説明

置換されたピリジルオキシアルキルアミド類及びそれらの殺菌剤としての使用

一般式(1)の殺菌化合物、又は対応のピリジンN−オキシドであり、ここで、X、Y、R1、R2、R3、R4及びR5は記載した定義の通りである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規N-アルキニル-2-(置換されたピリジルオキシ)アルキルアミド類、それらの調製方法、それらを含む組成物、及び真菌類(特に植物の真菌性感染)と戦うためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一定のピリジル-及びピリミジニルオキシ(チオ)アルカン酸アミド誘導体は、例えば農業及び園芸の殺菌剤としてのそれらの使用と共にWO 99/33810及びUS 609081に発表された。一定のN-アルキニル-2-(置換されたフェノキシ)-アルキルアミドは、除草剤として有用であるとしてUS 4,116, 677において発表された。他は殺シロカビ剤(mildewicides)として有用であるとしてUS 4,168, 319に発表された。いくつかのN-ジメチル-プロピニル-α-メトキシ-、及びα-エトシキ-α-(置換されたフェノキシ)アセトアミドは、殺ダニ剤としての使用がUS 4,062, 977中で発表され、そして化合物N-ジメチルプロピニル-α-メトキシ-α-(3,5-ジメチルフェノキシ)アセトアミドは、除草剤としての使用がUS 4,083, 867に発表された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、植物殺菌剤として使用するための特定のN-アルキニル-2-(置換されたピリジルオキシ)アルキルアミドの調整に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明に従い、一般式(1)の化合物:
【化1】

又は、対応のピリジンN-オキシドを提供し、式中、X及びYは独立してハロゲン(例えばフッ素、塩素及び臭素)、C1-4アルキル(例えばメチル)、ハロ(C1-4)アルキル(例えばトリフルオロメチル)、C2-4アルケニル(例えばビニル)、ハロ(C2-4)アルケニル、C2-4アルキニル(例えばエチニル)、ハロ(C2-4)アルキニル、C1-4アルコキシ(例えばメトキシ)、ハロ(C1-4)アルコキシ(例えばトリフルオロメトキシ)、-S(O)n(C1-4)アルキル(ここでnは0、1又は2であり、及びアルキル基はフッ素で任意に置換され(例えばメチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルチオ、及びトリフルオロメチルスルホニル))、-OSO2(C1-4)アルキル(ここでアルキル基はフッ素(例えばトリフルオロメチルスルホニルオキシ)により任意に置換される)、シアノ、ニトロ、C1-4アルコキシカルボニル(例えばメトキシカルボニル)、-CONR'R"、-COR'、-NR'COR"、-NR'CO2R'''(ここでR'及びR"は独立してH又はC1-4アルキルであり、及びR"'はC1-4アルキル(例えばアセチル、-NHCOCH3及び-NHCO2CH3)であり、又は任意に置換されたフェニルであり)であり、或いはYはHであり;
R1は、直鎖C1-4アルキル基(例えばメチル、エチル、n-プロピル及びn-ブチル)であり;
R2は、H、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル又はベンジルオキシメチル(ここでベンジル部位のフェニル環は任意にC1-4アルコキシで置換され)であり;
R3及びR4は、両方が揃ってHではなく、そして両方がH以外である場合、それらの結合した総炭素原子は4を超えないことを条件として、独立してH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル又はC2-3アルキニルであるが、或いは
R3及びR4は、任意に1個のO、S又はN原子を含む3又は4員炭環を形成するためにそれらを結合した炭素原子に連結し、そして任意にハロゲン又はC1-4アルキルで置換され;そして
R5はH、C1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり(ここでアルキル又はシクロアキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、シアノ、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、モノ-又はジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、-S(O)n(C1-6)アルキル(ここでnは0、1又は2であり)、トリアゾリル(例えば1,2,4-トリアゾール-1-イル)、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、任意に置換されたフェノキシ、任意に置換されたチエニルオキシ、任意に置換されたベンジルオキシ又は任意に置換されたチエニルメトキシにより任意に置換され、或いは
R5は任意に置換されたフェニル、任意に置換されたチエニル又は任意に置換されたベンジルであり;
ここで任意に置換されたX、Y及びR5官能基(values)のフェニル及びチエニル環は、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキシ、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、ハロ(C1-4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)-アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、シアノ、イソシアノ、チオシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、-NRmRn、-NHCORm、-NHCONRmRn、-CONRmRn、-SO2Rm、-OSO2Rm、-CORm、-CRm=NRn又は-N=CRmRn(ここでRm及びRnは独立して水素、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジル(当該フェニル及びベンジル基は、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシにより任意に置換され))から選定された1、2又は3個の置換基により任意に置換される。
【0005】
本発明の化合物は、少なくとも1の不斉炭素原子を含み(そしてR3及びR4が異なる場合は少なくとも2つ)、そしてエナンチオマーとして(又はジアステレオマーの対として)或いはその混合物として存在してよい。しかしながら、これらの混合物は個々の異性体又は異性体の対で分離されてよく、そして本発明は、全ての比率の中で、かかる異性体及びそれらの混合物を包含する。任意の所定の化合物について、一つの異性体は、他の異性体よりも殺真菌的により活性であることが期待される。
【0006】
特に制限がある場合を除き、アルキル基、及びアルコキシ、アルキルチオ等のアルキル部位は、適当には直鎖又は側鎖の形態にある1から4の炭素原子を含む。例示すると、メチル、エチル、n-及びイソ-プロピル、並びにn-、sec-、iso-及びtert-ブチルである。例えばn-ペンチル及びn-ヘキシルのように、アルキル部位では5又は6個の炭素原子を含む。
【0007】
アルケニル及びアルキニル部位は、直鎖又は側鎖の形態にある2から4個の炭素原子も適切に含む。例えばアリル、エチニル及びプロパルギルである。
【0008】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。最も通常にはフッ素、塩素又は臭素であり、普通フッ素又は塩素である。
【0009】
置換基Xは、典型的にフッ素、塩素、臭素、メチル、シアノ、フェニル、アセチル、ビニル、エチニル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、トリフルオロメチルチオ、メトキシカルボニル、メチルカルボニルアミノ又はメトキシカルボニルアミノである。特に重要には、Xが塩素又は臭素、及び特に塩素である化合物である。
【0010】
Yは、典型的にH、ハロゲン(例えばフッ素又は塩素)又はメチルであるが、しかし好適にはHである。
【0011】
R1はメチル、エチル、n-プロピル又はn-ブチルである。メチル及びエチルは、R1-の好適な官能基である。
【0012】
典型的にR2はHであり、そしてR3及びR4の少なくとも1つが、好適には両方がメチルである。R3及びR4の一つがHである場合、他方はメチル、エチル、或いはn-プロピル又はイソ-プロピルであってよい。R3及びR4の一つがメチルである場合、他方はH又はエチルであってよいが、しかし好適にはやはりメチルである。R2はC1-4アルコキシメチル及びベンジルオキシメチルも含み、ここでベンジル基のフェニル環は、任意にアルコキシ置換基、例えばメトキシ置換基を運搬する。R2のかかる官能基は、プロ-殺虫化合物として信じられている式(1)の化合物を提供する。
【0013】
典型的にR5はH、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、1-メトキシエチル、tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル、3-シアノプロピル、3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル、3-メチルチオプロピル、3-メタンスルフィニルプロピル、又は3-メタンスルホニルプロピルである。特に重要にはR5がメチル、メトキシメチル、又はシアノプロピルである化合物である。
【0014】
1の観点では、本発明は一般式(1)の化合物を提供し、式中X及びYは独立してハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、任意に置換されたフェニル、シアノ、又は-COR'(ここでR'はH又はC1-4アルキルであり)、或いはYはHであり;R1は直鎖C1-4アルキル基であり;R2はH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル、又はベンジルオキシメチル(ここでベンジル部位のフェニル環は、任意にC1-4アルコキシにより置換され)であり;R3及びR4は、両方揃ってHではなく、そして両方がH以外である場合、それらの結合した総炭素原子は4を超えないことを条件として、独立してH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル又はC2-3アルキニルであり、或いはR3及びR4は、任意に1個のO、S又はN原子を含む3又は4員炭環を形成するためにそれらの結合した炭素原子に連結し、及び任意にハロゲン又はC1-4アルキルにより置換され;並びにR5はH、C1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり(ここで当該アルキル又はシクロアルキル基はハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、シアノ、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、又はモノ-又はジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、任意に置換されたフェノキシ、任意に置換されたチエニルオキシ、任意に置換されたベンジルオキシ又は任意に置換されたチエニルメトキシにより任意に置換され)、或いはR5は、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたチエニル又は任意に置換されたベンジルであり(ここで任意に置換されたX、Y及びR5官能基のフェニル及びチエニル環は、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキシ、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、ハロ(C1-4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、シアノ、イソシアノ、チオシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、-NRmRn、-NHCORm、-NHCONRmRn、-CONRmRn、-SO2Rm、-OSO2Rm、-CORm、-CRm=NRn又は-N=CRmRn(式中Rm及びRnは独立して水素、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジルであり、当該フェニル及びベンジル基は任意にハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシにより置換される)から選定された1、2又は3個の置換基により任意に置換される)である。
【0015】
