給電装置及び給電システム
【課題】 給電装置が適切な給電を電子機器に対して行うようにする。
【解決手段】 電池が装着された電子機器に非接触で電力を送信する給電装置であって、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するとともに、前記電子機器からデータを受信しないようにする制御手段とを有し、前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するとともに、前記電子機器から前記所定のデータを受信するようにすることを特徴とする。
【解決手段】 電池が装着された電子機器に非接触で電力を送信する給電装置であって、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するとともに、前記電子機器からデータを受信しないようにする制御手段とを有し、前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するとともに、前記電子機器から前記所定のデータを受信するようにすることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触により給電を行う給電装置及び給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コネクタで接続することなく非接触で電力を送信する給電装置と、給電装置から送信された電力によって装着されている電池の充電を行う電子機器とを含む給電システムが知られている。このような非接触給電システムにおいて、電子機器に対して電磁界共鳴現象を利用して給電を行う給電装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−063245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、給電装置が複数の給電先から特定の給電先となる電子機器を選択することは開示されているが、選択した電子機器に対してどのように給電を行うかについては開示されていなかった。また、給電装置がどのように電子機器を特定の給電先を選択するかについては開示されていなかった。
このため、給電装置は、各電子機器に対して適切な給電を行うことができなかった。
そこで、本発明は、給電装置が適切な給電を電子機器に対して行うようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る給電装置は、電池が装着された電子機器に非接触で電力を送信する給電装置であって、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る給電システムは電池が装着された電子機器と、前記電子機器に非接触で電力を送信する給電装置とを含む給電システムであって、前記給電装置は、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御し、前記電子機器は、前記給電装置から受信した前記所定の電力に応じて前記電池の充電を行うための手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本発明は、給電装置が適切な給電を電子機器に対して行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1における給電システムの一例を示したブロック図である。
【図2】実施例1における給電装置100の整合回路103の構成の一例を示す図である。
【図3】実施例1における給電装置100によって行われる検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例1における給電装置100によって行われる選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施例1における給電装置100によって行われる給電モード選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施例1における給電装置100の状態遷移の一例を示した図である。
【図7】実施例1における電子機器200によって行われるコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施例1における電子機器200によって行われるコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例1における電子機器200によって行われるコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施例1における電子機器200によって行われるエラー処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施例1における電子機器200の状態遷移の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
以下、本発明の実施例1について、図面を参照して詳細に説明する。実施例1に係る給電システムは、図1に示すように給電装置100と、電子機器200とを有する。給電装置100は、非接触で電力を電子機器200に供給するための給電アンテナ108を有し、電子機器200は、給電装置100から非接触で供給される電力を受信するための受電アンテナ201を有する。
【0010】
給電装置100は、給電アンテナ108を介して非接触で電子機器200に対して電力を送信する。電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100から非接触で送信された電力に応じて、電子機器200に接続されている電池210の充電を行う。なお、給電装置100は電子機器200が2つ以上であっても、非接触で電力を送信できるものとする。
【0011】
電子機器200は、電池210から供給される電力によって動作する装置であれば、デジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話、デジタルビデオカメラや音楽プレイヤ等であってもよい。
【0012】
なお、実施例1に係る給電システムは、給電装置100が電磁誘導によって電力を電子機器200に送信し、電子機器200が電磁誘導によって給電装置100から電力を受信するシステムであってもよい。また、給電装置100が電磁界共鳴によって電力を電子機器200に送信し、電子機器200が電磁界共鳴によって給電装置100から電力を受信するシステムであってもよい。
【0013】
実施例1に係る電子機器200は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合、給電装置100から電力を受信することができる。また、電子機器200は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しない場合、給電装置100から電力を受信することができない。所定の範囲とは、給電装置100と電子機器200とが互いに通信を行うことができる範囲である。
【0014】
給電装置100は、発振器101、電力送信回路102、整合回路103、変復調回路104、CPU105、ROM106、RAM107、給電アンテナ108、タイマー109、記録再生部110、変換部111、通信部112及び表示部113を有する。
【0015】
発振器101は、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される直流電力をCPU105で決定された目標値に対応する電力に変換して電子機器200に供給するために用いられる高い周波数を発振する。
【0016】
電力送信回路102は、発振器101によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するための電力を発生させる。電力送信回路102で発生した電力は、整合回路103に供給される。また、電力送信回路102によって発生される電力には、給電装置100が電子機器200に電子機器200を制御するためのコマンドを送信するための第1の電力と、給電装置100が電子機器200に電池210の充電を行わせるための第2の電力とがある。第2の電力は、第1の電力よりも高い電力であり、給電装置100が第2の電力を電子機器200に送信している場合、給電装置100はコマンドを電子機器200に送信することができない。また、第1の電力は、どのような電子機器に対しても給電装置100がコマンドを送信できるようにCPU105によって設定される電力である。
【0017】
CPU105は、電子機器200に送信する電力を、第1の電力か、第2の電力かに切り替えるように電力送信回路102を制御する。
【0018】
整合回路103は、発振器101によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ108と受電アンテナ201との間で共振を行うための共振回路である。整合回路103は、図2の示すように、可変コンデンサ301及び302、可変コイル303及び可変抵抗304等を有し、電力送信回路102と給電アンテナ108とのインピーダンスの整合を行う。
【0019】
CPU105は、発振器101によって発振される周波数を、給電アンテナ108と受電アンテナ201とが共振するための周波数にするために、整合回路103の可変コンデンサ301及び302、可変コイル303及び可変抵抗304の値を制御する。給電アンテナ108と受電アンテナ201とが共振するための周波数を以下「共振周波数f」と呼ぶ。
【0020】
共振周波数fは、下記の数式(1)によって示されるものとする。Lは、整合回路103のインダクタンス、Cは整合回路103のキャパシタンスを示す。
【0021】
【数1】
【0022】
CPU105は、発振器101によって発振される周波数が、所定の共振周波数fになるように整合回路103のインダクタンスLの値及び整合回路103のキャパシタンスCを変更するように整合回路103を制御する。
【0023】
可変コンデンサ301、可変コンデンサ302は、インピーダンス整合のためのコンデンサである。また、可変コンデンサ302は、数式(1)によって求められる共振周波数fを調整するためのコンデンサでもある。
可変コイル303は、数式(1)によって求められる共振周波数fを調整するためのコイルである。
【0024】
また、整合回路103は、可変コンデンサ301及び302以外にもさらにコンデンサを有していてもよく、可変コイル303以外にもさらにコイルを有していてもよく、可変抵抗304以外にさらに抵抗を有していてもよいものとする。なお、共振周波数fは、商用周波数である50/60Hzであってもよく、10〜数百kHzであってもよく、10MHz前後の周波数であってもよい。
さらに、整合回路103は、給電アンテナ108に流れる電流及び給電アンテナ108に供給される電圧の変化を検出することもできる。
【0025】
変復調回路104は、コマンドを電子機器200に送信するために、予め定められたプロトコルに応じて、電力送信回路102によって発生された電力の変調を行う。予め定められたプロトコルとは、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)等の通信プロトコルである。電力送信回路102によって発生された電力は、変復調回路104によって、電子機器200と通信を行うためのコマンドとして、パルス信号に変換され、電子機器200に送信される。電子機器200に送信されたパルス信号は、電子機器200により解析されることによって、「1」と「0」との情報を含むビットデータとして認識される。なお、コマンドには、宛先を識別するための情報及びコマンドによって指示される動作を示すコマンドコード等が含まれる。
【0026】
変復調回路104は、電力送信回路102によって発生された電力を、振幅変位を利用したASK(Amplitude Shift Keying)変調によって、パルス信号に変換される。ASK変調は、振幅変位を利用した変調であり、ICカードと、ICカードと非接触で通信を行うカードリーダとの通信等で用いられる。
【0027】
また、変復調回路104は、コマンドを電子機器200に送信した場合、整合回路103で検出された給電アンテナ108に流れる電流の変化に応じて、電子機器200に送信したコマンドに対する電子機器200からの応答信号を復調することができる。このことによって、変復調回路104は、負荷変調方式によって、電子機器200に送信したコマンドに対する応答信号を電子機器200から受信することができる。変復調回路104は、CPU105からの指示に応じてコマンドを電子機器200に送信する。さらに、変復調回路104は、電子機器200からの応答信号を受信した場合、受信した応答信号をCPU105に供給する。
【0028】
CPU105は、不図示のAC電源と接続されている場合、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される電力によって、給電装置100の各部を制御する。また、CPU105は、ROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、給電装置100の各部の動作を制御する。CPU105は電力送信回路102を制御することにより、電子機器200に供給する電力を制御する。また、CPU105は、変復調回路104を制御することにより、コマンドを電子機器200に送信する。
【0029】
ROM106は、給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。
【0030】
RAM107は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、変復調回路104によって電子機器200から受信された情報等を記録する。また、RAM107は、給電装置100が給電する対象を管理するための管理テーブルが記録されている。なお、RAM107に記録されている管理テーブルには、給電装置100が電子機器200から取得した機器情報に含まれる情報が登録される。
【0031】
給電アンテナ108は、電子機器200に電力送信回路102により発生された電力を電子機器200に送信するためのアンテナである。
【0032】
タイマー109は、現在の時刻や各部で行われる動作に係る時間等を計測する。また、タイマー109に対する閾値は、ROM106にあらかじめ記録されている。
【0033】
記録再生部110は、電子機器200から通信部112を介して受信した映像データや音声データ等を記録媒体110aに記録する。また、記録再生部110は、映像データや音声データ等を記録媒体110aから読み出し、RAM107、通信部112及び表示部113に供給することもできる。なお、記録媒体110aは、ハードディスクやメモリカード等であってもよく、給電装置100に内蔵されていても、給電装置100に着脱可能な外部の記録媒体であってもよい。
【0034】
変換部111は、不図示のAC電源が接続される場合、不図示のAC電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を給電装置100全体に供給する。
通信部112は、RAM107や記録媒体110aに格納されている映像データや音声データを電子機器200に送信したり、電子機器200から送信される映像データや音声データを受信することができる。例えば、通信部112は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルバスインターフェースやHDMI等のインターフェースを用いて映像データや音声データの送受信を行ってもよい。また、通信部112は、無線通信方式に準拠した通信により映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。また、例えば、通信部112は、無線LAN規格に規定されている802.11a、b、g、n規格に準拠した信号に変調することにより映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。なお、通信部112は、変復調回路104によりコマンドが給電装置100から電子機器200に対して送信されている場合であっても、電子機器200から映像データや音声データを受信したり、映像データや音声データを電子機器200に送信することができる。通信部112は、記録再生部110から映像データや音声データを供給された場合、記録再生部110から供給された映像データや音声データを電子機器200に送信することができる。
【0035】
表示部113は、記録再生部110によって記録媒体110aから読み出された映像データや給電装置100の動作状態を示すアイコン等を表示する。また、表示部113は、通信部112が電子機器200から受信した映像データを表示してもよい。表示部113は、記録再生部110から映像データや音声データを供給された場合、記録再生部110から供給された映像データを表示することができる。
【0036】
給電装置100はさらに不図示のスピーカ部を有していてもよい。不図示のスピーカ部は、記録再生部110によって記録媒体110aから読み出された音声データや通信部112が電子機器200から受信した音声データを出力してもよい。
【0037】
なお、給電装置100は給電モードとして、第1の給電モードと、第2の給電モードとを有する。第1の給電モードとは、給電装置100が電子機器200に対して第1の電力及び第2の電力のいずれか一つだけを送信するためのモードである。また、第2の給電モードとは、給電装置100が電子機器200に対して第1の電力及び第2の電力のいずれか一つを送信しながら、給電装置100が通信部112を介して電子機器200と、映像データや音声データの送受信を行うためのモードである。
なお、電力送信回路102、整合回路103及び変復調回路104を少なくとも含む手段を「第1の通信手段」とし、通信部112を「第2の通信手段」とする。
【0038】
次に電子機器200について説明を行う。電子機器200は、受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203、変復調回路204、CPU205、ROM206、RAM207、レギュレータ208、充電制御部209、電池210、タイマー211、通信部212及び撮像部213を有する。
【0039】
受電アンテナ201は、給電装置100から供給された電力を受信するためのアンテナである。
整合回路202は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、インピーダンスの整合を行うための共振回路である。整合回路202は、可変コンデンサ、可変コイル及び可変抵抗等を有する。CPU205は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、整合回路202の可変コンデンサのキャパシタンスの値、可変コイルのインダクタンスの値及び可変抵抗のインピーダンスの値を制御する。
【0040】
整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受信された電力からコマンド及びノイズを取り除き、電池210を充電するための直流電力を生成する。さらに、整流平滑回路203は、生成した直流電力をレギュレータ208に供給する。整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受信された電力から取り除いたコマンドを変復調回路204に供給する。
【0041】
変復調回路204は、整流平滑回路203から供給されたコマンドを給電装置100と予め決められた通信プロトコルに応じて解析し、コマンドの解析結果をCPU105に供給する。
【0042】
CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果に応じて変復調回路204が受信したコマンドがどのようなコマンドであるかを判定し、受信したコマンドに対応するコマンドコードで指定されている処理を行う。
【0043】
また、CPU205は、ROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、電子機器200の各部の動作を制御する。また、CPU205は、電子機器200のRAM207及び記録媒体213bに記録されている映像データや音声データが給電装置100に送信されたか否かを管理することもできる。CPU205は、通信部212が給電装置100に既に送信した映像データや音声データを示す送信情報をRAM207に記録し、通信部212が給電装置100に送信していない映像データや音声データを示す未送信情報をRAM207に記録する。
【0044】
ROM206は、電子機器200の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。また、ROM206には、電子機器200の機器情報、電子機器200の受電能力情報及び表示データ等が記録される。電子機器200の機器情報には、電子機器200の識別ID、製造者名、装置名、製造年月日、電子機器200が給電装置100から非接触で送信される電力を受信するための手段を有するか否かを示す情報等が含まれる。なお、給電装置100から非接触で送信される電力を受信するための手段を以下、「受電手段」と呼ぶ。なお、受電手段には、受電アンテナ201が少なくとも含まれる。なお、受電手段には、受電アンテナ201以外にも、さらに整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204等が含まれていてもよい。
【0045】
電子機器200の受電能力情報には、電子機器200が最大に受信することができる電力を示す情報及び電子機器200が最低限受信することができる電力を示す情報が含まれる。さらに、電子機器200の受電能力情報には、電子機器200がコマンドによって給電装置100と通信を行う場合に必要な電力を示す情報等が含まれる。さらに、電子機器200の受電能力情報には、電子機器200が通信部212を動作させるために必要な電力を示す情報、電子機器200が充電のために必要な電力を示す情報及び電子機器200が充電機能を有するか否かを示す情報等が含まれる。さらに、さらに、電子機器200の受電能力情報には、電子機器200が撮像部213を動作させるために必要な電力を示す情報が含まれる。
【0046】
RAM207は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、給電装置100から送信された情報等を記録する。
【0047】
レギュレータ208は、整流平滑回路203から供給された直流電力の電圧がCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。なお、整流平滑回路203からレギュレータ208を介してCPU205によって設定された電圧値になるように制御された直流電力は、充電制御部209に供給される。
【0048】
また、レギュレータ208は、電池210から供給される電力の電圧がCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。電池210からレギュレータ208を介してCPU205によって設定された電圧値になるように制御された直流電力は、少なくともCPU205、ROM206及びRAM207に供給される。
【0049】
また、レギュレータ208は、不図示のAC電源から供給される電力の電圧がCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。不図示のAC電源からレギュレータ208を介してCPU205によって設定された電圧値になるように制御された直流電力は、少なくともCPU205、ROM206及びRAM207に供給される。
【0050】
充電制御部209は、レギュレータ208から直流電力を供給された場合、電池210の充電を行う。また、充電制御部209は、装着されている電池210の残りの容量を示す情報を定期的に検出し、CPU205に供給する。CPU205は、充電制御部209から供給された電池210の残りの容量を示す情報(以下「残容量情報」と呼ぶ)をRAM207に記録する。
【0051】
電池210は、電子機器200に着脱可能な電池である。また、電池210は、充電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン電池等である。電池210は、電子機器200の各部に対して電力を供給することができる。
タイマー211は、現在の時刻や各部で行われる動作に係る時間等を計測する。なお、また、タイマー211に対する閾値は、ROM206にあらかじめ記録されている。
【0052】
通信部212は、ROM206や記録媒体213bに記録されている映像データや音声データを給電装置100に送信したり、給電装置100から映像データや音声データを受信することもできる。例えば、通信部212は、USBなどのシリアルバスインターフェースを用いて映像データや音声データの送信や受信を行う。また、例えば、通信部212は、無線LANとして規定されている802.11a、b、g、n規格に準拠した信号に変調することで映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。
【0053】
撮像部213は、撮像素子、画像処理部、エンコード制御部、記録部213a及び記録媒体213b等を含んでいる。撮像部213は、被写体から映像データの撮影を行い、撮影の結果により得られた静止画像や動画像等の映像データを記録媒体213bに記録する。さらに、撮像部213は、電子機器200において、被写体の撮影を行うために必要な構成を有していてもよい。
【0054】
なお、給電アンテナ108及び受電アンテナ201は、ヘリカルアンテナであっても、メアンダラインアンテナ等の平面状のアンテナであってもよいものとする。
また、給電アンテナ108の代わりに電極を給電装置100に設け、受電アンテナ201の代わりに電極を電子機器200に設けることにより、給電装置100が非接触で電力を電子機器200に供給するシステムにおいても、本発明を適用することができる。
