美容装置及び容器
【課題】熟練した技術がなくとも使用可能な美容装置を提供する。
【解決手段】圧縮ガスを搬送する搬送路4と、搬送路4内に設けられており金微粒子、コラーゲン、美容液、毒素、又は育毛剤などの肌への供給対象を保持する保持手段7と、搬送路4に対する圧縮ガスを断続的に供給するように制御する制御手段13と、保持手段7に接続されていて前記供給対象を含む圧縮ガスを肌12に向けて送出する送出手段9とを備える。
【解決手段】圧縮ガスを搬送する搬送路4と、搬送路4内に設けられており金微粒子、コラーゲン、美容液、毒素、又は育毛剤などの肌への供給対象を保持する保持手段7と、搬送路4に対する圧縮ガスを断続的に供給するように制御する制御手段13と、保持手段7に接続されていて前記供給対象を含む圧縮ガスを肌12に向けて送出する送出手段9とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置及び容器に関し、特に、金によって肌の細胞を活性化させる美容装置及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、金が肌に美容に対して効果的であることが知られている。この他にも、非特許文献1に記載されているように、実際に、肌内に、金の細線を埋め込み、肌の弛みを解消する美容技術があった。
【0003】
非特許文献1によると、真皮に金の細線を通すと、金が細胞に働きかけて、皮膚が自ら若返りだすとされている。さらに、細胞が活性化し、皮膚のターンオーバーが亢進し、肌の血行改善、皮膚の弾力の高まり、シミやシワの消失などのメリットも得られるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−335733号公報
【非特許文献1】http://goldfilament.net/gekisha.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、肌に金の細線を埋め込む際には、熟練した技術が必要である。熟練した技術がないと、金の細線を通す際に用いる針によって生じる針穴に発赤が見られるなど、肌にダメージを与えることになる。同様に、熟練した技術がないと、肌内部では、内出血が生じたり、腫れが生じたりする場合もある。
【0006】
そこで、本発明は、熟練した技術がなくとも使用可能な美容装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、
圧縮ガスを搬送する搬送路と、
前記搬送路内に設けられており肌への供給対象を保持する保持手段と、
前記搬送路に対する圧縮ガスを断続的に供給するように制御する制御手段と、
前記保持手段に接続されていて前記供給対象を含む圧縮ガスを肌に向けて送出する送出手段とを備える。
【0008】
すなわち、本発明は、一例として、供給対象として金のナノ微粒子を用い、これを高圧ガスの圧力により毛穴に浸透させて肌を活性化するものである。
【0009】
前記供給対象は、金微粒子はもちろんのこと、コラーゲン、美容液、毒素、又は育毛剤とすることができる。前記送出手段として、前記供給対象を皮膚内に注入する、すなわち、真皮まで到達させる手段を含めれば、供給対象が肌から離脱しにくくなり、美容効果の持続性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の容器は、前記保持手段によって保持される供給対象が収容されている容器であって、
前記保持手段への保持前に容器本体の開口部を覆っていて、前記保持手段への保持後に前記圧縮ガスによって破断されるフィルムを有する。
【0011】
或いは、本発明の容器は、肌への供給対象が収容されており、容器本体の開口部に剥離可能なフィルムが貼付されていて、容器本体は圧縮ガスが当てられる結果として前記供給対象を肌に供給する。
【0012】
このような容器を用いると、供給対象の取扱性が向上する。
【発明の実施の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の美容装置の模式的な構成図である。図1には、以下説明する、窒素ガスボンベ1と、減圧弁2と、エアオペレートバルブ3と、ステンレスパイプ4と、ステンレスフレキシブルパイプ5と、金微粒子6と、容器保持部7と、カバー8と、ノズル9と、金微粒子含有窒素ガス10と、肌12と、制御回路13とを示している。
【0014】
窒素ガスボンベ1は、圧縮ガスであるところの窒素ガスが貯蔵されている。なお、圧縮ガスは、不活性ガスであればよく、このため、窒素ガスボンベ1に代えて、酸素ガスボンベを用いることもできるし、エアコンプレッサを用いることもできる。一例として、窒素ガスボンベ1は、容積が45L前後、充填圧力が150kg/cm2程度のものを用いる。
【0015】
減圧弁2は、両端がそれぞれステンレスパイプ4に接続されている。減圧弁2は、窒素ガスボンベ1からの窒素ガスの噴出圧力を調整するものである。減圧弁2は、典型的には、美容装置の使用開始時に開状態とされ、使用終了時に閉状態とされる。減圧弁2は、肌12への金微粒子含有窒素ガス10の噴出圧力が、例えば、2Kg/cm2〜10Kg/cm2となるような条件としている。
【0016】
エアオペレートバルブ3は、両端がそれぞれステンレスパイプ4に接続されている。エアオペレートバルブ3は、減圧弁2によって減圧された窒素ガスを、容器保持部7側に搬送する際に開状態となる。エアオペレートバルブ3の開閉制御は、制御回路13から出力される制御信号に従ってなされる。エアオペレートバルブ3の1回あたりの開状態とされる時間は、例えば、0.5秒〜1秒程度としている。
【0017】
ステンレスパイプ4は、窒素ガスボンベ1と減圧弁2との間、減圧弁2とエアオペレートバルブ3との間、エアオペレートバルブ3とステンレスパイプ4との間に、それぞれ接続されている搬送路である。ステンレスパイプ4は、窒素ガスボンベ1から容器保持部7まで、窒素ガスを搬送するものである。なお、ステンレスパイプ4に代えて、ポリテトラフルオロエチレンパイプなどを用いてもよい。ステンレスパイプ4の外径は、1/4インチ〜1/2インチ程度とする。
【0018】
