説明

置換1−メチルピラゾール−4−イルカルボキシアニリドを含んでいる殺菌剤混合物



活性成分として(1)式(I)〔式中、R1はC1〜C4-アルキル又はC1〜C4-ハロアルキルであり、R2は水素又はハロゲンであり、Xは水素又はハロゲンであり、Qは直接結合、シクロプロピレン又は環付加されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり、R3はC1〜C6-アルキル、シクロプロピル又はフェニル(ここで、該フェニルは、2個若しくは3個のハロゲン原子で置換されているか、又は、トリフルオロメチルチオラジカルで置換されている)である〕で表される少なくとも1種類の1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド;及び(2)活性化合物の群(A)〜群(K)〔(A)有機(チオ)リン酸エステル系;(B)カルバメート系;(C)ピレスロイド系;(D)成長調節剤;(E)GABA拮抗薬化合物;(F)大環状ラクトン殺虫剤;(G)METI(I)殺ダニ薬;(H)METI(II)化合物及びMETI(III)化合物;(J)酸化的リン酸化阻害薬化合物;(K)種々の化合物〕から選択される少なくとも1種類の活性化合物(II)を相乗作用的に有効な量で含んでいる殺菌剤混合物、少なくとも1種類の化合物(I)と少なくとも1種類の活性化合物(II)の混合物を使用して有害な菌類を防除する方法、そのような混合物を調製するための1種類又は複数種類の化合物(I)と活性化合物(II)の使用、並びに、そのような混合物を含んでいる組成物及び種子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分として、
(1) 式(I):
【化1】

【0002】
〔式中、置換基は、以下で定義されているとおりである:
R1は、C1〜C4-アルキル又はC1〜C4-ハロアルキルであり;
R2は、水素又はハロゲンであり;
Xは、水素又はフッ素であり;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又は環付加された(anellated)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
R3は、C1〜C6-アルキル、シクロプロピル又はフェニル(ここで、該フェニルは、2個若しくは3個のハロゲン原子で置換されているか、又は、トリフルオロメチルチオラジカルで置換されている)である〕
で表される少なくとも1種類の1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド;
及び、
(2) 活性化合物の群(A)〜群(K):
(A) 有機(チオ)リン酸エステル系〔ここで、該有機(チオ)リン酸エステル系は、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシ-ジメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、及び、トリクロルホンからなる群から選択される〕;
(B) カルバメート系〔ここで、該カルバメート系は、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、及び、トリアザメートからなる群から選択される〕;
(C) ピレスロイド系〔ここで、該ピレスロイド系は、アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン I、ピレトリン II、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、及び、ジメフルトリンからなる群から選択される〕;
(D) 成長調節剤〔ここで、該成長調節剤は、以下のものからなる群から選択される:
(a)キチン合成阻害薬:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン、シロマジン(cyramazin)、フルシクロクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、トリフルムロン;ブプロフェンジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、及び、クロフェンテジン(clofentazine);
(b)エクジソン拮抗薬:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、及び、アザジラクチン;
(c)幼若ホルモン様作用物質(juvenoid):ピリプロキシフェン、メトプレン、及び、フェノキシカルブ;
(d)脂質生合成阻害薬:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、及び、スピロテトラマト〕;
(E) GABA拮抗薬化合物〔ここで、該GABA拮抗薬化合物は、エンドスルファン、エチプロール、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、及び、式(E1)
【化2】

【0003】
で表されるフェニルピラゾールからなる群から選択される〕;
(F) 大環状ラクトン殺虫剤〔ここで、該大環状ラクトン殺虫剤は、アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、及び、スピネトラムからなる群から選択される〕;
(G) METI(I)殺ダニ薬〔ここで、該METI(I)殺ダニ薬は、フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、及び、フルフェネリムからなる群から選択される〕;
(H) METI(II)化合物及びMETI(III)化合物〔ここで、該METI(II)化合物及びMETI(III)化合物は、アセキノシル、フルアシプリム(fluacyprim)、及び、ヒドラメチルノンからなる群から選択される〕;
(J) 酸化的リン酸化阻害薬化合物〔ここで、該酸化的リン酸化阻害薬化合物は、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、及び、プロパルギットからなる群から選択される〕;
(K) 種々の化合物〔ここで、該種々の化合物は、アミドフルメト、ベンクロチアズ、ビフェナゼート、ビストリフルロン、カルタップ、クロルフェナピル、シロマジン、シアジピル(cyazypyr)(HGW86)、シエノピラフェン、シフルメトフェン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルピラゾホス、イミシアホス、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ピペロニルブトキシド、ピメトロジン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、チオシクラム、及び、式(K1)
【化3】

