説明

継目無管の圧延装置および圧延制御方法

【課題】内面工具を用いずに管の外径を調整する絞り圧延機等の出側において偏肉の小さい管を製造することができる継ぎ目無し管の圧延装置および圧延制御方法を提供する。
【解決手段】複数の孔型ロールスタンドを有し、前記孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマンドレルバー33が配置され、管を圧延するマンドレルミル31と、該マンドレルミルの下流に直列配置され、前記マンドレルバーから前記管を引き抜くためのエキストラクタまたは前記管の外径を調整する圧延機35と、前記マンドレルミルの出側の前記管に付与する偏肉量を計算し、計算した偏肉量に基づいて前記マンドレルミルのロールギャップを調整する圧延制御装置とを備えることを特徴とする継目無管の圧延装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマンドレルミルラインまたはプラグミルラインにおいて、管周方向の偏肉を減少できる継目無管の圧延装置および圧延制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は、マンネスマン−マンドレルミル方式による継目無鋼管の製造方法を示す説明図である。図3に示すように、継目無鋼管の製造に際しては、まずビレット51を、加熱炉52で1200〜1300℃まで加熱する。次に加熱されたビレット51をピアサ53で穿孔圧延して中空素管54とする。この中空素管54にマンドレルバー55を挿入し、マンドレルミル56で延伸圧延して管肉厚を調整する。その後、マンドレルバー55を抽出し、サイザまたはストレッチレデューサ等の外径調整圧延機57(以降、外径調整圧延機を便宜上絞り圧延機と呼ぶ)で管を所定の径に成形し、製品寸法に仕上げる。マンドレルミル56では、複数個のスタンド#1,…,#Nにおいて材料を外側から孔型ロール58で、内側からマンドレルバー55で拘束し、圧延方向に垂直な面内で、90°ずつ交差した部分の肉厚を交互に圧延する。なお、マンドレルミルの各スタンドの内、被圧延材である中空素管の周方向の各部位を圧延する最終のスタンド(つまり、当該スタンドの孔型の溝底部で圧延された部位がそれ以降のマンドレルミルのどのスタンドでも圧延されない場合)は、マンドレルミルの仕上げスタンドと呼ばれる。
【0003】
マンドレルミルでは、孔型ロールの孔型径と、使用するマンドレルバーの外径により幾何学的に決定される間隔によって肉厚が決まる。したがって、継目無鋼管の仕上げ肉厚が異なる場合には、仕上げ肉厚に応じて、上記間隔を変更する必要があるが、この間隔を変更する方法として、径の異なる別のマンドレルバーへの変換、孔型ロールの交換、孔型ロールの位置調整によるロールギャップ(マンドレルバーと孔型ロールとの隙間)の変更がある。
【0004】
しかし、孔型ロールの交換は、マンドレルバーを交換するよりも手数がかかり現実的でない。
また、マンドレルミルのロールギャップを変更した場合には、円周方向に偏肉が発生する。なぜならば、孔型ロールの孔型径と、使用するマンドレルバーの外径により幾何学的に決定される間隔によって肉厚が決まるため、所定のロールギャップ以外では一対の孔型ロールで形成される孔型径(形状)が変化し、これに伴って前記間隔も円周方向で変化するからである。
【0005】
図4は、孔型形状が真円の孔型ロールでのロールギャップと孔型形状との関係を示す模式図であり、図4(a)は、一対の孔型ロール61とマンドレルバー62とから形成される間隔が円周方向で均一、つまり円周方向で肉厚が均一となる場合、図4(b)は、ロールギャップを締めた場合に円周方向で肉厚が不均一となる場合を表す。以下、図4(a)、(b)のロール孔型の最も深い部分を溝底部63、2つのロールに挟まれた肉厚圧下をしていないロール孔型の開口部をフランジ部64と呼ぶ。
【0006】
図4(b)の場合には、孔型ロール61の溝底部63に相当する部分で孔型ロール61とマンドレルミルバー62の間隙が一番小さくなり、孔型ロール61のフランジ側に進むにつれて、孔型ロール61とマンドレルバー62の間隙は広くなる。したがって、圧延された管は、孔型ロール61の溝底部63で最小になり、フランジ部64に向かって厚肉になる。
【0007】
マンドレルミルの仕上げスタンドは、通常2スタンドからなり、同じ曲率の孔型ロールを使い、ロールギャップも同じに設定する方法が一般的である。マンドレルミルの隣接するスタンドは、圧下方向が交互に90°交差しているため、仕上げ2スタンド後の管の肉厚は、仕上げ2スタンドの孔型ロール溝底部63に相当する部分が最小肉厚で、そこから45°ずれた位置が最大肉厚となる肉厚分布となる。そのため、マンドレルミルで周方向の偏肉を防止するには、仕上げ肉厚のピッチに応じた外径を有する多数の寸法のマンドレルバーを保有しておく必要がある。したがって、仕上げ肉厚に応じてマンドレルバーを交換する方法では、数多くのマンドレルバーが必要となり、製造コストが高くなるという問題がある。
【0008】
この問題を解決するため、限られたマンドレルバーを使用し、ロールギャップの変更により仕上げ肉厚をするべく、ロールギャップに起因する周方向の偏肉を防止する方法が種々提案されている。
【0009】
マンドレルミルにおける周方向の偏肉対策としては、素管を、圧下方向を交互に90°交差させて連続配置された2スタンド以上の2ロールミルで圧延し、次いで、前記2ロールミルの圧下方向に対して45°傾斜させた4方向からロールミルで圧延して管形状を整形し、かつ各ロールミルのロール圧下量を変えることにより、鋼管の仕上がり肉厚を変更する方法(特許文献1)が提案されている。さらに、前記2ロールミルおよび4ロールミルのギャップ精度を±0.1mm以下にするため、前記4ロールミルの下流に熱間肉厚測定装置を配置し、該熱間肉厚測定装置で測定された最終3スタンドの圧下方向の肉厚測定結果に基づき、最終3スタンドのロールギャップを調整する方法(特許文献2)が提案されている。
【0010】
図5は、3ロール絞り圧延機の隣接スタンドのロール配置の説明図であり、同図(a)は奇数スタンド、同図(b)は偶数スタンドを表す。
