説明

耐力壁ガラスサッシュ

【課題】水平荷重応力に反発抵抗する反発部材を利用して壁倍率を高める耐力壁ガラスサッシュの提供を図る。
【解決手段】ラーメン構造を有して一体成型される中空構造の枠体と、透過性ならびに強化ガラス構造を有するガラス体と、水平荷重応力に反発抵抗する反発部材と、からなる耐力壁ガラスサッシュであって、前記枠体は、前記ガラス体を収納可能に形成され、前記ガラス体は前記枠体の上部横桟部に固定されると共に、左右縦桟部と下部横桟部に摺動空間部を有して嵌め殺し状態に取り付けられ、前記反発部材は、強化合成ゴム、高分子ポリマーによる粘弾性樹脂、高反発樹脂、空気圧、又はスプリングの少なくても一つから成り、前記枠体と前記ガラス体の摺動空間部に少なくとも1以上備えて外力を伝達可能に設けることにより、耐力壁の壁倍率を高める手段を採用した。また、固定横桟部を下横桟部とする構成を採用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造物における耐力壁の壁倍率を高める耐力壁ガラスサッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
木造低層住宅における耐震性ならびに耐風性を確保する耐力壁の壁倍率(壁長さ1m当り96kNの水平荷重に抵抗できる耐力壁量)の木造軸組み工法ならびに枠組み壁工法に関し、建築基準法令46条と建設省告示1100号でいくつかの仕様の耐力壁量について0.1〜5.0の範囲で定められている。
【0003】
ところが、一般的に建築される木造低層住宅においては、南側の陽当りを確保するため、建物の南側が広く開口されることが多く、結果的に北側に耐力壁が偏って配置される構造になりがちであった。
【0004】
また、耐力壁は、建物の一方に偏ることなくバランス良く配置されることによって捻れに強く、地震や台風などの耐震性ならびに耐風性に優れた住宅を確保できるものであるが、採光性、透視性、風通し性、居住性、開放性、意匠性を考えると南側の開口が要求され、その要求を達成するには、ある程度の南側の壁面の一部を犠牲にするか、または免震性や耐震性を有する高コストの建築工法を採用するかの選択が迫われるものであった。
【0005】
従来の木造低層住宅における耐力壁の壁倍率を確保する一般的な手段としては、木造軸組み工法では、梁と柱に筋交い柱や連結金具を使用し、枠組み壁工法では、構造用合板パネルを使用してその目的を達成しているが、施工される耐力壁の全面に筋交いが露出したり、壁全体が構造用合板パネルで封鎖されるなどして採光性、透視性、風通し性、居住性、開放性、意匠性が無視され、快適な居住空間を提供できない構造であった。
【0006】
そこで、それらの耐力壁の問題点を解決しようとする耐震補強壁構造が提案されている。例えば、縦横に配置接合したガラスブロック集合体を耐力壁内に設けた「ガラスブロック耐力壁の壁構造」(特許文献1参照)や、建築構造物の小梁や柱に耐震ガラスパネルユニットを取り付けた「耐震ガラスパネルユニット」(特許文献2参照)や、建築構造物の桁と土台と縦枠材とで格子材を囲み、その格子材に強化ガラスを嵌め込んで耐震補強壁とした「ガラス格子耐震壁」(特許文献3参照)や、筋交い構造を有する構造枠の一部に窓部領域を設けた「木造建築の耐震補強構造」(特許文献4参照)などが開示されている。
【0007】
しかしながら、「ガラスブロック耐力壁の壁構造」(特許文献1参照)においては、縦横に配置接合したガラスブロック集合体を耐力壁内に設けて耐力壁の壁倍率を高めようとするものであるが、該提案は、装飾窓的な印象が強く、また積み重ねられるガラスブロックによって壁面全体の透視性が確保できない上、使用されるガラスブロックの重量的問題や、材料費、施工費用のコスト高が懸念され、さらに開放性において一般木造住宅における要求を満たすものではなかった。
【0008】
また、「耐震ガラスパネルユニット」(特許文献2参照)においては、建築構造物の小梁や構造用合板パネルに耐震ガラスパネルユニットを取り付けたものであるが、該提案は、ガラスパネルユニットの取り付け手段が、壁面を形成する小梁や構造用合板パネルに取り付けられていてラーメン構造を有する建築構造物の梁と柱に直接取り付けられてないため、建物全体の耐力壁の壁倍率が充分確保できないことや、壁面全体の透視性が確保できない問題点があるものだった。
