説明

美容ケアのための発泡性錠剤

【課題】皮膚に対する施術用物質の浸透レベルが高く、皮膚細胞の除去レベルが施術期間を通して徐々に低下することにより、滑らかな皮膚が最終的に得られ、安全に適用可能であり、個人自身により適用可能であり、痛みや回復時間もなく、安価でかつ簡便にどこでも実行可能である、美容施術を肌に適用するための方法および施術を適用するための装置を提供する。
【解決手段】美容施術を皮膚に提供するための装置および方法は、固体形状、好ましくは錠剤形状で化学的に活性のある第1の物質と、反応中に発泡が生じるように第1の物質と化学的に反応する第2の物質とを備える。これら化学的に活性のある物質は、美容施術を皮膚に提供するために使用者により活性化されることができる。こうした活性化によって、反応物質の粒状物を皮膚に推進する発泡が放出される。粒状物のサイズは、反応中に低下し、これにより、継続的に緻密化するピーリングが皮膚に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容施術を肌に適用するための方法および装置に関する。より詳細には、発泡性化学組成物を使用して美容施術を肌に適用するための方法およびそうした施術を適用するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的施術、レーザー施術、または機械駆動式手段を用いた剥離(exfoliation)により行う、顔の皮膚のクリーニング(cleaning)、増白(brightening)、または若返り(rejuvenating)は、当技術分野で公知である。そうした方法は、一般的に、医療監督を必要とするとともに、有害な副作用や、施術中の痛みおよび不快といったいくつかのリスクを伴う。こうした方法は、一般的に、施術と施術との間に長期の回復期間を必要とする。また、アルミナなどの粒状物(granules)(または微結晶)を含有したクリームを使用する方法も当技術分野で公知である。このクリームは、バイブレータなどの機械式手段を用いて皮膚の外側の層に適用される。こうした技術では、施術される皮膚に対するリサーフェシング(resurfacing)微結晶の浸透レベルは限られている。また、施術期間を通して、皮膚細胞の除去レベルが微結晶のサイズにより決定され固定されるといった欠点がある。
【0003】
皮膚施術のための方法や手段としては、以下のことが望ましい。すなわち、皮膚に対する施術用物質の浸透レベルが高いこと、皮膚細胞の除去レベルが施術期間を通して徐々に低下することにより、より良いレベルの滑らかな皮膚が最終的に得られること、安全に適用可能であること、好ましくは個人自身により適用可能であること、痛みや回復時間もないことである。このような望ましい方法や手段は、安価でかつ簡便に実行可能である必要があるとともに、実質的にどこでも実行可能である必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本発明の実施形態にかかり、美容皮膚施術の適用方法を説明するフロー図。
【図1A】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するための装置を示す図。
【図1B】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するための装置を示す図。
【図1C】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するための装置を示す図。
【図1D】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するための装置を示す図。
【図2A】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するための装置を示す図。
【図2B】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するための装置を示す図。
【図3A】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するためのアプリケータを示す図。
【図3B】本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するためのアプリケータを示す図。
【図4A】本発明の実施形態にかかる液体容器および錠剤ホルダーを示す図。
【図4B】本発明の実施形態にかかる液体容器および錠剤ホルダーを示す図。
【図4C】本発明の実施形態にかかる液体容器および錠剤ホルダーを示す図。
【図5A】本発明の実施形態にかかる液体容器および錠剤ホルダーを示す図。
【図5B】本発明の実施形態にかかる液体容器および錠剤ホルダーを示す図。
【図6A】本発明の実施形態にかかるカプセル錠剤の種々の形状を示す図。
【図6B】本発明の実施形態にかかるカプセル錠剤の種々の形状を示す図。
【図6C】本発明の実施形態にかかるカプセル錠剤の種々の形状を示す図。
【図6D】本発明の実施形態にかかるカプセル錠剤の種々の形状を示す図。
【図7A】本発明の実施形態にかかるカプセル状の錠剤を備えた噴出器の種々の形状を示す図。
【図7B】本発明の実施形態にかかるカプセル状の錠剤を備えた噴出器の種々の形状を示す図。
【図8A】図7A,7Bの噴出器と同様の噴出器であって、本発明にかかる錠剤に適用可能な、回転および振動動作を特徴とする噴出器を示す図。
【図8B】図7A,7Bの噴出器と同様の噴出器であって、本発明にかかる錠剤に適用可能な、回転および振動動作を特徴とする噴出器を示す図。
【図9A】本発明の実施形態にかかる錠剤を備えた口腔衛生装置を示す図。
【図9B】本発明の実施形態にかかる錠剤を備えた口腔衛生装置を示す図。
【図10A】本発明の実施形態にかかる錠剤を備えた手持ち型気化式加湿装置を示す図。
【図10B】本発明の実施形態にかかる錠剤を備えた手持ち型気化式加湿装置を示す図。
【図10C】本発明の実施形態にかかる錠剤を備えた手持ち型気化式加湿装置を示す図。
【図11A】本発明の実施形態にかかる皮膚施術用錠剤とともに操作するように構成された皮膚施術用具を描いた側面図。
【図11B】本発明の実施形態にかかる皮膚施術用錠剤とともに操作するように構成された皮膚施術用具を描いた底面図。
【図11C】本発明の実施形態にかかる皮膚施術用錠剤とともに操作するように構成された皮膚施術用具を描いた分解図。
【図12】本発明の実施形態にかかる皮膚施術用具1200の分解図。
【図12A】本発明の実施形態にかかる施術用具1202の部分断面図。
