説明

繊維複合体および真空絶縁システム中での該繊維複合体の使用

本発明は、高性能プラスチック繊維および結合繊維を含む繊維複合体に関し、この場合この繊維複合体は、高性能プラスチック繊維少なくとも70質量%および結合繊維最大30質量%を含有し、この繊維複合体は、繊維の層状の配置を有し、この繊維の少なくとも一部分は、接触点で互いに結合しており、この接触点は、結合繊維の軟化によって得られたものである。更に、本発明には、本発明による繊維複合体を有する絶縁システムが記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に真空絶縁システム中で使用することができる繊維複合体に関する。更に、本発明は、本発明による繊維複合体を含む絶縁システム、ならびに高性能プラスチック繊維の使用を記載する。
【0002】
化石エネルギー源が乏しくなり、気候保護の必要性が深刻化するにつれ、エネルギーを節約する技術および経済的なエネルギー輸送ならびに資源を大切に扱うことによって取得される有用エネルギーの中間貯蔵は、ますます重要なことである。前記事実の補充および化石エネルギーの経済性の調節の有望な他の選択可能な方法は、極低温エネルギー媒体の使用、例えば生態的な水素の経済性にある。
【0003】
従って、前記の全ての分野において、効果的な熱絶縁材料の要求が高い。殊に拡大された凍結インフラストラクチャーは、卓越した熱絶縁が環境からの不可避の熱搬入を極めて制限する場合にのみ経済的に駆動させることができる。
【0004】
冷たい液体を輸送するための導管システムは、なかんずくドイツ連邦共和国特許出願公開第3103587号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3630399号明細書、欧州特許出願公開第0949444号明細書、米国特許第4924679号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10031491号明細書、ドイツ連邦共和国特許第69202950号明細書T2、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19511383号明細書A1、ドイツ連邦共和国特許第19641647号明細書C1、ドイツ連邦共和国特許第69519354号明細書T2、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2013983号明細書およびWO 2005/043028に記載されている。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3103587号明細書には、複雑な構造を有する熱絶縁されたチューブが記載されている。絶縁材料としては、殊にフォーム材料が提案される。しかし、この刊行物には、絶縁を真空の使用によって改善することができるシステムについては示されていない。
【0006】
真空下で駆動することができるチューブシステムは、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3630399号明細書中に示されている。しかし、真空は、ポンプによって発生される。絶縁材料としては、殊に粉末堆積物が記載される。チューブからのガスの導出のために、真空に引いた際に堆積物に押圧されるフリース材料が示される。
【0007】
冷たい媒体を輸送するため、殊に液化ガスを輸送するための弾力性の極低温チューブは、欧州特許出願公開第0949444号明細書に示されている。しかし、この欧州特許出願公開明細書中には、フルオロポリマーの使用だけが記載されており、この場合には、前記材料からの繊維の使用については、示されていない。むしろ、前記プラスチックからなるスペーサー、殊にテープまたはディスクが記載されている。
【0008】
導管システム内で真空を発生させるためのCO2の使用は、米国特許第4924679号明細書中に示されている。しかし、材料としてフルオロチューブを使用することが提案されているが、この米国特許明細書中には、繊維材料についての指摘はない。
【0009】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10052856号明細書には、相転移によってエネルギーを蓄積する媒体、例えば空気の冷却および液化のために極低温媒体の蒸発熱を利用することが提案されている。それによって、極低温媒体を貯蔵するための耐用時間を著しく延長させることができる。極低温媒体を貯蔵容器に注入しかつ該貯蔵容器から取り出す場合には、エネルギーを貯蔵する媒体が採用され、貯蔵に関連するエネルギーバランスは、改善される。
【0010】
多重エネルギー−発生−蓄積−供給グリッド家庭用技術のソーラー/環境熱−エネルギー取得システムの使用も既に記載された。そのための1例は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10031491号明細書中に見出される。しかし、このドイツ連邦共和国特許出願公開明細書には、このようなシステムの構成の多重の可能性について極めて一般的にのみ議論されている。
【0011】
