説明

繁忙度算出装置、店舗管理システム、繁忙度算出方法およびプログラム

【課題】店員に負担をかけることなく、顧客に対して店内の繁忙状況を正確に提示する。
【解決手段】オーダー内容を示すオーダー情報を取得するオーダー情報取得部110と、取得したオーダー情報を管理用メモリー22に蓄積して管理するオーダー情報管理部140と、管理用メモリー22に蓄積されているオーダー情報の数、および当該管理用メモリー22に蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数、の少なくとも一方に基づいて、店内の繁忙度を算出する繁忙度算出部160と、算出した繁忙度を外部装置に出力する繁忙度出力部180と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
店内の繁忙状況を把握するための繁忙度算出装置、店舗管理システム、繁忙度算出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店などの繁忙状況を把握するための装置として、接客担当の店員によるオーダー端末への情報入力(「席案内完了」、「配膳完了」、「片付完了」に対応するキーの押下)に基づいて店内の席状況を管理する手段と、入店待ちの顧客が待機する待ち客エリアをカメラで撮像する手段と、を備え、店内の空席が一定数以下となった場合に、待ち客エリアの撮像画像を表示器に表示する客席管理装置が知られている(例えば、特許文献1)。この構成により、店員は、表示器が設置された一つの場所に居ながらにして、入店待ちの顧客の状況を把握できるといった効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−234662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の客席管理装置は、店員にとって利点があるものの、顧客にとっての利点は少ない。すなわち顧客は、表示器に表示された入店待ちの顧客の状況から、店内が混雑状態にあることなどをある程度推測することはできるが、店内における正確な繁忙度を把握することはできない。また、上記の客席管理装置では、店内の席状況を管理するために店員の煩雑な操作(オーダー端末への情報入力)が必要となる。このため、店員の負担が大きく、また誤操作の可能性も高い。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、店員に負担をかけることなく、顧客に対して店内の繁忙状況を正確に提示することができる繁忙度算出装置、店舗管理システム、繁忙度算出方法およびプログラムを提供することを課題とする。また、本発明は、既存のPOS端末やオーダー端末を変えることなく、キッチンプリンターやレシートプリンター等のプリンターを新たに導入するだけで、上記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の繁忙度算出装置は、オーダー内容を示すオーダー情報を取得するオーダー情報取得部と、取得したオーダー情報をメモリーに蓄積して管理するオーダー情報管理部と、メモリーに蓄積されているオーダー情報の数、および当該メモリーに蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数、の少なくとも一方に基づいて、店内の繁忙度を算出する繁忙度算出部と、算出した繁忙度を外部装置に出力する繁忙度出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の繁忙度算出方法は、コンピューターが、オーダー内容を示すオーダー情報を取得するステップと、取得したオーダー情報をメモリーに蓄積して管理するステップと、メモリーに蓄積されているオーダー情報の数、および当該メモリーに蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数の少なくとも一方に基づいて、店内の繁忙度を算出するステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、オーダー情報の数、および当該メモリーに蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数の少なくとも一方に基づいて、店内の繁忙度を算出するため、客観的且つ正確な繁忙度を顧客に提示できる。また、店員は、オーダー端末などにオーダー情報を入力して繁忙度算出装置に送信するだけで良いため、煩雑な操作を必要としない。このため、店員の誤操作の問題がなくなり、より正確な繁忙度を算出できる。
なお、「繁忙度」は、「大」、「中」、「小」など抽象的な文言で表しても良いし、レベルまたはパーセントなどの数値によって表しても良い。また、「繁忙度」の表現方法を選択するための選択操作部を設け、ユーザーが好みに応じて選択できるようにしても良い。
また、「繁忙度」を出力する外部装置としては、ディスプレイ、スピーカー、印刷装置、情報端末、などが挙げられる。また、出力方法としては、電子メールやWebサイトへの表示なども考えられる。
【0009】
上記に記載の繁忙度算出装置において、オーダー内容を含む会計実行情報を取得する会計実行情報取得部をさらに備え、オーダー情報管理部は、会計実行情報に含まれるオーダー内容に対応するオーダー情報をメモリーから削除することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、飲食後に会計処理を行う後会計の店舗の場合、会計実行情報に含まれるオーダー内容に対応するオーダー情報をメモリーから削除することにより、店内に残っている顧客の残オーダー情報だけを管理できる。これにより、より正確な繁忙度を算出できる。
【0011】
上記に記載の繁忙度算出装置において、席待ち顧客の人数を示す席待ち情報を取得する席待ち情報取得部をさらに備え、繁忙度算出部は、計算式を用いて繁忙度を算出すると共に、当該計算式に、席待ち情報に応じたパラメーターを反映することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、席待ち顧客の人数を考慮して、より正確な(信頼度の高い)繁忙度を算出できる。
【0013】
上記に記載の繁忙度算出装置において、取得したオーダー情報に基づいて、オーダー票を印刷するオーダー票印刷部と、取得した会計実行情報に基づいて、会計レシートを印刷する会計レシート印刷部と、のうち、少なくとも一方の印刷部を備えたことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、本発明の繁忙度算出装置を、オーダー票を印刷するキッチンプリンターや、会計レシートを印刷するレシートプリンターに適用できる。
【0015】
本発明の店舗管理システムは、各店舗に対応して設けられた上記に記載の繁忙度算出装置と、複数の繁忙度算出装置とネットワークを介して接続された管理サーバーと、を備えた店舗管理システムであって、管理サーバーは、複数の繁忙度算出装置による繁忙度算出結果を、各店舗の名称と共に顧客端末に対して提供する繁忙度提供部を備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、繁忙度算出結果を顧客端末に提供するため、店舗から離れた場所に居る顧客に対しても繁忙度を提示できる。
なお、繁忙度提供部は、Webサイトに表示することで不特定多数の顧客に対して繁忙度を提供しても良いし、電子メール等で直接対象となる顧客端末に繁忙度を送信しても良い。
【0017】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、管理サーバーは、顧客端末から、最短待ち時間の店舗検索の依頼を受ける検索依頼受託部と、検索依頼の受託をトリガーとして、複数の繁忙度算出装置による繁忙度算出結果を参照し、当該参照結果に基づいて、推奨店舗を決定する推奨店舗決定部と、決定した推奨店舗を、検索依頼を行った顧客端末に対して通知する推奨店舗通知部と、をさらに備えたことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、顧客端末からの依頼により、最短待ち時間の店舗を検索して顧客端末に通知するため、顧客は有効な時間活用ができる。
なお、検索依頼受託部および推奨店舗通知部は、Webサイト上で実現しても良いし、電子メール機能を用いて実現しても良い。
【0019】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、管理サーバーは、複数の繁忙度算出装置による過去の繁忙度算出結果である繁忙履歴情報を記憶する繁忙履歴情報記憶部をさらに備え、推奨店舗決定部は、繁忙履歴情報記憶部を参照し、各店舗の繁忙履歴情報を考慮して、推奨店舗を決定することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、各店舗における繁忙履歴情報を考慮し、例えば、いつも混雑している店舗は、その日偶発的に空いていたとしても推奨店舗としないなど、最適な推奨店舗を決定できる。
