縦形製袋充填機
【課題】折り目がきれいな角底と扁平な上部を有する包装袋を簡単な構成で製造する。
【解決手段】製袋チューブ2の下部に設けた角筒成形部2aによって包装筒fを角筒状に形成する。角筒成形部2aと横シーラ11の間隔を底部シール部のシール時に小さく、上部シール部のシール時に大きく設定する上下動機構を備える。横シーラ11はガセット爪13と垂直折りガイド14を有するガセット折り機構と連動して、角筒状包材の角底を形成して底部シール部をシールする。上下動機構で角筒成形部2aを横シーラ11から離間させた状態で横シーラ11によって包装筒fの上部を扁平に挟んでシールし、上部シール部を形成する。カッタは横シーラ11上のカッタガイド部でガイドされながら包装袋Fを切断する。
【解決手段】製袋チューブ2の下部に設けた角筒成形部2aによって包装筒fを角筒状に形成する。角筒成形部2aと横シーラ11の間隔を底部シール部のシール時に小さく、上部シール部のシール時に大きく設定する上下動機構を備える。横シーラ11はガセット爪13と垂直折りガイド14を有するガセット折り機構と連動して、角筒状包材の角底を形成して底部シール部をシールする。上下動機構で角筒成形部2aを横シーラ11から離間させた状態で横シーラ11によって包装筒fの上部を扁平に挟んでシールし、上部シール部を形成する。カッタは横シーラ11上のカッタガイド部でガイドされながら包装袋Fを切断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部が角底で上部が扁平に形成された包装袋を製造するための縦形製袋充填機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底部が角底で上部が扁平に形成された包装袋を製造するための縦形製袋充填機として例えば特許文献1、2に記載されたものがある。特許文献1に記載された縦形製袋充填機では、円筒状の製袋筒の下部に二対の裏板が垂下され、下端が開放された包装袋を裏板上に繰り出した位置で左右の裏板間に外方からガセット爪を入り込ませて包装袋の底部を角底とその下に位置する底部シール部からなるガセットに形成する。そして第一の横シーラで包装袋底部の底部シール部をシールし、内部に粉体などの内容物を充填した後に包装袋の開口部を扁平に押えながら第二の横シーラでトップシールを施して上部シール部を形成することで包装袋を製造することになる。
また、きれいな角底の折り目が形成された包装袋を製造するための縦形製袋充填機の発明として特許文献2に記載されたものがある。この特許文献2では、円筒状の製袋筒の下部に角筒成形部を形成し、下端が開放された筒状包材を角筒成形部から繰り出した位置で、角筒成形部の下部からガセット爪と垂直ガイドを入り込ませて包装筒の底部に角底と底部シール部からなるガセットを形成する。これに連動してガセット爪と垂直ガイドの間に横シーラを進入させてヒータブロックで包装袋を挟み込み、包装袋の上部と底部を同時に横シールする。そして、ヒータブロック内に設けられたカッタによって、上部シール部と次の包装袋の底部シール部との間を切断することで、上下部を密封された包装袋が落下する。一方、次の包装袋は底部がシールされているために、製袋筒から内容物が落下して充填される。
【特許文献1】特許第2673246号公報
【特許文献2】特開2003−200908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の縦形製袋充填機は、裏板間にガセット爪を差し込んでガセットを折り込むために、角底の折り目がきれいに形成できず水平な四角形の角底にならないために袋の起立性や自立性が悪かった。しかも角底の底部シール部の合わせ目がばらついてしまい、包装袋の見栄えも悪かった。また上部シール部用と底部シール部用の二つの横シーラを必要とするために各横シーラの温度調整をしなければならず、駆動手段が複数必要である上に構造が複雑であるという欠点もある。
この欠点を解消するために、特許文献1記載の縦形製袋充填機に特許文献2に記載の角筒成形部を採用し、ガセット爪と垂直ガイド2を利用して良好な角底を形成することも考えられる。しかしながら、良好な角底を形成するためには角筒成形部と底部横シーラが近接して配設されなければならず、上部横シーラ上側のカッタと底部横シーラの上面との間隔が底部シール部の長さに比例するため、角筒成形部と上部横シーラとの間隔を長く取れなかった。そのため、包装筒について上部シール部をシールする際に開口部を楕円にできないために、良好な扁平折りと上部シールができないという欠点がある。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて、折り目がきれいで良好な角底で扁平な上部を有する包装袋を製造できるようにした縦形製袋充填機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による製袋充填機は、包材を製袋筒に沿って搬送して略角筒状に成形して角底と該角底の底部シール部を形成し、その上部開口部を扁平にして上部シール部を形成し、該上部シール部の上流側で包材を切断して包装袋を製造するようにした縦形製袋充填機において、製袋筒の下部に設けられていて包材を角筒状に成形する角筒成形部と、略角筒状の包材の底部シール部と上部シール部とを別個にシールする横シーラと、底部シール部のシール時に横シーラに同期して角筒状の包材の底部を角底と底部シール部として折り込むガセット折り機構と、角筒成形部と横シーラの間隔を底部シール部のシール時と上部シール部のシール時とで変更させる間隔変更手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、包材を製袋筒の角筒成形部に通すことで角筒状に形成し、角筒成形部の下部でガセット折り機構で角筒状の包材を角筒と底部シール部として折り込むと共にその底部シール部を横シーラでシールし、その後に間隔変更手段で横シーラと角筒成形部との間隔を長く変更した状態で横シーラによって筒状包材の上部をシールして上部シール部を形成する。横シーラと角筒成形部との間隔を長く設定したことで、包材の上部シール部を形成する領域は角筒形状から楕円形状に変形しているから折り目がきれいで扁平な上部シール部を形成できる。
【0006】
また、角筒成形部の下側で包材を切断するカッタと、該カッタの移動をガイドすると共に底部シール部及び上部シール部を折り込むカッタガイド部とを備えていることが好ましい。
カッタを移動して包装筒の上部シール部の上方を切断する際にカッタガイド部でガイドされるから、カッタの移動と切断がスムーズである。しかも、底部シール部や上部シール部を加熱シールする際にカッタガイド部で挟んで折り込むことで、きれいな折り目を形成できる。
また、カッタガイド部と横シーラとの間に断熱部材が設けられていてもよい。
横シーラで加熱シールする際に、断熱部材が介在することで熱がカッタガイド部に伝導するのを抑制して次の包装袋用の包材部分の不要な熱溶着を防止できる。
また、カッタガイド部は少なくとも包装袋の底部シール部を挟持する部分が断熱材で形成されていてもよく、これによっても熱がカッタガイド部に伝導するのを抑制して次の包装袋用の包材部分の熱溶着を防止できる。