【0009】
また、「ガラス格子耐震壁」(特許文献3参照)においては、建築構造物の桁と土台と縦枠材とで格子材を囲み、その格子材に強化ガラスを嵌め込んで耐震補強壁としたものであるが、該提案は、耐震補強壁の建築現場での施工法の提案であるため、施工作業が規格化されないため現場での施工効率が悪く、また壁面に格子が露出する構造であるためドア的な意匠性を感じるものであり、さらに窓枠全体の開放性に問題点があるものだった。
【0010】
また、「木造建築の耐震補強構造」(特許文献4参照)においては、筋交い構造を有する構造枠の一部に窓部領域を設けたものであるが、該提案は、補強領域内に筋交いや補強金具が設けられ、窓部領域のみに透視性が確保されるもので、壁面全体の透視性が確保できない問題点があるものだった。
【0011】
以上のように上記の提案のいずれも、従来の木造低層住宅における木造軸組み工法や枠組み壁工法において耐力壁にガラスまたは窓枠を嵌めこんだ窓枠工法ならびに耐力壁の有効利用法に過ぎず、枠体のラーメン構造と、ガラス体の面内剛性を利用して耐力壁の壁倍率を効果的に確保する手段ではなかった。
【0012】
本発明者は、以上のような耐力壁が解決できない問題点を踏まえ、枠体のラーメン構造と、ガラス体の面内剛性と、反発部材の水平荷重応力に抵抗反発する作用と、の三つの耐力要素を備えることよって、耐力壁の壁倍率を建築基準以上に高められることに着目し、本発明における耐力壁ガラスサッシュの提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009-46824号公報
【特許文献2】特開2009-293367号公報
【特許文献3】特開2007-31959公報
【特許文献4】特開2003-232133公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑み、ラーメン構造を有する枠体と、面内剛性を有するガラス体と、水平荷重応力に反発抵抗する反発部材とで構成される壁倍率を高める耐力壁ガラスサッシュの提供を図る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するために、ラーメン構造を有して一体成型される中空構造の枠体と、透過性ならびに強化ガラス構造を有するガラス体と、水平荷重応力に反発抵抗する反発部材と、からなる耐力壁サッシュであって、枠体は、一定厚の矩形状を有し、中央部には、ガラス体を収納可能に形成され、外周縁部には、建築構造物に取り付け可能な取り付け部が形成され、ガラス体は、枠体の上部横桟部に固定されると共に、左右縦桟部と下部横桟部に摺動空間部を有して嵌め殺し状態に取り付けられ、反発部材は高反発樹脂素材または、ダンパー、スプリングの少なくても一つから成り、枠体とガラス体の摺動空間部に少なくとも1以上備えて外力を伝達可能に設けられ、枠体を建築構造物の梁、柱、土台に単独または複数個取り付け、枠体のラーメン構造と、ガラス体の面内剛性と、反発部材の水平荷重応力に抵抗反発する作用と、の三つの耐力要素によって、耐力壁の壁倍率を高める手段を採る。
【0016】
また本発明は、ガラス体が、枠体の上部横桟部に固定されると共に、左右縦桟部と下部横桟部に摺動空間部を有して嵌め殺し状態に取り付ける手段を採る。
【発明の効果】
【0017】
