説明

編集装置及び編集方法並びに編集プログラム

【課題】
視認性を向上し得る編集装置及び編集方法並びに編集プログラムを提案する。
【解決手段】
ディスプレイ62に、ユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1の再生スライダーバー122と、当該表示倍率が固定の第2の再生スライダーバー123とを含むウインド110を表示し、表示された第1の再生スライダーバー122に沿って、画像が関連付けられた音声位置に、当該画像の画像サイズに変更してなる縮小画像Rを表示すると共に、第2の再生スライダーバー123に沿って、音声位置と対応する位置にブックマークSを表示するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編集装置及び編集方法並びに編集プログラムに関し、特に、音声情報における1又は複数の音声位置に関連付けられた画像情報の音声位置を管理する管理情報を編集する編集装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型の音声記憶装置として、ICレコーダがある。ICレコーダは、内蔵するマイクロホンにより外部音声を集音し、得られた音声データを圧縮符号化処理して内蔵の半導体メモリや装填された外部メモリに記憶するものである。
【0003】
このようなICレコーダは、小型軽量に構成されて可搬性に優れているため、近年では会議や打ち合わせ等のビジネスシーンにおいて用いられる一方で、パーソナルユースの音声メモ機器としても広く用いられている。
【0004】
さらに近年では、CCD(Charge Coupled Device)カメラが搭載され、録音中に当該CCDカメラにより撮像した画像の画像情報をそのときの音声位置と関連付けて保存でき、その後かかる画像を手掛かりとして所望の音声位置に容易にアクセスし得るようになされたカメラ付きICレコーダなども本願特許出願人により提案されている。
【非特許文献1】特願2004−256199
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年のICレコーダには、ICレコーダ内に保存されている録音音声の音声ファイルと、当該音声ファイルに関連付けられた画像情報とのをパーソナルコンピュータ上で再生したり又は編集し得る機能を有するアプリケーションソフトウェアが記録されたCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)が付属品として同梱されている。
【0006】
そしてユーザは、かかるアプリケーションソフトウェアを自己のパーソナルコンピュータにインストールしてこれを起動することによって、所定のグラフィカルユーザインターフェース(以下、これを単にGUI(Graphical User Interface)と呼ぶ)をパーソナルコンピュータのディスプレイに表示させることができ、このGUIを用いて、当該パーソナルコンピュータとケーブルを介して接続したICレコーダ内に保存されている録音音声の音声ファイルに関連付けられた画像情報の音声位置等を編集することができる。
【0007】
しかしながら、このようにICレコーダ内に保存されている録音音声の音声ファイルに関連付けられた画像情報の音声位置等をパーソナルコンピュータ上で編集する場合、音声と、その音声に対するマーキング機能を有する画像との関連性を直感的に把握させることが強く要求されている。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、視認性を向上し得る編集装置及び編集方法並びに編集プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、音声情報における1又は複数の音声位置に関連付けられた画像情報の音声位置を管理する管理情報を編集する編集装置において、画像を、所定の画像サイズに変更してなる変更画像を生成する生成手段と、音声情報の現在の再生位置を表し、かつユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1のスライダーバーと、当該再生位置を表し、かつ表示倍率が固定の第2のスライダーバーとを含むウインドを表示するウインド表示手段と、ウインド表示手段に表示された第1のスライダーバーに沿って、画像が関連付けられた音声位置に、変更画像を表示すると共に、当該第2のスライダーバーに沿って、音声位置と対応する位置に所定のマークを表示する画像表示手段とを設けるようにした。
【0010】
この結果、この編集装置によれば、画像と音声位置との関係を、全体的及び相対的にスライダーバーに表すことができるため、当該関係をユーザが一見して直感的に認識することができる。
【0011】
また本発明においては、音声情報における1又は複数の音声位置に関連付けられた画像情報の音声位置を管理する管理情報を編集する編集方法において、画像を、所定の画像サイズに変更してなる変更画像を生成する第1のステップと、音声情報の現在の再生位置を表し、かつユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1のスライダーバーと、当該再生位置を表し、かつ表示倍率が固定の第2のスライダーバーとを含むウインドを表示する第2のステップと、表示された第1のスライダーバーに沿って、画像が関連付けられた音声位置に、変更画像を表示すると共に、当該第2のスライダーバーに沿って、音声位置と対応する位置に所定のマークを表示する第3のステップとを設けるようにした。
【0012】
この結果、この編集方法によれば、画像と音声位置との関係を、全体的及び相対的にスライダーバーに表すことができるため、当該関係をユーザが一見して直感的に認識することができる。
【0013】
さらに本発明においては、音声情報における1又は複数の音声位置に関連付けられた画像情報の音声位置を管理する管理情報を編集する編集プログラムにおいて、画像を、所定の画像サイズに変更してなる変更画像を生成する第1の処理と、音声情報の現在の再生位置を表し、かつユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1のスライダーバーと、当該再生位置を表し、かつ表示倍率が固定の第2のスライダーバーとを含むウインドを表示する第2の処理と、表示された第1のスライダーバーに沿って、画像が関連付けられた音声位置に、変更画像を表示すると共に、当該第2のスライダーバーに沿って、音声位置と対応する位置に所定のマークを表示する第3の処理とをコンピュータに実行させるようにした。
【0014】
この結果、この編集プログラムによれば、画像と音声位置との関係を、全体的及び相対的にスライダーバーに表すことができるため、当該関係をユーザが一見して直感的に認識することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、1又は複数の音声位置に画像が関連付けられた音声情報と、当該画像の画像情報とを管理する管理情報を編集する編集装置及び編集方法並びに編集プログラムにおいて、音声情報の現在の再生位置を表し、かつユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1のスライダーバーと、当該再生位置を表し、かつ表示倍率が固定の第2のスライダーバーとを含むウインドを表示し、表示された第1のスライダーバーに沿って、画像が関連付けられた音声位置に、当該画像の画像サイズに変更してなる変更画像を表示すると共に、第2のスライダーバーに沿って、音声位置と対応する位置に所定のマークを表示するようにしたことにより、画像と音声位置との関係を、全体的及び相対的にスライダーバーに表すことができるため、当該関係をユーザに対して一見して直感的に認識させることができ、かくして視認性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0017】
(1)本実施の形態によるカメラ付きICレコーダ1の外観構成
(1−1)カメラ付きICレコーダの外観構成
図1〜図3において、1は全体として本実施の形態によるカメラ付きICレコーダ1を示し、全体として丸みを帯びた縦長形状の本体部2の上部に、CCD(Charge Coupled Device)カメラ3が取り付けられたLCDカバー部4が上方向(矢印z方向)にスライド自在に配設されている。
【0018】
本体部2においては、背面2Aの上部左右両側にそれぞれ集音孔5A、5Bが穿設されると共に、これら集音孔にそれぞれ対応させてその内部にマイクロホン20A、20B(図5)が収納されており、かくしてこれらマイクロホン20A、20Bが対応する集音孔5A、5Bを介して外部音声を集音し得るようになされている。
【0019】
また本体部2の前面2Bの中段位置には録音ボタン6Aが配設されており、この録音ボタン6Aを押圧操作することによって、各マイクロホン20A、20Bにより集音された外部音声の録音動作を開始させることができるようになされている。
【0020】
さらに本体部2の前面2Bの上段位置には、図3に示すように、高解像度のカラー液晶ディスプレイでなるLCD7が配設され、この図3のようにLCDカバー部4を上方向に引き出し、後述のようにLCDカバー部4のカメラカバー8をCCDカメラ3が露出するように回転させた状態において、LCD7の下側に配設されたライブビューボタン6Bを押圧操作することによって、そのときCCDカメラ3により撮影されている動画像をこのLCD7に表示させ得るようになされている。
【0021】
さらに本体部2のライブビューボタン6Bの左横にはカメラシャッタボタン6Cが配設され、LCD7に動画像が表示されている状態においてこのカメラシャッタボタン6Cを押圧操作することによって、LCD7に表示されていた動画像のうちのカメラシャッタボタン6Cを押圧操作した瞬間の1フレーム分の静止画像を取り込んで保存させることができるようになされている。
【0022】