【図12B】本発明の実施形態にかかるメディエータ1206の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、添付の図面とともに以下の詳細な説明が考慮されることによって、より完全に理解されるとともに認識されるであろう。
本発明にかかる以下の詳細な説明は、上述した添付の図面を参照する。これら図面における部品や構造(フィーチャ)の寸法は、説明の便宜および明瞭さのために選択されており、必ずしも一定の縮尺で示されているわけではない。可能な限り、図面および以下の説明を通して、同一および同様の部分を参照するために同一の参照符号が使用される。
【0006】
一般的な皮膚施術、より詳しくは美容皮膚施術では、種々のターゲットに役立つことを目的とした種々の手段や物質が利用される。種々のターゲットとしては、皮膚の表皮層(上層または外層)を除去すること、皮膚の色を明るくすること、芳香または保湿物質を適用すること、医療組成物、ビタミンまたは消毒剤を適用すること等がある。当技術分野で知られたそうした施術手段や物質は、一般的に高価である。また、こうした施術手段や物質は、皮膚表皮層の最外層に入り込みこれを貫通する能力に限界があるため、その効果は限定的である。
【0007】
本発明の実施形態によれば、表皮層の除去深度、皮膚に対する施術用物質の浸透レベル、施術終了時における施術済み皮膚の最終的な滑らかさといった点について、より良い施術結果が得られるべく、ある種の第1および第2の物質の化学反応での周知の発泡作用の現象が美容皮膚施術に利用され得る。第1および第2の物質としては、例えば、ベーキングソーダ(重炭酸ナトリウム)、クエン酸(C7(aq))などのいくつかの他の物質が挙げられる。第1の物質は、低いpH値(例えば7よりも低い)を有する塩基であり得るとともに、第2の物質は、高いpH値(例えば7よりも高い)を有する酸であり得る。周知のように、ベーキングソーダとクエン酸との化学反応は、次式の通りに示される。
【0008】
【化1】

【0009】
同様に、酒石酸と重炭酸ナトリウムとの化学反応は、次式の通りに示される。
【0010】
【化2】

【0011】
本発明の実施形態によれば、この現象は、反応中に放出される気体(例えばCO)を利用することにより、この放出気体の助けがない時に可能である深度よりも深く施術用物質の粒状物を施術される皮膚内に押し込めるために利用され得る。本発明の実施形態によれば、施術用物質は、ベーキングソーダや重炭酸ナトリウムなどの上述した第1の活性物質の単なる粒状物であってよい。また、いくつかの実施形態において、施術用物質は、化学反応中に生成される1つまたは複数の物質の粒状物を含むようにすることもできる。これらの粒状物は、施術される皮膚に擦り込まれる時に、皮膚上において紙ヤスリ(emery paper)の如く機能し得る。施術用の1つまたは複数の反応物質は、以下で詳細に示され説明される1つまたは複数の種々の方法を利用して皮膚に擦り込まれ得る。少なくとも2つの反応物質が施術される皮膚に擦り込まれる方法で適用される限り、上述した現象は、本出願において説明された手段以外の手段を利用して皮膚美容施術のために用いられることも可能である。反応時に発泡作用を引き起こす他の溶液については、当業者には理解されるだろう。また、第1および/または第2の物質は、それらの化学反応が粒状物および気体を生じさせる限り、固体、粉体、液体、ゲル、または気体など、いかなる適切な相(phase)でも提供され得ることは当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態では、第1および第2の活性物質のうちの少なくとも1つは、液状で(例えば、水等に溶解されて)、またはゲルに溶解されて提供され得る。本発明の実施形態によれば、本発明にかかる装置が施術される皮膚に対してより滑らかに滑るようにするため、上述したような活性物質の1つが溶解された液体またはゲルは、湿潤(wetting)、円滑(gliding)、潤滑(oiling)物質として使用され得る。他の実施形態によれば、キャリー液体および/またはゲルは、施術される皮膚に施術用物質を供給するために使用され得る。そうしたキャリー液体およびゲルの化学的特徴は、所望されるように選択され得る。所望される特徴としては、例えば、化学反応に対して何らの作用もないもの、施術される皮膚に対して所望される肯定的な作用を有する1つまたは複数の生成物質を放出するもの、等が挙げられる。
【0012】
本発明のさらなる実施形態によれば、ベーキングソーダなどの第1の反応物質の粒状物サイズが化学反応のために継続的に低下することにより、表皮の除去レベルが継続的に緻密化され得る。その結果、施術終了時において、皮膚の滑らかさが緻密になる。これは、
施術される皮膚を除去することおよび/または滑らかにすることに対して粒子の紙ヤスリ作用が効果を有する限り継続する。本発明の実施形態によれば、第1の物質の粒状物の初期サイズは、初期の皮膚除去能についての確定レベルに応じて施術のために選択されることができる。また、粒状物サイズの低下速度は、具体的な施術における必要性に応じて調整されてもよい。本発明の実施形態にかかり、少なくとも1つの活性物質の粒状物に対して、それらのサイズを反応中に低下させるように作用する他の溶液については、当業者には理解されるだろう。
【0013】
(錠剤の組成および添加剤)
本発明の実施形態によれば、本明細書の以下に詳述されるように、施術用物質は錠剤の形式で提供され得る。この錠剤は、明確な形状を有し得るとともに、必要とされる施術目的を達するために必要とされる物質を含有し得る。この物質は、特別に設計された装置を使用して施術される皮膚に適用される。「錠剤」との用語は、本明細書中で使用されるように、化学反応に関与することに適しており、固形で提供され、明確な形状を有する1つの物質および複数の物質を指す。なお、必ずしも、化学反応に関与するすべての物質がこの錠剤中に含まれていることは要しない。上述した本発明にかかる施術の効果に加えて、本発明の実施形態により製造される錠剤は、皮膚の色を明るくする、芳香を与える、ビタミンを与える、発熱作用を奏するなどの皮膚施術のための物質を、上述した第1および第2の活性物質に加えて含み得る。以下に詳細に説明されるように、錠剤中の複数の成分の放出順序だけでなく、成分のそれぞれの量、それらの溶解レベル、および他のそれぞれの特徴が、設計された施術目的を達するべく決定される。