3ロールサイザーまたは3ロールストレッチレデューサー等の絞り圧延機では、図5(a)、(b)に示すように、圧延方向に垂直な面内で、それぞれのロールの圧下方向のなす角が120°となるように配設されたスタンドを使用し、駆動軸が水平となるよう隣接するスタンド間で孔型ロール75の圧下方向を60°ずらして交互に配置し、4〜28スタンド(外径加工度によってスタンド数が決定される)で母管76の連続絞り圧延を行って外径の縮小と若干の減肉加工を行い、所定の製品寸法に仕上げている。
【0011】
図6は、角張り位相の説明図であり、同図(a)は負の角張り位相を示す周方向角度と増肉率との関係、同図(b)は正の角張り位相を示す周方向角度と増肉率との関係を表す。
【0012】
前記絞り圧延機の単スタンド圧延では、ロール溝底部ではエッジ部(フランジ部)に比較して圧延方向延びが大きく、管の周方向肉厚は不均一な変形を受ける。連続スタンドでの圧延では、ロール溝底部とエッジ部はスタンド毎に交互に塑性変形が繰り返されるため、ほぼ同一肉厚となるが、図6(a)、(b)に示すように、ロール溝底部とエッジ部の中間点はロール溝底部とエッジ部の肉厚より減肉する負の位相(図6(a))または増肉する位相(図6(b))状況となり、位相の異なった六角形状の角張りを生ずる。この角張現象は、絞り圧延における管長手方向の延伸率が大きくなるほど、かつ厚肉小径になるほど角張り率が増加する傾向にある。さらに、前記絞り圧延機で発生する6方向の厚肉部と、前記マンドレルミルでマンドレルミルの圧下方向から45°ずれた位置に発生する4方向の厚肉部が重複し、その相乗作用によって円周方向の肉厚不均一(偏肉)が助長されるという問題が知られている。
【0013】
絞り圧延機で助長される前記偏肉の対策としては、厚肉部が重複しないようにマンドレルミルと絞り圧延機とをタンデム配置し、マンドレルミルの圧下方向のいずれかと、前記絞り圧延機の圧下方向のいずれかが±5°の範囲内に位置するよう配列する方法(特許文献3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平6−87008号公報
【特許文献2】特開平8−71616号公報
【特許文献3】特開平8−19806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者らが、特許文献2に開示された方法と特許文献3に開示された方法を同時に用いて試験圧延を実施したが、マンドレルミル出側におけるマンドレルミルの圧下方向の偏肉は、±0.1mm以下に抑えることができたものの、絞り圧延機出側におけるマンドレルミルの圧下方向および絞り圧延機の圧下方向の偏肉は、±0.1mm以下に抑えることができなかった。
【0016】
前記試験圧延では、3ロールの絞り圧延機の各ロールの圧下方向毎に異なる偏肉が発生しており、特許文献3に開示された方法には、3ロールの絞り圧延機の各ロールの圧下方向で均一の発生する六角張りは抑制できるが、絞り圧延機の各ロールの圧下方向毎に異なる偏肉を抑制できないという欠点がある。
【0017】
また、前記試験圧延では、絞り圧延機において偏肉が発生しており、特許文献3に開示された方法には、絞り圧延機の母管の偏肉は抑制できるが、絞り圧延機において発生する偏肉を抑制できないという欠点がある。
【0018】
本発明は、斯かるマンドレルミルおよび絞り圧延機における問題点を解決するためになされたもので、内面工具を用いずに管の外径を調整する絞り圧延機等の出側において偏肉の小さい管を製造することができる、継目無管の圧延装置および圧延制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意試験研究を行った。その結果、前記±0.1mmより大きい偏肉はマンドレルミルおよび絞り圧延機の双方の圧延過程で発生していること、また、前記マンドレルミルで偏肉が発生する原因は、特許文献2に開示されているロールギャップの設定の誤差に加えて、対向する2ロールの位置が回転軸方向にずれているためでもあること、前記絞り圧延機で偏肉が発生する原因は、絞り圧延機の各スタンドロール設置位置にずれがあり、このずれのため、管の外径圧下量が各ロール圧下方向毎に不均一になり、外径圧下量が増大する方向において管の増肉量が大きくなるためであることを見出した。
【0020】
さらに、前記マンドレルミルで発生する偏肉量は、マンドレルミルの各ロールを設置し直さない限り、マンドレルミルで圧延する管の肉厚、材質毎にほぼ一意に決まること、前記絞り圧延機で発生する偏肉量は、絞り圧延機での外径加工率にほぼ比例して大きくなること、前記絞り圧延機の前で付与された偏肉量は絞り圧延機の出側で減少するが偏肉減少量は絞り圧延機での外径加工率にほぼ比例して大きくなることを見出した。
【0021】
上記知見より、マンドレルミルで発生する偏肉量および絞り圧延機で発生する偏肉量を、管の肉厚、材質、絞り圧延機での外径加工率を用いて定式化し、斯かる式に基づいて、絞り圧延機の出側におけるマンドレルミルの圧下方向の偏肉量が最小となるように、絞り圧延機の母管に付与する偏肉量を逆算し、前記逆算された偏肉量の母管が得られるように、マンドレルミルの仕上げスタンドである最終2スタンドないし3スタンドのロールギャップを調整することにより偏肉の小さい管が得られることを究明した。
【0022】
あるいは、前記定式化された式に基づいて、絞り圧延機の出側における絞り圧延機の圧下方向の偏肉量が最小となるように、絞り圧延機の母管に付与する偏肉量を逆算し、前記逆算された偏肉量の母管が得られるように、絞り圧延機の各ロールの圧下位置を個別に調整することにより偏肉の小さい管が得られることを究明した。
【0023】
あるいは、前記定式化された式に基づき、絞り圧延機の出側のマンドレルミル圧下方向または絞り圧延機圧下方向の偏肉量が最小となるように、マンドレルミルの仕上げスタンドである最終2スタンドないし3スタンドのロールギャップを調整すること、あるいは、絞り圧延機の各ロールの圧下位置を個別に調整することにより、偏肉の小さい管が得られることを究明した。
【0024】
本発明者らが発見した前述の事実より、絞り圧延機出側での偏肉量は絞り圧延機での外径加工率により変化し、また、絞り圧延機入側の偏肉量を調整することにより絞り圧延機出側の偏肉量が変化するといえるが、これを数式で表すと次のようになる。
【0025】
【数5】

