説明

給湯装置

【課題】使用状態を的確に判断して、効果的な省エネルギー制御を行う給湯装置を提供する。
【解決手段】需要箇所Pに設置された湯水利用設備Fに湯水を生成または追焚して供給する装置本体1と、操作指令を受付けるリモコン装置Rとを備え、リモコン装置Rの状態として、操作指令を受付ける第1状態と、操作指令の操作を待つ第2状態とを有する給湯装置1であって、需要箇所Pでの利用状態の変化を検知する使用状態検知手段と、検知される利用状態情報に基づいて、湯水利用設備Fが使用状態にあるか否かを判定する使用状態判定手段とを備え、湯水利用設備Fが使用状態にないと判定した場合に、第1状態もしくは第2状態から、第2状態よりさらに消費電力が小さい第3状態にリモコン装置Rを遷移させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需要箇所に設置された湯水利用設備に湯水を生成または追焚して供給する装置本体と、前記装置本体に対する操作指令を受付けるリモコン装置とを備え、
前記リモコン装置の状態として、前記操作指令を受付け、所定の電力を消費する第1状態と、前記操作指令の操作を待つ、前記所定の電力より消費電力が小さい第2状態とを有する給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の給湯装置の定格熱効率は、ガス給湯暖房機で給湯95%、暖房87%まで向上しており、ほぼ限界値まで向上している。従って、今後さらなる省エネルギー性の向上を図るためには、給湯装置が熱量を得るためのエネルギー効率の向上だけでなく、給湯装置のリモコン装置の画面表示のように、給湯装置自体が消費するエネルギーの抑制をも対象として、省エネルギーに努める必要がある。
【0003】
そこで、従来技術において、給湯停止後、所定時間無操作の状態が継続した場合にリモコン装置の表示を簡素化して、操作待機時のリモコン装置の消費電力を抑える省電力表示モードを備える給湯装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−295680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術に係る給湯装置の省電力表示モードは、リモコン装置の無操作時間の経過に基づいて発動される。即ち、上記従来技術では、所定時間リモコン装置が無操作の場合に、しばらくは給湯装置が使用されないと判断して、リモコン装置を省電力状態に遷移させる。
【0006】
しかし、上記従来技術において、給湯装置の不使用を判断するために待機した無操作時間自体、本来はリモコン装置を省電力状態としてよい状態であったとも考えられる。即ち、給湯装置の使用状態をより的確に判断できる方法があれば、より効果的な省エネルギー制御が可能である。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、使用状態を的確に判断して、効果的な省エネルギー制御を行う給湯装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る給湯装置は、
需要箇所に設置された湯水利用設備に湯水を生成または追焚して供給する装置本体と、前記装置本体に対する操作指令を受付けるリモコン装置とを備え、
前記リモコン装置の状態として、前記操作指令を受付け、所定の電力を消費する第1状態と、前記操作指令の操作を待つ、前記所定の電力より消費電力が小さい第2状態とを有する給湯装置であって、その第1特徴構成は、
前記需要箇所における前記湯水利用設備の利用に伴って発生する状態の変化を検知する使用状態検知手段と、
前記使用状態検知手段により検知される前記状態の変化に係る利用状態情報に基づいて、前記湯水利用設備が使用状態にあるか否かを判定する使用状態判定手段とを備え、
前記使用状態判定手段により前記湯水利用設備が使用状態にないと判定された場合に、前記第1状態もしくは前記第2状態から、前記第2状態よりさらに消費電力が小さい第3状態に前記リモコン装置を遷移させる第1遷移手段を備えた点にある。
【0009】
本特徴構成によれば、使用状態検知手段により、需要箇所における湯水利用設備の利用に伴って発生する状態の変化を検知し、使用状態検知手段により検知される利用状態情報に基づいて、使用状態判定手段により、湯水利用設備が使用状態にあるか否かを判定し、使用状態判定手段により湯水利用設備が使用状態にないと判定した場合には、第1遷移手段により、第1状態若しくは第2状態から、第2状態よりさらに消費電力が小さい第3状態に前記リモコン装置を遷移させる。
即ち、使用状態検知手段により、リモコン装置の無操作時間よりも的確に需要箇所における湯水利用設備の使用状態を判定できる状態の変化を、利用状態情報として検知する。そして、使用状態判定手段により、当該利用状態情報に基づいて湯水利用設備の使用状態を判断する。これにより、リモコン装置の無操作時間よりも的確に給湯装置の使用状態を判断することができる。
また、使用状態判定手段により前記湯水利用設備が使用状態にないと判定した場合には、操作指令受付状態であり、所定の電力を消費する第1状態と、第1状態より消費電力が小さい状態で操作指令の操作を待つ待機状態である第2状態とにあるリモコン装置を、第1遷移手段により、第2状態よりさらに消費電力が小さい第3状態に遷移させる。
