説明

線材成形機

【課題】 単純な構成を維持して、機械の低振動操作が達成され線材成形機を提案する。
【解決手段】 各工具(15;17;18)は送り動作を介して、線材(3)から離れた初期位置から、線材(3)における作用位置まで移動される。線材(3)は凹部(14)を通り、機械(1)の作業領域へ送り込まれる。各工具は、工具板(7)と相対的な各工具の送り動作方向において、工具板に固定され、且つ各工具の作用位置への送り動作は、対応する工具板の動作によってのみ行われる。工具板は第2板(8)に嵌合されると共に、第2板と相対的な第1方向(x)に沿って変位可能である。第2板(8)は、機枠(4)と相対的な第2方向(y)に沿って変位可能である。両方向(x,y)夫々は、線材成形機(1)の鉛直垂直軸(H−H)に対して、各々45度の傾きを有すると同時に、互いに直角をなす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材成形機、特に、ばね曲げ加工機又はばね巻回機に関し、機枠と、線材送り装置と、送り込まれた線材を機械の作業領域へ搬送する線材ガイドとを含み、その作業領域において、線材は1個又は複数の工具によって加工及び/又は整形される。この目的のために、各工具は、線材から離れた初期位置から、線材における作用位置まで、送り動作によって案内され得る。また、全ての工具は、機枠に設けられた工具板上に、且つこの工具板に形成された凹部の周りに配置される。線材はこの凹部を通り、作業領域に送られる。各工具は更に、工具板と相対的な各工具の送り動作方向において、工具板に固定式に取り付けられる。また、各工具の作用位置への送り動作は、工具板の対応動作によってのみ行われる。また、工具板は、工具板の凹部に対応する凹部が備えられた第2板に嵌合される。工具板は、第2板の第1方向に沿って変位可能であると共に、第2板は、機枠と相対的な第2方向に沿って変位可能である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、脚ばね機の形態をなす線材成形機を開示しており、複数の工具が1個の板に配置される。各工具は、基板を有すると共に、この工具のみに割り当てられる工具自体の駆動装置を備え、また、その駆動は、工具が線材に対して半径方向に接近又は離間するように移動させられるのを可能にする。基板はリングに結合されてもよく、リングは、線材軸の周りで旋回させられ得ると共に、これにより、機械加工工程の間に、線材に対する工具の精密な調整が達成され得る(スイング軸)。しかしながら、この周知の機械では、各工具にはそれ自体の駆動装置が備えられており、機械が複雑且つ高価になる。
【0003】
特許文献2は、脚ばね機について記載しており、円形垂直テーブルに配置される工具ユニットは、このテーブルに、いかなる角度位置でも据え付けられ得る。カム駆動装置の意味で工具ユニットに連結され得るカムシャフトブロック駆動中心駆動ホイールは、工具ユニットの移動を駆動するために設けられる。この場合、全ての工具ユニットがそれ自体の独占的に割り当てられる駆動装置を必要とするわけではないが、運動の時間順序は、十分自由にプログラム可能ではない。
【0004】
特許文献3に係る線材成形機もまた、脚ばね機であり、線材ガイドの隣に据え付けられる2個のタレットを含む。このタレットは、3Dクロステーブルに配置され、従って、空間内のとこであっても位置決めされ得る。また、タレットは、線材と平行な軸周りにも回転させられ得、その結果、様々な工具が、様々な位置で、線材と係合させられ得る。しかしながら、この周知の機械では、工具の変換が非常に遅く、また機械の作業を著しく制限する。更に、この周知の機械は、一般的な脚ばね機よりも多くの場所を必要とする。
【0005】
特許文献4は、線材曲げ加工機用モジュール形式整形ユニットを開示する。このユニットのモジュールは、駆動装置を備えた基板と、リニアガイドと、スライダクランクからなる。整形ユニットは、機械の壁に単純に据え付けられると共に、再度そこから取り外され得る。しかしながら、欠点としては、各工具ユニットは再度、その工具に割り当てられるそれ自体の駆動装置を有しており、次には、特に工具の数が増大する場合には、機械が高価になる。
【0006】
特許文献5の脚ばね機は、2D又は3Dクロステーブルに据え付けられる送りユニットと共に作用する。これにより、線材は半径方向に据え付けられた工具に搬送される。しかしながら、これは、非常に大きな質量の移動を必要とする。従って、周知の機械の作業性及び剛性が低下する。
