説明

耐圧疲労試験装置

【課題】超高圧の耐圧疲労試験を行える耐圧疲労試験装置を提供する。
【解決手段】圧力容器70内に封入された液体に対して周期的に超高圧と低圧とを印加するピストン53を備えたシリンダ50を有し圧力容器70の耐圧疲労度を試験する耐圧疲労試験装置10とし、超高圧を周期的に発生させるために高速回転する偏心カム21を装備した動力伝達用カム機構20と、この動力伝達用カム機構20の偏心カム21と係合し当該偏心カム21の偏心回転力をピストン53の往復直線運動に変換する回転力変換機構30と、一端部がシリンダ50に連結され他端部が圧力容器70に連通された液圧回路60と、を備えた構成とし、シリンダ50を、ピストン53用の挿通穴51Aを有するシリンダ本体51と、このシリンダ本体51に挿通穴51Aを塞いで密封固着され、内部に液圧回路60に連通する連通小孔があけられたポート部材52と、を備えた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐圧疲労試験装置に係り、さらに詳しくは、圧力容器内に超高圧と低圧とを周期的に印加し、超高圧と低圧との間の圧力変動に対する圧力容器の耐圧疲労強度を試験する耐圧疲労試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超高圧を利用する装置として、例えば超高圧を試料体に印加して圧縮し、その試料体からのデータを収集する超高圧発生装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この超高圧発生装置は、ピストンを超高圧発生室内に設置された試料体に対して進退させる駆動装置が、制御モータで回転させられるボールネジで進退する下ウェッジと、その上面の上ウェッジとで構成され、上記下ウェッジと、上ウェッジとは互いに向き合う面が勾配に形成された構造となっている。そして、制御モータで回転するボールネジにより下ウェッジと上ウェッジとを進退させ、両ウェッジの勾配により微小変位可能とし、それにより、突入圧力値を高くできるようになっている。
【0003】
また、鋼板等の製造における熱間圧延工程のように、段階的な連続圧縮を実施する場合の加工対象物の性状の変化等を調べるための圧縮試験装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
この圧縮試験装置では、偏心カムと油圧シリンダとを組み合わせて金属片に対する高精度で任意の圧縮パターンを与えるものである。すなわち、偏心カムの回転により、ローラと一体となった下側に配置された第2ラムが上下方向に往復直線移動し、この第2ラムと当該第2ラムの上方に固定された第1ラムとの間に挟まれた金属片に連続圧縮力が印加される構造である。
【0004】
ところで、例えば、コモンレール(圧力容器)の内部に超高圧の燃料を一時的に蓄えておき、その燃料をコンピュータ制御により、噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)をきめ細かくコントロールすることで、理想的な燃焼を実現するコモンレール式燃料噴射システムが知られている。
【0005】
このコモンレール式燃料噴射システムにより、例えば160MPa以上の超高圧噴射で微細な霧状になった燃料は満遍なく燃焼され、これにより排ガスのクリーン化が実現される。そして、コモンレール式燃料噴射システムは、環境問題に関心が高まる中、もともと燃費のよいディーゼルエンジンの排ガスクリーン化の中核をなすものである。
【0006】
以上に説明したように、コモンレール式燃料噴射システムでは、燃料を超高圧で噴射することができるように、その燃料を一時的に圧力容器に蓄えておく必要から、また、安全のためにも、圧力容器が超高圧に対応しているものでなければならない。そのため、実際に、例えばコモンレール式燃料噴射システム用として用いる前に、圧力容器が所望の超高圧に対応しているか否かの耐圧疲労試験が必要である。
【0007】
圧力容器の内圧を、例えば70MPa以上にできる油圧源を備えた油圧装置は従来でも用いられていた。しかし、この油圧装置の油圧源では流量が小さく、大きな容積をもつ圧力容器や高周波数の圧力切り替えに応答できない、という問題があった。仮に、十分な流量を有する上下限圧力設定の油圧源が準備できたとしても、今度は、高周波数の圧力切り替えに対応できる切り替え弁がないため、耐圧疲労試験装置を構築できないという問題がある。
【0008】
また、油圧装置において超高圧を得るためにはシリンダを用いることが多く、このシリンダ内をピストンが往復運動し、高圧を繰り返し印加することで超高圧を発生させている。このシリンダ機構として、図11に示すようなシリンダ機構100が知られている。
このシリンダ機構100では、フレーム103に固着されたシリンダ101の内部に、ピストン102が挿通する挿通用穴101Aが形成されている。シリンダ101の液圧送出側端部には、図示しないが液圧の供給先である、例えば圧力容器と連結された液圧回路104が連結されている。また、シリンダ101の液圧送出端には、挿通用穴101Aに連続し、かつ液圧回路104に連通する連通小孔101Bが形成されている。
