説明

耐久試験方法および耐久試験装置

【課題】本発明は、駆動体と負荷との間に配置されて、ねじりを受ける被試験体の耐久試験を行なう耐久試験方法等に関し、被試験体の耐久試験を安価に行なう。
【解決手段】被試験体としてのトルクセンサ10を、駆動モータ20とフライホイール30との間に連結し、駆動モータ20を、その回転速度を変動させながら回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動体と負荷との間に配置されてねじりを受ける被試験体の耐久試験を行なう耐久試験方法および耐久試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばトルクセンサなど、駆動体と負荷との間に配置されてねじりを受ける被試験体の耐久試験を行なうにあたっては、従来、図1に示すように、その被試験体10を駆動モータ20と吸収用モータ21との間に配置して吸収力を制御しながら被試験体に負荷をかける方法が採用されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
しかしながら、この方法の場合、モータと、そのモータの回転やトルクを制御する制御装置(不図示)とのセットが2セット必要であり、費用がかかるという問題がある。
【特許文献1】特開平8−43256号公報
【特許文献2】特開平8−47211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、被試験体の耐久試験を安価に行なうことのできる耐久試験方法および耐久試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の耐久試験方法は、駆動体と負荷との間に配置されてねじりを受ける被試験体の耐久試験を行なう耐久試験方法において、
上記被試験体を、その被試験体を回転させるモータとフライホイールとの間に連結し、
上記モータの回転速度を変動させながら上記モータを回転させることで被試験体の耐久試験を行なうことを特徴とする。
【0006】
ここで、本発明の耐久試験方法は、ねじりを受けることによりトルクを計測するトルクセンサを被試験体とする場合に好適に採用することができる。
【0007】
また、上記目的を達成する本発明の耐久試験装置は、駆動体と負荷との間に配置されてねじりを受ける被試験体の耐久試験を行なう耐久試験装置において、
上記被試験体に連結されその被試験体を回転させるモータと、
上記モータとの間に被試験体を挟んでその被試験体に連結されるフライホイールと、
上記モータに回転速変動を与えながらそのモータを回転させる制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明の耐久試験装置は、ねじりを受けることによりトルクを計測するトルクセンサを被試験体とするものであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
以上の本発明によれば、モータと制御装置とのセットは1セットで済み、フライホイールが必要となるものの、モータと制御装置とのセットを2セット必要とする従来例と比べ、大幅に安価な耐久試験が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
ここでは、トルクセンサを被試験体とする例について説明する。このためここでは先ずトルクセンサの一例についてその概要を説明する。
【0012】
図2は、トルクセンサの一部を切断した斜視図であり、図3は、図2に示したトルクセンサの断面図である。
【0013】
図2に示すように、このトルクセンサ10は、内輪2と、内輪2の外周との間にスリット4を形成してその内輪の外周を取り囲むように形成された外輪1と、内輪2と外輪1との間に円周方向に複数箇所形成された、上記スリット4を遮って内輪2と外輪1とを連結する連結部3と、連結部3に貼付した歪みゲージ5とを有し、連結部3の歪みによりトルクを検出するように構成されている。
【0014】
図3に示すように、このトルクセンサ10は、同軸の2つの回転軸7,8どうしの中間に挿入され、内輪2は、一方の回転軸7の端部7aに固定され、外輪1は、他方の回転軸8の端部8aに固定されている。このトルクセンサは、内輪2と外輪1とを相互に連結する連結部3が、内輪2や外輪1に比較して変形しやすい構造となっており、歪みゲージ5による歪みの検出精度を高めるように構成されている。
【0015】
次に、上記のような構造のトルクセンサの耐久試験を行なう耐久試験装置について説明する。
【0016】
図4は、本発明の一実施形態としての耐久試験装置の概要図である。
【0017】
ここには、被試験体であるトルクセンサ10に軸11を介して連結されそのトルクセンサ10を回転させる駆動モータ20と、トルクセンサ10をその駆動モータ20との間に挟んで軸12を介してそのトルクセンサ10に連結されたフライホイール30が示されている。フライホイール30は、軸受13,14により支えられている。また駆動モータ20には制御盤22が接続されている。この制御盤22は、あらかじめプログラムされたシーケンスに従って、駆動モータ20に、回転速度変動を与えながら駆動モータ20を回転させる制御を行なうものである。
【0018】
フライホイール30は一定の回転速度で回転しようとするため駆動モータ20が回転速度変動を伴って回転するとトルクセンサ10にねじりの負荷がかかり、これを長時間継続することによってトルクセンサ10の耐久試験が行なわれる。
【0019】
図5は、本発明のもう1つの実施形態としての耐久試験装置の概要図である。
【0020】
図4に示す耐久試験装置との相違点についてのみ説明する。
【0021】
この図5に示す耐久試験装置は、被試験体であるトルクセンサ10とフライホイール30との間にフレキシブルカップリング15が配備されている。
【0022】
図4に示す、トルクセンサ10に直接に連結された2本の軸11,12の回転中心軸が一直線になっておらず僅かにでも狂っていた場合、その狂いがトルクセンサ10に作用しトルクセンサ10の耐久試験が不正確になるおそれがある。このような回転中心軸のずれが生じるおそれがある場合、図5に示すようにフレキシブルカップリングを挿入すると、その回転中心軸のずれの、トルクセンサ10への影響が柔らぎ、正確な耐久試験を行なうことができる。
【0023】
尚、ここでは、トルクセンサを被試験体とする例について説明したが、本発明はトルクセンサを被試験体とする場合にのみ適用されるものではなく、例えば駆動モータとフライホイールとを一本の軸で連結し、その軸自体を被試験体としてもよく、駆動体と負荷との間に配置されてねじりを受けるものであれば本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の耐久試験方法を示す図である。
【図2】トルクセンサの一部を切断して示した斜視図である。
【図3】図2に示したトルクセンサの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態としての耐久試験装置の概要図である。
【図5】本発明のもう1つの実施形態としての耐久試験装置の概要図である。
【符号の説明】
【0025】
10 トルクセンサ
11,12 回転軸
13,14 軸受
15 フレキシブルカップリング
20 駆動モータ
22 制御盤
30 フライホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動体と負荷との間に配置されてねじりを受ける被試験体の耐久試験を行なう耐久試験方法において、
前記被試験体を、該被試験体を回転させるモータとフライホイールとの間に連結し、
前記モータの回転速度を変動させながら該モータを回転させることで前記被試験体の耐久試験を行なうことを特徴とする耐久試験方法。
【請求項2】
前記被試験体が、ねじりを受けることによりトルクを計測するトルクセンサであることを特徴とする請求項1記載の耐久試験方法。
【請求項3】
駆動体と負荷との間に配置されてねじりを受ける被試験体の耐久試験を行なう耐久試験装置において、
前記被試験体に連結され該被試験体を回転させるモータと、
前記モータとの間に前記被試験体を挟んで該被試験体に連結されるフライホイールと、
前記モータに回転速変動を与えながら該モータを回転させる制御装置とを備えたことを特徴とする耐久試験装置。
【請求項4】
ねじりを受けることによりトルクを計測するトルクセンサを前記被試験体とするものであることを特徴とする請求項3記載の耐久試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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