説明

編物の編成方法と編機

【課題】編糸の移動時における加速及び減速に連動する簡単な機構で編糸に加える張力を制御することにより、張力の変化と同時に張力を制御し、張力の変化速度が速い場合でも、張力の変化量を小さくすることを可能とする編物の編成方法と編機を提供する。
【解決手段】編立て装置(10)と、編立て装置に供給する編糸(1) の張力を制御する張力制御装置(4〜6)とを備えている。前記張力制御装置(4〜6)は、前記編立て装置(10)の編成部(11)における移動ガイドロール(13)の加速及び減速に連動して、編糸(1) に加える張力を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編糸、特に中空糸膜を編糸に使った中空糸膜編物に好適な編成方法とその編機に関する。
【背景技術】
【0002】
糸状物に一定の張力を付与する方法として、ダンサーロールを用いる方法が広く知られている。例えば、糸状物の巻取り張力を制御する方法として、特開平6−255885号公報(特許文献1)に記載されているように、線状体の走行路上に線状体をガイドするガイドローラを設け、このガイドローラの鉛直下方に張力付加用ダンサーロールを設けている。ダンサーロールは、トルクモータの回転軸に直交して結合されたアームの先端に回動自在に支持されており、巻取り途中においてもアーム回転角検出器にて、その回転角を検出し、前記トルクモータの回転軸に回転軸に所定のモーメントを与えてアームを上下動させ、糸条物に所定の張力を与えている。さらに、ダンサーロールの下流側に走行中の糸条物の張力を測定する張力検出器が配置され、その検出張力を制御部にフィードバックしてトルクモータの回転を制御することにより、常に走行中の糸条物の張力を、一定または任意に制御する。
【0003】
また、紙やフィルムからなるシート材の供給プロセスにおいても、例えば特開2003−212406号公報(特許文献2)に開示されているように、ダンサーロールを使って、搬送されるシート材の張力を制御している。すなわち特許文献2によれば、ダンサーロールの鉛直方向における位置を検出する位置検出器と、検出された検出位置に基づいて、ダンサーロールの鉛直方向における位置を、検出位置から予め設定された基準位置に戻すための位置補正量を演算する位置制御回路と、位置補正量に基づいて、ダンサーロールが検出位置から基準位置に戻る間のダンサーロールの移動慣性力を演算するダンサー圧補正回路と、移動慣性力に基づいて、ダンサー圧を調整する圧力設定器とを備え、ダンサーロールの鉛直方向における位置が基準位置から変位し、変位位置から基準位置に戻るまでの間であっても、そのときの移動慣性力によるダンサー圧の変化を補正して、シート材に対して安定した張力を付与することができる。
【0004】
ところで、従来も、主に浄水器のカートリッジに、飲料水の処理に供される中空糸膜を用いた編物が知られている。この中空糸膜編物の幅は大きくても20cm程度のものであって、河川水、湖沼水、井水、下水、用水、廃水等の液中に含まれる懸濁物を濾過するための工業用に用いられる中空糸膜モジュールでは、中空糸膜の折り返し長は40〜200cmと長い。
【0005】
広幅の中空糸膜編物を形成する場合には、緯糸である中空糸膜が左右にトラバースするとき、その折り返し点で異常な張力が発生しやすく、膜の損傷が生ずることがある。すなわち、中空糸膜の供給速度が折り返し端にて瞬間的に零になり、次いで加速されて他端では再び零になるという動作が繰り返しなされる。この急激な速度変化はトラバース幅が大きい程大きくなる。この速度変化に起因する異常張力によって、仮に中空糸膜の極く一部が損傷しても中空糸膜編物としては全体が不良品となる。
【0006】
この張力変動を吸収するために、給糸側に配設されたダンサーロールの上下運動と連動させて駆動源の糸速を変化させ吸収する方法が考えられる。しかし極めて低速の場合は張力変動を吸収できるが、通常の生産機の20m/分〜100m/分程度の緯糸速度で運転する時のダンサーロールを想定した場合、このような広幅でトラバースを行うと、速度の変動及び吸収する糸長は編幅に比例して大きくなる。従って、ダンサーロールの移動量は増大し、またダンサーロールには増大した移動範囲を短時間で、しかも緯糸に影響を与えることなく移動することが要求される。