そして、シリンダ101の挿通用穴101Aの端部、つまり挿通用穴101Aから連通小孔101Bに至る挿通用穴101Aの底面隅部101Cには、R加工が施されている。
【0009】
さらに、上記液圧装置の一構成として、図12に示すように、ピストン112に周期的に推力を付与する回転力変換機構110が用いられている。
この回転力変換機構110では、偏心カム113の回転力がローラ・フォロア114に伝達されるようになっている。ローラ・フォロア114は、内輪114Aと外輪114Bとを含み構成され、外輪114Bは固定軸115を介してフォロア用ケース116に回転自在に支持されている。そして、フォロア用ケース116に前記ピストン112が連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−118481号公報
【特許文献2】特公平3−27062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のように、コモンレール式燃料噴射システムでは、燃料を超高圧で噴射することができるように、その燃料を一時的に圧力容器に蓄えておく必要から、また、安全のためにも、圧力容器が超高圧に対応しているものでなければならない。そのため、実際に、例えばコモンレール式燃料噴射システム用として用いる前に、圧力容器が所望の超高圧と低圧との間の圧力変動に対応しているか否かの耐圧疲労試験が必要である。
そして、圧力容器の耐圧疲労試験は、圧力容器内に超高圧と低圧とを周期的に印加することで行われる。
【0012】
以上に説明したように、圧力容器の耐圧疲労試験は、圧力容器内に対して超高圧と低圧とを周期的に印加することで行われるものである。しかしながら、前記特許文献1のように、超高圧を試料体に印加して圧縮する構成の超高圧発生装置を適用しても、圧力容器内に超高圧と低圧とを周期的に印加することで行われる耐圧疲労試験には対応することができない。
【0013】
また、前記特許文献2では、段階的な連続圧縮を実施する場合の加工対象物の性状の変化等を調べるためのものであり、圧力容器内に対して超高圧と低圧とを周期的に印加し、その評価を得る耐圧疲労試験を実施することはできない。
【0014】
さらに、前記図11で示したシリンダ構造100では、ピストン102が挿通するシリンダ101の挿通穴101Aに超高圧が印加された場合、挿通穴101Aの側面と挿通穴101Aの底面隅部101CのR加工部に応力集中が生じる。
その結果、超高圧への昇圧サイクルでシリンダ101が疲労破壊するという問題があり、図11で示した通常のシリンダ構造100では、例えば100MPa以上の超高圧に対応できないものであった。
【0015】
また、前記図12で示した既存ローラ・フォロア114を用いた回転力変換機構110では、ローラ・フォロア114がラジアル荷重の負荷を目的としていることもあり、超高圧への昇圧サイクルでは、ローラ・フォロア114の軸の微小な傾きが大きな分力を発生させ、スラスト荷重の負荷を受けることのできないローラ・フォロア114が損傷し、その結果ピストンが破断するという問題がある。
【0016】
すなわち、図13に示すように、偏心カム113は偏心量L2を有し、例えば矢印A方向に回転するとき、その偏心カム113の回転力は、当該偏心カム113に当接し矢印B方向に回転するローラ・フォロア114に伝達される。この際、ローラ・フォロア114には、フォロア用ケース116と連結されているピストン112に作用する圧力とピストン112の断面積の積である直線方向の力F1と、上記直線方向の力F1によりローラ・フォロア114と偏心カム113との回転の接触面の接線方向に生じる摩擦力F2、つまり横方向の力とが発生する。
上記力F1と偏心カム113の回転によるピストンに作用する推力により、フォロア用ケース116と連結されているピストン112の往復直線運動(矢印C方向運動)を行うことになる。
また、ローラ・フォロア114が回転しない場合、上記摩擦力F2は、ピストン112を偏心カム113の回転の接触面の接線方向に押圧する力にもなる。
【0017】
ここで、ローラ・フォロア114は、その外輪114Bで偏心カム113の回転力を直接受けているため、この構成では、ピストン112に対して発生する上記摩擦力F2を逃がすことができるが、超高圧と低圧が周期的に印加される耐圧疲労試験装置においては、耐圧疲労試験装置の構造上存在するカム軸やローラ・フォロア軸の微小な傾きにより、直線方向の力F1のローラ・フォロア軸方向への分力が発生する。
さらに、ピストン112に作用する圧力が超高圧であるため直線方向の力F1も非常に大きくなり、その結果ローラ・フォロア軸方向への分力も大きくなる。
ローラ・フォロア114は、ラジアル荷重の負荷を目的としていることもあり、大きなスラスト荷重を受けたローラ・フォロア114が破損し、その結果、ローラ・フォロア114が正常に回転しなくなり、上記摩擦力F2の発生をローラ・フォロア114の回転摩擦により抑制できなくなるため、これがピストン112に大きな曲げモーメントを及ぼし、終にはピストン112が破断してしまう。
【0018】
一方で、前述のように、内部に超高圧の燃料を一時的に蓄えておくことができる圧力容器の必要性は高まっており、そのための耐圧試験装置の開発が望まれている。
