説明

織物コーティングの製造方法および織物コーティング

本発明は第一エリア(5)および第二エリア(7)を含むウェブ(3)繊維から作られた織物コーティング(2)に関連する。第一エリアはウェブ(3)の繊維(4)が前記繊維(4)を保持する堅い交絡部(5)に組み込まれる結合エリアであり、ウェブ(3)の厚み(6)の一部分に位置する。
また本発明は織物コーティングを作る方法に関連し、その方法は、
a)熱融解性粉末状結合材(12)を有する少なくともひとつの面(8A,8B)を有するウェブ(3)に交流電界を加え、結合材(12)を第一エリア(5)に集めるように前記粉末状結合材(12)をウェブ(3)に導入する段階と、
c)加熱により結合材(12)を融解させる段階と、
d)結合材(12)を硬化させるためにそのままにする、または硬化させる段階と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物コーティングの製造方法に関連し、このような織物コーティングは特に車の客室用の床の敷物、壁の敷物、またはトリムカーペットとして使用される。
【背景技術】
【0002】
厚さの一部が結合ループにより形成されているといった方法にてニードル処理されているウェブである、ニードル処理繊維ウェブからおよび、特にベロア繊維ウェブから織物カバーを作ることは既知である。このようなループの繊維は、ループの下に位置するエリアから生じており、その中で繊維は撚り合わさり、部分的に連結されている。
【0003】
コーティングを製造する際は、ベロアウェブの裏にラテックス水溶液を含浸させる。次いで、ラテックスが交差結合するまで、この水溶液から水を除去させるために全体を乾燥させるが、これには大きい装置が必要であり、費用がかかるという不都合点がある。
【0004】
一度乾燥が行われると、ラテックスは、ループの下に位置するエリアにおいて繊維ウェブを互いに連結する架橋を形成する。
【0005】
ラテックスは非熱可塑性であり、織物コーティングにおけるラテックスは、リサイクルには有害である。
【0006】
ラテックス溶液の使用は乾燥段階が必要であるという以外の他の不都合点を伴う。特に、大量の水の汚染を伴い、汚染の除去には専用の浄化設置が必要であり、相当の投資および管理費用を伴う。
【0007】
また例えば、続いて行われる冷却により凝固する前に、溶けた状態にて沈殿させるコーティングによって繊維ウェブの下側をコーティングすることにより織物コーティングを作ることは、特許文献1からも知られている。またこのコーティングは粉、またはウェブの下側に沈殿するまで溶解しない熱溶解性フィルムから作られることができる。両方の場合において、ウェブ下側のコーティングは、特に織物コーティングの寸法安定性および耐摩耗性に関して満足な機械的特性が得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第19,737,864号明細書
【特許文献2】国際公開第99/22920号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2005/038123号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の少なくともひとつの目的は、織物コーティングの一定の機械的特性を低下させることなく、織物コーティングの製造を簡素化することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、この目的は裏面、第一エリア、第二エリア、および表面を備える繊維ウェブから織物コーティングを作る方法によって達成される。第一エリアは結合エリアであり、ここではウェブの繊維が、これら繊維を保持する堅い絡み合いに組み込まれ、ウェブの厚みの一部分に位置する。第二エリアは、ウェブの厚みの他の部分にわたり前記表面まで延在する。この方法は、
a)表面および裏面のうち少なくともひとつに熱融解性粉末状結合材を有するウェブに交流電界を印加する段階であり、結合材を第一エリアに集中させる方法によってこの粉末状結合材は繊維ウェブに導入される段階と、
c)加熱することにより結合材を融解させる段階と、
d)結合材(12)を硬化させるためにそのままにする、または硬化させる段階と、
を備える。
【0011】
意外にも、交流電界が粉末状結合材を結合エリアに集めるということが分かった。例えば、繊維層への粉の一様な含浸を効果的に行うために、類似の交流電界を利用した特許文献2から知られているように、むしろ交流電界が粉末状結合材を織物コーティングの厚み全体にわたって分散させるということを予想していた。
【0012】
現在、コーティングの上部、つまり第二エリアは可能な限り少ない結合材を含まなければならないということが要求されている。
【0013】
上述した方法は、どんな溶液も利用せず、かつ乾燥の必要がない。ラテックス溶液を取り扱う設備より大幅に大きさが小さく、かつ費用の少ない設備によって含浸することができる。
【0014】
