説明

給紙装置、画像形成装置

【課題】無駄な消費電力の発生を防止しつつ、環境変化に伴う紙質の変化に拘らず、用紙を確実に給紙することのできる給紙装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙トレイ2から用紙を繰り出す必要が生じると、駆動制御部62は、環境センサ部5から周辺環境の環境情報(温度情報及び湿度情報)を取り込み、その温度情報が示す温度に対応する供給電流値を記憶部61から読み出し、この読み出した供給電流値の電流をモータ4に供給して繰出ローラ3の回転駆動をモータ4に行わせる。低温環境電流設定における供給電流値は、通常環境電流設定における供給電流値より大きく設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機や複写機などの画像形成装置の技術分野に属し、特に画像形成部に用紙を供給する給紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機や複写機などの画像形成装置には、画像を形成するための用紙を画像形成部に供給する給紙装置が具備されており、一般的に、給紙装置は、用紙が積層状態で載置された用紙カセットなどの用紙載置部と、用紙載置部から1枚ずつ用紙を繰り出す繰出ローラとを備えている。
【0003】
この給紙装置に係る特許文献として例えば下記特許文献1がある。下記特許文献1には、トレイから用紙を給送するローラの駆動をステッピングモータで行う画像形成装置において、給送対象の用紙が厚紙か否かを検知し、前記用紙が厚紙と検知した場合は、モータへの駆動電流値を、前記用紙が通常紙と検知した場合の前記駆動電流値より高い電流値に設定する点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−322734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1は、紙厚によって電流値を変更したものであるが、用紙は画像形成装置の周辺環境によっても変化する。すなわち、例えば低温低湿環境においては用紙から水分が無くなり硬質となる。このとき、通常の環境よりも大きな繰出トルクを繰出ローラに与えないと、繰出トルクの不足によって繰出ローラで用紙を繰り出すことができないため、通常の環境下でのトルクよりも更に大きなトルクが必要となる。それにも拘らず、そのような繰出トルクを繰出ローラに発生させないとすると、前記繰出ローラを駆動するモータとしてステッピングモータを採用しているときには、該モータ内のロータは回転しているのに繰出ローラが回転しない所謂脱調現象が発生する可能性がある。
【0006】
そこで、モータに供給する電流値を、常時、低温環境の用紙の状態に適した電流値を設定することが考えられる。しかしながら、このように設定すると、通常の環境下では、過剰なトルク、延いては過剰な電流値となるから、ここに無駄な電力を消費することになる。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、無駄な消費電力の発生を防止しつつ、環境変化に伴う紙質(用紙の状態)の変化に拘らず、用紙を確実に給紙することのできる給紙装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、
用紙が積層状態で載置される用紙載置部と、
前記用紙載置部に載置されている用紙を上から1枚ずつ下流側に向けて繰り出す繰出ローラと、
前記繰出ローラの回転駆動を行うモータと、
当該給紙装置の周辺環境を検出する環境検出部と、
前記環境検出部により検出され得る複数種類の環境に応じて予め設定された前記モータへの供給電流値を予め記憶する記憶部と、
前記環境検出部により検出された周辺環境に対応する供給電流値を前記記憶部から読み出し、この読み出した供給電流値の電流を前記モータに供給して前記繰出ローラの回転駆動を前記モータに行わせる駆動制御部と
を備える給紙装置である。
【0009】
この発明によれば、前記環境検出部により検出される周辺環境に応じて、前記繰出ローラを回転駆動する前記モータへの供給電流値を変えるようにしたので、無駄な消費電力の発生を防止しつつ、周辺環境に応じた用紙の紙質に好適な前記繰出ローラの回転トルクを設定することが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、
前記環境検出部は、当該給紙装置の周辺温度を検出する温度検出部を備え、