【0007】
しかし、例えば上下方向でのダンサーローラの動きを想定した場合、ダンサーローラの質量によって適正な張力を維持するダンサーロールが、次にトラバースガイドにて急速に長さを吸収される場合、ダンサーロールの重量に加えて前動作の慣性力が付与された状態で、反対方向に追随しなくてはならない。その結果としてその両方の力が緯糸に過大な張力を与えるとともに、ダンサーロールの追従が不可能となり、張力変動を吸収できなくなる。こうした中空糸膜束を、高速でかつ40〜150cmの広幅でトラバースさせても、常時中空糸膜に損傷を与えない張力をもって広幅の中空糸膜編物を編み立てることができる編み立て装置が、例えば特開平6−210141号公報(特許文献3)にダンサーロールを用いない方法として提案されている。
【0008】
この特許文献3に開示された中空糸膜編立て装置は、フィードローラから送り出された走行中空糸膜をノズルを通して空気とともに上方へ吹き上げ、吹き上げられたのち落下する中空糸膜の走行放物線の頂点位置を上下に複数段で配された検出手段により検出して、最上段と最下段との間に配された検出手段から発せられる信号をフィードバックして前記フィードローラの速度を調節する。中空糸膜が最上段及び最下段の位置よりも更に上下に外れたときは、それらの検出手段からは機台を停止させるための信号が発せられる。
【特許文献1】特開平6−255885号公報
【特許文献2】特開2003−212406号公報
【特許文献3】特開平6−210141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の方法では、張力が変化した値を検出した後に変化分を無くすように張力を制御するため、原理的に張力が変化することは避けられなかった。さらに、張力が変化する速度が速い場合には、張力が変化する量も大きくなってしまうという問題があった。同様に、上述した特許文献2に記載の方法においても、ダンサーローラの位置が変位したことを検出した後に張力を制御するため、ダンサーロールの位置が変位する時の張力変化は避けられない。
【0010】
また、上記特許文献3に記載の方法は、単位長さ当たりの重量が大きく、空気抵抗が少ない( 例えば、重量が2g/m以上で、モノフィラメント) 場合、上方へ吹き上げるための風量が膨大に必要となり、設備化が困難である。
【0011】
本発明は、こうした課題に鑑みなされたものであり、編糸の移動時における加速及び減速に連動する簡単な操作で編糸に加える張力を制御することによって、張力の変化と同時に張力が制御され、張力の変化速度が速い場合でも、張力の変化量を小さくすることを可能とした編物の編成方法と編機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、本発明の第1の基本構成である、編立て装置と、編立て装置に供給する編糸の張力を制御する張力制御装置とを備え、前記張力制御装置は、前記編立て装置の編成中における加速及び減速に連動して、編糸に加える張力を制御することを含んでなることを特徴とする編物の編成方法ににより解決される。
【0013】
本発明の好ましい態様によれば、編立て装置の編成部が加速するときに張力を低くし、前記、編成部が減速する時に張力を高くする。
本発明の他の好ましい態様によれば、張力制御装置がダンサーローラである。
本発明のさらに他の好ましい態様によれば、糸状物が中空糸膜であることが好適である。
【0014】
上記課題は、本発明の第2の基本的構成である、編物に編成する編糸のガイド位置を移動させて編糸をトラバースさせる移動ガイドロールと、移動ガイドロールを移動させるガイドロール駆動部と、編糸に張力を付与するダンサーローラと、ダンサーローラによって編糸に加える張力を制御する張力制御部と、移動ガイドロールの駆動と張力の制御とを連動させる制御部とを備えなることを特徴とする編機によっても効果的に解決される。
【0015】
