説明

繊維芽細胞成長因子5阻害剤、繊維芽細胞成長因子5阻害剤の製造方法および育毛剤

【課題】 非ペプチド性の安価な、FGF−5阻害剤を提供する。
【解決手段】 トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む、繊維芽細胞成長因子5阻害剤を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の植物から抽出した抽出物を含有する、繊維芽細胞成長因子5(以下、FGF−5という)阻害剤等に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維芽細胞増殖因子の中で、FGF−5は、例えば、毛成長に関与していることが報告されている(非特許文献1)。また、FGF−5アンタゴニストは、FGF−5による毛成長抑制効果を阻害することが知られおり(非特許文献2)、さらに、FGF−5の一部からなるポリペプチドで、毛の生育に対するFGF−5の抑制作用を阻害する10個のアミノ酸からなるポリペプチドがFGF−5アンタゴニストとして報告されている(特許文献1、非特許文献3)。しかしながら、上記で用いられているペプチドの毛の生育に対するFGF−5の抑制作用発現には10mg/100mlの高濃度の皮内投与が必要である。また、ペプチドは高価であるため、FGF−5阻害剤を育毛剤として実用化する上では、非ペプチド性のものが要望されている。
【0003】
【非特許文献1】J.Cell 78:1017−1025.
【非特許文献2】J.Invest. Dearmatol. 114:456−463.
【非特許文献3】J.Cell. Physiol. 197:272−283.
【特許文献1】特開平2002−293720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、非ペプチド性の安価な、FGF−5阻害剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、自然界に存在する植物の一部がFGF−5阻害活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
具体的には、以下の手段により達成された。
(1)トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む、繊維芽細胞成長因子5阻害剤。
(2)前記トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物は、ハナキリン、ベニバナボロギク、ヤエヤマカズラ、サルカケミカンおよびビロードガラガラからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物である、(1)に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤。
(3)トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物を溶媒に浸漬して抽出する、(1)または(2)に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤の製造方法。
(4)前記植物を、前記溶媒の沸点の前後10℃の温度で抽出する、(3)に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤の製造方法。
(5)トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む、養毛剤。
(6)ハナキリン、ベニバナボロギク、ヤエヤマカズラ、サルカケミカンおよびビロードガラガラからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む、養毛剤。
(7)腎臓細胞癌、腺癌、乳癌、前立腺癌、線維芽細胞腫、血管腫、骨芽腫、神経芽腫、神経細胞死、アルツハイマー病、パーキンソン病、健忘症、痴呆症、心筋梗塞、血小板減少および血小板減少性紫斑病の少なくとも1種の疾患の予防および/または治療用である、(1)または(2)に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明のFGF−5阻害剤により、FGF−5の働きを阻害することが可能になった。この結果、FGF−5が原因で生ずる各種疾患の予防や治療に有意なものとなった。特に、育毛剤として有意である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本発明でいう抽出物には、液体等で溶出したものの他、植物の乾燥粉末等も含む趣旨である。
【0009】
FGF−5阻害剤に用いる植物
本発明のFGF−5阻害剤は、トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む。
トウダイグサ科ユーホルビア属としては、好ましくは、ハナキリン(Euphorbia milli Moul. var. splendens (Boj.) Ursen et Leandri)である。キク科ベニバナボロギク属としては、好ましくは、ベニバナボロギク(Crassocephalum crepidioides S. Moora)である。ヒルガオ科サツマイモ属としては、好ましくは、ヤエヤマカズラ(Ipomoea batatas L.)である。ミカン科サルカケミカン属としては、好ましくは、サルカケミカン(Toddaria asiatica (L.) Lamk.)である。紅藻類ガラガラ属としては、好ましくは、ビロードガラガラ(Galaxaura fasciculata Kjellman)である。