さらに上記に定義された方法は、織物コーティングの結合材の量、およびこの結合材の位置に関して、柔軟性があるという点で好都合である。粉末状結合材が沈殿する面を変えることにより、および/またはウェブの他の面に沈殿させる粉末状結合材の量と比較してウェブのひとつの面に沈殿させる粉末状結合材の割合を調整することによって、結合材の位置を変えることができる。またウェブ内の結合材の位置はウェブの電極間内の滞在時間、これらの電極によって作られた電界のパラメータの設定、粉に特有な性質、特に粒度分布、ウェブ繊維のデニール、および前記ウェブの密度に依存する。
【0015】
好都合に、熱融解性結合材は、より具体的には熱可塑性結合材である。これはまた異なる性質を持つことができる。例えば、熱融解性結合材が第一温度において可溶性である結合材となり得、かつ第一温度より高い第二温度においては熱硬化性となり得る。例えば、熱融解性結合材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂またはこれら物質の混合物とすることができる。
【0016】
繊維ウェブはポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、またはこれら物質の混合物などのポリマーから好都合に作られる。またこれらはセルロース繊維であり得る。またウェブは異なる種類の混合繊維を備えることができる。
【0017】
この方法は、a)およびc)の段階の間に
b)ウェブの第二エリアにある粉末状結合材の少なくとも一部分が、このウェブ表面の洗浄作業をすることにより取り除かれる
という段階を好都合に備える。
【0018】
この方法は、a)およびc)の段階の間に
b’)粉末状結合材の一部分が、ウェブの裏面の洗浄作業、例えば抽出またはブラッシングによる洗浄をすることにより取り除かれる
という段階を好都合に備える。
【0019】
粉末状結合材は、好都合に異なる化学成分の粉の混合物である。
【0020】
この方法は、裏面が充填剤を含むコーティングによって被覆される段階を好都合に備える。
【0021】
本発明のさらなる目的は、織物コーティングが繊維から作られているウェブを備え、裏面、第一エリア、第二エリアおよび表面を備える。第一エリアは結合エリアであり、結合エリアではウェブ繊維がこれら繊維を保持する堅い絡み合いに組み込まれて、かつウェブの厚みの一部分のみに位置している一方、第二エリアは、ウェブの厚みの他の部分にわたり前記第一エリアの上方に前記表面まで延在している。熱融解性結合材はウェブ繊維を互いに連結し、中心部と、前記中心部およびウェブの裏面を連結する表面とを備える第一エリアに集められ、熱融解性結合材の繊維に対する割合は中心部よりも表面の方が少ない。
【0022】
本発明の上記に定められた方法以前には、第一エリアの表面の熱融解性結合材の割合を前記第一エリアの中心部における結合材の割合よりも低くする方法がわからない、または少なくとも実用とするのに十分単純かつ経済的な方法にてその割合を得る方法がわからない、と考えられていた。
【0023】
繊維に対する熱融解性結合材の割合が中心部より表面の方が小さいため、織物コーティングの頑健性を大幅に減少させることなく、より少ない量の結合材を用いることができ、これは節減において好都合な結果となる。さらに、コーティングなどのサブレイヤーがウェブの下面をカバーすることができる。この裏面が結合材をほとんど含んでいない場合、ウェブの裏面に接着させることが容易になる。サブレイヤーがない場合、またウェブの裏面はコーティングの裏面を形成する。
【0024】
熱融解性結合材は、織物コーティングをさらに加熱することによって再び融解することができるという点で好都合であり、その後で、二つの成形ブロックの間での圧縮によりこのコーティングを形成することができる。
【0025】
織物コーティングは、上記に定められた方法を実施することにより好都合に得られる。
【0026】
本発明は、単に一例として、添付の図面に関連して提供された下記の説明を読むことにより明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に基づく方法を使用する、本発明に基づくカーペット製造設備の概略図である。
【図2】図1に示す設備が製造したカーペットのニードル処理ウェブの部分概略断面図である。
【図3】図1の設備におけるカーペットへ変化する途中に見られる図2の繊維ウェブの中間段階を示す、図2に類似の図である。
【図4】本発明に基づき、図1の設備により図2のニードル処理ウェブから生産されたカーペットの構造を示した、図2および図3に類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は本発明に従った方法を使用してニードル処理ベロアウェブ3から織物コーティングまたはカーペット2を製造するための設備1を示す。
【0029】
