説明

緑化駐車場における芝生の敷設構造及び苔の敷設構造並びに緑化駐車場の構造

【課題】芝生保護路盤で保護された芝生を配置した緑化駐車場の場合でも芝生の擦り切れが防止可能で短期工事が可能であり、地盤の水捌けを改善可能とする。
【解決手段】上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分の空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、該保護路盤の前記柱体の配列に対応して、柱体を貫通する貫通孔を抜き加工した方形状の孔開け芝生のとの組合せからなり、保護路盤の該柱体に該貫通孔を位置合わせして貫通させ、かつ孔開け芝生を配置後に該孔開け芝生の葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、孔開け芝生の葉面上面を乗載部上面より低く敷設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に芝生や苔等緑化植物材を植栽して、該駐車場を鮮やかな緑色にする緑化駐車場における芝生の敷設構造及び苔の敷設構造並びに緑化駐車場の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
駐車場を緑化する場合に、芝生の擦り切れ等による芝生のダメージを防止する手段として、芝面を芝生保護路盤の下側に落ち込ませる構造をとるが、この芝面を芝生保護路盤の下側に落ち込ませる際は、ローラー等で転圧作業を行うれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−43978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)従来は、芝生に大きなダメージを与えることを防止するため、芝生の茎上面を芝生保護路盤の上面より下側に落ち込ませる方法としてローラーで転圧する構造が取られ、実際には、5トン程度のローラーで転圧作業を行っている。しかし、ローラーで転圧しても芝生の茎や根の部分が芝生保護路盤の上面より下側に落ち込ませることが面倒なため、芝生の根の茎や根の部分を手でちぎったり、鋏で切って貫通孔を開けて芝面表面を芝生保護路盤の上面より下側に落ち込ませている。しかし、この構造では敷設作業が面倒であり、また手作業となるため労力を必要とし、完成までに工期日数がかかるという問題点がある。
【0005】
(2)ロール巻芝生を使用した場合は、芝生の根の部分に水分を含んだ発泡ウレタンフォームフォームフォーム等の樹脂層が配置してあり、このような構造のロール巻芝生に芝生保護路盤の柱体に対応して縦横に多数個の貫通孔を穿設するのは極めて面倒な作業であるという問題がある。
【0006】
(3) 芝生の茎や根の部分が芝生保護路盤の上面より露出している場合は、車のタイヤによるダメージも相当な物である。特にRV車などは、方向転換する場合や車が動き出す前にハンドルを切るいわゆる「据え切り」を行った場合には芝生に大きなダメージを与えるという問題がある。
【0007】
(4)路盤が軟弱の場所では、水はけが悪く芝生の生育の障害となる。特に雨が降っている場合や雨上がりなどは地面が柔らかくなる。その結果、路盤が沈下して芝生の面がデコボコになり、芝生に泥が混じって景観が汚くなるという問題点がある。
【0008】
本発明の解決しようとする問題点は、芝生保護路盤で保護された芝生を配置した緑化駐車場の場合でも芝生の擦り切れが防止可能で短期工事が可能であり、地盤の水捌けを改善可能な、緑化駐車場における芝生の敷設構造及び苔の敷設構造並びに緑化駐車場の構造の提供を目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の緑化駐車場における芝生の敷設構造における第1の主たる構成は、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
該保護路盤の前記柱体の配列に対応して、柱体を貫通する貫通孔を抜き加工した方形状の孔開け芝生のとの組合せからなり、
保護路盤の該柱体に該貫通孔を位置合わせして貫通させ、かつ孔開け芝生を配置後に該孔開け芝生の葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、孔開け芝生の葉面上面を乗載部上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止することを特徴としている。
【0010】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の緑化駐車場における芝生の敷設構造における第2の主たる構成は、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き芝生との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き芝生を収納し、かつ型抜き芝生収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き芝生の葉面上面を乗載部上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止することを特徴としている。
【0011】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の緑化駐車場における芝生の敷設構造における第1の主たる構成における他の構成は、