【0010】
これらの植物は、その全体を用いてもよいし、根、茎、葉、花その他の部位を単独にまたは適宜混合して用いてもよい。また、原料となる植物体の性状は、乾燥状態のもの、非乾燥状態のもの、いずれも用いることができ、乾燥状態のものがより好ましく、凍結乾燥させたものがさらに好ましい。
特に、ハナキリンでは、茎、全木が好ましく、ベニバナボロギクでは、全草が好ましく、サルケミカンは、葉、全木が好ましく、ヤエヤマカズラは全草が好ましく、ビロードガラガラでは、全藻体が好ましい。
【0011】
抽出方法
植物からのFGF−5阻害剤の抽出方法は、特に定めるものではないが、一例として、溶媒による抽出や乾燥が挙げられる。
(1)溶媒による抽出
溶媒による抽出に用いる溶媒としては、水、有機溶媒およびこれらの混合物等が好ましい例として挙げられ、1価アルコール、多価アルコールまたはこれらの誘導体、ケトン、エステル、エーテル、石油エーテル、脂肪族炭化水素およびそのハロゲン化物、芳香族炭化水素ならびに、これらの2種以上の混合物がより好ましく、水、メタノールおよびエタノールならびにこれらの組み合わせがさらに好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、植物に対して、好ましくは0.1〜1000重量倍、より好ましくは1〜100重量倍、さらに好ましくは10〜70重量倍である。
植物は、原料を細切ないし粉砕してから抽出することが好ましい。粉砕は、例えば、凍結乾燥した後のものを粉砕するのが好ましい。粉砕した植物は、1.0mmのメッシュを通過できるものであることが好ましい。
【0012】
抽出温度は、特に定めるものではないが、室温〜溶媒の沸点前後の温度が好ましく、用いられる溶媒の沸点の前後10℃の温度がより好ましく、用いられる溶媒の沸点の前後5℃の温度がさらに好ましい。これにより、より少量の植物からFGF−5阻害のための有効成分を抽出することが可能になる。特に、植物抽出物は高温で抽出すると、その効果が失活してしまうケースも多いが、本発明のFGF−5阻害剤は、そのような問題がなく、かかる観点からも極めて有意である。尚、混合溶媒等であって沸点が明確でない場合は、気化し始める温度または完全に気化し終わる温度が、上記温度範囲内に含まれるものを意味する。もちろん、例えば、室温(例えば、20〜30℃)で抽出することを排除するものでないことは言うまでもない。
また、還流抽出する方法も好ましく用いることができる。
尚、抽出時間も特に定めるものではないが、好ましくは、1時間〜30日間であり、10〜60分が好ましい。特に、高温溶媒で抽出することにより、抽出時間を短縮できる点で有利である。
抽出は静置抽出でもよいし、振とう抽出でもよい。また、高速溶媒抽出装置等を用いて抽出してもよい。
また、抽出後の植物を再度抽出してもよい。加えて、抽出後、遠心分離等により沈殿物を除去してもよい。
【0013】
(2)乾燥
FGF−5阻害剤に用いることができる植物を乾燥することによって抽出物とすることができる。この場合、植物を裁断して乾燥させることが好ましい。この場合、乾燥後のものをさらに粉砕することが好ましい。
【0014】
用途
FGF−5の生理的機能としては、発毛または育毛調節作用、脳神経系の栄養または機能調節作用、血小板調節作用、血管内皮細胞・繊維芽細胞・筋芽細胞・軟骨細胞・骨芽細胞・グリア細胞の増殖や分化の促進または抑制作用である。
従って、本発明のFGF−5阻害剤は、頭髪などの発毛促進剤、腎臓細胞癌、腺癌、乳癌、前立腺癌、線維芽細胞腫、血管腫、骨芽腫、神経芽腫等の各種疾患の予防・治療に有用である。また、神経細胞死、アルツハイマー病、パーキンソン病、健忘症、痴呆症、心筋梗塞、血小板減少性紫斑病等の各種疾患の予防・治療、ならびに癌化学療法時や重症の感染症によって引き起こされる血小板減少に対する予防・治療にも有用である。
特に、養毛剤の有効成分として好ましく用いることができる。ここでいう養毛剤としては、育毛促進剤、発毛促進剤、脱毛予防剤等を含める趣旨である。
【0015】
本発明のFGF−5阻害剤を、医薬品若しくは医薬部外品として利用する場合、本発明の抽出物をそのまま投与してもよいが、好ましくは、当業者に周知の方法によって製造可能な医薬組成物として投与することができる。医薬用組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤およびシロップ剤等を挙げることができる。上記の医薬組成物は、薬理学的、製剤学的に許容し得る添加物を加えて製造することができる。薬理学的、製剤学的に許容し得る添加物の例としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤、崩壊補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤および粘着剤等をあげることができる。上記の医薬組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、他のFGF−5阻害剤を1種または2種以上配合してもよい。本発明のFGF−5阻害剤の投与方法は特に限定されず、内用剤および外用剤のいずれでもよく、内用剤が好ましい。内用剤は、注射剤、輸液剤等として、静脈注射により投与してもよいし、経口的に投与してもよい。また、本発明の医薬の投与量は特に限定されず、有効成分の種類などに応じて適宜選択することができ、さらに患者の体重や年齢、疾患の種類や症状、投与経路など通常考慮すべき種々の要因に応じて、適宜増減することができる。一般的には、内用剤として用いる場合、成人一日あたり好ましくは0.1〜10g、より好ましくは0.5〜5gの範囲で用いることができる。
