説明

絶縁カバーおよびその取り付け構造

【課題】送配電線などの電力線路において、懸垂碍子連、長幹支持碍子、トランスや電力ケーブルの端末のブッシングおよび碍管、支持碍子などの長管碍子など、垂直に配設されて使用されるいわゆる碍子の笠間が、塩分を含んだつららなどにより橋絡される結果、大地間との絶縁距離が減少して地絡事故に至ることを防止するに有効な絶縁カバーを提供する。
【解決手段】垂直に配設された碍子連16の1/2〜1/5分割した任意の箇所に、少なくとも円筒直径又は円盤直径の異なる1つ以上の絶縁カバー27を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架空送配電線などの電力線路において、垂直(鉛直)に配設されて使用される懸垂碍子連、長幹碍子、ブッシングおよび碍管などの碍子装置のための絶縁カバーにかかり、より詳細には、冬季に塩分を含んだつららなどによって引き起こされる地絡事故を防止するのに有効な絶縁カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、送電線の絶縁吊下部における、針金等の鳥の営巣材による地絡事故を防止する送電線絶縁吊下部の鳥害防止装置として、鉄塔から吊下された碍子において、絶縁円板を椀形もしくは傘形に成形した絶縁遮蔽板1であって、その中央に碍子取付孔2を設け、周縁部3の外径Rを前記碍子の外径よりも大に形成し、その碍子取付孔2を前記碍子に嵌着して取り付けた鳥害防止装置が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、海岸に近い地域では海から吹いてくる強い風によって、碍子に塩分が付着することが多い。碍子に塩分が付着すると、碍子の湿潤時に交流フラッシオーバ電圧(碍子に商用周波数電圧を印加したときにフラッシオーバする電圧)が低下し、沿面閃絡を生じる。そこで、海岸に近い沿岸地域(海岸線より約1km位までの地域)では、耐塩害用碍子が採用され、海岸から少し内陸に入り込んだ地域では、通常の碍子がそれぞれ採用されている。
【0004】
しかしながら、海岸から少し内陸に入り込んだ地域でも、台風などの風が強い場合には、塩が風に乗って運ばれてきて、碍子に塩分が付着することがある。通常の碍子は、塩害に対して対策が講じられていないため、碍子の表面に塩分が付着し、霧雨のような弱い雨が降り塩分に水分が与えられると、碍子の表面抵抗値が急激に下がり、碍子の表面の交流フラッシオーバ電圧が大幅に低下し、沿面閃絡が生じ、停電に至ることがある。
【0005】
そこで、霧雨のような弱い雨が降っても、塩分の付着した碍子表面のフラッシオーバ電圧の低下を防止することのできる碍子用塩害防止治具として、架空送電線に使用されている既設の碍子の上部に嵌装するものであって、シリコーンゴムなどの材料でドーナツ盤状に形成した本体の外径を碍子最大外径の1.5〜2.0倍に形成すると共に、本体の厚さを30mm以下に形成した碍子用塩害防止治具が知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−012943号公報
【特許文献2】特開平06−111649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の鳥害防止装置および碍子用塩害防止治具には下記のような問題があった。
1.特許文献1の鳥害防止装置では、装置の取り付けに際し、既設の碍子装置を鉄塔などから一時的に取り外して、絶縁遮蔽板1を碍子に被着する必要があり、多大な労力・費用と時間が必要であった。また、本発明が解決しようとする課題である、つららなどにより碍子の笠間が橋絡されて地絡事故に至るようなケースは、全く想定されていなかった。そのため、絶縁遮蔽板1の取り付け位置についても特に規定されていなかった。
【0008】
2.特許文献2の碍子用塩害防止治具では、ドーナツ盤状に成形した本体外径は碍子最大径の1.5〜2.0倍と大きく、高価なシリコーンゴムでその円盤厚さも30mm以下に成型されるため、そのコストは耐塩碍子と差がないばかりか、碍子に嵌着した本体の表面積が著しく増加するので、冠雪等により荷重が増加したり、カラスなどが止って突かれたりすると、塩害防止治具が碍子から下方にずれるおそれがある。そうすると、碍子と嵌着した本体との間に隙間が出来て、該箇所に汚損雨水などが溜まって、碍子の絶縁特性を低下させるおそれがある。
【0009】
