説明

缶蓋の製造装置および方法

【解決手段】缶蓋に切り込みを形成するための本発明による一方法において、缶蓋はプレス工具10においてレーザ刻設を受けて所望の切り込みが形成される。レーザアブレーション工程は、好ましくは、プレス工具10が閉鎖された状態で、30ms未満の時間で行なわれる。この時間の間、レーザビーム26の焦点27は切り込み22の所望輪郭全体を移動し、途切れのない溝状の空洞が形成される。
【効果】プレス工具10においてレーザ刻設を利用することで、プレス工具10およびプレスモールドの機械摩耗を最小化することが可能となり、工具の動作寿命を増大させることができる。特に、安定した高品質の缶蓋の製造が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶の蓋、特には飲料用缶の蓋の製造装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に飲料用の缶およびその他の食料の缶も、切り込みに沿って手で簡単に引きはがして開けられるようになった蓋で上端が覆われている。この切り込みは、缶蓋の製造段階で例えばスタンプ工程によって材料を変位させることにより形成される。それぞれの切り込みには十分な強度があって、意図せずに蓋が開くことを安定して防止できるようになっている。その一方で、蓋に取り付けられたタブが持ちあげられると局所的な応力集中が生じて、蓋が引き剥がされる。切り込みは所望の破断路を形成し、それに沿って比較的小さな力で蓋を開くことができる。
【0003】
缶蓋への切り込みの刻印(スタンピング)には、切り込みを刻印するための高精度の鋭敏なリブを有する高品質工具を必要とする。しかしながら、このリブの動作寿命には限りがある。スタンプリブは摩耗の増大と共に品質が劣化し、その結果製造される缶蓋の切り込みの品質も低下して、やがて許容仕様を外れてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、缶蓋の改良された製造方法並びにその方法を実行するための好適な装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の方法、並びに請求項8に記載の刻印工具によって達成される。
【0006】
本発明による方法は、未完成の被加工物、例えば金属シートまたは金属ストリップを2つの工具部分の間で缶蓋に変形する形成工具を提供する。工具部分の1つは固定されており、もう1つの工具部分は、例えば前後に可動となっている。好ましくは、形成工具は多段工具であって、数段階の操作によって未完成の被加工物に所要の塑性変形を施して缶蓋を形成する。被加工物(workpiece)は数工程または数段階で工具の中を移動する。工具には被加工物すなわち缶蓋を受納する少なくとも1つの領域が含まれており、そこで、輪郭に沿ってレーザビームを移動して切り込みが形成される。従って切り込みはレーザ刻設によって形成され、それは好ましくは形成工具を閉じた状態で行なわれる。
【0007】
レーザ刻設で切り込みを形成することで、形成される缶蓋の品質、特に切り込みの品質が、それまでに製造された缶蓋の数とは無関係に均一に保たれる。切り込みを形成する刻印リブは摩耗に対して比較的敏感であるために、工具の摩耗は通常刻印リブで決まり、寿命は短い。
【0008】
レーザ刻設で切り込みを製造することで、刻印工具で製造する場合の応力も低減される。従来の刻印工程による切り込み製造においては、下死点での高い圧力荷重を必要とするが、レーザ刻設はプレス機の荷重なしで実行される。この場合工具は、刻印時に必要な、固定壁である固定停止点に対する移動を必要としない。プレスの支持荷重およびプレスによる弾性変形が低減され、運転が円滑になる。最大荷重用をはるかに低く設計したプレス機の使用も可能となる。
【0009】
レーザ刻設による切り込みは、好ましくは線状の刻設で行なわれ、フォーカススポットすなわちレーザビームの焦点が、缶蓋を開けるための所定の切取線の輪郭に沿って移動される。刻設に要する時間は、例えば10〜30msであるので、工具が停止している時間、つまり工具の2つの部分が相互に接して、工具が閉じられている時間を利用できる。
【0010】
原則的に、レーザ刻設に必要なレーザヘッドは、通常上側ツールと呼ばれている可動ツール内に配置されてもよいし、下側ツールと呼ばれている固定ツール内に配置されてもよい。結果として、切り込みは必要であれば缶蓋の外側に形成することも可能である。あるいはまた、切り込みは缶蓋の内部に形成することもできる。後で内側表面に施すプラスチック被覆により、レーザ刻設された切り込みを埋める可能性があるが、機能そのものに対する影響はない。
【0011】