【0019】
そこで、本発明は前記各問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、超高圧の耐圧疲労試験を行える耐圧疲労試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するために、本発明の耐圧疲労試験装置は、液体(例えば、作動油、燃料)が封入された圧力容器の前記液体に対して周期的に超高圧と低圧を印加するピストンとこのピストンに係合するシリンダを備えた耐圧疲労試験装置であって、前記超高圧を周期的に発生させるために回転する偏心カムを装備した動力伝達用カム機構と、前記偏心カムと係合し当該偏心カムの偏心回転力を前記ピストンの往復直線運動に変換する回転力変換機構と、一端部が前記シリンダの液圧出力端に連通され他端部が前記圧力容器に連通された液圧回路と、を備え、前記シリンダを、前記ピストン用の挿通穴を有するシリンダ本体と、このシリンダ本体の前記液圧出力端に前記ピストン用の挿通穴を塞いで密封固着されると共に内部に前記液圧回路に連通する連通小孔が設けられたポート部材と、を備えた構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の耐圧疲労試験装置は以上のような構成となっているので、この耐圧疲労試験装置によれば、ピストンがシリンダ内のピストン用の挿通穴を往復直線運動することによって、圧力容器内に封入された液体に対して周期的に超高圧と低圧を印加する。この際、シリンダが、シリンダ本体とポート部材との二部材で構成され、ポート部材がシリンダ本体のピストン用の挿通穴を塞いで密封固着されているので、シリンダ本体の挿通穴の底面において応力集中が生じる部位をなくすことができる。その結果、応力集中によるシリンダの疲労破壊を防止することができる。
また、本発明の耐圧疲労試験装置が、前記回転力変換機構として、前記偏心カムに当接して回転するローラと、このローラの左右のローラ支軸部を各別に回転支持しかつラジアル方向とスラスト方向の荷重を受けることができる軸受と、一端部で前記各軸受を保持すると共に他端部に前記ピストンのヘッド部を連結した軸受機構と、を備えることにより、ローラが左右のローラ支軸部を介してラジアル方向とスラスト方向の荷重を受けることができる軸受により回転支持されているので、偏心カムの回転に伴い発生する当該偏心カムとローラとの摩擦力を抑制することができ、これにより、ピストンの破断を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の耐圧疲労試験装置の第1実施形態を示す全体外略図である。
【図2】前記実施形態の偏心カムと回転支持軸とシム部材との関連を示す縦断面図である。
【図3】前記図2のIII−III線に沿った縦断面図である。
【図4】前記実施形態の回転力変換機構の詳細を示す縦断面図である。
【図5】前記図4のV矢視図であり回転力変換機構を示す正面図である。
【図6】前記実施形態の偏心カムからの偏心回転力が回転力変換機構とピストンとに掛かる状態を示す概略図である。
【図7】前記実施形態のシリンダの詳細を示す縦断面図である。
【図8】前記図7のシリンダを分解した状態を示し、図8(A)はシリンダ本体であり、図8(B)はポート部材とメタルシールとをそれぞれ示す縦断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態のシリンダの詳細を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態のシリンダの詳細を示す縦断面図である。
【図11】従来のシリンダ構造を示す縦断面図である。
【図12】従来の偏心カムとローラ・フォロアとの係合状態を示す縦断面図である。
【図13】上記偏心カムからの偏心回転力がローラ・フォロアとピストンとに掛かる状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図1〜図8を参照して本発明の耐圧疲労試験装置の一実施形態を説明する。
まず、図1に基づいて上記実施形態の耐圧疲労試験装置10の全体を説明する。
【0024】
この耐圧疲労試験装置10は、コモンレール式燃料噴射システムに使用されるコモンレールに相当する圧力容器70の内部に封入された液体71を直接圧縮、膨張させることにより、超高圧と低圧とを周期的に印加して、すなわち、例えば100MPa以上の超高圧と20MPa程度の低圧とを周期的に印加し圧力容器70の耐圧疲労強度を試験する装置である。なお、液体71としては、作動油あるいは燃料などを用いることができる。
そして、この圧力容器70に取付けられた圧力測定器72により、所定の超高圧および低圧が、圧力容器70に印加されていることを確認することができる。
【0025】
耐圧疲労試験装置10は、架台11の上板12に設けられた動力伝達用カム機構20を備え、この動力伝達用カム機構20は、偏心カム21と当該偏心カム21を高速回転させる回転駆動源28を備えて構成されている。
【0026】
上記偏心カム21には、当該偏心カム21の高速偏心回転力を直線運動に変換する回転力変換機構30が係合されている。この回転力変換機構30にはピストン53を介してシリンダ50が連結されると共に、ピストン53はシリンダ50内を高速で往復直線運動することができ、これにより、圧力容器70に超高圧を周期的に印加できるようになっている。