前記温度検出部により検出され得る周辺温度の検出可能範囲を複数に分割したときの各温度範囲に対して前記供給電流値がそれぞれ設定されているとともに、その供給電流値は前記周辺温度が低くなるほど大きく設定されており、
前記記憶部は、前記各温度範囲に対して設定された前記供給電流値を予め記憶するものである。
【0011】
本発明によれば、前記周辺温度が低下するほど用紙の硬質化が大きくなることから、前記温度検出部により検出され得る周辺温度の検出可能範囲を複数に分割したときの各温度範囲に対して前記供給電流値をそれぞれ設定するとともに、その供給電流値は前記周辺温度が低くなるほど大きく設定し、この設定内容を前記記憶部に記憶することで、前記周辺温度の低下に伴って用紙が硬質化しても、無駄な消費電力の発生を防止しつつ、用紙の紙質に好適な前記繰出ローラの回転トルクを設定することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、
前記環境検出部は、当該給紙装置の周辺湿度を検出する湿度検出部を備え、
前記湿度検出部により検出され得る周辺湿度の検出可能範囲を複数に分割したときの各湿度範囲に対して前記供給電流値がそれぞれ設定されているとともに、その供給電流値は前記周辺湿度が低くなるほど大きく設定されており、
前記記憶部は、前記各湿度範囲に対して設定された前記供給電流値を予め記憶するものである。
【0013】
本発明によれば、前記周辺湿度が低下するほど用紙の硬質化が大きくなることから、前記湿度検出部により検出され得る周辺湿度の検出可能範囲を複数に分割したときの各湿度範囲に対して前記供給電流値をそれぞれ設定するとともに、その供給電流値は前記周辺湿度が低くなるほど大きく設定し、この設定内容を前記記憶部に記憶することで、前記周辺湿度の低下に伴って用紙が硬質化しても、無駄な消費電力の発生を防止しつつ、用紙の紙質に好適な前記繰出ローラの回転トルクを設定することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、
前記環境検出部は、
当該給紙装置の周辺温度を検出する温度検出部と、
当該給紙装置の周辺湿度を検出する湿度検出部と
を備え、
前記温度検出部及び湿度検出部により検出され得る周辺温度及び周辺湿度の検出可能範囲をそれぞれ複数に分割したときの各温度範囲及び各湿度範囲につき、温度範囲と湿度範囲との組み合わせが前記環境として複数種類設定されており、且つ、前記各組み合わせに対して前記供給電流値が設定されているとともに、その供給電流値は前記周辺温度にのみ着目した場合にはその周辺温度が低くなるほど大きく設定され、前記周辺湿度にのみ着目した場合にはその周辺湿度が低くなるほど大きく設定されており、
前記記憶部は、前記各組み合わせに対して設定された前記供給電流値を予め記憶するものである。
【0015】
前記周辺温度が低下するほど、用紙の硬質化が大きくなり、また、前記周辺湿度が低下するほど、用紙の硬質化が大きくなる。
【0016】
そこで、本発明のように、前記温度検出部及び湿度検出部により検出され得る周辺温度及び周辺湿度の検出可能範囲をそれぞれ複数に分割したときの各温度範囲及び各湿度範囲につき、温度範囲と湿度範囲との組み合わせを前記環境として複数種類設定し、且つ、前記各組み合わせに対して前記供給電流値を設定するとともに、その供給電流値を、前記周辺温度にのみ着目した場合にはその周辺温度が低くなるほど大きくなるように設定し、前記周辺湿度にのみ着目した場合にはその周辺湿度が低くなるほど大きく設定成るように設定し、この設定内容を前記記憶部に記憶することで、前記周辺温度や周辺湿度の低下に伴って用紙が硬質化しても、無駄な消費電力の発生を防止しつつ、用紙の紙質に好適な前記繰出ローラの回転トルクを設定することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から供給される用紙に対して画像形成動作を行う画像形成部と
を備える画像形成装置である。
【0018】
この発明によれば、画像形成装置において、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明による効果が得られる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、無駄な消費電力の発生を防止しつつ、環境変化に伴う紙質(用紙の状態)の変化に拘らず、用紙を確実に給紙することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る給紙装置の実施形態を示す図である。
