説明

絶縁電流センサ

【課題】電気外科用発電機を提供する。
【解決手段】発電機20は、周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージを含む。ブリッジ整流器102は、出力ステージに連結され、無線周波数電気外科波形を通過させ、および無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成される。発電機20はまた、直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサ100をも含む。また、電気外科手術のための方法も企図される。方法は、出力ステージから1つ以上の対の電極に、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を供給するステップと、ブリッジ整流器を通して一対の電極に、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を渡すステップと、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するステップと、直流の電流を測定するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本開示は、電気外科装置、システム、および方法に関する。より具体的には、本開示は、絶縁電流センサを有する電気外科装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーに基づく組織治療が、当技術分野において周知である。種々の種類のエネルギー(例えば、電気、超音波、マイクロ波、低温、熱、レーザ等)が、所望の結果を達成するために組織に印加される。電気外科手術は、組織を切断、切除、凝固、または封止するために高無線周波数電流、マイクロ波エネルギー、または抵抗加熱を外科部位に印加することを含む。
【0003】
双極電気外科手術において、手持式器具の電極のうちの一方は、活性電極として機能し、他方は、戻り電極として機能する。戻り電極は、電気回路が2つの電極(例えば、電気外科鉗子)の間に形成されるように、活性電極に極近くに設置される。このように、印加された電流は、電極の間に位置している身体組織に限定される。
【0004】
双極電気外科技法および器具は、血管または組織、例えば、肺、脳、および腸等の軟組織構造を凝固させるために使用することができる。外科医は、電極の間で組織を通して印加される電気外科エネルギーの強度、周波数、および持続時間を制御することによって、焼灼、凝固/乾燥させ、および/または単に出血を減少または緩和させることができる。外科部位において組織の不要な炭化を引き起こすことなく、または、隣接組織への付随する損傷、例えば、熱拡散を引き起こすことなく、これらの所望の外科的効果のうちの1つを達成するために、例えば、電力、波形、電圧、電流、パルス速度等の電気外科用発電機からの出力を制御することが必要である。
【0005】
単極電気外科手術において、活性電極は、一般的に、治療される組織に適用される、外科医によって保持される外科器具の一部である。患者の戻り電極は、電流を発電機に戻し、活性電極によって印加された電流を安全に分散させるために、活性電極から離れて設置される。戻り電極は、通常、その部位における加熱を最小にするために、大きい患者接触表面積を有する。加熱は、表面積に直接依存する高電流密度によって引き起こされる。より大きい表面接触面積は、より低い局部加熱強度をもたらす。戻り電極は、一般的に、特定の外科的処置中に利用される最大電流および負荷サイクル(すなわち、発電機がオンである時間の割合)の想定に基づいてサイズ決定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に従って、電気外科用発電機が開示される。発電機は、周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージを含む。ブリッジ整流器は、出力ステージに連結されており、無線周波数電気外科波形を通過させ、および無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成される。発電機はまた、直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサをも含む。
【0007】
本開示の別の実施形態に従って、電気外科システムが開示される。システムは、負荷に連結される1つ以上の対の電極と、一対の電極に連結される出力ステージであって、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージと、出力ステージに連結されており、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を通過させ、および少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成されるブリッジ整流器と、直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサとを含む。
【0008】
本開示に従って、電気外科手術のための方法もまた企図される。方法は、出力ステージから1つ以上の対の電極に少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を供給するステップと、ブリッジ整流器を介して少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を一対の電極に渡すステップと、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するステップと、直流の電流を測定するステップとを含む。
【0009】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージと、
該出力ステージに連結されるブリッジ整流器であって、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を通過させ、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成されるブリッジ整流器と、
該直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサと
を備える、電気外科用発電機。
(項目2)
上記絶縁電流センサは、ホール効果センサである、上記項目に記載の電気外科用発電機。
(項目3)