【0027】
シリンダ50の先端部には液圧回路60の一端部が連結され、この液圧回路60の他端部には前記圧力容器70が連結されている。また、液圧回路60の内部には、圧力容器70に連通する流路60Aが形成されている。
【0028】
圧力容器70の内部には前述のように液体71が封入されている。また、圧力容器70には上記液圧回路60の流路60Aに連通する流路70Aが形成されている。
さらに、圧力容器70には、その内部の圧力値を測定する前記圧力測定器72が設置されている。そして、圧力容器70は、支持台75上に設置されている。
【0029】
液圧回路60には当該液圧回路60から分岐した第1分岐回路61が連結され、この第1分岐回路61には逆流防止弁62を介して第2分岐回路63が連結されている。そして、この第2分岐回路63の一端は補充用液圧源65に接続され、この補充用液圧源65は支持台64上に設置されている。
【0030】
上記逆流防止弁62は、第1分岐回路61側から第2分岐回路63側に液体が流入するのを防止している。また、上記補充用液圧源65は、下限圧力で流出分を補い、つまり、前記シリンダ50内をピストン53が周期的に往復直線運動する際に生じる液体の漏洩を補充し、液圧回路60内の圧力を下限圧力値以上に保証するものであり、これにより、液体漏洩による印加圧力の低下を防止するようになっている。
【0031】
前記動力伝達用カム機構20は、前記偏心カム21と、この偏心カム21を回転自在に支持する偏心軸である回転軸24と、この回転軸24の当該回転軸24における回転方向を横切る方向の両端部を支持する軸受25,25と、これらの軸受25,25を保持すると共に、前記上板12に立設された軸受用ケース26,26と、偏心カム21を回転駆動させると共に減速機を組み込んだ前記回転駆動源28と、を備えて構成され、回転軸24の一端が上記回転駆動源28に連結されている。
【0032】
偏心カム21は、図2、図3に詳細を示すように、円板状のカム本体22を備えており、このカム本体22の回転中心部には、当該カム本体22を回転自在に支持する回転軸24用の係合穴22Aが形成されている。この係合穴22Aは、図3に示すように、幅寸法がW、長さ寸法がLの角長穴に形成されている。
【0033】
これに対して、回転軸24は、上記カム本体22の係合穴22Aに幅方向が嵌合状態で係合し、かつ後述する偏心量調整部材であるシム23との協働によりカム本体22を係止する係止部24Aを有し、この係止部24Aの幅寸法がW1、長さ寸法がL1の断面角形に形成されている。
したがって、カム本体22の係合穴22Aと回転軸24の係止部24Aとの間には、カム本体22の係合穴22Aの長さ寸法Lと回転軸24の係止部24Aの長さ寸法L1との差分の隙間Sが形成されている。
【0034】
この隙間Sには、上記シム23が差し込まれるようになっており、このシム23と回転軸24とにより、カム本体22を強固に、かつ偏心量を可変として係止できるようになっている。つまり、シム23は回転軸24の中心位置を可変設定できるものである。
シム23は、精密に仕上げられた厚さの異なる複数種類が揃えられ、それらの中から適宜選択して使用することで、カム本体22が回転軸24のセンターCに対して偏心した状態とすることができる。
なお、回転軸24において前記軸受25,25に支持される各端部24B,24B(図1参照)は丸棒状に形成され、一方側の端部24Bがその延長上で前述のように回転駆動源28に連結されている。
【0035】
本実施形態では、図2、図3に示すように、例えば、回転軸24の上側に板厚の厚い第1シム23Aが挿入され、回転軸24の下側に板厚の薄い第2シム23Bが挿入されている。その結果、回転軸24のセンターCに対して寸法L2の偏心量を得ることができる。
なお、図2に示すように、第1シム23Aおよび第2シム23Bとも、カム本体22の厚さより長い長さ寸法に仕上げられている。
【0036】
図4、図5に詳細を示すように、動力伝達用カム機構20の偏心カム21には、前述のように、その高速偏心回転力を直線運動に変換する回転力変換機構30のローラ31が係合している。
すなわち、回転力変換機構30は、上記ローラ31と、このローラ31を支持する左右のローラ支軸部32,32と、これらのローラ支軸部32,32を回転自在に支持する円錐ころ軸受33,33と、これらの円錐ころ軸受33,33を一端部で保持すると共に、他端部が前記ピストン53のヘッド部53Aと連結された軸受機構34と、を備えて構成されている。
【0037】
ローラ31は、図5に示すように、矢印Aで表す方向に回転する偏心カム21に連れ回りし、矢印Bで表すように偏心カム21の回転方向とは逆方向に回転する。
【0038】
左右のローラ支軸部32,32の端部は、前述のようにそれぞれ円錐ころ軸受33,33に支持されている。一般に、円錐ころ軸受33は、円錐台の転動体が使われているので軌道面との接触部が線接触となり、大きな負荷に耐えることができるものとされている。