他の観点では、本発明は一般式(1)の化合物を提供し、式中Xは、塩素又は臭素であり;YはHであり;R1はメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチルであり;R2はHであり;R3及びR4は共にメチルであり;及びR5はH、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、1-メトキシエチル、tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル、3-シアノプロピル、3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル、3-メチルチオプロピル、3-メタンスルフィニルプロピル、及び3-メタンスルホニルプロピルである。好適にはR1はメチル又はエチルである。好適にはR5は、メチル、メトキシメチル又はシアノプロピルである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一部分からの化合物は、以下の表1から28で図解される。
【0017】
表1の化合物は、一般式(1)のものであり、ここでR1はエチルであり、R2はHであり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はメチルであり、並びにX及びYは表中の所定の官能基を有する。
【表1】

【0018】
表2は一般式(1)の28の化合物から成り、式中R1はメチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はメチルであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有する。従って、表2の化合物1は、表2の化合物1のR1がエチルの代わりにメチルであることを除き、表1の化合物と同一である。同様に、表2の化合物2から28は、表2の化合物のR1がエチルの代わりにメチルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0019】
表3は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-プロピルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、及びR5はメチルであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有する。従って、表3の化合物1は、表3の化合物1のR1がエチルの代わりにn-プロピルであることを除けば、表1の化合物と同じである。同様に、表3の化合物2から28は、表3の化合物のR1がエチルの代わりにn-プロピルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0020】
表4は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-ブチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はメチルであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有す。従って、表4の化合物1のR1がエチルの代わりにn-ブチルであることを除けば、表1の化合物と同一である。同様に、表4の化合物2から28は、表4の化合物のR1がエチルの代わりにn-ブチルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0021】
表5は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はエチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は水素であり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有す。従って、表5の化合物1のR5がメチルの代わりに水素あることを除けば、表1の化合物1と同一である。同様に、表5の化合物2から28は、表5の化合物のR5がメチルの代わりに水素であることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0022】
表6は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はメチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はHであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有す。従って、表6の化合物1のR5がメチルの代わりに水素であることを除けば、表2の化合物1と同一である。同様に、表6の化合物2から28は、表6の化合物のR5がメチルの代わりにHであることを除けば、それぞれ表2の化合物2から28と同じである。
【0023】
表7は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-プロピルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、並びにR5はHであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有す。従って表7の化合物1のR5がメチルの代わりにHであることを除けば、表3の化合物1と同一である。同様に、表7の化合物2から28は、表7の化合物のR5がメチルの代わりにHであることを除けば、それぞれ表3の化合物2から28と同じである。
【0024】
表8は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-ブチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はHであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有す。従って表8の化合物1のR5がメチルの代わりにHであることを除けば、表4の化合物1と同一である。同様に、表8の化合物2から28は、表8の化合物のR5がメチルの代わりにHであることを除けば、それぞれ表4の化合物2から28と同じである。
【0025】
表9は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はエチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はヒドロキシメチルであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有す。従って表9の化合物1のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、表1の化合物1と同一である。同様に、表9の化合物2から28は、表9の化合物のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0026】
表10は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はメチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はヒドロキシメチルであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有する。従って表10の化合物1のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、表2の化合物1と同じである。同様に、表10の化合物2から28は、表10の化合物のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、それぞれ表2の化合物2から28と同じである。
【0027】
表11は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-プロピルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、並びにR5はヒドロシキメチルであり、並びにX及びYは表1に載せた官能基を有す。従って表11の化合物1のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、表3の化合物1と同一である。同様に、表11の化合物2から28は、表11の化合物のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、それぞれ表3の化合物2から28と同じである。
【0028】
表12は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-ブチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はヒドロキシメチルであり、並びにX及びYは表1で載せた官能基を有す。従って表12の化合物1のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、表4の化合物1と同一である。同様に、表12の化合物2から28は、表12の化合物のR5がメチルの代わりにヒドロキシメチルであることを除けば、それぞれ表4の化合物2から28と同じである。
【0029】
表13は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はエチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はメトキシメチルであり、並びにX及びYは表1で載せた官能基を有す。従って、表13の化合物1のR5がメチルの代わりにメトキシメチルであることを除けば、表1の化合物1と同一である。同様に、表13の化合物2から28は、表13の化合物のR5がメチルの代わりにメトキシメチルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0030】
表14は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はメチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はメトキシメチルであり、並びにX及びYは表1で載せた官能基を有する。従って、表14の化合物1のR5がメチルの代わりにメトキシメチルであることを除けば、表2の化合物1と同一である。同様に、表14の化合物2から28は、表14の化合物のR5がメチルの代わりにメトキシメチルであることを除けば、それぞれ表2の化合物2から28と同じである。
【0031】
表15は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-プロピルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、並びにR5はメトキシメチルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有する。従って、表15の化合物1のR5がメチルの代わりにメトシキメチルであることを除けば、表3の化合物1と同一である。同様に、表15の化合物2から28は、表15の化合物のR5がメチルの代わりにメトキシメチルであることを除けば、それぞれ表3の化合物2から28と同じである。
【0032】
表16は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-ブチル、R2は水素、R3及びR4は共にメチルであり、R5はメトキシメチルであり、並びにX及びYは表1で載せた官能基を有する。従って、表16の化合物1のR5がメチルの代わりにメトキシメチルであることを除けば、表4の化合物1と同一である。同様に、表16の化合物2から28は、表16の化合物のR5がメチルの代わりにメトキシメチルであることを除けば、それぞれ表4の化合物2から28と同じである。
【0033】
表17は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はエチル、R2は水素、R3及びR4は共にメチルであり、R5は第三-ブチルジメチルシリルオキシメチルであり、並びにX及びYは表1で載せた官能基を有する。従って、表17の化合物1のR5がメチルの代わりに第三−ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、表1の化合物1と同一である。同様に、表17の化合物2から28は、表17の化合物のR5がメチルの代わりに第三-ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0034】
表18は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はメチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はtert-ブチルジメチルシリルオキシメチルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表18の化合物1のR5がメチルの代わりにtert-ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、表2の化合物1と同一である。同様に、表18の化合物2から28は、表18の化合物のR5がメチルの代わりにtert-ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、それぞれ表2の化合物2から28と同じである。
【0035】
表19は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-プロピルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はtert-ブチルジメチルシリルオキシメチルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表19の化合物1のR5がメチルの代わりに第三−ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、表3の化合物1と同一である。同様に、表19の化合物2から28は、表19の化合物のR5がメチルの代わりに第三-ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、それぞれ表3の化合物2から28と同じである。