図2から明らかなように、ウェブ3は初期には乾燥している、つまり隙間が埋められていない。ウェブは、絡み合ったポリマー繊維4から構成され、したがってウェブ3の厚み6の一部分のみに位置する堅い交絡部5を形成している。交絡部5は繊維4を保持し、かつ前記厚み6の他の部分7の下に位置する。繊維4は通常前記他の部分7において互いに独立し、そこでループ9を形成し、かつウェブ3の二つの主要な面8Aおよび8Bのうちの1つにまで延在する。表面8Aはカーペット2の上部または表面を形成することを目的とし、表面8Bは下部または裏面を形成することを目的としている。
【0030】
示される例において、ニードル処理ベロアウェブであるため、ウェブ3は表面8Aにループ9を備える。しかし、ウェブ3はベロアではない普通のニードル処理とすることができる。
【0031】
設備1の入口において、ウェブ3のローラー10は含浸装置11に向かって図1の矢印Fによって示される方向へ繰り出される。この含浸装置11の上流において、基本的に熱融解性粉末状結合材12からなり、1つ以上の添加物、特に流動化添加物を含むことができる物質がウェブ3の主な面8Aおよび8Bの一面に振りかけられる。この結合材12は融解温度が繊維4よりも低い熱融解性材料から作られている。流れの速さはF方向のウェブ3の送り速度に同期した散布装置13により測定される。
【0032】
含浸装置11は、略平面および互いに平行である二つの対向電極14および15を備え、それらの間に粉末状結合材12を有するウェブ3が通る。これらの電極14および15は互いの間にウェブ3および結合材12の粉に同時に加えられる交流電界を発生する。この電界によって粉末状結合材12は、交絡部5を含むウェブ3の厚みに浸透する。また意外にもウェブ3の部分7において繊維4は実質的に粉末状結合材12を含まず、電極14および15の間に作られた交流電界は粉末状結合材12を前記交絡部5に集めることが分かった。そしてこれは望みのものである。
【0033】
また電極は平面かつ互いに平行であることが好ましい。しかし場合によっては、異なる形を有する電極および/または互いに平行ではない電極を好都合に使用することができるこれらの電極は、特に特許文献3に記載された電極に類似している。
【0034】
含浸装置11の出口において、抽出機16は面8Aの抽出、つまりウェブ3の部分7に位置する結合材12の粒子を除去する目的の洗浄作業を行う。この吸引はブラッシングに置換されることにより任意除かれる場合がある。抽出機16直後のウェブ3の構造は図3に見られ、粉末状結合材12が主に交絡部5に集まっていることがわかる。
【0035】
抽出機16の下流には熱風炉17が配置され、そこでは熱の供給により結合材12を溶かす。その後すぐにウェブ3は、二つの圧縮ローラー20の間を通過する。
【0036】
一旦圧縮ローラー20を通過すると、ウェブ3はひとつ、または複数のノズル22から吐き出され、結合材12を固化させる冷却気流21にさらされる。またローラー20は冷却され、および結合材12を固化させる一因となる。ローラーは、冷却気流21なしで固化させることもできる。また結合材12の冷却を単独で起こすことも可能である。
【0037】
結合材12の固化後、ウェブ3は例に示すようにナイフ23によっていくつかのカーペット2に切断された織物コーティングを形成する。
【0038】
カーペット2の構造は図4に見られ、この図においてほんのわずかな結合材12がループ9に位置しているか、または結合材12がループ9に全くない様子が見られる。結合材12の架橋は、交絡部5において繊維4を互いに連結し、そうすることにより、ループ9をカーペット2の残りの部分に結合している。交絡部5において繊維4に対する結合材12の重量割合は、厚みの方向で異なる。より具体的には、この割合は交絡部5の中心部25の方が表面26よりも大きい。この表面26は、前記中心部25の部分7と反対の端と接し、かつカーペット2の下面8Bを形成する。
【0039】
表面26における結合材12の割合の低さは、下面8Bにて視覚的に確かめることができる。また測定によって検証することができる。これらの測定は、結合材12を除き、サンプルに存在する繊維4のみを融解し、繊維4単独の融解エンタルピー、および評価すべきサンプルの融解エンタルピーの熱分析比較に基づくことができる。この比較からサンプル内の繊維4の重量割合および結合材12の割合を推測することができる。サンプルは、測定されるべき部分のみを残し、残りを除去する方法により行われる研磨によって用意される。例えば、表面26の結合材12の量を測定するために用意されたサンプルは、部分7および中心部25を研磨し除去されたものである。
【0040】
カーペット2を再利用できるように、カーペットの繊維に適合した熱融解性結合材12を選ぶことができる。
【0041】
上記の方法によって作られたカーペット2のいくつかの例を下記に提案する。
【0042】
例1
この例において、ウェブ3は、重さ600g/mおよび厚さ約6mmのニードル処理ベロア製品である。これは、ポリプロピレンから作られ、初期には結合材を含まない、6.5dtex(デシテックス)、17dtexおよび150dtexの繊維4の混合物から成る。
【0043】