【図2】記憶部に記憶されているテーブルを示す図である。
【図3】制御部によるモータへの電流供給制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る給紙装置の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る給紙装置の実施形態を示す図である。
【0022】
図1に示す給紙装置1は、複写機やプリンタ、或いは複合機等の画像形成装置に搭載されるものである。画像形成装置は、図示しないが、感光体ドラムと、画像データに基づきレーザ等を出力して感光体ドラムを露光する光走査部と、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を顕像化して画像を形成する現像部と、感光体ドラム上に形成された画像を、本発明に係る給紙装置から供給した用紙に転写する転写部と、画像が転写された用紙を加熱して該画像を用紙に定着させる定着部とを備える画像形成部を有し、画像形成部による画像形成後の用紙は予め定められた用紙排出部に排出されるようになっている。
【0023】
なお、画像形成装置が複合機や複写機などの場合には、原稿の画像をCCD(Charge Coupled Device)センサや露光ランプ等の照明部を用いて光学的に読み取る原稿読取部や、その原稿読取部による読取位置に原稿を給送する原稿給送部、ユーザが画像形成装置に所望の動作を行わせる指示を入力するための操作部等が更に設けられる。
【0024】
図1に示すように、給紙装置1は、用紙が積層状態で載置される用紙載置部の一例としての用紙トレイ(給紙カセットでもよい)2と、前記用紙トレイ2に載置されている用紙を上から1枚ずつ下流側に向けて繰り出す繰出ローラ3と、前記繰出ローラ3の回転駆動を行う例えばステッピングモータなどのモータ4と、当該給紙装置1の周辺環境を検出する環境センサ部(環境検出部に相当)5と、給紙装置1全体の動作を制御する制御部6とを備える。
【0025】
環境センサ部5は、用紙トレイ2に載置されている用紙の紙質(硬質化しているか軟質化しているか;用紙の状態)を検出するためのものであり、当該給紙装置1の周辺温度を検出する温度センサ51と、当該給紙装置1の周辺湿度を検出する湿度センサ52とを含んで構成されている。なお、用紙の紙質に大きな影響を与えるのは、特に用紙の近傍の環境であることから、環境センサ部5を、できるだけ用紙トレイ2に載置されている用紙の近傍に配置すると、用紙トレイ2に載置されている用紙の紙質をより高精度に検出することができる。
【0026】
制御部6は、データを一時的に保管する機能や作業領域としての機能を有するRAM(Random Access Memory)、プログラムを予め記憶するROM、及び、前記プログラム等をROMから読み出して実行するCPUを備えて構成されており、本実施形態では、記憶部61及び駆動制御部62としての機能を有する。
【0027】
記憶部61は、前記環境センサ部5により検出され得る複数種類の環境に応じて予め設定された前記モータ4への供給電流値を予め記憶するものである。本実施形態では、環境を、給紙装置1の周辺温度と周辺湿度とにより規定している。すなわち、前記温度センサ51により検出され得る温度の範囲(検出可能範囲)を所定数の予め定められた基準温度で複数の温度範囲に分割し、また、湿度センサ52により検出され得る湿度の範囲(検出可能範囲)を所定数の予め定められた基準湿度で複数の湿度範囲に分割し、これらの分割により生成された各温度範囲及び各湿度範囲につき、温度範囲と湿度範囲との組み合わせを環境として複数設定している。
【0028】
なお、ここでは、前記温度センサ51により検出され得る温度を1つの基準温度(10(℃))で2つの範囲(「10(℃)以下の温度範囲」と「10(℃)超の温度範囲」)とに分割し、また、湿度センサ52により検出され得る湿度を1つの基準湿度(20(%))で2つの範囲(「20(%)以下の湿度範囲」と「20(%)超の湿度範囲」)に分割し、10(℃)以下の温度範囲と20(%)以下の湿度範囲との組み合わせと、10(℃)超の温度範囲と20(%)超の湿度範囲との組み合わせとの2つの組み合わせをそれぞれ環境1,2として設定している。
【0029】