【0004】
で表されるチアゾール化合物からなる群から選択される〕;
から選択される少なくとも1種類の活性化合物(II)
を相乗作用的に有効な量で含んでいる、害な植物病原性菌類を防除するための混合物に関する。
【0005】
さらに、本発明は、少なくとも1種類の化合物(I)と活性化合物(II)のうちの少なくとも1種類の混合物を使用して有害な菌類を防除する方法、そのような混合物を調製するための化合物(I)と活性化合物(II)の使用、並びに、そのような混合物を含んでいる組成物及び種子にも関する。
【背景技術】
【0006】
上記において成分(1)と称されている式(I)で表される1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド、それらの調製及び有害な菌類に対するそれらの作用は、文献(cf.、例えば、EP-A 545099、EP-A 589301、WO 99/09013、WO 03/010149、WO 2003/70705、WO 03/074491、及び、WO 04/035589)から知られているか、又は、それらは、上記文献中に記載されている方法で調製することができる。
【0007】
しかしながら、式(I)で表される既知1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリドは、特に低施用量において及びそれらの活性スペクトルに関して、完全に満足のいくものではない。
【0008】
成分(2)として上記で挙げられている活性化合物(II)、それらの調製及び有害な菌類に対するそれらの作用は、一般的に知られている(例えば、http://www.hclrss.demon.co.uk/index.html)。それらは、市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】EP-A 545099
【特許文献2】EP-A 589301
【特許文献3】WO 99/09013
【特許文献4】WO 03/010149
【特許文献5】WO 2003/70705
【特許文献6】WO 03/074491
【特許文献7】WO 04/035589
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、施用量を低減させること及び化合物(I)の活性スペクトルを拡大することを期待して、施用される活性化合物の低減された総量で〔特に、特定の適応病害(indications)に関する〕有害な菌類に対して改善された活性を有する混合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、従って、活性化合物(I)と活性化合物(II)の冒頭で定義されている混合物によって上記目的が達成されるということを見いだした。さらに、本発明者らは、少なくとも1種類の化合物(I)と活性化合物(II)のうちの少なくとも1種類を同時に(即ち、共同で又は別々に)施用するか又は化合物(I)と活性化合物(II)のうちの少なくとも1種類を続けて施用することにより、個々の化合物を単独で用いて可能な有害菌類の防除よりも良好に有害菌類を防除できるということも見いだした(相乗作用的混合物)。
【0012】
化合物(I)を少なくとも1種類の活性化合物(II)と同時に(即ち、共同で又は別々に)施用することによって、その殺菌活性は、相加的なものを超えて増大される。
【0013】
化合物(I)は、生物学的活性において異なり得る種々の結晶変態で存在することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
式(I)において、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは、フッ素又は塩素である;
C1〜C4-アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、1-メチルプロピル、2-メチル-プロピル又は1,1-ジメチルエチルであり、好ましくは、メチル又はエチルである;
C1〜C6-アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、1-メチルプロピル、2-メチル-プロピル、1,1-ジメチルエチル、n-ペンチル、n-ヘキシル又は1,3-ジメチルブチルであり、特に、1-メチル-エチル又は1,3-ジメチルブチルである;
C1〜C4-ハロアルキルは、部分的に又は完全にハロゲン化されているC1〜C4-アルキルラジカル(ここで、ハロゲン原子(単数又は複数)は、特に、フッ素、塩素及び/又は臭素である)、即ち、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル又はノナフルオロブチルであり、特に、ハロメチルであり、特に好ましいのは、CH2-Cl、CH(Cl)2、CH2-F、CHF2、CF3、CHFCl、CF2Cl又はCF(Cl)2であり、特に、CHF2又はCF3である;
C1〜C4-アルキルチオは、SCH3、SC2H5、SCH2-C2H5、SCH(CH3)2、n-ブチルチオ、SCH(CH3)-C2H5、SCH2-CH(CH3)2又はSC(CH3)3であり、好ましくは、SCH3又はSC2H5である。
【0015】
好ましい1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)は、一方では、Xが水素である1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)である。
【0016】
他方では、好ましい化合物(I)は、Xがフッ素である化合物(I)である。
【0017】
本発明による混合物に関して、式(I)〔式中、R1は、メチル又はハロメチルであり、特に、CH3、CHF2、CH2F、CF3、CHFCl又はCF2Clであり、特に好ましくは、CH3又はCHF2である〕で表される化合物が好ましい。
【0018】
さらにまた、化合物(I)〔ここで、R2は、水素、フッ素又は塩素であり、特に、水素又はフッ素である〕も好ましい。
【0019】
さらにまた、化合物(I)〔ここで、R3は、2個又は3個のハロゲン原子で置換されている フェニル、特に、3,4-ジクロロフェニル又は3,4,5-トリフルオロフェニルである〕も好ましい。
【0020】
さらにまた、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロ-メチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-[2-(1,3-ジメチルブチル)-フェニル]-1,3-ジ-メチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(一般名:ペンフルフェン(Penflufen))、N-(2-ビシクロプロパ-2-イルフェニル)-3-ジフルオロ-メチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(一般名:セダキサン(sedaxane))、N-(トランス-2-ビシクロプロパ-2-イルフェニル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(一般名:セダキサン(sedaxane);トランスジアステレオ異性体)、イソピラザム及びビキサフェン(bixafen)も好ましい。
【0021】
N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロ-メチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド及びビキサフェンが特に好ましく、N-(3',4',5'-トリフルオロビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロ-メチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(化合物(Ia))が最も好ましい。.
活性化合物(II)に関して、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(A)有機(チオ)リン酸エステル系の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物(II)〔特に、アセフェート、クロルピリホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジメトエート、フェニトロチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、モノクロトホス、ホレート、プロフェノホス、又は、テルブホス〕の混合物が好ましい。
【0022】
(A)から選択される極めて特に好ましい化合物(II)は、アセフェート、クロルピリホス、ジメトエート、メタミドホス及びテルブホスである。
【0023】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(B)カルバメート系の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、アルジカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、メソミル、又は、チオジカルブ〕の混合物も好ましい。
【0024】
(B)から選択される極めて特に好ましい化合物(II)は、アルジカルブ及びカルボフランである。
【0025】
1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(C)ピレスロイド系の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、ビフェントリン、シフルトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、又は、テフルトリン〕の混合物が好ましい。
【0026】
(C)から選択される極めて特に好ましい化合物(II)は、ビフェントリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、デルタメトリン、ラムダ-シハロトリン及びテフルトリンである。
【0027】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(D)成長調節剤の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、ルフェヌロン、又は、スピロテトラマト、極めて特に好ましくは、スピロテトラマト〕の混合物も好ましい。
【0028】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(E)GABA拮抗薬化合物の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、エンドスルファン〕の混合物も好ましい。
【0029】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(F)大環状ラクトン殺虫剤の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、アバメクチン、エマメクチン、スピノサド、又は、スピネトラム〕の混合物も好ましい。
【0030】
(F)から選択される極めて特に好ましい化合物(II)は、アバメクチン、スピノサド及びスピネトラムである。
【0031】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(G)METI(I)殺ダニ薬の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物の混合物も好ましい。
【0032】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(H)METI(II)化合物及びMETI(III)化合物の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、ヒドラメチルノン〕の混合物も好ましい。
【0033】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(J)酸化的リン酸化阻害薬化合物の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、酸化フェンブタスズ〕の混合物も好ましい。
【0034】
さらにまた、1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と(K)種々の化合物の群から選択される少なくとも1種類の活性化合物〔特に、クロルフェナピル、シアジピル(cyazypyr)(HGW86)、シフルメトフェン、フロニカミド、フルベンジアミド、インドキサカルブ、及び、メタフルミゾン〕の混合物も好ましい。
【0035】
(K)から選択される極めて特に好ましい化合物(II)は、クロルフェナピル、シアジピル(cyazypyr)(HGW86)、シフルメトフェン、フルベンジアミド及びインドキサカルブである。
【0036】
さらにまた、1種類の1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド(I)と上記活性化合物(II)のうちの2種類からなる三成分混合物も好ましい。
【0037】
さらにまた、式(I)で表される1種類の化合物と上記活性化合物(II)のうちの2種類からなる三成分混合物又は式(I)で表される1種類の化合物と1種類の活性化合物(II)及び活性化合物の群(L)〜群(S)から選択されるさらなる殺菌活性化合物(III)からなる三成分混合物も好ましい:
(L) ストロビルリン系
アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロブリン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピリベンカルブ、トリフロキシストロビン、2-(2-(6-(3-クロロ-2-メチル-フェノキシ)-5-フルオロ-ピリミジン-4-イルオキシ)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミド、3-メトキシ-2-(2-(N-(4-メトキシ-フェニル)-シクロプロパン-カルボキシイミドイルスルファニルメチル)-フェニル)-アクリル酸メチルエステル、(2-クロロ-5-[1-(3-メチルベンジルオキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバミン酸メチル、及び、2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-アリリデンアミノオキシメチル)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミド;
(M) カルボキサミド系
・ カルボキシアニリド系:ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フェンヘキサミド、フルトラニル、フラメトピル、イソピラザム、イソチアニル、キララキシル(kiralaxyl)、メプロニル、メタラキシル、メタラキシル-M(メフェノキサム)、オフラセ、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、テクロフタラム、チフルザミド、チアジニル;
・ カルボン酸モルホリド系:ジメトモルフ、フルモルフ;
・ 安息香酸アミド系:フルメトベル、フルオピコリド、フルオピラム、ゾキサミド、N-(3-エチル-3,5-5-トリメチル-シクロヘキシル)-3-ホルミルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンズアミド;
・ 他のカルボキサミド系:カルプロパミド、ジクロシメット(dicyclomet)、マンジプロパミド、オキシテトラサイクリン、シルチオファム、及び、N-(6-メトキシ-ピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボン酸アミド;
(N) アゾール系
・ トリアゾール系:アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、オキスポコナゾール、パクロプトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、1-(4-クロロ-フェニル)-2-([1,2,4]トリアゾール-1-イル)-シクロヘプタノール;
・ イミダゾール系:シアゾファミド、イマザリル、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール;
・ ベンゾイミダゾール系:ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール;
・ その他:エタボキサム、エトリジアゾール、ヒメキサゾール、及び、2-(4-クロロ-フェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-イソオキサゾール-5-イル]-2-プロパ-2-イニルオキシ-アセトアミド;
(P) ヘテロ環式化合物
・ ピリジン系:フルアジナム、ピリフェノックス、3-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン、3-[5-(4-メチル-フェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン、2,3,5,6-テトラ-クロロ-4-メタンスルホニル-ピリジン、3,4,5-トリクロロ-ピリジン-2,6-ジ-カルボニトリル、N-(1-(5-ブロモ-3-クロロ-ピリジン-2-イル)-エチル)-2,4-ジクロロニコチンアミド、N-[(5-ブロモ-3-クロロ-ピリジン-2-イル)-メチル]-2,4-ジクロロ-ニコチンアミド;
・ ピリミジン系:ブピリメート、シプロジニル、ジフルメトリム、フェナリモール、フェリムゾン、メパニピリム、ニトラピリン、ヌアリモール、ピリメタニル;
・ ピペラジン系:トリホリン;
・ ピロール系:フェンピクロニル、フルジオキソニル;
・ モルホリン系:アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;
・ ピペリジン系:フェンプロピジン;
・ ジカルボキシイミド系:フルオルイミド、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
・ 非芳香族5員ヘテロ環系:ファモキサドン、フェンアミドン、オクチリノン、プロベナゾール、5-アミノ-2-イソプロピル-3-オキソ-4-オルト-トリル-2,3-ジヒドロ-ピラゾール-1-カルボチオ酸S-アリルエステル;
・ その他:アシベンゾラル-S-メチル、アミスルブロム、アニラジン、ブラストサイジン-S、カプタホール、キャプタン、キノメチオネート、ダゾメット、デバカルブ、ジクロメジン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、フェノキサニル、ホルペット、オキソリン酸、ピペラリン、プロキナジド、ピロキロン、キノキシフェン、トリアゾキシド、トリシクラゾール、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール、5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、6-(3,4-ジクロロ-フェニル)-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-(4-tert-ブチルフェニル)-5-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-メチル-6-(3,5,5-トリメチル-ヘキシル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-メチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-メチル-5-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-エチル-5-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-エチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-エチル-6-(3,5,5-トリメチル-ヘキシル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-オクチル-5-プロピル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、5-メトキシメチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、6-オクチル-5-トリフルオロメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン、及び、5-トリフルオロメチル-6-(3,5,5-トリメチル-ヘキシル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミン;
(Q) カルバメート系
・ チオカルバメート系及びジチオカルバメート系:ファーバム、マンゼブ、マンネブ、メタム、メタスルホカルブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、ジネブ、ジラム;
・ カルバメート系:ベンチアバリカルブ、ジエトフェンカルブ、フルベンチアバリカルブ(flubenthiavalicarb)、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、バリフェナール、及び、N-(1-(1-(4-シアノ-フェニル)エタンスルホニル)-ブタ-2-イル)カルバミン酸-(4-フルオロフェニル)エステル;
(R) 別の殺菌活性物質
・ グアニジン系:グアニジン、ドジン、ドジン遊離塩基、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine-tris(albesilate));
・ 抗生物質:カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、ストレプトマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA;
・ ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、ニトロタル-イソプロピル(nitrthal-isopropyl)、テクナゼン;
・ 有機金属化合物:フェンチン塩、例えば、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、又は、水酸化トリフェニルスズ;
・ 硫黄含有ヘテロシクリル化合物:ジチアノン、イソプロチオラン;
・ 有機リン化合物:エジフェンホス、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、イプロベンホス、亜リン酸及びその塩、ピラゾホス、トルクロホス-メチル;
・ 有機塩素化合物:クロロタロニル、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、フルスルファミド、ヘキサクロロベンゼン、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール及びその塩、フタリド、キントゼン、チオファネート-メチル、トリルフルアニド、N-(4-クロロ-2-ニトロ-フェニル)-N-エチル-4-メチル-ベンゼンスルホンアミド;
・ 無機活性物質:ボルドー液、酢酸銅、水酸化銅、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
・ その他:ビフェニル、ブロノポール、シフルフェナミド、シモキサニル、ジフェニルアミン、メトラフェノン、ミルディオマイシン、オキシン銅、プロヘキサジオン-カルシウム、スピロキサミン、トリルフルアニド、N-(シクロプロピルメトキシイミノ-(6-ジフルオロ-メトキシ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、及び、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン;
(S) 生長調節剤
アブシジン酸、アミドクロル、アンシミドール、6-ベンジルアミノプリン、ブラシノリド、ブトラリン、クロルメコート(クロルメコートクロリド)、コリンクロリド、シクラニリド、ダミノジット、ジケグラック、ジメチピン、2,6-ジメチルプリジン、エテホン、フルメトラリン、フルルプリミドール、フルチアセット、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン酸、イナベンフィド、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メピコート(メピコートクロリド)、ナフタレン酢酸、N-6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール、プロヘキサジオン(プロヘキサジオン-カルシウム)、プロヒドロジャスモン、チジアズロン、トリアペンテノール、トリブチルホスホロトリチオエート、2,3,5-トリ-ヨード安息香酸、トリネキサパック-エチル、及び、ウニコナゾール。
【0038】
上記で挙げられている活性化合物(III)、それらの調製及び有害な菌類に対するそれらの作用は、一般的に知られている(例えば、http://www.hclrss.demon.co.uk/index.html)。それらは、市販されている。
【0039】
IUPAC命名法によって記述されている上記化合物、それらの調製及びそれらの殺菌活性も知られている(cf. Can. J. Plant Sci. 48(6), 587-94, 1968;EP-A 141 317;EP-A 152 031;EP-A 226 917;EP-A 243 970;EP-A 256 503;EP-A 428 941;EP-A 532 022;EP-A 1 028 125;EP-A 1 035 122;EP-A 1 201 648;EP-A 1 122 244, JP 2002316902;DE 19650197;DE 10021412;DE 102005009458;US 3,296,272;US 3,325,503;WO 98/46608;WO 99/14187;WO 99/24413;WO 99/27783;WO 00/29404;WO 00/46148;WO 00/65913;WO 01/54501;WO 01/56358;WO 02/22583;WO 02/40431;WO 03/10149;WO 03/11853;WO 03/14103;WO 03/16286;WO 03/53145;WO 03/61388;WO 03/66609;WO 03/74491;WO 04/49804;WO 04/83193;WO 05/120234;WO 05/123689;WO 05/123690;WO 05/63721;WO 05/87772;WO 05/87773;WO 06/15866;WO 06/87325;WO 06/87343;WO 07/82098;WO 07/90624)。
【0040】
化合物(I)(成分(1))と群(L)のストロビルリン系から選択される〔特に、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン及びトリフロキシストロビンから選択される〕少なくとも1種類の活性物質(II)(成分(2))を含んでいる三成分混合物も好ましい。
【0041】
化合物(I)(成分(1))と群(M)のカルボキサミド系から選択される〔特に、フェンヘキサミド、メタラキシル、メフェノキサム、オフラセ、ジメトモルフ、フルモルフ、フルオピコリド(ピコベンズアミド(picobenzamid))、ゾキサミド、カルプロパミド及びマンジプロパミドから選択される〕少なくとも1種類の活性物質(II)(成分(2))を含んでいる三成分混合物も好ましい。
【0042】
式(I)で表される化合物(成分(1))と群(N)のアゾール系から選択される〔特に、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリチコナゾール、プロクロラズ、シアゾファミド、ベノミル、カルベンダジム及びエタボキサムから選択される〕少なくとも1種類の活性物質(II)(成分(2))を含んでいる三成分混合物も好ましい。
【0043】
化合物(I)(成分(1))と群(P)のヘテロ環式化合物から選択される〔特に、フルアジナム、シプロジニル、フェナリモール、メパニピリム、ピリメタニル、トリホリン、フルジオキソニル、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、イプロジオン、ビンクロゾリン、ファモキサドン、フェンアミドン、プロベナゾール、プロキナジド、アシベンゾラル-S-メチル、カプタホール、ホルペット、フェノキサニル及びキノキシフェンから選択される〕少なくとも1種類の活性物質(II)(成分(2))を含んでいる三成分混合物も好ましい。
【0044】
化合物(I)(成分(1))と群(Q)のカルバメート系から選択される〔特に、マンゼブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、イプロバリカルブ、フルベンチアバリカルブ及びプロパモカルブから選択される〕少なくとも1種類の活性物質(II)(成分(2))を含んでいる三成分混合物も好ましい。
【0045】
化合物(I)(成分(1))と群(R)において挙げられている殺菌剤から選択される〔特に、ジチアノン、フェンチン塩、例えば、酢酸トリフェニルスズ、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、H3PO3及びその塩、クロロタロニル、ジクロフルアニド、チオファネート-メチル、酢酸銅、水酸化銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、硫黄、シモキサニル、メトラフェノン、スピロキサミン及び5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンから選択される〕少なくとも1種類の活性物質(II)(成分(2))を含んでいる三成分混合物も好ましい。
【0046】
化合物(I)及び化合物(II)と上記化合物(II)及び化合物(III)から選択される2種類のさらなる活性化合物からなる四成分混合物も好ましい。
【0047】
好ましい活性化合物組合せについて、下記表1〜表9に記載する:
【表1】