空間部には、孔開け芝生を配置する前に、該孔開け芝生の下面に土壌を敷設することを特徴としている。
【0012】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の緑化駐車場における芝生の敷設構造における第2の主たる構成における他の構成は、
空間部には、型抜き芝生を配置する前に、該型抜き芝生の下面に土壌を敷設することを特徴としている。
【0013】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の緑化駐車場における苔の敷設構造の主たる構成は、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き苔との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き苔を収納し、かつ型抜き苔収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き苔の葉面上面を乗載部上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止することを特徴としている。
【0014】
本発明の緑化駐車場における苔の敷設構造における他の構成は、
空間部に、気泡状の微細な穴を有する根張り兼保水性部材を配置した後、その上面に型抜き苔を敷設することを特徴としている。
【0015】
本発明の緑化駐車場における苔の敷設構造における他の構成は、
根張り兼保水性部材は、ウレタンフォームで円盤状に製作したことを特徴としている。
【0016】
本発明の緑化駐車場における苔の敷設構造における他の構成は、
空間部に、粗い網状の麻製織物を配置し、この麻製織物の直上に型抜き苔を配置することを特徴としている。
【0017】
本発明の緑化駐車場における苔の敷設構造における他の構成は、
空間部には、最下部に請求項3の根張り兼保水性部材を配置し、該根張り兼保水性部材の上面に請求項5の麻製織物を敷設し、この麻製織物の直上に型抜き苔を配置することを特徴としている。
【0018】
本発明の緑化駐車場の構造における第1の主たる構成は、
路床上の路盤上に、透水材を配置すると共に該透水材上に透水シートを配置し、さらに透水シート上にレベル調整材を配置し、該レベル調整材上に、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
該保護路盤の前記柱体の配列に対応して、柱体を貫通する貫通孔を抜き加工した方形状の孔開け芝生のとの組合せからなり、
保護路盤の該柱体に該貫通孔を位置合わせして貫通させ、かつ孔開け芝生配置後に該孔開け芝生の葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、孔開け芝生の葉面上面を乗載部上面より低く敷設している。
【0019】
本発明の緑化駐車場の構造における第2の主たる構成は、
路床上の路盤上に、透水材を配置すると共に該透水材上に透水シートを配置し、さらに透水シート上にレベル調整材を配置し、該レベル調整材上に、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き芝生との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き芝生を収納し、かつ型抜き芝生収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物したことを特徴としている。
【0020】
本発明の緑化駐車場の構造における第3の主たる構成は、
路床上の路盤上に、透水材を配置すると共に該透水材上に透水シートを配置し、さらに透水シート上にレベル調整材を配置し、該レベル調整層上に、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き苔との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き苔を収納し、かつ型抜き苔収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き苔の葉面上面を乗載部上面より低く敷設したことを特徴としている。
【0021】
本発明の緑化駐車場の構造における第1〜3の主たる構成における、他の構成は、
透水材上にはレベル調整材を配置し、その上に透水シートを用いないことを特徴としている。
【0022】
本発明の緑化駐車場の構造における第1〜3の主たる構成における、他の構成は、
透水材は、板状のアスファルト製透水材、板状のコンクリート製透水材、所定厚さのコンクリート製板状体、廃材(産業廃棄物)の骨材、骨材を混入したアスファルト製透水材のいずれか若しくは組み合わせであることを特徴としている。
【0023】
本発明の緑化駐車場の構造における第1〜3の主たる構成における他の構成は、
透水材は、排水方向に3度程度の勾配を設けて路盤上に配置し、排水性を高めように形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、上記構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
(1)本発明の緑化駐車場における芝生の敷設構造及び緑化駐車場における型抜き苔敷設構造にあっては、芝の擦れ等による芝生のダメージが防止でき、かつ芝や苔の発育を良好にでき、芝や苔にとって最高の生育条件を満たすことができる。
【0025】