【0026】
前記式(1)における関数f1の一例として、次式を選んだ場合について、さらに詳しく説明する。
【0027】
【数6】

【0028】
本発明者らは、さらに鋭意試験研究を行った結果、前記式(2)のようにΔWT/WTをΔWT/WTに対して線形に、aおよびbをρに対して線形に表した場合、定数cおよびdの値は次の範囲内であることを見出した。
【0029】
−0.02≦c(j)≦0 (3)
0.9≦d(j)≦1.1 (4)
また、定数eおよびfの値は、ミルの設置状況、管の寸法、材質などにより異なるが、次の範囲内であることを見出した。
【0030】
−0.002≦e(j)≦0.002 (5)
−0.03≦f(j)≦0.03 (6)
すなわち、定式化された式に基づいて、絞り圧延機の各ロールの圧下位置を個別に調整する場合は、絞り圧延機の各ロールの圧下位置の調整量(圧下位置変更量)が次の式を満たすようにすれば良い。
【0031】
【数7】

【0032】
また、定式化された式に基づいて、マンドレルミルのギャップを調整する場合は、マンドレルミルのロールギャップの調整量(ロールギャップ偏差)が次の式を満たすようにすれば良い。
【0033】
【数8】

【0034】
絞り圧延機の圧下位置の調整量、またはマンドレルミルのギャップの調整量を規定する前記2式を、次のように表現することもできる。
絞り圧延機での外径圧下率ρが30%未満の場合には、マンドレルミルまたは絞り圧延機各スタンドで与える、平均肉厚との肉厚偏差を次の範囲で制御することにより、偏肉の小さい管が得られる。
【0035】
【数9】

【0036】
以上、ΔWT/WTをΔWT/WTに対して線形に、a,bをρに対して線形に定式化した場合について詳しく説明したが、もちろん他の一般的な関数を選んでも良く、さらに関数の値は管材質にも影響を受けることを考慮すると、圧下位置調整法は、一般に次のように表すことができる。
(1)絞り圧延機の圧下位置を調整する場合:
【0037】
【数10】

