説明

美容用シート

【課題】ポリエステル生地材が昇華転写印刷性に優れていることに着目し、金箔の定着性に優れるとともにオリジナルデザイン性の高い美容用シートの提供を目的とする。
【解決手段】ポリエステル生地材の所定の部位に熱可塑性樹脂層を形成し、その上から金箔を箔押し、熱可塑性樹脂層以外の部分を取り除き、次に真空プレス機にて金箔をポリエステル生地材に定着させたものであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔面や首等の肌にあてがい美白効果と健康的な肌を蘇生する効果を有する美容用シートに関する。
特に、金箔を利用した、繰り返し使用可能でデザイン性に優れた美容パック用のシートに係る。
【背景技術】
【0002】
金粉末が新陳代謝を促し、健康的な肌を蘇らせる作用があることは、特許文献1に開示されているように公知である。
同文献1に開示する技術はシリコーンゴムあるいはシリコンゲルに金粉末を添加するものであるが、金の新陳代謝作用がより効果的に発現し、製造が容易でデザイン性に優れたシートを精意検討したのが本発明である。
【0003】
【特許文献1】特開2006−265105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ポリエステル生地材が昇華転写印刷性に優れていることに着目し、金箔の定着性に優れるとともにオリジナルデザイン性の高い美容用シートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る美容用シートは、ポリエステル生地材の所定の部位に熱可塑性樹脂層を形成し、その上から金箔を箔押し、熱可塑性樹脂層以外の部分を取り除き、次に真空プレス機にて金箔をポリエステル生地材に定着させたものであることを特徴とする。
【0006】
生地としてポリエステル生地材を用いたことにより転写紙に分散染料で絵柄を印刷し、ポリエステル生地材の片面あるいは両面に昇華転写印刷できるので例えば消費者の個人的ニーズに対応して絵柄をインクジェット方式等により印刷した転写紙を作成することでオリジナルデザイン性に優れた美容用シートを作成することができる。
ここで、ポリエステル生地材とはポリエステル繊維を用いた布地をいい、ポリエステル100%のみならず他の繊維との混紡でもよい。
また、真空プレス機とはポリエステル生地材と転写紙を重ね合せ、減圧してガスを抜き軽く押圧するようにして加熱する構造を有するものをいう。
また、熱可塑性樹脂にマイナスイオン発生物質又は遠赤外線放射性物質を混合してあるとより好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては布地の表面に金箔を定着させたので、従来の金粉を混合した基材を用いるよりも金の活性な表面が布地の表面に露出しているのでより効果的に金の作用を発現できる。
本発明に係る美容用シートは、例えばいわゆるエステサロン等において、洗浄しながら繰り返し使用でき、約20分程度、顔面にあてがい、美容パックとして使用すると、肌の新陳代謝が促進され、きめ細かな肌を維持することができる。
【0008】
本発明に係る美容用シートは布地としてポリエステル生地材を用いたことにより、シートに絵柄を昇華転写印刷できるので例えば個人の好みにあった絵柄やユーザーのネーム等を転写紙に分散染料で印刷し、真空プレスでシートに昇華転写印刷することができる。
また、真空プレスを用いることでシートの片面のみならず両面に昇華転写印刷できる。
両面に印刷する場合には、上下からシートを挟み込むようにそれぞれ印刷した転写紙を重ね合せ、真空プレスすることになる。
また、金箔をポリエステル生地材に定着する熱可塑性樹脂にマイナスイオン発生物質や遠赤外線放射性物質を混合すると、より効果的に肌を刺激する。
このような物質としてはトルマリン、戸室石、ジルコニウム系又はケイ素系のセラミックスがよい。
さらには、低放射性のマイナスイオン発生物質としてモナザイト鉱石の粉末を用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る美容用シートの製造例及び構造例を以下図面に基づいて説明するが本実施例に限定するものではない。
【0010】
図1に本発明の実施例に係る美容用シート10の例を示す。
美容用シート10はポリエステル繊維からなる布の生地材1の中央部に顔の絵柄2bを配置し、その周囲に花の絵柄2aを昇華インクにて昇華転写印刷してあり、顔の絵柄2bに合せて金箔4を散点状に定着させた例となっている。
また、図1に示した美容用シート10の裏面にも絵柄を印刷してある。
【0011】
次に美容用シートの製造例を説明する。
インクジェット方式の印刷機の制御部に、美容用シートの表面と裏面とに印刷する画像データを入力する。
画像データは写真やイラストのみならずパソコン等にてユーザーネームを取り込み、合成してもよい。
上記画像データに基づいてデザイン(絵柄)を転写紙に分散染料インクを用いて印刷する。
本実施例では昇華転写インクとして株式会社ミマキエンジニアリング製のインクSPC−0493を用いた。
次に表面用の転写紙と裏面用の転写紙とでポリエステル生地材1を挟み込むように重ね合せ、真空プレス機でインクを生地材に昇華転写した。
真空プレスでの加熱条件は200℃×1分とした。
次に、図1の金箔を配置する部分に対応して、熱可塑性樹脂(ユニ化成株式会社製,ユニバインダー)を用いてスクリーン印刷し、乾燥した。
熱可塑性樹脂を印刷した上から、金箔を押し当て、この熱可塑性樹脂がない部分(図1では円形状の4以外の部分)の金箔を取り除いた。
次に、真空プレス機で100℃×1分加熱すると図1のように金箔4が生地材1に定着する。
なお、定着させる金箔の形状及び配置はこのような円形散点状でなくてもよく、各種形状や配置が可能である。
また、図1に示した実施例では、顔面にフィットするように切り込み3a、3bを入れてある。
【0012】
熱可塑性樹脂にトルマリン鉱石を粉末にしたもの、及びモナザイト鉱石の粉末を混合したものをそれぞれ製作したところ、美容用シートとして優れた製品が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る美容用シートの例を示す。
【符号の説明】
【0014】
1 生地材
2a、2b 絵柄
3a、3b 切り込み
4 金箔
10 美容用シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル生地材の所定の部位に熱可塑性樹脂層を形成し、その上から金箔を箔押し、熱可塑性樹脂層以外の部分を取り除き、次に真空プレス機にて金箔をポリエステル生地材に定着させたものであることを特徴とする美容用シート。
【請求項2】
分散染料で印刷した絵柄を有する転写紙を用いて、片面又は両面に昇華転写印刷したポリエステル生地材を用いたものであることを特徴とする請求項1記載の美容用シート。
【請求項3】
熱可塑性樹脂にマイナスイオン発生物質又は遠赤外線放射性物質を混合してあることを特徴とする請求項1記載の美容用シート。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−120500(P2009−120500A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293678(P2007−293678)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(594079349)
【出願人】(507157920)倉橋アート株式会社 (3)
【Fターム(参考)】