一方、本体部2の右側面2Cにはメニューボタン6Dが配設され、このメニューボタン6Dを押圧操作することによって、LCD7に所定のメニュー画面を表示させ得るようになされている。また本体部2の右側面2Cにおけるメニューボタン6Dの下側にはジョグレバー6Eが配設され、このジョグレバー6Eを上下左右方向に倒し又は押圧するように操作することによって、メニュー画面内に表示された各種選択肢の中から所望の選択肢を選択し又はその選択肢を選択対象として決定し得るようになされている。
【0023】
さらに本体部2の右側面2Cにおけるジョグレバー6Eの下側には、停止ボタン6Fが配設されると共に当該停止ボタン6Fの下側にはボリュームボタン6Gが配設されており、この停止ボタン6Fを押圧操作することによって録音動作や再生動作を停止させることができ、また再生動作時にボリュームボタン6Gの上側又は下側を押圧操作することによって、このときLCD7の裏側に配設されたスピーカ31(図5)から出力される再生音声の音量を上げ又は下げることができるようになされている。
【0024】
さらに本体部2の左側面2Dにおける電源コネクタ9の下側には、USB(Universal Serial Bus)コネクタ10が配設されており、このUSBコネクタ10を介してパーソナルコンピュータ等の外部機器とUSB接続することができるようになされている。これによりこのカメラ付きICレコーダ1においては、かかるUSB接続された外部機器との間でこのカメラ付きICレコーダ1内に保存された録音音声の音声データや録画画像の画像データを外部機器に出力したり、当該外部機器から与えられる音声データや画像データを取り込み得るようになされている。
【0025】
これに対してLCDカバー部4の上部には、円柱形状のカメラカバー8が回転自在に配設されると共に、このカメラカバー8の所定位置には、上述のCCDカメラ3がその光学軸を当該カメラカバー8の中心軸と垂直な方向に向けて取り付けられている。
【0026】
これによりこのカメラ付きICレコーダ1においては、カメラカバー8をCCDカメラ3が下向きとなる原点位置に位置させることで不使用時のCCDカメラ3を保護する一方、この状態からカメラカバー8を矢印a方向に回転させて、CCDカメラ3を本体部2の背面2A側の正面位置に位置させることによって、LCD7に表示される動画像を目視しながら所望の画像を撮影することができるようになされている。
【0027】
(1−2)カメラ付きICレコーダ1の内部構成
ここで図4は、このカメラ付きICレコーダ1の内部構成を示すものである。
【0028】
このカメラ付きICレコーダ1においては、電源投入時、外部音声をマイクロホン20A、20Bにより集音し、得られた音声信号S1を増幅器21を介してAD(Analog・Digital)/DA(Digital・Analog)コンバータ22に入力する。またAD/DAコンバータ22は、供給される音声信号S1を順次ディジタル変換処理し、得られた音声データD1をデータ処理及び制御部23に順次送出する。
【0029】
データ処理及び制御部23は、このカメラ付きICレコーダ1全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)24、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)25及び当該CPU24のワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)26を含んでなるマイクロコンピュータ構成の制御部27と、音声データD1及び後述する画像データD3に対するデータ圧縮伸張機能を有するDSP(Digital Signal Processor)28とから構成される。
【0030】
そしてデータ処理及び制御部23の制御部27には、操作部を構成する上述の録音ボタン6A、ライブビューボタン6B、カメラシャッタボタン6C、メニューボタン6D、ジョグレバー6E、停止ボタン6F及びボリュームスイッチ6Gのいずれかが操作されたときに、これに応じた操作入力信号S2が操作部6(6A〜6G)から与えられる。
【0031】
また制御部27には、LCDカバー部4内に設けられた図示しない第1のセンサから、LCDカバー部4が図1のように閉じられた閉状態及び図3のように開いた開状態のいずれの状態にあるかを表すLCDカバー状態信号S3が与えられると共に、LCDカバー部4内に設けられた図示しない第2のセンサから、カメラカバー8の回転状態が、CCDカメラ3が露出していない閉状態及びCCDカメラ3が露出した開状態のいずれの状態にあるかを表すカメラカバー状態信号S4が与えられる。
【0032】
かくして制御部27のCPU24は、操作入力信号S2に基づいてユーザの操作内容を認識すると共に、LCDカメラカバー状態信号S3及びカメラカバー状態信号S4に基づいて現在のLCDカバー部4及びカメラカバー8の状態を検知し、これら認識及び検知結果に基づいて対応する制御処理を実行する。
【0033】
実際上、CPU24は、LCDカバー部4及びカメラカバー8の少なくともいずれか一方が閉じた状態にあることを検知している場合において、録音ボタン6Aが押圧操作されたことを認識すると、動作モードを録音モードに遷移してDSP28を制御することにより、AD/DAコンバータ22から出力される音声データD1に対してLPEC(ソニー株式会社 登録商標)等の所定の音声圧縮方式に準拠した音声圧縮処理を実行させ、得られた圧縮音声データD2を内蔵するフラッシュメモリ29に順次格納させる。
【0034】
またCPU24は、この後停止ボタン6Fが押圧操作されたことを認識すると、DSP28を制御することにより、AD/DAコンバータ22から与えられる音声データD1に対する音声圧縮処理を停止させる一方、そのときユーザにより選択されていた後述するフォルダ(図6の「FOLDER1」〜「FOLDER3」)内に新たな用件フォルダ(図6の「03072400」〜「03072408」)を生成し、かかる圧縮音声データD2をファイル化して、得られた音声ファイル(図6の「03072400.MSV」)をその用件フォルダに収納する。またCPUは、その用件フォルダの管理情報を後述の管理ファイルMSF(図7)に格納する。
【0035】
一方、CPU24は、LCDカバー部4及びカメラカバー8の双方が開状態となったことを検知すると、動作モードをカメラモードに遷移させて、CCDカメラ3を制御することによりCCDカメラ3を起動させる。この結果、そのときCCDカメラ3により撮影されている光景についての画像信号S5が当該CCDカメラ3から順次出力され、これがデータ処理及び制御部23に与えられる。
【0036】
そしてCPU24は、この状態においてライブビューボタン6Bが押圧操作されたことを認識すると、これに応じてDSP28を制御する。かくしてこのときDSP28は、かかるCCDカメラ3から与えられる画像信号S5を順次ディジタル変換し、得られた画像データD3をLCD7に送出する。この結果、この画像データD3に基づくそのときCCDカメラ3により撮影されている光景の動画像がリアルタイムでLCD7に表示される。
【0037】
さらにCPU24は、この後この状態においてカメラシャッタボタン6Cが押圧操作されたことを認識すると、これに応じてDSP28を制御する。かくして、このときDSP28は、画像データD3に基づき得られるそのカメラシャッタボタン6Cが押圧された瞬間の1フレーム分の静止画像の画像データD3を取り込み、この取り込んだ画像データD3に対して例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の所定の画像圧縮方式に準拠した画像圧縮処理を施し、得られた圧縮画像データD4をフラッシュメモリ29に格納する。
【0038】
そしてCPU24は、この後そのときユーザにより選択されていたフォルダ内に新たな用件フォルダを生成し、かかる圧縮画像データD4からなる画像ファイル(図6の「P0000000.JPG」〜「P0000003.JPG」)をその用件フォルダに収納して、その用件フォルダの管理情報を管理ファイルMSFに格納する。
【0039】
他方、CPU24は、LCDカバー部4及びカメラカバー8の双方が開いた状態にあることを検知している場合において、録音ボタン6Aが押圧操作されたことを認識すると、動作モードを録音録画モードに遷移させると共に、これに応じてDSP28を制御する。
【0040】
このときDSP28は、上述した録音モード時と同様にAD/DAコンバータ22から与えられる音声データD1に対して順次所定の音声圧縮処理を施し、得られた圧縮音声データD2をフラッシュメモリ29に格納する。またこのときDSP28は、上述したカメラモード時と同様に、CCDカメラ3から与えられる画像信号S5を順次ディジタル変換し、得られた画像データD3をLCD7に送出する。この結果LCD7には、この画像データD3に基づくそのときCCDカメラ3により撮影されている光景の動画像がリアルタイムで表示される。
【0041】
さらにCPU24は、この後この状態においてカメラシャッタボタン6Cが押圧操作されたことを認識すると、これに応じてDSP28を制御する。このときDSP28は、カメラモード時と同様に、CCDカメラ3から与えられる画像信号S5に基づき得られるそのカメラシャッタボタン6Cが押圧された瞬間の1フレーム分の静止画像の画像データD3を取り込み、この取り込んだ画像データD3に対して画像圧縮処理を施す。
【0042】
またDSP28は、この後かかる画像圧縮処理により得られた圧縮画像データD4を、そのカメラシャッタボタン6Cが押圧操作された瞬間を後に検索する際の目印となる画像(以下、これをブックマーク画像と呼ぶ)の圧縮画像データD4として、そのときフラッシュメモリ29に順次格納している圧縮音声データD2の対応する位置と関連付けてフラッシュメモリ29に格納する。
【0043】
そしてCPU24は、この後停止ボタン6Fが押圧操作されたことを認識すると、そのときユーザにより選択されていたフォルダ内に新たな用件フォルダを生成し、かかる圧縮音声データD2からなる音声ファイルと、当該音声ファイルと関連付けられた上述の各圧縮画像データD4でなる各画像ファイルとをその用件フォルダに収納して、その用件フォルダの管理情報を管理ファイルMSFに格納する。
【0044】