結合材12は高密度ポリエチレンからなり、ウェブ3に90g/mの割合にて振りかけられる。結合材12はこのウェブに組み込まれる前には、0μm〜80μmの粒度分布の粉の形で存在し、ABIFOR社(ドイツ、Wutoschingen)から型番1300/20として市販されている。
【0044】
ウェブ3の粉末状結合材12による含浸は、平らな電極14および15が取り付けられた装置11内にて行われた。これらの電極14および15の間で作られた交流電界は、強度2kV/mmおよび周波数50Hzを有する。粉末状結合材12を含むウェブ3には20秒間交流電界が加えられた。そして結合材の溶解温度よりも高く、かつ繊維の溶解温度よりも低い温度に設定された炉17の中に2分以上置かれた。
【0045】
この例1によって得られたカーペット2は、1997年のEN1963基準によって定義されたリッソン(Lisson)試験にかけられた。この試験に続いてカーペット2の解離レベルの視覚評価測定が行われ、流れ方向、つまり図1の矢印F方向において3/5の値を得、横方向、つまり流れ方向に垂直の方向に3/5の値を得た。
【0046】
またリッソン試験に続いてカーペット2の重量損失が測定され、流れ方向に58.7g/mの値を得、横方向に60.1g/mの値を得た。
【0047】
カーペット2の厚さは平均6mmである。上述の方法および融解エンタルピー測定を利用することにより、全体の厚さに対する結合材12の割合は29.5重量%と評価された。面8B直前の最後の数ミリメートル、つまりカーペット2の裏面の表面26における結合材12の割合は同様の方法によって、16.9重量%と評価された。これから表面26における結合材12の割合が中心部25における割合より低いことが推定される。これは、同じウェブから従来技術の方法つまりラテックス溶液を使用して製造された第二のカーペットにおいてなされた同じ測定と比較されなければならない。
【0048】
上述の方法、および融解エンタルピー測定を利用することにより、この第二のカーペットの全体の厚さにおけるラテックスの割合は26.7重量%と評価された。下面直前の第二のカーペットの最後の数ミリメートル、つまりこの第二のカーペットの裏面におけるラテックスの割合は同じ方法により35.0重量%と評価された。
【0049】
例2
例2においては、例1と同じウェブ3および同じ結合材12が使用された。
【0050】
この結合材12は120g/mの割合にてウェブ3に振りかけられた。
【0051】
ウェブ3の粉末状結合材12による含浸は、平らな電極14および15が取り付けられた装置11内にて行われた。これらの電極14および15の間で作られた交流電界は、強度2kV/mmおよび周波数50Hzを有する。粉末状結合材12を含むウェブ3には20秒間交流電界が加えられた。そして結合材の溶解温度よりも高く、かつ繊維の溶解温度よりも低い温度に設定された炉17の中に2分以上置かれた。
【0052】
この例2によって得られたカーペット2は、1997年のEN1963基準によって定義されたリッソン試験にかけられた。この試験に続いてカーペット2の解離レベルの視覚評価測定が行われ、流れ方向において4/5の値を得、横方向に3/5の値を得た。
【0053】
またリッソン試験に続いて、カーペット2の重量損失が測定され、流れ方向に36.8g/m、および横方向に54.3g/mを得た。
【0054】
例3
この例において、ウェブ3は重さ550g/mのニードル処理ベロア不織布であった。初期に結合材を含まない繊維4は、ポリエステルから作られ、6.7dtexであった。
【0055】
結合材12はエポキシ樹脂であり、ウェブ3に150g/mの割合で振りかけられた。このウェブ3に組み込まれる前は、0μm〜100μmの粒度分布の粉の形で存在し、BAKELITE社(ドイツ)から型番6171TPとして市販されている。
【0056】
ウェブ3の粉末状結合材12による含浸は、平らな電極14および15が取り付けられた装置11内にて行われた。これらの電極14および15の間で作られた交流電界は、強度3kV/mmおよび周波数50Hzを有する。粉末状結合材12を含むウェブ3には20秒間交流電界が加えられた。そして結合材の溶解温度よりも高く、かつ繊維の溶解温度よりも低い温度に設定された炉17の中に2分以上置かれた。
【0057】
この例3によって得られたカーペット2はテーバー試験にかけたれた。この試験の後に、カーペット2の耐摩耗性の視覚評価による測定が行われ、3/4の値を得た。
【0058】
例4
この例においては、例3と同じウェブ3が使用された。
【0059】
結合材12はウェブ3に140g/mの割合で振りかけられた。このウェブ3に組み込まれる前は、BAKELITE社(ドイツ)から型番6171TPとして市販されている粉20重量%と、メルトフローインデックス(MFI)が120に等しく、かつ粒度分布が0μm〜200μmのポリプロピレンの粉80重量%とを含む混合物の形で存在した。”6171TP”の粉は粒度分布が0μm〜100であった。
【0060】
ウェブ3の粉末状結合材12による含浸は、平らな電極14および15が取り付けられた装置11内にて行われた。これらの電極14および15の間で作られた交流電界は、強度3kV/mmおよび周波数50Hzを有する。粉末状結合材12を含むウェブ3には20秒間交流電界が加えられた。そして結合材の溶解温度よりも高く、かつ繊維の溶解温度よりも低い温度に設定された炉17の中に2分以上置かれた。
