義足足部および義足足部の動きを制御するための方法
本発明は、踵領域からつま先領域へ延びている縦軸と、長さと、幅と、高さと、下腿部分への接続手段と、高さの方向で上方の支持構造体(3)と、前記踵領域から前記つま先領域へ延びている弾性的な足底構造体(2)と、前記上方の支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間に設けられた弾性的な結合要素(10)と、を具備する義足足部に関する。本発明の目的は、踵接地からつま先離地までの歩行を快適に制御し、立っているときの安定的な感じ与える義足足部を提供することである。この目的のために、上方の支持構造体(3)は、自らの長さにおいて足部のほぼ真中で、連結装置(4)によって、足底構造体(2)に結合されており、連結装置は、支持構造体(3)と足底構造体(2)の間の相対的な傾動の動きを可能にし、患者が立っている際の、義足足部への少なくとも重量荷重の際に、支持構造体(3)と足底構造体(2)の間の間隔を、連結装置(4)の真中で一定に保つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、踵領域からつま先領域へ延びている縦軸と、長さと、幅と、高さと、下腿部分への接続手段と、高さの方向で上方の支持構造体と、踵領域からつま先領域へ延びている弾性的な足底構造体と、上方の支持構造体と足底構造体の間に設けられた弾性的な結合要素と、を具備する義足足部に関する。
【0002】
本発明は、更に、患者の下腿部分の動きに従って義足足部の動きを制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
義足足部を患者の下腿部分に取り付けて、足部機構が、自然な踝関節の領域でジョイントなしに済ませることは知られている。歩行中の足部の、踵接地からつま先離地までの歩行の動き(Abrollbewegung)は、ここでは、足部機構の対応の弾性的な形成によって達成される。
【0004】
US 5,993,488によって、上方の接続プレートと、この接続プレートにしっかり結合された踝プレートと、幾らか湾曲して形成された足底プレートとからなる足部機構が公知である。ここでは、足底プレートは、ほぼ義足足部の長さを有し、長手方向に可撓性を有する。踝プレートは足底プレートよりも短く形成されており、足底プレートに実質的に平行である。踝プレートと足底プレートとの間には、かなり硬いが弾性的である発泡材料からなる発泡材料ブロックがある。この発泡材料ブロックは、踝プレートの横断面にほぼ対応する水平方向の断面の、そのための横断面を有する。それ故に、発泡材料ブロックは、踝プレートと足底プレートとの間の中間空間を、踝プレートの全寸法に亘って満たす。貼着によって互いに結合された複数の部分は、発泡材料ブロックが挿入された足底プレートおよび踝プレートの回りに巻きつけられたベルトによって、剥がれないように防止される。足部のこの機構は、発泡材料ブロックの圧縮を可能にする。それ故に、後方から前方への重量の移動によって、踝プレートから足底プレートへの力の伝達の移動が適切になされる。このことは、歩行過程にとって、従って、足部による踵接地からつま先離地までの歩行(Abrollen)にとって適切である。しかしながら、このことが、立っている際の不安定な感じをもたらすのは、僅かな重量の移動が、踝プレートと足底プレートとの間の力の導入の移動をもたらす場合である。この場合、患者にとっては、不安定な「浮いているような」感じが生じる。何故ならば、足部構造への重力の導入のための所定の点が存在しないからである。このことは、側方の重量の移動にも、および足部の縦軸に対し斜めの複数の中間方向における重量移動にも当てはまる。
【0005】
US 4,446,580によって、パイプ状の下腿部分が、その縦軸に関して前方にずれたヒンジ・ジョイントによって、ベースプレートに結合されていてなる足部構造が公知である。下腿部分は、ベースプレートに関節結合されたガイド・ロッドに相対して案内され、ベースプレートにあるヒンジ・ジョイントを中心とした下腿部分の回動運動が、プラスチック製のダンパによって緩和される。ベースプレートは、中実に形成された義足足部のリセスに動かないように固定されている。弾性的にばねで荷重された足底構造体と、この足底構造体に結合された踵接地用ダンパとは設けられていない。
【特許文献1】米国特許第 5,993,488号明細書
【特許文献2】米国特許第 4,446,580号明細書
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、一方では踵接地からつま先離地までの均等な歩行を可能にし、他方では、立っているために、安定的な感じを与える、義足足部の動きを可能することである。
【0007】
上記目的を解決するために、明細書の最初の部分に記載されたタイプの義足足部は、本発明に基づいて、上方の支持構造体が、自らの長さにおいて足部のほぼ真中で、連結装置によって、足底構造体に結合されており、連結装置は、支持構造体と足底構造体の間の相対的な傾動移動を可能にし、患者が立っている際の、義足足部への少なくとも重量荷重の際に、支持構造体と足底構造体の間の間隔を、連結装置の真中で一定に保つことを特徴とする。
【0008】
上記目的を解決するために、更に、明細書の最初の部分に記載されたタイプの方法は、下腿部分の動きを、支持構造体によって、足部の、長さに関して中間領域にある導入点で、弾性的な足底構造体へ多軸に関節式に導入し、少なくとも、患者が立っているときは、導入点で、支持構造体と足底構造体の間の間隔の変化が生じないこと、および、踵領域では、弾性的な足底構造体の動きを、支持構造体への方向に弾性的に緩和し、支持構造体から離れた方向に制限することを特徴とする。
【0009】
本発明では、下腿部分の力の、足底構造体への伝達が、所定の導入点で行われることができる。この導入点では、支持構造体が、多軸に関節式に足底構造体に結合されており、それ故に、支持構造体と足底構造体との間の相対的な傾動の動きが、弾性的に緩和されていることができ、少なくとも患者が立っている際に、支持構造体と足底構造体の間の間隔が、連結装置の真中で、すなわち導入点で、不変である。それ故に、力の導入が、導入点で、すなわち足部の真中で、不変である。
【0010】
このことは、基本的には、歩行中の踵接地からつま先離地までの歩行過程にも当てはまる。しかしながら、この場合、歩行中に生じるより大きな圧縮力による導入点における間隔の圧縮によって、力導入点の、後方への僅かな移動を可能にすることが可能である。何故ならば、支持構造体と足底構造体の間に作用する力ベクトルが、支持構造体の、前方への傾動の動きによって、幾らか後方に移動するからである。このことは、踵接地からつま先離地までの快適な歩行過程をもたらし、踵接地からつま先離地までの歩行中に安定性の高まりの感じをもたらす。
【0011】
本発明に係わる義足足部の好ましい実施の形態では、連結装置がヒンジ装置として形成されており、例えば材料部材によって形成されている。この材料部材は、自らの横断面の部分への傾動モーメントによって圧縮可能であるが、立っている際に生じる力によって、全長において圧縮される訳ではない。シリンダの長さの縮小をもたらすこの圧縮は、歩行中に生じるより大きな力によってのみ可能となる。材料部材が、任意の横断面のシリンダの形状を有するのは好ましく、円柱の形状を有するのも好ましい。
【0012】
弾性的な結合要素は、本発明に係わる義足足部では、踵領域に設けられており、従って、支持構造体の全長に亘って均一に延びている訳ではない。弾性的な結合要素は、湾曲した板ばねまたは他のばね装置であってもよいが、プラスチック発泡材料のプラスチック・パッドであることは好ましい。
【0013】
制限手段が、可撓性のおよび好ましくは非弾性的なベルトであることは好ましい。このベルトは、上方の支持構造体と足底構造体との間隔が拡大する際に、特に、つま先領域に亘っての義足足部の踵接地からつま先離地までの歩行の際に、緊張可能である。
【0014】
可撓性のあるベルトが、転向しつつ、ベルトの中を導かれていることは好ましい。それ故に、ベルトを緊張するためには、パッドの材料による弾性的な押し退けが必要である。このことによって、前足による踵接地からつま先離地までの歩行の際に、可撓性のベルトをパッドの中へまたはパッドの回りに導くことによって、前足抵抗を制御し、かくして、患者の必要に適合させることが可能である。