上記ブリッジ整流器は、上記出力ステージと負荷との間に連結される第1および第2の出力端子を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科用発電機。
(項目4)
上記ブリッジ整流器は、少なくとも1つの連結部材によって相互接続される第1の入力端子と第2の入力端子とを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科用発電機。
(項目5)
上記絶縁電流センサは、上記少なくとも1つの連結部材の近くに配置されるホール効果センサである、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科用発電機。
(項目6)
上記絶縁電流センサに連結されるコントローラをさらに備え、該コントローラは、該絶縁電流センサによって測定される上記直流に基づいて、上記少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の無線周波数電流を決定するように構成される、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科用発電機。
(項目7)
負荷に連結される少なくとも一対の電極と、
該少なくとも一対の電極に連結される出力ステージであって、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージと、
該出力ステージに連結されるブリッジ整流器であって、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を通過させ、および該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成されるブリッジ整流器と、
該直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサと
を備える、電気外科システム。
(項目8)
上記絶縁電流センサは、ホール効果センサである、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目9)
上記ブリッジ整流器は、上記出力ステージと負荷との間に連結される第1および第2の出力端子を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目10)
上記ブリッジ整流器は、少なくとも1つの連結部材によって相互接続される第1の入力端子と第2の入力端子とを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目11)
上記絶縁電流センサは、上記少なくとも1つの連結部材の近くに配置されるホール効果センサである、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目12)
上記絶縁電流センサに連結されるコントローラをさらに備え、該コントローラは、該絶縁電流センサによって測定される上記直流に基づいて、上記少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の無線周波数電流を決定するように構成される、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目1−a)
少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージと、
該出力ステージに連結されるブリッジ整流器であって、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を通過させ、および該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成されるブリッジ整流器と、
該直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサと
を備える、電気外科用発電機。
(項目2−a)
上記絶縁電流センサは、ホール効果センサである、上記項目に記載の電気外科用発電機。
(項目3−a)
上記ブリッジ整流器は、上記出力ステージと負荷との間に連結される第1および第2の出力端子を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科用発電機。
(項目4−a)
上記ブリッジ整流器は、少なくとも1つの連結部材によって相互接続される第1の出力端子と第2の入力端子とを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科用発電機。
(項目5−a)
上記絶縁電流センサは、上記少なくとも1つの連結部材の近くに配置されるホール効果センサである、請求項4に記載の電気外科用発電機。
(項目6−a)
上記絶縁電流センサに連結されるコントローラをさらに備え、該コントローラは、該絶縁電流センサによって測定される上記直流に基づいて、上記少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の無線周波数電流を決定するように構成される、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科用発電機。
(項目7−a)
負荷に連結される少なくとも一対の電極と、
該少なくとも一対の電極に連結される出力ステージであって、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージと、
該出力ステージに連結されるブリッジ整流器であって、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を通過させ、および該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成されるブリッジ整流器と、
該直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサと
を備える、電気外科システム。
(項目8−a)
上記絶縁電流センサは、ホール効果センサである、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目9−a)
上記ブリッジ整流器は、上記出力ステージと負荷との間に連結される第1および第2の出力端子を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目10−a)