また、給電装置100が電界結合によって非接触で電子機器200に電力を供給するシステムにおいても、本発明を適用できるものとする。
また、実施例1において、給電装置100は、電子機器200に対して非接触で電力を送信し、電子機器200は、給電装置100から非接触で電力を受信するものとしたが、「非接触」を「無線」と言い換えてもよいものとする。
【0055】
(検出処理)
給電装置100によって行われる検出処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3に示す検出処理は、給電装置100が電源オンであり、かつ、給電装置100の動作モードが給電を開始するモードになった場合、給電装置100によって行われる処理である。
【0056】
S301において、CPU105は、給電装置100と、電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを検出するために第1の電力を送信するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。この場合、本フローチャートはS301からS302に進む。
【0057】
S302において、CPU105は、整合回路103によって検出される給電アンテナ108に流れる電流が所定値以上であるか否かを判定することにより、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲に存在するか否かを判定する。
【0058】
給電アンテナ108に流れる電流が所定値よりも低い場合、CPU105は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しないと判定する。この場合(S302でNo)、本フローチャートはS302からS311に進む。給電アンテナ108に流れる電流が所定値以上である場合、CPU105は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在すると判定する。この場合(S302でYes)、本フローチャートはS302からS303に進む。なお、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かの判定は、給電アンテナ108に流れる電流に応じて判定する以外の方法によって判定してもよい。例えば、給電装置100は、電子機器200が所定の範囲内に存在することを確認するためのコマンドを電子機器200に送信するようにしてもよい。この場合、給電装置100は、コマンドに対応する応答信号を電子機器200から受信したか否かに応じて、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを判定してもよい。
【0059】
S303において、CPU105は、S302において所定の範囲内に存在すると判定された電子機器200を含む複数の電子機器の機器情報を要求するための第1のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらに、CPU105は、第1のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、第1のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、本フローチャートは、S303からS304に進む。なお、給電装置100は、複数の電子機器が所定の範囲内に存在する場合には、第1のコマンドに対応する応答信号は複数の電子機器から受信する。CPU105によって、変復調回路104が第1のコマンドに対応する応答信号を受信しなかったと判定された場合、本フローチャートは、S303からS311に進む。CPU105は、変復調回路104が受信した第1のコマンドに対応する応答信号から機器情報を取得し、これを電子機器ごとに識別できるようにRAM107の管理テーブルに全て記録する。
【0060】
S304において、CPU105はS303で受信した第1のコマンドに対する応答信号に含まれる機器情報から、電子機器200が給電装置100から送信された電力を非接触で受信できるか否かを判定する。CPU105は、電子機器200が受電手段を有することを示す情報がS303で受信した機器情報に含まれているか否かを判定する(第2の判定)。電子機器200が受電手段を有することを示す情報が機器情報に含まれていない場合、CPU105は、電子機器200が給電装置100から送信された電力を非接触で受信できないと判定する。この場合(S304でNo)、本フローチャートはS304からS311に進む。電子機器200が受電手段を電子機器200が有することを示す情報が機器情報に含まれている場合、CPU105は、電子機器200が給電装置100から送信された電力を非接触で受信できると判定する。この場合(S304でYes)、本フローチャートはS304からS305に進む。給電装置100に対して複数の電子機器が存在するにおいて、全ての電子機器が受電手段を有するとき(S304でYes)、本フローチャートはS304からS305に進む。給電装置100に対して受電手段を有さない電子機器が一つでも存在する場合(S304でNo)、本フローチャートはS304からS311に進む。
【0061】
S305において、CPU105は、電子機器200の受電能力情報を要求するための第2のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらにCPU105は、第2のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、変復調回路104が第2のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S305からS306に進む。なお、CPU105によって、変復調回路104が第2のコマンドに対応する応答信号を受信していないと判定された場合、本フローチャートは、S305からS311に進む。
【0062】
S306において、CPU105は、電子機器200に対して給電装置100が送信する電力を示す給電能力情報を電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。給電能力情報には、給電装置100が第1の電力として電子機器200に送信する電力を示す情報と、給電装置100が第2の電力として電子機器200に送信する電力を示す情報とが含まれる。給電能力情報が電子機器200に送信された場合、本フローチャートは、S306からS307に進む。
【0063】
S307において、CPU105は、電子機器200の残容量情報を要求するための第3のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらに、CPU105は、第3のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、変復調回路104が第3のコマンドに対応する応答信号を受信していないと判定された場合、本フローチャートは、S307からS311に進む。CPU105によって、変復調回路104が第3のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S307からS308に進む。
【0064】
S308において、CPU105は、電子機器200が給電装置100に対して送信していない映像データや音声データを示す未送信情報を要求するための第4のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらにCPU105は、第4のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。電子機器200が給電装置100に対して送信していない映像データとは、例えば、電子機器200で撮影された映像データや電子機器200に記録されている映像データである。なお、電子機器200が給電装置100に対して送信していない映像データを、以下「所定の映像データ」と呼ぶ。CPU105によって、変復調回路104が第4のコマンドに対応する応答信号を受信していないと判定された場合、本フローチャートは、S308からS311に進む。CPU105によって、変復調回路104が第4のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S308からS309に進む。なお、第4のコマンドに対応する応答信号には、未転送情報が含まれている。
【0065】
S309において、CPU105は、S303でRAM107の管理テーブルに記録された全ての電子機器に対してS305〜S308の処理を行ったか否かを判定する。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録された全ての電子機器に対してS305〜S308の処理を行っていないと判定された場合(S309でNo)、本フローチャートはS309からS305に戻る。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録された全ての電子機器に対してS305〜S308の処理を行ったと判定された場合(S309でYes)、本フローチャートはS309からS310に進む。
【0066】
S310において、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器から給電の対象となる一つの電子機器を選択するための選択処理を行う。選択処理が行われた場合、本フローチャートは終了する。
【0067】
S311において、CPU105は、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御して電子機器200への第1の電力の送信を停止する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0068】
(選択処理)
給電装置100によって行われるS310における選択処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
S401において、CPU105は、S308において取得された未送信情報に応じて、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が存在するか否かを判定する(第1の判定)。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が一つでも存在すると判定された場合(S401でYes)、本フローチャートはS401からS403に進む。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が一つも存在しないと判定された場合(S401でNo)、本フローチャートはS401からS402に進む。
【0069】
S402において、CPU105は、電池の残容量に応じてRAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200を含む複数の電子機器のなかから給電装置100の給電の対象となる一つの電子機器を選択する。S402において、CPU105は、S307において取得した残容量情報から各電子機器に接続されている電池の残容量を算出し、各々の電池の残容量を比較する。比較の結果、CPU105は、各電池の残容量のうち一番残容量の少ない電池が接続されている電子機器を給電装置100の給電の対象として選択する。例えば、電子機器200がCPU105によって、給電の対象として選択された場合、CPU105は、電子機器200を給電の対象に選択したことを通知するための第5のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105は、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したか否かを判定する。CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200の識別IDに給電の対象となることを示すフラグを設定する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0070】
S403において、CPU105は、S308において取得された未送信情報に応じて、RAM107の管理テーブルに記録された電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が複数存在するか否かを判定する。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が複数存在すると判定された場合(S403でYes)、本フローチャートはS403からS404に進む。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が一つ存在すると判定された場合(S403でNo)、本フローチャートはS403からS405に進む。
【0071】
S404において、CPU105は、各電子機器が接続されている電池の残容量に応じて、S403において判定された所定の映像データを有する複数の電子機器のなかから給電装置100の給電の対象となる一つの電子機器を選択する。S404において、CPU105は、S307において取得した残容量情報から各電子機器に接続されている電池の残容量を算出し、各々の電池の残容量を比較する。比較の結果、CPU105は、各電池の残容量のうち一番残容量の少ない電池が接続され、かつ、所定の映像データを有する電子機器を給電装置100の給電の対象として選択する。例えば、電子機器200がCPU105によって、給電の対象として選択された場合、CPU105は、第5のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105は、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0072】
CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200の識別IDに給電の対象となることを示すフラグを設定する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0073】
S405において、CPU105は、所定の映像データを持つ電子機器200を給電装置100の給電の対象として選択する。例えば、所定の映像データを持つ電子機器200がCPU105によって、給電の対象として選択された場合、CPU105は、第5のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105は、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したか否かを判定する。この場合、CPU105は、各電池の残容量を比較することなく、電子機器200を給電装置100の給電の対象として選択する。CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200の識別IDに給電の対象となることを示すフラグを設定する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0074】
(給電モード選択処理)
給電装置100によって行われる給電モード選択処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
図5に示す給電モード選択処理は、S310の選択処理が行われた場合に、S310の選択処理において給電の対象として選択された電子機器に対して、給電装置100が行う処理である。なお、実施例1では、電子機器200がS310の選択処理によって給電の対象として給電装置100によって選択された場合を一例として、以下説明を行う。
【0076】
S501において、CPU105は、電子機器200が有する受電手段の数を示す数情報を要求するための第6のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。電子機器200が2以上の受電手段を有する場合とは、電子機器200が受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204を有する状態で、電池210が受電アンテナ、整合回路、整流平滑回路及び変復調回路を有する状態である。CPU105によって、変復調回路104が第6のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S501からS502に進む。
【0077】
S502において、CPU105は、第6のコマンドに対応する応答信号に含まれる数情報に応じて、電子機器200が2以上の受電手段を有するか否かを判定する。CPU105によって、第6のコマンドに対応する応答信号に含まれる数情報に応じて、電子機器200が2以上の受電手段を有すると判定された場合、(S502のYes)、本フローチャートは、S502からS503に進む。CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号に含まれる数情報に応じて、電子機器200が1つの受電手段を有すると判定された場合、電子機器200が2以上の受電手段を有していないと判定される。この場合(S502のNo)、本フローチャートは、S502からS504に進む。電子機器200が1つの受電手段を有する場合とは、例えば、電子機器200が受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204を有する状態である。この場合、電池210は、受電アンテナ、整合回路、整流平滑回路及び変復調回路を有していない。また、他の一例としては、電子機器200が受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204を有していないが、電池210が受電アンテナ、整合回路、整流平滑回路及び変復調回路を有する状態である。
【0078】
S503において、CPU105は、S502において電子機器200が有している2以上の受電手段のうちのいずれか一つの受電手段を有効にし、それ以外の受電手段を無効にするようにする。このため、CPU105は、選択した受電手段以外の受電手段を無効にするように要求するための第7のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、変復調回路104が第7のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートはS503からS504に進む。
【0079】
S504において、CPU105は、電子機器200を視覚的に識別するための表示データを要求ための第8のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。なお、電子機器200を視覚的に識別するための表示データには、電子機器200の動作状態を示すアイコン、電子機器200の形を示すアイコンや電子機器200のGUI等の映像データが含まれる。CPU105によって、変復調回路104が第8のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートはS504からS505に進む。CPU105は、第8のコマンドに対応する応答信号に含まれる表示データを取得し、これをRAM107に記録し、表示部113や外部の表示装置に表示させるようにする。このことによって、現在、給電の対象となっている電子機器を視覚的にユーザに識別させることができる。
【0080】
S505において、CPU105は、S308において取得した未送信情報に応じて、電子機器200が所定の映像データを有するか否かを判定する。CPU105によって、電子機器200が所定の映像データを有すると判定された場合(S505のYes)、本フローチャートは、S505からS507に進む。CPU105によって、電子機器200が所定の映像データを有していないと判定された場合(S505のNo)、本フローチャートは、S505からS506に進む。
【0081】
S506において、CPU105は、給電装置100の給電モードが第1の給電モードになるように設定する。給電装置100が第1の給電モードになるように設定された場合、CPU105は、電子機器200に対して第2の電力を送信するための第1の給電処理を行う。この場合、本フローチャートは、終了する。
【0082】
S507において、CPU105は、給電装置100の給電モードが第2の給電モードになるように設定する。給電装置100の給電モードが第2の給電モードになるように設定された場合、CPU105は電子機器200に対して第2の電力を送信するとともに、電子機器200から所定の映像データを受信するための第2の給電処理を行う。この場合、本フローチャートは、終了する。
【0083】
給電装置100の給電モードが第1の給電モード及び第2の給電モードのいずれかである場合、給電装置100は、給電の開始を通知するための第9のコマンドを電子機器200に送信することで、電池210の充電を開始するように電子機器200を制御する。また、CPU105によって、電池210が満充電であるとになった判定された場合、給電装置100は、給電の停止を通知するための第10のコマンドを電子機器200に送信することで、電池210の充電を停止するように電子機器200を制御する。
【0084】
給電装置100の給電モードが第2の給電モードである場合、給電装置100は、所定の映像データを要求するための第11のコマンドを電子機器200に送信することにより、所定の映像データを給電装置100に送信するように電子機器200を制御する。また、CPU105によって、電子機器200からの所定の映像データの送信が終了したと判定された場合、給電装置100は、所定の映像データの送信の停止を要求するための第12のコマンドを電子機器200に送信する。このことにより、給電装置100は、所定の映像データの送信を停止するように電子機器200を制御する。また、給電装置100の給電モードが第2の給電モードである場合、給電装置100は、電子機器200から受信した所定の映像データを表示部113や外部の表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0085】
図3に示される検出処理、図4に示される選択処理及び図5に示される給電モード選択処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって実現することができる。なお、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、電子機器200に不図示のAC電源が接続されたか否かが検出されるようにする。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電アンテナ108に異常な電流が流れたか否かが検出されるようにする。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電装置100にエラーが発生したか否か検出されるようにする。なお、この場合のエラーとは、給電装置100の内部に発生するエラーであっても、給電装置100と電子機器200との間に発生する通信エラーであってもよいものとする。
【0086】
図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、電子機器200に不図示のAC電源が接続されたと検出されたとき、CPU105は、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないように給電装置100を制御する。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電アンテナ108に異常な電流が流れたことが検出されたとき、CPU105は、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないように給電装置100を制御する。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電装置100にエラーが発生したと検出されたとき、CPU105は、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないように給電装置100を制御する。
【0087】
(給電装置100の状態遷移図)
実施例1における給電装置100の状態の遷移について、図6の状態遷移図を用いて説明する。図6に示す状態遷移図において、ステート600は、給電装置100の動作モードは、給電を開始するモードであり、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている状態である。給電装置100の電源がONである状態であり、かつ、不図示のAC電源から変換部111を介してCPU105に電力を供給される場合、給電装置100は、ステート600からステート601に遷移する。
【0088】
ステート601において、給電装置100は、電子機器200に送信する電力を発生させないように電力送信回路102の動作を停止させる。この場合、タイマー109により一定時間が計測されるまで待機し、タイマー109によって一定時間が計測された場合、給電装置100は、電子機器200に第1の電力を送信するように電力送信回路102を動作させる。この場合、ステート601からステート602に遷移する。なお、一定時間とは、あらかじめROM106に記録されているタイマー109の閾値である。
【0089】