【0038】
なお、より厳密にするため、上式の代わりに次の式を用いても良い。
【0039】
【数11】

【0040】
(2)マンドレルミルのロールギャップを調整する場合:
【0041】
【数12】

【0042】
なお、より厳密にするため、上式の代わりに次の式を用いても良い。
【0043】
【数13】

【0044】
本発明は、本発明者らが見出した前述の新しい知見に基づき完成されたもので、その要旨は以下のとおりである。
すなわち、第1発明は、複数の孔型ロールスタンドを有し、内面工具を用いずに管の外径を調整する圧延機と、前記孔型ロールスタンドの各ロールの圧下位置を個別に調整する圧延制御装置とを備えることを特徴とする継目無管の圧延装置である。
【0045】
第2発明は、前記圧延制御装置は、前記孔型ロールスタンドの入側の前記管に付与する偏肉量を計算し、計算した偏肉量に基づいて前記孔型ロールスタンドの各ロールの圧下位置を個別に調整する手段を備えることを特徴とする前記第1発明に記載の継目無管の圧延装置。
【0046】
第3発明は、複数の孔型ロールスタンドを有し、前記孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマンドレルバーが配置され、管を圧延するマンドレルミルと、該マンドレルミルの下流に直列配置され、前記マンドレルバーから前記管を引き抜くためのエキストラクタまたは前記管の外径を調整する圧延機と、前記マンドレルミルの出側の前記管に付与する偏肉量を計算し、計算した偏肉量に基づいて前記マンドレルミルのロールギャップを調整する圧延制御装置とを備えることを特徴とする継目無管の圧延装置である。
【0047】
第4発明は、複数の孔型ロールスタンドを有し、内面工具を用いずに管の外径を調整する圧延機を備える継目無管の圧延装置を用いて行う継目無管の圧延制御方法であって、前記孔型ロールスタンドの入側の前記管に付与する偏肉量を計算し、計算した偏肉量に基づいて、前記孔型ロールスタンドの各ロールの圧下位置を個別に調整することを特徴とする継目無管の圧延制御方法である。
【0048】
第5発明は、複数の孔型ロールスタンドを有し、前記孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマンドレルバーが配置され、管を圧延するマンドレルミルと、該マンドレルミルの下流に直列配置され、前記マンドレルバーから前記管を引き抜くためのエキストラクタまたは前記管の外径を調整する圧延機とを備える継目無管の圧延装置を用いて行う継目無管の圧延制御方法であって、前記マンドレルミルの出側の前記管に付与する偏肉量を計算し、計算した偏肉量に基づいて、前記マンドレルミルのギャップを調整することを特徴とする継目無管の圧延制御方法である。
【0049】
第6発明は、前記圧延制御装置は、前記孔型ロールスタンドの各ロールの圧下位置を次式に基づいて個別に調整する手段を備えていることを特徴とする前記第2発明に記載の継目無管の圧延装置である。
【0050】
【数14】

【0051】
第7発明は、前記圧延制御装置は、前記マンドレルミルのロールギャップを次式に基づいて調整する手段を備えていることを特徴とする前記第3発明に記載の継目無管の圧延装置である。
【0052】
【数15】

【0053】
第8発明は、前記孔型ロールスタンドの各ロールの圧下位置を次式に基づいて個別に調整することを特徴とする前記第4発明に記載の継目無管の圧延制御方法である。
【0054】
【数16】

【0055】
第9発明は、前記マンドレルミルのロールギャップを次式に基づいて調整することを特徴とする前記第5発明に記載の継目無管の圧延制御方法である。
【0056】
【数17】

