説明

縦置き水耕栽培装置

【課題】効果的に植物の根腐れを防止し、サイフォン部分から発生する音の性質を変化することができるサイフォン式の水耕栽培装置の提供をする。
【解決手段】栽培槽11と、流入手段12と、流出手段13と、を備えた。栽培槽11は、これの上部に植物2を支持する支持手段15を有し、流出手段13は、支持手段15の下方に、栽培槽11内で略鉛直方向の逆方向に延びる導引部133aと栽培槽11内で略鉛直方向に延びる導出部133bと導引部133aから導出部133bを繋げる湾曲した頂部133cとから成る逆U字型に形成されたサイフォン部分133を有し、吸入口131は、栽培槽11内の底部111近傍に配置され、排出口132は、栽培槽11の外側にかつサイフォン部分133の下方に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水耕栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物の栽培は土壌において行われてきた。植物は土から養分を吸収し成長するが、土には養分だけでなく、植物の成長を妨げ、引いては植物を枯らせてしまう害虫や、細菌も繁殖している。そこで、これらの害虫等が繁殖する恐れのある土を使わず、植物の根を水と肥料を混ぜた養液に浸すことで、植物の成長に必要な栄養分を養液から吸収させる水耕栽培が、野菜や観葉植物の栽培に広く採用されている。
【0003】
水耕栽培は、栽培槽に養液を溜め、植物を栽培槽の養液に根が浸るように植設する。また、植物による養液の吸収や養液自体の蒸発により、栽培槽の養液が減った場合は、任意の方法によって、栽培槽に養液を追加する。このように、植物の根を養液に浸すことで、植物は、根より成長に必要な養分を吸収することができる。すなわち、植物は、養液からのみ養分を吸収するので、水に対する肥料の濃度の管理は、非常に重要である。
【0004】
ところが、養液中の水が蒸発すると、養液の濃度が高くなるので、このような養液を吸収した植物は、養分が過剰となり、逆に成長の妨げになる場合がある。また、栽培槽に養液を溜めた状態では、養液が流動することがないので、養液中の酸素が減少し、このような養液に浸された植物の根は、酸素を吸収することができず、根腐れの原因となる。
【0005】
そこで、栽培箱の中を粒状体で満たし、粒状体に植物を植え込み、養液を供給し、このような栽培箱にサイフォン式の排液管を設置したサイフォン式栽培装置(特許文献1)が提案されている。このように、栽培箱に貯留した養液をサイフォン式の排液管で排液することで、例えば、一定量の養液を栽培箱に供給し続けても、養液の水位が所定の高さまで上がると、栽培箱の養液は排出されるので、栽培箱の中を養液で満たされた状態と養液を抜いた状態を繰り返す。よって、略濃度が一定の養液を供給し続けることができる。
【特許文献1】特開平10−75671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなサイフォン式栽培装置では、植物が根を張るための粒状体が必要となるため、たとえ栽培箱の養液の全てを排出したとしても、植物の根は、養液で湿った粒状体に埋まったままであるので、植物の根が酸素を十分に吸収しているとは言えず、根腐れの防止には至っていない。
【0007】
また、サイフォン式栽培装置のサイフォン部分は、空気を吸い込むと吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、サイフォン部分が露出している場合、濁った音である。この吸い込み音は、濁った音であるので、騒音や雑音とされている。よって、この濁った音を発生するサイフォン式栽培装置の周囲の者は、この濁った音に不快感を感じている。
【0008】
したがって、効果的に植物の根腐れを防止できるサイフォン式の栽培装置であって、サイフォン部分から発生する音の性質を変化することができるサイフォン式の水耕栽培装置の提供が望まれている。
【0009】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものである。その目的は、効果的に植物の根腐れを防止し、サイフォン部分から発生する音の性質を変化することができるサイフォン式の水耕栽培装置の提供をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0011】
(1) 植物に吸収させる養液を貯留する栽培槽と、前記栽培槽へ養液を流入させる流入手段と、前記栽培槽の養液を吸入する吸入口と該吸入口から吸入した養液を前記栽培槽の外側に排出させる排出口とを有する流出手段と、を備え、前記栽培槽は、これの上部に前記植物を支持する支持手段を有し、前記流出手段は、前記支持手段の下方に、前記栽培槽内で略鉛直方向の逆方向に延びる導引部と前記栽培槽内で略鉛直方向に延びる導出部と前記導引部から前記導出部を繋げる湾曲した頂部とから成る逆U字型に形成されたサイフォン部分を有し、前記吸入口は、前記栽培槽内の底部近傍に配置され、前記排出口は、前記栽培槽の外側にかつ前記サイフォン部分の下方に配置されることを特徴とする水耕栽培装置。
【0012】
(1)の発明によれば、養液を貯留する栽培槽と、養液を流入させる流入手段と、養液を吸入する吸入口と吸入口から吸入した養液を栽培槽の外側に排出させる排出口とを有する流出手段と、を備える水耕栽培装置に、栽培槽の上部に植物を支持する支持手段を設けた。これにより、植物を支持手段により支持することができる。よって、栽培槽の内部を植物が根を張るための粒状体で満たす必要がないので、流出手段により養培層に貯留された養液を排出させることで、植物の根を全体的に空気に触れさせ、酸素を吸収させることができる。したがって、植物の根に、十分な酸素を吸収させることで、効果的に植物の根腐れを防止できる。また、粒状体が必要なく養液のみで栽培が可能なので、水耕栽培装置の小型化、軽量化が図れる。