このようにしてこのカメラ付きICレコーダ1においては、音声及び静止画像をそれぞれ独立して記録できるだけでなく、静止画像を録音中の音声と関連付けてブックマーク画像として記録することもできるようになされている。
【0045】
そしてこのカメラ付きICレコーダ1では、このように音声と関連付けて記録されたブックマーク画像に基づいて、所望する用件フォルダや用件フォルダ内の所望の音声位置を検索できる。
【0046】
実際上、CPU24は、ジョグレバー6Eが押圧操作されて、所望するフォルダ内の所望する用件フォルダを選択するための選択画面(以下、これを用件フォルダ選択画面と呼ぶ)又はその用件フォルダ内の所望するブックマーク画像を選択するための選択画面(以下、これをブックマーク画像選択画面と呼ぶ)の表示命令が入力されたことを認識すると、対応する画像データD3をROM25から読み出してLCD7に送出することにより、図5に示すような用件フォルダ選択画面32や、当該用件フォルダ選択画面32と同様構成のブックマーク画像選択画面33(図5)をLCD7に表示させる。
【0047】
この場合においてCPU24は、用件フォルダ選択画面32をLCD7に表示させるに際しては、そのフォルダ内の用件フォルダ毎に、それぞれその用件フォルダについて予め設定された代表的なブックマーク画像(以下、これを代表画像と呼ぶ)の画像ファイル(圧縮画像データD4)をフラッシュメモリ29から読み出し、これをDSP28に復号化処理させて、得られた画像データD3に基づき所定サイズのサムネイル画像P〜Pを作成する。
【0048】
そしてCPU24は、この図5に示すように、かくして得られた用件フォルダ毎のサムネイル画像P〜Pを用件フォルダ選択画面32内に一覧表示させる。なお、このとき音声のみの静止画像を含まない用件フォルダについては、サムネイル画像に代えて所定のアイコンが表示される。
【0049】
またCPU24は、その後ジョグレバー6Eが操作されて、用件フォルダ選択画面32内の1つのサムネイル画像P〜Pが選択されると、上述した管理ファイルMSF(図7)に基づいて、対応する用件フォルダ内の音声ファイル(圧縮音声データD2)をフラッシュメモリ29から読み出し、これをDSP28に復号化処理させる。
【0050】
この結果、かかる復号化処理により得られた音声データD1がDSP28から出力され、これがAD/DAコンバータ22においてアナログ変換されて、得られた音声信号S6が増幅器30を介してスピーカ31に与えられる。これにより、このときこの音声信号S6に基づく音声がスピーカ31から出力される。
【0051】
これと同様に、CPU24は、ブックマーク画像選択画面33(図5)をLCD7に表示させる際には、かかる管理ファイルMSFに基づいて、対応する用件フォルダ内の各ブックマーク画像の画像ファイル(圧縮像データD4)をフラッシュメモリ29から読み出し、これらをDSP28に復号化処理させて、得られた各画像データD3に基づき所定サイズのサムネイル画像P〜Pをそれぞれ作成する。そしてCPU24は、このようにして得られたブックマーク画像毎のサムネイル画像P〜Pを、ブックマーク画像選択画面33内に一覧表示させる。
【0052】
またCPU24は、その後ジョグレバー6Eが操作されて、ブックマーク画像選択画面33内の1つのサムネイル画像P〜Pが選択されると、フラッシュメモリ29から対応する音声ファイルにおけるそのサムネイル画像P〜Pの元のブックマーク画像と対応付けられた音声部分以降の圧縮音声データD2を読み出し、これをDSP28に復号化処理させる。
【0053】
この結果、かかる復号化処理により得られた音声データD1がDSP28から出力され、これがAD/DAコンバータ22においてアナログ変換されて、得られた音声信号S6が増幅器30を介してスピーカ31に与えられる。これにより、この音声信号S6に基づいて、選択された用件フォルダにおけるユーザにより選択されたブックマーク画像と対応付けられた音声位置以降の音声がスピーカ31から出力される。
【0054】
このようにしてこのカメラ付きICレコーダ1においては、用件フォルダの代表画像や用件フォルダ内の各ブックマーク画像に基づいて、所望する用件フォルダや、用件フォルダ内の所望する音声位置に迅速かつ容易にアクセスし得るようになされている。
【0055】
(1−3)カメラ付きICレコーダ1におけるデータ管理フォーマットのディレクトリ構造
次に、このカメラ付きICレコーダ1に採用されている、圧縮音声データD2や圧縮映像データD4のデータ管理フォーマットであるボイスケープフォーマット(Voiscape Format)のディレクトリ構造について説明する。
【0056】
図6は、かかるボイスケープフォーマットのディレクトリ構造を示すものである。この図6に示すように、録音音声の音声ファイル(「03072400.MSV」)やこれに関連づけて記録されたブックマーク画像の画像ファイル(「P0000000.JPG」〜「P0000003.JPG」)は、「MSSONY」というフォルダ内に作成された「VOISCAPE」というフォルダに格納される。
【0057】
用件フォルダを収納するフォルダ(「FOLDER1」〜「FOLDER3」)は、この「VOISCAPE」内に存在し、ユーザはこれらフォルダの中から録音音声の音声ファイル等の格納場所として所望のフォルダを選択したり、新たにフォルダを作成することができる。
【0058】
また「VOISCAPE」には、作成された用件フォルダを管理するための上述の管理ファイルMSF(「MSGLIST.MSF」)も収納される。この管理ファイルMSFは、図7に示すように、当該管理ファイルMSFを最後に編集した年月日、時分秒及び曜日等が記述された32〔Byte〕のヘッダ(「Header」)の後に、各フォルダ(「FOLDER1」〜「FOLDER3」)のフォルダ名等が記述されたフォルダエントリ(「Folder Entry」)と、そのフォルダ内に作成された各用件フォルダのフォルダ名及びその用件フォルダの作成日時等が記述されたメッセージエントリ(「Message Entry」)とがフォルダごとに順次記述されたデータ構造を有する。
【0059】
そしてこのボイスケープフォーマットでは、新たなフォルダや新たな用件フォルダが作成されたときには、上述のような各種管理情報が記述されたフォルダエントリやメッセージエントリが管理ファイルMSFに必ず登録される。これによりこのボイスケープフォーマットでは、この管理ファイルMSFに基づいて、所望の用件フォルダがどのフォルダ内にあるかを確実かつ迅速に検索することができるようになされている。
【0060】
さらに各フォルダ(「FOLDER1」〜「FOLDER3」)内には、それぞれユーザの使用状況に応じて1又は複数の用件フォルダ(「03072400」〜「03072408」)が作成され、これら各用件フォルダ内に、録音により得られた圧縮音声データD2の音声ファイル(「03072400.MSV」)と、かかる録音中に撮影された各ブックマーク画像の圧縮画像データD4の画像ファイル(「P0000000.JPG」〜「P0000003.JPG」)と、各画像ファイルを管理するための画像管理ファイルPIN(「03072400.PIN」)とが収納される。なお、かかる音声ファイルは、既存のICレコーダにおいて採用されている音声ファイルのフォーマットと同じファイルフォーマットを有する。
【0061】
画像管理ファイルPINは、図8に示すように、この画像管理ファイルPINを最後に編集した年月日、時分秒及び曜日等が記述されたヘッダ(「Header」)の後に、複数のピクチャエントリ(「Picture Entry」)が配置されたデータ構造を有する。
【0062】
この場合、1番目のピクチャエントリには、代表画像が設定されている場合のそのブックマーク画像の画像ファイルのファイル名及び当該ブックマーク画像の音声ファイル(音声データD1)に対する対応位置(時・分・秒)等が記述される。なお、代表画像が設定されていない場合には、各ピクチャエントリの先頭に記述される当該領域がピクチャエントリであることを示すピクチャID以外の当該1番目のピクチャエントリのすべての部分にゼロデータが格納される。
【0063】
また2番目以降のピクチャエントリには、対応する音声の録音中に撮影された各ブックマーク画像の画像ファイルのファイル名及びそのブックマーク画像の当該音声に対する対応位置(時、分及び秒)等が記述される。この場合、2番目以降のピクチャエントリは、新たなブックマーク画像の画像ファイルが記録されるごとに順次後ろに付加されるものであるため、画像管理ファイルPINにおける2番目以降のピクチャエントリの並び順が、そのまま対応する音声の先頭からのその画像ファイルが対応付けられた位置の順番を表すこととなる。
【0064】
このようにしてこのボイスケープフォーマットでは、この画像管理ファイルPINに基づいて、その用件フォルダの代表画像や各ブックマーク画像の音声に対する対応位置を検索することができる。またこのように音声ファイルとこれに関連付けられた各ブックマーク画像の画像ファイルとを同一のフォルダ(用件フォルダ)内に収納することによって、これらデータを外部のパーソナルコンピュータに取り込んでエクスプローラで見たときに、音声ファイルと画像ファイルとの関連を認識し易く、この結果ユーザが誤って音声ファイルや画像ファイルを削除するのを抑止し得るようになされている。
【0065】
(2)本実施の形態による用件フォルダ編集システム40の構成
(2−1)用件フォルダ編集システム40の構成
ここで図9は、このようなカメラ付きICレコーダ1に対する各種設定や、用件フォルダの追加若しくはコピー、又はカメラ付きICレコーダ1内に保存された用件フォルダの視聴若しくは編集等をパーソナルコンピュータ1を用いて行い得るようになされた用件フォルダ編集システム40を示すものである。この用件フォルダ編集システム40は、かかるカメラ付きICレコーダ1及びパーソナルコンピュータ41がUSBケーブル42を介して接続されることにより構成されている。
【0066】