また、製袋筒の下部には包装袋の上部開口を扁平にするための拡張ガイドと、該拡張ガイドを製袋筒に密接させる押え部材とを備えていてもよい。
横シーラによって上部シール部をシールする際に包装筒について折り目のきれいな扁平形状を形成できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、折り目がきれいな角底の底部シール部と扁平な上部シール部を有する包装袋を製造できると共に、1つの横シーラで底部シール部と底部シール部を別個に形成できるから構成が簡単で低コストである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態による縦形製袋充填機を図1乃至図11により説明する。図1は縦形製袋充填機の概略斜視図、図2は製袋筒の部分の要部正面図、図3は横シール機構を示す平面図、図4は横シール機構の側面図、図5はガセット折り機構を示す側面図、図6は底部シール部のシール状態を示す斜視図、図7は上部シール部のシール状態を示す図、図8はガセット折り機構の要部縦断面図、図9はガセット折り機構の要部側縦断面図、図10はタイミングチャート、図11は包装袋の斜視図である。
本実施形態による縦形製袋充填機について説明する前に、この縦形製袋充填機で製造する角底と扁平な上部を有する包装袋Fについて図11により説明する。図11において、包装袋Fは、角底101が四角形平面形状であり、その中央の底部シール部102はシール五に角底101に折り曲げられる。角底101の各辺から上方に向けて延びる側面は次第に拡幅された対向する一対の扁平面103a、103bと角底101から上端に向けて次第に幅が狭くなる略二等辺三角形状の側面104a、104bとで形成されている。
扁平面103a、103bは上端の開口部が扁平に重ねられてシールされて上部シール部105を構成する。なお、包装袋Fの一方の扁平面103aには角底101から上端にかけて縦シール部106が設けられている。
【0009】
図1に示す縦形製袋充填機1は、例えば断面円形(断面略四角形でもよい)をなす製袋チューブ2(製袋筒)が上下方向に配設され、その下端は断面四角形の角筒成形部2aが形成されている。製袋チューブ2の上端には製袋する包装袋Fの中に充填する内容物を供給するためのホッパ3が設けられている。ホッパ3の下方には製袋ガイド4が取付けられている。製袋チューブ2の外周面と製袋ガイド4の内周面との間にはフィルムf(包材)を通過させる平面視略円形の空間が設けられている。
ここで、角筒成形部2aは、図2、図6,図7に示すように下端の四角形開口を形成する四辺から上方向(ホッパ3方向)に頂部を形成する三角形状の各一対の平面2b、2cと隣接するこれら平面間の円筒周面2dとで形成されている。幅広の平面2b、2bは包装袋Fの扁平部103a、103bを形成し、幅の狭い平面2c、2cは側面104a、104bを形成する。
製袋チューブ2の側方にシート状のフィルムfを巻回するフィルムロール5が設けられており、このフィルムロール5から繰り出されたフィルムfは製袋ガイド4で折り曲げられて製袋チューブ2との間の空間を通って円筒状に成形され、製袋チューブ2の下端に設けた角筒成形部2aによって略角筒状に折られて下方に送られることになる。なお、製袋ガイド4によってフィルムfは略円筒状に形成されて包装筒fとなり、その幅方向両端部が製袋チューブ2上に折り重ねられて縦シール部106を形成して搬送される。
【0010】
製袋チューブ2において、製袋ガイド4の下方には製袋チューブ2の外周面に沿って、略筒状に成形されて搬送されるフィルムfを製袋チューブ2の外周面にエアで吸着して連続的に下方に繰り出し搬送するための繰り出しベルト7が一対設けられている。一対の繰り出しベルト7,7間には、縦シール部106を加熱シールするための縦シーラ9が設けられている。
更に製袋チューブ2下端の角筒成形部2a下側には、包装袋Fの上部と下部を個別に水平方向にシールする横シーラ11が設けられている。角筒成形部2aと横シーラ11部との間にはシールされた底部シール部102を折り曲げて角底101に熱溶着させるための倒し板12が進退可能に配設されている。
角筒成形部2aと横シーラ11部との間には、包装筒fのガセットを形成するための一対のガセット爪13、13が角筒成形部2aの両側に対向して進退可能に設けられている。横シーラ11の下方には垂直折りガイド14、14が設けられ、ガセット爪13、13と一体に進退して包装袋Fの側面104a、104bの延長上に袋底部を形成する包装筒fの対向する二面を略V字状に内側に押すようにしている。
【0011】
図1及び図2において、ホッパ3近傍の製袋チューブ2には製袋チューブ2を所定距離だけ上下動させる上下動機構16(間隔変更手段)が設けられている。上下動機構16は製袋チューブ2を把持する一対の把持アーム17と、基板18に支持されていて把持アーム17を上下動させることで製袋チューブ2を所定距離だけ上下動させるシリンダやモータ等の駆動源19とで構成されている。
そして、上下動機構16で製袋チューブ2を下降位置L1(図6参照)に移動させた状態で包装袋Fの底部シール部102のシールを行い、上昇位置L2(図7参照)に保持した状態で包装袋Fの上部シール部105のシールを行うことになる。
【0012】
次に縦形製袋充填機1の包装袋Fの製造装置について図2乃至図9により説明する。
図3及び図4において、横シール機構21は製袋チューブ2における角筒成形部2aの下側で、角筒成形部2aから繰り出される角筒状に形成された包装筒fに直交する水平面内に包装筒fを挟んで両側に横シーラ11のヒータブロック11a、11bが開閉可能に配設されている。各ヒータブロック11a、11bの両側にはこれらヒータブロック11a、11bに直交する方向に一対の軸部22、22がそれぞれ設けられ、それぞれ3つの軸受23、23、23で摺動可能に支持されている。
両軸部22、22間には、モータM1の出力軸に連結されていてA,B方向に揺動可能な揺動軸24が軸部22と略直角な方向に配設されている。揺動軸24の両側には腕部25、25が設けられ、各腕部25の両端にはクランクアーム26a、26bが取付けられている。一方のクランクアーム26a、26aの他端は、一方のヒータブロック11aを支持する支持枠27に連結され、支持枠27の両端に設けられた貫通孔27a、27aは軸部22、22に摺動可能に挿通されている。支持枠27の両端には外側に屈曲するカム28、28が取付けられている。
【0013】
また、他方のクランクアーム26b,26bの他端は摺動枠30に連結され、摺動枠30の両端は軸部22、22に固着されている。軸部22、22の他端には、他方のヒータブロック11bを支持する支持枠31が連結固定されている。
そのため、モータM1の駆動によって揺動軸23を揺動させる際、図4でA方向に回動させると両側の各腕部25を介してクランクアーム26a、26bは相互に伸張する方向に移動して、支持枠27と摺動枠30及び軸部22、22及び支持枠31とを介して一対のヒータブロック11a、11bが互いに近接する方向に移動して包装筒fを挟んで密着して横シールする。また、モータM1を逆回転させて揺動軸23をB方向に回動させるとクランクアーム26a、26bは相互に収縮する方向に移動して、支持枠27と摺動枠30及び軸部22、22及び支持枠31とを介して一対のヒータブロック11a、11bは互いに離間する。
