説明

統合型採血及び試験器具及びその使用方法

本発明は、ヒトの指から血液を採取して、その血液を試験する統合型採血及び試験器具を開示する。この器具は、前記指の先端の下で指を一時的に締め付ける締め付け手段と、前記指が前記締め付け手段により保持されている間前記指に穴を開けるランセットと、前記指から取り出された血液に対し少なくとも1つの試験を行う試験手段とを具え、前記試験手段が、前記指から取り出された血液が取り出された直後に、前記試験手段に接触するように前記ランセットと一列に並べられている。
指の先端からヒトの血液を採取し試験する方法は、ヒトの指からの採血と血液試験をする統合型採血及び試験器具を提供するステップと、半径方向に拡張し得る締め付け部材を開いて、指をそこに挿入するステップと、前記半径方向に拡張し得る締め付け部材を、前記指周りで閉じて、前記指に圧力を加えて、前記指の先端に血液量及び/又は血圧が増加した領域をつくるステップと、前記ランセットを用いて前記指に穴を開けるステップと、十分量の血液が取り出されたことを確認するステップと、続いて、半径方向に拡張し得る締め付け部材を開放して指をはずすステップと、選択的に、前記試薬移動手段を用いて、前記テストストリップに少なくとも1つの試薬を移動させるステップと、及び、試験結果を待って、視認するステップ、を具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、採血及び試験器具に関する。より具体的には、本発明は、血液の採取と試験を統合型した器具及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
診断キットは、ある種の人々には、不可欠になっている。例えば、糖尿病患者は、糖の摂取量を理にかなった調節をするために所定の、頻繁な血糖試験に頼っている。血糖濃度レベルをモニタする目的は、このレベルが高すぎるか又は低すぎるかのいずれかに基づいて、正常範囲内にこのレベルを戻すための修正措置をとることである。修正措置がとられなければ、重大な意味をもつことになる;血糖レベルが低下しすぎると、低血糖として知られている症状が起きて、神経質になり、震え、及び混乱する。そのヒトの判断力が損なわれ、彼又は彼女は、最終的には意識を失う。血糖レベルが高すぎると、高血糖の症状になり、極めて重篤になる可能性がある。低血糖、高血糖の両症状は、生命を脅かす非常事態であるかもしれない;したがって、糖尿病患者は、自己監視用の携帯型診断キットに頼らなければならない。家庭用妊娠(試験)キットは、家庭で、自らでき、プライベイトで、迅速かつ容易に試験を可能ができる標準的な家庭用試験となっている。同様の家庭用試験キットには、コレステロール、排卵、血液粘度用などがある。しばしば、これらの試験は、適当な試薬を含浸させ、使用者により血液又は尿にさらした吸収体の表面上で起こる色彩の変化に基づいている。代わりの方法では、体液にさらしたときの前記試薬の電気的な変化を電気化学的なシステムで検出することもできる。
【0003】
特許文献1は、突き刺して、試験するプロセスが、十分に接近した位置で行われ、使用者が連続的な短い動作を事実上行って各機能を達成する統合型ランセット器具付きの血糖計測器を開示している。この器具は、統合型ランセット(指突き器)とこのユニットの中空本体中に収納した複数の検査片を有する。それは使い捨てではなく、むしろ、試験結果を決定し、それらをデータベースに保存する統合型読み取り装置(リーダー)と相互作用するコンピュータに相互接続されている。
【0004】
特許文献2は、自動血糖モニタ、及び、低血糖−及び高血糖(低い及び高い血糖濃度)
に対する警告システムを教示している。この発明は、電磁的に作動するランセットと、対照に結合したグルコース酵素を含浸したテストストリップを含む指サックである。特許文献1のケースのように、このユニットは使い捨てではない。常に身につけることを意図しており、試験結果の保存と検索用のコンピュータを具えている。
【0005】
同様に、特許文献3は、テストストリップ、カラースケール、及び交換可能な針付きランセット付き保存容器を具える血糖含有量を測定する器具を紹介している。
【0006】
上述した発明では、血液は、テストストリップに自動的には搬送されず、むしろ使用者が別の工程を作動させなければならない。この器具は、使い捨てではなく、むしろ繰り返して使用することを意図しており、複数のテストストリップが装備されている。上述の全ての発明は、さらに、突き刺した指からゆっくりとしみ出る血液をテストストリップへ使用者が搬送する必要があることから生じる安全性の問題がある。この血液は、制御できない速度で流れ、使用者が、血液の滴が、こぼれるかもしれないことを斟酌して、彼又は彼女の指をテストストリップ上で拭おうとするので、様々な押し合いにさらされている。こぼれた血液は、汚染した血液の可能性のため、健康上のリスクが生じ、したがって、それがいつであれ、避けるべきである。
【0007】
特許文献4は、比色試験又は電気化学試験法による血液モニター用の統合型ランセット付きセンサを提供している。この器具は、突き刺した後に別のステップでテストストリップ上に血液を吸着させる必要がなく、血液の採取と殆ど同じ場所で検出が行われる利点をもつ。この器具もまた、使い捨てではなく、むしろ繰り返して使用することを意図している。
【0008】
上記を考慮すると、採血と血液試験の両方を連続して、安全に迅速な手順で行うことができる採血兼試験器具の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第2005240119号
【特許文献2】ドイツ特許第10,315,396号
【特許文献3】ドイツ特許第4,234,553号