即ち、操作指令を受け付ける使用状態では第1状態、操作指令の操作は途絶えたものの、操作される可能性があると考えられる待機状態では第2状態、湯水利用設備が使用状態になく、しばらくは操作される可能性が低いと考えられる不使用状態では第3状態と、使用状態に応じて3つの電力消費状態を使い分けることで、利用者の利便性を損なうことなく、効果的な省エネルギー制御を行う給湯装置を提供することができる。
以上のように、本特徴構成によれば、リモコン装置の無操作時間よりも的確に給湯装置の使用状態を判断した上で、当該使用状態の判断に基づいて、利用者の利便性を損なうことなく、効果的な省エネルギー制御を行う給湯装置を提供することができる。
【0010】
本発明に係る給湯装置の第2特徴構成は、前記第1特徴構成において、
前記使用状態検知手段が浴室に設置された浴槽の水位センサ及び前記浴室に設置された湯水利用設備に供給される湯水の量を計測する流量計であって、
前記使用状態判定手段が、前記流量計が前記浴室に設置された湯水利用設備への給湯を検知せず、かつ、前記水位センサが前記浴槽に所定の水位を検知しない場合に、前記湯水利用設備が使用状態にないと判定する点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、使用状態検知手段として、浴槽の水位を検知する水位センサと、浴室に設置された湯水利用設備(例えばシャワーや給湯栓)に供給される湯水の量を計測する流量計とを備える。そして、使用状態判定手段は、流量計が浴室に設置された湯水利用設備への給湯を検知せず、かつ、水位センサが浴槽に所定の水位を検知しない場合に、湯水利用設備が使用状態にないと判定する。なお、所定の水位としては、利用者が入浴には使用しない程度の水位を設定する。
即ち、浴室に設置された湯水利用設備の利用に関して、当該湯水利用設備の使用が終了し、流量計により給湯が検知されなくなった場合に、浴槽に所定の水位がないときは、当該湯水利用設備の使用は、その後再び当該湯水利用設備を使用する可能性のある入浴時における使用ではなく、当該湯水利用設備の使用のみを目的とする使用であったと判断し、湯水利用設備が使用状態にないと判定して、リモコン装置を第3状態に遷移する。
従って、本特徴構成によれば、浴室の湯水利用設備の典型的な使用態様に即して浴室の湯水利用設備の使用状態の判断を行い、リモコン装置の省エネルギー制御を行うことができる。
【0012】
本発明に係る給湯装置の第3特徴構成は、前記第1特徴構成において、
前記使用状態検知手段が床暖房機から湯水の供給を受ける床部材に掛かる荷重を検知する荷重検知手段であって、
前記使用状態判定手段が、前記荷重検知手段が前記床部材への所定の荷重を所定時間検知しない場合に、前記湯水利用設備が使用状態にないと判定する点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、使用状態検知手段として、床部材に掛かる荷重を検知する荷重検知手段を備える。そして、使用状態判定手段は、荷重検知手段が床部材への所定の荷重を所定時間検知しない場合に、湯水利用設備が使用状態にないと判定する。
ここで、所定の荷重には、床部材上に利用者がいる場合の荷重、即ち、床部材上に常時配置される家具等の荷重に利用者の荷重が加わった程度の荷重を設定する。これにより、所定の荷重が検知された場合は、床部材上に利用者がいると考えることができる。所定の荷重は、利用者により設定可能に構成する。
従って、床部材に掛かる所定の荷重を検知しない場合は、当該床部材上に利用者は不在と考えられる。そして、そのような状態が所定時間継続した場合は、利用者は床部材を離れたと考えられるため、湯水利用設備は使用状態にないと判定して、リモコン装置を第3状態に遷移する。
従って、本特徴構成によれば、床暖房機の典型的な使用態様に即して使用状態を判断し、リモコン装置の省エネルギー制御を行うことができる。
【0014】
本発明に係る給湯装置の第4特徴構成は、前記第1〜第3特徴構成の何れかにおいて、
前記使用状態検知手段が、前記湯水利用設備で利用される熱量又は電力量を測定するエネルギー量測定手段であり、
前記エネルギー量測定手段で測定される前記熱量又は前記電力量に基づいて前記湯水利用設備で利用する利用量を制限する制限条件を設定する制限条件設定手段を備え、
前記エネルギー量測定手段により測定される前記湯水利用設備のエネルギー利用量が前記制限条件設定手段により設定された前記制限条件を満たすときは、前記第1遷移手段が働く点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、使用状態検知手段として、湯水利用設備で利用される熱量又は電力量を測定するエネルギー量測定手段を備え、かつ、エネルギー量測定手段で測定されるエネルギー量に基づいて湯水利用設備で利用するエネルギー利用量を制限する制限条件を設定する制限条件設定手段を備える。そして、エネルギー量測定手段により測定される湯水利用設備のエネルギー利用量が制限条件設定手段により設定された制限条件を満たすときは、第1遷移手段により、リモコン装置を第3状態に遷移する。