ここで参照する米国特許出願公開第2008/0146487号明細書には、入浴中に、使用者が様々な状態を体験できるように、多数の成分を含有する錠剤を使用することができる旨が記載されている。この記載された錠剤は、浴槽の水に溶解されるように構成されており、所望される物質によるいくつかの層で構成される。そして、それぞれの層が順番に浴槽の水中に放出されることにより、使用者が様々な体験をすることができる。しかしながら、この米国特許出願公開第2008/0146487号明細書には、美容施術効果を発揮することを目的としてヒトの皮膚に錠剤を直接適用するといった点については、何らの開示ないし示唆もされていない。また、美容施術効果を向上させるために発泡作用を利用する点や、皮膚の最終的な滑らかさを緻密にするための美容施術効果の調整が、錠剤中の物質の粒状物サイズの低下に依存するといった点についても開示されていない。さらに、米国特許出願公開第2008/0146487号明細書に開示された錠剤の含有物質における使用者の皮膚に対する効果は限定的である。これらの物質に対する皮膚の曝露は、浴槽の水、典型的には10リットル以上の量の水に上記錠剤が溶解された後、使用者の身体近傍にある物質に対するものに限られる。例えば、米国特許出願公開第2008/0146487号明細書に開示された錠剤中の発熱成分の使用によって、数10リットルの温水に対してこの成分が溶解している時、入浴中の使用者は非常に限られた体験効果しか期待できない。
【0014】
(発泡性錠剤の組成)
発泡性粒状物のための成分の選択範囲は、製造工程での要件と、水に溶解して調製する必要性とから減少され得る。必要な成分は、少なくとも1つの酸および少なくとも1つの塩基である。本発明の実施形態によれば、塩基は、酸との反応において二酸化炭素を放出することを要する。こうした酸の例としては、酒石酸やクエン酸が含まれ得る。塩基の例としては、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムが含まれる。発泡性粒状物は、どちらか一方の酸単独での使用は困難を伴うため、通常、単独の酸よりも、むしろクエン酸と酒石酸とを混合して調製される。酒石酸が単独の酸である時、その結果として生じる粒状物は、直ちに粉々になり、機械的強度を欠く。クエン酸単独では、粘着性のある混合物となり、製造工程において粒状にすることが困難である。発泡性塩としては次の成分(重炭酸ナトリウム、クエン酸および酒石酸)を含むことができ、これらは実際に発泡を生じさせることができる。これらの酸および塩基は、水が添加されると、二酸化炭素
を遊離するように反応し、発泡が生じる。なお、成分が薬物使用として適する限り、ここで挙げられた組み合わせの代わりに、二酸化炭素を遊離するいかなる酸−塩基の組み合わせも使用され得ることに注意されるべきである。
【0015】
二酸化炭素を遊離するクエン酸と重炭酸ナトリウムとの反応、および酒石酸と重炭酸ナトリウムとの反応は、上述した式(1)および(2)に示されている。1分子のクエン酸を中和するためには3分子の重炭酸ナトリウムが必要であり、1分子の酒石酸を中和するためには2分子の重炭酸ナトリウムが必要であることに注意されるべきである。全体での酸性度が維持されるとともに重炭酸が完全に中和される限り、これらの酸の割合は変更され得る。通常、クエン酸と酒石酸との割合は1:2であることが好ましく、その結果、好ましい成分の割合としては、次式の通り算出されることができる。
【0016】
クエン酸:酒石酸:重炭酸ナトリウム=1:2:3.44(重量による)
米国薬局方(USP)24には、下記7つのモノグラフが含まれており、これらは、本発明の実施形態にかかる錠剤に使用されることができる。
1.アセトアミノフェン 発泡性経口液剤用
2.アスピリン発泡性錠剤 経口液剤用
3.重炭酸カリウム発泡性錠剤 経口液剤用
4.重炭酸カリウムおよび塩化カリウム 発泡性経口液剤用
5.重炭酸カリウムおよび塩化カリウム発泡性錠剤 経口液剤用
6.重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸 経口液剤用
7.塩化カリウム、重炭酸カリウム、カリウム
(潤滑剤)
発泡性製剤にとって理想的な潤滑剤は、無毒性且つ水溶性である必要がある。従来の潤滑油において、これらの要求を満たすものはほとんど存在しない。内部潤滑剤は、粉末混合物に添加されて、それにより製剤内に含有される。潤滑剤は、固形での添加時には、細かく分割される必要がある。マグネシウムやカルシウムのステアリン酸塩であるステアリン酸金属塩は、従来の錠剤において潤滑剤として使用される。しかし、これらのステアリン酸金属塩は、水に不溶であるため、発泡性錠剤に関する内部潤滑剤としては、ほとんど使用されない。ステアリン酸塩の使用は、濁った溶液の表面に、不溶性で泡立った石鹸様の味のする層が形成される結果となる。さらに、ステアリン酸金属塩を標準的な潤滑剤濃度で含む錠剤は疎水性となり、そうした発泡性錠剤は、水への溶解が緩慢になる。
【0017】
しかしながら、極低濃度のステアリン酸金属塩は、発泡性錠剤の溶解度を向上させるために使用され得る。そうしたステアリン酸金属塩を含む錠剤は、溶解の間、水中に沈んだ状態で維持されて、ステアリン酸金属塩を含まない錠剤で生じるような、表面への浮遊がない。浮遊している錠剤は、液体に沈んでいる錠剤と比較して水に接する表面積が小さくなる。ステアリン酸ナトリウムやオレイン酸ナトリウムは、水への溶解度が低い。これらは、石鹸様の味を有する特徴があり、実質的に経口の発泡性製剤からは排除されるが、局所適用には使用され得る。4%のポリエチレングリコール(PEG)6000と0.1%のフマル酸ステアリルナトリウムとの組み合わせは、小規模で直接圧縮により製造されたアスコルビン酸錠剤にとって優れた潤滑剤であることが証明された。また、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびD,L−ロイシン(水溶性の潤滑剤)も、発泡性錠剤のために提案されている。良好な潤滑性と短時間の分解とを実現するため、発泡性製剤に使用される潤滑剤は、疎水性および親水性の性質を併せ持つことが望ましい。フマル酸などの中極性の潤滑材が最も良い折衷物である。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムなどの界面活性剤も、潤滑剤として機能する。
【0018】
外部潤滑剤は、加工工程において、錠剤化用具の表面に潤滑物質(通常、パラフィン油)を適用するといった方法により提供される。一方法では、油を付けられたフェルトワッ