【特許文献4】ニュージーランド特許第526,334号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、使いやすく、迅速で、信頼性のある、統合された統合型統合型の採血兼試験器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、異なるタイプの様々な血液試験へ使用するために作られた採血及び試験器具を提供することでもある。
【0012】
本発明の器具は、全血に基づいた迅速な医療用診断学的検査を提供する。それはヒトの指に合う凹みをもつ比較的小さな単位の形状である。
【0013】
1つの好ましい態様において、この試験は、ユニット本体に統合型されたランセットで皮膚に穴を開けることにより成し遂げられる。レバー(操作ボタン)の引き戻しが、バネで留められたランセットを作動させ、ランセットは皮膚に穴を開け即座に引っ込む。同じレバーが、「加圧エレメント」を押す。これは、ゴム輪、留め具、又は他の圧力を生じるエレメントであり、好ましくは、少なくとも一部が固体プラスチック、又はゴム製である;指の血圧を上昇させる指に向けた強い音波、エネルギー光線等が、十分であるが少量の血液を指から確実に採取する。血液は、色々な種類の血液試験試薬を含浸させたテストストリップ上に導くキャピラリースポンジにより即座に吸収される。加えて、このキャピラリースポンジは、診断試験を行うのにいつ要な所定の血液量を回収する容器として作用する。テストストリップは、陽性又は陰性の試験結果を示す色彩変化により試験結果を提供する。
【0014】
本発明の別の好ましい態様では、この器具は、ヒトの指に合う凹みを備える小さな使い捨てユニットと;指に穴を開け、即座に引っ込むバネで留められたランセットと;指からの予め決められた量の血液、例えば、1〜100マイクロリッタ、を吸収したキャピラリースポンジと;キャピラリースポンジから血液が毛管作用により搬送される、様々な種類の血液試験試薬を含浸したテストストリップと;1つ又は複数の血液試験の結果が、前記テストストリップの前記試薬中で色彩変化により表わされる結果−表示ウインドゥ;血液の抽出を確実にする局所血圧を上昇させるための指を圧縮する加圧エレメント(例えば、スポンジ)と;前記ランセットと前記加圧エレメントに機械的に連絡した操作ボタンであって、この操作ボタンを押すと次第に血圧を上昇して、操作ボタンの行程の最後でランセットを働かせる操作ボタン、を具える。
【0015】
本発明は、ヒト指から血液の採取して血液を試験する統合型の採取及び試験器具であって、指先の血液量を増やし前記指からの血液の引き抜きを促進するように、指先の下で一時的に指を留める締め付け手段と;前記締め付け手段により指が留められている間に指先に穴を開けるランセットと;及び、指から取り出した血液に少なくとも1つの試験を行う試験手段を具える。
【0016】
試験手段は、指から取り出した血液が、指先から取り出した後で直ちに、試験手段と接触するようなランセットと一列に並んでいる。このように、使用者には、容易で、効率的に採血して、試験のできる単一の器具を使用者に提供する。使用者は、ランセットからの血液を試験手段へ移動するための如何なる工程も行う必要がない。むしろ、ランセットと試験手段との配列と構成のために、皮膚に穴を開け後、指先で抽出され/取り出した血液は、直接に試験手段へ搬送される。
【0017】
1つの好ましい態様では、試験手段が少なくとも部分的に、ランセットと締め付け手段の間に位置しており、この試験手段は、指の穿刺の時にランセットの開穴手段を通過させる開口部を具える。したがって、血液滴が直接試験手段上に滴下する。加えて又は代替的には、ランセットの中に埋め込んだキャピラリースポンジが血液を吸収して、毛細管現象により試験手段へ血液が移動する。
【0018】
好ましくは、試験手段は、当業者に公知であるようなテストストリップを具える。テストストリップは、好ましくは、収納器と、前記収納器の内側に配置したキャピラリースポンジを具える。本発明の好ましい態様では、前記収納器には、特定の試験に十分量の血液が取り出されたときを表示する血液量ウインドゥと試験結果を示す試験結果ウインドゥが設けられている。この結果ウインドゥは、好ましくは対照表示と試験表示を含む。試験表示は、1と3の間などの列数を含むことがある。この結果は、定量的、定性的又は半定性的であることがある。
【0019】
ある好ましい態様では、血液が指から取り出された後、予め定められた量の少なくとも1の試薬を試験手段へ移動するための試薬移動手段が設けられている。試薬移動手段は、好ましくは、少なくとも1つの試薬と少なくとも試薬をそこに保持する少なくとも1つの容器を含む。試薬容器の端に設けられている開口部の外へ試薬を押し出すためにシリンジ様のピストンが設けられている。少なくとも1つの試薬を試験手段へ直接運搬するために他の試薬移動手段を用いることができることも自明であろう。ある試験では試薬は必要とされないが、他の試験では試験を適切に行うために1以上の試薬を添加することが必要とされることも自明であろう。
【0020】
好ましくは、ランセットは、穴開け手段と穴開け手段を収容するランセット収容器を具える。ランセット収容器は、指に穴開けを可能とするように収容器から一時的に穴開け手段を突出させるためにその上部に位置する開口部を具える。多くの様々なランセットがこの分野では公知であり、このランセットは利用されている。穴開け手段は、例えば、針又は小さいメスである。
【0021】
本発明の好ましい態様によれば、ランセット収容器は、さらに、少なくともテストストリップの一部を受けるための上端部真下に位置する側方開口部を含む。1つの好ましい態様では、テストストリップは、血液採取時に穴開け手段がそこを通過できるような開口部を有する。好ましい態様では、穴開け手段を用いて指先から抜かれた血液は、自動的にランセット開口部に落下し、次いでテストストリップ上に落ちる。