【0021】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、繁忙履歴情報記憶部は、繁忙履歴情報を、繁忙度の算出を行った日時情報と共に記憶し、推奨店舗決定部は、繁忙履歴情報記憶部に記憶された日時情報から、日時別または曜日別の繁忙予測情報を生成し、当該繁忙予測情報と現在日時または現在曜日とを照合することにより、推奨店舗を決定することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、日時別または曜日別の繁忙予測情報を考慮して、最適な推奨店舗を決定できる。決定方法の一例としては、例えば、お昼12:00から急に混雑する傾向のある店舗は、11:30の時点で空いている場合であっても推奨店舗としない、また検索依頼があった曜日に繁忙度が高い傾向のある店舗は推奨店舗としない、などが挙げられる。
【0023】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、管理サーバーは、各繁忙度算出装置の現時点における繁忙度算出結果を、繁忙情報としてリアルタイムに取得する繁忙情報取得部をさらに備え、推奨店舗決定部は、繁忙予測情報および繁忙情報に基づいて、推奨店舗を決定することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、過去の繁忙履歴に基づく繁忙予測情報と、現時点における繁忙情報と、を考慮して、最適な推奨店舗を決定できる。
【0025】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、検索依頼受託部は、顧客端末から、位置情報と共に検索依頼を受託し、推奨店舗決定部は、顧客端末から取得した位置情報が示す位置と、各店舗の位置との相対関係に基づいて、位置情報が示す位置から各店舗までの移動時間を算出し、当該移動時間の短い店舗を優先して、推奨店舗を決定することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、移動時間の短い店舗を優先して推奨店舗を決定するため、顧客の移動の負担を軽減できる。
なお、位置情報については、顧客端末の現在位置を位置情報としても良いし、顧客が指定した場所を位置情報としても良い。前者の場合、GPS(Global Positioning System)が搭載された顧客端末から、当該GPSの計測情報を位置情報として取得する。
【0027】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、推奨店舗決定部は、繁忙情報に基づいて、店舗に入店してからの待ち時間を算出し、当該待ち時間と移動時間の合計時間が最も短い店舗を、推奨店舗の一店舗として決定することが好ましい。
【0028】
この構成によれば、現時点の繁忙情報から算出する待ち時間と、移動時間との合計時間が最も短い店舗を推奨店舗として顧客に提示するため、顧客は、店舗に入店して商品を受け取る、または飲食を開始するまでの時間が最も短い店舗などを知ることができる。
【0029】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、推奨店舗通知部は、推奨店舗決定部により決定した推奨店舗における待ち時間および移動時間、若しくは合計時間を、顧客端末に通知することが好ましい。
【0030】
この構成によれば、顧客は、提示された各推奨店舗の待ち時間および移動時間、若しくは合計時間を知ることができる。
【0031】
上記に記載の店舗管理システムにおいて、管理サーバーは、顧客端末から、推奨店舗に対する予約を受託する予約受託部と、推奨店舗決定部により決定した複数の推奨店舗のうち、合計時間が最も短い店舗以外の店舗に対して予約を行った顧客端末に対し、インセンティブを付与するインセンティブ付与部と、をさらに備えたことが好ましい。
【0032】
この構成によれば、店舗側の都合で合計時間が最も短い店舗以外の店舗を推奨店舗として決定した場合(例えば、過去の繁忙履歴情報から混雑傾向にある店舗を避けて推奨店舗を決定した場合など)であって、顧客がその推奨店舗の利用を了承した場合などに、顧客に対してインセンティブを与えることで、店舗、顧客の双方に対してメリットが得られる。
【0033】
本発明の他の店舗管理システムは、各店舗に対応して設けられた店舗装置と、複数の店舗装置とネットワークを介して接続された管理サーバーと、を備えた店舗管理システムであって、店舗装置は、オーダー内容を示すオーダー情報を取得するオーダー情報取得部と、取得したオーダー情報を管理サーバーに送信するオーダー情報送信部と、を備え、管理サーバーは、各店舗装置から取得したオーダー情報をメモリーに蓄積して管理するオーダー情報管理部と、メモリーに蓄積されているオーダー情報の数、および当該メモリーに蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数、の少なくとも一方に基づいて、各店舗の繁忙度を算出する繁忙度算出部と、算出した各店舗の繁忙度を、各店舗の名称と共に顧客端末に対して提供する繁忙度提供部と、を備えたことを特徴とする。
【0034】
この構成によれば、管理サーバー側で、オーダー情報の管理や繁忙度の算出を行うため、店舗装置の処理負荷を軽減できる。これにより、店舗装置のコストを抑えることができ、ひいては店舗管理システム全体の低コスト化を図ることができる。
【0035】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記に記載の繁忙度算出方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0036】
このプログラムをコンピューターに実行させることにより、店員に負担をかけることなく、顧客に対して店内の繁忙状況を正確に提示する繁忙度算出方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態に係る店舗管理システムのシステム構成図である。
【図2】オーダー票および会計レシートの一例を示す図である。
【図3】店頭ディスプレイの表示および待ち時間テーブルの一例を示す図である。
【図4】空席待ち管理装置の表示および空席待ち票の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る店舗管理システムのブロック図である。
【図6】管理用メモリーの記憶内容の一例を示す図である。
【図7】品目テーブルおよび繁忙度の計算式の一例を示す図である。
【図8】繁忙度の計算式の一例を示す図である。
【図9】顧客端末に表示される、トップ画面および店舗一覧画面の表示の一例を示す図である。
【図10】顧客端末に表示される、店舗検索結果画面の表示の一例を示す図である。
【図11】顧客端末に表示される、店舗検索結果画面および予約完了画面の表示の一例を示す図である。
【図12】検索条件の一例を示す図である。
【図13】第1実施形態に係る店舗管理システムの変形例を示すシステム構成図である。
【図14】第2実施形態に係る店舗管理システムのシステム構成図である。
【図15】店頭ディスプレイの表示および座席数記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
【図16】第2実施形態に係る店舗管理システムのブロック図である。
【図17】店舗一覧画面の表示および待ち時間テーブルの一例を示す図である。
【図18】第2実施形態に係る店舗管理システムの変形例を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の一実施形態に係る繁忙度算出装置、店舗管理システム、繁忙度算出方法およびプログラムについて、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態では、飲食店における繁忙度を算出する場合について例示する。また、繁忙度は「%」を単位として示す。
【0039】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る店舗管理システムSY1のシステム構成図である。店舗管理システムSY1は、店舗(飲食店)に設置されるキッチンプリンター10(繁忙度算出装置)、オーダー端末11、レシートプリンター12、POS(Point Of Sales)端末13、バーコードリーダー14、店頭ディスプレイ15および空席待ち管理装置16の他、複数の店舗(例えば、チェーン展開している飲食店グループに含まれる店舗)における繁忙度を統括管理する管理サーバー20と、顧客が操作する顧客端末30と、から成る。