ステート602において、給電装置100は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを判定する。給電装置100は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しないと判定した場合、ステート602からステート601に遷移する。さらに、給電装置100は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在すると判定した場合、第1のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が電子機器200から受信した第1のコマンドに対する応答信号から電子機器200が受電手段を有するか否かを判定する。給電装置100は、電子機器200が受電手段を有すると判定した場合、ステート602からステート603に遷移する。給電装置100は、電子機器200が受電手段を有していないと判定した場合、ステート602からステート601に遷移する。給電装置100は、変復調回路104が第1のコマンドに対する応答信号を受信しなかったと判定した場合、ステート602からステート601に遷移する。
【0090】
ステート603において、給電装置100は、ステート602において所定の範囲内に存在すると判定した電子機器200に第2のコマンド、第3のコマンド及び第4のコマンドを送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が受信した第2のコマンドに対する応答信号から電子機器200の受電能力情報を取得する。給電装置100は、変復調回路104が受信した第3のコマンドに対する応答信号から残容量情報を取得する。給電装置100は、変復調回路104が受信した第4のコマンドに対する応答信号から未送信情報を取得する。さらに、給電装置100は、電子機器200から取得した電子機器200の受電能力情報及び残容量情報に応じて、電子機器200を給電の対象にするか否かを選択する。さらに、給電装置100は、未送信情報に応じて、給電の対象として選択した電子機器に対して第1の給電モードで給電するか、第2の給電モードで給電するかを選択する。なお、以下、給電装置100の給電の対象に電子機器200が選択された場合を一例として説明を行う。
【0091】
給電装置100の動作モードが第1の給電モードに選択された場合、給電装置100は、ステート603からステート604に遷移する。給電装置100の動作モードが第2の給電モードに選択された場合、給電装置100は、ステート603からステート607に遷移する。
【0092】
ステート604において、給電装置100は、電子機器200に対して送信する第2の電力の調整を行うためのコマンドや、電子機器200を電池210の充電可能な状態にするためのコマンド等を電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、各コマンドに対する応答信号を変復調回路104が受信したと判定した場合、第2の電力の調整のための処理及び電子機器200を電池210の充電可能な状態にするための処理を行う。給電装置100によって、第2の電力の調整のための処理及び電子機器200を電池210の充電可能な状態にするための処理が行われた場合、給電装置100は、第9のコマンドを電子機器200に送信するようにする。この場合、給電装置100は、ステート604からステート605に遷移する。給電装置100は、電子機器200を電池210の充電可能な状態にできないと判定した場合、ステート604からステート611に遷移する。給電装置100は、各コマンドに対する応答信号を変復調回路104が受信しなかったと判定した場合、給電装置100は、ステート604からステート611に遷移する。また、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと検出した場合、ステート604からステート611に遷移する。
【0093】
ステート605において、給電装置100は、第3のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、第3のコマンドに対する応答信号に含まれる残容量情報に応じて、電池210が満充電である状態か否かの判定を行う。給電装置100は、電池210が満充電であると判定した場合、ステート605からステート611に遷移する。また、給電装置100は、変復調回路104が第3のコマンドに対する応答信号を受信している場合に、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定したとき、ステート605からステート611に遷移する。また、変復調回路104が受信した第3のコマンドに対する応答信号にエラー情報が含まれている場合、給電装置100は、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したと判定する。給電装置100は、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したと判定した場合、ステート605からステート611に遷移する。また、給電装置100がステート605からステート611に遷移しない場合、つまり、給電装置100は、電池210が満充電でないと判定した場合、タイマー109によって一定時間が計測されるまで待機する。給電装置100は、タイマー109によって一定時間が計測された場合、ステート605からステート606に遷移する。
【0094】
ステート606において、給電装置100は、電子機器200に対して第2の電力の送信を行う。給電装置100は、電子機器200から取得した受電能力情報に応じて、第2の電力を調整する。また、給電装置100は、電池210の残容量情報に応じて、第2の電力を調整してもいい。この場合、給電装置100は、タイマー109によって一定時間が計測されるまで待機し、タイマー109によって一定時間が計測された場合、ステート606からステート605に遷移する。また、タイマー109によって一定時間が計測されるまでの間に、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定した場合、ステート606からステート605に遷移する。給電装置100が、ステート606からステート605に遷移した場合、給電装置100は、給電装置100から電子機器200に送信される電力が、第1の電力になるようにする。給電装置100が、ステート606からステート604に遷移した場合も同様に、給電装置100は、給電装置100から電子機器200に送信される電力が、第1の電力になるようにする。
【0095】
ステート607において、給電装置100は、電子機器200に対して、電子機器200の通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態か否かを確認するためのコマンドや第3のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が電子機器200から受信した各コマンドに対する応答信号に応じて、電子機器200が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態か否かの判定を行う。給電装置100は、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態であり、かつ、電池210の残容量が所定の残容量よりも大きいと判定した場合、第2の電力を電子機器200に送信しないようにする。この場合、給電装置100は、第1の電力を電子機器200に送信するが、第2の電力を電子機器200に送信しないようにし、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信する処理を行うようにする。この場合、給電装置100は、ステート607からステート610に進む。
【0096】
給電装置100は、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態であり、かつ、電池210の残容量が所定の残容量以下であると判定した場合、第2の電力を電子機器200に送信することによって、電池210の充電を行う。この場合、給電装置100は、第2の電力を電子機器200に送信しながら、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信する処理を行うようにする。この場合、給電装置100は、ステート607からステート608に進む。
【0097】
給電装置100は、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できない状態で、かつ、電池210の残容量が所定の残容量以下であると判定した場合、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信しないようにする。この場合、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信する処理を行わないが、第2の電力を電子機器200に送信することによって、電池210の充電を行う。この場合、給電装置100は、ステート607からステート604に遷移する。
【0098】
ステート608において、給電装置100は、第11のコマンド及び第3のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、第11のコマンドを電子機器200に送信することによって、所定の映像データを給電装置100に送信させるように電子機器200を制御する。さらに、給電装置100は、変復調回路104が受信した第3のコマンドに対する応答信号に含まれる残容量情報に応じて、電池210が満充電である状態か否かの判定を行う。この間、通信部112は、通信部212から送信される所定の映像データを受信し、受信した所定の映像データを記録媒体110aに記録する。この間、給電装置100は、通信部212から送信された所定の映像データの受信が完了したか否かを判定し、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したか否かを判定する。給電装置100は、通信部212から送信された所定の映像データの受信が完了したと判定し、かつ、電池210が満充電であると判定した場合、ステート608からステート611に遷移する。給電装置100は、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したと判定した場合、ステート608からステート611に遷移する。また、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定した場合、ステート608からステート611に遷移する。
【0099】
給電装置100は、通信部212から送信された所定の映像データの受信が完了していないと判定した場合、タイマー109によって一定時間が経過するまでの間、待機する。また、給電装置100は、電池210が満充電でないと判定した場合も、タイマー109によって一定時間が経過するまでの間、待機する。タイマー109によって一定時間が計測された場合、給電装置100は、ステート608からステート609に遷移する。なお、タイマー109によって一定時間が計測されたまでの間、通信部112は、通信部212から送信される所定の映像データの受信を継続して行う。
【0100】
ステート609において、給電装置100は、電子機器200に対して第9のコマンドを送信するようにする。このことにより、給電装置100は、第2の電力を電子機器200に送信しながら、電子機器200から送信される所定の映像データを受信するようにする。この場合、タイマー109によって一定時間が計測されるまで待機し、タイマー109によって一定時間が計測された場合、給電装置100は、ステート609からステート608に遷移する。また、タイマー109によって一定時間が計測されるまでの間に、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定した場合、ステート609からステート608に遷移する。給電装置100が、ステート609からステート608に遷移した場合、CPU105は、給電装置100から電子機器200に送信される電力が、第1の電力になるように制御する。
【0101】
ステート610において、給電装置100は、第11のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が第11のコマンドに対応する応答信号を電子機器200から受信したと判定した場合、通信部112は、通信部212から送信される所定の映像データを受信するように通信部112を制御する。さらに、この場合、給電装置100は、通信部112が受信した所定の映像データを記録媒体110aに記録するよう記録再生部110を制御する。この場合、給電装置100は、ステート610からステート602に遷移する。
【0102】
ステート611において、給電装置100は、第10のコマンド及び第12のコマンドを電子機器200に送信し、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないようにし、電子機器200から送信される所定の映像データを受信しないようにする。この場合、給電装置100は、ステート611からステート602に遷移する。
なお、実施例1において、ステート601とステート602とで給電装置100のステートを分けて説明したが、ステート601とステート602とが同一のステートであってもよい。
【0103】
(コマンド受信処理)
電子機器200によって行われるコマンド受信処理について、図7、図8及び図9のフローチャートを用いて説明する。
S701において、CPU205は、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信したか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信していないと判定された場合(S701でNo)、本フローチャートは終了する。CPU205によって、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信したと判定された場合(S701でYes)、本フローチャートはS701からS702に進む。
【0104】
S702において、CPU205は、変復調回路204が給電装置100から受信したコマンドを解析するように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートはS702からS703に進む。変復調回路204によるコマンドの解析が完了した場合、変復調回路204は解析結果をCPU205に供給する。
【0105】
S703において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されたか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されたと判定された場合(S703でYes)、本フローチャートはS703からS704に進む。CPU205によって、CPU205によって、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されていないと判定された場合(S703でNo)、本フローチャートはS703からS705に進む。
【0106】
S704において、CPU205は、後述するエラー処理を行う。CPU205によって、エラー処理が行われた場合、本フローチャートは終了する。
【0107】
S705において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドでないと判定された場合(S705でNo)、本フローチャートはS705からS707に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドであると判定された場合(S705でYes)、本フローチャートはS705からS706に進む。
【0108】
S706において、CPU205は、ROM206に記録されている機器情報を第1のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電子機器200の機器情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0109】
S707において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドでないと判定された場合(S707でNo)、本フローチャートはS707からS709に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドであると判定された場合(S707でYes)、本フローチャートはS707からS708に進む。
【0110】
S708において、CPU205は、ROM206に記録されている受電能力情報を第2のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電子機器200の受電能力情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0111】
S709において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドでないと判定された場合(S709でNo)、本フローチャートはS709からS711に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドであると判定された場合(S709でYes)、本フローチャートはS709からS710に進む。
【0112】
S710において、CPU205は、RAM207に記録されている残容量情報を第4のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210の残容量情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0113】
S711において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドでないと判定された場合(S711でNo)、本フローチャートはS711から図8のS801に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドであると判定された場合(S711でYes)、本フローチャートはS711からS712に進む。
【0114】
S712において、CPU205は、RAM207に記録されている未送信情報を第4のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210の未送信情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0115】
S801において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドでないと判定された場合(S801でNo)、本フローチャートはS801からS803に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドであると判定された場合(S801でYes)、本フローチャートはS801からS802に進む。
【0116】
S802において、CPU205は、第5のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第5のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0117】
S803において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドでないと判定された場合(S803でNo)、本フローチャートはS803からS805に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであると判定された場合(S803でYes)、本フローチャートはS803からS804に進む。
【0118】
S804において、CPU205は、電池210が受電アンテナを有しているか否かを判定する。電池210が受電アンテナを有している場合、CPU205は、受電手段の数が2であること示す数情報を第6のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210が受電アンテナを有している場合、受電手段の数は、受電アンテナ201と電池210が有する受電アンテナとで、2つとなる。また、電池210が受電アンテナを有していない場合、CPU205は、受電手段の数が1であること示す数情報を第6のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210が受電アンテナを有していない場合、受電手段の数は、受電アンテナ201だけで1つとなる。数情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0119】
S805において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドでないと判定された場合(S805でNo)、本フローチャートはS805からS808に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドであると判定された場合(S805でYes)、本フローチャートはS805からS806に進む。
【0120】
S806において、CPU205は、第7のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第7のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS806からS807に進む。
【0121】
S807において、CPU205は、受電アンテナ201の周波数が、給電アンテナ108の共振周波数fと一致しないように整合回路202を制御する。このことによって、CPU205は、受電アンテナ201を無効にし、電子機器200が給電装置100から非接触で送信された電力を受信しないように制御することができる。この場合、本フローチャートは終了する。
【0122】
S808において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドでないと判定された場合(S808でNo)、本フローチャートはS808から図9のS901に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドであると判定された場合(S808でYes)、本フローチャートはS808からS809に進む。
【0123】
S809において、CPU205は、ROM206にあらかじめ記録されている表示データを第8のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。なお、この場合、CPU205は、肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御し、ROM206にあらかじめ記録されている表示データを給電装置100に送信するように通信部212を制御してもよい。表示データが給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0124】
S901において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドでないと判定された場合(S901でNo)、本フローチャートはS901からS904に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドであると判定された場合(S901でYes)、本フローチャートはS901からS902に進む。
【0125】
S902において、CPU205は、第9のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第9のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS902からS903に進む。
【0126】
S903において、CPU205は、電池210の充電を開始するように充電制御部209を制御する。電池210の充電が開始された場合、本フローチャートは終了する。
【0127】
S904において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが10のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第10のコマンドでないと判定された場合(S904でNo)、本フローチャートはS904からS907に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第10のコマンドであると判定された場合(S904でYes)、本フローチャートはS904からS905に進む。
【0128】
S905において、CPU205は、第10のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第10のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS905からS906に進む。
【0129】
S906において、CPU205は、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。電池210の充電が停止された場合、本フローチャートは終了する。
【0130】
S907において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第11のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第11のコマンドでないと判定された場合(S907でNo)、本フローチャートはS907からS910に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第11のコマンドであると判定された場合(S907でYes)、本フローチャートはS907からS908に進む。
【0131】