【0022】
代替えとしては、ランセットには、キャピラリースポンジが設けられており、選択的に、穴開けに続いて、その後に穴開けに続く、指へ穏やかに加圧する加圧エレメントが設けられており、それにより、十分量の血液がキャピラリースポンジに吸収され、キャピラリースポンジと連通している試験手段に運ばれるようにする。
【0023】
本発明の好ましい態様によれば、締め付け手段は、近位端と遠位端をもつクリップ機構を具える。近位端は、指端に対応できる半径方向に広がる締め付け部材を含む。遠位端は、半径方向に広がる締め付け部材を作動させるハンドルを具え、この締め付け部材が、半径方向に広がって、指の周りを収縮させて局所圧を上げて、これにより指の穴開けに続いて血液の取り出しを容易にしている。指の周りを収縮させると、締め付け部材が指へ圧力をかけて、締め付けている指に近接する指の付近が、多量の血液を含む。締め付け部材が体の血液の逆流の防止するように構成されていることは自明である。穴開け後、確実に指の先端から血液が流れることを確認するためにさらなる圧力をかける必要がなくなるので、確実に、採血が容易になる。好ましくは、半径方向に広がる締め付け部材は、リングまたはスリーブ構造をもつ柔軟な止血帯を具える。その他の構造が可能であることも、自明であろう。締め付け部材には、あらゆる好適な材料又は機構、あるいはその他の圧力を発生する材料又は機構を用いることができる。
【0024】
締め付け部材を半径方向に広げる適当な機構ならどのようなものでも使用できる。1つの態様では、例えば、締め付け部材は、締め付け部材の周りを等間隔に3つの結合部材によってハンドルに連結されている。ハンドルを作動させると、結合部材は、外側へ引っ張られ、それにより締め付け部材が、半径方向へ広がる。好ましくは、ハンドルは、2つの向き合ったハンドグリップを具え、近位端と遠位端を少なくとも1つのバネ付きジョイントでヒンジ(蝶番)で動くようにされている。このように、ハンドグリップを圧迫することで、締め付け部材を開いて、使用者の指が入る。ハンドグリップのグリップを離すと締め付け部材は指の周りを締める。このような締め付け部材の使用は、幅広いサイズの指からの採血を可能にしていることは自明である。
【0025】
本発明の器具が、その後廃棄される1度きりの使用のために製造され得ることは自明である。代替えとしては、本発明の器具は、テストストリップのみが使用後廃棄されるように製造することもできる。
【0026】
本発明は、ヒトの指からの採血と血液試験のための統合型採血試験器具である。この器具は、指の先端に穴開けをするランセットと指から取り出した血液に対して少なくとも1つの試験を行う試験手段を具える。試験手段は、指から取り出した血液が、指先端から取り出された後試験手段に直ちに接触するように、ランセットと一列に並んでいる。このように、容易にかつ効率的に採血と血液試験ができる単一の器具が使用者に提供されている。使用者は、ランセットから試験手段へ血液を移動させるためのいかなる行程も行う必要がない。むしろ、このランセットと試験手段の配列と構成のために、皮膚の穴開けに続いて指の先端から生じる血液がテストストリップ上に直接運ばれる。1つのシナリオでは、血液は、単純に、表面張力又は重力によりテストストリップ上に滴る。別のシナリオでは、ように、ランセットの吸収体に埋め込まれたキャピラリースポンジがこの血液を吸収して、血液が毛細管現象により試験手段へ移動する。さらに、別のシナリオでは、血液のテストストリップへの移動を助けるために吸引が行われる。
【0027】
本発明の好ましい態様によれば、試験手段は、テストストリップを具える。テストストリップは、好ましくは、収納器と収納器の内側に配置したキャピラリースポンジを具える。本発明の好ましい実施例では、この収納器には、特定の試験用に十分量の血液が取り出されたときを表示する血液用量ウインドゥと、試験結果を示す試験結果ウインドゥを設けられている。結果ウインドゥは、好ましくは、対照表示と試験表示を含む。試験表示は、1と3の間などの指示行の数を具えることができる。結果は、定量的、定性的、又は半定性的であり得る。
【0028】
さらに、本発明の好ましい態様によれば、このランセット収容器は、少なくともテストストリップの一部を受けるために、収納器の頂部の真下に側面開口部をさらに具える。テストストリップは、採血時に穴開け手段がそこを通れるように開口部を有しており、穴開け手段を用いて血液が引き抜かれて、テストストリップ上に自動的に滴る。
【0029】
本発明は、また、血液量及び/又は指先端の圧力を増加し、それにより採血を容易にするため、採血器具と組み合わせて用いる締め付けユニットに関する。この締め付けユニットは、近位端と遠位端をもつクリップ機構を具える。近位端は、その中に指端の受け入れるように構成した半径方向に広がる締め付け部材を具え、遠位端は、半径方向に広がる締め付け部材を作動させるハンドルを具え、使用者がこのハンドルを加圧したとき、締め付け部材が開いて、指を入れることができる。ハンドルを離したとき、締め付け部材が閉じて、指に圧力がかかり、それにより指先に血液量と圧力が増す。
【0030】
好ましくは、半径方向に広がる締め付け部材は、リング形状又はスリーブ形状をもつ柔軟な止血帯を具える。
【0031】
本発明は、さらに、指先端からのヒトの血液を採取及び試験する方法に関し:
(a)ヒトの指から採血して血液試験を行う統合型採血及び血液試験をする器具を提供するステップであり、この器具が:
(i)指先端の血液量及び/又は血圧をまして、指からの血液の取り出しを容易にするように、指の先端の下で指を一時的に締め付ける締め付け手段であって、締め付けユニット/部材が、半径方向に開く締め付け部材と、当該半径方向に開く締め付け部材を開放するハンドルとを具える締め付け手段と;