【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、絞り圧延機の各ロール圧下位置、またはマンドレルミル仕上げスタンドのロールギャップを調整することにより、円周方向の肉厚分布の均一な管が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す構成図である。
【図3】マンネスマン−マンドレルミル方式による継ぎ目無し鋼管の製造工程の説明図である。
【図4】真円孔型ロールでのロールギャップと孔型形状との関係を示す模式図であり、同図(a)は孔型ロールとマンドレルバーの間隔が円周方向で均一の場合、同図(b)はロールギャップを締めた場合を表す。
【図5】3ロール絞り圧延機の隣接スタンドのロール配置の説明図であり、同図(a)は奇数スタンド、同図(b)は偶数スタンドを表す。
【図6】角張り位相の説明図であり、同図(a)は負の角張り位相を示す周方向角度と増肉率との関係、同図(b)は正の角張り位相を示す周方向角度と増肉率との関係を表す。
【図7】肉厚測定の方向を示す説明図である。
【図8】角度方向の呼称の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、第1発明、第2発明、第4発明、第6発明および第8発明の一実施形態を示す構成図である。
【0060】
図1において、11は複数個のスタンド#1,…,#Nからなる3ロールの絞り圧延機、12はマンドレルミルで圧延された母管、13は絞り圧延機の圧延ロールである。3ロールの絞り圧延機11の各スタンドにおけるロールは、3個の孔型ロール13を120°間隔で組み込んだものであり、絞り圧延機11の上流側からみて、例えば、奇数スタンドは図5(a)のように、偶数スタンドは図5(b)のように、隣接するスタンドでロールの圧下方向が60°交差するように配置されている。母管12は、絞り圧延機のスタンド#1から順に、圧延ロール13により外径が絞り加工され、所定の管外径に仕上げられる。
【0061】
また、図1において、15は演算装置、16は絞り圧延機の各ロール圧下装置である。演算装置15および各ロール圧下装置16によって圧延制御装置が構成されている。演算装置15は、管肉厚、材質および絞り圧延機11における外径加工率から、予め与えられた式に基づいて絞り圧延機の#1、#2スタンドの入側の母管に付与する偏肉量を計算し、さらにその偏肉量を与えるために必要な絞り圧延機の#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を算出する。
【0062】
演算装置15に組み込まれている絞り圧延機の#1、#2スタンドの入側の母管に付与する偏肉量を計算する式と、その偏肉量を与えるために必要な#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を求める式は、例えば次のような実験によって求めることができる。
【0063】
図7は、肉厚測定の方向を示す説明図であり、同図(a)は管Aの場合、同図(b)は管Bの場合を表す。
図3に示すマンドレルミル56において、まず通常の製造方法により中空素管54を圧延する。このとき、マンドレルミル圧延中に、マンドレルミルの下流側で管の上部管端部の外表面に疵を付け、管のどの方向をマンドレルミルで圧下したかが識別できるようにしておく。次に、マンドレルミルで圧延した母管を、絞り圧延機57で絞り加工し、絞り加工された管(管A)について、マンドレルミル最終2スタンドの圧下方向に対応する肉厚T1,T1’,T2,T2’(図7(a)参照)を計測する。
【0064】
次に、管Aを圧延したときに使用した中空素管と同一の寸法、材質の中空素管54を、マンドレルミル56において、管Aを圧延したときと同一のマンドレルバー55を用い、次の点を除いて管Aを圧延したときと同一の設定で圧延する。すなわち、管Aを圧延したときと設定が異なる点は、マンドレルミルのスタンド数をNとしたときに、#N−1スタンドでは、圧延ロールとマンドレルバーの間隙が0.5mm大きくなるように、逆に、#Nスタンドでは、圧延ロールとマンドレルバーの間隙が0.5mm小さくなるように、最終2スタンドのロール圧下位置を調整する点である。なお、管Aを圧延したときと同様に、マンドレルミル圧延中に、マンドレルミルの下流側で管の上部管端部の外表面に疵を付け、管のどの方向をマンドレルミルで圧下したかを識別し得るようにしておく。
【0065】
次に、マンドレルミルで圧延した母管を、絞り圧延機57で絞り加工し、絞り加工された管(管B)のマンドレルミル最終2スタンドの圧下方向の肉厚T3,T3’,T4,T4’(図7(b)参照)を計測する。
【0066】
以上の実験により、絞り圧延機で発生する偏肉量と、絞り圧延機の前で付与された1.0mmの偏肉量が絞り圧延機の出側でどの程度減少するかを、以下の式(15)で知ることができる。
【0067】
【数18】

【0068】
さらに、絞り圧延機での外径加工率を変えて同様の実験をすることにより、絞り圧延機の前で付与された1.0mmの偏肉量の絞り圧延機の出側での減少量(式(15)のa)および絞り圧延機の出側の偏肉量(式(15)のb)を、外径加工量の関数で求めることができる。また、管の肉厚、材質毎に絞り加工された管の絞り圧延機圧下方向の肉厚を測定することにより、管の肉厚、材質毎の偏肉量を求めることができる。このようにして得られた以下の式(16)が、絞り圧延機の#1、#2スタンドの入側の母管に付与する偏肉量を計算する式として、予め演算装置15に組み込まれている。
【0069】
【数19】

【0070】
なお、ΔWT/WTはΔWT/WTの関数であり、aとbはρの関数であるが、式(16)では簡易的に、ΔWT/WTをΔWT/WTに対して線形とし、前記aとbをρに対して線形とした。本発明はこれに限定されるものでなく、前記実験結果に基づき、例えば、以下の式(17)のような、より厳密な式を演算装置15に組み込んでも良い。
【0071】
【数20】

【0072】
さらに、絞り圧延機の#1スタンドの圧下位置を変更して圧延する実験により、#1スタンドの圧下位置を1mm変更したときの絞り圧延後の偏肉量ΔWTの変化量δ(#1)を測定し、#2スタンド以降の絞り圧延機での外径圧下率ρを用いて式(16)を逆算することにより、#1スタンドの圧下位置を1mm変更した場合の絞り圧延機の#1スタンドでの偏肉量変化量pS(#1)を次式のように求めることができる。
【0073】
【数21】

