缶蓋の搬送装置用の切出板および缶蓋の搬送装置
【課題】缶蓋を変形させたり傷付けたりすることなく、積層状態の缶蓋を一枚ずつ分離することができる缶蓋の切り出し機構を提供する。
【解決手段】縦方向に積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離し、所定の間隔を持って下流側に移送する缶蓋の搬送装置用の切出板1であって、缶蓋の周部に回転可能に配設され、縁部が上下に重なり合った缶蓋の間に入り込んで上流側の缶蓋を支持する円形状の扁平部材で成る。その外周縁部が缶蓋の外周縁部に非接触状態となる縮径部と、非接触状態から接触状態に至るまでの拡径部とを備える。その径は、回転方向に徐々に拡大されており、且つ、拡径部より縮径部に至る部分に缶蓋を下流側に移送する排出部が形成されている。
【解決手段】縦方向に積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離し、所定の間隔を持って下流側に移送する缶蓋の搬送装置用の切出板1であって、缶蓋の周部に回転可能に配設され、縁部が上下に重なり合った缶蓋の間に入り込んで上流側の缶蓋を支持する円形状の扁平部材で成る。その外周縁部が缶蓋の外周縁部に非接触状態となる縮径部と、非接触状態から接触状態に至るまでの拡径部とを備える。その径は、回転方向に徐々に拡大されており、且つ、拡径部より縮径部に至る部分に缶蓋を下流側に移送する排出部が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離する缶蓋の切出板、およびこの切出板を用いた缶蓋の搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウムやブリキ等の金属材料から成る缶蓋を内容物が充填された金属缶等に巻締めて密封する場合、密封の前にこれら缶蓋に付着している紙粉等の汚れを除去するため、積層状態でストックされている多数の缶蓋を一枚ずつ分離(蓋切り)した後、洗浄液で洗浄することが行われている(特許文献1)。
【0003】
そして、特許文献1では、この際の蓋切りは、ガイドバーから供給される積層状態の缶蓋を、回転する蓋切りロールの切り溝で1枚ずつ分離することにより行われる。尚、蓋切りされた缶蓋は下流側の搬送スクリューに順次供給され、搬送スクリューのネジ溝で適宜間隔を保った状態で搬送されるようになっている。
【0004】
ところで、上下に重なり合った缶蓋を分離する場合、通常、缶蓋と缶蓋の間に側方より蓋切り用の部材を入り込ませるようにしているが、缶蓋の縁部に蓋切り用の部材が接触する際の衝撃で、切り出された缶蓋が変形したり傷付けられたりするという問題があった。
【特許文献1】特開平9−301326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、缶蓋を変形させたり傷付けたりすることなく、積層状態の缶蓋を一枚ずつ分離することができる切出板、および、これを用いた缶蓋の搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載の切出板は、積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離し、所定の間隔を持って下流側に移送する缶蓋搬送装置用の切出板であって、前記缶蓋の周部に回転可能に配設され、縁部が上下に重なり合った前記缶蓋と缶蓋の間に入り込んで上流側の缶蓋を支持する円形状の扁平部材で成り、その外周縁部が前記缶蓋の外周縁部に非接触状態となる縮径部と、非接触状態から徐々に接触状態となる拡径部とを備え、前記拡径部の径は、回転方向に徐々に拡大されて成り、且つ、前記拡径部より前記縮径部に至る部分に前記缶蓋を下流側に移送する排出部が形成されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の切出板において、外周縁部に厚さ方向の丸味を持たせて成ることを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の切出板において、前記排出部が斜め下方に向けてテーパ状に形成されていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までの何れかに記載の切出板において、合金工具鋼で成り、且つ、表面に硬質クロムメッキ処理が施されて成ることを特徴としている。
【0010】
また、請求項5に記載の缶蓋の搬送装置は、複数の前記缶蓋を積層状態で一時停留しておくスタックと、前記スタックの出口下方に位置し、前記缶蓋の円周上に等間隔に配置されると共に、外周面に形成された螺旋状の溝内に前記缶蓋を係合して搬送する回転自在の複数本の搬送ローラと、これら搬送ローラの上面に配設されて、前記積層状態の缶蓋を一枚ずつ分離して前記搬送ローラに移送する請求項1から請求項4までの何れかに記載の切出板とを備えて成ることを特徴としている。
【0011】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の缶蓋の搬送装置において、前記搬送ローラが3本設けられ、且つ、少なくともその内の1本が取り外し自在と成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4に記載の発明によれば、切出板の径がその回転方向に徐々に拡大されているので、積層状態の缶蓋を分離する際に、切出板の回転と共にその外周縁部が上下に重ねなれた缶蓋と缶蓋の間に徐々に入り込むようになる。そして、最下位にある缶蓋が分離されて下流側に移送される時に全缶蓋が降下し、この時、上側の缶蓋が切出板に接触し、切出板は上側の全缶蓋を支持する。よって、切出板が缶蓋を支持する時の衝撃は小さいものであり、缶蓋の変形や傷付きを防止することができる。
