説明

繊維パッケージの巻密度測定装置、測定方法、ならびに繊維パッケージ巻き上げ工程管理方法

【課題】繊維の巻密度測定手段の自動化により、人手による測定作業に起因する測定誤差をなくすとともに、作業効率化を可能にすること。また、非接触測定を可能にすることにより、試料の損傷を防ぐことを可能にする繊維の巻密度測定装置と巻密度測定方法を提供し、かかる巻密度測定に基づき工程管理を実施する方法を提供すること。
【解決手段】筒状体に巻かれた繊維パッケージの巻密度を測定する装置であって、測定対象の繊維パッケージを、繊維に非接触な状態で保持するパッケージ保持手段(I)、パッケージに巻かれた繊維の重量を、繊維に非接触な状態で風袋とともに測定する重量測定手段(II)、繊維パッケージの巻形状を繊維に非接触で測定する形状測定手段(III)、測定された重量、風袋重量、および形状から巻密度を演算して出力するデータ処理手段(V)からなる巻密度測定装置、それを用いた巻密度測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状体に巻かれたマルチフィラメントからなる繊維の巻密度を、自動で、繊維に非接触の状態で測定が可能である測定装置、それを用いた測定方法、ならびに繊維パッケージ巻き上げ工程管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維を紙管などの筒状体に巻き取った繊維パッケージは、その巻密度が低過ぎると輸送時に受ける衝撃などによりパッケージが型くずれしやすくなり、解舒時に毛羽や糸切れなどを生じる。一方、巻密度が高過ぎる条件を採用すると、巻上時の張力によって繊維毛羽が多発したり、解舒時に繊維が相互に固着しやすくなって解舒不良の問題が発生したりするので、いずれも好ましくない。とくに、強度、弾性率が高い補強用繊維の場合、巻密度を適切に設定し、全体並びに錘別の管理を実施することがきわめて重要である。
【0003】
このような観点から、例えば特許文献1では、巻き上げの綾角や、ワインド比等を設定して巻き形状が良好で、安定した巻密度を得る検討がなされている。
【0004】
一方、これらの工程指標に好適である巻密度を測定する方法としては、従来人手による巻密度測定が用いられていた。
【0005】
測定は、例えばノギスなどの測長器で繊維パッケージの巻径と巻幅を計測し、その巻径と巻幅の測定値から繊維を巻いている筒状体の体積分を差し引き繊維が巻かれている部分の体積を算出していた。例えばスクエアエンド型のパッケージの場合、次式により体積を定義して、算出できる。
T={(A/2)−(C/2)}×π×B
T:繊維の体積
A:繊維の巻径
B:繊維の巻幅
C:繊維を巻いている筒状体の外径
π:円周率。
【0006】
一方、パッケージの重量を測定し、その測定値から筒状体の重量を差し引き、繊維自体の重量を次式から算出する。
G=D―E
G:繊維の重量
D:パッケージ重量(筒状体を含む繊維の総重量)
E:繊維を巻いている筒状体の重量。
【0007】
上記測定で得られた繊維の体積と重量を用い、次式から繊維の巻密度を算出する。
PD=G/T
PD:繊維の巻密度。
【0008】
しかし、従来の方法では測定を全て人手で行うため、個々の測定によって、また作業者によって測定値が変動し、測定結果にバラツキが生じやすいという問題があった。
【0009】
また、作業負担が大きいため一度に測定できる試料数にも限りがあり、作業効率が著しく低く、測定する時間が1サンプル当たり、例えば300sec程度ときわめて時間がかかるという問題があった。
【0010】
さらにこの方法では、巻かれている繊維にノギスなどが直接接触して計測するため、繊維に圧痕を残したり、甚だしい場合は試料を傷つけたりすることがあり、改良が求められていた。
【0011】
繊維の巻密度測定において、このような問題を解決するための従来技術は知られていない。また、このような巻密度を工程管理に利用してシステム的に実施する方法についても、検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−316311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題を解決すること、すなわち、繊維の巻密度測定手段の自動化により、人手による測定作業に起因する測定誤差をなくすとともに、作業効率化を可能にすることにある。また、非接触測定を可能にすることにより、試料の損傷を防ぐことを可能にする繊維の巻密度測定装置と巻密度測定方法を提供し、かかる巻密度測定に基づき工程管理を実施する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を解決するための本発明は、筒状体に巻かれた繊維パッケージの巻密度を測定する装置であって、計測対象の繊維パッケージを、繊維に非接触な状態で保持するパッケージ保持手段(I)、パッケージに巻かれた繊維の重量を、繊維に非接触な状態で風袋と共に測定する重量測定手段(II)、繊維パッケージの巻形状を繊維に非接触で測定する形状測定手段(III)、測定された重量、風袋重量及び形状から巻密度を演算して出力するデータ処理手段(V)からなる巻密度測定装置である。
【0015】
また、本発明に係る巻密度測定装置は、繊維パッケージの巻幅、巻径および巻密度の少なくとも一つが、予め決められた範囲を外れた場合に警報を出力する警報装置(VI)を備えていることが好ましい。