【0013】
また、流出手段に栽培槽内で形成されたサイフォン部分を備え、流出手段の吸入口は、栽培槽内の底部近傍に配置し、流出手段の排出口は、栽培槽の外側にかつサイフォン部分の下方に配置した。このように、排水手段にサイフォン部分を備えることで、例えば、栽培槽を鉛直方向に延びる形状にすることが可能となり、水耕栽培装置の専有面積を小さくすることができる。
【0014】
また、流出手段の吸入口は、栽培槽内の底部近傍に配置されているので、栽培槽内に貯留された養液の略全てを交換することができるので、溶液の濃度を一定に保つことが可能となり、植物の生育が良好になり、例えば、野菜を栽培すれば、この野菜の旨味が向上する。
【0015】
さらに、栽培槽内の養液が澱むことがないので、栽培槽の内壁に青子が発生するのを防止することができる。このように、青子の発生を防止することで、例えば、栽培槽を透光性の材質で形成した場合でも、栽培槽の透明感を維持することで、水耕栽培装置自体の清潔感を抱かせることができるので、例えば、店舗等の外観に清潔感を要求される場所にも水耕栽培装置を設置できる。
【0016】
また、例えば、流出手段により栽培槽の中の養液を栽培槽の外側に排出させる場合、吸入口が配置された位置まで水位が下がると、養液とともに空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、直接聞くと濁った音であり不快感を抱かせるものである。しかし、この吸い込み音の発生源となるサイフォン部分を栽培槽内で形成している。よって、吸い込み音を栽培槽内で響かせ、栽培槽の外側に聞こえる音の性質を、吸い込み音発生時の音の性質とは異なったものとすることが可能となる。したがって、効果的に植物の根腐れを防止し、サイフォン部分から発生する音の性質を変化することができるサイフォン式の水耕栽培装置を提供できる。
【0017】
(2) 前記サイフォン部分は、弾性であり、前記流出手段は、前記栽培槽の底部をスライド可能に貫通することを特徴とする(1)に記載の水耕栽培装置。
【0018】
(2)の発明によれば、サイフォン部分を弾性とすることで、サイフォン部分の任意の位置に逆U字型の頂部を配置することができる。流出手段は、栽培槽の底部をスライド可能に貫通しているので、流出手段を栽培槽の底部から引き出すことで、栽培槽内で形成されたサイフォン部分の頂部から栽培槽の底部までの距離を変化させることができる。
【0019】
これにより、例えば、栽培槽に養液を貯留する場合、流入手段から栽培槽に養液を流入し、栽培槽内の養液が流出手段が有するサイフォン部分の頂部に達すると、サイフォンの特性から、栽培槽の養液は、流出手段の吸入口から吸入され、流出手段の排出口から栽培槽の外側に排出される。よって、頂部から栽培槽の底部までの距離を変化させることで、栽培槽に貯留する養液の水位を変化させることができる。
【0020】
したがって、例えば、栽培する植物の種類や、植物の成長度に合わせて、栽培槽に貯留する養液の水位を適切な高さに調整することができるので、より効果的に植物の根腐れを防止できる。
【0021】
(3) 前記栽培槽の養液を吸入する別吸入口と、前記別吸入口から吸入した養液を前記栽培槽の外側に排出させる別排出口と、前記栽培槽内で略鉛直方向の逆方向に延びる別導引部と前記栽培槽内で略鉛直方向に延びる別導出部と前記別導引部から前記別導出部を繋げる湾曲した別頂部とから成る逆U字型に形成された別サイフォン部分と、を有する別流出手段を備え、前記栽培槽の底部から前記別吸入口までの高さは、前記栽培槽の底部から前記吸入口までの高さと異なり、前記栽培槽の底部から前記別頂部までの高さは、前記栽培槽の底部から前記頂部までの高さと略同一であることを特徴とする(1)または(2)に記載の水耕栽培装置。
【0022】
(3)の発明によれば、別吸入口と、別排出口と、別サイフォン部分と、を有する別流出手段を備え、栽培槽の底部から別吸入口までの高さと、栽培槽の底部から吸入口までの高さと、を異なるものとし、栽培槽の底部から別頂部までの高さは、栽培槽の底部から頂部までの高さと略同一とした。
【0023】
これにより、栽培槽の底部から別吸入口までの高さと、栽培槽の底部から吸入口までの高さと、が異なるので、吸い込み音の発生源となるサイフォン部分と別サイフォン部分の形状が異なる。よって、吸い込み音の性質も異なる。また、吸入口と別吸入口が配置された位置まで水位が下がるタイミングが異なるので、吸い込み音の発生するタイミングも異なる。したがって、栽培槽の外側に聞こえる音も、多様な性質の音が、多様なタイミングで響くので、より多様な音の演出を行うことができる。
【0024】
また、栽培槽の底部から別頂部までの高さは、栽培槽の底部から頂部までの高さと略同一としているので、栽培槽内に貯留される養液の最高水位は一定に保つことができ、植物の根を適切な位置まで、養液に浸すことができる。
【0025】
(4) 前記栽培槽の内部は、略鉛直方向に延びる円筒形であり、前記流入手段は、前記栽培槽へ養液を流入させる流入口を有し、前記流入口は、前記栽培槽の内側壁の略接線方向に向けて配置されることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の水耕栽培装置。