【0015】
上方の支持構造体が、硬い材料から、少なくとも、足底構造体の弾性よりも著しく低い弾性を有する材料からなることは好ましい。
【0016】
本発明に係わる足部の好ましい実施の形態では、ヒンジ装置は、上方の支持構造体のつま先端部に設けられている。換言すれば、上方の支持構造体がヒンジ装置で終了していることは適切である。
【0017】
構造的に好ましい実施の形態では、上方の支持構造体は、下面を有し、この下面は、足底構造体に相対して、つま先端部から上昇しており、踵側端部で、足底構造体からの、連結装置の領域でよりも大きな間隔を有する。
【0018】
本発明に係わる義足足部を容易に取り付けるために、弾性的なパッドが、水平方向のスロットを有し、このスロットへは、足底構造体が押し込められていることは、適切である。制限手段を形成する可撓性のベルトが、足底構造体の下面の回りに巻きつけられていることは好ましい。上方の支持構造体が、ベルトによって上面で巻きつけられたラグを有することは好ましい。
【0019】
本発明に係わる義足足部が、更に、義足足部に着用された靴のための種々の踵の高さを有しても、安定的な直立機能を可能にするのは、好ましい実施の形態では、力の流れに関して、弾性的な結合要素に直列で、ロック可能な高さ調整手段が設けられており、この高さ調整手段によって、足底構造体と上方の支持構造体と間の間隔が調整可能である場合である。高さ調整手段によって、上方の支持構造体と足底構造体との間の角度を調整することができる。このことによって、種々の踵の高さへの適合が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図示した実施の形態に基づいて、本発明を詳述する。図1は、義足足部の装飾的なカバーのアウトラインを点線で示す。実質的に足部の全長に亘って、足底構造体2が延びている。この足底構造体は、つま先領域では、下方から見て凸面状の湾曲部を有する。湾曲部は、足部のほぼ中央で、凹面状の湾曲部に移行し、踵領域まで延びている。足底構造体2は、図示した実施の形態では、平らな、ストリップ状の、長く延びた足底ばね21からなる。ほぼ足部の中央で、足底構造体2は、ヒンジ装置4によって形成された連結装置を介して、支持構造体3の前端に結合されている。ヒンジ装置4は、プラスチック・シリンダの形態をとる材料部材5からなる。このプラスチック・シリンダの下方の端面は、足底構造体2の下面に支持されており、上方の端面は、支持構造体3に支持されている。図示した実施の形態では、ヒンジ装置4は、ピン装置6によって補足されている。ピン装置は、両端に、球状頭部7,8を有する。これらの球状頭部7,8は、一方では、足底構造体2に支持され、他方では、支持構造体3に支持されており、足底構造体2に相対する支持構造体3の相対的な傾動性を妨げることなく、支持構造体3と、シリンダ5と、足底構造体2との間の結合の安定性を高める。
【0021】
相対的な傾動性は、シリンダ5の弾性的な構造から生じる。それ故に、シリンダ5は、足底構造体2に相対して支持構造体3を傾動することにより、患者の重力によって、シリンダの横断面の一部分へ押圧可能である。シリンダ5の、横断面で直径上反対側の部分が膨張する。それ故に、シリンダ5の中間の高さ、すなわち、結果として生じる、支持構造体3と足底構造体2との間の中間の間隔が、ヒンジ装置4の領域で一定である。
【0022】
中間の間隔の縮小は、シリンダの構造の故に、歩行中の足部の踵接地からつま先離地までの歩行の際にヒンジ装置4に生じるより大きな力によってのみ、なされる。
【0023】
支持構造体3は、下面9を有する。この下面は、ヒンジ装置4から踵領域へ、足底構造体2に相対して上昇するように形成されている。それ故に、支持構造体3と足底構造体2との間の間隔が、ヒンジ装置4から始まって、踵領域へと増大する。踵領域では、支持構造体3と足底構造体2との間に、弾性的なパッド101の形態をとる弾性的な結合要素10が設けられている。弾性的なパッド101には、可撓性のベルト11の形態の制限手段が延びている。ベルトによって、支持構造体3と足底構造体2との間の最大限の間隔が、図2および3を参照して更に詳述するように、ベルト11の領域で定められる。
【0024】
支持構造体は、上面に、調整用トラニオン12を有する。この調整用トラニオンによって、下腿義足の対応の下腿部分との結合が形成可能である。
【0025】
図2は、可撓性の、しかし非弾性的なベルトが、弾性的なパッド10の中に延びており、足底構造体2の下面に巻きついていることを示す。足底構造体2を受け入れるために、弾性的なパッド10は、連続的な、水平方向のスロット12を有する。スロットは、図1では点線で示されている
エンドレスに形成されたベルト11は、支持構造体3の下面に形成されたシリンダ状のラグ13に巻きついている。
【0026】
図2は、支持構造体3と足底構造体2との間の最大の間隔の状態にある、ベルト11の緊張した状態を示す。踵接地の際に、弾性的なパッド101が圧縮可能であり、このことにより、可撓性のベルト11が、緊張された状態から、しわになる弛んだ状態へ移行することが、認められる。弾性的なパッド10の後続の膨張の際にまたは足底構造体2の前足領域への負荷の際に、可撓性のベルト11は、図2に示した緊張した位置へ戻される。
【0027】
図2からは、更に、支持構造体3の下面9が屋根状に形成されていること、および、弾性的なパッド10の、対応の屋根状の上面が、支持構造体3の屋根状の下面9に接触しており、そこで、例えば貼着されることができることが見て取れる。
【0028】
図3に示した実施の形態では、ベルト11は、弾性的なパッド内で、足底構造体2とラグ13との間に、曲線を描いて延びている。支持構造体3と足底構造体2との間の最大限の間隔に関する制限機能を果たすために、ベルト11は、このベルトがラグ13と足底構造体2の側方縁部との間に直線を形成するように、緊張されている。この目的のために、ベルト11は、弾性的なパッド10の複数の領域を側方で圧縮しなければならない。それ故に、足底構造体2と支持構造体3との間の間隔の拡大の弾性的な抑制が、足底構造体2の前足への荷重の際に生じる。足底構造体2の前足による踵接地からつま先離地までの歩行の動きは、従って、抵抗の高まりによって可能となる。それ故に、可撓性のベルト11を設けることによって、義足の前足抵抗の制御が可能である。
【0029】
図4に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態とは、支持構造体3が一体的に下腿部分14へ移行して、下腿部分14と支持構造体3との間の結合が形成される必要がない点でのみ、異なる。
【0030】
本発明に係わる義足の取付は、ヒンジ装置4を介して、支持構造体3と足底構造体2との結合によってなされる。このことによって、後方へ開いた踵領域が生じる。支持構造体3と足底構造体2との間の錐形に開いた中間空間へ、弾性的なパッド10を挿入するのは、図6で中間位置に示すように、足底構造体2の後端を、リセスとして用いられるスロット12へ押し込めることによってである。弾性的なパッド10を更に押し込む際に、ループの形態で弾性的なパッド10の上面から突き出る可撓性のベルト11が、図5ないし7に示していないラグ13を越えて押される。閉じた、エンドレスの、可撓性の、しかし非弾性的なベルト11の形態をとる制限手段を取り付けつつ、弾性的なパッド10を完全に押し嵌めた後に、硬化貼着によって、弾性的なパッド10を支持構造体3および必要な場合には足底構造体2に結合することができる。
【0031】
支持構造体3の下面9の屋根状の構造、および、弾性的なパッド10の上面の、対応の、屋根状の構造は、足底構造体2を受け入れ用のスロット12に押し込むことによって引き起こされるガイドとの関連で、弾性的なパッド10を自動的に位置決めする。
【0032】
図7は、図1および図4と同様に、弾性的なパッド10の、足底構造体2の下方に突き出ている部分が、踵接地の際の足底構造体2のための接地ダンパとして用いられることができることを示す。この下面における弾性的なパッド10の如何なる形状でも、踵接地の際の踵接地からつま先離地までの歩行を有利にする。
【0033】