【0040】
オーダー端末11は、店員がオーダー内容を入力するためのハンディ型の情報入力端末である。キッチンプリンター10は、オーダー端末11に入力されたオーダー情報を、無線通信を介して取得し、オーダー票51(図2(a)参照)を印刷する。なお、当該「オーダー情報」には、オーダー内容を示す情報の他、顧客が着席した座席を示す情報が含まれる。
【0041】
レシートプリンター12は、POS端末13から取得した会計情報に基づいて会計レシート52(図2(b)参照)を印刷する。バーコードリーダー14は、オーダー票51に印刷されたバーコード55を読み取り、POS端末13に出力する。POS端末13は、バーコードリーダー14から取得したバーコード情報(オーダー番号を示す情報)から、オーダー内容を特定し(不図示のオーダー管理データベースからオーダー内容を読み出し)、当該オーダー内容と、各メニューの価格データベースと、に基づいて、会計処理を行う。なお、上記の「会計情報」とは、POS端末13による当該会計処理結果を含む情報を指す。
【0042】
なお、レシートプリンター12は、POS端末13から取得した会計情報を解析し、その解析結果(以下、「会計実行情報」とも称する)をキッチンプリンター10に出力する。キッチンプリンター10は、当該解析結果から、オーダー番号やオーダー内容を特定し、未会計処理のオーダー情報である残オーダー情報を管理する。詳細については後述するが、本実施形態のキッチンプリンター10は、当該残オーダー情報に基づいて繁忙度を算出する。
【0043】
店頭ディスプレイ15は、店舗の店頭に設置されるディスプレイ装置であり、顧客に対してその店舗の繁忙度を示す。これにより、来店した顧客は、繁忙度を確認した上で、入店するか否かを判断することができる。また、空席待ち管理装置16は、店内入口の受付カウンターに設置される装置である。顧客は、入店した後、当該空席待ち管理装置16に必要な情報を入力することにより、空席待ち票53(図4(b)参照)を得る。これにより、店員は、顧客の入店順序に従って、公平にテーブル案内を行うことができる。
【0044】
一方、管理サーバー20は、複数の店舗に設置されたキッチンプリンター10と、インターネット等のネットワークNT1を介して接続される。管理サーバー20は、各店舗において算出された現在の繁忙度(以下、「繁忙情報」とも称する)を取得して顧客(顧客端末30)に提供すると共に、過去の繁忙度(以下、「繁忙履歴情報」とも称する)をデータベース21に蓄積して、繁忙予測を行う。また、顧客端末30から、店舗検索の依頼を受託した場合は、最短待ち時間となる店舗や最短移動時間で入店可能な店舗を検索し、推奨店舗として顧客端末30に通知する。
【0045】
顧客端末30は、上記のネットワークNT1(インターネット)、電話公衆回線等のネットワークNT2、および基地局40等を介して、管理サーバー20と通信する。なお、顧客端末30として、本実施形態では携帯電話、スマートフォン、PDA、カーナビゲーション装置など、顧客と共に移動する移動通信端末を想定しているが、自宅にあるデスクトップ型のパーソナルコンピューター、コンビニエンスストアや公共施設に設置されたキオスク端末など、固定設置されることを前提とした端末を顧客端末30として用いても良い。
【0046】
次に、図2ないし図4を参照し、オーダー票51、会計レシート52、空席待ち票53の印刷例、並びに店頭ディスプレイ15および空席待ち管理装置16の表示例について説明する。
【0047】
図2(a)は、オーダー票51の印刷例を示す図である。オーダー票51には、オーダー時刻、オーダー番号、座席、オーダー品目およびバーコード55が印刷される。ここで、オーダー時刻とは、キッチンプリンター10がオーダー情報を取得した時刻、またはオーダー端末11に情報入力が開始された時刻を指す。また、オーダー番号とは、キッチンプリンター10またはオーダー端末11により自動付与される番号を指す。また、座席とは、店員によって入力されたテーブル番号を指す。また、オーダー品目とは、品目名およびその数量を指す。また、バーコード55には、少なくともオーダー番号を示す情報が含まれる。
【0048】
続いて、図2(b)は、会計レシート52の印刷例を示す図である。会計レシート52には、店舗名、会計日時、オーダー内容、金額(単価、合計金額)および精算情報が印刷される。ここで、会計日時とは、POS端末13により会計処理が行われた日時を指す。また、精算情報とは、預かり金額および釣銭の額を指す。
【0049】
続いて、図3(a)は、店頭ディスプレイ15に設けられた表示画面61の表示例を示す図である。表示画面61には、店舗名、現在の繁忙度および補足情報が印刷される。ここで、現在の繁忙度とは、キッチンプリンター10によって算出される値である。計算式については後述する。また、補足情報とは、顧客に対して待ち時間の目安を示す情報である。当該待ち時間の目安は、図3(b)に示す待ち時間テーブルを参照してキッチンプリンター10が決定する。例えば、繁忙度が0%の場合、待ち時間の目安は0分となる。また、繁忙度が20%の場合、待ち時間の目安は20分となる。なお、同図のテーブルにおいて「○○〜△△」の標記は、「○○以上、△△未満」を意味する(後述する図17(b)についても同様)。
【0050】
続いて、図4(a)は、空席待ち管理装置16に設けられたタッチパネル62の表示例を示す図である。タッチパネル62には、空席待ち状況、空席待ち番号および人数選択アイコンが表示される。ここで、空席待ち状況とは、空席待ち状態の顧客に付与されている空席待ち番号の一覧と、各番号の顧客人数を指す。また、空席待ち番号とは、次に空席待ちの操作を行った顧客に対して付与される番号を指す。また、人数選択アイコンとしては、「1人」、「2人」などの人数に応じたアイコンを表示する。顧客により、これらのアイコンのうちいずれかが選択(押下)されると、空席待ち管理装置16は、図4(b)に示す空席待ち票53を印刷(発行)する。当該空席待ち票53には、空席待ち番号および補足メッセージが印刷される。ここで、補足メッセージとは、顧客に対して、番号の確認および待機を促す説明を指す。
【0051】
次に、図5を参照し、店舗管理システムSY1の機能構成について説明する。キッチンプリンター10は、主な機能構成として、オーダー情報取得部110、オーダー票印刷部120、会計実行情報取得部130、オーダー情報管理部140、席待ち情報取得部150、繁忙度算出部160、繁忙情報送信部170および繁忙度出力部180を備えている。
【0052】
オーダー情報取得部110は、各店員が所持する複数のオーダー端末11から、オーダー内容を示すオーダー情報を取得する。オーダー票印刷部120は、オーダー情報取得部110により取得したオーダー情報に基づいて、オーダー票51を印刷する。会計実行情報取得部130は、レシートプリンター12から、会計処理終了後に、オーダー内容を含む会計実行情報を取得する。
【0053】
オーダー情報管理部140は、オーダー情報取得部110により取得したオーダー情報を管理用メモリー22に蓄積すると共に、会計実行情報取得部130により取得した会計実行情報に含まれるオーダー内容に対応するオーダー情報を管理用メモリー22から削除する。図6は、管理用メモリー22の記憶内容の一例を示す図である。同図に示すように、管理用メモリー22には、オーダーごとに、オーダー時刻、オーダー番号、座席およびオーダー内容(品目および数量)が記憶される。例えば、同図に示す3つのオーダー情報が管理用メモリー22に記憶されている場合であって、POS端末13によりオーダー番号「T001」のオーダー票51に基づいて会計処理が行われた場合、オーダー情報管理部140は、管理用メモリー22からオーダー番号「T001」のオーダー情報を削除する。
【0054】
なお、オーダー情報を削除する際は、オーダー番号単位で削除するのではなく、オーダー内容(オーダー品目)ごとに削除しても良い。例えば、図6に示した3つのオーダー情報が管理用メモリー22に記憶されている場合であって、POS端末13により品目「Aセット」、数量「1」のオーダー内容の会計処理が行われた場合(例えば、「テーブル1」に着席した3人の顧客のうち1人分のみ先に会計処理が行われた場合)、該当する品目(同図の例では、オーダー番号「T001」およびオーダー番号「T003」のいずれかに含まれる品目「Aセット」)を削除する。
【0055】
席待ち情報取得部150は、空席待ち管理装置16から、席待ち顧客の人数を示す席待ち情報を取得する。例えば、図4(a)に示したタッチパネル62の表示が行われている場合、席待ち顧客の人数は、4+2=6人であるから、席待ち情報は「6」となる。なお、席待ち情報の取得は、定期的、または顧客によるタッチパネル62への操作をトリガーとして行われる。また、当該席待ち情報は、繁忙度の算出に用いられる。