(ii )指が締め付け部材により保持されている間に、指先端に穴を開けるランセット;
(iii)指から採血した血液に対し、少なくとも1つの試験を行うテストストリップであって、このテストストリップが、指から採血された血液が、取り出された直後にテストストリップと接触するようにランセットと一列に並べられているテストストリップ、及び;
(iv)予め定められた量の少なくとも1つの試薬を、指からの採血後又は採血と同時に、テストストリップに移動させる試薬移動手段;
を具え;
(b)半径方向に広がる締め付け部材を開いて、そこに指を挿入するステップと;
(c)血液量及び/又は指先で加圧するように、指の周囲を半径方向に広げる締め付け部材を閉じるステップと;
(d)このランセットを用いて指を穴開けするステップと;
(e)十分な血液を取り出し、続いて、半径方向に広がる締め付け部材を開けて、指をはずすステップと;
(f)試薬移動手段を用いて少なくとも1つの試薬をテストストリップに移動させるステップ、及び;
(g)試験結果を待ち、試験結果を見る/読むステップ、
から選択されるステップを含む、前記採血と試験方法に関する。
【0032】
好ましい態様では、このランセットを用いた指に穴を開けるステップ(d)の前に、前記ランセットから安全ストッパをはずす。
【図面の簡単な説明】
【0033】
発明を理解し、実際にそれをどのようにしてそれを実施するかを知るために、複数の好ましい態様を記載し、限定されない実施例のみにより、次の図面を参照して説明する:
【図1】図1は、本発明の主要な態様による、小型の全血採取と試験器具を図式的に説明する図である。
【図2】図2は、1つの特定の態様による、器具の全体図を図式的に示す図である。
【図3】図3は、最も単純化した本発明の1態様による小型全血採取及び試験器具の断面を図式的に説明する図であり、様々なエレメントをその動作と一体に示す。
【図4】図4a〜4fは、器具の操作に関する様々な段階を示しつつ、最も単純化した表示で、本発明の1態様による小型の全血採取及び試験器具の操作方法を図式的に示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2の主要な好ましい態様を等角図法で図式的に示す図である。
【図6】図6は、図5の器具の側面横断面を図式的に示す図である。
【図7】図7は、図5の器具の底面を等角図法で図式的に示す図である。
【図8】図8は、本発明の第3の好ましい態様を等角図法で図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の全章と共に、以下の記載を行い、当業者が本発明を実施できるように、また、本発明を実施において、発明者が意図した最良の実施形態を示した。本発明の一般的な原理が、小型の全血採取及び試験器具を提供するために特定して定義されているので、様々な改良は、当業者にとって自明である。
【0035】
図1〜4を参照して、及び本発明の第一の主要な好ましい態様について、総合的に説明をする。
【0036】
本発明の好ましい態様では、この器具は、ヒトの指に合う凹部、溝、他の配置形状を具え、ランセット、加圧エレメント、キャピラリースポンジ、比色分析、蛍光分析、電気的、又は他のテストストリップを具えている。この試験は、ランセットで皮膚に穴を開けて達成され、このランセットはユニット本体中に一体化されている。レバー(「操作ボタン」)を引くと、皮膚に穴を開け即座に引っ込むバネで留められたランセットが作動する。同じレバーが指に対して「加圧エレメント」を押すと、指の血圧を上昇させ、十分量だが少量の血液が確実に指から離れる。本発明の特別な態様によれば、試験に要する予め定められた血液量を集める保留容器として働くキャピラリースポンジによって、この血液は吸収される。
【0037】
キャピラリースポンジは、さらに、あらゆる種類の血液試験試薬が、含浸、塗布、又は試薬で構成されている。代替えとして、又は、追加として、キャピラリースポンジは、さらに、血液をテストストリップに、選択的には、様々な種類の血液試験試薬を含浸させたテストストリップに案内する。テストストリップは、陽性又は陰性試験結果を示す色彩変化により試験結果を提供する。この器具は、小型で、軽量で、安価であり、使用して廃棄するディスポーサブルであることを意図している。
【0038】
前記キャピラリースポンジが、試験に要する血液量を集める保留容器として作用することは本発明の範囲である。それにもかかわらず、別の血液保留容器又は保存容器も可能である。
【0039】
この器具は、具体的には、限定されない態様で、心疾患用の危険を推定するコレステロール;糖尿病モニタ用のグルコース;違法薬物及び薬物乱用の存在;妊娠用スクリーニングのhCG;HIV感染を決めるためのHIV抗体;血液の低粘張化と凝固モニター用のプロトロンビン時間;結腸大腸癌スクリーニング用の便潜血;排卵を予測するための黄体形成ホルモン又はそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される、濃度、伝導性、粘度、及び化学的及び/又は生物学的要因の同類のもの決定に基づく健康状態の診断に有用である。
【0040】
その動作に、単純な比色化学反応を要するのみのユニットは、電気又はコンピュータを必要としない。しかしながら、蛍光、電子、又は他の感覚で認識できるシグナルなどのその他のモードの検出も、本出願の範囲内である。それは、軽量、携帯可能、及びディスポーサブルであり、どこにおいても使用することができる。医薬産業により完成されている全血を用いた完璧に研究された生物学的、化学的又は生理的な反応に基づく迅速で正確な診断を提供する。取り出された直後に、キャピラリースポンジに運ばれるので、血液のこぼれは、完全に回避される。同様に、必要とされる血液量は、最少であり、血液のこぼれの健康上の害や血液が見えることに関係する精神的要因を排除しており、加えて、大量の血液を取り出すことに関連する身体上の痛みを低減している。