その好ましい態様として、前記ダンサーローラは前記張力制御部にワイヤーを介して結合されてなり、前記張力制御部は前記ワイヤーの巻取り/解除を行うトルクモータを備え、前記制御部は、予め設定された移動ガイドロールのトラバース長と同移動ガイドロールのトラバース加減速パターンと糸状張力変動パターンとの相関式を記憶した記憶部と、前記相関式に基づき編糸の張力を演算する演算部とを有し、前記張力制御部は、前記演算部による演算結果を受けて前記トルクモータの回転トルクを制御して、移動ガイドロールの駆動に基づき前記ダンサーローラによる編糸張力が制御される。なお、前記編立て装置がラッセル編機であることが好ましい。
【発明の作用効果】
【0016】
移動ガイドロールが経編針間を往復動し、その両端で経糸で編むことを繰り返して編地を編成する。移動ガイドロールの移動に伴ってダンサーローラを介して編立て装置へと編糸を引き出す。移動ガイドロールは往復位置の両端では速度零であり、往復位置間を移動するときに加速及び減速を繰り返す。これにより、編糸も移動ガイドロールに伴われて、同様に加速、減速を繰り返す。編糸の加減速時、編糸に加わる張力は、ダンサーローラの荷重と、ダンサーローラの回転による慣性力及びダンサーローラの昇降するときの慣性力とによって、張力が大きく変動する。
【0017】
この張力の変動は、特に中空糸膜のように微細な孔を持つ構造では、張力変動に基づき大きな孔を開けてしまい、中空糸膜としての品質を大きく低下させてしまう。一方、編地15の生産において、生産性を上げるためには編地15を編成する速度を上げる必要がある。移動ガイドロールの速度が上がると加減速の変動も大きくなる。
【0018】
従来のように、編糸の張力を検出した後に、その張力を一定にすべく制御する方法では、編糸の張力の変化量の検出と張力の制御とに時間差が生じて、制御遅れによる補正不能な変化分も大きくなる。張力の変化分が大きくなることによって、編地の品質及び編糸の品質を損なうこととなる。
【0019】
本発明にあっては、ダンサーローラに張力制御部が連結され、前記張力制御部は前記ダンサーローラの昇降位置を制御する。一方、制御部には、例えば予め設定された移動ガイドロールのトラバース長と同移動ガイドロールのトラバース加減速パターンと糸状張力変動パターンとの相関式を記憶した記憶部と、前記相関式に基づき編糸の張力を演算する演算部とを有しており、前記演算部による演算結果を受けて、前記張力制御部がダンサーローラによる編糸張力を制御する。そのため、本発明によれば、改めて検出手段などを設けることなく、移動ガイドロールの移動速度の変化と同時に編糸張力を制御して一定張力を維持する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の代表的な実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の編立て装置と編成方法の一例を概略で示す説明図である。
編立て装置10には、図示せぬ給糸装置により編糸1が供給される。その編糸1が供給される途中に、ダンサーロール装置2が配されている。ダンサーロール装置2は、編糸供給路の前後に配された第1及び第2の一対のガイドロール3と、その一対のガイドロール3に案内されてU字状に垂下する編糸1に懸垂されて自由回転するダンサーローラ4と、同ダンサーローラ4の軸部に上端が固着されたワイヤー5と、同ワイヤー5の下端に連結された張力制御部6とを備えている。
【0021】
本実施形態によるダンサーロール装置2にあって、ダンサーローラ4は、張力制御部6によりワイヤー5を介して鉛直下方に引っ張られるように構成されている。張力制御部6は、特許文献1に示されるようにトルクモータとアームを用いたものを使用してもよいし、特許文献2に示されるようにシリンダーを用いてもよいが、ワイヤー5とワイヤー5を巻き取るトルクモータとを用いる方が、張力制御部6がコンパクトに構成できるので好ましい。なお、電磁クラッチに加える電圧は、制御部7によって制御される。
【0022】
本実施形態にあっては、ワイヤー5は、ワイヤー5にかける張力を制御できる図示せぬ電磁クラッチを介してトルクモータに巻き取られるように構成されており、電磁クラッチに加える電圧によってワイヤー5を巻き取るトルクが制御できるようになっている。トルクが強くなるとワイヤー5にかかる張力が強くなり、ダンサーロール装置2にかけられた編糸1の張力が強くなる。
【0023】