S908において、CPU205は、CPU205は、第11のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第11のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS908からS909に進む。
【0132】
S909において、CPU205は、撮像部213の記録媒体213bに記録されている所定の映像データを読み出すように記録部213aを制御し、読み出した所定の映像データを給電装置100に送信するように通信部212を制御する。所定の映像データが給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0133】
S910において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第12のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第12のコマンドでないと判定された場合(S910でNo)、本フローチャートはS910からS913に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第12のコマンドであると判定された場合(S910でYes)、本フローチャートはS910からS911に進む。
【0134】
S911において、CPU205は、第12のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第11のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS911からS912に進む。
【0135】
S912において、CPU205は、撮像部213の記録媒体213bに記録されている所定の映像データの読み出しを停止するように記録部213aを制御し、読み出した所定の映像データを給電装置100に送信しないように通信部212を制御する。所定の映像データの給電装置100への送信が停止された場合、本フローチャートは終了する。
【0136】
S913において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果に含まれるコマンドコードに応じた処理を行う。この場合、本フローチャートは終了する。
【0137】
(エラー処理)
電子機器200によってS704で行われるエラー処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、エラー処理は、S704で行われる以外にもCPU205によって、電子機器200にエラーが発生したと検出された場合に行われてもよいものとする。なお、電子機器200に発生するエラーとは、電子機器200の内部に発生するエラーであっても、給電装置100と電子機器200との間に発生する通信エラーであってもよいものとする。また、例えば、受電アンテナ201に異常な電流が流れた場合、CPU205によって、電子機器200内にエラーが発生したと検出される。
【0138】
S1001において、CPU205は、充電制御部209によって電池210の充電が行われているか否かを判定する。CPU205によって、電池210の充電が行われていると判定された場合(S1001のYes)、本フローチャートは、S1001からS1002に進む。CPU205によって、電池210の充電が行われていないと判定された場合(S1001のNo)、本フローチャートは、S1001からS1003に進む。
【0139】
S1002において、CPU205は、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。電池210の充電が停止された場合、本フローチャートはS1002からS1003に進む。
【0140】
S1003において、CPU205は、通信部212によって、映像データや音声データが給電装置100に送信されているか否かを判定する。CPU205によって、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信していると判定された場合(S1003でYes)本フローチャートは、S1003からS1004に進む。CPU205によって、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信していないと判定された場合(S1003でNo)本フローチャートは、S1003からS1005に進む。
【0141】
S1004において、CPU205は、通信部212による映像データや音声データの給電装置100への送信を停止するように通信部212を制御する。通信部212による映像データの送信が停止された場合、本フローチャートはS1004からS1005に進む。
【0142】
S1005において、CPU205は、変復調回路204でコマンドが受信されたか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204がコマンドを受信していないと判定された場合(S1005でNo)、本フローチャートは終了する。CPU205によって、変復調回路204がコマンドを受信したと判定された場合(S1005でYes)、本フローチャートはS1005からS1006に進む。
【0143】
S1006において、CPU205は、あらかじめROM206に記録されているエラー情報を変復調回路204で受信されたコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。エラー情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0144】
なお、S1006において、CPU205は、変復調回路204が受信したコマンドに対する応答信号としてエラー情報を給電装置100に送信するようにした。しかし、これに限られず、変復調回路204が受信したコマンドが特定のコマンドである場合に、CPU205は、特定のコマンドに対する応答信号として、エラー情報を給電装置100に送信するようにしてもよい。なお、特定のコマンドとは、例えば第3のコマンドであってもよい。
【0145】
図7から図9に示されるコマンド受信処理及び図10に示されるエラー処理は、CPU205がROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。
【0146】
(電子機器200の状態遷移図)
実施例1における電子機器200の状態の遷移について、図11の状態遷移図を用いて説明する。
【0147】
図11に示す状態遷移図において、ステート1100は、電池210が電子機器200に装着されている場合であって、電子機器200の動作モードが給電装置100から送信される電力を受信するモードである状態である。給電装置100から受電アンテナ201を介してCPU205に電力が供給される場合、電子機器200は、ステート1100からステート1101に遷移する。
【0148】
ステート1101において、電子機器200は、給電装置100から送信される電力を受電アンテナ201が受信しないようにするために給電アンテナ108の共振周波数fと同じ周波数で共振しないように受電アンテナ201を制御する。この場合、電子機器200は、給電装置100から第1の電力も、第2の電力も受信できない状態になるので、電子機器200は、給電装置100からコマンドを送信されたとしても受信することはできない。さらに、電子機器200は、タイマー211によって一定時間が計測されるまで待機する。タイマー211によって一定時間が計測された場合、電子機器200は、受電アンテナ201が給電装置100から送信される電力を受信するように受電アンテナ201が給電アンテナ108の共振周波数fと同じ周波数で共振するようにする。このことによって、電子機器200は、給電装置100から送信される第1の電力及び第2の電力を受信するように制御し、給電装置100から送信されるコマンドを受信するようにする。タイマー211によって一定時間が計測された場合、電子機器200は、ステート1101からステート1102に遷移する。
【0149】
ステート1102において、電子機器200は、給電装置100から受電アンテナ201を介して変復調回路204がコマンドを受信したか否かを判定する。電子機器200は、給電装置100から変復調回路204がコマンドを受信したと判定した場合、変復調回路204から供給されるコマンドの解析結果に含まれるコマンドコードによって指定された動作を行う。さらに、電子機器200は、変復調回路204が受信したコマンドに対する応答信号を給電装置100に送信するようにする。電子機器200は、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信しなかったと判定した場合、電子機器200はステート1102からステート1101に遷移する。
【0150】
電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から受信したコマンドが第9のコマンドであると判定した場合、ステート1102からステート1103に遷移する。
電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から受信したコマンドが第11のコマンドであると判定した場合、電子機器200の電源がオンであるか、オフであるかを判定する。この場合、電子機器200の電源がオンであるとき、電子機器200は、ステート1102からステート1108に遷移する。この場合、電子機器200の電源がオフであるとき、電子機器200は、ステート1102からステート1107に遷移する。
【0151】
ステート1103において、電子機器200は、電子機器200の動作モードを充電モードに変更する。電子機器200は、充電モードに移行した場合、電子機器200は、給電装置100から受電アンテナ201を介して変復調回路204が第11のコマンドを受信したか否かを判定する。電子機器200は、給電装置100から第11のコマンドを受信した場合、ステート1103からステート1105に遷移する。電子機器200は、給電装置100から第11のコマンドを受信していない場合、ステート1103からステート1104に遷移する。なお、ステート1103において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力の供給があるとき、電子機器200は、ステート1103からステート1101に遷移する。また、ステート1103において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1103からステート1101に遷移する。なお、充電モードとは、電子機器200が給電装置100から非接触で受信した電力によって、充電制御部209が電池210の充電を行うモードである。
【0152】
ステート1104において、電子機器200は、充電制御部209に電池210の充電を開始させるようにする。なお、ステート1104において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力の供給があるとき、電子機器200は、ステート1104からステート1106に遷移する。また、ステート1104において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1104からステート1106に遷移する。ステート1104において、電子機器200は、電池210の残容量が満充電であると判定した場合、ステート1104からステート1106に遷移する。また、ステート1104において、電子機器200は、変復調回路204が第12のコマンドを受信したと判定した場合、ステート1104からステート1106に遷移する。
【0153】
ステート1105において、電子機器200は、記録媒体213bから読み出した所定の映像データを給電装置100に送信するように通信部212を制御し、電池210の充電を開始するように充電制御部209を制御する。なお、ステート1105において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力供給があるとき、電子機器200は、ステート1105からステート1106に遷移する。また、ステート1105において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1105からステート1106に遷移する。ステート1105において、電子機器200が、通信部212による所定の映像データの送信が完了し、かつ、電池210の残容量が満充電であると判定した場合、ステート1105からステート1106に遷移する。
【0154】
また、ステート1105において、電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から第12のコマンドを受信したと判定した場合、ステート1105からステート1106に遷移する。また、ステート1105において、電子機器200は、給電装置100と電子機器200との間に通信エラーを検出した場合、ステート1105からステート1106に遷移する。
【0155】
ステート1106において、電子機器200は、充電制御部209が電池210の充電を行っている場合、電池210への充電を停止するように充電制御部209を制御する。さらに、電子機器200は、通信部212が所定の映像データを給電装置100に送信している場合、給電装置100への所定の映像データの送信を停止するように通信部212を制御する。この場合、電子機器200は、ステート1106からステート1101に遷移する。
【0156】
ステート1107において、電子機器200は、電池210及び給電装置100のいずれかから供給される電力を通信部212、撮像部213の記録部213a、記録媒体213b及びROM206に供給するように充電制御部209を制御する。なお、この場合、電子機器200は、記録部213a及び記録媒体213b以外の撮像部213に電力を供給しないようにする。
【0157】
ステート1108において、電子機器200は、記録媒体213bに記録されている所定の映像データを給電装置100に送信するように通信部212を制御する。電子機器200は、所定の映像データの送信が完了したと判定した場合、ステート1108からステート1106に遷移する。また、電子機器200が、電池210の残容量が所定の残容量以下であると判定した場合も、電子機器200は、ステート1108からステート1106に遷移する。電子機器200は、通信部212と通信部112との間に通信エラーを検出した場合も、ステート1108からステート1106に遷移する。なお、ステート1108において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力供給があるとき、電子機器200は、ステート1108からステート1106に遷移する。また、ステート1108において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1108からステート1106に遷移する。
【0158】
なお、ステート1104、ステート1105及びステート1108以外のステート1101〜ステート1108において、電池210が電子機器200から取り外された場合、電子機器200は、ステート1100に遷移するものとする。また、ステート1108において、電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から第12のコマンドを受信したと判定した場合、ステート1108からステート1106に遷移する。
また、電子機器200の電源がオンからオフになるように変更された場合、電子機器200は、ステート1108からステート1107に遷移する。
【0159】
なお、本発明は、給電装置100が非接触で電子機器200に対して電力を供給するとしたが、給電装置100が無線やワイヤレス通信により電子機器200に対して電力を供給するものに対しても同様に適用することができる。
【0160】
なお、実施例1において説明した所定の映像データは、電子機器200が給電装置100に対して送信していない音声データ(以下、「所定の音声データ」と呼ぶ。)として置き換えてもよいものとする。この場合、給電装置100の給電モードが第2の給電モードである場合、給電装置100は、電子機器200から受信した所定の音声データを不図示のスピーカ部や外部のスピーカから出力させるようにしてもよい。
【0161】
このように、実施例1に係る給電装置100は、給電装置100に対して複数の電子機器が存在する場合、各電子機器から取得した未送信情報及び残容量情報の少なくとも一つに応じて、給電装置100の給電の対象を選択するようにした。これにより、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持つ電子機器を優先的に給電の対象として選択するようにした。この場合、給電装置100は、選択した電子機器に充電のための電力を送信しながら、電子機器からの映像データの取り込みを行うためのモードに設定されるようにした。したがって、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを有する電子機器に対して適切な給電を行うことができるようになった。
【0162】
また、実施例1に係る給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持つ電子機器が複数存在する場合、各電子機器に装着されている電池の残容量に応じて、給電装置100の給電の対象を選択するようにした。これにより、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持ち、かつ、電池の残容量の少ない電子機器を優先的に給電の対象として選択するようにした。この場合、給電装置100は、選択した電子機器に充電のための電力を送信しながら、電子機器からの映像データの取り込みを行うためのモードに設定されるようにした。
【0163】
したがって、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを有し、かつ、電池の残りの容量が少ない電子機器に対して適切な給電を行うことができるようになった。
【0164】
また、実施例1に係る給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持つ電子機器が存在しない場合、電子機器に装着されている電池の残容量に応じて、給電装置100の給電の対象を選択するようにした。これにより、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持たず、電池の残容量の少ない電子機器を優先的に給電の対象として選択するようにした。この場合、給電装置100は、選択した電子機器からの映像データの取り込みを行わずに、選択した電子機器に充電のための電力を送信するためのモードに設定されるようにした。
【0165】
したがって、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを有していない、かつ、電池の残りの容量が少ない電子機器に対して適切な給電を行うことができるようになった。
【0166】
(他の実施例)
本発明に係る給電装置100は、実施例1で説明した給電装置100に限定されるものではない。また、本発明に係る電子機器200も実施例1で説明した電子機器200に限定されるものではない。例えば、本発明に係る給電装置100及び電子機器200は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
【0167】
また、実施例1で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、実施例1で説明した様々な機能を実現することになる。
【0168】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
【0169】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0170】
100 給電装置
200 電子機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触により給電を行う給電装置及び給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コネクタで接続することなく非接触で電力を送信する給電装置と、給電装置から送信された電力によって装着されている電池の充電を行う電子機器とを含む給電システムが知られている。このような非接触給電システムにおいて、電子機器に対して電磁界共鳴現象を利用して給電を行う給電装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−063245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、給電装置が複数の給電先から特定の給電先となる電子機器を選択することは開示されているが、選択した電子機器に対してどのように給電を行うかについては開示されていなかった。また、給電装置がどのように電子機器を特定の給電先を選択するかについては開示されていなかった。
このため、給電装置は、各電子機器に対して適切な給電を行うことができなかった。
そこで、本発明は、給電装置が適切な給電を電子機器に対して行うようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る給電装置は、電池が装着された電子機器に非接触で電力を送信する給電装置であって、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る給電システムは電池が装着された電子機器と、前記電子機器に非接触で電力を送信する給電装置とを含む給電システムであって、前記給電装置は、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御し、前記電子機器は、前記給電装置から受信した前記所定の電力に応じて前記電池の充電を行うための手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本発明は、給電装置が適切な給電を電子機器に対して行うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1における給電システムの一例を示したブロック図である。
【図2】実施例1における給電装置100の整合回路103の構成の一例を示す図である。
【図3】実施例1における給電装置100によって行われる検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例1における給電装置100によって行われる選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施例1における給電装置100によって行われる給電モード選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施例1における給電装置100の状態遷移の一例を示した図である。
【図7】実施例1における電子機器200によって行われるコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施例1における電子機器200によって行われるコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例1における電子機器200によって行われるコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施例1における電子機器200によって行われるエラー処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施例1における電子機器200の状態遷移の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
以下、本発明の実施例1について、図面を参照して詳細に説明する。実施例1に係る給電システムは、図1に示すように給電装置100と、電子機器200とを有する。給電装置100は、非接触で電力を電子機器200に供給するための給電アンテナ108を有し、電子機器200は、給電装置100から非接触で供給される電力を受信するための受電アンテナ201を有する。
【0010】
給電装置100は、給電アンテナ108を介して非接触で電子機器200に対して電力を送信する。電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100から非接触で送信された電力に応じて、電子機器200に接続されている電池210の充電を行う。なお、給電装置100は電子機器200が2つ以上であっても、非接触で電力を送信できるものとする。
【0011】
電子機器200は、電池210から供給される電力によって動作する装置であれば、デジタルスチルカメラ、カメラ付き携帯電話、デジタルビデオカメラや音楽プレイヤ等であってもよい。
【0012】
なお、実施例1に係る給電システムは、給電装置100が電磁誘導によって電力を電子機器200に送信し、電子機器200が電磁誘導によって給電装置100から電力を受信するシステムであってもよい。また、給電装置100が電磁界共鳴によって電力を電子機器200に送信し、電子機器200が電磁界共鳴によって給電装置100から電力を受信するシステムであってもよい。
【0013】
実施例1に係る電子機器200は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合、給電装置100から電力を受信することができる。また、電子機器200は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しない場合、給電装置100から電力を受信することができない。所定の範囲とは、給電装置100と電子機器200とが互いに通信を行うことができる範囲である。
【0014】