【0048】

【表2】

【表3】

【0049】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【0050】

【0051】
活性物質の上記混合物は、通常の方法によって、例えば、化合物(I)の組成物に関して与えられている方法によって、活性化合物の他に少なくとも1種類の不活性成分を含んでいる組成物として調製することができる。
【0052】
本発明による活性物質の混合物は、式(I)で表される化合物と同様に、殺菌剤として適している。それらは、特に、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)及び卵菌類(Peronosporomycetes)(異名 Oomycetes)の類の、広範囲の植物病原性菌類に対して顕著な効果を示すことを特徴とする。さらに、それぞれ、当該化合物及び化合物(I)を含んでいる組成物の殺菌活性に関して説明する。
【0053】
化合物(I)(1種類又は複数種類)と活性化合物(II)のうちの少なくとも1種類の混合物、又は、化合物(I)と活性化合物(II)のうちの少なくとも1種類を同時に(即ち、共同で又は別々に)使用することは、特に、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Peronosporomycetes)(異名 Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)(異名 Fungi imperfecti)の類に由来する、広範囲の植物病原性菌類(これは、土壌伝染性菌類を包含する)に対して顕著な効果を示すことを特徴とする。中には浸透移行効果を示しものがあり、それらは、茎葉殺菌剤として、種子粉衣用の殺菌剤として及び土壌殺菌剤として作物保護において使用することができる。さらに、それらは、とりわけ木材又は植物の根に生息する有害な菌類を防除するのにも適している。
【0054】
本発明の化合物(I)及び組成物は、さまざまな栽培植物〔例えば、穀類、例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、エンバク又はイネ;ビート、例えば、テンサイ又は飼料用ビート;果実、例えば、仁果、核果又は小果樹、例えば、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクラ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー又はグーズベリー;マメ科植物、例えば、ヒラマメ、エンドウマメ、ムラサキウマゴヤシ又はダイズ;油料植物、例えば、ナタネ、カラシナ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオ豆、トウゴマ、ギネアアブラヤシ、ラッカセイ又はダイズ;ウリ科植物、例えば、カボチャ、キュウリ又はメロン;繊維植物、例えば、ワタ、アマ、アサ又はジュート;柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ又はマンダリン;野菜類、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、カボチャ(cucurbit)又はパプリカ;クスノキ科植物、例えば、アボカド、シナモン又はクスノキ(camphor);エネルギー植物及び原料植物(raw material plants)、例えば、トウモロコシ、ダイズ、ナタネ、サトウキビ又はギネアアブラヤシ;トウモロコシ;タバコ;堅果;コーヒー;チャ;バナナ;蔓植物(vine)(食用ブドウ(table grapes)及びブドウジュース、ブドウ(grape vine));ホップ;芝;ゴム料植物(natural rubber plant)、又は、観賞植物及び森林植物、例えば、花、低木、広葉樹又は常緑樹、例えば、針葉樹〕の表面上の、並びに、植物繁殖器官(plant propagation material)〔例えば、種子〕及び前記植物の作物物質(crop material)の表面上の、多くの種類の植物病原性菌類の防除において特に重要である。
【0055】
好ましくは、本発明の化合物(I)及び組成物はそれぞれ、農作物〔例えば、ジャガイモ、テンサイ、タバコ、コムギ、ライムギ、オオムギ、エンバク、イネ、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、ナタネ、マメ科植物、ヒマワリ、コーヒー又はサトウキビ;果実;蔓植物;観賞植物;又は、野菜類、例えば、キュウリ、トマト、インゲンマメ及びカボチャ〕の表面上の多数種類の菌類を防除するのに使用する。
【0056】
用語「植物繁殖器官(plant propagation material)」は、植物の全ての生殖器官〔例えば、種子〕及び植物の繁殖に使用することが可能な植物の栄養器官(vegetative plant material)〔例えば、挿し穂及び塊茎(例えば、ジャガイモ)〕を意味するものと理解される。そのようなものとしては、種子、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎、苗条、芽、及び、発芽後又は土壌から出芽した後に移植される植物の別の部分〔これは、実生及び幼植物(young plant)を包含する〕などがある。これらの幼植物も、浸漬又は灌水によって全体的に又は部分的に処理することにより、移植前に保護することができる。
【0057】
好ましくは、化合物(I)及びその組成物を用いた植物繁殖器官の処理は、それぞれ、穀類(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ及びエンバ)、イネ、トウモロコシ、ワタ及びダイズにおける多数種類の菌類を防除するのに使用される。
【0058】
用語「栽培植物」は、育種、突然変異誘発又は遺伝子工学によって改変された植物を包含するものとして理解され、そのようなものとしては、限定するものではないが、市販されているか又は開発中の生物工学的農産物(agricultural biotech product)などを挙げることができる(cf. http://www.bio.org/speeches/pubs/er/agri_products.asp)。遺伝子組換え植物は、自然環境下において、交雑、突然変異又は自然組換えによって容易には得ることがでいないような、組換えDNA技術を用いて遺伝物質が改変された植物である。典型的には、植物の特定の特性を改善するために、遺伝子組換え植物の遺伝物質の中に1種類以上の遺伝子が組み込まれている。そのような遺伝子修飾としては、限定するものではないが、グリコシル化又はポリマー付加(例えば、プレニル化、アセチル化若しくはファルネシル化部分又はPEG部分)による、タンパク質、オリゴペプチド又はポリペプチドの標的化翻訳後修飾(targeted post-transtional modification)なども挙げることができる。
【0059】
育種、突然変異誘発又は遺伝子工学によって改変された植物、例えば、育種又は遺伝子工学の慣習的な方法の結果として特定の種類の除草剤〔例えば、ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤;アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤、例えば、スルホニル尿素系(例えば、US 6,222,100、WO 01/82685、WO 00/26390、WO 97/41218、WO 98/02526、WO 98/02527、WO 04/106529、WO 05/20673、WO 03/14357、WO 03/13225、WO 03/14356、WO 04/16073を参照されたい)又はイミダゾリノン系(例えば、US 6,222,100、WO 01/82685、WO 00/026390、WO 97/41218、WO 98/002526、WO 98/02527、WO 04/106529、WO 05/20673、WO 03/014357、WO 03/13225、WO 03/14356、WO 04/16073を参照されたい);エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)阻害剤、例えば、グリホセート(例えば、WO 92/00377を参照されたい);グルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤、例えば、グルホシネート(例えば、EP-A 242236、EP-A 242246を参照されたい)、又は、オキシニル系除草剤(例えば、US 5,559,024を参照されたい)〕の施用に対して耐性にされた植物。数種類の栽培植物が、育種(突然変異誘発)の慣習的な方法によって、除草剤に対して耐性にされた。例えば、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(summer rape)(Canola, BASF SE, Germany)は、イミダゾリノン系(例えば、イマザモックス)に対して耐性を示す。遺伝子工学的方法を用いて、ダイズ、ワタ、トウモロコシ、ビート及びナタネなどの栽培植物が、グリホセート及びグルホシネートなどの除草剤に対して耐性にされた。これらのうちの一部は、「RoundupReady(登録商標)」(グリホセート耐性;Monsanto, U.S.A.)及び「LibertyLink(登録商標)」(グルホシネート耐性;Bayer CropScience, Germany)の商品名で市販されている。
【0060】
さらに、組換えDNA技術を用いて、1種類以上の殺虫性タンパク質、特に、細菌バシルス(Bacillus)属によって知られている殺虫性タンパク質、特に、バチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)によって知られている殺虫性タンパク質、例えば、δ-内毒素、例えば、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)、又は、Cry9c;栄養生長期分泌殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal proteins)(VIP)、例えば、VIP1、VIP2、VIP3、又は、VIP3A;線虫共生細菌(bacteria colonizing nematode)の殺虫性タンパク質、例えば、ホトラブズス属種(Photorhabdus spp.)又はキセノラブズス属種(Xenorhabdus spp.)の殺虫性タンパク質;動物によって産生される毒素、例えば、サソリの毒素、クモ形類動物の毒素、スズメバチの毒素、又は、別の昆虫特異的な神経毒;真菌類によって産生される毒素、例えば、ストレプトマイセテス(streptomycetes)毒素;植物レクチン、例えば、エンドウレクチン又はオオムギレクチン;アグルチニン;プロテイナーゼ阻害物質、例えば、トリプシン阻害物質、セリンプロテアーゼ阻害物質、パタチン、シスタチン又はパパインの阻害物質;リボソーム不活性化タンパク質(RIP)、例えば、リシン、トウモロコシRIP、アブリン、ルフィン、サポリン又はブリオジン;ステロイド代謝酵素、例えば、3-ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害物質又はHMG-CoA-レダクターゼ;イオンチャンネル遮断薬、例えば、ナトリウムチャンネル又はカルシウムチャンネルの遮断薬;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体(ヘリコキニンレセプター);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼ及びグルカナーゼを合成することができる植物も包含される。本発明に関連して、これらの殺虫性タンパク質又は毒素は、特に、前毒素(pre-toxin)、ハイブリッドタンパク質、末端が切除されたタンパク質又は別の修飾を受けたタンパク質としても理解される。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新規組合せによって特徴付けられる(例えば、WO 2002/015701を参照されたい)。そのような毒素のさらなる例又はそのような毒素を合成することができる遺伝子組換え植物のさらなる例は、例えば、EP-A 374753、WO 93/07278、WO 95/34656、EP-A 427529、EP-A 451878、WO 03/18810及びWO 03/52073に開示されている。そのような遺伝子組換え植物を作る方法は、当業者には概して知られており、また、例えば、上記刊行物中に記載されている。遺伝子組換え植物の中に含まれている上記殺虫性タンパク質は、該殺虫性タンパク質を産生する植物に、節足動物の全ての分類学的群の有害生物に対する耐性、特に、甲虫類(Coeleropta)、双翅目昆虫(Diptera)及び鱗翅目(Lepidoptera)に対する耐性、並びに、線虫類(Nematoda)に対する耐性を付与する。1種類以上の殺虫性タンパク質を合成することができる遺伝子組換え植物は、例えば、上記刊行物に記載されており、また、それらのうちの一部は、市販されており、例えば、以下のものである:YieldGard(登録商標)(毒素Cry1Abを産生するトウモロコシ品種)、YieldGard(登録商標)Plus(毒素Cry1Ab及びCry3Bb1を産生するトウモロコシ品種)、Starlink(登録商標)(毒素Cry9cを産生するトウモロコシ品種)、Herculex(登録商標)RW(毒素Cry34Ab1、Cry35Ab1及び酵素ホスフィノトリシン-N-アセチルトランスフェラーゼ[PAT]を産生するトウモロコシ品種);NuCOTN(登録商標)33B(毒素Cry1Acを産生するワタ品種)、Bollgard(登録商標)I(毒素Cry1Acを産生するワタ品種)、Bollgard(登録商標)II(毒素Cry1Ac及びCry2Ab2を産生するワタ品種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を産生するワタ品種);NewLeaf(登録商標)(毒素Cry3Aを産生するジャガイモ品種);Bt-Xtra(登録商標)、NatureGard(登録商標)、KnockOut(登録商標)、BiteGard(登録商標)、Protecta(登録商標)、Bt11(例えば、Agrisure(登録商標)CB)及びBt176(製造元:Syngenta Seeds SAS, France)(毒素Cry1Ab及びPAT酵素を産生するトウモロコシ品種)、MIR604(製造元:Syngenta Seeds SAS, France)(毒素Cry3Aの修飾形態を産生するトウモロコシ品種;c.f. WO 03/018810)、MON 863(製造元:Monsanto Europe S.A., Belgium)(毒素Cry3Bb1を産生するトウモロコシ品種)、IPC 531(製造元:Monsanto Europe S.A., Belgium)(毒素Cry1Acの修飾形態を産生するワタ品種)、及び、1507(製造元:Pioneer Overseas Corporation, Belgium)(毒素Cry1F及びPAT酵素を産生するトウモロコシ品種)。
【0061】
さらに、組換えDNA技術を用いて、細菌類病原体、ウイルス類病原体又は菌類病原体に対する植物の抵抗性又は耐性を増強するための1種類以上のタンパク質を合成することができる植物も包含される。そのようなタンパク質の例は、いわゆる、「感染特異的タンパク質(Pathogenesis-related proteins)」(PRタンパク質;EP-A 0392225を参照されたい)、植物病害抵抗性遺伝子(例えば、メキシコ産野生ジャガイモ(Solanum bulbocastanum)に由来するフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対して作用する抵抗性遺伝子を発現するジャガイモ品種)、又は、T4-リゾチーム(例えば、エルビニア・アミロボラ(Erwinia amylvora)などの細菌に対する抵抗性が増強されている該タンパク質を合成することができるジャガイモ品種)である。そのような遺伝子組換え植物を作る方法は、当業者には概して知られており、また、例えば、上記刊行物中に記載されている。
【0062】
さらに、組換えDNA技術を用いて、生産性(例えば、バイオマスの産生、穀物の収量、澱粉含有量、油含有量又はタンパク質の含有量)を増大させるための1種類以上のタンパク質、渇水、塩分若しくは生長を制限する別の環境要因に対する耐性を増強するための1種類以上のタンパク質、又は、害虫(pest)及び植物の菌類病原体、細菌類病原体若しくはウイルス類病原体に対する耐性を増強するための1種類以上のタンパク質を合成することができる植物も包含される。
【0063】
さらに、組換えDNA技術を用いて、改変された含有量の物質又は新規物質、特に、ヒト又は動物の栄養分を向上させるためための物質又は新規物質を含んでいる植物、例えば、健康を促進する長鎖ω-3 脂肪酸又は不飽和ω-9 脂肪酸を産生する油料作物(例えば、Nexera(登録商標)ナタネ;DOW Agro Sciences, Canada)なども包含される。
【0064】
さらに、組換えDNA技術を用いて、改変された含有量の物質又は新規物質、特に、原料(raw material)の産生を向上させるための物質又は新規物質を含んでいる植物、例えば、増大された量のアミロペクチンを産生するジャガイモ(例えば、Amflora(登録商標)ジャガイモ;BASF SE, Germany)なども包含される。
【0065】
化合物(I)及びその組成物はそれぞれ、以下の植物病害を防除するのに特に適している:
・ 観葉植物、野菜(例えば、アルブゴ・カンジダ(A.candida))及びヒマワリ(例えば、アルブゴ・トラゴポゴニス(A.tragopogonis))におけるアルブゴ属種(Albugo spp.)(白さび病);
