説明

缶詰の内圧判定方法

【課題】 充填・密封済みの缶詰の内圧を非接触で判定する方法であって、簡便で、且つ誤判定の恐れの少ない方法を提供する。
【解決手段】 充填・密封済みの缶詰における内圧値を判定する方法であって、少なくとも前記缶詰の底面の略中心点と、該略中心点から外周側へと所定間隔離れた基準点とを測定点とし、該各測定点に対し、周波数18〜94GHz、照射範囲の直径が20mm以下のミリ波を照射し、該各測定点における反射波を測定する工程と、前記各測定点における反射波の位相から、前記缶詰の略中心点における変位量を特定し、得られた変位量に基づいて缶詰の内圧の良否を判定する工程とを備えることを特徴とする缶詰の内圧判定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶詰の内圧判定方法、特に充填・密封済みの缶詰の内圧を非接触で判定する方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
充填・密封済みの缶詰に対し、該缶詰を収容する紙箱の外側から、缶底面の中心点と該中心点から所定間隔離れた基準点の各測定点について、非接触式の距離センサを用いてセンサと各測定点との間隔を測定し、それぞれの距離を比較して缶底面の中心点における凹凸の度合いを算出することによって、缶詰の内圧状態を判定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、内容物の変敗や漏えい等によって缶詰の内圧が変化すると、これに応じて缶底面の凹凸度合が変化するため、この凹凸度合(変位量)を距離センサによって計測することで、缶詰の内圧状態の良否を判定することができる。これら従来の缶詰内圧判定装置においては、通常、非接触式距離センサとして、紙箱を透過することのできる渦電流式の距離センサが用いられている。渦電流式の距離センサは、高周波の磁力線照射により金属対象物の表面に生じる渦電流に基づいて、センサヘッドと金属対象物表面との距離の測定が行われる。
【0003】
渦電流式距離センサは、センサヘッドと対象物との測定距離が比較的短く、また、測定距離を長くする場合、センサヘッドの検出面を大きくする必要がある。例えば、測定距離が10mm程度の場合、少なくともセンサヘッドの検出面直径を20mm以上としなければならない。ここで、缶詰の収容された紙箱をコンベア等で移送しながら、外部から缶詰の内圧を判定する装置の場合、通常、3ピース缶底面の外周には4mm程度の巻締め部が存在しており、また、搬送時にセンサと紙箱との接触が生じる危険性や、紙箱の厚み等を考慮すると、センサと缶底面との距離は少なくとも7mm以上とする必要がある。一方で、工程内の限られた領域内に設置するためには、センサヘッドを必要以上に大きくすることはできない。
【0004】
また、渦電流式距離センサにおいては、高周波磁力線が距離に応じて広がっていく性質があるため、測定距離が長くなるにつれて測定面積も大きくなる。測定面積が大きくなることで検出精度は向上するものの、磁力線が照射された面積の範囲内での平均距離として測定されてしまうことになる。例えば、一般的な190mlあるいは250ml飲料缶は、缶底面の直径が約53mm程度であるのに対して、測定距離10mmの渦電流式距離センサ(センサヘッド直径20mm)を使用し、センサと缶底面との距離を7〜9mm程度に設定した場合、測定範囲の直径は約30mm以上(センサヘッド直径の約1.5倍)となってしまい、缶底面に対する測定面積が広くなりすぎるため、缶底中心点におけるわずかな凹凸を検出することは難しい。また、缶底中心点との距離比較のために缶底外周囲の任意の基準点について距離を測定しようとすると、例えば、底面に大きな曲面(凹面)を有している場合や、あるいは底面の外周に巻締め部等の尖った部分がある場合、測定面積が大きすぎるために測定距離に大きな誤差を生じる場合がある。
【0005】
特に紙箱内に収容された缶詰について、渦電流式距離センサーにより内圧判定を行なう場合には、紙箱内部で缶周囲の全方向に隣り合う缶詰がある場合と、紙箱の端部で缶周囲の一部が紙箱に面している場合とでは、基準点の測定距離に大きな誤差が生じてしまう。すなわち、過電流式距離センサーでは、広い測定範囲における平均距離として測定されるため、缶底面の中心点を除く任意の基準点について距離を測定しようとすると、どうしても隣り合う缶詰の外周端が含まれた範囲として測定せざるを得ない。このため、缶の全周にわたって隣り合う缶詰がある場合と、缶の一部が紙箱に面している場合とでは、測定範囲内に含まれる隣接缶外終端の数が異なることで、平均距離として大きな誤差が生じることになる。