【0036】
表20は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-ブチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5はtert-ブチルジメチルシリルオキシメチルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表20の化合物1のR5がメチルの代わりにtert−ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、表4の化合物1と同一である。同様に、表20の化合物2から28は、表20の化合物のR5がメチルの代わりにtert-ブチルジメチルシリルオキシメチルであることを除けば、それぞれ表4の化合物2から28と同じである。
【0037】
表21は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はエチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は1-メトキシエチルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表21の化合物1のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、表1の化合物1と同一である。同様に、表21の化合物2から28は、表21の化合物のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0038】
表22は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はメチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は1-メトキシエチルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表22の化合物1のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、表2の化合物1と同一である。同様に、表22の化合物2から28は、表22の化合物のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、それぞれ表2の化合物2から28と同じである。
【0039】
表23は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-プロピルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は1-メトキシエチルあり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表23の化合物1のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、表3の化合物1と同一である。同様に、表23の化合物2から28は、表23の化合物のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、それぞれ表3の化合物2から28と同じである。
【0040】
表24は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-ブチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は1-メトキシエチルあり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表24の化合物1のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、表4の化合物1と同一である。同様に、表24の化合物2から28は、表24の化合物のR5がメチルの代わりに1-メトキシエチルであることを除けば、それぞれ表4の化合物2から28と同じである。
【0041】
表25は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はエチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は3-シアノプロピルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表25の化合物1のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、表1の化合物1と同一である。同様に、表25の化合物2から28は、表25の化合物のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、それぞれ表1の化合物2から28と同じである。
【0042】
表26は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はメチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は3-シアノプロピルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表26の化合物1のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、表2の化合物1と同一である。同様に、表26の化合物2から28は、表26の化合物のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、それぞれ表2の化合物2から28と同じである。
【0043】
表27は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-プロピルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、及びR5は3-シアノプロピルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表27の化合物1のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、表3の化合物1と同一である。同様に、表27の化合物2から28は、表27の化合物のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、それぞれ表3の化合物2から28と同じである。
【0044】
表28は一般式(1)の28化合物から成り、ここでR1はn-ブチルであり、R2は水素であり、R3及びR4は共にメチルであり、R5は3-シアノプロピルであり、並びにX及びYは、表1で載せた官能基を有す。従って、表28の化合物1のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、表4の化合物1と同一である。同様に、表28の化合物2から28は、表28の化合物のR5がメチルの代わりに3-シアノプロピルであることを除けば、それぞれ表4の化合物2から28と同じである。
【0045】
式(1)の化合物は以下のスキーム1から3の概略により調製することができ、ここでX、Y、Z、R1、R2、R3、R4及びR5は上記所定の意味を有し、RはC1-4アルキル、Lはハロゲン化物(例えばヨウ化物)のような脱離基、或いはアルキル又はアリールスルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ及びトシルオキシ又はトリフレートであり、Halはハロゲンであり、Raはハロゲン又はC1-3アルキルであり、Rbは水素又はC1-3アルキルであり、但しRa及びRb中の炭素総数が3を超えないことを条件とし、RcはC1-6アルキルであり、任意に置換されたベンジル又は任意に置換されたチエニルメチルである。
【0046】
一般式(1)の化合物はスキーム1に示す通り調製され得る。式(4)のエステルは、t-ブトキシドカリウムのような塩基の存在下、t-ブタノールのような適切な溶媒中において、式(2)のピリジノール及び式(3)の化合物との反応により形成することができ、式中Lは、塩素又は臭素原子、或いはメシレート又はトシレート基のような脱離基である。式(4)のエステルは、水性アルコールROH(RはC1-4アルキル基)中で、室温と還流温度の間で、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物により処理されることによって、式(7)の酸へ加水分解され得る。式(5)の酸は、HOBT(1-ヒドロキベンゾトリアゾール(1-hydroxybenztriazole))及びEDC N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]N'-エチルカルボジイミドハイドロクロライド)のような適した活性化剤を用いて、一般式(1)の化合物を与えるため、式(6)のアミンと縮合され得る。
【化2】

【0047】
スキーム2に示す通り一般式(6)のアミン(式中R2はHである)は、一般式(10)のアミンに相当し、及びn-ブチルリチウムのような、適した塩基を用いて一般式(8)のシリル-保護されたアミノアルキンのアルキル化、引き続き、一般式(9)のアルキル化された化合物を形成するため、適したアルキル化剤R5L(例えばヨウ化メチルのようなヨウ化アルキル等)と反応させることにより調製することができる。同様な手順において、一般式(8)のシリル保護されたアミノアルキンは、ヒドロキシアルキル部位を含むアミノアルキン(9)を提供するために、n-ブチルリチウムとのような、適した塩基を用いて、更に例えばホルムアルデヒドのようなカルボニル誘導体RaCORbと反応させることができる。当該シリル保護基は、その後、一般式(10)のアミノアルキンを形成するため、例えば水性酸により一般式(9)の化合物から除去することができる。一般式(10)のアミノアルキンを、例えば、R5がヒドロキシアルキル基である場合、一般式(10a)の酸素へシリル化された誘導体を与えるために、例えばシリル化剤(R)3SiCl(例えばt-ブチルジメチルシリルクロライド)と一般式(10)の化合物を反応させることにより、更に誘導してよい。更に、一般式(10)の化合物は、一般式(10b)の化合物を与えるために、水素化ナトリウム又はカリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の塩基で処理してよく、引き続き、化合物RcLで処理してよい。その他の一般式(9)の化合物の順序は、一般式(11)の化合物を与えるために、ナトリウム又はカリウムビス(トリメチルシリルアミド)等の塩基により処理されてよく、引き続き化合物RcL(Lは、例えばヨウ化エチル、ハロゲン、又はOSO2Me、又はOSO2-4-トリル等のスルホネートエステルを表す)により処理されてよく、シリル保護基を除去した後、一般式(10b)の化合物を与える。
【0048】
式中R5が例えば3-クロロプロピルである一般式(9)の化合物は、一般式(13)の化合物を与えるために、金属シアニド塩と反応させることができ、その後、一般式(14)の化合物のアミンを与えるために、例えば水性酸により加水分解させることができる。一般式(9)の化合物は、式中R5は例えば3-クロロプロピルであり、例えば、一般式(12)のアミンを与えるために水性酸により加水分解させることができる。
【化3】

【0049】
一般式(8)のシリル保護されたアミノアルキンは、例えばトリアチルアミンといった第三有機アミン塩基のような、適切な塩基の存在下で、一般式(7)のアミンと1,2-ビス-(クロロジメチルシリル)エタンとの反応により得ることができる。
【0050】
一般式(7)のアミンは商業的に入手し得るか、又は標準的な文献方法(例えばEP-A-0834498参照)により調製できるかのいずれかである。
【0051】
スキーム3に示す通り、一般式(1)の化合物(式中R5は例えば3-クロロプロピルである)は、一般式(15)の化合物を与えるために、例えばシアン化ナトリウム等の金属シアニド塩等の多様な求核試薬と、一般式(16)の化合物を与えるために、例えばナトリウムメトキシド等の金属アルコキシドと、一般式(17)の化合物を与えるために、トリエチルアミン等の塩基の存在下で1,2,4-トリアゾールと、そして一般式(18)の化合物を与えるために、例えばナトリウムメタンチオラート等の金属チオアルコキシドとを反応させることができる。一般式(18)の化合物は、一般式(19)のスルホキシドを与えるために過ヨウ素酸ナトリウム等の酸化剤により処理することができ、又は一般式(20)のスルホンを与えるためにm-クロロペル安息香酸等の酸化剤により処理することができる。
【0052】
【化4】

