説明

給湯装置

【課題】高温水側配管の高温水の温度を逆止弁内部の対流の影響を受けずに正確に検知可能な給湯装置を提供すること、設計上の自由度を向上させると共に製造コストを低減可能な給湯装置を提供すること。
【解決手段】水と高温水から混合調温された湯水を排出する混合手段10を有する給湯装置1において、混合手段10に接続される高温水側配管5aのL字型部30の立ち上管部30cに温度検知手段31が設けられ、この温度検知手段31は、混合手段10の内部容積よりも混合手段10から温度検知手段31までの配管容積が大きくなる位置であって混合手段10の混合室12の上端の高さ位置よりも高くなる位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯装置に関し、特に出湯を停止した時に、高温水側配管内の高温水の温度を混合手段と配管の内部に発生する自然対流の影響を受けずに正確に検知可能な給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給湯装置においては、設定温度の湯水を出湯するために、水と高温水を混合する混合手段が配管の途中部に設けられている。この混合手段は、水と高温水の比率を調整しながら混合調温して湯水を生成し、給湯栓などから排出する。この混合手段の構造は、一般的に種々の文献で開示されているように三方弁である。
【0003】
例えば、引用例1の温水供給装置においては、貯湯タンクと、この貯湯タンクの下部に接続される給水管と、貯湯タンクの上部に接続される給湯管と、給水管の途中で分岐して給湯管に接続されるバイパス管と、バイパス管と給湯管に接続される湯水混合手段と、三方弁に接続される温水供給管とを備えている。尚、この湯水混合手段の最上端位置を、貯湯タンクの加熱手段の加熱部の最下端位置よりも下方となるように設定している。
【0004】
また、引用例2の元止め式湯沸器においては、貯湯タンクと、この貯湯タンクの下部に給水される水の一部を貯湯タンクの上部に導く導水管と、貯湯タンクの上部に接続される給湯管と、導水管と給湯管に接続されるT字状の湯水混合用接続具と、この接続具に接続される混合された湯水供給用の湯水混合管とを備えている。尚、湯水混合管の断面積を給湯管の断面積と導水管の断面積の和よりも大きい断面積に構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−284080号公報
【特許文献2】実公昭61−18332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の特許文献1の混合弁に、温度差のある水と高温水を導入しているが、出湯を停止した瞬間、水と高温水の流入が止まり混合弁の内部及び近傍部で水と高温水の比重差による自然対流が生じる。このため、混合弁近傍部における水側配管内の水の温度は上昇し、高温水側配管の高温水の温度は低下してしまう。
【0007】
しかし、混合弁で給湯温度を制御するためには、混合直前の水と高温水の温度を正確に検知する必要があるが、高温水側の温度検知手段を混合弁に近づけすぎると、この高温水側の温度検知手段は、出湯停止した直後に貯湯タンク内の高温水より低い温度を検知してしまう。
【0008】
つまり、再出湯時の給湯性能を担保するために、給湯が無い状態でも混合弁の制御は継続されるが、上述のように自然対流による影響を受けて、高温水側配管内の高温水の温度が低下してしまう。このため、再出湯時には、貯湯タンク内の高温水が高温水側配管を介して混合弁に直ぐに流れてくるので、時間に対する温度勾配が急峻となり過ぎ、給湯温度の調整が困難となってしまう。
【0009】
従来は、比重差による対流の影響をなくすために、上方から下方に向けて高温水、混合水、水となるような弁位置になる混合弁を採用したり、各配管に逆止弁を挿入するなどの対策を講じていた。しかし、混合弁の位置・姿勢を考慮することで、設計上の自由度がなくなり、逆止弁を挿入することで、高温水の流れに対する圧力損失が生じたり、製造コストがアップするなどの問題がある。
【0010】
本発明の目的は、高温水側配管の高温水の温度を混合弁内部及び近傍部の対流の影響を受けずに正確に検知可能な給湯装置を提供すること、設計上の自由度を向上させると共に製造コストを低減させる給湯装置を提供することなどである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の給湯装置は、水と高温水から混合調温された湯水を排出する混合手段を有する給湯装置において、前記混合手段に接続される高温水側配管に温度検知手段が設けられ、前記温度検知手段は、前記混合手段の内部容積よりも混合手段から温度検知手段までの配管容積が大きくなる位置であって前記混合手段の混合室の上端の高さ位置よりも高くなる位置に設けられたことを特徴としている。