【0014】
次にガセット折り機構32について図3及び図5により説明する。
図3において包装筒fを挟んで対向する位置にガセット爪13、13が配設されており、各ガセット爪13は支持アーム33を介してシリンダ34に連結されており、シリンダ34によって角筒成形部2aと横シーラ11との間の隙間を進退可能とされている。各支持アーム33にはさらに垂直折りガイド14が連結されており(シリンダ34に連結してもよい)、ガセット爪13と同期して進退する。各支持アーム33上にはカムローラ35も設けられている。なお、図3に示すガセット折り機構32において、左方ではガセット爪13を示し、右方では垂直折りガイド14を示している。
そして各シリンダ34の作動によって支持アーム33及びガセット爪13は外側から包装筒fのある内側に向けて動きだし、カムローラ35がカム28に当接することでシリンダ34の駆動力が小さいために移動を規制される。そして、カム28の移動に連動してカムローラ35が移動することでガセット爪13及び垂直折りガイド14も連動する。そのため、カム28がカムローラ35に当接した位置から、ガセット爪13と垂直折りガイド14は横シーラ11の各ヒータブロック11a、11bの閉作動に連動する。
また、横シーラ11は包装袋Fの底部シール部102のシール時と上部シール部105のシール時との2回作動する。底部シール部102のシール時には、上下動機構16により製袋チューブ2は各ヒータブロック11a、11bの上面に近接した位置L1に保持され(図6参照)、上部シール部105のシール時には、製袋チューブ2は各ヒータブロック11a、11bの上面から上方に離間した位置L2に保持される(図7参照)。ガセット爪13と垂直折りガイド14は底部シール部102をシールする時に作動し、上部シール部105をシールする時には作動しない。
【0015】
また、図4及び図8に示すように、ヒータブロック11a(または11b)には、上部シール部105のシールが完了した包装袋Fを切断するカッタ37がそれぞれ設けられている。カッタ37はヒータブロック11aの上面に設けた断熱部材38を介してヒータブロック11a、11bと平行に進退可能に摺動する。カッタ37と角筒成形部2aとの間には、カッタガイド部40、40がそれぞれ設けられている。
ヒータブロック11a、11bと一体に進退するカッタガイド部40、40は、カッタ37の水平移動をガイドすると共にガセット爪13で角底101を折り込まれた包装筒fの底部シール部102を挟むことで角底101との折り目を形成する。なお、カッタガイド部40はヒータブロック11a、11bの上部に位置するためにシール熱の伝導を受け易い。そのため、断熱部材38で熱伝導を抑えると共に、上部シール部105のシール時に次の包装袋Fの角底101を形成する上方の包装筒fが加熱溶着されないように断熱材で製造するのが好ましい。
なお、図1に示すように上下動機構16、横シーラ11を作動させるモータM1、ガセット爪13及び垂直折りガイド14を作動させるシリンダ34、繰り出しベルト7、縦シーラ9、内容物供給装置41等は制御手段42に電気的に接続され、入力手段43からの設定入力に応じて作動制御される。
【0016】
本実施の形態による製袋充填機1は上述の構成を有しており、次にその作用を図10に示すタイミングチャートに沿って説明する。
先ず、包材ロール5から繰り出したフィルムfを製袋チューブ2と製袋ガイド4との間に挿入して円筒状に成形し、縦シーラ9で合わせ目を縦シールして縦シール部106を形成する。円筒状となった包装筒(フィルム)fは繰り出しベルト7で更に製袋チューブ2上を降下し、角筒成形部2aに到達することで角筒状に成形される。
そして、包装袋Fの角底101の成形に際して、予め上下動機構16によって製袋チューブ2の角筒成形部2aを横シーラ11近傍の位置L1に降下させて停止させる(図6(a)参照)。この状態から、シリンダ34、34を駆動して包装筒fを挟んで対向する一対のガセット爪13、13と垂直折りガイド14、14を包装筒f方向に作動させる。シリンダ34の駆動力は小さいため、支持アーム33のカムローラ35がカム28に当接することで移動が規制される(図3参照)。ここで、包装筒fは、角筒成形部2aから若干下方に繰り出して停止させる(図6(a)参照)。
次に、横シーラ11を閉作動させて包装袋Fの底部シール部102をシールすると共に角底101を形成する。即ち、図3に示すようにモータM1を駆動させて揺動軸24をA方向に回動させると、各クランクアーム26a、26bが互いに伸張する方向に作動する。クランクアーム26aによって支持枠27が押されて軸部22、22に沿って摺動し、ヒータブロック11aが包装筒f方向に移動する。これと同時にクランクアーム26bで摺動枠30が押されて軸部25,25、支持枠31を移動させ、ヒータブロック11bも包装筒f方向に移動する。
【0017】
支持枠27と一体にカム28も移動するため、カム28に当接するカムローラ35も連動し、ガセット爪13及び垂直折りガイド14からなりガセット折り機構32が連動して角筒状に成形された包装筒fの側面104b、104bに当接して両側から内側へ押し込む。このとき、図9に示すように包装筒fは角筒成形部2aの領域では角筒状に保持され、その下側ではガセット爪13、13が角筒成形部2a下端に沿って包装筒fの側面104b、104bを略V字状に内側に押し込むと共に、その下方では垂直折りガイド14、14がV字状の凹部を押圧して側面104b、104bの折り込みを促進する。
これによって包装筒fの下端は長さLaだけ上方に持ち上がる。換言すれば、長さLaがガセット爪13による内側への折り込み量になる。そのため、この持ち上がり長さLaが短ければ底部シール部102の長さを短くできてフィルムfを節約できる。持ち上がり長さLaが長ければ底部シール部102の長さを長くできてフィルムfの折り込みを確実に行える。
そして、ガセット爪13の押し込みが完了した段階で包装筒fの角底101の折り込みが完了し、ヒータブロック11a、11bが底部シール部102を挟んで挟持する。このとき、カッタガイド部40、40も角底101に近接する位置で底部シール部102を挟み込む。この状態でヒータブロック11a、11bで底部シール部102を加熱シールする(図6(b)参照)。
【0018】
底部シール部102の加熱シールが開始すると共にソレノイド34、34を駆動してガセット爪13、13、垂直折りガイド14、14を元の位置に戻す。また、ホッパ3から供給された粉粒体等の内容物を製袋チューブ2を通して底部シール部102がシールされている包装袋F内に充填する。内容物充填時間の後半では底部シール部102のシールが終了し、ヒータブロック11a、11bを開放位置に戻す。またシール終了後に倒し板12を進出させて底部シール部材102を押し込んでヒータブロック11a,11bの間から外しながら角底101に押しつけて倒す。