即ち、利用者が湯水利用設備で利用したエネルギー利用量に基づいて、リモコン装置の状態を遷移させることが可能となる。そして、所定の制限条件(エネルギー利用量)に達した場合は、リモコン装置を第3状態に遷移させる。さらに、第3状態を不使用状態と設定し、リモコン装置を停止状態とすれば、湯水利用設備におけるエネルギー利用量が制限条件に達した場合に、湯水利用設備の利用を停止させることができる。
このように、本特徴構成によれば、湯水利用設備の使用状態だけでなく、湯水利用設備におけるエネルギー利用量に基づいて、リモコン装置の電力消費及び湯水利用設備の利用を抑制することができるため、より一層効果的に省エネルギー制御を行うことができる。
なお、上記の湯水利用設備におけるエネルギー利用量の測定(熱量又は電力量の測定)は、リモコン装置への通電時間のカウントで代用してもよい。
【0016】
本発明に係る給湯装置の第5特徴構成は、前記第2〜第4特徴構成において、
前記リモコン装置を前記第1状態から前記第2状態に遷移させる第2遷移手段を備え、
前記第1遷移手段に代えて前記第2遷移手段が働く点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、前記第2〜第4特徴構成において、使用状態判定手段により湯水利用設備が使用状態にないと判定された場合は、或いは、湯水利用設備で利用される熱量が所定の制限条件を満たす場合は、第2遷移手段により、リモコン装置を第1状態から第2状態に遷移させる。
即ち、使用状態判定手段により湯水利用設備が使用状態にないと判定された場合に、或いは、湯水利用設備で利用される熱量が所定の制限条件を満たす場合に、リモコン装置の状態を第3状態でなく第2状態に遷移させるため、利用者が操作指令の操作を行う場合の利便性を極端に損なうことがない範囲で省エネルギーを実現することができる。
【0018】
本発明に係る給湯装置の第6特徴構成は、前記第1〜第5特徴構成において、
前記第2状態が所定時間以上継続された場合に、前記リモコン装置を前記第2状態から前記第3状態に遷移させる第3遷移手段を備えた点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、前記第1〜第5特徴構成に加えて、待機状態である第2状態が所定時間以上継続された場合に、第3遷移手段によりリモコン装置を第2状態から第3状態に遷移させる。
即ち、使用状態判定手段により湯水利用設備が使用状態にないと判定された場合に第3状態に遷移させる第1特徴構成の省エネルギー制御に加えて、リモコン装置の無操作時間の経過に基づいて省電力状態への遷移させる従来の省エネルギー制御を、消費電力が最も小さい第3状態への遷移として行うため、少なくとも従来の省エネルギー制御と同等以上に効果的な省エネルギー制御を行うことができる。
【0020】
本発明に係る給湯装置の第6特徴構成は、前記第1〜第5特徴構成の何れかにおいて、前記第3状態において、前記リモコン装置が停止され、当該状態における消費電力が0か、或いは0ではないにしても極めて小さい消費電力である点にある。
【0021】
本特徴構成によれば、第3状態において、リモコン装置を停止し、当該状態における消費電力が0か、或いは0ではないにしても極めて小さい消費電力とするため、第3状態に遷移させることにより、リモコン装置の電源の切り忘れ等による無駄な電力消費を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る給湯装置を用いた給湯系統の概略構成図
【図2】本発明に係る給湯装置のリモコン装置の各状態における正面図
【図3】本発明に係る給湯装置の制御部のブロック図
【図4】本発明に係る給湯装置のリモコン装置の一般的な状態遷移の制御フロー図
【図5】浴室内リモコンの状態遷移の制御フロー図
【図6】床暖房リモコンの状態遷移の制御フロー図
【図7】リモコン装置の待機状態から不使用状態への状態遷移の制御フロー図
【図8】制限条件に基づくリモコン装置の状態遷移の制御フロー図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る給湯装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る給湯装置であるガス給湯暖房機1を用いた給湯系統の概略構成図である。図1に示されるように、ガス給湯暖房機1(本発明の「装置本体」に相当する)は、給水源2或いはタンク4から水或いは湯水を得て、また、ガス導管網3からガスを得て、湯水を生成又は追焚きして、需要箇所Pに設置された湯水利用設備Fに供給する。図1では、ガス管を二重線、水管を実線、ガス及び湯水の流れる方向を矢印で示している。
【0024】
図1に示すガス給湯暖房機1は、需要箇所Pとして、台所P1、浴室P2、部屋P3に湯水を供給する。湯水利用設備Fとして、台所P1には、カラン11が設置されている。浴室P2には、カラン12、シャワー13、浴槽14、浴室暖房乾燥機15が設置されている。部屋P3には、温水式床暖房機16が設置されている。
【0025】
需要箇所Pの夫々には、湯水利用設備Fで利用する湯水を制御するために、装置本体(ガス給湯暖房機1)に対する操作指令を受付けるリモコン装置Rが設置されている。
