説明

給電装置

【課題】埋設式の照明器具から電力を取り出すことが可能な給電装置を提供することである。
【解決手段】給電装置1は、略柱状を成した本体2と、外部機器から本体2内に電源を導入可能な電極3と、本体2に内蔵された給電部5と、角度調整機構6とを有している。電極3は、導電性部材であり、一般的な照明装置に嵌められる電球の口金と同様の形状を成している。電極3には配線10が接続されており、外部機器から本体2内に電力を取り込むことができる。電極3はピン12を介して角度調整機構6に軸支されている。換言すれば、電極3は、角度調整機構6を介して本体2の天面側の端部13に接続されている。電極3は、本体2に対して相対的に角度を調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電装置に関し、さらに詳細には、埋設式の照明器具から電力を取り出すことが可能な給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源コードやテーブルタップは、コンセントに接続するだけで給電部を延長することが可能な電気器具であり、便利である。しかし、例えば、電源コードで部屋の中央付近まで配線した場合、足元にケーブルを這わせることとなり邪魔になる。特許文献1には、複数のコンセントを備えた柱状の配線装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−184562号公報
【特許文献2】実公昭59−8403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の配線装置は、床面から天井まで延びた本体を有している。本体は略筒状であり、本体の内側にはコンセントに接続された配線が複数納められている。本体の上下の両端部にはそれぞれ開口が設けられており、床下又は天井裏のどちら側からでも配線を引き出すことが可能である。つまり、床下又は天井裏のいずれかで配線工事を行うことで、柱上の配線装置に設けられたコンセントから給電することが可能となる。その結果、ケーブル等の全ての配線が、柱状の本体や床下、天井裏等に埋設されることとなり、足元にケーブルを這わせることがない。
【0005】
ところが、特許文献1に記載の配線装置では、床下又は天井裏のいずれかで配線工事を行う必要があり、面倒である。特許文献2には、照明用の天井付けコンセントに接続可能な配線装置が開示されている。特許文献2に記載の配線装置は、特許文献1に記載のものと同様に、柱状の本体に複数のコンセントを備えている。本体は筒状であり、本体の上端部に一対の電極が設けられている。一対の電極は、照明用の天井付けコンセントいわゆる引掛けシーリングに係合可能な形状であり、本体に内蔵された配線で複数のコンセントに接続されている。
【0006】
つまり、特許文献2に記載の配線装置は、一般的な照明器具と同様の操作で引掛けシーリングに接続するだけで、電力を取り込み、本体に備えたコンセントから給電することが可能である。そのため、この配線装置を用いれば、面倒な配線工事が不要となる。
【0007】
しかしながら、例えば、貸会議室や展示会場、イベントホール等においては、天井にはダウンライト等の埋設式の照明器具が設置されていることが多く、引掛けシーリングが設けられていることは稀である。そのため、貸会議室等においては、特許文献2に記載の配線装置を用いることができない。
【0008】
そこで、本発明は、埋設式の照明器具から電力を取り出すことが可能な給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、柱状の本体と、電極と、給電部とを有し、本体には配線が挿通されており、電極は本体の一方の端部に設けられ、給電部は本体に内蔵されており、電極と給電部とは配線で接続されており、電極は埋設式の照明器具に接続可能であり、且つ本体に対して相対的に角度を変更可能であることを特徴とする給電装置である。
【0010】
本発明は、通常の給電装置の基本構成を備えている。すなわち、本発明の給電装置は、柱状の本体と、電極と、給電部とを有している。電極と給電部は配線でつながっている。
【0011】
電極は、埋設式の照明器具に接続可能である。埋設式の照明器具とは、いわゆる電球が取り付けられるソケットを示すものであり、受け金を有した電気器具である。つまり、本発明では、電極は、電球の口金と略同等の構造を有している。その結果、電極を埋設式の照明器具に接続することで、埋設式の照明器具から給電装置に電力を取り込み、給電部から電力を取り出すことが可能である。
【0012】
また、本発明において、電極は、本体に対して相対的に角度を変更可能である。換言すれば、本体に対して電極の向きを調整可能である。例えば、ダウンライト等の照明器具では、器具の高さを抑えるため、電球を斜めに取り付け可能な様に受け金が傾斜して配されていることがある。つまり、本発明では、本体に対して電極の向きを調整可能であるので、受け金が傾斜した照明器具でも対応可能である。
【0013】
なお、給電部は、コンセントや非接触式の給電装置等で構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の給電装置によれば、埋設式の照明器具から電力を取り出すことが可能であり、受け金が傾斜した照明器具でも対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る給電装置の全体を示す正面図である。
【図2】給電装置の電極の姿勢を示す拡大図であり、(a)は垂直状態、(b)は右折れ状態、(c)は左折れ状態である。
【図3】天井に埋設された電気器具に本発明の実施形態に係る給電装置が固定された状態を示す一部断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の給電装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって、本発明が制限して理解されるべきではない。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る給電装置1は、略柱状を成した本体2と、外部機器から本体2内に電源を導入可能な電極3と、本体2を床面に固定可能な固定部材4と、本体2に内蔵された給電部5と、本体2の上下の端部13,14にそれぞれ設けられた角度調整機構6,7とを有している。