【0056】
繁忙度算出部160は、管理用メモリー22に蓄積されているオーダー情報の数や、当該管理用メモリー22に蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数(品目ごとの注文数から算出される品目別調理時間の合計)などに基づいて、店内の繁忙度を算出する(図7(b)参照)。また、繁忙度算出部160は、繁忙度を算出するための計算式に、席待ち情報取得部150により取得した席待ち情報に応じたパラメーターを反映して繁忙度を算出することも可能である(図8(a),(b)参照)。なお、上記の待ち時間テーブル(図3(b)参照)は、繁忙度算出部160に含まれるものであり、店頭ディスプレイ15の表示画面61(図3(a)参照)に表示する待ち時間の目安も、待ち時間テーブルを参照して、繁忙度算出部160により算出される。
【0057】
繁忙情報送信部170は、繁忙度算出部160の算出結果である繁忙情報を、管理サーバー20に送信する。なお、繁忙情報の送信は、キッチンプリンター10が繁忙度の算出ごとに自発的に送信しても良いし、管理サーバー20から要求があった場合に、その時点における繁忙度を送信しても良い。また、前者の場合、定期的に繁忙度を送信しても良いし、繁忙度に変化が生じた場合のみ送信しても良い。
【0058】
繁忙度出力部180は、店頭ディスプレイ15(外部装置)に対し、繁忙度算出部160の算出結果(繁忙度および待ち時間の目安)を出力する。当該出力は、キッチンプリンター10または店頭ディスプレイ15の電源投入時、並びに繁忙度に変化が生じた場合に行われる。なお、繁忙度の出力は、ディスプレイ装置以外にも、スピーカー、印刷装置、並びに携帯電話等の情報端末に対して行っても良い。
【0059】
続いて、レシートプリンター12の機能構成について説明する。レシートプリンター12は、主な機能構成として、会計情報解析部190および会計実行情報出力部200を備えている。
【0060】
会計情報解析部190は、POS端末13から取得した、会計処理結果を示す会計情報を解析し、オーダー番号やオーダー内容を抽出する。会計実行情報出力部200は、会計情報の解析によって得られたオーダー番号やオーダー内容を、会計実行情報(会計処理済みのオーダー情報またはオーダー内容を特定するための情報)として、キッチンプリンター10(会計実行情報取得部130)に出力する。
【0061】
続いて、管理サーバー20の機能構成について説明する。管理サーバー20は、主な機能構成として、繁忙情報取得部210、繁忙度提供部220、検索依頼受託部230、推奨店舗決定部240、繁忙履歴情報記憶部250、推奨店舗通知部260、予約受託部270およびインセンティブ付与部280を備えている。
【0062】
繁忙情報取得部210は、キッチンプリンター10(繁忙情報送信部170)から、各店舗の現時点における繁忙情報をリアルタイムに取得し、サーバー側メモリー23に格納する。
【0063】
繁忙度提供部220は、繁忙情報取得部210で取得した繁忙情報(繁忙度算出結果)を、各店舗の名称と共に顧客端末30に対して提供する。本実施形態では、管理サーバー20が提供するWebサイト(モバイルサイト)にアクセスした閲覧者に対して、繁忙情報を提供する(図9(b)参照)。
【0064】
検索依頼受託部230は、顧客端末30から、最短待ち時間の店舗検索の依頼を受ける。当該検索依頼の受託も、Webサイトにて行う(図9(a)参照)。また、推奨店舗決定部240は、検索依頼受託部230による検索依頼の受託をトリガーとして、サーバー側メモリー23(各店舗の繁忙度算出結果)を参照し、当該参照結果に基づいて、推奨店舗を決定する。この場合、推奨店舗決定部240は、繁忙履歴情報記憶部250を参照し、各店舗の繁忙履歴情報を考慮して、推奨店舗を決定する。ここで、繁忙履歴情報とは、各店舗における過去の繁忙度算出結果と、繁忙度の算出を行った日時情報とを関連付けた情報である。推奨店舗決定部240は、繁忙履歴情報記憶部250に記憶された日時情報から、日時別または曜日別の繁忙予測情報を生成し、当該繁忙予測情報と現在日時または現在曜日とを照合することにより、推奨店舗を決定する。なお、本実施形態では、1日を複数の時間帯に分割し(例えば、1時間ごとなど)、その日およびその曜日における過去の繁忙度の平均値が50%を超えている場合、その時間帯については、繁忙予測「あり」(混雑する可能性が高い)と判断する。その他、繁忙予測を算出するための算出アルゴリズムを用意しておき、当該算出アルゴリズムに、時間帯、曜日、天気、イベントの有無などに対応したパラメーターを代入して繁忙予測を行っても良い。
【0065】
また、推奨店舗決定部240は、顧客端末30から取得した位置情報が示す位置と、各店舗の位置との相対関係に基づいて、位置情報が示す位置から各店舗までの移動時間を算出し、当該移動時間の短い店舗を優先して、推奨店舗を決定する。つまり、顧客端末30は、検索依頼時に、端末内に搭載されたGPSの計測情報を位置情報として管理サーバー20に送信する。管理サーバー20は、位置情報から特定される顧客端末30の位置(顧客の位置)から最も近い店舗を検索し、当該最近店舗を優先して推奨店舗を決定する。
【0066】
さらに、推奨店舗決定部240は、繁忙情報(現時点における繁忙度)に基づいて、店舗に入店してからの待ち時間を算出し、当該待ち時間と移動時間の合計時間が最も短い店舗を、推奨店舗の一店舗として決定する。つまり、着席までの時間が最も短いと思われる店舗を推奨店舗として決定する。一方、推奨店舗通知部260は、推奨店舗決定部240により決定された推奨店舗を、顧客端末30に通知する。この場合、推奨店舗通知部260は、推奨店舗決定部240により決定された推奨店舗における待ち時間および移動時間、若しくはそれらの合計時間を、顧客端末30に通知する。なお、これらの通知も、Webサイトにて行う(図10(a),(b)、図11(a)参照)。
【0067】
予約受託部270は、顧客端末30から、推奨店舗通知部260により通知した推奨店舗に対する予約を受ける。また、インセンティブ付与部280は、推奨店舗決定部240により決定した複数の推奨店舗のうち、合計時間が最も短い店舗以外の推奨店舗に対して予約を行った顧客端末30に対してインセンティブを付与する。これにより、例えば、店舗側の都合で推奨店舗を決定した場合(過去の繁忙履歴情報から混雑傾向にある店舗を避けて推奨店舗を決定した場合など)に、顧客がその推奨店舗の利用を了承してくれたことに対するインセンティブを与えることで、店舗、顧客の双方に対してメリットとなる。なお、予約受託部270による予約の受託およびインセンティブ付与部280によるインセンティブの付与(通知)も、Webサイトにて行う(図10(a),(b)、図11(a),(b)参照)。
【0068】
次に、図7および図8を参照し、繁忙度の算出について説明する。まず、図7(a)は、品目テーブルを示す図である。当該品目テーブルは、品目とその調理時間と関連付けたものであり、繁忙度算出部160に含まれる。なお、同図に示す「ドリンクD」のように、調理時間の算出対象外となる品目も存在する。
【0069】
図7(b)は、繁忙度の計算式:パターン1を示す図である。同図に示すように、当該パターン1では、「オーダー数」と「品目別調理時間の合計」をパラメーターとしている。ここで、「品目別調理時間の合計」は、図7(a)に示した品目テーブルを参照し、管理用メモリー22に含まれる全オーダー情報(残オーダー情報)の品目に対応する調理時間の累計を指す。例えば、図6に示すオーダー情報が管理用メモリー22に蓄積されている場合、「品目別調理時間の合計」は、品目「Aセット」、「Bセット」、「Cセット」の注文数がそれぞれ「2」であるから、64分となる。なお、同図に示すX,Yは、補正係数(定数)である。
【0070】
図8(a)は、繁忙度の計算式:パターン2を示す図である。当該パターン2では、「オーダー数」と「席待ち人数」をパラメーターとしている。ここで、「席待ち人数」は、席待ち情報取得部150により取得される席待ち情報から特定される値である。なお、同図に示すX,Zは、補正係数(定数)である。
【0071】
図8(b)は、繁忙度の計算式:パターン3を示す図である。当該パターン3では、「オーダー数」と「品目別調理時間の合計」と「席待ち人数」をパラメーターとしている。なお、同図に示すX,Y,Zは、補正係数(定数)である。
【0072】
以上、繁忙度の計算式として3つのパターンを示したが、どの計算式を採用するかを、キッチンプリンター10に設けられた操作子、または設定ツールを用いて、ユーザーが選択可能としても良い。
【0073】