上記ブリッジ整流器は、少なくとも1つの連結部材によって相互接続される第1の入力端子と第2の入力端子とを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目11−a)
上記絶縁電流センサは、上記少なくとも1つの連結部材の近くに配置されるホール効果センサである、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目12−a)
上記絶縁電流センサに連結されるコントローラをさらに備え、該コントローラは、該絶縁電流センサによって測定される上記直流に基づいて、上記少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の無線周波数電流を決定するように構成される、上記項目のうちのいずれかに記載の電気外科システム。
(項目13−a)
少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を出力ステージから少なくとも一対の電極に供給することと、
該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形をブリッジ整流器を通して該少なくとも一対の電極に渡すことと、
該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換することと、
該直流の電流を測定することと
を含む、電気外科手術のための方法。
(項目14−a)
上記ブリッジ整流器は、上記出力ステージと負荷との間に連結される第1および第2の出力端子を含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目15−a)
上記ブリッジ整流器は、少なくとも1つの連結部材によって相互接続される第1の竜力端子と第2の入力端子とを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目16−a)
上記測定することは、絶縁電流センサによって上記直流を検出することを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目17−a)
上記絶縁電流センサは、上記少なくとも1つの連結部材の近くに配置されるホール効果センサである、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目18−a)
測定された直流に対応する信号をコントローラに伝送することをさらに含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目19−a)
測定された直流に対応する上記信号に基づいて、上記少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の無線周波数電流を決定することをさらに含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(要旨)
電気外科用発電機が開示される。発電機は、周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージを含む。ブリッジ整流器は、出力ステージに連結され、無線周波数電気外科波形を通過させ、および無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成される。発電機はまた、直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサをも含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の種々の実施形態を、添付の図面を参照して本明細書で説明する。
【図1】図1は、本開示に従う電気外科システムの概略ブロック図である。
【図2】図2は、本開示に従う図1の電気外科用発電機の概略図である。
【図3】図3は、本開示に従う絶縁電流の概略図である。
【図4】図4は、本開示に従う方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の特定の実施形態を添付の図面を参照して以下に説明する。以下の説明において、周知の機能または構成は、不必要に詳述することによって本開示を不明瞭にすることを避けるために、詳細は説明されない。
【0012】
本開示による発電機は、血管閉鎖処置を含む、単極および/または双極の電気外科的処置を実施することができる。発電機は、種々の電気外科器具(例えば、単極器具、戻り電極、双極電気外科鉗子、フットスイッチ等)とインターフェースをとるための複数の出力を含んでもよい。さらに、発電機は、種々の電気外科モード(例えば、切断、融合、分割等)および処置(例えば、単極、双極、血管閉鎖)に特に適している無線周波数エネルギーを生成するように構成される電子回路を含む。実施形態において、発電機は、埋め込まれるか、組み込まれるか、または電気外科器具に連結されて、一体型電気外科装置を提供してもよい。
【0013】
図1は、本開示による双極および単極電気外科システム1の概略図である。システム1は、患者の組織を治療するための1つ以上の電極(例えば、電気外科切断プローブ、切除電極等)を有する1つ以上の単極電気外科器具2を含んでもよい。電気外科エネルギーは、発電機20の活性端子30(図3)に接続される供給ライン4を介して発電機20によって器具2に供給され、器具2は、組織を凝固、切除、および/あるいは治療することを可能にする。エネルギーは、発電機20の戻り端子32(図3)において、戻りライン8を介して戻り電極6を通って発電機20に戻される。システム1は、患者との全接触面積を最大にすることによって、組織損傷の可能性を最小にするように患者に配置される複数の戻り電極6を含んでもよい。加えて、発電機20および戻り電極6は、いわゆる「組織から患者」への接触を監視し、それらの間に十分な接触が存在することを確実にして、組織損傷の可能性をさらに最小にするように構成されてもよい。
【0014】
システム1はまた、患者の組織を治療するための1つ以上の電極を有する双極電気外科鉗子10を含んでもよい。電気外科鉗子10は、対向する顎部材を含み、顎部材は、その中に配置される1つ以上の活性電極14および戻り電極16を有する。活性電極14および戻り電極16は、活性および戻り端子30、32にそれぞれ連結される供給および戻りライン4、8を含むケーブル18を介して、発電機20に接続される。電気外科鉗子10は、ケーブル18の端に配置されるプラグを介して、活性および戻り端子30および32に対する接続部(例えば、ピン)を有するコネクタにおいて、発電機20に連結され、プラグは、供給および戻りライン4、8からの接点を含む。