【0013】
特に、請求項2に記載の発明のように、切出板の外周縁部に厚さ方向の丸味を持たせているので、積層状態の缶蓋を分離する際の切出板と缶体の接触による衝撃や摩擦を少なくすることができ、缶蓋の変形や傷付きをより確実に防止することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、切出板の排出部が斜め下方に向けたテーパー状に形成されているので、このテーパー状の排出部を介して缶蓋を切出板から下流側(例えば、缶蓋の搬送装置)にスムースに移送させることが可能となり、これにより、移送の際の衝撃が緩和され、缶蓋の変形や傷付きを防止することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明によれば、切出板の材料として合金工具鋼(SKS2)が用いられ、且つ、表面が硬質クロムメッキ処理されているので、合金工具鋼の有する優れた機械的強度や耐摩耗性と耐食性に加え、硬質クロムメッキ処理されることにより耐摩耗性や耐食性が更に強化されるため、切出板の表面の摩耗や酸化が防止され、寿命を大幅に向上することができる。
【0016】
また、請求項5、6に記載の発明によれば、上記請求項1〜4に記載の切出板を用いて缶蓋の切り出しと、切り出された缶蓋の搬送ローラへの移送を行うので、スタックに積層状態で停留された複数の缶蓋を、変形させたり傷付けたりすることなく一枚ずつ分離して搬送することができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明によれば、缶蓋の円周上に3本の搬送ローラが等間隔に設けられているので、缶蓋の切り出し時に、缶蓋の外周縁部が切出板によって3方向から均等に支持される状態となるため、缶蓋の切り出し動作は安定しており、且つ、切り出し後の搬送ローラによる缶蓋の搬送もスムースに行われる。
加えて、少なくとの1本の搬送ローラが取り外し自在であるから、搬送中に缶蓋が搬送ローラに詰まった場合、この1本の搬送ローラを取り外すことにより缶蓋の除去は容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明による缶蓋の搬送装置の実施形態を説明する。
本実施形態の缶蓋の搬送装置は、縦方向に重なり連なる複数の缶蓋を一枚ずつ切り離して下流側(搬送ローラ)に移送するものであり、図1は本実施形態による缶蓋の搬送装置の正面図、図2は同、平面図、図3は缶蓋の切り出し部分の要部平面図、図4は本実施形態による切出板を示し、(a)は平面図、(b)はA−A矢視図、(c)はB−B矢視図、図5〜図11は、図1の切出板による缶蓋の切り出し状況を示す図である。
【0019】
図1〜図3において、符号10は本実施形態による缶蓋の搬送装置を示し、符号11は複数の缶蓋3を積層状態で一時停留させておくスタック、符号1はスタック11内にストックされた缶蓋3を一枚ずつ切り離して取り出すための切出板である。
【0020】
符号13は切出板1により切り出された缶蓋3を胴部の外周面に形成された螺旋状の溝12内に係合させて搬送する回転自在の搬送ローラで、図3に示すように、中央に位置する缶蓋3の円周上に等間隔(120°間隔)に3本配設されている。
これらの搬送ローラ13は密閉型のケーシング17内において縦方向に配設されており、これら搬送ローラ13の両端より突出した回転軸25が、それぞれ軸受18を介してケーシング17の上板17aと底板17bに回転自在に取り付けられている。
【0021】
本実施形態では、3本の搬送ローラ13の内の1本(図1中の右側に位置する搬送ローラ13)について、下端側の軸受18が着脱可能な固定板21を介してケーシング17の底板17bに外側よりネジ23にて固定される構造と成されており、この固定板21を取り外すことにより、この搬送ローラ13を取り出しできるようにしている。
また、ケーシング17には、これらの搬送ローラ13に対面する前扉28と裏扉29が締め付けボルト27にて着脱自在に取り付けられている。
【0022】
符号14は、これら3本の搬送ローラ13を回転駆動するためのモータで、ケーシング17の上側部に設けた取付板22に固定されている。
このモータ14の出力軸14aは、駆動ベルト15や所定の歯車列16等を介して各搬送ローラ13の上端の回転軸25に連結されており、モータ14の回転駆動によって3本の搬送ローラ13を同方向に同期回転させるようになっている。
【0023】
また、本実施形態の缶蓋の搬送装置10では、ケーシング17の側板17cの高さ方向のほぼ中央付近に給気部19が設けられ、この給気部19より離間した前板17dの下部には排気部20が設けられている。また、給気部19が設けられている側板17cには、間に上記給気部19を挟んでフィルタ内蔵の縦長のフィルタボックス26が横2列状態に配設されており、これらフィルタボックス26を通してクリーンな外部空気をケーシング17内に導入できるようになっている。