編立て装置10は、編成部11へと編糸1を送り込む第1〜第3の送り込みロール12と、編成部11に配され編幅方向を左右にトラバースする移動ガイドロール13と、同移動ガイドロール13を移動させる移動ガイドロール駆動部14と、編糸1を編成して編地15を作る経編針16とを備えている。
【0024】
移動ガイドロール13は、タイミングベルト17に治具18を介して固定され、タイミングベルト17の駆動により移動するようになっている。タイミングベルト17は移動ガイドロール駆動部14のサーボモータやインバーターモータなどからなる電動モータに接続されている。制御部7は移動ガイドロール駆動部14を正転、または逆転させることにより、移動ガイドロール13を左右にトラバースさせる。移動ガイドロール駆動部14には、正転、逆転することができ、かつ速度及び加速度を制御することができる電動モータが好ましく、サーボモータやインバーターモータなどを用いることができるが、速度及び加速度を正確に制御できるサーボモータを用いることが好ましい。
【0025】
図2に示すように、移動ガイドロール13が経編針16間を往復動し、その両端を経糸19で編むことを繰り返すことにより編地15が編成される。移動ガイドロール13が移動するときにダンサーローラ4から編立て装置10へと編糸1を引き出す。移動ガイドロール13は往復位置の両端では速度零であり、往復位置間を移動するときに移動ガイドロール13は加速及び減速を繰り返す。編糸1も移動ガイドロール13に伴われて、同様に加速、減速を繰り返す。ここで、上記経糸19には、例えばポリエチレンのマルチフィラメントが使われる。
【0026】
編糸1が加速するとき、編糸1に加わる張力は、ダンサーロール装置4のダンサーローラ4の荷重に加えて、ダンサーローラ4を回転する慣性力及びダンサーローラ4を鉛直上方向に移動する慣性力が加わる。同様に、編糸1が減速するときには、ダンサーロール装置4のダンサーローラ10の荷重から、ダンサーローラ4の回転による慣性力及びローラ10の鉛直上方向への慣性力が減少し、張力が大きく低下する。つまり、移動ガイドロール13が加速するとき、及び減速するとき、編糸1にかかる張力が大きく変動する。
【0027】
編地15の編成において、編糸1の張力が低すぎると編成部11で編糸1が緩んでしまい、出来上がった編地15の幅が定まらず編地15の品質が悪くなる。逆に、編糸1の張力が強すぎると編糸1へのダメージを与えてしまい、編糸1の品質が低下する。特に中空糸膜のように微細な孔を持つ構造では、強い張力によって膜表面に大きな孔を開けてしまい、中空糸膜としての品質を大きく低下させてしまう。そのため、編糸1には適切な張力を一定に維持することが必要となる。
【0028】
編地15の生産において、生産性を上げるためには編地15を編成する速度を上げる必要があり、すなわち、移動ガイドロール13の速度を上げることが必要となる。移動ガイドロール13の速度が上がると加速度も上がり、編糸1にかかる張力が変化する量が大きくなり、かつ変化する速度も速くなる。
【0029】
すなわち、編糸1の張力を検出した後に、編糸1の張力を一定に保つように制御する従来の方法では、前もって編糸1の張力の変化量を検出しなければならないので、張力が変化することは避けられないし、張力の制御部が出力する応答速度は制御部固有で一定なので、張力が変化する速度が速くなると、制御遅れによる補正できない変化分が大きくなる。張力の変化分が大きくなることによって、編地15の品質及び編糸1の品質を損なうこととなる。
【0030】
本実施形態では、ダンサーローラ4と前記張力制御部6とはワイヤー5を介して結合されている。前記張力制御部6は前記ワイヤー5の巻取り/解除を行うトルクモータを備えており、制御部7は、予め設定された移動ガイドロール13のトラバース長と同移動ガイドロール13のトラバース加減速パターンと糸状張力変動パターンとの相関式を記憶した記憶部7aと、前記相関式に基づき編糸の張力を演算する演算部7bとを有している。前記張力制御部6は、前記演算部7bによる演算結果を受けて、前記トルクモータの回転トルクを制御して、移動ガイドロール13の駆動に基づき前記ダンサーローラ4による編糸張力を制御する。
【0031】