【0007】
線材を工具と相対的に最適に位置決めするために、2次元で移動可能な送り装置を含む更なる脚ばね機が、特許文献6から知られている。この場合、工具ヘッドが送り装置の上方に配置されると共に、水平方向及び垂直方向に移動させられ得る。また、工具の回転軸も設けられる。しかしながら、この周知の機械は、1個の工具のみが工具ヘッドに据え付けられるのを可能にする。独立した工具ユニットが、切断のために必要とされる。工具ヘッド装置は、予め(即ち、上方から垂直方向に)固定される。
【0008】
上記タイプの脚ばね機は、特許文献7から周知である。工具テーブルは、第2板上において、第1方向に沿って直線状に変位可能であり、次には、機枠と相対的に第2方向沿って、直線状に変位可能である。上記第1方向は、機械の長手軸に対して、水平方向に延在すると共に、上記第2方向は垂直方向に延在する。しかしながら、実際の経験によれば、周知の機械は、作動の間に非常に強い振動を受けると共に、機械全体の大きな揺れが生じ、既に製造されている曲げ加工線材部品夫々に、極めて好ましくない揺れをもたらし、それ故、巻取工程又は巻回工程全体夫々に悪影響を及ぼす。
【特許文献1】ドイツ特許第10134828B4号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第10342451号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第19938905B4号明細書
【特許文献4】ドイツ実用新案登録第29913014号明細書
【特許文献5】欧州特許出願第1637251号明細書
【特許文献6】ドイツ特許第69715953T号明細書
【特許文献7】特開2007−30038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に鑑み、本発明の目的は、単純な構成を維持しつつ、特に機械の低振動操作が達成され、高い操作性能を得ることができるように、上記タイプの線材成形機を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、これは、上記タイプの線材成形機において、工具板及び第2工具板各々の2つの変位方向が、機械の鉛直垂直軸に対して約45度の傾きで延出することにより達成される。
【0011】
本発明に係る線材成形機は、非常に驚くほど、極度な低振動操作をもたらし、騒がしい機械振動の発生が、機械の出力に伝わることなく、特に高い製造速度及び非常に良好な精度が得られることを可能にする。これはおそらく、両変位板の変位軸が、本発明に従い配向されるという事実によるものであり、いずれかの板の横向きの変位振幅は通常、2つの変位軸の垂直/水平配向の場合よりも小さい。
【0012】
本発明において、工具板の移動質量は、各々の場合に必要とされる工具を据え付けるためにのみ必要とされるので、相対的に小さい。工具のいかなる配置も可能であるので、工具は、工具板の変位路が最小に減少させられるように据え付けられ得る。
【0013】
特に好適には、本発明に係る線材成形機において、工具板に据え付けられる全ての工具の長手軸は、機械の鉛直垂直軸に対して、各々鋭角に、特に好適には30度又は45度の角度で配置される。これにより、特に好ましい床面への力の伝達が得られ、特に45度の迎え角度が適用される。
【0014】
特に好適には、工具板及び第2工具板は各々、夫々の運動が直線運動として行われるな
らば、2つの平行なリニアガイドバー上を移動させられる。
本発明によれば、工具板及び第2板は、有利には、2Dクロステーブルの形態で据え付けられる。
【0015】
更に、工具板を移動させるための駆動装置も第2板に据え付けられるならば、この駆動装置は常に、機枠と相対的な第2板の運動方向に沿って連れて行かれるので、特に薦められ、また工具板の運動への第2板の運動の重ね合わせは、この駆動装置の工具板への駆動連結を介して、容易に行われ得る。
【0016】
工具板及び第2板が3Dクロステーブルの一部を表し、それ故、線材の方向と平行な方向にも合わせて移動可能であり、全ての工具の三次元送り動作が可能となる本発明の更に有利な実施形態も提供される。
【0017】