【0006】
以上のような問題に対して、特許文献1記載の方法においては、紙箱内の先頭及び末尾の缶詰における測定値の距離に補正を加えた上で、缶詰底面の中心点における基準点からの変位量を特定し、缶詰内圧の良否の判別を行なっている。しかしながら、特許文献1の方法では、缶詰が紙箱内の先頭あるいは末尾にあるかを逐一判別しなければならないため、工程が煩雑になることに加え、缶詰の形状や大きさ等の種類に応じて適宜補正値を設定し直す必要があるため、形状や大きさの異なる各種缶詰に対して迅速に対応することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平5−87768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記従来技術に鑑みて行なわれたものであり、すなわち、その解決すべき課題は、充填・密封済みの缶詰の内圧を非接触で判定する方法であって、簡便で且つ誤判定の恐れの少ない方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らが、前記従来技術の課題に鑑み鋭意検討を行なった結果、周波数18〜94GHzのミリ波を缶詰底面に照射し、反射波の位相差に基づいて距離を測定することによって、該ミリ波の照射範囲の直径を20mm以下とした場合であっても、該缶詰底面の略中心点の凹凸度合を良好に検出することができ、これによって、測定値に別途補正を加えることなく、精度良く缶詰内圧の良否を判定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明にかかる缶詰の内圧判定方法は、充填・密封済みの缶詰における内圧値を判定する方法であって、少なくとも前記缶詰の底面の略中心点と、該略中心点から外周側へと所定間隔離れた基準点とを測定点とし、該各測定点に対し、周波数18〜94GHz、照射範囲の直径が20mm以下のミリ波を照射し、該各測定点における反射波を測定する工程と、前記各測定点における反射波の位相から、前記缶詰の略中心点における変位量を特定し、得られた変位量に基づいて缶詰の内圧の良否を判定する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記方法において、前記ミリ波の照射範囲の直径が10mm以下であることが好適である。
また、前記方法において、前記缶詰が箱に収容されており、該箱が搬送されている状態で、該箱の外部から該缶詰底面の各測定点に対してミリ波を照射し、各測定点における反射波を測定することが好適である。
【0012】
また、前記方法において、少なくとも前記缶詰の底面の略中心点と、該略中心点から外周側へと等間隔離れた二点の基準点を測定点とし、該各測定点において、照射したミリ波の位相と反射波の位相との位相差を測定し、二点の基準点の位相差の平均値と略中心点の位相差とを比較することによって、該略中心点の変位量を特定することが好適である。
また、前記方法において、前記缶詰の底面の外周側から略中心点を通過して反対側へと、連続的にミリ波を照射し、得られた反射波の連続的な位相変化を形状データとし、該形状データから略中心点の変位量を特定することが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の方法によれば、周波数18〜94GHz、照射範囲の直径が20mm以下のミリ波を缶詰底面に照射し、反射波の位相差に基づいて距離を測定することによって、従来よりも狭い測定範囲とした場合であっても、該缶詰底面の略中心点の凹凸度合を良好に検出することができ、これによって、測定値に別途補正を加えることなく、精度良く缶詰内圧の良否を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】サンプル缶詰C〜Gにおける照射ミリ波の周波数とサンプル缶詰Bとの位相差との関係を示した図である。
【図2】サンプル缶詰C〜Gにおける変位量(距離変化)を示した図である。