【0041】
これに関しては、本発明の別の態様によれば、「加圧エレメント」は、血液の取り出しに要する圧力をかけ、穴開けランセットに関連する痛みを減らす作用などの多くの効果を提供している。血液は、おそらく患者自身により半自動的な手法により取り出されるであろうし、メディケア職員に血液媒介病原菌が移る可能性を減らす又は完全に排除する。
【0042】
図1は、本発明の一態様による器具の概略図であり、符号11は、採血及び試験器具の側面からの概略図;12は、採取用洞(指または体の他の部分用の凹み);13は、操作ボタン;14は、加圧エレメント;15は、バネ;16は、ランセット;17はキャピラリースポンジ;18はテストストリップ;及び19は任意の結果表示、を表す。
【0043】
図2を参照すると、指の受け入れ用容器、操作ボタン、及び結果表示ウインドゥ(右下の小さな四角)を示す、本発明の別の特定の実施例による器具の斜視図を表す。この実施例は、採血用に患者の指を固定するように特に構成されている。その他の設計は、例えば、非限定的に、筒状身体部分(指、腕、足、首なと)あるいは身体表面(幼児、あるいは幼児の足、耳など)に選択された、表面的な身体部分を、収納、接着、固定、取り込み、留める、締める、あるいは可逆的に相互接続するように、構成されている。このような取込手段(201)は、前記で定義した身体部分を、少なくとも部分的に、例えば、指が停止部(203)まで挿入されるなど、収納するように、対応する空洞(202)を促進している。取込手段(201)の他のデザインは、そのサイズと形状が、見本の身体器官のサイズと形状に適合すると考えられる。
【0044】
上記で定義し説明した具体的な態様の器具の横断面を示している図3について説明する。少なくとも1つの加圧エレメント(25)は、おそらく、限定するものではないが、熱硬化性ポリマー、シリコン、弾性炭水化物、ゴム様材料などでできている封入手段(27)により包まれているサンプリング空洞(28)を混乱させる。操作ボタン(26)を押すと、加圧エレメント(25)が指又は試験される他の身体部分を加圧して、局所血圧を上昇させる。操作ボタン(26)の移動する端部では、次いで、バネ(23)が皮膚に穴をあけるランセット(22)を作動させる。血液が皮膚から漏出しキャピラリースポンジ(21)により吸収され、そこからテストストリップ(24)へ毛管現象により運ばれる。このキャピラリースポンジ(21)は、例えば、約0.05から約5mlの採取した血液を吸収する測定可能な量をもつ。キャピラリースポンジ(21)及び/又はテストストリップ(24)は、受動容(吸収のみ)または能動部材のいずれかである。能動スポンジは、採取した器官の処理に適合する。したがって、前記スポンジは、浸漬され、ドープされ、含浸され、ソックスを履され、被覆され、又は、へパリン又は血液凝固を阻害する他の組成物、カルシウム塩又は因子などの血液凝固剤、抗生物質、第4級アンモニウム塩又は過酸化水素などの防腐剤;HIVまたはグルコース指示薬などの指示薬;及び着色剤、殺生物剤、香料、充填剤、乳化剤、スーパー吸収剤、具体的にはアクリル誘導体等の限定されない手法で、選択される他の添加剤を含むように処理されている。キャピラリースポンジ(21)は、少なくとも部分的に、綿、ポリマーなどの有機物、及び/又はベントナイトなどの無機物からつくることができる。
【0045】
これに関しては、スポンジ(21)及び/又はテスターストリップ(24)が、オンライン又はオフライン診断を提供するように構成されていると認められる。さらに、この診断は、例えば、色彩の変化で提供されるインサイチュウ(in situ)であるか、又は別のものである。したがって、例えば、部材が、RFID又はその他のディスポーサブルで、及び費用効率の高い無線手段などによって、遠隔表示器に相互接続されている。
【0046】
図4A〜4Gについて説明すると、操作ステップが表されており、これは非限定的に、a.引っ込んでいる操作ボタン;b.前へ移動するボタン;c.さらに前へ移動しりボタンで、血圧を上昇する;d.ランセットが開放され、皮膚に穴を開け、直ちに引っ込む;e.キャピラリースポンジヘ吸収された血液;f.毛細管現象により自動的にテストストリップへ運ばれた血液;g.試験結果が比色反応により試験ウインドゥに表示されるステップから選択される。従って、例えば、非限定的に、本発明のさらなる1態様の操作モードは、いくつかのサブステージに分けることができる。以下に説明する:
【0047】
第1段階(図4a)
a.操作ボタンが全て戻っている;
b.ランセットが準備されている;
c.加圧エレメントが最低位置にある;及び、
d.指先がキャピラリースポンジに触れるまで、指を器具の中へ入れる。
第2段階(図4b)
a.操作ボタンを前に動かしている;
b.加圧エレメントが上方へ動く;
c.指が加圧され始める;及び、
d.血流が制限されている。
第3段階(図4c)
a.操作ボタンをさらに動かす;及び、
b.指先の血圧が上昇する。
第4段階(図4d)
a.操作ボタンを最後まで動かす;
b.ランセットが放たれ、皮膚に穴を開ける;及び、
c.ランセットが速やかに引っ込む。
第5段階(図4e)
a.穴を開けた指先から血液がキャピラリースポンジへ取り出される;
b.キャピラリースポンジは、試験に必要な量の血液を集める貯留容器として作用する;及び、
c.ここで、指をこの器具から離すことができる。
第6段階(図4f)
a.キャピラリーによって、血液がスポンジからテストストリップへ流れる;及び、
b.スポンジ及びテストストリップ中に含浸した特定の試薬が血液成分と反応する。
第7(図4g)
a.試験結果が結果が、結果ウインドゥに表示される。
【0048】