そして、本実施形態では、各組み合わせ(環境)に対して前記供給電流値を設定しており、記憶部61は、前記組み合わせ(環境)と供給電流値との対応関係をテーブル形式で記憶している。図2は、記憶部61に記憶されているテーブルの一例である。
【0030】
図2に示すテーブルは、温度センサ51により検出される温度が10(℃)以下、又は、湿度センサ52により検出される湿度が20(%)以下の環境1に対して、前記モータ4への供給電流値が750(mA)に設定されており、また、温度センサ51により検出される温度が10(℃)超、且つ、湿度センサ52により検出される湿度が20(%)超の環境2に対して、前記モータ4への供給電流値が500(mA)に設定されていることを示している。
【0031】
なお、図2に示すように、前記環境1の場合における前記モータ4への供給電流値の設定を「低温環境電流設定」の名称を付し、また、前記環境2の場合における前記モータ4への供給電流値の設定を「通常環境電流設定」の名称を付すものとする。
【0032】
ここで、本実施形態では、前記低温環境電流設定における供給電流値が、前記通常環境電流設定における供給電流値より大きく設定されている。これは、周辺環境が低温又は低湿の環境であることによって通常の環境より用紙が硬質化するために、通常の環境での繰出ローラ3の繰出トルクよりも大きなトルクが必要となるからである。ただし、前記低温環境電流設定及び前記通常環境電流設定における各供給電流値は、無駄な消費電力の発生を極力抑制しつつ、確実に用紙を用紙トレイ2から繰り出すことのできる繰り出しトルクを発生する電流値とされている。
【0033】
図3は、制御部6によるモータ4への電流供給制御を示すフローチャートである。
【0034】
図3に示すように、用紙トレイ2から用紙を繰り出す必要が生じると(ステップ♯1でYES)、駆動制御部62は、前記環境センサ部5から周辺環境の環境情報(温度情報及び湿度情報)を取り込み(ステップ♯2)、その温度情報が示す温度に対応する供給電流値を前記記憶部61から読み出し(ステップ♯3)、この読み出した供給電流値の電流を前記モータ4に供給して前記繰出ローラ3の回転駆動を前記モータ4に行わせる(ステップ♯4)。
【0035】
例えば図2に示すテーブルを用いるものとすると、環境センサ部5により検出された周辺温度が25(℃)で周辺湿度が50(%)の場合には、現在の環境は前記環境2に属する環境であるから、駆動制御部62は、前記環境2に対応する「通常環境電流設定」で規定されている供給電流値「500(mA)」を前記記憶部61から読み出し、この供給電流値「500(mA)」の電流を前記モータ4に供給して前記繰出ローラ3の回転駆動を前記モータ4に行わせる。
【0036】
一方、環境センサ部5により検出された周辺温度が5(℃)で周辺湿度が15(%)の場合には、現在の環境は前記環境1に属する環境であるから、駆動制御部62は、前記環境1に対応する「低温環境電流設定」で規定されている供給電流値「750(mA)」を前記記憶部61から読み出し、この供給電流値「750(mA)」の電流を前記モータ4に供給して前記繰出ローラ3の回転駆動を前記モータ4に行わせる。
【0037】
以上のように、本実施形態では、複数種類の環境に応じた電流をモータ4に供給して繰出しローラ3の回転駆動をモータ4に行わせるようにした、特に、通常の環境よりも低温や低湿の周辺環境の場合には、繰出ローラ3による繰出トルクが通常の場合よりも大きくなるようにモータ4への供給電流値を通常の場合よりも大きくしたので、前記環境の低温化や低湿化によって用紙が硬質化しても、繰出ローラ3によって用紙を用紙トレイ2から確実に繰り出すことができる。
【0038】
また、前記繰出ローラ3を駆動するモータ4として前述のステッピングモータを採用した場合において、仮に、前記環境が低温低湿化しても前記通常の環境と同じ繰出トルクを発生する電流をモータに供給したときには、前記用紙の硬質化によってモータ4内のロータ(図略)は回転しているのに繰出ローラ3が回転しない脱調現象が発生する可能性があるが、本実施形態では、通常の環境よりも低温低湿の環境の場合には、繰出ローラ3による繰出トルクが通常の場合よりも大きくなるようにモータ4への供給電流値を通常の場合よりも大きくすることで、前述のような脱調現象が発生するのを防止することができる。
【0039】
また、通常の環境の場合には、繰出ローラ3による繰出トルクが低温低湿の環境の場合よりも小さくなるようにモータ4への供給電流値を小さくしたので、低温低湿の環境の場合と同じ電流をモータ4に供給することで過剰な繰出トルク、延いては無駄な消費電力の発生を防止したり、モータ4から出力される騒音を抑制したりすることができる。