次に、図9ないし図11を参照し、顧客端末30に設けられた表示画面31の表示例および顧客端末30の操作について説明する。図9(a)は、「○○チェーン」のWebサイトにアクセスした際のトップ画面を示す図である。トップ画面には、最短待ち時間となる店舗の検索ができる旨、その店舗に対して予約ができる旨、クーポン(インセンティブ)を受けられる可能性がある旨、などのメッセージを表示する。また、操作選択肢として、「店舗一覧」と「店舗の検索」を表示する。顧客は、顧客端末30に設けられた操作部(テンキーなど,図示省略)を用いて、操作選択肢の選択など各種操作を行う。
【0074】
顧客端末30は、ユーザーによりトップ画面において「店舗一覧」が選択されると、図9(b)に示す店舗一覧画面を表示画面31に表示する。店舗一覧画面には、チェーン店グループに含まれる各店舗の店舗名、繁忙度、待ち時間を表示する。ここで、繁忙度とは、現時点における繁忙度算出結果を指す。また、待ち時間とは、図3(b)に示した待ち時間テーブルを参照して得られる値である。つまり、管理サーバー20(繁忙度提供部220)にも、待ち時間テーブルが含まれる。店舗一覧画面において、操作選択肢「前の画面に戻る」が選択されると、トップ画面に戻る。
【0075】
一方、顧客端末30は、ユーザーによりトップ画面において「店舗の検索」が選択されると、図10(a),(b)および図11(a)に示すような店舗検索結果画面を表示画面31に表示する。例えば、図10(a)は、顧客端末30の現在位置に基づく移動時間、繁忙情報(現時点における繁忙度)に基づく待ち時間、および繁忙予測情報が、図12(a)に示す状況である場合の検索結果例(ケース1)を示している。
【0076】
ここで、まず、図12に示す3つの状況(ケース1〜3)について説明する。推奨店舗決定部240は、店舗名、移動時間、待ち時間、合計時間および繁忙予測を管理しており、これらの検索条件に応じて推奨店舗を決定する。ここで、移動時間とは、顧客端末30の位置と各店舗の位置との相対位置から得られる情報である。なお、移動時間の算出アルゴリズムについては、ナビゲーション装置等で従来用いられているものを採用可能である。また、移動手段についても、徒歩、自転車、自動車など複数項目の中から選択可能としても良い。ここでは、徒歩移動を原則として移動時間を算出する。また、待ち時間とは、サーバー側メモリー23に記憶されている現在の繁忙度から、待ち時間テーブル(図3(b)参照)を参照して特定される情報である。また、合計時間とは、移動時間と待ち時間の合計を指す。また、繁忙予測とは、繁忙履歴情報記憶部250に記憶されている繁忙履歴情報に基づく情報であり、「あり」/「なし」のいずれかを指す。具体的には、その時間帯(店舗検索依頼が行われた時間帯)およびその曜日における過去の繁忙履歴の平均値が所定値(例えば、50%)を超えている場合、繁忙予測「あり」とする。なお、時間帯が1時間ごとなど、比較的短い単位で区切られている場合、過去の繁忙履歴の平均値が所定値を超えている時間帯の幾つか手前の時間帯から、繁忙予測「あり」として管理することが好ましい。
【0077】
ここで、図12に示す3つの状況と、各状況における店舗検索結果画面の表示結果について説明する。上記の通り、推奨店舗決定部240は、移動時間の短い店舗を優先して推奨店舗を決定する。したがって、図12(a)のケース1では、「△△店」が優先店舗となる。また、合計時間が最も短い店舗も「△△店」である。このように、移動時間の最も短い店舗=合計時間が最も短い店舗の場合、該当する1店舗のみを推奨店舗として決定する。したがって、図10(a)に示すような表示結果となる。
【0078】
また、図12(b)のケース2のように、移動時間の最も短い店舗≠合計時間が最も短い店舗の場合、推奨店舗決定部240は、合計時間が最も短い店舗と、移動時間の最も短い店舗を推奨店舗として決定する。また、この場合、合計時間が最も短い店舗(同図の例の場合、「◇◇店」)を第1候補として表示する(最初に表示すると共に、仮選択状態にて表示する)。したがって、図10(b)に示すような表示結果となる。
【0079】
また、図12(c)のケース3のように、移動時間の最も短い店舗=合計時間が最も短い店舗であるが、該当する店舗が繁忙予測「あり」の場合、合計時間が短い順に、2つの店舗(同図の例の場合、「△△店」と「◇◇店」)を推奨店舗として決定する。また、この場合、合計時間が最も短い店舗(第1候補の店舗)以外の店舗(第2候補の店舗)をクーポンプレゼントの対象店舗とする。したがって、図11(a)に示すような表示結果となる。
【0080】
なお、図10(a),(b)および図11(a)に示すように、店舗検索結果画面には、検索結果(該当する推奨店舗の数や各推奨店舗に関する情報)を表示する。また、各推奨店舗に関する情報としては、店舗名、移動時間、待ち時間、住所、電話番号などを表示する。また、店舗検索結果画面において、操作選択肢「前の画面に戻る」が選択されると、トップ画面に戻る。また、操作選択肢「選択した店舗に予約」が選択されると、図11(b)に示すような予約完了画面を表示する。
【0081】
図11(b)では、図11(a)に示す店舗検索結果画面において、第2候補の店舗が選択された場合の、予約完了画面を例示している。予約完了画面には、予約を完了した旨、予約番号、予約店舗に関する情報、クーポン情報などを表示する。また、予約完了画面において、操作選択肢「画面登録する」が選択されると、画面情報を顧客端末30内のメモリー(図示省略)に記憶する。また、操作選択肢「トップ画面に戻る」が選択されると、トップ画面に戻る。なお、予約番号については、管理サーバー20により自動付与される番号であるが、当該予約番号およびクーポン情報は、予約店舗に通知される。予約店舗のキッチンプリンター10は、これらの予約情報を取得すると、これを所定のメモリーに保存する。また、POS端末13は、顧客が会計を行う際、顧客から提示された予約完了画面と所定のメモリーの記憶内容とを照合し、確かに予約が行われていることを確認した上で、割引処理を行う。なお、所定のメモリーは、キッチンプリンター10、レシートプリンター12、POS端末13、およびこれらと接続された記憶装置(図示省略)のいずれかの中に存在し、レシートプリンター12またはPOS端末13に設けられた表示画面にて予約情報が確認できるようになっている。
【0082】
なお、予約情報としては、予約番号およびクーポン情報だけでなく、予約日時や顧客情報(例えば、Webサイトにログインしたときのログイン情報)、並びに顧客による入力情報(人数情報や座席タイプ(喫煙/禁煙など)を指定する情報)を含めて各店舗に送信されることが好ましい。この構成によれば、店舗側で予約した顧客に関する情報を詳細に把握できると共に、顧客が画面登録を忘れた際にもスムーズに対応できる。
【0083】
以上説明したとおり、第1実施形態に係る店舗管理システムSY1によれば、キッチンプリンター10において、管理用メモリー22に蓄積されている残オーダー情報の数や残オーダー情報に含まれる品目ごとの注文数など基づいて、店内の繁忙度を算出するため、店頭ディスプレイ15やWebサイト上で、正確な繁忙度を顧客に提示できる。また、店員は、オーダー端末11にオーダー情報を入力してキッチンプリンター10に送信する通常の注文受付操作を行うだけで良いため、煩雑な操作を必要としない。このため、店員の誤操作の問題がなくなり、正確な繁忙度を算出できる。また、繁忙度の計算式に、席待ち情報に応じたパラメーターを反映することにより(図8(a),(b)参照)、空席待ちをしている席待ち顧客の人数を考慮した、より正確な繁忙度を算出できる。
【0084】
また、繁忙度の算出、および管理サーバー20との通信を、キッチンプリンター10を主体として行うことで、POSアプリケーションの変更やPOSシステムの入れ替えを必要としない。これにより、およびシステム導入に要する時間およびコストを軽減できる。
【0085】
また、管理サーバー20は、顧客端末30からの依頼により、最短待ち時間の店舗などを推奨店舗として検索し、これを通知するため、顧客は待ち時間を軽減でき、着席または飲食開始までに長時間待たされることによる不満を解消できる。また、推奨店舗の決定は、各店舗における過去の繁忙履歴情報を考慮するため、例えばいつも混雑している店舗は、その日偶発的に空いていたとしても推奨店舗としないなど、実情に応じた最適な推奨店舗を決定できる。また、推奨店舗として、移動時間の短い店舗を優先するため、顧客の移動の負担を軽減できる。さらに、待ち時間と移動時間との合計時間が最も短い店舗を第1候補とするため、顧客は、飲食を開始するまでの時間が最も短い店舗を知ることができる。
【0086】
また、推奨店舗決定部240により決定した複数の推奨店舗のうち、合計時間が最も短い店舗以外の推奨店舗に対して予約を行った顧客端末30に対してインセンティブを付与する。つまり、店舗側の都合で、過去の繁忙履歴情報から混雑傾向にある店舗を避けて推奨店舗を決定した場合などであって、顧客がその推奨店舗の利用を了承した場合などに、顧客端末30に対してインセンティブを与えることで、店舗、顧客の双方に対してメリットが得られる。