図示した複数の実施の形態では、シリンダ5によって形成されたヒンジ装置が、異なって、例えば球形キャップの形態でデザインすることができる。この球形キャップは、対応の玉受口と協働する。その目的は、かくて、支持構造体3と足底構造体2との間の傾動可能な結合を形成するためであって、この場合、患者が立っているとき、力の導入位置で、従ってヒンジ装置4の領域で、支持構造体3と足底構造体2との間の間隔を、変えることはない。歩行中に、より大きな力の故に、例えば球形キャップは、これらの力によって幾らか押し込み可能なプラスチックまたは硬質ゴムによって形成されていてもよい。
【0034】
本発明に係わる義足の、図8に示した第3の実施の形態は、支持構造体3と、制御ばね102の形態をとる足底構造体2との間の弾性的な結合要素10を有する。制御ばねは、2腕のばね部分として形成されており、中間部材15と共に、ヒンジ装置4の一部分を形成している。この目的のために、中間部材の上面は、凹面状の湾曲部を有する。この湾曲部へは、支持構造体3のつま先側端部の、対応の凸面状の湾曲部が載っている。中間部材15の下面は、下面に対し、同様に凹面状に湾曲しており、プラスチック・ダンパ16の、対応の凸面状の湾曲部に接触している。ヒンジ装置4は、ピン装置6によって結合される。
【0035】
制御ばね102は、固定ねじ18によって、支持構造体3の踵側端部で、踵へ向いたアーム17に結合されている。制御ばね102の、つま先に向いたアーム19は、足底ばね21のつま先側端部に対しほぼ平行に延びている。この領域では、制御ばね102の、つま先に向いたアーム19および足底ばね21は、弾性的なダンパ20と、このダンパ20の両側に設けられた、可撓性のあるしかし非弾性的な2つの保持ストラップ22,23によって結合されている。
【0036】
歩行中の踵接地の際に、制御ばね102の、踵に向いたアーム17は、下方へ、すなわち、足底ばね21の踵側端部の方向に弾性変形される。踵接地を緩和する、踵に向いたアーム17の変形のほかに、上方に向いたトルクが、制御ばね102の、つま先に向いたアーム19へ発生する。足部が下腿部分14に対し底屈を行なう間、足部のつま先領域が、制御ばね102の、つま先に向いたアーム19によって、持ち上げられる。このことによって、足部の、踵接地からつま先離地までの歩行が容易になる。
【0037】
中間部材15と弾性的なダンパ20との間に設けられた可撓性のある保持ストラップ23は、図8で矢印で示すように、弾性的なダンパ20と同様に長手方向に調整可能である。中間部材15と、足底構造体2のつま先側端部との間の、ここに示した中間からの、可撓性の保持ストラップ23の移動は、制御ばね102の、つま先に向いたアーム17の、結果として保持ストラップの位置から生じる硬さの減少をもたらす。踵接地は、より柔らかく緩和される。これとは別に、弾性的なダンパ20の位置は、足底構造体2の前足の硬さの調整手段として作用する。弾性的なダンパが前足の尖端に接近すると共に、前足が硬くなる。
【0038】
足底ばね21および制御ばね102は、踵接地の際に望ましい底屈がなされるように、調節されている。
【0039】
図9に示した第4の実施の形態では、弾性的な結合要素10は、同様に、実質的に、踵領域に設けられた弾性的なパッド101によって、形成されている。支持構造体3の後端と、足底構造体2の踵側端部との間の最大限の間隔を制限する可撓性のベルト11は、支持構造体3の、後方へ開いたスロット24の中に巻きつけられている。ここにある制御ばね102の、踵に向いたアーム17が、弾性的なパッド101へ突入している。この場合、制御ばね102は、実質的に、足底構造体2の一部分である。弾性的なダンパ20を寸法決定(Dimensionierung)および位置決めすることによって、前足の硬さが調整される。
【0040】
図10に図示した第5の実施の形態では、制御ばね102の踵側端部は、同様に、固定ねじ18によって、支持構造体3の踵側端部に結合されている。追加的に、支持構造体3と、制御ばね102の、踵に向いたアーム17との間には、踵接地を緩和するための弾性的なパッド101が設けられている。踵領域において、支持構造体3と足底構造体2との間の、間隔を拡大する動きは、可撓性のベルト11によって制限される。
【0041】
図1に図示した実施の形態の場合に類似して、この場合では、ヒンジ・ジョイント4が、ピン装置6およびここでは2つのプラスチック・シリンダ5´によって、形成されている。これらのプラスチック・シリンダは、一方では、支持構造体3と制御ばね102との間に、他方では、制御ばね102と足底ばね21との間に設けられている。
【0042】
この実施の形態では、制御ばね102の前端および足底ばね21の前端は、弾性的なダンパ25によって、および可撓性のしかし非弾性的な保持ストラップ26によって、互いに結合されている。ここでも、制御ばね102および足底ばね21は、踵接地の際には底屈がなされるように、互いに調節されている。踵の硬さは、弾性的なパッド101の交換によって調整することができる。
【0043】
図11は、図10に対して変形された実施の形態を示す。この実施の形態では、改善された調整可能性がある。図8に図示した実施の形態のように、可撓性の保持ストラップ23を足底支持体2の踵側端部へ移動させることによって、制御ばね102の、踵に向いたアーム17によって引き起こされる緩和を、よりソフトに調整することができる。長手方向における弾性的なダンパ20の移動が、前足の硬さの変化を引き起こす。弾性的なダンパをつま先端部へ移動させることによって、前足の、移動前より大きな硬さが調整される。弾性的なパッド101をおよび関連の可撓性のベルト11を長手方向に移動させることによって、追加的に、一方では踵接地の緩和および他方では前足の硬さが影響を受ける。何故ならば、2腕式の制御ばね102の、踵に向いた有効なアーム17の、その長さが変化されるからである。
【0044】
図12(a)および図12(b)には、本発明に係わる義足足部の第7の実施の形態が略示されている。図は、足底構造体2と、ヒンジ・ジョイト4と、上方の支持構造体3と、下腿部分14とを略示する。下腿部分14は、上方の支持構造体3にしっかりと結合されている。踵領域には、特に踵バッファの形態をとる弾性的な結合要素10が設けられている。この踵バッファは、上方の支持構造体3従ってまた下腿部分14に、直接的ではなく、むしろプランジャ28を介して結合されている。このプランジャは、下腿部分14に相対して可動に設けられており、略示されたロッキング要素29によってロック可能である。
【0045】
図12(a)は、いわゆる裸足の位置にあって、従って、靴の追加の踵の高さなしの、第7の実施の形態を示す。これに対し、図12(b)は、足底構造体2と、下腿部分14従ってまた上方の支持構造体3との間隔が、減少されて、それ故に、足底構造体2の、下腿部分14および上方の支持構造体3に相対する角度位置が変化され、靴の踵の高さへの適合が保証されていることを示す。下腿部分14従ってまた上方の支持構造体3に相対してプランジャ28を種々に調整することによって、種々の踵の高さへの適合が可能であることが容易に見て取れる。
【0046】
本発明に係わる構造は、患者が立っている最中に力導入点の変化に基づく患者にとっての不安定を引き起こすことなく、自然な足部に対応する緩和された傾動を伴う、踵接地からつま先離地までの快適な歩行の動きを可能にする。本発明に係わる構造は、患者が立っているときはいつでも、ヒンジ装置4の領域で、支持構造体3と足底構造体2との間の不変の中間の間隔に基づき、力導入点を変えない。歩行中に、力導入点の、踵接地からつま先離地までの歩行過程にとって好都合な僅かな後方移動が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係わる義足足部の第1の実施の形態の構造的な機構を略示する。
【図2】制限手段として用いられる、可撓性があるが非弾性的なベルトの配列の実施の形態を示す。
【図3】踵接地からつま先離地までの歩行中の前足抵抗を制御するためのベルトの変更した配列を示す。
【図4】本発明に係わる義足足部の第2の実施の形態の、図1に基づく略図を示す。
【図5】図1に基づく義足足部の取付のための段階を示す。
【図6】図1に基づく義足足部の取付のための他の段階を示す。