シャがチップ下方の下側の打ち抜き機(パンチ)に取り付けられて利用される。このワッシャにより、各錠剤の排出とともにダイのキャビティが拭われる。パンチ表面に錠剤が張り付くことを避けるため、ポリテトラフルオロエチレンやポリウレタンといった物質が、それらの表面に適用される。他の潤滑方法としては、1つの錠剤の排出後且つ次の錠剤の粒状物のダイのキャビティへの投入前に、潤滑剤(液体もしくは固形の潤滑剤)が噴霧されて薄層が形成される。アセチルサリチル酸を含む製剤は、通常、別途の潤滑剤を必要としない。
【0019】
(流動促進剤)
流動促進剤(glidant)は、通常必要ではない。自由流動性の粒状物体であること、直接圧縮のために適切な物理的形状を有する成分であること、大きな錠剤直径を持つことにより、流動促進剤の使用が排除され得る。
【0020】
(粘着防止剤)
本発明の実施形態にかかる錠剤適用のため使用される装置の表面に対して付着する粒状物や粉末、いわゆる残り物(picking)は、装置のパンチ表面に固められたディスク(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンで形成される)の使用により排除され得る。
【0021】
(結合剤)
一般的に、従来の錠剤の製造時には、結合剤が使用される。結合剤は、乾燥形状で添加されてもよいし、適切な溶媒に溶解された上で湿式粒化工程に関連して添加されてもよい。ほとんどの結合剤は、ポリマーであって、製剤の塑性変形を増大させる。結合剤の使用により、通常、発泡性錠剤の急速な溶解が防止される。発泡性粒状物は、従来の錠剤または発泡性錠剤と比較して大きな表面積を持つことにより急速に溶解する結果となるため、結合剤とともに調合されるようにしてもよい。粒状化液体としての無水アルコールと無水クエン酸とNaHCOとによる発泡性粒状物形成では、塊形成時に溶解するクエン酸が結合剤として機能する。
【0022】
NaHCOとの組み合わせでアスコルビン酸を圧縮するためには、粒状化が必要とされる。ポリビニルピロリドン(ポビドン)や、ポリビニル−ポリ(酢酸ビニル)共重合体などの一般的な水溶性の結合剤は、アスコルビン酸粒状物の一部分の変色を引き起こした。本発明の実施形態によれば、広範囲のデキストリンおよびマルトデキストリンの中から、多量のマルチトールを含む水素添加マルトデキストリンが適切な結合剤として選択された。マルチトールは、アスコルビン酸発泡性錠剤にとって適切な結合剤である。マルチトールによる結晶架橋の形成が、結合のメカニズムであると考えられる。PEG6000は、結合剤および潤滑剤の両方として機能し得る。
【0023】
(崩壊剤または溶解補助剤)
崩壊剤は、従来の錠剤において使用されるが、通常、発泡性錠剤では使用されない。これは、市場要求の一つが、錠剤をコップ1杯の水に添加した後、数分以内に透明な溶液が得られることであるためである。
【0024】
(フレーバーまたはフレグランスによる芳香)
種々の乾燥フレーバーが利用できる。フレーバーは、水溶性であるか水分散性を有する必要がある。適切な乳化剤または界面活性剤が添加されることができ、これにより液体芳香オイルが乾燥錠剤製剤により良く混合するとともに皮膚上により良く分散する。
【0025】
(界面活性剤)
本類の賦形剤は、薬剤および活性剤の湿潤および溶解のレベルを増大させるために時お
り使用される。泡形成に注意されなければならない。
【0026】
(消泡剤)
泡形成を抑えるため、またその泡形成の結果として錠剤の添加剤が水の境界線に重なる面に留まる傾向にあることを抑えるため、ポリジメチルシロキサンなどの消泡剤が使用され得る。しかしながら、通常、消泡剤は発泡性製剤の構成成分としては採用されない。
【0027】
(安定性)
発泡性製剤の最も大きな問題は、湿気に対して早期曝露される場合に、時間とともに反応性(発泡性システムの安定性)が失われることである。さらに、フレーバーなどの錠剤添加剤やいくつかの賦形剤の安定性についても考慮されなくてはならない。NaHCOの一部が対応する炭酸塩に変換されると、発泡性成分が著しく安定化され得る。通常、およそ2〜10重量%の重炭酸塩が炭酸塩に変換されると、好ましい安定度が得られる。
【0028】
(美容活性の可能性)
(ビタミン)
粉末状での混合が可能な水溶性ビタミンが好ましい。例えば、ビタミンC(アスコルビン酸−発泡反応のための酸としても使用可能)、ビタミンB群(B1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B3(ナイアシン)、B6(ピリドキシン)、プロビタミンB5(パンテノール)、B9(葉酸)、B12(コバラミン))が挙げられる。しかし、局所適用での適用および摩擦/マッサージのため、ビタミンA,E,D,F,Kといった脂溶性ビタミンや、それらの誘導体および補酵素についても、ある程度までは添加可能である。ビタミンは、保湿、抗酸化、しわ減少、皮膚のホワイトニング、抗ニキビ作用を奏することができる。
【0029】
(植物エキス)
粉末状の植物エキスは、水溶性および水不溶性のどちらの形状でも使用され得る。水に不溶な粉末植物エキスは、天然のメカニカルピーリング、および毒素/汚れ吸収剤として機能し得る。植物エキスは、保湿、抗酸化、しわ減少、皮膚のホワイトニング、痩身、抗ニキビ作用も奏することができ、例えばカフェインである。植物エキスやオイルは、芳香性添加物としても機能し得る。
【0030】
(α、β−ヒドロキシ酸)
リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、サリチル酸、フルーツ酸(fruit acids)、グリコール酸、ヒドロキシオクタン酸、アゼライン酸、およびそれらの混合物は、これら酸の塩も同様に、しわ減少、皮膚のホワイトニング、および抗ニキビ作用のためのケミカルピーリングに役立ち得る。
【0031】
(アミノ酸およびタンパク質)
これらの有効物質は、概ね水溶性粉末であり、本発明の実施形態にかかる美容皮膚施術の適用中やその後において、保湿剤、および膜形成/軟化剤として機能し得る。適切なアミノ酸としては、例えば、L−チロシン、イソロイシン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニン、ロイシン、リシン、メチオニン、スレオニン、タウリン、トリプトファン、バリン、アラニン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、アスパラギン、プロリン、セリン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0032】