パーソナルコンピュータ41は、一般家庭に設置される汎用のものであり、図10に示すように、CPU50、各種プログラムが格納されたROM51、CPU50のワークメモリとしてのRAM52、各種アプリケーションソフトウェアが格納されたハードディスク装置53、画像データに対して所定の信号処理を施す画像処理部54、音声データに対してディジタル/アナログ変換処理等の所定の信号処理を施す音声処理部55、インタフェース56、USBコネクタ57がバス58を介して相互に接続されることにより本体部59が構成されている。またインタフェース56にはキーボード60及びマウス61が接続されると共に、画像処理部54にはディスプレイ62が接続され、音声処理部55にはスピーカ63が接続されている。
【0067】
さらにハードディスク装置53には、カメラ付きICレコーダ1のメーカからCD−ROMに記録されて提供されたものをインストールし、又はユーザがインターネット等のネットワークを通じて当該メーカのホームページからダウンロードした、上述のような用件フォルダの視聴又は編集等の機能を有するアプリケーションソフトウェア(以下、これを用件フォルダ編集用アプリと呼ぶ)が格納されている。
【0068】
そしてCPU50は、キーボード60やマウス61が操作されて用件フォルダ編集用アプリの起動命令が入力されると、ハードディスク装置53から当該用件フォルダ編集用アプリを読み出して、これをRAM52に展開する。
【0069】
またCPU50は、この後この用件フォルダ編集用アプリやユーザ操作に基づき、必要に応じて画像処理部54を制御することにより、後述のようなメインウインド70(図11)や編集ウインド(図15)等の各種GUI(Graphical User Interface)をディスプレイ62に表示させる一方、必要に応じてUSBコネクタ57を介して接続されたカメラ付きICレコーダ1と通信を行うことにより、当該カメラ付きICレコーダ1との間で用件フォルダのファイルデータや図7について上述した管理ファイルMSFのファイルデータの読書きを行ったり、カメラ付きICレコーダ1に対してユーザ操作に応じた各種設定を行う。
【0070】
さらにCPU50は、かかるカメラ付きICレコーダ1から用件フォルダのファイルデータや管理ファイルMSFのファイルデータを読み出したときには、必要に応じて用件フォルダ内の対応するブックマーク画像の画像ファイルのデータ(以下、これを画像ファイルデータと呼ぶ)や、管理ファイルのファイルデータに基づく所定の管理データを画像処理部54に与えることにより、この画像ファイルデータや管理データに基づく画像や管理情報をディスプレイ62に表示されたGUI内の対応する位置に表示させる。またCPU50は、必要に応じてカメラ付きICレコーダ1から読み出した用件フォルダ内の音声ファイルのファイルデータ(以下、これを音声ファイルデータと呼ぶ)を音声処理部55に与えることにより、当該音声ファイルデータに基づく音声をスピーカ31から出力させる。
【0071】
(2−2)メインウインド70の構成
ここで、CPU50は、用件フォルダ編集用アプリの起動時、USBケーブル42を介してカメラ付きICレコーダ1と通信することにより、管理ファイルMSF(図7)のファイルデータを当該カメラ付きICレコーダ1から読み出すと共に、この後この管理ファイルMSFのファイルデータ等に基づいて画像処理部54を制御することにより、図11に示すようなメインウインド70をディスプレイ62に表示させる。
【0072】
このメインウインド70は、ツールバー71、ICレコーダ情報表示部72、パーソナルコンピュータ情報表示部73、サムネイル表示部74及びプレーヤ部75から構成されるもので、ツールバー71には、「ファイル」、「編集」及び「表示」等のこの用件フォルダ編集用アプリによって行える内容の項目名やその内容のアイコンが表示される。
【0073】
そしてユーザは、このツールバー71に表示されたICレコーダ設定機能に対応付けられたアイコン71Aをクリックすることによって所定の設定ウインド(図示せず)をこのメインウインド70に重ねて表示させることができ、この設定ウインドを用いてカメラ付きICレコーダ1の各種設定を行うことができる。
【0074】
ICレコーダ情報表示部72は、デバイス選択コンボボックス80、残量表示欄81、フォルダ情報表示欄82及び用件フォルダ表示欄83から構成され、カメラ付きICレコーダ1から読み出した当該カメラ付きICレコーダ1に設定されているユーザ名やそのカメラ付きICレコーダ1の機種名が最上段に表示されると共に、当該カメラ付きICレコーダ1の録音可能な残量時間が残量表示欄81に表示される。
【0075】
またICレコーダ情報表示部72では、カメラ付きICレコーダ1から読み出した管理フォイルMSF(図7)のファイルデータに基づいて、当該カメラ付きICレコーダ1において設定されている各フォルダ(図6における「FOLDER1」〜「FOLDER4」)のフォルダ名やそのフォルダ内に収納されている用件フォルダの数がフォルダ情報表示欄82に一覧表示される。
【0076】
そしてICレコーダ情報表示部72においては、フォルダ情報表示欄82に表示された各フォルダの中から所望の1つのフォルダをマウス操作により選択することによって、そのフォルダに収納されている各用件フォルダのフォルダ名や録音日時及び録音時間等の所定の情報をテキスト形式で用件フォルダ表示欄83に一覧表示させることができる。
【0077】
なおICレコーダ情報表示部72では、このときの設定を変えることによって、かかるテキスト形式での一覧表示に代えて、図12に示すように、ICレコーダ情報表示部72のフォルダ情報表示欄82において選択したフォルダ内に登録されている各用件フォルダの代表画像のサムネイル画像P10〜P12を用件フォルダ表示欄83に一覧表示させることもできる。
【0078】
そしてユーザは、この用件フォルダ表示欄83にテキスト情報又はサムネイル画像P10〜P12が表示された各用件フォルダの中から、所望する用件フォルダをマウス操作により1つ選択することができる。そして1つの用件フォルダが選択されると、その用件フォルダ内の各ブックマーク画像のサムネイル画像P20〜P23が、当該ブックマーク画像が関連づけられた録音音声のタイムコードと共にサムネイル表示部74内に一覧表示される。
【0079】
またこのときプレーヤ部75の上段には、その用件フォルダに設定されたユーザ名と、上述のようにして選択された用件フォルダのファイル名と、その用件フォルダの録音日時と、その用件フォルダの全録音時間のうちの現在の再生時間とがそれぞれ表示される。
【0080】
さらに上述のように1つの用件フォルダが選択されると、プレーヤ部75の下段に設けられた各種基本的な操作を行うための複数のボタン90A〜90Jからなる基本操作ボタン群90が活性表示される。かくしてユーザは、この活性表示された基本操作ボタン群90のうちの再生ボタン90A、停止ボタン90B、早送り再生ボタン90C又は早戻し再生ボタン90Dをクリックすることによって、パーソナルコンピュータ41上においてかかる用件フォルダを再生させたり、当該再生を停止させたり、例えば20秒早送りして3秒間再生する動作を繰り返す早送り再生を実行させたり又は例えば20秒早戻しして3秒間再生する動作を繰り返す早戻し再生を実行させることができる。
【0081】
なお基本操作ボタン群90には、この他イージーサーチボタン90E、90F、ブックマークジャンプボタン90G、90H及び用件切替えボタン90I、90Jが設けられており、このうちイージーサーチボタン90E、90Fをクリックすることによって、そのときパーソナルコンピュータ41上で再生されている用件フォルダについて、10秒だけ早送りして再生動作に戻る早送りイージーサーチ又は3秒だけ戻って再生動作に戻る早戻しイージーサーチを実行させることができる。
【0082】
またブックマークジャンプボタン90G、90Hをクリックすることによって、パーソナルコンピュータ41上で再生されている用件フォルダの再生位置を前又は次のブックマーク画像が関連付けられたタイムコード位置にまでジャンプさせることができ、用件切替えボタン90I、90Jをクリックすることによって、再生対象の用件フォルダをICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ表示欄83に表示された前又は次の用件フォルダに切り替えることができる。
【0083】
なおメインウインド70では、サムネイル表示部74内に表示されたサムネイル画像P20〜P22の中から所望のサムネイル画像P20〜P22をダブルクリックすることによっても、対応する用件フォルダをパーソナルコンピュータ41上においてそのサムネイル画像P20〜P22が関連付けられた音声位置から再生させることができる。かくしてユーザは、サムネイル表示部74内に表示されたサムネイル画像P20〜P22に基づいて、対応する用件フォルダの所望位置に迅速にアクセスすることができる。
【0084】
一方、基本操作ボタン群90の右横には再生スライダーバー91が設けられており、上述のように1つの用件フォルダが選択されたときには、その用件フォルダに含まれる音声ファイルの最初、中央及び最後のタイムコードが再生スライダーバー91に沿ってその下側にそれぞれ表示される。そしてその用件フォルダをパーソナルコンピュータ41上で再生しているときには、現在の再生位置に合わせてスライダ91Aが右方向に順次移動するように表示される。
【0085】
また再生スライダーバー91の上側には、その用件フォルダ内の各ブックマーク画像が関連付けられたタイムコード位置にそれぞれ対応させて、しおり形状のマーク(以下、これをブックマークと呼ぶ)92が表示される。
【0086】
そして用件フォルダの再生時、スライダ91がいずれかのブックマーク92と対応付けられたタイムコード位置を経過したとき(すなわち音声フォルダの再生位置がいずれかのブックマーク画像と関連付けられたタイムコード位置を経過したとき)には、そのブックマーク92が例えば赤色に強調表示されると共に、サムネイル表示部74に表示されたサムネイル画像P20〜P22のうちのそのブックマーク92(そのタイムコードに関連付けられたブックマーク画像)と対応するサムネイル画像P20〜P22が赤枠で囲まれるように強調表示され、当該サムネイル画像P20〜P22の下側に表示されたタイムコードが例えば赤色で強調表示される。かくしてユーザは、これらの強調表示に基づいて、全体から見た現在の再生位置を容易に認識することができる。