本発明の更に好適な実施形態において、工具が据え付けられた工具板はまた、線材送り方向と直角な軸周りで回転可能である結果、工具はもはや、作動位置において線材と垂直に接触することがなく、これは幾つかの場合には好ましい。
【0018】
特定の用途の場合には、工具板に据え付けられた工具が、個々にこの板と直角に調整可能であるならば有利である。この目的のために、夫々の工具ホルダには対応する調整機器が備えられており、可能であれば、線材ガイドとの個々の最適な整列が達成される。
【0019】
特定の用途の場合には、工具板の工具に、付加的な回転駆動装置、例えば旋盤マンドリルを含む旋盤工具が備えられるならば有利であり、回転駆動装置は次に、作動位置において回転運動も行われる。
【0020】
特に好適には、工具板及び第2工具板の相対的な各位置において、工具板の凹部が第2板の凹部によって画定される領域内に完全に配置されることも更に構想される。
有利には、シートカバーが、前記凹部の周縁周りに円周方向に延出するように、工具板の凹部に配置され、このシートカバーは、工具板及び機枠の間の間隙を被覆し、その結果、部品、指等が板の間に入らない。このシートカバーは、好適には、工具板に4箇所で、例えば凹部の4個の角部にねじ連結される。
【0021】
2個の可動板は、工具板及び第2工具板の間、並びに第2工具板及び機枠の前壁の間の間隙が、0.8から1.3ミリメートルの間、好適には1ミリメートルの間隙幅を有するように、互いに相対的に、且つ機枠の前板に配置される。これは、2個の可動板が「固い板」であるのではなく、凹部及びポケットを含むように、2個の可動板を設けることにより、簡単に達成され得、リニアガイド及びリニアガイド上を動くガイド軌道車各々が、所望の狭い間隙幅が最終的に得られる範囲で、割り当てられた板に埋設される。
【0022】
第2板の凹部は好適には、略矩形形状、特に好適には正方形形状を有しており、これは対称且つ重量の点で好ましい。
切断ナイフとして設けられる工具が工具板ではなく、支持アームを介して機枠に設けられる結果、かなり大きな切断力がもはや、工具板、第2板上の工具板の支持体、及び第2板の支持体を介して機枠に伝達されず、機枠に直接的に導かれるならば更に特に有利である。この方法もまた、本発明に係る機械の静かな低振動操作に、また両方の可動板の駆動力減少に貢献する。
【0023】
相対的に単純な構成に起因して、本発明に係る線材成形機は、比較的低コストになると同時に、多くの周知の機械と比較して、かなりの費用削減になる。これは、性能の大幅な損失を受け入れることなく、機械の単純化、またそれ故可能な駆動軸数の減少によって達
成される。
【0024】
本発明を、本質的に一例として、図面を参照して以下に更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、脚ばね機1の形態をなす線材成形機の前面からの斜め(左上)斜視図を示し、線材送り装置(図面では隠されている)と、矯正ユニット(図示なし)と、線材ガイド2とを含む。線材送り装置及び矯正ユニット、並びに線材ガイド2は、送られた線材3の長手軸の周りで回転可能である。これらのモジュールは本質的に、矯正ユニットが矯正ロールからなることで知られており、矯正ロールは、様々な面に据え付けられると共に、適当な送りによって、線材3内の内部応力夫々を、ひいてはいかなる屈曲も取り除き、或いは配向が可能な限り真直な線材を生産する。線材送り装置は、幾つかの従動ローラ対からなり、その回転は、ローラ間に挟持された線材3が、線材ガイド2を通り、機械の作業領域に搬送されるようにする。
【0026】
脚ばね機1は概ね、機枠4を含み、機枠4は、図1にはごく基本的にのみ図示されると共に、この前面には、前側機械壁5(表壁)が備えられる。
2Dクロステーブル6は、前側機械壁5に据え付けらており、このクロステーブルは前部に、基板としての第2板8上に摺動可能に支持される工具板7が備えられる。基板8上には、2個の平行な第1リニアガイド9が据え付けられており、この第1リニアガイド9に沿って、工具板7は基板8上を、方向xに変位可能である。方向xは、脚ばね機1の鉛直垂直軸H−Hに対して45度の角度で(図1において、右下から左上へ斜めに)傾斜させられる。工具板7を第1リニアガイド9上において基板8に対して変位させるために、主軸駆動装置10が設けられると共に、基板8の移動毎に、主軸駆動装置10が基板8に沿って移動させられつつ、その位置を維持するように、基板8の延長アーム11に据え付けられる。
【0027】