(多糖類)
本発明の実施形態にかかる有益な多糖類は乾燥固形の無水物であって、例えばソルビトール、ショ糖、デンプン(トレハロースなど)、加工デンプン(例えばオクテニルコハク酸アルミニウム)、およびそれらの混合物が挙げられる。これら有効物質は水溶性粉末で
あり、本発明の実施形態にかかる美容皮膚施術の適用中やその後において、保湿剤、および膜形成/軟化剤として機能し得る。これらの膜形成作用は、通常、鎮痛効果がある。アルギン酸、グアーガム(guar gum)、および藻類エキスが代表例である。これらの物質は、施術適用中、およびその後において、汚れ吸着および水膨張剤としても機能し得る。デンプンもまた、軟化剤として適している。本類の代表例は、タピオカやアラビノガラクタンである。さらに、多糖類やそれらの誘導体は、錠剤の製剤結合剤としても機能でき、例えば、デンプン、天然ゴム、セルロースゴム、微結晶性セルロース、メチルセルロース、セルロースエーテル類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ゼラチン、デキストロース、ラクトース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ペクチン、アルギン酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルアルコール、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0033】
(滑剤)
PEG−14Mなどの滑剤(gliding agent)は、使用中に皮膚上での錠剤の滑りを容易にする。また、これは、錠剤製造において結合剤としても機能し得る。
【0034】
(ミネラル)
本発明の実施形態にかかる皮膚施術用錠剤への添加剤として使用され得るミネラルの例としては、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、塩素、およびそれらの混合物が含まれる。二酸化炭素を生成可能な塩基もまたミネラルとみなされる。適切なカルボン酸塩基の例としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、グリシン炭酸ナトリウム、L−リシン炭酸塩、アルギニン炭酸塩、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、およびそれらの混合物が含まれる。ナトリウムまたはマグネシウムなどのいくつかの天然ミネラル、ケイ酸マグネシウム、ベントナイトは、膨張剤としても機能し得る。酸化マグネシウムなどのいくつかのミネラルやゼオライトは、水添加に伴い発熱作用を奏することができる。
【0035】
(消毒剤)
抗菌剤および殺菌剤は、皮膚に有益な薬剤として含有され得る。本類の代表的なものとしては、トリクロサン、トリクロバン、ヘキセチジン、クロロヘキサジン、グルコン酸塩、亜鉛塩(例えば、クエン酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛)、およびそれらの混合物がある。過酸化ベンゾイルは、非常に有効なニキビ治療剤として知られており、本発明の実施形態にかかる皮膚用錠剤にも添加され得る。
【0036】
(鎮痛および抗炎症剤)
メンソール、ショウノウ、サリチル酸メチル、チョウジ油、アラントイン、ベンジルアルコールは、鎮痛および/または消炎剤として、本発明の実施形態にかかる皮膚施術用錠剤の成分に使用され得る。
【0037】
(界面活性剤)
ポリソルベート80およびラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤は、皮膚施術用錠剤に添加されると、皮膚のクリーニング剤や、錠剤製造における界面活性助剤として機能し得る。
【0038】
(天然または合成オイルおよびワックス)
皮膚軟化剤(emollinents)は、天然または合成のエステル/ワックス、シリコーンオイル/ワックス、炭化水素、デンプン、脂肪酸、およびそれらの混合物の形であることができ、蜜ろう、シリコンワックス類、蜂花粉(bee pollen)、ブラ
ン(bran)、小麦麦芽(wheat germ)、ケルプ(kelp)、タラ肝油(cod liver oil)、朝鮮人参(ginseng)、魚油類(fish oils)、グルコサミン、コンドロイチン、メチルスルホニルメタン、およびそれらの混合物を含む。
【0039】
(ペプチド)
本発明の実施形態によれば、皮膚施術用錠剤には、アンチエイジング作用のための多くの添加物が含まれ得る。
【0040】
(スキンライトナー)
皮膚施術用錠剤に添加される本類の代表的な添加剤としては、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、バニリン、フェルラ酸およびそのエステル類、レゾルシノール、ヒドロキノン、胎盤エキス、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
(代表的な配合例)
重量1.5グラム(1500mg)に製造される発泡性錠剤1錠であって、ビタミンC含有発泡性錠剤1錠の配合は、以下の通りである。
【0042】
ビタミンC 500mg
ピリドキシン 20mg
PVP 3% 45mg
スクロース 15% 225mg
クエン酸一水和物 208mg
酒石酸 222.9mg
PEG8000 30mg
(算出法)
本発明の実施形態にかかる美容皮膚施術用1500mg錠剤の計算式の例は、以下の通りである。
【0043】
発泡性錠剤の重量=1500mg
内層の重量(活性成分、酸、塩基、結合剤、および賦形剤からなる)(98%)=98/100×1500mg=1470mg
外層(潤滑剤からなる)(2%)=2/100×1500mg=30mg
酸および塩基の重量=内層−(活性成分+結合剤+賦形剤)=1470mg−(520+45+225)mg=680mg
クエン酸一水和物:
分子量=210.13
当量数=3
当量重量=210.13/3=70.04
酒石酸:
分子量=150.09
当量数=2
当量重量=150.09/2=75.05
重炭酸ナトリウム:
分子量=84.01
当量数=1
当量重量84.01/1=84.01
70.04(モル当量)+75.05(モル当量)+84.01(モル当量)=680mg
229.1(モル当量)=680mg
(モル当量)=2.97
クエン酸一水和物=70.04×2.97=208mg
酒石酸=75.05×2.97=222.9mg