そして、横シーラ11による底部シール部102のシールが終了すると、上下動機構16を作動して製袋チューブ2を位置L1から位置L2まで上昇させる。また、繰り出しロール7を駆動して包装筒fを更に降下させる。包装筒fの繰り出しが終了すると、図7(a)に示すように製袋チューブ2の角筒成形部2aが横シーラ11から離間した上昇位置L2に位置し、角筒成形部2aと横シーラ11との間に角底101及び底部シール部102の形成時より長い距離が形成される。これによって、角筒成形部2aで角筒状に形成された包装筒fはその下方の横シーラ11の領域では製袋チューブ2がないためにフィルムfの復元力により略楕円形の扁平状態に戻る。
【0019】
そして上下動機構16によって製袋チューブ2が位置L2まで上昇し終わる前に上部シール部105をシールするためにヒータブロック11a、11bが閉作動を開始する。この場合には、ガセット爪13と垂直折りガイド14は作動しない。ヒータブロック11a、11bで楕円形に変形した包装筒fを扁平に挟み込んだ状態で上部シール部105の加熱シールを行う(図7(b)参照)。
上部シール部105のシールが終了すると、カッタ37をカッタガイド40に沿って付き出し、上部シール部105の上側を切断する。これによって内容物を充填・封止した包装袋Fが製造されて落下する、このようにして包装袋Fの製造工程の1サイクルが終了する。
そして、上部シール部105のシール終了に先立ってガセット爪13及び垂直折りガイド14のソレノイド34が駆動開始することで次の包装袋Fの製造サイクルが開始する。
【0020】
上述のように本実施の形態によれば、折り目がきれいで良好な角底101及び底部シール部102と扁平な上部シール部105を備えた包装袋Fを製造できる。特に包装袋Fを製造するに際し角底101の底部シール部102を形成する場合には角筒成形部2aの近傍にカッタガイド部40やガセット爪13を進入させるためにこれらと角筒成形部2aとの隙間が小さく包装筒fが逃げないできれいな折り目を形成でき、上部シール部105を形成する場合には角筒成形部2aを上方に移動させることで角筒成形部2aから下方に延びる包装筒fが楕円形になって扁平できれいな折り目を形成できる。
また、断熱部材38を設け、またカッタガイド40を断熱材で形成したから、熱伝導し難く上部シール部105のシール時にカッタガイド部40、40で挟持する包装筒fが熱溶着するおそれがない。しかも、横シーラ11を1組設けて個別に底部シール部102と上部シール部105を製造したから、装置1の構成が簡単で低コストである。
【0021】
図12、図13は本実施形態による縦形製袋充填機1の変形例を示している。
扁平な上部シール部105を形成する場合、上述の実施の形態では製袋チューブ2を上方に移動させることで、角筒成形部2aと横シーラ11との距離を長く設定して包装筒fを横シーラ11の領域で折り目が弛んで楕円形になるようにしたが、本変形例では更に包装筒fの扁平を促進する構成を採用している。
即ち、製袋チューブ2の角筒成形部2aの対向する幅の狭い平面2c、2cに拡張ガイド45を取付けている。拡張ガイド45は例えば弾性を有する板材からなり、その上部の取付部45aが角筒成形部2aに固定され、下部の拡幅部45bが角筒成形部2aから下方に向かって離間する傾斜した形状とされている。また、拡張ガイド45の近傍には押えローラ46が図示しないシリンダーにより接離可能に配設されている。
【0022】
そのため、包装筒fの上部シール部105をシールする場合、包装筒fは角筒成形部2aから横シーラ11方向に降下する際に一対の拡張ガイド45、45の拡幅部45b、45bによって拡幅されて扁平になる。そのため、ヒータブロック11a、11bを閉鎖させて上部シール部105を熱溶着で形成する際に折り目のきれいな扁平面を容易に形成できる。
また、包装筒fの底部シール部102をシールする場合には、押えローラ46で拡張ガイド45の拡幅部45bを押さえ込んで包装筒fを角筒形状に成形した状態で角底101と底部シール部102を形成する。
なお、包装筒fを繰り出す際には押えローラ46を拡張ガイド45から離間させておくか、モータ等で回転させると良い。
【0023】
また、カッタガイド部40について、上述のように全体を断熱材で形成しなくてもよい。例えば、カッタガイド部40の先端部40aのみに断熱材を採用したり、先端部40aを切除して先端部40aで底部シール部102の付け根を挟み込まないようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では角筒成形部2aと横シーラ11との距離について上下動機構16で製袋チューブ2を上下動させて降下位置L1と上昇位置L2を選択的にとるように設定したが、これに代えて製袋チューブ2を固定させ、横シーラ11を上下動させて降下位置L1と上昇位置L2を取るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態による縦形製袋充填機の要部斜視図である。
【図2】製袋筒の部分の要部正面図である。
【図3】横シール機構とガセット折り機構を示す平面図である。
【図4】横シール機構の側面図である。
【図5】ガセット折り機構の側面図である。
【図6】(a)、(b)は底部シール部のシール状態を示す要部斜視図である。
【図7】(a)、(b)は上部シール部のシール状態を示す要部斜視図である。
【図8】底部シール部のシール状態を示す要部縦断面図である。
【図9】ガセット爪と垂直折りガイドによる角底折り込み状態を示す縦断面図である。
【図10】縦形製袋充填機による包装袋の製造工程を示すタイミングチャートである。
【図11】包装袋の斜視図である。
【図12】変形例による上部シール部を形成する状態の拡張ガイドを示す説明図である。
【図13】同じく底部シール部を形成する状態の拡張ガイドを示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 縦形製袋充填機
2 製袋チューブ(製袋筒)
2a 角筒成形部
11 横シーラ
11a、11b ヒータブロック
13 ガセット爪
14 垂直折りガイド
16 上下動機構(間隔変更手段)
21 横シール機構
32 ガセット折り機構
37 カッタ
38 断熱材
40 カッタガイド部
45 拡張ガイド
46 押えローラ(押え部材)
f フィルム、包装筒(包材)
F 包装袋
101 角底
102 底部シール部
105 上部シール部
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部が角底で上部が扁平に形成された包装袋を製造するための縦形製袋充填機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底部が角底で上部が扁平に形成された包装袋を製造するための縦形製袋充填機として例えば特許文献1、2に記載されたものがある。特許文献1に記載された縦形製袋充填機では、円筒状の製袋筒の下部に二対の裏板が垂下され、下端が開放された包装袋を裏板上に繰り出した位置で左右の裏板間に外方からガセット爪を入り込ませて包装袋の底部を角底とその下に位置する底部シール部からなるガセットに形成する。そして第一の横シーラで包装袋底部の底部シール部をシールし、内部に粉体などの内容物を充填した後に包装袋の開口部を扁平に押えながら第二の横シーラでトップシールを施して上部シール部を形成することで包装袋を製造することになる。