尚、図示しないが、上記給気部19には外方より給気用ダクトが接続され、上記排気部20には外方より排気ダクトが接されるようになっている。
【0024】
また、ケーシング17内においては、上記給気部19に連通するスリット状のノズル24が縦方向に複数設けられており、図示しない外部設置の給気ブロア等より供給される圧縮空気を、給気部19より各ノズル24に送り込み、その先端開口部24aより上から下に順次搬送されてくる缶蓋3に向けて吹き付けることで、缶蓋3に付着した汚れを洗浄することができるようになっている。
尚、洗浄に使用した空気は、図示しない外部設置の排気ブロア等の吸引力により、排気部20より排出することができるようになっている。
【0025】
上記切出板1は、缶蓋3の周部に配設されて、縦方向に重なり連なる複数の缶蓋3を一枚ずつ切り離して搬送ローラ13に移送するものであり、上述した3本の搬送ローラ13の上面に3カ所ネジ30止めにて固定されており、搬送ローラ13と共に回転するようになっている。
【0026】
本実施形態の切出板1は、図4に示すように、外周縁部1aの端面が厚さ方向にR加工された厚さ0.3mm程度の略円形の扁平部材で成り、中心部には孔2が形成されている。この切出板1は、合金工具鋼(SKS2)で構成され、焼入れされた後、表面に硬質クロムメッキが施されている。
【0027】
上記切出板1は、縮径された1a4〜1a1(120°の円弧)の部分(縮径部)と、拡径された1a1〜1a2(120°の円弧)の部分(第1拡径部)と、さらに上記第1拡径部より拡径された1a2〜1a4(90°の円弧)の部分(第2拡径部)とを有する。
【0028】
本実施形態では、縮径部1a4〜1a1は、例えば半径約40.5mmの円弧とされ、第1拡径部1a1〜1a2は半径約42.2mmの円弧とされ、さらに、第2拡径部1a2〜1a4は半径約43.2の円弧とされている。そして、縮径部の途上1a0から第1拡径部に至る部分(1a0〜1a1の30°の円弧部分)、および第1拡径部から第2拡径部に繋がる部分は外周縁部が連続的に拡径されていくように、それぞれの半径が徐々に拡大されるように形成されている。
また、第2拡径部の途上1a3より縮径部に至る斜線部分(1a3〜1a4の30°の円弧部分)においては、図1(c)に示すように、その外周部分が回転方向に斜め下方向にテーパ加工され、切出板1により分離された缶蓋3が切出板1より下流側(搬送ローラ13側)に移送される排出部4と成されている。
【0029】
次に、上記構成の切出板1による缶蓋3の切り出し状況を図5〜図11に基づいて説明する。
【0030】
上記切出板1は、搬送ローラ13の上面に固定され、その回転動作に伴って、図5(a)に示すように、矢印方向に回転しながら缶蓋3の切り出しが行われる。
図5(a)において、1a4〜1a1の部分は切出板1が缶蓋3に接触しない径を有する縮径部であり、他方、切出板1が缶蓋3に接触する部分、すなわち、1a1〜1a2の部分は第1拡径部、1a2〜1a4の部分は第2拡径部である。また、図5(b)に示すように、缶蓋3の外周縁部3aは、缶蓋3を金属缶(図示せず)等に巻締めて密封するために内側にカールされている。
【0031】
尚、以下の説明では、3本の搬送ローラ13の内の1本について述べているが、缶蓋3の切り出し動作は、他の搬送ローラ13部分について全く同様である。
【0032】
図5(b)に示すように、切出板1が回転して図5(a)のポイントP1の延長線が缶蓋3の中心に達した時、切出板1は、上下に重なり合った缶蓋3と缶蓋3の間に入り込み、その外周縁部1aが上側の缶蓋3の外周縁部3aのカール部分に接近し、以下に述べる缶蓋3の切り出し動作が開始される。この時の切出板1の入り込み量D(缶蓋3の端と切出板1の端との距離)は約0.5mmである。
【0033】
図6に示すように、切出板1が回転して図5(a)のポイントP2の延長線が缶蓋3の中心に達した時に、切出板1は缶蓋3と缶蓋3の間に更に深く入り込む。この時の切出板1の入り込み量Dは約0.6mmである。この状態で、切出板1の下には搬送ローラ13に設けられた螺旋状の溝12の上部起点が位置しており、この溝12内に最下位置の缶蓋3が入り込むことによって積層状態の全缶蓋3は降下し始める。この降下動作により、上側の缶蓋3の外周縁部3aのカール部分が切出板1の外周縁部1aに接触し、上側の缶蓋3は切出板1に支持される。
【0034】
切出板1が缶蓋3と缶蓋3の間に入り込んだ状態で回転することにより、図5(a)のポイントP3においては、図7に示すように、切出板1の下側にある1枚の缶蓋3だけが溝12に誘導されて斜面を降下し続ける。他方、切出板1の上に連なる複数の缶蓋3は、切出板1の上面に支持された状態となっている。この時の切出板1の入り込み量Dは、約0.7mmである。
【0035】
図8に示すように、切出板1が回転して図5(a)のポイントP4に達した時、切出板1の入り込み量Dは、ポイントP3の時より約0.2mm増加して約0.8mmとなる。
【0036】
このように、切出板1の外周縁部1aにそれぞれ径が回転方向に徐々に拡大する縮径部1a0〜1a1と、第1拡径部1a1〜1a2と、第2拡径部1a2〜1a4を設けることにより、ポイントP1〜P4へと切出板1が回転するに連れて、切出板1の入り込み量Dは徐々に増加することになる。
【0037】