【0074】
#2スタンドについても同様に、#2スタンドの圧下位置を変更して圧延する実験により、#2スタンドの圧下位置を1mm変更したときの絞り圧延後の偏肉量ΔWTの変化量δ(#2)を測定し、#3スタンド以降の絞り圧延機での外径圧下率ρを用いて式(16)を逆算することにより、絞り圧延機の#2スタンドの圧下位置を1mm変更した場合の#2スタンドでの偏肉量変化量pS(j)を次の式(19)のように求めることができる。
【0075】
【数22】

【0076】
絞り圧延機の#1、#2スタンドの入側の母管に偏肉量を付与するために必要な#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を求めるため、例えば本実験で得られた式(18)および式(19)が予め演算装置15に組み込まれている。
【0077】
演算装置15は、式(16)に基づき、#1,#2スタンドで与えるべき圧下方向(6方向)それぞれの偏肉量ΔWTを計算する。さらに、前記偏肉量ΔWTを得るために必要な#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を式(18)および式(19)に基づき計算し、計算された#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を絞り圧延機の#1、#2スタンドの各ロール圧下装置16に指令し、各ロールの圧下位置を個別に調整する。
【0078】
以上説明した構成を整理すると、以下の式(20)となる。
【0079】
【数23】

【0080】
式(20)は例えば次のようにして解けばよい。j=0°,60°,120°,180°,240°,300°それぞれに対して、i=1,2以外のΔWTS(i、j)を0として、ΔWTS(1,j)およびΔWTS(2,j)を求め、次いでΔWTS(i,j)からΔGS(i,j)を導く。ここで、ΔGS(i,j)が、機械的に設定可能な範囲を超える場合は、ΔGS(i,j)を許容できる範囲のある値とした上で、i=1,2,3,4以外のΔWTS(i,j)を0として、ΔWTS(3,j)、ΔWTS(4,j)を求め、次いでΔWTS(i,j)からΔGS(i,j)を導く。このステップを解が得られるまで繰り返せばよい。以降、この方法を方法Aと呼ぶ。
【0081】
上記のように構成されたことによって、演算装置15は、絞り圧延機11の出側の絞り圧延機の圧下方向(6方向)の偏肉量を0とするために必要な#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を式(16)、式(18)および式(19)に基づき演算し、算出された各ロールの圧下位置の変更量を#1、#2スタンドの各ロール圧下装置16に指令し、各ロールの圧下位置を個別に調整する。よって、絞り圧延機の#1、#2スタンドの各圧下方向の肉厚分布は均一化され、管12の周方向における偏肉を抑制することができる。
【0082】
圧下調整機構のない絞り圧延機、つまり演算装置15、および絞り圧延機の各ロール圧下装置16のない絞り圧延機においても、次のようにして実施することができる。
すなわち、予め、式(16)に基づき、#1、#2スタンドで与えるべき圧下方向(6方向)それぞれの偏肉量を計算する。さらに、前記偏肉量を得るために必要な#1、#2スタンドの各ロール圧下方向の外径圧下量変更量を式(18)および式(19)に基づき計算し、計算された外径圧下量変更量に基づき#1、#2スタンドの各ロール圧下方向のロールの切削量を調整する。すなわち、#1、#2スタンドの各ロール圧下方向のロール径差が計算された各ロール圧下方向の外径圧下量変更量と一致するようにロールを切削する。
【0083】
以上説明した構成を、式(20)で具体的に説明する。ここで、絞り圧延機の使用スタンド数の最小値をNminとする。なお、圧下位置調整機構のない絞り圧延機では、通常、絞り圧延機の使用スタンド数が決まると、ほぼ絞り圧延機の外径圧下量も決まる。
【0084】
まず、使用スタンド数がNminのときの#1、#2スタンドの各ロール圧下方向の外径圧下量変更量を決定する。j=0°,60°,120°,180°,240°,300°それぞれに対して、i=Nmin+1以上のΔWTS(i,j)を0として、前記方法Aと同様にしてΔWTS(i,j)を求め、求められたΔWTS(i,j)からΔGS(i,j)を導く。次に、使用スタンド数がNmin+1のときの#1、#2スタンドの各ロール圧下方向の外径圧下量変更量を決定する。j=0°,60°,120°,180°,240°,300°それぞれに対して、i=Nmin以下のΔWTS(i,j)は前記求められたΔWTS(i,j)の値に、i=Nmin+2以上のΔWTS(i,j)は0にして、式(20)を逆算することによりΔWTS(Nmin+1,j)を求め、求められたΔWTS(Nmin+1,j)からΔGS(Nmin+1,j)を導く。
【0085】
このステップをiが最大使用スタンド数となるまで繰り返し、ここで得られたΔGS(i,j)に応じて、絞り圧延機各スタンド各圧下方向のロールを切削すればよい。
上記のように構成されたことによって、絞り圧延機の出側の絞り圧延機の圧下方向(6方向)の偏肉量を0にするために必要な#1、#2スタンドの各ロール圧下方向の外径圧下変更量を式(18)および式(19)に基づき計算し、計算された外径圧下変更量に応じて各ロールの切削量を調整する。よって、#1、#2スタンドの各ロール圧下方向の肉厚分布は均一化され、管12の周方向における偏肉を抑制することができる。
【0086】
次に、第3発明、第5発明、第7発明および第9発明の実施の形態を説明する。
図2は、第3発明、第5発明、第7発明および第9発明の一実施の形態を示す構成図である。
【0087】
図2において、31は複数個のスタンド#1,…,#Nからなるマンドレルミル、32はピアサで穿孔された中空素管(素管)、33はマンドレルバー、34はマンドレルミルの圧延ロール、35は複数個のスタンド#1,…,#Nからなる3ロールのエキストラクタまたは絞り圧延機である。
【0088】
ピアサで穿孔された素管32は、内部にマンドレルバー33が挿入され、マンドレルバー33の後端が図示しない保持装置により一定速度に保持された状態で、マンドレルミル31においてマンドレルバー33と複数の孔型圧延ロール34により延伸圧延される。
【0089】
マンドレルミル31で圧延を完了した後、マンドレルバー33が停止し、母管32はエキストラクタ35によりマンドレルバー33から引き抜かれる。3ロールのエキストラクタおよび絞り圧延機35の各スタンドにおけるロールは、3個の孔型ロール36が120°間隔で組み込まれたもので、絞り圧延機35の上流側からみて、例えば、奇数スタンドは図5(a)のように、偶数スタンドは図5(b)のように、隣接するスタンドでロールの圧下方向が60°交差するように配置されている。マンドレルミル31で圧延されマンドレルバー33から引き抜かれた母管32は、絞り圧延機のスタンド#1から順に、圧延ロール36により外径が絞り加工され、所定の管外径に仕上げられる。
【0090】
また、図2において、38は演算装置、39はマンドレルミル仕上げスタンドである仕上げ2スタンドの各ロール圧下装置である。演算装置38は、管肉厚、材質および絞り圧延機35における外径加工率から、予め与えられた式(16)に基づいて、マンドレルミル出側の母管に付与する偏肉量を計算する。さらに、その偏肉量を与えるために必要なマンドレルミル仕上げ2スタンドの圧下位置の変更量を算出する。
【0091】
演算装置38には、式(16)が予め組み込まれている。演算装置38では、式(16)に基づき、マンドレルミルの仕上げ2スタンドの圧下方向(4方向)それぞれの偏肉量ΔWTが計算される。さらに、演算装置38は、前記偏肉量ΔWTを得るために必要なマンドレルミル仕上げ2スタンドのギャップの変更量を計算し、計算されたギャップの変更量をマンドレルミル仕上げ2スタンドの各ロール圧下装置39に指令し、ロールギャップを調整する。
【0092】
以上に説明した構成を整理すると、以下の式(21)となる。
【0093】
【数24】