【0087】
さらにこのとき再生スライダーバー91の右側に設けられたピクチャウインド93には、サムネイル表示部74に表示されたサムネイル画像P20〜P22のうちのかかる強調表示されたブックマーク92と対応付けられたサムネイル画像P20〜P22のもとのブックマーク画像(すなわち音声フォルダのそのタイムコードに関連付けられたブックマーク画像)が表示される。
【0088】
この場合ピクチャウインド93は、その右上に表示された拡大ボタン93Aをクリックすることによって、図13に示すように、メインウインド70から分離させた状態に拡大表示させることができ、これによりそのブックマーク画像をより詳細に目視確認することができる。またこの拡大表示されたピクチャウインド94は、その右上に表示された閉ボタン94Aをクリックすることによって、図11のようにもとの位置に縮小表示させることができる。
【0089】
さらにプレーヤ部75の中段には、用件フォルダ再生時における音量をオン/オフするためのミュートボタン95や、音量設定用のスライダーバー96などの各種操作ボタン及びいくつかのスライダーバーが設けられており、これらをクリックやドロップアンドドラッグ操作することによって、対応する機能を発揮させることができる。
【0090】
またプレーヤ部75の中段の最も右側には編集ボタン97が設けられており、この編集ボタン97をクリックすることによって編集ウインド(図15)をこのメインウインド70に重ねて表示させることができる。かくしてユーザは、この編集ウインド(図15)を用いて、そのとき選択している用件フォルダ内の音声ファイルに基づく録音音声に対して各ブックマーク画像が関連付けられた位置を変更する等の編集作業を行うことができる。
【0091】
他方、パーソナルコンピュータ情報表示部73は、フォルダ情報表示欄100及びファイル情報表示欄101から構成されている。そしてフォルダ情報表示欄100には、そのパーソナルコンピュータ41内の各フォルダのフォルダ構造が階層的に表示され、当該フォルダ情報表示欄100に表示された各フォルダの中からユーザ操作により指定された1つのフォルダに収納されている各ファイルのうち、用件フォルダ編集用アプリが取り扱える所定フォーマットの音声ファイルのファイル名や作成日時等の情報がファイル情報表示欄101に表示される。
【0092】
そしてこのメインウインド70では、ICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ情報表示欄83に表示された各用件フォルダの中から1つの用件フォルダを選択すると共に、パーソナルコンピュータ情報表示部73のフォルダ情報表示欄100に表示された各フォルダの中から1つのフォルダを選択し、この後ICレコーダ情報表示部72及びパーソナルコンピュータ情報表示部73間に表示された保存ボタン102をクリックすることによって、カメラ付きICレコーダ1からそのICレコーダ情報表示部72において選択した用件フォルダのファイルデータを読み込ませて、そのコピーをパーソナルコンピュータ情報表示部73において選択したパーソナルコンピュータ41内のフォルダ内に格納させることができる。
【0093】
またメインウインド70では、これと逆に、パーソナルコンピュータ情報表示部73のファイル情報表示欄101に表示された各音声ファイルの中から1つの音声ファイルを選択すると共に、ICレコーダ情報表示部72のフォルダ情報表示欄82に表示された各フォルダの中から1つのフォルダを選択し、この後ICレコーダ情報表示部72及びパーソナルコンピュータ情報表示部73間に表示された追加ボタン103をクリックすることによって、パーソナルコンピュータ情報表示部73において選択した音声ファイルのファイルデータをカメラ付きICレコーダ1に転送させて、これをカメラ付きICレコーダ1内のフラッシュメモリ29(図4)内に格納させることができる。このときカメラ付きICレコーダ1では、かかる音声ファイルのファイルデータが、ICレコーダ情報表示部72において選択したフォルダ内に新たに作成した用件フォルダに収納した状態に格納され、これに応じて管理ファイルMSF(図7)のファイルデータが更新される。
【0094】
(2−3)編集ウインドの構成
かかる構成に加えて、CPU50は、図14に示すように、フォルダ情報表示欄83に表示された各フォルダの中から所望の1つの用件フォルダが選択された状態において、ツールバー71の「編集」に対応するツールメニューTMU(図14(A))若しくは右クリックに対応するショートカットメニューSMU(図14(B))から「ブックマーク編集」の項目が選択された場合、又は編集ボタン97(図13)がクリックされた場合、USBケーブル42を介してカメラ付きICレコーダ1と通信することにより、このとき選択された用件フォルダに対応するファイルデータを当該カメラ付きICレコーダ1から読み出すと共に、この後このファイルデータ等に基づいて画像処理部54を制御することにより、図15に示すような編集ウインド110をディスプレイ62に表示させる。
【0095】
この編集ウインド110は、ウインド上段に配された画像表示欄111と、ウインド中段に配された編集位置操作部112A及びウインド下段に配された編集内容決定部112Bからなる編集プレーヤ112とによって構成される。
【0096】
この編集プレーヤ112における編集位置操作部112Aの上段及び中段は、編集ウインド110の中央に位置し、当該位置には長方形状の枠体121が設けられ、この枠体121内の下方には、第1の再生スライドバー122が設けられている。そしてこの第1の再生スライドバー122の上側には、フォルダ情報表示欄83から選択された用件フォルダ内の各ブックマーク画像が関連付けられたタイムコード位置にそれぞれ対応させて、当該ブックマーク画像を例えば60[pixel] ×80[pixel]サイズに変更してなる画像(以下、これをブックマーク縮小画像と呼ぶ)R〜Rが、枠体121の上端との間に表示される。
【0097】
また編集位置操作部112Aの下段には、第2の再生スライドバー123が設けられており、この第2の再生スライドバー123の上側には、フォルダ情報表示欄83から選択された用件フォルダ内の各ブックマーク画像が関連付けられたタイムコード位置にそれぞれ対応させて、ブックマークS〜Sが表示されると共に、当該第2の再生スライドバー123の右側には、全録音時間のうちの現在の再生時間が表示される。
【0098】
そして第2の再生スライドバー123の左側には、再生ボタン124A、再生停止ボタン124B、スライドバー拡大ボタン124C及びスライドバー縮小ボタン124Dからなる操作ボタン群124が設けられており、この再生ボタン124A又は再生停止ボタン124Bをクリックすることによって、フォルダ情報表示欄83から選択された用件フォルダを再生又は再生停止させることができる。
【0099】
この用件フォルダの再生時、その再生時間に対応して、第1の再生スライドバー122のスライダ122Aと、第2の再生スライドバー123のスライダ123Aとがそれぞれ再生方向に移動するようになされており、いずれかのブックマークS〜Sと対応付けられたタイムコード位置を経過したときには、そのブックマークSが例えば赤色に強調表示されると共に、ブックマーク縮小画像R〜Rのうちのそのブックマーク(タイムコード)Sと対応するブックマーク縮小画像Rが赤枠で囲まれるように強調表示され、さらに、当該ブックマーク縮小画像Rよりもその画像サイズを例えば150[pixel] ×200[pixel]サイズに拡大してなる画像IMが、ウインド上段の画像表示欄111における中央に表示される。
【0100】
またこの編集位置操作部112Aでは、スライドバー拡大ボタン124C及びスライドバー縮小ボタン124Dをクリックすることによって、第1のスライドバー122を拡大又は縮小させることができる。
【0101】
この第1の再生スライドバー122の拡大時、図16に示すように、枠体121の下端にスクロールバー125が表示されると共に、当該枠体121の右上端上方にスライドバー拡大率が、初期値の「×1」(図15)から、再生スライドバー拡大ボタン114Cのクリック回数に応じて段階表示されて、例えば「×10」に表示される。
【0102】
従って、この編集位置操作部112Aでは、ブックマーク縮小画像R〜Rが重なった状態で表示された場合(図15)であっても、スライドバー拡大率を大きくすることによって、各ブックマーク縮小画像R〜Rの間隔を広げて(図16において一点鎖線で示す)、当該ブックマーク縮小画像R全体を視認させることができる。
【0103】
このように編集位置操作部112Aでは、第1の再生スライドバー122に対してブックマーク縮小画像R〜Rを相対的に表示して、用件フォルダ内の音声ファイルに基づく録音音声に対して各ブックマーク画像が関連付けられた位置を詳細把握させることができ、これとは逆に、第2のスライドバー123に対してブックマークS〜Sを絶対的に表示して、当該位置を全体把握させることができる。
【0104】
さらにこの編集位置操作部112Aでは、かかるブックマーク縮小画像R〜Rをドラッグアンドドロップにより当該ブックマーク縮小画像Rを個々に移動させることによって、用件フォルダ内の音声ファイルに基づく録音音声に対してそれぞれ関連付けられたブックマーク画像の位置を変更させることができる。
【0105】
実際上、ブックマーク縮小画像R〜Rのうち移動対象の例えばブックマーク縮小画像Rにマウスカーソルを合わせた状態でマウス押下が維持されたとき、図17に示すように、当該マウスカーソルに代えて、そのブックマーク縮小画像Rの中央に、移動方向を表す三角形状のポインタ126A、126Bと、移動解除を表す楕円形状のポインタ126Cとからなる操作指示ポインタ126が表示されると共に、当該ブックマーク縮小画像Rが移動自在の状態となる。この状態において、ユーザは、第1の再生スライドバー122、第2の再生スライドバー123及び再生時間により必要に応じて確認しながら、ブックマーク縮小画像Rを所望の位置にまでドラッグした後にドロップすることにより、当該ブックマーク縮小画像Rに対応するブックマーク画像の録音音声に対する位置を変更させることができる。