これにより、切出板1の外周縁部1aが缶蓋3の外周縁部3aに接触する時(切出板1の上面に缶蓋3を支持する時)の衝撃が緩和され、缶蓋3の変形や傷付きを防止することができる。特に、切出板1の外周縁部1aの端面にR加工が施され、角部に丸味を持たせているので、缶蓋3を分離する際の切出板1と缶蓋3の接触による衝撃や摩擦を少なくすることができ、缶蓋3の変形や傷付きをより確実に防止することができる。
【0038】
図9に示すように、切出板1の上面に支持されていた缶蓋3は、図5(a)のポイントP5を過ぎると切出板1より外れて搬送ローラ13の上面に移送される。ポイントP4からポイントP5に至る部分(斜線部分)には、テーパ状の排出部4が設けられているため、缶蓋3をこの排出部4を下って切出板1の上面から搬送ローラ13の上面へとスムースに移送させることができ、これにより、移送時の衝撃が緩和され、缶蓋3の変形や傷付きを防止することができる。
【0039】
図10に示すように、図5(a)のポイントP6においては、缶蓋3は、切出板1から完全に外れて搬送ローラ13の溝12へと移送されており、図11に示すように、図5(a)のポイントP7に達すると、缶蓋3は切り出される前の待機状態となり、さらに、図5(a)のポイントP1に達すると、再び次の缶蓋3の切り出し動作が開始される。
【0040】
このように、順次切り出された缶蓋3は、その外周縁部3aが3本の搬送ローラ13の溝12内に係合して所定の間隔を持って1枚ずつ自転しながら下方へと搬送されていく。そして、この搬送過程において、缶蓋3はノズル24先端の開口部24aから噴射される圧縮空気によって洗浄され、表面に付着した汚れは除去される。
【0041】
ここで、上記切出板1の材料として合金工具鋼(SKS2)が用いられ、これが焼き入れされることで機械的強度が大幅に向上し、さらに、表面が硬質クロムメッキ処理されることで、耐摩耗性や耐食性が更に強化されることになる。従って、例え、切出板1の厚さが0.3mm程であっても、この合金工具鋼の有する優れた機械的強度や耐摩耗性と耐食性により切出板1の寿命を大幅に向上することができると共に、摩擦係数が極めて低くなることから、缶蓋3への傷付き防止にも大いに寄与するものである。
【0042】
また、本実施形態の缶蓋3の搬送装置10では、缶蓋3の円周上に3本の搬送ローラ13が等間隔に設けられているので、缶蓋3が切り出される際は、缶蓋3の外周縁部3aが切出板1によって3方向から均等に支持される状態となるため、缶蓋3の切り出し動作は安定しており、且つ、切り出し後の搬送ローラ13による缶蓋3の搬送もスムーズに行われる。加えて、1本の搬送ローラ13が取り外し自在であるから、搬送中に缶蓋3が搬送ローラ13に詰まった場合、この搬送ローラ13を取り外すことにより、缶蓋3の除去は容易に行える。尚、詰まった缶蓋3の取り出し作業は、前扉28や裏扉29を取り外して行うと良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る缶蓋の搬送装置の正面図である。
【図2】同、缶蓋の搬送装置の平面図である。
【図3】同、缶蓋の搬送装置の缶蓋の切り出し部分の要部平面図である。
【図4】本発明に係る切出板を示し、(a)は平面図、(b)はA−A矢視図、(c)はB−B矢視図である。
【図5】同、切出板による缶蓋の切り出し状況を示す図である。
【図6】同、切出板による缶蓋の図5とは別の切り出し状況を示す図である。
【図7】同、切出板による缶蓋の図6とは別の切り出し状況を示す図である。
【図8】同、切出板による缶蓋の図7とは別の切り出し状況を示す図である。
【図9】同、切出板による缶蓋の図8とは別の切り出し状況を示す図である。
【図10】同、切出板による缶蓋の図9とは別の切り出し状況を示す図である。
【図11】同、切出板による缶蓋の図10とは別の切り出し状況を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 切出板
1a 外周縁部
1a1〜1a4 拡径部
1a4〜1a1 縮径部
3 缶蓋
3a 外周縁部
4 排出部
10 缶蓋の搬送装置
11 スタック
12 溝
13 搬送ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離する缶蓋の切出板、およびこの切出板を用いた缶蓋の搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウムやブリキ等の金属材料から成る缶蓋を内容物が充填された金属缶等に巻締めて密封する場合、密封の前にこれら缶蓋に付着している紙粉等の汚れを除去するため、積層状態でストックされている多数の缶蓋を一枚ずつ分離(蓋切り)した後、洗浄液で洗浄することが行われている(特許文献1)。
【0003】
そして、特許文献1では、この際の蓋切りは、ガイドバーから供給される積層状態の缶蓋を、回転する蓋切りロールの切り溝で1枚ずつ分離することにより行われる。尚、蓋切りされた缶蓋は下流側の搬送スクリューに順次供給され、搬送スクリューのネジ溝で適宜間隔を保った状態で搬送されるようになっている。
【0004】
ところで、上下に重なり合った缶蓋を分離する場合、通常、缶蓋と缶蓋の間に側方より蓋切り用の部材を入り込ませるようにしているが、缶蓋の縁部に蓋切り用の部材が接触する際の衝撃で、切り出された缶蓋が変形したり傷付けられたりするという問題があった。