前側機械壁5はまた、その前側機械壁5に据え付けられる2個の平行なリニアガイド12を有しており、基板8はリニアガイド12上において、前側機械壁5と(ひいては機枠4と)相対的に方向yへ移動させられ得る。方向yは、工具板7の変位方向xに対して直角であり、また脚ばね機の鉛直垂直軸H−Hに対して45度で(図1において、左下から右上へ)延出する。
【0028】
前側機械壁5に据え付けられ得る主軸駆動装置13もまた、基板8のリニアガイド12上での変位のために設けられる。
工具板7及び第1板即ち基板8の両方夫々が、図1に示すように、線材ガイド2の周りに延在する凹部14を各々中央に備える。板7及び8の両方において、凹部14は、斜めに切り取られた角部を備えた正方形を有すると共に、2Dクロステーブル6の初期非作動位置において、互いに重なりつつ、結合開放部分を形成する。送り込まれた線材3は、妨げられることなく、この結合開放部分を通り、線材ガイド2を介して、機械1の作業領域へ搬送させられ得る。
【0029】
図1から(又は他の図面から)容易に理解できるように、回転曲げヘッド16を含む曲げ工具15、更に幾つかの巻回溝が設けられ得る巻回フィンガ17、そして最後に切断工具18等、幾つかの異なる工具が、工具板7の凹部14の周りに割り当てられる。当然のことならが、より多くの又はより少ない工具であっても、そこに配置されてよい。
【0030】
所望であれば、各工具には付加的に駆動装置が備えられてもよい。図1のみが、このような曲げ工具15の曲げヘッド16を回転させる別の駆動装置19を示す。
多数の穿孔を含むグリッド20は、そこに据え付けられる工具の容易な据付を可能にす
るために、工具板7に配置される。
【0031】
図2から図4の拡大前面斜視図は、様々な作用位置におけるクロステーブル6の局所状態を、極めて明確に現す。
先ず、例えば図2から容易に理解できるように、使用される工具は工具ホルダ21からなり、工具ホルダ21は穿孔グリッド20に嵌合されると共に、ねじ22によって、そこにねじ結合され得る。
【0032】
穿孔グリッド20は、凹部14の周縁全体の周りに延在しており、工具が必要に応じて、このグリッドに位置決めされるのを可能にする。
工具支持体21にはまた、例えば調整機器23が備えられてよく、可能であれば、線材ガイド2との最適な整列を達成するために、この調整機器23によって、夫々の工具の線材3の長手方向における位置が調整され得る。
【0033】
次に、図示する脚ばね機1は、以下のように作動する。
線材3は、線材送り装置(図面では隠されている)によって、後ろから線材ガイド2を通り前へ、機械1の作業領域へ搬送され、この作業領域で、線材3は工具15,17及び18夫々によって、連続的に加工及び/又は整形される。
【0034】
線材2を使用される工具15,17及び18に対して最適に位置決めするために、線材ガイド2は、線材3の長手軸の周りを回転させられ得る。
夫々必要とされる工具は、2Dクロステーブル6の駆動装置10及び13を駆動させることにより、線材3と係合させられ得る。
【0035】
図2は、工具板7の変位(この変位動作は概して、基板8と相対的な工具板7の変位、及び基板8の前側機械壁5と相対的な変位の重ね合わせによる)が、曲げ工具15の曲げヘッド16を線材ガイド2の出口に接近させると共に、線材3と係合させる状態を示す。次に、(曲げ作用のための)曲げ工具5の曲げヘッド16の更なる駆動装置19、又は(巻回のための)線材送り装置のいずれかが駆動させられる。
【0036】
このようにして、据え付けられた工具の夫々が、2Dクロステーブル6の工具板7の適当な変位動作によって、夫々に割り当てられた作用位置まで連続的に移動させられ、ひいては、連続する様々な加工作用がまた、必要に応じて、線材3に行われ得る。
【0037】
最終作用として、切断工具18が線材3に接近すると共に、線材ガイド2において線材3を剪断するように移動させられる。
次に、図2から図4は、様々な作用工程を示す。
【0038】
図2において、曲げ工具は、線材3に接近しており、且つ連続的に送り込まれた線材3が対応する形状に曲げられる。
図3は、巻回フィンガ17がその作用位置へ移動させられており、且つ送り込まれた線材3が巻回される位置を示す。
【0039】
最後に、図4は、切断工具18が線材ガイドに当に接近しており、且つ線材3が最終的に線材ガイド2において剪断させられるまで、切断工具18の変位動作が継続する位置を示す。