したがって、高速回転と軸受けに加わる荷重の変化が過酷な状況下での使用に好適であり、さらに、本実施形態のように向かい合わせて使用することで、アンギュラ玉軸受けと同様に、ラジアル、アキシアル(スラスト)両方向の荷重を受けることができるとされている。
【0039】
前記軸受機構34は、図4に示すように、全体側面形状が略凹状に形成され、図5に示すように、全体正面形状が略矩形形状に形成されている。
すなわち、軸受機構34は、一端部に、左右の円錐ころ軸受33,33をそれぞれ個別に保持する一方の軸受保持部34Aおよび他方の軸受保持部34Bを有して構成され、これらの軸受保持部34A,34Bによりローラ31が上記略凹状の底面から浮いた状態で保持されている。
【0040】
一方の軸受保持部34Aの下端は、当該軸受保持部34Aと直交する底面部34Cに連続しており、両者34A,34Cで断面略L字状に形成されている。
他方の軸受保持部34Bは、底面部34Cに着脱可能に取り付けられるようになっている。そして、左右のローラ支軸部32,32のそれぞれに円錐ころ軸受33,33を嵌め込んでおいて、まず、一つの円錐ころ軸受33を一方の軸受保持部34Aに装着して保持させ、次いで、他方の軸受保持部34Bに別の円錐ころ軸受33を装着した後、図5に示すように、他方の軸受保持部34Bを取付けボルト35により前記底面部34Cに固着するようになっている。
【0041】
一方の軸受保持部34Aの外表面には、ローラ支軸部32の端部と対向すると共に、そのローラ支軸部32A周りの開口部を塞ぐ蓋部材36が複数本の取付けボルト37により取り付けられている。
また、他方の軸受保持部34Bの外表面には、別のローラ支軸部32の端部と対向すると共にそのローラ支軸部32周りの開口部を塞ぎ、かつ他方の円錐ころ軸受33の側面を押さえる軸受押え部材38が複数本の取付けボルト39により取り付けられており、前記取付けボルト39は円錐ころ軸受33に適切な予荷重をかけることができるよう配置されている。
【0042】
さらに、他方の軸受保持部34Bがローラ支軸部32の軸線方向にずれないように、上部が他方の軸受保持部34Bの外表面の一部に被さる固定板40が、図5に示すように複数本の取付けボルト41により、前記底面部34Cに固着されている。
【0043】
そして、前記一方および他方の軸受保持部34A,34B、底面部34C、蓋部材36、軸受押え部材38および固定板40を含み前記軸受機構34が構成されている。
【0044】
また、前記ローラ31と、左右のローラ支軸部32,32と、左右の円錐ころ軸受33,33とを含んで前記回転力変換機構30が構成されている。
【0045】
回転力変換機構30が前述のような構成となっており、このような回転力変換機構30に前記偏心カム21からの高速偏心回転力が伝達されたときの両者21,30およびピストン53の関係が、概略図として図6に示されている。
この図6に示すように、偏心カム21が偏心量L2で例えば矢印A方向に回転するとき、その回転力により、ピストン53を下方向へ直線移動させる推力と、ピストン53を上方向へ直線移動させる直線方向の力F1とにより、ピストン53は往復直線運動(矢印C方向運動)を行う。
この際、ローラ31と偏心カム21との摩擦で生じる接触面の接線方向の力F2、言い換えれば、上記直線方向の力F1と摩擦係数の積である摩擦力F2とが発生する。
そして、ローラが回転できない場合、この摩擦力F2は、ローラ31、軸受機構34およびピストン53を偏心カム21の回転方向先側に押圧する押圧力でもある。
【0046】
シリンダ内の超高圧に抗してピストン53を推進させるため上記直線方向の力F1が非常に大きくなりこれに伴って上記摩擦力F2も大きくなる。しかし、本願発明では、回転力変換機構30が、ローラ31の左右両側に向かい合わせで配置された円錐ころ軸受33,33を備えた構成とされ、これらの円錐ころ軸受33,33が、ラジアル、アキシアル(スラスト)両方向の荷重を受けることができるので、ローラ31の破損を防止することができる。
その結果、ピストン53に掛かる上記摩擦力F2の発生がローラ31の回転摩擦により抑制されピストン53の破断を防止することができ、これにより、ピストン53で周期的に超高圧を印加することができる。
【0047】
また、わずかではあるが偏心カム21とローラ31の接触面で滑りが生じ、両者21,31の摺動面に摩擦熱が発生するが、本実施形態では、図示しないパイプ等により摺動面に向けて冷却油が供給されるようになっている。したがって、偏心カム21とローラ31との潤滑、冷却が同時に行われるため、高速回転が可能となり、また、大荷重に対応することができる。
【0048】
以上のような構成の回転力変換機構30の軸受機構34には、前述のように、シリンダ50内を往復直線移動するピストン53が連結されている。
ピストン53は、そのヘッド部53Aが、図4に示すように取付けボルト52により上記軸受機構34の底面部34Cに取付けられている。なお、ピストン53のヘッド部53Aは常時シリンダ50の外部に位置している。
また、ピストン53の先端部は、図7等に示すように、シリンダ本体51のピストン53用の挿通穴51Aに往復直線移動自在に挿入されている。
【0049】
シリンダ50は、図7、図8に詳細を示すように、上記シリンダ本体51と、このシリンダ本体51の前記液圧回路60側の端部に固着されたポート部材52とで構成されている。