【0015】
実施形態において、発電機20は、可搬式発電機として構成されてもよく、または電気外科器具2または電気外科鉗子10内に着脱可能に、または別様に収容されてもよい。発電機20は、任意の適した種類のもの(例えば、電気外科、マイクロ波等)であってもよく、発電機20を制御するための複数の好適な入力制御(例えば、ボタン、アクティベータ、スイッチ、タッチスクリーン等)を含んでもよい。制御は、発電機20上に、または電気外科器具2または電気外科鉗子10の上に配置されてもよい。
【0016】
図2は、電気外科エネルギーを出力するように構成される発電機20の概略ブロック図を示す。別の実施形態において、発電機20は、マイクロ波アンテナ、超音波鉗子、レーザ、抵抗加熱電極等の、種々の他の組織治療デバイスに電力供給するために、マイクロ波、レーザ等の他の種類のエネルギーを出力するように構成されてもよい。発電機20は、コントローラ24、電源27、および出力ステージ28を含む。電源27は、直流高圧電源であってもよく、交流電源(例えば、壁の電気コンセント)に接続され、および高圧直流電力を出力ステージ28に提供し、次に、出力ステージ28は、高圧直流電力を治療エネルギー(例えば、超音波、電気外科、またはマイクロ波)に転換し、およびエネルギーを活性端子30に送達する。エネルギーは、戻り端子32を介して出力ステージに戻される。出力ステージ28は、複数のモードで動作するように構成され、その間、発電機20は、特定の負荷サイクル、ピーク電圧、波高率等を有する対応波形を出力する。別の実施形態において、発電機20は、他の種類の好適な電源トポロジに基づいてもよい。
【0017】
コントローラ24は、揮発性メモリ(例えば、RAM)および/または不揮発性メモリ(例えば、フラッシュ媒体、ディスク媒体等)であってもよいメモリ26に動作可能に接続されるマイクロプロセッサ25を含む。マイクロプロセッサ25は、電源27および/または出力ステージ28に動作可能に接続される出力ポートを含み、マイクロプロセッサ25が、開および/または閉制御ループスキームのいずれかに従って発電機20の出力を制御することを可能にする。当業者は、マイクロプロセッサ25が、本明細書において論じられる計算を実施するように適合される任意の論理プロセッサ(例えば、制御回路)によって代替されてもよいことを理解する。
【0018】
閉ループ制御スキームは、複数のセンサが、種々の組織およびエネルギー特性(例えば、組織インピーダンス、組織温度、出力電力、電流および/または電圧等)を測定し、およびコントローラ24にフィードバックを提供するフィードバック制御ループである。そのようなセンサは、従来技術の範囲内にある。次いで、コントローラ24は、電源27および/または出力ステージ28に信号を送り、電源27および/または出力ステージ28は、次いで、直流および/または電源をそれぞれ調整する。コントローラ24はまた、発電機20、器具2、または鉗子10の入力制御から入力信号も受信する。コントローラ24は、発電機20によって出力される電力を調整および/またはその他の制御機能を実施するために、入力信号を利用する。
【0019】
交流を感知するためのシステムおよび方法は、分流抵抗器、コンデンサ、変流器等の非常に低い抵抗素子を含んでもよい。一部の電流センサ設計は、電気外科的処置と関連する安全上の必要条件によって限定される。特に、電気外科用途において、感知回路を大きい電圧から保護するために、または結合雑音および干渉を減少させるために、電圧絶縁バリアが望ましいか、または必要とされる。これは、絶縁バリアをブリッジするために、光カプラ等の付加的な絶縁回路構成要素を使用することなく、上記に詳述されるような分流抵抗器およびコンデンサを感知目的で使用することを防ぐ。
【0020】
一実施形態において、変流器または他のセンサが使用されてもよい。変流器は、特に、高周波数においては、種々のサイズ、様々な効率であってもよい。しかしながら、変流器は、小型化には向いていない。したがって、ホール効果デバイスまたは非常に小さい設置面積を有する光カプラが使用されてもよい。しかしながら、そのようなデバイスは、低い周波数応答を受ける。約100kHz以上の交流電流信号に対して、ホール効果デバイスは、電流を直接感知するために使用される場合には、特により高い電流適用において、特に互換性がない。約100kHz乃至約2MHzの周波数に対するこれらの制限に起因して、約200kHz乃至約1MHzの実施形態において、電流感知変換器もホール効果センサも小型化が必要とされる場合には有用ではない。
【0021】
本開示は、小型化電流センサに関わる問題を克服し、小型化され、および約200kHz乃至約1MHzの実施形態において約100kHz乃至約2MHzの周波数で動作する、絶縁電流センサを提供する。図3に示されるように、発電機20は、負荷104と電力源106との間に配置されるブリッジ整流器102に連結される絶縁電流センサ100を含む。電力源106は、活性および戻り端子30および32を通る出力ステージ28のエネルギー出力を表す。負荷104は、電気外科鉗子10によって保持されている組織等の、電力源106のエネルギーが伝送される任意の抵抗負荷であってもよい。
【0022】
活性端子30を通って、第1の入力端子103aが電力源106に連結され、第2の入力端子103bが負荷104に連結される、第1および第2の入力端子103aおよび103bを含むブリッジ整流器102が、4つのダイオード102a、102b、102c、102dの全波ダイオードブリッジとして示される。ブリッジ整流器102はまた、第1および第2の出力端子103cおよび103dを相互接続する任意の導体素子であってもよい連結部材101を通って絶縁電流センサ100に連結される、第1および第2の出力端子103cおよび103dも含む。実施形態において、ダイオード102a、102b、102c、102dは、実質的に一方向に電流を伝導するように構成される理想ダイオード等の、任意の適した回路素子または構成であってもよい。
【0023】
動作時、ブリッジ整流器102は、電力源106から負荷104に伝送される交流(例えば、無線周波数)エネルギーの交流特性を変化させることなく、絶縁電流センサ100に直流電流を提供する。特に、ブリッジ整流器102は、交流電流が通過すること、電力源106からの交流電流の一部を直流電流に変換することを可能にし、直流電流は、次いで、負荷104が交流電流によって依然として供給されている間、絶縁電流センサ100によって感知される。
【0024】