【0026】
(4)の発明によれば、栽培槽の内部を円筒形とし、栽培槽の内側壁の略接線方向に向けて流入口を配置した。よって、流入口から流入される養液は、栽培槽の内側壁に沿って、回転しながら流下するので、栽培槽の養液を攪拌することが可能となり、養液の濃度を均一にできる。
【0027】
(5) 前記流入口は、前記サイフォン部分の頂部より上方に配置されることを特徴とする(4)に記載の水耕栽培装置。
【0028】
(5)の発明によれば、流入口をサイフォン部分の頂部より上方に配置した。よって、栽培槽に貯留される養液の最高水位より、常に高い位置から養液を流入させることが可能となるので、栽培槽に貯留された養液の水面に、養液を落水させ泡立てることで、空気と養液を攪拌させることが可能となる。したがって、植物の根に養液からも酸素を吸収させることができるので、より効果的に植物の根腐れを防止できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、養液を貯留する栽培槽と、養液を流入させる流入手段と、養液を吸入する吸入口と吸入口から吸入した養液を栽培槽の外側に排出させる排出口とを有する流出手段と、を備える水耕栽培装置に、栽培槽の上部に植物を支持する支持手段を設けた。これにより、植物を支持手段により支持することができる。よって、栽培槽の内部を植物が根を張るための粒状体で満たす必要がないので、流出手段により養培層に貯留された養液を排出させることで、植物の根を全体的に空気に触れさせ、酸素を吸収させることができる。したがって、植物の根に、十分な酸素を吸収させることで、効果的に植物の根腐れを防止できる。
【0030】
また、流出手段に栽培槽内で形成されたサイフォン部分を備え、流出手段の吸入口は、栽培槽内の底部近傍に配置し、流出手段の排出口は、栽培槽の外側にかつサイフォン部分の下方に配置した。これにより、例えば、流出手段により栽培槽の中の養液を栽培槽の外側に排出させる場合、吸入口が配置された位置まで水位が下がると、養液とともに空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、直接聞くと濁った音であり不快感を抱かせるものであるが、この吸い込み音の発生源となるサイフォン部分を栽培槽内で形成しているので、吸い込み音を栽培槽内で響かせ、栽培槽の外側に聞こえる音の性質を、吸い込み音発生時の音の性質とは異なったものとすることが可能となる。したがって、効果的に植物の根腐れを防止し、サイフォン部分から発生する音の性質を変化することができるサイフォン式の水耕栽培装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は、本発明の実施例1の水耕栽培装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施例1の水耕栽培装置1の外観を示す側面図である。
【0033】
図1又は図2に示すように、水耕栽培装置1は、植物2に吸収させる養液3を貯留する栽培槽11と、栽培槽11へ養液3を流入させる流入手段12と、養液3を栽培槽11の外側に排出させる流出手段13と、を備える。また、水耕栽培装置1は、栽培槽11に流入する養液3を貯留するとともに、栽培槽11の外側に排出された養液3を貯留する養液槽16と、養液槽16の上部に設けられ栽培槽11を支持する養液槽架台17と、を備える。
【0034】
また、水耕栽培装置1は、流入手段12により栽培槽11へ流入する養液3の所定時間当たりの流入量より、流出手段13により栽培槽11の外側に排出させる養液3の所定時間当たりの排出量の方が多い。
【0035】
栽培槽11は、略鉛直方向に延びる円筒形であり、底部111の端縁に側壁112が立設している。栽培槽11は、透光性を有する樹脂で形成されている。栽培槽11の特に最適な形状は、内径200mmの高さ800mmの円筒形である。
【0036】
底部111は、略円形の板状体であり、この底部111の略中心には、流出手段13が貫通する貫通孔113が形成されている。この貫通孔113の内径は、流出手段13の外形より僅かに小さく形成されている。また、底部111の貫通孔113が形成されている部分の周囲は、ゴム素材で形成されている。また、貫通孔113の内壁には、油脂が塗布されている。
【0037】
栽培槽11の側壁112は、略鉛直方向に立設する円筒体である。この側壁112には、この側壁112の上部に、栽培槽へ養液3を流入させる流入手段12の流入口121が接続されている。
【0038】
栽培槽11の上部には、植物2を支持する支持手段15が設置され、この支持手段15と底部111と側壁112と、により栽培槽11の内部空間を形成している。
【0039】
支持手段15は、植物2を支持可能な厚さを有する板状体であり、栽培槽11の側壁112の内形と略同一の形状である。また、支持手段15の略中心には、栽培槽11に植設する植物2の茎の外形より僅かに小さい孔が形成されている。支持手段15は、例えば、ウレタン樹脂で形成されている。なお、支持手段15は、植物の根21を下方に貫通することができる素材であれば、例えば、ネット等を使用することができる。
【0040】
流入手段12は、栽培槽11に接続されている流入口121と、この流入口121に一端が接続される流入管122と、この流入管122の他端が接続された水揚ポンプ123と、を備える。
【0041】
流入口121は、栽培槽11の側壁112内部側の略接線方向に向けて栽培槽11と接続されている。また、流入口121は、後述する流出手段13のサイフォン部分133の頂部133cより上方に配置されている。