【0040】
以上により、無駄な消費電力の発生を防止しつつ、環境変化に伴う紙質の変化に拘らず、用紙を確実に給紙することができる。
【0041】
なお、本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【0042】
例えば、前記実施形態では、モータ4への供給電流値を異ならせる環境として2種類の環境を想定したが、これに限らず、3種類以上の環境を設定してもよい。
【0043】
また、前記実施形態では、周辺環境の温度と湿度とをパラメータとして供給電流値を設定したが、周辺環境の温度のみをパラメータとして供給電流値を設定してもよいし、周辺環境の湿度のみをパラメータとして供給電流値を設定してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 給紙装置
2 用紙トレイ
3 繰出ローラ
4 モータ
5 環境センサ部
51 温度センサ
52 湿度センサ
6 制御部
61 記憶部
62 駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が積層状態で載置される用紙載置部と、
前記用紙載置部に載置されている用紙を上から1枚ずつ下流側に向けて繰り出す繰出ローラと、
前記繰出ローラの回転駆動を行うモータと、
当該給紙装置の周辺環境を検出する環境検出部と、
前記環境検出部により検出され得る複数種類の環境に応じて予め設定された前記モータへの供給電流値を予め記憶する記憶部と、
前記環境検出部により検出された周辺環境に対応する供給電流値を前記記憶部から読み出し、この読み出した供給電流値の電流を前記モータに供給して前記繰出ローラの回転駆動を前記モータに行わせる駆動制御部と
を備える給紙装置。
【請求項2】
前記環境検出部は、当該給紙装置の周辺温度を検出する温度検出部を備え、
前記温度検出部により検出され得る周辺温度の検出可能範囲を複数に分割したときの各温度範囲に対して前記供給電流値がそれぞれ設定されているとともに、その供給電流値は前記周辺温度が低くなるほど大きく設定されており、
前記記憶部は、前記各温度範囲に対して設定された前記供給電流値を予め記憶するものである請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記環境検出部は、当該給紙装置の周辺湿度を検出する湿度検出部を備え、
前記湿度検出部により検出され得る周辺湿度の検出可能範囲を複数に分割したときの各湿度範囲に対して前記供給電流値がそれぞれ設定されているとともに、その供給電流値は前記周辺湿度が低くなるほど大きく設定されており、
前記記憶部は、前記各湿度範囲に対して設定された前記供給電流値を予め記憶するものである請求項1に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記環境検出部は、
当該給紙装置の周辺温度を検出する温度検出部と、
当該給紙装置の周辺湿度を検出する湿度検出部と
を備え、
前記温度検出部及び湿度検出部により検出され得る周辺温度及び周辺湿度の検出可能範囲をそれぞれ複数に分割したときの各温度範囲及び各湿度範囲につき、温度範囲と湿度範囲との組み合わせが前記環境として複数種類設定されており、且つ、前記各組み合わせに対して前記供給電流値が設定されているとともに、その供給電流値は前記周辺温度にのみ着目した場合にはその周辺温度が低くなるほど大きく設定され、前記周辺湿度にのみ着目した場合にはその周辺湿度が低くなるほど大きく設定されており、
前記記憶部は、前記各組み合わせに対して設定された前記供給電流値を予め記憶するものである請求項1に記載の給紙装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の給紙装置と、
前記給紙装置から供給される用紙に対して画像形成動作を行う画像形成部と
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−173703(P2011−173703A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40168(P2010−40168)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】