・ 野菜、アブラナ(アルテルナリア・ブラシコラ(A.brassicola)若しくはブラシカ(brassicae))、サトウダイコン(アルテルナリア・テヌイス(A.tenuis))、果物、イネ、大豆、ジャガイモ(例えば、アルテルナリア・ソラニ(A.solani)若しくはアルテルナリア・アルテルナタ(A.alternata))、トマト(例えば、アルテルナリア・ソラニ(A.solani)若しくはアルテルナリア・アルテルナタ(A.alternata))及び小麦におけるアルテルナリア種 (Alternaria spp.)(アルテルナリア斑点病);
・ サトウダイコン及び野菜におけるアファノミセス属種(Aphanomyces spp.);
・ 穀類及び野菜におけるアスコキタ属種(Ascochyta spp.)、例えば、小麦におけるアスコキタ・トリチシ(A.tritici) (炭疽病)及び大麦におけるアスコキタ・ホルデイ(A.hordei);
・ トウモロコシ(例えば、ドレクスレラ・マイジス(D.maydis))、穀類(例えば、ビポラリス・ソロキニアナ(B.sorokiniana): 斑点病)、イネ(例えば、ビポラリス・オリザエ(B.oryzae))及び芝におけるビポラリス(Bipolaris)種及びドレクスレラ(Drechslera)種 (テレオモルフ: コクリオボラス属種(Cochliobolus spp.));
・ 穀類(例えば、小麦若しくは大麦)におけるブルメリア(Blumeria)(以前はエリシフェ(Erysiphe))・グラミニス(graminis)(うどん粉病);
・ 果物及びベリー(例えば、イチゴ)、野菜(例えば、レタス、ニンジン、セロリ及びキャベツ)、アブラナ、花、蔓、森林植物及び小麦におけるボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)(テレオモルフ:ボトリオティニア・フケリアナ(Botryotinia fuckeliana): 灰色カビ病);
・ レタスにおけるブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae) (べと病);
・ 広葉樹及び常緑樹におけるセラトシスティス(Ceratocystis)(オフィオストマ(Ophiostoma))と同義)属種(腐敗若しくは立ち枯れ病)、例えば、ニレにおけるセラトシスティス・ウルミ(C.ulmi)(オランダニレ病);トウモロコシ、イネ、サトウダイコン(例えば、セルコスポラ・ベチコラ(C.beticola))、サトウキビ、野菜、コーヒー、大豆(例えば、セルコスポラ・ソジナ(C.sojina)若しくはセルコスポラ・キクチ(C.kikuchii))並びにイネにおけるセルコスポラ種 (Cercospora spp.)(セルコスポラ斑点病);
・ トマト(例えば、クラドスポリウム・フルバム(C.fulvum): 腐葉土)におけるクラドスポリウム属種(Cladosporium spp)及び穀類、例えば、小麦におけるクラドスポリウム・ヘルバルム(C.herbarum) (黒耳);
・ 穀類におけるクラビセプス・パープレア(Claviceps purpurea) (麦角);
・ トウモロコシ(コクリオボラス・カルボナム(C.carbonum))、穀類(例えば、コクリオボラス・サチブス(C.sativus)、アナモルフ: B.sorokiniana)及びイネ(例えば、コクリオボラス・ミヤベアヌス(C.miyabeanus)、アナモルフ: H.oryzae)におけるコクリオボラス(Cochliobolus) (アナモルフ: ビポラリス(Bipolaris)のヘルミントスポリウム(Helminthosporium))属種(斑点病);
・ 綿(例えば、コレトトリカム・ゴシピ(C.gossypii))、トウモロコシ(例えば、コレトトリカム・グラミニコラ(C.graminicola))、ソフトフルーツ、ジャガイモ(例えば、コレトトリカム・ココデス(C.coccodes): 黒点)、豆(例えば、コレトトリカム・リンデムチアヌム(C.lindemuthianum))及び大豆(例えば、コレトトリカム・トルンカツム(C.truncatum)若しくはコレトトリカム・グレオスポリオイデス(C.gloeosporioides))におけるコレトトリカム(Colletotrichum) (テレオモルフ: グロメレラ(Glomerella))属種(炭疽病);
・ イネにおけるコルチシウム属種(Corticium spp.)、例えば、コルチシウム・ササキ(C.sasakii) (紋枯病);
・ 大豆及び観葉植物におけるコリネスポラ・カシイコラ(Corynespora cassiicola )(斑点病);
・ オリーブの木におけるシクロコニウム属種(Cycloconium spp.)、例えば、シクロコニウム・オレアギナム(C.oleaginum);
・ 果実の木、蔓(例えば、シリンドロカルポン・リリオデンドリ(C.liriodendri)、テレオモルフ: ネオネクトリア・リリオデンドリ(Neonectria liriodendri): 黒足病)及び観葉植物におけるシリンドロカルポン属種(Cylindrocarpon spp.)(例えば、果実の木枯れ病若しくは若蔓減少、テレオモルフ:ネクトリア(Nectria)若しくはネオネクトリア属種(Neonectria spp.));大豆におけるデマトフォラ(Dematophora) (テレオモルフ: ロセリニア(Rosellinia))・ネカトリックス(necatrix) (根及び軸枯れ病);
・ 大豆におけるディアポルテ属種(Diaporthe spp.)、例えば、ディアポルテ・ファセオロラム(D.phaseolorum)(立ち枯れ病);
・ トウモロコシ、大麦(例えば、ドレクスレラ・テレス(D.teres)、網斑病)及び小麦(例えば、ドレクスレラ・トリチシ-レペンチス(D.tritici-repentis):黄褐色斑)などの穀類、イネ並びに芝におけるドレクスレラ属種(Drechslera (Helminthosporiumと同義、テレオモルフ: Pyrenophora) spp.);
・ フォルミチポリア(Formitiporia) (フェリヌス(Phellinus)と同義)・パンクタタ(punctata)、フォルミチポリア・メジテラネア(F.mediterranea)、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella chlamydospora) (以前はファエオアクレモニウム・クラミドスポラム(Phaeoacremonium chlamydosporum)、ファエオアクレモニウム・アレフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及び/若しくはボトリオスフェリア・オブツサ(Botryosphaeria obtusa)により引き起こされる、蔓におけるエスカ(Esca) (枝枯れ病、溢血);
・ ナシ果実(エルシノエ・ピリ(E.pyri))、ソフトフルーツ(エルシノエ・ベネタ(E.veneta): 炭疽病)及び蔓(エルシノエ・アンペリナ(E.ampelina): 炭疽病)におけるエルシノエ属種(Elsinoe spp.);
・ イネにおけるエンチロマ・オリザエ(Entyloma oryzae) (黒穂病);
・ 小麦におけるエピコッカム属種(Epicoccum spp.) (パンかび);
・ サトウダイコン(エリシフェ・ベタエ(E.betae))、ウリ(例えば、エリシフェ・シクロラセアラム(E.cichoracearum))、キャベツ、アブラナ(例えば、エリシフェ・クルシフェラルム(E.cruciferarum)などの野菜(例えば、エリシフェ・ピシ(E.pisi))におけるエリシフェ属種(Erysiphe spp.)(うどん粉病);
・ 果実の木、蔓及び観葉植物におけるエウチパ・ラタ(Eutypa lata) (エウチパ・カンケル(Eutypa canker)若しくは立ち枯れ病、アナモルフ:シトスポリナ・ラタ(Cytosporina lata)、リベルテラ・ブレファリス(Libertella blepharis)と同義);
・ トウモロコシ(例えば、エクセロヒルム・ツルシカム(E.turcicum))におけるエクセロヒルム属種(Exserohilum spp.)(ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)と同義)種;
・ 穀類(例えば、小麦若しくは大麦)におけるフサリウム・グラミネアルム(F.graminearum)若しくはフサリウム・カルモラム(F.culmorum) (根腐れ、黒星病若しくは赤カビ病)、トマトにおけるフサリウム・オキシスポラム(F.oxysporum)、大豆におけるフサリウム・ソラニ(F.solani)及びトウモロコシにおけるフサリウム・ベルチシリオイデス(F.verticillioides)などの様々な植物におけるフサリウム属種(Fusarium spp.)(テレオモルフ:ギベレラ(Gibberella))(立ち枯れ病、根腐れ病若しくは軸腐れ病);
・ 穀類(例えば、小麦若しくは大麦)及びトウモロコシにおけるガエマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)(立ち枯れ病);
・ 穀類(例えば、ギベレラ・ゼアエ(G.zeae))及びイネ(例えば、ギベレラ・フジクロイ(G.fujikuroi: Bakanae病)におけるギベレラ属種(Gibberella spp.);
・ 蔓、ナシ果実及び他の植物におけるグロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)並びに綿におけるグロメレラ・ゴシピ(G.gossypii);
・ イネにおける穀類染色複合体;
・ 蔓におけるグイグナルディア・ビドウェリ(Guignardia bidwellii) (黒斑病);
・ バラ科植物及びジュニパーにおけるギムノスポランギウム属種(Gymnosporangium spp.)、例えば、ナシにおけるギムノスポランギウム・サビナエ(G.sabinae) (さび);
・ トウモロコシ、穀類及びイネにおけるヘルミントスポリウム属種(Helminthosporium spp.) (ドレクスレラ(Drechslera)と同義、テレオモルフ: コクリオボラス(Cochliobolus));
・ ヘミレイア属種(Hemileia spp.)、例えば、コーヒーにおけるヘミレイア・バスタトリックス(H.vastatrix) (コーヒー葉さび);
・ 蔓におけるイサリオプシス・クラビスポラ(Isariopsis clavispora) (クラドスポリウム・ビチス(Cladosporium vitis)と同義);
・ 大豆及び綿におけるマクロフォミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina) (ファセオリ(phaseoli)と同義) (根腐れ病及び軸腐れ病);
・ 穀類(例えば、小麦若しくは大麦)におけるミクロドチウム(Microdochium)(フサリウム(Fusarium)と同義)・ニバレ(nivale) (桃雪かび);
・ 大豆におけるミクロスフェラ・ジフサ(Microsphaera diffusa) (うどん粉病);
・ 核果類及び他のバラ科植物におけるモニリニア属種(Monilinia spp.)、例えば、モニリニア・ラクサ(M.laxa)、モニリニア・フルチコラ(M.fructicola)及びモニリニア・フルクチゲナ(M.fructigena)(花枯れ病及び枝枯れ病、褐色腐敗病);
・ 穀類、バナナ、ソフトフルーツ及び挽いたナッツにおけるミコスフェレラ属種(Mycosphaerella spp.)、例えば、小麦におけるミコスフェレラ・グラミニコラ(M.graminicola) (アナモルフ:セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、セプトリア・ブロッチ(Septoria blotch))若しくはバナナにおけるミコスフェレラ・フジエンシス(M.fijiensis) (黒Sigatoka病);
・ キャベツ、例えば、ペロノスポラ・ブラシカ(P.brassicae))、アブラナ(例えば、ペロノスポラ・パラシチカ(P.parasitica))、タマネギ(例えば、ペロノスポラ・デストルクトル(P.destructor))、タバコ(ペロノスポラ・タバシナ(P.tabacina))及び大豆(例えば、ペロノスポラ・マンシュリカ(P.manshurica))におけるペロノスポラ属種(Peronospora spp.) (べと病);
・ 大豆におけるファコスポラ・パクリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコスポラ・メイボミアエ(P.meibomiae) (大豆さび);
・ 蔓(例えば、フィアロフォラ・トラケイフィラ(P.tracheiphila)及びフィアロフォラ・テトラスポラ(P.tetraspora))並びに大豆(例えば、フィアロフォラ・グレガタ(P.gregata): 軸腐れ病)におけるフィアロフォラ属種(Phialophora spp.);
・ アブラナ及びキャベツにおけるフォマ・リンガム(Phoma lingam)(根腐れ病及び軸腐れ病)並びにサトウダイコンにおけるフォマ・ベタエ(P.betae) (根腐れ病、斑点病及び立ち枯れ病);
・ ヒマワリ、蔓(例えば、フォモプシス・ビチコラ(P.viticola): カン及び斑点病)及び大豆(例えば、軸腐れ病:フォモプシス・ファセオリ(P.phaseoli)、テレオモルフ:ディアスポルテ・ファセオロラム(Diaporthe phaseolorum))におけるフォモプシス属種(Phomopsis spp.);
・ トウモロコシにおけるフィソデルマ・マイディス(Physoderma maydis) (褐斑病);
・ パプリカ及びウリ科植物(例えば、フィトフトラ・カプシチ(P.capsici))、大豆(例えば、フィトフトラ・メガスペルマ(P.megasperma)、フィトフトラ・ソジャエ(P.sojae)と同義)、ジャガイモ及びトマト(例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(P.infestans): 葉枯れ病)並びに広葉樹木(例えば、フィトフトラ・ラモラム(P.ramorum): 突然のオークの死)などの様々な植物におけるフィトフトラ属種(Phytophthora spp.) (立ち枯れ病、根腐れ病、葉枯れ病、果実腐敗及び軸腐れ病);
・ キャベツ、アブラナ、大根及び他の植物におけるプラスモジオフォラ・ブラシカ(Plasmodiophora brassicae) (根こぶ病);
・ プラスモパラ属種(Plasmopara spp.)、例えば、蔓におけるプラスモパラ・ビチコラ(P.viticola) (ブドウ蔓のべと病)及びヒマワリにおけるプラスモパラ・ハルステジ(P.halstedii);
・ バラ科植物、ホップ、仁果類及びソフトフルーツにおけるポドスフェラ属種(Podosphaera spp.) (うどん粉病)、例えば、リンゴにおけるポドスフェラ・ロイコトリカ(P.leucotricha);
・ 例えば、大麦及び小麦などの穀類(ポリミキサ・グラミニス(P.graminis))並びにサトウダイコン(ポリミキサ・ベタエ (P.betae))におけるポリミキサ属種(Polymyxa spp.)並びにそれによって伝播されるウイルス病;
・ 穀類、例えば、小麦及び大麦におけるシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides) (眼紋病、テレオモルフ: タペシア・ヤルンダエ(Tapesia yallundae));
・ 例えば、ウリ科植物におけるシュードペロノスポラ・クベンシス(P.cubensis)若しくはホップにおけるシュードペロノスポラ・フミリ(P.humili)などの、様々な植物におけるシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora) (べと病);
・ 蔓におけるシュードペジクラ・トラケイフィラ(Pseudopezicula tracheiphila) (赤火病若しくはロットブレナー、アナモルフ: フィアロフォラ(Phialophora));
・ 例えば、小麦、大麦若しくはライ麦などの穀類、並びにアスパラガス(例えば、プクキニア・アスパラギ(P.asparagi))におけるプクキニア・トリチシナ(P.triticina) (茶さび病若しくは葉さび病)、プクキニア・ストリフォルミス(P.striiformis) (縞さび病若しくは黄さび病)、プクキニア・ホルデイ(P.hordei) (ドワーフさび病)、プクキニア・グラミニス(P.graminis) (軸さび病若しくは黒さび病)、又はプクキニア・レコンジタ(P.recondita) (茶さび病若しくは葉さび病)などの、様々な植物におけるプクキニア属種(Puccinia spp.)(さび病);
・ 小麦におけるピレノフォラ(Pyrenophora) (アナモルフ: ドレクスレラ(Drechslera))・トリチシ-レペンチス(tritici-repentis) (褐斑病)若しくは大麦におけるピレノフォラ・テレス(P.teres)(網斑病);
・ ピリクラリア属種(Pyricularia spp.)、例えば、イネにおけるピリクラリア・オリザエ(P.oryzae) (テレオモルフ: マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、イモチ病)並びに芝及び穀類におけるピリクラリア・グリセア(P.grisea);
・ 芝、イネ、トウモロコシ、小麦、綿、アブラナ、ヒマワリ、大豆、サトウダイコン、野菜及び他の様々な植物におけるピチウム属種(Pythium spp.)(立ち枯れ病)(例えば、ピチウム・ウルチマム(P.ultimum)若しくはピチウム・アファニデルマタム(P.aphanidermatum));
・ ラムラリア属種(Ramularia spp.)、例えば、大麦におけるラムラリア・コロシグニ(R.collo-cygni) (ラムラリア斑点病、生理的斑点病)及びサトウダイコンにおけるラムラリア・ベチコラ(R.beticola);