【0012】
請求項2の給湯装置は、請求項1の発明において、前記高温水側配管は、前記混合手段に接続され水平方向に延びる水平管部と、この水平管部に連なり鉛直方向又は斜め上方に延びる立上り管部とから形成されるL字型部を有し、前記温度検知手段は前記立上り管部に設けられたことを特徴としている。
【0013】
請求項3の給湯装置は、請求項1又は2の発明において、前記混合手段の下部から前記水が導入され、前記混合手段の側部から前記高温水が導入され、前記混合手段の上部又は側部から前記湯水を排出することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、温度検知手段は、混合手段の内部容積よりも混合手段から温度検知手段までの配管容積が大きくなる位置であって混合手段の混合室の上端の高さ位置よりも高くなる位置に設けられたので、温度検知手段により、混合手段の内部及び近傍部で発生する自然対流の影響を受けずに、高温水側配管内の高温水の温度を正確に検知することができる。つまり、混合手段の内部容積よりも混合手段から温度検知手段までの配管容積が大きいので、混合手段の混合室の水や温度が下がった高温水が温度検知手段の設置箇所近傍部まで逆流して高温水と混合するのを防止することができる。
【0015】
また、対流による影響を受けない位置に高温水側の温度検知手段を設けるので、混合弁の位置・姿勢を考慮する必要がなくなり、依って、混合弁の設計の自由度が向上する。高温水側配管に圧力損失を生じる逆止弁を別途設ける必要がなくなるので、製造コストを低減することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、高温水側配管は、混合手段に接続され水平方向に延びる水平管部と、この水平管部に連なり鉛直方向又は斜め上方に延びる立上り管部とから形成されるL字型部を有し、温度検知手段は立上り管部に設けられたので、立上り管部内の高温水の温度を対流の影響を受けずに検知することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、混合手段の下部から水が導入され、混合手段の側部から高温水が導入され、混合手段の上部又は側部から湯水を排出するので、低温水側配管が下部に接続され、高温水側配管が側部に接続され、湯水供給用配管が上部又は下部に接続された混合弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】給湯装置の構成図である。
【図2】出湯通路とバイパス通路と混合弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0020】
先ず、給湯装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、給湯装置1は、ヒートポンプユニット41と、貯湯給湯装置2とを備えている。ヒートポンプユニット41は、凝縮器42、圧縮機、膨張弁などを有し、冷媒を用いて貯湯給湯装置2の湯水と熱交換を行うものであるが、本発明の主要部分ではないので詳細な図示や説明は省略する。
【0021】
図1に示すように、貯湯給湯装置2は、貯湯タンク3、入水通路4、出湯通路5、バイパス通路6、貯湯通路7、逆止弁8、三方弁9、混合弁10などを有する。貯湯タンク3は、高温水を貯留可能な上下方向に長い断熱性の密閉タンクである。入水通路4の下流端が、貯湯タンク3の下部に接続され、入水通路4の上流端が上水源に接続されている。入水通路4と出湯通路5は、バイパス通路6により接続され、このバイパス通路6には、入水通路4から出湯通路5への流れのみを許す逆止弁8が設けられている。
【0022】
出湯通路5は、高温水が流れる上流側通路部5a、水と高温水が混合された混合湯水が流れる下流側通路部5bを有する。上流側通路部5aの上流端が貯湯タンク3の上部に接続され、上流側通路部5aの下流端が混合弁10に接続されている。下流側通路部5bの上流端が混合弁10に接続され、下流側通路部5bの下流端に給湯栓Aが接続されている。混合弁10の詳細な構造については、後述する。
【0023】