(2)底面に麻織物で根の部分を固めて平板状に形成した芝生又は底面に樹脂層を形成し平板状に形成した芝生は、機械的加工の型抜き機により孔開け作業が多数の孔を1度に穿設出来る。また、型抜きした芝生や苔は機械的加工手段により簡単に短時間で製作できる。また、孔開け芝生と保護路盤、型抜きした芝生や苔と保護路盤の組み合わせであるため、芝生敷設の際の施工性が従来より格段に優れている。
【0026】
(3) また、孔開け芝生と保護路盤、型抜きした芝生や苔と保護路盤の組み合わせで施工されるため、工期が極めて短縮でき、工事終了後はその日から天然芝生が配置された駐車場に出来る。
【0027】
(4)本発明の緑化駐車場における地盤沈下防止構造により、軟弱地盤の駐車場であっても地盤の沈下防止ができる。また、軟弱地盤の駐車場であっても水はけが良くなり芝生の生育をよく出来る。 特に、大型施設の駐車場の場合には広い面積が緑化できるため景観を綺麗に維持できる。
【0028】
(5)透水材は廃材(産業廃棄物)を骨材として使用してあるため資源のリサイクルが可能である。
【0029】
(6)常に、芝生や苔を緑色に維持して駐車場を鮮やかな緑化に出来るため外観景観が綺麗であり、天然の芝生や苔の配置により緑の多い駐車場にできる。
【0030】
(7)型抜き苔の場合には、麻繊維、根張り兼保水性部材を敷設するため、根の保水性が保持でき、苔を緑色に維持して駐車場を鮮やかな緑化に出来るため外観景観が綺麗であり、緑の多い駐車場にできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の孔開け芝生を用いた実施状態の断面図である。
【図2】本発明の孔開け芝生の斜視図である。
【図3】本発明の型抜き芝生を用いた実施状態の平面図である。
【図4】本発明の型抜き苔を用いた実施状態の斜視図である。
【図5】本発明の型抜き苔を用いた実施状態の斜視図である。
【図6】本発明の型抜き苔を用いた実施状態の斜視図である。ある。
【図7】発明の型抜き苔を用いた実施状態の斜視図である。
【図8】本発明の地盤沈下防止構造の第1実施例の説明図である。
【図9】本発明の地盤沈下防止構造の第2実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の、緑化駐車場における芝生の敷設構造における孔開け芝生の実施例は、図1、2のように、概略保護路盤1と孔開け芝生5の組み合わせで構成されている。
【0033】
この保護路盤1は、車両のタイヤ12等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部2を頭部に有する柱体3を同間隔で縦横に複数個立設されている。また、四方の該柱体3で囲まれた部分に空間部6を形成し、該空間部6の底板部3bには、地盤の土壌16に通ずる孔3aを穿設した方形状に形成されている。
【0034】
この保護路盤1は、合成樹脂製であり、普通駐車場の場合は大きさが、縦横幅が517mm、厚み510mm〜750mm、耐圧35トン〜40トン程度に製作されている。
【0035】
孔開け芝生5は、前記保護路盤1の前記柱体3の配列に対応して、柱体3を貫通する貫通孔4を抜き加工した方形状に形成されている。
【0036】
そして、孔開け芝生5の該貫通孔4を保護路盤1の前記柱体3位置合わせし、かつ孔開け芝生5の葉面が前記乗載部2の上面から突出して乗載物に接触しないように、葉面上面が乗載部2上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止している。
【0037】
上記孔開け芝生5の貫通孔4は、図3のように、柱体3付近に該柱体3を補強する等の構築リブ等がある保護路盤1の場合は、これら構築リブ等も覆う形態に形成されている。
【0038】
孔開け芝生5を保護路盤1に設置する場合は、空間部6下部に図3のような土壌16を敷設して、この孔開け芝生5を敷設して施工してもよい。
【0039】
本発明の緑化駐車場における芝生の敷設構造における第2の主たる構成は、図3に示したものであり、保護路盤1は上記実施例と同構成である。この保護路盤1の該空間部6よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き芝生13との組み合わせから構成されている。
【0040】
そして、該空間部6に葉側を上にして型抜き芝生13を収納し、かつ型抜き芝生13収納後に葉面が前記乗載部2の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き芝生13の葉面上面を乗載部2上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止するように構成されている。
【0041】
図3のように、空間部6には、前記孔開け芝生5を配置する前に、該孔開け芝生5の下面に土壌16を敷設してもよい。この土壌16は、育成用の栄養分を含ませた又は混合してもよい。
【0042】
図3のように、空間部6には、型抜き芝生13を配置する前に、該型抜き芝生13の下面に土壌16を敷設してもよい。この土壌16は、育成用の栄養分を含ませた又は混合してもよい。
【0043】
本発明の緑化駐車場における型抜き苔13aの敷設構造の主たる構成は、図4に示したものであり、保護路盤1は上記実施例と同構成である。
この型抜き苔の敷設構造は、保護路盤1の該空間部6よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き苔13aとの組み合わせから構成されている。