ドイツ連邦共和国特許第69202950号明細書T2には、極低温流体のための移送管が記載されている。この移送管は、極低温流体および冷却流体を輸送するための熱的に結合された管状導管を有し、この管状導管は、冷却管状導管を有する結合装置と結合している箔で外装されている。
【0012】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19511383号明細書A1の記載から、極低温液体のための蒸発法と対になっている天然ガス液化法は、公知である。前記方法のさらなる展開は、ドイツ連邦共和国特許第19641647号明細書C1 30中に記載されている。
【0013】
ドイツ連邦共和国特許第69519354号明細書T2には、極低温液体のためのサブクーラーを備えた放出装置が開示されている。
【0014】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2013983号明細書には、電気的エネルギーを転送し、冷却電力を転送し、或いは工業用ガスを輸送するための導管システムが開示されており、この導管システムは、異なる機能性を有する広範囲の導管グリッドを構成するために使用されることができる。
【0015】
最後に、刊行物WO 2005/043028には、エネルギー網のための導管構成成分および極低温エネルギー媒体を消費者に供給するための方法が記載されている。
【0016】
先に示した刊行物に既述された導管システムは、極低温エネルギー媒体の輸送のために使用されることができる。しかし、前記の導管システムの性質を改善する必要性は、永続的に存在する。
【0017】
先に示されたシステムの一部分には、硬質材料から完成された管状導管が記載される。勿論、この絶縁材料は、簡単には複雑に形成された絶縁すべき構造部材に適合することはできない。既に真空に引く際に、包囲すべき構造部材の後の形を予め設定しなければならない。それによって、構造部材を完全に包囲することは、熱輸送方向に延在する縁部または継目(所謂、熱架橋)なしに実際に実現することはできない。従って、実際の使用において1つの絶縁構造部材から直ぐ次の絶縁構造部材への移行部での数多くの避けることのできない熱架橋は、このような絶縁構造部材の平面での部分的に卓越した絶縁特性に直面している。それによって、極低温ガスのためのこの種の絶縁した管状区間の全体的に有効な絶縁効果は、よりいっそう長い区間に亘っての輸送にとって通常は明らかに劣悪すぎる。その上、前記の絶縁構造部材の剛性に応じて、この絶縁構造部材の加工は、しばしば困難で幾何学的に強く制限されている。
【0018】
複雑に形成された構造部材を絶縁するための1つの方法は、気密に閉鎖しうるシェルで全体を包囲し、シェルと構造部材との間の空隙を堆積物(粉末からなる)で充填し、引続きこのシェル内で初めてガス圧を減少させることである。しかし、この場合の問題は、定義された位置決め、殊にシェル内で絶縁すべき構造部材のできるだけ中心点での同心配置にあり、それというのも、粉末堆積物は、実際に良好に角張った空隙内に導入可能であるが、しかし、重いかまたは可動の構造部材のためには殆んど支承を提供しないからである。このような堆積物は、部分的に液体のような挙動を取り、したがって絶縁すべき構造部材は、シェルの縁部にずれる可能性があり、それによって局部的に薄すぎる絶縁層が生じる。適当なスペーサーは、単なる対応策であり、再び一面で、熱架橋を構成し、他面、構造全体を極めて複雑にし、加工を困難にする。
【0019】
この折り曲げ可能なシステムは、なかんずくWO 2005/043028中に記載されており、このシステムの絶縁は、多くの要件には不十分である。この折り曲げ可能なシステムの絶縁のために、WO 2005/043028には、フォーム材料、珪酸粉末または鉱物繊維を使用することが提案されている。しかし、フォーム材料は、比較的高い熱伝導能を示す。鉱物繊維、例えばアスベストは、健康上の理由から避けるべきである。珪酸粉末を使用する場合、絶縁効率は、導管システムの不適当な取付けの際に減少しうる。プラスチック繊維を絶縁材料として使用することは、WO 2005/043028には、示されていない。しかし、前記の絶縁材料の多数は、先に示したフォーム材料と同様の欠点を示す。
【0020】
即ち、例えばプラスチック繊維を基礎とする絶縁材料は、刊行物の米国特許第4588635号明細書、米国特許第4681789号明細書、米国特許第4992327号明細書およびAlbany International Corp., Albany, N.Y. (USA)の米国特許第5043207号明細書に示されている。しかし、実施例中には、絶縁材料として先に示した導管システム中で一般に、先に示したフォーム材料よりも良好な性質を生じないPETフリースに関する記載が見出されるにすぎない。本発明の繊維複合体の対象である、高性能繊維と結合繊維との組合せは、前記の刊行物中には、明示されていない。
【0021】
前記の刊行物中に記載されかつ討論された公知技術水準を考慮して、本発明の課題により、優れた特性プロフィールを有する絶縁材料を提供することができた。
【0022】