【特許文献1】特開平9−301326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、缶蓋を変形させたり傷付けたりすることなく、積層状態の缶蓋を一枚ずつ分離することができる切出板、および、これを用いた缶蓋の搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に記載の切出板は、積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離し、所定の間隔を持って下流側に移送する缶蓋搬送装置用の切出板であって、前記缶蓋の周部に回転可能に配設され、縁部が上下に重なり合った前記缶蓋と缶蓋の間に入り込んで上流側の缶蓋を支持する円形状の扁平部材で成り、その外周縁部が前記缶蓋の外周縁部に非接触状態となる縮径部と、非接触状態から徐々に接触状態となる拡径部とを備え、前記拡径部の径は、回転方向に徐々に拡大されて成り、且つ、前記拡径部より前記縮径部に至る部分に前記缶蓋を下流側に移送する排出部が形成されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の切出板において、外周縁部に厚さ方向の丸味を持たせて成ることを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の切出板において、前記排出部が斜め下方に向けてテーパ状に形成されていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までの何れかに記載の切出板において、合金工具鋼で成り、且つ、表面に硬質クロムメッキ処理が施されて成ることを特徴としている。
【0010】
また、請求項5に記載の缶蓋の搬送装置は、複数の前記缶蓋を積層状態で一時停留しておくスタックと、前記スタックの出口下方に位置し、前記缶蓋の円周上に等間隔に配置されると共に、外周面に形成された螺旋状の溝内に前記缶蓋を係合して搬送する回転自在の複数本の搬送ローラと、これら搬送ローラの上面に配設されて、前記積層状態の缶蓋を一枚ずつ分離して前記搬送ローラに移送する請求項1から請求項4までの何れかに記載の切出板とを備えて成ることを特徴としている。
【0011】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の缶蓋の搬送装置において、前記搬送ローラが3本設けられ、且つ、少なくともその内の1本が取り外し自在と成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4に記載の発明によれば、切出板の径がその回転方向に徐々に拡大されているので、積層状態の缶蓋を分離する際に、切出板の回転と共にその外周縁部が上下に重ねなれた缶蓋と缶蓋の間に徐々に入り込むようになる。そして、最下位にある缶蓋が分離されて下流側に移送される時に全缶蓋が降下し、この時、上側の缶蓋が切出板に接触し、切出板は上側の全缶蓋を支持する。よって、切出板が缶蓋を支持する時の衝撃は小さいものであり、缶蓋の変形や傷付きを防止することができる。
【0013】
特に、請求項2に記載の発明のように、切出板の外周縁部に厚さ方向の丸味を持たせているので、積層状態の缶蓋を分離する際の切出板と缶体の接触による衝撃や摩擦を少なくすることができ、缶蓋の変形や傷付きをより確実に防止することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、切出板の排出部が斜め下方に向けたテーパー状に形成されているので、このテーパー状の排出部を介して缶蓋を切出板から下流側(例えば、缶蓋の搬送装置)にスムースに移送させることが可能となり、これにより、移送の際の衝撃が緩和され、缶蓋の変形や傷付きを防止することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明によれば、切出板の材料として合金工具鋼(SKS2)が用いられ、且つ、表面が硬質クロムメッキ処理されているので、合金工具鋼の有する優れた機械的強度や耐摩耗性と耐食性に加え、硬質クロムメッキ処理されることにより耐摩耗性や耐食性が更に強化されるため、切出板の表面の摩耗や酸化が防止され、寿命を大幅に向上することができる。
【0016】
また、請求項5、6に記載の発明によれば、上記請求項1〜4に記載の切出板を用いて缶蓋の切り出しと、切り出された缶蓋の搬送ローラへの移送を行うので、スタックに積層状態で停留された複数の缶蓋を、変形させたり傷付けたりすることなく一枚ずつ分離して搬送することができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明によれば、缶蓋の円周上に3本の搬送ローラが等間隔に設けられているので、缶蓋の切り出し時に、缶蓋の外周縁部が切出板によって3方向から均等に支持される状態となるため、缶蓋の切り出し動作は安定しており、且つ、切り出し後の搬送ローラによる缶蓋の搬送もスムースに行われる。
加えて、少なくとの1本の搬送ローラが取り外し自在であるから、搬送中に缶蓋が搬送ローラに詰まった場合、この1本の搬送ローラを取り外すことにより缶蓋の除去は容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明による缶蓋の搬送装置の実施形態を説明する。