刻印では材料変位により切り込みが形成されるが、レーザ刻設では切り込みは材料除去により形成される。投入熱量の所定の制御と、場合によっては缶蓋のレーザ処理側またはレーザ処理の反対側への高速ガス流または高速空気流による所定の冷却とによって、材料除去の他に、切り込みに沿った材料構造を変化させることが可能である。構造変化をうまく制御して、切り込み領域の缶材料の硬度を上げて、一方で剛性を高めると共に脆性も上げて、引裂き性を向上させることができる。
【0012】
レーザビームを好適に操作することにより、切り込みの断面形状を所望通りに形成することが可能である。好ましくは、切り込みは三角溝の断面形状を有する。好ましくは、この溝は(凹面状に)曲がった底部を有する。さらに、切り込みの側部は好ましくは、缶蓋の平坦部分への移行点において(凸面状に)丸くなった上端を有する。切り込みの断面形状へ影響を及ぼせるように、レーザビームの焦点は制御可能となっている。例えば、刻設時に焦点スポットの大きさを振動させることが可能である。また、焦点位置を変えて、例えば、レーザビームの方向に沿って振動させてもよい。また、切り込みの長手方向に対して直交する方向にレーザビームを振動させてもよい。また、切り込みの形成時に材料の除去を1回のステップで行うことも、多層材料を除去する方式で数回のステップで行うことも可能である。
【0013】
レーザ刻設が行なわれる工具の形成ステーションは、形成される切りこみ付近で蓋材料が対応する工具の加圧面にしっかり係合されるように設計されると都合がよい。こうして、缶蓋の位置がレーザビームの方向に対して正確に固定される。従って、レーザビームは短焦点範囲で操作することが可能である。さらには、蓋を正確に配置することにより、切り込みを所望の断面形状、特に丸い側面を有する形状にすることが可能となる。特に、切り込みが缶蓋の外側へ配置される場合に、切り込みの鋭い端部が缶のユーザに対して向けられることをほぼ回避できる。
【0014】
本発明によるプレス工具は、開缶する際に形成される切取線の輪郭に沿ってレーザのフォーカススポットを移動させる手段を有するレーザヘッドを含んでいる。レーザヘッドの操作は、プレス工具の開閉に同期される。好ましくは、レーザのフォーカススポットを所望の輪郭に沿って移動させる手段が、プレス工具が静止している時にのみに動作するように同期が選択される。特に高速移動するプレスおよびプレス工具に関しては、例えば弾性支持されたレバーまたはホールダが備えられ、それが刻設の段階で、可動プレス部分が下死点に到達する前に缶蓋に接触し、プレスのプランジャがまだ移動している内に缶蓋を固定工具部分へ係合させる。そのような構成とすることで、レーザ刻設を実行する時間を稼ぐことができる。
【0015】
缶蓋がレーザ刻設プロセスを受ける工具の各段を開放したままにすることも可能である。この場合には、被加工物搬送機構によって缶蓋は、下側工具の受納領域内にのみ配置される。そうしてプランジャが移動を完了した時点でレーザ刻設が行なわれる。
【0016】
レーザヘッドが可動工具部分内に配置されている場合には、レーザビームは好ましくは、プレス工具の外部に配置されたレーザ光源との接続をするミラー構成によってレーザヘッドへ案内される。ミラーで反射されたレーザビーム光路は、好ましくは工具部分の移動方向に平行である。
【0017】
レーザヘッドが固定工具部分内に配置されている場合には、レーザビームをレーザヘッドへ導入する様々な手段が利用可能であり、特に光ファイバによる手段も利用可能である。レーザとしては、炭酸ガスレーザ、YAGレーザまたはファイバー光学レーザが利用可能である。
【0018】
本発明の有利な実施形態の更なる詳細は、図面、発明の表示、またはサブクレームにより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】簡略的に表示したプレス工具である。
【図2】図1のプレス工具の上側部の概略正面図である。
【図3】刻設された缶蓋の概略上面図である。
【図4】刻設工程におけるレーザヘッドと工具部分の概略図である。
【図5】缶蓋の垂直断面図である。
【図6】図5の缶蓋に切り込みを形成した後の詳細図である。
【図7】図5による缶蓋の概略上面図である。
【図8】開缶時に切り込みからできる切取線の概略図である。
【図9】缶蓋製造用の変形されたプレス工具の概略図である。
【図10】図9に示す工具で製造された缶蓋の細部の拡大垂直断面図である。
【図11】開缶時の図10の蓋の断面図である。
【図12】製造時にレーザ刻設による切り込みと反対面の溝とを有する缶蓋の製造工程を示す図である。
【図13】図12に製造工程を示した缶蓋が開缶のために引裂かれた図である。