【0042】
流入管122は、筒状の長尺体である。流入管122の特に最適な形状は、内径20mmの筒状体である。水揚ポンプ123は、電動式であり、後述する養液槽16の底部に設置されている。また、水揚ポンプ123の養液3の吸い込み口には、養液3に浮遊する塵を吸い込まないようにするためのフィルターが設置されている。なお、流入手段12の水揚ポンプ123に相当する部材は、養液3を流動させることが可能な部材であれば、例えば、常時水圧がかけられ、ハンドルによって水圧を変化することができる水栓であってもよい。また、本実施例では、水揚ポンプ123を流入管122の他端に接続しているが、流入管122の中央部に接続することもできる。また、一つの水揚ポンプ123から複数の栽培槽11に養液3を流入させることもできる。
【0043】
流出手段13は、筒状の長尺体である。流出手段13の一端側は、栽培槽11の内部に配置されている。また、流出手段13は、栽培槽11の底部111に形成された貫通孔113をスライド可能に貫通し、流出手段13の他端側は、栽培槽11の外部に配置されている。
【0044】
流出手段13の一端側には、栽培槽11の養液3を吸入する吸入口131が、形成されている。また、流出手段13の他端側には、吸入口131から吸入した養液3を栽培槽11の外側に排出させる排出口132が形成されている。また、流出手段13の吸入口131と排出口132との間には、サイフォン部分133が形成されている。また、流出手段13は、透光性の材質で形成されている。
【0045】
吸入口131は、栽培槽11内の底部111近傍に、底部111方向に向けて配置されている。
【0046】
排出口132は、栽培槽11の外側にかつ後述するサイフォン部分133の下方に、後述する養液槽16に向けて配置されている。
【0047】
サイフォン部分133は、栽培槽11に設置された支持手段15の下方に、逆U字型に形成されている。また、サイフォン部分133は、弾性素材で形成されている。また、サイフォン部分133は、栽培槽11内で略鉛直方向の逆方向に延びて吸入口131に向かう導引部133aと、栽培槽11内で略鉛直方向に延びて排出口132に向かう導出部133bと、導引部133aから導出部133bを繋げる湾曲した頂部133cと、を備える。栽培槽11の底部111から頂部133cまでの特に最適な距離は、700mmである。
【0048】
養液槽16は、上面が開放された箱状体であり、矩形の板状体底部の端縁に矩形の板状態側壁が立設している。また、養液槽16は、透光性の素材で形成されている。
【0049】
養液槽架台17は、板状体であり、養液槽16の上面を略半分覆うように設置されている。また、養液槽架台17の略中央部分には、栽培槽11の底部の外径より僅かに大きい形状の凹部が形成されている。また、この養液槽架台17の凹部には、栽培槽11の外部に配置されている流出手段13が挿入可能な孔が設けられている。すなわち、栽培槽11は、養液槽架台17に着脱可能に設置される。
【0050】
図3及び図4を用いて、水耕栽培装置1の養液3の流動について説明する。
図3は、流入手段12から栽培槽11へ流入された養液3の流動を示す栽培槽11の断面図である。
図4は、栽培槽11内の養液の水位の変化を示す水耕栽培装置1の部分断面図である。
【0051】
図4に示すように、養液3は、栽培槽11の側壁112に接続された流入手段12の流入口121から栽培槽11内に流し込まれる。流入口121は、円筒体の側壁112内部側の略接線方向に向けて側壁112に接続されている。よって、養液3は、側壁112に沿って回転しながら、流下していく。
【0052】
図3に示すように、流入手段12から流入された養液3は、栽培槽11の底部111から貯留され、流出手段13に形成されたサイフォン部分133の頂部133cの配置位置である水位32まで貯留される。すると、養液3は、サイフォン部分133のサイフォン効果によって、流出手段13の吸入口131から吸入され、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出される。すると、流入手段12の流入量より流出手段13の流出量の方が多いので、栽培槽11内の養液3の水位も徐々に下がる。その後、養液3は、流出手段13の吸入口131の配置位置である水位33までの水位が下がる。すると、流出手段13は、吸入口131より、空気を吸い込み、サイフォン効果を継続できなくなる。よって、養液3は、栽培槽11の外側に排出されなくなる。
【0053】
また、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出された養液3は、養液槽16に流下し、貯留される。その後、養液槽16に貯留された養液3は、流入手段12の水揚ポンプ123に吸い上げられ、流入手段12の流入管122を通じて、再び、流入手段12の流入口121より、栽培槽11に流入される。このように、養液3を循環させることで、水耕栽培装置1内で、養液3が滞留することがなくなるので、養液3の濃度を一定に保つことが可能となる。さらに、水耕栽培装置1は、鉛直方向に養液3を循環させているので、設置スペースを小さくすることが可能となる。
【0054】