本実施形態の缶蓋の搬送装置は、縦方向に重なり連なる複数の缶蓋を一枚ずつ切り離して下流側(搬送ローラ)に移送するものであり、図1は本実施形態による缶蓋の搬送装置の正面図、図2は同、平面図、図3は缶蓋の切り出し部分の要部平面図、図4は本実施形態による切出板を示し、(a)は平面図、(b)はA−A矢視図、(c)はB−B矢視図、図5〜図11は、図1の切出板による缶蓋の切り出し状況を示す図である。
【0019】
図1〜図3において、符号10は本実施形態による缶蓋の搬送装置を示し、符号11は複数の缶蓋3を積層状態で一時停留させておくスタック、符号1はスタック11内にストックされた缶蓋3を一枚ずつ切り離して取り出すための切出板である。
【0020】
符号13は切出板1により切り出された缶蓋3を胴部の外周面に形成された螺旋状の溝12内に係合させて搬送する回転自在の搬送ローラで、図3に示すように、中央に位置する缶蓋3の円周上に等間隔(120°間隔)に3本配設されている。
これらの搬送ローラ13は密閉型のケーシング17内において縦方向に配設されており、これら搬送ローラ13の両端より突出した回転軸25が、それぞれ軸受18を介してケーシング17の上板17aと底板17bに回転自在に取り付けられている。
【0021】
本実施形態では、3本の搬送ローラ13の内の1本(図1中の右側に位置する搬送ローラ13)について、下端側の軸受18が着脱可能な固定板21を介してケーシング17の底板17bに外側よりネジ23にて固定される構造と成されており、この固定板21を取り外すことにより、この搬送ローラ13を取り出しできるようにしている。
また、ケーシング17には、これらの搬送ローラ13に対面する前扉28と裏扉29が締め付けボルト27にて着脱自在に取り付けられている。
【0022】
符号14は、これら3本の搬送ローラ13を回転駆動するためのモータで、ケーシング17の上側部に設けた取付板22に固定されている。
このモータ14の出力軸14aは、駆動ベルト15や所定の歯車列16等を介して各搬送ローラ13の上端の回転軸25に連結されており、モータ14の回転駆動によって3本の搬送ローラ13を同方向に同期回転させるようになっている。
【0023】
また、本実施形態の缶蓋の搬送装置10では、ケーシング17の側板17cの高さ方向のほぼ中央付近に給気部19が設けられ、この給気部19より離間した前板17dの下部には排気部20が設けられている。また、給気部19が設けられている側板17cには、間に上記給気部19を挟んでフィルタ内蔵の縦長のフィルタボックス26が横2列状態に配設されており、これらフィルタボックス26を通してクリーンな外部空気をケーシング17内に導入できるようになっている。
尚、図示しないが、上記給気部19には外方より給気用ダクトが接続され、上記排気部20には外方より排気ダクトが接されるようになっている。
【0024】
また、ケーシング17内においては、上記給気部19に連通するスリット状のノズル24が縦方向に複数設けられており、図示しない外部設置の給気ブロア等より供給される圧縮空気を、給気部19より各ノズル24に送り込み、その先端開口部24aより上から下に順次搬送されてくる缶蓋3に向けて吹き付けることで、缶蓋3に付着した汚れを洗浄することができるようになっている。
尚、洗浄に使用した空気は、図示しない外部設置の排気ブロア等の吸引力により、排気部20より排出することができるようになっている。
【0025】
上記切出板1は、缶蓋3の周部に配設されて、縦方向に重なり連なる複数の缶蓋3を一枚ずつ切り離して搬送ローラ13に移送するものであり、上述した3本の搬送ローラ13の上面に3カ所ネジ30止めにて固定されており、搬送ローラ13と共に回転するようになっている。
【0026】
本実施形態の切出板1は、図4に示すように、外周縁部1aの端面が厚さ方向にR加工された厚さ0.3mm程度の略円形の扁平部材で成り、中心部には孔2が形成されている。この切出板1は、合金工具鋼(SKS2)で構成され、焼入れされた後、表面に硬質クロムメッキが施されている。
【0027】
上記切出板1は、縮径された1a4〜1a1(120°の円弧)の部分(縮径部)と、拡径された1a1〜1a2(120°の円弧)の部分(第1拡径部)と、さらに上記第1拡径部より拡径された1a2〜1a4(90°の円弧)の部分(第2拡径部)とを有する。
【0028】
本実施形態では、縮径部1a4〜1a1は、例えば半径約40.5mmの円弧とされ、第1拡径部1a1〜1a2は半径約42.2mmの円弧とされ、さらに、第2拡径部1a2〜1a4は半径約43.2の円弧とされている。そして、縮径部の途上1a0から第1拡径部に至る部分(1a0〜1a1の30°の円弧部分)、および第1拡径部から第2拡径部に繋がる部分は外周縁部が連続的に拡径されていくように、それぞれの半径が徐々に拡大されるように形成されている。
また、第2拡径部の途上1a3より縮径部に至る斜線部分(1a3〜1a4の30°の円弧部分)においては、図1(c)に示すように、その外周部分が回転方向に斜め下方向にテーパ加工され、切出板1により分離された缶蓋3が切出板1より下流側(搬送ローラ13側)に移送される排出部4と成されている。
【0029】
次に、上記構成の切出板1による缶蓋3の切り出し状況を図5〜図11に基づいて説明する。
【0030】
上記切出板1は、搬送ローラ13の上面に固定され、その回転動作に伴って、図5(a)に示すように、矢印方向に回転しながら缶蓋3の切り出しが行われる。