重炭酸ナトリウム=84.01×2.97=249.5mg
(配合中の物質および製造選択法の考察)
本発明の実施形態にかかる皮膚施術用錠剤の調製に使用される好ましい結合剤は、PVPである。これは、PVPが水溶性の結合剤であるためである。また、結合剤として使用されるPVPの濃度としては、3%が選択され得る。これは、薬剤製造および技術における代表的な範囲が0.5〜5%であるためである。賦形剤としては、スクロースが使用され得る。これは、発泡性錠剤に使用される賦形剤がショ糖であるためである。賦形剤の濃度としては、例えば15%が選択され得る。使用される酸は、クエン酸一水和物と酒石酸との組み合わせであり、これらは、製造される錠剤が優れた発泡作用を奏するように適合されている。クエン酸一水和物が単独で使用されると、製造される粒状物は粘着性があり且つ柔らかくなるため、圧縮されなくなる。一方、酒石酸が単独で使用されると、製造される発泡性錠剤は固くひび割れをする可能性がある。重炭酸ナトリウムは塩基として使用され得る。PEG8000は潤滑剤として使用され得る。
【0044】
(美容皮膚施術の適用)
ここで、図1を参照する。図1は、本発明の実施形態にかかり、美容皮膚施術の適用方法を説明するフロー図である。第1の活性物質および第2の活性物質(ブロック12,14)が提供される。これらの物質は、錠剤中に含有され得るとともに、水、ゲルまたはその他の種類の液体といった液体の存在下で活性化され得る。また、上で詳述したように、種々の目的のため、水またはゲルなどの液体滑剤(gliding liquid)および/または種々の添加剤も任意で提供される(ブロック15)。第1および第2の活性物質は、化学的に反応し、発泡作用を通じて気体(二酸化炭素など)を遊離する(ブロック16)。さらに、化学反応の間、少なくとも第1の活性物質の粒状物サイズが化学反応により低下し得る。化学反応の速度は、活性化のための液体の供給速度の調整、反応温度や圧力の調整等により、調整され得る。公知の美容施術と比較して、少なくとも第1の活性物質の粒状物は、発泡作用の結果として施術される皮膚に対してより深く浸透することができ、これにより、好ましくない皮膚細胞をより深い皮膚層から除去することができる。また、発泡作用は、施術用錠剤の添加剤を皮膚層により深く供給する助けにもなり得る。発熱添加剤が使用される場合には、発熱作用により、発泡気体の浸透効果がより一層増強される。
【0045】
以下に詳述されるように、皮膚施術用錠剤は、種々の錠剤ホルダー/保持手段の1つを使用して施術領域の皮膚に擦り込む動作を与えることにより、この施術領域の皮膚上に適用される(ブロック18)。これにより、好ましくない皮膚層が除去される。
【0046】
第1の活性物質の粒状物サイズの低下速度、および化学反応を通じて生成される気体量の一方または両方を調整するため、化学反応の速度が調整される(ブロック20)。
(美容施術用錠剤の適用方法)
以下、本発明の実施形態にかかる美容施術用錠剤の適用方法の実施例について述べる。明瞭のため、実際の実行のすべての特徴/成分が必ずしも記述されているわけではない。
【0047】
図1A,1B,1C,1Dは、本発明の実施形態にかかる成型錠剤(錠剤100;および構造体102,104を含む)を保持するための装置を示している。錠剤100は、種々の形状に成型され得る。この成型錠剤は、種々の構成および装置に合わせられることができる。好ましい本実施形態では、固体100は、曲面を有する形状とされており、構造体102,104に合わせられることができる。構造体102,104は、ハンドル106,108をそれぞれ備えている。ハンドル106,108により、使用者は使用者の身
体に対して固体100を擦り付けることができる。擦り付けられる領域が湿らされるとともに錠剤100によりその領域が擦り付けられることにより、当該領域のクリーニング中に錠剤110が溶解する。さらに、擦り付けられることにより、クリーニング能を有する泡(cleaning foam)が生成される。
【0048】
図2A,2Bは、本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するための装置を示している。装置202は、口紅容器状に形成されて、スティック状に形成された固体200と、ブラシ206またはスクラッパー(scrapper)208を備えている。容器202は、口紅容器の操作と同様に、固体200を露出させる/覆い隠すために回転し得る。キャップ204は、露出された固体200の残物を覆うために使用され得る。
【0049】
アタッチメント206,208は、溶解固体の残物とともに使用者の皮膚を泡生成の間に擦り付けるために、または生成した泡とともに皮膚を擦り付けるために使用され得る。これらアタッチメントは、必要に応じて取り外されるとともに取り替えられることができる。
【0050】
図3A,3Bは、本発明の実施形態にかかる成型錠剤を保持するためのアプリケータを示している。アプリケータ304,306は、幅広に、幅狭にそれぞれ形成されている。アプリケータ304,306は、固体/錠剤300,302、およびスクラッパー308,310をそれぞれ備えている。
【0051】
図4A,4B,4Cおよび図5A,5Bは、本発明の実施形態にかかる液体容器および錠剤ホルダーを示している。錠剤400は、錠剤の溶解中に液体が通過できる1つまたは複数のチャンネル402を備えることができる。さらに、錠剤400は、ウェブ状に形成される取付ベース(mounting base)408も備えることができる。取付ベース408は、固体400内部にメッシュ状に形成されて、したがって溶解した錠剤が取付ベース408に付着され得る。取付ベース408は、コネクタ406に取り付けられ得る。コネクタ406はさらに、複数の孔404を含み得る。これら孔404は、例えば容器412からの液体を通過させて、錠剤400に接触する表面を濡らすことができる。封止部410は、スクイーズ容器412の開口部に対してコネクタ406を取り付けることができる。スクイーズ容器412が絞られることにより、錠剤400の溶解とともに、容器412に含まれる液体が孔404および/またはチャンネル402を通じて排出され得る。スクイーズ容器の開口部の内側断面に対向する錠剤400の内表面は、容器412内の圧力上昇に伴い溶解することができ、これによりフォームが生成され得る。この内側のフォームもまた、液体とともに絞られて加圧排出される。
【0052】