【図14】二重輪郭を有する切り込みを含む缶蓋の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、例えば一例が図3に概略的に示された缶蓋11を製造するためのプレス工具10を示す。プレス工具10は、例えばプレス機のプレス台12とプランジャ13との間に配置される。それは、第1の部分すなわち下工具14並びに第2の部分すなわち上工具15から成る。プレス工具10は好ましくは、幾つかの形成段16、17、18、19を有する多段工具である。これらの工具の段は、例えば図5と図7にそれぞれ垂直断面図と上面図を示すように、平坦な金属シートから所望の缶蓋11を形成するために必要な、異なる形成操作を与えるためのものである。図3、5、7はそれぞれ飲料用缶の蓋の例示的実施形態であるが、またその他の缶蓋、例えば魚の缶詰用の缶も本発明によりプレス工具11で製造することができる。
【0021】
工具のそれぞれの段16〜19において、下工具14と上工具15に互いに補完し合うモールドが備えられ、所望の変形操作を開始するためにプランジャ13が矢印20で示すように下工具14の方向へ、またはその逆の方向へ移動する間に移動する。
【0022】
工具の段の1つ、この例では段18は、缶蓋11に切り込み22を形成するためのレーザヘッド21を備えている。切り込み22には少なくとも1つ、好ましくは2つの切取線23、24があり、これらは互いに平行に延び、また部分的に曲線となっている。そしてこれらはレーザノッチとして形成される。これらは連続した一本線として1つの工程で連続的に形成することも可能であり、あるいは、交わらない端を有していて別々に形成されてもよい。切り込み22の形成のために、図1の実施形態の上工具15に示すように、レーザヘッド21が備えられている。切り込み22を形成するために、所望の輪郭に沿ってレーザビーム26を指向させるための手段25が設置されている。レーザビーム26は、フォーカルスポットすなわち焦点27上にフォーカスされ、これは缶蓋11上に集束される。
【0023】
図4に示すように、手段25には1つまたは複数のミラー28、29があり、それぞれが軸を中心に枢動できるようになっている。それぞれのミラー28、29を枢動させるために、個別の制御ドライブ30、31が備えられている。2つのミラーの回転軸は、互いに直交している。また、固定レンズまたは可動レンズなどのビームの集束手段も備えられていてもよいが、ただし図には示されていない。
【0024】
図4はプレス工具10の操作段18の断面を示す。下工具14と上工具18にはそれぞれ係合面32、33があり、プレス工具が閉じている時には、缶蓋14がその間に固定される。少なくともレーザヘッド21を含む工具、この実施例では上工具は、所望の切り込み22よりも大きくて、切り込みの輪郭に倣った開口34を含む。開口34は、缶蓋が係合面つまりクランプ面32、33の間でしっかりと固定された状態で、レーザビームが缶蓋11に投射されるようにする。
【0025】
任意選択として下工具にも同様の開口35が備えられてもよく、この開口は缶蓋を例えば高速液体流または高速ガス流で制御して冷却するために利用されてもよい。
【0026】
図2はレーザビームがレーザヘッド21へ供給される方式を概略的に示す。図示した実施例においては、ミラー光路36が用いられており、この中には可変長の光路ストレッチ37が含まれていて、矢印20で示すプランジャ13の移動方向に平行に光路が延びている。
【0027】
個々の未完成製品、または、例えば平坦な金属シートあるいは別の予備成形品のブランクが、プレス工具10に供給される。図示されていない搬送手段が被加工品つまり成形される缶蓋を、加工段16、17、18から次の加工段17、18、19等へあるリズムで移動させる。搬送リズムに従って、毎回上工具15を下工具14へ向かって移動させ、そしてそこから離れさせて工具10の開閉を行う。
【0028】
形成段16において、例えば、ブランクが予備成形される。形成段17において、中央リベット38(図7参照)に当てる構造が形成され、加工段18において切り込み22が形成される。この目的のために、レーザビーム26の焦点27がミラー28、29を介して缶蓋11の上に指向されて、所望の切り込みの輪郭をなぞる。好ましくは、焦点は交互に切取線23、24に沿って移動する。ここで形成される切り込み22は、図示したように二重線で形成されてもよいし、または単線であってもよい。これは所望の切取線を構築する局所的な狭い溝を成す。
【0029】
図6は正常状態における切り込み22の2本の切取線23、24を示す。缶蓋の切り込み22で囲まれた部分がオープナによって内側に押しこまれると、缶蓋11は線23、24の少なくとも1つに沿って切り裂かれ、破断線39が形成される。好ましくはこのプロセスにおいて、図8に示すように、缶蓋11の細いストリップ40が缶蓋の切り込み22で囲まれた部分41によって内側へ引き込まれる。缶の内部方向へ折れ曲がった部分40は外側の線23から垂れ下がり、ユーザに対して丸まった端部を形成するが、これは尖っていないのでユーザが缶から直接飲むことが可能である。切取線に沿って形成された、鋭い形状となる可能性のある引裂きまたは破断の端部42は、缶内部に向かって延びている。