【図7】図1に基づく義足足部の取付のための更に他の段階を示す。
【図8】本発明に係わる義足足部の第3の実施の形態の略図を示す。
【図9】本発明に係わる義足足部の第4の実施の形態の略図を示す。
【図10】本発明に係わる義足足部の第5の実施の形態の略図を示す。
【図11】本発明に係わる義足足部の第6の実施の形態の略図を示す。
【図12】高さ調整手段を有する本発明に係わる義足足部の第7の実施の形態の略図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、踵領域からつま先領域へ延びている縦軸と、長さと、幅と、高さと、下腿部分への接続手段と、高さの方向で上方の支持構造体と、踵領域からつま先領域へ延びている弾性的な足底構造体と、上方の支持構造体と足底構造体の間に設けられた弾性的な結合要素と、を具備する義足足部に関する。
【0002】
本発明は、更に、患者の下腿部分の動きに従って義足足部の動きを制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
義足足部を患者の下腿部分に取り付けて、足部機構が、自然な踝関節の領域でジョイントなしに済ませることは知られている。歩行中の足部の、踵接地からつま先離地までの歩行の動き(Abrollbewegung)は、ここでは、足部機構の対応の弾性的な形成によって達成される。
【0004】
US 5,993,488によって、上方の接続プレートと、この接続プレートにしっかり結合された踝プレートと、幾らか湾曲して形成された足底プレートとからなる足部機構が公知である。ここでは、足底プレートは、ほぼ義足足部の長さを有し、長手方向に可撓性を有する。踝プレートは足底プレートよりも短く形成されており、足底プレートに実質的に平行である。踝プレートと足底プレートとの間には、かなり硬いが弾性的である発泡材料からなる発泡材料ブロックがある。この発泡材料ブロックは、踝プレートの横断面にほぼ対応する水平方向の断面の、そのための横断面を有する。それ故に、発泡材料ブロックは、踝プレートと足底プレートとの間の中間空間を、踝プレートの全寸法に亘って満たす。貼着によって互いに結合された複数の部分は、発泡材料ブロックが挿入された足底プレートおよび踝プレートの回りに巻きつけられたベルトによって、剥がれないように防止される。足部のこの機構は、発泡材料ブロックの圧縮を可能にする。それ故に、後方から前方への重量の移動によって、踝プレートから足底プレートへの力の伝達の移動が適切になされる。このことは、歩行過程にとって、従って、足部による踵接地からつま先離地までの歩行(Abrollen)にとって適切である。しかしながら、このことが、立っている際の不安定な感じをもたらすのは、僅かな重量の移動が、踝プレートと足底プレートとの間の力の導入の移動をもたらす場合である。この場合、患者にとっては、不安定な「浮いているような」感じが生じる。何故ならば、足部構造への重力の導入のための所定の点が存在しないからである。このことは、側方の重量の移動にも、および足部の縦軸に対し斜めの複数の中間方向における重量移動にも当てはまる。
【0005】
US 4,446,580によって、パイプ状の下腿部分が、その縦軸に関して前方にずれたヒンジ・ジョイントによって、ベースプレートに結合されていてなる足部構造が公知である。下腿部分は、ベースプレートに関節結合されたガイド・ロッドに相対して案内され、ベースプレートにあるヒンジ・ジョイントを中心とした下腿部分の回動運動が、プラスチック製のダンパによって緩和される。ベースプレートは、中実に形成された義足足部のリセスに動かないように固定されている。弾性的にばねで荷重された足底構造体と、この足底構造体に結合された踵接地用ダンパとは設けられていない。
【特許文献1】米国特許第 5,993,488号明細書
【特許文献2】米国特許第 4,446,580号明細書
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、一方では踵接地からつま先離地までの均等な歩行を可能にし、他方では、立っているために、安定的な感じを与える、義足足部の動きを可能することである。
【0007】
上記目的を解決するために、明細書の最初の部分に記載されたタイプの義足足部は、本発明に基づいて、上方の支持構造体が、自らの長さにおいて足部のほぼ真中で、連結装置によって、足底構造体に結合されており、連結装置は、支持構造体と足底構造体の間の相対的な傾動移動を可能にし、患者が立っている際の、義足足部への少なくとも重量荷重の際に、支持構造体と足底構造体の間の間隔を、連結装置の真中で一定に保つことを特徴とする。
【0008】
上記目的を解決するために、更に、明細書の最初の部分に記載されたタイプの方法は、下腿部分の動きを、支持構造体によって、足部の、長さに関して中間領域にある導入点で、弾性的な足底構造体へ多軸に関節式に導入し、少なくとも、患者が立っているときは、導入点で、支持構造体と足底構造体の間の間隔の変化が生じないこと、および、踵領域では、弾性的な足底構造体の動きを、支持構造体への方向に弾性的に緩和し、支持構造体から離れた方向に制限することを特徴とする。
【0009】
本発明では、下腿部分の力の、足底構造体への伝達が、所定の導入点で行われることができる。この導入点では、支持構造体が、多軸に関節式に足底構造体に結合されており、それ故に、支持構造体と足底構造体との間の相対的な傾動の動きが、弾性的に緩和されていることができ、少なくとも患者が立っている際に、支持構造体と足底構造体の間の間隔が、連結装置の真中で、すなわち導入点で、不変である。それ故に、力の導入が、導入点で、すなわち足部の真中で、不変である。
【0010】
このことは、基本的には、歩行中の踵接地からつま先離地までの歩行過程にも当てはまる。しかしながら、この場合、歩行中に生じるより大きな圧縮力による導入点における間隔の圧縮によって、力導入点の、後方への僅かな移動を可能にすることが可能である。何故ならば、支持構造体と足底構造体の間に作用する力ベクトルが、支持構造体の、前方への傾動の動きによって、幾らか後方に移動するからである。このことは、踵接地からつま先離地までの快適な歩行過程をもたらし、踵接地からつま先離地までの歩行中に安定性の高まりの感じをもたらす。
【0011】
本発明に係わる義足足部の好ましい実施の形態では、連結装置がヒンジ装置として形成されており、例えば材料部材によって形成されている。この材料部材は、自らの横断面の部分への傾動モーメントによって圧縮可能であるが、立っている際に生じる力によって、全長において圧縮される訳ではない。シリンダの長さの縮小をもたらすこの圧縮は、歩行中に生じるより大きな力によってのみ可能となる。材料部材が、任意の横断面のシリンダの形状を有するのは好ましく、円柱の形状を有するのも好ましい。
【0012】
弾性的な結合要素は、本発明に係わる義足足部では、踵領域に設けられており、従って、支持構造体の全長に亘って均一に延びている訳ではない。弾性的な結合要素は、湾曲した板ばねまたは他のばね装置であってもよいが、プラスチック発泡材料のプラスチック・パッドであることは好ましい。
【0013】
制限手段が、可撓性のおよび好ましくは非弾性的なベルトであることは好ましい。このベルトは、上方の支持構造体と足底構造体との間隔が拡大する際に、特に、つま先領域に亘っての義足足部の踵接地からつま先離地までの歩行の際に、緊張可能である。
【0014】
可撓性のあるベルトが、転向しつつ、ベルトの中を導かれていることは好ましい。それ故に、ベルトを緊張するためには、パッドの材料による弾性的な押し退けが必要である。このことによって、前足による踵接地からつま先離地までの歩行の際に、可撓性のベルトをパッドの中へまたはパッドの回りに導くことによって、前足抵抗を制御し、かくして、患者の必要に適合させることが可能である。
【0015】
上方の支持構造体が、硬い材料から、少なくとも、足底構造体の弾性よりも著しく低い弾性を有する材料からなることは好ましい。
【0016】
本発明に係わる足部の好ましい実施の形態では、ヒンジ装置は、上方の支持構造体のつま先端部に設けられている。換言すれば、上方の支持構造体がヒンジ装置で終了していることは適切である。
【0017】
構造的に好ましい実施の形態では、上方の支持構造体は、下面を有し、この下面は、足底構造体に相対して、つま先端部から上昇しており、踵側端部で、足底構造体からの、連結装置の領域でよりも大きな間隔を有する。