給電装置100は、発振器101、電力送信回路102、整合回路103、変復調回路104、CPU105、ROM106、RAM107、給電アンテナ108、タイマー109、記録再生部110、変換部111、通信部112及び表示部113を有する。
【0015】
発振器101は、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される直流電力をCPU105で決定された目標値に対応する電力に変換して電子機器200に供給するために用いられる高い周波数を発振する。
【0016】
電力送信回路102は、発振器101によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ108を介して電子機器200に供給するための電力を発生させる。電力送信回路102で発生した電力は、整合回路103に供給される。また、電力送信回路102によって発生される電力には、給電装置100が電子機器200に電子機器200を制御するためのコマンドを送信するための第1の電力と、給電装置100が電子機器200に電池210の充電を行わせるための第2の電力とがある。第2の電力は、第1の電力よりも高い電力であり、給電装置100が第2の電力を電子機器200に送信している場合、給電装置100はコマンドを電子機器200に送信することができない。また、第1の電力は、どのような電子機器に対しても給電装置100がコマンドを送信できるようにCPU105によって設定される電力である。
【0017】
CPU105は、電子機器200に送信する電力を、第1の電力か、第2の電力かに切り替えるように電力送信回路102を制御する。
【0018】
整合回路103は、発振器101によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ108と受電アンテナ201との間で共振を行うための共振回路である。整合回路103は、図2の示すように、可変コンデンサ301及び302、可変コイル303及び可変抵抗304等を有し、電力送信回路102と給電アンテナ108とのインピーダンスの整合を行う。
【0019】
CPU105は、発振器101によって発振される周波数を、給電アンテナ108と受電アンテナ201とが共振するための周波数にするために、整合回路103の可変コンデンサ301及び302、可変コイル303及び可変抵抗304の値を制御する。給電アンテナ108と受電アンテナ201とが共振するための周波数を以下「共振周波数f」と呼ぶ。
【0020】
共振周波数fは、下記の数式(1)によって示されるものとする。Lは、整合回路103のインダクタンス、Cは整合回路103のキャパシタンスを示す。
【0021】
【数1】
【0022】
CPU105は、発振器101によって発振される周波数が、所定の共振周波数fになるように整合回路103のインダクタンスLの値及び整合回路103のキャパシタンスCを変更するように整合回路103を制御する。
【0023】
可変コンデンサ301、可変コンデンサ302は、インピーダンス整合のためのコンデンサである。また、可変コンデンサ302は、数式(1)によって求められる共振周波数fを調整するためのコンデンサでもある。
可変コイル303は、数式(1)によって求められる共振周波数fを調整するためのコイルである。
【0024】
また、整合回路103は、可変コンデンサ301及び302以外にもさらにコンデンサを有していてもよく、可変コイル303以外にもさらにコイルを有していてもよく、可変抵抗304以外にさらに抵抗を有していてもよいものとする。なお、共振周波数fは、商用周波数である50/60Hzであってもよく、10〜数百kHzであってもよく、10MHz前後の周波数であってもよい。
さらに、整合回路103は、給電アンテナ108に流れる電流及び給電アンテナ108に供給される電圧の変化を検出することもできる。
【0025】
変復調回路104は、コマンドを電子機器200に送信するために、予め定められたプロトコルに応じて、電力送信回路102によって発生された電力の変調を行う。予め定められたプロトコルとは、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)等の通信プロトコルである。電力送信回路102によって発生された電力は、変復調回路104によって、電子機器200と通信を行うためのコマンドとして、パルス信号に変換され、電子機器200に送信される。電子機器200に送信されたパルス信号は、電子機器200により解析されることによって、「1」と「0」との情報を含むビットデータとして認識される。なお、コマンドには、宛先を識別するための情報及びコマンドによって指示される動作を示すコマンドコード等が含まれる。
【0026】
変復調回路104は、電力送信回路102によって発生された電力を、振幅変位を利用したASK(Amplitude Shift Keying)変調によって、パルス信号に変換される。ASK変調は、振幅変位を利用した変調であり、ICカードと、ICカードと非接触で通信を行うカードリーダとの通信等で用いられる。
【0027】
また、変復調回路104は、コマンドを電子機器200に送信した場合、整合回路103で検出された給電アンテナ108に流れる電流の変化に応じて、電子機器200に送信したコマンドに対する電子機器200からの応答信号を復調することができる。このことによって、変復調回路104は、負荷変調方式によって、電子機器200に送信したコマンドに対する応答信号を電子機器200から受信することができる。変復調回路104は、CPU105からの指示に応じてコマンドを電子機器200に送信する。さらに、変復調回路104は、電子機器200からの応答信号を受信した場合、受信した応答信号をCPU105に供給する。
【0028】
CPU105は、不図示のAC電源と接続されている場合、不図示のAC電源から変換部111を介して供給される電力によって、給電装置100の各部を制御する。また、CPU105は、ROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、給電装置100の各部の動作を制御する。CPU105は電力送信回路102を制御することにより、電子機器200に供給する電力を制御する。また、CPU105は、変復調回路104を制御することにより、コマンドを電子機器200に送信する。
【0029】
ROM106は、給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。
【0030】
RAM107は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、変復調回路104によって電子機器200から受信された情報等を記録する。また、RAM107は、給電装置100が給電する対象を管理するための管理テーブルが記録されている。なお、RAM107に記録されている管理テーブルには、給電装置100が電子機器200から取得した機器情報に含まれる情報が登録される。
【0031】
給電アンテナ108は、電子機器200に電力送信回路102により発生された電力を電子機器200に送信するためのアンテナである。
【0032】
タイマー109は、現在の時刻や各部で行われる動作に係る時間等を計測する。また、タイマー109に対する閾値は、ROM106にあらかじめ記録されている。
【0033】
記録再生部110は、電子機器200から通信部112を介して受信した映像データや音声データ等を記録媒体110aに記録する。また、記録再生部110は、映像データや音声データ等を記録媒体110aから読み出し、RAM107、通信部112及び表示部113に供給することもできる。なお、記録媒体110aは、ハードディスクやメモリカード等であってもよく、給電装置100に内蔵されていても、給電装置100に着脱可能な外部の記録媒体であってもよい。
【0034】
変換部111は、不図示のAC電源が接続される場合、不図示のAC電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を給電装置100全体に供給する。
通信部112は、RAM107や記録媒体110aに格納されている映像データや音声データを電子機器200に送信したり、電子機器200から送信される映像データや音声データを受信することができる。例えば、通信部112は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルバスインターフェースやHDMI等のインターフェースを用いて映像データや音声データの送受信を行ってもよい。また、通信部112は、無線通信方式に準拠した通信により映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。また、例えば、通信部112は、無線LAN規格に規定されている802.11a、b、g、n規格に準拠した信号に変調することにより映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。なお、通信部112は、変復調回路104によりコマンドが給電装置100から電子機器200に対して送信されている場合であっても、電子機器200から映像データや音声データを受信したり、映像データや音声データを電子機器200に送信することができる。通信部112は、記録再生部110から映像データや音声データを供給された場合、記録再生部110から供給された映像データや音声データを電子機器200に送信することができる。
【0035】
表示部113は、記録再生部110によって記録媒体110aから読み出された映像データや給電装置100の動作状態を示すアイコン等を表示する。また、表示部113は、通信部112が電子機器200から受信した映像データを表示してもよい。表示部113は、記録再生部110から映像データや音声データを供給された場合、記録再生部110から供給された映像データを表示することができる。
【0036】
給電装置100はさらに不図示のスピーカ部を有していてもよい。不図示のスピーカ部は、記録再生部110によって記録媒体110aから読み出された音声データや通信部112が電子機器200から受信した音声データを出力してもよい。
【0037】
なお、給電装置100は給電モードとして、第1の給電モードと、第2の給電モードとを有する。第1の給電モードとは、給電装置100が電子機器200に対して第1の電力及び第2の電力のいずれか一つだけを送信するためのモードである。また、第2の給電モードとは、給電装置100が電子機器200に対して第1の電力及び第2の電力のいずれか一つを送信しながら、給電装置100が通信部112を介して電子機器200と、映像データや音声データの送受信を行うためのモードである。
なお、電力送信回路102、整合回路103及び変復調回路104を少なくとも含む手段を「第1の通信手段」とし、通信部112を「第2の通信手段」とする。
【0038】
次に電子機器200について説明を行う。電子機器200は、受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203、変復調回路204、CPU205、ROM206、RAM207、レギュレータ208、充電制御部209、電池210、タイマー211、通信部212及び撮像部213を有する。
【0039】
受電アンテナ201は、給電装置100から供給された電力を受信するためのアンテナである。
整合回路202は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、インピーダンスの整合を行うための共振回路である。整合回路202は、可変コンデンサ、可変コイル及び可変抵抗等を有する。CPU205は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、整合回路202の可変コンデンサのキャパシタンスの値、可変コイルのインダクタンスの値及び可変抵抗のインピーダンスの値を制御する。
【0040】
整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受信された電力からコマンド及びノイズを取り除き、電池210を充電するための直流電力を生成する。さらに、整流平滑回路203は、生成した直流電力をレギュレータ208に供給する。整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受信された電力から取り除いたコマンドを変復調回路204に供給する。
【0041】
変復調回路204は、整流平滑回路203から供給されたコマンドを給電装置100と予め決められた通信プロトコルに応じて解析し、コマンドの解析結果をCPU105に供給する。
【0042】
CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果に応じて変復調回路204が受信したコマンドがどのようなコマンドであるかを判定し、受信したコマンドに対応するコマンドコードで指定されている処理を行う。
【0043】
また、CPU205は、ROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、電子機器200の各部の動作を制御する。また、CPU205は、電子機器200のRAM207及び記録媒体213bに記録されている映像データや音声データが給電装置100に送信されたか否かを管理することもできる。CPU205は、通信部212が給電装置100に既に送信した映像データや音声データを示す送信情報をRAM207に記録し、通信部212が給電装置100に送信していない映像データや音声データを示す未送信情報をRAM207に記録する。
【0044】
ROM206は、電子機器200の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報を記憶する。また、ROM206には、電子機器200の機器情報、電子機器200の受電能力情報及び表示データ等が記録される。電子機器200の機器情報には、電子機器200の識別ID、製造者名、装置名、製造年月日、電子機器200が給電装置100から非接触で送信される電力を受信するための手段を有するか否かを示す情報等が含まれる。なお、給電装置100から非接触で送信される電力を受信するための手段を以下、「受電手段」と呼ぶ。なお、受電手段には、受電アンテナ201が少なくとも含まれる。なお、受電手段には、受電アンテナ201以外にも、さらに整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204等が含まれていてもよい。
【0045】
電子機器200の受電能力情報には、電子機器200が最大に受信することができる電力を示す情報及び電子機器200が最低限受信することができる電力を示す情報が含まれる。さらに、電子機器200の受電能力情報には、電子機器200がコマンドによって給電装置100と通信を行う場合に必要な電力を示す情報等が含まれる。さらに、電子機器200の受電能力情報には、電子機器200が通信部212を動作させるために必要な電力を示す情報、電子機器200が充電のために必要な電力を示す情報及び電子機器200が充電機能を有するか否かを示す情報等が含まれる。さらに、さらに、電子機器200の受電能力情報には、電子機器200が撮像部213を動作させるために必要な電力を示す情報が含まれる。
【0046】
RAM207は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、一時的に給電装置100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム、各部の動作に関するパラメータ等の情報、給電装置100から送信された情報等を記録する。
【0047】
レギュレータ208は、整流平滑回路203から供給された直流電力の電圧がCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。なお、整流平滑回路203からレギュレータ208を介してCPU205によって設定された電圧値になるように制御された直流電力は、充電制御部209に供給される。
【0048】
また、レギュレータ208は、電池210から供給される電力の電圧がCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。電池210からレギュレータ208を介してCPU205によって設定された電圧値になるように制御された直流電力は、少なくともCPU205、ROM206及びRAM207に供給される。
【0049】
また、レギュレータ208は、不図示のAC電源から供給される電力の電圧がCPU205によって設定された電圧値になるように制御する。不図示のAC電源からレギュレータ208を介してCPU205によって設定された電圧値になるように制御された直流電力は、少なくともCPU205、ROM206及びRAM207に供給される。
【0050】
充電制御部209は、レギュレータ208から直流電力を供給された場合、電池210の充電を行う。また、充電制御部209は、装着されている電池210の残りの容量を示す情報を定期的に検出し、CPU205に供給する。CPU205は、充電制御部209から供給された電池210の残りの容量を示す情報(以下「残容量情報」と呼ぶ)をRAM207に記録する。
【0051】
電池210は、電子機器200に着脱可能な電池である。また、電池210は、充電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン電池等である。電池210は、電子機器200の各部に対して電力を供給することができる。
タイマー211は、現在の時刻や各部で行われる動作に係る時間等を計測する。なお、また、タイマー211に対する閾値は、ROM206にあらかじめ記録されている。
【0052】
通信部212は、ROM206や記録媒体213bに記録されている映像データや音声データを給電装置100に送信したり、給電装置100から映像データや音声データを受信することもできる。例えば、通信部212は、USBなどのシリアルバスインターフェースを用いて映像データや音声データの送信や受信を行う。また、例えば、通信部212は、無線LANとして規定されている802.11a、b、g、n規格に準拠した信号に変調することで映像データや音声データの送信や受信を行ってもよい。
【0053】
撮像部213は、撮像素子、画像処理部、エンコード制御部、記録部213a及び記録媒体213b等を含んでいる。撮像部213は、被写体から映像データの撮影を行い、撮影の結果により得られた静止画像や動画像等の映像データを記録媒体213bに記録する。さらに、撮像部213は、電子機器200において、被写体の撮影を行うために必要な構成を有していてもよい。
【0054】
なお、給電アンテナ108及び受電アンテナ201は、ヘリカルアンテナであっても、メアンダラインアンテナ等の平面状のアンテナであってもよいものとする。
また、給電アンテナ108の代わりに電極を給電装置100に設け、受電アンテナ201の代わりに電極を電子機器200に設けることにより、給電装置100が非接触で電力を電子機器200に供給するシステムにおいても、本発明を適用することができる。
また、給電装置100が電界結合によって非接触で電子機器200に電力を供給するシステムにおいても、本発明を適用できるものとする。
また、実施例1において、給電装置100は、電子機器200に対して非接触で電力を送信し、電子機器200は、給電装置100から非接触で電力を受信するものとしたが、「非接触」を「無線」と言い換えてもよいものとする。
【0055】
(検出処理)
給電装置100によって行われる検出処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。図3に示す検出処理は、給電装置100が電源オンであり、かつ、給電装置100の動作モードが給電を開始するモードになった場合、給電装置100によって行われる処理である。
【0056】
S301において、CPU105は、給電装置100と、電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを検出するために第1の電力を送信するように発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御する。この場合、本フローチャートはS301からS302に進む。
【0057】
S302において、CPU105は、整合回路103によって検出される給電アンテナ108に流れる電流が所定値以上であるか否かを判定することにより、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲に存在するか否かを判定する。
【0058】
給電アンテナ108に流れる電流が所定値よりも低い場合、CPU105は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しないと判定する。この場合(S302でNo)、本フローチャートはS302からS311に進む。給電アンテナ108に流れる電流が所定値以上である場合、CPU105は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在すると判定する。この場合(S302でYes)、本フローチャートはS302からS303に進む。なお、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かの判定は、給電アンテナ108に流れる電流に応じて判定する以外の方法によって判定してもよい。例えば、給電装置100は、電子機器200が所定の範囲内に存在することを確認するためのコマンドを電子機器200に送信するようにしてもよい。この場合、給電装置100は、コマンドに対応する応答信号を電子機器200から受信したか否かに応じて、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを判定してもよい。
【0059】
S303において、CPU105は、S302において所定の範囲内に存在すると判定された電子機器200を含む複数の電子機器の機器情報を要求するための第1のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらに、CPU105は、第1のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、第1のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、本フローチャートは、S303からS304に進む。なお、給電装置100は、複数の電子機器が所定の範囲内に存在する場合には、第1のコマンドに対応する応答信号は複数の電子機器から受信する。CPU105によって、変復調回路104が第1のコマンドに対応する応答信号を受信しなかったと判定された場合、本フローチャートは、S303からS311に進む。CPU105は、変復調回路104が受信した第1のコマンドに対応する応答信号から機器情報を取得し、これを電子機器ごとに識別できるようにRAM107の管理テーブルに全て記録する。
【0060】
S304において、CPU105はS303で受信した第1のコマンドに対する応答信号に含まれる機器情報から、電子機器200が給電装置100から送信された電力を非接触で受信できるか否かを判定する。CPU105は、電子機器200が受電手段を有することを示す情報がS303で受信した機器情報に含まれているか否かを判定する(第2の判定)。電子機器200が受電手段を有することを示す情報が機器情報に含まれていない場合、CPU105は、電子機器200が給電装置100から送信された電力を非接触で受信できないと判定する。この場合(S304でNo)、本フローチャートはS304からS311に進む。電子機器200が受電手段を電子機器200が有することを示す情報が機器情報に含まれている場合、CPU105は、電子機器200が給電装置100から送信された電力を非接触で受信できると判定する。この場合(S304でYes)、本フローチャートはS304からS305に進む。給電装置100に対して複数の電子機器が存在するにおいて、全ての電子機器が受電手段を有するとき(S304でYes)、本フローチャートはS304からS305に進む。給電装置100に対して受電手段を有さない電子機器が一つでも存在する場合(S304でNo)、本フローチャートはS304からS311に進む。
【0061】
S305において、CPU105は、電子機器200の受電能力情報を要求するための第2のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらにCPU105は、第2のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、変復調回路104が第2のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S305からS306に進む。なお、CPU105によって、変復調回路104が第2のコマンドに対応する応答信号を受信していないと判定された場合、本フローチャートは、S305からS311に進む。
【0062】
S306において、CPU105は、電子機器200に対して給電装置100が送信する電力を示す給電能力情報を電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。給電能力情報には、給電装置100が第1の電力として電子機器200に送信する電力を示す情報と、給電装置100が第2の電力として電子機器200に送信する電力を示す情報とが含まれる。給電能力情報が電子機器200に送信された場合、本フローチャートは、S306からS307に進む。
【0063】
S307において、CPU105は、電子機器200の残容量情報を要求するための第3のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらに、CPU105は、第3のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、変復調回路104が第3のコマンドに対応する応答信号を受信していないと判定された場合、本フローチャートは、S307からS311に進む。CPU105によって、変復調回路104が第3のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S307からS308に進む。