さらに、前記のような碍子用塩害防止治具を取り付けても、その構成は碍子を汚損雰囲気から遮蔽するようなカバー構造でないため、急速汚損状態下では全表面がほぼ均一に塩などが付着して汚損耐電圧特性が低下してしまい、何ら塩害防止効果が期待できないおそれがあった。
【0010】
本発明は絶縁カバーにかかり、送配電線の懸垂碍子連、長幹支持碍子、トランスや電力ケーブルの端末のブッシングおよび碍管などの碍子装置において、垂直に配設されて使用されるいわゆる碍子の笠間が、塩分を含んだつららなどにより橋絡される結果、大地間との絶縁距離が減少して地絡事故に至ることを防止するのに有効な絶縁カバーおよびその取り付け構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電力線路において垂直に配設されて使用される碍子装置の碍子キャップ部または笠部に嵌着して使用される円筒状の絶縁カバーであって、絶縁カバーは、笠部の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有し、スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形し、絶縁カバーは二つ割り形状であり、既設置の碍子装置に側面から挟持して嵌着可能とすると共に、二つ割りの合わせ面相互を合わせて、絶縁カバーを自己融着性絶縁テープで巻回固定するか、または、結束バンド式締付け具で緊締固着する絶縁カバーの取付け構造か、または、碍子装置の碍子キャップ部または笠部に嵌着可能な嵌着部を中心に有する円盤状の絶縁カバーであって、絶縁カバーは、円盤状の外周の一箇所に割りを設けて、既設の懸垂式の碍子装置のキャップ部または笠部に側面から嵌着して取り付ける構成であり、且つ、絶縁カバーは、碍子キャップ部または笠部の嵌着部近傍を除き、碍子装置の笠部に接触しないように取り付けられる絶縁カバーの取付け構造において、垂直に配設された碍子装置または碍子連の1/2〜1/5分割した任意の箇所に、少なくとも円筒直径又は円盤直径の異なる1つ以上のいずれかの絶縁カバーを取り付けたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の絶縁カバーにおいて、一端にヒンジ部が設けられてピンによって開閉自在に結合されてなる中空円状の絶縁カバーであり、絶縁カバーは前記碍子装置の周縁部に嵌着され、緊締固定される、ことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の絶縁カバーにおいて、絶縁カバーは、硬度60度以上の有機、無機系のゴム、樹脂あるいは複合絶縁材料からなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の絶縁カバーおよびその取り付け構造によれば、以上説明したとおり、下記の顕著な効果を有する。
1.碍子笠の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有するように構成したので、碍子表面に塩分などが付着して絶縁特性が低下するのを防止し得る。
2.スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形したので、カバー下面周縁部に形成される水滴を、スカート部の長い方の周縁部に集中させて、橋絡的速度を促進させて、つららの形成そのものを阻止することが出来る。
【0015】
3.つらら防止に有効な本絶縁カバーは、二つ割り形状として既設置の碍子に側面から嵌着可能としたので、現場における施工が容易である。
4.取り付け施工が簡単であると共に、本絶縁カバーが碍子に直接接触しないから、カバーが汚損を受けて絶縁性が低下しても、碍子連そのものの絶縁特性に影響を与えない。
【0016】
5.一端が開閉自在にピンで結合されてなる中空円盤状の本絶縁カバーを、碍子笠部の周縁部に嵌着し、緊締固定する構成としたので、取り付け施工が簡単確実であると共に、懸垂碍子のように碍子キャップのない碍管・長幹碍子あるいは電力ケーブルヘッド等の端末ブッシング部にも、容易に取り付けることが出来る。
6.碍子連やブッシングの長さが長い場合には、所定の位置に本碍子絶縁カバーを複数枚取付けたり、碍子絶縁カバー径の異なるものを適宜組み合わせるなどして取付けたりすることにより、つららによる橋絡事故を効果的に防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(イ)は本発明の碍子絶縁カバー断面図、(ロ)は底面図である。