ステンレスフレキシブルパイプ5は、ステンレスパイプ4と一体的に形成されているものである。ステンレスフレキシブルパイプ5を用いると、容器保持部7よりも下流の各部材の位置が、肌12に対して可動となる。もっとも、肌12側が容器保持部7等に対して可動するようにして、ステンレスフレキシブルパイプ5を採用することなく、ステンレスパイプ4としてもよい。
【0019】
金微粒子6は、後述するように、例えば、純水、化粧水、水道水、生理食塩水、或いは、コラーゲン21に混合された状態でパッケージ化された容器25に収容される。金微粒子6の大きさは、毛穴等を通じて肌12に浸透する、毛根などに到達するように、平均直径が0.001〜0.01mm程度としてある。なお、本実施形態では、肌12への供給対象の一例として金微粒子6を示しているが、例えば、育毛剤、ボツリヌスなどの毒素、アルジルリンなどが配合された化粧品などを採用することもできる。
【0020】
容器保持部7は、ステンレスフレキシブルパイプ5とノズル9との間に取り付けられていている。容器保持部7は、金微粒子6が収容されている容器25を保持するものである。なお、容器25自体を収容するのではなく、
カバー8は、ノズル9の周辺に着脱可能な構成としている。カバー8は、金微粒子含有窒素ガス10の飛散を防止するものである。カバー8の素材は、ゴムまたは柔らかい材質のプラスチックを用いる。ここでは、ノズル9から直接放射的に噴出される金微粒子含有窒素ガス10及び容器25下の押し出される空気はもとより、肌12からはねかえる金微粒子含有窒素ガス10の飛散も防止している。
【0021】
ノズル9は、容器保持部7に対して着脱可能な構成の送出手段である。ノズル9は、複数の孔を有していて、各孔は、直径が例えば5mm〜20mmの大きさとしている。実際には、3つのノズル9を用意しておき、肌12の略平坦部分の面積に応じて選択的に使用するノズル9を決定している。
【0022】
具体的には、例えば、顔の肌12に対して使用する場合には5mmの大きさの孔を有するノズル9を使用し、腕・足の肌12に対して使用する場合には10mmの大きさの孔を有するノズル9を使用し、背中の肌12に対して使用する場合には10mmの大きさの孔を有するノズル9を使用する。
【0023】
金微粒子含有窒素ガス10は、既述のように、例えば、2Kg/cm2〜10Kg/cm2の圧力で、ノズル9から噴出される。なお、ノズル9と肌12との距離は、限定的ではないが、1〜7cm程度とするとよい。
【0024】
肌12は、金微粒子含有窒素ガス10の噴射対象である。肌12は、顔、腕、足、背中など、人間の部位が限定されるものではない。
【0025】
制御回路13は、後述するリモートコントローラからの指示に従って、減圧弁2及びエアオペレートバルブ3等に制御信号を出力するものである。
【0026】
なお、図1の美容装置には、必要に応じて、ノズル9の位置を固定する固定手段と、カバー8内で受けた容器25下の空気及び金微粒子含有窒素ガス10を排気する排気手段とを備えるとよい。さらには、美容装置の使用時に、肌12又は容器25を42℃程度まで加熱する加熱手段を備えるとよい。加熱手段を備えると、金微粒子等が肌12に入り込みやすいという利点がある。
【0027】
図2は、図1に示す容器保持部7に収容される容器25及び容器25への金微粒子6の収容処理の説明図である。
【0028】
図2(a)には、槽24内にコラーゲン21と金微粒子6との混合体に対して、超音波導入パイプ20を差し込み、超音波導入パイプ20から超音波23を導入している状態を示している。超音波23は、上記混合体を拡販することによって、コラーゲン21内に金微粒子6を均一に拡散させる攪拌部材である。
【0029】
図2(b)には、図2(a)に示す槽24から取り出したコラーゲン21及び金微粒子6を容器25に収容した状態に示す。容器25は、容器保持部7に保持したときにステンレスフレキシブルパイプ5及びノズル9の対向面に、剥離可能又は十字状等の切れ目などが形成されていて破断可能なフィルム26が取り付けられている。容器25の素材は、例えば、透明なポリオレフィン、ポリエチレンなどの可撓性又は軟性を有するものとしている。
【0030】
図3は、図1に示す容器保持部7の模式的な構成を示す分解斜視図である。図3には、以下説明する、上部容器7Aと、下部容器7Bと、Oリング7Cとを示している。
【0031】
上部容器7Aは、ステンレスパイプ4に接続される接続部7aと、Oリング7Cが配される溝7bとを有する。
【0032】
下部容器7Bは、ノズル9に接続される接続部7cと、Oリング7Cが配される溝7dとを有する。
【0033】
Oリング7Cは、上部容器7Aと下部容器7Bとの間に設けられ、上部容器7Aと下部容器7Bとの気密性を担保するものである。
【0034】
上部容器7Aと下部容器7Bとの接続部は、例えば螺子切りされていて、締め付けによって、上部容器7Aと下部容器7Bとの接続を行うようにしている。
【0035】
図4は、減圧弁2及びエアオペレートバルブ3の開閉制御を指示するためのリモートコントローラ100の模式図である。リモートコントローラ100は、図1に示す美容装置本体の電源のオン/オフボタン101,102と、エアオペレートバルブ3の開閉パターン毎に割当てられている複数の指示ボタン103とを備える。
【0036】
電源オンボタン101が押下され、それが制御回路13で検知されると、減圧弁2を開状態とする制御信号が減圧弁2に出力される。一方、電源オフボタン102が押下され、それが制御回路13で検知されると、減圧弁2を閉状態とする制御信号が減圧弁2に出力される。
【0037】
指示ボタン103は、それぞれ、所定時間当たりにエアオペレートバルブ3を開状態とする回数/時間などが異なるパターンが割当てられている。
【0038】
図5は、図4の各指示ボタン103に対応する制御信号のパターンを示す図である。ここには、指示ボタン「1」、指示ボタン「2」、指示ボタン「10」に対応する各パターンを示している。
【0039】
例えば、指示ボタン「1」は所定時間T内に1回エアオペレートバルブ3を0.5秒間開状態とし、指示ボタン「2」は所定時間T内に2回エアオペレートバルブ3を0.5秒間開状態とし、...、指示ボタン「10」は所定時間T内に10回エアオペレートバルブ3を0.5秒間開状態とするなどとしている。
【0040】
つぎに、図1に示す美容装置の動作について説明する。図1に示す美容装置のオペレータは、使用に先立って、コラーゲン21及び金微粒子6が収容された容器25を、容器保持部7に保持させる。そして、美容装置のオペレータが、使用時に、電源オンボタン101を押下すると、制御回路13から減圧弁2を開状態にする制御信号が出力される。
【0041】
減圧弁2は、制御回路13から出力された制御信号を入力すると、当該信号に従って弁を開状態にする。この結果、窒素ガスボンベ1内の窒素ガスは、減圧弁2を通過して、ステンレスパイプ4内を流れ、エアオペレートバルブ3まで到達する。
【0042】
この状態で、美容装置のオペレータが、肌12の所要の位置上にノズル9を位置させてから、適宜、各指示ボタン103のいずれかを押下すると、制御回路13からエアオペレートバルブ3に対して、所要の開閉信号が出力される。
【0043】
エアオペレートバルブ3は、制御回路13から出力された開閉信号を入力すると、当該信号に従ってバルブの開閉を行う。この結果、窒素ガスは、エアオペレートバルブ3を通過して、ステンレスパイプ4及びステンレスフレキシブルパイプ5を通り、容器保持部7に到達する。
【0044】
容器保持部7内には、コラーゲン21及び金微粒子6が収容された容器25が保持されているので、容器保持部7を通る窒素ガスは、金微粒子6を圧送する。この結果、ノズル9から金微粒子および金微粒子含有窒素ガス10が噴出される。
【0045】
金微粒子含有窒素ガス10等が肌12に到達すると、毛穴等に入り込む。金微粒子含有窒素ガス10は、その噴出圧が毛穴等を広げる効果もあるため、単に、金微粒子を肌12に対して塗布した場合に比して、毛穴等の奥まで入り込むことになる。
【0046】
その後、美容装置のオペレータは、ノズル9の位置を変えて、肌12の別の位置に対して、金微粒子含有窒素ガス10等の噴出を行う。以上の処理の結果、毛穴等の中には金微粒子6が所定期間定着することになるので、肌12では、細胞の活性化等のメリットが得られる。
【0047】
なお、上記処理を行うのに先立って、以下説明する前処理を行ってもよい。すなわち、容器25を容器保持部7に保持させる前に、ノズル9を所要位置に合わせた状態で、減圧弁2及びエアオペレートバルブ3を開状態として、肌12に窒素ガスを吹きかける。こうすると、窒素ガスの噴出によって、毛穴等をより広げることになるため、美容効果が向上する。
【0048】
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係る容器25’の模式図である。図6には、図2(b)に示した容器25の変形例を示している。図6に示す容器25’は、コラーゲン21と金微粒子6との混合体が収容される本体と、本体の開口部を覆う1枚のフィルム27と、フィルム27の貼付位置に形成されている両面粘着テープ28とを示している。
【0049】
容器25’からフィルム27を剥がして、両面粘着テープ28を肌12に直接付着させると、コラーゲン21及び金微粒子6が、肌12に直接触れることになる。この状態で、容器保持部7に容器25を保持させずに、ノズル9から窒素ガスを噴出させる。
【0050】
この際、ノズル9を、肌12の両面粘着テープ28付着部分近傍上に位置させると、窒素ガスが容器25’に吹き付けられることになる。この結果、肌12に対して、コラーゲン21及び金微粒子6が提供されることになり、肌12の毛穴等に対して金微粒子6等が入り込むことになる。
【0051】
本実施形態に係る容器25’を用いると、金微粒子6が飛翔することがないので、カバー8を用いたり、排気手段を用いたりすることがなくなる。
【0052】
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係るノズル9の底面の模式図である。図7には、容器保持部7の接続部7cに接続される側面部34と、側面部34の内径と略同一サイズの外径の底面部30とを備える。底面部30には、例えば8つの外周孔32と、例えば5つの内周孔33とが形成されている。各孔32,33には、金メッキ35等が施されている。
【0053】
図8,図9は、図7に示すノズル9の製造工程を示す図である。まず、所定の大きさのアルミニウム体30を用意する。アルミニウム体30は、図6に示した底面部30となる部分である。つぎに、アルミニウム体30を、上部30aが円盤状であって、下部30bがリング状の形状に加工する。つづいて、アルミニウム体30の上面であって孔32,33に対応する部分以外に、シリコン酸化膜31またはレジストパターンを形成する(図8(a))。
【0054】
その後、シリコン酸化膜31等が形成されたアルミニウム体30に対して、陽極酸化処理を施す。この結果、シリコン酸化膜31等が形成されていない部分には、孔32,33が形成される(図8(b))。
【0055】
つぎに、アルミニウム体30の上面からシリコン酸化膜31等を除去する。内周孔33は、実施形態1等で説明した場合と同様に、肌12の表面への金微粒子等の噴出口として機能する。一方、外周孔32は、肌12の表面を貫通して、注射針として機能する(図8(c))。
【0056】
外周孔32は、先端(下端)が、皮膚の真皮程度深さまで到達するような条件とする。換言すると、外周孔32の下端と内周孔33の下端との距離は、肌表面と真皮との距離程度とする。具体的には、外周孔32の下端と内周孔33の下端との距離は、0.5mm〜2.0mm程度とするとよい。
【0057】
その後、注射針として機能する孔32bが、皮膚内に進入したときに、アルミニウムアレルギーなどの炎症等の発生を防ぐために、孔32,33を含む、アルミニウム体30の表面に対して、金メッキ35を施すことで底面部30が完成する(図8(d))。
【0058】
こうして製造した底面部30を、接着剤などを用いて、側面部34に取り付けると、図7に示すノズル9が完成する。底面部30と側面部34との間には、気密性を高めるために、Oリングを取り付けてもよい(図9(e))。
【0059】
その後、ノズル9の側面部34の上面に対して、ノズル9と容器保持部7とを接続する接続部38を設ける。そして、接続部38を通じて、ノズル9を容器保持部7に対して接続する(図9(f))。
【0060】
もっとも、ノズル9は、図7に示す形状、形態に限定されるものではないし、
図8に示す製造工程に限定されるものでもない。例えば、図10に示す底面図,図11に示す側面図のように、孔32,33を区別しない形態とすることもできる。
【0061】
(実施形態4)
図12は、本発明の実施形態4に係るカバー8の変形例を示す図である。図12に示すように、本実施形態に係るカバー8は、容器保持部7自体も覆うタイプとしている。このため、容器保持部7に装着される容器もカバー8で覆われるので、容器下の排除される空気、金粒子及び金粒子含有窒素ガス10の飛散を防止することができる。
【0062】
さらに、図12に示すカバー8を用いると、Oリング7Cが磨耗する、容器保持部7とステンレスフレキシブルパイプ5との接続部分が緩む、又は、容器保持部7とノズル9との接続部分が緩むなどして、ノズル9の先端以外の箇所から金微粒子含有窒素ガス10が漏れた場合に、周囲への金微粒子含有窒素ガス10の飛翔を防止することができると云う効果がある。
【0063】
(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5に係る容器保持部7及びカバー8等の変形例を示す図である。図13には、既述の部分に加えて、ステンレスフレキシブルパイプ5と容器保持部7側とを接続するクイックカップリングなどのジョイント48と、ステンレスフレキシブルパイプ5を通る高圧ガスを容器保持部7に導入する高圧ガス導入パイプ47と、高圧ガス導入パイプ47に対してカバー8を取り付けるためのナット46と、ナット46に付帯して設けられるゴムパッキン45と、高圧ガス導入パイプ47とノズル9との間に設けられるOリング44とを示している。
【0064】
このような形状のカバー8等を用いると、美容装置のオペレータの目の位置と肌12との間が、カバー8が位置しなくなり、視界がカバー8によって遮られることがなく、作業性が向上する。
【0065】
図14は、図13の変形例を示す図である。図14に示すカバー8は、その側壁であって、高圧ガス導入パイプ47との接続位置よりも下流に、複数の排気孔51が設けられている。排気孔51を設けることで、容器25下の空気を逃がすことができ、圧縮窒素ガス10により金粒子が勢い良く肌に噴射できる。
【0066】
図15は、図14の変形例を示す図である。ここでは、カバー8に設けた唯一の排気孔51に対してパイプ52を接続し、さらに、パイプ52に対してジョイント53を介して、排気用パイプ54及び圧気用パイプ55を接続している。
【0067】
排気用パイプ54に接続される排気ポンプを作動させると、ノズル9内の容器25下の空気が排気され、金粒子を勢い良く肌に噴射できる。一方、圧気用パイプ55に接続される圧気用パイプ55に接続される圧気ポンプを作動させると、カバー8内にまわりこんだ金粒子を、再度、肌12に向けることができる。圧気ポンプを作動させる際には、ノズル9からも圧縮窒素ガス10を噴出することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、美容業に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態1の美容装置の模式的な構成図である。
【図2】図1に示す容器保持部7に収容される容器25及び容器25への金微粒子6の収容処理の説明図である。
【図3】図1に示す容器保持部7の模式的な構成を示す分解斜視図である。
【図4】減圧弁2及びエアオペレートバルブ3の開閉制御を指示するためのリモートコントローラ100の模式図である。
【図5】図4の各指示ボタン103に対応する制御信号のパターンを示す図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る容器25’の模式図である。
【図7】本発明の実施形態3に係るノズル9の底面の模式図である。
【図8】図7に示すノズル9の製造工程を示す図である。
【図9】図7に示すノズル9の製造工程を示す図である。
【図10】図7に示すノズル9の変形例を示す底面図である。
【図11】図7に示すノズル9の変形例を示す側面図である。
【図12】本発明の実施形態4に係るカバー8の変形例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態5に係る容器保持部7及びカバー8等の変形例を示す図である。
【図14】図13の変形例を示す図である。
【図15】図14の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
窒素ガスボンベ1、減圧弁2、エアオペレーバルブ3、ステンレスパイプ4、ステンレスフレキシブルパイプ5、金微粒子6、容器保持部7、カバー8、ノズル9、金微粒子含有窒素ガス10、肌12、制御回路13
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置及び容器に関し、特に、金によって肌の細胞を活性化させる美容装置及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、金が肌に美容に対して効果的であることが知られている。この他にも、非特許文献1に記載されているように、実際に、肌内に、金の細線を埋め込み、肌の弛みを解消する美容技術があった。
【0003】
非特許文献1によると、真皮に金の細線を通すと、金が細胞に働きかけて、皮膚が自ら若返りだすとされている。さらに、細胞が活性化し、皮膚のターンオーバーが亢進し、肌の血行改善、皮膚の弾力の高まり、シミやシワの消失などのメリットも得られるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−335733号公報
【非特許文献1】http://goldfilament.net/gekisha.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、肌に金の細線を埋め込む際には、熟練した技術が必要である。熟練した技術がないと、金の細線を通す際に用いる針によって生じる針穴に発赤が見られるなど、肌にダメージを与えることになる。同様に、熟練した技術がないと、肌内部では、内出血が生じたり、腫れが生じたりする場合もある。
【0006】
そこで、本発明は、熟練した技術がなくとも使用可能な美容装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、
圧縮ガスを搬送する搬送路と、
前記搬送路内に設けられており肌への供給対象を保持する保持手段と、
前記搬送路に対する圧縮ガスを断続的に供給するように制御する制御手段と、
前記保持手段に接続されていて前記供給対象を含む圧縮ガスを肌に向けて送出する送出手段とを備える。
【0008】
すなわち、本発明は、一例として、供給対象として金のナノ微粒子を用い、これを高圧ガスの圧力により毛穴に浸透させて肌を活性化するものである。
【0009】
前記供給対象は、金微粒子はもちろんのこと、コラーゲン、美容液、毒素、又は育毛剤とすることができる。前記送出手段として、前記供給対象を皮膚内に注入する、すなわち、真皮まで到達させる手段を含めれば、供給対象が肌から離脱しにくくなり、美容効果の持続性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の容器は、前記保持手段によって保持される供給対象が収容されている容器であって、
前記保持手段への保持前に容器本体の開口部を覆っていて、前記保持手段への保持後に前記圧縮ガスによって破断されるフィルムを有する。
【0011】
或いは、本発明の容器は、肌への供給対象が収容されており、容器本体の開口部に剥離可能なフィルムが貼付されていて、容器本体は圧縮ガスが当てられる結果として前記供給対象を肌に供給する。
【0012】
このような容器を用いると、供給対象の取扱性が向上する。
【発明の実施の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の美容装置の模式的な構成図である。図1には、以下説明する、窒素ガスボンベ1と、減圧弁2と、エアオペレートバルブ3と、ステンレスパイプ4と、ステンレスフレキシブルパイプ5と、金微粒子6と、容器保持部7と、カバー8と、ノズル9と、金微粒子含有窒素ガス10と、肌12と、制御回路13とを示している。
【0014】
窒素ガスボンベ1は、圧縮ガスであるところの窒素ガスが貯蔵されている。なお、圧縮ガスは、不活性ガスであればよく、このため、窒素ガスボンベ1に代えて、酸素ガスボンベを用いることもできるし、エアコンプレッサを用いることもできる。一例として、窒素ガスボンベ1は、容積が45L前後、充填圧力が150kg/cm2程度のものを用いる。
【0015】
減圧弁2は、両端がそれぞれステンレスパイプ4に接続されている。減圧弁2は、窒素ガスボンベ1からの窒素ガスの噴出圧力を調整するものである。減圧弁2は、典型的には、美容装置の使用開始時に開状態とされ、使用終了時に閉状態とされる。減圧弁2は、肌12への金微粒子含有窒素ガス10の噴出圧力が、例えば、2Kg/cm2〜10Kg/cm2となるような条件としている。
【0016】
エアオペレートバルブ3は、両端がそれぞれステンレスパイプ4に接続されている。エアオペレートバルブ3は、減圧弁2によって減圧された窒素ガスを、容器保持部7側に搬送する際に開状態となる。エアオペレートバルブ3の開閉制御は、制御回路13から出力される制御信号に従ってなされる。エアオペレートバルブ3の1回あたりの開状態とされる時間は、例えば、0.5秒〜1秒程度としている。
【0017】
ステンレスパイプ4は、窒素ガスボンベ1と減圧弁2との間、減圧弁2とエアオペレートバルブ3との間、エアオペレートバルブ3とステンレスパイプ4との間に、それぞれ接続されている搬送路である。ステンレスパイプ4は、窒素ガスボンベ1から容器保持部7まで、窒素ガスを搬送するものである。なお、ステンレスパイプ4に代えて、ポリテトラフルオロエチレンパイプなどを用いてもよい。ステンレスパイプ4の外径は、1/4インチ〜1/2インチ程度とする。
【0018】
ステンレスフレキシブルパイプ5は、ステンレスパイプ4と一体的に形成されているものである。ステンレスフレキシブルパイプ5を用いると、容器保持部7よりも下流の各部材の位置が、肌12に対して可動となる。もっとも、肌12側が容器保持部7等に対して可動するようにして、ステンレスフレキシブルパイプ5を採用することなく、ステンレスパイプ4としてもよい。
【0019】
金微粒子6は、後述するように、例えば、純水、化粧水、水道水、生理食塩水、或いは、コラーゲン21に混合された状態でパッケージ化された容器25に収容される。金微粒子6の大きさは、毛穴等を通じて肌12に浸透する、毛根などに到達するように、平均直径が0.001〜0.01mm程度としてある。なお、本実施形態では、肌12への供給対象の一例として金微粒子6を示しているが、例えば、育毛剤、ボツリヌスなどの毒素、アルジルリンなどが配合された化粧品などを採用することもできる。
【0020】
容器保持部7は、ステンレスフレキシブルパイプ5とノズル9との間に取り付けられていている。容器保持部7は、金微粒子6が収容されている容器25を保持するものである。なお、容器25自体を収容するのではなく、
カバー8は、ノズル9の周辺に着脱可能な構成としている。カバー8は、金微粒子含有窒素ガス10の飛散を防止するものである。カバー8の素材は、ゴムまたは柔らかい材質のプラスチックを用いる。ここでは、ノズル9から直接放射的に噴出される金微粒子含有窒素ガス10及び容器25下の押し出される空気はもとより、肌12からはねかえる金微粒子含有窒素ガス10の飛散も防止している。
【0021】
ノズル9は、容器保持部7に対して着脱可能な構成の送出手段である。ノズル9は、複数の孔を有していて、各孔は、直径が例えば5mm〜20mmの大きさとしている。実際には、3つのノズル9を用意しておき、肌12の略平坦部分の面積に応じて選択的に使用するノズル9を決定している。
【0022】
具体的には、例えば、顔の肌12に対して使用する場合には5mmの大きさの孔を有するノズル9を使用し、腕・足の肌12に対して使用する場合には10mmの大きさの孔を有するノズル9を使用し、背中の肌12に対して使用する場合には10mmの大きさの孔を有するノズル9を使用する。
【0023】
金微粒子含有窒素ガス10は、既述のように、例えば、2Kg/cm2〜10Kg/cm2の圧力で、ノズル9から噴出される。なお、ノズル9と肌12との距離は、限定的ではないが、1〜7cm程度とするとよい。
【0024】
肌12は、金微粒子含有窒素ガス10の噴射対象である。肌12は、顔、腕、足、背中など、人間の部位が限定されるものではない。
【0025】
制御回路13は、後述するリモートコントローラからの指示に従って、減圧弁2及びエアオペレートバルブ3等に制御信号を出力するものである。
【0026】
なお、図1の美容装置には、必要に応じて、ノズル9の位置を固定する固定手段と、カバー8内で受けた容器25下の空気及び金微粒子含有窒素ガス10を排気する排気手段とを備えるとよい。さらには、美容装置の使用時に、肌12又は容器25を42℃程度まで加熱する加熱手段を備えるとよい。加熱手段を備えると、金微粒子等が肌12に入り込みやすいという利点がある。
【0027】
図2は、図1に示す容器保持部7に収容される容器25及び容器25への金微粒子6の収容処理の説明図である。
【0028】
図2(a)には、槽24内にコラーゲン21と金微粒子6との混合体に対して、超音波導入パイプ20を差し込み、超音波導入パイプ20から超音波23を導入している状態を示している。超音波23は、上記混合体を拡販することによって、コラーゲン21内に金微粒子6を均一に拡散させる攪拌部材である。
【0029】
図2(b)には、図2(a)に示す槽24から取り出したコラーゲン21及び金微粒子6を容器25に収容した状態に示す。容器25は、容器保持部7に保持したときにステンレスフレキシブルパイプ5及びノズル9の対向面に、剥離可能又は十字状等の切れ目などが形成されていて破断可能なフィルム26が取り付けられている。容器25の素材は、例えば、透明なポリオレフィン、ポリエチレンなどの可撓性又は軟性を有するものとしている。
【0030】
図3は、図1に示す容器保持部7の模式的な構成を示す分解斜視図である。図3には、以下説明する、上部容器7Aと、下部容器7Bと、Oリング7Cとを示している。
【0031】
上部容器7Aは、ステンレスパイプ4に接続される接続部7aと、Oリング7Cが配される溝7bとを有する。
【0032】
下部容器7Bは、ノズル9に接続される接続部7cと、Oリング7Cが配される溝7dとを有する。
【0033】
Oリング7Cは、上部容器7Aと下部容器7Bとの間に設けられ、上部容器7Aと下部容器7Bとの気密性を担保するものである。
【0034】
上部容器7Aと下部容器7Bとの接続部は、例えば螺子切りされていて、締め付けによって、上部容器7Aと下部容器7Bとの接続を行うようにしている。
【0035】
図4は、減圧弁2及びエアオペレートバルブ3の開閉制御を指示するためのリモートコントローラ100の模式図である。リモートコントローラ100は、図1に示す美容装置本体の電源のオン/オフボタン101,102と、エアオペレートバルブ3の開閉パターン毎に割当てられている複数の指示ボタン103とを備える。
【0036】
電源オンボタン101が押下され、それが制御回路13で検知されると、減圧弁2を開状態とする制御信号が減圧弁2に出力される。一方、電源オフボタン102が押下され、それが制御回路13で検知されると、減圧弁2を閉状態とする制御信号が減圧弁2に出力される。
【0037】
指示ボタン103は、それぞれ、所定時間当たりにエアオペレートバルブ3を開状態とする回数/時間などが異なるパターンが割当てられている。
【0038】
図5は、図4の各指示ボタン103に対応する制御信号のパターンを示す図である。ここには、指示ボタン「1」、指示ボタン「2」、指示ボタン「10」に対応する各パターンを示している。
【0039】
例えば、指示ボタン「1」は所定時間T内に1回エアオペレートバルブ3を0.5秒間開状態とし、指示ボタン「2」は所定時間T内に2回エアオペレートバルブ3を0.5秒間開状態とし、...、指示ボタン「10」は所定時間T内に10回エアオペレートバルブ3を0.5秒間開状態とするなどとしている。
【0040】
つぎに、図1に示す美容装置の動作について説明する。図1に示す美容装置のオペレータは、使用に先立って、コラーゲン21及び金微粒子6が収容された容器25を、容器保持部7に保持させる。そして、美容装置のオペレータが、使用時に、電源オンボタン101を押下すると、制御回路13から減圧弁2を開状態にする制御信号が出力される。
【0041】
減圧弁2は、制御回路13から出力された制御信号を入力すると、当該信号に従って弁を開状態にする。この結果、窒素ガスボンベ1内の窒素ガスは、減圧弁2を通過して、ステンレスパイプ4内を流れ、エアオペレートバルブ3まで到達する。
【0042】
この状態で、美容装置のオペレータが、肌12の所要の位置上にノズル9を位置させてから、適宜、各指示ボタン103のいずれかを押下すると、制御回路13からエアオペレートバルブ3に対して、所要の開閉信号が出力される。
【0043】
エアオペレートバルブ3は、制御回路13から出力された開閉信号を入力すると、当該信号に従ってバルブの開閉を行う。この結果、窒素ガスは、エアオペレートバルブ3を通過して、ステンレスパイプ4及びステンレスフレキシブルパイプ5を通り、容器保持部7に到達する。
【0044】
容器保持部7内には、コラーゲン21及び金微粒子6が収容された容器25が保持されているので、容器保持部7を通る窒素ガスは、金微粒子6を圧送する。この結果、ノズル9から金微粒子および金微粒子含有窒素ガス10が噴出される。
【0045】
金微粒子含有窒素ガス10等が肌12に到達すると、毛穴等に入り込む。金微粒子含有窒素ガス10は、その噴出圧が毛穴等を広げる効果もあるため、単に、金微粒子を肌12に対して塗布した場合に比して、毛穴等の奥まで入り込むことになる。
【0046】
その後、美容装置のオペレータは、ノズル9の位置を変えて、肌12の別の位置に対して、金微粒子含有窒素ガス10等の噴出を行う。以上の処理の結果、毛穴等の中には金微粒子6が所定期間定着することになるので、肌12では、細胞の活性化等のメリットが得られる。
【0047】
なお、上記処理を行うのに先立って、以下説明する前処理を行ってもよい。すなわち、容器25を容器保持部7に保持させる前に、ノズル9を所要位置に合わせた状態で、減圧弁2及びエアオペレートバルブ3を開状態として、肌12に窒素ガスを吹きかける。こうすると、窒素ガスの噴出によって、毛穴等をより広げることになるため、美容効果が向上する。
【0048】
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係る容器25’の模式図である。図6には、図2(b)に示した容器25の変形例を示している。図6に示す容器25’は、コラーゲン21と金微粒子6との混合体が収容される本体と、本体の開口部を覆う1枚のフィルム27と、フィルム27の貼付位置に形成されている両面粘着テープ28とを示している。
【0049】
容器25’からフィルム27を剥がして、両面粘着テープ28を肌12に直接付着させると、コラーゲン21及び金微粒子6が、肌12に直接触れることになる。この状態で、容器保持部7に容器25を保持させずに、ノズル9から窒素ガスを噴出させる。
【0050】
この際、ノズル9を、肌12の両面粘着テープ28付着部分近傍上に位置させると、窒素ガスが容器25’に吹き付けられることになる。この結果、肌12に対して、コラーゲン21及び金微粒子6が提供されることになり、肌12の毛穴等に対して金微粒子6等が入り込むことになる。
【0051】
本実施形態に係る容器25’を用いると、金微粒子6が飛翔することがないので、カバー8を用いたり、排気手段を用いたりすることがなくなる。
【0052】
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係るノズル9の底面の模式図である。図7には、容器保持部7の接続部7cに接続される側面部34と、側面部34の内径と略同一サイズの外径の底面部30とを備える。底面部30には、例えば8つの外周孔32と、例えば5つの内周孔33とが形成されている。各孔32,33には、金メッキ35等が施されている。
【0053】
図8,図9は、図7に示すノズル9の製造工程を示す図である。まず、所定の大きさのアルミニウム体30を用意する。アルミニウム体30は、図6に示した底面部30となる部分である。つぎに、アルミニウム体30を、上部30aが円盤状であって、下部30bがリング状の形状に加工する。つづいて、アルミニウム体30の上面であって孔32,33に対応する部分以外に、シリコン酸化膜31またはレジストパターンを形成する(図8(a))。
【0054】
その後、シリコン酸化膜31等が形成されたアルミニウム体30に対して、陽極酸化処理を施す。この結果、シリコン酸化膜31等が形成されていない部分には、孔32,33が形成される(図8(b))。
【0055】
つぎに、アルミニウム体30の上面からシリコン酸化膜31等を除去する。内周孔33は、実施形態1等で説明した場合と同様に、肌12の表面への金微粒子等の噴出口として機能する。一方、外周孔32は、肌12の表面を貫通して、注射針として機能する(図8(c))。
【0056】
外周孔32は、先端(下端)が、皮膚の真皮程度深さまで到達するような条件とする。換言すると、外周孔32の下端と内周孔33の下端との距離は、肌表面と真皮との距離程度とする。具体的には、外周孔32の下端と内周孔33の下端との距離は、0.5mm〜2.0mm程度とするとよい。
【0057】
その後、注射針として機能する孔32bが、皮膚内に進入したときに、アルミニウムアレルギーなどの炎症等の発生を防ぐために、孔32,33を含む、アルミニウム体30の表面に対して、金メッキ35を施すことで底面部30が完成する(図8(d))。
【0058】
こうして製造した底面部30を、接着剤などを用いて、側面部34に取り付けると、図7に示すノズル9が完成する。底面部30と側面部34との間には、気密性を高めるために、Oリングを取り付けてもよい(図9(e))。
【0059】
その後、ノズル9の側面部34の上面に対して、ノズル9と容器保持部7とを接続する接続部38を設ける。そして、接続部38を通じて、ノズル9を容器保持部7に対して接続する(図9(f))。
【0060】
もっとも、ノズル9は、図7に示す形状、形態に限定されるものではないし、
図8に示す製造工程に限定されるものでもない。例えば、図10に示す底面図,図11に示す側面図のように、孔32,33を区別しない形態とすることもできる。
【0061】
(実施形態4)
図12は、本発明の実施形態4に係るカバー8の変形例を示す図である。図12に示すように、本実施形態に係るカバー8は、容器保持部7自体も覆うタイプとしている。このため、容器保持部7に装着される容器もカバー8で覆われるので、容器下の排除される空気、金粒子及び金粒子含有窒素ガス10の飛散を防止することができる。
【0062】
さらに、図12に示すカバー8を用いると、Oリング7Cが磨耗する、容器保持部7とステンレスフレキシブルパイプ5との接続部分が緩む、又は、容器保持部7とノズル9との接続部分が緩むなどして、ノズル9の先端以外の箇所から金微粒子含有窒素ガス10が漏れた場合に、周囲への金微粒子含有窒素ガス10の飛翔を防止することができると云う効果がある。
【0063】
(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5に係る容器保持部7及びカバー8等の変形例を示す図である。図13には、既述の部分に加えて、ステンレスフレキシブルパイプ5と容器保持部7側とを接続するクイックカップリングなどのジョイント48と、ステンレスフレキシブルパイプ5を通る高圧ガスを容器保持部7に導入する高圧ガス導入パイプ47と、高圧ガス導入パイプ47に対してカバー8を取り付けるためのナット46と、ナット46に付帯して設けられるゴムパッキン45と、高圧ガス導入パイプ47とノズル9との間に設けられるOリング44とを示している。
【0064】
このような形状のカバー8等を用いると、美容装置のオペレータの目の位置と肌12との間が、カバー8が位置しなくなり、視界がカバー8によって遮られることがなく、作業性が向上する。
【0065】
図14は、図13の変形例を示す図である。図14に示すカバー8は、その側壁であって、高圧ガス導入パイプ47との接続位置よりも下流に、複数の排気孔51が設けられている。排気孔51を設けることで、容器25下の空気を逃がすことができ、圧縮窒素ガス10により金粒子が勢い良く肌に噴射できる。
【0066】
図15は、図14の変形例を示す図である。ここでは、カバー8に設けた唯一の排気孔51に対してパイプ52を接続し、さらに、パイプ52に対してジョイント53を介して、排気用パイプ54及び圧気用パイプ55を接続している。
【0067】
排気用パイプ54に接続される排気ポンプを作動させると、ノズル9内の容器25下の空気が排気され、金粒子を勢い良く肌に噴射できる。一方、圧気用パイプ55に接続される圧気用パイプ55に接続される圧気ポンプを作動させると、カバー8内にまわりこんだ金粒子を、再度、肌12に向けることができる。圧気ポンプを作動させる際には、ノズル9からも圧縮窒素ガス10を噴出することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、美容業に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態1の美容装置の模式的な構成図である。
【図2】図1に示す容器保持部7に収容される容器25及び容器25への金微粒子6の収容処理の説明図である。
【図3】図1に示す容器保持部7の模式的な構成を示す分解斜視図である。
【図4】減圧弁2及びエアオペレートバルブ3の開閉制御を指示するためのリモートコントローラ100の模式図である。
【図5】図4の各指示ボタン103に対応する制御信号のパターンを示す図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る容器25’の模式図である。
【図7】本発明の実施形態3に係るノズル9の底面の模式図である。
【図8】図7に示すノズル9の製造工程を示す図である。
【図9】図7に示すノズル9の製造工程を示す図である。
【図10】図7に示すノズル9の変形例を示す底面図である。
【図11】図7に示すノズル9の変形例を示す側面図である。
【図12】本発明の実施形態4に係るカバー8の変形例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態5に係る容器保持部7及びカバー8等の変形例を示す図である。
【図14】図13の変形例を示す図である。
【図15】図14の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
窒素ガスボンベ1、減圧弁2、エアオペレーバルブ3、ステンレスパイプ4、ステンレスフレキシブルパイプ5、金微粒子6、容器保持部7、カバー8、ノズル9、金微粒子含有窒素ガス10、肌12、制御回路13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスを搬送する搬送路と、
前記搬送路内に設けられており肌への供給対象を保持する保持手段と、
前記搬送路に対する圧縮ガスを断続的に供給するように制御する制御手段と、
前記保持手段に接続されていて前記供給対象を含む圧縮ガスを肌に向けて送出する送出手段と、を備える美容装置。
【請求項2】
前記供給対象は、金微粒子、コラーゲン、美容液、毒素、又は育毛剤である、請求項1記載の美容装置。
【請求項3】
前記送出手段は、前記供給対象を皮膚内に注入する注入手段を含む、請求項1記載の美容装置。
【請求項4】
前記送出手段によって圧縮ガスを送出する際に肌の温度が高めておくための加熱手段を備える、請求項1記載の美容装置。
【請求項5】
前記保持手段によって保持される供給対象が収容されている容器であって、
前記保持手段への保持前に容器本体の開口部を覆っていて、前記保持手段への保持後に前記圧縮ガスによって破断されるフィルムを有する容器。
【請求項6】
肌への供給対象が収容されており、容器本体の開口部に剥離可能なフィルムが貼付されていて、容器本体は圧縮ガスが当てられる結果として前記供給対象を肌に供給する容器。
【請求項1】
圧縮ガスを搬送する搬送路と、
前記搬送路内に設けられており肌への供給対象を保持する保持手段と、
前記搬送路に対する圧縮ガスを断続的に供給するように制御する制御手段と、
前記保持手段に接続されていて前記供給対象を含む圧縮ガスを肌に向けて送出する送出手段と、を備える美容装置。
【請求項2】
前記供給対象は、金微粒子、コラーゲン、美容液、毒素、又は育毛剤である、請求項1記載の美容装置。
【請求項3】
前記送出手段は、前記供給対象を皮膚内に注入する注入手段を含む、請求項1記載の美容装置。
【請求項4】
前記送出手段によって圧縮ガスを送出する際に肌の温度が高めておくための加熱手段を備える、請求項1記載の美容装置。
【請求項5】
前記保持手段によって保持される供給対象が収容されている容器であって、
前記保持手段への保持前に容器本体の開口部を覆っていて、前記保持手段への保持後に前記圧縮ガスによって破断されるフィルムを有する容器。
【請求項6】
肌への供給対象が収容されており、容器本体の開口部に剥離可能なフィルムが貼付されていて、容器本体は圧縮ガスが当てられる結果として前記供給対象を肌に供給する容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−237626(P2008−237626A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83121(P2007−83121)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(507099398)
【出願人】(507099402)
【出願人】(505384793)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(507099398)
【出願人】(507099402)
【出願人】(505384793)
【Fターム(参考)】
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