【0018】
本体2は、絶縁性部材で構成され、内部は中空であり、配線10が挿通されている。電極3は、導電性部材であり、一般的な照明装置に嵌められる電球の口金と同様の形状を成している。電極3には配線10が接続されており、外部機器から本体2内に電力を取り込むことができる。
【0019】
電極3は、図1及び図2(a)〜(c)に示すように、ピン12を介して角度調整機構6に軸支されている。換言すれば、電極3は、角度調整機構6を介して本体2の天面側の端部13に接続されている。角度調整機構6は、いわゆるヒンジであり、接続された電極3の角度を変更可能であって、所望する姿勢で保持可能なものである。換言すれば、電極3は、本体2に対して相対的に角度を調整可能である。
【0020】
ここで、電極3が取り得る姿勢について、図2(a)〜(c)の代表的なものを用いて説明する。図2(a)では、電極3は、天面を向いた垂直状態にある。この時、電極3は、本体2の長手方向に対して平行である。
【0021】
図2(b)では、電極3は、図2(a)の姿勢から右側に90度傾いた右折れ状態にある。この時、電極3は、本体2の長手方向に対して直交している。
【0022】
図2(c)では、電極3は、図2(a)の姿勢から左側に90度向いた左折れ状態にある。この時、電極3は、本体2の長手方向に対して直交している。
【0023】
固定部材4は、図1に示すように、レバー8と吸盤9を備えた吸着部材であり、レバー8の操作で吸引力を変更可能なものである。
【0024】
固定部材4は、ピン12を介して角度調整機構7に軸支されている。換言すれば、固定部材4は、角度調整機構7を介して本体2の底面側の端部14に接続されている。角度調整機構7は、角度調整機構6と同様のヒンジであり、接続された固定部材4の角度を変更可能であって、所望する姿勢で保持可能なものである。換言すれば、固定部材4は、本体2に対して相対的に角度を調整可能である。
【0025】
給電部5は、他の機器に給電可能な電気器具であり、コンセント11で構成されている。コンセント11は、3つ用意されており、本体2側面の略中央に位置している。各コンセント11には配線10が接続されており、電極3と電気的につながっている。換言すれば、電極3と給電部5とは、配線10で接続されている。
【0026】
なお、給電部5は、非接触方式の給電装置等で構成しても構わない。
【0027】
つぎに、本発明の実施形態に係る給電装置1の使用方法について、図3を用いて説明する。
【0028】
図3に示すように、天井20には、ダウンライト21(埋設式の照明装置)が取り付けられている。ダウンライト21は、受け金24を内蔵したソケット22と、商用電源に接続されたケーブル23と、断面視で半円状のフード25とを有している。ソケット22は、半円状のフード25に対して、略45度傾いている。フード25は、天井20に対して、半円状の直径が略平行となるように位置している。
【0029】
給電装置1は、電極3を介してダウンライト21に接続されている。詳述すると、電極3は、ソケット22の受け金24に係合している。つまり、電極3は、ソケット22と電気的に接続されている。換言すれば、電極3は、ソケット22と同様に、半円状のフード25に対して略45度傾いた状態であり、本体2に対しても略45度の角度で曲がっている。なお、本体2は、天井20及び図示しない床面に対して垂直な状態にある。
【0030】
給電装置1において、電極3と給電部5とは、配線10で接続されている。一方、電極3は、ソケット22と電気的に接続されている。その結果、給電部5は、ソケット22と電気的に接続されており、商用電源から供給された電力を給電することができる。
【0031】
前述の通り、本発明の実施形態に係る給電装置1を用いることにより、ダウンライト21(埋設式の照明装置)の受け金24を有するソケット22から電力を取り込み、給電部5から電力を取り出すことができる。さらに、ダウンライト21では、半円状のフード25に対してソケット22が傾きを有しているが、電極3が本体2に対して相対的に角度を調整可能であるため、ソケット22の角度に合わすことで両者を係合させることができる。
【0032】
上記実施形態では、給電装置1をダウンライト21(埋設式の照明装置)に接続した際に、本体2を天井20及び図示しない床面に対して垂直な状態とする例を示したが、本発明はこれに限定されるわけではない。本発明の実施形態に係る給電装置1は、固定部材4が、本体2に対して相対的に角度を調整可能である。例えば、天井20に対して本体2が長過ぎる場合、本体2を斜めにした状態で固定することで、合わない長さ分を吸収させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 給電装置
2 本体
3 電極
5 給電部
10 配線
21 ダウンライト(埋設式の照明器具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状の本体と、電極と、給電部とを有し、本体には配線が挿通されており、電極は本体の一方の端部に設けられ、給電部は本体に内蔵されており、電極と給電部とは配線で接続されており、電極は埋設式の照明器具に接続可能であり、且つ本体に対して相対的に角度を変更可能であることを特徴とする給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−46452(P2013−46452A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181367(P2011−181367)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】