説明

給紙装置および画像形成装置

【課題】シート材を良好に給紙できる給紙装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】規制壁32は、搬送方向における記録材(シート材)の前端を、突き当てられた状態で接触させることによって、載置部31に載置された記録材の位置を規制する。押上板34は、載置部31に載置された記録材の前端を給紙ローラー42側に押し上げる。押上板34の一側部34aは、規制壁32と対向する。窪み39は、幅方向における規制壁32の中央付近に形成された溝であり、上下方向(Y軸方向)に延伸する。遮蔽部材45は、給紙ローラー42の下方に配置されるとともに、窪み39に挿入される位置に設けられている。これにより、捌きローラー43により重送された記録材のうち、最上層以外の記録材が、捌きローラー43により載置部31側に押し戻される場合であっても、窪み39に記録材Pが潜り込むことを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材を給紙する給紙装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙の前端がリフト板と整列前板の間に曲がり込むように撓められることを防止できる用紙リフト装置が知られている(例えば、特許文献1)。ここで、特許文献1の装置において、リフト軸は、ラックピニオン機構により、斜め方向に昇降させられる。これにより、リフト板の前端および整列前板の間隔が一定となり、リフト板および整列前板の間の隙間に記録材が進入することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平02−106526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献1の装置では、リフト板および整列前板の間の隙間に記録材が進入することを防止するために、例えば、ラックピニオン機構のような駆動機構が必要となる。その結果、装置のハードウェア構成が複雑になり、給紙装置の製造コストが増大するという問題が生ずる。
【0005】
そこで、本発明では、シート材を良好に給紙することができる給紙装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、シート材を給紙する給紙装置であって、前記シート材を載置する載置部と、前記載置部に載置された前記シート材を、搬送方向の下流側に給紙する給紙ローラーと、前記給紙ローラーにより給紙されるシート材を1枚ずつに分離する捌きローラーと、前記搬送方向における前記シート材の前端が、突き当てられた状態で接触することによって、前記載置部に載置された前記シート材の位置を規制する規制壁と、一側部が前記規制壁と対向するとともに、前記載置部に載置された前記シート材の前記前端を前記給紙ローラー側に押し上げる押上板と、前記給紙ローラーの下方に設けられた遮蔽部材とを備え、前記押上板の前記一側部および前記規制壁の少なくとも一方には、上下方向に延びるとともに他方と対向する窪みが、形成されており、前記給紙ローラーは、前記窪みの上部に対向するように配置されており、前記遮蔽部材は、前記窪みに挿入される位置に設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記遮蔽部材は、前記窪みの延伸方向に沿って設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の給紙装置において、前記窪みは、前記規制壁に形成されており、前記遮蔽部材は、前記押上板に設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の給紙装置と、前記給紙装置から前記シート材を給紙される処理部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記処理部は、画像形成部であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記処理部は、原稿給送部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1から請求項6に記載の発明では、規制壁および押上板の上部付近に給紙ローラーを対向配置できるため、押上板の一側部および規制壁の少なくとも一方には、上下方向に延びるとともに他方と対向する窪みが、設けられている。また、この窪みに挿入される位置に遮蔽部材が設けられている。
【0013】
そのため、給紙ローラーが押上板と干渉することを防止することができる。また、押上板の一側部と規制壁との間の隙間より幅広とされた窪みに、記録材が潜り込むことを防止できる。
【0014】