【図2】本発明を懸垂碍子装置に適用した第1の実施形態を示す側面略図である。
【図3−1】3(イ)は本発明の第2の実施形態を示す碍子絶縁カバーの側面断面図である。
【図3−2】3(ロ)は上面図、3(ハ)は碍子絶縁カバーの合わせ面A-A矢視の断面図である。
【図4】(イ)は本発明の第3の実施形態を示す碍子絶縁カバーの上面図、(ロ)は側面図、(ハ)はA-A矢視の断面図である。
【図5】本発明を電力ケーブル端末のブッシング部に適用した第3の実施形態を示す1部切開正面図である。
【図6】つららによって懸垂碍子装置が橋絡された状況を示す説明略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1(イ)は、本発明の碍子絶縁カバー1をボールソケット型懸垂碍子2に取り付けた状態の碍子カバー1の断面図である。また、図1(ロ)は底面図である。
図1(イ)において、ボールソケット型懸垂碍子2は、金属製の碍子キャップ3と、磁器製の碍子笠7と、ボールソケット型懸垂碍子2を直列に連結するボール部8と、から形成されている。碍子キャップ3の頭部には、ボール部8を嵌着するボールソケット部4が設けられ、前記ボールソケット部4の側面には、ボール部8の連結外れ防止のための割りピン穴5が設けられている。
【0020】
碍子絶縁カバー1は、底面図から分かるように、2分割された絶縁カバーであり、碍子キャップ3の側面から抱き合わせるようにして取り付けられ、碍子絶縁カバー1の分割面の上下に設けられた連結リブ9の連結穴10に、ボルトなどで締付け固定される構成である。
【0021】
この碍子絶縁カバー1では、碍子キャップ3の下方周縁突出部6との嵌着面は、その下方周縁突出部6と嵌合する形状に形成されているので、連結リブ9の連結穴10にボルトなどで締付け固定すると、碍子キャップ3の下方周縁突出部6と碍子笠7の基部に、この絶縁カバー1の内面突起部6pが食い込むように嵌合して締付けられるから、振動や強風による風圧荷重あるいはつららなどによる荷重などによって外れる様な懸念はない。なお、碍子絶縁カバー1の材料としては、硬度60度以上のゴム・樹脂あるいは複合絶縁材料、例えば、エチレンプロピレンゴム・ポリカーボネイト樹脂あるいはガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等の成型品が好適である。
【0022】
碍子絶縁カバー1の内面は、碍子笠7の表面になるべく接触しないような構造が望ましい。この理由は、碍子絶縁カバーの表面が塩などの導電性汚損物質で汚損された場合、碍子笠7の表面に接触していると型懸垂碍子2の表面が汚損されたのと等価となり、絶縁特性が損なわれる結果となるのを避けるためである。
【0023】
本発明の第1の実施形態では、碍子絶縁カバー1を、図2に示すように、鉄塔アース側最上部の懸垂碍子2の金属製碍子キャップ3に取り付けるようにしたので、碍子絶縁カバーが汚損されても、懸垂碍子連16の絶縁特性が低下するようなことはない。
従来は、懸垂碍子の磁器部の笠に絶縁カバーを被せて取り付けていたため、上記したような絶縁低下を避けるため、安全性を考慮して、懸垂碍子を通常よりも1枚増結して対応していた。
【0024】
図2に示したように、本発明による碍子絶縁カバー1は、垂直に配設されて使用される碍子類の最上部の碍子キャップ3に嵌着して使用される略円筒状の絶縁カバーであって、前記絶縁カバーは、懸垂碍子連16の碍子笠7の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部11を有し、このスカート部11の周縁部における遮蔽長さが異なるように、傾斜角θを付与して成形したから、前記スカート部11の周縁部に水滴が形成された場合、短いスカート側の周縁部に形成された水滴は、傾斜角θに沿って、長いスカート側に移動して落滴することになる。
【0025】
したがって、冬期寒冷時には、平坦に形成された碍子絶縁カバーの周縁部に比べて、つららが全周に形成されにくくなるという利点を有する。
何となれば、平坦な場合には、周縁部にほぼ均等間隔に水滴が形成され易くなるので、これら水滴の外気の冷気に触れる表面積が大きくなる結果、つららが成長しやすくなるのである。
【0026】