【0064】
S308において、CPU105は、電子機器200が給電装置100に対して送信していない映像データや音声データを示す未送信情報を要求するための第4のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。さらにCPU105は、第4のコマンドに対応する応答信号を受信するように変復調回路104を制御する。電子機器200が給電装置100に対して送信していない映像データとは、例えば、電子機器200で撮影された映像データや電子機器200に記録されている映像データである。なお、電子機器200が給電装置100に対して送信していない映像データを、以下「所定の映像データ」と呼ぶ。CPU105によって、変復調回路104が第4のコマンドに対応する応答信号を受信していないと判定された場合、本フローチャートは、S308からS311に進む。CPU105によって、変復調回路104が第4のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S308からS309に進む。なお、第4のコマンドに対応する応答信号には、未転送情報が含まれている。
【0065】
S309において、CPU105は、S303でRAM107の管理テーブルに記録された全ての電子機器に対してS305〜S308の処理を行ったか否かを判定する。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録された全ての電子機器に対してS305〜S308の処理を行っていないと判定された場合(S309でNo)、本フローチャートはS309からS305に戻る。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録された全ての電子機器に対してS305〜S308の処理を行ったと判定された場合(S309でYes)、本フローチャートはS309からS310に進む。
【0066】
S310において、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器から給電の対象となる一つの電子機器を選択するための選択処理を行う。選択処理が行われた場合、本フローチャートは終了する。
【0067】
S311において、CPU105は、発振器101、電力送信回路102及び整合回路103を制御して電子機器200への第1の電力の送信を停止する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0068】
(選択処理)
給電装置100によって行われるS310における選択処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
S401において、CPU105は、S308において取得された未送信情報に応じて、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が存在するか否かを判定する(第1の判定)。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が一つでも存在すると判定された場合(S401でYes)、本フローチャートはS401からS403に進む。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が一つも存在しないと判定された場合(S401でNo)、本フローチャートはS401からS402に進む。
【0069】
S402において、CPU105は、電池の残容量に応じてRAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200を含む複数の電子機器のなかから給電装置100の給電の対象となる一つの電子機器を選択する。S402において、CPU105は、S307において取得した残容量情報から各電子機器に接続されている電池の残容量を算出し、各々の電池の残容量を比較する。比較の結果、CPU105は、各電池の残容量のうち一番残容量の少ない電池が接続されている電子機器を給電装置100の給電の対象として選択する。例えば、電子機器200がCPU105によって、給電の対象として選択された場合、CPU105は、電子機器200を給電の対象に選択したことを通知するための第5のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105は、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したか否かを判定する。CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200の識別IDに給電の対象となることを示すフラグを設定する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0070】
S403において、CPU105は、S308において取得された未送信情報に応じて、RAM107の管理テーブルに記録された電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が複数存在するか否かを判定する。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が複数存在すると判定された場合(S403でYes)、本フローチャートはS403からS404に進む。CPU105によって、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器のなかに所定の映像データを有する電子機器が一つ存在すると判定された場合(S403でNo)、本フローチャートはS403からS405に進む。
【0071】
S404において、CPU105は、各電子機器が接続されている電池の残容量に応じて、S403において判定された所定の映像データを有する複数の電子機器のなかから給電装置100の給電の対象となる一つの電子機器を選択する。S404において、CPU105は、S307において取得した残容量情報から各電子機器に接続されている電池の残容量を算出し、各々の電池の残容量を比較する。比較の結果、CPU105は、各電池の残容量のうち一番残容量の少ない電池が接続され、かつ、所定の映像データを有する電子機器を給電装置100の給電の対象として選択する。例えば、電子機器200がCPU105によって、給電の対象として選択された場合、CPU105は、第5のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105は、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したか否かを判定する。
【0072】
CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200の識別IDに給電の対象となることを示すフラグを設定する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0073】
S405において、CPU105は、所定の映像データを持つ電子機器200を給電装置100の給電の対象として選択する。例えば、所定の映像データを持つ電子機器200がCPU105によって、給電の対象として選択された場合、CPU105は、第5のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105は、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したか否かを判定する。この場合、CPU105は、各電池の残容量を比較することなく、電子機器200を給電装置100の給電の対象として選択する。CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号を変復調回路104が受信したと判定された場合、CPU105は、RAM107の管理テーブルに記録されている電子機器200の識別IDに給電の対象となることを示すフラグを設定する。この場合、本フローチャートは終了する。
【0074】
(給電モード選択処理)
給電装置100によって行われる給電モード選択処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
図5に示す給電モード選択処理は、S310の選択処理が行われた場合に、S310の選択処理において給電の対象として選択された電子機器に対して、給電装置100が行う処理である。なお、実施例1では、電子機器200がS310の選択処理によって給電の対象として給電装置100によって選択された場合を一例として、以下説明を行う。
【0076】
S501において、CPU105は、電子機器200が有する受電手段の数を示す数情報を要求するための第6のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。電子機器200が2以上の受電手段を有する場合とは、電子機器200が受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204を有する状態で、電池210が受電アンテナ、整合回路、整流平滑回路及び変復調回路を有する状態である。CPU105によって、変復調回路104が第6のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートは、S501からS502に進む。
【0077】
S502において、CPU105は、第6のコマンドに対応する応答信号に含まれる数情報に応じて、電子機器200が2以上の受電手段を有するか否かを判定する。CPU105によって、第6のコマンドに対応する応答信号に含まれる数情報に応じて、電子機器200が2以上の受電手段を有すると判定された場合、(S502のYes)、本フローチャートは、S502からS503に進む。CPU105によって、第5のコマンドに対応する応答信号に含まれる数情報に応じて、電子機器200が1つの受電手段を有すると判定された場合、電子機器200が2以上の受電手段を有していないと判定される。この場合(S502のNo)、本フローチャートは、S502からS504に進む。電子機器200が1つの受電手段を有する場合とは、例えば、電子機器200が受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204を有する状態である。この場合、電池210は、受電アンテナ、整合回路、整流平滑回路及び変復調回路を有していない。また、他の一例としては、電子機器200が受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203及び変復調回路204を有していないが、電池210が受電アンテナ、整合回路、整流平滑回路及び変復調回路を有する状態である。
【0078】
S503において、CPU105は、S502において電子機器200が有している2以上の受電手段のうちのいずれか一つの受電手段を有効にし、それ以外の受電手段を無効にするようにする。このため、CPU105は、選択した受電手段以外の受電手段を無効にするように要求するための第7のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。CPU105によって、変復調回路104が第7のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートはS503からS504に進む。
【0079】
S504において、CPU105は、電子機器200を視覚的に識別するための表示データを要求ための第8のコマンドを電子機器200に送信するように変復調回路104を制御する。なお、電子機器200を視覚的に識別するための表示データには、電子機器200の動作状態を示すアイコン、電子機器200の形を示すアイコンや電子機器200のGUI等の映像データが含まれる。CPU105によって、変復調回路104が第8のコマンドに対応する応答信号を受信したと判定された場合、本フローチャートはS504からS505に進む。CPU105は、第8のコマンドに対応する応答信号に含まれる表示データを取得し、これをRAM107に記録し、表示部113や外部の表示装置に表示させるようにする。このことによって、現在、給電の対象となっている電子機器を視覚的にユーザに識別させることができる。
【0080】
S505において、CPU105は、S308において取得した未送信情報に応じて、電子機器200が所定の映像データを有するか否かを判定する。CPU105によって、電子機器200が所定の映像データを有すると判定された場合(S505のYes)、本フローチャートは、S505からS507に進む。CPU105によって、電子機器200が所定の映像データを有していないと判定された場合(S505のNo)、本フローチャートは、S505からS506に進む。
【0081】
S506において、CPU105は、給電装置100の給電モードが第1の給電モードになるように設定する。給電装置100が第1の給電モードになるように設定された場合、CPU105は、電子機器200に対して第2の電力を送信するための第1の給電処理を行う。この場合、本フローチャートは、終了する。
【0082】
S507において、CPU105は、給電装置100の給電モードが第2の給電モードになるように設定する。給電装置100の給電モードが第2の給電モードになるように設定された場合、CPU105は電子機器200に対して第2の電力を送信するとともに、電子機器200から所定の映像データを受信するための第2の給電処理を行う。この場合、本フローチャートは、終了する。
【0083】
給電装置100の給電モードが第1の給電モード及び第2の給電モードのいずれかである場合、給電装置100は、給電の開始を通知するための第9のコマンドを電子機器200に送信することで、電池210の充電を開始するように電子機器200を制御する。また、CPU105によって、電池210が満充電であるとになった判定された場合、給電装置100は、給電の停止を通知するための第10のコマンドを電子機器200に送信することで、電池210の充電を停止するように電子機器200を制御する。
【0084】
給電装置100の給電モードが第2の給電モードである場合、給電装置100は、所定の映像データを要求するための第11のコマンドを電子機器200に送信することにより、所定の映像データを給電装置100に送信するように電子機器200を制御する。また、CPU105によって、電子機器200からの所定の映像データの送信が終了したと判定された場合、給電装置100は、所定の映像データの送信の停止を要求するための第12のコマンドを電子機器200に送信する。このことにより、給電装置100は、所定の映像データの送信を停止するように電子機器200を制御する。また、給電装置100の給電モードが第2の給電モードである場合、給電装置100は、電子機器200から受信した所定の映像データを表示部113や外部の表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0085】
図3に示される検出処理、図4に示される選択処理及び図5に示される給電モード選択処理は、CPU105がROM106に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって実現することができる。なお、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、電子機器200に不図示のAC電源が接続されたか否かが検出されるようにする。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電アンテナ108に異常な電流が流れたか否かが検出されるようにする。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電装置100にエラーが発生したか否か検出されるようにする。なお、この場合のエラーとは、給電装置100の内部に発生するエラーであっても、給電装置100と電子機器200との間に発生する通信エラーであってもよいものとする。
【0086】
図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、電子機器200に不図示のAC電源が接続されたと検出されたとき、CPU105は、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないように給電装置100を制御する。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電アンテナ108に異常な電流が流れたことが検出されたとき、CPU105は、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないように給電装置100を制御する。また、図3から図5に示される処理が行われる場合、CPU105によって、給電装置100にエラーが発生したと検出されたとき、CPU105は、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないように給電装置100を制御する。
【0087】
(給電装置100の状態遷移図)
実施例1における給電装置100の状態の遷移について、図6の状態遷移図を用いて説明する。図6に示す状態遷移図において、ステート600は、給電装置100の動作モードは、給電を開始するモードであり、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている状態である。給電装置100の電源がONである状態であり、かつ、不図示のAC電源から変換部111を介してCPU105に電力を供給される場合、給電装置100は、ステート600からステート601に遷移する。
【0088】
ステート601において、給電装置100は、電子機器200に送信する電力を発生させないように電力送信回路102の動作を停止させる。この場合、タイマー109により一定時間が計測されるまで待機し、タイマー109によって一定時間が計測された場合、給電装置100は、電子機器200に第1の電力を送信するように電力送信回路102を動作させる。この場合、ステート601からステート602に遷移する。なお、一定時間とは、あらかじめROM106に記録されているタイマー109の閾値である。
【0089】
ステート602において、給電装置100は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在するか否かを判定する。給電装置100は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しないと判定した場合、ステート602からステート601に遷移する。さらに、給電装置100は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在すると判定した場合、第1のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が電子機器200から受信した第1のコマンドに対する応答信号から電子機器200が受電手段を有するか否かを判定する。給電装置100は、電子機器200が受電手段を有すると判定した場合、ステート602からステート603に遷移する。給電装置100は、電子機器200が受電手段を有していないと判定した場合、ステート602からステート601に遷移する。給電装置100は、変復調回路104が第1のコマンドに対する応答信号を受信しなかったと判定した場合、ステート602からステート601に遷移する。
【0090】
ステート603において、給電装置100は、ステート602において所定の範囲内に存在すると判定した電子機器200に第2のコマンド、第3のコマンド及び第4のコマンドを送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が受信した第2のコマンドに対する応答信号から電子機器200の受電能力情報を取得する。給電装置100は、変復調回路104が受信した第3のコマンドに対する応答信号から残容量情報を取得する。給電装置100は、変復調回路104が受信した第4のコマンドに対する応答信号から未送信情報を取得する。さらに、給電装置100は、電子機器200から取得した電子機器200の受電能力情報及び残容量情報に応じて、電子機器200を給電の対象にするか否かを選択する。さらに、給電装置100は、未送信情報に応じて、給電の対象として選択した電子機器に対して第1の給電モードで給電するか、第2の給電モードで給電するかを選択する。なお、以下、給電装置100の給電の対象に電子機器200が選択された場合を一例として説明を行う。
【0091】
給電装置100の動作モードが第1の給電モードに選択された場合、給電装置100は、ステート603からステート604に遷移する。給電装置100の動作モードが第2の給電モードに選択された場合、給電装置100は、ステート603からステート607に遷移する。
【0092】
ステート604において、給電装置100は、電子機器200に対して送信する第2の電力の調整を行うためのコマンドや、電子機器200を電池210の充電可能な状態にするためのコマンド等を電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、各コマンドに対する応答信号を変復調回路104が受信したと判定した場合、第2の電力の調整のための処理及び電子機器200を電池210の充電可能な状態にするための処理を行う。給電装置100によって、第2の電力の調整のための処理及び電子機器200を電池210の充電可能な状態にするための処理が行われた場合、給電装置100は、第9のコマンドを電子機器200に送信するようにする。この場合、給電装置100は、ステート604からステート605に遷移する。給電装置100は、電子機器200を電池210の充電可能な状態にできないと判定した場合、ステート604からステート611に遷移する。給電装置100は、各コマンドに対する応答信号を変復調回路104が受信しなかったと判定した場合、給電装置100は、ステート604からステート611に遷移する。また、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと検出した場合、ステート604からステート611に遷移する。
【0093】
ステート605において、給電装置100は、第3のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、第3のコマンドに対する応答信号に含まれる残容量情報に応じて、電池210が満充電である状態か否かの判定を行う。給電装置100は、電池210が満充電であると判定した場合、ステート605からステート611に遷移する。また、給電装置100は、変復調回路104が第3のコマンドに対する応答信号を受信している場合に、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定したとき、ステート605からステート611に遷移する。また、変復調回路104が受信した第3のコマンドに対する応答信号にエラー情報が含まれている場合、給電装置100は、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したと判定する。給電装置100は、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したと判定した場合、ステート605からステート611に遷移する。また、給電装置100がステート605からステート611に遷移しない場合、つまり、給電装置100は、電池210が満充電でないと判定した場合、タイマー109によって一定時間が計測されるまで待機する。給電装置100は、タイマー109によって一定時間が計測された場合、ステート605からステート606に遷移する。
【0094】
ステート606において、給電装置100は、電子機器200に対して第2の電力の送信を行う。給電装置100は、電子機器200から取得した受電能力情報に応じて、第2の電力を調整する。また、給電装置100は、電池210の残容量情報に応じて、第2の電力を調整してもいい。この場合、給電装置100は、タイマー109によって一定時間が計測されるまで待機し、タイマー109によって一定時間が計測された場合、ステート606からステート605に遷移する。また、タイマー109によって一定時間が計測されるまでの間に、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定した場合、ステート606からステート605に遷移する。給電装置100が、ステート606からステート605に遷移した場合、給電装置100は、給電装置100から電子機器200に送信される電力が、第1の電力になるようにする。給電装置100が、ステート606からステート604に遷移した場合も同様に、給電装置100は、給電装置100から電子機器200に送信される電力が、第1の電力になるようにする。
【0095】
ステート607において、給電装置100は、電子機器200に対して、電子機器200の通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態か否かを確認するためのコマンドや第3のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が電子機器200から受信した各コマンドに対する応答信号に応じて、電子機器200が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態か否かの判定を行う。給電装置100は、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態であり、かつ、電池210の残容量が所定の残容量よりも大きいと判定した場合、第2の電力を電子機器200に送信しないようにする。この場合、給電装置100は、第1の電力を電子機器200に送信するが、第2の電力を電子機器200に送信しないようにし、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信する処理を行うようにする。この場合、給電装置100は、ステート607からステート610に進む。