【0018】
本発明に係わる義足足部を容易に取り付けるために、弾性的なパッドが、水平方向のスロットを有し、このスロットへは、足底構造体が押し込められていることは、適切である。制限手段を形成する可撓性のベルトが、足底構造体の下面の回りに巻きつけられていることは好ましい。上方の支持構造体が、ベルトによって上面で巻きつけられたラグを有することは好ましい。
【0019】
本発明に係わる義足足部が、更に、義足足部に着用された靴のための種々の踵の高さを有しても、安定的な直立機能を可能にするのは、好ましい実施の形態では、力の流れに関して、弾性的な結合要素に直列で、ロック可能な高さ調整手段が設けられており、この高さ調整手段によって、足底構造体と上方の支持構造体と間の間隔が調整可能である場合である。高さ調整手段によって、上方の支持構造体と足底構造体との間の角度を調整することができる。このことによって、種々の踵の高さへの適合が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図示した実施の形態に基づいて、本発明を詳述する。図1は、義足足部の装飾的なカバーのアウトラインを点線で示す。実質的に足部の全長に亘って、足底構造体2が延びている。この足底構造体は、つま先領域では、下方から見て凸面状の湾曲部を有する。湾曲部は、足部のほぼ中央で、凹面状の湾曲部に移行し、踵領域まで延びている。足底構造体2は、図示した実施の形態では、平らな、ストリップ状の、長く延びた足底ばね21からなる。ほぼ足部の中央で、足底構造体2は、ヒンジ装置4によって形成された連結装置を介して、支持構造体3の前端に結合されている。ヒンジ装置4は、プラスチック・シリンダの形態をとる材料部材5からなる。このプラスチック・シリンダの下方の端面は、足底構造体2の下面に支持されており、上方の端面は、支持構造体3に支持されている。図示した実施の形態では、ヒンジ装置4は、ピン装置6によって補足されている。ピン装置は、両端に、球状頭部7,8を有する。これらの球状頭部7,8は、一方では、足底構造体2に支持され、他方では、支持構造体3に支持されており、足底構造体2に相対する支持構造体3の相対的な傾動性を妨げることなく、支持構造体3と、シリンダ5と、足底構造体2との間の結合の安定性を高める。
【0021】
相対的な傾動性は、シリンダ5の弾性的な構造から生じる。それ故に、シリンダ5は、足底構造体2に相対して支持構造体3を傾動することにより、患者の重力によって、シリンダの横断面の一部分へ押圧可能である。シリンダ5の、横断面で直径上反対側の部分が膨張する。それ故に、シリンダ5の中間の高さ、すなわち、結果として生じる、支持構造体3と足底構造体2との間の中間の間隔が、ヒンジ装置4の領域で一定である。
【0022】
中間の間隔の縮小は、シリンダの構造の故に、歩行中の足部の踵接地からつま先離地までの歩行の際にヒンジ装置4に生じるより大きな力によってのみ、なされる。
【0023】
支持構造体3は、下面9を有する。この下面は、ヒンジ装置4から踵領域へ、足底構造体2に相対して上昇するように形成されている。それ故に、支持構造体3と足底構造体2との間の間隔が、ヒンジ装置4から始まって、踵領域へと増大する。踵領域では、支持構造体3と足底構造体2との間に、弾性的なパッド101の形態をとる弾性的な結合要素10が設けられている。弾性的なパッド101には、可撓性のベルト11の形態の制限手段が延びている。ベルトによって、支持構造体3と足底構造体2との間の最大限の間隔が、図2および3を参照して更に詳述するように、ベルト11の領域で定められる。
【0024】
支持構造体は、上面に、調整用トラニオン12を有する。この調整用トラニオンによって、下腿義足の対応の下腿部分との結合が形成可能である。
【0025】
図2は、可撓性の、しかし非弾性的なベルトが、弾性的なパッド10の中に延びており、足底構造体2の下面に巻きついていることを示す。足底構造体2を受け入れるために、弾性的なパッド10は、連続的な、水平方向のスロット12を有する。スロットは、図1では点線で示されている
エンドレスに形成されたベルト11は、支持構造体3の下面に形成されたシリンダ状のラグ13に巻きついている。
【0026】
図2は、支持構造体3と足底構造体2との間の最大の間隔の状態にある、ベルト11の緊張した状態を示す。踵接地の際に、弾性的なパッド101が圧縮可能であり、このことにより、可撓性のベルト11が、緊張された状態から、しわになる弛んだ状態へ移行することが、認められる。弾性的なパッド10の後続の膨張の際にまたは足底構造体2の前足領域への負荷の際に、可撓性のベルト11は、図2に示した緊張した位置へ戻される。
【0027】
図2からは、更に、支持構造体3の下面9が屋根状に形成されていること、および、弾性的なパッド10の、対応の屋根状の上面が、支持構造体3の屋根状の下面9に接触しており、そこで、例えば貼着されることができることが見て取れる。
【0028】
図3に示した実施の形態では、ベルト11は、弾性的なパッド内で、足底構造体2とラグ13との間に、曲線を描いて延びている。支持構造体3と足底構造体2との間の最大限の間隔に関する制限機能を果たすために、ベルト11は、このベルトがラグ13と足底構造体2の側方縁部との間に直線を形成するように、緊張されている。この目的のために、ベルト11は、弾性的なパッド10の複数の領域を側方で圧縮しなければならない。それ故に、足底構造体2と支持構造体3との間の間隔の拡大の弾性的な抑制が、足底構造体2の前足への荷重の際に生じる。足底構造体2の前足による踵接地からつま先離地までの歩行の動きは、従って、抵抗の高まりによって可能となる。それ故に、可撓性のベルト11を設けることによって、義足の前足抵抗の制御が可能である。
【0029】
図4に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態とは、支持構造体3が一体的に下腿部分14へ移行して、下腿部分14と支持構造体3との間の結合が形成される必要がない点でのみ、異なる。
【0030】
本発明に係わる義足の取付は、ヒンジ装置4を介して、支持構造体3と足底構造体2との結合によってなされる。このことによって、後方へ開いた踵領域が生じる。支持構造体3と足底構造体2との間の錐形に開いた中間空間へ、弾性的なパッド10を挿入するのは、図6で中間位置に示すように、足底構造体2の後端を、リセスとして用いられるスロット12へ押し込めることによってである。弾性的なパッド10を更に押し込む際に、ループの形態で弾性的なパッド10の上面から突き出る可撓性のベルト11が、図5ないし7に示していないラグ13を越えて押される。閉じた、エンドレスの、可撓性の、しかし非弾性的なベルト11の形態をとる制限手段を取り付けつつ、弾性的なパッド10を完全に押し嵌めた後に、硬化貼着によって、弾性的なパッド10を支持構造体3および必要な場合には足底構造体2に結合することができる。
【0031】
支持構造体3の下面9の屋根状の構造、および、弾性的なパッド10の上面の、対応の、屋根状の構造は、足底構造体2を受け入れ用のスロット12に押し込むことによって引き起こされるガイドとの関連で、弾性的なパッド10を自動的に位置決めする。
【0032】
図7は、図1および図4と同様に、弾性的なパッド10の、足底構造体2の下方に突き出ている部分が、踵接地の際の足底構造体2のための接地ダンパとして用いられることができることを示す。この下面における弾性的なパッド10の如何なる形状でも、踵接地の際の踵接地からつま先離地までの歩行を有利にする。
【0033】
図示した複数の実施の形態では、シリンダ5によって形成されたヒンジ装置が、異なって、例えば球形キャップの形態でデザインすることができる。この球形キャップは、対応の玉受口と協働する。その目的は、かくて、支持構造体3と足底構造体2との間の傾動可能な結合を形成するためであって、この場合、患者が立っているとき、力の導入位置で、従ってヒンジ装置4の領域で、支持構造体3と足底構造体2との間の間隔を、変えることはない。歩行中に、より大きな力の故に、例えば球形キャップは、これらの力によって幾らか押し込み可能なプラスチックまたは硬質ゴムによって形成されていてもよい。
【0034】