【図3】本発明にかかる缶詰の内圧判定方法の一実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者らは、まず最初に、ミリ波照射による缶詰の内圧判定を試みるため、以下の測定試験を行なった。
測定試料
スチール製円筒缶(直径53mm,高さ102mm)を6本準備し、それぞれ内圧の異なる下記サンプル缶詰B〜Gを作製した。
サンプル缶詰B:−30kPa
サンプル缶詰C:−27kPa
サンプル缶詰D:−19.5kPa
サンプル缶詰E:−15.5kPa
サンプル缶詰F:−9.5kPa
サンプル缶詰G:−5.5kPa
【0016】
測定方法
上記サンプル缶詰B〜Gに対して、それぞれの缶底面の中心点に18〜50GHzのミリ波を照射し、反射波の位相を測定した。なお、ミリ波の照射源には誘電体レンズ(レンズ径約150mm)付きのホーンアンテナを使用し、缶底面においてミリ波照射範囲の直径が20mm(周波数24GHz)となるように調整した。また、ミリ波照射源と缶底面との距離は約27cmとした。
【0017】
測定結果
以上で得られた測定結果について、サンプル缶詰Bにおける反射波を基準とし、サンプル缶詰C〜Gにおける各反射波との位相差を算出した。サンプル缶詰C〜Gにおける照射ミリ波の周波数とサンプル缶詰Bとの位相差との関係を図1に示す。
図1に示すように、サンプル缶詰Bとの内圧差に応じて、サンプル缶詰C〜Gの位相差が大きくなることが確認された。また、周波数が高くなるにしたがって位相差が直線的に増大しており、これらの直線は互いに交差することが無かった。このことから、18〜50GHzの範囲のミリ波を照射して得られた位相差に基づいて缶詰の内圧値を評価することが可能であり、また、周波数を高くするほど精度良く内圧値を判別できると考えられる。
【0018】
つづいて、各周波数のミリ波での位相差測定結果から、下記数式(I)を用いて、サンプル缶詰C〜Gにおける変位量(距離変化)を算出した。算出結果をグラフにしたものを図2に示す。また、周波数50GHzにおける変位量と缶内圧差との関係を下記表1に示す。
d=(1/2)×λ×(θ/360) (I)
d:変位量 λ:波長 θ:位相差
【0019】
【表1】

【0020】
表1に示すように、周波数50GHzのミリ波での位相差から算出した各サンプル缶詰の変位量は、対応するサンプル缶詰の内圧値の変化と良く一致していることが確認された。このことから、ミリ波照射により得られた位相差に基づいて、缶詰の内圧値の良否を精度良く判定できることが確認された。また、以上の結果は、ミリ波照射範囲の直径を20mm以下とすることで、一般的な缶底面の面積(直径約53mm)に対して十分小さくなるために、缶詰底面のわずかな凹凸(変位)によって生じる位相差が非常に精度良く検出されていることによるものと考えられる。
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明にかかる缶詰の内圧判定方法の好適な実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図3に、本発明にかかる缶詰の内圧判定方法の一実施形態の説明図を示す。
図3に示すように、本実施形態においては、複数の缶詰10が、開封用のタブ等が設けられた天蓋面を下側、底蓋面を上側となるように正置された状態で、段ボールや合成紙製の紙箱12内に収納されている。複数の缶詰10を収容した紙箱12は、製造ラインあるいは所定の保管場所から、コンベア14に載置されて所定速度で搬送される。
【0022】
コンベア14に載置されて搬送された紙箱12の先端が、コンベア14上に設けられた光電管等のタイミングセンサ16を横切ると、18〜94GHzの周波数範囲から選定された所定の周波数のミリ波が、発信器18から分配器20を経由して、ホーン型アンテナの送信器22へと送られる。そして、当該所定周波数のミリ波は、送信器22から、紙箱12内の先頭に位置した缶詰10の底蓋面の表面に向かって照射される。
【0023】
送信器22から照射されたミリ波は、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化樹脂)製の誘電体レンズ24によって中心方向に絞られ、缶詰10の底蓋面上において直径20mm以下の範囲として照射される。なお、誘電体レンズ24と紙箱12との距離は、誘電体レンズ24の直径と測定点におけるミリ波照射範囲の直径とを考慮して適宜決定される。この距離は、誘電体レンズ24と紙箱12との接触を避けるため、できるだけ遠ざけることが望ましいが、通常の場合、10cm以下である。