また、養液3は、サイフォン部分133のサイフォン効果によって、流出手段13の吸入口131から吸入され、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出される。すると、養液3の水位は、水位33までの水位が下がる。すると、流出手段13は、空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、栽培槽11内で響き、栽培槽11の外側に聞こえる音を、吸い込み音とは音の性質が異なる後述する栽培槽音4a又は4bに変化する。
【0055】
図5(A)、(B)及び図6(A)、(B)を用いて、水耕栽培装置1の発する栽培槽音4a又は4bについて説明する。
図5(A)は、栽培槽音4aが発生する前の状態である水耕栽培装置1の斜視図である。
図5(B)は、栽培槽音4aが発生した状態である水耕栽培装置1の斜視図である。
【0056】
図5(A)に示すように、栽培槽11内の養液3の水位は、サイフォン部分133の頂部133cの位置である水位32に達している。すると、養液3は、サイフォン部分133のサイフォン効果によって、流出手段13の吸入口131から吸入され、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出さる。すると、図5(B)に示すように、養液3の水位は、水位33までの水位が下がる。すると、流出手段13は、空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、直接聞くと濁った音であり不快感を抱かせるものである。しかし、この吸い込み音の発生源となるサイフォン部分133を栽培槽11内で形成している。よって、吸い込み音は、栽培槽11内で響き、栽培槽11の外側に聞こえる音を、吸い込み音とは音の性質が異なる栽培槽音4aに変化する。
【0057】
次に、サイフォン部分133の頂部133cの鉛直方向の位置を変更した場合に、水耕栽培装置1の発する栽培槽音4bについて説明する。
図6(A)は、栽培槽音4bが発生する前の状態である水耕栽培装置1の斜視図である。
図6(B)は、栽培槽音4bが発生した状態である水耕栽培装置1の斜視図である。
【0058】
流出手段13は、この流出手段13の排出口132が設けられた側を栽培槽11の底部111から引き出されている。これにより、頂部133cの底部111からの高さは、図5(A)、(B)に示した頂部133cの底部111からの高さより低くなっている。
【0059】
図6(A)に示すように、栽培槽11内の養液3の水位は、サイフォン部分133の頂部133cの位置である水位32aに達している。すると、養液3は、サイフォン部分133のサイフォン効果によって、流出手段13の吸入口131から吸入され、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出される。すると、図6(B)に示すように、養液3の水位は、水位33aまでの水位が下がる。すると、流出手段13は、空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、栽培槽11内で響き、栽培槽11の外側に聞こえる音を、吸い込み音とは音の性質が異なる栽培槽音4bに変化する。
【0060】
また、図5(B)と図6(B)とを比べると、底部111から頂部133cまでの高さが異なるので、吸い込み音の発生源となる栽培槽11内のサイフォン部分133の大きさが異なる。よって、図5(B)の場合の吸い込み音と図6(B)の場合の吸い込み音も異なるので、栽培槽音4aと栽培槽音4bとも異なる性質を持つ音となっている。したがって、流出手段13の排出口132が設けられた側を栽培槽11の底部111から引き出す長さにより、吸い込み音を変化させることで、栽培槽音を多様な音に変化させることができる。
【実施例2】
【0061】
図7は、本発明の実施例2の水耕栽培装置1aの外観を示す斜視図である。
図7に示すように、水耕栽培装置1aは、植物2に吸収させる養液3を貯留する角型栽培槽11aと、角型栽培槽11aへ養液3を流入させる流入手段12と、養液3を角型栽培槽11aの外側に排出させる流出手段13と、を備える。また、水耕栽培装置1aは、角型栽培槽11aに流入する養液3を貯留するとともに、角型栽培槽11aの外側に排出された養液3を貯留する養液槽16と、養液槽16の上部に設けられ角型栽培槽11aを支持する養液槽架台17aと、を備える。
なお、上述の水耕栽培装置1と同一の構成についての説明は省略する。
【0062】
角型栽培槽11aは、略鉛直方向に延びる角筒形であり、底部111aの端縁に側壁112aが立設している。角型栽培槽11aは、透光性を有する樹脂で形成されている。
【0063】
底部111は、略方形の板状体であり、この底部111aの略中心には、流出手段13が貫通する別貫通孔113aが形成されている。この別貫通孔113aの内径は、流出手段13の外形より僅かに小さく形成されている。また、底部111aの別貫通孔113aが形成されている部分の周囲は、ゴム素材で形成されている。また、別貫通孔113aの内壁には、油脂が塗布されている。
【0064】
角型栽培槽11aの側壁112aは、略鉛直方向に立設する4枚の板状体から形成されている。この側壁112aには、栽培槽へ養液3を流入させる流入手段12の流入口121が接続されている。
【0065】
角型栽培槽11aの上部には、植物2を支持する支持手段15aが設置され、この支持手段15aと底部111aと側壁112aと、により角型栽培槽11aの内部空間を形成している。
【0066】