また、きれいな角底の折り目が形成された包装袋を製造するための縦形製袋充填機の発明として特許文献2に記載されたものがある。この特許文献2では、円筒状の製袋筒の下部に角筒成形部を形成し、下端が開放された筒状包材を角筒成形部から繰り出した位置で、角筒成形部の下部からガセット爪と垂直ガイドを入り込ませて包装筒の底部に角底と底部シール部からなるガセットを形成する。これに連動してガセット爪と垂直ガイドの間に横シーラを進入させてヒータブロックで包装袋を挟み込み、包装袋の上部と底部を同時に横シールする。そして、ヒータブロック内に設けられたカッタによって、上部シール部と次の包装袋の底部シール部との間を切断することで、上下部を密封された包装袋が落下する。一方、次の包装袋は底部がシールされているために、製袋筒から内容物が落下して充填される。
【特許文献1】特許第2673246号公報
【特許文献2】特開2003−200908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の縦形製袋充填機は、裏板間にガセット爪を差し込んでガセットを折り込むために、角底の折り目がきれいに形成できず水平な四角形の角底にならないために袋の起立性や自立性が悪かった。しかも角底の底部シール部の合わせ目がばらついてしまい、包装袋の見栄えも悪かった。また上部シール部用と底部シール部用の二つの横シーラを必要とするために各横シーラの温度調整をしなければならず、駆動手段が複数必要である上に構造が複雑であるという欠点もある。
この欠点を解消するために、特許文献1記載の縦形製袋充填機に特許文献2に記載の角筒成形部を採用し、ガセット爪と垂直ガイド2を利用して良好な角底を形成することも考えられる。しかしながら、良好な角底を形成するためには角筒成形部と底部横シーラが近接して配設されなければならず、上部横シーラ上側のカッタと底部横シーラの上面との間隔が底部シール部の長さに比例するため、角筒成形部と上部横シーラとの間隔を長く取れなかった。そのため、包装筒について上部シール部をシールする際に開口部を楕円にできないために、良好な扁平折りと上部シールができないという欠点がある。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて、折り目がきれいで良好な角底で扁平な上部を有する包装袋を製造できるようにした縦形製袋充填機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による製袋充填機は、包材を製袋筒に沿って搬送して略角筒状に成形して角底と該角底の底部シール部を形成し、その上部開口部を扁平にして上部シール部を形成し、該上部シール部の上流側で包材を切断して包装袋を製造するようにした縦形製袋充填機において、製袋筒の下部に設けられていて包材を角筒状に成形する角筒成形部と、略角筒状の包材の底部シール部と上部シール部とを別個にシールする横シーラと、底部シール部のシール時に横シーラに同期して角筒状の包材の底部を角底と底部シール部として折り込むガセット折り機構と、角筒成形部と横シーラの間隔を底部シール部のシール時と上部シール部のシール時とで変更させる間隔変更手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、包材を製袋筒の角筒成形部に通すことで角筒状に形成し、角筒成形部の下部でガセット折り機構で角筒状の包材を角筒と底部シール部として折り込むと共にその底部シール部を横シーラでシールし、その後に間隔変更手段で横シーラと角筒成形部との間隔を長く変更した状態で横シーラによって筒状包材の上部をシールして上部シール部を形成する。横シーラと角筒成形部との間隔を長く設定したことで、包材の上部シール部を形成する領域は角筒形状から楕円形状に変形しているから折り目がきれいで扁平な上部シール部を形成できる。
【0006】
また、角筒成形部の下側で包材を切断するカッタと、該カッタの移動をガイドすると共に底部シール部及び上部シール部を折り込むカッタガイド部とを備えていることが好ましい。
カッタを移動して包装筒の上部シール部の上方を切断する際にカッタガイド部でガイドされるから、カッタの移動と切断がスムーズである。しかも、底部シール部や上部シール部を加熱シールする際にカッタガイド部で挟んで折り込むことで、きれいな折り目を形成できる。
また、カッタガイド部と横シーラとの間に断熱部材が設けられていてもよい。
横シーラで加熱シールする際に、断熱部材が介在することで熱がカッタガイド部に伝導するのを抑制して次の包装袋用の包材部分の不要な熱溶着を防止できる。
また、カッタガイド部は少なくとも包装袋の底部シール部を挟持する部分が断熱材で形成されていてもよく、これによっても熱がカッタガイド部に伝導するのを抑制して次の包装袋用の包材部分の熱溶着を防止できる。
また、製袋筒の下部には包装袋の上部開口を扁平にするための拡張ガイドと、該拡張ガイドを製袋筒に密接させる押え部材とを備えていてもよい。
横シーラによって上部シール部をシールする際に包装筒について折り目のきれいな扁平形状を形成できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、折り目がきれいな角底の底部シール部と扁平な上部シール部を有する包装袋を製造できると共に、1つの横シーラで底部シール部と底部シール部を別個に形成できるから構成が簡単で低コストである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態による縦形製袋充填機を図1乃至図11により説明する。図1は縦形製袋充填機の概略斜視図、図2は製袋筒の部分の要部正面図、図3は横シール機構を示す平面図、図4は横シール機構の側面図、図5はガセット折り機構を示す側面図、図6は底部シール部のシール状態を示す斜視図、図7は上部シール部のシール状態を示す図、図8はガセット折り機構の要部縦断面図、図9はガセット折り機構の要部側縦断面図、図10はタイミングチャート、図11は包装袋の斜視図である。
本実施形態による縦形製袋充填機について説明する前に、この縦形製袋充填機で製造する角底と扁平な上部を有する包装袋Fについて図11により説明する。図11において、包装袋Fは、角底101が四角形平面形状であり、その中央の底部シール部102はシール五に角底101に折り曲げられる。角底101の各辺から上方に向けて延びる側面は次第に拡幅された対向する一対の扁平面103a、103bと角底101から上端に向けて次第に幅が狭くなる略二等辺三角形状の側面104a、104bとで形成されている。
扁平面103a、103bは上端の開口部が扁平に重ねられてシールされて上部シール部105を構成する。なお、包装袋Fの一方の扁平面103aには角底101から上端にかけて縦シール部106が設けられている。
【0009】
図1に示す縦形製袋充填機1は、例えば断面円形(断面略四角形でもよい)をなす製袋チューブ2(製袋筒)が上下方向に配設され、その下端は断面四角形の角筒成形部2aが形成されている。製袋チューブ2の上端には製袋する包装袋Fの中に充填する内容物を供給するためのホッパ3が設けられている。ホッパ3の下方には製袋ガイド4が取付けられている。製袋チューブ2の外周面と製袋ガイド4の内周面との間にはフィルムf(包材)を通過させる平面視略円形の空間が設けられている。