本発明に係わる義足の、図8に示した第3の実施の形態は、支持構造体3と、制御ばね102の形態をとる足底構造体2との間の弾性的な結合要素10を有する。制御ばねは、2腕のばね部分として形成されており、中間部材15と共に、ヒンジ装置4の一部分を形成している。この目的のために、中間部材の上面は、凹面状の湾曲部を有する。この湾曲部へは、支持構造体3のつま先側端部の、対応の凸面状の湾曲部が載っている。中間部材15の下面は、下面に対し、同様に凹面状に湾曲しており、プラスチック・ダンパ16の、対応の凸面状の湾曲部に接触している。ヒンジ装置4は、ピン装置6によって結合される。
【0035】
制御ばね102は、固定ねじ18によって、支持構造体3の踵側端部で、踵へ向いたアーム17に結合されている。制御ばね102の、つま先に向いたアーム19は、足底ばね21のつま先側端部に対しほぼ平行に延びている。この領域では、制御ばね102の、つま先に向いたアーム19および足底ばね21は、弾性的なダンパ20と、このダンパ20の両側に設けられた、可撓性のあるしかし非弾性的な2つの保持ストラップ22,23によって結合されている。
【0036】
歩行中の踵接地の際に、制御ばね102の、踵に向いたアーム17は、下方へ、すなわち、足底ばね21の踵側端部の方向に弾性変形される。踵接地を緩和する、踵に向いたアーム17の変形のほかに、上方に向いたトルクが、制御ばね102の、つま先に向いたアーム19へ発生する。足部が下腿部分14に対し底屈を行なう間、足部のつま先領域が、制御ばね102の、つま先に向いたアーム19によって、持ち上げられる。このことによって、足部の、踵接地からつま先離地までの歩行が容易になる。
【0037】
中間部材15と弾性的なダンパ20との間に設けられた可撓性のある保持ストラップ23は、図8で矢印で示すように、弾性的なダンパ20と同様に長手方向に調整可能である。中間部材15と、足底構造体2のつま先側端部との間の、ここに示した中間からの、可撓性の保持ストラップ23の移動は、制御ばね102の、つま先に向いたアーム17の、結果として保持ストラップの位置から生じる硬さの減少をもたらす。踵接地は、より柔らかく緩和される。これとは別に、弾性的なダンパ20の位置は、足底構造体2の前足の硬さの調整手段として作用する。弾性的なダンパが前足の尖端に接近すると共に、前足が硬くなる。
【0038】
足底ばね21および制御ばね102は、踵接地の際に望ましい底屈がなされるように、調節されている。
【0039】
図9に示した第4の実施の形態では、弾性的な結合要素10は、同様に、実質的に、踵領域に設けられた弾性的なパッド101によって、形成されている。支持構造体3の後端と、足底構造体2の踵側端部との間の最大限の間隔を制限する可撓性のベルト11は、支持構造体3の、後方へ開いたスロット24の中に巻きつけられている。ここにある制御ばね102の、踵に向いたアーム17が、弾性的なパッド101へ突入している。この場合、制御ばね102は、実質的に、足底構造体2の一部分である。弾性的なダンパ20を寸法決定(Dimensionierung)および位置決めすることによって、前足の硬さが調整される。
【0040】
図10に図示した第5の実施の形態では、制御ばね102の踵側端部は、同様に、固定ねじ18によって、支持構造体3の踵側端部に結合されている。追加的に、支持構造体3と、制御ばね102の、踵に向いたアーム17との間には、踵接地を緩和するための弾性的なパッド101が設けられている。踵領域において、支持構造体3と足底構造体2との間の、間隔を拡大する動きは、可撓性のベルト11によって制限される。
【0041】
図1に図示した実施の形態の場合に類似して、この場合では、ヒンジ・ジョイント4が、ピン装置6およびここでは2つのプラスチック・シリンダ5´によって、形成されている。これらのプラスチック・シリンダは、一方では、支持構造体3と制御ばね102との間に、他方では、制御ばね102と足底ばね21との間に設けられている。
【0042】
この実施の形態では、制御ばね102の前端および足底ばね21の前端は、弾性的なダンパ25によって、および可撓性のしかし非弾性的な保持ストラップ26によって、互いに結合されている。ここでも、制御ばね102および足底ばね21は、踵接地の際には底屈がなされるように、互いに調節されている。踵の硬さは、弾性的なパッド101の交換によって調整することができる。
【0043】
図11は、図10に対して変形された実施の形態を示す。この実施の形態では、改善された調整可能性がある。図8に図示した実施の形態のように、可撓性の保持ストラップ23を足底支持体2の踵側端部へ移動させることによって、制御ばね102の、踵に向いたアーム17によって引き起こされる緩和を、よりソフトに調整することができる。長手方向における弾性的なダンパ20の移動が、前足の硬さの変化を引き起こす。弾性的なダンパをつま先端部へ移動させることによって、前足の、移動前より大きな硬さが調整される。弾性的なパッド101をおよび関連の可撓性のベルト11を長手方向に移動させることによって、追加的に、一方では踵接地の緩和および他方では前足の硬さが影響を受ける。何故ならば、2腕式の制御ばね102の、踵に向いた有効なアーム17の、その長さが変化されるからである。
【0044】
図12(a)および図12(b)には、本発明に係わる義足足部の第7の実施の形態が略示されている。図は、足底構造体2と、ヒンジ・ジョイト4と、上方の支持構造体3と、下腿部分14とを略示する。下腿部分14は、上方の支持構造体3にしっかりと結合されている。踵領域には、特に踵バッファの形態をとる弾性的な結合要素10が設けられている。この踵バッファは、上方の支持構造体3従ってまた下腿部分14に、直接的ではなく、むしろプランジャ28を介して結合されている。このプランジャは、下腿部分14に相対して可動に設けられており、略示されたロッキング要素29によってロック可能である。
【0045】
図12(a)は、いわゆる裸足の位置にあって、従って、靴の追加の踵の高さなしの、第7の実施の形態を示す。これに対し、図12(b)は、足底構造体2と、下腿部分14従ってまた上方の支持構造体3との間隔が、減少されて、それ故に、足底構造体2の、下腿部分14および上方の支持構造体3に相対する角度位置が変化され、靴の踵の高さへの適合が保証されていることを示す。下腿部分14従ってまた上方の支持構造体3に相対してプランジャ28を種々に調整することによって、種々の踵の高さへの適合が可能であることが容易に見て取れる。
【0046】
本発明に係わる構造は、患者が立っている最中に力導入点の変化に基づく患者にとっての不安定を引き起こすことなく、自然な足部に対応する緩和された傾動を伴う、踵接地からつま先離地までの快適な歩行の動きを可能にする。本発明に係わる構造は、患者が立っているときはいつでも、ヒンジ装置4の領域で、支持構造体3と足底構造体2との間の不変の中間の間隔に基づき、力導入点を変えない。歩行中に、力導入点の、踵接地からつま先離地までの歩行過程にとって好都合な僅かな後方移動が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係わる義足足部の第1の実施の形態の構造的な機構を略示する。
【図2】制限手段として用いられる、可撓性があるが非弾性的なベルトの配列の実施の形態を示す。
【図3】踵接地からつま先離地までの歩行中の前足抵抗を制御するためのベルトの変更した配列を示す。
【図4】本発明に係わる義足足部の第2の実施の形態の、図1に基づく略図を示す。
【図5】図1に基づく義足足部の取付のための段階を示す。
【図6】図1に基づく義足足部の取付のための他の段階を示す。
【図7】図1に基づく義足足部の取付のための更に他の段階を示す。
【図8】本発明に係わる義足足部の第3の実施の形態の略図を示す。
【図9】本発明に係わる義足足部の第4の実施の形態の略図を示す。
【図10】本発明に係わる義足足部の第5の実施の形態の略図を示す。
【図11】本発明に係わる義足足部の第6の実施の形態の略図を示す。