支持手段15aは、植物2を支持可能な厚さを有する板状体であり、角型栽培槽11aの側壁112aの内形と略同一の形状である。また、支持手段15aの略中心には、角型栽培槽11aに植設する植物2の茎の外形より僅かに小さい孔が形成されている。また、支持手段15aは、例えば、ウレタン樹脂で形成されている。なお、支持手段15aは、植物の根21を下方に貫通することができる素材であれば、例えば、ネット等を使用することができる。
【0067】
このように、栽培槽を角型とし、特にこの角型栽培槽の断面形状を方形とすることで、例えば、複数の栽培槽を並べる場合や、栽培槽の運搬時に積み重ねる場合に、無駄なスペースを少なくすることが可能となる。
【実施例3】
【0068】
図8は、本発明の実施例3の養液の水位変化を示す水耕栽培装置1bの部分断面図である。
図8に示すように、水耕栽培装置1bは、水耕栽培装置1の構成に加え、流出手段13とは別に別流出手段14を備える。また栽培槽11の底部111には、貫通孔113とは別に別貫通孔113aが形成されている。なお、上述の水耕栽培装置1と同一の構成についての説明は省略する。
【0069】
別流出手段14は、筒状の長尺体である。別流出手段14の一端側は、栽培槽11の内部に配置されている。また、別流出手段14は、栽培槽11の底部111に形成された別貫通孔113aをスライド可能に貫通し、別流出手段14の他端側は、栽培槽11の外部に配置されている。
【0070】
別流出手段14の一端側には、栽培槽11の養液3を吸入する別吸入口141が、形成されている。また、別流出手段14の他端側には、別吸入口141から吸入した養液3を栽培槽11の外側に排出させる別排出口142が形成されている。また、別流出手段14の別吸入口141と別排出口142との間には、別サイフォン部分143が形成されている。また、別流出手段14は、透光性の材質で形成されている。
【0071】
別吸入口141は、栽培槽11内の底部111近傍に、底部111方向に向けて配置されている。
別排出口142は、栽培槽11の外側にかつ後述する別サイフォン部分143の下方に、後述する養液槽16に向けて配置されている。
【0072】
別サイフォン部分143は、栽培槽11に設置された支持手段15の下方に、逆U字型に形成されている。また、別サイフォン部分143は、弾性素材で形成されている。また、別サイフォン部分143は、栽培槽11内で略鉛直方向の逆方向に延びて別吸入口141に向かう別導引部143aと、栽培槽11内で略鉛直方向に延びて別排出口142に向かう別導出部143bと、別導引部143aから別導出部143bを繋げる湾曲した別頂部143cと、を備える。
【0073】
また、栽培槽11の底部111から別吸入口141までの高さは、底部111から吸入口131までの高さと異なり、底部111から別頂部143cまでの高さは、底部111から頂部133cまでの高さと略同一の高さに配置されている。
【0074】
図9(A)、(B)、(C)を用いて、水耕栽培装置1bの養液3の流動、及び水耕栽培装置1bの発する栽培槽音4a又は4cについて説明する。
図9(A)は、栽培槽音4a又は4cが発生する前の状態である水耕栽培装置1bの斜視図である。
図9(B)は、栽培槽音4cが発生した状態である水耕栽培装置1bの斜視図である。
図9(C)は、栽培槽音4aが発生した状態である水耕栽培装置1bの斜視図である。
【0075】
図9(A)に示すように、流入手段12から流入された養液3は、流出手段13に形成されたサイフォン部分133の頂部133cの配置位置である水位32、及び別流出手段14に形成された別サイフォン部分143の別頂部143cの配置位置である水位32まで貯留される。すると、養液3は、サイフォン部分133のサイフォン効果によって、流出手段13の吸入口131から吸入され、流出手段13の排出口132から栽培槽11の外側に排出される。すると、流入手段12の流入量より流出手段13の流出量の方が多いので、栽培槽11内の養液3の水位も徐々に下がる。その後、養液3は、別流出手段14の別吸入口141の配置位置である水位33aまでの水位が下がる。すると、別流出手段14は、別吸入口141より、空気を吸い込み、サイフォン効果を継続できなくなる。これにより、別流出手段14は、栽培槽11の外側に養液3を排出しなくなる。その後、栽培槽11内の養液3の水位は、さらに下がり、流出手段13の吸入口131の配置位置である水位33までの水位が下がる。すると、流出手段13は、吸入口131より、空気を吸い込み、サイフォン効果を継続できなくなる。これにより、流出手段13は、栽培槽11の外側に養液3を排出しなくなる。
【0076】
図9(B)に示すように、別流出手段14は、空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、栽培槽11内で響き、栽培槽11の外側に聞こえる音を、吸い込み音とは音の性質が異なる栽培槽音4cに変化する。
【0077】
図9(C)に示すように、流出手段13は、空気を吸い込み、吸い込み音を発生する。この吸い込み音は、栽培槽11内で響き、栽培槽11の外側に聞こえる音を、吸い込み音とは音の性質が異なる栽培槽音4aに変化する。
【0078】
また、図9(B)と図9(C)とを比べると、別流出手段14の別吸入口141から別頂部143cまでの高さと、流出手段13の吸入口131から頂部133cまでの高さとは異なる。よって、吸い込み音の発生源となる栽培槽11内の別サイフォン部分143と、サイフォン部分133との大きさや形状が異なる。また、別流出手段14が吸い込み音を発生するときと、流出手段13が吸い込み音を発生するときとでは、養液3の水位が異なる。よって、吸い込み音を響かせる栽培槽11内の空気で満たされた空間の大きさが異なる。したがって、別流出手段14からの吸い込み音による栽培槽音4cと、流出手段13からの吸い込み音による栽培槽音4aとでは、音の発生するタイミングのみでなく、音の性質も異なる。