【0016】
また、かかる課題は、前記本発明に係る巻密度測定装置を用い、巻密度を測定する繊維パッケージを、パッケージ保持手段(I)に自動または手動で積載し、重量測定手段(II)を構成する上皿電子天秤(II−1)が測定位置に上昇することにより、繊維パッケージを積載したスピンドル(I−2)がパッケージ保持手段の受け皿(I−1)から上皿電子天秤上に移動し、重量測定を行い、その後上皿電子天秤が測定位置から下降することにより、繊維パッケージを保持したスピンドル(I−2)が再度パッケージ保持手段の受け皿(I−1)に移るシーケンスと、そのシーケンスと併行するか、前後して、形状測定手段(III)によってパッケージの巻形状を測定し、その後、それらの測定結果および別途入力されたパッケージの番号等の同定情報に基づき、データ処理手段(V)がパッケージの巻密度を演算して結果を出力するシーケンスを有してなることを特徴とする巻密度測定方法によっても達成される。
【0017】
さらに、かかる課題は、筒状体に巻かれた繊維パッケージを、製造ロットに対して予め定められたサンプリングプランによってサンプリングし、サンプリングされた繊維パッケージの巻密度を、前記本発明に係る巻密度測定装置を用いた巻密度測定方法によって測定し、測定値を統計処理した結果を製造工程にフィードバックすることにより製造工程の条件を修正、変更して、巻密度を調整する、繊維パッケージ巻き上げ工程管理方法によっても達成される。
【0018】
また、かかる巻密度測定方法、繊維パッケージ巻き上げ工程管理方法は、繊維パッケージが、巻き量2kg以上、12kg以下、繊維目付が0.05ないしは7g/mの炭素繊維をスクエアエンドに巻き上げたパッケージに用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
繊維の巻密度測定手段の自動化により、人手による測定作業に起因する測定誤差をなくし、作業効率を向上させることができるとともに、作業者を限定することなく再現性が良い巻密度の測定が可能となる。
【0020】
また、本発明により、巻密度に必要な巻径・巻幅計測を繊維に非接触で実施することを可能とし、その効果として、試料に欠陥を与えず、良好な形状で試料を出荷できるようになる。さらに本発明の巻密度測定に基づき、工程管理を実施することによって、より均一な巻密度の製品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明で用いるパッケージを非接触で保持する手段であるホルダとパッケージの一例を示す図であり、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)はパッケージである。
【図2】ホルダにパッケージを保持し重量測定をする装置の側面図である。
【図3】巻径・巻幅センサ位置の一例を示す図であり、(A)は上面図、(B)は側面図である。
【図4】本発明のターレット機構を示す図であり、(A)は上面図、(B)は側面図である。
【図5】本発明に係る巻密度測定装置による繊維の巻密度測定工程のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る巻密度測定装置は、繊維パッケージを巻かれた繊維に非接触状態で保持するパッケージ保持手段(I)、パッケージに巻かれた繊維の重量を、巻かれた繊維に非接触状態で風袋とともに測定する重量測定手段(II)、繊維パッケージの巻形状を繊維に非接触で測定する形状測定手段(III)、測定された重量、風袋重量、および形状から巻密度を演算して出力するデータ処理手段(V)からなる。
【0023】
さらに好ましくは、それに加えてパッケージ保持手段(I)を繊維に非接触状態で予め定められた位置間で移動させるパッケージ移動手段(IV)、より具体的には、パッケージ保持手段(I)を、重量測定位置または形状測定位置と待機位置間、および/または重量測定位置と形状測定位置間で、巻上げ糸条に非接触な状態で移動させるパッケージ移動手段(IV)を設けたことを特徴とする。
【0024】
本発明におけるパッケージの保持手段(I)の一例について説明する。図1(A)は、本発明で用いるパッケージ保持手段の構成要素であるスピンドルの一例を示す上面図であり、(B)は側面図の一例、(C)は筒状体に巻かれたスクエアエンドパッケージSの正面図の一例である。図1のスピンドル(I−2)は、中央に筒状体の内径を支えるためのストレート部(I−2−1)と、筒状体の下面を支えて、繊維パッケージの垂直位置を決定する、ストレート部分(I−2−1)よりも外形が大きい鍔部(I−2−2)を有し、さらにその下部に、その底が平坦に形成された底部(I−2−3)からなる。図2に示すように、スピンドル(I−2)は、本体に固着された受け皿(I−1)に積載される構造となっており、受け皿には、スピンドルの底部(I−2−3)が受け皿の底面より下部に出ることができるよう、有孔部を有している。また、鍔部(I−2−2)の高さは、スピンドルの底部(I−2−3)が受け皿の底面より下部に出ることができるよう設計されている。スピンドル(I−2)は、測定される筒状体の内径や高さに合わせてそのサイズを変更することにより、色々な寸法のパッケージを保持することができる。
【0025】