台所P1には、カラン11に供給される湯水を制御するための台所リモコン11Rが設置されている。浴室P2内には、カラン12、シャワー13に対する湯水の供給や、浴槽14への湯張り或いは追焚きを制御するための浴室内リモコン14Rが設置されている。浴室P2外の、浴室P2への入口近傍には、浴室暖房乾燥機15による浴室内の暖房運転や乾燥運転、換気運転等を制御するための浴室外リモコン15Rが設置されている。部屋P3には、温水式床暖房機16の暖房運転を制御するための床暖房リモコン16Rが設置されている。湯水利用設備Fの利用者は、これらのリモコン装置R(11R、14R、15R、16R)の操作を通じて、湯水利用設備Fが供給する湯水の温度や水量、暖房温度等を調整することができる。
【0026】
これらのリモコン装置Rにおいてガス給湯暖房機1に対する操作指令が受付られると、当該操作指令は制御信号としてガス給湯暖房機1の制御部Cに伝達され、制御部Cは、当該操作指令に基づいてガス給湯暖房機1の作動を制御する。図1では、制御信号の流れを破線で示している。
【0027】
〔給湯制御〕
制御部Cは、台所P1のカラン11、浴室P2のカラン12、シャワー13、浴槽14へのお湯張りのように、新たに湯水を生成して供給する湯水利用設備Fから湯水の供給指令を受けた場合(以下、このような指令に基づく運転を「給湯運転」とする)は、湯水利用設備Fの夫々に向かう配管に設けられた給湯サーミスタ11T、12T、13T、14Ta及び流量計11F、12F、13F、14Faの計測値に基づいて水量調整弁21及び給湯加熱部H1の作動を制御することで、また、湯水利用設備Fの夫々に向かう湯水の流量を調整する流量調整弁11V、12V、13V、14Vaの作動を制御することで、リモコン装置Rで指令された温度及び水量に基づいて湯水利用設備Fに湯水を供給する給湯運転を行う。
【0028】
簡単に説明すると、制御部Cは、水量調整弁21を制御して、給水源2から供給される低温水の一部を熱交換器22で加熱して高温水とし、熱交換器22を通過させない低温水と適宜混合させることで、指令された温度及び水量の湯水を生成する。
給湯加熱部H1は、熱交換器22、給湯バーナ23、ガス供給調整弁24、送風ファン25で構成される。制御部Cは、ガス供給調整弁24及び送風ファン25の作動を制御して、給湯バーナ23へのガス及び燃焼空気の供給量を調整することで熱交換器22が通過する水に与える熱量を調整し、給湯加熱部H1で生成される高温水の温度を調整する。そして、湯水利用設備Fの夫々に向かう配管に設けられた給湯サーミスタ11T、12T、13T、14Ta、22T及び流量計11F、12F、13F、14Fa、22Fの計測値に基づいて水量調整弁21を制御して、熱交換器22を通過させて得る高温水と熱交換器を通過させない低温水の混合比率及び水量を調整することで、指令された温度及び水量の湯水を生成する。
【0029】
〔暖房制御〕
また、制御部Cは、浴槽14の追焚き、浴室暖房乾燥機15、温水式床暖房機16のように、湯水を熱媒として循環させて供給する湯水利用設備Fから湯水の供給指令を受けた場合(以下、このような指令に基づく運転を「暖房運転」とする)は、湯水利用設備Fの夫々に向かう配管に設けられた暖房サーミスタ14Tb、15T、16T及び流量計14Fb、15F、16Fの計測値に基づいて循環ポンプ32aP、32bP、水量調整弁14Vb、15V、16V、暖房加熱部H2の作動を制御することで、リモコン装置Rで指令された温度及び強度に基づいて湯水利用設備Fに湯水を供給する暖房運転を行う。
【0030】
簡単に説明すると、制御部Cは、タンク4や浴槽14から循環される湯水を熱交換器32a、32bで加熱して高温の湯水を得ることで、指令された温度及び強度で暖房運転を行う。
暖房加熱部H2は、熱交換器32a、32b、給湯バーナ33、ガス供給調整弁34、送風ファン35で構成される。制御部Cは、ガス供給調整弁34及び送風ファン35の作動を制御して、給湯バーナ33へのガス及び燃焼空気の供給量を調整することで熱交換器32a、32bが通過する湯水に与える熱量を調整し、暖房加熱部H2で生成される高温の湯水の温度を調整する。そして、暖房サーミスタ14Tb、15T、16T、32aT、32bT及び流量計14Fb、15F、16F、32aF、32bFの計測値に基づいて循環ポンプ32aP、32bPの作動を制御して、熱交換器32a、32bを通流させて得る湯水の温度及び水量を調整することで、指令された温度及び強度で暖房運転を行う。
【0031】
〔リモコン装置の状態〕
以下では、図2に基づいて、浴室内リモコン14Rの各状態について説明する。なお、以下では、リモコン装置Rの代表として、浴室内リモコン14Rの各状態について説明するが、他のリモコン装置(台所リモコン11R、浴室外リモコン15R、床暖房リモコン16R)も同様の状態を有し、同様に作動する。
【0032】
図2は、ガス給湯暖房機1の浴室内リモコン14Rの各状態における正面図である。浴室内リモコン14Rは、図2に示すように、(a)操作指令を受付け、所定の電力を消費する使用状態St1(本発明の「第1状態」の一例)と、(b)操作指令の操作を待つ、所定の電力より消費電力が小さい待機状態St2(本発明の「第2状態」の一例)と、(c)待機状態St2よりさらに消費電力が小さい不使用状態St3(本発明の「第3状態」の一例)の3つの状態を遷移する。
【0033】
図2(a)は、使用状態St1であって、節電モードで追焚運転している浴室内リモコン14Rを示している。浴室内リモコン14Rの表示部41は、液晶ディスプレイで構成され、消費電力の大小により、表示画面の輝度を調整可能に構成されている。