【0050】
シリンダ本体51は、当該シリンダ本体51のフランジ部51Aを前記上板12に当接させて取付けボルト54により取付け固定されている。
ポート部材52は、シリンダ本体51の液圧回路60側の端部に形成されたネジ穴51Cにねじ込み固着されており、これによりポート部材52を小さくすることができる。また、ポート部材52においてシリンダ本体51の挿通穴51Aを塞ぐ一端面52Aは、ピストン53の往復直線運動により発生した超高圧を受ける圧力受部となっている。
【0051】
ポート部材52の一端面52Aは、シリンダ本体51の挿通穴51A径より大きな外径に形成されており、その一端面52Aには、シリンダ本体51の挿通穴51Aの端部との間を接合し、内圧をシールするメタルシール55がポート部材52と一体的に設けられている。
なお、ポート部材52とメタルシール55とを別部品で構成してもよい。
【0052】
ポート部材52の前記液圧回路60側の端部には、液圧回路60側に装着されたカップリング部材を取付けるためのネジ穴52Cが形成され、さらに前記挿通穴51Aに連通する連通孔52Dが形成されている。また、ポート部材52の外周には、シリンダ本体51の前記ネジ穴51Cに螺合するネジ部52Eが形成されている。
【0053】
シリンダ50は、以上に説明したように、シリンダ本体51とポート部材52との別部品を組み立てて構成され、さらに、ポート部材52の一端面52Aが挿通穴51Aを塞ぐ構成とされているので、内圧作用部で応力集中が生じる内径段付部がない構造となり、これにより、超高圧の圧力変動に耐え得る構造となっている。
【0054】
また、シリンダ50におけるシリンダ本体51の挿通穴51Aとピストン53の摺動隙間から液体が漏れるように上記隙間寸法が設定され、これにより、高速で往復直線運動するピストン53と挿通穴51Aとの潤滑と冷却とが行われるようになっている。
【0055】
次に、本実施形態の耐圧疲労試験装置10の作用を説明する。
回転駆動源28を駆動させて、予め所定の偏心量L2に設定された偏心カム21を高速回転させると、回転力変換機構30によりその偏心カム21の回転駆動力が往復直線運動に変換され、その往復直線運動がピストン53に伝達され、当該ピストン53がシリンダ50内を高速で往復直線運動する。
【0056】
シリンダ50内をピストン53が往復直線運動することにより、シリンダ50内に超高圧が発生すると共に、その超高圧が液圧回路60を経て圧力容器70内に印加される。圧力容器70に取り付けられている圧力計測器72で圧力容器70内の圧力が所望の圧力値に達していることを確認する。
【0057】
以上のような本第1実施形態の耐圧疲労試験装置10によれば、次のような効果が得られる。
(1)ピストン53がシリンダ50内のピストン用の挿通穴51Aを往復直線運動することによって、圧力容器70内に封入された液体71に対して周期的に超高圧と低圧とが印加される。この際、シリンダ50が、シリンダ本体51とポート部材52との二部材で構成され、ポート部材52がシリンダ本体51のピストン用の挿通穴51Aを塞いで密封固着されているので、シリンダ本体51の挿通穴51Aの底面において応力集中が生じる部位をなくすことができる。その結果、周期的に印加される超高圧と低圧との圧力変動にも充分耐えることができ、これにより、例えば100MPa以上の超高圧と低圧とが周期的に印加される圧力容器70の耐圧疲労試験を行うことができる。
【0058】
(2)シリンダ50が、シリンダ本体51とポート部材52との二部材で構成されると共に、シリンダ本体51の挿通穴51Aの底面において応力集中が生じない構成とされているので、超高圧が周期的に発生する耐圧疲労試験の場合でも、応力集中によるシリンダ50の疲労破壊を防止することができる。その結果、シリンダ50を、本第1実施形態のように耐圧疲労試験装置10用として利用する他に、超高圧に関連する他の装置で使用するシリンダの構造設計として用いることができ、汎用性がある。
【0059】
(3)シリンダ50が、挿通穴51Aが形成されたシリンダ本体51と、このシリンダ本体51の端部に固着されたポート部材52とで構成され、このポート部材52が、シリンダ本体51の端部に形成されたネジ穴51Cにねじ込み固着されているので、ポート部材52を小さく形成することができ、また、メタルシール55を別部品とした場合には、メタルシール55もポート部材52の一端面部52Aと挿通穴51Aとの間に配置すればよいので、小さなものですむ。
【0060】
(4)偏心カム21が、その回転中心に係合穴22Aが形成された円板状のカム本体22と、係合穴22Aの回転軸24との隙間に介在されるシム23とで構成されており、シム23を替えることにより偏心カム21の偏心量を可変とすることができる。したがって、カム本体22を円板状に製作することができるので、例えば楕円形や涙形に製作する場合と比べて、偏心カム21の製作が容易である。
【0061】
(5)偏心カム21が、その回転中心に係合穴22Aが形成された円板状のカム本体22と、係合穴22Aの回転軸24との隙間に介在されるシム23とで構成されており、シム23を厚さの異なる複数種類揃えておけば、任意のシム23を選択することで、偏心カム21の偏心量を容易に変更することができる。そして、その結果として、最高圧力を容易に変更することができ、さまざまな種類の圧力容器に対応することができる。
