴槽水注湯弁29とバイパス電磁弁34の開弁時間差aは、浴槽水注湯弁29が開弁してからバイパス電磁弁34に水圧がかかるまでの時間差であり、浴槽水注湯弁29からバイパス電磁弁34までの配管長および容積によって決まり、貯湯ユニット16固有の値であり、概ね1秒以下である。
【0046】
しかしながら、図7に示した浴槽23への湯水の供給を停止する際の浴槽水注湯弁29とバイパス電磁弁34の動作チャートにおける浴槽水注湯弁29とバイパス電磁弁34の閉弁時間差bは、水改質手段30から浴槽23の出口までの浴槽水循環回路24の配管長および容積によって決まり、貯湯ユニット16と浴槽23の位置関係により変動する。
【0047】
よって、浴槽水循環回路24の最大容積を考慮に入れると、前記開弁時間差aより前記閉弁時間差bを長くとる必要がある。ここで、開弁時間差aと閉弁時間差bとを同一の時間設定にすると、開弁時に必要以上にバイパス電磁弁34を開弁することになり、無駄な電力が消費されることとなる。したがって、前記開弁時間差aより前記閉弁時間差bとを異なる時間設定、すなわちa<bとすることにより、省エネルギーな水改質手段30を提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる給湯装置は無機化合物の水への添加をする際に省電力でコンパクトな電磁弁の開弁が可能となり、無機化合物の添加を停止するときは配管内に水改質成分が滞留することなく、水改質成分が浴槽に供給することができ、貯湯式給湯機の他、ガス熱源の給湯機にも利用できる。
【符号の説明】
【0049】
23 浴槽
24 浴槽水循環回路
26 浴槽水注湯回路
29 浴槽水注湯弁(第一の電磁弁)
30 水改質手段
31 分岐部
32 並列分岐回路
33 水改質手段
34 バイパス電磁弁(第二の電磁弁)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を注湯する注湯回路と、前記注湯回路に配設した第一の電磁弁と、前記注湯回路からの湯水を分流させるように形成した並列分岐回路と、前記並列分岐回路に配設し、湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、前記並列分岐回路に配設した第二の電磁弁とを備え、前記水改質手段に湯水を通水する際には、前記第二の電磁弁を開とした後に、前記第一の電磁弁を開とすることを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
湯水を注湯する注湯回路と、前記注湯回路に配設した第一の電磁弁と、前記注湯回路からの湯水を分流させるように形成した並列分岐回路と、前記並列分岐回路に配設し、湯水に機能改質成分を添加する水改質手段と、前記並列分岐回路に配設した第二の電磁弁とを備え、前記水改質手段から前記注湯回路への湯水の供給を遮断する際には、前記第二の電磁弁を閉とした後に、前記第一の電磁弁を閉とすることを特徴とする給湯装置。
【請求項3】
前記第二の電磁弁を開とした後に前記第一の電磁弁を開とするまでの時間と、前記第二の電磁弁を閉とした後に前記第一の電磁弁を閉とするまでの時間とは、異なる値であることを特徴とする請求項1または2に記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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