使用状態St1では、表示部41には、現在時刻や運転状態、貯湯状態及び給湯状態等の情報を、利用者に見やすいように、はっきりした輝度で表示する。また、使用状態St1では、操作指令を入力する操作部42に配置された各ボタンは背後からバックライトの3色LEDで点灯され、各ボタンを認識しやすいように構成されている。加えて、現在使用中の機能に関するボタンには、稼動ランプ43が点灯するとともに、バックライトの3色LEDにより、特に明るく、緑色に点灯するように構成されている。
【0034】
図2(b)は、待機状態St2となり、節電モードの浴室内リモコン14Rを示している。待機状態St2では、リモコン装置Rの表示部41は、情報表示を限定するとともに液晶ディスプレイの輝度を下げる。また、操作部42の各ボタンの3色LEDによる背後からの点灯も停止され、節電ボタン及び節電ボタンの稼動ランプ43だけが使用状態St1よりも輝度を落とした状態で、橙色に点灯するように構成されている。これにより、待機状態St2は、使用状態St1に比べて消費電力が小さい状態となっている。
【0035】
図2(c)は、不使用状態St3となった浴室内リモコン14Rを示している。不使用状態St3では、液晶ディスプレイからなる表示部41の全ての情報表示及び操作部42に配置された全てのボタン及び稼動ランプ43の3色LEDによる背後からの点灯が停止される。即ち、停止状態では、リモコン装置Rが停止され、当該状態における消費電力が0か、或いは0ではないにしても極めて小さい消費電力となっており、不使用状態St3は、待機状態St2よりさらに消費電力が小さい状態となっている。
【0036】
図2に示すように、リモコン装置Rの状態は、後述する第1遷移手段により、使用状態St1もしくは待機状態St2から、待機状態St2よりさらに消費電力が小さい不使用状態St3に遷移される。また、第2遷移手段により、使用状態St1から待機状態St2に遷移される。さらに、第3遷移手段により、待機状態St2から不使用状態St3に遷移される。
【0037】
〔リモコン装置の状態遷移の制御ブロック図〕
図3は、ガス給湯暖房機1の制御部Cのブロック図である。以下では、図3に基づいて、リモコン装置Rの状態遷移を制御する制御部Cの構成を説明する。
図3に示すように、ガス給湯暖房機1は、制御部Cに、需要箇所Pにおける湯水利用設備Fの利用に伴って発生する状態の変化を検知する使用状態検知手段51と、使用状態検知手段51により検知される利用状態情報に基づいて湯水利用設備Fが使用状態にあるか否かを判定する使用状態判定手段52とを備えている。そして、使用状態判定手段52により湯水利用設備Fが使用状態にないと判定された場合は、リモコン状態遷移手段60によりリモコン装置Rの状態を遷移させる。
【0038】
制御部Cは、リモコン状態遷移手段60として、リモコン装置Rを、使用状態St1もしくは待機状態St2から、待機状態St2よりさらに消費電力が小さい不使用状態St3に遷移させる第1遷移手段61を備えている。また、使用状態St1から待機状態St2に遷移させる第2遷移手段62を備えている。さらに、待機状態St2から不使用状態St3に遷移させる第3遷移手段63を備えている。
【0039】
〔リモコン装置の状態遷移の制御〕
図4は、リモコン装置Rの一般的な状態遷移の制御フロー図である。以下では、図4に基づいて、リモコン装置Rの一般的な状態遷移の制御を説明する。
図1に示したように、ガス給湯暖房機1では、湯水利用設備Fの夫々に、湯水利用設備Fの使用状態を計測する計測系Sが設置されている。計測系Sは、湯水利用設備Fの使用状態を示す利用状態情報を計測し、計測した利用状態情報を、ガス給湯暖房機1の制御部Cに伝達する。
図3に示したように、制御部Cは、湯水利用設備Fに設けられた計測系Sから伝達された利用状態情報に基づいて需要箇所Pにおける湯水利用設備Fの利用に伴って発生する状態の変化を検知する使用状態検知手段51を備えている。
使用状態検知手段51は、計測系Sから利用状態情報を受信すると、湯水利用設備Fの使用状態を検知する(#10)。
【0040】
使用状態判定手段52は、使用状態検知手段51で検知された利用状態情報や時間情報等に基づいて、湯水利用設備Fの使用状態を判定するタイミングかどうかを判断する(#21)。そして、使用状態を判定するタイミングの場合は、使用状態を判定する(#21:Yes→#22)。
【0041】
そして、使用状態判定手段52により、湯水利用設備Fが使用状態にないと判定された場合は、リモコン状態遷移手段60により、リモコン装置Rの状態を遷移させる(#23:Yes→#30)。
【0042】
一方、上記の制御において、使用状態を判定するタイミングではない場合(#21:No)や、湯水利用設備Fが使用状態と判定された場合(#23:No)は、リモコン装置Rの状態を遷移させず、湯水利用設備Fの使用状態の検知を継続する(#10)。
【0043】
〔浴室内リモコン装置〕
以下では、上記で説明した図4のリモコン装置Rの一般的な状態遷移の制御を、具体的な湯水利用設備Fのリモコン装置Rに適用した例を説明する。図5は、浴室内リモコン14Rの状態遷移の制御フロー図である。以下では、図5に基づいて、浴室内リモコン14Rの状態遷移の制御を説明する。
【0044】