【図12】高さ調整手段を有する本発明に係わる義足足部の第7の実施の形態の略図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踵領域からつま先領域へ延びている縦軸と、長さと、幅と、高さと、下腿部分(14)への接続手段と、高さの方向で上方の支持構造体(3)と、前記踵領域から前記つま先領域へ延びている弾性的な足底構造体(2)と、前記上方の支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間に設けられた弾性的な結合要素(10)とを有する義足足部において、
前記上方の支持構造体(3)は、自らの長さにおいて足部のほぼ真中で、連結装置(4)によって、前記足底構造体(2)に結合されており、前記連結装置は、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の相対的な傾動の動きを可能にし、患者が立っている際の、前記義足足部への少なくとも重量荷重の際に、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔を、前記連結装置(4)の真中で一定に保つことを特徴とする義足足部。
【請求項2】
前記連結装置(4)は、材料部材(5)によって形成されており、この材料部材は、自らの横断面の部分への傾動モーメントによって圧縮可能であることを特徴とする請求項1に記載の義足足部。
【請求項3】
前記連結装置(4)は、歩行中に生じるより大きな力によって、前記連結要素(4)の真中における間隔を縮小するために圧縮可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の義足足部。
【請求項4】
前記弾性的な結合要素(10)は、弾性的なパッド(101)によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項5】
前記弾性的な結合要素(10)は、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔を制限する制限手段(11)を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項6】
前記制限手段は、前記上方の支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔が拡大する際に緊張可能である可撓性のベルト(11)によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の義足足部。
【請求項7】
前記可撓性のベルト(11)は、転向しつつ、前記パッド(101)の中に延びており、前記ベルト(11)を緊張するためには、前記パッド(101)の材料の弾性的な押し退けが必要であることを特徴とする請求項6に記載の義足足部。
【請求項8】
前記上方の支持構造体(3)は、硬い材料によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項9】
前記連結装置(4)は、前記上方の支持構造体(3)のつま先側端部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項10】
前記上方の支持構造体(3)は、下面(9)を有し、この下面は、前記足底構造体(2)に相対して、前記つま先端部から上昇しており、踵側端部で、前記足底構造体からの、前記連結装置(4)の領域でよりも大きな間隔を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項11】
前記弾性的なパッド(101)は、水平方向のスロット(12)を有し、このスロットへは、前記足底構造体(2)が押し込められていることを特徴とする請求項4ないし10のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項12】
前記ベルト(11)は、前記足底構造体(2)の前記下面の回りに巻きつけられていることを特徴とする請求項5ないし11のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項13】
前記上方の支持構造体(3)には、前記ベルト(11)によって上面で巻きつけられたラグ(13)が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の義足足部。
【請求項14】
前記支持構造体(3)の前記下面(9)は、前記踵領域で屋根状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項15】
前記弾性的なパッド(101)の屋根状の上面は、前記支持構造体(3)の前記屋根状の下面(9)に接触していることを特徴とする請求項14に記載の義足足部。
【請求項16】
前記弾性的な結合要素(10)は、踵に向いたアーム(17)を有する制御ばね(102)を具備することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項17】
前記制御ばね(102)の、つま先に向いたアーム(19)が、前記足底構造体(2)の部分を形成しており、この部分で、前記つま先に向いたアーム(19)は、前記足底構造体(2)の足底ばね(21)の前端に結合されていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項18】
前記つま先に向いたアーム(19)と前記足底ばね(21)との結合が、弾性的なダンパ(20)によってなされることを特徴とする請求項17に記載の義足足部。
【請求項19】
前記弾性的なダンパ(20)の長手方向両側に、前記足底ばね(21)と前記つま先に向いたアーム(19)との間の間隔を制限する可撓性の保持ストラップ(22,23)が設けられていることを特徴とする請求項18に記載の義足足部。
【請求項20】
前記弾性的なパッド(101)は、長手方向に調整可能に設けられていることを特徴とする請求項4ないし19のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項21】
力の流れに関して、前記弾性的なパッド(101)に直列で、ロック可能な高さ調整手段(27)が設けられており、この高さ調整手段によって、前記足底構造体(2)と前記上方の支持構造体(3)と間の間隔が調整可能であることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項22】
患者の下腿部分(14)の動きに従って義足足部の動きを制御するための方法において、
前記下腿部分(14)の動きを、支持構造体(3)によって、前記足部の、長さに関して中間領域にある導入点で、弾性的な足底構造体(2)へ多軸に関節式に導入し、少なくとも、患者が立っているときは、前記導入点で、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔の変化が生じないこと、および、前記踵領域では、前記弾性的な足底構造体(2)の動きを、前記支持構造体(3)への方向に弾性的に緩和し、前記支持構造体(3)から離れた方向に制限することを特徴とする方法。
【請求項23】
前記踵領域における、踵接地からつま先離地までの歩行の動きを、前記弾性的な足底構造体(2)によって制御することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
患者の歩行過程の踵接地からつま先離地までの歩行のために、前記導入点で、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔の縮小を、より大きな重力によって可能にすることを特徴とする請求項22または23に記載の方法
【請求項1】
踵領域からつま先領域へ延びている縦軸と、長さと、幅と、高さと、下腿部分(14)への接続手段と、高さの方向で上方の支持構造体(3)と、前記踵領域から前記つま先領域へ延びている弾性的な足底構造体(2)と、前記上方の支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間に設けられた弾性的な結合要素(10)とを有する義足足部において、
前記上方の支持構造体(3)は、自らの長さにおいて足部のほぼ真中で、連結装置(4)によって、前記足底構造体(2)に結合されており、前記連結装置は、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の相対的な傾動の動きを可能にし、患者が立っている際の、前記義足足部への少なくとも重量荷重の際に、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔を、前記連結装置(4)の真中で一定に保つことを特徴とする義足足部。