【0096】
給電装置100は、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できる状態であり、かつ、電池210の残容量が所定の残容量以下であると判定した場合、第2の電力を電子機器200に送信することによって、電池210の充電を行う。この場合、給電装置100は、第2の電力を電子機器200に送信しながら、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信する処理を行うようにする。この場合、給電装置100は、ステート607からステート608に進む。
【0097】
給電装置100は、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信できない状態で、かつ、電池210の残容量が所定の残容量以下であると判定した場合、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信しないようにする。この場合、通信部112により電子機器200から所定の映像データを受信する処理を行わないが、第2の電力を電子機器200に送信することによって、電池210の充電を行う。この場合、給電装置100は、ステート607からステート604に遷移する。
【0098】
ステート608において、給電装置100は、第11のコマンド及び第3のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、第11のコマンドを電子機器200に送信することによって、所定の映像データを給電装置100に送信させるように電子機器200を制御する。さらに、給電装置100は、変復調回路104が受信した第3のコマンドに対する応答信号に含まれる残容量情報に応じて、電池210が満充電である状態か否かの判定を行う。この間、通信部112は、通信部212から送信される所定の映像データを受信し、受信した所定の映像データを記録媒体110aに記録する。この間、給電装置100は、通信部212から送信された所定の映像データの受信が完了したか否かを判定し、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したか否かを判定する。給電装置100は、通信部212から送信された所定の映像データの受信が完了したと判定し、かつ、電池210が満充電であると判定した場合、ステート608からステート611に遷移する。給電装置100は、通信部112と通信部212との間に通信エラーが発生したと判定した場合、ステート608からステート611に遷移する。また、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定した場合、ステート608からステート611に遷移する。
【0099】
給電装置100は、通信部212から送信された所定の映像データの受信が完了していないと判定した場合、タイマー109によって一定時間が経過するまでの間、待機する。また、給電装置100は、電池210が満充電でないと判定した場合も、タイマー109によって一定時間が経過するまでの間、待機する。タイマー109によって一定時間が計測された場合、給電装置100は、ステート608からステート609に遷移する。なお、タイマー109によって一定時間が計測されたまでの間、通信部112は、通信部212から送信される所定の映像データの受信を継続して行う。
【0100】
ステート609において、給電装置100は、電子機器200に対して第9のコマンドを送信するようにする。このことにより、給電装置100は、第2の電力を電子機器200に送信しながら、電子機器200から送信される所定の映像データを受信するようにする。この場合、タイマー109によって一定時間が計測されるまで待機し、タイマー109によって一定時間が計測された場合、給電装置100は、ステート609からステート608に遷移する。また、タイマー109によって一定時間が計測されるまでの間に、給電装置100は、整合回路103で検出される給電アンテナ108に流れる電流が急激に変化したと判定した場合、ステート609からステート608に遷移する。給電装置100が、ステート609からステート608に遷移した場合、CPU105は、給電装置100から電子機器200に送信される電力が、第1の電力になるように制御する。
【0101】
ステート610において、給電装置100は、第11のコマンドを電子機器200に送信するようにする。給電装置100は、変復調回路104が第11のコマンドに対応する応答信号を電子機器200から受信したと判定した場合、通信部112は、通信部212から送信される所定の映像データを受信するように通信部112を制御する。さらに、この場合、給電装置100は、通信部112が受信した所定の映像データを記録媒体110aに記録するよう記録再生部110を制御する。この場合、給電装置100は、ステート610からステート602に遷移する。
【0102】
ステート611において、給電装置100は、第10のコマンド及び第12のコマンドを電子機器200に送信し、第1の電力及び第2の電力を電子機器200に送信しないようにし、電子機器200から送信される所定の映像データを受信しないようにする。この場合、給電装置100は、ステート611からステート602に遷移する。
なお、実施例1において、ステート601とステート602とで給電装置100のステートを分けて説明したが、ステート601とステート602とが同一のステートであってもよい。
【0103】
(コマンド受信処理)
電子機器200によって行われるコマンド受信処理について、図7、図8及び図9のフローチャートを用いて説明する。
S701において、CPU205は、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信したか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信していないと判定された場合(S701でNo)、本フローチャートは終了する。CPU205によって、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信したと判定された場合(S701でYes)、本フローチャートはS701からS702に進む。
【0104】
S702において、CPU205は、変復調回路204が給電装置100から受信したコマンドを解析するように変復調回路204を制御する。この場合、本フローチャートはS702からS703に進む。変復調回路204によるコマンドの解析が完了した場合、変復調回路204は解析結果をCPU205に供給する。
【0105】
S703において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されたか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されたと判定された場合(S703でYes)、本フローチャートはS703からS704に進む。CPU205によって、CPU205によって、変復調回路204から供給された解析結果からエラーが検出されていないと判定された場合(S703でNo)、本フローチャートはS703からS705に進む。
【0106】
S704において、CPU205は、後述するエラー処理を行う。CPU205によって、エラー処理が行われた場合、本フローチャートは終了する。
【0107】
S705において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドでないと判定された場合(S705でNo)、本フローチャートはS705からS707に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第1のコマンドであると判定された場合(S705でYes)、本フローチャートはS705からS706に進む。
【0108】
S706において、CPU205は、ROM206に記録されている機器情報を第1のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電子機器200の機器情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0109】
S707において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドでないと判定された場合(S707でNo)、本フローチャートはS707からS709に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第2のコマンドであると判定された場合(S707でYes)、本フローチャートはS707からS708に進む。
【0110】
S708において、CPU205は、ROM206に記録されている受電能力情報を第2のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電子機器200の受電能力情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0111】
S709において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドでないと判定された場合(S709でNo)、本フローチャートはS709からS711に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第3のコマンドであると判定された場合(S709でYes)、本フローチャートはS709からS710に進む。
【0112】
S710において、CPU205は、RAM207に記録されている残容量情報を第4のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210の残容量情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0113】
S711において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドでないと判定された場合(S711でNo)、本フローチャートはS711から図8のS801に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第4のコマンドであると判定された場合(S711でYes)、本フローチャートはS711からS712に進む。
【0114】
S712において、CPU205は、RAM207に記録されている未送信情報を第4のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210の未送信情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0115】
S801において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドでないと判定された場合(S801でNo)、本フローチャートはS801からS803に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第5のコマンドであると判定された場合(S801でYes)、本フローチャートはS801からS802に進む。
【0116】
S802において、CPU205は、第5のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第5のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0117】
S803において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドでないと判定された場合(S803でNo)、本フローチャートはS803からS805に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第6のコマンドであると判定された場合(S803でYes)、本フローチャートはS803からS804に進む。
【0118】
S804において、CPU205は、電池210が受電アンテナを有しているか否かを判定する。電池210が受電アンテナを有している場合、CPU205は、受電手段の数が2であること示す数情報を第6のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210が受電アンテナを有している場合、受電手段の数は、受電アンテナ201と電池210が有する受電アンテナとで、2つとなる。また、電池210が受電アンテナを有していない場合、CPU205は、受電手段の数が1であること示す数情報を第6のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。電池210が受電アンテナを有していない場合、受電手段の数は、受電アンテナ201だけで1つとなる。数情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0119】
S805において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドでないと判定された場合(S805でNo)、本フローチャートはS805からS808に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第7のコマンドであると判定された場合(S805でYes)、本フローチャートはS805からS806に進む。
【0120】
S806において、CPU205は、第7のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第7のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS806からS807に進む。
【0121】
S807において、CPU205は、受電アンテナ201の周波数が、給電アンテナ108の共振周波数fと一致しないように整合回路202を制御する。このことによって、CPU205は、受電アンテナ201を無効にし、電子機器200が給電装置100から非接触で送信された電力を受信しないように制御することができる。この場合、本フローチャートは終了する。
【0122】
S808において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドでないと判定された場合(S808でNo)、本フローチャートはS808から図9のS901に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第8のコマンドであると判定された場合(S808でYes)、本フローチャートはS808からS809に進む。
【0123】
S809において、CPU205は、ROM206にあらかじめ記録されている表示データを第8のコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。なお、この場合、CPU205は、肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御し、ROM206にあらかじめ記録されている表示データを給電装置100に送信するように通信部212を制御してもよい。表示データが給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0124】
S901において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドでないと判定された場合(S901でNo)、本フローチャートはS901からS904に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第9のコマンドであると判定された場合(S901でYes)、本フローチャートはS901からS902に進む。
【0125】
S902において、CPU205は、第9のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第9のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS902からS903に進む。
【0126】
S903において、CPU205は、電池210の充電を開始するように充電制御部209を制御する。電池210の充電が開始された場合、本フローチャートは終了する。
【0127】
S904において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが10のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第10のコマンドでないと判定された場合(S904でNo)、本フローチャートはS904からS907に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第10のコマンドであると判定された場合(S904でYes)、本フローチャートはS904からS905に進む。
【0128】
S905において、CPU205は、第10のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第10のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS905からS906に進む。
【0129】
S906において、CPU205は、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。電池210の充電が停止された場合、本フローチャートは終了する。
【0130】
S907において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第11のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第11のコマンドでないと判定された場合(S907でNo)、本フローチャートはS907からS910に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第11のコマンドであると判定された場合(S907でYes)、本フローチャートはS907からS908に進む。
【0131】
S908において、CPU205は、CPU205は、第11のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第11のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS908からS909に進む。
【0132】
S909において、CPU205は、撮像部213の記録媒体213bに記録されている所定の映像データを読み出すように記録部213aを制御し、読み出した所定の映像データを給電装置100に送信するように通信部212を制御する。所定の映像データが給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0133】
S910において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果から変復調回路204が受信したコマンドが第12のコマンドであるか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第12のコマンドでないと判定された場合(S910でNo)、本フローチャートはS910からS913に進む。CPU205によって、変復調回路204が受信したコマンドが第12のコマンドであると判定された場合(S910でYes)、本フローチャートはS910からS911に進む。
【0134】
S911において、CPU205は、第12のコマンドに対して肯定を示す応答信号を給電装置100に送信するように変復調回路204を制御する。第11のコマンドに対する応答信号が給電装置100に送信された場合、本フローチャートはS911からS912に進む。
【0135】
S912において、CPU205は、撮像部213の記録媒体213bに記録されている所定の映像データの読み出しを停止するように記録部213aを制御し、読み出した所定の映像データを給電装置100に送信しないように通信部212を制御する。所定の映像データの給電装置100への送信が停止された場合、本フローチャートは終了する。
【0136】
S913において、CPU205は、変復調回路204から供給された解析結果に含まれるコマンドコードに応じた処理を行う。この場合、本フローチャートは終了する。
【0137】
(エラー処理)
電子機器200によってS704で行われるエラー処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、エラー処理は、S704で行われる以外にもCPU205によって、電子機器200にエラーが発生したと検出された場合に行われてもよいものとする。なお、電子機器200に発生するエラーとは、電子機器200の内部に発生するエラーであっても、給電装置100と電子機器200との間に発生する通信エラーであってもよいものとする。また、例えば、受電アンテナ201に異常な電流が流れた場合、CPU205によって、電子機器200内にエラーが発生したと検出される。
【0138】
S1001において、CPU205は、充電制御部209によって電池210の充電が行われているか否かを判定する。CPU205によって、電池210の充電が行われていると判定された場合(S1001のYes)、本フローチャートは、S1001からS1002に進む。CPU205によって、電池210の充電が行われていないと判定された場合(S1001のNo)、本フローチャートは、S1001からS1003に進む。
【0139】
S1002において、CPU205は、電池210の充電を停止するように充電制御部209を制御する。電池210の充電が停止された場合、本フローチャートはS1002からS1003に進む。
【0140】
S1003において、CPU205は、通信部212によって、映像データや音声データが給電装置100に送信されているか否かを判定する。CPU205によって、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信していると判定された場合(S1003でYes)本フローチャートは、S1003からS1004に進む。CPU205によって、通信部212が映像データや音声データを給電装置100に送信していないと判定された場合(S1003でNo)本フローチャートは、S1003からS1005に進む。
【0141】
S1004において、CPU205は、通信部212による映像データや音声データの給電装置100への送信を停止するように通信部212を制御する。通信部212による映像データの送信が停止された場合、本フローチャートはS1004からS1005に進む。
【0142】
S1005において、CPU205は、変復調回路204でコマンドが受信されたか否かを判定する。CPU205によって、変復調回路204がコマンドを受信していないと判定された場合(S1005でNo)、本フローチャートは終了する。CPU205によって、変復調回路204がコマンドを受信したと判定された場合(S1005でYes)、本フローチャートはS1005からS1006に進む。
【0143】
S1006において、CPU205は、あらかじめROM206に記録されているエラー情報を変復調回路204で受信されたコマンドに対する応答信号として給電装置100に送信するための負荷変調を行うように変復調回路204を制御する。エラー情報が給電装置100に送信された場合、本フローチャートは終了する。
【0144】
なお、S1006において、CPU205は、変復調回路204が受信したコマンドに対する応答信号としてエラー情報を給電装置100に送信するようにした。しかし、これに限られず、変復調回路204が受信したコマンドが特定のコマンドである場合に、CPU205は、特定のコマンドに対する応答信号として、エラー情報を給電装置100に送信するようにしてもよい。なお、特定のコマンドとは、例えば第3のコマンドであってもよい。
【0145】
図7から図9に示されるコマンド受信処理及び図10に示されるエラー処理は、CPU205がROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。
【0146】
(電子機器200の状態遷移図)
実施例1における電子機器200の状態の遷移について、図11の状態遷移図を用いて説明する。
【0147】
図11に示す状態遷移図において、ステート1100は、電池210が電子機器200に装着されている場合であって、電子機器200の動作モードが給電装置100から送信される電力を受信するモードである状態である。給電装置100から受電アンテナ201を介してCPU205に電力が供給される場合、電子機器200は、ステート1100からステート1101に遷移する。
【0148】
ステート1101において、電子機器200は、給電装置100から送信される電力を受電アンテナ201が受信しないようにするために給電アンテナ108の共振周波数fと同じ周波数で共振しないように受電アンテナ201を制御する。この場合、電子機器200は、給電装置100から第1の電力も、第2の電力も受信できない状態になるので、電子機器200は、給電装置100からコマンドを送信されたとしても受信することはできない。さらに、電子機器200は、タイマー211によって一定時間が計測されるまで待機する。タイマー211によって一定時間が計測された場合、電子機器200は、受電アンテナ201が給電装置100から送信される電力を受信するように受電アンテナ201が給電アンテナ108の共振周波数fと同じ周波数で共振するようにする。このことによって、電子機器200は、給電装置100から送信される第1の電力及び第2の電力を受信するように制御し、給電装置100から送信されるコマンドを受信するようにする。タイマー211によって一定時間が計測された場合、電子機器200は、ステート1101からステート1102に遷移する。