貯湯通路7は、ヒートポンプユニット41により加熱される湯水が流れる流路である。貯湯通路7は、共通通路部7a、上戻り通路部7b、下戻り通路部7cを有する。共通通路部7aの上流端が、貯湯タンク3の下部に接続され、共通通路部7aの下流端が、三方弁9に接続されている。貯湯ポンプ7dは、貯湯通路7に湯水を循環させるポンプであり共通通路部7aの途中部に設けられている。共通通路部7aの一部はヒートポンプユニット41の凝縮器42の内部通路で構成されている。
【0024】
上戻り通路部7b及び下戻り通路部7cの上流端が三方弁9に接続され、この三方弁9により共通通路部7aが上戻り通路部7bと下戻り通路部7cの何れかに択一的に接続される。上戻り通路部7bの下流端が貯湯タンク3の上部に接続され、下戻り通路部7cの下流端が貯湯タンク3の下部に接続されている。
【0025】
次に、混合弁10について説明する。
図1,図2に示すように、混合弁10(混合手段に相当する)は、下部にバイパス通路6の下流端が接続されて水が導入され、側部に出湯通路5の上流側通路部5a(高温水側配管に相当する)の下流端が接続されて高温水が導入され、上部に出湯通路5の下流側通路部5bの下流端が接続されて混合調温された湯水を給湯栓Aに排出するものである。
【0026】
図2に示すように、混合弁10は、略円筒状に構成された本体部11、この本体部11の内部の混合室12、混合室12内を貫通する弁軸17、この弁軸17を左右方向に移動駆動する為の駆動モータ18、弁軸17に設けられた第1,第2弁体21,22、これら第1,第2弁体21,22に対応する第1,第2弁座23,24などを有している。
【0027】
混合室12は、本体部11内側の左側部分に形成されている。混合室12において、後述する第1弁体21と第2弁体22を移動させることで、第1開口11aを介して導入される高温水と第2開口11bを介して導入される水の流量を調整し、混合室12の上部から第3開口11cを介して混合調温された湯水を排出する。混合室12の右側には、下部から水が導入される水導入室16が形成され、この水導入室16を介して混合室12に水が導入される。
【0028】
混合弁10の左端部には、高温水が導入される第1開口11aが形成され、この第1開口11aの左側には、筒状の第1接続部13が本体部11に一体的に形成されている。第1接続部13には、上流側通路部5aの下流端が固定部材19a(所謂、クイックファスナー)とOリングを介して密閉状に接続されている。
【0029】
混合弁10の下端部には、水が導入される第2開口11bが形成され、この第2開口11bの下側には、筒状の第2接続部14が本体部11に一体的に形成されている。第2接続部14には、バイパス通路6の下流端が固定部材19bとOリングを介して密閉状に接続されている。
【0030】
混合弁10の上端部には、湯水が排出される第3開口11cが形成され、この第3開口11cの上側には、筒状の第3接続部15が本体部11に一体的に形成されている。第3接続部15には、下流側通路部5bの上流端が固定部材19cとOリングを介して密閉状に接続されている。
【0031】
弁軸17は、弁軸支持部材26,27により本体部11の内部に回転可能に支持されている。弁軸支持部材26は、第1開口11aに設けられ、弁軸17の先端部を支持している。弁軸支持部材27は、本体部11の内周面の右側部分に設けられて、その筒部27aが弁軸17の中央より後ろ側部分を支持している。弁軸17の外周右端部は雄ねじ状に形成され、弁軸支持部材27のねじ孔27bに螺合されている。弁軸17の右端部分には、駆動モータ18の出力軸18aの先端がスプライン結合されている。従って、弁軸17は、駆動モータ18の出力軸の回転に伴い回転しながら軸方向に移動可能である。
【0032】
第1,第2弁体21,22は、ハット形の外形に夫々構成されている。第1,第2弁体21,22は、弁軸17の左側部分に各々の開口側が対向状になるように所定の間隔を空けて配置されている。第1,第2弁体21,22は、複数の凹凸部により相互に回転規制されている。第1弁体21と第2弁体22との間には、これらを離隔方向に弾性付勢するバネ部材25が介装されている。第1弁体21は弁軸17に形成されたフランジ部により弁軸17に対して左方への移動が規制され、第2弁体22は弁軸17に形成されたフランジ部により弁軸17に対して右方への移動が規制されている。
【0033】