この特性プロフィールは、殊に材料の極めて僅かな熱伝導率および低い温度でも維持されたままである良好な機械的性質を含む。この機械的性質には、殊に前記材料が封圧に対する高い強度、および高い温度および低い温度の際の高い弾性を有することが挙げられ、例えば内部導管の定義された位置決めを保証することができ、したがって絶縁特性は、本質的に維持されたままである。更に、導管および絶縁材料は、十分な柔軟性を有するはずであり、したがって導管は、簡単に確実に取付けることができる。
【0023】
前記の課題ならびに実際には明らかに挙げられていないが、しかし、本明細書中で討論された記載内容から明らかであると推論されるかまたは前記の記載内容から明らかに必要とされる他の課題は、請求項1に記載された繊維複合体によって解決される。この繊維複合体の好ましい変形は、請求項1に従属される従属請求項に保護されている。絶縁システムならびに使用に関連して、請求項22または36は、基礎となる課題の解決を提供する。
【0024】
それに応じて、本発明の対象は、高性能プラスチック繊維および結合繊維を含む繊維複合体であって、この繊維複合体が高性能プラスチック繊維少なくとも70質量%および結合繊維最大30質量%を含有する上記繊維複合体であり、この繊維複合体は、当該繊維複合体が繊維の層状の配置を有し、この場合この繊維の少なくとも一部分は、接触点で互いに結合しており、この接触点は、結合繊維の軟化によって得られたものであることによって特徴付けられている。
【0025】
本発明による手段によって、意外なことに、優れた特性プロフィールを有する絶縁材料を提供することに成功する。
【0026】
本発明による繊維複合体は、材料の極めて僅かな熱伝導率および低い温度でも維持されたままである良好な機械的性質を示す。この機械的性質には、殊に加工された繊維複合体が封圧に対する高い強度、および高い温度および低い温度の際の高い弾性を有することが挙げられる。それに応じて、極低温エネルギー媒体を導く導管の繊維複合体は、十分な支承を提供することができ、したがって前記導管の定義された位置決めは、取付けの際および運転の際に維持されたままである。更に、本発明による繊維複合体を有する導管は、十分な柔軟性を有することができ、したがって導管は、簡単に確実に取付けることができる。
【0027】
更に、本発明による繊維複合体およびこの繊維複合体を有する絶縁システムは、簡単で安価に製造することができ、加工することができる。
【0028】
本発明の繊維複合体は、高性能プラスチック繊維および結合繊維から構成されている。高性能プラスチック繊維は、当業界内で公知である。その中で、殊に高い温度で使用可能であるプラスチック繊維が挙げられる。特に、前記繊維が製造されるプラスチックは、低い固体熱伝導率を有し、極めて弾性的で硬質であり、耐化学薬品性を有し、低い燃焼性を有し、比較的高いIR吸光係数を有する。
【0029】
好ましくは、高性能プラスチック繊維は、少なくとも200℃、特に有利に少なくとも230℃の融点またはガラス転移温度を有する。この性質は、DSC(Differential Scanning Calorimetry示差走査熱分析)により測定することができる。
【0030】
高性能プラスチック繊維を製造するために好ましいプラスチックの固体熱伝導率は、例えば293KでASTM 5930−97またはDIN 52616により測定した、特に最大0.7W/(mK)、特に有利に最大0.2W/(mK)である。
【0031】
好ましい高性能プラスチック繊維には、なかんずくポリイミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアラミド繊維、ポリエーテルケトン繊維および/またはポリフェニレンスルフィド繊維が含まれ、この場合ポリイミド繊維が特に好ましい。
【0032】
ポリイミドは、自体公知であり、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版にCD−ROMで示されている。
【0033】
ポリイミドは、特に25000〜500000g/molの範囲内の質量平均分子量を有することができる。
【0034】
好ましいポリイミドは、無水物とアミンおよび/またはイソシアネートとを縮合することによって得ることができる。この場合、好ましくは、少なくとも二官能性の無水物は、少なくとも二官能性のイソシアネートと強い極性の非プロトン性溶剤中、例えばNMP、DMF、DMAcまたはDMSO中でCO2の分離下に反応される。選択可能な方法の場合には、少なくとも二官能性の無水物は、少なくとも二官能性の無水物と反応させることができ、この場合前記変法の際に差当り形成されたポリアミド酸は、第2の工程でイミド化されなければならない。このイミド化は、従来法で熱的に150を上廻り350℃までの温度で、水を抽出する薬剤、例えば無水酢酸および塩基、例えばピリジンを用いて室温で実施される。
【0035】
ポリイミドを製造するのに好ましいモノマー形成ブロックは、なかんずく芳香族ジイソシアネート、殊に2,4−ジイソシアナトトルエン(2,4−TDI)、2,6−ジイソシアナトトルエン(2,6−TDI)、1,1’−メチレン−ビス[4−イソシアナトベンゼン](MDI)、1H−インデン−2,3−ジヒドロ−5−イソシアナト−3−(4−イソシアナトフェニル)−1,1,3−トリメチル(CAS42499−87−6);芳香族酸無水物、例えば5,5’−カルボニルビス−1,3−イソベンソフランジオン(ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、BTDA)、ピロメリット酸無水物(PMDA)を含む。これらのモノマー形成ブロックは、単独でまたは混合物として使用されてよい。