図5〜7を参照して、本発明の第二に重要な好ましい態様を説明する。
【0049】
先ず、図5について説明すると、採血器具(40)は、4つの主な構成部品:指の端にを収納し、血液量と血圧が上昇した領域をつくり、血液の取り出しを促進するように、対応できる締め付けるようにした締め付け手段(50);指が締め付け手段により固定されている間に、外科用メス又は針で皮膚に穴を開けるランセット(60);指から取り出した血液に対し少なくとも1つの試験を行うテストストリップ(70);及び、テストストリップ(70)へ少なくとも1つの試薬を移動する試薬移動手段(80)、を具える。他の実施例では、テストストリップに追加して又はテストストリップの代わりに、他の試験手段を、用いることができることは自明である。さらに、テストストリップ(70)は、限定されないが、妊娠、排卵、コレステロール、血液粘度、又は糖等の既知のいずれかの生物学的試験を行うように構成することができる。
【0050】
この器具の好ましい位置確認は、次のようである:締め付け手段(50)とテストストリップ(70)が、実質的に同一面にあり、一方、試薬移動手段(80)とランセット(60)は、締め付け手段(50)とテストストリップ(70)に対し実質的に直交する位置にあり、ここで、試薬移動手段(80)は、締め付け手段(50)/テストストリップ(70)の面に対し上方にあり、ランセット(60)は、締め付け手段(50)とテストストリップ(70)の面に対し下方の位置にある。好ましくは、締め付け手段(50)は、締め付け手段(50)の一側部へテストストリップ(70)を取り付ける連結部を具える。テストストリップは、使用後に取り替えられる。代替えとしては、器具全体が、一度の使用のみを意図しており、使用後に廃棄される。
【0051】
図5〜7の組み合わせを説明すると、締め付け手段(50)は、近位端(52a)と遠位端(52b)をもつクリップ機構(52)を具える。近位端(52a)は、半径方向に広がる締め付け部材(54)を具える。締め付け部材(54)の内部は、指に合わせた凹部を規定している。締め付け部材(54)は、スリーブ、リング、又はその他の適切な幅と厚さをもつ、弾性のある止血帯を具えていてもよい。締め付け部材(54)は、広い範囲の指幅に合うようにデザインをすることができることは自明である。場合により、子供用と大人用で異なる締め付け部材(54)を製造することもある。
【0052】
クリップ機構(52)の遠位端(54)は、第一と第二のハンドグリップ(58a)(58b)をもつハンドル(58)を具える。ハンドグリップ(58a)(58b)は、バネ蝶番(56)により互いに機械的に結合している。例示した好ましい態様では、締め付け部材(54)は、広がり、そして、締め付け部材(54)の外周に等間隔で設けた3つの締め付け部材(54a)(54b)(54c)の使用により収縮する。したがって、ハンドグリップ(58a)(58b)が、互いに締めるときは、締め付け部材(54)の半径方向に広いて、指を挿入又は離脱させることができる。ハンドグリップ(58a)(58b)が、弛緩すると、締め付け部材(54)が、指の周りを収縮して、加圧する。
【0053】
器具(40)は、ランセット(60)を具える。本発明の器具に使用に容易に適合している様々なランセットが、この分野では公知である。ランセット(60)は、ランセット収容器(62)及び穴開け手段(64)をその中に具え、採血時に穴開け手段(64)をそこに、一時的に突出させて、開口部(66)を収容器(62)の頂上に具える。指が締め付け部材(54)で保持され、血液量及び/又は血圧が上昇した指の部分で穴開け手段(64)により指に穴を開けることができるように、開口部(66)は、クリップ機構(52)の下に位置していることに注目すべきである。
【0054】
穴開け手段(64)は、好ましくは、この分野で公知のように、針又はメスを具える。他の適当な穴開け手段も、血液を取り出すための皮膚への穴開け用に用いることができる。多くの好ましい態様では、穴開け手段(64)の事故の防止又は未熟な作動を防止するために安全ストッパー(68)が設けられている。ランセット(60)の穴開け手段(64)を作動させる前に、使用者は、ストッパー(68)をはずすべきである。
【0055】
テストストリップ(70)は、この分野で公知であり、さまざまな試験を行うための、適切なテストストリップを具える。好ましくは、テストストリップの内側のキャピラリースポンジは、採取された血液と反応する1以上の酵素基質を含み、その血液の存在/不存在の指示を提供し、場合により、特定のタンパク質又は他の生物学的因子の量を提供する、血液と反応する少なくとも1つの酵素基質を含む。代替えとして又は追加として、試薬移動手段(80)を、血液が採取された後で、予め定められた量の1以上の試薬をテストストリップ(70)に移動するために用いる。テストストリップ(70)は、十分な時間が経過した後、試験の結果をみるための試験結果ウインドゥを具える。通常、ウインドゥ(72)での1つの試験ラインは対照を表し、1又は2以上の追加試験ラインが試験結果の表示を提供する。本発明の好ましい態様では、テストストリップ(70)は、血液量表示ウインドゥを具える(74;図8を参照)。本発明の器具は、連続的採血−血液試験を提供するため、特定の試験を行うための十分量の血液が取り出されたときに表示することが好ましい。十分な血液が取り出されたとき−すなわち、血液がスポンジの全長に移動したことの表示を使用者がみることができるように、キャピラリースポンジにウインドゥを設けることにより、血液量ウインドゥが、この機能を果たす。
【0056】
