説明

練習用唾液乾燥模様の形成方法とその付属品。

【課題】唾液乾燥模様に依って、女性の排卵日を予想する拡大鏡に於いて、その商品が届いたら直ぐにでも、排卵日近くの時に生じると言われているシダの葉状の唾液乾燥模様を見る事が出来る方法と拡大倍率の高いカード型の単式顕微鏡を使った方法と、それ用の付属の試料保持枠シートを提供する。
【解決手段】 故意に唾液に食塩を適量溶かして、それを透明な試料保持体に塗布して乾燥させる事によって、擬似のシダの葉状模様を形成させ、細部を大きく拡大して観察する事と1度の標本採集で複数個の試料の観察を可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は女性の排卵日を唾液で判定しようとする携帯用唾液乾燥模様観察のための、練習用の唾液乾燥模様の形成方法と、それに使用する付属品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これに関する器具は排卵日、或いは排卵期チェッカーなどの名称で市販されており、特許が成立している物もある。
特許文献1の携帯用排卵日測定器と特許文献2の唾液乾燥組織検査用拡大鏡がそれである。
【0003】
これらは2〜40倍程度の拡大用レンズと試料である唾液を塗布して乾燥させる、ガラス製の試料保持部材からなるもので、女性が使う口紅の容器に似せた、筒型をしている物で、前記ガラス面に唾液を塗布して乾燥させたら、前記の筒状の容器に入れて、レンズの焦点を合わせて、唾液の乾燥組織を観察するものである。
そして、特許文献1と2の違いを大まかに言えば、模様見本を単なる印刷物として提供するか、拡大鏡の中に組み込んであるかの違いだけであるが、前記特許文献2の解決しようとする課題と本件の解決しようとする課題には一脈通ずるものがある。
【0004】
また、先に本出願人が製造コストの低減を図る目的で特許文献3の様な単式顕微鏡のレンズに直接唾液を塗布して乾燥組織を観察する方法も公知になっている。
【特許文献1】 特許第2608687
【特許文献2】 特許第2757301
【特許文献3】 特 開2008−46099
【特許文献4】 特許第3806828
【発明の表示】

【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これら従来の物は以下の様な問題点がある。
イ・その商品が手元に届いた時に、望めば誰でもが、すぐに自分自身の排卵日近くの時に現れると言われている唾液乾燥模様を見る事は出来ない。
それは、排卵日は28日周期で起こるからであり、だから、その日が来るまで、説明書による方法などでの唾液の標本採取をする他ないが、自身の標本の採取方法が正しくないがために模様が出ないのではないかと言う疑問と、本当は出ているのに何がその時の模様なのかが解らないため見過ごしているのではないか、と言う思いが常に付きまとい、何度も採取するようになり、それでも確信が得られずいらいらしてしまう。
ロ・一度に複数の標本採取が出来ないし前の試料との比較が出来ない。
観察の際に1度に1個のサンプルしか透明試料保持部材に塗布出来ないため、それの乾燥時間を待たなければ次の標本の観察を行う事が出来ないので、前記の不安が生じている場合は何回も行いたくなるので、長い時間かかってしまうし、前の試料を拭きとってから次の試料を塗布して乾燥するのであるから、前のものとの比較ができない。
ハ・拡大倍率が低い。
従来の筒型の拡大鏡では唾液を塗布して乾燥させてから、筒の中に入れてしまうので、試料保持部材を自由に動かせないので、視野の観点から、倍率を2倍〜40倍程度と低めにせざるを得ず、そのため、模様の細部の形状が解らない、但し前記特許文献3にあっては拡大倍率は200倍以上あるから倍率の点では課題をクリアしているのではあるが、レンズに塗布してあるがため、広範囲にわたって組織を観察する事は不可能であった。
【課題を解決する為の手段】
【0006】