一方、スカート部が傾斜している場合には、スカート周縁部に形成された水滴は傾斜角に沿って移動するから、この間に水滴同士が結合して大きな水滴となり、水滴の自重が大きくなって、凍結する前に落滴し易くなり、このため凍結しにくく、従ってつららが形成されにくくなるのである。
【0027】
なお、碍子絶縁カバー1が取り付けられた図2の第1の実施形態において、12は碍子絶縁カバーの締付けボルト装置、13は懸垂装置取り付け金具、14はプレート型Uクレビス、15と18はホーン取り付け金具、16は懸垂碍子連、17は平行クレビス、19は懸垂クランプである。
【0028】
図3-1、図3-2は、本発明の第2の実施形態を示すもので、同図3(イ)は、碍子絶縁カバー20をボールソケット型懸垂碍子2の碍子キャップ3に取り付けた状態を示す側面断面図である。また、同図3(ロ)はその上面図であり、同図3(ハ)は碍子絶縁カバーの合わせ面A-A矢視の断面図である。
【0029】
即ち、第2の実施形態のつらら防止に有効な絶縁カバー20は、第1の実施形態のスカート部を除去して軽量化を図ると共に、風圧荷重を低減させた二つ割り形状であり、既設置の碍子に側面から嵌着可能な構造とすると共に、2つ割りの合わせ面相互を、碍子キャップ部における嵌着部に緊締溝21を設けて、該箇所において、自己融着性絶縁テープを巻回して固定するか、または結束バンド23その他の締付け具で緊締固着する構造とした碍子絶縁カバーである。
【0030】
図3-1、図3-2において、碍子絶縁カバー20はほぼ円盤形状の二つ割型であり、碍子キャップ3への取り付け部は短円筒形状で、該円筒部の側面には緊締溝21が設けられており、前記緊締溝に結束バンドを取り付けて緊締固着するようにしたものである。また、2つ割型の合わせ面22では、一方の絶縁カバー部材では凸面24を設け、他方の合わせ面には凹面25を設けて両者が嵌合する構造として一体化を図ったものである。
【0031】
以上のように構成すると、碍子絶縁カバーの風圧荷重低減および軽量化が図られる結果、構造がシンプルとなり大幅なコストダウンが可能となる。
【0032】
図4は、本発明の第3の実施形態を示したものである。同図(イ)は碍子絶縁カバーの上面図、(ロ)は側面図、(ハ)はA-A矢視の断面図である。
図4における碍子絶縁カバーは、図(イ)に示すようにほぼ対称な形状の2つ割型の中空円盤状碍子絶縁カバー(26,27)であって、その一端にヒンジ部28が設けられて、ピン29により開閉自在に結合されている。30は碍子笠7の周縁部に嵌合する溝である。また、その他端の碍子絶縁カバーの円盤上には、間隔を置いて締付け端子(31,31)が設けられ、締付け装置32により締付けて、碍子笠7の周縁部に固定する構成である。
【0033】
なお、2つ割型の合わせ面22では、一方の碍子絶縁カバー部材では凸面24を設け、他方の合わせ面には凹面25を設けて両者が嵌合する構造として一体化を図った点は、先の第2の実施形態と同様であるが、特にこの合わせ構造に限定されるものではなく、碍子絶縁カバー(26,27)の合わせ面は嵌合する構造ではなく、相互に傾斜面を有して、図4(ハ)の破線で示したように、斜めに重複して締付ける構成とすることも出来る。
【0034】
また、締付け端子(31,31)は、碍子絶縁カバーの円盤上ではなく、前記円盤の周縁部に設けてもよい。
前記実施形態の碍子絶縁カバーの構成材料としては、ポリカーボネイト樹脂やFRP樹脂のような硬質な絶縁材料で成形されることが望ましい。
【0035】
また、本実施形態の構造とすることにより、下記の利点が得られる。
(1) 碍子絶縁カバーの風圧荷重を大幅に低減し得る。
(2) 碍子笠表面の雨洗効果を妨げないので、碍汚損劣化による碍子自体の絶縁特性を低下させない。
(3) 軽量、安価に製作できる。
【0036】
図5は、前記第3の実施形態を電力ケーブル端末のブッシング部33に適用した具体例を示している。即ち、電力ケーブル端末のブッシング部33は、ケーブル絶縁体34が磁器製碍子35内を貫通しており、ケーブル導体42に接続された導体引き出し棒36が上部金具37を貫通している。また、磁器製碍子35の下部には下部金具38が取り付けられている。
【0037】
なお、図5において、39は磁器製碍子35の表面に形成された複数枚の笠部、40はケーブル絶縁体34上に形成されたストレスコーン、41は磁器製碍子35内に充填された絶縁油やコンパウンドなどの充填剤である。碍子絶縁カバー(26,27)は、前記磁器製碍子35の表面に形成された複数枚の笠部39の上部金具37に最至近の笠に、取り付けたものである。この図5においては、碍子絶縁カバー27の直径が26の直径よりも大きい場合を図示しているが、この逆の場合でも良い。