【0087】
なお、上記の実施形態では、キッチンプリンター10により繁忙度の算出を行ったが、管理サーバー20側で行っても良い。図13は、第1実施形態に係る店舗管理システムSY1の変形例を示すシステム構成図である。当該変形例では、キッチンプリンター10が、取得したオーダー情報、会計実行情報および席待ち情報をそれぞれ管理サーバー20に送信する。つまり、図5に示した構成と比較して、キッチンプリンター10に、オーダー情報送信部310、会計実行情報送信部320および席待ち情報送信部330が追加されている。また、管理サーバー20に、管理用メモリー22と、オーダー情報管理部340(図5のオーダー情報管理部140に相当)および繁忙度算出部350(図5の繁忙度算出部160に相当)が追加されている。このように、管理サーバー20側で、オーダー情報の管理や繁忙度の算出を行うことで、キッチンプリンター10(店舗装置)の処理負荷を軽減できる。これにより、キッチンプリンター10のコストを抑えることができ、ひいては店舗管理システムSY1全体の低コスト化を図ることができる。
【0088】
また、上記の実施形態では、計算式を用いて繁忙度を算出したが、テーブルを参照して繁忙度を求めるようにしても良い。例えば、管理用メモリー22に蓄積されているオーダー情報の数と、繁忙度と、を対応付けたテーブルを参照し、オーダー情報の数が「0」の場合は繁忙度0%、オーダー情報の数が「1」の場合は繁忙度10%などのように、繁忙度を求めても良い。
【0089】
また、上記の実施形態では、オーダー票印刷部120を備えたキッチンプリンター10にて繁忙度の算出処理を行ったが、会計レシート印刷部(図示省略)を備えたレシートプリンター12にて繁忙度の算出処理を行っても良い。つまり、「繁忙度算出装置」をレシートプリンター12によって実現し、レシートプリンター12を中心として店舗内のシステムを構成しても良い。この場合、レシートプリンター12は、管理サーバー20、キッチンプリンター10、店頭ディスプレイ15、空席待ち管理装置16と接続される。また、キッチンプリンター10およびレシートプリンター12のいずれでもなく、これら両プリンター10,12に接続された繁忙度算出装置(図示省略)にて繁忙度の算出処理を行っても良い。この場合、繁忙度算出装置は、キッチンプリンター10およびレシートプリンター12から、それぞれオーダー情報および会計実行情報を取得すると共に、管理サーバー20と接続される。
【0090】
また、上記の実施形態では、管理サーバー20によりインセンティブの付与(割引クーポンの発行)を行ったが、各店舗にて行っても良い。この場合、管理サーバー20(不図示のインセンティブ管理部)は、予約店舗となる店舗のキッチンプリンター10にインセンティブを付与する旨の情報(例えば、予約番号およびクーポン情報)を送信する。当該情報を取得したキッチンプリンター10は、レシートプリンター12(不図示のインセンティブ付与部)に情報を転送し、レシートプリンター12は、POS端末13にて会計処理が行われる際、顧客から提示された予約番号と、転送された情報とに基づいて、インセンティブを付与する。なお、この場合のインセンティブとして、次回の会計処理時に利用可能なクーポンなどを発行しても良い。
【0091】
また、上記の実施形態では、顧客端末30から店舗予約を行うものとしたが、当該予約時にオーダー内容を入力可能としても良い。この場合、顧客端末30に対し、待ち時間および移動時間だけでなく、オーダー内容に応じた調理加算時間を提示することが好ましい。つまり、合計時間=(移動時間)+(待ち時間)+(調理加算時間)として算出し、顧客に提示しても良い。ここで、調理加算時間は、オーダー内容に含まれるオーダー数や品目別の調理時間の合計に応じて算出可能である。この構成によれば、顧客が飲食を開始するまでに要する時間を正確に算出し、これを顧客に提示できる。
【0092】
また、上記の実施形態では、現時点における繁忙情報および繁忙予測情報に基づいて推奨店舗を決定したが、繁忙予測情報のみに基づいて推奨店舗を決定しても良い。また、この場合、顧客が時間指定を行い、その時間における予測繁忙度(繁忙履歴情報に基づいて算出される繁忙度)を顧客端末30に提示しても良い。この構成によれば、例えば、今日のディナーはどの店舗が空いているか、また、ある店舗に食事に行きたいがどの時間帯または曜日が空いているのか、など現時点以外の繁忙状況を調べることができる。
【0093】
また、上記の実施形態では、Webサイトにて、繁忙度の提示、検索依頼の受託、推奨店舗の通知等を行ったが、電子メールを用いて、顧客端末30に直接提示または通知しても良い。また、ツイッター(登録商標)などの手段を用いて、繁忙度の提示や推奨店舗の通知(この場合は、移動時間を考慮せず、待ち時間の短い店舗を優先して推奨店舗を決定する)を行っても良い。
【0094】
また、上記の実施形態では、繁忙度を「%」によって表したが、レベルなど段階を示す数値によって表しても良い。また、数値ではなく、「大」、「中」、「小」など抽象的な文言で表しても良い。また、「繁忙度」の表現方法(パーセント、レベル、抽象文言など)を、キッチンプリンター10に設けられた操作子、または設定ツールを用いて、ユーザーが選択可能としても良い。
【0095】
また、上記の実施形態では、店舗検索を行う際、顧客端末30の現在位置を位置情報として取得したが、顧客端末30に入力された位置情報を取得しても良い。この構成によれば、例えば現在新宿駅に居るが、東京駅を位置情報として入力することで、東京駅を移動開始点として店舗検索を依頼することができる。
【0096】
[第2実施形態]
次に、図14ないし図18を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態は、繁忙度を算出して顧客に提示したが、本実施形態は、店舗内の空席数を算出して顧客に提示する点を特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。なお、本実施形態における「店舗」は、着席型の飲食店など、顧客が着席してサービスを受けるタイプの店舗であることを前提とする。
【0097】
図14は、第2実施形態に係る店舗管理システムSY2のシステム構成図である。同図に示すように、本実施形態に係る店舗管理システムSY2は、第1実施形態(図1参照)と比較して、空席待ち管理装置16を省略した構成となっている。
【0098】
図15(a)は、第2実施形態に係る店頭ディスプレイ15の表示例を示す図である。本実施形態では、店頭ディスプレイ15の表示画面61に、店内における現在の空席数を表示する。また、空席数は、座席タイプ別に、「空席数/座席タイプ別の座席数」として表示する。図15(b)は、キッチンプリンター10に設けられる座席数記憶部410の記憶内容の一例を示す図である。座席数記憶部410は、座席タイプ別に、店内に設けられた座席数と、該当する座席番号(テーブル番号)を記憶する。
【0099】
図16は、第2実施形態に係る店舗管理システムSY2の機能ブロック図である。なお、レシートプリンター12の機能構成については、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。キッチンプリンター10は、主な機能構成として、座席数記憶部410、オーダー情報取得部110、オーダー票印刷部120、会計実行情報取得部130、オーダー情報管理部140、空席数算出部420、繁忙情報送信部430および空席数出力部440を備えている。
【0100】
座席数記憶部410は、店内の座席数を、座席タイプ別に記憶する(図15(b)参照)。また、本実施形態のオーダー情報管理部140は、オーダー情報取得部110により取得したオーダー情報を管理用メモリー22に蓄積すると共に、当該管理用メモリー22に蓄積したオーダー情報から、会計実行情報取得部130により取得した会計実行情報に含まれるオーダー内容に対応するオーダー情報を削除することによって、未会計処理のオーダー情報である残オーダー情報を管理する。
【0101】
空席数算出部420は、店内の座席数から、上記の残オーダー情報から特定される使用中座席数を差し引くことにより、空席数を算出する。また、座席数記憶部410が、座席タイプ別に座席数を記憶している場合、店内の座席タイプ別の座席数から、残オーダー情報が示す座席タイプ別の使用中座席数を差し引くことにより、座席タイプ別の空席数を算出する。例えば、図6に示した3つのオーダー情報が、残オーダー情報として管理用メモリー22に蓄積されている場合、テーブル1〜3は、いずれも喫煙席であるため(図15(b)参照)、喫煙席の使用中座席数は「3」である。したがってこの場合、喫煙席の全座席数「10」から使用中座席数「3」を差し引いた数「7」が空席数となる。