本発明の耐力壁ガラスサッシュによれば、枠体自体が曲げや変形応力に対応するリブや筋交いなどの補強中空構造ならびにラーメン構造を有して一体成型されるため、施工時に建築構造物の梁、柱、土台に直接取り付けることによって耐力壁の壁倍率を高めることができる優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明の耐力壁ガラスサッシュによれば、ガラス体特有の面内剛性の高さを利用して建築構造物の耐力壁の壁倍率を高めると共に、ガラス表面に圧縮応力層を形成した強化ガラスを用いることによって、採光性、透視性、風通し性、居住性、開放性、意匠性、防犯性、を確保することができる優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明の耐力壁ガラスサッシュによれば、地震などによる水平荷重応力に抵抗反発する反発部材をガラス体に固着してサッシュの枠体に応力伝達金具を介して当接することによって、耐力壁サッシュならびに建築構造物の耐力壁の壁倍率を高めることができる優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明の耐力壁ガラスサッシュによれば、耐力壁サッシュを建築構造物のラーメン構造を有する梁、柱、土台に単独または複数個取り付けて、枠体のラーメン構造とガラス体の面内剛性と反発部材の水平荷重応力に反発抵抗する作用の三つの耐力要素によって、耐力壁の壁倍率を高めることで、建築コストの低廉が図られると共に、採光性、透視性、風通し性、居住性、開放性、意匠性が確保できる優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】請求項1に係る耐力壁ガラスサッシュの実施形態を示す説明図である。(実施例1)
【図2】請求項2に係る耐力壁ガラスサッシュの実施形態を示す説明図である。(実施例2)
【図3】請求項3に係る耐力壁ガラスサッシュの反発部材の取り付け位置を示す説明図である。(実施例3)
【図4】本発明に係る耐力壁ガラスサッシュの変形作用を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、耐力壁ガラスサッシュを建築構造物のラーメン構造を有する梁、柱、土台に単独または複数個取り付けて、枠体のラーメン構造と、ガラス体の面内剛性、と反発部材の水平荷重応力に反発抵抗する作用の三つの耐力要素によって、耐力壁の壁倍率を高める手段を採ったことを最大の特徴とするもので、以下、実施例を図面に基づいて説明する。
【0023】
なお、本実施例で示す寸法ならびに形状は、下記に述べる実施例に特に限定されるものでなく、本発明の技術的思想の主旨に逸脱しない範囲で任意に変更することができる。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の請求項1に係る耐力壁ガラスサッシュの実施形態を示す説明図である。本発明における耐力壁ガラスサッシュ1は、ラーメン構造を有して一体成型される中空構造の枠体10と、透過性ならびに強化ガラス構造を有するガラス体20と、水平荷重応力に反発抵抗する反発部材14と、からなり、枠体10は、一定厚の矩形状を有し、中央部には、ガラス体20を収納可能に形成され、外周縁部には、建築構造物に取り付け可能な取り付け部13が形成され、ガラス体20は、枠体10の上部横桟部11aに固定されると共に、左右縦桟部12と下部横桟部11bに摺動空間部40を有して嵌め殺し状態に取り付けられ、反発部材14は、強化合成ゴム、高分子ポリマーによる粘弾性樹脂、高反発樹脂、空気圧、又はスプリングの少なくても一つから成り、枠体10とガラス体20の摺動空間部40に少なくとも1以上備えて外力を伝達可能に設けられ、枠体10を建築構造物50の梁51、柱52、土台53に単独または複数個取り付け、枠体10のラーメン構造と、ガラス体20の面内剛性と、反発部材14の水平荷重応力Wに抵抗反発する作用と、の三つの耐力要素によって、耐力壁の壁倍率を高める構造を有して形成されている。
【0025】
枠体10は、アルミ製の一定厚の矩形状を有し、中央部には、ガラス体20を嵌め殺し状態で収納可能に形成され、外周縁部には、木造住宅や鉄筋住宅に釘やボルトで直接取り付けられる取り付け部13が設けられる。また、枠体10自体が曲げや変形応力に対応する補強中空構造ならびにラーメン構造を有して一体成型されるため、枠体10自体が耐力壁の役目を果たす形状を有している。
【0026】
取り付け部13は、枠体10の外周縁部に片側フランジ状に設けられ、木造住宅や鉄筋住宅などの梁51、柱52、土台53に釘やボルトを使って取り付けられる。建築構造物50のラーメン構造を形成する梁51、柱52、土台53に直接取り付けられることで耐力壁サッシュ1自体がラーメン構造を形成するものである。