【0016】
特に、養毛剤として用いる場合、上記の他、クリーム剤、噴霧剤、塗布剤として用いることが好ましい。これらは、養毛剤として用いてもよいし、整髪料、シャンプー、リンス、トリートメント、染髪料等に配合してもよい。
【実施例】
【0017】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0018】
実施例1
ハナキリンの茎、ベニバナボロギクの全草、ヤエヤマカズラの(全草)、サルカケミカンの葉は、適当な大きさに切断した後60℃で12時間送風乾燥し、超遠心粉砕機(MRK−Retsch製、ZM100)にて破砕し0.5mmのメッシュを通過した。得られた各植物を、高速溶媒抽出装置(日本ダイオネクス社製、ASE−200)を用いて抽出した。すなわち、前記植物2gをそれぞれ5gのケイソウ土とともに抽出セルに添加し、抽出操作を行なった(溶媒:50%エタノール、溶媒量:25ml、抽出温度:82℃、抽出時間:10分、抽出回数:2回)。
また、ビロードガラガラの藻体は、凍結乾燥後、超遠心粉砕器にて破砕し、2gの乾燥粉末を40mlの50%エタノールに浸漬し、室温、48時間、290rpmで振とう抽出を行い遠心分離にて沈殿物を除去して抽出液を得た。
【0019】
実施例2
ハナキリン、ベニバナボロギク、ヤエヤマカズラ、サルカケミカン、ビロードガラガラの乾燥した植物体100gに、それぞれ、50%エタノール水溶液約5Lを加え、1日に3回軽く攪拌しながら常温で3日間浸漬抽出した。抽出液をろ過してろ液を取り、抽出液を得た。
【0020】
実施例3 R1c/Ba/F3細胞増殖阻害率
R1c/Ba/F3細胞は、Nat. Biotec. 18(6):641−644.に記載されている方法に従い作製した。すなわち、J. Biol. Chem. 271(25):15292−15297に記載のヒトFGFR−1(III)cプラスミドを電気せん孔法によりBa/F3細胞に挿入した。ここで、FBSは、ウシ胎仔血清(ハイクロン社製)を示す。次に、10%FBS、500μg/mlの抗Antibiotic G−418 Sulfate(プロメガ社)、10ng/mlのFGF−1(リサーチダイアクツスティック社製)と10μg/mlのheparin(シグマ社製)を含むRPMI培地で継代培養して形質転換させた安定なR1c/Ba/F3細胞を得た。
得られたR1c/Ba/F3細胞を10%FBS、500μg/mlの抗Antibiotic G−418 Sulfateを含むRPMI培地に懸濁した後、96穴の細胞培養用プレートに5×104個/ウェル加えた。
次いで、上記実施例1で得られたサンプルを、下記表1に示す濃度に50%エタノールで希釈し、1.54x10-9MのFGF−5および5μg/mlのheparin/10%FBS/500μg/mlのAntibiotic G−418 Sulfate/RPMI培地とともに100μl/ウェル加え、72時間培養した。R1c/Ba/F3細胞の増殖活性は、各ウェルにWST−8液(和光純薬工業(株)製)5μlを加え、さらに3時間培養し、WST−8ホルマザンの産生量に伴う450nmの発色を測定して求めた。結果を図1に示した。
【0021】
【表1】

【0022】
図1に示すとおり、これらの植物抽出物は、FGF−5による細胞増殖活性を示した。さらに、サンプル1−1と1−2または、サンプル2−1と2−2から明らかなとおり、これらは濃度に依存して阻害することを示した。
【0023】
実施例4 受容体結合阻害率
FGF−5リガンドのFGFR−1(III)c−Fc−キメラ体への結合活性の測定による50%エタノール抽出液の受容体結合活性の阻害について測定した。ここで、PBSは、pH(7.4)の燐酸緩衝液を、BSAは牛アルブミン血清(シグマ社製)を、DDWは、(ミリQ水)を表している。また、FGFR−1(III)c−Fc−キメラ体は、リサーチダイアクツスティック社製のものを採用した。また、FGF−5は、上記非特許文献3の273ページの記載に従って調製した。
5μg/mlのProteinA(シグマ社製)を含むDDWを96穴のマイクロタイタープレートに50μl/ウェル加え、一晩4℃で放置した。PBS/0.05%Tween20により洗浄し、100μlの1%BSA/PBSを加えて2時間室温に放置した後、50μlの0.5μg/mlのFGFR−1(III)c−Fc−キメラ体/1%BSA/PBSを加え、1時間室温で放置した。PBS/0.05%Tween20により洗浄後、1.54x10-9 MのFGF−5と5μg/mlのheparin/10%FBS/RPMI培地を50μl/ウェル加えた。さらに検体として実施例2で得られた各サンプルを表2に示す濃度に希釈して10μl/ウェル加え、1時間室温で放置した。PBS/0.05%Tween20により洗浄後、2μg/mlのヒツジ由来抗ヒトFGF−5ポリクローナル抗体(R&Dシステム社製)を50μl/ウェル加え、1時間室温で放置した。PBS/0.05%Tween20により洗浄後、500倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ウマ由来抗ヒツジイムノグロブリン抗体(フナコシ製)を50μl/ウェル加え、1時間室温で放置した。PBS/0.05%Tween20により洗浄後、3mg/mlのペルオキシダーゼ基質(シグマ製)と0.01%H22を含む0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.2)を50μl/ウェル加え、30分間室温で放置し、1MのH2SO4を50μl/ウェル加え、450nmの発色量を測定した。