式(1)の化合物は活性殺菌剤であり、そして1以上の以下の病原体:米及び小麦の上のPyricularia oryzae(Magnaporthe grisea)、並びに他の宿主上のPyricularia spp.;小麦上のPuccinia triticina(又はrecondita)、Puccinia striiformis及び他の錆菌類、大麦上のPuccinia hordei、Puccinia striiformis及び他の錆菌類、並びに他の宿主上の錆菌類(例えば芝生、ライ麦、コーヒー、洋ナシ、リンゴ、ピーナツ、甜菜糖(sugar beet)、野菜及び装飾用植物);ウリ科植物(例えばメロン)上のErysiphe cichoracearum;大麦、小麦、ライ麦及び芝生上のBlumeria(又はErysiphe)graminis(粉体白カビ)、並びに多種の宿主上の他の粉体白カビ(ホップ上のSphaerotheca macularis、ウリ科植物(例えばキュウリ)上のSphaerotheca fusca(Sphaerotheca fuliginea)、トマト、ナス及びピーマン上のLeveillula taurica、リンゴ上のPodosphaera leucotricha並びにつる植物(vines)上のUncinula necator等);穀物(例えば 小麦、大麦、ライ麦)、芝生及び他の宿主上のCochliobolusspp.、Helminthosporium spp.、Drechslera spp.(Pyrenophora spp.)、Rhynchosporium spp.、Mycosphaerella graminicola(Septoria tritici)及びPhaeosphaeria nodorum(Stagonospora nodorum又はSeptoria nodorum)、Pseudocercosporella herpotrichoides、及びGaeumannomyces graminis;ピーナツ上のCercospora arachidicola、及びCercosporidium personatum、並びに他の宿主(例えば甜菜糖, バナナ, 大豆及び米)上のCercospora spp.;トマト、イチゴ、野菜、つる植物及び他の宿主上のBotrytis cinerea(grey mould)、並びに他の宿主上の他のBotrytis spp.;野菜(例えばニンジン)、ナタネ油、リンゴ、トマト、ポテト、穀物(例えば小麦)、及び他の宿主上のAlternaria spp.;リンゴ、洋ナシ、核果、木の実、及び他の宿主上のVenturia spp.(Venturia inaequalis(scab)を含む);穀物(例えば小麦)及びトマトを含む宿主の部類上のCladosporium spp.;核果、木の実及び他の宿主上のMonilinia spp.,;トマト、芝生、小麦、ウリ科植物及び他の宿主上のDidymella spp.;ナタネ油、芝生、米、ポテト、小麦及び他の宿主上のPhoma spp.;小麦、木材(lumber)及び他の宿主上のAspergillus spp.及びAureobasidium spp.;エンドウ、小麦、大麦及び他の宿主上のAscochyta spp.;リンゴ、洋ナシ、タマネギ及び他の宿主上のStemphylium spp.(Pleospora spp.);リンゴ及び洋ナシ上のサマーディジィーズ(例えばビターロット(Glomerellacingulata)、ブラックロット又はフロッグアイリーフスポット(frogeye leaf spot)(Botryosphaeria obtusa)、ブルックススルーツスポット(Brooks fruit spot)(Mycosphaerella pomi)、シーダーアップル錆病(Cedar apple rust)(Gymnosporangium juniperi-virginianae)、すすけたしみ(sooty blotch)(Gloeodespomigena)、小さいしみ(flyspeck)(Schizothyrium pomi)、及びホワイトロット(Botryosphaeria dothidea));つる植物上のPlasmopara viticola;レタス上のBremialactucae等の他の綿毛の生えた白カビ、大豆、タバコ、タマネギ及び他の宿主上のPeronospora spp.,ホップ上のPseudoperonospora humuli、及びウリ科植物上のPseudoperonospora cubensis;芝生及び他の宿主上のPythium spp.(Pythium ultimumを含む);ポテト及びトマト上のPhytophthora infestans、並びに野菜, イチゴ, アボカド, コショウ, 装飾用植物(ornamental)、タバコ、ココア及び他の宿主上の他のPhytophthora spp.;米及び芝生上のThanatephorus cucumeris、並びに小麦及び大麦、ピーナツ、野菜、綿花及び芝生等の多様な宿主上の他のRhizoctonia spp.;芝生、ピーナツ、ポテト、ナタネ油及び他の宿主上のSclerotinia spp.;芝生、ピーナツ及び他の宿主上のSclerotium spp.;米上のGibberella fujikuroi;芝生, コーヒー及び野菜を含む宿主の部類上のColletotrichum spp.;芝生上のLaetisaria fuciformis;バナナ、ピーナツ、柑橘類、ピカン、パパイヤ及び他の宿主上のMycosphaerella spp.;柑橘類、大豆、メロン、洋ナシ、ルピナス(lupin)及び他の宿主上のDiaporthe spp.;柑橘類、つる植物、オリーブ、ピカン、バラ及び他の宿主上のElsinoe spp.;ホップ、ポテト及びトマトを含む宿主の部類上のVerticillium spp.;ナタネ油及び他の宿主上のPyrenopeziza spp.;脈管層を枝先から枯らす原因となるココア上のOncobasidium theobromae;多様な宿主上にあるが、特に小麦、大麦、芝生及びトウモロコシ上のFusarium spp.、Typhula spp.、Microdochium nivale,Ustilago spp.、Urocystis spp.、Tilletia spp、及びClaviceps purpurea;甜菜糖、大麦及び他の宿主上のRamularia spp.;特に果物の収穫後の疾患(例えばオレンジ上のPenicillium digitatum、Penicillium italicum、及びTrichoderma viride、バナナ上のColletotrichum musae及びGloeosporium musarum、並びにブドウ上のBotrytiscinerea);他のつる植物上の病原菌、特に、Eutypa lata、Guignardia bidwellii、Phellinus igniarus、Phomopsis viticola、Pseudopeziza tracheiphila、及びStereum hirsutum;木又は木材上の他の病原菌(例えばLophodermium seditiosum)、特にCephaloascus fragrans、Ceratocystis spp.、Ophiostoma piceae、Penicillium spp.、Trichoderma pseudokoningii、Trichoderma viride、Trichoderma harzianum、Aspergillus niger、Leptographium lindbergi、及びAureobasidium pullulans;並びにウィルス性疾患の真菌類ベクター(例えば、大麦黄色モザイクウィルス(BYMV)のベクターとして穀物上のPolymyxagraminis、及びrhizomaniaのベクターとして甜菜糖上のPolymyxa betae)、を制御するために使用することができる。
【0053】
一般式(1)の化合物は、特にPhytophthora infestans、Plasmopara species等の病原体のOomyceteクラス(例えばPlasmopara viticola及びPythium species、例えばPythiumultimum)に対して良好な活性を見せる。
【0054】
式(1)の化合物は、1以上菌類に対して活性がある植物組織中に求頂的に、求底的に又は局所的に移動できる。更に、式(1)の化合物は、植物上の1以上の菌類に対して蒸気相において活性であるに十分である揮発性であってよい。
【0055】
従って本発明は、植物病原性菌類との戦い又は制御方法を提供し、式(1)の化合物、又は式(1)の化合物を含む組成物の植物への、植物の種への、植物の所在箇所もしくは種の所在箇所へ、又は土へ、或いは他の任意の植物成長媒体(例えば栄養液)への殺菌剤効果量を適用させることを含んで成る。
【0056】
本明細書において使用される用語“植物”とは、苗木(seedlings)、低木(bushes)及び木を含む。更に、本発明の当該殺菌方法は、保護剤(protectant)、治療剤、全組織、根及び抗胞子(antisporulant)治療を含む。
【0057】
式(1)の化合物は好適には組成物の形態にある農業、園芸及び芝生を目的とするための使用である。
【0058】
式(1)の化合物を植物へ、植物の種へ、植物もしくは種の所在箇所へ、又は土へ、或いは他の任意の成長媒体へ適用させる目的のために、式(1)の化合物は、通常、更に式(1)の化合物、適切な不活性希釈剤又は担体、及び任意に界面活性化剤(SFA)を含んで成る組成物へと製剤化される。SFAsは、界面張力を低下させることにより、界面の特性(例えば、液体/固体、液体/空気、又は液体/液体の境界面)を改変することができる化学物質であり、それによって他の特質(例えば分散、乳化及び湿式)へ変化させることを導く。全ての組成物(固体及び液体の両製剤)が、式(1)の化合物を0.0001から95重量%で含まれることが好適であり、更に好適には1から85%、例えば5から60%含まれる。当該組成物は、一般的に式(1)の化合物がヘクタール当り、0.lgからlOkgの割合で適用され、好適にはヘクタール当りlgから6kg適用され、更に好適にはヘクタール当りlgから1kg適用されるので、菌類を制御するために使用される。
【0059】
シードドレッシングの中で使用する場合、式(1)の化合物は、種のキログラム当り、O.OOOlgからlOg(例えばO.OOlg又は0.05g)、好適には0.005gからlOg、より好適には0.005gから4gの比率で使用される。
【0060】
本発明の他の観点では、式(1)の化合物の殺菌効果量を含む殺菌組成物、及びそれらの適した担体又は希釈剤を提供する。
【0061】
本発明の更なる観点では、所在箇所で菌類と戦い、そして所在箇所で菌類を調節するための方法を提供し、当該方法は、式(1)の化合物を含む組成物を殺菌効果量で菌類、又は菌類の所在箇所で処理することを含む。
【0062】
当該組成物は、粉末性パウダー(dustable powders :DP)、可溶性パウダー(SP)、水溶性細粒(SG)、水分散性細粒(water dispersible granules:WG)、湿式パウダー(WP)、細粒(GR)(除放又は速放(fast release))、可溶性濃縮物(SL)、オイル混和性液体(OL)、超低容量液体(ultra low volume liquids:UL)、乳化性濃縮物(emulsifiable concentrates:EC)、分散性濃縮物(dispersible Concentrates:DC)、エマルション(水中のオイル(EW)及びオイル中の水(EO)の両方)、マイクロエマルション(ME)、懸濁剤濃度(suspension concentrates:SC)、エアロゾル、霧/煙製剤、カプセル懸濁剤(CS)、及び種処理製剤を含む、多くの製剤タイプから選定することができる。任意の例から選定された製剤タイプは、式(1)の化合物の特定の視野から見た目的並びに物理学的、化学的及び生物学的特質に依存するであろう。
【0063】
粉末性パウダーは(DP)は、1以上の固形希釈剤(例えば、天然粘土、カオリン、パイロフィライト(pyrophyllite)、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト(montmorillonite)、キーゼルグール(kieselguhr)、白亜(chalk)、珪藻土(diatomaceous earths)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク、及び他の有機及び無機固形担体)と式(1)の化合物を混合することにより、そして良好なパウダーのために機械的に当該混合物を粉砕することにより調製され得る。
【0064】
可溶性パウダー(SP)は、水分散性/溶解性を改良するために、1以上の水溶性無機塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、又は硫酸マグネシウム等)、又は1以上の水溶性有機固形物(ポリサッカライド等)、及び任意に1以上の浸潤剤、1以上の分散剤、又は前記試薬の混合物、と式(1)の化合物を混合することにより調製され得る。当該混合物をその後良好な粉末にするための基礎とする。同様に組成物は水溶性細粒(SG)を形成するために細粒化してもよい。
【0065】
湿式パウダー(WP)は、液体中の分散を促進するため、1以上の固形希釈剤又は担体、1以上の浸潤剤、及び好適には1以上の分散剤、及び任意に1以上の懸濁剤、と式(1)の化合物を混合することにより調製され得る。当該混合物を、その後、良好なパウダーにするための基礎とする。同様に組成物も水分散性細粒(WG)を形成するために細粒化してよい。
【0066】
細粒(GR)は、式(1)の化合物と1以上の粉体化固形希釈剤又は担体の混合物を細粒化することにより、或いは多孔性粒状材料(軽石、アタパルフジャイト粘土(attapulgite clays)、酸性白土、キーゼルグール、珪藻土又はground corn cobs等)中に式(1)の化合物(もしくは適した試薬中のそれらの溶液)を吸収させることによる、又はハードコア材料(砂、シリケート、ミネラルカルボネート、スルフェート又はホスフェートのような)へ式(1)の化合物(もしくは適した試薬中のそれらの溶液)を吸収させることによる、前もって形成されたブランク細粒から、のいずれかにより形成することができ、そして必要ならば乾燥させてよい。一般的に吸収を補助するため、又は吸収のために使用される試薬は、溶媒(脂肪族性及び芳香属性石油溶媒、アルコール類、エーテル類、ケトン類及びエステル類等)、及び固着剤(sticking agents)(ポリビニルアセテート類、ポリビニルアルコール類、デキストリン類、糖類及びベジタブルオイル類等)を含む。1以上の他の付加物も細粒中に含んでよい(例えば乳化剤、浸潤剤又は分散剤)。