図6A,6B,6C,6Dは、本発明の実施形態にかかるカプセル錠剤の種々の形状を示している。錠剤600は、複数の突起部(projections)602を備えることができ、錠剤604は、複数の突条部(stripes)606を備えることができ、錠剤608は、複数の穴610を備えることができる。錠剤612は、メッシュ状のスナップ式の位置決め部614を備えることができる。
【0053】
図7A,7Bは、本発明の実施形態にかかるカプセル型の錠剤を備えた噴出器(squirter)701の種々の形状を示している。固体700,704は、調整リング702,706をそれぞれ備えることができる。これら調整リング702,706は、窪み部708に取り付けられ得る。ボタン712が押されることにより、含まれる液体がノズル710を通じて噴出され得る。容器716内に収容されている液体が噴射されつつ、取付けられた錠剤700,704を擦り付けることによって、皮膚が擦られるとともに擦られている皮膚の上で固体が溶解する。キャップ714は、容器716を満たしたり、詰め替えたり、空にしたりするために取り外され得る。
【0054】
図8A,8Bは、図7A,7Bの噴出器701と同様の噴出器801であって、本発明にかかる固体/錠剤に適用可能な、回転および振動動作を特徴とする噴出器を示している。噴出器801の好ましい実施形態は、噴出器701に基づくとともに、さらに、バッテリーキャップ804、回転および/または振動起動ボタン806、および回転および/または振動動作源(source)808(固体に取付けられる)を備えることができる。この回転および/または振動動作源を施術中に起動することにより、皮膚に対して固体をなお一層擦り付けることができる。さらに、上述した起動ボタンは、ノズルを通じた噴出を調整する。キャップ802は、容器800を満たしたり空にしたりするために取り外され得る。
【0055】
図9A,9Bは、本発明の実施形態にかかる固体/錠剤を備えた口腔衛生装置901,911を示している。装置901は、ハンドル902を備えており、このハンドル902は、その端部において固体900を保持するように構成されている。また、固体900は、口腔内を擦ることができるように構成され得る。固体900は、一本の歯、歯の間、および舌のサイズに合わせることができる。装置911は、毛材(bristle)906を有するハンドル912を備えることができ、毛材906は、フレキシブルアーム910に取付けられている。フレキシブルアーム910は、ブラッシング中に毛材906を退かせることができ、これにより、溶解固体904の残物とブラッシングされる面との接触が保たれる。
【0056】
図10A,10B,10Cは、手持ち型気化式加湿装置1004,1011,1004をそれぞれ示しており、本発明の実施形態にかかる固体/錠剤を備えている。手持ち型気化式加湿装置1004は、霧状の液体を生成することができる。霧状の液体は、ノズル1002の正面の領域を濡らすことができ、これにより、擦り付けられる固体1000を泡立たせる。コントローラ1014は、例えば強度が変化する電界を誘導することにより、気化を調整することができる。手持ち型気化式加湿装置1004は、含まれる液体を満たす/詰め替えるための蓋1006、バッテリ/充電式バッテリなどの電源ユニットを設置する/入れ替えるための電源室1012を備え得る。固体1000は、コネクタ1008に取り付けるために適し得るスナップ式キャップ1010を備えることができる。
【0057】
図11A,11B,11Cを参照する。これらの図は、本発明の実施形態にかかり、皮膚施術用錠剤1106とともに操作するように構成された皮膚施術用具1100を描いたものであり、側面図、底面図、分解図をそれぞれ示している。装置1100はゲル容器1102を備えることができる。このゲル容器1102は、ゲルを収容するとともにハンドルとしても用いられるように構成されている。ゲル容器1102は、メディエータ1104の一端に接続され得る。メディエータ1104は、ゲル通路を備えることができる。このゲル通路を通じて、ゲル容器1102から錠剤1106、すなわちメディエータ1104の他端に接続可能な錠剤1106に向かって液体が流れることができる。錠剤1106は、スナップ式、接着、その他の種々の可能な手段の1つを利用してメディエータ1104の他端に取り付けられるように構成されることができる。錠剤1108は、その内部に孔1108を有するように構成することができる。孔1108は、ゲル通路(図示略)に合わせることができる。このゲル通路は、ゲル通路を通じてゲルが流れて錠剤1106の表面を濡らすことができるように、ゲル容器1102からのゲルを通すものである。メディエータ1104の外周囲1105は、施術される皮膚に面するその側面において、丸みのある柔らかな縁で構成され得る。これは、施術中において錠剤が残り最後に近付く際、上述した外周囲1105が皮膚に対して柔らかでスムーズな接触ができるようにするためである。外周囲1105は、ゲル容器1102の外径から外方へ突き出るように構成されることもできる。これは、施術される皮膚に対して長い爪が不要に接触することを防止するためである。
【0058】
ここで、図12,12A,12Bを参照する。これらの図は、本発明の実施形態にかかり、それぞれ、皮膚施術用具1200の分解図、施術用具1202の部分断面図、メディエータ1206の上面図である。皮膚施術用具1200は、ゲル通路1222をその端部に有するゲル容器1202を備えることができる。さらに、用具1200は、ゲルキャップ/アダプタ1204を備えることができる。このゲルキャップ/アダプタ1204は、例えばスナップ式、ねじ式(thread)等の接続手段により、ゲル容器またはコンパートメント1202を収容できるように構成されている。ゲルキャップ1204は、ゲル通路1223を備えることもできる。このゲル通路1223は、そのインプット通路1224を通じてゲル容器1202から流出するゲルを受け入れられるように構成されている。また、ゲル通路1223は、そのアウトプット通路1226がキャップ1204の中心からずれて位置するように構成されている。したがって、メディエータ1206がキャップ1204に対して回転するときに、中央壁1206Aに形成された複数の孔1230(それぞれ互いに異なる内径を有する)の1つが、一度に1つずつゲル通路1226のアウトプット端部に配置されることができる。これにより、メディエータ1206に向かうゲルの流量を調整することができる。さらに、メディエータ1206は、錠剤コンパートメント1207を備えることができ、本発明の実施形態にかかる施術用錠剤を収容することができるように構成されている。