トルクモータのトルク制御は、図示せぬ電磁クラッチを使い、制御部7からの指示に従って、前記電磁クラッチへと送られる電圧を制御することによりなされる。更に制御部7は、移動ガイドロール13の移動速度及び加速度を制御する。その結果、格別に検出手段を設けずに、移動ガイドロール13を加速して駆動する制御を実施するタイミングと、編糸1の張力を低減する制御とを同時に実施することが可能となる。同様に、移動ガイドロール13を減速して駆動する制御を実施するタイミングと、編糸1の張力を増加させる制御とを同時に実施することが可能である。
【0032】
張力制御部6によって編糸1の張力を増加、または低減するタイミングと量は、予め、張力制御部6を用いないで移動ガイドロール13を駆動したときの編糸1の張力が変化するタイミングと量を測定、または算出しておき、この変化を相殺するように制御部7にプログラムしておく。かかる構成により、編糸1にかかる張力が変化する速度が速い場合でも、糸の張力を一定に保つように制御することが可能となる。
【0033】
以上述べたとおり、本発明によれば、編糸1の加速及び減速に連動して、編糸1に加える張力を制御することによって、張力が変化するのと同時に張力を制御して、張力の変化速度が速い場合でも、張力の変化量を小さくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明を実施するのに用いる編立て装置とその編立て方法の一例を概略で示す説明図である。
【図2】図1で示した一例の前面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 編糸
2 ダンサーロール装置
3 第1及び第2の一対のガイドロール
4 ダンサーローラ
5 ワイヤー
6 張力制御部
7 制御部
7a 記憶部
7b 演算部
10 編立て装置
11 編成部
12 第1〜第3の送り込みロール
13 移動ガイドロール
14 移動ガイドロール駆動部
15 編地
16 経編針
17 タイミングベルト
18 治具
19 経糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編立て装置と、編立て装置に供給する編糸の張力を制御する張力制御装置とを備え、
前記張力制御装置は、前記編立て装置の編成部における加速及び減速に連動して、編糸に加える張力を制御する、
ことを含んでなることを特徴とする編物の編成方法。
【請求項2】
前記張力の制御は、前記編成部の加速時に張力を低くし、前記編成部の減速時に張力を高くすることを特徴とする請求項1記載の編物の編成方法。
【請求項3】
前記張力制御装置がダンサーローラを含んでなることを特徴とする請求項2記載の編物の編成方法。
【請求項4】
前記編糸が中空糸膜であることを特徴とする請求項3記載の編物の編成方法。
【請求項5】
編物に編成する編糸のガイド位置を移動しながら編糸をトラバースさせる移動ガイドロールと、移動ガイドロールを移動させるガイドロール駆動部と、編糸に張力を付与するダンサーローラと、ダンサーローラによって編糸に加える張力を制御する張力制御部と、移動ガイドロールの駆動制御と編糸張力制御とを連動させる制御部とを備えてなることを特徴とする編機。
【請求項6】
前記ダンサーローラは前記張力制御部にワイヤーを介して結合されてなり、
前記張力制御部は前記ワイヤーの巻取り/解除を行うトルクモータを備え、
前記制御部は、予め設定された移動ガイドロールのトラバース長と同移動ガイドロールのトラバース加減速パターンと糸状張力変動パターンとの相関式を記憶した記憶部と、前記相関式に基づき編糸の張力を演算する演算部とを有し、
前記張力制御部は、前記演算部による演算結果を受けて前記トルクモータの回転トルクを制御して、移動ガイドロールの駆動に基づき前記ダンサーローラによる編糸張力が制御されてなる、
ことを特徴とする請求項5記載の編機。
【請求項7】
前記編機がラッセル編機であることを特徴とする請求項5又は6に記載の編物の編機。

【図1】
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【図2】
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