ここで、角筒成形部2aは、図2、図6,図7に示すように下端の四角形開口を形成する四辺から上方向(ホッパ3方向)に頂部を形成する三角形状の各一対の平面2b、2cと隣接するこれら平面間の円筒周面2dとで形成されている。幅広の平面2b、2bは包装袋Fの扁平部103a、103bを形成し、幅の狭い平面2c、2cは側面104a、104bを形成する。
製袋チューブ2の側方にシート状のフィルムfを巻回するフィルムロール5が設けられており、このフィルムロール5から繰り出されたフィルムfは製袋ガイド4で折り曲げられて製袋チューブ2との間の空間を通って円筒状に成形され、製袋チューブ2の下端に設けた角筒成形部2aによって略角筒状に折られて下方に送られることになる。なお、製袋ガイド4によってフィルムfは略円筒状に形成されて包装筒fとなり、その幅方向両端部が製袋チューブ2上に折り重ねられて縦シール部106を形成して搬送される。
【0010】
製袋チューブ2において、製袋ガイド4の下方には製袋チューブ2の外周面に沿って、略筒状に成形されて搬送されるフィルムfを製袋チューブ2の外周面にエアで吸着して連続的に下方に繰り出し搬送するための繰り出しベルト7が一対設けられている。一対の繰り出しベルト7,7間には、縦シール部106を加熱シールするための縦シーラ9が設けられている。
更に製袋チューブ2下端の角筒成形部2a下側には、包装袋Fの上部と下部を個別に水平方向にシールする横シーラ11が設けられている。角筒成形部2aと横シーラ11部との間にはシールされた底部シール部102を折り曲げて角底101に熱溶着させるための倒し板12が進退可能に配設されている。
角筒成形部2aと横シーラ11部との間には、包装筒fのガセットを形成するための一対のガセット爪13、13が角筒成形部2aの両側に対向して進退可能に設けられている。横シーラ11の下方には垂直折りガイド14、14が設けられ、ガセット爪13、13と一体に進退して包装袋Fの側面104a、104bの延長上に袋底部を形成する包装筒fの対向する二面を略V字状に内側に押すようにしている。
【0011】
図1及び図2において、ホッパ3近傍の製袋チューブ2には製袋チューブ2を所定距離だけ上下動させる上下動機構16(間隔変更手段)が設けられている。上下動機構16は製袋チューブ2を把持する一対の把持アーム17と、基板18に支持されていて把持アーム17を上下動させることで製袋チューブ2を所定距離だけ上下動させるシリンダやモータ等の駆動源19とで構成されている。
そして、上下動機構16で製袋チューブ2を下降位置L1(図6参照)に移動させた状態で包装袋Fの底部シール部102のシールを行い、上昇位置L2(図7参照)に保持した状態で包装袋Fの上部シール部105のシールを行うことになる。
【0012】
次に縦形製袋充填機1の包装袋Fの製造装置について図2乃至図9により説明する。
図3及び図4において、横シール機構21は製袋チューブ2における角筒成形部2aの下側で、角筒成形部2aから繰り出される角筒状に形成された包装筒fに直交する水平面内に包装筒fを挟んで両側に横シーラ11のヒータブロック11a、11bが開閉可能に配設されている。各ヒータブロック11a、11bの両側にはこれらヒータブロック11a、11bに直交する方向に一対の軸部22、22がそれぞれ設けられ、それぞれ3つの軸受23、23、23で摺動可能に支持されている。
両軸部22、22間には、モータM1の出力軸に連結されていてA,B方向に揺動可能な揺動軸24が軸部22と略直角な方向に配設されている。揺動軸24の両側には腕部25、25が設けられ、各腕部25の両端にはクランクアーム26a、26bが取付けられている。一方のクランクアーム26a、26aの他端は、一方のヒータブロック11aを支持する支持枠27に連結され、支持枠27の両端に設けられた貫通孔27a、27aは軸部22、22に摺動可能に挿通されている。支持枠27の両端には外側に屈曲するカム28、28が取付けられている。
【0013】
また、他方のクランクアーム26b,26bの他端は摺動枠30に連結され、摺動枠30の両端は軸部22、22に固着されている。軸部22、22の他端には、他方のヒータブロック11bを支持する支持枠31が連結固定されている。
そのため、モータM1の駆動によって揺動軸23を揺動させる際、図4でA方向に回動させると両側の各腕部25を介してクランクアーム26a、26bは相互に伸張する方向に移動して、支持枠27と摺動枠30及び軸部22、22及び支持枠31とを介して一対のヒータブロック11a、11bが互いに近接する方向に移動して包装筒fを挟んで密着して横シールする。また、モータM1を逆回転させて揺動軸23をB方向に回動させるとクランクアーム26a、26bは相互に収縮する方向に移動して、支持枠27と摺動枠30及び軸部22、22及び支持枠31とを介して一対のヒータブロック11a、11bは互いに離間する。
【0014】
次にガセット折り機構32について図3及び図5により説明する。
図3において包装筒fを挟んで対向する位置にガセット爪13、13が配設されており、各ガセット爪13は支持アーム33を介してシリンダ34に連結されており、シリンダ34によって角筒成形部2aと横シーラ11との間の隙間を進退可能とされている。各支持アーム33にはさらに垂直折りガイド14が連結されており(シリンダ34に連結してもよい)、ガセット爪13と同期して進退する。各支持アーム33上にはカムローラ35も設けられている。なお、図3に示すガセット折り機構32において、左方ではガセット爪13を示し、右方では垂直折りガイド14を示している。
そして各シリンダ34の作動によって支持アーム33及びガセット爪13は外側から包装筒fのある内側に向けて動きだし、カムローラ35がカム28に当接することでシリンダ34の駆動力が小さいために移動を規制される。そして、カム28の移動に連動してカムローラ35が移動することでガセット爪13及び垂直折りガイド14も連動する。そのため、カム28がカムローラ35に当接した位置から、ガセット爪13と垂直折りガイド14は横シーラ11の各ヒータブロック11a、11bの閉作動に連動する。
また、横シーラ11は包装袋Fの底部シール部102のシール時と上部シール部105のシール時との2回作動する。底部シール部102のシール時には、上下動機構16により製袋チューブ2は各ヒータブロック11a、11bの上面に近接した位置L1に保持され(図6参照)、上部シール部105のシール時には、製袋チューブ2は各ヒータブロック11a、11bの上面から上方に離間した位置L2に保持される(図7参照)。ガセット爪13と垂直折りガイド14は底部シール部102をシールする時に作動し、上部シール部105をシールする時には作動しない。
【0015】
また、図4及び図8に示すように、ヒータブロック11a(または11b)には、上部シール部105のシールが完了した包装袋Fを切断するカッタ37がそれぞれ設けられている。カッタ37はヒータブロック11aの上面に設けた断熱部材38を介してヒータブロック11a、11bと平行に進退可能に摺動する。カッタ37と角筒成形部2aとの間には、カッタガイド部40、40がそれぞれ設けられている。