【0024】
送信器22から照射されたミリ波は、缶詰10の底蓋面上を、搬送方向にしたがって順次照射していき、缶詰10の底蓋面の中心点と、該中心点から互いに所定間隔離れた外側二点の基準点の合計三点を測定点とし、各測定点における反射波の位相を測定する。すなわち、まず最初に、外側の基準点における反射波をプローブアンテナからなる受信器26で受信し、受信した反射波は位相検出器28へと送られる。反射波の位相は、分配器20において分離された送信波の位相と比較される。測定された位相差は制御機器30へと送られて一時的に記憶される。
【0025】
また、ミリ波が缶詰10の底蓋面の中心点を照射する瞬間が、制御機器30のタイマーにより同調制御されており、中心点を照射した瞬間に位相検出器28が作動して、中心点での位相差が測定され、制御機器30へと送られて一時的に記憶される。さらに、下流側の基準点においても同様にして位相差が測定される。そして、上流側の基準点と下流側の基準点との位相差の平均値を算出し、該基準点の位相差平均値を中心点の位相差から差し引くことによって、中心点における変位量が特定される。得られた中心点の変位量が予め設定された範囲内であるか否かを判別することで、缶詰10における内圧の良否が判定される。さらに紙箱12が搬送されることで、下流側の缶詰10についても同様にして内圧の良否が連続的に判定される。また、紙箱12の幅方向の缶詰に対しては、同一の構成からなる送信器22及び受信器26を缶詰ごとに幅方向に並べて設置することで、同様にして内圧の良否を判定することができる。
【0026】
なお、上記実施形態においては、送信波の位相と反射波の位相とを比較し、それらの位相差から、缶詰底面の中心点の変位量を特定しているものの、缶詰底面からの反射波の位相変化を、連続する形状データとして制御機器に取り込み、その形状データから缶詰底面の中心点の距離データと、上流側及び下流側に等間隔離れた基準点の距離データを取り出し、基準値の距離データの平均値から中心点の距離データを差し引くことによって、缶詰底面の中心点の変位量を特定しても良い。
【0027】
本発明の方法において、缶詰底面へと照射されるミリ波の周波数は、18〜94GHzである。18GHzよりも低い周波数であると、位相が小さくなりすぎてしまうために位相差を検出し難くなり、一方、94GHzよりも高い周波数であると、位相が大きくなって位相差の検出精度は向上するものの、送受信回路が複雑化して高価になるため、製造コストが上昇してしまい、望ましくない。また、ミリ波の周波数は24〜38GHzの範囲に調整することがより望ましい。
【0028】
また、本発明の方法において、缶詰底面へと照射されるミリ波は、照射範囲の直径を20mm以下とする必要がある。例えば、一般的な190mlあるいは250ml飲料缶は、缶底面の直径が約53mm程度であるのに対して、本発明のミリ波の照射範囲の直径は20mm以下であり、測定対象に対して測定範囲が十分に小さいため、平均値として得られる測定距離の誤差が小さくなり、缶詰底面の中心部のわずかな凹凸を精度よく検出することができる。また、缶詰底面の中心点から外周側へと所定間隔離れた点を、基準点として測定する際、例えば、底面の外周に巻締め部等の尖った部分があるような場合であっても、測定範囲が相対的に小さいために、当該巻締め部にかからないように基準点の測定位置を設定することができ、これにより生じ得る誤差を免れることができる。
【0029】
ミリ波の照射範囲は、より小さくすることによって検出精度をさらに向上することができるため、10mm以下とすることがより好ましい。特に、紙箱内に収容された缶詰の内圧を判定する場合には、缶詰同士が密接していることから、ミリ波の照射範囲をより小さくすることが望ましい。なお、ミリ波照射範囲の直径は、照射されたミリ波を誘電体レンズ等によって絞ることによって調整することができるものの、照射範囲を小さくするためには誘電体レンズの直径を大きくする必要がある。例えば、本実施形態のように、工程内の限られた領域内に設置するためには、誘電体レンズの直径をあまり大きくしすぎると、例えば、紙箱の幅方向に缶詰ごとに並べて設置することは難しくなる。このため、ミリ波の照射範囲は、使用する周波数や必要となるレンズの大きさ、測定距離(ミリ波照射源と缶底面との距離)、あるいは工程内の領域面積等に応じて、20mm以下、好ましくは10mm以下の範囲で適宜決定する。