【実施例4】
【0079】
図10は、本発明の実施例4の水耕栽培装置1cの外観を示す斜視図である。
図10に示すように、水耕栽培装置1cは、上述の水耕栽培装置1の栽培槽11と同様の機能を有する複数の栽培槽11bを連結部20により連結して、複数の栽培槽11b用の養液槽架台17aに設置し、複数の栽培槽用の養液槽16aの上部に配置したものである。
【0080】
図11は、栽培槽11bの連結部20の斜視図である。
図11に示すように、栽培槽11bは、略鉛直方向に延びる円筒形であり、一端に底部が形成され、この底部の端縁に側壁112bが立設され、他端に開口を有する。また、栽培槽11bは、透光性を有する樹脂で形成されている。また、栽培槽11bの側壁112bの外面に連結部20を有する。
【0081】
連結部20は、栽培槽11bの開口を有する側の端部に形成されている。また、連結部20は、栽培槽11bの底部の形成面と平行する方向の断面形状がT字型である凸部116と、この凸部116が係合可能な形状である凹部115と、を備える。この凸部116と、凹部115と、は栽培槽11bの開口の直径方向に互いに対向する位置に形成されている。
【0082】
次に、図12を用いて、2つの栽培槽11bを連結部20により連結する手順について説明する。
図12は、2つの栽培槽11bを連結する手順を示す連結部20の斜視図である。
【0083】
図12に示すように、2つの栽培槽11bのうち一方の栽培槽11bの凸部116の上方に、他方の栽培槽11bの凹部115を配置し、略鉛直方向から互いに接近させる。すると、凸部116に凹部115が挿入され、凸部116と凹部115とは係合する。これにより、複数の栽培槽11bを一体的にすることができるので、水耕栽培装置1cの全体としての強度と安定性が向上する。また、複数の栽培槽11bを連結部20という所定の大きさを有する部材で連結するので、大量の栽培槽11bを連結した場合でも、水耕栽培装置1cの全体の外観が均整の取れたものとすることができる。
【0084】
また、2つの連結された栽培槽11を分離する場合は、鉛直方向から互いに交差するように移動させることで、分離できる。これにより、例えば、連結部材として、ねじ等を用いる必要がないので、容易に複数の栽培槽11bを連結し、分離することができる。よって、水耕栽培装置の設置場所や用途に合わせたレイアウトが可能となる。
【実施例5】
【0085】
図13は、本発明の実施例5の水耕栽培装置1dの外観を示す斜視図である。
図13に示すように、水耕栽培装置1dは、複数の角型栽培槽11cを連結部20aにより連結し、複数の栽培槽11c用の養液槽架台17cに設置し、複数の栽培槽用の養液槽16aの上部に配置したものである。角型栽培槽11cは、上述の水耕栽培装置1aの角型栽培槽11aと同様の機能も有する。
【0086】
図14は、角型栽培槽11cの連結部20aの斜視図である。
図14に示すように、角型栽培槽11cは、略鉛直方向に延びる角筒形であり、一端に底部が形成され、この底部の端縁に側壁112cが立設され、他端に開口を有する。また、角型栽培槽11cは、透光性を有する樹脂で形成されている。また、角型栽培槽11cの側壁112cの外面に連結部20aを有する。
【0087】
連結部20aは、角型栽培槽11cの開口を有する側の端部に形成されている。また、連結部20aは、先端部に爪部を有する凸部116aと、この凸部116が係合可能な形状である凹部115aと、を備える。この凸部116aと、凹部115aと、は角型栽培槽11cの互いに対向する側壁112cにそれぞれ形成されている。
【0088】
凸部116aは、互いに対向する一組の爪部を有する。この一組の爪部は、側壁112cの水平方向の一端と他端にそれぞれ形成されている。また、凸部116aは、凸部116aが形成された側壁112cに略直交する側壁112cに沿って延出している。また、凸部116aは、弾性変形可能な素材で形成されている。
【0089】
次に、図15を用いて、2つの角型栽培槽11cを連結部20aにより連結する手順について説明する。
図15は、2つの角型栽培槽11cを連結する手順を示す連結部20aの斜視図である。
【0090】
図15に示すように、2つの角型栽培槽11cのうち一方の角型栽培槽11cの凸部116aと、他方の角型栽培槽11cの凹部115aとを互いに対向するように配置し、略水平方向から互いに接近させる。すると、凹部115aの先端は、凸部116aに当接し、凸部116aを弾性変形させて、凸部116aの基端部に挿入され、凸部116aと凹部115aとは係合する。これにより、複数の角型栽培槽11cを一体的にすることができるので、水耕栽培装置1dの全体としての強度と安定性が向上する。また、複数の角型栽培槽11cを連結する連結部20aの凸部116aは、凸部116aが形成された側壁112cに略直交する側壁112cに沿って延出している。よって、大量の角型栽培槽11cを連結した場合でも、連結部20aが突出することがないので、水耕栽培装置1cの全体の外観が均整の取れたものとすることができる。
【0091】
次に、図16を用いて、2つの角型栽培槽11cを分離する手順について説明する。
図16は、2つの角型栽培槽11cを分離する手順を示す連結部20aの斜視図である。
【0092】