・ 綿、イネ、ジャガイモ、芝、トウモロコシ、アブラナ、ジャガイモ、サトウダイコン、野菜及び他の様々な植物におけるリゾクトニア属種(Rhizoctonia spp.)、例えば、大豆におけるリゾクトニア・ソラニ(R.solani) (根腐れ病及び軸腐れ病)、イネにおけるリゾクトニア・ソラニ(R.solani) (紋枯病)又は小麦若しくは大麦におけるリゾクトニア・セレアリス(R.cerealis) (リゾクトニアスプリングブライト);
・ イチゴ、ニンジン、キャベツ、蔓及びトマトにおけるリゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer) (パンかび、軟腐病);
・ 大麦、ライ麦及びトリチカレにおけるリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis) (雲形病);
・ イネにおけるサロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)及びサロクラジウム・アッテヌアタム(S.attenuatum) (鞘腐れ病);
・ 野菜及び畑作物、例えば、アブラナ、ヒマワリ(例えば、スクレロチニア・スクレロチオラム(S.sclerotiorum))及び大豆(例えば、スクレロチニア・ロルフシ(S.rolfsii)若しくはスクレロチニア・スクレロチオラム(S.sclerotiorum))におけるスクレロチニア属種(Sclerotinia spp.)(軸腐れ病若しくは白かび病);
・ 様々な植物におけるセプトリア属種(Septoria spp.)、例えば、大豆におけるセプトリア・グリシネス(S.glycines) (褐斑病)、小麦におけるセプトリア・トリチシ(S.tritici) (セプトリア斑点病)及び穀類におけるセプトリア(S.(スタゴノスポラ(Stagonospora)と同義)・ノドラム(nodorum) (スタゴノスポラ斑点病);
・ 蔓におけるウンシヌラ(Uncinula) (エリシフェ(Erysiphe)と同義)・ネカトル(necator) (うどん粉病、アナモルフ: オイジウム・ツケリ(Oidium tuckeri));
・ トウモロコシ(例えば、セトスパリア・ツルシカム(S.turcicum)、ヘルミントスポリウム・ツルシカム(Helminthosporium turcicum)と同義)及び芝におけるセトスパリア属種(Setospaeria spp.)(黒葉枯れ病);
・ トウモロコシ(例えば、スファセロテカ・レイリアナ(S.reiliana): 黒穂病)、ソルガム及びサトウキビにおけるスファセロテカ属種(Sphacelotheca spp.)(黒穂病);
・ ウリ科植物におけるスフェロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea) (うどん粉病);
・ ジャガイモにおけるスポンゴスポラ・スブテラネア(Spongospora subterranea) (うどん粉病)及びそれにより伝播されるウイルス病;
・ 穀類におけるスタゴノスポラ属種(Stagonospora spp.)、例えば、小麦におけるスタゴノスポラ・ノドラム(S.nodorum) (スタゴノスポラ斑点病、テレオモルフ: レプトスフェリア(Leptosphaeria) [フェオスフェリア(Phaeosphaeria)と同義]・ノドラム(nodorum));
・ ジャガイモにおけるシンチトリウム・エンドビオチカム(Synchytrium endobioticum)(ジャガイモ瘤病);
・ タフリナ属種(Taphrina spp.)、例えば、桃におけるタフリナ・デフォルマンス(T.deformans) (縮葉病)及びプラムにおけるタフリナ・プルニ(T.pruni) (プラムポケット);
・ タバコ、仁果類、野菜、大豆及び綿におけるチエラビオプシス属種(Thielaviopsis spp.) (黒根腐れ病)、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(T.basicola) (チャララ・エレガンス(Chalara elegans)と同義);
・ 穀類におけるチレチア属種(Tilletia spp.) (一般的黒穂病若しくは黒穂病)、例えば、小麦におけるチレチア・トリチシ(T.tritici) (チレチア・カリエス(T.caries)と同義、小麦黒穂病)及びチレチア・コントロベルサ(T.controversa) (ドワーフ黒穂病);
・ 大麦若しくは小麦におけるチフラ・インカルナタ(Typhula incarnata) (灰雪かび病);
・ ウロシスチス属種(Urocystis spp.)、例えば、ライ麦におけるウロシスチス・オクルタ(U.occulta) (軸黒穂病);
・ 豆(例えば、ウロミセス・アペンジクラタス(U.appendiculatus)、ウロミセス・ファセオリ(U.phaseoli)と同義)及びサトウダイコン(例えば、ウロミセス・ベタエ(U.betae))などの野菜におけるウロミセス属種(Uromyces spp.)(さび病);
・ 穀類(例えば、ウスチラゴ・ヌダ(U.nuda)及びウスチラゴ・アベナエ(U.avaenae))、トウモロコシ(例えば、ウスチラゴ・マイジス(U.maydis): トウモロコシ黒穂病)及びサトウキビにおけるウスチラゴ属種(Ustilago spp.)(裸黒穂病);
・ リンゴ(例えば、ベンツリア・イネクアリス(V.inaequalis))及びナシにおけるベンツリア属種(Venturia spp.)(黒星病);
・ 並びに果実及び観葉植物、蔓、ソフトフルーツ、野菜及び畑作物などの様々な植物におけるベルチシリウム属種(Verticillium spp.)(立ち枯れ病)、例えば、イチゴ、アブラナ、ジャガイモ及びトマトにおけるベルチシリウム・ダリアエ(V.dahliae)。
【0066】
化合物(I)及びその組成物はそれぞれ、さらに、材料物質(例えば、材木、紙、塗装用分散液、繊維又は織物)の保護においても、及び、貯蔵生産物の保護においても、有害な菌類を防除するのに適している。木材及び建設資材の保護に関しては、以下の有害菌類が特に注目される:子嚢菌類(Ascomycetes)、例えば、オフィオストマ属種(Ophiostoma spp.)、セラトシスチス属種(Ceratocystis spp.)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、スクレロホマ属種(Sclerophoma spp.)、カエトミウム属種(Chaetomium spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、ペトリエラ属種(Petriella spp.)、トリクルス属種(Trichurus spp.);担子菌類(Basidiomycetes)、例えば、コニオホラ属種(Coniophora spp.)、コリオルス属種(Coriolus spp.)、グロエオフィルム属種(Gloeophyllum spp.)、レンチヌス属種(Lentinus spp.)、プレウロツス属種(Pleurotus spp.)、ポリア属種(Poria spp.)、セルプラ属種(Serpula spp.)、及び、チロミセス属種(Tyromyces spp.);不完全菌類(Deuteromycetes)、例えば、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)、ペニシリウム属種(Penicillium spp.)、トリコルマ属種(Trichorma spp.)、アルテルナリア属種(Alternaria spp.)、パエシロミセス属種(Paecilomyces spp.);並びに、接合菌類(Zygomycetes)、例えば、ムコル属種(Mucor spp.);さらに、貯蔵生産物の保護において、以下の酵母菌は注目に値する:カンジダ属種(Candida spp.)、及び、サッカロミセス・セレビサエ(Saccharomyces cerevisae)。
【0067】
有用な植物への本発明の組み合わせの施用は、収穫高の増大ももたらし得る。
【0068】
式Iの化合物は種々の結晶変態で存在することができ、それらは生物学的活性が異なる場合がある。それらもまた、本発明の対象である。
【0069】
化合物(I)は、そのままで、又は組成物の形態で、菌類、又は菌類の攻撃から防御される対象の植物、植物繁殖材料(例えば種子)、土壌、表面、材料若しくは部屋を、殺菌上有効な量の活性物質を用いて処理することにより用いられる。施用は、植物、植物繁殖材料(例えば種子)、土壌、表面、材料又は部屋への菌類による感染の前及び後のいずれでも行なうことができる。
【0070】
植物繁殖器官は、播種時若しくは移植時に、又は、播種前若しくは移植前に、少なくとも1種の化合物(I)で予防的に処理することができる。
【0071】
本発明は、さらに、溶媒又は固体担体及び少なくとも1種の化合物(I)を含んでいる農化学組成物、並びに有害菌類を防除するためのその使用にも関する。
【0072】
農化学組成物は、殺菌類上有効量の化合物(I)を含む。「有効量」との用語は、栽培中の植物上の有害菌類を防除するために十分であるか、又は材料の防護に十分であり、かつ処理された植物に実質的なダメージを与えない、組成物又は化合物(I)の量を意味する。そのような量は、広範囲で変化することができ、防除する対象の菌類種、処理される栽培植物又は材料、気候条件及び用いる具体的な化合物(I)などの種々の要因に依存する。
【0073】
化合物(I)、化合物(II)、及び任意により化合物(III)は、慣習的な型の農薬組成物、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉剤(dusts)、粉末剤(powders)、ペースト剤及び顆粒剤などに変換することができる。当該組成物の型は、その特定の使用目的に依存する。それは、いずれの場合にも、本発明による化合物を確実に微細且つ均質に分配すべきである。
【0074】
組成物の型の例は、懸濁液剤(SC、OD、FS)、ペースト剤、パステル剤、湿潤性粉末剤若しくは粉剤(WP、SP、SS、WS、DP、DS)又は顆粒剤(GR、FG、GG、MG)〔これらは、水溶性又は湿潤性であり得る〕、及び、植物繁殖器官(例えば、種子)を処理するためのゲル剤(GF)である。
【0075】
通常、上記組成物の型(例えば、SC、OD、FS、WG、SG、WP、SP、SS、WS、GF)は、希釈して使用する。DP、DS、GR、FG、GG及びMGなどの組成物の型は、一般に、希釈しないで使用する。
【0076】
上記組成物は、既知方法で調製する〔cf. US 3,060,084、EP-A 707 445(液体濃厚物に関して)、「Browning:"Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48」、「Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963, S. 8-57 und ff.」、WO 91/13546、US 4,172,714、US 4,144,050、US 3,920,442、US 5,180,587、US 5,232,701、US 5,208,030、GB 2,095,558、US 3,299,566、「Klingman:Weed Control as a Science(J. Wiley & Sons, New York, 1961)」、「Hance et al.:Weed Control Handbook(8th Ed., Blackwell Scientific, Oxford, 1989)及び「Mollet, H. and Grubemann, A.: Formulation technology (Wiley VCH Verlag, Weinheim, 2001)」〕。
【0077】
該農薬組成物には、さらに、農薬組成物において慣習的な補助剤も含有させることもできる。使用する補助剤は、特定の施用形態及び特定の活性化合物のそれぞれに依存する。
【0078】
適切な補助剤の例は、以下のものである:溶媒、固体担体、分散剤若しくは乳化剤(例えば、さらなる可溶化剤、保護コロイ、界面活性剤及び接着剤)、有機増粘剤及び無機増粘剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、適切な場合には、着色剤及び粘着性付与剤又は結合剤(例えば、種子処理用製剤に関して)。
【0079】
適切な溶媒は、水、有機溶媒、例えば、中〜高沸点の鉱油留分、例えば、灯油又はディーゼル油、さらに、コールタール油、並びに、植物又は動物起源の油、脂肪族、環式及び芳香族の炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン類又はそれらの誘導体、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール、グリコール類、ケトン類、例えば、シクロヘキサノン及びガンマ-ブチロラクトン、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸及び脂肪酸エステル、並びに、強極性溶媒、例えば、アミン類、例えば、N-メチルピロリドンなどである。
【0080】
固体担体は、鉱物土(mineral earth)、例えば、シリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕された合成物質、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、及び、植物起源の生成物、例えば、穀粉、樹皮粉(tree bark meal)、木粉及び堅果殻粉、セルロース粉末、及び、別の固体担体などである。
【0081】
適切な界面活性物質(アジュバント、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤又は乳化剤)は、以下のものである:芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、例えば、リグノスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩(Borresperse(登録商標)タイプ:Borregaard, Norway)、フェノールスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩(Morwet(登録商標)タイプ:Akzo Nobel, USA)及びジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩(Nekal(登録商標)タイプ:BASF, Germany)、並びに、脂肪酸、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート及び脂肪アルコールスルフェート、並びに、硫酸化ヘキサデカノレート、硫酸化ヘプタデカノレート、硫酸化オクタデカノレート、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらに、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドの縮合物、ポリオキシ-エチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコール及び脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビタンエステル、リグニン-スルファイト廃液、並びに、タンパク質、変性タンパク質、多糖(例えば、メチルセルロース)、疎水性に変性されたデンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ:Clariant, Switzerland)、ポリカルボキシレート(Sokolan(登録商標)タイプ:BASF, Germany)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(Lupasol(登録商標)タイプ:BASF, Germany)、ポリビニルピロリドン及びそれらのコポリマー。
【0082】
増粘剤(即ち、組成物に対して改変された流動性を付与する化合物、即ち、静止状態においては高い粘性を付与し、撹拌中は低い粘性を付与する化合物)の例は、多糖並びに有機質粘土及び無機質(anorganic)粘土、例えば、キサンタンガム(Kelzan(登録商標):CP Kelco, USA)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia, France)、Veegum(登録商標)(R.T. Vanderbilt, USA)、又は、Attaclay(登録商標)(Engelhard Corp., NJ, USA)である。
【0083】
組成物を保存し、安定化させるために、殺細菌剤を添加することができる。適切な殺細菌剤の例は、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールに基づく殺細菌剤〔ICI社製Proxel(登録商標)、又は、Thor Chemie社製Acticide(登録商標)RS、及び、Rohm & Haas社製Kathon(登録商標)MK〕、並びに、イソチアゾリノン誘導体、例えば、アルキルイソチアゾリノン及びベンゾイソチアゾリノンに基づく殺細菌剤(Thor Chemie社製Acticide(登録商標)MBS)である。
【0084】
適切な凍結防止剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0085】
消泡剤の例は、シリコーンエマルション(例えば、Silikon(登録商標)SRE:Wacker, Germany、又は、Rhodorsil(登録商標):Rhodia, France)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、フルオロ有機化合物及びそれらの混合物である。
【0086】