また、請求項1から請求項6に記載の発明では、遮蔽部材を設けるだけで、窪みにシート材が潜り込むことを防止できる。すなわち、特別な機構を設けることなく、安価な手法によって、シート材の潜り込みを防止できる。そのため、給紙装置の製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置の全体構成の一例を示す正面斜視図である。
【図2】手差し給紙部付近の構成の一例を示す側面斜視図である。
【図3】手差し給紙部付近の構成の一例を示す側面断面図である。
【図4】給紙ローラーおよび捌きローラー付近の構成の一例を示す平面図である。
【図5】図4のV−V線から見た給紙ローラーおよび捌きローラー付近の断面図である。
【図6】給紙ローラーおよび捌きローラー付近の構成の一例を示す平面図である。
【図7】図6のW−W線から見た給紙ローラーおよび捌きローラー付近の断面図である。
【図8】図6のW−W線から見た給紙ローラーおよび捌きローラー付近の断面図である。
【図9】図4のV−V線から見た給紙ローラーおよび捌きローラー付近の断面図である。
【図10】給紙ローラーおよび捌きローラー付近の構成の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成の一例を示す正面斜視図である。図2は、手差し給紙部30付近の構成の一例を示す側面斜視図である。ここで、画像形成装置1は、複写機能、印刷機能、およびファクシミリ機能等を複合的に有する複合機である。
【0018】
図1および図2に示すように、画像形成装置1は、主として、画像形成部10と、トレイ給紙部20と、手差し給紙部30と、排紙部50と、スキャナー部60と、表示部80と、操作部85と、制御部90と、を有している。なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にすべく必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が付されている。
【0019】
画像形成部10は、電子写真方式により、静電潜像に基づいたトナー像を記録材Pに記録する記録部であり、図1に示すように、トレイ給紙部20の上部に設けられている。例えば、画像形成部10は、トレイ給紙部20または手差し給紙部30から供給される記録材Pに、モノクロ画像またはカラー画像を印刷する。
【0020】
トレイ給紙部20は、主として、一または複数(本実施の形態では3つ)の給紙トレイ21を有している。各給紙トレイ21は、複数の記録材Pを収容可能な収容部である。給紙トレイ21内に収容された各記録材Pを、最上層のものから順に、繰り出す。そして、トレイ給紙部20は、給紙トレイ21から1枚ずつ繰り出された記録材Pを、第1給紙路R11および共通給紙路R1(後述する図3を参照)を介して、画像形成部10に供給する。このようにトレイ給紙部20は、給紙トレイ21に収容された記録材Pを画像形成部10側に給紙する。
【0021】
手差し給紙部30は、トレイ給紙部20と同様に、記録材Pを画像形成部10側に給紙する。図2に示すように、手差し給紙部30は、装置本体1aの一側面(右側面)に設けられている。なお、手差し給紙部30の詳細な構成については、後述する。
【0022】
排紙部50は、画像形成部10によりトナー像が印刷された記録材Pを、装置本体1a外に排紙する。図1に示すように、排紙部50は、画像形成部10の上部に設けられている。
【0023】
スキャナー部60は、自動給紙(ADF:Automatic Document Feeder)方式、または、フラットベッド(Flat Bed)方式によって、原稿から画像を読み取る。図1に示すように、スキャナー部60は、排紙部50の上方に配置されており、主として、原稿給送部61と、原稿載置部62と、読取部63と、を有している。
【0024】
原稿給送部61は、自動給紙方式が採用されており、読取部63に対して原稿を搬送させつつ、原稿の各部で反射された反射光を読取部63に読み取らせることによって、原稿の画像を取得させる。
【0025】
原稿載置部62は、フラットベッド方式による画像読取に使用される。図1に示すように、原稿載置部62は、原稿給送部61の下方に配置されている。例えば、原稿載置部62に対して原稿給送部61が開閉されることによって、読取対象となる原稿が、原稿載置部62に載置される。そして、原稿で反射され、原稿載置部62を透過した光が、読取部63で読み取られることによって、原稿の画像が取得される。
【0026】
読取部63は、いわゆる画像入力部であり、原稿上の画像を読み取る。図1に示すように、読取部63は、原稿給送部61および原稿載置部62の下方に設けられている。読取部63で読み取られた画像データは、例えばJPEG方式に圧縮され、画像メモリ(図示省略)に記憶される。
【0027】