【0030】
下記数式(II),(III)による近似計算では、例えば、周波数24.15GHzのミリ波を使用した場合、レンズ直径70mm、測定距離100mmの条件において、ミリ波照射範囲の直径は15.8mmとなる。また、例えば、周波数81GHzのミリ波を使用した場合、レンズ直径70mm、測定距離100mmの条件において、ミリ波照射範囲の直径は4.7mmとなる。
δ=0.61λ/NA (II)
δ:2点光源の分解能 λ:波長 NA:レンズ開口数
NA=n・sinθ (III)
n:物体−レンズ間の媒質の屈折率 θ:物体からレンズに入射する光線の光軸に対する最大角度
したがって、高周波数のミリ波を使用した方が照射範囲をより小さくすることができる。しかしながら、コスト面では低周波数のミリ波が有利である。例えば、周波数24.15GHz、レンズ直径70mmの条件であっても、測定距離を70mmへと近づけることで、ミリ波照射範囲の直径は11.6mmまで小さくすることができる。
【符号の説明】
【0031】
10 缶詰
12 紙箱
14 コンベア
16 タイミングセンサ
18 発信器
20 分配器
22 送信器
24 誘電体レンズ
26 受信器
28 位相検出器
30 制御機器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填・密封済みの缶詰における内圧値を判定する方法であって、
少なくとも前記缶詰の底面の略中心点と、該略中心点から外周側へと所定間隔離れた基準点とを測定点とし、該各測定点に対し、周波数18〜94GHz、照射範囲の直径が20mm以下のミリ波を照射し、該各測定点における反射波を測定する工程と、
前記各測定点における反射波の位相から、前記缶詰の略中心点における変位量を特定し、得られた変位量に基づいて缶詰の内圧の良否を判定する工程と
を備えることを特徴とする缶詰の内圧判定方法。
【請求項2】
前記ミリ波の照射範囲の直径が10mm以下であることを特徴とする請求項1記載の缶詰の内圧判定方法。
【請求項3】
前記缶詰が箱に収容されており、該箱が搬送されている状態で、該箱の外部から該缶詰底面の各測定点に対してミリ波を照射し、各測定点における反射波を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の缶詰の内圧判定方法。
【請求項4】
少なくとも前記缶詰の底面の略中心点と、該略中心点から外周側へと等間隔離れた二点の基準点を測定点とし、該各測定点において、照射したミリ波の位相と反射波の位相との位相差を測定し、二点の基準点の位相差の平均値と略中心点の位相差とを比較することによって、該略中心点の変位量を特定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の缶詰の内圧判定方法。
【請求項5】
前記缶詰の底面の外周側から略中心点を通過して反対側へと、連続的にミリ波を照射し、得られた反射波の連続的な位相変化を形状データとし、該形状データから略中心点の変位量を特定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の缶詰の内圧判定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−189374(P2012−189374A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51634(P2011−51634)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 電子情報通信学会技術研究報告 信学技報(IEICE Technical Report) Vol.110 No.307の表紙、奥付、及び「ミリ波を用いた金属缶の缶内圧測定に関する基礎検討」掲載頁(15〜20頁)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【Fターム(参考)】