50%エタノールのみを加えたときの発色量を100%コントロールとして、各サンプルのコントロールに対する発色量を阻害率(%)で求めた。その結果を図2に示した。
【0024】
【表2】

【0025】
図2に示すとおり、実施例2で得られたサンプルは、いずれもFGF−5リガンドのFGFR−1(III)c−Fc−キメラ体への結合を阻害し、いずれのサンプルも受容体レベルで結合を阻害するFGF−5アンタゴニストであることを示した。さらに、これらの受容体結合阻害も、濃度に依存することが認められた。
【0026】
実施例5
以下の処方および製法に従ってヘアシャンプーを製造した。
成 分 重量%
1. 実施例1で得られた抽出液 0.1
2. ラウリルエーテル硫酸ナトリウムエタノール 20
3. ラウリル硫酸ナトリウム 10
4. 1,3ブチレングリコール 1
5. 香料 適量
6. 精製水 残量(全量で100とする)
処方成分を80℃に加熱し、攪拌混合した後、攪拌冷却し本発明のヘアシャンプーを製造した。これらのシャンプーは、上記成分1を含まないシャンプーに比較して、養毛に効果的であることが認められた。
【0027】
実施例6
以下の処方および製法に従ってヘアリキッドを製造した。
成 分 重量%
1. 実施例1で得られた抽出液 0.1
2. エタノール 40
3. グリセリン 1
4. 香料 適量
5. 精製水 残量(全量で100とする)
処方成分を加えて攪拌溶解した後、精製水を加えてヘアリキッドを製造した。これらのヘアリキッドは、上記成分1を含まないヘアリキッドに比較して、養毛に効果的であることが認められた。
【0028】
実施例7
以下の処方および製法に従ってヘアクリームを製造した。
成 分 重量%
1. 実施例1で得られた抽出液 0.1
2. 流動パラフィン 40
3. ワセリン 1
4. セトステアリルアルコール 1
5. メチルポリシロキサン 1
6. パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7. プロピレングリコール 5
4. 香料 適量
5. 精製水 残量(全量で100とする)
処方成分を攪拌混合し、本発明のヘアクリームを製造した。これらのヘアクリームは、上記成分1を含まないヘアクリームに比較して、養毛に効果的であることが認められた。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、R1c/Ba/F3細胞増殖活性に対する阻害活性を測定した結果を示すグラフである。
【図2】図2は、FGF−5の受容体結合に対する阻害活性を測定した結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む、繊維芽細胞成長因子5阻害剤。
【請求項2】
前記トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物は、ハナキリン、ベニバナボロギク、ヤエヤマカズラ、サルカケミカンおよびビロードガラガラからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物である、請求項1に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤。
【請求項3】
トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物を溶媒に浸漬して抽出する、請求項1または2に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤の製造方法。
【請求項4】
前記植物を、前記溶媒の沸点の前後10℃の温度で抽出する、請求項3に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤の製造方法。
【請求項5】
トウダイグサ科ユーホルビア属、キク科ベニバナボロギク属、ヒルガオ科サツマイモ属、ミカン科サルカケミカン属および紅藻類ガラガラ属からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む、養毛剤。
【請求項6】
ハナキリン、ベニバナボロギク、ヤエヤマカズラ、サルカケミカンおよびビロードガラガラからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物の抽出物を含む、養毛剤。
【請求項7】
腎臓細胞癌、腺癌、乳癌、前立腺癌、線維芽細胞腫、血管腫、骨芽腫、神経芽腫、神経細胞死、アルツハイマー病、パーキンソン病、健忘症、痴呆症、心筋梗塞、血小板減少および血小板減少性紫斑病の少なくとも1種の疾患の予防および/または治療用である、請求項1または2に記載の繊維芽細胞成長因子5阻害剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−199651(P2006−199651A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14751(P2005−14751)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(592234908)株式会社トロピカルテクノセンター (14)
【出願人】(595102178)沖縄県 (36)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】