図5(a)において、1a4〜1a1の部分は切出板1が缶蓋3に接触しない径を有する縮径部であり、他方、切出板1が缶蓋3に接触する部分、すなわち、1a1〜1a2の部分は第1拡径部、1a2〜1a4の部分は第2拡径部である。また、図5(b)に示すように、缶蓋3の外周縁部3aは、缶蓋3を金属缶(図示せず)等に巻締めて密封するために内側にカールされている。
【0031】
尚、以下の説明では、3本の搬送ローラ13の内の1本について述べているが、缶蓋3の切り出し動作は、他の搬送ローラ13部分について全く同様である。
【0032】
図5(b)に示すように、切出板1が回転して図5(a)のポイントP1の延長線が缶蓋3の中心に達した時、切出板1は、上下に重なり合った缶蓋3と缶蓋3の間に入り込み、その外周縁部1aが上側の缶蓋3の外周縁部3aのカール部分に接近し、以下に述べる缶蓋3の切り出し動作が開始される。この時の切出板1の入り込み量D(缶蓋3の端と切出板1の端との距離)は約0.5mmである。
【0033】
図6に示すように、切出板1が回転して図5(a)のポイントP2の延長線が缶蓋3の中心に達した時に、切出板1は缶蓋3と缶蓋3の間に更に深く入り込む。この時の切出板1の入り込み量Dは約0.6mmである。この状態で、切出板1の下には搬送ローラ13に設けられた螺旋状の溝12の上部起点が位置しており、この溝12内に最下位置の缶蓋3が入り込むことによって積層状態の全缶蓋3は降下し始める。この降下動作により、上側の缶蓋3の外周縁部3aのカール部分が切出板1の外周縁部1aに接触し、上側の缶蓋3は切出板1に支持される。
【0034】
切出板1が缶蓋3と缶蓋3の間に入り込んだ状態で回転することにより、図5(a)のポイントP3においては、図7に示すように、切出板1の下側にある1枚の缶蓋3だけが溝12に誘導されて斜面を降下し続ける。他方、切出板1の上に連なる複数の缶蓋3は、切出板1の上面に支持された状態となっている。この時の切出板1の入り込み量Dは、約0.7mmである。
【0035】
図8に示すように、切出板1が回転して図5(a)のポイントP4に達した時、切出板1の入り込み量Dは、ポイントP3の時より約0.2mm増加して約0.8mmとなる。
【0036】
このように、切出板1の外周縁部1aにそれぞれ径が回転方向に徐々に拡大する縮径部1a0〜1a1と、第1拡径部1a1〜1a2と、第2拡径部1a2〜1a4を設けることにより、ポイントP1〜P4へと切出板1が回転するに連れて、切出板1の入り込み量Dは徐々に増加することになる。
【0037】
これにより、切出板1の外周縁部1aが缶蓋3の外周縁部3aに接触する時(切出板1の上面に缶蓋3を支持する時)の衝撃が緩和され、缶蓋3の変形や傷付きを防止することができる。特に、切出板1の外周縁部1aの端面にR加工が施され、角部に丸味を持たせているので、缶蓋3を分離する際の切出板1と缶蓋3の接触による衝撃や摩擦を少なくすることができ、缶蓋3の変形や傷付きをより確実に防止することができる。
【0038】
図9に示すように、切出板1の上面に支持されていた缶蓋3は、図5(a)のポイントP5を過ぎると切出板1より外れて搬送ローラ13の上面に移送される。ポイントP4からポイントP5に至る部分(斜線部分)には、テーパ状の排出部4が設けられているため、缶蓋3をこの排出部4を下って切出板1の上面から搬送ローラ13の上面へとスムースに移送させることができ、これにより、移送時の衝撃が緩和され、缶蓋3の変形や傷付きを防止することができる。
【0039】
図10に示すように、図5(a)のポイントP6においては、缶蓋3は、切出板1から完全に外れて搬送ローラ13の溝12へと移送されており、図11に示すように、図5(a)のポイントP7に達すると、缶蓋3は切り出される前の待機状態となり、さらに、図5(a)のポイントP1に達すると、再び次の缶蓋3の切り出し動作が開始される。
【0040】
このように、順次切り出された缶蓋3は、その外周縁部3aが3本の搬送ローラ13の溝12内に係合して所定の間隔を持って1枚ずつ自転しながら下方へと搬送されていく。そして、この搬送過程において、缶蓋3はノズル24先端の開口部24aから噴射される圧縮空気によって洗浄され、表面に付着した汚れは除去される。
【0041】
ここで、上記切出板1の材料として合金工具鋼(SKS2)が用いられ、これが焼き入れされることで機械的強度が大幅に向上し、さらに、表面が硬質クロムメッキ処理されることで、耐摩耗性や耐食性が更に強化されることになる。従って、例え、切出板1の厚さが0.3mm程であっても、この合金工具鋼の有する優れた機械的強度や耐摩耗性と耐食性により切出板1の寿命を大幅に向上することができると共に、摩擦係数が極めて低くなることから、缶蓋3への傷付き防止にも大いに寄与するものである。
【0042】
また、本実施形態の缶蓋3の搬送装置10では、缶蓋3の円周上に3本の搬送ローラ13が等間隔に設けられているので、缶蓋3が切り出される際は、缶蓋3の外周縁部3aが切出板1によって3方向から均等に支持される状態となるため、缶蓋3の切り出し動作は安定しており、且つ、切り出し後の搬送ローラ13による缶蓋3の搬送もスムーズに行われる。加えて、1本の搬送ローラ13が取り外し自在であるから、搬送中に缶蓋3が搬送ローラ13に詰まった場合、この搬送ローラ13を取り外すことにより、缶蓋3の除去は容易に行える。尚、詰まった缶蓋3の取り出し作業は、前扉28や裏扉29を取り外して行うと良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る缶蓋の搬送装置の正面図である。