表示部80は、例えば、液晶ディスプレイにより構成されており、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を、有している。したがって、プリンター1の使用者(以下、単に、「使用者」と称する)は、表示部80に表示された内容に基づき、表示部80の「タッチパネル」機能を使用した指示を行うことによって、プリンター1に所定の処理(例えば、給紙部30から供給される記録材Pにトナー像を印刷する処理等)を実行させることができる。このように、表示部80は、使用者からの入力動作を受け付ける受付部として使用できる。
【0028】
操作部85は、複数のキーパッドによって構成された入力部である。例えば、操作部85に含まれる印刷開始ボタン86が押し下げられると、記録材Pに対して印刷処理が実行される。このように操作部85は、表示部80と同様に、使用者からの入力動作を受け付ける受付部として使用できる。
【0029】
制御部90は、図1に示すように、排紙部50の下方に設けられている。制御部90は、画像形成装置1の各要素の動作制御、およびデータ演算を実現する。例えば、給紙ローラー42の回転動作を制御することによって、画像形成部10に供給される記録材Pの給紙動作を所望のタイミングで実行させる。
【0030】
<2.手差し給紙部付近の構成>
図3は、手差し給紙部30付近の構成の一例を示す側面断面図である。図4は、給紙ローラー42および捌きローラー43付近の構成の一例を示す平面図である。図5は、図4のV−V線から見た給紙ローラー42および捌きローラー43付近の断面図である。
【0031】
ここで、手差し給紙部30は、記録材Pを画像形成部10側に給紙する給紙装置である。図3に示すように、手差し給紙部30は、主として、載置部31と、規制壁32と、押上板34と、給紙ローラー42と、捌きローラー43と、を有している。
【0032】
なお、以下の説明において、「記録材Pの搬送方向」は「矢印AR1方向」を、「記録材Pの幅方向」は「矢印AR3方向」であって「記録材Pの搬送方向と垂直な方向」を、それぞれ意味する。また、以下の説明において、「記録材Pの搬送方向」は、単に「搬送方向」とも称され、「記録材Pの幅方向」は、単に「幅方向」とも称される。
【0033】
載置部31は、図3に示すように、記録材Pを載置する手差しトレイである。載置部31は、枢支ピン軸33を中心に、装置本体1aに対して上下に回動可能とされている。したがって、載置部31が矢印AR2方向に回動させられ、装置本体1aに対して載置部31が開放されることによって、記録材Pの手差し給紙が可能となる。
【0034】
規制壁32は、載置部31における記録材Pを位置決めする。具体的には、図5に示すように、搬送方向における記録材Pの前端が、突き当てられた状態で規制壁32に接触することによって、載置部31に載置された記録材Pの位置が規制される。
【0035】
押上板34は、載置部31に載置された記録材Pの前端を給紙ローラー42側に押し上げる。図3に示すように、押上板34は、搬送方向において、載置部31の下流側であって、規制壁32の上流側に設けられている。また、押上板34は、載置部31に設けられた回動支軸36を中心として、上下に回動可能に軸支されている。さらに、図4に示すように、押上板34の一側部34aは、規制壁32と対向する。
【0036】
なお、押上板34は、例えばバネのような公知の付勢手段により常時上方向(Y軸プラス方向)に付勢されても良い。また、押上板34は、モーターおよびギヤの組合せ、または、モーターおよびカムの組合せによって、上下に回動させられても良い。
【0037】
一対の側部ガイド板35(図3では、図示の都合上、一方のみを記載)は、載置部31の上面において、幅方向に沿って移動可能に設けられている。これにより、一対の側部ガイド板35は、給紙ローラー42により給紙される前の記録材Pを、幅方向における中心基準で位置決めできる。
【0038】
窪み39は、幅方向における規制壁32の中央付近に形成された溝である。図4および図5に示すように、窪み39は、規制壁32を湾曲させることにより形成されており、上下方向(Y軸方向)に延伸する。また、窪み39の開口は、押上板34の一側部34aと対向する。
【0039】
ここで、図4および図5に示すように、給紙ローラー42を用いて載置部31上の記録材Pを搬送するためには、規制壁32および押上板34と給紙ローラー42とが接触しないよう、規制壁32および押上板34と給紙ローラー42との位置関係を考慮することが必要となる。そして、本実施の形態では、規制壁32に窪み39が形成されることによって、規制壁32および押上板34と給紙ローラー42との接触が、防止される。
【0040】
ピックアップローラー41は、図3に示すように、押上板34の上方に設けられている。ピックアップローラー41および押上板34の間に記録材Pが挟み込まれることによって、載置部31に載置された記録材Pは、最上層から繰り出される。