適切な着色剤は、水溶解度が低い顔料と水に溶解する染料である。挙げるべき例及び名称は、ローダミン B、C.I. ピグメントレッド 112、C.I. ソルベント レッド 1、ピグメントブルー 15:4、ピグメントブルー 15:3、ピグメントブルー 15:2、ピグメントブルー 15:1、ピグメントブルー 80、ピグメントイエロー 1、ピグメントイエロー 13、ピグメントレッド 112、ピグメントレッド 48:2、ピグメントレッド 48:1、ピグメントレッド 57:1、ピグメントレッド 53:1、ピグメントオレンジ 43、ピグメントオレンジ 34、ピグメントオレンジ 5、ピグメントグリーン 36、ピグメントグリーン 7、ピグメントホワイト 6、ピグメントブラウン 25、ベーシックバイオレット 10、ベーシックバイオレット 49、アシッドレッド 51、アシッドレッド 52、アシッドレッド 14、アシッドブルー 9、アシッドイエロー 23、ベーシックレッド 10、ベーシックレッド 108である。
【0087】
粘着性付与剤又は結合剤の例は、ポリビニルピロリドン類、ポリビニルアセテート類、ポリビニルアルコール類及びセルロースエーテル類(Tylose(登録商標);Shin-Etsu, Japan)である。
【0088】
粉末剤(powders)、ばらまき用物質(materials for spreading)及び粉剤(dusts)は、化合物(I)及び所望であれば追加の活性物質を少なくとも1種類の固体担体と混合させるか又は一緒に粉砕することによって調製することができる。
【0089】
顆粒剤、例えば、被覆粒剤(coated granules)、含浸粒剤(impregnated granules)及び均質粒剤(homogeneous granules)は、活性物質を固体担体に結合させることによって調製することができる。固体担体の例は、例えば、鉱物土(mineral earth)、例えば、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕された合成物質、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、及び、植物起源の生成物、例えば、穀粉、樹皮粉(tree bark meal)、木粉及び堅果殻粉、セルロース粉末、及び、別の固体担体などである。
【0090】
組成物の型の例は、以下のとおりである:
1. 水で希釈するための組成物型
(i) 水溶剤(SL, LS)
10重量部の本発明の活性化合物を、90重量部の水又は水溶性溶媒に溶解させる。別法として、湿潤剤又は別の補助剤を添加する。水で希釈すると該活性化合物は溶解する。このようにして、活性物質の含有量が10重量%である組成物が得られる。
【0091】
(ii) 分散性濃厚剤(dispersible concentrate)(DC)
20重量部の本発明の活性化合物を、10重量部の分散剤(例えば、ポリビニルピロリドン)を加えてある70重量部のシクロヘキサノンに溶解させる。水で希釈することにより分散液が得られる。該活性物質の含有量は、20重量%である。
【0092】
(iii) 乳剤(EC)
15重量部の本発明の活性化合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も、5重量部)を加えてある75重量部のキシレンに溶解させる。水で希釈することにより、エマルションが得られる。該組成物は、15重量%の活性物質含有量を有する。
【0093】
(iv) エマルション剤(EW, EO, ES)
25重量部の本発明の活性化合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムとヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も、5重量部)を加えてある35重量部のキシレンに溶解させる。この混合物を、乳化装置(Ultraturrax)を用いて30重量部の水に添加し、均質なエマルションとする。水で希釈することにより、エマルションが得られる。該組成物は、25重量%の活性物質含有量を有する。
【0094】
(v) 懸濁製剤(SC, OD, FS)
撹拌下にあるボールミル内で、20重量部の本発明の活性化合物に10重量部の分散剤及び湿潤剤並びに70重量部の水又は有機溶媒を添加して粉砕することにより、活性物質の微細懸濁液が得られる。水で希釈することにより、活性物質の安定な懸濁液が得られる。該組成物中の活性物質含有量は、20重量%である。
【0095】
(vi) 顆粒水和剤及び水溶性粒剤(WG, SG)
50重量部の本発明の活性化合物に50重量部の分散剤及び湿潤剤を添加して微粉砕し、工業用装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床など)を用いて、顆粒水和剤又は水溶性粒剤として調製する。水で希釈することにより、活性物質の安定な分散液又は溶液が得られる。該組成物は、50重量%の活性物質含有量を有する。
【0096】
(vii) 水和剤及び水溶性粉末剤(WP, SP, SS, WS)
ローター-ステータミル内で、75重量部の本発明の活性化合物に25重量部の分散剤、湿潤剤及びシリカゲルを添加して粉砕する。水で希釈することにより、活性物質の安定な分散液又は溶液が得られる。該組成物の活性物質含有量は、75重量%である。
【0097】
(viii) ゲル製剤(GF)
撹拌下にあるボールミル内で、20重量部の本発明の活性化合物に10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤湿潤剤及び70重量部の水又は有機溶媒を添加して粉砕することにより、活性物の微細懸濁液が得られる。水で希釈することにより、活性物質の安定な懸濁液が得られ、それによって、20重量%の活性物質を有する組成物が得られる。
【0098】
2. 直接施用される組成物型
(ix) 粉剤(dustable powders)(DP, DS)
5重量部の本発明の活性化合物を微粉砕し、95重量部の微粉砕カオリンと充分に混合させる。これにより、5重量%の活性物質含有量を有する散粉性組成物(dustable composition)が得られる。
【0099】
(x) 粒剤(GR, FG, GG, MG)
0.5重量部の本発明の活性化合物を微粉砕し、99.5重量部の担体と合する。現在の方法は、押出、噴霧乾燥又は流動床である。これにより、0.5重量%の活性物質含有量を有する、希釈しないで施用される粒剤が得られる。
【0100】
(xi) ULV溶液(UL)
10重量部の本発明の活性化合物を、90重量部の有機溶媒(例えば、キシレン)に溶解させる。これにより、10重量%の活性物質含有量を有する、希釈しないで施用される組成物が得られる。
【0101】
該農薬組成物は、一般に、0.01〜95重量%、好ましくは、0.1〜90重量%、最も好ましくは、0.5〜90重量%の活性物質を含んでいる。該活性物質は、90%〜100%、好ましくは、95%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)で使用する。
【0102】
植物繁殖器官(特に、種子)を処理するためには、通常、水溶剤(LS)、フロアブル剤(FS)、乾燥処理用粉末剤(DS)、スラリー処理用水和剤(WS)、水溶性粉末剤(SS)、エマルション剤(ES)、乳剤(EC)及びゲル製剤(GF)を使用する。これらの組成物は、植物繁殖器官(特に、種子)に対して、希釈して又は希釈しないで施用することができる。当該組成物は、2倍〜10倍に希釈された後で、即時使用可能な(ready-for-use)調製物中の活性物質の濃度が、0.01〜60重量%、好ましくは、0.1〜40重量%となる。施用は、播種前に実施することができる。植物繁殖器官(特に、種子)に対して、それぞれ、農薬化合物及びその組成物を施用する方法又はそれらで処理する方法は、当業者には知られており、そして、そのような方法としては、植物繁殖器官に粉衣する施用方法、植物繁殖器官をコーティングする施用方法、植物繁殖器官をペレット化する施用方法、植物繁殖器官に散粉する施用方法及び植物繁殖器官を浸漬する施用方法などがある。好ましい実施形態では、該化合物又はその組成物は、それぞれ、発芽が誘発されないような方法で、例えば、種子粉衣、ペレット化、コーティング及び散粉などによって、植物繁殖器官に対して施用される。
【0103】
好ましい実施形態では、種子を処理するために、懸濁液型(FS)組成物を使用する。典型的には、FS組成物は、1〜800g/Lの活性物質、1〜200g/Lの界面活性剤、0〜200g/Lの凍結防止剤、0〜400g/Lの結合剤、0〜200g/Lの顔料及び総量が1リットルになるまでの溶媒(好ましくは、水)を含み得る。
【0104】
該活性物質は、それら自体で、又は、それらの組成物の形態で、例えば、直接散布可能な溶液、粉末、懸濁液、分散液、エマルション、油分散液、ペースト、散粉可能製品、ばらまき用材料物質又は顆粒などの形態で、散布、噴霧、散粉、ばらまき、塗布、浸漬又は流し込みによって、使用することができる。当該施用形態は、専ら、その使用目的に依存する。それは、いずれの場合にも、本発明による活性物質が確実に最も微細に分配され得ることを目的としている。
【0105】
水性の施用形態は、水を添加することによって、乳剤(emulsion concentrate)、ペースト剤又は水和剤(散布可能な粉末、油分散液)から調製することができる。エマルション剤、ペースト剤又は油分散液剤を調製するために、当該物質を、そのままで、又は、油若しくは溶媒に溶解させた状態で、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤又は乳化剤を用いて、水中で均質化することができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤又は乳化剤、及び、適切な場合には溶媒又は油で構成される濃厚物を調製することも可能であり、そのような濃厚物は、水で希釈するのに適している。
【0106】
即時使用可能な(ready-to-use)調製物の中の該活性物質の濃度は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、それらは、0.0001〜10重量%の活性物質、好ましくは、0.01〜1重量%の活性物質である。
【0107】
該活性物質は、さらにまた、微量散布法(ultra-low-volume process)(ULV)で使用しても良好な結果を得ることができる。その際、95重量%を超える該活性物質を含んでいる組成物を施用することが可能であるか、又は、該活性物質を添加物なしで施用することさえ可能である。
【0108】
作物保護において使用する場合、施用する量は、所望される効果の質に応じて、1ha当たり0.01〜2.0kgの活性物質である。
【0109】
種子などの植物繁殖器官の処理、例えば、種子に散粉するか又は種子にコーティングするか又は種子を浸漬することによる処理においては、種子100kg当たり、1〜1000gの量の活性物質、好ましくは、5〜100gの量の活性物質が必要である。
【0110】
材料物質又は貯蔵生産物の保護において使用する場合、施用する該活性物質の量は、施用領域の種類及び所望される効果に依存する。材料物質の保護において慣習的に施用される量は、処理される材料物質1立方メートル当たり、例えば、0.001g〜2kgの活性物質、好ましくは、0.005g〜1kgの活性物質である。
【0111】
該活性物質又はそれを含んでいる組成物には、様々なタイプの油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺細菌剤、さらなる殺菌剤及び/又は殺有害生物剤を添加することが可能であり、適切な場合には、使用直前に添加することもできる(タンクミックス)。これらの作用物質は、本発明の組成物と、1:100〜100:1、好ましくは、1:10〜10:1の重量比で混合させることができる。
【0112】
使用可能なアジュバントは、特に、以下のものである:有機変性ポリシロキサン、例えば、Break Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えば、Atplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)、及び、Lutensol ON 30(登録商標);EO-POブロックポリマー、例えば、Pluronic RPE 2035(登録商標)、及び、Genapol B(登録商標);アルコールエトキシレート、例えば、Lutensol XP 80(登録商標);並びに、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、例えば、Leophen RA(登録商標)。
【0113】
殺菌剤としての使用形態にある本発明の組成物は、別の活性物質と一緒に、例えば、除草剤、殺虫剤、成長調節剤、殺菌剤などと一緒に、又は、肥料と一緒に、プレミックスとして存在させることもできるか、又は、適切な場合には、使用直前に存在させることもできる(タンクミックス)。
【0114】
該活性化合物は、それら自体で、それらの製剤の形態で、又は、その製剤の形態から調製された使用形態で、例えば、直接散布可能な溶液、粉末、懸濁液若しくは分散液、エマルション、油分散液、ペースト、散粉可能製品、ばらまき用材料物質又は顆粒などの形態で、散布、噴霧、散粉、ばらまき又は灌注によって、使用することができる。当該使用形態は、専ら、その使用目的に依存する。それらは、いずれの場合にも、本発明による活性化合物が確実に最も微細に分配され得ることを目的としている。
【0115】
水性の使用形態は、乳剤(emulsion concentrate)、ペースト剤又は水和剤(散布可能な粉末、油分散液)から、水を添加することによって調製することができる。エマルション剤、ペースト剤又は油分散液剤を調製するために、当該物質を、そのままで、又は、油若しくは溶媒に溶解させた状態で、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤又は乳化剤を用いて、水中で均質化することができる。しかしながら、活性物質、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤又は乳化剤(及び、適切な場合には、溶媒又は油)で構成される濃厚物を調製することも可能であり、そのような濃厚物は、水で希釈するのに適している。
【0116】
即時使用可能な(ready-to-use)調製物の中の該活性化合物の濃度は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、それらは、0.0001〜10%、好ましくは、0.01〜1%である。
【0117】
該活性化合物は、さらにまた、微量散布法(ultra-low-volume process)(ULV)で使用しても良好な結果を得ることができる。その際、95重量%を超える活性化合物を含んでいる組成物を施用することが可能であるか、又は、該活性化合物を添加物なしで施用することさえ可能である。
【0118】
該活性化合物には、様々なタイプの油、湿潤剤又はアジュバントを添加することが可能であり、適切な場合には、使用直前に添加することもできる(タンクミックス)。これらの作用物質は、典型的には、本発明による組成物と、1:100〜100:1、好ましくは、1:10〜10:1の重量比で混合させる。
【0119】
この意味において適切なアジュバントは、特に、以下のものである:有機変性ポリシロキサン、例えば、Break Thru S 240(登録商標);アルコールアルコキシレート、例えば、Atplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)、及び、Lutensol ON 30(登録商標);EO/POブロックポリマー、例えば、Pluronic RPE 2035(登録商標)、及び、Genapol B(登録商標);アルコールエトキシレート、例えば、Lutensol XP 80(登録商標);並びに、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、例えば、Leophen RA(登録商標)。
【0120】
化合物(I)及び化合物(II)、又は、上記混合物、又は、対応する製剤は、有害な菌類、又は、そのような有害な菌類が存在しないように維持すべき植物、種子、土壌、領域、材料物質若しくは空間を、当該混合物の殺菌有効量で処理するか、又は、別々に施用する場合には、化合物(I)と化合物(II)の殺菌有効量で処理することによって、施用する。有害な菌類が感染する前又は感染した後で、施用するが可能である。
【実施例】
【0121】
個々の化合物の殺菌作用及び本発明による相乗作用性活性混合物の殺菌作用について、下記試験によって実証した。
【0122】
(A) マイクロタイター試験
活性化合物を、ジメチルスルホキシド中の10000ppmの濃度を有する原液として、別々に製剤化した。ジメトエート製品、デルタメトリン製品、ラムダ-シハロトリン(lambda-cyalothrin)製品、アバメクチン製品、ヒドラメチルノン(hydromethylnon)製品、酸化フェンブタスズ(fenbutadin-oxyd)製品及びインドキサカルブ製品を、市販されている完成された製剤として使用し、そして、水で希釈して、当該活性化合物の記載されている濃度とした。個々の活性化合物における当該病原体の相対的増殖(%)を求めるために、測定されたパラメータを、活性化合物を含んでいない対照の増殖(100%)及び菌類も活性化合物も含んでいないブランク値と比較した。これらの割合(%)を効力に変換した。
【0123】
「0」の効力は、当該病原体の増殖レベルが未処理対照における当該病原体の増殖レベルに相当することを意味し;「100」の効力は、当該病原体が増殖しなかったことを意味する。
【0124】
コルビーの式〔Colby, S.R. "Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations", Weeds, 15, pp.20-22, 1967〕を用いて活性化合物混合物の期待される効力を求め、観察された効力と比較した。
【0125】
コルビーの式:
【数1】