【0094】
上記のように構成されたことによって、演算装置38は、絞り圧延機35の出側のマンドレルミル仕上げ2スタンドの圧下方向(4方向)の偏肉量を0とするために必要なマンドレルミル仕上げ2スタンドのロールギャップの変更量を式(16)に基づき演算し、算出されたマンドレルミル仕上げ2スタンドのロールギャップの変更量をマンドレルミル仕上げ2スタンドの各ロール圧下装置26に指令し、ロールギャップを調整する。よって、マンドレルミル仕上げ2スタンドの各ロール圧下方向の肉厚分布は均一化され、管32の周方向における偏肉を抑制することができる。
【0095】
なお、第1発明、第2発明、第4発明、第6発明および第8発明に対応する実施形態においては、絞り圧延機の圧下位置調整スタンドを#1、#2に限定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、#1、#2以外の外径加工を行うスタンドで圧下位置を調整してもよいし、#1、#2と#1,#2以外のスタンドとの両方で圧下位置を調整してもよい。絞り圧延機の複数のスタンドで圧下位置を調整する場合は、各スタンドで付与する偏肉量の和が修正すべき偏肉量となるようにすればよい。
【0096】
また、第3発明、第5発明、第7発明および第9発明に対応する実施形態においては、マンドレルミルの仕上げスタンドを仕上げ2スタンドに限定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、仕上げ3スタンドでロールギャップを調整してもよい。
【0097】
また、以上の説明では、絞り圧延機は3ロールとしたが、絞り圧延機が2ロールまたは4ロール以上であっても、同様の方法で偏肉を抑制することができる。また、マンドレルミルは2ロールミルとしたが、3ロールマンドレルミルや、2スタンド以上の4ロールマンドレルミル等であっても、同様の方法で偏肉を抑制することができる。
【実施例】
【0098】
外径320.0mm、肉厚30.0mmの素管を、圧下方向を交互に90°交差させて連続配置された5スタンドの2ロールミルで圧延し、次いで、前記2ロールミルの圧下方向に対して45°傾斜させた4方向からロールミルで圧延するマンドレルミルで、外径276.0mm、肉厚15.0mmに延伸圧延したのち、8スタンドからなる3ロール絞り圧延機により外径219.0mm、肉厚16.2mmに圧延した。
(本発明例1) マンドレルミルで延伸圧延したのち、式(20)に基づき絞り圧延機#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を計算し、前記計算された圧下位置の変更量に基づき絞り圧延機の#1、#2スタンドの各ロール圧下位置を個別に調整し、絞り圧延機で定径圧延した。
(本発明例2) 式(21)に基づきマンドレルミル仕上げ3スタンド(8方向)の圧下位置の変更量を計算し、前記計算された圧下位置の変更量に基づきマンドレルミル仕上げ3スタンドの各ロール圧下位置を調整した。この状態で、マンドレルミルで延伸圧延したのち、絞り圧延機で定径圧延した。
(本発明例3) マンドレルミルで延伸圧延したのち、下記式(22)に基づき絞り圧延機の#1、#2スタンドの各ロールの圧下位置の変更量を計算し、前記計算された圧下位置の変更量に基づき絞り圧延機の#1、#2スタンドの各ロール圧下位置を個別に調整し、絞り圧延機で定径圧延した。
【0099】
【数25】