【0036】
本発明の特殊な視点によれば、ポリイミドとして、5,5’−カルボニルビス−1,3−イソベンソフランジオン(BTDA)と2,4−ジイソシアナトトルエン(2,4−TDI)、2,6−ジイソシアナトトルエン(2,6−TDI)、1,1’−メチレン−ビス[4−イソシアナトベンゼン](MDI)を含む混合物の反応により得られるポリマーを使用することができる。この場合、BTDAの含量は、使用された酸無水物に対して特に少なくとも70モル%、特に有利に少なくとも90モル%、殊に有利に約100モル%である。この場合、2,4−TDIの含量は、使用されたジイソシアネートに対して特に少なくとも40モル%、特に有利に少なくとも60モル%、殊に有利に約64モル%である。2,6−TDIの含量は、この実施態様によれば、使用されたジイソシアネートに対して特に少なくとも5モル%、特に有利に少なくとも10モル%、殊に有利に約16モル%である。MDIの含量は、この実施態様によれば、使用されたジイソシアネートに対して特に少なくとも10モル%、特に有利に少なくとも15モル%、殊に有利に約20モル%である。
【0037】
更に、有利には、ポリイミドとして、5,5’−カルボニルビス−1,3−イソベンソフランジオン(BTDA)およびピロメリット酸無水物(PMDA)と2,4−ジイソシアナトトルエン(2,4−TDI)および2,6−ジイソシアナトトルエン(2,6−TDI)を含む混合物の反応により得られるポリマーを使用することができる。この場合、BTDAの含量は、使用された酸無水物に対して特に少なくとも40モル%、特に有利に少なくとも50モル%、殊に有利に約60モル%である。この実施態様において、ピロメリット酸無水物(PMDA)の含量は、使用された酸無水物に対して特に少なくとも10モル%、特に有利に約20モル%、殊に有利に約40モル%である。2,4−TDIの含量は、この実施態様によれば、使用されたジイソシアネートに対して特に少なくとも40モル%、特に有利に少なくとも60モル%、殊に有利に約64モル%である。2,6−TDIの含量は、この実施態様によれば、使用されたジイソシアネートに対して特に少なくとも5モル%、特に有利に少なくとも10モル%、殊に有利に約16モル%である。
【0038】
更に、ホモポリマーと共に、ポリイミドとしてイミド形成ブロックと共に他の官能基を主鎖中に含むコポリマーが使用されてもよい。本発明の特殊な視点によれば、ポリイミドは、少なくとも50質量%、有利に少なくとも70質量%、殊に有利に少なくとも90質量%がポリイミドを生じるモノマー形成ブロックに由来していてよい。
【0039】
特に有利に使用することができるポリイミドは、商業的にInspec Fibres GmbH社、Lenzing/オーストリア在またはHP-Polymer GmbH社、Lenzing/オーストリア在の商品名P84およびHuntsman Advanced Materials GmbH社/Bergkamen在の商品名Matrimidで入手可能である。
【0040】
1つの好ましい実施態様によれば、高性能プラスチック繊維は、非円形の断面形を有することができる。非円形の断面形は、一般に隆起部および窪み部を有する。この場合、隆起部は、繊維の重心から最大の距離を有する、横方向での繊維の境界であり、窪み部は、繊維の重心から最小の距離を有する、繊維の境界である。それに応じて、隆起部または窪み部は、繊維の外側境界からの距離の局部的な最大であり、または繊維の重心からの距離の局部的な最小である。この場合、繊維の重心から隆起部の少なくとも1つへの最大の区間は、繊維断面の外側半径と見なすことができる。同様に、繊維の重心と少なくとも1つの窪み部との間の最小区間から生じる内側半径を定義することができる。特に、外側半径と内側半径との比は、少なくとも1.2、特に有利に少なくとも1.5、殊に有利に少なくとも2である。繊維の断面形ならびに隆起部は、電子顕微鏡によって測定することができる。
【0041】
この非円形の断面形には、殊に3個、4個、5個、6個およびそれ以上の隆起部を有する、多角断面および星形断面が含まれる。特に有利には、繊維は、三角断面を有する。非円形の断面形、殊に三角断面を有するポリイミド繊維は、殊に、通常の溶液紡糸法で比較的僅かなポリマー含量を有する溶液が使用されることによって得ることができる。
【0042】
更に、中実繊維と共に、中空繊維を使用することもできる。好ましい中空繊維は、同様に非円形の断面形、殊に三角断面を有する。
【0043】
高性能繊維は、ステープルファイバーとして、またはエンドレスフィラメントとして使用されることができる。
【0044】
特に、高性能プラスチック繊維は、1〜50μm、特に有利に2〜25μm、殊に有利に3〜15μmの範囲内の直径を有する。この場合、直径は、重心によって測定される、横方向への繊維の最大の伸びに関連する。直径は、なかんずく電子顕微鏡(REM)で測定することができる。
【0045】
好ましくは、高性能プラスチック繊維は、最大10dtex、特に最大5dtexの繊維の線密度を有することができる。特に、高性能プラスチック繊維の線密度は、最大の伸びで測定した、0.05〜4dtex、特に有利に0.1〜1dtexの範囲内にある。