【0062】
(6)偏心カム21の回転中心の係合穴22Aが角長穴に形成されており、この角長穴の係合穴22Aと回転軸24との隙間にシム23が挿入されるので、回転軸24とカム本体22とを強固に、かつ確実に係止することができる。
【0063】
(7)本耐圧疲労試験装置10は回転力変換機構30を備え、この回転力変換機構30がローラ31を挟んで左右に配置された円錐ころ軸受け33,33を備えており、これらの円錐ころ軸受33,33が、ラジアル、アキシアル(スラスト)両方向の荷重を受けることができるので、ローラ31の破損を防止することができる。その結果、ピストン53に掛かる上記摩擦力F2を逃がすことができてピストン53の破断を防止することができ、これにより、ピストン53で周期的に超高圧を印加することができる。
【0064】
次に、図9に基づいて本発明の耐圧疲労試験装置の第2実施形態を説明する。
この第2実施形態の耐圧疲労試験装置10Aは、その装置10Aの構成要素であるシリンダ80の構造を、前記第1実施形態の耐圧疲労試験装置10におけるシリンダ50の構造と異なる構造としたものである。シリンダ80以外の構成については、すべて第1実施形態と同様である。
したがって、以下にはシリンダ80の説明のみを行う。また、このシリンダ80においても、前記第1実施形態のシリンダ50の構成部材と同一部材には同一符号を付し、異なる部位のみを詳細に説明する。
【0065】
第2実施形態のシリンダ80は、シリンダ本体81とこのシリンダ本体81に固着されるポート部材82とで構成されている。そして、ポート部材82をシリンダ本体81の外周に形成されたネジ部81Aにねじ込んで固着された構造となっている。
【0066】
すなわち、図9に示すように、シリンダ本体81の端部かつ外周には外周ネジ部81Bが所定範囲にわたって形成されており、また、内部には前記ピストン53用の挿通穴81Aのみが形成されている。そして、シリンダ本体81は、そのフランジ部81Bを前記上板12に当接して前記取付けボルト54により固着されている。
これに対して、ポート部材82は、シリンダ本体81の液圧出力端と当接する平坦面部82Aとその外周面に形成された環状立上り部82Bとで形成されている。
この環状立上り部82Bの内周部には、上記外周ネジ部81Aに螺合するネジ穴82Cが形成されている。また、ポート部材82の径方向中心には、液圧回路60と連通する連通小孔82Dが形成され、さらに、液圧回路60と連結させるためのカップリング用のネジ穴82Eが形成されている。
【0067】
ポート部材82の平坦面部82Aには、ピストン53用の挿通穴81Aを塞ぎかつシールするメタルシール85が設けられている。このメタルシール85の外径寸法は挿通穴81Aの外径寸法よりも大きく形成されている。また、このメタルシール85は、ポート部材82の平坦面部82Aと接合し内圧をシールするようになっている。他にも、このメタルシール85は、ポート部材82の平坦面部82Aに形成されたメタルシール85用の嵌合穴に嵌め込まれるようになっている場合もある。
【0068】
以上のような構成の第2実施形態の耐圧疲労試験装置10Aによれば、前記第1実施形態の耐圧疲労試験装置10の作用と略同様の作用と、前記(1)〜(7)と略同様の効果を得ることができる。
【0069】
次に、図10に基づいて本発明の耐圧疲労試験装置の第3実施形態を説明する。
この第3実施形態の耐圧疲労試験装置10Bは、その装置10Bの構成要素であるシリンダ90の構造を、前記第1実施形態および第2実施形態の耐圧疲労試験装置10,10Aにおけるシリンダ50,80の構造と異なる構造としたものである。
したがって、以下にはシリンダ90の説明のみを行う。また、このシリンダ90においても、前記第1、第2実施形態のシリンダ50,80の構成部材と同一部材には同一符号を付し、異なる部位のみを詳細に説明する。
【0070】
第3実施形態のシリンダ90は、シリンダ本体91とこのシリンダ本体91に固着されるポート部材92とで構成されている。そして、ポート部材92が板厚の厚い平坦部材を用いた円板状に形成され、そのポート部材92が複数本の取付けボルト93でシリンダ本体91に固着されている。
【0071】
すなわち、図10に示すように、シリンダ本体91の内部には前記ピストン53用の挿通穴91Aが形成され、また、このシリンダ本体91の端部には上記ポート部材92が配置されかつ固定されている。さらに、シリンダ本体91は、そのフランジ部91Bを前記上板12に当接して前記取付けボルト54により固着されている。
【0072】
ポート部材92は、前述のように円板状の平坦部材で形成され、その径方向中心には液圧回路60と連通する連通小孔92Aが形成され、また、液圧回路60と連結させるためのカップリング用のネジ穴92Bが形成されている。
ポート部材92のシリンダ本体91の先端面との当接面には、ピストン53用の挿通穴91Aの外径寸法よりも大きな外径のメタルシール95が設けられている。このメタルシール95は、ポート部材92の上記当接面と接合し、ポート部材92と一体になって内圧をシールするようになっている。また、このメタルシール95は、別部品としてポート部材92の上記当接面に形成されたメタルシール95用の嵌合穴に嵌め込まれるようになっている場合もある。