【0030】
切り込み22をレーザアブレーション工程によって作製すると、缶蓋11の材料は構造変化を受ける可能性があり、結果として材料の硬化およびある程度の脆化をもたらす。これが、缶蓋を開けるために望ましい場合には、ビームのフォーカシングと、レーザ処理時間と、レーザビーム誘導すなわちフォーカルポイント27の移動速度と、そして場合によっては缶蓋11への追加的な冷却とにより、このプロセスパラメータを調節することが可能である。缶蓋の材料は切り込み22の領域で加熱して硬化させることが可能である。
【0031】
図9はプレス工具10の変更実施形態を示す。このプレス工具10においては、レーザヘッド21は下工具14に配置されている。作業段18は上工具に剛直に形成されているか、あるいは図9に模式的に示すように、弾性支持された工具ホルダ43を介して形成されている。これは、プレス工具10が完全に閉じる前に、下工具14上、または下工具14の上に配置された缶蓋上に据えられ、その後ばね手段44によって上工具上に支持される。工具ホルダが缶蓋の上に据えられるとすぐに、缶蓋は安定して静止し、レーザヘッド21が所望のレーザ刻設を実行可能となるり、すなわち切り込み22の形成が可能となる。このために利用可能な時間は、工具ホルダ43用の可動支持体によって、プレス工具が完全に閉じている実閉鎖時間よりも長くなる。このようにして、比較的大きな切り込み22を形成しなければならない場合でも、缶蓋のレーザ加工を高速動作プレスにおいても行うことが可能となる。また、作業段18において、上工具を省略してもよく、そうすると、工具が停止している限りは、2つの移動ステップの間の作業時間をすべてレーザ加工に利用することが可能となる。
【0032】
切り込み22が下工具14に配置されたレーザヘッドで切られる場合には、切り込み22は、後で缶の内部に面することになる、蓋の内側に形成される。これは図10に示されている。図11は開缶時の缶蓋11の領域を示す。ここでも、部分40が領域41に隣接する線のところで引裂いて開けられる。形成される破断線39は鋭い端部を有する可能性があるが、缶の内側に向かって下方向に折曲げられるので、ユーザを傷つける危険性はない。
【0033】
図12に示すように、レーザビーム26による切り込み22の製造と、缶蓋11の反対面での溝45の刻印とを組み合わせることも可能である。ここで工具部分14、15の1つ、例えば上工具15に、切り込みの輪郭に倣った刻印リブ46が備えられている。ただし、この刻印リブは、以前に述べた切り込み製造用のものとは異なっており、エッジが緩やかであってむしろ軽く丸まっている。その結果、この刻印リブの摩耗は無視できるほど小さい。それでもこれによって材料が変位して窪み45が形成される。これは必要があれば蓋11の材料の局所的な固化をもたらす。その上、窪み45は、図13に示すように、鋭利な破断端42を缶蓋11の外側表面から離すようにする。このことは、破断線が二重線ではなく単線である場合に重要である。
【0034】
更なる方法の改善も可能である。例えば、切り込み22形成用のレーザアブレーション法は、エッジの丸い切り込みを形成するように制御することも可能である。このために、所望の輪郭の長手方向に沿って動かすことに加えて、図14の矢印47に示すような横方向にもレーザビームを動かすことができる。これに加えて、あるいはこれとは別に、ビーム焦点を変化させる方法を利用してもよく、例えば、アブレーション行程中にレーザビームの焦点の2つの異なる値の間を高速かつコンスタントに振動または変化させてもよい。この手段及びその他の、例えば特に焦点距離の短い対物レンズを利用するような手段を用いて、後で破断端となった時にもユーザに面する上側は鋭利でないエッジとなる、切り込みを提供することも可能である。
【0035】
缶蓋11に切り込み22を形成するための本発明による一方法において、缶蓋11はプレス工具10においてレーザ刻設を受けて所望の切り込み22が形成される。レーザアブレーション工程は、好ましくは、プレス工具10が閉鎖された状態で、30ms未満の時間で行なわれる。この時間の間、レーザビーム26の焦点27は切り込み22の所望輪郭全体を移動し、好ましくは途切れのない溝状の窪みが形成される。
【0036】
プレス工具中でレーザ刻設を利用することで、プレス工具およびプレスモールドの機械摩耗を最小化することが可能となり、工具寿命を延ばすことができる。特に、一貫して高品質の缶蓋の製造が可能となる。
【符号の説明】
【0037】
10 プレス工具
11 缶蓋
12 プレス台
13 プレスプランジャ
14 下工具
15 上工具
16〜19 工具段