【0046】
本発明の特殊な視点によれば、捲縮を有する高性能繊維を使用することができる。好ましくは、捲縮は、1cm当たり1〜50個の範囲内、特に有利に3〜10個の範囲内にある。繊維の捲縮は、目視的方法によって測定することができる。この値は、しばしば製造からもたらされる。
【0047】
更に、1つの好ましい実施態様によれば、捲縮を有しないかまたは僅かな捲縮だけを有する高性能繊維を使用することができる。
【0048】
本発明による繊維複合体は、高性能プラスチック繊維と共に、高性能プラスチック繊維の結合に使用される結合繊維を含む。特に、結合繊維は、最大180℃、特に有利に最大150℃の融点またはガラス転移温度を有する。融点またはガラス転移温度は、DSCにより測定することができる。
【0049】
特に、結合繊維は、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリアセテート繊維、ポリエステル繊維および/またはポリアミド繊維を含む。
【0050】
好ましくは、結合繊維は1〜50μm、有利に2〜20μm、殊に有利に4〜10μmの範囲内の直径を有する。この場合、直径は、重心によって測定される、横方向への繊維の最大の伸びに関連する。
【0051】
好ましい結合繊維の線密度は、特に10dtex未満、特に有利に5dtex未満である。特に、好ましい結合繊維の線密度は、最大の伸びで測定した、0.05〜4dtex、特に有利に0.1〜2dtexの範囲内にある。
【0052】
繊維複合体は、高性能プラスチック繊維少なくとも70質量%および結合繊維最大30質量%を含有する。高性能プラスチック繊維の含量は、有利に75質量%〜99.5質量%の範囲内、特に有利に80〜95質量%の範囲内にある。結合繊維の含量の上限は、繊維複合体の必要される性能からもたらされ、下限は、絶縁システムの製造法によって規定される要件からもたらされる。特に、結合繊維の含量は、0.5質量%〜25質量%の範囲内、特に有利に5質量%〜20質量%の範囲内にある。
【0053】
繊維複合体は、繊維の層状の配置を有し、この場合この繊維の少なくとも一部分は、接触点によって互いに結合されており、この接触点は、結合繊維を軟化させることによって得られる。
【0054】
「繊維の層状の配置」の概念は、本質的に1つの平面内に繊維の主要配向が存在することを意味する。この場合、「平面」の概念は、幅広い意味を有するものと理解すべきである。それというのも、繊維は、立体的な伸びを有し、平面は、湾曲していてもよいからである。それに応じて、「本質的に」の表現は、繊維の主要配向が繊維のできるだけ僅かな割合が熱勾配の方向に配向しているように整列していることを意味する。主要配向は、繊維の長さに亘って繊維の平均化された方向からもたらされ、この場合小さな方向の変化は、無視することができる。
【0055】
前記の意味において層状の配置は、一般にフリースまたはフリース材料の製造の際に達成される。この方法の場合、フィラメントまたはステープルファイバーは、1つの平面内に配置され、引続き固定される。これは、例えば空気を使用する乾燥法(air-laidエアレイド)または湿式法によって行なうことができる。特に、前記平面に対して垂直方向に向いている主要配向は、僅かな繊維だけを有する。それに応じて、繊維複合体は、一般に顕著なニードリングによって固定されていない。
【0056】
繊維複合体は、結合繊維を軟化させ、引続き冷却することによって得られる。このための方法は、殊に刊行物の米国特許第4588635号明細書、米国特許第4681789号明細書、米国特許第4992327号明細書およびAlbany International Corp., Albany, N.Y. (USA)の米国特許第5043207号明細書に示されている。温度は、殊に結合繊維の軟化温度(ガラス転移温度または溶融温度)に依存する。この場合には、しばしば、全ての繊維を結合繊維の軟化によって得られる接触点によって互いに結合させることは、不要である。この結合繊維の割合を上昇させればさせるほど、前記複合体は、よりいっそう良好な機械的性質を有する。勿論、前記複合体の熱伝導率は、増加することができる。これに関連して、前記複合体中の前記繊維は、結合繊維の軟化によって得られたものではない接触点を有することができることが挙げられる。このために、殊に高性能プラスチック繊維が接触する点が属する。
【0057】
前記繊維は、特に層状の配置の1つの平面内で主要配向を有することができ、この場合、種々の平面の繊維の主要配向は、特に有利に互いに1つの角度を示す。「繊維の主要な配向」の概念は、個々の繊維の全長に亘っての個々の繊維の平均配向からもたらされる。種々の平面の配向された繊維が互いに有することができる角度は、特に5゜〜175゜の範囲内、特に有利に60゜〜120゜の範囲内にある。繊維の主要な配向ならびに種々の平面の互いの繊維の角度は、目視的方法によって測定することができる。この値は、しばしば製造からもたらされ、この場合前記繊維の配向は、例えばカーディングによって予め定めることができる。
【0058】