スピンドルの材質については、特に限定されるものではないが、パッケージをセットした時に重さで変形しないように、ステンレス、アルミその他の金属、ナイロン樹脂などのプラスチックなどの材質を使用することが好ましい。このスピンドル(I―2)を1つまたは複数準備し、自動測定器の受け皿(I−1)上に設置すると良い。
【0026】
図2はパッケージの重量を測定する手段の一例を示す正面図である。本発明のパッケージ保持手段(I)は、図2に一例を示すように、開口部を有した受け皿(I−1)と筒状体を保持するスピンドル(I−2)、スピンドルを、本体を通じて受け皿に固定するチャック(I−3)からなっている。受け皿(I−1)の開口部(I−1−1)には、スピンドル(I−2)の底部(I−2−3)は差し込まれるが、鍔部(I−2−2)は差し込まれず、スピンドル(I−2)は鍔部によって受け皿(I−1)によって支えられるように設計・配置されており、スピンドルの底部(I−2−3)はスピンドルが開口部(I−1−1)に差し込まれた後、チャック(I−3)によって締結され、それによってスピンドルが本体を通じて受け皿に固定されるようになっている。
【0027】
次に、本発明の重量測定手段(II)について説明する。
【0028】
本発明の重量測定手段(II)は、好ましくは、計測器として電子式の上皿天秤を備えており、その計測方法は、ロードセル式、電磁式、音叉式など任意のものが使用することができるが、ロードセル式上皿電子天秤が好ましい。本発明の重量測定手段(ii)は、図2に示すように計測器としての上皿電子天秤(II−1)、上皿電子天秤を待機位置と測定位置との間に垂直移動させる天秤移動手段(II−2)からなり、パッケージ保持手段(I)の垂直下部に設置されている。
【0029】
本測定手段には、さらに好ましくは、試料のパッケージが設置されていることを検知する積載検知手段であるパッケージセンサ(II−4)と、人などが測定位置や、移動位置から離れていることを検知するエリアセンサ(II−5)が付加されてなる。各種センサの出力を演算し、測定準備が整ったことが判定されると、チャック(I−3)が解放され、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)上に積載された状態となる。その状態で上皿電子天秤(II−1)は、パッケージ保持手段(I)の垂直下部に設置され、上記垂直移動手段(II−2)が上皿電子天秤(II−1)を上方に移動させることによって、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)から上皿電子天秤(II−1)に移動して重量測定を実施し、重量測定が終了した後、垂直移動手段(II−2)が上皿電子天秤(II−1)を垂直下方の待機位置に移動させることによって、スピンドル(I−2)が再度受け皿(I−1)に移動し、その後チャック(II−3)がスピンドルを固定する。
【0030】
重量測定値は、予め計測され、入力されている筒状体とスピンドルの風袋重量を差し引き、巻き糸の重量として計測される。
【0031】
計測途中でエリアセンサ(II−5)によって、測定位置に人などの存在が感知された場合は、その時点で警報を出力すると共に作業を一時停止し、エリアセンサ(II−5)がオフになるまで待機する。
スピンドルの底部(I−2−3)または鍔部は、チャック(I−3)がスピンドル(I−2)を固定するのに十分な高さを有し、スピンドル(I−2)の底部(I−2−3)はチャック(I−3)が解放され上皿電子天秤(II−1)が測定位置に移動したときに、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)から外れ上皿電子天秤(II−1)上に移動して重量測定することが可能なだけの高さを有していると良い。
【0032】
次に本発明の形状測定手段(III)について説明する。
【0033】
図3はパッケージがスクエアエンド型に巻かれている場合に、パッケージを、巻き軸を鉛直方向にして、保持しているパッケージの巻径および巻幅を非接触で計測する一例を示した図であり、(A)は上面図、(B)は側面図である。
【0034】
形状測定手段(III)は、巻径と巻幅を計測することからなり、レーザ光を用い、繊維に非接触式であって、発光部と、受光部が1対となった、少なくとも1対のセンサからなっている。図3においては巻幅用に垂直方向に上下各一対、計2対の巻幅測定用センサ(III−1)、巻径用に水平方向に前後各1対、計2対の巻径測定用センサ(III−2)が設置されている。それぞれ巻径と巻幅別に幅をもったレーザセンサ(以降、巻径センサ・巻幅センサと表記する)を使用し、2個の巻径センサ(巻幅センサ)の遮光幅を計測し、センサの位置情報と遮光幅から巻径(巻幅)が測定できる構造になっている。
【0035】
ここで巻径センサと巻幅センサは、測定の前に、別途入力されているパッケージの標準的な大きさなどの実績情報により、計測の前に予め決められた最適な位置に巻幅センサ垂直移動手段(III−3)、巻径センサ水平移動手段(III−4)、巻径センサ上下移動手段(III−5)によって移動する。ここで最適な位置とは、2個のレーザセンサの遮光幅が、パッケージの両端によって遮光された時、パッケージ寸法の品質標準の目標値など、品種毎に決められた値のときに50%の遮光幅となるような位置のことである。実際の試料の測定時には、斜光幅を検知し、標準寸法に対する変位を演算することによって寸法を計測する。
【0036】