そこで、本出願人はイの問題を解決するためには実際の模様と同様な擬似唾液乾燥模様を作る事が出来れば、唾液の採取方法と、その観察法を何度でも好きなだけ、手元に商品が届いた時から練習が出来るから、正しい自分自身の唾液の採取方法が体得出来るはずであると考えた。
特許文献1では、ホルモンによる排卵のメカニズムとその時の唾液乾燥模様とを説明してあるが、本出願人は、単純に女性の体液は受精の時期になると太古の海のような状態になり、精子が活動しやすくなるのだ、と考えた、ちょうど魚が海水中で精子を放出して、メスの卵と結合して新たな生命を生み出す仕組みである。
だから、唾液に食塩を加えて海水の様にして、それを乾燥させれば、誰でも何処でも植物のシダの葉状の模様、或いは上空から見た住宅街の道路の様な模様が見られるはずだと考えた。
この考えに基づき本出願人は指先に付けた適量(5ミリグラム程度)の食塩の粒を口腔内の唾液で溶かし、これを前記文献の唾液乾燥模様用拡大鏡の透明試料保持部材である透明ガラスに塗布して乾燥させたら、唾液中のムチン質(ネバネバ・ヌルヌル)と塩分が適量の時に、女性の排卵時のホルモンにより生じる、唾液乾燥に依る模様とほぼ同様な各種の模様を透明な試料保持部材であるガラス面上に形成できる事を見え出して本発明に至った。
【0007】
従って、請求項1の発明はイの課題を解決するための方法であり、唾液乾燥模様に基づく女性の排卵日を携帯用拡大鏡などで判定する場合、拡大鏡の透明試料保持部材に、単なる唾液だけでなく、適量の食塩を唾液で溶かして、それを塗布し乾燥させて、女性自身のホルモン等による模様と同様な模様を透明試料保持部材上に形成させる事が特徴の観察練習用の人為的な唾液乾燥様の形成方法である。
尚、唾液中のムチンの量と塩分量が少ないとシダの葉様の模様はハッキリとしないし、数が少なくなるので、唾液採取時点の口腔内のネバネバ加減で唾液採取時点が適切か否かが体得出来るし、自分の唾液による模様を見る事が出来て、以後の擬似でない本物の自分の唾液乾燥模様を正しく認識できる様になる。
勿論、模様が如何に、きれに出たからと言って、それによって排卵が確実に起こるとか、起こっている事が保証される訳ではない。
本出願人の見解としてはこの様な植物のシダの葉或いは、上空から見た住宅街の道路の様な模様が出る時は女性の体では精子の動きやすい状態になっているので妊娠率が高いので、妊娠を望んでいる人にも又、その反対の人達にもこの模様の出現は、とても役立つものであり、排卵日と唾液乾燥模様との相関関係の高い事が他の方法、例えば基礎体温の測定などによって解った人達にとっては経済的で便利な物になる事は間違いない。
【0008】
又、請求項2の発明は前述した課題のロの1度に1個の標本採取しか出来ない点の解決とハに対する高倍率で広範囲の観察を可能ならしめるための試料保持体に関するものであり、先に本出願人が提案した特許文献4のカード型をした単式顕微鏡は200倍以上の高倍率の製作が容易で観察範囲を移動出来るので、結果的に視野の広い顕微鏡と等価でしかも安価に提供出来るので、拡大鏡としては、この様な単式顕微鏡を用いる事がベストであり、図1のカード型をしたレンズ保持シート2と開口部を複数個有するカード型をした試料保持枠シート3の該開口部4、5、6に透明試料保持部材である透明フイルム7を貼り付けた物全体を試料保持体8として、前記開口部の前記透明試料保持部材である透明フイルム部分に適量の食塩を唾液で溶かして塗布し乾燥させて、前記レンズ保持シート2が前記試料保持体8の開口部にある試料保持部材である透明フイルム面に形成されている唾液乾燥組織の面でない面側に来る様に重ね合わせて、2本の指で擦り合わせて、観察ポイントを移動させながら唾液乾燥組織を観察する顕微鏡に於いて、試料保持枠シート3の開口部の透明な試料保持部材である透明フイルム部分に適量の食塩を唾液で溶かして観察練習用の人為的な唾液乾燥模様を形成させた試料保持体である。
【0009】