【0073】
以上のような構成の第3実施形態の耐圧疲労試験装置10Bによれば、前記第1実施形態の耐圧疲労試験装置10の作用と略同様の作用と、前記(1)〜(7)と略同様の効果を得ることができる他、次のような効果を得ることができる。
【0074】
(8)ポート部材92が板厚の厚い円板状の平坦部材で形成されているので、第1実施形態のシリンダ本体51のようにその端部にネジ穴51Cを形成したり、ポート部材52をネジ部52Dとフランジ部52Bとを有する形状に形成したりしなくてすみ、構造が簡単で、製作の手間も少なくてすむ。
【0075】
以上、前記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、前記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0076】
例えば、前記各実施形態では、ローラ31の左右のローラ支軸部32,32をそれぞれ保持する軸受を円錐ころ軸受33,33で構成したが、これに限らない。ローラ31の左右のローラ支軸部32,32をそれぞれ保持でき、かつラジアル方向とスラスト方向の荷重を逃がすことができるものであれば、アンギュラ玉軸受等を使用してもよい。
【0077】
また、前記第1実施形態ではシリンダ50をシリンダ本体51とポート部材52、第2実施形態ではシリンダ80をシリンダ本体81とポート部材82との2部材、第3実施形態ではシリンダ90をシリンダ本体91とポート部材92との2部材、とにそれぞれ分割した構成としたが、シリンダを1部材で形成し、そのシリンダの挿通穴の液圧回路60側の先端面全部をR形状に形成することで、ピストン53により印加される超高圧を均等に受けるようにする構成が考えられる。しかし、この構成では、シリンダの挿通穴の深い部位でのR加工は非常に困難であり、適用性に問題がある。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、圧力容器内に封入された液体に対して周期的に超高圧と低圧とを印加して、圧力容器の耐圧疲労強度を試験する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
10 耐圧疲労試験装置(第1実施形態)
10A 耐圧疲労試験装置(第2実施形態)
10B 耐圧疲労試験装置(第3実施形態)
20 動力伝達用カム機構
21 偏心カム
22 カム本体
23 偏心量調整部材であるシム
28 回転駆動源
30 回転力変換機構
31 ローラ
32 ローラ支持部
33 円錐ころ軸受
34 軸受機構
50 シリンダ
51 シリンダ本体
52 ポート部材
53 ピストン
55 メタルシール
60 液圧回路
62 逆止弁
65 補充用液圧源
70 圧力容器
80 シリンダ(第2実施形態)
81 シリンダ本体(第2実施形態)
82 ポート部材(第2実施形態)
90 シリンダ(第3実施形態)
91 シリンダ本体(第3実施形態)
92 ポート部材(第3実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が封入された圧力容器の前記液体に対して周期的に超高圧と低圧とを印加するピストンとこのピストンに係合するシリンダを備えた耐圧疲労試験装置であって、
前記超高圧を周期的に発生させるために回転する偏心カムを装備した動力伝達用カム機構と、
前記偏心カムと係合し当該偏心カムの偏心回転力を前記ピストンの往復直線運動に変換する回転力変換機構と、
一端部が前記シリンダの液圧出力端に連通され他端部が前記圧力容器に連通された液圧回路と、を備え、
前記シリンダを、
前記ピストン用の挿通穴を有するシリンダ本体と、このシリンダ本体の前記液圧出力端に前記ピストン用の挿通穴を塞いで密封固着されると共に内部に前記液圧回路に連通する連通小孔が設けられたポート部材と、を備えた構成としたことを特徴とする耐圧疲労試験装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の耐圧疲労試験装置において、
前記回転力変換機構を、
前記偏心カムに当接して回転するローラと、このローラの左右のローラ支軸部を各別に回転支持しかつラジアル方向とスラスト方向の荷重を受けることができる軸受と、一端部で前記各軸受を保持すると共に他端部に前記ピストンのヘッド部を連結した軸受機構と、を備えた構成としたことを特徴とする耐圧疲労試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−261760(P2010−261760A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111538(P2009−111538)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000003388)東京計器株式会社 (103)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】