【0106】
なお、ユーザは、ブックマーク画像の変更位置が事前に分からないときには、録音音声を再生させてその変更位置を確認し、当該確認した時点でその変更位置にブックマーク縮小画像Rをドラッグアンドドロップすることによって、当該ブックマーク縮小画像Rに対応するブックマーク画像の録音音声に対する位置を変更させることができる。
【0107】
この場合、編集位置操作部112Aでは、図18に示すように、操作指示ポインタ126の表示と同時に、録音音声の再生が停止されると共に、当該操作指示ポインタ126が表示されたブックマーク縮小画像Rに対応するタイムコード位置にスライダ122Aが戻り、かつそのタイムコードに再生時間が変更される。そしてこの後、ブックマーク縮小画像Rに対するドラッグに追従してスライダ122Aが移動し、当該ブックマーク縮小画像Rがドロップされると、そのドロップ地点から録音音声の再生が開始されると共に、スライダ122Aが再生方向に移動する。これによりユーザは、ブックマーク縮小画像Rをドロップした後に直ちにそのドロップ地点が所望の変更位置であるか否かを確認することができる。
【0108】
一方、編集プレーヤ112の編集内容決定部112Bには、録音音声に対してそれぞれ関連付けられた各ブックマーク画像に加えて、新たな画像をブックマーク画像として追加するための「ブックマークの追加」ボタン131が設けられており、この「ブックマークの追加」ボタン131をクリックすることによって、「ブックマークに画像を追加しますか?」等といった確認コメントと、「はい」及び「いいえ」のボタンとからなるメッセージウインド(図示せず)が表示され、当該「はい」のボタンをクリックすることによって、編集ウインド110上に図19に示すような画像選択ダイアログボックス140が表示される。
【0109】
この画像選択ダイアログボックス140は、プルダウン形式の画像ファイル場所選択欄140A、アイコン形式の画像ファイル場所選択欄140B、画像ファイル選択欄140C、プルダウン形式の画像ファイル名選択欄140D及びプルダウン形式の画像ファイル形式選択欄140Eからなり、当該画像ファイル選択欄140Cに表示される画像ファイルのいずれかが選択された後に「OK」ボタンをクリックすることによって、例えば図20に示すように、当該選択された画像ファイルに基づく画像が新たなブックマーク縮小画像Rとして、このときスライダ122Aが存在するタイムコード位置に対応させて、第1の再生スライドバー122の上側に表示させることができる。なお、かかるタイムコード位置に既にブックマーク縮小画像Rが存在する場合には、当該タイムコード位置の近傍に表示される。
【0110】
また編集内容決定部112Bには、「ブックマークの削除」ボタン132及び「ブックマークと音声の削除」ボタン133が設けられており、ブックマーク縮小画像R〜Rのいずれかが削除対象として選択された状態において、当該「ブックマークの削除」ボタン132をクリックすることによって、当該選択されたブックマーク縮小画像Rを編集ウインド110から削除させることができると共に、当該「ブックマークと音声の削除」ボタン133をクリックすることによって、当該選択されたブックマーク縮小画像Rと、その次のブックマーク縮小画像Rまでの録音音声とを編集ウインド110から削除させることができる。
【0111】
さらに編集内容決定部112Bには、上述のようにして編集された編集内容をその1つ前の編集内容にまで戻す「元に戻す」ボタン134と、当該編集内容を初期の状態にまで戻す「初期状態に戻す」ボタン135とが設けられており、これら「元に戻す」ボタン134又は「初期状態に戻す」ボタン135をクリックすることによって、編集内容を復元するようにして、当該編集を何度でも試行させることができる。
【0112】
なお、編集内容決定部112Bに設けられた「OK」ボタンをクリックすることによって、当該クリックされたときの編集状態となるように、対応する用件フォルダ内が更新される。
【0113】
このようにしてこの用件フォルダ編集システム40では、編集ウインド110(図15)を用いて各種編集処理を実行することができるようになされている。
【0114】
(2−4)編集処理手順
ここでパーソナルコンピュータ41のCPU50(図10)は、上述のような編集処理を、図21に示す編集処理手順RTに従って実行する。
【0115】
すなわちCPU50は、フォルダ情報表示欄83に表示された各フォルダの中から所望の1つの用件フォルダが選択された状態において、ツールバー71の「編集」に対応するツールメニューTMU(図14(A))若しくは右クリックに対応するショートカットメニューSMU(図14(B))から「ブックマーク編集」の項目が選択された場合、又は編集ボタン97(図13)がクリックされると、この編集処理手順RTをステップSP0において開始し、続くステップSP1において、編集ウインド110(図15)を表示させる。
【0116】
そしてCPU50は、ステップSP2に進んで、そのときUBS接続されているカメラ付きICレコーダ1にアクセスして、対応する用件フォルダ内のすべての画像ファイルのファイルデータ及び画像管理ファイルPIN(図8)のファイルデータと、管理ファイルMSF(図7)内のその用件フォルダのメッセージエントリ(図7の「Message Entry」)のデータとを読み出す。
【0117】
続いてCPU50は、ステップSP3に進んで、ステップSP2において取得したその用件フォルダ内の各画像ファイルのファイルデータに基づいて各ブックマーク画像に対するブックマーク縮小画像R〜Rの画像データと、ブックマークS〜Sの画像データとをそれぞれ生成し、これらを画像処理部54に与える。
【0118】
さらにCPU50は、このステップSP3において、ステップSP1で取得したその用件フォルダ内の画像管理ファイルPINに基づいて画像処理部54を制御し、ブックマーク画像が関連付けられたタイムコード位置にそれぞれ対応させて、当該ブックマーク縮小画像R〜Rを第1の再生スライドバー122の上側と枠体121の上端との間に表示させると共に、当該ブックマークS〜Sを第2の再生スライドバー123の上側に表示させる。
【0119】
次いでCPU50は、ステップSP4において、スライドバー拡大ボタン124C又はスライドバー縮小ボタン124Dがクリックされたか否かを判断し、当該クリックされた場合には、続くステップSP5に進んで、この際にスライドバー拡大ボタン124Cがクリックされた回数と、当該スライドバー縮小ボタン124Dがクリックされた回数とに基づいて、第1の再生スライドバー122に対する拡大率を決定し、当該決定した拡大率に、第1の再生スライドバー122を可変することによりブックマーク縮小画像R〜Rの間隔を変更し、かつ枠体121の右上端上方にスライドバー拡大率の表示を変更すると共に、当該枠体121の下端にスクロールバー125(図16)を表示させる。
【0120】
またCPU50は、続くステップSP6において、「ブックマークの追加」ボタン131クリックされたか、又はブックマーク縮小画像R〜Rのいずれかが削除対象として選択された状態で「ブックマークの削除」ボタン132若しくは「ブックマークと音声の削除」ボタン133がクリックされたか否かを判断し、当該クリックされた場合には、続くステップSP7に進んで、対応する仮編集処理を実行する。
【0121】
具体的に、CPU50は、この仮編集処理として、「ブックマークの追加」ボタン131がクリックされた場合には、画像選択ダイアログボックス140(図19)を介して画像ファイルを選択させ、当該画像ファイルが選択された場合には、その画像ファイルのファイルデータに基づく画像をブックマーク縮小画像R(図20)として、第2の再生スライドバーの上側の所定の位置に表示させる。一方、CPU50は、「ブックマークの削除」ボタン132若しくは「ブックマークと音声の削除」ボタン133がクリックされた場合には、このとき選択されているブックマーク縮小画像Rだけ、あるいは当該ブックマーク縮小画像Rと、その次のブックマーク縮小画像Rまでの録音音声とを編集ウインド110から削除する。
【0122】
さらにCPU50は、続くステップSP8において、再生ボタン124Aがクリックされたか否かを判断し、当該クリックされた場合には、続くステップSP9に進んで、上述のようにしてカメラ付きICレコーダ1から読み出した対応する用件フォルダ内における音声ファイルのファイルデータを音声処理部55(図10)に与えることにより再生処理を実行させる。この結果この音声ファイルのファイルデータに基づく音声がスピーカ63から出力される。
【0123】
このときCPU50は、その再生時間に対応させて、スライダ122A、スライダ123Aをそれぞれ再生方向に移動させ、いずれかのブックマークS〜Sと対応付けられたタイムコード位置を経過したときには、そのブックマークSと、当該ブックマークSに対応するブックマーク縮小画像Rとを強調表示させると共に、当該ブックマーク縮小画像Rの拡大画像IMを、ウインド上段の画像表示欄111に表示させる。
【0124】
さらにCPU50は、続くステップSP10において、ブックマーク縮小画像Rに対するマウス押下が維持されたか否か判断し、当該マウス押下が維持された場合には、続くステップS11に進んで、このときマウス押下が維持されているブックマーク縮小画像Rの移動処理を実行する。
【0125】
具体的に、CPU50は、この移動処理として、上述の再生処理を実行させている場合には、マウス押下が維持されているブックマーク縮小画像Rに操作指示ポインタ126(図17)を表示すると同時にこの再生処理を一時中断させ、当該ブックマーク縮小画像Rの対応するタイムコード位置にスライダ123Aを戻すと共に、そのタイムコードに再生時間の表示を変更する。この後、CPU50は、このブックマーク縮小画像Rに対するドラッグに追従してスライダ122Aを移動させ、当該ブックマーク縮小画像Rのドロップに応じて一時中断した再生処理をそのドロップ位置に対応するタイムコードから開始する。一方、CPU50は、かかる再生処理を実行させていない場合には、マウス押下が維持されているブックマーク縮小画像Rに操作指示ポインタ126(図17)を表示した後、当該ブックマーク縮小画像Rに対するドラッグに追従してスライダ122Aを移動させる。