【0038】
以上のように取り付けると、磁器製碍子35の表面に形成された複数枚の笠部39の笠径よりも、碍子絶縁カバー(26,27)が形成する笠径の方が大きいので、26より下方に成長したつららは、碍子絶縁カバー27とつながっても、下部金具38と直接継がって橋絡されることはないから、地絡事故などを効果的に防止できる。また、長大なつららが形成されないから、大形の氷塊落下事故などの危険等も避けることが出来る。
図6は、つらら43によって、懸垂碍子装置が橋絡された状況を示す説明略図である。
【符号の説明】
【0039】
1、20 碍子絶縁カバー
2 ボールソケット型懸垂碍子
3 碍子キャップ
4 ボールソケット部
5 割りピン穴
6 周縁突出部
6p 内面突起部
7 碍子笠
8 ボール部
9 連結リブ
10 連結穴
11 スカート部
12 締付けボルト装置
13 懸垂装置取り付け金具
14 プレート型Uクレビス
15、18 ホーン取り付け金具
16 懸垂碍子連
17 平行クレビス
19 懸垂クランプ
21 緊締溝
22 2つ割型の合わせ面
23 結束バンド
24 凸面
25 凹面
26、27 中空円盤状碍子絶縁カバー
28 ヒンジ部
29 ピン
30 嵌合溝
31 締付け端子
32 締付け装置
33 ブッシング部
34 ケーブル絶縁体
35 磁器製碍子
36 導体引き出し棒
37 上部金具
38 下部金具
39 碍子笠部
40 ストレスコーン
41 充填剤
42 ケーブル導体
43 つらら
θ 傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線路において垂直に配設されて使用される碍子装置の碍子キャップ部または笠部に嵌着して使用される円筒状の絶縁カバーであって、
前記絶縁カバーは、前記笠部の少なくとも1枚以上を外気より遮蔽する円筒状のスカート部を有し、
前記スカート部の周縁部における遮蔽長さが異なるように成形し、
前記絶縁カバーは二つ割り形状であり、
既設置の碍子装置に側面から挟持して嵌着可能とすると共に、
前記二つ割りの合わせ面相互を合わせて、前記絶縁カバーを自己融着性絶縁テープで巻回固定するか、または、結束バンド式締付け具で緊締固着する絶縁カバーの取付け構造か、
または、前記碍子装置の碍子キャップ部または前記笠部に嵌着可能な嵌着部を中心に有する円盤状の絶縁カバーであって、
前記絶縁カバーは、円盤状の外周の一箇所に割りを設けて、既設の懸垂式の碍子装置のキャップ部または前記笠部に側面から嵌着して取り付ける構成であり、
且つ、前記絶縁カバーは、前記碍子キャップ部または前記笠部の嵌着部近傍を除き、前記碍子装置の笠部に接触しないように取り付けられる絶縁カバーの取付け構造において、
前記垂直に配設された碍子装置または碍子連の1/2〜1/5分割した任意の箇所に、少なくとも円筒直径又は円盤直径の異なる1つ以上の前記いずれかの絶縁カバーを取り付けた、ことを特徴とする絶縁カバーの取付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載の絶縁カバーにおいて、
一端にヒンジ部が設けられてピンによって開閉自在に結合されてなる中空円状の絶縁カバーであり、
前記絶縁カバーは前記碍子装置の周縁部に嵌着され、緊締固定される、ことを特徴とする絶縁カバー。
【請求項3】
請求項1に記載の絶縁カバーにおいて、
前記絶縁カバーは、硬度60度以上の有機、無機系のゴム、樹脂あるいは複合絶縁材料からなる、ことを特徴とする絶縁カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−38736(P2012−38736A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210986(P2011−210986)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【分割の表示】特願2006−13002(P2006−13002)の分割
【原出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000117010)旭電機株式会社 (127)
【Fターム(参考)】