図16に示すように、2つの角型栽培槽11cを分離する場合は、鉛直方向から互いに交差するように移動させることで、分離できる。これにより、例えば、連結部材として、ねじ等を用いる必要がないので、容易に複数の角型栽培槽11cを連結し、分離することができる。よって、水耕栽培装置の設置場所や用途に合わせたレイアウトが可能となる。
【0093】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1の水耕栽培装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1の水耕栽培装置の外観を示す側面図である。
【図3】流入手段から栽培槽へ流入された養液の流動を示す栽培槽の断面図である。
【図4】栽培槽内の養液の水位変化を示す水耕栽培装置の部分断面図である。
【図5】栽培槽音の説明図である。(A)は、栽培槽音が発生する前の状態である水耕栽培装置の斜視図である。(B)は、栽培槽音が発生した状態である水耕栽培装置の斜視図である。
【図6】栽培槽音の説明図である。(A)は、栽培槽音が発生する前の状態である水耕栽培装置の斜視図である。(B)は、栽培槽音が発生した状態である水耕栽培装置の斜視図である。
【図7】本発明の実施例2の水耕栽培装置の外観を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例3の養液の水位変化を示す水耕栽培装置の部分断面図である。
【図9】栽培槽音の説明図である。(A)は、栽培槽音が発生する前の状態である水耕栽培装置の斜視図である。(B)は、栽培槽音が発生した状態である水耕栽培装置の斜視図である。(C)は、栽培槽音が発生した状態である水耕栽培装置の斜視図である。
【図10】本発明の実施例4の水耕栽培装置の外観を示す斜視図である。
【図11】栽培槽の連結部の斜視図である。
【図12】2つの栽培槽を連結する手順を示す連結部の斜視図である。
【図13】本発明の実施例5の水耕栽培装置の外観を示す斜視図である。
【図14】角型栽培槽の連結部の斜視図である。
【図15】2つの角型栽培槽を連結する手順を示す連結部の斜視図である。
【図16】2つの角型栽培槽を分離する手順を示す連結部の斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
1 水耕栽培装置
2 植物
3 養液
11 栽培槽
111 底部
112 側壁
113 貫通孔
113a 別貫通孔
12 流入手段
121 流入口
13 流出手段
131 吸入口
132 排出口
133 サイフォン部分
133a 導引部
133b 導出部
133c 頂部
14 別流出手段
141 別吸入口
142 別排出口
143 別サイフォン部分
143a 別導引部
143b 別導出部
143c 別頂部
15 支持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物に吸収させる養液を貯留する栽培槽と、
前記栽培槽へ養液を流入させる流入手段と、
前記栽培槽の養液を吸入する吸入口と該吸入口から吸入した養液を前記栽培槽の外側に排出させる排出口とを有する流出手段と、を備え、
前記栽培槽は、これの上部に前記植物を支持する支持手段を有し、
前記流出手段は、前記支持手段の下方に、前記栽培槽内で略鉛直方向の逆方向に延びる導引部と前記栽培槽内で略鉛直方向に延びる導出部と前記導引部から前記導出部を繋げる湾曲した頂部とから成る逆U字型に形成されたサイフォン部分を有し、
前記吸入口は、前記栽培槽内の底部近傍に配置され、
前記排出口は、前記栽培槽の外側にかつ前記サイフォン部分の下方に配置されることを特徴とする水耕栽培装置。
【請求項2】
前記サイフォン部分は、弾性であり、
前記流出手段は、前記栽培槽の底部をスライド可能に貫通することを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項3】
前記栽培槽の養液を吸入する別吸入口と、
前記別吸入口から吸入した養液を前記栽培槽の外側に排出する別排出口と、
前記栽培槽内で略鉛直方向の逆方向に延びる別導引部と前記栽培槽内で略鉛直方向に延びる別導出部と前記別導引部から前記別導出部を繋げる湾曲した別頂部とから成る逆U字型に形成された別サイフォン部分と、を有する別流出手段を備え、
前記栽培槽の底部から前記別吸入口までの高さは、前記栽培槽の底部から前記吸入口までの高さと異なり、
前記栽培槽の底部から前記別頂部までの高さは、前記栽培槽の底部から前記頂部までの高さと略同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の水耕栽培装置。
【請求項4】
前記栽培槽の内部は、略鉛直方向に延びる円筒形であり、
前記流入手段は、前記栽培槽へ養液を流入させる流入口を有し、
前記流入口は、前記栽培槽の内側壁の略接線方向に向けて配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水耕栽培装置。
【請求項5】
前記流入口は、前記サイフォン部分の頂部より上方に配置されることを特徴とする請求項4に記載の水耕栽培装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−259815(P2007−259815A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92283(P2006−92283)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(595095629)中電環境テクノス株式会社 (44)
【Fターム(参考)】