【0067】
分散性濃縮物(DC)は、水、或いはケトン、アルコール又はグリコールエーテル等の有機溶媒中に、式(1)の化合物を溶解させることにより調製することができる。これらの溶液は界面活性剤(例えば水希釈を改良するため、又はスプレータンク中の結晶化を予防するため)を含んでよい。
【0068】
乳化性濃縮物(EC)又は水中のオイルエマルション(EW)は、有機溶媒中で(任意に、1以上の浸潤剤、1以上の乳化剤又は前記試薬の混合物を含む)式(1)の化合物を溶解させることにより調製され得る。ECs中での使用のために適する有機溶媒は、芳香族性炭化水素類(商標登録されたSOLVESSO;SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200により例証されるアルキルベンゼン類又はアルキルナフタレン類等)、ケトン類(シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノン等)、アルコール類(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノール等)、N-アルキルピロリドン類(N-メチルピロリドン又はN-オクチルピロリドン等)、脂肪酸のジメチルアミド類(C8-C10脂肪酸ジメチルアミド等)、並びに塩素化された炭化水素類を含む。適宜装備を通すスプレーへの適用を可能にするに十分な安定性を有すエマルションを生産するために、EC生成物に水を付加して自発的に乳化させてよい。EWの調製は、液体として(室温で液体でない場合は、合理的な温度、典型的に70℃未満、で溶解させてよい)、又は溶液中(適宜溶媒中で溶解されることによる)のいずれかで、式(1)の化合物を得て、その後、エマルションを生成するために、高いせん断下(under high shear)において、1以上のSFAsを含む水の中の液体又は固体の結果物を乳化することに関与する。EWs中での使用のために適した溶媒は、ベジタブルオイル類、塩素化された炭化水素類(クロロベンゼン等)、芳香族性溶媒類(アルキルベンゼン類、又はアルキルナフタレン類等)、及び水への溶解性が低い他の適切な有機溶媒を含む。
【0069】
マイクロエマルション(ME)は、熱力学的に安定な等方性の液体製剤を自発的に生産するために、1以上の溶媒と1以上のSFAsを混ぜた水を混合することにより調製してよい。式(1)の化合物は、水又は溶媒/SFAの混合のいずれかの中で最初に存在する。MEsにおいて用いるために適切な溶媒は、ECs又はEWs中での使用のための本明細書における前記事項を含む。MEは、水中のオイル、又はオイル中の水の系(当該系は伝導性測定により決定してよい)のいずれかでよく、そして同一製剤中で、水溶性及びオイル可溶性殺虫剤を混合するために適するであろう。MEは、マイクロエマルションとして残留するか、又は慣習的な水中のオイルエマルションを形成するかのいずれかで、水中への希釈に適している。
【0070】
懸濁濃縮物(SC)は、式(1)の化合物の不溶性固形粒子を細かく分けた水性又は非水性懸濁液を含んでよい。当該化合物の良好な粒子懸濁物を生産するために、SCsを適した培地において、任意に1以上の分散剤と共に、式(1)の固形化合物を製粉するボール又はビーズにより調製してよい。1以上の浸潤剤は、組成物中に含ませてよく、そして懸濁剤は固定された粒子の比率を減少させることを含んでよい。或いは、式(1)の化合物は、所望される最終生成物を生産するために、乾燥製粉されてよく、そして本明細書における前記試薬を含む水を付加してよい。
【0071】
エアロゾル製剤は、式(1)の化合物及び適切な高圧ガス(例えばn-ブタン)を含む。式(1)の化合物は、組成物を提供するために、適切な培地中(例えば水、又はn-プロパノール等の水混和性液体)で、圧力がかからない環境下で手動スプレーポンプを使用するために溶解させ、又は分散させてもよい。
【0072】
式(1)の化合物は、当該化合物を含む煙を詰めた空間において発生させるために適した組成物を形成するために、火工技術の混合物により、乾燥状態において混合されてよい。
【0073】
カプセル懸濁剤(CS)は、EW製剤の調整と同様の方法で調製してよいが、更なる重合段階により、オイル小滴の水性分散のようなものが得られ、ここでそれぞれのオイル小滴は、ポリマーシェルによってカプセル化され、並びに式(1)の化合物、及び任意に担体又はそれらための希釈剤を含む。当該ポリマーシェルは、界面のポリマー縮合反応、又はコアセルベーション手順のいずれかにより生産され得る。当該組成物は式(1)の化合物の放出を調節するために提供されてよく、そして種処理のために使用されてよい。式(1)の化合物は、当該化合物の徐放剤を提供するために、生物分解性の多量体マトリックス中で製剤化することもできる。
【0074】
組成物はその組成物の生物学的挙動(例えば、表面上の湿度、保持、又は分布を改善させることによる;処理された表面上の雨への耐性;或いは式(1)の化合物の取り込み又は可動性)を改善させる1以上の添加物を含んでよい。かかる付加物は界面活性剤、例えば特定のミネラルオイル又は天然植物オイル(大豆及びナタネ油等)のようなオイルに基づくスプレー添加物、並びに他の生物-増強アジュバント(式(1)の化合物の作用を補助又は修飾すると思われる成分)によるそれらの混合物、を含む。
【0075】
式(1)の化合物は、例えば、パウダー組成物として、乾燥種処理のためのパウダー(DS)、水溶性パウダー(SS)、又はスラリー処理のための水分散性パウダー(WS)を含み、或いは液体組成物として、流動可能濃縮物(FS)、液体(LS)、又はカプセル懸濁剤(CS)を含み、種処理の使用のために製剤化もされ得る。DS、SS、WS、FS及びLS組成物の調整は、それぞれ上記DP、SP、WP、SC及びDC組成物のそれらと非常に類似している。種処理のための組成物は、組成物の種への粘着を補助するための試薬を含んでよい(例えばミネラルオイル又はフィルム-形成バリア)。
【0076】
浸潤剤、分散剤及び乳化剤は、陽イオン性、陰イオン性、両性又は非-イオン性タイプのSFAsであってよい。
【0077】
陽イオンタイプの適したSFAsは、4級アンモニウム化合物類(例えばセチルトリメチルアンモニウムブロマイド)、イミダゾリン類及びアミン塩類を含む。
【0078】
陰イオン性の適したSFAsは、脂肪酸のアルカリ金属塩類、硫酸の脂肪族モノエステル塩類(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩類(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ブチルナフタレンスルホン酸塩、並びにジ-イソプロピル-及びトリ-イソプロピル-ナフタレンスルホン酸ナトリウム類の混合物)、エーテルスルフェート類、アルコールエーテル硫酸塩類(例えばラウレス-3-硫酸ナトリウム)、エーテルカルボン酸塩類(例えばラウレス-3-カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル類(例えばラウリルアルコールとテトラリン酸との間の反応のような、1以上の脂肪族アルコール類と、リン酸(大半はモノエステル)又は5酸化リン(大半がジエステル)との間の反応による生産物;更にこれらの生成物はエトキシ化されてよい)、スルホスクシナメート類(sulphosuccinamates)、パラフィン又はオレフィンスルホネート類、タウレート類(taurates)及びリグノスルホネート類(lignosulphonates)を含む。
【0079】
両性イオンタイプの適したSFAsは、ベタイン類、プロピオネート類及びグリシネート類を含む。
【0080】
非イオンタイプの適したSFAsは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物等のアルキレンオキシド類の、脂肪族アルコール類(オレイルアルコール又はセチルアルコール等)との、或いはアルキルフェノール類(オクチルフェノール、ノニルフェノール、又はオクチルクレゾール等)との縮合産物;長鎖脂肪酸由来部分的エステル類、又はヘキシトール無水物類;エチレンオキシドとの前記部分的エステル類の縮合産物;遮断ポリマー類(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド類;単純エステル類(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル類);アミンオキシド類(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);及びレシチン類を含む。
【0081】
適した懸濁剤は、親水性コロイド(ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロースナトリウム等)、及び膨張粘土(swelling clays)(ベントナイト又はアタパルジャイト等)を含む。
【0082】
式(1)の化合物は、殺菌化合物を適用する任意の公知手段によって適用され得る。例えば、それは、葉、幹、枝又は根を含む植物の任意の部分、播種前の種、もしくは他の媒体に対する製剤化又は非製剤化に適用することができ、ここで植物は成長したものであり、又は直接的に播種したものであり(根を取り囲む土、一般的な土、稲水(paddy water)又は水耕法の培養システム等)、又はスプレーをかけ、撒き散らし(dusted on)てよく、浸すことにより適用させてよく、クリームもしくはペースト製剤として適用させてよく、気化ガスとして適用させてよく、或いは土又は水性環境における組成物(細粒組成物、又は水混和性バックの中でパックされた組成物等)の分配又は導入を通して適用されてよい。
【0083】
式(1)の化合物は植物中へ注入し、又は電気動力学的スプレー技術(electrodynamic spraying techniques)もしくは他の低容量方法を用いて草木にスプレーし、又は土地又は空中の洗浄システムにより適用してもよい。
【0084】
水性調整としての使用のための組成物は(水性溶液又は分散剤)、一般的に活性成分を高比率で含む濃縮物の形態において供給され、当該濃縮物は使用前に水が付加される。DCs、SCs、ECs、EWs、MEs、SGs、SPs、WPs、WGs及びCSsを含むこれらの濃縮物は、延長された期間の保存に耐えることがしばしば要求され、そしてかかる保存後、水性調製品(慣習的なスプレー装備によりそれらを適用するに十分な期間の均質性を残す)を形成するために水を付加することができる。かかる水性調製品は、それらが使用される目的に応じて、式(1)の化合物(例えば0.0001から10重量%)の異なる量を含んでよい。
【0085】
式(1)の化合物は、肥料(例えば窒素-、カリウム-又はリン-を含む肥料)と共に混合物中で使用してよい。適切な製剤タイプは肥料の細粒を含む。当該混合物は、式(1)の化合物を適切には25重量%まで含む。
【0086】
従って、当該発明は肥料及び式(1)の化合物を含む肥料組成物も提供する。
【0087】
本発明の当該組成物は、例えば微量養分等の生物学的活性を有す他の化合物、又は類似する、もしくは補足的な殺菌活性を有す他の化合物を含んでもよく、或いはそれは、植物成長調節、除草、殺虫、線虫撲滅もしくはダニ駆除の活性を有す。
【0088】
他の殺菌剤を含むことによって、当該得られる組成物は、式(1)単独の化合物よりもより広範な活性スペクトルを有し、又は本質的な活性のより大きなレベルを有してよい。更に他の殺菌剤は、式(1)の化合物の抗菌剤活性への相乗作用を有してよい。
【0089】
式(1)の化合物は、組成物の唯一の活性成分であってよく、又は適切な場所における1以上の殺虫、殺菌、相乗作用、除草又は植物成長調節等の付加的な活性成分を混ぜてよい。追加の活性成分は、活性の広範なスペクトルを有する、又は所在箇所での存続を増加させる組成物を提供してよく;式(1)化合物の活性又は活性を補足する相乗作用をしてよく(例えば効果の速さの増加、又は防虫剤を克服することによる);或いは個々の成分に対する耐性の発達を克服又は予防することを助けてよい。特別な付加的な活性成分は、組成物の意図された利用に依存するであろう。
【0090】