さらに、巻径センサ後と巻径センサ前と巻幅センサ上は同一のフレームに固定され、測定に先立ち、退避位置から予め決められた最適な位置まで移動することが好ましい。
また、別の態様として、一つの巻き幅センサと一つの巻き径センサを具備し、例えば巻き幅センサが巻き幅下端位置を検出した後、巻き幅上端位置に移動して巻き幅を計測することも可能である。
【0037】
さらに、本測定手段(III)は、スピンドル(I−2)を一定角度回転させて停止させる回転手段(III−6)からなることが好ましい。
【0038】
この場合、巻幅上と下センサが最適な位置に移動すると、スピンドルを固定しているチャックが開き、パッケージを回転させるための回転手段(III−6)が上昇しスピンドル(I−2)全体を持ち上げ、モーターを使いパッケージを回転させ、巻径と巻幅を計測する。その後回転ジグが下降しチャックが閉じる。
【0039】
巻径と巻幅の計測の好ましい一つの具体例は、以下の通りである。パッケージが一回転している時に巻径と巻幅をほぼ円周上に20分割した地点で、各1点、20点計測する。計測値20点のうち上位12点と下位2点を除外し残りの6点の平均値を計測値として採用する。上位12点を採用しないことによって、最外層の糸端をほつれ防止のため、結び目を形成してパッケージに巻き付けている場合などで、その影響を省くことができる。下位2点を採用しないことによって、円周全体に亘らない、局部的な凹み等がある場合、それらを除外することができる。
【0040】
この形状測定手段は、巻幅または巻径が予め決められた範囲を外れた場合に警報を出力する警報装置(VI)をそなえることが好ましい。警報の出力の例示としては、ブザーなど音声による方法や、回転する光を発する信号灯などが挙げられる。
【0041】
また、かかる巻密度測定装置は、好ましくはパッケージ保持手段(I)を、測定位置と待機位置間および/または測定位置間で、巻上げ糸条に非接触な状態で移動させるパッケージ移動手段(IV)を設置し、さらにパッケージ移動手段(IV)が、ターレット機構(IV−1)からなり、前記測定位置、および/または待機位置が同一円周上に配置されてなるものである。
【0042】
本発明の好ましい一例として、パッケージを積載、取り外す場所を兼ねた巻重量秤量部と、それと180度はなれて寸法測定部が設置された例について説明する。図4は巻重量秤量部と寸法測定部へ移動させる手段であるターンテーブルを備えたターレット機構からなる移動手段の一例を示す図である。このケースでは、退避位置と重量測定一または寸法測定位置が共用される。この例においては、スピンドルをターンテーブルのセンターを中心として180度回転させることにより重量測定部と寸法測定部との間を移動できるようになっている。
【0043】
また、本発明の別の好ましい一例としては、パッケージを積載、取り外す場所を兼ねた寸法測定部と、それと180度はなれて重量測定部が設置されていることである。
【0044】
本発明の好ましい他の例としては、巻重量秤量部と寸法測定部が同一に配置され、180度隔てた場所の待機位置との間をスピンドルがターレット移動する装置や、重量測定部、寸法測定部と待機位置が各々120度隔てて設置された例を挙げることができる。このように配置することにより、全体の操作性を向上し、測定時間の短縮を計ることができる。
【0045】
本発明の巻密度測定方法は、かかる巻密度測定装置を用い、巻密度を測定する繊維パッケージを、パッケージ保持手段(I)に自動または手動で積載して測定シーケンスを起動し、チャック(I−3)がスピンドル(I−2)を開放した結果、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)に積載されるなどした後に、重量測定手段(II)を構成する上皿電子天秤(II−1)が測定位置に上昇することにより、繊維パッケージを積載したスピンドル(I−2)がパッケージ保持手段の受け皿(I−1)から上皿電子天秤上に移動して、重量測定を行い、重量測定を完了したことを確認した後、上皿電子天秤が測定位置から下降することにより、繊維パッケージを保持したスピンドル(I−2)が再度パッケージ保持手段の受け皿(I−1)に移り、チャック(I−3)によって再び固定されるシーケンスと、そのシーケンスと併行するか、前後して、形状測定手段(III)によってパッケージの巻幅と巻径を測定し、その後、それらの測定結果および別途入力されたパッケージの番号等の同定情報に基づき、データ処理手段(V)がパッケージの巻密度を演算して結果を出力するシーケンスを有してなるものである。
【0046】
また、かかる巻密度測定方法は、繊維パッケージが、繊維が筒状体にスクエアエンド型に巻かれたものであって、繊維パッケージの待機位置と、重量測定位置または寸法測定位置が同一円周上に設置され、各々の位置にパッケージ保持手段(I)を設置し、待機位置にあるパッケージ保持手段(I−a)に第1の繊維パッケージを自動または手動で積載し、パッケージが積載されたことを検知するパッケージセンサ(II−4)と、繊維パッケージの決められた周辺範囲から、手または自動積載機が退避したことを検知するエリアセンサ(II−5)の出力によって、パッケージ移動手段(IV)がパッケージ保持手段(I−a)を第1の測定位置に移動し、重要測定または寸法測定を実施し、その間に待機位置にあるI−aとは別のパッケージ保持手段(I−b)に、第2の繊維パッケージを自動または手動で積載し、測定完了の信号、パッケージセンサ(II−4)、エリアセンサ(II−5)の出力により、パッケージ移動手段(IV)が第1の繊維パッケージを第1測定位置から第2測定位置に、第2の繊維パッケージを第1の測定位置に移動させ、各々重要測定または寸法測定を実施し、測定完了の信号、パッケージセンサ(II−4)、エリアセンサ(II−5)の出力により、先の操作と同様に、パッケージ移動手段(IV)が第1の繊維パッケージを第2測定位置から待機位置に、第2の繊維パッケージを第1の測定位置から第2の測定位置に、第3の繊維パッケージを第1の測定位置に移動させ、これらを予め決められた回数繰り返すシーケンスであることが好ましい。また、待機位置と第1の測定位置、または第1の測定位置と第2の測定位置が同位置で行われる巻密度測定シーケンスであることも好ましい。