【0027】
摺動空間部40は、枠体10の中央部にガラス体20を嵌め殺し状態で収納される状態を維持するため、枠体10の内側に矩形にくり貫かれて形成される。ガラス体20と反発部材14が取り付けられ、地震などの水平荷重応力によって摺動する隙間空間を有し、ガラス体20が嵌め込まれた後、周辺枠(図示なし)で覆って目隠しされる。
【0028】
ガラス体20は、枠体10の中央部に嵌め殺し状態で収納される状態を維持するため、枠体10の内側を矩形にくり貫いた収納部に形状を一回り小さく成形されて収められ、枠体10の上部横桟部11a固定される。材質的には、透明で表面に圧縮応力層を形成する強化ガラスを使用し、採光性、透視性、開放性、意匠性の外に靭性と防犯性を確保している。
【0029】
反発部材14は、反発係数が高く、水平荷重応力に対して変形追随ならびに復元力が高い高分子の樹脂素材で形成され、ガラス体20の周辺部の一部に嵌合又は接着等で固着される。また、強化合成ゴム、高分子ポリマーによる粘弾性樹脂、高反発樹脂、空気圧、又はスプリングの少なくても一つを使用して反発部材14とすることができるため、建築構造物50の種類や、耐力壁の開口部の大きさ、施工バランスなど応力変形許容差に合わせて使い分けることができる。
【0030】
応力伝達金具30は、枠体10の摺動空間部40内の下部横桟部11bと両側縦桟部12に取り付けられ、ガラス体20の周辺部に固着される反発部材14の一部に当接して水平荷重応力Wを伝達する役割を果たす金具として取り付けられる。
【0031】
固定金具15は、枠体10の摺動空間部内40の上部横桟部11aに固定され、さらにガラス体20の上辺を固定するもので、ガラス体20を枠体10で吊下する金具として取り付けられる。
【実施例2】
【0032】
図2は、本発明の請求項2に係る耐力壁ガラスサッシュ1の実施形態を示す説明図である。本発明における耐力壁ガラスサッシュ1は、木造住宅や鉄筋住宅などのラーメン構造を有する梁51、柱52、土台53に釘やボルトを使って取り付けられ、ガラス体20は、枠体10の下部横桟部11bに固定されると共に、摺動空間部40を有して反発部材14を当接させて嵌め殺し状態に取り付けられる。
【0033】
固定金具15は、枠体10の摺動空間部40内の下部横桟部11bに固定され、さらにガラス体20の下辺を固定するもので、ガラス体20を枠体10で支持する金具として取り付けられる。
【実施例3】
【0034】
図3は、本発明の耐力壁ガラスサッシュ1の反発部材14の取り付け位置を示す説明図である。本発明における耐力壁サッシュ1は、木造住宅や鉄筋住宅などのラーメン構造を有する梁51、柱52、土台53に釘やボルトを使って取り付けられ、ガラス体20は、枠体10の上部横桟部11a又は下部横桟部11bに固定され、左右縦桟部12と上下横桟部11a・11bに摺動空間部40を有して反発部材14を当接させて嵌め殺し状態に取り付けられる。図3では、ガラス体20が枠体10の上部横桟部11aに固定され、左右縦桟部12の上部及び下部に反発部材14が其々当接されている状態を示している。ガラス体20に固着される反発部材14は、強化合成ゴム、高分子ポリマーによる粘弾性樹脂、高反発樹脂、空気圧、又はスプリングの少なくても一つから成り、枠体10とガラス体20の摺動空間部40に少なくとも1以上備えて外力を伝達可能に設けられて形成される。なお、ガラス体20が固定金具15により枠体10の上部横桟部11aに固定される場合と、下部横桟部11bに固定される場合とで、固定金具15からの距離に応じて反発力の異なる反発部材14を配設し、集中応力がかからないように応力を分散させる構成も有効である。
【0035】
図4は、本発明の耐力壁ガラスサッシュ1の変形作用を示す説明図である。図(a)は耐力壁サッシュ1の平常時の状態を示す。本発明における枠体10は、建築構造物50のラーメン構造を有する梁51、柱52、土台53に釘やボルトで直接連結され、耐力壁サッシュ1自体もラーメン構造を形成して取り付けられる。ガラス体20は、固定金具15で枠体10の上部に固定され摺動空間部40内に吊持された状態で収納される。反発部材14は、ガラス体20の下辺部に固着され、枠体10に取り付けられている応力伝達金具30に外力を伝達可能に当接されている。平常時においては、枠体10とガラス体20と、反発部材14は、上記の干渉状態を保って維持される。