本発明の組成物中に含んでよい殺菌化合物の例は、AC 382042(N-(l-シアノ-1, 2-ジメチルプロピル)-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド)、アシベンゾラル(acibenzolar)-S-メチル、アラニカルブ(alanycarb)、アルジモルフ(aldimorph)、アニラジン(anilazine)、アザコナゾール(azaconazole)、アザフェニジン(azafenidin)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベノミル(benomyl)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、ビロオキサゾール(biloxazol)、ビテルタノール(bitertanol)、ブラスチシジンS(blasticidin S)、ボスカリド(boscalid)(新しい名前はニコビフェン:nicobifen)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ブピリメート(bupirimate)、カプタホール(captafol)、キャプタン(captan)、カルベンダジム(carbendazim)、カルベンダジムクロロ水和物(carbendazim chlorhydrate)、カルボキシン(carboxin)、カルプロパミド(carpropamid)、カルボン(carvone)、CGA 41396、CGA 41397、キノメチオネート(chinomethionate)、クロルベンズチアゾン(chlorbenzthiazone)、クロロタロニル(chlorothalonil)、クロロゾリネート(chlorozolinate)、クロジアコン(clozylacon)、オキシ塩化銅のような化合物を含む銅、銅オキシキノレート(copper oxyquinolate)、硫酸銅、copper tallate、及びボルドー混合物(Bordeaux mixture)、シアミダゾスルファミド(cyamidazosulfamid)、シアゾファミド(cyazofamid)(IKF-916)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、シプロジニル(cyprodinil)、デバカルブ(debacarb)、ジ-2-ピリジルジスルフィド1,1’-ジオキシド(di-2-pyridyl disulphide 1,1'-dioxide)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジクロシメット(diclocymet)、ジクロメジン(diclomezine)、ジクロラン(dicloran)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフルメトリム(diflumetorim)、O,O-ジ-イソ-プロピル-S-ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール(dimefluazole)、ジメトコナゾール(dimetconazole)、ジメチリモール(dimethirimol)、ジメトモフル(dimethomorph)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジノカップ(dinocap)、ジチアノン(dithianon)、ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ドデモルフ(dodemorph)、ドジン(dodine)、ドグアジン(doguadine)、エディフェンホス(edifenphos)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタボキサン(ethaboxam)、エシリモル(ethirimol)、エチル(Z)-N-ベンジル-N([メチル(メチル-チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)-β-アラニナート(alaninate)、エトリジアゾール(etridiazole)、ファモキサドン(famoxadone)、フェンアミドン(fenamidone)、フェナリモル(fenarimol)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フェンフラン(fenfuram)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、フェノキサニル(fenoxanil)(AC 382042)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンチンアセテート(fentin acetate)、水酸化フェンチン(fentin hydroxide)、ファーバム(ferbam)、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、フルジオキソニル(fludioxonil)、フルメトベル(flumetover)、フルモルフ(flumorph)、フルオロイミド(fluoroimide)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルトラニル(flutolanil)、フルトリアホール(flutriafol)、ホルペット(folpet)、ホセチル-アルミニウム(fosetyl-aluminium)、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フラメトピル(furametpyr)、グアザチン(guazatine)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyisoxazole)、ヒメキサゾール(hymexazole)、イマザリル(imazalil)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イミノクタジン(iminoctadine)、イミノクタジントリアセテート(iminoctadine triacetate)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロベンホス(iprobenfos)、イプロジオン(iprodione)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン(isoprothiolane)、カスガマイシン(kasugamycin)、クレソキシムメチル(kresoxim-methyl)、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ(mancozeb)、マンネブ(maneb)、メフェノキサム(mefenoxam)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラシキシルM(metalaxyl M)、メトコナゾール(metconazole)、メチラム(metiram)、メチラム亜鉛(metiram-zinc)、メトミノストロビン(metominostrobin)、メトラフェノン(metrafenone)、MON65500 (N-アリル-4,5-ジメチル-2-トリメチルシリルチオフェン-3-カルボキサミド)、ミクロブタニル(myclobutanil)、NTN0301、ネオアソジン(neoasozin)、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタールイソプロピル(nitrothale-isopropyl)、ニュアリモール(nuarimol)、オフレース(ofurace)、有機水銀化合物、オリサストロビン(orysastrobin)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキサスルフロン(登録商標)(oxasulfuron)、オキソリン酸(oxolinic acid)、オキスポコナゾール(oxpoconazole)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、フェナジンオキシド(phenazin oxide)、リン酸(phosphorus acids)、フサライド(phthalide)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ポリオキシンD(polyoxin D)、ポリラム(polyram)、プロベナゾール(probenazole)、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロパモカルブ(propamocarb)、塩酸プロパモカルブ(propamocarb hydrochloride)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ(propineb)、プロピオン酸(propionic acid)、プロキナジド(proquinazid)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラゾホス(pyrazophos)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、ピロキシフル(pyroxyfur)、ピロールニトリン(pyrrolnitrin)、4級アンモニウム化合物、キノメチオネート(quinomethionate)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キントゼン(quintozene)、シルチオファム(silthiofam)(MON 65500))、S-イマザリル(S-imazalil)、シメコナゾール、シプコナゾール(sipconazole)、ペンタクロロフェノールナトリウム塩(sodium pentachlorophenate)、スピロキサミン(spiroxamine)、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール(tebuconazole)、テクロフタラム(tecloftalam)、テクナゼン(tecnazene)、テトラコナゾール(tetraconazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チフルザミド(thifluzamide)、2-(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファメートメチル(thiophanate-methyl)、チラム(thiram)、チアジニル(tiadinil)、チミベンコナゾール(timibenconazole)、トルクロホスメチル(tolclofos-methyl)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリアゾブチル(triazbutil)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリデモルフ(tridemorph)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリホリン(triforine)、トリチコナゾール(triticonazole)、バリダマイシンA(validamycin A)、バパム(vapam)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、XRD-563、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)、ゾキサミド(zoxamide)及び以下の式の化合物である。:
【化5】

【0091】
式(1)の化合物は、種から発生する病気、土から発生する病気、又は葉の真菌類の病気に対する植物保護のため、土、泥炭又は他の根の媒体に混合させてよい。
【0092】
いくつかの混合物は、同一の慣習的な製剤タイプへ容易に添えないものであるため、著しく物理学的、化学的、生物学的特性が異なる活性成分を含んでよい。これらの状況において、他の製剤タイプが好ましくてもよい。例えば、一つの活性成分のある場所では、水不溶性及び他の水不溶性液体であり、それにもかかわらず、同一の連続的な水性相において、エマルション(EWの調製アナログを用いる)として液体活性成分を分散させるのではなく、懸濁剤(SCの調製アナログを用いる)として固形活性成分を分散させることにより、それぞれの活性成分を分散させることが可能であるであろう。得られる組成物は、懸濁エマルション(suspoemulsion:SE)製剤である。
【0093】
本発明は、以下の実施例により説明され、ここでは以下の略語が使用される。:
ml=ミリリットル
DMSO=ジメチルスルホキシド
g=グラム
NMR=核磁器共鳴
ppm=百万分の1
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
M+=マスイオン
s =シングレット
t=トリプレット
br s=ブロードシングレット
q=クォーテット
d=ダブレット
m=マルチプレット
dd=ダブル ダブレット
ppm=百万分の1
【実施例1】
【0094】
本実施例は、2-(5-クロロピリジル-3-オキシ)-2-(エトシキ)-N-(2-メチルペント-3-イン-2-イル)アセトアミド(化合物 No.1、表1)を説明する。
ステップ1
t-ブトキシドカリウム(2.4g)をt-ブチルアルコール(130ml)中へ溶解した。当該混合物を30分間室温で撹拌し、その後5-クロロピリジノール(2.0g)を付加し、引き続きエチル2-クロロ-2-エトシキアセテート(3.14g、純度90%)を付加し、そして触媒量のヨウ化カリウム(0.005g)を付加した。当該反応物は、ピンクオレンジになり、塩化カリウムが沈殿した。当該反応物を、その後18時間貯蔵し、そして水へ注ぎ、そしてクロロホルムで抽出した。有機相を分離し食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして無色のオイルを与えるために蒸発させ、シリカゲル(40-60)上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによりエチルアセテート/ヘキサン(1:4)を用いて溶出し、無色のオイルとして要求される生産物(3.08g)を与えるために精製した。
1H NMR (CDCl3)δppm : 1.27 (3H, t); 1.31 (3H, t); 3.75 (1H, m) ; 3.83 (lH, m); 4.30 (2H, q); 5.33 (lH, s); 7.46 (lH, t); 8.30 (lH, d); 8.35 (lH, d).