本体部11の内周側左端部の第1弁体21に対向する表面に、第1弁体21に向けて突出した第1弁座23が環状に形成されている。本体部11の内周側中央部の第2弁体22に対向する表面(弁軸支持部材27の左端面)に、第2弁体22に向けて突出した第2弁座24が環状に形成されている。
【0034】
給湯装置1の給湯運転は給湯栓Aの開栓と共に開始される。給湯装置1において、上水源の水圧により水が入水通路4から貯湯タンク3内の下部に入り込み、これにより、高温水が貯湯タンク3内の上部から出湯通路5に押し出される。この押し出された高温水は上流側通路部5aを介して混合弁10に導入される。水はバイパス通路6を介して混合弁10に導入される。出湯温度が指令温度になるように、混合弁10を介して混合される水と高温水の流量比が制御される。
【0035】
次に、出湯通路5の上流側通路部5aの形状について説明する。
図2に示すように、上流側通路部5a(高温水側配管に相当する)は、その混合弁10近傍部においてL字型部30を有している。L字型部30は、混合弁10に右端部が接続され水平方向に延びる水平管部30aと、この水平管部30aの左端部から上方に向けて湾曲する湾曲管部30bと、湾曲管部30bの上端に連なり鉛直方向に延びる立上り管部30cとから形成されている。尚、この出湯通路5は、例えば、外径は16mm程度に設定され、管厚は0.6mm程度に設定される。
【0036】
次に、高温水側の温度検知センサ31の設置箇所について説明する。
図2に示すように、温度検知センサ31(温度検知手段に相当する)は、高温水の温度を検知するために、混合弁10に接続される上流側通路部5aの立上り管部30cに設けられている。温度検知センサ31は、混合弁10の内部容積V1よりも混合弁10から温度検知センサ31までの配管容積V2が大きくなる位置であって混合弁10の混合室12の上端の高さ位置よりも高くなる位置に設けられている。
【0037】
ここで、上述の内部容積V1と配管容積V2について詳しく説明をする。
図2に示すように、混合弁10の内部容積V1は、混合室12の内部容積から弁軸17や第1、第2弁体21,22などの体積を差し引いた容積で規定される。混合弁10から温度検知センサ31までの配管容積V2は、水平管部30aの内部容積、湾曲管部30bの内部容積、立上り管部30cの内部容積の合計値で規定される。尚、立上り管部30cの通路長Aは、80〜100mm程度に設定され、水平管部30aからなる通路長Bは、30〜50mm程度に設定されるのが望ましいが、この長さに限定する必要はない。
【0038】
このように、混合室12内及び近傍部で水と高温水との比重差による自然対流が発生し、混合室12内の水又は低温の水が上流側通路部5aに流入しても、混合弁10の内部容積V1よりも配管容積V2が大きくなる位置であって混合室12の上端の高さ位置よりも高くなる位置に温度検知センサ31を設けたため、温度検知センサ31の設置箇所近傍部まで水又は低温の水が到達することはない。従って、温度検知センサ31が混合室12から逆流した水又は低温の水の温度を検出することはなく、温度検知センサ31の近傍部で高温水の温度が急激に低下することはない。尚、温度検知センサ31は、立上り管部30cの通路長Aの上限位置に設けられているが、上記の容積の条件と混合室12の上端より上方位置であれば、特に立上り管部30cの通路長Aの上限位置に限定する必要はなく、それよりも下方に設置しても良い。
【0039】
貯湯給湯装置2には、図示は省略するが、高温水側の温度検知センサ31以外にも、水の温度を検知する温度検知センサや、貯湯タンク3内の温度を検知する温度検知センサ31など種々の温度検知センサが設けられている。
【0040】
次に、本発明の給湯装置1の作用、効果について説明する。
温度検知センサ31(温度検知手段)が、混合弁10(混合手段)の内部容積V1よりも混合弁10から温度検知センサ31までの配管容積V2が大きくなる位置であって混合弁10の混合室12の上端の高さ位置よりも高くなる位置に設けられたので、温度検知センサ31により、混合弁10の内部及び近傍部で発生する自然対流の影響を受けずに、上流側通路部5a内の温度を正確に検知することができる。つまり、混合弁10の内部容積V1よりも混合弁10から温度検知センサ31までの配管容積V2が大きいので、混合弁10の混合室12の水や温度が下がった高温水が温度検知センサ31の設置箇所近傍部まで逆流して高温水と混合するのを防止することができる。
【0041】