【0044】
そして、該空間部6に葉側を上にして型抜き苔13aを収納し、かつ型抜き苔13a収納後に葉面が前記乗載部2の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き苔13aの葉面上面を乗載部2上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止する構成にされている。
【0045】
また、図4のように、
空間部6に、気泡状の微細な穴を有する根張り兼保水性部材14を配置した後、その上面に型抜き苔13aが敷設されている。
【0046】
この根張り兼保水性部材14は、図4のように、ウレタンフォームで円盤状に製作されている。
【0047】
根張り兼保水性部材14がウレタンフォームは再生製品で製造してもよい。また、ウレタンフォームの場合は、直径が60mm程度の大きさで厚さ18mm程度、網状体15は径が60mm程度の大きさで厚さ2〜5mm程度のものに製作され、このウレタンフォームは機械的に打ち抜き加工されている。
【0048】
また、上記ウレタンフォームは、土壌16の代わりになり、型抜き苔13aの根が張り易くかつ保水性を有するもので、さらには水捌けもよいものである。
【0049】
さらに、図5のように、空間部6に、粗い網状の麻製織物15を配置し、この麻製織物15の直上に型抜き苔13aを配置してもよい。
【0050】
前記麻織物15は型抜き苔13aの場合だけ使用されるが、この麻織物15は強度があって耐久性が高く、かつ保水性も高いものである。
【0051】
また、図6のように、空間部6には、最下部に前記根張り兼保水性部材14を配置し、該根張り兼保水性部材14の上面に前記麻製織物15を敷設し、この麻製織物15の直上に型抜き苔13aを配置してもよい。
【0052】
上記型抜き芝生及び型抜き苔13aは、直径が60mm程度の大きさであり、厚みは根張り兼保水性部材14のウレタンフォームや網状体15を積層させた場合にも、芝生の上面が乗載部の上面から突出しない高さの厚さに形成されている。
【0053】
前述の型抜き芝生13、型抜き苔13aは、底面に麻織物等を敷設してシート状に加工した芝生、苔を機械加工による型抜き加工により円盤状に型抜きされている。
【0054】
本発明の緑化駐車場の構造における第1の主たる構成は、図8、9及び図1に示すように、路床8上の路盤9上に、透水材10を配置すると共に該透水材10上に透水シート11を配置し、さらに透水シート7a上にレベル調整材7を配置し、該レベル調整材7上に、前述した孔開け芝生5を用いた緑化駐車場における芝生の敷設構造を施工するものである。
【0055】
本発明の緑化駐車場の構造における第2の主たる構成は、図8、9及び図3に示すように、路床8上の路盤9上に、透水材10を配置すると共に該透水材10上に透水シート11を配置し、さらに透水シート7a上にレベル調整材7を配置し、該レベル調整材7上に、前述した型抜き芝生13を用いた緑化駐車場における芝生の敷設構造を施工するものである。
【0056】
さらに、本発明の緑化駐車場の構造における第3の主たる構成は、図8、9及び図4〜7に示すように、路床8上の路盤9上に、透水材10を配置すると共に該透水材10上に透水シート11を配置し、さらに透水シート7a上にレベル調整材7を配置し、該レベル調整材7上に、前述した型抜き苔13aを用いた緑化駐車場における芝生の敷設構造を施工するものである。
【0057】
前記透水材10上には、図9のように、レベル調整材7を配置し、透水シート7aを用いなくてもよいものである。
【0058】
また、前記透水材10は、図8、図9の(b)、(c)のように、板状のアスファルト製透水材、板状のコンクリート製透水材10a、所定厚さのコンクリート製板状体10b、廃材(産業廃棄物)の骨材、骨材を混入したアスファルト製透水材のいずれか若しくは組み合わせでもよいものである。
【0059】
透水材10は、図示を省略したが、排水方向に3度程度の勾配を設けて路盤9上に配置し、排水性を高めように形成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 保護路盤
2 乗載部
3 柱体
3a 孔
3b 底板部
4 貫通孔
5 孔開き芝生
5a 葉(芝生の)
5b 茎(芝生の)
5b 根(芝生の)
6 空間部
7 レベル調整材
7a 透水シート
8 路床
9 路盤
10 透水材
10a コンクリート製透水材
10b コンクリート製板状体
11 アスファルト製透水材
12 車両等のタイヤ
13 型抜き芝生
13a 型抜き苔
14 根張り兼保水性部材
15 麻織物
16 土壌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
該保護路盤の前記柱体の配列に対応して、柱体を貫通する貫通孔を抜き加工した方形状の孔開け芝生のとの組合せからなり、
保護路盤の該柱体に該貫通孔を位置合わせして貫通させ、かつ孔開け芝生を配置後に該孔開け芝生の葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、孔開け芝生の葉面上面を乗載部上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止することを特徴とする緑化駐車場における芝生の敷設構造。
【請求項2】