又、請求項3の発明は請求項2に於ける、透明試料保持部材である透明フイルムをセロテープ様の片面粘着剤塗布の透明フイルムにして、試料保持枠シートの開口部分に現れる粘着剤部分に適量の食塩を唾液で溶かして乾燥させて人為的な唾液乾燥模様を形成させる事が特徴の請求項2記載の観察練習用の人為的な唾液乾燥模様を形成させた試料保持体である。
唾液を塗布する部分を粘着剤側にする事は模様が1日から5日程度も消えないで残る(残る時間は周囲の湿度に関係し、湿度が高いと短くなる)から、前回との比較可能になる事と、忙しい時など、帰宅してからでも観察が出来て便利である事(唾液の乾燥時間は寒い地方ではストーブなどで乾燥させないと10分以上もかかる場合もある)、それと、セロテープ様の物は一般家庭で購入しやすい物でもあり、ロール状に巻かれていて粘着面が衛生的でもあり、1度使ったら剥がして捨てて、直ぐ新しいテープに張り替える事が出来ると言った各種の利点があるからである。
【0010】
請求項4の発明はカード型をしたレンズ保持シートと開口部を複数個有するカード型をした試料保持枠シートの前記開口部に透明試料保持部材としてセロテープ等を貼り付けた物を試料保持体として、前記レンズ保持シートと前記試料保持体の2枚を粘着剤塗布側でない面で重ね合わせて2本の指で擦り合わせて、観察ポイントを移動させながら唾液乾燥模様を観察するカード型の顕微鏡に於いて、試料保持枠シート両端、図で示すと図2の9及び10のカード短辺部分近辺の表裏に渡って粘着剤の接着力を弱める部分を設けて、セロテープ様のフイルムを剥がし易くして、新品と交換しやすくする事で衛生面の向上と試料保持部材の透明テープが試料保持枠シートに強く張り付き、剥がす時に試料保持枠シートが曲がって破損するのを防ぐ工作を施した試料保持枠シートである。
【発明の効果】
【0011】
前記発明は前記の発明が解決しようとする課題のイ、ロ及びハを全て解決するものであり、課題を解決出来た事が即、それが本発明の効果でもあり、特に商品が手元に届いた時から、高倍率で自分自身の乾燥唾液の排卵日近くの模様が如何なる物かが解るため、正しい試料標本を作製出来て確信を持って模様云々の判断が可能になる事が従来の技術にない特筆すべき効果である。
【発明を実行するための最良の形態】
【0012】
本発明の最良の形態は
(1)・図2に示す様に厚さ0.2mmで30×90mmの略長方形のPP製フイルムにφ8mmの開口部4、ないし1辺8mmの四角形5、ないし前記と同じ程度の開口の面積を設けた三角形6、等の異形の開口部を設けて、このカード両端の短辺部近辺部分のカード両面、即ち表裏に片面粘着塗布で、もう片面に剥離剤が塗布された粘着テープ(荷造り用の紙テープ)等を図3の様に楕円形に打ち抜き、それを半分に折る様にしてそれぞれ9,10の様に裏と表にくる様に貼り付けるか、或いは図4の様に、この部分に微小な径のエンボス加工(凹凸)13,14を施して、テープを貼った時の接触面積を小さくする事で剥がし易い部分を作り、これを試料保持枠シート3とする。
(2)・前記試料保持枠シート3を図1の3として、開口部4,5,6に片面粘着剤付きのセロテープ様のフイルム7を透明試料保持部材として貼り付ける。
(3)・前記(1)、(2)の様にして作成した図1の試料保持体8として、この開口部4,5,6の部分に現れる粘着剤部分に適量の食塩を溶かした唾液を塗布し乾燥させて、レンズ保持シート2のレンズ1が開口部に来るようにして、7の粘着剤側でない面側に重ね合わせて2本の指で曲げたりして、擦り合わせるようにして観察範囲をずらしながら唾液乾燥模様を観察する訳である。
本発明は、この透明試料保持部材に適量の食塩を溶かした唾液を塗布して乾燥模様を形成する方法であり、他の発明はそれが形成された試料保持体8に関する発明であり、さらに他の発明は試料保持枠シート3に関するものである。
【産業上の利用可能性】
【0013】
ムチンは納豆の様な物でも、又その他の物でもネバネバ・ヌルヌルのムチン質であれば模様は生じるので、これと食塩と水でも試料保持体に塗布して乾燥させれば、各種の模様が生じる事も解ったので、本発明は単なる女性用の排卵日云々と言った用途でなく、理科の良い教材にもなり得るものでもある。