また、対流による影響を受けない位置に高温水側の温度検知センサ31を設けるので、混合弁10の位置・姿勢を考慮する必要がなくなり、依って、混合弁10の設計の自由度が向上する。上流側通路部5aに圧力損失を生じる逆止弁を別途設ける必要がなくなるので、製造コストを低減することができる。
【0042】
さらに、温度検知センサ31が対流の影響を受けずに高温水の温度を正確に検知することで、再出湯時に設定値よりも大幅に高い湯水を排出することを防止し、再出湯時の温度変動幅を小さくすることができる。
【0043】
混合弁11に接続され水平方向に延びる水平管部30aと、この水平管部30aに連なり鉛直方向又は斜め上方に延びる立上り管部30cとから形成されるL字型部30を有し、温度検知センサ31は立上り管部30cに設けられたので、立上り管部30c内の高温水の温度を対流の影響を受けずに検知することができる。
【0044】
混合弁10の下部から水が導入され、混合弁10の側部から高温水が導入され、混合弁10の上部から湯水を排出するので、バイパス通路6が下部に接続され、上流側通路部5aが側部に接続され、下流側通路部5bが上部に接続された混合弁10を提供することができる。
【0045】
次に、本実施例の給湯装置1の別変更形態について説明する。
[1]本実施例の上流側通路部5aにおいて、L字型部30の立上り管部30cは、鉛直方向に延びるように形成されているが、特に鉛直方向に限定する必要はなく、水平管部30aから斜め上方に延びるように形成されても良い。
【0046】
[2]本実施例の混合弁10は、その上部に出湯通路5の下流側通路部5bの上流端が接続されて、湯水が排出されるように構成されているが、特にこの構成に限定する必要はなく、混合弁10の側部に下流側通路部5bの上流端を接続して湯水を排出するように構成しても良い。
【0047】
[3]本実施例の混合弁10の第1、第2弁体21,22は、必ずしも複数の部材から構成された弁体である必要はなく、本発明と同様の弁機能を奏するものであれば、バネ部材を省略して第1、第2弁体21,22を1つの弁体から構成して弁軸17に設けた簡単な構成のものであっても良い。
【0048】
[4]本実施例の給湯装置1は、ヒートポンプユニット41を有するものを例として説明したが、ヒートポンプユニット41の代わりに貯湯タンク3内に電熱ヒータを設け、この電熱ヒータにより高温水を生成する電気給湯装置であっても良いし、太陽熱を利用して高温水を生成する太陽熱温水装置であっても良い。また、その他の手段で高温水を生成し、水と混合調温することで湯水を出湯する種々の給湯装置であっても良い。
【0049】
[5]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例の種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0050】
1 給湯装置
2 貯湯給湯装置
5 出湯通路
5a 上流側通路部(高温水側配管)
5b 下流側通路部
10 混合弁(混合手段)
12 混合室
30 L字型部
30a 水平管部
30c 立上り管部
31 温度検知センサ(温度検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と高温水から混合調温された湯水を排出する混合手段を有する給湯装置において、
前記混合手段に接続される高温水側配管に温度検知手段が設けられ、
前記温度検知手段は、前記混合手段の内部容積よりも混合手段から温度検知手段までの配管容積が大きくなる位置であって前記混合手段の混合室の上端の高さ位置よりも高くなる位置に設けられたことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記高温水側配管は、前記混合手段に接続され水平方向に延びる水平管部と、この水平管部に連なり鉛直方向又は斜め上方に延びる立上り管部とから形成されるL字型部を有し、前記温度検知手段は前記立上り管部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記混合手段の下部から前記水が導入され、前記混合手段の側部から前記高温水が導入され、前記混合手段の上部又は側部から前記湯水を排出することを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。


【図1】
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【図2】
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