【請求項2】
前記連結装置(4)は、材料部材(5)によって形成されており、この材料部材は、自らの横断面の部分への傾動モーメントによって圧縮可能であることを特徴とする請求項1に記載の義足足部。
【請求項3】
前記連結装置(4)は、歩行中に生じるより大きな力によって、前記連結要素(4)の真中における間隔を縮小するために圧縮可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の義足足部。
【請求項4】
前記弾性的な結合要素(10)は、弾性的なパッド(101)によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項5】
前記弾性的な結合要素(10)は、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔を制限する制限手段(11)を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項6】
前記制限手段は、前記上方の支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔が拡大する際に緊張可能である可撓性のベルト(11)によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の義足足部。
【請求項7】
前記可撓性のベルト(11)は、転向しつつ、前記パッド(101)の中に延びており、前記ベルト(11)を緊張するためには、前記パッド(101)の材料の弾性的な押し退けが必要であることを特徴とする請求項6に記載の義足足部。
【請求項8】
前記上方の支持構造体(3)は、硬い材料によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項9】
前記連結装置(4)は、前記上方の支持構造体(3)のつま先側端部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項10】
前記上方の支持構造体(3)は、下面(9)を有し、この下面は、前記足底構造体(2)に相対して、前記つま先端部から上昇しており、踵側端部で、前記足底構造体からの、前記連結装置(4)の領域でよりも大きな間隔を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項11】
前記弾性的なパッド(101)は、水平方向のスロット(12)を有し、このスロットへは、前記足底構造体(2)が押し込められていることを特徴とする請求項4ないし10のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項12】
前記ベルト(11)は、前記足底構造体(2)の前記下面の回りに巻きつけられていることを特徴とする請求項5ないし11のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項13】
前記上方の支持構造体(3)には、前記ベルト(11)によって上面で巻きつけられたラグ(13)が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の義足足部。
【請求項14】
前記支持構造体(3)の前記下面(9)は、前記踵領域で屋根状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項15】
前記弾性的なパッド(101)の屋根状の上面は、前記支持構造体(3)の前記屋根状の下面(9)に接触していることを特徴とする請求項14に記載の義足足部。
【請求項16】
前記弾性的な結合要素(10)は、踵に向いたアーム(17)を有する制御ばね(102)を具備することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項17】
前記制御ばね(102)の、つま先に向いたアーム(19)が、前記足底構造体(2)の部分を形成しており、この部分で、前記つま先に向いたアーム(19)は、前記足底構造体(2)の足底ばね(21)の前端に結合されていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項18】
前記つま先に向いたアーム(19)と前記足底ばね(21)との結合が、弾性的なダンパ(20)によってなされることを特徴とする請求項17に記載の義足足部。
【請求項19】
前記弾性的なダンパ(20)の長手方向両側に、前記足底ばね(21)と前記つま先に向いたアーム(19)との間の間隔を制限する可撓性の保持ストラップ(22,23)が設けられていることを特徴とする請求項18に記載の義足足部。
【請求項20】
前記弾性的なパッド(101)は、長手方向に調整可能に設けられていることを特徴とする請求項4ないし19のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項21】
力の流れに関して、前記弾性的なパッド(101)に直列で、ロック可能な高さ調整手段(27)が設けられており、この高さ調整手段によって、前記足底構造体(2)と前記上方の支持構造体(3)と間の間隔が調整可能であることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1に記載の義足足部。
【請求項22】
患者の下腿部分(14)の動きに従って義足足部の動きを制御するための方法において、
前記下腿部分(14)の動きを、支持構造体(3)によって、前記足部の、長さに関して中間領域にある導入点で、弾性的な足底構造体(2)へ多軸に関節式に導入し、少なくとも、患者が立っているときは、前記導入点で、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔の変化が生じないこと、および、前記踵領域では、前記弾性的な足底構造体(2)の動きを、前記支持構造体(3)への方向に弾性的に緩和し、前記支持構造体(3)から離れた方向に制限することを特徴とする方法。
【請求項23】
前記踵領域における、踵接地からつま先離地までの歩行の動きを、前記弾性的な足底構造体(2)によって制御することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
患者の歩行過程の踵接地からつま先離地までの歩行のために、前記導入点で、前記支持構造体(3)と前記足底構造体(2)の間の間隔の縮小を、より大きな重力によって可能にすることを特徴とする請求項22または23に記載の方法
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−524458(P2009−524458A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551643(P2008−551643)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000057
【国際公開番号】WO2007/085228
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(505307895)オットー・ボック・ヘルスケア・アイピー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (29)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000057
【国際公開番号】WO2007/085228
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(505307895)オットー・ボック・ヘルスケア・アイピー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (29)
【Fターム(参考)】
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