【0102】
繁忙情報送信部430は、空席数算出部420による空席数算出結果と、上記の残オーダー情報から特定される残オーダー数(図6に示した例の場合、残オーダー数「3」)を、繁忙情報として管理サーバー20に送信する。なお、繁忙情報の送信は、キッチンプリンター10が空席数または残オーダー数の算出ごとに自発的に送信しても良いし、管理サーバー20から要求があった場合に、その時点における繁忙情報を送信しても良い。また、前者の場合、定期的に繁忙情報を送信しても良いし、変化が生じた場合のみ繁忙情報を送信しても良い。
【0103】
空席数出力部440は、空席数算出部420により算出した空席数を、店頭ディスプレイ15(外部装置)に出力する(図15(a)参照)。当該出力は、キッチンプリンター10または店頭ディスプレイ15の電源投入時、並びに空席数に変化が生じた場合に行われる。なお、空席数の出力は、ディスプレイ装置以外にも、スピーカー、印刷装置、並びに携帯電話等の情報端末に対して行っても良い。
【0104】
一方、管理サーバー20は、主な機能構成として、繁忙情報取得部450、空席数提供部460、検索依頼受託部230、推奨店舗決定部470、繁忙履歴情報記憶部480、推奨店舗通知部260、予約受託部270およびインセンティブ付与部280を備えている。
【0105】
繁忙情報取得部450は、キッチンプリンター10(繁忙情報送信部430)から、各店舗の現時点における繁忙情報(空席数および残オーダー数)をリアルタイムに取得し、サーバー側メモリー23に格納する。
【0106】
空席数提供部460は、繁忙情報取得部450で取得した繁忙情報を、各店舗の名称と共に顧客端末30に対して提供する。本実施形態でも、第1実施形態と同様に、管理サーバー20が提供するWebサイトにアクセスした閲覧者に対して、繁忙情報を提供する。図17(a)は、本実施形態に係る店舗一覧画面の表示例を示す図である。同図に示すように、店舗一覧画面には、チェーン店グループに含まれる各店舗の店舗名、空席数、待ち時間を表示する。ここで、空席数とは、繁忙情報取得部450で取得した繁忙情報に基づく、現時点における空席数を指す。また、待ち時間とは、空席数および残オーダー数に基づき、図17(b)に示す待ち時間テーブルを参照して得られる値である。つまり、管理サーバー20(空席数提供部460)にも、待ち時間テーブルが含まれる。なお、店舗一覧画面において、操作選択肢「前の画面に戻る」が選択されると、トップ画面(図9(a)参照)に戻る。また、本実施形態では、店舗一覧の表示や店舗の検索を行う際、顧客が座席タイプ(喫煙席または禁煙席)を指定できるようになっている。したがって、空席数提供部460は、指定された座席タイプ別に空席数を提示し、後述する推奨店舗決定部470は、指定された座席タイプ別に推奨店舗の決定を行う。
【0107】
図17(b)に示すように、本実施形態の待ち時間テーブルは、空席数、残オーダー数および待ち時間が関連付けられている。例えば、空席数が5席以上の場合(喫煙席または禁煙席の座席タイプ別で5席以上の場合)、残オーダー数にかかわらず待ち時間を「0分」と決定する。一方、空席数が5席未満の場合は、残オーダー数に応じて待ち時間を決定する。例えば、空席数が5席未満、且つ残オーダー数が「10」の場合、待ち時間を「30分」と決定する。
【0108】
推奨店舗決定部470は、検索依頼受託部230による検索依頼の受託をトリガーとして、サーバー側メモリー23(各店舗の繁忙情報)を参照し、当該参照結果に基づいて、推奨店舗を決定する。この場合、推奨店舗決定部470は、繁忙履歴情報記憶部480を参照し、各店舗の繁忙履歴情報を考慮して、推奨店舗を決定する。ここで、繁忙履歴情報とは、各店舗における過去の空席数算出結果と、空席数の算出を行った日時情報とを関連付けた情報である。推奨店舗決定部470は、繁忙履歴情報記憶部480に記憶された日時情報から、日時別または曜日別の繁忙予測情報を生成し、当該繁忙予測情報と現在日時または現在曜日とを照合することにより、推奨店舗を決定する。なお、本実施形態では、1日を複数の時間帯に分割し、その日およびその曜日における過去の空席数の平均値が5席未満の場合、その時間帯については、繁忙予測「あり」(混雑する可能性が高い)と判断する。その他、第1実施形態と同様に、繁忙予測を算出するための算出アルゴリズムを用意しておき、当該算出アルゴリズムに、時間帯、曜日、天気、イベントの有無などに対応したパラメーターを代入して繁忙予測を行っても良い。
【0109】
また、推奨店舗決定部470は、第1実施形態と同様に、顧客端末30から取得した位置情報が示す位置と、各店舗の位置との相対関係に基づいて、位置情報が示す位置から各店舗までの移動時間を算出し、当該移動時間の短い店舗を優先して、推奨店舗を決定する。つまり、推奨店舗決定部470は、顧客の位置から最も近い店舗を検索し、当該最近店舗を優先して推奨店舗を決定する。さらに、推奨店舗決定部470は、繁忙情報(現時点における空席数および残オーダー数)に基づいて、店舗に入店してからの待ち時間を算出し、当該待ち時間と移動時間の合計時間が最も短い店舗を、推奨店舗の一店舗として決定する。また、本実施形態の推奨店舗通知部260は、推奨店舗決定部470により決定された推奨店舗を顧客端末30に対して通知する。その際、各推奨店舗における待ち時間および移動時間、若しくは合計時間も通知する(図10(a),(b)、図11(a)参照)。
【0110】
以上説明したとおり、第2実施形態に係る店舗管理システムSY2によれば、キッチンプリンター10において、未会計処理のオーダー情報である残オーダー情報から使用中座席数を特定し、これを店内に設けられた座席数から差し引くことによって空席数を算出するため、正確な空席数を顧客に提示できる。また、店員は、オーダー端末11にオーダー情報を入力してキッチンプリンター10に送信する通常の注文受付操作を行うだけで良いため、煩雑な操作を必要としない。このため、店員の誤操作の問題がなくなり、正確な空席数を算出できる。また、空席数は、座席タイプ別に算出するため、空席数が多いにもかかわらず、顧客が実際に入店してみると所望の座席タイプの空席がないなどの不都合を解消できる。
【0111】
さらに、第1実施形態と同様に、キッチンプリンター10を主体として、空席数の算出および管理サーバー20との通信を行うため、POSアプリケーションの変更やPOSシステムの入れ替えを必要としない。これにより、システム導入に要する時間およびコストを軽減できる。
【0112】
なお、上記の第2実施形態では、キッチンプリンター10により空席数の算出を行ったが、管理サーバー20側で行っても良い。図18は、第2実施形態に係る店舗管理システムSY2の変形例を示すシステム構成図である。当該変形例では、キッチンプリンター10(店舗装置)が、取得したオーダー情報および会計実行情報をそれぞれ管理サーバー20に送信する。つまり、図16に示した構成と比較して、キッチンプリンター10に、オーダー情報送信部310および会計実行情報送信部320が追加されている。また、管理サーバー20に、管理用メモリー22と、オーダー情報管理部340(図16のオーダー情報管理部140に相当)および空席数算出部510(図16の空席数算出部420に相当)が追加されている。このように、管理サーバー20側で、オーダー情報の管理や空席数の算出を行うことで、キッチンプリンター10の処理負荷を軽減できる。これにより、キッチンプリンター10のコストを抑えることができ、ひいては店舗管理システムSY2全体の低コスト化を図ることができる。
【0113】
また、上記の第2実施形態では、座席タイプとして、喫煙席または禁煙席を例示したが、2人席または4人席、子供連れ用または大人専用、などの座席タイプ別に空席数を算出しても良い。
【0114】
また、上記の第2実施形態において、推奨店舗決定部470は、繁忙情報(現時点における空席数および残オーダー数)に基づいて推奨店舗を決定したが、残オーダー情報の数である残オーダー数に代えて、またはこれに加えて、残オーダー情報に含まれる品目ごとの注文数を考慮して推奨店舗を決定しても良い。
【0115】
また、「空席数」は、席数そのもので表すものとしたが、空席割合(パーセント)として表しても良い。また、「多い」、「中程度」、「少ない」など抽象的な文言で表しても良い。さらに、「空席数」の表現方法を、キッチンプリンター10に設けられた操作子、または設定ツールを用いて、ユーザーが選択可能としても良い。
【0116】
以上、2つの実施形態を示したが、上記の各実施形態に示した店舗管理システムSY1,SY2の各部をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、本実施形態の店舗管理システムSY1,SY2の各部として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。