【0126】
さらにCPU50は、続くステップSP12において、「元に戻す」ボタン134又は「初期状態に戻す」ボタン135がクリックされたか否かを判断し、当該クリックされた場合には、続くステップSP13に進んで、ステップSP6で仮編集処理した編集内容を、その1つ前の編集内容にまで戻すか、又は初期の状態にまで戻す。
【0127】
最後にCPU50は、続くステップSP14において、編集内容決定部112Bの「OK」ボタン又は「キャンセル」ボタンがクリックされた否かを判断する。
【0128】
そしてCPU50は、このステップSP14において否定結果を得るとステップSP4に戻り、この後このステップSP14において肯定結果を得るまでステップSP4〜ステップSP14−ステップSP4のループを繰り返す。
【0129】
これに対してCPU50は、ステップSP8において肯定結果を得ると、ステップSP15に進んで、上述の再生処理を実行させている場合には、当該再生処理を停止すると共に、上述の仮編集処理を初期の状態にまで戻していない場合には、当該仮編集処理の編集内容に応じて、ステップSP2において読み出した画像ファイルのファイルデータ及び画像管理ファイルPIN(図8)のファイルデータと、管理ファイルMSF(図7)内のその用件フォルダのメッセージエントリ(図7の「Message Entry」)のデータとを更新し、この後ステップSP16に進んで、この編集処理手順RTを終了する。
【0130】
このようにしてCPU50は、カメラ付きICレコーダ1内に保存されている用件ファイルについて、編集ウインド110(図15)を介してユーザ操作に応じた各種編集を行うことができる。
【0131】
(3)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、この用件フォルダ編集システム40では、ディスプレイ62に、ユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1の再生スライダーバー122と、当該表示倍率が固定の第2の再生スライダーバー123とを含むウインド110を表示し、表示された第1の再生スライダーバー122に沿って、画像が関連付けられた音声位置に、当該画像の画像サイズに変更してなる縮小画像Rを表示すると共に、第2の再生スライダーバー123に沿って、音声位置と対応する位置にブックマークSを表示する。
【0132】
従って、この用件フォルダ編集システム40では、画像と音声位置との関係が、全体的及び相対的にスライダーバー122、123に表されるため、当該関係をユーザが一見して直感的に認識することができる。
【0133】
この場合において、この用件フォルダ編集システム40では、第1の再生スライダーバー122及び第2の再生スライダーバー123と共に、縮小画像Rよりも画像サイズの大きい拡大画像IMを表示する画像表示欄111が表示され、当該再生スライダーバー122、123がそのとき表示している縮小画像Rと対応する拡大画像IMが画像表示欄111に表示される。
【0134】
従って、この用件フォルダ編集システム40では、現在の再生状況から、その再生される音声位置の画像が、第2の再生スライダーバー123においてブックマークSにより、第1の再生スライダーバー122において縮小画像Sにより、画像表示欄111において拡大画像IMにより、表示態様を代えて3段階で認識させることができるため、画像と音声位置との関係と、当該画像とを一見して直感的に認識させることができる。
【0135】
以上の構成によれば、ディスプレイ62に、ユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1の再生スライダーバー122と、当該表示倍率が固定の第2の再生スライダーバー123とを含むウインド110を表示し、表示された第1の再生スライダーバー122に沿って、画像が関連付けられた音声位置に、当該画像の画像サイズに変更してなる縮小画像Rを表示すると共に、第2の再生スライダーバー123に沿って、音声位置と対応する位置にブックマークSを表示するようにしたことにより、画像と音声位置との関係が、全体的及び相対的にスライダーバー122、123に表されるため、当該関係をユーザが一見して直感的に認識することができ、かくして視認性を向上することができる。
【0136】
(4)他の実施の形態
上述の実施の形態においては、本発明を用件フォルダ編集システム40を構成するパーソナルコンピュータ41に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、11又は複数の音声位置に画像が関連付けられた音声情報と、当該画像の画像情報とを管理する管理情報を編集する編集装置に広く適用することができる。
【0137】
また上述の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ41及びカメラ付きICレコーダ1をUSBケーブル42を介して接続することで、上述のようにパーソナルコンピュータ41上でカメラ付きICレコーダ1内に保存された用件ファイルを編集等できるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばカメラ付きICレコーダ1のフラッシュメモリ29を着脱自在とし、これをパーソナルコンピュータ41に装着することで、当該フラッシュメモリ29に格納されている用件ファイルを編集等できるようにしても良い。
【0138】
さらに上述の実施の形態においては、各種命令を入力するためのGUIとしての編集ウインド110を図15のように構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を広く適用することができる。
【0139】
さらに上述の実施の形態においては、各ブックマーク画像の関連付けられた音声位置にそれぞれ対応させて第2の再生スライダーバー123の上側に表示するマークをしおり形状とするようにした場合について述べたが、この他種々のマーク形態を広く適用することができる。
【0140】
さらに上述の実施の形態においては、用件フォルダの再生時に、第2の再生スライダーバー123のスライダ123AがいずれかのブックマークS〜Sと対応付けられたタイムコード位置を経過したときに、そのブックマークS〜Sを赤色で表示すると共に、ブックマーク縮小画像R〜RのうちのそのブックマークSと対応するブックマーク縮小画像Rを赤枠で囲むようにしてこれらを強調表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、強調表示の方法としては、この他種々の表示方法を広く適用することができる。
【0141】
さらに上述の実施の形態においては、元のブックマーク画像の画像サイズを変更してなるブックマーク縮小画像Rと、画像IMとを所定の配置位置に表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これに代えて、着目部分するオブジェクトを拡大したり、回転してなるブックマーク縮小画像Rと、画像IMとを所定の配置位置に表示するようにしても良い。
【0142】
さらに上述の実施の形態においては、「元に戻す」ボタン134をクリックすることによって、編集された編集内容をその1つ前の編集内容にまで戻すようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、予め設定した回数にまで戻したり、入力された回数まで戻す等、要は、任意の編集回数に戻すようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、音声及び画像をデータとして記録再生する場合に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本実施の形態によるカメラ付きICレコーダの外観構成(1)を示す略線図である。
【図2】本実施の形態によるカメラ付きICレコーダの外観構成(2)を示す略線図である。
【図3】本実施の形態によるカメラ付きICレコーダの外観構成(3)を示す略線図である。
【図4】本実施の形態によるカメラ付きICレコーダの内部構成を示すブロック図である。
【図5】用件フォルダ選択画面等の構成を示す略線図である。
【図6】ボイスケープフォーマットのディレクトリ構造を示す略線図である。
【図7】用件フォルダ管理ファイルのデータ構造を示す略線図である。
【図8】画像管理ファイルのデータ構造を示す略線図である。
【図9】本実施の形態による用件ファイル編集システムの構成を示す略線図である。
【図10】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図11】メインウインド70の構成を示す略線図である。
【図12】ICレコーダ情報表示部の他の表示例を示す略線図である。
【図13】ピクチャウインドの拡大表示を示す略線図である。
【図14】メニュー表示を示す略線図である。
【図15】編集ウインドの構成を示す略線図である。
【図16】再生スライドバーの拡大を示す略線図である。
【図17】操作指示ポインタの表示を示す略線図である。
【図18】スライダの追従の説明に供する略線図である。
【図19】画像選択ダイアログボックスの構成を示す略線図である。
【図20】新たなブックマーク縮小画像の表示を示す略線図である。
【図21】編集処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