錠剤コンパートメント1207は、錠剤キャップ1208によりキャップされ得る。錠剤キャップ1208は、メディエータ1206に接続できるように構成されており、これにより、錠剤コンパートメントを閉じるとともに、錠剤をその内部に含むことができる。錠剤キャップ1208は、ゲル排出孔1208Aを備えることができ、これにより、用具1200の外側へゲルが流れることができる。図12Bに示されるように、メディエータ1206は、その中央壁1206Aに、複数の孔(またはゲル通路)1230A,1230B等を備えることができ、これら複数の孔は、それぞれ互いに異なる内径を有するとともに、互いに異なるゲル流量を提供する。また、中央壁1206Aは、閉塞された通路位置1230Cを備えることもでき、これにより、用具1200を非起動モードにすることができる。中央壁1206Aが、異なる内径を有する2よりも多くの孔を備えることもできることは当業者には明らかであろう。また、ゲルの流量を調整する他の方法について、本発明の実施形態の範囲を逸脱することなく使用され得ることについても、当業者には明らかであろう。
【0059】
以下の点について理解されるべきである。すなわち、上の説明は単なる例示であること、本発明の実施形態として種々のものが考案され得ること、上実施形態において説明された特徴および本明細書で説明されていない特徴について、個々にでも、またはいかなる適切な組み合わせでも使用され得ること、本発明は、必ずしも上述していない実施形態によっても実現され得ることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の活性物質を収容する第1のコンパートメントと、
第2の活性物質を収容する第2のコンパートメントと、
前記第1の活性物質と前記第2の活性物質とを調整可能に混合することにより化学反応を活性化させる通路とを備える装置であって、
前記第1の活性物質のpHは7よりも高く、前記第2の活性物質のpHは7よりも低く、
前記化学反応は発泡作用を生じさせる
装置。
【請求項2】
前記第1の活性物質は粒状物を含む
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記粒状物のサイズは前記化学反応中に低下する
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記発泡作用によって前記化学反応中に二酸化炭素(CO)が放出される
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記化学反応の開始前には、前記第1の活性物質は固相の状態に在るとともに前記第2の活性物質は液相の状態に在る
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のコンパートメントは絞られることができる
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記通路は、孔およびチャンネルのうちの少なくとも1つの形態である
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の活性物質は、互いにほぼ平行な2つの主要面を有する錠剤として形成される請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のコンパートメントは、前記錠剤の第1の面が前記第2のコンパートメントから離れる方を向くように前記錠剤を収容するべく適合されている
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の活性物質は、前記錠剤の前記第1の面において化学反応を生じさせるように前記錠剤に適用されている
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
美容施術を適用するための装置を提供する工程と、
前記装置に封入される第1の活性物質を提供する工程と、
前記装置に封入される第2の活性物質を提供する工程と、
前記第2の活性物質を前記第1の活性物質と調整可能に化学的に反応させることにより発泡作用を生じさせる工程と、
前記第1の活性物質と、前記第2の活性物質と、前記発泡作用と、前記反応の結果生じる物質とのうちの少なくとも1つを、施術される皮膚に擦り込むことにより美容施術のために使用する工程と
を備える方法。
【請求項12】
前記装置と前記施術される皮膚との間の滑物質として働く液体を提供する工程をさらに備える
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記液体は、水およびゲルを含むグループのうちの1つ以上の液体である
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の活性物質のpHは7よりも高く、前記第2の活性物質のpHは7よりも低い
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の活性物質は粒状物を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記粒状物のサイズは前記化学反応中に低下する
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記発泡作用によって前記化学反応中に二酸化炭素(CO)が放出される
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の活性物質は、互いにほぼ平行な2つの主要面を有する錠剤として形成される
請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記錠剤の第1の面は、前記施術される皮膚に面する
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記粒状物は、前記発泡作用により前記施術される皮膚に対して推進される
請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【公開番号】特開2012−254285(P2012−254285A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−105344(P2012−105344)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【出願人】(508004306)ポロゲン リミテッド (3)
【Fターム(参考)】