僅かな密度は、しばしば繊維複合体の特に僅かな熱伝導率に付随して現れる。他面、繊維複合体の強度は、低い密度の結果として減少し、したがってそれによって極低温エネルギー媒体を導く導管に十分な支承を提供するためには、しばしば安定性は、極めて僅かになる可能性がある。従って、例えば絶縁材料中に設けられている本発明による繊維複合体が特に50〜300kg/m3、特に有利に100〜150kg/m3の範囲内の密度を有することは、驚異的な利点であり、この場合この値は、絶縁材料中への加工および取付けによって規定される負荷下に測定される。前記の密度値に相当する、繊維の主要配向の平面に対して横方向の前記負荷は、例えば1ミリバール〜1000ミリバールの範囲内にあり、この場合この密度値は、例えば1ミリバール、10ミリバール、50ミリバール、100ミリバール、200ミリバール、400ミリバール、600ミリバール、800ミリバールまたは1000ミリバールの負荷の際に測定されることができる。
【0059】
殊に、加工前の負荷されていない状態では、繊維複合体は、特に1〜30kg/m3、特に有利に5〜20kg/m3の範囲内の密度を有することができ、この場合この密度は、最大5cmの未加工の繊維複合体の厚さの際に測定されることができる。
【0060】
特に、層状の配置の平面に対して垂直方向で測定した、本発明による繊維複合体の平均熱伝導率は、最大10.0*10-3W(mK)-1、有利に最大5.0mW(mK)-1、特に有利に最大1.0*10-3W(mK)-1である。この測定は、例えば室温(293K)および/または低い温度、例えば150Kまたは77Kで実施されることができ、この場合この材料は、前記条件で少なくとも14日間負荷に耐える。試験は、例えばDIN EN 12667("ガードホットプレートおよび熱流計を用いる方法による耐熱性の測定")に記載された特に僅かな絶対圧、例えば1ミリバールまたはそれ未満の圧力で実施される。この測定は、例えば0.01ミリバールの測定すべき繊維複合体内のガス圧および繊維の主要配向の平明に対して横方向の測定すべき繊維複合体上の測定装置によって発揮される、70ミリバールの負荷圧力で実施されることができる。
【0061】
先に示された熱伝導率の値は、殊に層状の配置の繊維平面に対して垂直方向に僅かな熱転位だけが生じることによって達成されうる。従って、層状の繊維配置に対して垂直方向に熱架橋または常温架橋を生じうる、特に顕著なニードリングが省略されるか、または大量の液状結合剤での固定が省略される。しかし、僅かなニードリングまたは微少量の液状結合剤の使用は、前記手段が熱伝導率の僅かな上昇だけを生じる場合には、使用されてよい。
【0062】
特に有利には、本発明による繊維複合体は、高い安定性を有し、この場合この安定性は、繊維の主要配向の平面に対して垂直方向にも与えられている。即ち、本発明による繊維複合体は、加工後に比較的僅かな圧縮率を示すかまたは絶縁材料中に比較的僅かな圧縮率を示し、この圧縮率は、負荷が1ミリバール増加した際に特に最大50%であり、即ち負荷が1ミリバール増加した際に、繊維複合体の厚さは、加工された複合体の元来の厚さに対して最大50%、特に最大30%、殊に有利に最大10%、特に有利に最大5%減少する。
【0063】
本発明による繊維複合体は、殊に絶縁材料として、有利に真空絶縁システム中に使用されることができる。それに応じて、先に示した繊維複合体を有する絶縁材料、殊に真空絶縁システムも本発明の対象である。
【0064】
真空絶縁システムの概念は、絶縁効率が真空によって改善される熱絶縁されたシステムを意味する。これに関連して、真空は、前記システム中で、特に500ミリバール以下、特に有利に50ミリバール以下、殊に有利に1ミリバール以下である絶対圧が存在することを意味する。それによって、前記システムの熱伝導率は、著しく減少される。
【0065】
真空絶縁システムは、なかんずくドイツ連邦共和国特許出願公開第3630399号明細書、欧州特許出願公開第0949444号明細書、米国特許第4924679号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10031491号明細書、ドイツ連邦共和国特許第69202950号明細書T2、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19511383号明細書A1、ドイツ連邦共和国特許第19641647号明細書C1、ドイツ連邦共和国特許第69519354号明細書T2、ドイツ連邦共和国特許第2013983号明細書およびWO 2005/043028に記載されている。
【0066】
真空は、例えば機械的に、殊に真空ポンプによって形成させることができる。特に、真空は、真空システム中に存在する流体、殊にガスを固化または凝縮させることによって形成することができる。即ち、この流体は、流体を冷却することによって固化または凝縮させることができる。好ましい流体には、殊に窒素、酸素、二酸化炭素および/または1バールで0℃未満の沸点を有する易揮発性炭化水素が含まれる。易揮発性炭化水素は、なかんずくメタン、エタン、プロパンおよび/またはブタンである。
【0067】
好ましい真空絶縁システムは、殊に極低温流体、殊に極低温液体の輸送に使用される。「極低温流体」の概念は、特に最大−40℃、特に有利に最大−100℃、殊に有利に−150℃またはそれ未満を有する冷たい流体を示す。この真空絶縁システムは、極低温流体を輸送することができる、少なくとも1つの導管または導管複合体を含む。