【0126】
E: 濃度が「a」と「b」の活性化合物Aと活性化合物Bの混合物を用いたときの、未処理対照の「%」で表した期待される効力;
x: 活性化合物Aを濃度「a」で用いたときの、未処理対照の「%」で表した効力;
y: 活性化合物Bを濃度「b」で用いたときの、未処理対照の「%」で表した効力。
【0127】
使用実施例1: 疫病の病原体フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対する活性
上記原液を比率に従って混合し、ピペットで量ってマイクロタイタープレート(MTP)に移し、水で希釈して、示されている濃度とした。次いで、エンドウ抽出液の水溶液中のフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)の遊走子の懸濁液を添加した。そのプレートを、水蒸気で飽和した18℃の温度のチャンバー内に置いた。接種後第7日に、吸光光度計を用いて、405nmで当該MTPを測定した。個々の活性物質における当該病原体の相対的増殖(%)を求めるために、上記で測定されたパラメータを、活性物質を含んでいない対照の増殖(100%)及び菌類も活性物質も含んでいないブランク値と比較した。
【0128】
使用実施例2: ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)に起因するイネいもち病病原体に対する活性
上記原液を比率に従って混合し、ピペットで量ってマイクロタイタープレート(MTP)に移し、水で希釈して、示されている濃度とした。次いで、バイオモルト水溶液中のピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)の胞子の懸濁液を添加した。そのプレートを、水蒸気で飽和した18℃の温度のチャンバー内に置いた。接種後第7日に、吸光光度計を用いて、405nmで当該マイクロタイタープレートを測定した。個々の活性物質における当該病原体の相対的増殖(%)を求めるために、上記で測定されたパラメータを、活性物質を含んでいない対照の増殖(100%)及び菌類も活性物質も含んでいないブランク値と比較した。
【表10】