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き芝生との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き芝生を収納し、かつ型抜き芝生収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き芝生の葉面上面を乗載部上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止することを特徴とする緑化駐車場における芝生の敷設構造。
【請求項3】
空間部には、孔開け芝生を配置する前に、該孔開け芝生の下面に土壌を敷設することを特徴とする請求項1記載の緑化駐車場における芝生の敷設構造。
【請求項4】
空間部には、型抜き芝生を配置する前に、該型抜き芝生の下面に土壌を敷設することを特徴とする請求項2記載の緑化駐車場における芝生の敷設構造。
【請求項5】
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き苔との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き苔を収納し、かつ型抜き苔を収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き苔の葉面上面を乗載部上面より低く敷設して、芝生の根や茎の擦り切れ、踏みつけを防止することを特徴とする緑化駐車場における苔の敷設構造。
【請求項6】
空間部に、気泡状の微細な穴を有する根張り兼保水性部材を配置した後、その上面に型抜き苔を敷設することを特徴とする請求項5記載の緑化駐車場における苔の敷設構造。
【請求項7】
根張り兼保水性部材は、ウレタンフォームで円盤状に製作したことを特徴とする請求項6記載の緑化駐車場における苔の敷設構造。
【請求項8】
空間部に、粗い網状の麻製織物を配置し、この麻製織物の直上に型抜き苔を配置することを特徴とする請求項5記載の緑化駐車場における苔敷設構造してなる苔の敷設構造。
【請求項9】
空間部には、最下部に請求項3の根張り兼保水性部材を配置し、該根張り兼保水性部材の上面に請求項5の麻製織物を敷設し、この麻製織物の直上に型抜き苔を配置することを特徴とする請求項5記載の緑化駐車場における型抜き苔の敷設構造。
【請求項10】
路床上の路盤上に、透水材を配置すると共に該透水材上に透水シートを配置し、さらに透水シート上にレベル調整材を配置し、該レベル調整材上に、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
該保護路盤の前記柱体の配列に対応して、柱体を貫通する貫通孔を抜き加工した方形状の孔開け芝生のとの組合せからなり、
保護路盤の該柱体に該貫通孔を位置合わせして貫通させ、かつ孔開け芝生の配置後に該孔開け芝生の葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、孔開け芝生の葉面上面を乗載部上面より低く敷設したことを特徴とする緑化駐車場の構造。
【請求項11】
路床上の路盤上に、透水材を配置すると共に該透水材上に透水シートを配置し、さらに透水シート上にレベル調整材を配置し、該レベル調整材上に、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き芝生との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き芝生を収納し、かつ型抜き芝生収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物したことを特徴としてなる緑化駐車場の構造。
【請求項12】
路床上の路盤上に、透水材を配置すると共に該透水材上に透水シートを配置し、さらに透水シート上にレベル調整材を配置し、該レベル調整層上に、
車両のタイヤ等乗載物が安定して乗載可能に、上面を平板状に形成した乗載部を頭部に有する柱体を同間隔で縦横に複数個立設し、四方の該柱体で囲まれた部分に空間部を形成し、該空間部の底板部には、地盤の土壌に通ずる孔を穿設した方形状の保護路盤と、
保護路盤の該空間部よりやや小径に型抜きされた円盤状の型抜き苔との組み合わせからなり、該空間部に葉側を上にして型抜き苔を収納し、かつ型抜き苔収納後に葉面が前記乗載部の上面から突出して乗載物に接触しないように、型抜き苔の葉面上面を乗載部上面より低く敷設したことを特徴とする緑化駐車場の構造。
【請求項13】
透水材上にはレベル調整材を配置し、その上に透水シートを用いないことを特徴とする、請求項10〜12記載の緑化駐車場の構造。
【請求項14】
透水材は、板状のアスファルト製透水材、板状のコンクリート製透水材、所定厚さのコンクリート製板状体、廃材(産業廃棄物)の骨材、骨材を混入したアスファルト製透水材のいずれか若しくは組み合わせであることを特徴とする、請求項10〜12記載の緑化駐車場の構造。
【請求項15】
透水材は、排水方向に3度程度の勾配を設けて路盤上に配置し、排水性を高めように形成したことを特徴としてなる請求項10〜12記載の、緑化駐車場の構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−193735(P2011−193735A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60571(P2010−60571)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000144304)株式会社三光社 (1)
【Fターム(参考)】