ヒータブロック11a、11bと一体に進退するカッタガイド部40、40は、カッタ37の水平移動をガイドすると共にガセット爪13で角底101を折り込まれた包装筒fの底部シール部102を挟むことで角底101との折り目を形成する。なお、カッタガイド部40はヒータブロック11a、11bの上部に位置するためにシール熱の伝導を受け易い。そのため、断熱部材38で熱伝導を抑えると共に、上部シール部105のシール時に次の包装袋Fの角底101を形成する上方の包装筒fが加熱溶着されないように断熱材で製造するのが好ましい。
なお、図1に示すように上下動機構16、横シーラ11を作動させるモータM1、ガセット爪13及び垂直折りガイド14を作動させるシリンダ34、繰り出しベルト7、縦シーラ9、内容物供給装置41等は制御手段42に電気的に接続され、入力手段43からの設定入力に応じて作動制御される。
【0016】
本実施の形態による製袋充填機1は上述の構成を有しており、次にその作用を図10に示すタイミングチャートに沿って説明する。
先ず、包材ロール5から繰り出したフィルムfを製袋チューブ2と製袋ガイド4との間に挿入して円筒状に成形し、縦シーラ9で合わせ目を縦シールして縦シール部106を形成する。円筒状となった包装筒(フィルム)fは繰り出しベルト7で更に製袋チューブ2上を降下し、角筒成形部2aに到達することで角筒状に成形される。
そして、包装袋Fの角底101の成形に際して、予め上下動機構16によって製袋チューブ2の角筒成形部2aを横シーラ11近傍の位置L1に降下させて停止させる(図6(a)参照)。この状態から、シリンダ34、34を駆動して包装筒fを挟んで対向する一対のガセット爪13、13と垂直折りガイド14、14を包装筒f方向に作動させる。シリンダ34の駆動力は小さいため、支持アーム33のカムローラ35がカム28に当接することで移動が規制される(図3参照)。ここで、包装筒fは、角筒成形部2aから若干下方に繰り出して停止させる(図6(a)参照)。
次に、横シーラ11を閉作動させて包装袋Fの底部シール部102をシールすると共に角底101を形成する。即ち、図3に示すようにモータM1を駆動させて揺動軸24をA方向に回動させると、各クランクアーム26a、26bが互いに伸張する方向に作動する。クランクアーム26aによって支持枠27が押されて軸部22、22に沿って摺動し、ヒータブロック11aが包装筒f方向に移動する。これと同時にクランクアーム26bで摺動枠30が押されて軸部25,25、支持枠31を移動させ、ヒータブロック11bも包装筒f方向に移動する。
【0017】
支持枠27と一体にカム28も移動するため、カム28に当接するカムローラ35も連動し、ガセット爪13及び垂直折りガイド14からなりガセット折り機構32が連動して角筒状に成形された包装筒fの側面104b、104bに当接して両側から内側へ押し込む。このとき、図9に示すように包装筒fは角筒成形部2aの領域では角筒状に保持され、その下側ではガセット爪13、13が角筒成形部2a下端に沿って包装筒fの側面104b、104bを略V字状に内側に押し込むと共に、その下方では垂直折りガイド14、14がV字状の凹部を押圧して側面104b、104bの折り込みを促進する。
これによって包装筒fの下端は長さLaだけ上方に持ち上がる。換言すれば、長さLaがガセット爪13による内側への折り込み量になる。そのため、この持ち上がり長さLaが短ければ底部シール部102の長さを短くできてフィルムfを節約できる。持ち上がり長さLaが長ければ底部シール部102の長さを長くできてフィルムfの折り込みを確実に行える。
そして、ガセット爪13の押し込みが完了した段階で包装筒fの角底101の折り込みが完了し、ヒータブロック11a、11bが底部シール部102を挟んで挟持する。このとき、カッタガイド部40、40も角底101に近接する位置で底部シール部102を挟み込む。この状態でヒータブロック11a、11bで底部シール部102を加熱シールする(図6(b)参照)。
【0018】
底部シール部102の加熱シールが開始すると共にソレノイド34、34を駆動してガセット爪13、13、垂直折りガイド14、14を元の位置に戻す。また、ホッパ3から供給された粉粒体等の内容物を製袋チューブ2を通して底部シール部102がシールされている包装袋F内に充填する。内容物充填時間の後半では底部シール部102のシールが終了し、ヒータブロック11a、11bを開放位置に戻す。またシール終了後に倒し板12を進出させて底部シール部材102を押し込んでヒータブロック11a,11bの間から外しながら角底101に押しつけて倒す。
そして、横シーラ11による底部シール部102のシールが終了すると、上下動機構16を作動して製袋チューブ2を位置L1から位置L2まで上昇させる。また、繰り出しロール7を駆動して包装筒fを更に降下させる。包装筒fの繰り出しが終了すると、図7(a)に示すように製袋チューブ2の角筒成形部2aが横シーラ11から離間した上昇位置L2に位置し、角筒成形部2aと横シーラ11との間に角底101及び底部シール部102の形成時より長い距離が形成される。これによって、角筒成形部2aで角筒状に形成された包装筒fはその下方の横シーラ11の領域では製袋チューブ2がないためにフィルムfの復元力により略楕円形の扁平状態に戻る。
【0019】
そして上下動機構16によって製袋チューブ2が位置L2まで上昇し終わる前に上部シール部105をシールするためにヒータブロック11a、11bが閉作動を開始する。この場合には、ガセット爪13と垂直折りガイド14は作動しない。ヒータブロック11a、11bで楕円形に変形した包装筒fを扁平に挟み込んだ状態で上部シール部105の加熱シールを行う(図7(b)参照)。
上部シール部105のシールが終了すると、カッタ37をカッタガイド40に沿って付き出し、上部シール部105の上側を切断する。これによって内容物を充填・封止した包装袋Fが製造されて落下する、このようにして包装袋Fの製造工程の1サイクルが終了する。
そして、上部シール部105のシール終了に先立ってガセット爪13及び垂直折りガイド14のソレノイド34が駆動開始することで次の包装袋Fの製造サイクルが開始する。
【0020】
上述のように本実施の形態によれば、折り目がきれいで良好な角底101及び底部シール部102と扁平な上部シール部105を備えた包装袋Fを製造できる。特に包装袋Fを製造するに際し角底101の底部シール部102を形成する場合には角筒成形部2aの近傍にカッタガイド部40やガセット爪13を進入させるためにこれらと角筒成形部2aとの隙間が小さく包装筒fが逃げないできれいな折り目を形成でき、上部シール部105を形成する場合には角筒成形部2aを上方に移動させることで角筒成形部2aから下方に延びる包装筒fが楕円形になって扁平できれいな折り目を形成できる。
また、断熱部材38を設け、またカッタガイド40を断熱材で形成したから、熱伝導し難く上部シール部105のシール時にカッタガイド部40、40で挟持する包装筒fが熱溶着するおそれがない。しかも、横シーラ11を1組設けて個別に底部シール部102と上部シール部105を製造したから、装置1の構成が簡単で低コストである。
【0021】
図12、図13は本実施形態による縦形製袋充填機1の変形例を示している。