図4のリモコン装置Rの状態遷移の制御を浴室内リモコン14Rに適用する場合、図1に示すように、浴室P2の浴槽14に水位センサ14Hを設置し、使用状態検知手段51を、水位センサ14H及び前記浴室P2に設置された湯水利用設備F(カラン12、シャワー13、浴槽14)に供給される湯水の量を計測する流量計12F、13F、14Fとする。そして、使用状態判定手段52が、流量計が浴室P2に設置された湯水利用設備F(カラン12、シャワー13、浴槽14)への給湯を検知せず、かつ、水位センサ14Hが浴槽14に所定の水位を検知しない場合に、浴室P2の湯水利用設備Fが使用状態にないと判定して、リモコン状態遷移手段60により、浴室内リモコン14Rの状態を遷移させる。
【0045】
即ち、図5に示すように、浴室内リモコン14Rの状態遷移の制御では、使用状態検知手段51は、流量計12F、13F、14Fで計測される湯水供給量(利用状態情報の一例)および水位センサ14Hで計測される水位(利用状態情報の一例)に基づいて、浴室P2の湯水利用設備Fの使用状態を検知する(#10A)。
【0046】
使用状態判定手段52は、流量計12F、13F、14Fで計測される湯水供給量が所定値以下の場合は、浴室P2に設置された湯水利用設備F(カラン12、シャワー13、浴槽14)への給湯が全て停止していると判断する。そして、使用状態の判定タイミングであると判断して、浴室P2の湯水利用設備Fが使用状態かどうかの判定を行う(#21A:Yes)。
【0047】
浴室P2の湯水利用設備Fが使用状態かどうかの判定は、水位センサ14Hで計測される水位に基づいて行う(#22A)。即ち、水位センサ14Hが計測する浴槽14の水位が所定値より低い場合は、利用者は入浴中ではないと判断し、浴室P2の湯水利用設備F(カラン12、シャワー13、浴槽14)は使用状態にないと判断する(#22A:No)。
【0048】
そして、浴室P2の湯水利用設備Fが使用状態にないと判断した場合は、制御部Cは、第1遷移手段61により、浴室内リモコン14Rの状態を、使用状態St1或いは待機状態St2から、不使用状態St3に遷移させる(#30A)。
【0049】
一方、流量計12F、13F、14Fで計測される湯水供給量が所定値より大きい(#21A:No)か、或いは、水位センサ14Hで計測される浴槽14の水位が所定値より大きい場合(#22A:Yes)は、使用状態判定手段52は、利用者が入浴中であり、浴室P2の湯水利用設備Fは待機状態(潜在的に使用する可能性のある状態)と判断して、浴室P2の湯水利用設備Fの使用状態の検知を継続する(#10A)。
【0050】
〔床暖房リモコン装置〕
図6は床暖房リモコンの状態遷移の制御フロー図である。以下では、図6に基づいて、床暖房リモコン16Rの状態遷移の制御を説明する。
【0051】
リモコン装置Rの状態遷移の制御を床暖房リモコン16Rに適用する場合、図1に示すように、部屋P3の温水式床暖房機16に、床部材に掛かる荷重を検知する荷重センサ16Wを設置し(本発明の「荷重検知手段」の一例)、使用状態検知手段51を荷重センサ16Wとする。そして、使用状態判定手段52は、荷重センサ16Wが所定の荷重を所定時間検知しない場合は、利用者は床部材上に不在であり、部屋P3の湯水利用設備Fが使用状態にないと判定して、リモコン状態遷移手段60により、床暖房リモコン16Rの状態を遷移させる。
【0052】
即ち、図6に示すように、床暖房リモコン16Rの状態遷移の制御では、使用状態検知手段51は、荷重センサ16Wで計測される荷重(利用状態情報の一例)に基づいて、温水式床暖房機16の使用状態を検知する(#10B)。
【0053】
使用状態判定手段52は、荷重センサ16Wで計測される荷重が所定値未満の場合は、使用状態の判定タイミングであると判断し、温水式床暖房機16が使用状態かどうかを判定する(#21B:Yes)。
【0054】
温水式床暖房機16が使用状態かどうかの判定は、荷重センサ16Wと図示しないタイマに基づいて行う(#22B)。即ち、所定時間以上、荷重センサ16Wで計測される荷重が所定値未満の場合は、利用者は不在であり、温水式床暖房機16は使用状態にないと判断する(#22B:Yes)。
【0055】
温水式床暖房機16が使用状態にないと判断した場合は、第1遷移手段61により、床暖房リモコン16Rの状態を、使用状態St1或いは待機状態St2から、不使用状態St3に遷移させる(#30B)。
【0056】
一方、荷重センサ16Wで計測される荷重が所定値以上の場合(#21B:No)や、荷重センサ16Wで計測される荷重が所定値未満だが所定時間が経過していない場合(#22B:No)は、使用状態判定手段52は、温水式床暖房機16を待機状態(潜在的に使用する可能性のある状態)と判断し、温水式床暖房機16の使用状態の検知を継続する(#10B)。
【0057】
〔リモコン装置〕
図7は、リモコン装置Rの待機状態St2から不使用状態St3への状態遷移の制御フロー図である。以下では、図7に基づいて、リモコン装置Rの待機状態St2から不使用状態St3への自発的な状態遷移の制御を説明する。
【0058】
リモコン装置Rの状態遷移の制御を、リモコン装置Rの待機状態St2から不使用状態St3への自発的な状態遷移に適用する場合、図1に示すように、リモコン装置Rの夫々にリモコン装置Rの状態を検知するリモコン装置状態検知手段RSを設置し、使用状態検知手段51をリモコン装置状態検知手段RSとする。そして、使用状態判定手段52は、待機状態St2が所定時間以上継続された場合は、リモコン装置Rが使用状態にないと判定して、第3遷移手段63により、リモコン装置Rを待機状態St2から不使用状態St3に遷移させる。