【0068】
導管複合体の概念は、本発明の範囲内で、少なくとも2つの異なる導管を有するシステムを示す。即ち、導管複合体は、例えば液体またはガスを輸送することができる、少なくとも2つの内部導管を有することができる。それと共に、導管複合体は、液体および/またはガスを輸送するための少なくとも1つの内部導管およびデータラインおよび/または電力線も含むことができる。特に好ましい導管複合体は、酸素輸送のための少なくとも2つの内部導管およびデータラインおよび/または電力線を含む。
【0069】
一般に、前記導管または導管複合体は、少なくとも1つの内部導管および1つの外被を有し、この場合極低温流体は、内部導管に導通され、外被は、導管を環境から遮断し、したがって内部導管と外被との間には、真空が形成されうる。それに応じて、外被は、殊に絶縁効果を維持するのに役立つ。
【0070】
特に、導管または導管複合体は、丸みを付けられた、例えば円形または楕円形の断面を有し、この場合少なくとも1つの内部導管ならびに外被は、丸みを付けられた、例えば円形または楕円形の断面を有することができる。
【0071】
本発明の特殊な視点によれば、真空システムの導管複合体は、少なくとも2つの内部導管を有し、この場合1つの内部導管は、ガスの導出のため、および/またはエネルギー伝達媒体の誘導のために設けられている。
【0072】
絶縁効率を改善するために、外被には、金属層を備えさせることができる。この金属層は、例えば金属の蒸着によって施こすことができるか、金属含有ラッカーによりもたらすことができるか、または金属箔によりもたらすことができる。これは、外面、内面または両面に行なうことができる。
【0073】
多くの場合に、十分な量の極低温流体を移送するためには、小さな直径で十分である。従って、特に内部導管の内径は、50mm以下、特に20mm以下、殊に10mm以下、特に有利に5mm以下である。
【0074】
相応する材料の選択によって、真空システムの導管または導管複合体は、室温で折り曲げ可能であるように構成させることができる。殊に、内部導管または外被を製造するための材料は、一般に公知であり、この場合この材料は、殊に先に示した刊行物中に記載されている。特に、本発明による絶縁システムの導管または導管複合体は、最大20m、特に有利に最大10m、殊に有利に最大5m、特に好ましくは最大1.5mの曲げ半径を有することができる。この曲げ半径は、導管または導管複合体の損傷なしに達成することができる最大曲率からもたらされる。損傷は、このシステムがもはや要件に十分ではないことを意味する。
【0075】
本発明による絶縁システム、殊に真空絶縁システムは、導管システムと共に、他の構成成分を有することができる。これには、殊に熱交換器、ポンプ、制御システムおよび導入システムまたは導出システムが所属する。制御システムは、殊に導管システム内に嵌め込まれている構成成分も有することができる。それに応じて、この導管システムは、電気信号を伝達しうる導線も有することができる。
【0076】
意外なことに、真空絶縁システムの性質は、高性能プラスチック繊維を絶縁材料として使用することによって改善することができる。それによって、意外なことに、高い絶縁効率をシステムの簡単で問題のないプロセスと結合することに成功する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高性能プラスチック繊維および結合繊維を含む繊維複合体であって、この繊維複合体が高性能プラスチック繊維少なくとも70質量%および結合繊維最大30質量%を含有する上記繊維複合体において、この繊維複合体が繊維の層状の配置を有し、この場合この繊維の少なくとも一部分は、接触点で互いに結合しており、この接触点は、結合繊維の軟化によって得られたものであることを特徴とする、高性能プラスチック繊維および結合繊維を含む繊維複合体。
【請求項2】
高性能プラスチック繊維が少なくとも200℃の融点またはガラス転移温度を有する、請求項1記載の繊維複合体。
【請求項3】
高性能プラスチック繊維が、ポリイミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアラミド繊維、ポリエーテルケトン繊維および/またはポリフェニレンスルフィド繊維を含む、請求項2記載の繊維複合体。
【請求項4】
結合繊維が最大180℃の融点またはガラス転移温度を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項5】
結合繊維が、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリアセテート繊維、ポリエステル繊維および/またはポリアミド繊維を含む、請求項4記載の繊維複合体。
【請求項6】
高性能プラスチック繊維が1〜50μmの範囲内の直径を有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項7】
高性能プラスチック繊維が0.05〜10dtexの範囲内の繊維の線密度を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項8】