【0129】

【0130】
使用実施例3: セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)に起因するコムギの葉枯病に対する活性
上記原液を比率に従って混合し、ピペットで量ってマイクロタイタープレート(MTP)に移し、水で希釈して、示されている濃度とした。次いで、バイオモルト水溶液中のセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)の胞子の懸濁液を添加した。そのプレートを、水蒸気で飽和した18℃の温度のチャンバー内に置いた。接種後第7日に、吸光光度計を用いて、405nmで当該マイクロタイタープレートを測定した。個々の活性物質における当該病原体の相対的増殖(%)を求めるために、上記で測定されたパラメータを、活性物質を含んでいない対照の増殖(100%)及び菌類も活性物質も含んでいないブランク値と比較した。
【表11】

【0131】

【0132】

【0133】
使用実施例4: アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)に対する活性
上記原液を比率に従って混合し、ピペットで量ってマイクロタイタープレート(MTP)に移し、水で希釈して、示されている濃度とした。次いで、バイオモルト水溶液中のアルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)の胞子の懸濁液を添加した。そのプレートを、水蒸気で飽和した18℃の温度のチャンバー内に置いた。接種後第7日に、吸光光度計を用いて、405nmで当該MTPを測定した。
【表12】

【0134】

【0135】
使用実施例5: コレトトリクム・トルンカツム(Colletotrichum truncatum)に対する活性
上記原液を比率に従って混合し、ピペットで量ってマイクロタイタープレート(MTP)に移し、水で希釈して、示されている濃度とした。次いで、バイオモルト水溶液中のコレトトリクム・トルンカツム(Colletotrichum truncatum)の胞子の懸濁液を添加した。そのプレートを、水蒸気で飽和した18℃の温度のチャンバー内に置いた。接種後第7日に、吸光光度計を用いて、405nmで当該MTPを測定した。
【表13】

【0136】
使用実施例6: レプトスファリウム・ノドルム(Leptospharium nodorum)に対する活性
上記原液を比率に従って混合し、ピペットで量ってマイクロタイタープレート(MTP)に移し、水で希釈して、示されている濃度とした。次いで、バイオモルト水溶液中のレプトスファリウム・ノドルム(Leptospharium nodorum)の胞子の懸濁液を添加した。そのプレートを、水蒸気で飽和した18℃の温度のチャンバー内に置いた。接種後第7日に、吸光光度計を用いて、405nmで当該MTPを測定した。
【表14】

【0137】
使用実施例7: フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に対する活性
上記原液を比率に従って混合し、ピペットで量ってマイクロタイタープレート(MTP)に移し、水で希釈して、示されている濃度とした。次いで、バイオモルト水溶液中のフサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)の胞子の懸濁液を添加した。そのプレートを、水蒸気で飽和した18℃の温度のチャンバー内に置いた。接種後第7日に、吸光光度計を用いて、405nmで当該MTPを測定した。
【表15】

【0138】
(B) 温室試験
活性物質を、25mgの活性物質を含んでいる原液として、別々に又は一緒に製剤化した。その25mgの活性物質を、アセトン及び/又はジメチルスルホキシド(DMSO)と乳化剤 Wettol EM 31(エトキシル化アルキルフェノールを主成分とし、乳化作用と分散作用を有する湿潤剤)の溶媒/乳化剤の体積比が99:1である混合物を用いて10mLとした。次いで、その溶液を、水を用いて100mLとした。この原液を、溶媒/乳化剤/水の上記混合物で希釈して、以下に示されている活性物質濃度とした。
【0139】
使用実施例8: 保護的施用による、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に起因するトマトの夏疫病に対する活性
ポットでトマト植物の稚苗を成育させた。その植物に、以下に示されている濃度の活性物質を含んでいる水性懸濁液を、液が流れ落ちるようになるまで噴霧した。翌日、その処理された植物に、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)の胞子嚢の水性懸濁液を用いて接種した。接種後、その被験植物を直ぐに高湿度のチャンバーに移した。18℃〜20℃及び相対湿度約100%で6日間経過した後、葉に対する菌類の攻撃の程度を、発病葉面積(%)として視覚的に評価した。
【0140】
使用実施例9: コムギにおけるプッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギの赤さび病)に対する治療的効果
ポット植のコムギ実生(品種「Kanzler」)の葉に、コムギの赤さび病(プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita))の胞子の懸濁液を散布した。次いで、その植物を、高大気湿度(90〜95%)で20℃〜22℃のチャンバー内に24時間置いた。この24時間の間に、胞子が発芽し、発芽管が葉組織内に侵入した。翌日、その感染した植物に、以下に示されている濃度の活性物質を有する水性懸濁液を、液が流れ落ちるようになるまで噴霧した。噴霧された懸濁液が乾燥した後、その被験植物を温室内に戻し、温度20℃〜22℃及び相対大気湿度65〜70%でさらに7日間栽培した。次いで、葉面上におけるさび病の発生の程度を視覚的に求めた。
【0141】
使用実施例10: コムギにおけるプッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギの赤さび病)に対する保護的効果
ポット植のコムギ実生(品種「Kanzler」)の葉に、以下に示されている濃度の活性物質を有する水性懸濁液を、液が流れ落ちるようになるまで噴霧した。翌日、その処理された植物に、コムギの赤さび病(プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita))の胞子の懸濁液を散布した。次いで、その植物を、高大気湿度(90〜95%)で20℃〜22℃のチャンバー内に24時間置いた。この24時間の間に、胞子が発芽し、発芽管が葉組織内に侵入した。翌日、その被験植物を温室内に戻し、温度20℃〜22℃及び相対大気湿度65〜70%でさらに7日間栽培した。次いで、葉面上におけるさび病の発生の程度を視覚的に求めた。
【0142】
使用実施例11: コムギにおけるブルメリア・グラミニス・トリチシ(Blumeria graminis tritici)(コムギのうどんこ病)に対する保護的効果
ポット植のコムギ実生(品種「Kanzler」)の葉に、以下に示されている濃度の活性物質を有する水性懸濁液を、液が流れ落ちるようになるまで噴霧した。翌日、その処理された植物に、コムギのうどんこ病(ブルメリア・グラミニス・トリチシ(Blumeria graminis tritici))の胞子の懸濁液を散布した。次いで、その植物を温室内に戻し、温度20℃〜24℃及び相対大気湿度60〜90%でさらに7日間栽培した。次いで、葉面上におけるうどんこ病の発生の程度を視覚的に求めた。
【0143】
使用実施例12: キュウリにおけるスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(キュウリのうどんこ病)に対する保護的効果
ポット植のキュウリ実生(胚葉段階)の葉に、以下に示されている濃度の活性物質を有する水性懸濁液を、液が流れ落ちるようになるまで噴霧した。翌日、その処理された植物に、キュウリのうどんこ病(スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea))の胞子の懸濁液を散布した。次いで、その植物を温室内に戻し、温度20℃〜24℃及び相対大気湿度60〜80%でさらに7日間栽培した。次いで、子葉表面上におけるうどんこ病の発生の程度を視覚的に求めた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、
(1) 式(I)
【化1】

〔式中、置換基は、以下で定義されているとおりである:
R1は、C1〜C4-アルキル又はC1〜C4-ハロアルキルであり;
R2は、水素又はハロゲンであり;
Xは、水素又はフッ素であり;
Qは、直接結合、シクロプロピレン又は環付加されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり;
R3は、C1〜C6-アルキル、シクロプロピル又はフェニル(ここで、該フェニルは、2個若しくは3個のハロゲン原子で置換されているか、又は、トリフルオロメチルチオラジカルで置換されている)である〕
で表される少なくとも1種類の1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリド;
及び、
(2) 活性化合物の群(A)〜群(K):
(A) 有機(チオ)リン酸エステル系〔ここで、該有機(チオ)リン酸エステル系は、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシ-ジメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、及び、トリクロルホンからなる群から選択される〕;
(B) カルバメート系〔ここで、該カルバメート系は、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、及び、トリアザメートからなる群から選択される〕;
(C) ピレスロイド系〔ここで、該ピレスロイド系は、アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン I、ピレトリン II、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、及び、ジメフルトリンからなる群から選択される〕;
(D) 成長調節剤〔ここで、該成長調節剤は、以下のものからなる群から選択される:
(a)キチン合成阻害薬:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン、シロマジン(cyramazin)、フルシクロクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、トリフルムロン;ブプロフェンジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、及び、クロフェンテジン(clofentazine);
(b)エクジソン拮抗薬:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、及び、アザジラクチン;
(c)幼若ホルモン様作用物質(juvenoid):ピリプロキシフェン、メトプレン、及び、フェノキシカルブ;
(d)脂質生合成阻害薬:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、及び、スピロテトラマト〕;
(E) GABA拮抗薬化合物〔ここで、該GABA拮抗薬化合物は、エンドスルファン、エチプロール、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、及び、式(E1)
【化2】

で表されるフェニルピラゾールからなる群から選択される〕;
(F) 大環状ラクトン殺虫剤〔ここで、該大環状ラクトン殺虫剤は、アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、及び、スピネトラムからなる群から選択される〕;
(G) METI(I)殺ダニ薬〔ここで、該METI(I)殺ダニ薬は、フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、及び、フルフェネリムからなる群から選択される〕;
(H) METI(II)化合物及びMETI(III)化合物〔ここで、該METI(II)化合物及びMETI(III)化合物は、アセキノシル、フルアシプリム(fluacyprim)、及び、ヒドラメチルノンからなる群から選択される〕;
(J) 酸化的リン酸化阻害薬化合物〔ここで、該酸化的リン酸化阻害薬化合物は、シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、及び、プロパルギットからなる群から選択される〕;
(K) 種々の化合物〔ここで、該種々の化合物は、アミドフルメト、ベンクロチアズ、ビフェナゼート、ビストリフルロン、カルタップ、クロルフェナピル、シロマジン、シアジピル(cyazypyr)(HGW86)、シエノピラフェン、シフルメトフェン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルピラゾホス、イミシアホス、インドキサカルブ、メタフルミゾン、ピペロニルブトキシド、ピメトロジン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、チオシクラム、及び、式(K1):
【化3】

で表されるチアゾール化合物からなる群から選択される〕;
から選択される少なくとも1種類の活性化合物(II)
を相乗作用的に有効な量で含んでいる、有害な植物病原性菌類を防除するための混合物。
【請求項2】
成分(1)として、式(I)〔式中、R1は、C1〜C4-ハロアルキルであり、R2は、水素であり、Qは、直接結合であり、及び、R3は、2個又は3個のハロゲン原子で置換されているフェニルである〕で表される1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリドを含んでいる、請求項1に記載の殺菌性混合物。
【請求項3】
成分(1)として、式(I)〔式中、R1は、C1〜C4-ハロアルキルであり、R2は、水素であり、Xは、水素であり、Qは、環付加されたビシクロ[2.2.1]ヘプタン環であり、及び、R3は、C1〜C4-アルキルである〕で表される1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリドを含んでいる、請求項1に記載の殺菌性混合物。
【請求項4】
成分(1)として、式(I)〔式中、R1は、C1〜C4-ハロアルキルであり、R2は、水素であり、Xは、水素であり、Qは、シクロプロピレンであり、及び、R3は、シクロプロピルである〕で表される1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリドを含んでいる、請求項1に記載の殺菌性混合物。
【請求項5】
成分(1)として、式(I)〔式中、R1は、C1〜C4-アルキルであり、R2は、ハロゲンであり、Xは、水素であり、Qは、直接結合であり、及び、R3は、C1〜C6-アルキルである〕で表される1-メチルピラゾール-4-イルカルボキシアニリドを含んでいる、請求項1に記載の殺菌性混合物。
【請求項6】
さらなる活性化合物を含んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の殺菌性混合物。
【請求項7】
成分(1)及び成分(2)を100:1〜1:100の重量比で含んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の殺菌性混合物。
【請求項8】
液体又は固体の少なくとも1種類の担体及び請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合物を含んでいる、組成物。
【請求項9】
有害な植物病原性菌類を防除する方法であって、該植物病原性菌類若しくはそれらの生息環境、又は、菌類の攻撃から保護すべき植物、土壌、種子、領域、材料物質若しくは空間を、有効量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の成分(1)と少なくとも1種類の成分(2)で処理する、前記方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分(1)と成分(2)を、同時に(即ち、共同で又は別々に)施用するか又は続けて施用する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分(1)と成分(2)を5g/ha〜2000g/haの量で施用する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分(1)と成分(2)を種子100kg当たり1g〜1000gの量で施用する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合物を種子100kg当たり1g〜1000gの量で含んでいる、種子。
【請求項14】
有害な菌類を防除するのに適した組成物を調製するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分(1)と成分(2)の使用。
【請求項15】
トランスジェニック植物又はその種子を処理するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分(1)と成分(2)の使用。

【公表番号】特表2011−526599(P2011−526599A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515457(P2011−515457)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058298
【国際公開番号】WO2010/000790
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】