【0047】
また、かかる巻密度測定方法は、巻密度を測定する繊維パッケージを、パッケージ保持手段(I)に積載し、重量測定手段(II)を構成する上皿電子天秤(II−1)が測定位置に上昇することにより、パッケージをパッケージ保持手段(I)から上皿天電子秤に移動させ、風袋とともに繊維パッケージの重量を測定し、上皿電子天秤を測定位置から下降させることにより、繊維パッケージを再度パッケージ保持手段に移し、重量測定と併行するか、前後して、寸法測定手段によってパッケージの巻幅と巻径を測定し、その後、それらの測定結果および別途入力されたパッケージの番号等の同定情報に基づき、データ処理手段によってパッケージの巻密度を演算することを特徴とする巻密度測定方法であることも好ましい。
【0048】
さらに、本発明の巻密度測定方法は、繊維パッケージの待機位置と、重量測定位置または寸法測定位置が同一円周上の位置に設置された、各々にパッケージ保持手段(I)を設置したものを用いて行われても良い。以下、重量測定と寸法測定が同位置に設置され、待機位置が、別に設定される例で説明するが、その他の配置でも同様な方法が適用できる。
【0049】
まず、待機位置にあるパッケージ保持手段(I−a)に繊維パッケージを自動または手動で積載し、パッケージが積載されたことを検知するパッケージセンサ(II−4)と、繊維パッケージの決められた周辺位置から、手または自動積載機が退避したことを検知するエリアセンサ(II−5)の出力を確認した後、パッケージ移動手段(IV)によってパッケージ保持手段(I)を測定位置に移動させ、重要測定と寸法測定を自動的に実施し、その間に待機位置にある(I−a)とは別のパッケージ保持手段(I−b)に次に測定する繊維パッケージを自動または手動で積載し、測定完了の信号、パッケージセンサ(II−4)、エリアセンサ(II−5)の出力により、パッケージ移動手段(IV)が、測定が完了した繊維パッケージを再度待機位置に移動させ、新しく測定する繊維パッケージを測定位置に移動し、これらを予め決められた回数繰り返すことが好ましい。
【0050】
また、本発明の好ましい一態様として、巻径、巻幅、巻密度が予め決められた値を超えた場合に警報を発するものを用いると良い。
【0051】
さらに、本発明は、生産機や、玉揚げ時間単位で区分される一つの生産単位で筒状体に巻かれた複数の繊維パッケージを、予め定められた方法によってサンプリングし、サンプリングされた繊維パッケージの巻密度を、前記巻密度測定装置ないし巻密度測定方法を用いて測定し、測定値を統計処理した結果を製造工程にフィードバックすることにより製造工程の条件を修正、変更して、巻密度を調整する、繊維パッケージ巻き上げ工程管理方法である。
【0052】
ここで、予め定められたサンプリングプランとは、適用する製造プロセスや品種によって、最適方法を決定するものであるが、例えば繊維パッケージの生産ロットに対して、全繊維パッケージをサンプリングするか、標本調査するかを決め、後者の場合に、どの程度の本数をサンプリングするかは、工程能力、異常値出現の頻度から、既知の統計的手法を適用して決定する。巻密度の測定結果により、好ましくは既知の統計的品質管理による品質管理、工程管理を実施し、規格値外の製品の処理の他、通常規格値よりは狭い範囲で設定される管理値の外の製品を発生した巻き上げラインや玉揚げ単位については、製造工程での原因を確認し、工程条件の修正、適正化を行う等の対策をとる。また、規格値、管理値の確認だけでなく、管理図によって時系列的な傾向を管理することも可能である。
【0053】
本発明に用いられる繊維パッケージは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、あるいはシリコーンカーバイト繊維などの無機繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維であってもよい。中でも本発明は、強度・弾性率が高い産業用繊維に適用することが好ましい。特にポリアクリロニトリル系やピッチ系の炭素繊維に適用したときに、マニュアルで巻き密度を測定した時の不必要な製品の損傷を防止することができるので好ましい。かかる繊維パッケージは、巻き量が2kg以上、好ましくは4kg以上で12kg以下と重量が大きいパッケージや、弾性率が200GPa以上、好ましくは270GPa以上で700GPa以下のポリアクリロニトリル系炭素繊維に適用すると最も好ましい。その繊維目付は0.05ないしは7g/m、好ましくは0.15g/mないしは、5g/mである。
【0054】
巻き形状としては、テーパーエンド巻きやスクエアエンド巻き等が挙げられるが、とくに炭素繊維に適した巻き形状であるスクエアエンドパッケージに適用することが好ましい。