尚、食塩の量の割合が多ければ通常の塩の結晶として知られているピラミッド型に見える模様が多くなる事も解ったし、最近、水からのメッセージなる、水の結晶模様を写真に撮って、あたかも水が、さも人間の言葉、ないしは気持さえも理解できる様な本が出版されていて、学校の先生でもそれが本当の事の様に生徒に話している事に対して、危ぐしている科学者が、いせ科学であるとして、警鐘を鳴らしているが、本発明は納豆の様なムチン質と水と塩で、さまざまな結晶模様が生じるので、水を凍らして結晶を作る様な大げさな設備を必要としないので、本方法で科学的な真実を、自ら知る機会を与える事が出来るのではと期待している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】カード型顕微鏡使用の本発明の構成図
【図2】試料保持枠シートの実施例の説明図
【図3】図2の9,10の説明図
【図4】図2の試料保持枠シートの別の実施例の説明図
【符号の説明】
【0015】
1 レンズ
2 レンズ保持シート
3 試料保持枠シート
4,5,6 開口部
7 試料保持部材
8 試料保持体
9,10,13,14 粘着剤が剥がれやすくした部分
11 楕円形にカットした紙テープ
12 折り曲げる位置を示す

【特許請求の範囲】
【請求項1】
唾液乾燥模様に基づく女性の排卵日を携帯用拡大鏡などで判定する場合、前記拡大鏡の透明試料保持部材に、単なる唾液だけでなく、適量の食塩を唾液で溶かして、それを塗布し乾燥させて、女性自身のホルモン等による模様と同様な模様を前記透明試料保持部材上に形成させる練習用の人為的な唾液乾燥模様の形成方法。
【請求項2】
レンズを保持したカード型のレンズ保持シートと開口部を複数個有するカード型をした試料保持枠シートの前記開口部に透明試料保持部材である透明フイルムを貼り付けた物を試料保持体として、前記開口部の透明フイルムに適量の食塩を唾液で溶かして塗布し乾燥させて、前記レンズ保持シートが前記試料保持体の開口部にある透明試料保持部材である透明フイルム面に形成されている唾液乾燥組織の面でない面側に来る様に重ね合わせて2本の指で擦り合わせて、観察ポイントを移動させながら唾液乾燥模様を観察する顕微鏡に於いて、試料保持枠シートの開口部の透明試料保持部材である透明フイルム部分に適量の食塩を唾液で溶かして練習用の人為的な唾液乾燥模様を形成させた試料保持体。
【請求項3】
請求項2に於ける、透明試料保持部材の透明フイルムがセロテープ様の片面粘着剤塗布の透明フイルムであり、試料保持枠シートの開口部分に現れる粘着剤部分に適量の食塩を唾液で溶かして乾燥させて人為的な唾液乾燥模様を形成させる事が特徴の請求項2記載の練習用の人為的な唾液乾燥模様を形成させた試料保持体。
【請求項4】
レンズを保持したカード型のレンズ保持シートと開口部を複数個有するカード型をした試料保持枠シートの前記開口部にセロテープ様の片面粘着剤塗布の透明フイルムを貼り付けた物を試料保持部材として、前記レンズ保持シートと前記試料保持体の2枚を重ね合わせて2本の指で擦り合わせて、観察ポイントを移動させながら唾液乾燥模様を観察するカード型の顕微鏡に於いて、試料保持枠シートの両端の短辺部分近辺に表裏にかけて前記片面粘着剤塗布の透明フイルムの接着力を弱める部分を設けて、セロテープ様のフイルムを剥がし易くして、新品と交換しやすくする事で衛生面の向上と試料保持枠シートの長寿命化を図った事が特徴の試料保持枠シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−181390(P2010−181390A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48571(P2009−48571)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セロテープ
【出願人】(595030181)
【Fターム(参考)】