【0095】
ステップ2
室温でメタノール(5ml)中のエチル2-(5-クロロピリジル-3-オキシ)-2-(エトシキ)アセテート(0.45g)へ水中(1.5ml)の水酸化ナトリウム(0.076g)の溶液を付加した。当該反応物を5分間撹拌し、メタノールを蒸発させ、残留物をエチルアセテートで洗浄した。その後水性フラクションを塩酸で酸性化し、そしてエチルアセテートにより抽出した。当該エチルアセテートフラクションを硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして更なる精製なしで使用されるペイルイエローガム(0.40g)として、2-(5-クロロピリジル-3-オキシ)-2-(エトシキ)酢酸を与えるために蒸発させた。
1H NMR(CDC13)δppm : 1.30 (3H, t); 3.78(lH, m); 3.90 (lH, m); 5.59 (lH, s); 7.60 (lH, s); 8.30 (lH, d), 8.40(lH, d).
【0096】
ステップ3
トリエチルアミン(0.30ml)をDMF(8 ml)中で撹拌された4-アミノ-4-メチル-ペント-2-インハイドロクロライド(0.231g)へ付加し、白色の懸濁物を与えた。2-(5-クロロピリジル-3-オキシ)-2-(エトシキ)酢酸(0.40g)を引き続き、触媒量の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.005g)及びN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(0.332g)へ付加した。白色懸濁物を室温で18時間撹拌し、水を付加し、そして当該水性相をエチルアセテートにより抽出した。当該有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、その後食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして黄色オイルを与えるため蒸発させ、シリカゲル(40-60)上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで、エチルアセテート/ヘキサン(1:4)により溶出し、無色のオイル(0.130g)として要求される生産物を与えるために精製した。
1H NMR (CDC13)δppm : 1.30 (3H, t); 1.62 (3H, s); 1.63 (6H, s); 3.67(1H, m); 1.82 (3H, s); 3.70 (lH, m); 3.88(lH, m); 5.32(lH, s); 6.71(1H, brs); 7.53(lH, dd); 8.29(lH, d); 8.35(lH, d)。
【表2】

【実施例2】
【0097】
本実施例は、式(1)の化合物の殺菌剤特質を説明する。当該化合物は、下記の方法によるリーフディスクアッセイにおいて検査された。当該検査化合物を、DMSO中に溶解させ、そして200ppmへ水中で希釈した。
【0098】
Erysiphe graminis f.sp. hordei(大麦粉状白かび):大麦リーフセグメントを24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして当該検査化合物の溶液をスプレーした。12から24時間で完全に乾燥させた後、当該リーフディスクに真菌類の胞子懸濁剤を播種した。適宜培養後、化合物の活性を予防的殺菌活性として播種後、4日間評価した。
【0099】
Erysiphe graminis f.sp. tritici(小麦粉状白かび):小麦リーフセグメントを24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして当該検査化合物の溶液をスプレーした。12から24時間で完全に乾燥させた後、当該リーフディスクに真菌類の胞子懸濁剤を播種した。適宜培養後、化合物の活性を予防的殺菌活性として播種後、4日間評価した。
【0100】
Phytophthora infestans(トマト上のポテトの後期銅枯れ病):トマトリーフディスクを24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして当該検査化合物の溶液をスプレーした。12から24時間で完全に乾燥させた後、当該リーフディスクに真菌類の胞子懸濁剤を播種した。適宜培養後、化合物の活性を予防的殺菌活性として播種後、4日間評価した。
【0101】
Plasmopara viticola(ブドウのつるの綿毛のような白かび):ブドウのつるのリーフディスクを24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして当該検査化合物の溶液をスプレーした。12から24時間で完全に乾燥させた後、当該リーフディスクに真菌類の胞子懸濁剤を播種した。適宜培養後、化合物の活性を予防的殺菌活性として播種後、7日間評価した。
【0102】
Septoria tritici(小麦 glume blotch):小麦リーフセグメントを24ウェルプレート中の寒天上に置き、そして当該検査化合物の溶液をスプレーした。12から24時間で完全に乾燥させた後、当該リーフディスクに真菌類の胞子懸濁剤を播種した。適宜培養後、化合物の活性を予防的殺菌活性として播種後、4日間評価した。
【0103】
以下の化合物は、60%より大きい疾患の制御を与えた(最初の化合物の番号は、括弧内の表番号に従う):
Plasmopara viticola、化合物1 (1)、1 (9)、1 (13);Phytophthora infestans、化合物1 (1)、1 (9)、1 (17);Erysiphe graminis f.sp. hordei,化合物 1(1);Erysiphe graminis f.sp. tritici, 化合物 1 (13);Septoria tritici、化合物 1 (9)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)の化合物:
【化1】

又は、対応のピリジンN-オキシド(式中、X及びYは独立してハロゲン、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C2-4アルケニル、ハロ(C2-4)アルケニル、C2-4アルキニル、ハロ(C2-4)アルキニル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、-S(O)n(C1-4)アルキル(ここでnは0、1又は2であり、及びアルキル基はフッ素で任意に置換され)、-OSO2(C1-4)アルキル(ここでアルキル基はフッ素、シアノ、ニトロ、C1-4アルコキシカルボニル、-CONR'R"、-COR'、-NR'COR"、-NR'CO2R'''(ここでR'及びR"は独立してH又はC1-4アルキルであり、及びR"’はC1-4アルキル、又は任意に置換されたフェニルであり)で任意に置換され)であり、或いはYはHであり;
Rlは、直鎖C1-4アルキル基であり;
R2は、H、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル、又はベンジルオキシメチル(ここでベンジル部位のフェニル環は任意にC1-4アルコキシで置換され)であり、;
R3及びR4は、両方が揃ってHではなく、そして両方がH以外である場合、それらの結合した総炭素原子は4を超えないことを条件として、独立してH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル又はC2-3アルキニルであり、或いは
R3及びR4は、任意に1個のO、S又はN原子を含む3又は4員炭環を形成するためにそれらの結合した炭素原子に連結し、そして任意にハロゲン又はC1-4アルキルで置換され;そして
R5はH、C1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり(ここでアルキル又はシクロアキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、シアノ、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、モノ-又はジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、-S(O)n(C1-6)アルキル(ここでnは0、1又は2であり)、トリアゾリル、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、任意に置換されたフェノキシ、任意に置換されたチエニルオキシ、任意に置換されたベンジルオキシ又は任意に置換されたチエニルメトキシにより任意に置換され)、或いは
R5は任意に置換されたフェニル、任意に置換されたチエニル又は任意に置換されたベンジルである(ここで任意に置換されたX、Y及びR5官能基(values)のフェニル及びチエニル環は、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキシ、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、ハロ(C1-4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)-アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、シアノ、イソシアノ、チオシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、-NRmRn、-NHCORm、-NHCONRmRn、-CONRmRn、-SO2Rm、-OSO2Rm、-CORm、-CRm=NRn、又は-N=CRmRn(ここでRm及びRnは独立して水素、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジルであり(当該フェニル及びベンジル基は、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシにより任意に置換され))から選定された、1、2又は3個の置換基により任意に置換される)。
【請求項2】
前記Xが塩素又は臭素であり、そしてYがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記R1がメチル、エチル、n−プロピル、又はn−ブチルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記R1がメチル又はエチルである、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
前記R2がHである、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記R3及びR4が共にメチルである、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記R5がH、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、1−メトキシエチル、tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル、3−シアノプロピル、3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル、3−メチルチオプロピル、3−メタンスルフィニルプロピル、又は3−メタンスルホニルプロピルである、請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記X及びYが独立してハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、任意に置換されたフェニル、シアノ、又は-COR’である請求項1に記載の化合物
(式中、R’はHもしくはC1-4アルキルであり、又はYはHであり;
R1は、直鎖C1-4アルキル基であり;
R2はH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル、又はベンジルオキシメチル(ここでベンジル部位のフェニル環は任意にC1-4アルコキシで置換され)であり;
R3及びR4は、両方が揃ってHではなく、そして両方がH以外である場合、それらの結合した総炭素原子は4を超えないことを条件として、独立してH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル又はC2-3アルキニルであり、或いは
R3及びR4は、任意に1個のO、S又はN原子を含む3又は4員炭環を形成するためにそれらの結合した炭素原子に連結し、そして任意にハロゲン又はC1-4アルキルで置換され;そして
R5はH、C1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり(ここで当該アルキル又はシクロアルキル基はハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、シアノ、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、又はモノ-又はジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、任意に置換されたフェノキシ、任意に置換されたチエニルオキシ、任意に置換されたベンジルオキシ又は任意に置換されたチエニルメトキシにより任意に置換され)或いは