【0040】
工具板7に据え付けられた工具15,17及び18の全てが、2Dクロステーブル6の2個の駆動装置10及び13によって合わせて変位させられると共に、これらの工具をその作用位置へ移動させるために、それら工具自体の別々の駆動装置を必要としない。
【0041】
しかしながら、更なる自由度が必要とされるならば、更なる駆動装置が工具に、問題なく据え付けられ得る。
巻回、そして次に分離のみが行われる簡易なばねの製造のためには、例えば、工具板7及び/又は第2板6を、クロステーブル6の変位軸に沿ってのみ変位させるのであれば、通常は十分である。
【0042】
回転送り装置を使用するのに代えて、工具ユニット全体の回転構成も、本発明に係る脚ばね機1に可能である。
2Dクロステーブル6に代えて、工具7の、ひいては工具板7に据え付けられる工具の、線材送り方向への付加的な動作を可能にするために、3Dクロステーブルが使用されてもよい。
【0043】
最後に、工具ユニット全体(工具が据え付けられた2Dクロステーブル)を、線材3と直角な軸周りで回転可能に構成することも考えられる。この場合、工具15,17,18は、線材3と直角に係合しない。
【0044】
機械1の鉛直垂直軸H−Hに対して45度よりも僅かに小さく又は僅かに大きい、例えば40度又は50度での変位軸x,yの傾きであっても、機械全体の未だ相対的に振動のない作用をもたらす。
【0045】
切断工具18を工具板7に据え付けるのに代えて、切断工具18はまた、2Dクロステーブルを大きな切断力の導入及び吸収から解放するために、基枠4又はその前板5に、支持アーム(図面には図示なし)によって直接的に支持されてもよい。しかしながら、この場合には、一方では、線材3を切断するべくその送り動作を行うために、支持アーム自体が、機枠と相対的に変位可能でなければならない。或いは、支持アームはまた、移動不能であると共に、それ自体の送り駆動装置を含む切断工具が、支持アームによって支持されてもよい。
【0046】
本発明に係る脚ばね機1の設定のために、機械制御装置のソフトウェアにおいて、以下の工程を記憶することが薦められる。
可能であれば、使用者が脚ばね機1の最適な設置を行うことができるように、使用者は、操作ソフトウェアの入力画面を介して、所望するスプリングの形状寸法のみを入力すべきである。この入力に基づいて、次にソフトウェアは、夫々の目標工具位置を計算し、この目標工具位置は次に、機械を設置するために、使用者に出力される。機械の設置後に、ソフトウェアが実際の製造プログラムを作成する前に、位置は使用者によって確認又は変更されなければならない。工具位置の自動照会を設けることも考えられる。
【0047】
次に、製造工程の制御が、確定されたプログラムに基づいて、中央プロセス制御装置を介して、最終的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】脚ばね機の形態をなす本発明に係る線材成形機を示す斜視前面図。
【図2】図1の脚ばね機の作業領域を示す拡大斜視図であるが、この場合、曲げ加工作用位置における右上からの斜め前面図。
【図3】図2に対応するが、巻回作用位置における拡大斜め斜視図。
【図4】図1の機械の図2及び図3に対応するが、今回は切断直前の作用位置における拡大斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材成形機(1)、特にばね曲げ加工機又はばね巻回機であって、機枠(4)と、線材送り装置と、送り込まれた線材(3)を該機械(1)の作業領域へ搬送する線材ガイド(2)とを含み、該線材は、1個又は複数の工具(15,17,18)によって加工及び/又は整形され、この目的のために、各工具(15;17;18)は、送り動作を介して、該線材(3)から離れた初期位置から該線材(3)における作用位置へ移動させられ得、且つ該工具(15,17,18)は、機枠(4)に設けられた工具板(7)上に、且つ該工具板(7)に形成された凹部(14)の周りに配置されるものであり、前記線材(3)は該凹部(14)を通り、前記機械(1)の作業領域へ送り込まれ、各工具(15,17,18)は更に、前記工具板(7)と相対的な各工具の送り動作方向において、該工具板(7)に固定式に取り付けられ、且つ各工具作用位置への送り動作は、該工具板(7)の対応動作によってのみ実行され、且つ前記工具板(7)は、該工具板(7)の前記凹部(14)に対応する凹部(14)が備えられた第2板(8)に嵌合されており、前記工具板(7)は、前記第2板(8)の第1方向(x)に沿って変位可能であると共に、該第2板(8)は、前記機枠(4)上において、該第1方向(x)と直角な第2方向(y)に沿って変位可能であり、