【0055】
代表的なスクエアエンド巻きの紙管径は、外径が80mm〜100mm程度であり、繊維を巻いた製品の外径は取り扱い性や、高次加工の機械の制限から最大300mm程度であるが、これに限定されるものではない。使用される紙管の代表的な幅は180mm〜360mm程度である。
【0056】
本発明の巻密度測定装置による繊維の巻密度計測シーケンスの一例を、炭素繊維を用いた図5に示す工程フロー図に基づいて説明する。この巻密度測定シーケンスによれば、試料登録(品種、ロットNo、測定本数、パッケージ番号等の同定情報の入力)および試料セットを実施することで、その後の工程(巻重量・巻径・巻幅の測定・計算・データ送信)が巻密度測定装置によって自動測定され、繊維の巻密度測定が完了するものである。
【0057】
図5において、試料登録から報告書の出力までをパーソナルコンピュータなどを用いて管理する。測定は予め決められた試料本数分繰り返し測定し結果を求める。試料登録は、例えば、試料の紙管内側に貼り付けられているラベル情報を、手入力やバーコードを読みとり自動入力することによって達成される。この場合、測定試料パッケージ毎に情報を読み込み、測定を実施することもできるが、図5に示すように最初に必要本数分の情報を読み込み、必要で有ればサンプリングプラン等との照合によって計画通りのサンプリングができているかを確認し、必要本数分の測定を行うことが好ましい。また、図5において、点線で囲った部分は巻密度測定装置の自動化部分である。このうち、巻重量測定、巻径測定、巻幅測定はその順序の一例を示したもので、別の順序、あるいは、2つまたは3つの操作を併行して実施することも可能である。点線で囲われていない部分は自動または手動で動作することができる。
【0058】
そして、かかる工程フロー図に従って行われる巻密度計測シーケンスは、下記の手段を有する、上述した本発明に係る巻密度測定装置により達成される。
(A)繊維パッケージを巻かれた繊維に非接触状態で保持するパッケージ保持手段(I)
(B)繊維パッケージの重量を測定する重量測定手段(II)
(C)繊維パッケージの巻形状を非接触で測定する形状測定手段(III)
(D)測定された重量及び形状から巻密度を演算して出力するデータ処理手段(V)
(E)好ましくは、該繊維パッケージを保持する保持手段を繊維に非接触状態で予め定められた位置間で移動させるパッケージ移動手段(IV)
(F)好ましくは、巻幅または巻径が予め決められた範囲を外れた場合に警報を出力する警報装置(VI)。
【0059】
測定されたデータは、好ましくは、巻径、巻幅、巻重量、および巻密度からなる群から選択される1つないし2つ以上が常時確認できるように、1サンプル測定完了後ディスプレイに表示されると良い。また、規定している本数のパッケージが完了すると記憶装置に送信されるとともに結果をハードコピーで出力することが好ましい。
【実施例】
【0060】
以下、本発明を、実施例を用いてさらに具体的に説明する。下記するように本発明を用いることにより、人手による測定作業に起因する測定誤差をなくすとともに、作業効率の向上が認められた、パッケージの傷を防ぐことが可能となったことが明らかにされている。
【0061】
(比較例1)
巻密度がほぼ1.20g/cmの筒状に巻かれた4kg巻の炭素繊維のサンプルについて、人手により巻密度を測定した。この炭素繊維は目付0.8g/mフィラメント数12000本の高強度タイプ炭素繊維である。筒状体の外径はほぼ8.35cmであり、その重量は平均190gである。
【0062】
測定は、2名の作業者によって、同一サンプルを5回繰り返して測定し、巻密度の測定バラツキを確認した。結果を表1に示す。また、同じく2名の作業者が異なる5本のサンプルを通常法により1回づつ測定し、測定後の繊維パッケージの損傷度合いを確認することで行った。結果を表2に示す
(実施例1)
同様のテストを、本発明に係る巻密度測定装置を用いて実施した。評価結果を表1、2に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
表1、2から明らかなように、実施例1は測定誤差も少なく、作業効率も良好でパッケージの損傷がない。
比較例1の作業者1では、測定値の変動計数は約0.6%で特に問題ないレベルにあるが、作業効率が低く、パッケージへの傷も多い。また作業者2は測定値の変動計数が約1.5%と大きく、作業効率も低く、作業者1同様パッケージへ圧痕を残している。
【符号の説明】
【0066】
I:パッケージ保持手段
I−1受け皿
I−2スピンドル
ストレート部(I−2−1)、鍔部(I−2−2)、底部(I−2−3)
I−3 チャック
II:重量測定手段
II−1 上皿電子天秤
II−2 天秤移動手段
II−3 パッケージセンサ
II−4 エリアセンサ
III: 形状測定手段(III)
III−1 巻幅測定用センサ
III−2 巻径測定用センサ
III−3 巻幅センサ垂直移動手段
III−4 巻径センサ水平移動手段
III−5 巻径センサ垂直移動手段
III−6 スピンドル回転手段
IV: 移動手段
IV−1 ターレット機構
V データ処理手段
VI 警報装置
S:パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体に巻かれた繊維パッケージの巻密度を測定する装置であって、測定対象の繊維パッケージを、繊維に非接触な状態で保持するパッケージ保持手段(I)、パッケージに巻かれた繊維の重量を、繊維に非接触な状態で風袋とともに測定する重量測定手段(II)、繊維パッケージの巻形状を繊維に非接触で測定する形状測定手段(III)、測定された重量、風袋重量、および形状から巻密度を演算して出力するデータ処理手段(V)からなる巻密度測定装置。
【請求項2】
パッケージ保持手段(I)が、開口部を有した受け皿(I−1)、筒状体を保持するスピンドル(I−2)、およびスピンドルを受け皿に固定するチャック(I−3)を有してなり、スピンドル(I−2)は筒状体をその内層で保持するストレート部分(I−2−1)、ストレート部分の下に該ストレート部分より外径が大きい鍔部(I−2−2)、および鍔部の下に底が平坦な底部(I−2−3)を有しており、受け皿(I−1)に設けられた開口部(I−1−1)は、スピンドル(I−2)の底部(I−2−3)は差し込まれ、鍔部(I−2−2)は差し込まれず、かつ鍔部(I−2−2)が受け皿(I−1)によって支えられるように配置されており、スピンドルの鍔部(I−2−2)または底部(I−2−3)は、スピンドルが開口部(I−1−1)に差し込まれた際には、スピンドルの鍔部(I−2−2)または底部(I−2−3)がチャック(I−3)によって締結され、それによってスピンドル(I−2)が受け皿(I−1)に固定されるように構成されている、請求項1に記載の巻密度測定装置。
【請求項3】
重量測定手段(II)が、計測器としての上皿電子天秤(II−1)、および上皿電子天秤を待機位置と測定位置との間に垂直移動させる天秤移動手段(II−2)を有してなり、かつ、パッケージ保持手段(I)の垂直下部に配置されており、チャック(I−3)がスピンドル(I−2)を解放した際に、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)に積載された状態となった後、天秤移動手段(II−2)が、上皿電子天秤(II−1)を垂直上方に移動させることによって、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)から上皿電子天秤(II−1)上に移動した状態で重量測定が可能となるとともに、その後天秤移動手段(II−2)が、上皿電子天秤(II−1)を垂直下方に移動することによって、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)に移動し、再度チャック(I−3)がスピンドル(I−2)を受け皿に固定されるように構成されており、スピンドルの底部(I−2−3)または鍔部(I−2−2)は、チャック(I−3)がスピンドル(I−2)を固定されるのに十分な高さを有し、かつ、スピンドル(I−2)の底部(I−2−3)は、チャック(I−3)が解放され上皿電子天秤(II−1)が測定位置に移動したときに、スピンドル(I−2)が受け皿(I−1)から外れ上皿電子天秤(II−1)上に移動して重量測定することができるだけの高さを有している、請求項1または2に記載の巻密度測定装置。
【請求項4】
形状測定手段(III)が、1または複数の1対からなる巻幅測定用センサ(III−1)、1または複数の1対からなる巻径測定用センサ(III−2)を有してなるとともに、レーザ光を使用し非接触で測定するものである、請求項1ないし3のいずれかに記載の巻密度測定装置。
【請求項5】
繊維パッケージがスクエアエンド状に筒状体に巻かれたパッケージであり、該パッケージを、巻き軸を鉛直方向にして、その巻き形状を測定する装置であって、巻幅測定用センサ(III−1)が上下各1対設置されており、各々の巻幅測定用センサ(III−1)を垂直方向に巻軸に平行に個別に移動させ、予め決められた位置に移動可能とする巻幅センサ垂直移動手段(III−3)、巻径測定用センサ(III−2)がパッケージをはさむ前後に各1対設置されており、巻径測定用センサ(III−2)を水平方向に予め決められた位置に移動させる巻径センサ水平移動手段(III−4)、巻径測定用センサ(III−2)を垂直方向に予め決められた位置に移動させる巻径センサ垂直移動手段(III−5)、およびスピンドル(I−2)を一定角度回転させて停止させる回転手段(III−6)を有してなる、請求項1ないし4のいずれかに記載の巻密度測定装置。
【請求項6】
繊維パッケージの巻幅、巻径、および巻密度の少なくともいずれか一つが、予め決められた範囲を外れた場合に警報を出力する警報装置(VI)を備えている、請求項1ないし5のいずれかに記載の巻密度測定装置。
【請求項7】
パッケージ保持手段(I)を、重量測定位置または形状測定位置と待機位置間、および/または重量測定位置と形状測定位置間で、巻上げ糸条に非接触な状態で移動させるパッケージ移動手段(IV)を備えている、請求項1ないし6のいずれかに記載の巻密度測定装置。
【請求項8】
パッケージ移動手段(IV)が、ターレット機構(IV−1)を有してなり、前記測定位置、および/または待機位置が同一円周上に配置されてなる、請求項7に記載の巻密度測定装置。
【請求項9】