【0041】
給紙ローラー42は、載置部31に載置され、ピックアップローラー41により繰り出された記録材Pを、搬送方向の下流側に給紙する。図3および図5に示すように、給紙ローラー42は、規制壁32および押上板34の上方に設けられている。
【0042】
捌きローラー43は、トルクリミッター(図示省略)を有しており、給紙ローラー42により給紙される記録材Pを、1枚ずつ分離する。具体的には、複数の記録材Pが捌きローラー43に到達する場合であっても、最上層以外の記録材Pが搬送方向の逆側に押し戻され、最上層の記録材Pだけが第2給紙路R12に供給される。
【0043】
そのため、ピックアップローラー41および給紙ローラー42により複数の記録材Pが搬送される場合であっても、画像形成部10に記録材Pが重なって搬送されることを未然に防止できる。そして、捌きローラー43で分離された1枚の記録材Pは、給紙ローラー42の回転駆動力によって、第2給紙路R12および共通給紙路R1に給紙される。
【0044】
遮蔽部材45は、上下方向(Y軸方向)に延びる棒状体である。図5に示すように、遮蔽部材45は、給紙ローラー42の下方に配置されている。また、図4に示すように、遮蔽部材45は、押上板34の一側部34aであって、記録材Pの幅方向における中央部に取り付けられている。また、図4および図5に示すように、遮蔽部材45が窪み39に嵌め合わされるように、遮蔽部材45は、窪み39の延伸方向(上下方向)に沿って押上板34の一側部34aに設けられており、さらに、図4に示すように、幅方向における遮蔽部材45のサイズは、幅方向における給紙ローラー42のサイズと同様である。
【0045】
これにより、遮蔽部材45は、給紙ローラー42に接触することなく、規制壁32に形成された窪み39を塞ぐことができる。
【0046】
<3.手差し給紙部による記録材の給紙手法>
図6は、遮蔽部材45を有しない場合における給紙ローラー42および捌きローラー43付近の構成の一例を示す平面図である。図7および図8は、図6のW−W線から見た給紙ローラー42および捌きローラー43付近の断面図である。図9は、図4のV−V線から見た給紙ローラー42および捌きローラー43付近の断面図である。
【0047】
ここで、載置部31に十分な枚数の記録材Pが載置されている場合、窪み39の上方は、記録材Pにより塞がれる。これにより、記録材Pが重送され、捌きローラー43により最上層の記録材Pのみ第2給紙路R12に給紙される場合であっても、最上層以外の記録材Pによって窪み39の上部が塞がれる。
【0048】
そのため、載置部31に複数の記録材Pが載置されている場合、図5および図7に示すように、窪み39に沿って遮蔽部材45が設けられているか否かに関わらず、窪み39に記録材Pが進入することを防止できる。
【0049】
次に、載置部31に載置されている記録材Pの枚数が少ない(例えば、2枚程度:図8参照)場合、最上層以外の記録材Pは、捌きローラー43によりニップ位置LN2でニップされ、載置部31側に押し戻される。
【0050】
そのため、窪み39に沿って遮蔽部材45が設けられていない場合には、図8に示すように、押し戻された記録材Pが窪み39に進入する。その結果、記録材Pの搬送不良が発生する。
【0051】
これに対して、窪み39に沿って遮蔽部材45が設けられている場合には、図9に示すように、窪み39の上部は、遮蔽部材45により塞がれている。その結果、記録材Pの搬送不良が発生することを未然に防止できる。
【0052】
<4.本実施の形態の手差し給紙部および画像形成装置の利点>
以上のように、画像形成装置1は、規制壁32および押上板34の上部付近に給紙ローラー42を対向配置できるため、規制壁32には、上下方向に延びる窪み39が、形成される。また、この窪み39に挿入される位置に遮蔽部材45が設けられている。これにより、給紙ローラー42が規制壁32および押上板34と干渉することを防止できる。
【0053】
また、押上板34の一側部34aと規制壁32との間に形成され、隙間38より幅広とされた窪み39に、記録材Pが潜り込むことを防止できる。そのため、この潜り込みに起因した紙詰まりが発生することを未然に防止できる。
【0054】
さらに、遮蔽部材45を設けるだけで、窪み39に記録材Pが潜り込みことを防止できる。すなわち、特別な機構を設けることなく、安価な手法によって、記録材Pの潜り込みを防止できる。そのため、手差し給紙部30の製造コストを低減できる。
【0055】
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0056】
(1)本実施の形態において、窪み39は、搬送方向における規制壁32の中央付近に形成されているものとして説明したが、これに限定されるものでない。