交流電流は、プッシュプル方式で動作するので、プッシュまたは正サイクルの間、交流電流は、活性端子30から戻り端子32に流れ、すなわち、交流電流は、ダイオード102cを通って絶縁電流センサ100に流れ、次いで、ダイオード102aを通って負荷104および戻り端子32に流れる。プルまたは負サイクルの間、交流電流は、戻り端子32から活性端子30に流れ、すなわち、交流電流は、ダイオード102bを通って絶縁電流センサ100に流れ、次いで、ダイオード102dを通って電力源106に戻る。
【0025】
対のダイオード102aおよび102cならびに102bおよび102dは、交流電流を直流電流に変換し、直流電流は、次いで、絶縁電流センサ100によって測定される。実施形態において、絶縁電流センサ100は、ホール効果センサであってもよく、または電力源106および負荷104の交流特性を変化させない任意の他のより低い周波数感知デバイスであってもよい。絶縁電流センサ100は、連結部材101を通して伝送される電流の変化によって引き起こされる磁場の変動を測定する。実施形態において、絶縁電流センサ100は、ホール効果センサの感度に基づいて、連結部材101の近くに配置され、それらの間の物理的接触の必要性を除去する。したがって、絶縁電流センサ100は、回路を妨害することなく、転換された直流電流を測定するため、電力源106および負荷104に透過的である。電流センサ100は、コントローラ24に連結され、直流の測定された振幅に対応する信号を該コントローラ24に供給する。コントローラ24は、電力源106の交流出力を転換された直流電流と相関させる任意の種類の処理関数を使用することによって、電流信号を処理してもよい。出力された交流電流を反映している測定された直流電流は、アルゴリズム制御、用量誤差チェック、および他の出力検証を含む、種々の方法で使用されてもよい。
【0026】
図4は、本開示に従う方法200のフローチャートを示す。方法は、例えば、出力ステージ28等の電力源106が、交流無線周波数治療用電気外科エネルギーを、例えば、患者組織等の負荷104に出力するステップ202を含む。ステップ204において、エネルギーが負荷104に伝送されると、ブリッジ整流器102は、交流電流の一部を直流に変換し、直流は、次いで、縁電流センサ100に伝送される。ステップ206において、絶縁電流センサ100は、連結部材101を通って伝送される直流電流の変動を測定する。ステップ208において、電流センサ100は、直流電流信号をコントローラ24に伝送し、コントローラ24は、次いで、ステップ210において、実際の交流電流出力を決定するために信号を交流電流と相関させる。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態を図面に示し、および/または本明細書において説明したが、本開示は、それらに限定されることを意図するものではなく、本開示は、当技術分野が許容するものと同程度に対象範囲は広く、本明細書は同様に解釈されることを意図するものである。したがって、上記の説明は、限定するものとして解釈されるのではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付されている特許請求の範囲および精神内において、別の変更を想定するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージと、
該出力ステージに連結されるブリッジ整流器であって、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を通過させ、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成されるブリッジ整流器と、
該直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサと
を備える、電気外科用発電機。
【請求項2】
前記絶縁電流センサは、ホール効果センサである、請求項1に記載の電気外科用発電機。
【請求項3】
前記ブリッジ整流器は、前記出力ステージと負荷との間に連結される第1および第2の出力端子を含む、請求項1に記載の電気外科用発電機。
【請求項4】
前記ブリッジ整流器は、少なくとも1つの連結部材によって相互接続される第1の入力端子と第2の入力端子とを含む、請求項1に記載の電気外科用発電機。
【請求項5】
前記絶縁電流センサは、前記少なくとも1つの連結部材の近くに配置されるホール効果センサである、請求項4に記載の電気外科用発電機。
【請求項6】
前記絶縁電流センサに連結されるコントローラをさらに備え、該コントローラは、該絶縁電流センサによって測定される前記直流に基づいて、前記少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の無線周波数電流を決定するように構成される、請求項1に記載の電気外科用発電機。
【請求項7】
負荷に連結される少なくとも一対の電極と、
該少なくとも一対の電極に連結される出力ステージであって、少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を生成するように構成される出力ステージと、
該出力ステージに連結されるブリッジ整流器であって、該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形を通過させ、および該少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の少なくとも一部を直流に変換するように構成されるブリッジ整流器と、
該直流の振幅を測定するように構成される絶縁電流センサと
を備える、電気外科システム。
【請求項8】
前記絶縁電流センサは、ホール効果センサである、請求項7に記載の電気外科システム。
【請求項9】
前記ブリッジ整流器は、前記出力ステージと負荷との間に連結される第1および第2の出力端子を含む、請求項7に記載の電気外科システム。
【請求項10】
前記ブリッジ整流器は、少なくとも1つの連結部材によって相互接続される第1の入力端子と第2の入力端子とを含む、請求項7に記載の電気外科システム。
【請求項11】
前記絶縁電流センサは、前記少なくとも1つの連結部材の近くに配置されるホール効果センサである、請求項10に記載の電気外科システム。
【請求項12】
前記絶縁電流センサに連結されるコントローラをさらに備え、該コントローラは、該絶縁電流センサによって測定される前記直流に基づいて、前記少なくとも1つの無線周波数電気外科波形の無線周波数電流を決定するように構成される、請求項7に記載の電気外科システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate