美容装置
【課題】種々の施術部分に対し効率よく施術可能とする美容装置を提供する。
【解決手段】グリップケース1に支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、グリップケース1内に収容され、弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子5,6とを備えた美容装置において、弾性振動板は、幅の広い第一の弾性振動板3と、幅の狭い第二の弾性振動板4とを備えた。
【解決手段】グリップケース1に支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、グリップケース1内に収容され、弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子5,6とを備えた美容装置において、弾性振動板は、幅の広い第一の弾性振動板3と、幅の狭い第二の弾性振動板4とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波で振動する振動板を肌面に押し当てて、肌面に付着している角質、皮脂や化粧残りを除去するようにした美容装置が提案されている。このような美容装置は、特許文献1に開示されるように、超音波振動子の振動により弾性振動板が厚さ方向に振動し、その振動に基づいて肌面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−328042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような美容装置では、一枚の板状の弾性振動板を肌面に押し当てて汚れを除去する構成である。頬のような平坦で広い部分を施術するには、幅の広い弾性振動板が使い易く、小鼻のように起伏がある部分を施術する場合には幅の狭い弾性振動板が使い易い。
【0005】
従って、一枚の弾性振動板を備えた美容装置では、全ての施術部分において使い易い美容装置とすることができないという問題点がある。
この発明の目的は、種々の施術部分に対し効率よく施術可能とする美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、グリップケースに支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子とを備えた美容装置において、弾性振動板は、幅の広い第一の弾性振動板と、幅の狭い第二の弾性振動板とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを選択して振動させる振動板選択手段を備えることが好ましい。
また、上記構成において、第一の弾性振動板と第二の弾性振動板を、グリップケースの先端からV字状に開くように突出させることが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、第二の弾性振動板をグリップケースに第一の弾性振動板の長手方向に移動可能に支持し、第二の弾性振動板を第一の弾性振動板に対し出没可能とすることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、振動板選択手段は、第二の弾性振動板の没入を検出して、第一の弾性振動板を振動させるとともに、第二の弾性振動板の振動を停止させる検出手段を備えることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを共通の超音波振動子で振動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、種々の施術部分に対し効率よく施術可能とする美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】第一の実施形態を示す断面図である。
【図3】第一の実施形態を示す側面図である。
【図4】第一の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第二の実施形態を示す平面図である。
【図6】第二の実施形態を示す断面図である。
【図7】第二の実施形態の示す断面面である。
【図8】第二の実施形態の第二の弾性振動板を示す平面図である。
【図9】第二の実施形態の第二の弾性振動板を示す側面図である。
【図10】第二の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図11】第三の実施形態を示す平面図である。
【図12】第三の実施形態を示す断面図である。
【図13】第三の実施形態の超音波振動子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に示す美容装置は、筒状に形成されたグリップケース1内には基板2が配設され、その基板2にはステンレス等の金属で板状に形成された第一及び第二の弾性振動板3,4の基端部が支持されている。
【0014】
前記第一の弾性振動板3の幅w1は約2cm、第二の弾性振動板4の幅w2は約5mmで形成されている。そして、前記第一及び第二の弾性振動板2,3の先端部はグリップケース1の先端からV字状に開くように突出されている。
【0015】
前記グリップケース1内の中央部には、前記第一の弾性振動板3の基端部に接する第一の超音波振動子5と、前記第二の弾性振動板4の基端部に接する第二の超音波振動子6が配設される。
【0016】
前記基板2には前記第一及び第二の超音波振動子5,6の動作を制御する制御部7が配設され、前記グリップケース1の基端部には制御部7に電源を供給する電源部8が配設されている。電源部8は、充電式バッテリー、乾電池あるいは商用電源の供給に基づいて所要の電圧を生成する電源回路のいずれでもよい。
【0017】
そして、制御部7の制御に基づいて第一及び第二の超音波振動子5,6が振動して、第一及び第二の弾性振動板3,4が厚み方向に10kHz〜100kHzの振動周波数で振動するようになっている。このとき、第一及び第二の弾性振動板3,4は先端に向かって振動振幅が増大するようになっている。
【0018】
図3に示すように、前記第一及び第二の弾性振動板3,4は、前記グリップケース1の先端部において、振動板保持部材9a〜9dにより振動可能に保持されている。
図4は、上記美容装置の電気的構成を示す。操作スイッチ10及び振動板選択スイッチ11は、前記グリップケース1の外周面に形成される。振動板選択スイッチ11は、前記第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4のいずれを振動させるか、すなわち第一及び第二の超音波振動子5,6のいずれを作動させるかを選択するスイッチである。
【0019】
そして、操作スイッチ10がオン状態となると、例えば振動板選択スイッチ11で選択された第一の超音波振動子5が制御部7の制御に基づいて作動して、第一の弾性振動板3が振動する。また、振動板選択スイッチ11で第二の超音波振動子6が選択されると、第二の弾性振動板4が振動する。
【0020】
このように構成された美容装置では、操作スイッチ10をオン状態とし、さらに振動板選択スイッチ11で第一の弾性振動板3の動作を選択すると、第一の弾性振動板3が振動する。この状態では、第一の弾性振動板3により頬のような平坦で広い部分の施術が容易である。
【0021】
また、振動板選択スイッチ11で第二の弾性振動板4の動作を選択すると、第二の弾性振動板4が振動する。この状態では、第二の弾性振動板4により小鼻のように起伏がある部分の施術が容易である。
【0022】
上記のように構成された美容装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動する第一の弾性振動板3若しくは第二の弾性振動板4で肌面(施術部)を擦ることにより、肌面の汚れを落とすことができる。
(2)第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4とを選択して使用することにより、平坦で広い肌面と、起伏がある肌面とを効率よく施術することができる。
(3)振動板選択スイッチ11の操作により、第一の弾性振動板3の動作と、第二の弾性振動板4の動作とを切り替えることができる。従って、弾性振動板の交換作業を必要とすることはない。
(第二の実施形態)
図5〜図10は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、第二の弾性振動板4を第一の弾性振動板3に対し出没可能としたものである。前記第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0023】
図5及び図6に示すように、第二の弾性振動板4は第一の弾性振動板3の下方で、第一の弾性振動板3の長手方向に移動可能に支持されている。
具体的に説明すると、図8及び図9に示すように、第二の弾性振動板4の長手方向中間部の両側縁には保持部12が取着され、各保持部12の側面にはローラー13が回転可能に支持されている。このローラー13は、保持部12に対し第二の弾性振動板4の厚さ方向に支持された回転軸で回転可能に支持され、その一部が保持部12から側方へ露出されている。
【0024】
そして、前記ローラー13は前記グリップケース1に前記第一の弾性振動板3に沿って設けられたレール14に移動可能に支持されている。この結果、図6に示すように、第二の弾性振動板4は第一の弾性振動板3の下方に収容される状態から、図7に示す第一の弾性振動板3より突出する状態までの範囲で、第一の弾性振動板3に対し出没可能に支持されている。
【0025】
なお、前記レール14には、前記保持部12と弾性的に係脱可能に係合して、第二の弾性振動板4の最大移動範囲を規制する位置決め手段(図示しない)が設けられる。
前記グリップケース1内には、前記第二の弾性振動板4の位置を検出する投光器15及び受光器16が設けられている。この投光器15及び受光器16は、第二の弾性振動板4の両側において、第二の弾性振動板4がグリップケース1内に向かって最も没入したとき、投光器15から発せられる光が第二の弾性振動板4で遮られて受光器16に達しないように設けられている。
【0026】
そして、受光器16の検出信号が前記制御部7に出力され、制御部7はその検出信号に基づいて第二の弾性振動板4が最大没入位置まで没入したことを検知するようになっている。上記以外の構成は、前記第一の実施形態と同様である。
【0027】
次に、この実施形態の美容装置の制御部7の動作を図10に従って説明する。操作スイッチ10がオン状態となると(ステップ1)、制御部7は受光器16で投光器15からの光を検出しているか否かを判定する(ステップ2)。受光器16で投光器15からの光を受光できない場合には、第二の弾性振動板4が最大没入位置まで移動していることを検出してステップ3に移行し、第一の超音波振動子5を作動させて、第一の弾性振動板3を振動させる。
【0028】
また、ステップ2において、受光器16で投光器15からの光を受光している場合には、第二の弾性振動板4が最大没入位置から移動していることを検出してステップ4に移行する、そして、第一の超音波振動子5の作動を停止させるとともに、第二の超音波振動子6を作動させて、第二の弾性振動板4を振動させる。
【0029】
そして、ステップ3あるいはステップ4の状態で動作している状態から操作スイッチ10がオフされると、第一の超音波振動子5若しくは第二の超音波振動子6の作動が停止される(ステップ6)。
【0030】
上記のように構成された美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)第二の弾性振動板4を第一の弾性振動板3に沿って出没可能とすることができる。従って、第一の弾性振動板3を使用するとき、第二の弾性振動板4を没入させることができるので、第一の弾性振動板3による施術時に、第二の弾性振動板4が邪魔になることはない。
(2)第二の弾性振動板4を最大没入位置まで移動させたとき、第一の弾性振動板3を自動的に振動させることができる。また、第二の弾性振動板4を最大没入位置から施術位置に移動させると、第一の弾性振動板3の振動を停止させ、第二の弾性振動板4を自動的に振動させることができる。
(第三の実施形態)
図11〜図13は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、第一の実施形態の第一及び第二の弾性振動板3,4を共通の超音波振動子で振動させるようにしたものである。
【0031】
図11及び図12に示すように、第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4の先端部は、第一の実施形態と同様に、グリップケース1の先端からV字状に開くように突出されている。
【0032】
第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4の基端部は、グリップケース1内で上下方向に重なり、その間に超音波振動子17が配設されている。そして、超音波振動子17の作動により、第一及び第二の弾性振動板3,4が振動するようになっている。
【0033】
図13に示すように、前記超音波振動子17は円盤状に形成されるとともに、周方向に等間隔に4つの電極18a〜18dが形成されている。そして、前記振動板選択スイッチ11の操作に基づく制御部7の動作により、第一の弾性振動板3が選択されると、信号線19a,19bを介して電極18a,18b間に所要の電圧が印加される。また、第二の弾性振動板4が選択されると、信号線19c,19dを介して電極18c,18d間に所要の電圧が印加される。
【0034】
このような超音波振動子17は、電極18a,18b間に電圧が印加されると、第一の弾性振動板3に伝播し易い方向に振動し、その振動により第一の弾性振動板3が振動する。また、電極18c,18d間に電圧が印加されると、超音波振動子17は第二の弾性振動板4に伝播し易い方向に振動し、その振動により第二の弾性振動板4が振動する。
【0035】
上記以外の構成は、第一の実施形態と同様である。
このような構成により、振動板選択スイッチ11の操作に基づいて、第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4とのいずれかを選択して振動させることができる。
【0036】
上記のように構成された美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4とを共通の超音波振動子17で振動させることができる。
【0037】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・弾性振動板は、3枚以上としてもよい。
・第二の実施形態において、第一の弾性振動板3もグリップケース1に対し出没可能としてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…グリップケース、3…第一の弾性振動板、4…第二の弾性振動板、5…第一の超音波振動子、6…第二の超音波振動子、7…振動板選択手段(制御部)、11…振動板選択手段(振動板選択スイッチ)、15…検出手段(投光器)、16…検出手段(受光器)、18a〜18d…振動板選択手段(電極)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波振動する振動板で肌面を擦ることにより、肌面の汚れを除去する美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波で振動する振動板を肌面に押し当てて、肌面に付着している角質、皮脂や化粧残りを除去するようにした美容装置が提案されている。このような美容装置は、特許文献1に開示されるように、超音波振動子の振動により弾性振動板が厚さ方向に振動し、その振動に基づいて肌面の汚れを除去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−328042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような美容装置では、一枚の板状の弾性振動板を肌面に押し当てて汚れを除去する構成である。頬のような平坦で広い部分を施術するには、幅の広い弾性振動板が使い易く、小鼻のように起伏がある部分を施術する場合には幅の狭い弾性振動板が使い易い。
【0005】
従って、一枚の弾性振動板を備えた美容装置では、全ての施術部分において使い易い美容装置とすることができないという問題点がある。
この発明の目的は、種々の施術部分に対し効率よく施術可能とする美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の美容装置は、グリップケースに支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子とを備えた美容装置において、弾性振動板は、幅の広い第一の弾性振動板と、幅の狭い第二の弾性振動板とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを選択して振動させる振動板選択手段を備えることが好ましい。
また、上記構成において、第一の弾性振動板と第二の弾性振動板を、グリップケースの先端からV字状に開くように突出させることが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、第二の弾性振動板をグリップケースに第一の弾性振動板の長手方向に移動可能に支持し、第二の弾性振動板を第一の弾性振動板に対し出没可能とすることが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、振動板選択手段は、第二の弾性振動板の没入を検出して、第一の弾性振動板を振動させるとともに、第二の弾性振動板の振動を停止させる検出手段を備えることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを共通の超音波振動子で振動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、種々の施術部分に対し効率よく施術可能とする美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の実施形態を示す平面図である。
【図2】第一の実施形態を示す断面図である。
【図3】第一の実施形態を示す側面図である。
【図4】第一の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第二の実施形態を示す平面図である。
【図6】第二の実施形態を示す断面図である。
【図7】第二の実施形態の示す断面面である。
【図8】第二の実施形態の第二の弾性振動板を示す平面図である。
【図9】第二の実施形態の第二の弾性振動板を示す側面図である。
【図10】第二の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図11】第三の実施形態を示す平面図である。
【図12】第三の実施形態を示す断面図である。
【図13】第三の実施形態の超音波振動子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に示す美容装置は、筒状に形成されたグリップケース1内には基板2が配設され、その基板2にはステンレス等の金属で板状に形成された第一及び第二の弾性振動板3,4の基端部が支持されている。
【0014】
前記第一の弾性振動板3の幅w1は約2cm、第二の弾性振動板4の幅w2は約5mmで形成されている。そして、前記第一及び第二の弾性振動板2,3の先端部はグリップケース1の先端からV字状に開くように突出されている。
【0015】
前記グリップケース1内の中央部には、前記第一の弾性振動板3の基端部に接する第一の超音波振動子5と、前記第二の弾性振動板4の基端部に接する第二の超音波振動子6が配設される。
【0016】
前記基板2には前記第一及び第二の超音波振動子5,6の動作を制御する制御部7が配設され、前記グリップケース1の基端部には制御部7に電源を供給する電源部8が配設されている。電源部8は、充電式バッテリー、乾電池あるいは商用電源の供給に基づいて所要の電圧を生成する電源回路のいずれでもよい。
【0017】
そして、制御部7の制御に基づいて第一及び第二の超音波振動子5,6が振動して、第一及び第二の弾性振動板3,4が厚み方向に10kHz〜100kHzの振動周波数で振動するようになっている。このとき、第一及び第二の弾性振動板3,4は先端に向かって振動振幅が増大するようになっている。
【0018】
図3に示すように、前記第一及び第二の弾性振動板3,4は、前記グリップケース1の先端部において、振動板保持部材9a〜9dにより振動可能に保持されている。
図4は、上記美容装置の電気的構成を示す。操作スイッチ10及び振動板選択スイッチ11は、前記グリップケース1の外周面に形成される。振動板選択スイッチ11は、前記第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4のいずれを振動させるか、すなわち第一及び第二の超音波振動子5,6のいずれを作動させるかを選択するスイッチである。
【0019】
そして、操作スイッチ10がオン状態となると、例えば振動板選択スイッチ11で選択された第一の超音波振動子5が制御部7の制御に基づいて作動して、第一の弾性振動板3が振動する。また、振動板選択スイッチ11で第二の超音波振動子6が選択されると、第二の弾性振動板4が振動する。
【0020】
このように構成された美容装置では、操作スイッチ10をオン状態とし、さらに振動板選択スイッチ11で第一の弾性振動板3の動作を選択すると、第一の弾性振動板3が振動する。この状態では、第一の弾性振動板3により頬のような平坦で広い部分の施術が容易である。
【0021】
また、振動板選択スイッチ11で第二の弾性振動板4の動作を選択すると、第二の弾性振動板4が振動する。この状態では、第二の弾性振動板4により小鼻のように起伏がある部分の施術が容易である。
【0022】
上記のように構成された美容装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)超音波振動する第一の弾性振動板3若しくは第二の弾性振動板4で肌面(施術部)を擦ることにより、肌面の汚れを落とすことができる。
(2)第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4とを選択して使用することにより、平坦で広い肌面と、起伏がある肌面とを効率よく施術することができる。
(3)振動板選択スイッチ11の操作により、第一の弾性振動板3の動作と、第二の弾性振動板4の動作とを切り替えることができる。従って、弾性振動板の交換作業を必要とすることはない。
(第二の実施形態)
図5〜図10は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、第二の弾性振動板4を第一の弾性振動板3に対し出没可能としたものである。前記第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0023】
図5及び図6に示すように、第二の弾性振動板4は第一の弾性振動板3の下方で、第一の弾性振動板3の長手方向に移動可能に支持されている。
具体的に説明すると、図8及び図9に示すように、第二の弾性振動板4の長手方向中間部の両側縁には保持部12が取着され、各保持部12の側面にはローラー13が回転可能に支持されている。このローラー13は、保持部12に対し第二の弾性振動板4の厚さ方向に支持された回転軸で回転可能に支持され、その一部が保持部12から側方へ露出されている。
【0024】
そして、前記ローラー13は前記グリップケース1に前記第一の弾性振動板3に沿って設けられたレール14に移動可能に支持されている。この結果、図6に示すように、第二の弾性振動板4は第一の弾性振動板3の下方に収容される状態から、図7に示す第一の弾性振動板3より突出する状態までの範囲で、第一の弾性振動板3に対し出没可能に支持されている。
【0025】
なお、前記レール14には、前記保持部12と弾性的に係脱可能に係合して、第二の弾性振動板4の最大移動範囲を規制する位置決め手段(図示しない)が設けられる。
前記グリップケース1内には、前記第二の弾性振動板4の位置を検出する投光器15及び受光器16が設けられている。この投光器15及び受光器16は、第二の弾性振動板4の両側において、第二の弾性振動板4がグリップケース1内に向かって最も没入したとき、投光器15から発せられる光が第二の弾性振動板4で遮られて受光器16に達しないように設けられている。
【0026】
そして、受光器16の検出信号が前記制御部7に出力され、制御部7はその検出信号に基づいて第二の弾性振動板4が最大没入位置まで没入したことを検知するようになっている。上記以外の構成は、前記第一の実施形態と同様である。
【0027】
次に、この実施形態の美容装置の制御部7の動作を図10に従って説明する。操作スイッチ10がオン状態となると(ステップ1)、制御部7は受光器16で投光器15からの光を検出しているか否かを判定する(ステップ2)。受光器16で投光器15からの光を受光できない場合には、第二の弾性振動板4が最大没入位置まで移動していることを検出してステップ3に移行し、第一の超音波振動子5を作動させて、第一の弾性振動板3を振動させる。
【0028】
また、ステップ2において、受光器16で投光器15からの光を受光している場合には、第二の弾性振動板4が最大没入位置から移動していることを検出してステップ4に移行する、そして、第一の超音波振動子5の作動を停止させるとともに、第二の超音波振動子6を作動させて、第二の弾性振動板4を振動させる。
【0029】
そして、ステップ3あるいはステップ4の状態で動作している状態から操作スイッチ10がオフされると、第一の超音波振動子5若しくは第二の超音波振動子6の作動が停止される(ステップ6)。
【0030】
上記のように構成された美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)第二の弾性振動板4を第一の弾性振動板3に沿って出没可能とすることができる。従って、第一の弾性振動板3を使用するとき、第二の弾性振動板4を没入させることができるので、第一の弾性振動板3による施術時に、第二の弾性振動板4が邪魔になることはない。
(2)第二の弾性振動板4を最大没入位置まで移動させたとき、第一の弾性振動板3を自動的に振動させることができる。また、第二の弾性振動板4を最大没入位置から施術位置に移動させると、第一の弾性振動板3の振動を停止させ、第二の弾性振動板4を自動的に振動させることができる。
(第三の実施形態)
図11〜図13は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、第一の実施形態の第一及び第二の弾性振動板3,4を共通の超音波振動子で振動させるようにしたものである。
【0031】
図11及び図12に示すように、第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4の先端部は、第一の実施形態と同様に、グリップケース1の先端からV字状に開くように突出されている。
【0032】
第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4の基端部は、グリップケース1内で上下方向に重なり、その間に超音波振動子17が配設されている。そして、超音波振動子17の作動により、第一及び第二の弾性振動板3,4が振動するようになっている。
【0033】
図13に示すように、前記超音波振動子17は円盤状に形成されるとともに、周方向に等間隔に4つの電極18a〜18dが形成されている。そして、前記振動板選択スイッチ11の操作に基づく制御部7の動作により、第一の弾性振動板3が選択されると、信号線19a,19bを介して電極18a,18b間に所要の電圧が印加される。また、第二の弾性振動板4が選択されると、信号線19c,19dを介して電極18c,18d間に所要の電圧が印加される。
【0034】
このような超音波振動子17は、電極18a,18b間に電圧が印加されると、第一の弾性振動板3に伝播し易い方向に振動し、その振動により第一の弾性振動板3が振動する。また、電極18c,18d間に電圧が印加されると、超音波振動子17は第二の弾性振動板4に伝播し易い方向に振動し、その振動により第二の弾性振動板4が振動する。