【図2】同、缶蓋の搬送装置の平面図である。
【図3】同、缶蓋の搬送装置の缶蓋の切り出し部分の要部平面図である。
【図4】本発明に係る切出板を示し、(a)は平面図、(b)はA−A矢視図、(c)はB−B矢視図である。
【図5】同、切出板による缶蓋の切り出し状況を示す図である。
【図6】同、切出板による缶蓋の図5とは別の切り出し状況を示す図である。
【図7】同、切出板による缶蓋の図6とは別の切り出し状況を示す図である。
【図8】同、切出板による缶蓋の図7とは別の切り出し状況を示す図である。
【図9】同、切出板による缶蓋の図8とは別の切り出し状況を示す図である。
【図10】同、切出板による缶蓋の図9とは別の切り出し状況を示す図である。
【図11】同、切出板による缶蓋の図10とは別の切り出し状況を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 切出板
1a 外周縁部
1a1〜1a4 拡径部
1a4〜1a1 縮径部
3 缶蓋
3a 外周縁部
4 排出部
10 缶蓋の搬送装置
11 スタック
12 溝
13 搬送ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離し、所定の間隔を持って下流側に移送する缶蓋の搬送装置用の切出板であって、
前記缶蓋の周部に回転可能に配設され、縁部が上下に重なり合った前記缶蓋と缶蓋の間に入り込んで上流側の缶蓋を支持する円形状の扁平部材で成り、その外周縁部が前記缶蓋の外周縁部に非接触状態となる縮径部と、非接触状態から徐々に接触状態となる拡径部とを備え、前記拡径部の径は、回転方向に徐々に拡大されて成り、且つ、前記拡径部より前記縮径部に至る部分に前記缶蓋を下流側に移送する排出部が形成されていることを特徴とする切出板。
【請求項2】
外周縁部に厚さ方向の丸味をもたせて成ることを特徴とする請求項1に記載の切出板。
【請求項3】
前記排出部が斜め下方に向けたテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切出板。
【請求項4】
合金工具鋼で成り、且つ、表面に硬質クロムメッキ処理が施されて成ることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の切出板。
【請求項5】
複数の前記缶蓋を積層状態で一時停留しておくスタックと、前記スタックの出口下方に位置し、前記缶蓋の円周上に等間隔に配置されると共に、外周面に形成された螺旋状の溝内に前記缶蓋を係合して搬送する回転自在の複数本の搬送ローラと、これら搬送ローラの上面に配設されて、前記積層状態の缶蓋を一枚ずつ分離して前記搬送ローラに移送する請求項1から請求項4までの何れかに記載の切出板とを備えて成ることを特徴とする缶蓋の搬送装置。
【請求項6】
前記搬送ローラが3本設けられ、且つ、少なくともその内の1本が取り外し自在と成されていることを特徴とする請求項5に記載の缶蓋の搬送装置。
【請求項1】
積層された複数の缶蓋を一枚ずつ分離し、所定の間隔を持って下流側に移送する缶蓋の搬送装置用の切出板であって、
前記缶蓋の周部に回転可能に配設され、縁部が上下に重なり合った前記缶蓋と缶蓋の間に入り込んで上流側の缶蓋を支持する円形状の扁平部材で成り、その外周縁部が前記缶蓋の外周縁部に非接触状態となる縮径部と、非接触状態から徐々に接触状態となる拡径部とを備え、前記拡径部の径は、回転方向に徐々に拡大されて成り、且つ、前記拡径部より前記縮径部に至る部分に前記缶蓋を下流側に移送する排出部が形成されていることを特徴とする切出板。
【請求項2】
外周縁部に厚さ方向の丸味をもたせて成ることを特徴とする請求項1に記載の切出板。
【請求項3】
前記排出部が斜め下方に向けたテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切出板。
【請求項4】
合金工具鋼で成り、且つ、表面に硬質クロムメッキ処理が施されて成ることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の切出板。
【請求項5】
複数の前記缶蓋を積層状態で一時停留しておくスタックと、前記スタックの出口下方に位置し、前記缶蓋の円周上に等間隔に配置されると共に、外周面に形成された螺旋状の溝内に前記缶蓋を係合して搬送する回転自在の複数本の搬送ローラと、これら搬送ローラの上面に配設されて、前記積層状態の缶蓋を一枚ずつ分離して前記搬送ローラに移送する請求項1から請求項4までの何れかに記載の切出板とを備えて成ることを特徴とする缶蓋の搬送装置。
【請求項6】
前記搬送ローラが3本設けられ、且つ、少なくともその内の1本が取り外し自在と成されていることを特徴とする請求項5に記載の缶蓋の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−308310(P2008−308310A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158490(P2007−158490)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
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