【0100】
(本発明例4) 下記式(23)に基づきマンドレルミル仕上げ3スタンド(8方向)の圧下位置の変更量を計算し、前記計算された圧下位置の変更量によりマンドレルミル仕上げ3スタンドの各ロール圧下位置を調整した。この状態で、マンドレルミルで延伸圧延したのち、絞り圧延機で定径圧延した。
【0101】
【数26】

【0102】
(比較例) 比較例として、マンドレルミルの下流側で肉厚測定を行い、マンドレルミル仕上げスタンドの各ロール圧下位置を、マンドレルミルの出側で管が真円に近くなるように調整する特許文献2に示された従来法で圧延した。
【0103】
前記本発明例1、本発明例2、本発明例3、本発明例4、および比較例のそれぞれについて定径圧延後の管の肉厚分布を比較した結果を表1に示す。
【0104】
【表1】

【0105】
表1に示すように、マンドレルミル又は絞り圧延機の圧下位置を調整した本発明例1〜4は、比較例に比べ、偏肉率は2〜3%程度改善された。
【符号の説明】
【0106】
11,35,57:絞り圧延機、
12,32,54,76:素管、
13,36,75:絞り圧延機の圧延ロール、
15,38:演算装置、
16:絞り圧延機の圧延ロールの圧下装置、
31,56:マンドレルミル、
33,55,62:マンドレルバー、
34,58,61:マンドレルミルの圧延ロール、
39:マンドレルミルの圧延ロールの圧下装置、
51:ビレット、
52:加熱炉、
53:ピアサ、
58:製品、
63:溝底部、
64:フランジ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の孔型ロールスタンドを有し、前記孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマンドレルバーが配置され、管を圧延するマンドレルミルと、該マンドレルミルの下流に直列配置され、前記マンドレルバーから前記管を引き抜くためのエキストラクタまたは前記管の外径を調整する圧延機と、前記マンドレルミルの出側の前記管に付与する偏肉量を計算し、計算した偏肉量に基づいて前記マンドレルミルのロールギャップを調整する圧延制御装置とを備えることを特徴とする継目無管の圧延装置。
【請求項2】
複数の孔型ロールスタンドを有し、前記孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマンドレルバーが配置され、管を圧延するマンドレルミルと、該マンドレルミルの下流に直列配置され、前記マンドレルバーから前記管を引き抜くためのエキストラクタまたは前記管の外径を調整する圧延機とを備える継目無管の圧延装置を用いて行う継目無管の圧延制御方法であって、前記マンドレルミルの出側の前記管に付与する偏肉量を計算し、計算した偏肉量に基づいて、前記マンドレルミルのロールギャップを調整することを特徴とする継目無管の圧延制御方法。
【請求項3】
前記圧延制御装置は、前記マンドレルミルのロールギャップを次式に基づいて調整する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の継目無管の圧延装置。
【数2】

【請求項4】
前記マンドレルミルのロールギャップを次式に基づいて調整することを特徴とする請求項2に記載の継目無管の圧延制御方法。
【数4】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−42450(P2010−42450A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235465(P2009−235465)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【分割の表示】特願2000−229186(P2000−229186)の分割
【原出願日】平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】