扁平な上部シール部105を形成する場合、上述の実施の形態では製袋チューブ2を上方に移動させることで、角筒成形部2aと横シーラ11との距離を長く設定して包装筒fを横シーラ11の領域で折り目が弛んで楕円形になるようにしたが、本変形例では更に包装筒fの扁平を促進する構成を採用している。
即ち、製袋チューブ2の角筒成形部2aの対向する幅の狭い平面2c、2cに拡張ガイド45を取付けている。拡張ガイド45は例えば弾性を有する板材からなり、その上部の取付部45aが角筒成形部2aに固定され、下部の拡幅部45bが角筒成形部2aから下方に向かって離間する傾斜した形状とされている。また、拡張ガイド45の近傍には押えローラ46が図示しないシリンダーにより接離可能に配設されている。
【0022】
そのため、包装筒fの上部シール部105をシールする場合、包装筒fは角筒成形部2aから横シーラ11方向に降下する際に一対の拡張ガイド45、45の拡幅部45b、45bによって拡幅されて扁平になる。そのため、ヒータブロック11a、11bを閉鎖させて上部シール部105を熱溶着で形成する際に折り目のきれいな扁平面を容易に形成できる。
また、包装筒fの底部シール部102をシールする場合には、押えローラ46で拡張ガイド45の拡幅部45bを押さえ込んで包装筒fを角筒形状に成形した状態で角底101と底部シール部102を形成する。
なお、包装筒fを繰り出す際には押えローラ46を拡張ガイド45から離間させておくか、モータ等で回転させると良い。
【0023】
また、カッタガイド部40について、上述のように全体を断熱材で形成しなくてもよい。例えば、カッタガイド部40の先端部40aのみに断熱材を採用したり、先端部40aを切除して先端部40aで底部シール部102の付け根を挟み込まないようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では角筒成形部2aと横シーラ11との距離について上下動機構16で製袋チューブ2を上下動させて降下位置L1と上昇位置L2を選択的にとるように設定したが、これに代えて製袋チューブ2を固定させ、横シーラ11を上下動させて降下位置L1と上昇位置L2を取るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態による縦形製袋充填機の要部斜視図である。
【図2】製袋筒の部分の要部正面図である。
【図3】横シール機構とガセット折り機構を示す平面図である。
【図4】横シール機構の側面図である。
【図5】ガセット折り機構の側面図である。
【図6】(a)、(b)は底部シール部のシール状態を示す要部斜視図である。
【図7】(a)、(b)は上部シール部のシール状態を示す要部斜視図である。
【図8】底部シール部のシール状態を示す要部縦断面図である。
【図9】ガセット爪と垂直折りガイドによる角底折り込み状態を示す縦断面図である。
【図10】縦形製袋充填機による包装袋の製造工程を示すタイミングチャートである。
【図11】包装袋の斜視図である。
【図12】変形例による上部シール部を形成する状態の拡張ガイドを示す説明図である。
【図13】同じく底部シール部を形成する状態の拡張ガイドを示す説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 縦形製袋充填機
2 製袋チューブ(製袋筒)
2a 角筒成形部
11 横シーラ
11a、11b ヒータブロック
13 ガセット爪
14 垂直折りガイド
16 上下動機構(間隔変更手段)
21 横シール機構
32 ガセット折り機構
37 カッタ
38 断熱材
40 カッタガイド部
45 拡張ガイド
46 押えローラ(押え部材)
f フィルム、包装筒(包材)
F 包装袋
101 角底
102 底部シール部
105 上部シール部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を製袋筒に沿って搬送して略角筒状に成形して角底と該角底の底部シール部を形成し、その上部開口部を扁平にして上部シール部を形成し、該上部シール部の上流側で包材を切断して包装袋を製造するようにした縦形製袋充填機において、
前記製袋筒の下部に設けられていて包材を角筒状に成形する角筒成形部と、
略角筒状の包材の底部シール部と上部シール部とを別個にシールする横シーラと、
前記底部シール部のシール時に前記横シーラに同期して角筒状の包材の底部を角底と底部シール部として折り込むガセット折り機構と、
前記角筒成形部と横シーラの間隔を底部シール部のシール時と上部シール部のシール時とで変更させる間隔変更手段と
を備えたことを特徴とする縦形製袋充填機。
【請求項2】
前記角筒成形部の下側で包材を切断するカッタと、該カッタの移動をガイドすると共に底部シール部及び上部シール部を折り込むカッタガイド部とを備えた請求項1に記載の縦形製袋充填機。
【請求項3】
前記カッタガイド部と横シーラとの間に断熱部材が設けられている請求項2に記載の縦形製袋充填機。
【請求項4】
前記カッタガイド部は少なくとも包装袋の底部シール部を挟持する部分が断熱材で形成されている請求項2または3に記載の縦形製袋充填機。
【請求項5】
前記製袋筒の下部には包装袋の上部開口を扁平にするための拡張ガイドと、該拡張ガイドを製袋筒に密接させる押え部材とを備えた請求項1乃至4のいずれかに記載の縦形製袋充填機。
【請求項1】
包材を製袋筒に沿って搬送して略角筒状に成形して角底と該角底の底部シール部を形成し、その上部開口部を扁平にして上部シール部を形成し、該上部シール部の上流側で包材を切断して包装袋を製造するようにした縦形製袋充填機において、
前記製袋筒の下部に設けられていて包材を角筒状に成形する角筒成形部と、
略角筒状の包材の底部シール部と上部シール部とを別個にシールする横シーラと、
前記底部シール部のシール時に前記横シーラに同期して角筒状の包材の底部を角底と底部シール部として折り込むガセット折り機構と、
前記角筒成形部と横シーラの間隔を底部シール部のシール時と上部シール部のシール時とで変更させる間隔変更手段と
を備えたことを特徴とする縦形製袋充填機。
【請求項2】
前記角筒成形部の下側で包材を切断するカッタと、該カッタの移動をガイドすると共に底部シール部及び上部シール部を折り込むカッタガイド部とを備えた請求項1に記載の縦形製袋充填機。
【請求項3】
前記カッタガイド部と横シーラとの間に断熱部材が設けられている請求項2に記載の縦形製袋充填機。
【請求項4】
前記カッタガイド部は少なくとも包装袋の底部シール部を挟持する部分が断熱材で形成されている請求項2または3に記載の縦形製袋充填機。
【請求項5】
前記製袋筒の下部には包装袋の上部開口を扁平にするための拡張ガイドと、該拡張ガイドを製袋筒に密接させる押え部材とを備えた請求項1乃至4のいずれかに記載の縦形製袋充填機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−182424(P2006−182424A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379764(P2004−379764)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】
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