1……カメラ付きICレコーダ、40……用件フォルダ編集システム、41……パーソナルコンピュータ、42……USBケーブル、50……CPU、51……ROM、52……RAM、53……ハードディスク装置、54……画像処理部、55……音声処理部、59……本体部、61……マウス、62……ディスプレイ、63……スピーカ、70……メインウインド、75……プレーヤ部、97……編集ボタン、110……編集ウインド、111……画像表示欄、112……編集プレーヤ、112A……編集位置操作部、112B……編集内容決定部、121……枠体、122……第1の再生スライドバー、122A、123A……スライダ、123……第2の再生スライドバー、124……操作ボタン群、124A……再生ボタン、124B……再生停止ボタン、124C……スライドバー拡大ボタン、124D……スライドバー縮小ボタン、125……スクロールバー、126……操作指示ポインタ、131……「ブックマークの追加」ボタン、132……「ブックマークの削除」ボタン、133……「ブックマークと音声の削除」ボタン、134……「元に戻す」ボタン、135……「初期状態に戻す」ボタン、140……画像選択ダイアログボックス、IM……拡大画像、R〜R……ブックマーク縮小画像、S〜S……ブックマーク、TMU……ツールメニュー、SMU……ショートカットメニュー、RT……編集処理手順。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声情報における1又は複数の音声位置に関連付けられた画像情報の音声位置を管理する管理情報を編集する編集装置において、
上記画像を、所定の画像サイズに変更してなる変更画像を生成する生成手段と、
上記音声情報の現在の再生位置を表し、かつユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1のスライダーバーと、当該再生位置を表し、かつ表示倍率が固定の第2のスライダーバーとを含むウインドを表示するウインド表示手段と、
上記ウインド表示手段に表示された上記第1のスライダーバーに沿って、上記画像が関連付けられた上記音声位置に、上記変更画像を表示すると共に、当該第2のスライダーバーに沿って、上記音声位置と対応する位置に所定のマークを表示する画像表示手段と
を具えることを特徴とする編集装置。
【請求項2】
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、上記ウインドの中央に配置され、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記第1のスライダーバーの直下に配置された
ことを特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項3】
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、枠体で囲まれ、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記枠体の直下に配置された
ことを特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項4】
上記生成手段は、
上記画像を、所定の画像サイズに変更してなる第1の変更画像又は当該第1の変更画像の画像サイズよりも大きい画像サイズでなる第2の変更画像を生成し、
上記ウインド表示手段は、
上記第1スライダーバー及び上記第2のスライダーバーと共に、上記第2の変更画像を表示する表示欄を表示し、
上記画像表示手段は、
そのとき表示している上記第1の変更画像と対応する上記第2の変更画像を上記表示欄に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項5】
上記表示欄は、上記ウインドの上段に配置され、
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、上記ウインドの中央に配置され、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記第1のスライダーバーの直下に配置された
ことを特徴とする請求項4に記載の編集装置。
【請求項6】
上記画像表示手段は、
そのとき表示している上記第1の変更画像と、当該第1の変更画像と対応する上記マークを強調表示すると共に、当該第1の変更画像と対応する上記第2の変更画像を上記表示欄に表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の編集装置。
【請求項7】
音声情報における1又は複数の音声位置に関連付けられた画像情報の音声位置を管理する管理情報を編集する編集方法において、
上記画像を、所定の画像サイズに変更してなる変更画像を生成する第1のステップと、
上記音声情報の現在の再生位置を表し、かつユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1のスライダーバーと、当該再生位置を表し、かつ表示倍率が固定の第2のスライダーバーとを含むウインドを表示する第2のステップと、
表示された上記第1のスライダーバーに沿って、上記画像が関連付けられた上記音声位置に、上記変更画像を表示すると共に、当該第2のスライダーバーに沿って、上記音声位置と対応する位置に所定のマークを表示する第3のステップと
を具えることを特徴とする編集方法。
【請求項8】
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、上記ウインドの中央に配置され、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記第1のスライダーバーの直下に配置された
ことを特徴とする請求項7に記載の編集方法。
【請求項9】
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、枠体で囲まれ、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記枠体の直下に配置された
ことを特徴とする請求項7に記載の編集方法。
【請求項10】
上記第1のステップでは、
上記画像を、所定の画像サイズに変更してなる第1の変更画像又は当該第1の変更画像の画像サイズよりも大きい画像サイズでなる第2の変更画像を生成し、
上記第2のステップでは、
上記第1スライダーバー及び上記第2のスライダーバーと共に、上記第2の変更画像を表示する表示欄を表示し、
上記第3のステップでは、
そのとき表示している上記第1の変更画像と対応する上記第2の変更画像を上記表示欄に表示する
ことを特徴とする請求項7に記載の編集方法。
【請求項11】
上記表示欄は、上記ウインドの上段に配置され、
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、上記ウインドの中央に配置され、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記第1のスライダーバーの直下に配置された
ことを特徴とする請求項10に記載の編集方法。
【請求項12】
上記第3のステップは、
そのとき表示している上記第1の変更画像と、当該第1の変更画像と対応する上記マークを強調表示すると共に、当該第1の変更画像と対応する上記第2の変更画像を上記表示欄に表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の編集方法。
【請求項13】
音声情報における1又は複数の音声位置に関連付けられた画像情報の音声位置を管理する管理情報を編集する編集プログラムにおいて、
コンピュータに対して、
上記画像を、所定の画像サイズに変更してなる変更画像を生成する第1の処理と、
上記音声情報の現在の再生位置を表し、かつユーザ操作に応じて表示倍率を変更自在の第1のスライダーバーと、当該再生位置を表し、かつ表示倍率が固定の第2のスライダーバーとを含むウインドを表示する第2の処理と、
表示された上記第1のスライダーバーに沿って、上記画像が関連付けられた上記音声位置に、上記変更画像を表示すると共に、当該第2のスライダーバーに沿って、上記音声位置と対応する位置に所定のマークを表示する第3の処理と
を実行させることを特徴とする編集プログラム。
【請求項14】
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、上記ウインドの中央に配置され、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記第1のスライダーバーの直下に配置された
ことを特徴とする請求項13に記載の編集プログラム。
【請求項15】
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、枠体で囲まれ、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記枠体の直下に配置された
ことを特徴とする請求項13に記載の編集プログラム。
【請求項16】
上記第1の処理では、
上記画像を、所定の画像サイズに変更してなる第1の変更画像又は当該第1の変更画像の画像サイズよりも大きい画像サイズでなる第2の変更画像を生成し、
上記第2の処理では、
上記第1スライダーバー及び上記第2のスライダーバーと共に、上記第2の変更画像を表示する表示欄を表示し、
上記第3の処理では、
そのとき表示している上記第1の変更画像と対応する上記第2の変更画像を上記表示欄に表示する
ことを特徴とする請求項13に記載の編集プログラム。
【請求項17】
上記表示欄は、上記ウインドの上段に配置され、
上記第1のスライダーバー及び上記変更画像は、上記ウインドの中央に配置され、
上記第2のスライダーバー及び上記マークは、上記第1のスライダーバーの直下に配置された
ことを特徴とする請求項16に記載の編集プログラム。
【請求項18】
上記第3の処理は、
そのとき表示している上記第1の変更画像と、当該第1の変更画像と対応する上記マークを強調表示すると共に、当該第1の変更画像と対応する上記第2の変更画像を上記表示欄に表示する
ことを特徴とする請求項16に記載の編集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−173796(P2006−173796A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360458(P2004−360458)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】