結合繊維が1〜50μmの範囲内の直径を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項9】
結合繊維が0.05〜10dtexの範囲内の繊維の線密度を有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項10】
繊維複合体が50〜300kg/m3の範囲内の密度を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項11】
繊維が層状の配置の平面内に主要配向を有する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項12】
種々の平面の繊維の配向が互いに1つの角度を有する、請求項11記載の繊維複合体。
【請求項13】
種々の平面の配向された繊維を互いに有する角度が5〜175゜の範囲内にある、請求項12記載の繊維複合体。
【請求項14】
高性能プラスチック繊維が非円形の断面形を有する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項15】
高性能プラスチック繊維が三角断面形を有する、請求項14記載の繊維複合体。
【請求項16】
断面形が隆起部および窪み部を有し、この隆起部が外側半径を形成し、この窪み部が内側半径を形成し、この場合外側半径と内側半径との比は、少なくとも1.2である、請求項14または15記載の繊維複合体。
【請求項17】
層状の配置の平面に対して垂直方向に測定した平均熱伝導率が最大10.0*10-3W(mK)-1である、請求項1から16までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項18】
高性能プラスチック繊維が捲縮を有する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の繊維複合体。
【請求項19】
捲縮が、1cm当たり3〜10個の範囲内にある、請求項18記載の繊維複合体。
【請求項20】
絶縁材料としての請求項1から19までのいずれか1項に記載の繊維複合体の使用。
【請求項21】
繊維複合体を真空絶縁システム中で使用する、請求項20記載の使用。
【請求項22】
請求項1から19までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの繊維複合体を有する絶縁システム。
【請求項23】
絶縁システムが真空絶縁システムである、請求項22記載の絶縁システム。
【請求項24】
真空が真空システム中に存在する流体を固化または凝縮させることによって形成されたものである、請求項22または23記載の絶縁システム。
【請求項25】
流体が窒素、酸素、二酸化炭素および/または易揮発性炭化水素を含む、請求項22から24までのいずれか1項に記載の絶縁システム。
【請求項26】
真空絶縁システムが極低温流体を輸送することができる、少なくとも1つの導管を含む、請求項22から25までのいずれか1項に記載の絶縁システム。
【請求項27】
導管が、少なくとも1つの内部導管および1つの外被を有し、この場合極低温流体は、内部導管に導通され、外被は、導管を環境から遮断し、したがって内部導管と外被との間には、真空が形成されうる、請求項26記載の絶縁システム。
【請求項28】
導管が導管複合体である、請求項26または27記載の絶縁システム。
【請求項29】
導管複合体が、少なくとも2つの内部導管を有し、この場合1つの内部導管は、ガスの導出のため、および/またはエネルギー伝達媒体の誘導のために設けられている、請求項28記載の絶縁システム。
【請求項30】
導管複合体が、少なくとも1つのデータラインおよび/または電力線も含む、請求項28または29記載の絶縁システム。
【請求項31】
外被が金属層を備えている、請求項27から30までのいずれか1項に記載の絶縁システム。
【請求項32】
内部導管の内径が50mm以下である、請求項27から31までのいずれか1項に記載の絶縁システム。
【請求項33】
導管が室温で折り曲げ可能である、請求項27から32までのいずれか1項に記載の絶縁システム。
【請求項34】
曲げ半径が最大20mである、請求項33記載の絶縁システム。
【請求項35】
絶縁システムが少なくとも1つの熱交換器を有する、請求項22から34までのいずれか1項に記載の絶縁システム。
【請求項36】
真空絶縁システム中での絶縁材料としての高性能プラスチック繊維の使用。
【請求項37】
高性能プラスチック繊維が、ポリイミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアラミド繊維、ポリエーテルケトン繊維および/またはポリフェニレンスルフィド繊維を含む、請求項36記載の使用。

【公表番号】特表2010−539340(P2010−539340A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524438(P2010−524438)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060729
【国際公開番号】WO2009/037059
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】