【0059】
即ち、図7に示すように、リモコン装置Rの待機状態St2から不使用状態St3への自発的な状態遷移の制御では、使用状態検知手段51は、リモコン装置状態検知手段RSで検知されるリモコン装置Rの状態に基づいて、リモコン装置Rの使用状態を検知する(#10C)。
【0060】
使用状態判定手段52は、リモコン装置状態検知手段RSでリモコン装置Rの状態を検知する。そして、リモコン装置Rが待機状態St2の場合は、使用状態の判定タイミングであると判断し、リモコン装置Rが使用状態かどうかの判定を行う(#21C:Yes)。
【0061】
リモコン装置Rが使用状態かどうかの判定は、リモコン装置状態検知手段RSと図示しないタイマに基づいて行う(#22C)。即ち、リモコン装置状態検知手段RSで検知されるリモコン装置Rの状態が、所定時間以上、待機状態St2の場合は、利用者はもはやリモコンを操作する状態でなく、リモコン装置Rは使用状態にないと判断する(#22C:Yes)。
【0062】
そして、リモコン装置Rが使用状態にないと判断した場合は、第3遷移手段63により、リモコン装置Rを、待機状態St2から不使用状態St3に遷移させる(#30C)。
【0063】
一方、リモコン装置Rが待機状態St2でない場合(#21C:No)や、リモコン装置Rが待機状態St2だが所定時間が経過していない場合(#22C:No)は、使用状態判定手段52は、リモコン装置Rを待機状態(潜在的に使用する可能性のある状態)と判断して、リモコン装置Rの使用状態の検知を継続する(#10C)。
【0064】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態について説明する。
【0065】
(1)上記実施形態では、リモコン装置R(実施形態では浴室内リモコン14R)について、表示部41を液晶ディスプレイで構成するとともに、操作部42の各ボタンを3色LEDで背後から点灯する構成を例示したが、当該構成は例示に過ぎず、消費電力を調整可能な他の方式や手段で構成してもよい。また、表示部41に表示する情報や操作部42に配置するボタンの機能や形状及び配置は、適宜変更が可能である。さらに、操作部42をボタンでなく、タッチパネル等の他の手段で構成してもよい。
【0066】
(2)上記実施形態では、リモコン装置R(実施形態では浴室内リモコン14R)の待機状態St2について、液晶ディスプレイからなる表示部41の表示情報を限定するとともに輝度を下げ、また、操作部42の各ボタンの3色LEDによる背後からの点灯を制限することで使用状態St1に比べて消費電力を小さくする構成を例示したが、当該構成は例示に過ぎない。液晶ディスプレイにおける表示情報の限定或いは輝度の低下或いは3色LEDの点灯の制限のいずれか1つ以上により、或いは他の方法により、使用状態St1に比べて消費電力を小さくする構成としてもよい。
【0067】
(3)上記実施形態では、リモコン装置Rの状態遷移を制御するリモコン状態遷移手段60をガス給湯暖房機1の制御部Cに配置する構成を例示したが、当該構成は例示に過ぎず、適宜改変が可能である。例えば、リモコン状態遷移手段60をリモコン装置Rの夫々に配置する構成としてもよい。
【0068】
(4)上記実施形態では、浴室内リモコン14Rの状態遷移の制御として、水位センサ14Hで計測される浴槽14の水位が所定値以上の場合は利用者が入浴中と判断し、浴室内リモコン14Rの状態を遷移させることなく浴室P2の湯水利用設備Fの使用状態の検知を継続する制御を例示したが(#22A:Yes→#10)、当該時点において浴室P2の湯水利用設備F(カラン12、シャワー13、浴槽14)への給湯が検知されておらず、待機状態(潜在的に使用する可能性のある状態)と考えられることから(#21A:Yes)、第2遷移手段62により、浴室内リモコン14Rの状態を待機状態St2に遷移させるように構成してもよい。
【0069】
(5)上記実施形態では、床暖房リモコン16Rの状態遷移の制御として、荷重センサ16Wで計測される荷重が所定値未満だが所定時間が経過していない場合は、温水式床暖房機16の使用状態の検知を継続する制御を例示したが(#22B:No→#10)、当該時点において所定の荷重が検知されておらず、床部材上に利用者は不在と考えられることから(#21B:Yes)、第2遷移手段62により、床暖房リモコン16Rの状態を待機状態St2に遷移させるように構成してもよい。
【0070】
(6)上記実施形態では、湯水利用設備Fやリモコン装置Rの使用状態に基づいてリモコン装置Rの状態を遷移させる制御を例示したが、使用状態に基づく他、熱量に基づいて前記湯水利用設備で利用する利用量を制限する制限条件を設定可能に構成し、湯水利用設備Fで利用した熱量に基づいてリモコン装置Rの状態を遷移させるように構成してもよい。
即ち、計測系Sを湯水利用設備Fで利用される熱量を測定する熱量測定手段とし、図3に示すように、制御部Cに、熱量測定手段で測定される熱量に基づいて湯水利用設備Fで利用する利用量を制限する制限条件を設定する制限条件設定手段71と、熱量測定手段により測定される湯水利用設備Fの熱利用量が制限条件設定手段71により設定された制限条件を満たすかどうかを判定する制限条件判定手段72とを備える。