試薬移動手段(80)は、好ましくは標準的なピストン−シリンジと類似の手法で操作する:試薬移動手段(80)は、試薬又は試薬の組み合わせをそこに保持するための少なくとも1つの容器(82)を具える。ピストン(86)が、容器(82)に連絡されており、容器(82)の底の開口(84)を介して容器(82)の内容物を放出する。開口(84)は、試薬が直接テストストリップ(70)に送達されるようにテストストリップ(70)に一直線上に配列している。
【0057】
1つの好ましい態様では、テストストリップ(70)は、ランセット(60)と締め付け手段(50)の間に位置している。採血時に穴開け手段(64)がそこを通過して指へ向かうことができる開口をテストストリップ(70)上に設けている。このような手法で、指から離れた血液滴は滴下し、又は、直接テストストリップ(70)上へ流れる(例えば、表面張力により)。
【0058】
代替えとして、図示した実施例のように、ランセット(60)には、テストストリップ(70)の端部を保持する側面開口部(69)が設けられている。テストストリップには、採血時に穴開け手段がそこを指へ向けて通過できる開口部が設けられている。この配列により、指から離れた血液滴が、開口部(66)をとおって、直接テストストリップ(70)の上に落下するか、又は流れることができる。
【0059】
本発明の器具の操作方法をここで、以下に述べる。器具(40)を操作するためには、使用者は、先ず、ハンドル(58)のハンドグリップ(58a)(58b)を締め付け/加圧して、締め付け部材(54)が半径方向に広がり、指の挿入に十分な直径に達するようにする。挿入に続いて、使用者は、ハンドグリップ(58a)(58b)を離す、それにより締め付け部材(54)が指の外周を締め付ける。これが、指先の血液量及び/又は血圧を増加させる。次に、使用者は、ランセット(60)のボタンの上の安全ストッパー(68)を外して、ランセット(60)の穴開け手段(64)を動作させて、指を突かせる。締め付け手段(50)に対するテストストリップ(70)の位置決めによって、指から落ちる血液滴は、直接テストストリップ(70)の上に落下するか、又は流れる。(ある好ましい実施例では、血液滴が容易に指から流れるように指に穏やかな圧力をかける役目をするさらなるキャピラリースポンジ又は他の加圧手段をランセット(60)の頂上に設けている。)使用者は、テストストリップ(70)の血液量表示ウインドゥ(74)をみることにより十分量の血液が取り出されたことを確認できる。このステップに続いて、締め付け手段(54)を半径方向に広げ、これによって締め付け手段(50)から指が離れるように、使用者は、再びハンドグリップ(58a)(58b)を締め付け/加圧する。
【0060】
次いで、選択的に、特定の試験のための適切な試薬(単数又は複数)がテストストリップ(70)へ移動するように、使用者は、試薬移動手段(80)のピストン(86)を加圧する。次に、使用者は、試験結果が、試験結果ウインドゥ(72)に表示されるまで待つ。
【0061】
本発明の器具が、迅速で効率的な手法で自分自身の血液を採取し試験する能力を使用者に、提供することは自明である。しかしながら、この器具を操作をする者が、患者の血液を試験する医療提供者であることも可能である。
【0062】
図8に図示した態様は、試薬導入手段(80)と締め付け手段(50)のハンドル(58)が、前述の態様のものとは異なるデザインである点を除いて、図5〜8のものと同様である。この場合、試薬導入手段は、試薬供給部(88)を具える。ハンドル(58)は、締め付け部材を半径方向に広げ、及び縮めるために前述の態様のハンドグリップに類似の手法で握られる上部(58c)と下部(58d)を具える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの指からの採血し、血液試験を行う統合型採血及び試験器具において;
a.前記指の先端の血液量と血圧を増加させ、それにより前記指からの血液の取り出しを促進するように、前記指の先端の下で一時的に指を締め付けるための締め付け手段;
b.前記指が前記締め付け手段により保持されている間、前記指の先端に穴開けを行うランセット;及び
c.前記指から取り出された血液に対し少なくとも1つの試験を行う試験手段であり、指から取り出された血液が、取り出された後に前記試験手段に直ちに接触するように、前記ランセットに一直線に並んでいる試験手段;
を具えることを特徴とする統合型採血及び試験器具。
【請求項2】
請求項1に記載の統合型採血及び試験器具が、さらに、血液が指から取り出された後、予め決められた量の少なくとも1の試薬を試験手段へ移動する試薬移動手段を具える統合型採血及び試験器具。
【請求項3】
請求項1に記載の統合型採血及び試験器具において、前記ランセットが、穴開け手段と、当該穴開け手段を収容するランセット収容器を具え、前記ランセット収容器が、さらに、採血ができるように前記穴開け手段が収容器から一時的に突出させる開口部をその頂部に具える、統合型採血及び試験器具。
【請求項4】
請求項1に記載の統合型採血及び試験器具であって、前記試験手段が、テストストリップを具える、統合型採血及び試験器具。
【請求項5】
請求項4に記載の統合型採血及び試験器具であって、前記ランセットが、さらに、血液を吸収し、前記テストストリップへ血液を導くキャピラリースポンジを具える、統合型採血及び試験器具。
【請求項6】
請求項4に記載の統合型採血及び試験器具において、前記テストストリップが、収納器と前記収納器の内側に配置したキャピラリースポンジを具え、前記収納器に特定試験用に十分な血液が取り出されたことを表示する血液量表示ウインドゥと、試験結果を表示する試験結果ウインドゥが設けられている、統合型採血及び試験器具。
【請求項7】
請求項4に記載の統合型採血及び試験器具であって、前記ランセット収容器が、さらに少なくとも前記テストストリップの一部を受けるために前記頂上部分直下に位置する側面開口部を具え、前記テストストリップが、指に穴を開けるときに前記穴開け手段が通過できる小開口部を有しており、前記穴開け手段を用いて自動的に指先から取り出された血液が前記テストストリップ上に自動的に落下又は流れる、統合型採血及び試験器具。