【0035】
上記以外の構成は、第一の実施形態と同様である。
このような構成により、振動板選択スイッチ11の操作に基づいて、第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4とのいずれかを選択して振動させることができる。
【0036】
上記のように構成された美容装置では、第一の実施形態で得られた作用効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)第一の弾性振動板3と第二の弾性振動板4とを共通の超音波振動子17で振動させることができる。
【0037】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・弾性振動板は、3枚以上としてもよい。
・第二の実施形態において、第一の弾性振動板3もグリップケース1に対し出没可能としてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1…グリップケース、3…第一の弾性振動板、4…第二の弾性振動板、5…第一の超音波振動子、6…第二の超音波振動子、7…振動板選択手段(制御部)、11…振動板選択手段(振動板選択スイッチ)、15…検出手段(投光器)、16…検出手段(受光器)、18a〜18d…振動板選択手段(電極)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップケースに支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、
前記グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子と
を備えた美容装置において、
前記弾性振動板は、
幅の広い第一の弾性振動板と、
幅の狭い第二の弾性振動板と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを選択して振動させる振動板選択手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の美容装置において、
前記第一の弾性振動板と第二の弾性振動板を、前記グリップケースの先端からV字状に開くように突出させたことを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の美容装置において、
前記第二の弾性振動板を前記グリップケースに前記第一の弾性振動板の長手方向に移動可能に支持し、前記第二の弾性振動板を前記第一の弾性振動板に対し出没可能としたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項4に記載の美容装置において、
前記振動板選択手段は、
前記第二の弾性振動板の没入を検出して、前記第一の弾性振動板を振動させるとともに、前記第二の弾性振動板の振動を停止させる検出手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項3に記載の美容装置において、
前記第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを共通の超音波振動子で振動させることを特徴とする美容装置。
【請求項1】
グリップケースに支持され、先端部で施術部を施術する弾性振動板と、
前記グリップケース内に収容され、前記弾性振動板を超音波振動させる超音波振動子と
を備えた美容装置において、
前記弾性振動板は、
幅の広い第一の弾性振動板と、
幅の狭い第二の弾性振動板と
を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを選択して振動させる振動板選択手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の美容装置において、
前記第一の弾性振動板と第二の弾性振動板を、前記グリップケースの先端からV字状に開くように突出させたことを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の美容装置において、
前記第二の弾性振動板を前記グリップケースに前記第一の弾性振動板の長手方向に移動可能に支持し、前記第二の弾性振動板を前記第一の弾性振動板に対し出没可能としたことを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項4に記載の美容装置において、
前記振動板選択手段は、
前記第二の弾性振動板の没入を検出して、前記第一の弾性振動板を振動させるとともに、前記第二の弾性振動板の振動を停止させる検出手段を備えたことを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項3に記載の美容装置において、
前記第一の弾性振動板と第二の弾性振動板とを共通の超音波振動子で振動させることを特徴とする美容装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−66200(P2012−66200A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213952(P2010−213952)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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