そして、図8に示すように、予め、制限条件設定手段71で制限条件を設定し(#01D)、熱量測定手段により湯水利用設備Fで利用される熱量を測定し(#10D)、制限条件判定手段72により、熱量測定手段により測定される湯水利用設備Fの熱利用量が、制限条件設定手段71により設定された制限条件を満たすかどうかを判定する(#22D)。そして、制限条件を満たす場合には、リモコン状態遷移手段60によりリモコン装置Rの状態を遷移させるように構成してもよい(#23D:Yes→#30D)。
なお、上記では湯水利用設備Fにおける熱量の測定に基づいてリモコン装置Rの状態を遷移させる構成を例示したが、当該構成は例示に過ぎず、リモコン装置Rの状態遷移は、他のエネルギー量の測定に基づくものであってもよい。例えば、熱量の測定に代えて電力量の測定に基づくものでもよく、また、これらのエネルギー量の測定を、リモコン装置への通電時間のカウントで代用してもよい。
図3に示すように、この場合、例えばリモコン装置Rを制限条件設定手段71に制限条件を入力するための手段として構成することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 ガス給湯暖房機(装置本体、給湯装置)
14 浴槽
14H 水位センサ
16 温水式床暖房機(床暖房機)
16R 床暖房リモコン
16W 荷重センサ(荷重検知手段)
51 使用状態検知手段
52 使用状態判定手段
61 第1遷移手段
62 第2遷移手段
63 第3遷移手段
71 制限条件設定手段
F 湯水利用設備
P 需要箇所
P2 浴室
R リモコン装置
S 計測系(熱量測定手段)
St1 使用状態(第1状態)
St2 待機状態(第2状態)
St3 不使用状態(第3状態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要箇所に設置された湯水利用設備に湯水を生成または追焚して供給する装置本体と、前記装置本体に対する操作指令を受付けるリモコン装置とを備え、
前記リモコン装置の状態として、前記操作指令を受付け、所定の電力を消費する第1状態と、前記操作指令の操作を待つ、前記所定の電力より消費電力が小さい第2状態とを有する給湯装置であって、
前記需要箇所における前記湯水利用設備の利用に伴って発生する状態の変化を検知する使用状態検知手段と、
前記使用状態検知手段により検知される前記状態の変化に係る利用状態情報に基づいて、前記湯水利用設備が使用状態にあるか否かを判定する使用状態判定手段とを備え、
前記使用状態判定手段により前記湯水利用設備が使用状態にないと判定された場合に、前記第1状態もしくは前記第2状態から、前記第2状態よりさらに消費電力が小さい第3状態に前記リモコン装置を遷移させる第1遷移手段を備えた給湯装置。
【請求項2】
前記使用状態検知手段が浴室に設置された浴槽の水位センサ及び前記浴室に設置された湯水利用設備に供給される湯水の量を計測する流量計であって、
前記使用状態判定手段が、前記流量計が前記浴室に設置された湯水利用設備への給湯を検知せず、かつ、前記水位センサが前記浴槽に所定の水位を検知しない場合に、前記湯水利用設備が使用状態にないと判定する請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
前記使用状態検知手段が床暖房機から湯水の供給を受ける床部材に掛かる荷重を検知する荷重検知手段であって、
前記使用状態判定手段が、前記荷重検知手段が前記床部材への所定の荷重を所定時間検知しない場合に、前記湯水利用設備が使用状態にないと判定する請求項1記載の給湯装置。
【請求項4】
前記使用状態検知手段が、前記湯水利用設備で利用される熱量又は電力量を測定するエネルギー量測定手段であり、
前記エネルギー量測定手段で測定される前記熱量又は前記電力量に基づいて前記湯水利用設備で利用する利用量を制限する制限条件を設定する制限条件設定手段を備え、
前記エネルギー量測定手段により測定される前記湯水利用設備のエネルギー利用量が前記制限条件設定手段により設定された前記制限条件を満たすときは、前記第1遷移手段が働く請求項1〜3のいずれか一項記載の給湯装置。
【請求項5】
前記リモコン装置を前記第1状態から前記第2状態に遷移させる第2遷移手段を備え、
前記第1遷移手段に代えて前記第2遷移手段が働く請求項2〜4のいずれか一項記載の給湯装置。
【請求項6】
前記第2状態が所定時間以上継続された場合に、前記リモコン装置を前記第2状態から前記第3状態に遷移させる第3遷移手段を備えた請求項1〜5のいずれか一項記載の給湯装置。
【請求項7】
前記第3状態において、前記リモコン装置が停止され、当該状態における消費電力が0か、或いは0ではないにしても極めて小さい消費電力である請求項1〜6の何れか一項記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−207848(P2012−207848A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73632(P2011−73632)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】