【請求項8】
請求項1に記載の統合型採取及び試験器具であって、前記締め付け手段が、近位端と遠位端をもつクリップ機構を具え、前記近位端が、半径方向に拡張する締め付け部材を具え、前記遠位端が、前記締め付け部材が、採血を促進するために、前記指の周りを半径方向に拡張及び収縮させるような、前記半径方向に拡張し得る締め付け部材を作動させるハンドルを具える、統合型採血及び試験器具。
【請求項9】
請求項8に記載の統合型採血及び試験器具であって、前記半径方向に拡張可能な締め付け部材が、リング状又はスリーブ状の形状をした柔軟性のある止血帯を具える、統合型採血及び試験器具。
【請求項10】
ヒトの指からの血液を採取し試験する統合型採血及び試験器具において、指の先端に穴を開けるランセットと、前記指から取り出された血液に対し、少なくとも1つの試験を行う試験手段とを具え、前記試験手段が、前記指から取り出された血液が取り出された後、直ちに、前記試験手段と接触するように前記ランセットと一列に並んでいる、統合型採血及び試験器具。
【請求項11】
請求項10に記載のヒトの指からの血液を採取及び試験する統合型採血及び試験器具において、前記試験手段がテストストリップを具える、統合型採血及び試験器具。
【請求項12】
請求項10に記載の統合型採血及び試験器具において、前記テストストリップが、収納器と、及び前記収納器の内側配置したキャピラリースポンジとを具え、前記収納器に、特定の試験用に十分な血液が取り出されたことを表示する血液量表示ウインドゥと前記試験結果を表示する試験結果ウインドゥが設けられている、統合型採血及び試験器具。
【請求項13】
請求項10に記載の統合型採血及び試験器具において、前記ランセット収容器が、さらに、前記テストストリップの少なくとも一部を受けるために前記頂部の直下に側面開口部を具え、前記テストストリップが、指に穴を開ける時に、前記穴開け手段がそこを通過できる開口部を具えており、前記穴開け手段を用いて取り出された血液が、前記テストストリップ上に自動的に落下又は流れる、統合型採血及び試験器具。
【請求項14】
採血器具と組み合わせて用いる締め付けユニットであって、指先端での血液量及び/又は血圧増加させ、それにより採血を促進する締め付けユニットにおいて、締め付けユニットは、近位端と遠位端を有するクリップ機構を具え、前記近位端が、指の末端を受け入れに構成した、半径方向に拡張し得る締め付け部材を具え、前記遠位端が使用者が前記ハンドルを締め付け/加圧したときに、前記締め付け部材が開いて指を挿入でき、前記ハンドルが開放されたとき、締め付け部材が閉じて、前記指を加圧し、それにより指先の血液量及び/又は血圧が増加するように、前記半径方向に拡張し得る締め付け部材を作動させるハンドルを具える、締め付けユニット。
【請求項15】
請求項14に記載の統合型採血及び試験器具において、前記半径方向に拡張し得る締め付け部材が、リング状又はスリーブ状の形状をもつ柔軟な止血帯を具える、統合型採血及び試験器具。
【請求項16】
指先からのヒト血液を採取及び試験する方法において:
(a)ヒトの指からの血液を採取及び試験する統合型採血及び試験器具を提供するステップであり、当該器具が、
(i)前記指の先端の血液量及び/又は血圧を増加し、それにより前記指からの血液の取り出しを促進させるように前記指の先端の下を一時的に締め付ける締め付け手段であり、半径方向に拡張し得る締め付け部材及び前記半径方向に拡張した締め付け部材を開閉するハンドルを具える締め付け手段と;
(ii)前記指が前記締め付け部材により保持されている間、前記指の先端に穴開けを行うランセットと;
(iii)前記指から取り出された血液に対して少なくとも1以上の試験を行うためのテストストリップであり、前記指から取り出された血液が、取り出された直後に、前記テストストリップに接触するように、前記テストストリップが前記ランセットと一直線に配列されているテストストリップと;
(iv)前記指から血液が取り出された後、予め決められた量の少なくとも1以上の試薬を前記テストストリップに移動させるための試薬移動手段;
を具える;
ステップと;
(b)前記半径方向に拡張し得る締め付け部材を開けて、その中に指を挿入するステップと;
(c)、前記半径方向に拡張し得る締め付け部材を前記指の周りで閉じて、前記指の先端の血液量及び/又は血圧を上昇させるように、前記指に圧力をかけるステップと;
(d)前記ランセットを用いて前記指に穴を開けるステップと;
(e)十分な血液を確実に取り出して、次いで前記半径方向に拡張し得る締め付け部材を開いて、指を取り除くステップと;
(f)選択的に、試薬移動手段を用いて少なくとも1つの試薬を前記テストストリップに移動させるステップ;及び
(g)試験結果を待ち、それを見るステップと、
を具える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−542304(P2009−542304A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517611(P2009−517611)
【出願日】平成19年7月8日(2007.7.8)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000856
【国際公開番号】WO2008/149333
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(509007241)ラピッディックス エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】