【0057】
図10は、給紙ローラー42および捌きローラー43付近の構成の他の例を示す平面図である。図10に示すように、規制壁132は、幅方向に沿って延びる板体である。
【0058】
窪み139は、幅方向における押上板134の一側部134aの中央付近に形成された溝である。図10に示すように、窪み139は、上下方向(Y軸方向)に延伸する。また、窪み139の開口は、規制壁132と対向する。これにより、窪み139に起因した紙詰まりが発生することを未然に防止できる。
【0059】
このように、窪み39、139は、押上板34の一側部34aおよび規制壁132の少なくとも一方に、他方と対向する位置に形成されていれば、十分である。
【0060】
(2)また、本実施の形態において、手差し給紙部30(給紙装置)は、画像形成部10に記録材Pを給紙するものとして説明したが、これに限定されるものでない。
【0061】
例えば、手差し給紙部30は、原稿給送部61に原稿を給紙するために用いられても良い。この場合も、原稿給送部61による原稿搬送が、良好に実行できる。すなわち、原稿給送部61は、手差し給紙部30から原稿を給紙される処理部として用いられる。また、手差し給紙部30の給紙対象としては、スキャナー部60の読取対象となる原稿および上述の記録材Pのようなシート材が採用できる。
【0062】
(3)また、本実施の形態において、遮蔽部材45は、押上板34の窪み39に取り付けられており、押上板34と遮蔽部材45とは別体であるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、遮蔽部材45は、押上板34と一体成形されても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
1a 装置本体
10 画像形成部
20 トレイ給紙部
21 給紙
30 手差し給紙部(給紙装置)
31 載置部
32、132 規制壁
34、134 押上板
34a、134a 一側部
38 隙間
39、139 窪み
42 給紙ローラー
43 捌きローラー
45 遮蔽部材
50 排紙部
60 スキャナー部
61 原稿給送部
P 記録材(シート材)
R1 共通給紙路
R11 第1給紙路
R12 第2給紙路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を給紙する給紙装置であって、
(a) 前記シート材を載置する載置部と、
(b) 前記載置部に載置された前記シート材を、搬送方向の下流側に給紙する給紙ローラーと、
(c) 前記給紙ローラーにより給紙されるシート材を1枚ずつに分離する捌きローラーと、
(d) 前記搬送方向における前記シート材の前端が、突き当てられた状態で接触することによって、前記載置部に載置された前記シート材の位置を規制する規制壁と、
(e) 一側部が前記規制壁と対向するとともに、前記載置部に載置された前記シート材の前記前端を前記給紙ローラー側に押し上げる押上板と、
(f) 前記給紙ローラーの下方に設けられた遮蔽部材と、
を備え、
前記押上板の前記一側部および前記規制壁の少なくとも一方には、上下方向に延びるとともに他方と対向する窪みが、形成されており、
前記給紙ローラーは、前記窪みの上部に対向するように配置されており、
前記遮蔽部材は、前記窪みに挿入される位置に設けられていることを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給紙装置において、
前記遮蔽部材は、前記窪みの延伸方向に沿って設けられていることを特徴とする給紙装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の給紙装置において、
前記窪みは、前記規制壁に形成されており、
前記遮蔽部材は、前記押上板に設けられていることを特徴とする給紙装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の給紙装置と、
前記給紙装置から前記シート材を給紙される処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、画像形成部であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記処理部は、原稿給送部であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−60242(P2013−60242A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198382(P2011−198382)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】