【符号の説明】
【0061】
1 設備
2 織物コーティングまたはカーペット
3 ウェブ
4 繊維
5 交絡部
6 厚み
7 他の部分
8A 表面
8B 裏面
9 ループ
10 ローラー
11 含浸装置
12 粉末状結合材
13 散布装置
14 電極
15 電極
16 抽出機
17 熱風炉
20 圧縮ローラー
21 冷却気流
22 ノズル
23 ナイフ
25 中心部
26 表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維ウェブ(3)から織物コーティング(2)を製造する方法であって、該繊維ウェブ(3)は、裏面(8B)、第一エリア(5)、第二エリア(7)および表面(8A)を備え、前記第一エリアは、ウェブ(3)の繊維(4)がこれら繊維(4)を保持する堅い交絡部(5)に組み込まれている結合エリアであり、かつ前記第一エリアは、ウェブ(3)の厚み(6)の一部分に位置し、前記第二エリア(7)はウェブ(3)の厚み(6)の他の部分にわたって前記表面(8A)まで延在し、
a)表面および裏面(8A,8B)の少なくとも一面に熱融解性粉末状結合材(12)を有しているウェブ(3)に交流電界を加え、前記結合材(12)を第一エリア(5)に集めるようにこの粉末状結合材(12)をウェブ(3)繊維(4)に導入する段階と、
c)加熱することにより結合材(12)を融解させる段階と、
d)結合材(12)を硬化させるためにそのままにする、または硬化させる段階と、
を備えていることを特徴とする繊維ウェブ(3)から織物コーティング(2)を製造する方法。
【請求項2】
前記ウェブがニードル処理ウェブ(3)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記段階a)およびc)の間に
b)前記ウェブ(3)の前記第二エリア(7)に存在する前記粉末状結合材(12)の少なくとも一部分が該ウェブ(3)の前記表面(8A)の洗浄作業をすることにより取り除かれる段階
を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記段階a)およびc)の間に
b’)前記粉末状結合材の一部分が前記ウェブ(3)の前記裏面(8B)の洗浄作業をすることにより取り除かれる段階
を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記粉末状結合材(12)は異なる化学成分の粉の混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記裏面が充填剤を含むコーティングにより被覆される段階を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記段階a)において、該結合材(12)の繊維(4)に対する割合が中心部(25)よりも前記第一エリア(5)の表面(26)内のほうが小さくなる方法にて前記粉末状結合材(12)が集められ、前記中心部は前記第一エリア(5)に備えらえれ、前記表面(26)が前記中心部を前記ウェブ(3)の前記裏面(8B)に連結していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法を使用して得られた織物コーティングであって、該織物コーティングは、裏面(8B)、第一エリア(5)、第二エリア(7)および表面(8A)を備えた繊維から作られたウェブ(3)を備え、前記第一エリアは、ウェブ(3)の繊維(4)がこれら繊維(4)を保持する堅い交絡部(5)に組み込まれている結合エリアであり、かつ前記第一エリアは、ウェブ(3)の厚み(6)の一部分に位置し、前記第二エリア(7)は前記第一エリア(5)の上にウェブ(3)の厚み(6)の他の部分にわたって前記表面(8A)まで延在し、熱融解性結合材(12)はウェブの繊維(4)を互いに連結して前記第一エリア(5)に集まり、前記第一エリア(5)は中心部(25)と前記中心部を前記ウェブ(3)の前記裏面(8B)に連結している表面(26)とを備え、前記熱融解性結合材(12)の前記繊維(4)に対する割合は前記中心部(25)よりも前記表面(26)が小さい織物コーティング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−529324(P2010−529324A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511693(P2010−511693)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050963
【国際公開番号】WO2009/004202
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(508290194)フィブロリーヌ・フランス (2)
【Fターム(参考)】