請求項1に記載の巻密度測定装置を用い、巻密度を測定する繊維パッケージを、パッケージ保持手段(I)に自動または手動で積載し、重量測定手段(II)を構成する上皿電子天秤(II−1)が測定位置に上昇することにより、繊維パッケージを積載したスピンドル(I−2)がパッケージ保持手段の受け皿(I−1)から上皿電子天秤上に移動し、重量測定を行い、その後上皿電子天秤が測定位置から下降することにより、繊維パッケージを保持したスピンドル(I−2)が再度パッケージ保持手段の受け皿(I−1)に移るシーケンスと、そのシーケンスと併行するか、前後して、形状測定手段(III)によってパッケージの巻形状を測定し、その後、それらの測定結果および別途入力されたパッケージの番号等の同定情報に基づき、データ処理手段(V)がパッケージの巻密度を演算して結果を出力するシーケンスを有してなる、巻密度測定方法。
【請求項10】
繊維パッケージが繊維を筒状体にスクエアエンド型に巻かれたものであり、繊維パッケージの待機位置と、重量測定位置または形状測定位置が同一円周上に設置され、各々の位置にパッケージ保持手段(I)を設置し、待機位置にあるパッケージ保持手段(I−a)に第1の繊維パッケージを自動または手動で積載し、パッケージが積載されたことを検知するパッケージセンサ(II−4)と、繊維パッケージの決められた周辺範囲から、手または自動積載機が退避したことを検知するエリアセンサ(II−5)の出力によって、パッケージ移動手段(IV)がパッケージ保持手段(I−a)を第1の測定位置に移動させ、重量測定または形状測定を行い、その間に待機位置にある(I−a)とは別のパッケージ保持手段(I−b)に、第2の繊維パッケージを自動または手動で積載し、測定完了の信号、パッケージセンサ(II−4)、エリアセンサ(II−5)の出力により、パッケージ移動手段(IV)が第1の繊維パッケージを第1測定位置から第2測定位置に、第2の繊維パッケージを第1の測定位置に移動させ、繊維パッケージ各々の重量測定または形状測定を行い、測定完了の信号、パッケージセンサ(II−4)、エリアセンサ(II−5)の出力により、パッケージ移動手段(IV)が第1の繊維パッケージを第2測定位置から待機位置に、第2の繊維パッケージを第1の測定位置から第2の測定位置に、第3の繊維パッケージを第1の測定位置に移動させ、測定位置にある繊維パッケージ各々の重量測定または形状測定を行い、これらを予め決められた回数繰り返す、請求項9に記載の巻密度測定方法。
【請求項11】
繊維パッケージの待機位置と、重量測定位置または形状測定位置のいずれかが同位置である巻密度測定方法であって、同一円周上の位置に設置された、各々にパッケージ保持手段(I)を設置した巻密度測定装置を用い、待機位置にあるパッケージ保持手段(I−a)に繊維パッケージを自動または手動で積載し、パッケージが積載されたことを検知するパッケージセンサ(II−4)と、繊維パッケージの決められた周辺位置から、手または自動積載機が退避したことを検知するエリアセンサ(II−5)の出力によって、重量測定または形状測定を自動的に行い、その間に待機位置にある(I−a)とは別のパッケージ保持手段(I−b)に保持されている別のパッケージの、前記重量測定または形状測定のもう一方の測定を行い、両方の項目の測定完了の信号によって、パッケージ移動手段(IV)が、繊維パッケージを再度移動させ、測定が終了したパッケージを自動または手動で測定装置から取り除く操作を必要回繰り返す、請求項9または10に記載の巻密度測定方法。
【請求項12】
重量測定位置および形状位置が同位置である巻密度測定方法であって、同一円周上の位置に設置された、各々にパッケージ保持手段(I)を設置した巻密度測定装置を用い、待機位置にあるパッケージ保持手段(I−a)に繊維パッケージを自動または手動で積載し、パッケージが積載されたことを検知するパッケージセンサ(II−4)と、繊維パッケージの決められた周辺位置から、手または自動積載機が退避したことを検知するエリアセンサ(II−5)の出力によって、パッケージを測定位置に移動し、重量測定または形状測定を行っている間に、待機位置にある、パッケージ保持手段にあるパッケージを取り除き、次に測定するパッケージを設置するとともに、重量測定および形状測定完了の信号によって、パッケージ移動手段(IV)が、繊維パッケージを再度移動させる操作を必要回繰り返すこと、請求項9ないし11のいずれかに記載の巻密度測定方法。
【請求項13】
巻径、巻幅、および巻密度の少なくともいずれか一つが、予め決められた値を超えた場合に警報を発する、請求項9ないし12のいずれかに記載の巻密度測定方法。
【請求項14】
繊維パッケージが、巻き量2kg以上、12kg以下、繊維目付が0.05ないしは7g/mの炭素繊維をスクエアエンドに巻き上げたパッケージである、請求項9ないし13に記載の巻密度測定方法。
【請求項15】
筒状体に巻かれた繊維パッケージを、製造ロットに対して予め定められたサンプリングプランによってサンプリングし、サンプリングされた繊維パッケージの巻密度を、請求項9ないし14のいずれかに記載の方法で測定し、測定値を統計処理した結果を製造工程にフィードバックすることにより製造工程の条件を修正、変更して、巻密度を調整する、繊維パッケージ巻き上げ工程管理方法。
【請求項16】
繊維パッケージが、巻き量2kg以上、12kg以下、繊維目付が0.05ないしは7g/mの炭素繊維をスクエアエンドに巻き上げたパッケージである、請求項15に記載の繊維パッケージ巻き上げ工程管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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