R5は、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたチエニル又は任意に置換されたベンジルである;
(ここで任意に置換されたX、Y及びR5官能基のフェニル及びチエニル環は、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキシ、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、ハロ(C1-4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、シアノ、イソシアノ、チオシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、-NRmRn、-NHCORm、-NHCONRmRn、-CONRmRn、-SO2Rm、-OSO2Rm、-CORm、-CRm=NRn又は-N=CRmRn(式中Rm及びRnは独立して水素、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジルである(当該フェニル及びベンジル基は任意にハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシにより置換される))から選定された1、2又は3個の置換基により任意に置換される))。
【請求項9】
前記Xが塩素又は臭素であり、及びYがHであり;R1がメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルであり;R2がHであり;R3及びR4が共にメチルであり;並びにR5はH、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、1-メトキシエチル、tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル、3−メチルチオプロピル、3−メタンスルフィニルプロピル、又は3−メタンスルホニルプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
本明細書において記載される請求項1に記載の化合物の調整方法。
【請求項11】
請求項1に定義されるような式(1)の化合物の殺菌剤的効果量、及びそれらのための適した担体又は希釈剤を含む殺菌組成物。
【請求項12】
請求項1に定義されるような式(1)の化合物、或いは植物、植物の種、植物もしくは種の所在箇所、又は土壌もしくは任意の他の植物成長媒体に請求項11に記載の組成物の殺菌剤的効果量を適用させることを含む、植物病原菌類と戦う又は植物病原菌類を制御するための方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)の化合物:
【化1】


又は、対応のピリジンN-オキシド(式中、X及びYは独立してハロゲン、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C2-4アルケニル、ハロ(C2-4)アルケニル、C2-4アルキニル、ハロ(C2-4)アルキニル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、-S(O)n(C1-4)アルキル(ここでnは0、1又は2であり、及びアルキル基はフッ素で任意に置換され)、-OSO2(C1-4)アルキル(ここでアルキル基はフッ素、シアノ、ニトロ、C1-4アルコキシカルボニル、-CONR'R"、-COR'、-NR'COR"、-NR'CO2R'''(ここでR'及びR"は独立してH又はC1-4アルキルであり、及びR"’はC1-4アルキル、又は任意に置換されたフェニルであり)で任意に置換され)であり、或いはYはHであり;
Rlは、直鎖C1-4アルキル基であり;
R2は、H、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル、又はベンジルオキシメチル(ここでベンジル部位のフェニル環は任意にC1-4アルコキシで置換され)であり、;
R3及びR4は、両方が揃ってHではなく、そして両方がH以外である場合、それらの結合した総炭素原子は4を超えないことを条件として、独立してH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル又はC2-3アルキニルであり、或いは
R3及びR4は、任意に1個のO、S又はN原子を含む3又は4員炭環を形成するためにそれらの結合した炭素原子に連結し、そして任意にハロゲン又はC1-4アルキルで置換され;そして
R5はH、C1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり(ここでアルキル又はシクロアキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、シアノ、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、モノ-又はジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、-S(O)n(C1-6)アルキル(ここでnは0、1又は2であり)、トリアゾリル、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、任意に置換されたフェノキシ、任意に置換されたチエニルオキシ、任意に置換されたベンジルオキシ又は任意に置換されたチエニルメトキシにより任意に置換され)、或いは
R5は任意に置換されたフェニル、任意に置換されたチエニル又は任意に置換されたベンジルである(ここで任意に置換されたX、Y及びR5官能基(values)のフェニル及びチエニル環は、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキシ、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、ハロ(C1-4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)-アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、シアノ、イソシアノ、チオシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、-NRmRn、-NHCORm、-NHCONRmRn、-CONRmRn、-SO2Rm、-OSO2Rm、-CORm、-CRm=NRn、又は-N=CRmRn(ここでRm及びRnは独立して水素、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジルであり(当該フェニル及びベンジル基は、ハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシにより任意に置換され))から選定された、1、2又は3個の置換基により任意に置換される)。
【請求項2】
前記Xが塩素又は臭素であり、そしてYがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記R1がメチル、エチル、n−プロピル、又はn−ブチルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記R1がメチル又はエチルである、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
前記R2がHである、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記R3及びR4が共にメチルである、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記R5がH、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、1−メトキシエチル、tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル、3−シアノプロピル、3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル、3−メチルチオプロピル、3−メタンスルフィニルプロピル、又は3−メタンスルホニルプロピルである、請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記X及びYが独立してハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、任意に置換されたフェニル、シアノ、又は-COR’である請求項1に記載の化合物
(式中、R’はHもしくはC1-4アルキルであり、又はYはHであり;
R1は、直鎖C1-4アルキル基であり;
R2はH、C1-4アルキル、C1-4アルコキシメチル、又はベンジルオキシメチル(ここでベンジル部位のフェニル環は任意にC1-4アルコキシで置換され)であり;
R3及びR4は、両方が揃ってHではなく、そして両方がH以外である場合、それらの結合した総炭素原子は4を超えないことを条件として、独立してH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル又はC2-3アルキニルであり、或いは
R3及びR4は、任意に1個のO、S又はN原子を含む3又は4員炭環を形成するためにそれらの結合した炭素原子に連結し、そして任意にハロゲン又はC1-4アルキルで置換され;そして
R5はH、C1-4アルキル又はC3-6シクロアルキルであり(ここで当該アルキル又はシクロアルキル基はハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、シアノ、C1-4アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、又はモノ-又はジ(C1-4)アルキルアミノカルボニルオキシ、トリ(C1-4)アルキルシリルオキシ、任意に置換されたフェノキシ、任意に置換されたチエニルオキシ、任意に置換されたベンジルオキシ又は任意に置換されたチエニルメトキシにより任意に置換され)或いは
R5は、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたチエニル又は任意に置換されたベンジルである;
(ここで任意に置換されたX、Y及びR5官能基のフェニル及びチエニル環は、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、C2-4アルキニルオキシ、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、ハロ(C1-4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ(C1-4)アルキル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ベンゾイルオキシ、シアノ、イソシアノ、チオシアネート、イソチオシアネート、ニトロ、-NRmRn、-NHCORm、-NHCONRmRn、-CONRmRn、-SO2Rm、-OSO2Rm、-CORm、-CRm=NRn又は-N=CRmRn(式中Rm及びRnは独立して水素、C1-4アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ(C1-4)アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルキル(C1-4)アルキル、フェニル又はベンジルである(当該フェニル及びベンジル基は任意にハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシにより置換される))から選定された1、2又は3個の置換基により任意に置換される))。
【請求項9】
前記Xが塩素又は臭素であり、及びYがHであり;R1がメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルであり;R2がHであり;R3及びR4が共にメチルであり;並びにR5はH、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、1-メトキシエチル、tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル、3−メチルチオプロピル、3−メタンスルフィニルプロピル、又は3−メタンスルホニルプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1に定義されるような式(1)の化合物の殺菌剤的効果量、及びそれらのための適した担体又は希釈剤を含む殺菌組成物。
【請求項11】
請求項1に定義されるような式(1)の化合物、或いは植物、植物の種、植物もしくは種の所在箇所、又は土壌もしくは任意の他の植物成長媒体に請求項11に記載の組成物の殺菌剤的効果量を適用させることを含む、植物病原菌類と戦う又は植物病原菌類を制御するための方法。

【公表番号】特表2006−515285(P2006−515285A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554635(P2004−554635)
【出願日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004547
【国際公開番号】WO2004/048337
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(501008820)シンジェンタ リミテッド (33)
【Fターム(参考)】