20 矢印
21 レーザヘッド
22 切り込み
23 線
24 線
25 手段
26 レーザビーム
27 焦点
28 第1のミラー
29 第2のミラー
30 第1の制御ドライブ
31 第2の制御ドライブ
32 クランプ(係合)面
33 クランプ(係合)面
34 上工具の開口
35 下工具の開口
36 ミラーを利用したビーム光路
37 ビーム進行光路
38 リベット
39 切取線
40 部分
41 領域
42 引裂き端
43 工具ホルダ
44 (ばね手段)弾性手段
45 溝
46 刻印リブ
47 矢印
48 上側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用缶蓋(11)の製造方法であって、
前記方法は、変形工具(10)によって実行される缶蓋(11)の少なくとも1つの塑性変形ステップを含み、
前記変形工具(10)は、前記缶蓋(11)の変形を実行するための、少なくとも1つが可動の2つの工具部分(14、15)を含み、
前記変形工具(10)において、前記缶蓋(11)を開ける時の前記缶蓋(11)の所望の切取線(39)の輪郭に沿って延伸する切り込み(22)が、レーザビーム(26)を用いて前記缶蓋に形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記切り込み(22)は、前記所望の切り込み輪郭に沿って移動するレーザビーム(26)による線状の刻設として形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記切り込み(22)として丸みのある側面を有する溝が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記切り込み(22)は前記蓋(11)の外側面(48)上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記切り込み(22)は前記蓋(11)の内側面上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記蓋の外側面(48)上に、溝状の窪み(46)が刻印されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記切取線(39)を形成するために、2つの切り込み(23、24)が横に間隔をあけて延びるように設けられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
引裂いて開けることができる缶蓋(11)の製造用のプレス工具であって、
シート状の金属ブランクから缶蓋(11)を1回又は数回の操作で形成する、雄雌型のモールドを備える第1の工具部分(14)と第2の工具部分(15)と、
前記工具部分(14、15)の1つに配置され、前記缶蓋(11)上にレーザ焦点(27)を形成するように設定された、レーザヘッド(21)と、
前記缶蓋(11)を開ける際に形成される切取線(22)の輪郭に沿って前記レーザ焦点(27)を移動させるための手段(25)と、
を備えるプレス工具。
【請求項9】
前記レーザ焦点を移動させる手段が、駆動手段(31)により可動となっている少なくとも1つのミラー(29)を備えることを特徴とする、請求項8に記載のプレス工具。
【請求項10】
前記レーザヘッド(21)は、プレス操作時に固定されている前記第1の工具部分(15)内に配置されていることを特徴とする、請求項8に記載のプレス工具。
【請求項11】
前記レーザヘッド(21)は、前記プレス工具(10)の外部に配置されたレーザにミラー光路(36)を介して接続されていることを特徴とする、請求項8に記載のプレス工具。
【請求項12】
前記レーザヘッド(21)は被加工物(11)の変形のために可動となっている前記第2の工具部分に配置され、かつ前記ミラー光路(36)は前記第2の工具部分(15)の移動方向(20)に平行に延在していることを特徴とする、請求項11に記載のプレス工具。
【請求項13】
前記プレス工具(10)は幾つかのプレス段(16、17、18)を含む多段工具であることを特徴とする、請求項8に記載のプレス工具。
【請求項14】
前記レーザヘッド(21)は、前記多段工具(10)の内の変形操作に関与しない1つの段(18)内に配置されていることを特徴とする、請求項13に記載のプレス工具。
【請求項15】
前記レーザヘッド(21)は、多段工具形式の前記プレス工具(10)内の変形操作にも関与している1つの段(18)に配置されていることを特徴とする、請求項13に記載のプレス工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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