前記両方向(x,y)は夫々、前記線材成形機(1)の鉛直垂直軸(H−H)に対して各々45度の傾きを有する
ことを特徴とする線材成形機。
【請求項2】
前記工具板(7)に据え付けられる全ての工具(16,17,18)の長手軸はまた、前記機械(1)の鉛直垂直軸(H−H)に対して45度の角度で配置されることを特徴とする請求項1に記載の線材成形機。
【請求項3】
前記工具板(7)及び前記第2板(8)は各々、2個の平行なリニアガイドバー(9;12)上を変位可能に案内されることを特徴とする請求項1又は2に記載の線材成形機。
【請求項4】
前記工具板(7)及び前記第2板(8)は、2Dクロステーブル(6)を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項5】
前記工具板(7)を変位させる駆動装置(10)がまた、前記第2板(8)に据え付けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項6】
前記工具板(7)に据え付けられる工具(15,17)は、該工具板(7)と直角に調整可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項7】
前記工具板(7)上の前記工具(15)には、付加的な回転駆動装置(19)が備えられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項8】
前記工具板(7)及び前記第2板(8)は、3Dクロステーブルの一部であると共に、前記線材の方向に平行な方向にも合わせて移動可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項9】
前記工具(15,17,18)が据え付けられた前記工具板(7)はまた、前記線材送り方向と直角な軸の周りで軸回転可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項10】
前記工具板(7)及び前記第2板(8)の互いに対するあらゆる位置において、該工具(7)の前記凹部(14)は、該第2板(8)の前記凹部(14)によって画定される領域
内に完全に配置されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項11】
シートカバーが前記工具板(7)の前記凹部(14)に据え付けられており、該シートカバーによって、該工具板(7)及び前記機枠(4)の間の空間は、該凹部(14)の端縁に沿って、円周方向に覆われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項12】
前記工具板(7)及び前記第2板(8)の間、並びに該第2板(8)及び前記機枠(4)の間の間隙夫々は、幅がわずかに0.8から1.3ミリメートルに及ぶことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項13】
前記第2板(8)の前記凹部(14)は、実質的に正方形を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の線材成形機。
【請求項14】
工具(18)が切断ナイフとして設けられると共に、支持アームを介して、前記機枠(4)に支持されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の線材成形機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−12074(P2009−12074A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170692(P2008−170692)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(500146945)ヴァフィオス アクチェンゲゼルシャフト (11)
【氏名又は名称原語表記】WAFIOS Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】