【0149】
ステート1102において、電子機器200は、給電装置100から受電アンテナ201を介して変復調回路204がコマンドを受信したか否かを判定する。電子機器200は、給電装置100から変復調回路204がコマンドを受信したと判定した場合、変復調回路204から供給されるコマンドの解析結果に含まれるコマンドコードによって指定された動作を行う。さらに、電子機器200は、変復調回路204が受信したコマンドに対する応答信号を給電装置100に送信するようにする。電子機器200は、変復調回路204が給電装置100からコマンドを受信しなかったと判定した場合、電子機器200はステート1102からステート1101に遷移する。
【0150】
電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から受信したコマンドが第9のコマンドであると判定した場合、ステート1102からステート1103に遷移する。
電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から受信したコマンドが第11のコマンドであると判定した場合、電子機器200の電源がオンであるか、オフであるかを判定する。この場合、電子機器200の電源がオンであるとき、電子機器200は、ステート1102からステート1108に遷移する。この場合、電子機器200の電源がオフであるとき、電子機器200は、ステート1102からステート1107に遷移する。
【0151】
ステート1103において、電子機器200は、電子機器200の動作モードを充電モードに変更する。電子機器200は、充電モードに移行した場合、電子機器200は、給電装置100から受電アンテナ201を介して変復調回路204が第11のコマンドを受信したか否かを判定する。電子機器200は、給電装置100から第11のコマンドを受信した場合、ステート1103からステート1105に遷移する。電子機器200は、給電装置100から第11のコマンドを受信していない場合、ステート1103からステート1104に遷移する。なお、ステート1103において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力の供給があるとき、電子機器200は、ステート1103からステート1101に遷移する。また、ステート1103において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1103からステート1101に遷移する。なお、充電モードとは、電子機器200が給電装置100から非接触で受信した電力によって、充電制御部209が電池210の充電を行うモードである。
【0152】
ステート1104において、電子機器200は、充電制御部209に電池210の充電を開始させるようにする。なお、ステート1104において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力の供給があるとき、電子機器200は、ステート1104からステート1106に遷移する。また、ステート1104において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1104からステート1106に遷移する。ステート1104において、電子機器200は、電池210の残容量が満充電であると判定した場合、ステート1104からステート1106に遷移する。また、ステート1104において、電子機器200は、変復調回路204が第12のコマンドを受信したと判定した場合、ステート1104からステート1106に遷移する。
【0153】
ステート1105において、電子機器200は、記録媒体213bから読み出した所定の映像データを給電装置100に送信するように通信部212を制御し、電池210の充電を開始するように充電制御部209を制御する。なお、ステート1105において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力供給があるとき、電子機器200は、ステート1105からステート1106に遷移する。また、ステート1105において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1105からステート1106に遷移する。ステート1105において、電子機器200が、通信部212による所定の映像データの送信が完了し、かつ、電池210の残容量が満充電であると判定した場合、ステート1105からステート1106に遷移する。
【0154】
また、ステート1105において、電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から第12のコマンドを受信したと判定した場合、ステート1105からステート1106に遷移する。また、ステート1105において、電子機器200は、給電装置100と電子機器200との間に通信エラーを検出した場合、ステート1105からステート1106に遷移する。
【0155】
ステート1106において、電子機器200は、充電制御部209が電池210の充電を行っている場合、電池210への充電を停止するように充電制御部209を制御する。さらに、電子機器200は、通信部212が所定の映像データを給電装置100に送信している場合、給電装置100への所定の映像データの送信を停止するように通信部212を制御する。この場合、電子機器200は、ステート1106からステート1101に遷移する。
【0156】
ステート1107において、電子機器200は、電池210及び給電装置100のいずれかから供給される電力を通信部212、撮像部213の記録部213a、記録媒体213b及びROM206に供給するように充電制御部209を制御する。なお、この場合、電子機器200は、記録部213a及び記録媒体213b以外の撮像部213に電力を供給しないようにする。
【0157】
ステート1108において、電子機器200は、記録媒体213bに記録されている所定の映像データを給電装置100に送信するように通信部212を制御する。電子機器200は、所定の映像データの送信が完了したと判定した場合、ステート1108からステート1106に遷移する。また、電子機器200が、電池210の残容量が所定の残容量以下であると判定した場合も、電子機器200は、ステート1108からステート1106に遷移する。電子機器200は、通信部212と通信部112との間に通信エラーを検出した場合も、ステート1108からステート1106に遷移する。なお、ステート1108において、不図示のAC電源と電子機器200とが接続された場合に、不図示のAC電源から電力供給があるとき、電子機器200は、ステート1108からステート1106に遷移する。また、ステート1108において、電子機器200から電池210が取り外された場合、電子機器200は、ステート1108からステート1106に遷移する。
【0158】
なお、ステート1104、ステート1105及びステート1108以外のステート1101〜ステート1108において、電池210が電子機器200から取り外された場合、電子機器200は、ステート1100に遷移するものとする。また、ステート1108において、電子機器200は、変復調回路204が給電装置100から第12のコマンドを受信したと判定した場合、ステート1108からステート1106に遷移する。
また、電子機器200の電源がオンからオフになるように変更された場合、電子機器200は、ステート1108からステート1107に遷移する。
【0159】
なお、本発明は、給電装置100が非接触で電子機器200に対して電力を供給するとしたが、給電装置100が無線やワイヤレス通信により電子機器200に対して電力を供給するものに対しても同様に適用することができる。
【0160】
なお、実施例1において説明した所定の映像データは、電子機器200が給電装置100に対して送信していない音声データ(以下、「所定の音声データ」と呼ぶ。)として置き換えてもよいものとする。この場合、給電装置100の給電モードが第2の給電モードである場合、給電装置100は、電子機器200から受信した所定の音声データを不図示のスピーカ部や外部のスピーカから出力させるようにしてもよい。
【0161】
このように、実施例1に係る給電装置100は、給電装置100に対して複数の電子機器が存在する場合、各電子機器から取得した未送信情報及び残容量情報の少なくとも一つに応じて、給電装置100の給電の対象を選択するようにした。これにより、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持つ電子機器を優先的に給電の対象として選択するようにした。この場合、給電装置100は、選択した電子機器に充電のための電力を送信しながら、電子機器からの映像データの取り込みを行うためのモードに設定されるようにした。したがって、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを有する電子機器に対して適切な給電を行うことができるようになった。
【0162】
また、実施例1に係る給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持つ電子機器が複数存在する場合、各電子機器に装着されている電池の残容量に応じて、給電装置100の給電の対象を選択するようにした。これにより、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持ち、かつ、電池の残容量の少ない電子機器を優先的に給電の対象として選択するようにした。この場合、給電装置100は、選択した電子機器に充電のための電力を送信しながら、電子機器からの映像データの取り込みを行うためのモードに設定されるようにした。
【0163】
したがって、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを有し、かつ、電池の残りの容量が少ない電子機器に対して適切な給電を行うことができるようになった。
【0164】
また、実施例1に係る給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持つ電子機器が存在しない場合、電子機器に装着されている電池の残容量に応じて、給電装置100の給電の対象を選択するようにした。これにより、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを持たず、電池の残容量の少ない電子機器を優先的に給電の対象として選択するようにした。この場合、給電装置100は、選択した電子機器からの映像データの取り込みを行わずに、選択した電子機器に充電のための電力を送信するためのモードに設定されるようにした。
【0165】
したがって、給電装置100は、給電装置100に送信していない映像データを有していない、かつ、電池の残りの容量が少ない電子機器に対して適切な給電を行うことができるようになった。
【0166】
(他の実施例)
本発明に係る給電装置100は、実施例1で説明した給電装置100に限定されるものではない。また、本発明に係る電子機器200も実施例1で説明した電子機器200に限定されるものではない。例えば、本発明に係る給電装置100及び電子機器200は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
【0167】
また、実施例1で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、実施例1で説明した様々な機能を実現することになる。
【0168】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
【0169】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0170】
100 給電装置
200 電子機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池が装着された電子機器に非接触で電力を送信する給電装置であって、
前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、
前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、
前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、
前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御することを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記第1の判定手段による判定の結果に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択する選択手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された一つの電子機器に対して、前記所定の電力を送信し、前記選択手段によって選択されていない電子機器に対し前記所定の電力を送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が複数存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器に装着された電池の残容量に応じて、一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が一つ存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器を選択することを特徴とする請求項2または3に記載の給電装置。
【請求項5】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が存在しない場合、前記選択手段は、複数の電子機器に装着された電池の残容量に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項6】
前記選択手段によって選択された電子機器が前記所定の電力を受信するための受電手段を有するか否かを判定する第2の判定手段をさらに有し、
前記選択手段によって選択された電子機器が前記受電手段を有していない場合、前記制御手段は、前記所定の電力を前記選択手段によって選択された電子機器に送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項7】
前記給電装置は、電磁界共鳴に対応することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項8】
前記所定のデータは、映像データ及び音声データのいずれか一つであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項9】
電池が装着された電子機器と、前記電子機器に非接触で電力を送信する給電装置とを含む給電システムであって、
前記給電装置は、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、
前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、
前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、
前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御し、
前記電子機器は、前記給電装置から受信した前記所定の電力に応じて前記電池の充電を行うための手段を有することを特徴とする給電システム。
【請求項10】
前記給電装置は、前記第1の判定手段による判定の結果に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択する選択手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された一つの電子機器に対して、前記所定の電力を送信し、前記選択手段によって選択されていない電子機器に対し前記所定の電力を送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項9に記載の給電システム。
【請求項11】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が複数存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器に装着された電池の残容量に応じて、一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項10に記載の給電システム。
【請求項12】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が一つ存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器を選択することを特徴とする請求項10または11に記載の給電システム。
【請求項13】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が存在しない場合、前記選択手段は、複数の電子機器に装着された電池の残容量に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の給電システム。
【請求項14】
前記給電装置は、前記選択手段によって選択された電子機器が前記所定の電力を受信するための受電手段を有するか否かを判定する第2の判定手段をさらに有し、
前記選択手段によって選択された電子機器が前記受電手段を有していない場合、前記制御手段は、前記所定の電力を前記選択手段によって選択された電子機器に送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の給電システム。
【請求項15】
前記給電装置は、電磁界共鳴に対応することを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の給電システム。
【請求項16】
前記所定のデータは、映像データ及び音声データのいずれか一つであることを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項1】
電池が装着された電子機器に非接触で電力を送信する給電装置であって、
前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、
前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、
前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、
前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御することを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記第1の判定手段による判定の結果に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択する選択手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された一つの電子機器に対して、前記所定の電力を送信し、前記選択手段によって選択されていない電子機器に対し前記所定の電力を送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が複数存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器に装着された電池の残容量に応じて、一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が一つ存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器を選択することを特徴とする請求項2または3に記載の給電装置。
【請求項5】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が存在しない場合、前記選択手段は、複数の電子機器に装着された電池の残容量に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項6】
前記選択手段によって選択された電子機器が前記所定の電力を受信するための受電手段を有するか否かを判定する第2の判定手段をさらに有し、
前記選択手段によって選択された電子機器が前記受電手段を有していない場合、前記制御手段は、前記所定の電力を前記選択手段によって選択された電子機器に送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項7】
前記給電装置は、電磁界共鳴に対応することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項8】
前記所定のデータは、映像データ及び音声データのいずれか一つであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項9】
電池が装着された電子機器と、前記電子機器に非接触で電力を送信する給電装置とを含む給電システムであって、
前記給電装置は、前記電池の充電を行わせるための所定の電力を前記電子機器に送信する第1の通信手段と、
前記電子機器から送信されるデータを受信する第2の通信手段と、
前記電子機器が前記給電装置に送信していない所定のデータを前記電子機器が有するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記電子機器が前記所定のデータを有していない場合、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器からデータを受信しないように前記第2の通信手段を制御する制御手段とを有し、
前記電子機器が前記所定のデータを有する場合、前記制御手段は、前記所定のデータを要求するためのコマンドを前記電子機器に送信し、前記所定の電力を前記電子機器に送信するように前記第1の通信手段を制御し、かつ、前記電子機器から前記所定のデータを受信するように前記第2の通信手段を制御し、
前記電子機器は、前記給電装置から受信した前記所定の電力に応じて前記電池の充電を行うための手段を有することを特徴とする給電システム。
【請求項10】
前記給電装置は、前記第1の判定手段による判定の結果に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択する選択手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記選択手段によって選択された一つの電子機器に対して、前記所定の電力を送信し、前記選択手段によって選択されていない電子機器に対し前記所定の電力を送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項9に記載の給電システム。
【請求項11】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が複数存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器に装着された電池の残容量に応じて、一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項10に記載の給電システム。
【請求項12】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が一つ存在する場合、前記選択手段は、前記所定のデータを有すると判定された電子機器を選択することを特徴とする請求項10または11に記載の給電システム。
【請求項13】
前記第1の判定手段によって、前記所定のデータを有すると判定された電子機器が存在しない場合、前記選択手段は、複数の電子機器に装着された電池の残容量に応じて、複数の電子機器から一つの電子機器を選択することを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の給電システム。
【請求項14】
前記給電装置は、前記選択手段によって選択された電子機器が前記所定の電力を受信するための受電手段を有するか否かを判定する第2の判定手段をさらに有し、
前記選択手段によって選択された電子機器が前記受電手段を有していない場合、前記制御手段は、前記所定の電力を前記選択手段によって選択された電子機器に送信しないように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の給電システム。
【請求項15】
前記給電装置は、電磁界共鳴に対応することを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の給電システム。
【請求項16】
前記所定のデータは、映像データ及び音声データのいずれか一つであることを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載の給電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−95435(P2012−95435A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240049(P2010−240049)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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