【0036】
図(b)は耐力壁ガラスサッシュ1に水平荷重応力がかかった状態を示す。地震などによって水平荷重応力Wが枠体10にかかった場合、枠体10は図のように平行四辺形状に変形し、該変形に伴ってガラス体20に水平荷重応力Wがかかるが、ガラス体20は面内剛性が高いためガラス体20自体は変形しない状態で両側上下反発部材14と下側反発部材14とに変形荷重応力がかかり、反発部材14の許容変形内で変形する。
【0037】
図(c)はガラス体20と反発部材14による復元応力がかかった状態を示す。枠体10は、反発部材14の許容変形内での反発作用と、ガラス体20の面内剛性をもってして元の形状に復元しようとする。図示される右側上部と左側下部の反発部材14は、復元作用によって枠体10の縦桟部12を元の形状に復元する応力を発生させると同時に、下部横桟部11bの反発部材14も荷重方向に反作用荷重応力Fを発生させるため、枠体10全体が復元するものである。
【0038】
図(d)は耐力壁ガラスサッシュ1が復元した状態を示す。耐力壁ガラスサッシュ1は、平常時の枠体10とガラス体20と反発部材14の干渉状態に戻る。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の耐力壁ガラスサッシュは、ラーメン構造を有して一体成型される中空構造の枠体と、透過性ならびに強化ガラス構造を有するガラス体と、水平荷重応力に反発抵抗する反発部材と、から構成して高い壁倍率を達成し、さらに採光性、透視性、風通し性、居住性、開放性、意匠性を有する従来にない耐力壁ガラスサッシュであることから、本発明における耐力壁ガラスサッシュの産業上の利用可能性は極めて高いものと解する。
【符号の説明】
【0040】
1 耐力壁サッシュ
10 枠体
11a上部横桟部
11b下部横桟部
12 縦桟部
13 取り付け部
14 反発部材
15 固定金具
20 ガラス体
30 応力伝達金具
40 摺動空間部
50 建築構造物
51 梁
52 柱
53 土台
W 水平荷重応力
F 反作用荷重応力



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラーメン構造を有して一体成型される中空構造の枠体と、透過性ならびに強化ガラス構造を有するガラス体と、水平荷重応力に反発抵抗する反発部材と、からなる耐力壁サッシュであって、
前記枠体は、一定厚の矩形状を有し、中央部には、前記ガラス体を収納可能に形成され、外周縁部には、建築構造物に取り付け可能な取り付け部が形成され、
前記ガラス体は、前記枠体の上部横桟部に固定されると共に、左右縦桟部と下部横桟部に摺動空間部を有して嵌め殺し状態に取り付けられ、
前記反発部材は、強化合成ゴム、高分子ポリマーによる粘弾性樹脂、高反発樹脂、空気圧、又はスプリングの少なくても一つから成り、前記枠体と前記ガラス体の摺動空間部に少なくとも1以上備えて外力を伝達可能に設けられ、
前記枠体を建築構造物の梁、柱、土台に単独または複数個取り付け、
前記枠体のラーメン構造と、前記ガラス体の面内剛性と、前記反発部材の水平荷重応力に抵抗反発する作用と、の三つの耐力要素によって、耐力壁の壁倍率を高めることを特徴とする耐力壁ガラスサッシュ。
【請求項2】
前記ガラス体を固定する横桟部が、請求項1に記載の耐力壁ガラスサッシュと異なり、前記枠体の下部横桟部に固定され、左右縦桟部と上部横桟部に摺動空間部を有して嵌め殺し状態に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の耐力壁ガラスサッシュ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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