【0117】
また、本発明の店舗管理システムSY1,SY2を組み合わせても良い。例えば、第1実施形態で繁忙度を算出する際、第2実施形態で算出した空席数を考慮しても良い。つまり、繁忙度を算出するための計算式に、空席数に応じたパラメーターを反映して繁忙度を算出しても良い。また、第2実施形態で、空席数と残オーダー数を規定したテーブルを参照して待ち時間を決定したが(図17(b)参照)、空席数および残オーダー数以外に、残オーダー情報に含まれる各品目の品目別調理時間(図7(a)参照)や、空席待ち管理装置16から出力された席待ち情報に基づいて待ち時間を決定しても良い。また、テーブルを参照するのではなく、待ち時間を算出するための計算式に、空席数、残オーダー数、残オーダー情報に含まれる各品目の品目別調理時間、および席待ち情報に応じたパラメーターを反映して待ち時間を算出しても良い。
【0118】
その他、本発明の店舗管理システムSY1,SY2を、飲食店以外の、商品を販売する小売店、銀行、郵便局、市役所など、任意のサービスを顧客に対して提供する施設に適用可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
10…キッチンプリンター 11…オーダー端末 12…レシートプリンター 13…POS端末 14…バーコードリーダー 15…店頭ディスプレイ 16…空席待ち管理装置 20…管理サーバー 21…データベース 22…管理用メモリー 23…サーバー側メモリー 30…顧客端末 31…表示画面(顧客端末) 40…基地局 51…オーダー票 52…会計レシート 53…空席待ち票 55…バーコード 61…表示画面(店頭ディスプレイ) 62…タッチパネル NT1…ネットワーク(インターネット) NT2…ネットワーク(電話公衆回線) SY1…店舗管理システム(第1実施形態) SY2…店舗管理システム(第2実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーダー内容を示すオーダー情報を取得するオーダー情報取得部と、
取得した前記オーダー情報をメモリーに蓄積して管理するオーダー情報管理部と、
前記メモリーに蓄積されているオーダー情報の数、および当該メモリーに蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数、の少なくとも一方に基づいて、店内の繁忙度を算出する繁忙度算出部と、
算出した前記繁忙度を外部装置に出力する繁忙度出力部と、を備えたことを特徴とする繁忙度算出装置。
【請求項2】
前記オーダー内容を含む会計実行情報を取得する会計実行情報取得部をさらに備え、
前記オーダー情報管理部は、前記会計実行情報に含まれるオーダー内容に対応する前記オーダー情報を前記メモリーから削除することを特徴とする請求項1に記載の繁忙度算出装置。
【請求項3】
席待ち顧客の人数を示す席待ち情報を取得する席待ち情報取得部をさらに備え、
前記繁忙度算出部は、計算式を用いて前記繁忙度を算出すると共に、当該計算式に、前記席待ち情報に応じたパラメーターを反映することを特徴とする請求項1または2に記載の繁忙度算出装置。
【請求項4】
取得した前記オーダー情報に基づいて、オーダー票を印刷するオーダー票印刷部と、
取得した前記会計実行情報に基づいて、会計レシートを印刷する会計レシート印刷部と、のうち、少なくとも一方の印刷部を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の繁忙度算出装置。
【請求項5】
各店舗に対応して設けられた請求項1ないし4のいずれか1項に記載の繁忙度算出装置と、
複数の前記繁忙度算出装置とネットワークを介して接続された管理サーバーと、を備えた店舗管理システムであって、
前記管理サーバーは、
前記複数の繁忙度算出装置による繁忙度算出結果を、各店舗の名称と共に顧客端末に対して提供する繁忙度提供部を備えたことを特徴とする店舗管理システム。
【請求項6】
前記管理サーバーは、
前記顧客端末から、最短待ち時間の店舗検索の依頼を受ける検索依頼受託部と、
前記検索依頼の受託をトリガーとして、前記複数の繁忙度算出装置による繁忙度算出結果を参照し、当該参照結果に基づいて、推奨店舗を決定する推奨店舗決定部と、
決定した前記推奨店舗を、検索依頼を行った前記顧客端末に対して通知する推奨店舗通知部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の店舗管理システム。
【請求項7】
前記管理サーバーは、
前記複数の繁忙度算出装置による過去の繁忙度算出結果である繁忙履歴情報を記憶する繁忙履歴情報記憶部をさらに備え、
前記推奨店舗決定部は、前記繁忙履歴情報記憶部を参照し、各店舗の繁忙履歴情報を考慮して、前記推奨店舗を決定することを特徴とする請求項6に記載の店舗管理システム。
【請求項8】
前記繁忙履歴情報記憶部は、前記繁忙履歴情報を、前記繁忙度の算出を行った日時情報と共に記憶し、
前記推奨店舗決定部は、前記繁忙履歴情報記憶部に記憶された前記日時情報から、日時別または曜日別の繁忙予測情報を生成し、当該繁忙予測情報と現在日時または現在曜日とを照合することにより、前記推奨店舗を決定することを特徴とする請求項7に記載の店舗管理システム。
【請求項9】
前記管理サーバーは、
各繁忙度算出装置の現時点における繁忙度算出結果を、繁忙情報としてリアルタイムに取得する繁忙情報取得部をさらに備え、
前記推奨店舗決定部は、前記繁忙予測情報および前記繁忙情報に基づいて、前記推奨店舗を決定することを特徴とする請求項8に記載の店舗管理システム。
【請求項10】
前記検索依頼受託部は、前記顧客端末から、位置情報と共に検索依頼を受託し、
前記推奨店舗決定部は、前記顧客端末から取得した位置情報が示す位置と、各店舗の位置との相対関係に基づいて、前記位置情報が示す位置から各店舗までの移動時間を算出し、当該移動時間の短い店舗を優先して、前記推奨店舗を決定することを特徴とする請求項9に記載の店舗管理システム。
【請求項11】
前記推奨店舗決定部は、前記繁忙情報に基づいて、前記店舗に入店してからの待ち時間を算出し、当該待ち時間と前記移動時間の合計時間が最も短い店舗を、前記推奨店舗の一店舗として決定することを特徴とする請求項10に記載の店舗管理システム。
【請求項12】
前記推奨店舗通知部は、前記推奨店舗決定部により決定した前記推奨店舗における前記待ち時間および前記移動時間、若しくは前記合計時間を、前記顧客端末に通知することを特徴とする請求項11に記載の店舗管理システム。
【請求項13】
前記管理サーバーは、
前記顧客端末から、前記推奨店舗に対する予約を受託する予約受託部と、
前記推奨店舗決定部により決定した複数の推奨店舗のうち、前記合計時間が最も短い店舗以外の店舗に対して予約を行った前記顧客端末に対し、インセンティブを付与するインセンティブ付与部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項11または12に記載の店舗管理システム。
【請求項14】
各店舗に対応して設けられた店舗装置と、
複数の前記店舗装置とネットワークを介して接続された管理サーバーと、を備えた店舗管理システムであって、
前記店舗装置は、
オーダー内容を示すオーダー情報を取得するオーダー情報取得部と、
取得した前記オーダー情報を前記管理サーバーに送信するオーダー情報送信部と、を備え、
前記管理サーバーは、
各店舗装置から取得した前記オーダー情報をメモリーに蓄積して管理するオーダー情報管理部と、
前記メモリーに蓄積されているオーダー情報の数、および当該メモリーに蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数、の少なくとも一方に基づいて、各店舗の繁忙度を算出する繁忙度算出部と、
算出した各店舗の前記繁忙度を、各店舗の名称と共に顧客端末に対して提供する繁忙度提供部と、を備えたことを特徴とする店舗管理システム。
【請求項15】
コンピューターが、
オーダー内容を示すオーダー情報を取得するステップと、
取得した前記オーダー情報をメモリーに蓄積して管理するステップと、
前記メモリーに蓄積されているオーダー情報の数、および当該メモリーに蓄積されているオーダー情報に含まれる品目ごとの注文数の少なくとも一方に基づいて、店内の繁忙度を算出するステップと、を実行することを特徴とする繁忙度算出方法。
【請求項16】
コンピューターに、請求項15に記載の繁忙度算出方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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